JP2000005283A - 放射線滅菌法および滅菌した成形品 - Google Patents

放射線滅菌法および滅菌した成形品

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JP2000005283A JP10191081A JP19108198A JP2000005283A JP 2000005283 A JP2000005283 A JP 2000005283A JP 10191081 A JP10191081 A JP 10191081A JP 19108198 A JP19108198 A JP 19108198A JP 2000005283 A JP2000005283 A JP 2000005283A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主成
分とする成形材料からなる成形品、特に、医薬品用およ
び食品用容器、ならびに医療用および科学実験用器材な
どであって、放射線による滅菌処理時における外観・色
調の変化を最小にする。 【解決手段】 脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主
成分とする成形材料からなる成形品を、γ線または電子
線などの放射線により照射処理し、次いで40℃以上
で、成形品のガラス転移点より低い温度において30分
間以上熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂環式構造含有炭
化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料からなる成形
品の放射線による滅菌方法、および放射線滅菌を施して
なる医薬品用または食品用容器、および医療用または科
学実験用器材に関する。本発明の方法によって放射線滅
菌を施してなる医薬品用または食品用容器、および医療
用または科学実験用器材は、脂環式構造含有炭化水素重
合体樹脂が本来有する良好な透明性、ガスバリア性、耐
薬品性、低溶出性などを具備し、保管、移送、使用する
際の破損の危険性が少なく、滅菌による外観・色調の変
化が少ないという特性を有している。
【0002】
【従来の技術】近年、医薬品および食品用の容器、なら
びに医療用および科学実験用の器材は蒸気滅菌やγ線、
電子線などの放射線滅菌処理を行うため、耐熱性の高い
ガラス製のものが多く使われていたが、蒸気滅菌に耐え
うる透明プラスチックの開発が進められてきている。ポ
リカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホンなどが
そのような透明プラスチックの例である。さらに、最近
になって脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂が、特開平
4−276253号、特開平4−276537号および
特開平5−317411号の各公報、ならびに米国特許
第5,468,803号明細書に記載されるように医療
用器材、容器に適した材料であるということがわかって
きている。脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂は、ポリ
カーボネート、ポリアリレートおよびポリサルホンに比
べ、着色が少なくクリアであること、容器内容物の色調
を容易に把握できること、耐薬品性が優れていること、
さらに低溶出性という点で医療関連とくにプレフィルド
シリンジなど薬品容器として適当な素材であることがわ
かっている。また、この樹脂は特開平4−276253
号公報で知られるとおり酸素や二酸化炭素などのガスバ
リア性に関しても優れた材料である。
【0003】しかしながら、脂環式構造含有炭化水素重
合体樹脂は、γ線、電子線などの放射線による滅菌によ
って強度の低下は見られないものの、滅菌によって黄ば
んだ色に着色するという問題があり、そのため着色を防
止する添加剤を配合した樹脂組成物が提案されている。
つまり、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂のみでは、
十分に着色が防止された成形品を得ることは困難であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、脂環
式構造含有炭化水素重合体樹脂が本来有する良好な透明
性、ガスバリア性、耐薬品性、低溶出性などの性質を具
備し、保管、移送、使用する際の破損の危険性が少な
く、滅菌による外観・色調の変化が少ないという特性を
有する成形品を得ることができる放射線による滅菌法を
提供することにある。さらに他の目的は、上記のような
特性を有する、放射線滅菌処理された医薬品用および食
品用容器、ならびに医療用および科学実験用器材を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、脂環式構
造含有炭化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料から
なる成形品の滅菌方法に関して鋭意研究を重ねた結果、
放射線による滅菌処理と熱処理とを組合せることによっ
て成形品の着色が著しく低減することを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0006】かくして本発明によれば、脂環式構造含有
炭化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料からなる成
形品を、放射線照射処理し、次いで40℃以上で、成形
品のガラス転移点より低い温度において30分間以上熱
処理することを特徴とする滅菌法が提供される。
【0007】さらに本発明によれば、脂環式構造含有炭
化水素重合体樹脂を主成分とする成形材料からなる成形
品であって、上記の放射線照射・熱処理を施してなる医
薬品用または食品用容器が提供される。さらに本発明に
よれば、脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主成分と
する成形材料からなる成形品であって、上記の放射線照
射・熱処理を施してなる医療用または科学実験用器材が
提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】脂環式構造含有炭化水素重合体樹
本発明で使用される脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂
は、主鎖及び/または側鎖に脂環式構造を有する炭化水
素重合体樹脂であり、機械的強度、耐熱性などの観点か
ら、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。重合
体の脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロア
ルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)
構造などが挙げられるが、機械的強度、耐熱性などの観
点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好
ましく、中でもシクロアルカン構造を有するものが最も
好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な
制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20
個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機
械的強度、耐熱性、および成形性の特性が高度にバラン
スされ好適である。
【0009】本発明に使用される脂環式構造含有炭化水
素重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割
合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常
30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ま
しくは70重量%以上である。脂環式構造含有炭化水素
重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合
が過度に少ないと耐熱性に劣り好ましくない。脂環式構
造含有炭化水素重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り
返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に
応じて適宜選択される。
【0010】かかる脂環式構造を有する炭化水素重合体
樹脂の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系
重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)
環状共役系ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水
素重合体、およびこれらの水素添加物などが挙げられ
る。これらの中でも、ノルボルネン系重合体およびその
水素添加物、ならびに環状共役ジエン系重合体およびそ
の水素添加物などが好ましく、ノルボルネン系重合体お
よびその水素添加物がより好ましい。
【0011】(1)ノルボルネン系重合体 ノルボルネン系重合体としては、格別な制限はなく、例
えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122
137号公報などに開示される方法によってノルボルネ
ン系単量体を重合したものが挙げられる。具体的には、
ノルボルネン系単量体の開環重合体およびその水素添加
物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン
系単量体とビニル化合物の付加型重合体などが挙げられ
る。これらの中でも、耐熱性や誘電特性を高度にバラン
スさせるうえで、ノルボルネン系単量体の開環重合体水
素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、ノル
ボルネン系単量体と共重合可能なビニル化合物の付加型
重合体などが好ましく、ノルボルネン系単量体の開環重
合体水素添加物が特に好ましい。
【0012】ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ
[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名ノルボルネ
ン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2
−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプタ2−エン、5−ヘキシル−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタ
デシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5
−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エ
ン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−
2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−2−エン、5−メトキシ−カルボニル−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノ−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5
−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
−2−エン; 5−メトキシカルボニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイ
ト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−
メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキ
シメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ
カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6
−ジカルボン酸イミド;トリシクロ[4.3.12,5
1,6]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタ
ジエン)、トリシクロ[4.3.12,5.01,6]デカ−
3−エン; トリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウン
デカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.1
2,5.01,6]ウンデカ−3,8−ジエンまたはこれらの
部分水素添加物(またはシクロペンタジエンとシクロヘ
キセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.12,5
1,6]ウンデカ−3−エン; 5−シクロペンチル−
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロ
ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン; テトラシクロ[4.4.12,5.1
7,10.0]−ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデ
センともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.1
2,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチルテ
トラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−
3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.1
2,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチリデ
ンテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデ
カ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[[4.4.1
2,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−プロペニ
ル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ド
デカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.12,5
7,10.0]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシテト
ラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3
−エン; 8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.
4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−シ
クロヘキシル−テトラシクロ[4.4.12,5
7,10.0]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニ
ル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ド
デカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テト
ラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3
−エン; テトラシクロ[7.4.110,13.01,9.0
2,7]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,
4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオ
レンともいう)、テトラシクロ[8.4.111,14.0
1,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラ
エン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10
a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ペンタシク
ロ[6.5.11,8.13,6.02,7.09,13]ペンタデ
カ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.
3,6.110,13.01,9.02,7]ペンタデカ−4,11
−ジエン; シクロペンタジエンの4量体; などのノ
ルボルネン系単量体などが挙げられる。これらのノルボ
ルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上組
合わせて用いられる。
【0013】ノルボルネン系単量体またはノルボルネン
系単量体と共重合可能なビニル系化合物との重合方法お
よび水素添加方法は、格別な制限はなく公知の方法に従
って行うことができる。ノルボルネン系単量体の開環
(共)重合体は、ノルボルネン系単量体を、開環重合触
媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミ
ウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝
酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからな
る触媒系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウ
ム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化
物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム
化合物とからなる触媒系を用いて、溶媒中または無溶媒
で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50k
g/cm2 の重合圧力で開環(共)重合させることに
より得ることができる。触媒系に、分子状酸素、アルコ
ール、エーテル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸
クロリド、エステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化
合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のルイ
ス酸などの第三成分を加えて、重合活性や開環重合の選
択性を高めることができる。
【0014】ノルボルネン系単量体とビニル系化合物と
の付加共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中ま
たは無溶媒で、チタン、ジルコニウム、又はバナジウム
化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の存
在下で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜5
0kg/cm2の重合圧力で共重合させる方法により得
ることができる。水素添加ノルボルネン系重合体は、常
法に従って、開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下
に水素により水素化する方法により得ることができる。
【0015】(2)単環の環状オレフィン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開
昭64−66216号公報に開示されているシクロロヘ
キセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の
環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることがで
きる。
【0016】(3)環状共役ジエン系重合体 環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−
136057号公報や特開平7−258318号公報に
開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエ
ンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,
4−付加重合した重合体およびその水素添加物などを用
いることができる。
【0017】(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体 ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、ビニ
ルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル
脂環式炭化水素単量体の重合体およびその水素添加物な
どを用いることができる。
【0018】(5)脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂
の特性 本発明で使用される脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂
の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シク
ロヘキサン溶液(重合体樹脂がシクロヘキサンに溶解し
ない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・
クロマトグラフ法で測定したポリスチレン換算の数平均
分子量で、5,000以上、好ましくは5,000〜5
00,000、より好ましくは8,000〜200,0
00、特に好ましくは10,000〜100,000の
範囲であるときに、成形材料の成形性と成形品の機械的
強度、耐熱変形性などがよくバランスし、好適である。
【0019】脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂のガラ
ス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択され
ればよいが、成形品の使用環境から高い方が好ましく、
通常80〜400℃、好ましくは100〜300℃、よ
り好ましくは120〜250℃である。Tgがこの範囲
にあるときに、成形性が良好で、所望の形状の成形品を
効率的に得ることができ、またγ線照射・熱処理時に熱
変形することがなく、好適である。
【0020】脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂の5%
加熱減量温度(窒素雰囲気中で、5℃/分の昇温速度で
測定)は、好ましくは280℃以上、特に好ましくは3
50℃以上である。5%加熱減量温度が低すぎると、溶
融成形時において流動性を向上させる目的で、樹脂温度
を高温にすると樹脂の分解が起き、成形品内に分解によ
る気泡の包含等の成形不良が発生しやすいという問題が
ある。5%加熱減量温度が上記範囲にある場合には、溶
融成形時において流動性を向上させる目的で、樹脂温度
を高温にしても気泡の含有などの成形不良が発生しにく
く好適である。脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂の温
度260℃における溶融粘度は、通常1×101〜1×
105ポイズ、好ましくは1×102〜1×103ポイズ
である。溶融粘度がこの範囲にあるときに、樹脂の成形
性と、成形品の機械強度がバランスして好適である。
【0021】成形材料とその他の成分 本発明において成形材料として用いる上記の脂環式構造
含有炭化水素重合体樹脂には、必要に応じて、その他の
重合体、各種配合剤、充填剤を単独で、あるいは2種以
上混合して用いることができる。
【0022】(1)その他の重合体 脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂に必要に応じて混合
される重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、SBS、SIS、SEBSなどのゴム;ポリスチレ
ン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポ
リエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、
ポリスルホンなどの樹脂;などのその他のポリマーを配
合することができる。また、これらのその他のポリマー
はそれぞれ単独で、あるいは2種以上混合して用いるこ
とができる。また、その割合は、本発明の目的が損なわ
れない範囲で適宜選択される。
【0023】(2)配合剤 脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂に必要に応じて添加
される配合剤としては、熱可塑性樹脂材料で通常用いら
れているものであれば格別な制限はなく、例えば、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、近赤外線吸収剤、染
料や顔料などの着色剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、蛍
光増白剤などの配合剤が挙げられる。
【0024】老化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙
げられるが、これらの中でも、フェノール系酸化防止剤
が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が特
に好ましい。
【0025】フェノール系酸化防止剤としては、従来公
知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−
t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2
−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート
などの特開昭63−179953号公報や特開平1−1
68643号公報に記載されるアクリレート系化合物;
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレ
ン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレ
ン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロ
キシフェニルプロピオネート)メタン[すなわち、ペン
タエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネー
ト)]、トリエチレングリコール ビス(3−(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオネート)などのアルキル置換フェノール系化合物;
6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリ
ノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリア
ジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジ
ン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリ
アジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;な
どが挙げられる。
【0026】リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工
業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例え
ば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシル
ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ト
リス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジ
ヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−
10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;
4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,
4’イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル
(C12〜C15)ホスファイト)などのジホスファイ
ト系化合物などが挙げられる。これらの中でも、モノホ
スファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイトなどが特に好ましい。
【0027】イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジ
ラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル
3,3’−チオジプロピピオネート、ジステアリル
3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル
3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール
−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネー
ト、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ [5,5] ウン
デカンなどが挙げられる。
【0028】これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の配合量は、本発明の目的を損なわれない範
囲で適宜選択されるが、ポリマー成分100重量部に対
して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜
1重量部の範囲である。
【0029】紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)2H−ベンゾトリ
アゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2
−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−
t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾ
トリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤;4−t−ブチルフェニル−2−ヒドロキシベンゾエ
ート、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、2,4
−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル
−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミジルメ
チル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オ
クチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベ
ンゾトリアゾールなどのベゾエート系紫外線吸収剤;
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物、2
−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−
ドデカロキシ−2−ホドロキシベンゾフェノン、4−ベ
ンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾ
フェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;エチル
−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2’
−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルア
クリレートなどのアクリレート系紫外線吸収剤;[2,
2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−
2−エチルヘキシルアミンニッケルなどの金属錯体系紫
外線吸収剤などが挙げられる。
【0030】光安定剤としては、例えば、2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネー
ト、4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−(3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジンなどのヒンダードアミン系光安
定剤を挙げることができる。
【0031】近赤外線吸収剤は、例えば、シアニン系近
赤外線吸収剤;ピリリウム系赤外線吸収剤;スクワリリ
ウム系近赤外線吸収剤;クロコニウム系赤外線吸収剤;
アズレニウム系近赤外線吸収剤;フタロシアニン系近赤
外線吸収剤; ジチオール金属錯体系近赤外線吸収剤;
ナフトキノン系近赤外線吸収剤;アントラキノン系近赤
外線吸収剤;インドフェノール系近赤外線吸収剤;アジ
系近赤外線吸収剤;等が挙げられる。また、市販品の近
赤外線吸収剤SIR−103,SIR−114,SIR
−128,SIR−130,SIR−132,SIR−
152,SIR−159,SIR−162(以上、三井
東圧染料製)、Kayasorb IR−750,Ka
yasorb IRG−002,Kayasorb I
RG−003,IR−820B,Kayasorb I
RG−022,KayasorbIRG−023,Ka
yasorb CY−2,Kayasorb CY−
4,Kayasorb CY−9(以上、日本化薬製)
等を挙げることできる。
【0032】染料としては、脂環式構造を有する炭化水
素重合体に均一に分散・溶解するものであれば特に限定
されないが、本発明で用いられる炭化水素重合体との相
溶性が優るので油溶性染料(各種C.I.ソルベント染
料)が広く用いられる。油溶性染料の具体例としてはT
he Society of Dyes and Co
lourists社刊Color Index vo
l.3に記載される各種のC.I.ソルベント染料が挙
げられる。
【0033】顔料としては、例えば、ピグメントレッド
38などのジアリリド系顔料;ピグメントレッド48:
2、ピグメントレッド53、ピグメントレッド57:1
などのアゾレーキ系顔料;ピグメントレッド144、ピ
グメントレッド166、ピグメントレッド220、ピグ
メントレッド221、ピグメントレッド248などの縮
合アゾ系顔料;ピグメントレッド171、ピグメントレ
ッド175、ピグメントレッド176、ピグメントレッ
ド185、ピグメントレッド208などのペンズイミダ
ゾロン系顔料;ピグメントレッド122などのキナクリ
ドン系顔料;ピグメントレッド149、ピグメントレッ
ド178、ピグメントレッド179などのペリレン系顔
料;ピグメントレッド177などのアントラキノン系顔
料が挙げられる。
【0034】本発明の成形品の着色を必要とするとき
は、染料と顔料のいずれでも、本発明の目的の範囲で使
用でき、限定されるものではない。滑剤としては、脂肪
族アルコールのエステル、多価アルコールのエステルあ
るいは部分エステルなどの有機化合物や無機微粒子など
を用いることができる。有機化合物としては、例えば、
グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレー
ト、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトール
モノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレー
ト、ペンタエリスリトールトリステアレートなどが挙げ
られる。
【0035】他の滑剤としては、一般に無機粒子を用い
ることができる。ここで無機微粒子としては、周期律表
の1族、2族、4族、6〜14族元素の酸化物、硫化
物、水酸化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸
塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪
酸塩、チタン酸塩、硼酸塩およびそれらの含水化物、そ
れらを中心とする複合化合物、天然化合物などの粒子が
挙げられる。
【0036】可塑剤としては、例えば、トリクレジルフ
ォスフェート、トリキシリルフォスフェート、トリフェ
ニルフォスフェート、トリエチルフェニルフォスフェー
ト、ジフェニルクレジルフォスフェート、モノフェニル
ジクレジルフォスフェート、ジフェニルモノキシレニル
フォスフェート、モノフェニルジキシレニルフォスフェ
ート、トリブチルフォスフェート、トリエチルフォスフ
ェートなどの燐酸トリエステル系可塑剤;フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル
酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、
フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル系可塑
剤;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エス
テルなどの脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤;二価アル
コールエステル系可塑剤;オキシ酸エステル系可塑剤;
などが使用できるが、これらの中でも燐酸トリエステル
系可塑剤が好ましく、トリクレジルフォスフェート、ト
リキシリルフォスフェートが特に好ましい。
【0037】さらに、柔軟化剤ないし可塑剤として、主
骨格が主にC−CまたはC=C構造である常温で液状の
炭化水素ポリマーが好ましく用いられる。液状炭化水素
ポリマーの中でも、主鎖の中に炭化水素環をもたない直
鎖状または分岐鎖状の液状炭化水素ポリマーが好まし
い。また、得られる成形品の耐候性に優れることから、
C=C構造を実質的に持たないものが好ましい。この液
状炭化水素ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは1
0,000以下、より好ましくは200〜8,000、
特に好ましくは300〜4,000の範囲である。液状
炭化水素ポリマーの具体例としては、スクアラン(C30
62、Mw=422.8)、流動パラフィン(ホワイト
オイル、JIS K2231に規定されるISO VG
10、ISO VG15、ISO VG32、ISO
VG68、ISO VG100、VG8およびVG21
など)、ポリイソブテン、水添ポリブタジエン、水添ポ
リイソプレンなどが挙げられる。これらの中でもスクア
ラン、流動パラフィンおよびポリイソブテンが好まし
い。
【0038】帯電防止剤としては、ステアリルアルコー
ル、ベヘニルアルコールなどの長鎖アルキルアルコー
ル、グリセリンモノステアレート、ペンタエリスリトー
ルモノステアレートなどの多価アルコールの脂肪酸エス
テルなどが挙げられるが、ステアリルアルコール、ベヘ
ニルアルコールが特に好ましい。
【0039】これらの配合剤は単独、2種以上混合して
用いることができ、その割合は、本発明の目的を損なわ
れない範囲で適宜選択される。配合量は、本発明の目的
を損なわれない範囲で適宜選択されるが、脂環式構造含
有炭化水素重合体樹脂100重量部に対して通常0.0
01〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部の範囲
である。
【0040】(3)充填剤 有機または無機の充填剤としては、例えば、シリカ、ケ
イ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽
石粉、軽石バルーン、塩基性炭酸マグネシウム、ドワマ
イト、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウ
ム、タルク、クレー、マイカ、アスベストなどの鉱物;
ガラス繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチ
レン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維などの繊維;ガラスフレーク、ガラスビー
ズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイ
ト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、
などを例示できる。
【0041】これらの充填剤は、それぞれ単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて添加することができる。充
填剤の配合割合は、本発明の目的を損ねない範囲で、そ
れぞれの機能及び使用目的に応じて適宜定めることがで
きる。
【0042】成形 上記成分(脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂と必要に
応じて、その他の重合体、配合剤および充填剤)を、脂
環式構造含有炭化水素重合体樹脂の製造工程で添加す
る、または製造後に二軸押出機などの溶融状態で混練し
て用いることができる。通常は、ペレットとして用いる
ことができる。脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主
成分とする成形材料は常法に従って成形される。一般に
は、射出成形法が採用される。
【0043】放射線滅菌 成形品は放射線照射によって滅菌処理される。放射線と
してはγ線または電子線が好ましい。γ線による照射は
成形品の形状、材質にかかわらず均一な滅菌効果が得ら
れ、連続照射ができる点で有利であるが、高速処理には
適さず、ライン処理が難かしい点では有利でない。電子
線による照射は高速ライン処理が可能であり、照射エネ
ルギーその他の照射条件が制御できる点で有利である
が、成形品によっては透過が困難なものがあり制約され
る点では有利でない。滅菌処理の生産性に優れる点では
γ線による滅菌処理が好ましい。γ線および電子線以外
の放射線による滅菌処理は装置コストの面で劣り実用的
でない。
【0044】成形品の放射線による照射は常法に従って
行うことができる。すなわち、γ線照射処理は、かごな
どの容器に収容した成形品にラジオアイソトープ(Co
−60)からの電磁放射線を照射することによって行わ
れる。電子線照射処理は金属を加熱して発生する熱電子
または電界効果(フィールドミッション)により発生し
た電子を加速し、照射するものである。電子線の照射は
高エネルギー型(加速電圧3.0MeV以上)または中
エネルギー型(加速電圧300keV〜3.0MeV)
電子線加速器を用いて、スポット状の電子ビームに磁界
を加えたうえ所望幅に走査する走査型装置、および低エ
ネルギー型(加圧電圧300keV以下または150k
eV以下)電子線加速器を用いてフィラメント状発生源
からの熱電子を広い範囲から取出し、加速し、所望幅に
照射するカーテン型装置のいずれも採用可能であるが、
低エネルギー型加速器によるカーテン型照射装置が照射
効率およびコスト面から有利である。滅菌に必要な照射
線量は、電子線およびγ線ともに、一般に用いられてい
る最小線量2.5Mrad(25kGy)が得られるよ
うに2.5〜3.0Mrad程度照射する。
【0045】放射線照射処理を行った成形品は、40℃
以上で、成形品のガラス転移温度より低い温度、好まし
くはガラス転移温度より5℃以上低い温度において30
分間以上熱処理を行う。熱処理温度が40℃未満である
と熱処理後の成形品に着色が残り、透明性および内容物
の視認性に優れた容器などが得難くなる。熱処理温度が
ガラス転移温度に達すると成形品に塑性変形を生じるの
で、ガラス転移温度より低い温度で熱処理しなければな
らない。熱処理時間が短時間であると熱処理後の成形品
に着色が残り、透明性および視認性に劣る。熱処理時間
の上限は格別限定されないが、極度に長い熱処理を行わ
なくとも目的とする着色低減効果が達成されるので、一
般に30分〜96時間(4日間)が好ましく、2時間〜
48時間(2日間)がさらに好ましい。
【0046】熱処理時の湿度は特に限定されないが30
%RH以下が好ましく、また、熱処理時の気圧も特に限
定されないが0〜2.5kg/cm2 が好ましい。熱処
理は、通常の電熱オーブンの中で行ってもよく、通風乾
燥機のような、内部が均一に加熱されるタイプのもので
もよい。好ましくは、成形品の酸化劣化を抑えるため
に、窒素などの不活性ガス雰囲気下で行う。
【0047】
【実施例】以下、実施例、比較例および参考例について
本発明を具体的に説明する。これらの具体例において、
部は重量基準である。
【0048】参考例1 窒素置換下に、エチルテトラシクロドデセン(以下「E
TCD」と略す)20部に、シクロヘキサン200部、
1−ヘキセン2.0部、トリエチルアルミニウム15重
量%トルエン溶液15部およびトリエチルアミン5.0
部を加え、20℃に保ち、撹拌しながら、ETCD80
部および四塩化チタン20重量%トルエン溶液9.0部
を60分にわたって連続的に加えた。その後、1時間反
応させた後、エチルアルコール5.0部および水2.0
部を加えて反応を停止させた。反応溶液を40℃に加温
して触媒を加水分解した後、硫酸カルシウム3部および
シクロヘキサン60部を加え、過剰の水を除去した。析
出した金属を含む沈殿物を濾過して除去し、ETCD開
環重合体を含む透明な重合体溶液371部を得た。この
操作を繰り返し得た重合体溶液750部に、Ni−ケイ
ソウ土触媒(日揮化学製、N113)15部を添加し、
耐圧反応容器に入れ、水素を導入して圧力50kg/c
2 、温度200℃で3時間水素添加反応を行った。反
応終了後、シクロヘキサン700部を加えて希釈し、濾
過により触媒を除き、開環重合体水素添加物含有重合体
溶液1350部を得た。
【0049】参考例2 参考例1で得られたETCD開環重合体水素添加物シク
ロヘキサン溶液800部を、活性アルミナ(水澤化学
製、ネオビードD)4.5部を充填した内径10cm、
長さ100cmのカラムに滞留時間100秒になるよう
に通過させて、24時間循環させた。この溶液550部
をイソプロパノール1500部中へ撹拌しながら注ぎ、
ETCD開環重合体水素添加物を凝固させた。凝固させ
たETCD開環重合体水素添加物を濾過して回収し、イ
ソプロパノール300部で2回洗浄した後、回転式減圧
乾燥器中で5torr、120℃で48時間乾燥し、E
TCD開環重合体水素添加物78部を得た。このETC
D開環重合体水素添加物は、85℃のデカリン溶液中で
測定した極限粘度[η]が0.4dl/g、トルエンを
溶媒としたGPCでポリスチレン換算で測定されるMw
/Mnの比が2.1、水素添加率99.8%以上、示差
走査熱量分析によるガラス転移点(Tg)が140℃で
あった。
【0050】参考例3 参考例2で得られた重合体水素添加物を用いて、FS8
0(日精樹脂工業)射出成形機で、樹脂温度280℃、
金型温度100℃で、厚さ3mm、長さ90mm、幅5
5mmのサイズの板を射出成形した。成形品の厚さ方向
3mmのブランクを空気とした400nmでの光線透過
率(T400 %;「黄色み」がよく表される波長)は90
%であった。
【0051】参考例4 エチレン66モル%と8−メチル−テトラシクロ[4.
4.0.12 5.17,8 ]ドデカ−3−エン34モル
%とを重合し、ペレット化して、固有粘度0.64dl
/g(35℃デカリン中)、ガラス転移温度140℃の
熱可塑性樹脂(テトラシクロドデセン/エチレン付加共
重合体)を得た。この樹脂中の脂環式構造を有する繰返
し単位の割合は75重量%、ノルボルナン環を有さない
脂環式構造を有する繰返し単位の割合は0重量%であっ
た。
【0052】参考例5 参考例4で得られた共重合体樹脂を用いて、参考例3と
同様の条件で同様の板を成形した。成形品は外観上非常
に透明感が高く、着色がなかった。成形品の厚さ方向3
mmのブランクを空気とした400nmでの光線透過率
は88%であった。
【0053】参考例6 ETCDに代えてジシクロペンタジエン(以下「DCP
D」と略す)を用いた他は実質的に参考例1と同様な方
法により重合および水素化を行って、ガラス転移温度1
00℃を有するジシクロペンタジエン重合体水素添加物
を得た。
【0054】参考例7 参考例6で得られたDCPD重合体樹脂を用いて、参考
例3と同様の条件で同様の板を成形した。成形品は外観
上非常に透明感が高く、着色がなかった。成形品の厚さ
方向3mmのブランクを空気とした400nmでの光線
透過率は91%であった。
【0055】比較例1 参考例3で得られた板を、照射量25kGy目標でγ線
滅菌した。実際に照射された線量は29.2kGyであ
った。400nmの光線透過率(T400 %)は69%で
あった。γ線滅菌から30時間経過した後のT400 %は
70%、同じく滅菌から50時間後および100時間後
のT400 %はそれぞれ、72%および75%であった。
100時間後にはやや黄色みが薄くなった。
【0056】実施例1 比較例1と同様の条件でγ線滅菌を行った。滅菌直後の
400 %は69%で、目視で黄色く着色していた。滅菌
を行って5時間後に、80℃に加熱したオーブンに投入
し、25時間静置したところT400 %は77%となり、
黄色みが薄くなった。同じく50時間後および100時
間後でのT400 %はそれぞれ、82%および86%であ
り、100時間後にはほぼ黄色みがなくなった。
【0057】実施例2 比較例1と同様の条件でγ線滅菌を行った。滅菌直後の
400nmのT400 %は69%で、目視で黄色く着色し
ていた。滅菌を行って5時間後に、100℃に加熱した
オーブンに投入し、25時間静置したところT400 %は
84%となり、ほぼ黄色みがなくなった。同じく50時
間後および100時間後でのT400 %はそれぞれ、86
%および88%であった。
【0058】実施例3 比較例1と同様の条件でγ線滅菌を行った。滅菌直後の
400nmのT400 %は69%で、目視で黄色く着色し
ていた。滅菌を行って5時間後に、60℃に加熱したオ
ーブンに投入し、25時間静置したところT400 %は7
3%となり、やや黄色みが薄くなった。同じく50時間
後および100時間後でのT400 %はそれぞれ、78%
および85%であった。100時間後にはほぼ黄色みが
なくなった。
【0059】比較例2 参考例5で得られた板を、照射量25kGy目標でγ線
滅菌した。実際に照射された線量は29.2kGyであ
った。T400 %は65%であり、黄色く着色した。滅菌
から30時間経過した後のT400 %は65%、同じく滅
菌から50時間後および100時間後のT400 %はそれ
ぞれ、71%および74%であった。100時間後には
やや黄色みが薄くなった。
【0060】実施例4 比較例2と同様の条件で参考例5で得られた板を、γ線
滅菌を行った。滅菌直後の400nmのT400 %は65
%で、目視で黄色く着色していた。滅菌を行って5時間
後に、100℃に加熱したオーブンに投入し、25時間
静置したところT400 %は79%となり、黄色みが薄く
なった。同じく50時間後および100時間後のT400
%はそれぞれ、84%および85%であった。100時
間後にはほぼ黄色みがなくなった。
【0061】比較例3 参考例7で得られた板を、照射量25kGy目標でγ線
滅菌した。実際に照射された線量は29.2kGyであ
った。T400 %は70%であり、黄色く着色した。滅菌
から30時間経過した後のT400 %は71%、光線透過
率変化(ΔT)は1%であった。同じく滅菌から50時
間後および100時間後のT400 %はそれぞれ、73%
および77%であった。100時間後にはやや黄色みが
薄くなった。
【0062】実施例5 比較例3と同様の条件で参考例7で得られた板を、γ線
滅菌を行った。滅菌直後のT400 %は70%で、目視で
黄色く着色していた。滅菌を行って5時間後に、80℃
に加熱したオーブンに投入し、25時間静置したところ
400 %は79%となり、黄色みが薄くなった。同じく
50時間後および100時間後でのT400 %はそれぞ
れ、84%および88%であった。
【0063】実施例6 比較例1と同様の条件で参考例7で得られた板を、γ線
滅菌を行った。滅菌直後のT400 %は70%で、目視で
黄色く着色していた。滅菌を行って5時間後に、60℃
に加熱したオーブンに投入し、25時間静置したところ
400 %は74%となり、黄色みが薄くなった。同じく
50時間後および100時間後でのT400 %はそれぞ
れ、79%および87%であった。100時間後にはほ
ぼ黄色みがなくなった。
【0064】実施例7 比較例1と同様の条件で参考例7で得られた板を、γ線
滅菌を行った。滅菌直後のT400 %は70%で、目視で
黄色く着色していた。滅菌を行って5時間後に、窒素を
大気圧に満たした80℃で真空乾燥機に投入し、25時
間静置したところT400 %は79%となり、黄色みが薄
くなった。同じく50時間後および100時間後でのT
400 %はそれぞれ、84%および90%であった。10
0時間後にはほぼ黄色みがなくなった。上記各実施例お
よび比較例で得られた結果をまとめて表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】表1にみられるとおり、γ線照射滅菌処理
の後に室温で放置した場合(比較例1〜3)と比較し
て、γ線照射滅菌処理の後に加熱処理した場合(実施例
1〜7)には脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂成形品
の着色低減度合いは大きい。特に窒素ガス雰囲気中で加
熱処理を行った場合(実施例7)に最良の結果が得られ
る。
【0067】
【発明の効果】本発明の放射線による滅菌法によれば、
脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂が本来有する良好な
透明性、ガスバリア性、耐薬品性、低溶出性などの性質
を具備し、保管、移送、使用する際の破損の危険性が少
なく、滅菌による外観・色調の変化が少ないという特性
を有する成形品を得ることができる。本発明の放射線に
よる滅菌法は、特に、医薬品用および食品用容器、なら
びに医療用および科学実験用器材などの滅菌処理に好適
である。医薬品用容器の具体例としては、広口びん、狭
口びん、バイヤルびん、プレフィルドシリンジ、アンプ
ルおよびプレススルーパッケージなどが挙げられ、食品
用容器の具体例としては、袋、トレイおよびシール容器
などが挙げられる。医療用器材の具体例としては、注射
器、外科用メス、採血管、血液バッグ、カテーテル、シ
ャントなどが挙げられ、また、科学実験用器材の具体例
としては、ビーカー、シャーレおよびフラスコなどが挙
げられる。
【0068】(発明の好ましい実施態様)本発明の放射
線による滅菌法、すなわち、脂環式構造含有炭化水素重
合体樹脂を主成分とする成形材料からなる成形品を、放
射線照射処理し、次いで40℃以上で、成形品のガラス
転移点より低い温度において30分間以上熱処理するこ
とを特徴とする滅菌法の好ましい実施態様をまとめると
以下のとおりである。
【0069】(1)脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂
は、炭素数4〜30、より好ましくは5〜15のシクロ
アルカン構造またはシクロアルケン構造、特に好ましく
はシクロアルカン構造を有する繰返し単位を30重量%
以上、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましく
は70重量%以上含有する炭化水素重合体樹脂である。 (2)脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂は、ノルボル
ネン系重合体およびその水素化物、ならびに環状共役ジ
エン系重合体およびその水素化物から選ばれ、より好ま
しくはノルボルネン系重合体およびその水素化物から選
ばれる。
【0070】(3)脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂
は、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂がシクロヘキサン
に溶解しないときはトルエン溶液)のゲル・パーミエー
ション・クロマトグラフ法で測定したポリスチレン換算
の分子量で5,000以上、より好ましくは5,000
〜500,000、さらに好ましくは8,000〜20
0,000を有し、かつ、ガラス転移温度80〜400
℃、より好ましくは100〜300℃、さらに好ましく
は120〜250℃を有する。 (4)放射線がγ線または電子線である。
【0071】(5)放射線照射処理した成形品は、40
℃以上で、成形品のガラス転移温度より低い温度、より
好ましくはガラス転移温度より5℃以上低い温度におい
て30分間〜96時間、さらに好ましくは2〜48時間
熱処理する。 (6)熱処理時の温度は30%RH以下、気圧は0〜
2.5kg/cmである。 (7)放射線は、その吸収線量が2.5〜3.0Mra
dとなるように照射する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主
    成分とする成形材料からなる成形品を、放射線照射処理
    し、次いで40℃以上で、成形品のガラス転移点より低
    い温度において30分間以上熱処理することを特徴とす
    る滅菌法。
  2. 【請求項2】 脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主
    成分とする成形材料からなる成形品であって、請求項1
    記載の放射線照射・熱処理を施してなる医薬品用または
    食品用容器。
  3. 【請求項3】 脂環式構造含有炭化水素重合体樹脂を主
    成分とする成形材料からなる成形品であって、請求項1
    記載の放射線照射・熱処理を施してなる医療用または科
    学実験用器材。
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