JP3785473B2 - 放射線滅菌法および滅菌した成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料からなる成形品の放射線による滅菌方法、および放射線滅菌を施してなる医薬品用または食品用容器、および医療用または科学実験用器材に関する。
本発明の方法によって放射線滅菌を施してなる医薬品用または食品用容器、および医療用または科学実験用器材は、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂が本来有する良好な透明性、ガスバリア性、耐薬品性、低溶出性などを具備し、保管、移送、使用する際の破損の危険性が少なく、滅菌による外観・色調の変化が少ないという特性を有している。
【0002】
【従来の技術】
近年、医薬品および食品用の容器、ならびに医療用および科学実験用の器材は蒸気滅菌やγ線、電子線などの放射線滅菌処理を行うため、耐熱性の高いガラス製のものが多く使われていたが、蒸気滅菌に耐えうる透明プラスチックの開発が進められてきている。ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホンなどがそのような透明プラスチックの例である。さらに、最近になって脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂が、特開平4−276253号、特開平4−276537号および特開平5−317411号の各公報、ならびに米国特許第5,468,803号明細書に記載されるように医療用器材、容器に適した材料であるということがわかってきている。脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂は、ポリカーボネート、ポリアリレートおよびポリサルホンに比べ、着色が少なくクリアであること、容器内容物の色調を容易に把握できること、耐薬品性が優れていること、さらに低溶出性という点で医療関連とくにプレフィルドシリンジなど薬品容器として適当な素材であることがわかっている。また、この樹脂は特開平4−276253号公報で知られるとおり酸素や二酸化炭素などのガスバリア性に関しても優れた材料である。
【0003】
しかしながら、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂は、γ線、電子線などの放射線による滅菌によって強度の低下は見られないものの、滅菌によって黄ばんだ色に着色するという問題があり、そのため着色を防止する添加剤を配合した樹脂組成物が提案されている。つまり、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂のみでは、十分に着色が防止された成形品を得ることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂が本来有する良好な透明性、ガスバリア性、耐薬品性、低溶出性などの性質を具備し、保管、移送、使用する際の破損の危険性が少なく、滅菌による外観・色調の変化が少ないという特性を有する成形品を得ることができる放射線による滅菌法を提供することにある。
さらに他の目的は、上記のような特性を有する、放射線滅菌処理された医薬品用および食品用容器、ならびに医療用および科学実験用器材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料からなる成形品の滅菌方法に関して鋭意研究を重ねた結果、放射線による滅菌処理と熱処理とを組合せることによって成形品の着色が著しく低減することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
かくして本発明によれば、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料からなる成形品を、放射線照射処理し、次いで40℃以上で、成形品のガラス転移点より低い温度において30分間以上熱処理することを特徴とする滅菌法が提供される。
【0007】
さらに本発明によれば、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料からなる成形品であって、上記の放射線照射・熱処理を施してなる医薬品用または食品用容器が提供される。
さらに本発明によれば、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料からなる成形品であって、上記の放射線照射・熱処理を施してなる医療用または科学実験用器材が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂
本発明で使用される脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂は、主鎖及び/または側鎖に脂環式構造を有する炭化水素重合体樹脂であり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。重合体の脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造を有するものが最も好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性、および成形性の特性が高度にバランスされ好適である。
【0009】
本発明に使用される脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと耐熱性に劣り好ましくない。脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
【0010】
かかる脂環式構造を有する炭化水素重合体樹脂の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役系ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、およびこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体およびその水素添加物、ならびに環状共役ジエン系重合体およびその水素添加物などが好ましく、ノルボルネン系重合体およびその水素添加物がより好ましい。
【0011】
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体としては、格別な制限はなく、例えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122137号公報などに開示される方法によってノルボルネン系単量体を重合したものが挙げられる。具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重合体およびその水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物の付加型重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性や誘電特性を高度にバランスさせるうえで、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネン系単量体と共重合可能なビニル化合物の付加型重合体などが好ましく、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物が特に好ましい。
【0012】
ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メトキシ−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン; 5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン; 5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド; トリシクロ[4.3.12,5.01,6]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.12,5.01,6]デカ−3−エン; トリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3,8−ジエンまたはこれらの部分水素添加物(またはシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3−エン; 5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン; テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン; 8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン; テトラシクロ[7.4.110,13.01,9.02,7]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.111,14.01,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ペンタシクロ[6.5.11,8.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.13,6.110,13.01,9.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエン; シクロペンタジエンの4量体; などのノルボルネン系単量体などが挙げられる。これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上組合わせて用いられる。
【0013】
ノルボルネン系単量体またはノルボルネン系単量体と共重合可能なビニル系化合物との重合方法および水素添加方法は、格別な制限はなく公知の方法に従って行うことができる。
ノルボルネン系単量体の開環(共)重合体は、ノルボルネン系単量体を、開環重合触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒系を用いて、溶媒中または無溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2 の重合圧力で開環(共)重合させることにより得ることができる。触媒系に、分子状酸素、アルコール、エーテル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のルイス酸などの第三成分を加えて、重合活性や開環重合の選択性を高めることができる。
【0014】
ノルボルネン系単量体とビニル系化合物との付加共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中または無溶媒で、チタン、ジルコニウム、又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の存在下で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm2の重合圧力で共重合させる方法により得ることができる。
水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に従って、開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水素により水素化する方法により得ることができる。
【0015】
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開昭64−66216号公報に開示されているシクロロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
【0016】
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−136057号公報や特開平7−258318号公報に開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体およびその水素添加物などを用いることができる。
【0017】
(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体
ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素単量体の重合体およびその水素添加物などを用いることができる。
【0018】
(5)脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂の特性
本発明で使用される脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂がシクロヘキサンに溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリスチレン換算の数平均分子量で、5,000以上、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは8,000〜200,000、特に好ましくは10,000〜100,000の範囲であるときに、成形材料の成形性と成形品の機械的強度、耐熱変形性などがよくバランスし、好適である。
【0019】
脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、成形品の使用環境から高い方が好ましく、通常80〜400℃、好ましくは100〜300℃、より好ましくは120〜250℃である。Tgがこの範囲にあるときに、成形性が良好で、所望の形状の成形品を効率的に得ることができ、またγ線照射・熱処理時に熱変形することがなく、好適である。
【0020】
脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂の5%加熱減量温度(窒素雰囲気中で、5℃/分の昇温速度で測定)は、好ましくは280℃以上、特に好ましくは350℃以上である。5%加熱減量温度が低すぎると、溶融成形時において流動性を向上させる目的で、樹脂温度を高温にすると樹脂の分解が起き、成形品内に分解による気泡の包含等の成形不良が発生しやすいという問題がある。5%加熱減量温度が上記範囲にある場合には、溶融成形時において流動性を向上させる目的で、樹脂温度を高温にしても気泡の含有などの成形不良が発生しにくく好適である。脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂の温度260℃における溶融粘度は、通常1×101〜1×105ポイズ、好ましくは1×102〜1×103ポイズである。溶融粘度がこの範囲にあるときに、樹脂の成形性と、成形品の機械強度がバランスして好適である。
【0021】
成形材料とその他の成分
本発明において成形材料として用いる上記の脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂には、必要に応じて、その他の重合体、各種配合剤、充填剤を単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0022】
(1)その他の重合体
脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂に必要に応じて混合される重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、SBS、SIS、SEBSなどのゴム;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホンなどの樹脂;などのその他のポリマーを配合することができる。また、これらのその他のポリマーはそれぞれ単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。また、その割合は、本発明の目的が損なわれない範囲で適宜選択される。
【0023】
(2)配合剤
脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂に必要に応じて添加される配合剤としては、熱可塑性樹脂材料で通常用いられているものであれば格別な制限はなく、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、近赤外線吸収剤、染料や顔料などの着色剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、蛍光増白剤などの配合剤が挙げられる。
【0024】
老化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられるが、これらの中でも、フェノール系酸化防止剤が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が特に好ましい。
【0025】
フェノール系酸化防止剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン[すなわち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]、トリエチレングリコール ビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)などのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;などが挙げられる。
【0026】
リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)などのジホスファイト系化合物などが挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが特に好ましい。
【0027】
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピピオネート、ジステアリル 3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ [5,5] ウンデカンなどが挙げられる。
【0028】
これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化防止剤の配合量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、ポリマー成分100重量部に対して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。
【0029】
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;4−t−ブチルフェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミジルメチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどのベゾエート系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデカロキシ−2−ホドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのアクリレート系紫外線吸収剤;[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケルなどの金属錯体系紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0030】
光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル) セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができる。
【0031】
近赤外線吸収剤は、例えば、シアニン系近赤外線吸収剤;ピリリウム系赤外線吸収剤;スクワリリウム系近赤外線吸収剤;クロコニウム系赤外線吸収剤;アズレニウム系近赤外線吸収剤;フタロシアニン系近赤外線吸収剤; ジチオール金属錯体系近赤外線吸収剤;ナフトキノン系近赤外線吸収剤;アントラキノン系近赤外線吸収剤;インドフェノール系近赤外線吸収剤;アジ系近赤外線吸収剤;等が挙げられる。また、市販品の近赤外線吸収剤SIR−103,SIR−114,SIR−128,SIR−130,SIR−132,SIR−152,SIR−159,SIR−162(以上、三井東圧染料製)、Kayasorb IR−750,Kayasorb IRG−002,Kayasorb IRG−003,IR−820B,Kayasorb IRG−022,KayasorbIRG−023,Kayasorb CY−2,Kayasorb CY−4,Kayasorb CY−9(以上、日本化薬製)等を挙げることできる。
【0032】
染料としては、脂環式構造を有する炭化水素重合体に均一に分散・溶解するものであれば特に限定されないが、本発明で用いられる炭化水素重合体との相溶性が優るので油溶性染料(各種C.I.ソルベント染料)が広く用いられる。油溶性染料の具体例としてはThe Society of Dyes and Colourists社刊Color Index vol.3に記載される各種のC.I.ソルベント染料が挙げられる。
【0033】
顔料としては、例えば、ピグメントレッド38などのジアリリド系顔料;ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド53、ピグメントレッド57:1などのアゾレーキ系顔料;ピグメントレッド144、ピグメントレッド166、ピグメントレッド220、ピグメントレッド221、ピグメントレッド248などの縮合アゾ系顔料;ピグメントレッド171、ピグメントレッド175、ピグメントレッド176、ピグメントレッド185、ピグメントレッド208などのペンズイミダゾロン系顔料;ピグメントレッド122などのキナクリドン系顔料;ピグメントレッド149、ピグメントレッド178、ピグメントレッド179などのペリレン系顔料;ピグメントレッド177などのアントラキノン系顔料が挙げられる。
【0034】
本発明の成形品の着色を必要とするときは、染料と顔料のいずれでも、本発明の目的の範囲で使用でき、限定されるものではない。
滑剤としては、脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールのエステルあるいは部分エステルなどの有機化合物や無機微粒子などを用いることができる。有機化合物としては、例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレートなどが挙げられる。
【0035】
他の滑剤としては、一般に無機粒子を用いることができる。ここで無機微粒子としては、周期律表の1族、2族、4族、6〜14族元素の酸化物、硫化物、水酸化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸塩およびそれらの含水化物、それらを中心とする複合化合物、天然化合物などの粒子が挙げられる。
【0036】
可塑剤としては、例えば、トリクレジルフォスフェート、トリキシリルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリエチルフェニルフォスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、モノフェニルジクレジルフォスフェート、ジフェニルモノキシレニルフォスフェート、モノフェニルジキシレニルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリエチルフォスフェートなどの燐酸トリエステル系可塑剤;フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル系可塑剤;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤;二価アルコールエステル系可塑剤;オキシ酸エステル系可塑剤;などが使用できるが、これらの中でも燐酸トリエステル系可塑剤が好ましく、トリクレジルフォスフェート、トリキシリルフォスフェートが特に好ましい。
【0037】
さらに、柔軟化剤ないし可塑剤として、主骨格が主にC−CまたはC=C構造である常温で液状の炭化水素ポリマーが好ましく用いられる。液状炭化水素ポリマーの中でも、主鎖の中に炭化水素環をもたない直鎖状または分岐鎖状の液状炭化水素ポリマーが好ましい。また、得られる成形品の耐候性に優れることから、C=C構造を実質的に持たないものが好ましい。この液状炭化水素ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは10,000以下、より好ましくは200〜8,000、特に好ましくは300〜4,000の範囲である。液状炭化水素ポリマーの具体例としては、スクアラン(C30H62、Mw=422.8)、流動パラフィン(ホワイトオイル、JIS K2231に規定されるISO VG10、ISO VG15、ISO VG32、ISO VG68、ISO VG100、VG8およびVG21など)、ポリイソブテン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレンなどが挙げられる。これらの中でもスクアラン、流動パラフィンおよびポリイソブテンが好ましい。
【0038】
帯電防止剤としては、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの長鎖アルキルアルコール、グリセリンモノステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどの多価アルコールの脂肪酸エステルなどが挙げられるが、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが特に好ましい。
【0039】
これらの配合剤は単独、2種以上混合して用いることができ、その割合は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択される。配合量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂100重量部に対して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。
【0040】
(3)充填剤
有機または無機の充填剤としては、例えば、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、塩基性炭酸マグネシウム、ドワマイト、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベストなどの鉱物; ガラス繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの繊維;ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、などを例示できる。
【0041】
これらの充填剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて添加することができる。充填剤の配合割合は、本発明の目的を損ねない範囲で、それぞれの機能及び使用目的に応じて適宜定めることができる。
【0042】
成形
上記成分(脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂と必要に応じて、その他の重合体、配合剤および充填剤)を、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂の製造工程で添加する、または製造後に二軸押出機などの溶融状態で混練して用いることができる。通常は、ペレットとして用いることができる。
脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料は常法に従って成形される。一般には、射出成形法が採用される。
【0043】
放射線滅菌
成形品は放射線照射によって滅菌処理される。放射線としてはγ線または電子線が好ましい。γ線による照射は成形品の形状、材質にかかわらず均一な滅菌効果が得られ、連続照射ができる点で有利であるが、高速処理には適さず、ライン処理が難かしい点では有利でない。電子線による照射は高速ライン処理が可能であり、照射エネルギーその他の照射条件が制御できる点で有利であるが、成形品によっては透過が困難なものがあり制約される点では有利でない。滅菌処理の生産性に優れる点ではγ線による滅菌処理が好ましい。γ線および電子線以外の放射線による滅菌処理は装置コストの面で劣り実用的でない。
【0044】
成形品の放射線による照射は常法に従って行うことができる。すなわち、γ線照射処理は、かごなどの容器に収容した成形品にラジオアイソトープ(Co−60)からの電磁放射線を照射することによって行われる。電子線照射処理は金属を加熱して発生する熱電子または電界効果(フィールドミッション)により発生した電子を加速し、照射するものである。電子線の照射は高エネルギー型(加速電圧3.0MeV以上)または中エネルギー型(加速電圧300keV〜3.0MeV)電子線加速器を用いて、スポット状の電子ビームに磁界を加えたうえ所望幅に走査する走査型装置、および低エネルギー型(加圧電圧300keV以下または150keV以下)電子線加速器を用いてフィラメント状発生源からの熱電子を広い範囲から取出し、加速し、所望幅に照射するカーテン型装置のいずれも採用可能であるが、低エネルギー型加速器によるカーテン型照射装置が照射効率およびコスト面から有利である。
滅菌に必要な照射線量は、電子線およびγ線ともに、一般に用いられている最小線量2.5Mrad(25kGy)が得られるように2.5〜3.0Mrad程度照射する。
【0045】
放射線照射処理を行った成形品は、40℃以上で、成形品のガラス転移温度より低い温度、好ましくはガラス転移温度より5℃以上低い温度において30分間以上熱処理を行う。熱処理温度が40℃未満であると熱処理後の成形品に着色が残り、透明性および内容物の視認性に優れた容器などが得難くなる。熱処理温度がガラス転移温度に達すると成形品に塑性変形を生じるので、ガラス転移温度より低い温度で熱処理しなければならない。熱処理時間が短時間であると熱処理後の成形品に着色が残り、透明性および視認性に劣る。熱処理時間の上限は格別限定されないが、極度に長い熱処理を行わなくとも目的とする着色低減効果が達成されるので、一般に30分〜96時間(4日間)が好ましく、2時間〜48時間(2日間)がさらに好ましい。
【0046】
熱処理時の湿度は特に限定されないが30%RH以下が好ましく、また、熱処理時の気圧も特に限定されないが0〜2.5kg/cm2 が好ましい。
熱処理は、通常の電熱オーブンの中で行ってもよく、通風乾燥機のような、内部が均一に加熱されるタイプのものでもよい。好ましくは、成形品の酸化劣化を抑えるために、窒素などの不活性ガス雰囲気下で行う。
【0047】
【実施例】
以下、実施例、比較例および参考例について本発明を具体的に説明する。これらの具体例において、部は重量基準である。
【0048】
参考例1
窒素置換下に、エチルテトラシクロドデセン(以下「ETCD」と略す)20部に、シクロヘキサン200部、1−ヘキセン2.0部、トリエチルアルミニウム15重量%トルエン溶液15部およびトリエチルアミン5.0部を加え、20℃に保ち、撹拌しながら、ETCD80部および四塩化チタン20重量%トルエン溶液9.0部を60分にわたって連続的に加えた。その後、1時間反応させた後、エチルアルコール5.0部および水2.0部を加えて反応を停止させた。反応溶液を40℃に加温して触媒を加水分解した後、硫酸カルシウム3部およびシクロヘキサン60部を加え、過剰の水を除去した。析出した金属を含む沈殿物を濾過して除去し、ETCD開環重合体を含む透明な重合体溶液371部を得た。この操作を繰り返し得た重合体溶液750部に、Ni−ケイソウ土触媒(日揮化学製、N113)15部を添加し、耐圧反応容器に入れ、水素を導入して圧力50kg/cm2 、温度200℃で3時間水素添加反応を行った。反応終了後、シクロヘキサン700部を加えて希釈し、濾過により触媒を除き、開環重合体水素添加物含有重合体溶液1350部を得た。
【0049】
参考例2
参考例1で得られたETCD開環重合体水素添加物シクロヘキサン溶液800部を、活性アルミナ(水澤化学製、ネオビードD)4.5部を充填した内径10cm、長さ100cmのカラムに滞留時間100秒になるように通過させて、24時間循環させた。この溶液550部をイソプロパノール1500部中へ撹拌しながら注ぎ、ETCD開環重合体水素添加物を凝固させた。凝固させたETCD開環重合体水素添加物を濾過して回収し、イソプロパノール300部で2回洗浄した後、回転式減圧乾燥器中で5torr、120℃で48時間乾燥し、ETCD開環重合体水素添加物78部を得た。
このETCD開環重合体水素添加物は、85℃のデカリン溶液中で測定した極限粘度[η]が0.4dl/g、トルエンを溶媒としたGPCでポリスチレン換算で測定されるMw/Mnの比が2.1、水素添加率99.8%以上、示差走査熱量分析によるガラス転移点(Tg)が140℃であった。
【0050】
参考例3
参考例2で得られた重合体水素添加物を用いて、FS80(日精樹脂工業)射出成形機で、樹脂温度280℃、金型温度100℃で、厚さ3mm、長さ90mm、幅55mmのサイズの板を射出成形した。成形品の厚さ方向3mmのブランクを空気とした400nmでの光線透過率(T400 %;「黄色み」がよく表される波長)は90%であった。
【0051】
参考例4
エチレン66モル%と8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12 , 5.17,8 ]ドデカ−3−エン34モル%とを重合し、ペレット化して、固有粘度0.64dl/g(35℃デカリン中)、ガラス転移温度140℃の熱可塑性樹脂(テトラシクロドデセン/エチレン付加共重合体)を得た。この樹脂中の脂環式構造を有する繰返し単位の割合は75重量%、ノルボルナン環を有さない脂環式構造を有する繰返し単位の割合は0重量%であった。
【0052】
参考例5
参考例4で得られた共重合体樹脂を用いて、参考例3と同様の条件で同様の板を成形した。成形品は外観上非常に透明感が高く、着色がなかった。成形品の厚さ方向3mmのブランクを空気とした400nmでの光線透過率は88%であった。
【0053】
参考例6
ETCDに代えてジシクロペンタジエン(以下「DCPD」と略す)を用いた他は実質的に参考例1と同様な方法により重合および水素化を行って、ガラス転移温度100℃を有するジシクロペンタジエン重合体水素添加物を得た。
【0054】
参考例7
参考例6で得られたDCPD重合体樹脂を用いて、参考例3と同様の条件で同様の板を成形した。成形品は外観上非常に透明感が高く、着色がなかった。成形品の厚さ方向3mmのブランクを空気とした400nmでの光線透過率は91%であった。
【0055】
比較例1
参考例3で得られた板を、照射量25kGy目標でγ線滅菌した。実際に照射された線量は29.2kGyであった。400nmの光線透過率(T400 %)は69%であった。γ線滅菌から30時間経過した後のT400 %は70%、同じく滅菌から50時間後および100時間後のT400 %はそれぞれ、72%および75%であった。100時間後にはやや黄色みが薄くなった。
【0056】
実施例1
比較例1と同様の条件でγ線滅菌を行った。滅菌直後のT400 %は69%で、目視で黄色く着色していた。滅菌を行って5時間後に、80℃に加熱したオーブンに投入し、25時間静置したところT400 %は77%となり、黄色みが薄くなった。同じく50時間後および100時間後でのT400 %はそれぞれ、82%および86%であり、100時間後にはほぼ黄色みがなくなった。
【0057】
実施例2
比較例1と同様の条件でγ線滅菌を行った。滅菌直後の400nmのT400 %は69%で、目視で黄色く着色していた。滅菌を行って5時間後に、100℃に加熱したオーブンに投入し、25時間静置したところT400 %は84%となり、ほぼ黄色みがなくなった。同じく50時間後および100時間後でのT400 %はそれぞれ、86%および88%であった。
【0058】
実施例3
比較例1と同様の条件でγ線滅菌を行った。滅菌直後の400nmのT400 %は69%で、目視で黄色く着色していた。滅菌を行って5時間後に、60℃に加熱したオーブンに投入し、25時間静置したところT400 %は73%となり、やや黄色みが薄くなった。同じく50時間後および100時間後でのT400 %はそれぞれ、78%および85%であった。100時間後にはほぼ黄色みがなくなった。
【0059】
比較例2
参考例5で得られた板を、照射量25kGy目標でγ線滅菌した。実際に照射された線量は29.2kGyであった。T400 %は65%であり、黄色く着色した。滅菌から30時間経過した後のT400 %は65%、同じく滅菌から50時間後および100時間後のT400 %はそれぞれ、71%および74%であった。100時間後にはやや黄色みが薄くなった。
【0060】
実施例4
比較例2と同様の条件で参考例5で得られた板を、γ線滅菌を行った。滅菌直後の400nmのT400 %は65%で、目視で黄色く着色していた。滅菌を行って5時間後に、100℃に加熱したオーブンに投入し、25時間静置したところT400 %は79%となり、黄色みが薄くなった。同じく50時間後および100時間後のT400 %はそれぞれ、84%および85%であった。100時間後にはほぼ黄色みがなくなった。
【0061】
比較例3
参考例7で得られた板を、照射量25kGy目標でγ線滅菌した。実際に照射された線量は29.2kGyであった。T400 %は70%であり、黄色く着色した。滅菌から30時間経過した後のT400 %は71%、光線透過率変化(ΔT)は1%であった。同じく滅菌から50時間後および100時間後のT400 %はそれぞれ、73%および77%であった。100時間後にはやや黄色みが薄くなった。
【0062】
実施例5
比較例3と同様の条件で参考例7で得られた板を、γ線滅菌を行った。滅菌直後のT400 %は70%で、目視で黄色く着色していた。滅菌を行って5時間後に、80℃に加熱したオーブンに投入し、25時間静置したところT400 %は79%となり、黄色みが薄くなった。同じく50時間後および100時間後でのT400 %はそれぞれ、84%および88%であった。
【0063】
実施例6
比較例1と同様の条件で参考例7で得られた板を、γ線滅菌を行った。滅菌直後のT400 %は70%で、目視で黄色く着色していた。滅菌を行って5時間後に、60℃に加熱したオーブンに投入し、25時間静置したところT400 %は74%となり、黄色みが薄くなった。同じく50時間後および100時間後でのT400 %はそれぞれ、79%および87%であった。100時間後にはほぼ黄色みがなくなった。
【0064】
実施例7
比較例1と同様の条件で参考例7で得られた板を、γ線滅菌を行った。滅菌直後のT400 %は70%で、目視で黄色く着色していた。滅菌を行って5時間後に、窒素を大気圧に満たした80℃で真空乾燥機に投入し、25時間静置したところT400 %は79%となり、黄色みが薄くなった。同じく50時間後および100時間後でのT400 %はそれぞれ、84%および90%であった。100時間後にはほぼ黄色みがなくなった。
上記各実施例および比較例で得られた結果をまとめて表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
表1にみられるとおり、γ線照射滅菌処理の後に室温で放置した場合(比較例1〜3)と比較して、γ線照射滅菌処理の後に加熱処理した場合(実施例1〜7)には脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂成形品の着色低減度合いは大きい。特に窒素ガス雰囲気中で加熱処理を行った場合(実施例7)に最良の結果が得られる。
【0067】
【発明の効果】
本発明の放射線による滅菌法によれば、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂が本来有する良好な透明性、ガスバリア性、耐薬品性、低溶出性などの性質を具備し、保管、移送、使用する際の破損の危険性が少なく、滅菌による外観・色調の変化が少ないという特性を有する成形品を得ることができる。
本発明の放射線による滅菌法は、特に、医薬品用および食品用容器、ならびに医療用および科学実験用器材などの滅菌処理に好適である。医薬品用容器の具体例としては、広口びん、狭口びん、バイヤルびん、プレフィルドシリンジ、アンプルおよびプレススルーパッケージなどが挙げられ、食品用容器の具体例としては、袋、トレイおよびシール容器などが挙げられる。医療用器材の具体例としては、注射器、外科用メス、採血管、血液バッグ、カテーテル、シャントなどが挙げられ、また、科学実験用器材の具体例としては、ビーカー、シャーレおよびフラスコなどが挙げられる。
【0068】
(発明の好ましい実施態様)
本発明の放射線による滅菌法、すなわち、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料からなる成形品を、放射線照射処理し、次いで40℃以上で、成形品のガラス転移点より低い温度において30分間以上熱処理することを特徴とする滅菌法の好ましい実施態様をまとめると以下のとおりである。
【0069】
(1)脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂は、炭素数4〜30、より好ましくは5〜15のシクロアルカン構造またはシクロアルケン構造、特に好ましくはシクロアルカン構造を有する繰返し単位を30重量%以上、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上含有する炭化水素重合体樹脂である。
(2)脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂は、ノルボルネン系重合体およびその水素化物、ならびに環状共役ジエン系重合体およびその水素化物から選ばれ、より好ましくはノルボルネン系重合体およびその水素化物から選ばれる。
【0070】
(3)脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂は、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂がシクロヘキサンに溶解しないときはトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリスチレン換算の分子量で5,000以上、より好ましくは5,000〜500,000、さらに好ましくは8,000〜200,000を有し、かつ、ガラス転移温度80〜400℃、より好ましくは100〜300℃、さらに好ましくは120〜250℃を有する。
(4)放射線がγ線または電子線である。
【0071】
(5)放射線照射処理した成形品は、40℃以上で、成形品のガラス転移温度より低い温度、より好ましくはガラス転移温度より5℃以上低い温度において30分間〜96時間、さらに好ましくは2〜48時間熱処理する。
(6)熱処理時の温度は30%RH以下、気圧は0〜2.5kg/cm2 である。
(7)放射線は、その吸収線量が2.5〜3.0Mradとなるように照射する。
Claims (3)
- 脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料からなる成形品を、放射線照射処理し、次いで40℃以上で、成形品のガラス転移点より低い温度において30分間以上熱処理することを特徴とする滅菌法。
- 脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料からなる成形品であって、請求項1記載の放射線照射・熱処理を施してなる医薬品用または食品用容器。
- 脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料からなる成形品であって、請求項1記載の放射線照射・熱処理を施してなる医療用または科学実験用器材。
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