JP3783586B2 - 露光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印画紙などの感光材料上に、画像情報に応じて変調させたレーザ光を走査することによって露光を行い、感光材料上に画像を形成するための露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、写真の焼き付けは、原画像が記録されている写真フィルムに光を照射し、この写真フィルムを透過した光を印画紙上に照射することによって焼付を行うアナログ露光が行われている。また、近年では、写真フィルム上の画像をスキャナ等によって読み取ることによって得られるデジタル画像データや、デジタルカメラによる撮影によって得られるデジタル画像データなどに基づいて、赤、緑、青の単色光を各画素毎に印画紙上に照射することによって焼付を行うデジタル露光が行われるようになっている。
【0003】
このデジタル露光を行う構成としては、種々のものが提案されているが、その一例として、画像データに応じて変調素子により光源からのレーザ光を変調させながら印画紙を走査露光する構成がある。このような構成の画像焼付装置は、赤、緑、青の各色のレーザ光を発生する光源を備えており、次のような手順で焼付動作を行う。まず、入力されるデジタル画像データに基づいて各色のレーザ光が変調される。そして、変調されたレーザ光が、ポリゴンミラー等の偏向器によって主走査方向に偏向され、fθレンズなどの光学系を介して印画紙上に照射される。そして、これと同時に印画紙を副走査方向に搬送移動させることによって走査露光が行われ、2次元のカラー画像が印画紙上に焼き付けられる。
【0004】
上記の画像焼付装置では、印画紙以外の部分にレーザ光が照射されることを防ぐことが望ましい。これは、印画紙以外の部分においてレーザ光が反射されることにより発生する迷光によって印画紙が感光するのを防ぐためである。
【0005】
また、上記の画像焼付装置では、主走査方向の各走査露光の間でのずれを防ぐために、レーザ光の走査位置とレーザ光の変調とのタイミングをとる必要がある。このために、印画紙の外側にセンサを設置し、各走査時にレーザ光によってセンサを照射するようになっている。したがって、センサに対しては所定の光量を照射することが望ましい。
【0006】
このように、上記の画像焼付装置では、画素以外の部分においても走査位置に基づいてレーザ光の出射光量を設定することが望ましい。
【0007】
これに対して、例えば特公平7−10089号公報には、三角波状の漸次上昇する波形の電流によって光源を駆動するとともに、印画紙およびセンサ以外の部分でレーザ光をOFFし、センサに対してはレーザ光が所定の光量となるように光源の出力を制御する技術が開示されている。
【0008】
この技術は、光源としてレーザダイオード(半導体レーザ)を用い、光源の駆動電流を制御して画像を形成するものであり、これにより環境温度の変動による画像への影響の抑制を図っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に開示されている技術は、画素の階調データに基づいて光量を変調するものではなく、画素の周期に一致した周期で光源を駆動する電流を漸次出力増加させ、光源から出射する光量が画素の階調データと一致したときに光源の駆動を停止することにより画素の階調を表現するものである。この技術は、光源の駆動電流の大きさを変化させることにより出射する光量を変化させることができるレーザダイオードを用いているからこそ実現できる技術である。
【0010】
ところで、パソコン等に接続して用いられ、トナーを用紙に定着させる方式のレーザプリンタでは、静電感光ドラムに画像データに応じたトナーの分布を形成すればよく、光源としてはレーザダイオードを用いることができる。すなわち、上記レーザプリンタでは、光源の色とトナーの色とは無関係であるため、赤色から赤外の波長の光を出射するレーザダイオードで静電感光ドラムを露光して単色の色についての画像を形成することができ、これを色の3原色(黒色と合わせて4色となることもある)ごとに行うことによりカラー画像を形成することができる。
【0011】
これに対して、写真感光材にカラー画像を形成する場合には、光の3原色の波長の光を照射させる必要がある。ここで、赤色のレーザダイオードは一般的であるため、赤色の光源としてはレーザダイオードを使用することもできる。しかし、緑色や青色のレーザダイオードは未だ露光等に容易に利用できるものではないため、緑色や青色の光源としてはSHGを用いることになる。しかし、SHGでは、光源の駆動電流により出射する光量を画素ごとに制御することは困難である。したがて、写真感光材にカラー画像を形成する露光装置に対して上記の公報に開示された技術を適用することは困難である。
【0012】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、印画紙等への露光を行う露光装置において、迷光などによる不要な露光(かぶり)を抑制しつつ、レーザ光の走査とレーザ光の変調との同期を正確にとることを可能とすることにより、形成する画像における画質の向上を図ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の露光装置は、上記の課題を解決するために、露光量に応じた色濃度を示す感光体を露光して画像を形成するための露光装置であって、レーザ光を発生する光源と、該光源からのレーザ光を感光体に対して走査させる光走査部と、レーザ光の走査に同期した同期信号を生成する同期信号生成部と、レーザ光の走査範囲における画素に対応する範囲でのレーザ光の光量を制御する画素データを、前記同期信号に基づいて出力する画素データ出力部と、レーザ光の走査範囲における画素に対応する範囲の外部でのレーザ光の光量を制御する補助データを出力する補助データ出力部と、前記画素データ出力部の出力と前記補助データ出力部の出力とを、前記同期信号に基づいて切り換える切換部と、走査されるレーザ光の光量を、前記切換部からの出力に基づいて変調する光変調部とを備えていることを特徴としている。
【0014】
上記の構成では、光源が発生するレーザ光に対して、その光量を光変調部によって変調する。そして、光変調部によってレーザ光の光量を変調して各画素を露光することによって画素の階調を表現することができる。この構成では、光源においてレーザ光の光量を変化させる必要がなく、単に一定光量のレーザ光を発生しておればよいことになる。
【0015】
一般にレーザ光を発生する光源は、発光を開始した初期の段階では光量を安定化させることが困難である。
【0016】
これに対して、上記の構成では、光源は一定光量のレーザ光を発生しておればよいため、光源からの発光を安定化させやすい構成である。静電感光ドラムにトナー像を形成する方式のプリンタに比較して、写真感光体のように露光量に応じた色濃度を示す感光体に対して画像を形成するための露光装置では、照射光量のばらつきによる画質への影響が顕著であり、光源からの光量の安定化がより厳しく要求される。
【0017】
また、上記の構成では、光源によって光量を変調する必要がないため、常時一定の出射光量となるように制御すればよい。この制御は、オートパワーコントロール(APC)と呼ばれ、例えば光源が発生するレーザ光の一部をハーフミラー等で分岐して光量を測定し、光量が一定になるように光源を駆動する電流に対してフィードバックする。このために、光源内に光量測定用のセンサ(フォトダイオード等)を内蔵したものも市販されている。また、光源ユニットの外部に光量測定用のセンサを設置することも可能である。
【0018】
そのため、露光量に応じた色濃度を示す感光体(例えば、写真焼き付け用の印画紙など)を露光して画像を形成する場合に、形成する画像の画質を向上させることができる。
【0019】
また、上記の構成では、画素データを出力する画素データ出力部と、補助データを出力する補助データ出力部とを備えている。ここで、補助データは、レーザ光の走査範囲における画素以外の部分で、レーザ光の光量を制御するためのものである。これにより、画素以外の部分において不必要にレーザ光を走査させることを回避し、迷光などに起因する画質の低下を抑制することができる。
【0020】
この画素データ出力部からの画素データと、補助データ出力部からの補助データとは、切換部によって同期信号に基づいて切り換えられる。そして、切換部からの出力に基づいて上記の光変調部を制御する。ここで、同期信号は、同期信号生成部によってレーザ光の走査に同期して生成されるものである。また、同期信号は、画素データの出力を制御するものを利用する。
【0021】
これにより、画素と画素以外の部分とを区別してレーザ光の光量をレーザ光の走査位置に適したものに設定することができる。また、そのための回路構成としては、同期信号に基づいて切り換え可能な切換部を設けることにより実現できる。これにより、光変調部に対してデータを送るためのラインを1系統接続するだけで、レーザ光の全走査範囲において光量を変調することができる。このため、回路構成の複雑化を抑制することができる。
【0022】
また、上記の構成では、画素データに基づいてレーザ光の光量を制御することで露光するものであるため、画素データおよび補助データをデジタルデータとし、デジタル値を切り換えてレーザ光の光量を制御することができる。これにより、アナログ電圧を切り換える場合と比較して、回路規模を小型化し、精度を向上させることができる。
【0023】
以上のように、上記の構成は、光源からの光量の変動を抑制することが可能な構成であり、かつ迷光などによる不要な露光(かぶり)を抑制することで、形成する画像の画質の向上を図ることができる。さらに、このようにして画質の向上を図ることが可能な露光装置を、より簡単な回路構成で実現することができる。
【0024】
本発明の露光装置は、さらに、レーザ光の走査範囲における画素に対応する範囲の外部に配置され、レーザ光に照射されることにより前記同期信号を生成する基準となる基準信号を生成する同期センサを備えており、前記補助データ出力部が、前記補助データとして互いに異なる少なくとも2つの出力値を切り換えて出力することが好ましい。
【0025】
上記の構成では、走査されるレーザ光が同期センサを照射することにより、同期センサが基準信号を生成する。この基準信号に基づいて同期信号生成部が同期信号を生成する。ここで、同期センサは、レーザ光の走査範囲における画素以外の部分に配置されている。そして、この画素以外の部分でのレーザ光の光量を制御する補助データは、2値の出力が切り換えられる。
【0026】
これにより、画素以外の部分において、同期センサが配置されている部分に対しては、その同期センサに適した光量のレーザ光を照射することで、正確な基準信号を生成することができる。したがって、レーザ光の走査に正確に同期した同期信号を得ることができ、正確な画像形成を行うことができる。また、画素および同期センサ以外の部分では、レーザ光の光量を0にするなどして上記した迷光の発生を抑制することができる。
【0027】
本発明の露光装置は、さらに、前記補助データ出力部が前記補助データとして出力する出力値の1つが、前記光変調部においてレーザ光を前記同期センサに適した光量に変調する値であることが好ましい。
【0028】
上記の構成では、同期センサに適正な光量のレーザ光を照射することで正確な基準信号を生成することができる。したがって、レーザ光の走査に正確に同期した同期信号を得ることができ、正確な画像形成を行うことができる。
【0029】
本発明の露光装置は、さらに、前記補助データ出力部が、前記同期信号に基づいて前記出力値を切り換えて出力することが好ましい。
【0030】
上記の構成では、正確な同期信号に基づいて出力値を切り換えることができる。これにより、画素以外の部分において、同期センサが配置された必要最小限の部分に対してのみレーザ光を照射することができる。したがって、迷光の発生をより抑制することができる。また、画素データの出力を制御する同期信号を利用して出力値を切り換えることにより、切り換えのタイミングを指示する信号を発生する回路を別途設ける必要がなくなり、回路構成が簡単になる。
【0031】
本発明の露光装置は、さらに、前記画素データ出力部の出力と前記補助データ出力部の出力とを、前記切換部において切り換える時期が可変であることが好ましい。
【0032】
上記の構成では、切換部における切り換えの時期を変更することにより、レーザ光の走査方向における幅が異なる感光体を用いて画像を形成することが可能になる。
【0033】
本発明の露光装置は、さらに、前記光源が、互いに異なる色のレーザ光を発生する2つ以上のレーザ光源からなり、前記光変調部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するものであり、前記画素データ出力部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するために各色に対応した画素データを出力し、前記補助データ出力部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するために各色に対応した補助データを出力し、前記光走査部が、各色のレーザ光を1つの光線として走査することが好ましい。
【0034】
上記の構成では、2色以上のレーザ光によって感光体を露光することができるため、2色以上の画像を形成することができる。特に、赤、緑および青の3色のレーザ光を用いることにより、フルカラー画像を形成することができる。
【0035】
また、上記の構成では、補助データが各色ごとに出力される。これにより、各色のレーザ光の間で色収差等によるずれが生じるような場合でも、各色の間で補助データを調整することにより、画素に対応する範囲の外部でのレーザ光の位置と光量との関係が各色の間でずれることを抑制することができる。
【0036】
本発明の露光装置は、さらに、前記光源が、互いに異なる色のレーザ光を発生する2つ以上のレーザ光源からなり、前記光変調部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するものであり、前記画素データ出力部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するために各色に対応した画素データを出力し、前記光走査部が、各色のレーザ光を1つの光線として走査するとともに、前記同期信号生成部が、1つのレーザ光源から発生されるレーザ光に基づいて各色のレーザ光に対応する同期信号を生成することが好ましい。
【0037】
上記の構成では、2色以上のレーザ光によって感光体を露光することができるため、2色以上の画像を形成することができる。特に、赤、緑および青の3色のレーザ光を用いることにより、フルカラー画像を形成することができる。
【0038】
また、上記の構成では、1つのレーザ光源から発生されるレーザ光に基づいて各色のレーザ光に対応する同期信号を生成するため、レーザ光を検知するための構成(例えば同期センサ)を各色で共通化することができる。
【0039】
本発明の露光装置は、さらに、前記補助データが、感光体が存在しない場合のレーザ光の光量を制御するデータでもあり、感光体が存在しない場合には、前記切換部が前記補助データ出力部からの出力を前記光変調部に出力することが好ましい。
【0040】
上記の構成では、感光体は存在していないが光源からはレーザ光が出射され光走査部はレーザ光を走査できる状態、例えば露光動作に入る前のオーダー待ち状態にあるときに、補助データによりレーザ光の光量を制御して不要な発光を抑制することを同一の回路構成により実現することができる。これにより、別途オーダー待ち状態のレーザ光を制御するための回路を追加する必要がなく、回路構成の単純化を図ることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1から図7に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0042】
本実施形態に係る写真処理装置は、原画像の画像データに基づいて、感光材料に対して焼き付け、現像および乾燥処理を施すことにより、原画像を感光材料にプリントするデジタル写真プリンタである。
【0043】
図2は、上記写真処理装置の構成を示す説明図である。図2に示すように、該写真処理装置は、画像形成部1、印画紙格納部2、現像部3、乾燥部4、およびPC(Personal Computer)5を備えている。
【0044】
印画紙格納部2は、露光量に応じた色濃度を示し露光される光の色に応じて発色する感光材料である印画紙(感光体)を格納しており、プリント時に、該印画紙を画像形成部1に供給するためのものである。画像形成部1は、印画紙格納部2から供給される印画紙に対して、原画像の画像データに応じて走査露光を施すことにより、画像の焼き付けを行うものである。この画像形成部1の詳細については後述する。
【0045】
現像部3は、焼き付け処理が施された印画紙に対して、各種の現像処理を施しながら搬送することによって、画像を現像するものである。乾燥部4は、現像処理が施された印画紙を乾燥させるためのものである。PC5は、原画像の画像データを保存する機能や、画像データに対してデータ処理を施す機能、マンマシンインターフェースを司る機能などを有している。
【0046】
次に、上記の画像形成部1の構成について説明する。図3は、画像形成部1および印画紙格納部2の構成を示す説明図である。図3に示すように、画像形成部1の上部に位置する印画紙格納部2は、ロール状の印画紙(感光体)Pを格納するための2つのペーパーマガジン2a・2bを備えている。各ペーパーマガジン2a・2bには、それぞれ異なるサイズの印画紙Pが格納されており、ユーザーが求める出力画像のサイズに応じて、供給する印画紙Pが切り換えられるように設定されている。画像形成部1は、上記したように、印画紙格納部2から供給される印画紙Pに対して、走査露光を行うものであり、焼付部(露光装置)6と、搬送ローラR1〜R5とを備えている。
【0047】
焼付部6は、搬送ローラR1〜R5によって搬送されている印画紙Pに対して、露光のための光を照射するものである。搬送ローラR1〜R5は、印画紙格納部2から供給された印画紙Pを、焼付部6を経由して現像部3に送り込むためのものである。
【0048】
次に、上記の焼付部6の構成について説明する。図4は、焼付部6の概略構成を示す説明図である。該焼付部6は、光源部7R・7G・7B、走査部(光走査部)8、および搬送部9を備えた構成となっている。なお、光源部7R・7G・7Bおよび走査部8により露光部25が構成されている。
【0049】
(光源部の構成)
光源部7Rは、赤色LD(Laser Diode)(レーザ光源)10R、レンズ群11R、音響光学変調素子(AOM:Acousto-Optic Modulator)12R、調光部13R、およびミラー14Rを備えている。レンズ群11R、AOM12R、および調光部13Rは、赤色LD10Rからミラー14Rに到る光軸上にそれぞれこの順で配置されている。
【0050】
赤色LD10Rは、赤色成分の波長のレーザ光を発する光源としての半導体レーザである。また、レンズ群11Rは、赤色LD10から出射した赤色レーザ光を整形し、次のAOM12Rの光入射口に導くためのレンズ群である。
【0051】
AOM12Rは、音波による振動により透明媒質(結晶)中に作り出された密度分布に起因する屈折率分布が位相回折格子として働くことによる回折現象、いわゆる音響光学回折を利用した光変調器であり、印加する超音波の強度を変えることによって、回折された光の強度を変調するものである。このAOM12Rには、AOMドライバ15Rが接続されており、このAOMドライバ15Rから、画像データに応じて振幅が変調された高周波信号が入力される。
【0052】
AOM12Rに対して、AOMドライバ15Rから高周波信号が入力されると、音響光学媒質内に上記高周波信号に応じた超音波が伝搬される。このような音響光学媒質内をレーザ光が透過すると、音響光学効果が作用することによって回折が生じ、高周波信号の振幅に応じた強度のレーザ光がAOM12Rから回折光として出射される。なお、このAOMドライバ15Rは後述する制御部30により制御されるものである。
【0053】
調光部13Rは、AOM12Rを出射した、画像データに応じて変調されたレーザ光の強度を調整する部材であり、例えばNDフィルタや、大きさの異なる複数の開口部が設けられた回転板などによって構成される。半導体レーザや固体レーザなどの発光素子は、安定した状態で発光を行うことのできる光量の範囲が決まっているので、この調光部13Rによる光量の調整によって、印画紙の発色特性に応じて広いダイナミックレンジとなるような光量範囲で露光を行うことが可能となる。
【0054】
ミラー14Rは、調光部13Rを出射したレーザ光を走査部8が配置されている方向に反射させるものである。このミラー14Rは、入射した光のうち、赤色成分の光を反射させるミラーであればどのようなものを用いてもよい。本実施形態では、赤色成分の波長のみからなる赤色のレーザ光がミラー14Rに入射するので、ミラー14Rとして、入射した光を全反射させるミラーを用いている。
【0055】
一方、光源部7Gは、緑色SHG(Second Harmonic Generation)レーザユニット(レーザ光源)10G、AOM12G、調光部13G、およびダイクロイックミラー14Gを備えている。AOM12G、および調光部13Gは、緑色SHGレーザユニット10Gからダイクロイックミラー14Gに到る光軸上にそれぞれこの順で配置されている。
【0056】
緑色SHGレーザユニット10Gは、緑色成分の波長のレーザ光を出射する光源として機能するものである。この緑色SHGレーザユニット10Gの内部には、図示はしないが、YAGレーザなどの固体レーザ、および該固体レーザから出射されたレーザ光から第2次高調波を取り出す第2次高調波生成部などから構成される波長可変部などが設けられている。例えば、YAGレーザから1064nmの波長のレーザ光が出射される場合、第2次高調波生成部において532nmの波長(緑色成分)のレーザ光が生成され、この第2次高調波成分のレーザ光が出射されることになる。なお、本実施形態の構成では、基本のレーザ光を出射する手段として固体レーザを用いているが、これに限定されるものではなく、例えばLDを用いることも可能である。
【0057】
また、光源部7Rにおいては、赤色LD10RとAOM12Rとの間にレンズ群11Rが設けられている一方、光源部7Gにおいては、このようなレンズ群は設けられていない。しかしながら、レンズ群11Rと同等の機能を有する構成が、緑色SHGレーザユニット10Gの内部に設けられている。
【0058】
AOM12G、および調光部13Gは、光源部7Rにおいて説明したAOM12R、および調光部13Rと同様の構成のものである。すなわち、AOM12Gは、緑色SHGレーザユニット10Gから出射されたレーザ光を画像データに応じて変調させるものであり、調光部13Gは、AOM12Gから出射されたレーザ光の光量を調整するものである。また、AOM12Gは、制御部30により制御されるAOMドライバ15Gからの高周波信号が入力されることにより動作するものである。
【0059】
ダイクロイックミラー14Gは、調光部13Gを出射した緑色成分のレーザ光を走査部8が配置されている方向に反射させるものである。このダイクロイックミラー14Gは、緑色成分の波長の光のみを反射し、それ以外の波長の光を透過する性質を有している。また、このダイクロイックミラー14Gは、光源部7Rにおけるミラー14Rから走査部8に到る光路上に配置されており、ミラー14Rにおいて反射された赤色のレーザ光は、ダイクロイックミラー14Gを透過して走査部8に到ることになる。すなわち、ダイクロイックミラー14Gから走査部8に向けて進む光は、画像データに応じて変調された赤色成分のレーザ光および緑色成分のレーザ光から構成されることになる。
【0060】
また、光源部7Bは、光源部7Gとほぼ同様の構成となっており、青色SHGレーザユニット(レーザ光源)10B、AOM12B、調光部13B、およびダイクロイックミラー14Bを備えている。AOM12B、および調光部13Bは、青色SHGレーザユニット10Bからダイクロイックミラー14Bに到る光軸上にそれぞれこの順で配置されている。
【0061】
青色SHGレーザユニット10Bは、青色成分の波長のレーザ光を出射する光源として機能するものであり、緑色SHGレーザユニット10Gとほぼ同様の構成となっている。また、AOM12B、および調光部13Bは、光源部7R・7Gにおいて説明したAOM12R・12G、および調光部13R・13Gと同様の構成のものである。すなわち、AOM12Bは、青色SHGレーザユニット10Bから出射されたレーザ光を画像データに応じて変調させるものであり、調光部13Bは、AOM12Bから出射されたレーザ光の光量を調整するものである。そして、AOM12Bは、制御部30により制御されるAOMドライバ15Bからの高周波信号が入力されることにより動作するものである。
【0062】
ダイクロイックミラー14Bは、調光部13Bを出射した青色成分のレーザ光を走査部8が配置されている方向に反射させるものである。このダイクロイックミラー14Bは、青色成分の波長の光のみを反射し、それ以外の波長の光を透過する性質を有している。また、このダイクロイックミラー14Bは、ミラー14Rおよびダイクロイックミラー14Gから走査部8に到る光路上に配置されており、ミラー14Rにおいて反射され、ダイクロイックミラー14Gを透過した赤色のレーザ光、およびダイクロイックミラー14Gにおいて反射された緑色のレーザ光は、ダイクロイックミラー14Bを透過して走査部8に到ることになる。すなわち、ダイクロイックミラー14Bから走査部8に向けて進む光は、画像データに応じて変調された赤色成分、緑色成分、青色成分を含む1本のレーザ光から構成されることになる。なお、以下では、走査部8により走査されるレーザ光を特に「光ビーム」ともいう。
【0063】
なお、本実施形態では、上記のように各色成分のレーザ光の強度変調を行う構成として、AOM(光変調部)12R・12G・12Bを用いているが、これに限定されるものではなく、例えば電気光学変調素子(EOM)、磁気光学変調素子(MOM)を適用してレーザ光の強度変調を行う構成としてもかまわない。
【0064】
また、光源(赤色LD10R、緑色SHGレーザユニット10G、青色SHGレーザユニット10B)は、一定光量のレーザ光を発生するものである。この光源からのレーザ光の光量が、光源の温度変化などによって変動するような場合には、この変動を抑えるようにすることが好ましい。そのためには、例えば光源が発生するレーザ光の一部をハーフミラーなどで分岐して光量を測定し、測定結果を光源にフィードバックするなどの方法を適用することができる。
【0065】
このように、光源によらずAOM12R・12G・12Bによりレーザ光の強度変調を行うことで、光源の出力を変化させることを避けることができる。これにより、光源の出力を安定化させることができる。
【0066】
(走査部の構成)
走査部8は、反射ミラー16、シリンドリカルレンズ17、ポリゴンミラー18、およびfθレンズ20を備えた構成となっている。反射ミラー16からポリゴンミラー18に到る光軸上にシリンドリカルレンズ17が配置されているとともに、ポリゴンミラー18から印画紙Pに到る光路上にfθレンズ20が配置されている。
【0067】
反射ミラー16は、光源部7R・7G・7Bにおけるミラー14R、ダイクロイックミラー14G・14Bにおいて反射された赤色成分、緑色成分、青色成分の光ビームを、ポリゴンミラー18が配置されている方向へ反射させる部材である。
【0068】
シリンドリカルレンズ17は、反射ミラー16において反射された光ビームを、副走査方向においてポリゴンミラー18の反射面上に集光させるレンズである。このシリンドリカルレンズ17は、ポリゴンミラー18の反射面に面倒れ誤差(反射面の法線方向が正常な主走査面からずれる誤差)が生じている場合の補正(面倒れ補正)を行うためのものである。
【0069】
ポリゴンミラー18の反射面に面倒れ誤差が生じていると、印画紙P上での光ビームの到達位置が大きく変化してしまい、焼き付け画像にピッチむらが生じることになる。本実施形態では、上記のように、シリンドリカルレンズ17によって副走査方向においてポリゴンミラー18の反射面で一旦集光する構成とし、かつ、ポリゴンミラー18から反射した光ビームが、fθレンズ20を透過した後に、再び印画紙P上で集光するように、fθレンズ20および印画紙Pを配置している。このような配置とすれば、ポリゴンミラー18の反射面と印画紙Pとが光学的に共役な配置となるので、面倒れによって副走査方向に光束が偏向しても、印画紙P上の同じ位置に光束が結像することになる。言い換えれば、ポリゴンミラー18の反射面の1点から、ある程度の範囲内で任意の方向に光が出射しても、印画紙P上の同じ位置に結像することになる。
【0070】
ポリゴンミラー18は、複数の反射面が正多角形を形成するように設けられた回転体であり、ポリゴンドライバ19によって回転駆動される。反射ミラー16からシリンドリカルレンズ17を介して照射される光ビームは、ポリゴンミラー18の1つの反射面で反射されて印画紙P方向に進行する。そして、このポリゴンミラー18からの光ビームの反射方向は、ポリゴンミラー18の回転に応じて主走査方向に移動する。また、ポリゴンミラー18の回転によって1つの反射面における光ビームの反射が終わると、その反射面に隣合う反射面に光ビームの照射が移り、同じ範囲で主走査方向に光ビームの反射方向が移動する。このように、1つの反射面で1つの走査ラインが走査され、隣合う反射面で次の走査ラインが走査されることになるので、副走査方向に隣合う走査ライン同士の間のタイムラグを極めて小さくすることが可能となっている。
【0071】
fθレンズ20は、ポリゴンミラー18から印画紙Pに照射される光ビームによる走査面の両端近傍での像の歪みを補正するための光学系であり、複数のレンズから構成されている。この走査面の両端近傍での像の歪みは、ポリゴンミラー18から印画紙Pに到る光路の長さが異なることによって生じるものである。なお、fθレンズ20が有効に働く範囲が最大露光幅である。
【0072】
ここで、例えばポリゴンミラー18として正八角形のものを用いた場合では、光ビームは、ポリゴンミラー18によって90°の範囲を走査されることになる。また、ポリゴンミラー18として正十角形のものを用いた場合では、光ビームは、ポリゴンミラー18によって72°の範囲を走査されることになる。そして、fθレンズ20としては、使用する印画紙Pの最大幅に応じた適当な長さのものを用いる。なお、図4には正十角形のポリゴンミラー18を示している。
【0073】
また、ポリゴンミラー18から印画紙Pに到る光ビームの主走査範囲の外側に、同期センサ(ビームディテクタ)21A、およびミラー21Bが設けられている。ミラー21Bは、ポリゴンミラー18から見て、主走査の開始点となる方向のすぐ外側となる位置に配置されている。言い換えれば、ポリゴンミラー18における1つの反射面から反射される光ビームは、まずミラー21Bに当たり、その後印画紙P上に対して主走査方向の露光が行われることになる。
【0074】
また、ミラー21Bの反射面の方向は、ポリゴンミラー18からの光ビームが同期センサ21Aに照射されるような方向となるように設定されている。そして、ポリゴンミラー18からミラー21Bを介して同期センサ21Aに到る光路の長さは、ポリゴンミラー18から印画紙P上における主走査の開始点に到る光路の長さとほぼ等しくなるように設計されている。
【0075】
同期センサ21Aは、光を検出するセンサであり、ポリゴンミラー18からミラー21Bを介して光ビームが照射されると、その照射タイミングで制御部30に信号を送信する。すなわち、この同期センサ21Aからの出力を制御部30によって監視することにより、印画紙P上における光ビームの走査タイミングを正確に把握することが可能になる。
【0076】
なお、同期センサ21Aの配置は、上記に限るものではなく、印画紙Pとの位置関係が定まっておればよい。つまり、光ビームが同期センサ21Aを照射した後、光ビームが印画紙Pの端部に達するまでの時間が把握できるような配置であればよい。また、同期センサ21Aを照射する光ビームは、fθレンズ20から外れていてもよい。
【0077】
ここで、光ビームの走査範囲におけるミラー21Bを照射する位置と印画紙Pに達する位置との間において、光ビームが発せられていると、その光ビームは印画紙Pの背面に位置する搬送ローラ22(詳細は後述する)を照射することになる。搬送ローラ22は、光ビームが照射されるとその光ビームを反射する。特に搬送ローラ22の表面が金属などである場合には、光ビームの大部分を反射することになる。このように搬送ローラ22によって反射された光ビームは迷光を発生することになる。
【0078】
この迷光は、画像形成部1(図3参照)の内部において反射を繰り返し、その一部が印画紙Pに達して画像にかぶることにより、印画紙Pを感光させるおそれがある。印画紙Pは、露光量に応じた色濃度を示すものであるため、迷光のかぶりの影響を受けやすい。したがって、迷光の発生は形成する画像の画質の低下を招来し得る。
【0079】
このような問題を回避するために、本画像形成部1では、光ビームの走査位置に応じて、レーザ光の出射をAOM12Rにより制御するようになっている。この制御の詳細に関しては後述する。
【0080】
(搬送部の構成)
搬送部9は、搬送ローラ22、マイクロステップモータ23、およびマイクロステップドライバ24などを備えた構成となっている。搬送ローラ22は、印画紙Pを搬送するローラであり、図4においては、紙面に垂直な方向に印画紙Pを搬送させている。
【0081】
マイクロステップモータ23は、搬送ローラ22を駆動するモータであり、ステッピングモータの一種であるマイクロステップモータによって構成されている。このマイクロステップモータ23は、回転角の制御を極めて精密に行うことが可能なモータである。
【0082】
マイクロステップドライバ24は、マイクロステップモータ23を制御するものであり、露光時に印画紙Pが副走査方向へ一定速度で搬送されるようにマイクロステップモータ23の回転を制御している。
【0083】
以上に示したように、本実施形態における焼付部6は、画像情報に応じて変調された赤色、緑色、青色の各色に対応した光ビームを、主走査方向に移動させながら印画紙Pを露光するとともに、該印画紙Pを副走査方向に搬送させることによって、印画紙P上に2次元の焼き付け画像を形成する構成となっている。このような各部の動作は、制御部30によって制御されるものである。なお、図4では、制御部30とAOMドライバ15R・15G・15Bとの接続のみ図示しているが、光源部7R・7G・7Bやポリゴンドライバ19なども制御部30によって制御されるものである。
【0084】
(制御部の構成)
次に、上記制御部30の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態の制御部30の概略構成を示すブロック図である。なお、制御部30の内部、および制御部30との関連における各AOMドライバ15R・15G・15Bは、各色の間でほぼ同等の構成であるため、図1および以下の説明は、各色を区別しない任意の色に関するものとする。実際には、ラインメモリ32(後述する)からAOMドライバ15R・15G・15Bに至る経路は各色ごとに設けられるものであり、その他の構成要素は各色間で共通化することができる。なお、以下では上記のAOMドライバ15R・15G・15B(図4参照)をAOMドライバ15としている。また、制御部30において、AOMドライバ15の制御に関する構成以外の構成については図示および説明を省略している。
【0085】
制御部30は、フレームメモリ31、およびラインメモリ(画素データ出力部)32などの記憶装置と、基準クロック発生回路33、クロック同期回路35、メモリコントローラ(同期信号生成部)34、切換スイッチ(切換部)36、およびD/Aコンバータ37などの回路素子と、中央処理装置(以下「CPU」という。)38とを備えた構成となっている。
【0086】
まず、記憶装置および画像データの流れについて説明する。フレームメモリ31は、画像の焼き付けを行う際に、原画像の画像データまたは原画像に画像処理が施された画像データを一時的に保存するものである。このフレームメモリ31は、各画素の濃度情報を記憶する画素メモリ(図示せず)が、各画素の位置に基づいて行列状に配列されて構成されている。そして、フレームメモリ31における行方向は、上述した露光部25(図4参照)での主走査方向に、列方向は副走査方向にそれぞれ対応している。
【0087】
画像の焼き付けを行う際には、PC5(図2参照)に保存されている焼き付けを行うべき原画像の画像データの全部または一部が、フレームメモリ31に書き込まれる。そして、フレームメモリ31に書き込まれて記憶された画像データは、各行ごとに所定のタイミングに基づいてラインメモリ32に読み出される。
【0088】
ラインメモリ32は、フレームメモリ31における1行分のデータ(以下「ラインデータ」という。)を記憶するものである。このラインメモリ32には、画素に対応して主走査方向の順序を示すアドレスが付与されている。そして、後述するメモリコントローラ34の制御により、各アドレスに格納されている画像データ(以下「画素データ」という。)が、後述する切換スイッチ36を介して接続されているD/Aコンバータ37に順次送られる。
【0089】
D/Aコンバータ37は、ラインメモリ32から送られる画素データが有している濃度情報としてのデジタルデータを、AOMドライバ15を制御可能なアナログデータである電圧信号(例えば、0〜5Vの電圧信号)に変換するものである。D/Aコンバータ37により変換された画素データとしての電圧信号は、AOMドライバ15に印加される。
【0090】
そして、各色ごとのAOMドライバ15により、印加された電圧信号に基づいて図4に示したAOM12R・12G・12Bが駆動される。そして、光源から出射されたレーザ光に対する画素データに応じた変調が、AOM12R・12G・12Bにより行われる。
【0091】
そして、ラインメモリ32から順次送られる画素データに基づいて光ビームの変調が順次行われるとともに、変調された光ビームが上記の走査部8により印画紙P(図4参照)に対して走査される。つまり、ラインデータに基づいた光ビームが印画紙Pに対して走査される。
【0092】
ここで、ラインメモリ32からの画素データの読み出し、および切換スイッチ36の制御は、メモリコントローラ34によって行われるものである。そしてメモリコントローラ34による制御は、同期センサ21Aによって把握される光ビームの走査のタイミング、およびクロック同期回路35によって生成される同期クロックに基づいて行われる。次に、これらの構成およびこれらによる制御について説明する。
【0093】
同期センサ21Aは、上記のように光ビームの走査のタイミングを把握するためのものである。より具体的には、図4に示したように、各ラインデータに基づいた印画紙Pへの露光の直前に、光ビームが同期センサ21Aを照射することにより、同期センサ21Aが1パルスの同期パルス信号(基準信号)を生成するものである。
【0094】
この同期センサ21Aは、光ビームの強度などに左右されることなく、光ビームが所定の位置を通過したタイミングを正確に検出し、検出したタイミングを反映した同期パルス信号を生成するものであることが好ましい。
【0095】
このような同期センサ21Aとしては、例えば図5に示すようなものが考えられる。図5は、同期センサ21Aの一例を示す概念図であり、図5(a)は受光面の構成を、図5(b)は受光部からの出力を、図5(c)は生成する同期パルス信号をそれぞれ示している。
【0096】
この同期センサ21Aは、微小な間隔を隔てて光ビームの走査方向にそれぞれ配置された第1および第2受光部D1・D2を有している(図5(a))。第1および第2受光部D1・D2は、光ビームが照射されることにより、その強度に応じて図5(b)に示すような電圧変化(図5(b)中それぞれ電圧V1・V2に示す電圧変化)を生じるものである。本同期センサ21Aでは、第1および第2受光部D1・D2による電圧が負の方向に変化するものとしている。つまり、第1および第2受光部D1・D2に光ビームが照射されることにより、同期センサ21A内の電圧V1・V2がそれぞれ光ビームの強度に応じて低下する。ここで、第1および第2受光部D1・D2は光ビームの走査方向に配置されているため、第1受光部D1の電圧変化と、第2受光部D2の電圧変化とは時間的にずれて起こることになる。
【0097】
そして同期センサ21Aは、電圧V1と電圧V2とを電圧比較器に入力し、V2>V1であればハイレベル、V1>V2(つまり第2受光部D2に光ビームが照射されているとき)であればローレベルの信号を出力することで同期パルスを生成する(図5(c))。このような同期センサ21Aは、例えばS5049(浜松ホトニクス株式会社製)などのフォトICを用いることができる。
【0098】
ここで、電圧V1・V2は、光ビームの強度の変化に対してほぼ同様の変化を生じる。このため、上記の各電圧値が一致する点などは光ビームの強度によらず光ビームの位置に対応した一定の時点となる。したがって、上記のようにして同期パルスを生成することで、光ビームの光量にかかわらず光ビームの走査タイミングに高精度に同期した同期パルス信号を生成することができる。
【0099】
なお、同期センサ21Aは、1つのフォトダイオードから構成されるようなものであってもよい。ただし、この場合には光ビームの強度に応じてその検出タイミングにずれ(例えば数十画素分のずれ)が生じる場合がある。この場合、同期センサ21Aを照射する光ビームの強度を一定にすることにより、検出タイミングのずれを低減することができる。
【0100】
図1にもどって、クロック同期回路35は、基準クロック発生回路33と接続されている。そしてクロック同期回路35には、基準クロック発生回路33によって生成される、一定周期の連続したパルスであるクロック(源クロック)が入力されるようになっている。また、クロック同期回路35は、同期センサ21Aとも接続されており、同期センサ21Aで生成される同期パルス信号も入力されるようになっている。そして、クロック同期回路35では、源クロックを同期パルス信号と同期させることにより、光ビームの走査タイミングと同期した同期クロックを生成する。
【0101】
ここで、源クロックと同期パルス信号との同期について図6に基づいて説明する。図6(a)は、同期パルス信号と源クロックとの関係を、図6(b)は、同期パルス信号と同期クロックとの関係を示すタイミングチャートである。同期センサ21Aと基準クロック発生回路33とは独立したものであり、同期パルス信号と源クロックとは互いに無関係に生成されるものである。したがって、一般に、同期パルス信号が生成された時点では、同期パルス信号の始端(立ち下がりのタイミング)と源クロックにおけるパルスの始端(ここではパルスの立ち上がりのタイミング)との間には時間的なずれ(Δt)が存在することになる(図6(a))。
【0102】
クロック同期回路35は、このような関係にある同期パルス信号および源クロックに対してタイミング調整を行う。具体的には、クロック同期回路35が、源クロックを遅らせるなどすることにより、同期パルス信号の始端と源クロックの始端とを一致させ、Δtを0にする(図6(a))。このようなクロック同期回路35は、例えばM66236(三菱電気株式会社製)などの集積回路を用いて構成することができる。なお、この集積回路を用いた場合では、同期パルス信号をトリガとして入力し、この同期パルス信号の立ち下がりエッジで同期クロックの出力タイミングが規定される。
【0103】
図1にもどって、メモリコントローラ34には、同期センサ21Aおよびクロック同期回路35の出力が接続されており、上記のような同期パルス信号および同期クロックが入力されるようになっている。そして、メモリコントローラ34は、これらに基づいてラインメモリ32からの画素データの読み出しを制御するコントロール信号、切換スイッチ36を制御する切換信号、および画素データの代わりにD/Aコンバータ37に入力する補助データを生成する。
【0104】
このコントロール信号は、ラインメモリ32に対して画素データの読み出しを制御するものである。メモリコントローラ34は、メモリコントローラ34が備えているカウンタ34aにより同期クロックをカウントしている。コントロール信号は、そのカウント値(同期信号)(以下、単に「カウント値」という。)と、メモリコントローラ34が備えているメモリ34bに記憶されている設定値とに基づいて、画素データの読み出しの開始をラインメモリ32に指示するものである。
【0105】
ここで、同期クロックは、上記のように同期パルス信号と同期しているものである。また、カウント値は、メモリコントローラ34に入力される同期パルス信号によってリセットされる。つまり、カウント値は各行ごとにリセットされることになる。したがって、光ビームを走査する際における走査範囲(印画紙P(図4参照)上を含む)での光ビームの位置を、カウント値に対応付けることができる。そこで、ラインメモリ32は、カウント値によって光ビームの走査位置を認識するようになっている。
【0106】
そして、光ビームを走査する際に光ビームが印画紙Pの端部に達するときのカウント値が、設定値としてメモリ34bに記憶されている。つまり、この設定値は、印画紙Pの幅などに基づいて決定されるものである。この設定値は、PC5からの指示により、メモリコントローラ34に接続されているCPU38によって適宜変更されるものである。
【0107】
これらカウント値と設定値とに基づいて、メモリコントローラ34は画素データを読み出しを開始すべきタイミングを認識し、コントロール信号によってラインメモリ32に読み出しを指示する。
【0108】
ラインメモリ32には、クロック同期回路35の出力が接続されており、同期クロックが入力されている。そして、ラインメモリ32にコントロール信号によって画素データの読み出しの開始が指示された後は、同期クロックに同期して、順次各画素データが読み出される。
【0109】
また、メモリコントローラ34は、切換スイッチ36を制御する切換信号を生成するようになっている。ここで、切換スイッチ36は、2つのスリーステートバッファ36a・36bから構成されている。スリーステートバッファ36aは、インバータ素子36cによって反転された切換信号により制御され、スリーステートバッファ36bは、反転されない切換信号により制御される。
【0110】
そして、切換スイッチ36は、切換信号によりD/Aコンバータ37へ入力するデータラインとして、画素データを送るラインメモリ32からのデータラインL1、および補助データを送るメモリコントローラ(補助データ出力部)34からのデータラインL2の中から何れか一方を選択する。ここでは、切換信号がハイレベル(以下「H」と記す。)であるときには、画素データ側のデータラインL1を切断し、補助データ側のデータラインL2を接続する。一方、切換信号がローレベル(以下「L」と記す。)であるときには、補助データ側のデータラインL2を切断し、画素データ側のデータラインL1を接続する。
【0111】
ここで、補助データは、メモリコントローラ34によって生成されるものであり、光ビームの走査範囲における画像領域(印画紙P(図4参照)上で画像が焼き付けられる領域)以外の部分に光ビームが位置する場合に、AOMドライバ15を駆動するためのデータである。そして、メモリコントローラ34は、補助データとして、同期センサ21Aを照射するタイミングにおいて、光ビームの光量が同期センサ21Aが感知するのに適したものとなるようなデータ(以下「on」と記す。)(出力値)を生成する。また、メモリコントローラ34は、補助データとして、同期センサ21Aを照射するタイミング以外において、光ビームの光量が0となるようなデータ(以下「off」と記す。)(出力値)を生成する。この補助データは、さらに多段階のデータとしてもよい。
【0112】
このように補助データを生成するタイミングに関しても、上記のコントロール信号の場合と同様に、カウント値に基づいてメモリコントローラ34により決定されるものである。これにより、回路構成が簡単になるとともに、同期センサ21Aが配置された必要最小限の部分に対してのみ光ビームを照射することができる。
【0113】
そして、メモリコントローラ34は、上記の切換信号として、光ビームが画像領域を走査され得る期間のみHを生成し、その他の期間ではLを生成する。これにより画像領域と画像領域以外とを区別することができる。この切換信号を生成するタイミングに関しても、上記のコントロール信号および補助データの場合と同様にカウント値に基づくものである。
【0114】
これにより、切換スイッチ36からD/Aコンバータ37へ、補助データがonのデータ、補助データがoffのデータ、および画素データの3種類のデータを光ビームの位置に応じて適宜出力することができる。つまり、D/Aコンバータ37およびAOMドライバ15に対してデータを送るためのラインを1系統にすることができる。そして、この1系統のラインによって、光ビームの全走査範囲に対して光ビームの強度変調を行うことができる。
【0115】
D/Aコンバータ37は、入力されるデジタル値が変化すればAOMドライバ15へのアナログデータ値が変化するようになっている。そして、D/Aコンバータ37へのデジタル入力のアップデートレートは、ピクセル周期(基準クロックの周期)に設定されている。なお、通常、高速のD/Aコンバータにはデータのアップデートレートの数倍のクロックを入力する必要がある。そこで、D/Aコンバータ37には、周波数逓倍回路39により同期クロックの周波数を所定倍にした逓倍クロックが入力される。
【0116】
また、PC5と接続されたCPU38によって、メモリコントローラ34による上記の各制御に関する設定を行うことができる。
【0117】
ここでは、上記のように各色を区別しない任意の色に関して説明した。実際には、ラインメモリ32が各色に対応した画素データを出力するものであり、ラインメモリ32からAOMドライバ15R・15G・15Bに至る経路は各色ごとに設けられるものである。
【0118】
なお、同期センサ21Aは各色共通であってもよい。この場合、同期センサ21Aは各色のうちのいずれか1つの色のレーザ光によって同期パルス信号を生成するようにするとともに、メモリコントローラ34を各色ごとに設けておき、各色ごとにコントロール信号や切換信号、補助データを生成することが望ましい。fθレンズ20により各色のレーザ光の間には色収差が生じ得る。したがって、上記のように各色ごとにコントロール信号や切換信号を生成することで、色収差の影響を低減することができる。また、同期センサ21Aに同期パルス信号を生成させる色のレーザ光以外のレーザ光に関する補助データとしては、同期センサ21Aを照射するタイミングにおいてもoffのデータを生成すればよい。
【0119】
また、レーザ光の走査線上に同期センサ21Aを3個並べて、各色ごとに同期パルスを生成し、各色ごとに同期された同期クロックを用いてもよい。この場合には、同期センサ21Aにおける各色のレーザ光の受光感度を考慮して各色に関する補助データの出力値を各色ごとに適切に設定することが好ましい。
【0120】
次に、上記のような各信号(同期パルス信号、同期クロック、および切換信号)と、各データ(画素データおよび補助データ)との関係、これらとカウント値との関係について、図1を参照しつつ図7に基づいて説明する。図7は、各信号、各データ、およびカウント値の関係を示すタイミングチャートである。
【0121】
同期パルス信号は、図5に示したように同期センサ21Aが光ビームにより照射されることで、光ビームが特定の位置を通過したタイミングと同期してHからLに立ち下がり、所定時間経過後Hにもどる。この同期パルス信号の立ち下がりのタイミングと、同期クロックの立ち上がりのタイミングとが一致するように、同期クロックが調整される。したがって、直前の走査周期における同期クロックと、当該走査周期における同期クロックとの間では、一般に位相がずれることになる。また、同期パルス信号の立ち下がりのタイミングにおいて、カウント値が0にリセットされる。
【0122】
この同期パルス信号の立ち下がりによって、光ビームの1走査周期の開始がメモリコントローラ34により認識される。また、光ビームの1走査周期の終了は、メモリコントローラ34のメモリ34bに予め設定されたカウント値(図7では11000)に基づいてメモリコントローラ34によって認識される。
【0123】
ここで、同期パルス信号は、同期センサ21Aが光ビームにより照射されることにより生成されるものであるため、同期パルス信号の立ち下がりの直前にはD/Aコンバータ37に補助データを入力している必要がある。そこで、直前の走査周期の同期クロックに基づいて、補助データをoffからonに切り換える。ここでは、直前の走査周期の最後の同期クロック(カウント値11000)の立ち下がりのタイミングに同期して、補助データをoffからonに切り換えるものとする。
【0124】
また、同期パルス信号が生成された後、光ビームが画像領域に達するまでの間では、補助データをoffとして光ビームの光量を0とする。これは、上記のように光ビームが搬送ローラ22(図4参照)などで反射されて迷光を生じることを防ぐためである。ここでは、同期パルス信号の立ち下がりの後に同期クロックを所定数(図7で1つ)カウントしたとき、補助データをonからoffに切り換えるものとする。なお、同期パルス信号の立ち上がりのタイミングに同期して、補助データをonからoffに切り換えてもよい。
【0125】
なお、切換信号は、上記のように光ビームが画像領域を走査される期間のみHとなり、その他の期間ではLとなっている。したがって、光ビームが画像領域を走査されるタイミング以外の期間では補助データが有効になっている。
【0126】
印画紙P(図4参照)の幅(以下「印画紙幅」という。)は、メモリコントローラ34において、メモリ34bに書き込まれた設定値によって決定される。ここでは、印画紙幅がカウント値2200からカウント値8800に対応している。なお、印画紙幅に対応するカウント値は、搬送部9による印画紙Pの搬送誤差などを考慮して設定すればよい。また、印画紙Pは、図4に示すようにfθレンズ20の走査方向の中央に対してほぼ対称に配置されている。
【0127】
そして、印画紙領域に入ると、切換信号がHからLに切り換えられる。これにより、画素データが有効になりD/Aコンバータ37へ入力されることになる。そして光ビームが印画紙領域の外部へ出る際に、切換信号がLからHに切り換えられ、補助データが有効になりD/Aコンバータ37へ入力される。その後、この走査周期が終了するまでoffの補助データがD/Aコンバータ37へ入力される。
【0128】
なお、露光動作に入る前のオーダー待ち状態、例えば印画紙が搬送ローラ22上に存在していないが光源部7R・7G・7Bからはレーザ光が出射されており、ポリゴンミラー18も回転しているような状態では、切換信号がHとなるように設定されていることが望ましい。これにより、offの補助データがD/Aコンバータ37へ入力されるため、不要な発光を抑制することができる。
【0129】
以上のような走査周期を画像データの各ラインデータごとに繰り返すことにより、印画紙P(図4参照)上に画像データに基づいた画像を焼き付ける。
【0130】
なお、画素データおよび補助データはデジタルデータである。したがって、アナログ電圧等による制御と比較して、回路規模を小型化し、精度を向上させることができる。
【0131】
以上のように、本実施形態の制御部30は、光ビームの走査位置をカウント値により管理する。そして、印画紙P(図4参照)が存在する位置に対応するカウント値の範囲を設定値として設定しておく。カウント値が設定値の範囲内にあるときは、画像領域として画素データに基づいた光ビームの強度変調を行う(光ビームの発光を許可する)。また、同期センサ21Aが存在する位置に対応するカウント値を設定値として設定しておく。そして、カウント値が、設定値から所定の値分前の値になったときから同期センサ21Aが光ビームを検出するまでを、同期センサ検出領域として光ビームを同期センサ21Aに適した強度にする(光ビームの発光を許可する)。これ以外のカウント値では、光ビームの強度を0にする(光ビームの発光を禁止する)。同期センサ21Aが光ビームを検出すると、カウント値をリセットし、カウント値が大きくなることと、制御が複雑になることを防止する。
【0132】
つまり、主走査の位置をカウント値により管理し、カウント値が印画紙Pの存在する位置に相当する値であるときと、カウント値が同期センサ21Aの存在する位置に相当する値の直前の値であるときのみ光ビームの発光を許可する。ここで、同期クロックをカウントしてカウント値を得るカウンタ34aを、画素データの読み出しを管理するものと同じものを用いる。また、光ビームの発光の許可および禁止を、AOMドライバ15へのデータの出力により行う。
【0133】
また、以上のように、本実施形態の焼付部6(図3参照)は、図1および図4に示したように、露光量に応じた色濃度を示す印画紙P(図4参照)を露光して画像を形成するための焼付部6であって、レーザ光を発生する光源と、光源からのレーザ光を感光体に対して走査させる走査部8と、レーザ光の走査に同期したカウント値を生成する同期信号生成部(メモリコントローラ34)と、レーザ光の走査範囲における画素に対応する範囲でのレーザ光の光量を制御する画素データを、カウント値に基づいて出力するラインメモリ32と、レーザ光の走査範囲における画素に対応する範囲以外の部分でのレーザ光の光量を制御する補助データを出力する補助データ出力部(メモリコントローラ34)と、ラインメモリ32の出力と補助データ出力部の出力とを、カウント値に基づいて切り換える切換スイッチ36と、走査されるレーザ光の光量を、切換スイッチ36からの出力に基づいて変調するAOM12R・12G・12Bとを備えている。
【0134】
これにより、一定光量で発振しているレーザ光を光源とする露光装置において、迷光などによる不要な露光(かぶり)を抑制することで、形成する画像の画質の向上を図ることができる。さらに、このようにして画質の向上を図ることが可能な焼付部6の制御部30を、より簡単な回路構成で実現することができる。
【0135】
【発明の効果】
本発明の露光装置は、以上のように、レーザ光を発生する光源と、レーザ光を感光体に対して走査させる光走査部と、レーザ光の走査に同期した同期信号を生成する同期信号生成部と、画素データを同期信号に基づいて出力する画素データ出力部と、補助データを出力する補助データ出力部と、画素データ出力部の出力と補助データ出力部の出力とを、同期信号に基づいて切り換える切換部と、レーザ光の光量を切換部からの出力に基づいて変調する光変調部とを備えている構成である。
【0136】
上記の構成では、光源は一定光量のレーザ光を発生しておればよいため、光源からの発光を安定化させやすい構成である。また、上記の構成では、光源によって光量を変調する必要がないため、光量を一定に保つことが容易である。
【0137】
また、上記の構成では、画素と画素以外の部分とを区別してレーザ光の光量をレーザ光の走査位置に適したものに設定することができる。そして、そのための回路構成の複雑化を抑制することができる。
【0138】
これにより、上記の構成は、迷光などによる不要な露光(かぶり)を抑制することで、形成する画像の画質の向上を図ることができる。さらに、このようにして画質の向上を図ることが可能な露光装置を、より簡単な回路構成で実現することができる。
【0139】
本発明の露光装置は、さらに、レーザ光の照射により基準信号を生成する同期センサを備えており、同期信号生成部が基準信号に基づいて同期信号を生成し、補助データ出力部が、補助データとして互いに異なる少なくとも2つの出力値を切り換えて出力することが好ましい。
【0140】
上記の構成では、画素以外の部分において、同期センサが配置されている部分に対しては、その同期センサに適した光量のレーザ光を照射することで、正確な基準信号を生成することができる。したがって、レーザ光の走査に正確に同期した同期信号を得ることができ、正確な画像形成を行うことができる。また、画素以外の部分における同期センサ以外の部分では、レーザ光の光量を0にするなどして上記した迷光の発生を抑制することができる。
【0141】
本発明の露光装置は、さらに、補助データ出力部の出力値の1つが、レーザ光を同期センサに適した光量に変調する値であることが好ましい。
【0142】
上記の構成では、レーザ光の走査に正確に同期した同期信号を得ることができ、正確な画像形成を行うことができる。
【0143】
本発明の露光装置は、さらに、補助データ出力部が、同期信号に基づいて出力値を切り換えて出力することが好ましい。
【0144】
上記の構成では、画素以外の部分において、同期センサが配置された必要最小限の部分に対してのみレーザ光を照射することができる。したがって、迷光の発生をより抑制することができる。また、画素データの出力を制御する同期信号を利用して出力値を切り換えることにより、切り換えのタイミングを指示する信号を発生する回路を別途設ける必要がなくなり、回路構成が簡単になる。
【0145】
本発明の露光装置は、さらに、画素データ出力部の出力と補助データ出力部の出力とを、切換部において切り換える時期が可変であることが好ましい。
【0146】
上記の構成では、切換部における切り換えの時期を変更することにより、レーザ光の走査方向における幅が異なる感光体を用いて画像を形成することが可能になる。
【0147】
本発明の露光装置は、さらに、光源が、互いに異なる色のレーザ光を発生する2つ以上のレーザ光源からなり、光変調部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するものであり、画素データ出力部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するために各色に対応した画素データを出力し、補助データ出力部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するために各色に対応した補助データを出力し、光走査部が、各色のレーザ光を1つの光線として走査することが好ましい。
【0148】
上記の構成では、フルカラー画像を形成することができる。また、上記の構成では、各色のレーザ光の間で色収差等によるずれが生じるような場合でも、各色の間で補助データを調整することにより、画素に対応する範囲の外部でのレーザ光の位置と光量との関係が各色の間でずれることを抑制することができる。
【0149】
本発明の露光装置は、さらに、光源が、互いに異なる色のレーザ光を発生する2つ以上のレーザ光源からなり、光変調部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するものであり、画素データ出力部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するために各色に対応した画素データを出力し、光走査部が、各色のレーザ光を1つの光線として走査するとともに、同期信号生成部が、1つのレーザ光源から発生されるレーザ光に基づいて各色のレーザ光に対応する同期信号を生成することが好ましい。
【0150】
上記の構成では、フルカラー画像を形成することができる。また、上記の構成では、1つのレーザ光源から発生されるレーザ光に基づいて各色のレーザ光に対応する同期信号を生成するため、レーザ光を検知するための構成(例えば同期センサ)を各色で共通化することができる。
【0151】
本発明の露光装置は、さらに、補助データが、感光体が存在しない場合のレーザ光の光量を制御するデータでもあり、感光体が存在しない場合には、切換部が補助データ出力部からの出力を光変調部に出力することが好ましい。
【0152】
上記の構成では、感光体は存在していないが光源からはレーザ光が出射され光走査部はレーザ光を走査できる状態、例えば露光動作に入る前のオーダー待ち状態にあるときに、補助データによりレーザ光の光量を制御して不要な発光を抑制することを同一の回路構成により実現することができる。これにより、別途オーダー待ち状態のレーザ光を制御するための回路を追加する必要がなく、回路構成の単純化を図ることがでる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る写真処理装置における制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係る写真処理装置の構成を示す説明図である。
【図3】 図2の写真処理装置における画像形成部および印画紙格納部の構成を示す説明図である。
【図4】 図3の画像形成部における焼付部の概略構成を示す説明図である。
【図5】 図4の焼付け部における同期センサの一例を示す概念図であり、(a)は受光面の構成を、(b)は受光部からの出力を、(c)は生成する同期パルス信号をそれぞれ示している。
【図6】 (a)は、同期パルス信号と源クロックとの関係を、(b)は、同期パルス信号と同期クロックとの関係を示すタイミングチャートである。
【図7】 各信号(同期パルス信号、同期クロック、および切換信号)、各データ(画素データおよび補助データ)、およびカウント値の関係を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 画像形成部
6 焼付部(露光装置)
8 走査部(光走査部)
9 搬送部
10R 赤色LD(光源、レーザ光源)
10G 緑色SHGレーザユニット(光源、レーザ光源)
10B 青色SHGレーザユニット(光源、レーザ光源)
12R AOM(光変調部)
12B AOM(光変調部)
12G AOM(光変調部)
15R AOMドライバ
15B AOMドライバ
15G AOMドライバ
18 ポリゴンミラー
21A 同期センサ
25 露光部
30 制御部
32 ラインメモリ(画素データ出力部)
34 メモリコントローラ(同期信号生成部、補助データ出力部)
34a カウンタ
34b メモリ
35 クロック同期回路
36 切換スイッチ(切換部)
37 D/Aコンバータ
P 印画紙(感光体)

Claims (7)

  1. 露光量に応じた色濃度を示す感光体を露光して画像を形成するための露光装置において、
    レーザ光を発生する光源と、
    該光源からのレーザ光を感光体に対して走査させる光走査部と、
    レーザ光の走査に同期した同期信号を生成する同期信号生成部と、
    レーザ光の走査範囲における画素に対応する範囲でのレーザ光の光量を制御する画素データを、前記同期信号に基づいて出力する画素データ出力部と、
    レーザ光の走査範囲における画素に対応する範囲の外部でのレーザ光の光量を制御する補助データを出力する補助データ出力部と、
    前記画素データ出力部の出力と前記補助データ出力部の出力とを、前記同期信号に基づいて切り換える切換部と、
    走査されるレーザ光の光量を、前記切換部からの出力に基づいて変調する光変調部と、
    レーザ光の走査範囲における画素に対応する範囲の外部に配置され、レーザ光が照射されることにより前記同期信号を生成する基準となる基準信号を生成する同期センサを備えており、
    前記補助データ出力部は、互いに異なる少なくとも2つの出力値を切り換えて出力可能であり、前記同期センサにレーザ光が照射されるとき以外は、該レーザ光の光量を0とする出力値を出力することを特徴とする露光装置。
  2. 請求項1に記載の露光装置において、
    前記補助データ出力部が前記補助データとして出力する出力値の1つが、前記光変調部においてレーザ光を前記同期センサに適した光量に変調する値であることを特徴とする露光装置。
  3. 請求項1または2に記載の露光装置において、
    前記補助データ出力部が、前記同期信号に基づいて前記出力値を切り換えて出力することを特徴とする露光装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の露光装置において、
    前記画素データ出力部の出力と前記補助データ出力部の出力とを、前記切換部において切り換える時期が可変であることを特徴とする露光装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の露光装置において、
    前記光源が、互いに異なる色のレーザ光を発生する2つ以上のレーザ光源からなり、
    前記光変調部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するものであり、
    前記画素データ出力部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するために各色に対応した画素データを出力し、
    前記補助データ出力部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するために各色に対応した補助データを出力し、
    前記光走査部が、各色のレーザ光を1つの光線として走査することを特徴とする露光装置。
  6. 請求項1から4の何れか1項に記載の露光装置において、
    前記光源が、互いに異なる色のレーザ光を発生する2つ以上のレーザ光源からなり、
    前記光変調部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するものであり、
    前記画素データ出力部が、各色のレーザ光の光量を個別に変調するために各色に対応し た画素データを出力し、
    前記光走査部が、各色のレーザ光を1つの光線として走査するとともに、
    前記同期信号生成部が、1つのレーザ光源から発生されるレーザ光に基づいて各色のレーザ光に対応する同期信号を生成することを特徴とする露光装置。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の露光装置において、
    前記補助データが、感光体が存在しない場合のレーザ光の光量を制御するデータでもあり、
    感光体が存在しない場合には、前記切換部が前記補助データ出力部からの出力を前記光変調部に出力することを特徴とする露光装置。
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