JP2002341460A - 露光装置、写真処理装置および露光方法 - Google Patents

露光装置、写真処理装置および露光方法

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JP2002341460A
JP2002341460A JP2001151440A JP2001151440A JP2002341460A JP 2002341460 A JP2002341460 A JP 2002341460A JP 2001151440 A JP2001151440 A JP 2001151440A JP 2001151440 A JP2001151440 A JP 2001151440A JP 2002341460 A JP2002341460 A JP 2002341460A
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JP2001151440A
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English (en)
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誠吾 ▲吉▼田
Seigo Yoshida
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Noritsu Koki Co Ltd
Original Assignee
Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置のコストアップを招くことなく、プリン
ト濃度の細かい、階調性豊かな画像を印画紙上で再現す
る。 【解決手段】 画像を構成する各ドットの入力画像デー
タ(8ビットデータ)を、印画紙の発色特性に応じた階
調値の出力画像データ(12ビットデータ)に変換する
LUT32と、Nを2以上の整数とすると、1ドットの
出力画像データに対応してN個の出力画像データを生成
するデータ生成部33と、上記N個の出力画像データに
対応するN個のドットが、主走査方向と副走査方向との
うち少なくともどちらか一方向にずれて印画紙上に形成
されるように印画紙を露光する露光部7とを設ける。デ
ータ生成部33は、1ドットの出力画像データに対応す
る階調が、N個の出力画像データに対応して形成される
N個のドット全体によって印画紙上で再現されるよう
に、2種以上からなるN個の出力画像データを生成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル画像デー
タに基づいて変調されたレーザ光を用いて感光材料であ
る印画紙を露光することにより、印画紙上に画像を形成
する露光装置、写真処理装置および露光方法に関するも
のであり、特に、プリント濃度の細かい、階調性豊かな
画像を印画紙上に形成するようにした露光装置、写真処
理装置および露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、写真の焼き付けを行う露光方
式として、デジタル露光が知られている。このデジタル
露光は、写真フィルム上の画像をスキャナ等によって読
み取って得られる画像データや、デジタルカメラによる
撮影によって得られる画像データなどに基づいて、赤、
緑、青の単色光を各画素毎に印画紙上に照射することに
より、上記画像データに応じた画像を印画紙に焼き付け
る方式である。
【0003】このようなデジタル露光を行う露光装置と
しては種々提案されているが、例えば、光源として赤
(R)、緑(G)、青(B)の各色のレーザ光を出射す
るレーザ光源を用いるものがある。この露光装置では、
まず、入力されるデジタル画像データに基づいて各色の
レーザ光が変調される。このレーザ光の変調は、各色に
対応するAOM(Acousto-Optic Modulator ;音響光学
変調素子)によって行われる。そして、各AOMにて変
調されたレーザ光が、ポリゴンミラー等の偏向器によっ
て主走査方向に偏向され、fθレンズなどの光学系を介
して印画紙上に照射される。主走査方向とは垂直方向の
副走査方向に印画紙を搬送しながら、変調されたレーザ
光を印画紙に照射することにより、最終的には、印画紙
上に2次元的なカラー画像が焼き付けられる。
【0004】ところで、このような露光装置において
は、従来から、同じ画像データ(すなわち1種類の画像
データ)を用いて副走査方向にドットを重ね打ちするこ
とが行われている。これは、印画紙上の副走査方向に形
成されるドットとドットとの隙間を無くし、これらのド
ットを滑らかにつなげるためである。以下、従来の重ね
打ちの手法について、さらに詳細に説明する。
【0005】まず、LUT(ルックアップテーブル)に
より、8ビット(0〜255)の入力画像データを、印
画紙の発色特性に応じた階調値に対応する12ビット
(0〜4095)の出力画像データに変換する。なお、
ここでの説明をわかりやすくするため、例えば、画像1
ドットに対応する入力画像データが244であり、これ
に対応する出力画像データが4093.5であったとす
る。
【0006】ここで、AOMは、この出力画像データに
基づいて駆動されるが、出力画像データが、整数値で示
される隣り合う階調値の間のデータである場合には、A
OMは、その性能からして、その出力画像データに応じ
たレーザ光の変調を行うことができない。そのため、従
来では、出力画像データが小数値を含む場合は、例えば
その出力画像データを越えない範囲でこれに最も近い整
数値を出力画像データとしている。したがって、上記の
例では、4093.5を越えない範囲でこれに最も近い
4093が出力画像データとして得られることになる。
【0007】次に、この出力画像データ(4093)に
基づいてAOMを駆動し、AOMにて変調されたレーザ
光により、この出力画像データに対応する第1ドットを
印画紙上に形成する。そして、このラインの露光を終え
た後、印画紙上の第1ドットから副走査方向に0.5ド
ット分だけずれた位置に、上記と同じ4093の出力画
像データに基づいてAOMによって変調されたレーザ光
により、この出力画像データに対応する第2ドットを印
画紙上に形成し、このラインの露光を行う。以下、画像
中の残りのドットについても、上記と同様の動作を繰り
返す。
【0008】このような重ね打ちにより、例えば、上記
の出力画像データ4093に対応して形成される印画紙
上の副走査方向の2ドットは、この2ドット全体として
4093の階調値を表現することになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の重ね
打ちの手法では、1ドットの出力画像データが小数値を
含む場合には、その出力画像データを越えない同じ整数
値のデータを2回用いてドットを重ね打ちするだけであ
り、その1ドットの出力画像データの階調そのもの(上
記の例では4093.5)を印画紙上で再現することが
できない。このため、プリント濃度の細かい、階調性豊
かな画像を印画紙上に再現することができないという問
題が生じる。
【0010】なお、そのような小数値を含む出力画像デ
ータにも対応できるような特殊なAOMを用いること
で、階調性豊かな画像を印画紙上で再現する方法も考え
られる。しかし、特殊なAOMはコストが高く、装置の
コストアップを招くため、そのようなAOMを用いる方
法は望ましくはない。
【0011】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、装置のコストアップを招
くことなく、プリント濃度の細かい、階調性豊かな画像
を印画紙上で再現することができる露光装置、写真処理
装置および露光方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る露光装置
は、上記の課題を解決するために、感光材料を副走査方
向に搬送しながら、この副走査方向と直交する主走査方
向に感光材料を走査露光する露光装置であって、画像を
構成する各ドットの入力画像データを、感光材料の発色
特性に応じた階調値の出力画像データに変換する変換手
段と、Nを2以上の整数とすると、1ドットの出力画像
データに対応してN個の出力画像データを生成するデー
タ生成手段と、上記N個の出力画像データに対応するN
個のドットが、主走査方向と副走査方向とのうち少なく
ともどちらか一方向にずれて感光材料上に形成されるよ
うに感光材料を露光する露光手段とを備え、上記データ
生成手段は、1ドットの出力画像データに対応する階調
が、N個の出力画像データに対応して形成されるN個の
ドット全体によって感光材料上で再現されるように、2
種以上からなるN個の出力画像データを生成することを
特徴としている。
【0013】また、本発明に係る露光方法は、上記の課
題を解決するために、感光材料を副走査方向に搬送しな
がら、この副走査方向と直交する主走査方向に感光材料
を走査露光する露光方法であって、画像を構成する各ド
ットの入力画像データを、感光材料の発色特性に応じた
階調値の出力画像データに変換する第1のステップと、
Nを2以上の整数とすると、1ドットの出力画像データ
に対応してN個の出力画像データを生成する第2のステ
ップと、上記N個の出力画像データに対応するN個のド
ットが、主走査方向と副走査方向とのうち少なくともど
ちらか一方向にずれて感光材料上に形成されるように感
光材料を露光する第3のステップとを有しており、上記
第2のステップでは、1ドットの出力画像データに対応
する階調がN個の出力画像データに対応するN個のドッ
ト全体によって感光材料上で再現されるように、2種以
上からなるN個の出力画像データを生成することを特徴
としている。
【0014】上記の構成によれば、画像を構成する各ド
ットの入力画像データ(例えば8ビットのデータ)が、
変換手段により出力画像データ(例えば12ビットのデ
ータ)に変換される。そして、データ生成手段により、
1ドットの出力画像データに対応してN個の出力画像デ
ータが生成される。露光手段は、N個の出力画像データ
に対応するN個のドットが主走査方向および/または副
走査方向にずれて形成されるように感光材料を露光し、
画像1ドットに対応するN個のドットを感光材料上に重
ね打ちする。これにより、画像1ドットに対応して感光
材料上に形成される画像(N個のドットからなる)と画
像(N個のドットからなる)との間の隙間が無くなって
これらの画像が滑らかにつながり、画質が向上すること
になる。
【0015】ここで、データ生成手段は、1ドットの出
力画像データに対応してN個の出力画像データを生成す
るにあたり、1ドットの出力画像データに対応する階調
が、N個の出力画像データに対応して形成されるN個の
ドット全体によって感光材料上で再現されるように、2
種以上からなるN個の出力画像データを生成する。例え
ば、2種からなるN個の出力画像データとしては、1ド
ットの出力画像データと隣り合う階調値となる2個の出
力画像データを考えることができ、3種以上からなるN
個の出力画像データとしては、1ドットの出力画像デー
タに近い階調値の出力画像データを3種類以上考えるこ
とができる。
【0016】データ生成手段が、このような2種以上か
らなるN個の出力画像データを生成すれば、露光手段が
上記N個の出力画像データに対応するN個のドットを感
光材料上に形成した場合に、1ドットの出力画像データ
に対応する階調を、N個の出力画像データに対応して形
成されるN個のドット全体によって感光材料上で再現す
ることができる。
【0017】つまり、例えば、1ドットの出力画像デー
タが12ビットで4093.5の場合、4093と40
94との2個の出力画像データで2個のドットを感光材
料上に形成すれば、2個のドット全体として、(409
3+4094)/2=4093.5の階調となり、1ド
ットの出力画像データと同じ階調を感光材料上で再現す
ることができる。このことは、1ドットの出力画像デー
タが整数値以外の階調値であっても、その階調を感光材
料上で再現することができ、階調を細かく表現できるこ
とを意味する。なお、データ生成手段がN個の出力画像
データを3種以上生成した場合でも同様であり、この場
合でも、整数値以外の階調を感光材料上で再現すること
ができる。
【0018】したがって、従来は、1ドットの出力画像
データが整数値以外のデータの場合には、露光手段の性
能からして、その出力画像データそのものの階調を感光
材料上で再現することができなかったが、上記構成によ
れば、N個の出力画像データを2種以上で構成すること
により、たとえ1ドットの出力画像データが整数値以外
のデータであっても、ドットの重ね打ちを利用すること
で、露光手段を何ら特殊なもので構成することなく、N
個のドット全体でその出力画像データそのものの階調を
感光材料上で再現することができる。その結果、装置の
コストアップを招くことなく、プリント濃度の細かい、
階調性豊かな画像を感光材料上に再現することができ
る。
【0019】本発明に係る露光装置は、上記の課題を解
決するために、上記データ生成手段は、1ドットの出力
画像データがこれと隣り合う整数値で示される各出力画
像データの間のデータであるときに、上記隣り合う出力
画像データを用いてN個の出力画像データを生成するこ
とを特徴としている。
【0020】例えば、1ドットの出力画像データが12
ビットで4093.5の場合、上述のように、409
3.5と隣り合う2つの出力画像データ4093および
4094を用い、これら2個の出力画像データで2個の
ドットを感光材料上に形成すれば、2個のドット全体と
して、(4093+4094)/2=4093.5の階
調となる。
【0021】また、例えば、1ドットの出力画像データ
が12ビットで4093.33の場合、4093.33
と隣り合う出力画像データ4093を2個、4094を
1個を用い、これら3個の出力画像データで3個のドッ
トを感光材料上に形成すれば、3個のドット全体とし
て、(4093×2+4094×1)/3=4093.
33の階調となる。
【0022】このように、1ドットの出力画像データが
これと隣り合う整数値で示される各出力画像データの間
のデータであるときに、データ生成手段が上記隣り合う
出力画像データを用いてN個の出力画像データを生成す
ることで、露光手段が上記N個の出力画像データに対応
するN個のドットを感光材料上に重ね打ちした場合に
は、1ドットの上記出力画像データと同じ階調を、上記
N個のドット全体によって、感光材料上で確実に再現す
ることができる。これにより、装置のコストアップを招
くことなく、プリント濃度の細かい、階調性豊かな画像
を感光材料上に再現できる本発明の効果を確実に得るこ
とができる。
【0023】本発明に係る露光装置は、上記の課題を解
決するために、kを1以上N未満の整数、aを0以上の
整数、bをaよりも大きくaと連続する整数、xおよび
yを1以上の整数、変換手段にて変換された1ドットの
出力画像データをPとすると、上記データ生成手段は、
1ドットの出力画像データPがこれと隣り合う出力画像
データaおよびbの間のデータであり、かつ、出力画像
データaおよびbの間のk/Nに相当するデータである
ときに、P=a+(k/N)=(ax+by)/N、か
つ、x+y=Nを満たすような出力画像データaをx
個、出力画像データbをy個でN個の出力画像データを
生成することを特徴としている。
【0024】上記の構成によれば、データ生成手段が、
P=a+(k/N)=(ax+by)/N、かつ、x+
y=Nを満たすような出力画像データaをx個、出力画
像データbをy個でN個の出力画像データを生成するの
で、露光手段が出力画像データaのドットをx個、出力
画像データbのドットをy個の合計N個のドットを感光
材料上に形成したときには、N個のドット全体で、(a
x+by)/Nの階調、すなわち、P=a+(k/N)
の階調を確実に再現することができる。これにより、装
置のコストアップを招くことなく、プリント濃度の細か
い、階調性豊かな画像を感光材料上に再現できる本発明
の効果を確実に得ることができる。
【0025】また、本発明に係る露光装置は、上記の課
題を解決するために、感光材料を副走査方向に搬送しな
がら、この副走査方向と直交する主走査方向に感光材料
を走査露光する露光装置であって、画像を構成する各ド
ットの入力画像データを、感光材料の発色特性に応じた
階調値の出力画像データに変換する変換手段と、Nを2
以上の整数とすると、1ドットの出力画像データに対応
してN個の出力画像データを生成するデータ生成手段
と、上記N個の出力画像データに対応するN個のドット
が、主走査方向と副走査方向とのうち少なくともどちら
か一方向にずれて感光材料上に形成されるように感光材
料を露光する露光手段とを備え、kを1以上N未満の整
数、aを0以上の整数、bをaよりも大きくaと連続す
る整数、xおよびyを1以上の整数、変換手段にて変換
された1ドットの出力画像データをPとすると、上記デ
ータ生成手段は、1ドットの出力画像データPがこれと
隣り合う出力画像データaおよびbの間のデータであ
り、かつ、出力画像データaおよびbの間のk/Nに相
当するデータ以外のデータであるときに、出力画像デー
タPが、a、b、a+(k/N)のいずれに最も近いか
を判断し、a+(k/N)に最も近いと判断したときに
は、1ドットの出力画像データPに対応して、a+(k
/N)=(ax+by)/N、かつ、x+y=Nを満た
すような出力画像データaをx個、出力画像データbを
y個でN個の出力画像データを生成する構成であっても
よい。
【0026】上記の構成によれば、画像を構成する各ド
ットの入力画像データ(例えば8ビットのデータ)が、
変換手段により出力画像データ(例えば12ビットのデ
ータ)に変換される。そして、データ生成手段により、
1ドットの出力画像データに対応してN個の出力画像デ
ータが生成される。露光手段は、N個の出力画像データ
に対応するN個のドットが主走査方向および/または副
走査方向にずれて形成されるように感光材料を露光し、
画像1ドットに対応するN個のドットを感光材料上に重
ね打ちする。これにより、画像1ドットに対応して感光
材料上に形成される画像(N個のドットからなる)と画
像(N個のドットからなる)との間の隙間が無くなって
これらの画像が滑らかにつながり、画質が向上すること
になる。
【0027】ここで、データ生成手段は、1ドットの出
力画像データに対応してN個の出力画像データを生成す
るにあたり、出力画像データPがa+(k/N)ではな
く、a、b、a+(k/N)のうち、a+(k/N)に
最も近いと判断した場合には、a+(k/N)=(ax
+by)/N、かつ、x+y=Nを満たすような出力画
像データaをx個、出力画像データbをy個でN個の出
力画像データを生成する。これにより、露光手段が出力
画像データaのドットをx個、出力画像データbのドッ
トをy個の合計N個のドットを感光材料上に形成したと
きには、N個のドット全体で、(ax+by)/Nの階
調、すなわち、a+(k/N)の階調が再現される。つ
まり、1ドットの出力画像データPそのものの階調では
ないが、出力画像データPに最も近い階調が感光材料上
で再現されることになる。したがって、この場合でも、
露光手段を特殊なもので構成しなくても、aとbとの間
の階調を再現できることに代わりはないので、上記構成
によれば、装置のコストアップを招くことなく、プリン
ト濃度の細かい、階調性豊かな画像を感光材料上に再現
することができる。
【0028】本発明に係る露光装置は、上記の課題を解
決するために、上記露光手段は、異なる色のレーザ光を
出射する光源と、上記データ生成手段から供給される出
力画像データに基づいて、光源からのレーザ光を変調
し、感光材料に供給する光変調素子とを備えていること
を特徴としている。
【0029】上記の構成によれば、光変調素子が、上記
データ生成手段にて生成されたN個の出力画像データに
基づいて、光源から出射される異なる色のレーザ光を変
調し、感光材料に供給するので、上記変調されたレーザ
光を用いて、N個の出力画像データに対応するN個のド
ットを感光材料上に重ね打ちすることができる。これに
より、レーザ露光を行う露光装置において、本発明の効
果を得ることができる。
【0030】本発明に係る写真処理装置は、上記の課題
を解決するために、上述した本発明の露光装置と、上記
露光装置によって感光材料上に形成された画像を現像す
る現像部とを備えていることを特徴としている。
【0031】上記の構成によれば、上述した本発明の露
光装置にて感光材料上に形成された画像を現像部にて現
像することにより、階調性豊かなプリントを得ることが
できる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0033】本発明は、感光材料としての印画紙を副走
査方向に搬送しながら、この副走査方向と直交する主走
査方向に印画紙を走査露光する露光装置において、Nを
2以上の整数とすると、画像1ドットの出力画像データ
に対応して、2種以上からなるN個の出力画像データを
生成し、N個の出力画像データに対応して形成されるN
個のドット全体によって、画像1ドットの出力画像デー
タに対応する階調を感光材料上で再現するようにした点
に特徴がある。以下、この点を踏まえ、本発明の露光装
置について説明する。
【0034】図2は、本発明の一実施形態に係る写真処
理装置の概略の構成を示す説明図である。同図に示すよ
うに、該写真処理装置は、画像焼付部1および現像処理
部2を備えている。
【0035】画像焼付部1は、感光材料としての印画紙
3に対して、入力された画像データに応じた光を照射す
ることによって焼付処理を行うブロックである。この画
像焼付部1の詳細については後述する。
【0036】現像処理部2は、現像処理部と乾燥部とを
備えている。現像処理部は、発色現像液、漂白液、定着
液、安定液の各種処理液を収容する各処理槽を有してい
る。画像焼付部1において画像の焼付が行われた印画紙
3は、これらの各処理液に順次浸漬されることにより現
像される。なお、この現像処理部において、搬送される
印画紙3に対して上記の各種処理液を吹き付けて処理を
行う構成となっていてもよい。乾燥部は、現像処理部に
おいて現像された印画紙3に対して熱風を吹き付けたり
することによって、乾燥処理を行うブロックである。乾
燥部において乾燥された印画紙3は、仕上がりプリント
4として装置外部に排出される。
【0037】また、本実施形態に係る写真処理装置は、
PC(パーソナルコンピュータ)9をも備えている(図
1参照)。PC9は、画像の出力対象となる元の画像デ
ータの保存、および各種画像編集処理を行うとともに、
写真処理装置における諸々の動作を制御する機能を有し
ている。
【0038】なお、上記画像データとしては、ネガ/ポ
ジ等のフィルムや反射原稿などをスキャナによって読み
取ることによって得られる画像データ、パーソナルコン
ピュータなどによって画像処理された画像データ、デジ
タルカメラなどによって撮影された画像データなどがあ
る。このPC9には、写真フィルムなどをスキャニング
するためのスキャナが接続されていてもよい。
【0039】本実施形態に係る写真処理装置は、PC9
での制御により、印画紙の露光、現像処理、乾燥処理を
一元管理の下に連続して行う構成となっている。よっ
て、使用者に操作上の負担をかけることなしに、多量の
画像を連続的にプリントすることが可能となっている。
【0040】次に、画像焼付部1の構成の詳細について
説明する。画像焼付部1は、図2に示すように、マガジ
ン5・5、カッター6、露光部7および制御部8が設け
られている。なお、露光部7および制御部8で、本発明
の露光装置が構成されている。
【0041】マガジン5・5には、それぞれ未露光未現
像の印画紙3がロール状態で収納されている。これらの
マガジン5・5には、それぞれ互いに幅の異なるロール
状の印画紙3が格納されており、必要とされる印画紙の
サイズに応じて、これらを切り換えて露光位置に搬送す
る構成となっている。
【0042】カッター6は、マガジン5・5から引き出
された印画紙3を、設定されたプリントサイズにカット
するものである。このカッター6によってカットされた
印画紙3は、その後、露光部7と対向する露光位置に搬
送される。なお、カッター6が設けられる位置は、特に
限定されるものではなく、カットされていない状態のま
ま印画紙3を露光位置に搬送し、露光後にカットするよ
うな構成であっても構わない。
【0043】露光部7は、レーザ露光方式の露光エンジ
ンからなるブロックであり、R(赤)、G(緑)、B
(青)の各色成分のレーザ光を画像データに応じて変調
させて、露光位置に配置された印画紙3に向けて該レー
ザ光を照射するものである。この露光部7の詳細につい
ては後述する。
【0044】制御部8は、写真処理装置内の各種動作の
全体的な制御を行っており、本発明の最も特徴的な部分
となっている。この制御部8には、上記したPC9が接
続されており、このPC9から各種の画像データが送ら
れるようになっている。そして、制御部8は、この画像
データに対して所定の処理を施し、処理後のデータを露
光部7の後述するデータ供給部21(図1、図4参照)
に出力するようになっている。なお、制御部8の詳細に
ついては後述する。
【0045】以上のような構成の画像焼付部1によっ
て、印画紙3は、露光部7に対向する露光位置において
焼付処理される。具体的には、BGRの各色成分の画像
データを露光部7に入力することによって、各色成分の
画像が同時に印画紙3上に焼き付けられることになる。
また、印画紙3は露光部7での駆動に同期した速度で搬
送され、印画紙3を搬送しながら露光する走査露光方式
によって1コマ分のカラー画像が印画紙3上に焼き付け
られる。
【0046】次に、上記した露光部7の詳細について説
明する。図3は、露光部7の概略の構成を示す説明図で
ある。
【0047】露光部7は、赤色レーザ光源10R、緑色
レーザ光源10G、および青色レーザ光源10B(光
源)から出射した各色レーザ光を、それぞれAOM(Ac
ousto-Optic Modulator )11R・11G・11Bによ
って画像データに応じて変調し、この変調した各色レー
ザ光をポリゴンミラー18およびfθレンズ19などを
介して走査させることによって、図示しない印画紙に対
して露光を行うようになっている。
【0048】赤色レーザ光源10R、緑色レーザ光源1
0G、および青色レーザ光源10Bから、ポリゴンミラ
ー18に至る光軸上には、AOM11R・11G・11
B、第1ミラー12R・12G・12B、エキスパンダ
レンズユニット13R・13G・13B、第2ミラー1
4R・14G・14B、シリンダレンズ15R・15G
・15B、アパーチャ16R・16G・16Bおよびプ
リズム17が、それぞれこの順で設けられている。
【0049】赤色レーザ光源10R、緑色レーザ光源1
0G、および青色レーザ光源10Bは、それぞれ赤色レ
ーザ光、緑色レーザ光、および青色レーザ光を出射する
光源である。レーザ光の出射源としては、LD(Laser D
iode) や、SHG(Second Harmonic Generation)レーザ
ユニットなどが用いられる。これらの赤色レーザ光源1
0R、緑色レーザ光源10G、および青色レーザ光源1
0Bは、それぞれ一定の強度で各色のレーザ光を出射す
るように設定されている。
【0050】AOM11R・11G・11Bは、音波に
より透明媒質中に作り出された屈折率分布が位相回折格
子として働くことによる回折現象、いわゆる音響光学回
折を利用した光変調素子であり、印加する超音波の強度
を変えることによって、回折された光の強度を変調する
ものである。これらAOM11R・11G・11Bに
は、AOMドライバ35R・35G・35B(図4参
照)が接続されており、これらのドライバから、各色成
分の画像データに応じて振幅が変調された高周波信号が
入力される。
【0051】AOM11R・11G・11Bに対して高
周波信号が入力されると、音響光学媒質内に上記高周波
信号に応じた超音波が伝搬される。このような音響光学
媒質内をレーザ光が透過すると、音響光学効果が作用す
ることによって回折が生じることになる。よって、AO
M11R・11G・11Bに入射した各色のレーザ光
は、画像データに基づく高周波信号の振幅に応じた強度
のレーザ光からなる回折光として出射される。
【0052】なお、本実施形態では、上記のように、各
色成分のレーザ光の強度変調を行う構成、すなわち、光
変調素子として、AOM11R・11B・11Gを用い
ているが、これに限定されるものではなく、各色成分の
レーザ光の強度を変化させることが可能な構成であれば
どのような構成を用いても構わない。例えば、上記のA
OMの代わりに、例えば電気光学変調素子(EOM)、
磁気光学変調素子(MOM)を適用してレーザ光の強度
変調を行う構成としてもかまわない。
【0053】また、AOMを設けずに、赤色レーザ光源
10R、緑色レーザ光源10G、および青色レーザ光源
10Bからの出力自体を直接変調させることによって、
レーザ光の強度変調を行う構成としてもよい。
【0054】AOM11R・11G・11Bから出射さ
れた各色レーザ光は、第1ミラー12R・12G・12
Bによって反射され、エキスパンダレンズユニット13
R・13G・13Bにそれぞれ入射する。
【0055】エキスパンダレンズユニット13R・13
G・13Bは、入射した光を拡大するエキスパンダレン
ズ、および入射した光を平行光として出射するコリメー
トレンズなどを備えたレンズユニットである。このエキ
スパンダレンズユニット13R・13G・13Bに入射
した各色レーザ光は、平行光に変換されて出射される。
【0056】エキスパンダレンズユニット13R・13
G・13Bから出射された各色レーザ光は、第2ミラー
14R・14G・14Bによって反射され、シリンダレ
ンズ15R・15G・15Bにそれぞれ入射する。
【0057】シリンダレンズ15R・15G・15B
は、入射した各色レーザ光を、副走査方向においてポリ
ゴンミラー18の反射面上に集光させるレンズである。
このシリンドリカルレンズ17は、ポリゴンミラー18
の反射面に面倒れ誤差(反射面の法線方向が正常な主走
査面からずれる誤差)が生じている場合の補正(面倒れ
補正)を行うためのものである。
【0058】ポリゴンミラー18の反射面に面倒れ誤差
が生じていると、印画紙上でのレーザ光の到達位置が大
きく変化してしまい、焼き付け画像にピッチむらが生じ
ることになる。本実施形態では、上記のように、シリン
ダレンズ15R・15G・15Bによって副走査方向に
おいてポリゴンミラー18の反射面で一旦集光する構成
とし、かつ、ポリゴンミラー18から反射したレーザ光
が、fθレンズ19を透過した後に、再び印画紙P上で
集光するように、fθレンズ19および印画紙を配置し
ている。このような配置とすれば、ポリゴンミラー18
の反射面と印画紙とが光学的に共役な配置となるので、
面倒れによって副走査方向に光束が偏向しても、印画紙
上の同じ位置に光束が結像することになる。言い換えれ
ば、ポリゴンミラー18の反射面の1点から、ある程度
の範囲内で任意の方向に光が出射しても、印画紙上の同
じ位置に結像することになる。
【0059】シリンダレンズ15R・15G・15Bを
出射した各色レーザ光は、アパーチャ16R・16G・
16Bの開口部を通過してプリズム17に入射する。こ
のアパーチャ16R・16G・16Bの開口部の大きさ
を適宜設定することによって、印画紙上に照射される際
のレーザ光の径、すなわちドットの大きさを設定するこ
とができる。
【0060】プリズム17は、内部に波長選択膜17R
・17G・17Bを備えた構成となっている。波長選択
膜17Rは、アパーチャ16Rから入射した赤色成分の
レーザ光をポリゴンミラー18が配置されている方向へ
反射させるものである。この波長選択膜17Rは、赤色
成分の波長の光のみを反射し、それ以外の波長の光を透
過する性質を有している。同様に、波長選択膜17Gは
緑色成分のレーザ光のみを、波長選択膜17Bは青色成
分のレーザ光のみを、ポリゴンミラー18が配置されて
いる方向へ反射させるものである。
【0061】また、波長選択膜17G・17Bは、波長
選択膜17Rからポリゴンミラー18に到る光路上に配
置されている。すなわち、波長選択膜17Rにおいて反
射された赤色レーザ光は、波長選択膜17G・17Bを
透過してポリゴンミラー18に到ることになる。また、
波長選択膜17Gにおいて反射された緑色レーザ光は、
波長選択膜17Bを透過してポリゴンミラー18に到る
ことになる。よって、プリズム17からポリゴンミラー
18に出射されるレーザ光は、画像データに応じて変調
された赤色成分、緑色成分、および青色成分のレーザ光
を全て含んだレーザ光となる。
【0062】ポリゴンミラー18は、複数の反射面が正
多角形を形成するように設けられた回転体であり、図示
しないポリゴンドライバによって回転駆動される。プリ
ズム17から照射されるレーザ光は、ポリゴンミラー1
8の1つの反射面で反射されて印画紙方向に進行する。
そして、このポリゴンミラー18からのレーザ光の反射
方向は、ポリゴンミラー18の回転に応じて主走査方向
に移動する。また、ポリゴンミラー18の回転によって
1つの反射面におけるレーザ光の反射が終わると、その
反射面に隣合う反射面にレーザ光の照射が移り、同じ範
囲で主走査方向にレーザ光の反射方向が移動する。この
ように、1つの反射面で1つの走査ラインが走査され、
隣合う反射面で次の走査ラインが走査されることになる
ので、副走査方向に隣合う走査ライン同士の間のタイム
ラグを極めて小さくすることが可能となっている。
【0063】fθレンズ19は、ポリゴンミラー18か
ら印画紙に照射されるレーザ光による走査面の両端近傍
での像の歪みを補正するための光学系であり、複数のレ
ンズから構成されている。この走査面の両端近傍での像
の歪みは、ポリゴンミラー18から印画紙に到る光路の
長さが異なることによって生じるものである。
【0064】また、ポリゴンミラー18から印画紙に到
るレーザ光の主走査範囲の外側には、図示しない同期セ
ンサおよびミラーが設けられている。上記ミラーは、ポ
リゴンミラー18から露光(走査)開始点に向かう方向
に見て、そのすぐ主走査方向外側となる位置に配置され
ている。したがって、ポリゴンミラー18における1つ
の反射面から反射されるレーザ光は、まずミラーに当た
り、その後、主走査方向の露光に供されることとなる。
【0065】ポリゴンミラー18からのレーザ光がミラ
ーに当たると、ミラーでの反射光が同期センサに入射す
るように、ミラーの反射面の角度が設定されている。ま
た、ポリゴンミラー18からミラーを介して同期センサ
に到る光路の長さは、ポリゴンミラー18から印画紙上
における主走査の開始点に到る光路の長さとほぼ等しく
なるように設計されている。
【0066】上記した同期センサは、光を検出するセン
サであり、ポリゴンミラー18からミラーを介してレー
ザ光が入射すると、その照射タイミングで後述する全体
制御部31(図1参照)を介して露光制御部26(図4
参照)に信号を送信する。露光制御部26は、この同期
センサからの出力を監視することによって、用いる印画
紙の幅に応じた走査タイミングを正確に把握することが
可能となる。
【0067】以上に示したように、本実施形態における
露光部7は、画像情報に応じて変調された赤色、緑色、
青色の各色に対応したレーザ光を、主走査方向に移動さ
せながら印画紙を露光するとともに、該印画紙を副走査
方向に搬送させることによって、印画紙上に2次元の焼
付画像を形成する構成となっている。
【0068】また、露光部7は、AOM11R・11G
・11Bに供給する高周波信号を生成するデータ供給部
21を備えている。以下、このデータ供給部21につい
て説明する。
【0069】データ供給部21は、図4に示すように、
基準クロック発生回路22R・22G・22B、データ
バッファ23R・23G・23B、D/Aコンバータ2
4R・24G・24B、AOMドライバ25R・25G
・25B、露光制御部26、R成分画像データ格納部2
7R、G成分画像データ格納部27GおよびB成分画像
データ格納部27Bを備えている。
【0070】基準クロック発生回路22R・22G・2
2Bは、RGBのそれぞれに対応するピクセルクロック
を発生するものである。ピクセルクロックとは、印画紙
上の各ドットを順次露光するためのタイミングを制御す
るためのクロックであり、その周波数は、印画紙上の1
ドット(ピクセル)を露光する時間の逆数で示される。
ピクセルクロックの周波数の設定によって、主走査方向
に何ドット露光するかが決定されることとなる。
【0071】データバッファ23R・23G・23B
は、R成分画像データ格納部27R、G成分画像データ
格納部27GおよびB成分画像データ格納部27Bから
のR・G・Bの各色成分の画像データを一時的に蓄える
メモリである。データバッファ23R・23G・23B
は、基準クロック発生回路22R・22G・22Bにて
発生する各色のピクセルクロックに同期して、画像デー
タを1画素分ずつD/Aコンバータ24R・24G・2
4Bに出力する。
【0072】D/Aコンバータ24R・24G・24B
は、データバッファ23R・23G・23Bから入力さ
れるデジタル画像データをそれぞれアナログデータに変
換し、AOMドライバ25R・25G・25Bに出力す
る。
【0073】AOMドライバ25R・25G・25B
は、上記のピクセルクロックに同期して、D/Aコンバ
ータ24R・24G・24Bから出力される各色成分の
アナログデータを高周波信号としてAOM11R・11
G・11Bに供給するものである。
【0074】露光制御部26は、基準クロック発生回路
22R・22G・22Bを制御するものである。例え
ば、基準クロック発生回路22R・22G・22Bにて
発生する各ピクセルクロックの周波数は、上記した同期
センサからの検出信号と同期がとれるように露光制御部
26によって調整される。
【0075】また、露光制御部26は、R成分画像デー
タ格納部27R、G成分画像データ格納部27Gおよび
B成分画像データ格納部27Bからデータバッファ23
R・23G・23Bへの各色成分の画像データの読み出
しタイミング(全色同じタイミング)も制御するように
なっている。この露光制御部26の動作は、図1に示す
制御部8の全体制御部31によって制御される。
【0076】なお、図3の構成は、RGBのレーザ光を
一体的に印画紙の所定画素に照射する構成となっている
が、例えばRGBのレーザ光を別々の光路でポリゴンミ
ラー18に入射させる構成としてもよい。この場合、ポ
リゴンミラー18からのレーザ光の出射角度がRGBで
異なるので、印画紙にはそれぞれ異なる位置に同じタイ
ミングでRGBのレーザ光が照射されることになる。し
たがって、この場合は、印画紙の所定の画素に対応する
RGBのレーザ光が異なるタイミングで上記画素に照射
されるように、露光制御部26がRGBの各ピクセルク
ロックを調整することが必要となる。
【0077】次に、本発明の特徴部分である制御部8の
詳細について説明する。
【0078】制御部8は、図1に示すように、全体制御
部31、LUT32(変換手段)およびデータ生成部3
3(データ生成手段)を備えている。
【0079】全体制御部31は、制御部8の各部の動作
を制御すると共に、露光部7の各部の動作を制御する。
例えば、ポリゴンミラー18の回転速度や印画紙の搬送
速度は、この全体制御部31により制御される。
【0080】LUT32は、PC9から供給される、画
像を構成する各ドットの入力画像データを、印画紙の発
色特性に応じた階調値の出力画像データに変換するもの
である。ここで、図5は、入力画像データと出力画像デ
ータとが1対1で対応したテーブルを示している。LU
T32は、このテーブルに基づいて入力画像データから
出力画像データへの変換を行うことになる。
【0081】なお、図5に示すように、ここでは、入力
画像データとして、例えば0(黒)〜255(白)の8
ビットの画像データを、出力画像データとして、例えば
0(黒)〜4095(白)の12ビットの画像データを
想定しているが、このようなビット数の画像データに限
定されるわけではない。
【0082】データ生成部33は、Nを2以上の整数と
すると、画像を構成する1ドットの出力画像データに対
応してN個の出力画像データを生成するものである。N
個の出力画像データを生成するのは、これらN個の出力
画像データを用いて、露光部7が印画紙上における主走
査方向と副走査方向とのうちの少なくとも一方向にドッ
トを重ね打ちできるようにするためである。これによ
り、画像1ドットに対応して印画紙上の主走査方向およ
び/または副走査方向に形成されるドットとドットとの
隙間を無くし、これらのドットを滑らかにつなげること
ができる。
【0083】なお、本実施形態で説明する露光装置はレ
ーザ露光を行うものなので、主走査方向には、個々のド
ットが形成されると言うよりも、ドットが尾を引くよう
なライン状の画像が形成されると言うほうが適切かもし
れない。しかし、ここでは、『重ね打ち』という概念を
理解しやすくするために、印画紙へのレーザ光の照射に
よって形成される部分をあえて『ドット』と表現するこ
とにする。
【0084】ここで、露光部7が画像1ドットに対応す
るN個のドットを主走査方向にのみずらしながら重ね打
ちする場合は、全体制御部31がポリゴンミラー18の
回転速度を変化させずに、データ供給部21の露光制御
部26がピクセルクロックの周波数を通常のN倍にする
制御を行えばよい。一方、露光部7が画像1ドットに対
応するN個のドットを副走査方向にのみずらしながら重
ね打ちする場合は、全体制御部31がポリゴンミラー1
8の回転速度を通常のN倍にする制御を行い、露光制御
部26がピクセルクロックの周波数を通常のN倍にする
制御を行えばよい。また、露光部7が画像1ドットに対
応するN個のドットを主走査方向および副走査方向の両
方向にずらしながら重ね打ちする場合は、全体制御部3
1がポリゴンミラー18の回転速度を通常のN倍にする
制御を行い、露光制御部26がピクセルクロックの周波
数を通常のN2 倍にする制御を行えばよい。
【0085】これにより、露光部7は、画像の1ドット
の入力画像データに対応して、データ生成部33にて生
成されるN個の出力画像データに対応するN個のドット
が、主走査方向と副走査方向とのうち少なくともどちら
か一方向にずれて印画紙上に形成されるように印画紙を
露光することができる。したがって、露光部7は、この
ような露光を行う露光手段として機能する。
【0086】ところで、本発明は、上記したデータ生成
部33が、LUT32にて変換後の1ドットの出力画像
データがこれと隣り合う整数値で示される各出力画像デ
ータの間のデータであるときに、上記隣り合う出力画像
データを用いてN個の出力画像データを生成する点に特
徴がある。なお、上記隣り合う出力画像データの差は、
異なる階調値を設定することができる最小単位(ここで
は1)に対応している。以下、この点について、より詳
細に説明する。
【0087】なお、以下での説明を分かりやすくするた
め、kを1以上N以下の整数、aを0以上の整数とした
ときに、LUT32にて変換後の出力画像データPとし
て、a+(k/N)の値を考えるものとする。変換後の
出力画像データPがa+(k/N)以外の値の場合につ
いては後述する。
【0088】まず、N=2、すなわち、露光部7が画像
1ドットに対応して2個のドットを印画紙上に重ね打ち
する場合については以下の通りである。なお、ここで
は、画像の1ドットに対応する入力画像データが244
であり、この入力画像データをLUT32にて変換して
得られる出力画像データPが4093.5(4093+
1/2)であったとする。
【0089】データ生成部33は、1ドットの出力画像
データP(4093.5)と隣り合う出力画像データ
(4093および4094)を用いて、2個の出力画像
データを生成する。つまり、4093.5=(4093
×1+4094×1)/2であるので、データ生成部3
3は、1ドットの出力画像データPに対応する2個の出
力画像データとして、4093の出力画像データ1個と
4094の出力画像データ1個とを生成する。
【0090】この場合、これら2個の出力画像データを
用いて露光部7が印画紙上に2個のドットを例えば副走
査方向に重ね打ちすると、図6に示すように、階調値4
093のドットと階調値4094のドットとが印画紙上
で重ね合わされることによって、印画紙上では、この2
個のドット全体として、その平均の4093.5の階調
が再現されることになる。
【0091】また、例えば、N=3、すなわち、露光部
7が画像1ドットに対応して3個のドットを印画紙上に
重ね打ちする場合については以下の通りである。なお、
ここでは、画像の1ドットに対応する入力画像データが
128であり、この入力画像データをLUT32にて変
換して得られる出力画像データPが2047.33(2
047+1/3)であったとする。
【0092】データ生成部33は、1ドットの出力画像
データP(2047.33)と隣り合う出力画像データ
(2047および2048)を用いて、3個の出力画像
データを生成する。つまり、2047.33=(204
7×2+2048×1)/3であるので、データ生成部
33は、1ドットの出力画像データPに対応する3個の
出力画像データとして、2047の出力画像データを2
個と2048の出力画像データを1個生成する。
【0093】この場合、これら3個の出力画像データを
用いて露光部7が印画紙上に3個のドットを例えば副走
査方向に重ね打ちすると、図7に示すように、階調値2
047のドット2個と階調値2048のドット1個とが
印画紙上で重ね合わされることによって、印画紙上で
は、この3個のドット全体として、その平均の204
7.33の階調が再現されることになる。
【0094】また、N=3で、1ドットの出力画像デー
タPが2047.67(2047+2/3)の場合に
は、2047.67=(2047×1+2048×2)
/3であるので、データ生成部33は、1ドットの出力
画像データPに対応する3個の出力画像データとして、
2047の出力画像データを1個と2048の出力画像
データを2個生成する。
【0095】この場合、これら3個の出力画像データを
用いて露光部7が印画紙上に3個のドットを例えば副走
査方向に重ね打ちすると、階調値2047のドット1個
と階調値2048のドット2個とが印画紙上で重ね合わ
されることになり、印画紙上では、この3個のドット全
体として、その平均の2047.67の階調が再現され
ることになる。
【0096】データ生成部33は、Nが4以上の整数で
あっても、上記と同様の手法で、N個の出力画像データ
を生成する。つまり、kを1以上N未満の整数、aを0
以上の整数、bをaよりも大きくaと連続する整数、x
およびyを1以上の整数、LUT32にて変換された1
ドットの出力画像データをPとすると、データ生成部3
3は、1ドットの出力画像データPがこれと隣り合う出
力画像データaおよびbの間のデータであり、かつ、出
力画像データaおよびbの間のk/Nに相当するデータ
であるときに、 P=a+(k/N)=(ax+by)/N、かつ、x+
y=N を満たすような出力画像データaをx個、出力画像デー
タbをy個でN個の出力画像データを生成する。
【0097】この場合、これらN個の出力画像データを
用いて露光部7が印画紙上にN個のドットを例えば副走
査方向に重ね打ちすると、階調値(出力画像データ)a
のドットx個と階調値(出力画像データ)bのドットy
個とが印画紙上で重ね合わされることによって、印画紙
上では、このN(=a+b)個のドット全体として、出
力画像データPに対応する階調と同じ階調が再現される
ことになる。
【0098】一方、データ生成部33は、1ドットの出
力画像データPがこれと隣り合う出力画像データaおよ
びbの間のデータではあるが、出力画像データaおよび
bの間のk/Nに相当するデータ以外のデータであると
きには、出力画像データPが、a、b、a+(k/N)
のいずれに最も近いかを判断する。そして、データ生成
部33は、a+(k/N)に最も近いと判断したときの
み、1ドットの出力画像データPに対応して、 a+(k/N)=(ax+by)/N、かつ、x+y=
N を満たすような出力画像データaをx個、出力画像デー
タbをy個でN個の出力画像データを生成するようにな
っている。
【0099】この場合、これらN個の出力画像データを
用いて露光部7が印画紙上にN個のドットを例えば副走
査方向に重ね打ちすると、階調値aのドットx個と階調
値bのドットy個とが印画紙上で重ね合わされることに
よって、印画紙上では、このN(=a+b)個のドット
全体として、出力画像データPそのものの階調とまでは
いかないが、出力画像データPに近いデータ(a+(k
/N))に対応する階調が再現されることになる。
【0100】また、データ生成部33は、出力画像デー
タPが、a、b、a+(k/N)のいずれに最も近いか
を判断した結果、aに最も近いと判断した場合には、N
個の出力画像データとしてaをN個生成する一方、bに
最も近いと判断した場合には、N個の出力画像データと
してbをN個生成する。
【0101】この場合、これらN個の出力画像データを
用いて露光部7が印画紙上にN個のドットを例えば副走
査方向に重ね打ちすると、階調値aのドットN個または
階調値bのドットN個が印画紙上で重ね合わされること
によって、印画紙上では、このN個のドット全体とし
て、出力画像データPに近いデータaまたはbに対応す
る階調が再現されることになる。
【0102】なお、出力画像データPが、a+(k/
N)以外のデータである場合には、データ生成部33
は、常に、N個の出力画像データとしてaをN個生成す
るようにしてもよいし、常にbをN個生成するようにし
てもよい。
【0103】また、LUT32にて変換後の1ドットの
出力画像データPが、元々、整数値からなる出力画像デ
ータである場合は、データ生成部33は、N個の出力画
像データとして、その整数値の出力画像データPをN個
生成する。この場合、N個の出力画像データPを用いて
露光部7が印画紙上にN個のドットを例えば副走査方向
に重ね打ちすると、上記出力画像データPのドットN個
が印画紙上で重ね合わされることによって、印画紙上で
は、このN個のドット全体として、出力画像データPに
対応する階調が再現されることになる。
【0104】次に、上記データ生成部33を備えた本発
明の露光装置の動作について、図1を参照しながら図8
のフローチャートに基づいて説明する。
【0105】なお、以下で登場するP、k、N、a、b
の定義については上記と同様とする。また、Nの数値、
つまり、画像1ドットに対して何回重ね打ちを行うか
は、予め、オペレータによって設定されているものとす
る。したがって、全体制御部31および露光制御部26
は、上記の設定に応じて、ポリゴンミラー18(図参
照)の回転速度およびピクセルクロックの周波数を既に
調整しているものとする。
【0106】まず、PC9から画像を構成する各ドット
ごとの画像データが制御部8に入力され、この入力画像
データ(8ビット)が、全体制御部31の制御によっ
て、LUT32に供給されると、LUT32にて、この
入力画像データが出力画像データP(12ビット)に変
換される(S1)。
【0107】そして、LUT32から画像の各ドットに
対応する出力画像データPがデータ生成部33に供給さ
れると、データ生成部33は、各ドットの出力画像デー
タPが、a+(k/N)の値であるか否かを判断する
(S2)。つまり、データ生成部33は、1ドットの出
力画像データPが、整数値からなる隣り合う出力画像デ
ータaとbとの間のデータであり、かつ、この区間のk
/Nに相当するデータであるか否かを判断する。
【0108】S2にて、出力画像データPが、a+(k
/N)であると判断した場合は、データ生成部33は、
a+(k/N)と隣り合う出力画像データaおよびbを
抽出する(S3)。そして、データ生成部33は、 P=a+(k/N)=(ax+by)/N、かつ、x+
y=N を満たすような出力画像データaをx個、出力画像デー
タbをy個を生成し、N個の出力画像データとする(S
4)。
【0109】その後、データ生成部33は、これらN個
の出力画像データを露光部7のデータ供給部21に出力
する(S5)。すると、データ供給部21は、所定のピ
クセルクロックに同期した信号であって、N個の出力画
像データに応じて振幅を変調した高周波信号を生成し、
AOM11R・11G・11Bを駆動する。これによ
り、N個の出力画像データに対応するN個のドットが主
走査方向および/または副走査方向に印画紙上に重ね打
ちされる(S6)。
【0110】一方、S2にて、出力画像データPが、a
+(k/N)ではないと判断した場合は、データ生成部
33は、出力画像データPが、a、b(=a+1)、a
+(k/N)のどれに最も近いかを判断する(S7)。
この判断は、例えば、出力画像データPと、a、b、a
+(k/N)との差をそれぞれ演算し、この差の大小を
比較することで容易に行うことができる。そして、この
結果、データ生成部33が出力画像データPがa+(k
/N)に最も近いと判断した場合には、上述したS4以
降と同じ動作が行われる。
【0111】一方、S7にて、データ生成部33は、出
力画像データPが、a、b、a+(k/N)のうち、a
に最も近い、あるいはaと同じであると判断した場合に
は、出力画像データaをN個生成する一方、bに最も近
い、あるいはbと同じであると判断した場合には、出力
画像データbをN個生成する(S8)。なお、S8で
は、常に、出力画像データaをN個生成するようにして
もよいし、常に、出力画像データbをN個生成するよう
にしてもよい。その後、上述したS5以降と同じ動作が
行われることになる。
【0112】以上のように、本実施形態では、データ生
成部33が、1ドットの出力画像データPが、これと隣
り合う出力画像データ(階調値)aとbの間のデータ
(a+(k/N))であるときに、上記隣り合う2種の
出力画像データaおよびbを用いてN個の出力画像デー
タを生成する。これにより、LUT32にて変換後の1
ドットの出力画像データPそのものに対応する階調を、
N個の出力画像データに対応して形成されるN個のドッ
ト全体によって印画紙上で再現することができる。
【0113】つまり、従来では、1ドットの出力画像デ
ータPが、整数値で示される隣り合う出力画像データa
とbとの間のデータであった場合には、AOMの性能か
らして、そのようなデータでレーザ光を変調することが
できなかったので、例えば出力画像データPよりも小さ
いデータaに基づいてAOMを駆動していた。したがっ
て、この場合、1ドットの出力画像データPそのものに
対応する階調を印画紙上で再現することができなかっ
た。
【0114】しかし、本発明では、従来と同じAOMを
用いても、2種の隣り合う出力画像データaとbとから
なるN個の出力画像データに対応するドットを印画紙上
に重ね打ちすることで、N個のドット全体として、画像
1ドットの出力画像データPに対応するドットの階調と
同じ階調を印画紙上で再現することが可能となる。これ
により、従来では再現できなかった階調、すなわち、隣
り合う階調値aとbとの間の階調を印画紙上で再現する
ことが可能となる。したがって、特殊なAOMを用いな
くても、つまり、露光部7の構成を変えなくても、プリ
ント濃度の細かい、階調性豊かな画像を印画紙上に形成
することが可能となる。ちなみに、N個の出力画像デー
タに対応してN個のドットを重ね打ちすると、本発明に
よれば、N倍細かい階調の画像を得ることができる。ま
た、特殊なAOMを用いなくても済むので、装置自体が
大幅にコストアップすることもない。
【0115】ところで、本実施形態では、データ生成部
33が、1ドットの出力画像データPと隣り合う2種の
出力画像データaおよびbを用いてN個の出力画像デー
タを生成しているが、N個の出力画像データは2種の出
力画像データaおよびbに限定されるわけではない。
【0116】例えば、画像1ドットの出力画像データP
が2.75の場合には、出力画像データ2を1個、出力
画像データ3を3個用いれば、(2×1+3×3)/4
=2.75の階調を印画紙上で再現することができる。
しかし、これ以外にも、例えば、出力画像データ2を2
個、出力画像データ3を1個、出力画像データ4を1個
用いれば、(2×2+3+4)/4=2.75となる。
したがって、この場合でも、画像1ドットの出力画像デ
ータPに対応する階調を印画紙上で再現することができ
る。
【0117】したがって、1ドットの出力画像データP
に対応する階調が、N個の出力画像データに対応して形
成されるN個のドット全体によって印画紙上で再現され
るのであれば、データ生成部33の生成する出力画像デ
ータは、上記のように3種であってもよいし、また、同
様の考え方により、4種以上であってもよいと言える。
【0118】つまり、データ生成部33は、1ドットの
出力画像データPに対応する階調が、N個の出力画像デ
ータに対応して形成されるN個のドット全体によって印
画紙上で再現されるように、2種以上からなるN個の出
力画像データを生成すればよい。
【0119】なお、データ生成部33が生成したN個の
出力画像データに対応して露光部7がN個のドットを主
走査方向および/または副走査方向に印画紙上に重ね打
ちする場合、その順序については特に制限はない。つま
り、N個の出力画像データに基づいて、どのような順番
でN個のドットを主走査方向および/または副走査方向
に重ね打ちしても、N個のドット全体として、画像1ド
ットに対応する出力画像データPに対応する階調を得る
ことができる。
【0120】また、例えば、N=4とする場合とは、主
走査方向に4個のドットを重ね打ちする場合や副走査方
向に4個のドットを重ね打ちする場合のみならず、主走
査方向に2個のドットを、副走査方向に2個のドットを
重ね打ちする場合も含んでいる表現である。この場合で
も、画像1ドットの出力画像データPがa+(k/4)
であれば、P=(ax+by)/4、かつ、x+y=4
を満たすような出力画像データaをx個、bをy個で合
計4個生成し、それぞれのデータに対応するドットを主
走査方向に2個、副走査方向に2個それぞれ重ね打ちす
ることで、2×2のドット全体として、画像1ドットの
出力画像データPと同じ階調を再現することができる。
したがって、例えば、x=3、y=1であっても、主走
査方向1ライン目に、出力画像データaのドットを2個
重ね打ちし、主走査方向2ライン目に、出力画像データ
aのドットを1個、出力画像データbのドットを1個重
ね打ちすれば、2×2のドット全体として、出力画像デ
ータPと同じ階調を再現することができる。
【0121】なお、本実施形態では、レーザ露光を行う
露光装置について説明したが、本発明はこのような露光
方式に限定されるわけではなく、1ドットの出力画像デ
ータに対応してN個のドットを重ね打ちすることができ
るものであれば、他の露光方式であってもよい。
【0122】
【発明の効果】本発明に係る露光装置は、以上のよう
に、画像を構成する各ドットの入力画像データを、感光
材料の発色特性に応じた階調値の出力画像データに変換
する変換手段と、Nを2以上の整数とすると、1ドット
の出力画像データに対応してN個の出力画像データを生
成するデータ生成手段と、上記N個の出力画像データに
対応するN個のドットが、主走査方向と副走査方向との
うち少なくともどちらか一方向にずれて感光材料上に形
成されるように感光材料を露光する露光手段とを備え、
上記データ生成手段は、1ドットの出力画像データに対
応する階調が、N個の出力画像データに対応して形成さ
れるN個のドット全体によって感光材料上で再現される
ように、2種以上からなるN個の出力画像データを生成
する構成である。
【0123】また、本発明に係る露光方法は、以上のよ
うに、画像を構成する各ドットの入力画像データを、感
光材料の発色特性に応じた階調値の出力画像データに変
換する第1のステップと、Nを2以上の整数とすると、
1ドットの出力画像データに対応してN個の出力画像デ
ータを生成する第2のステップと、上記N個の出力画像
データに対応するN個のドットが、主走査方向と副走査
方向とのうち少なくともどちらか一方向にずれて感光材
料上に形成されるように感光材料を露光する第3のステ
ップとを有しており、上記第2のステップでは、1ドッ
トの出力画像データに対応する階調がN個の出力画像デ
ータに対応するN個のドット全体によって感光材料上で
再現されるように、2種以上からなるN個の出力画像デ
ータを生成する構成である。
【0124】それゆえ、データ生成手段が生成した2種
以上からなるN個の出力画像データに対応するN個のド
ットを露光手段が感光材料上に重ね打ちした場合に、1
ドットの出力画像データに対応する階調を、N個のドッ
ト全体によって感光材料上で再現することができる。
【0125】したがって、従来は、1ドットの出力画像
データが整数値以外のデータの場合には、露光手段の性
能からして、その出力画像データそのものの階調を感光
材料上で再現することができなかったが、上記構成によ
れば、N個の出力画像データを2種以上で構成すること
により、たとえ1ドットの出力画像データが整数値以外
のデータであっても、ドットの重ね打ちを利用すること
で、露光手段を何ら特殊なもので構成することなく、N
個のドット全体でその出力画像データそのものの階調を
感光材料上で再現することができる。その結果、装置の
コストアップを招くことなく、プリント濃度の細かい、
階調性豊かな画像を感光材料上に再現することができる
という効果を奏する。
【0126】本発明に係る露光装置は、以上のように、
上記データ生成手段は、1ドットの出力画像データがこ
れと隣り合う整数値で示される各出力画像データの間の
データであるときに、上記隣り合う出力画像データを用
いてN個の出力画像データを生成する構成である。
【0127】それゆえ、1ドットの出力画像データがこ
れと隣り合う整数値で示される各出力画像データの間の
データであるときに、データ生成手段が上記隣り合う出
力画像データを用いてN個の出力画像データを生成する
ことで、露光手段が上記N個の出力画像データに対応す
るN個のドットを感光材料上に重ね打ちした場合には、
1ドットの上記出力画像データと同じ階調を、上記N個
のドット全体によって、感光材料上で確実に再現するこ
とができる。これにより、装置のコストアップを招くこ
となく、プリント濃度の細かい、階調性豊かな画像を感
光材料上に再現できる本発明の効果を確実に得ることが
できるという効果を奏する。
【0128】本発明に係る露光装置は、以上のように、
kを1以上N未満の整数、aを0以上の整数、bをaよ
りも大きくaと連続する整数、xおよびyを1以上の整
数、変換手段にて変換された1ドットの出力画像データ
をPとすると、上記データ生成手段は、1ドットの出力
画像データPがこれと隣り合う出力画像データaおよび
bの間のデータであり、かつ、出力画像データaおよび
bの間のk/Nに相当するデータであるときに、P=a
+(k/N)=(ax+by)/N、かつ、x+y=N
を満たすような出力画像データaをx個、出力画像デー
タbをy個でN個の出力画像データを生成する構成であ
る。
【0129】それゆえ、データ生成手段が、P=a+
(k/N)=(ax+by)/N、かつ、x+y=Nを
満たすような出力画像データaをx個、出力画像データ
bをy個でN個の出力画像データを生成するので、露光
手段が出力画像データaのドットをx個、出力画像デー
タbのドットをy個の合計N個のドットを感光材料上に
形成したときには、N個のドット全体で、(ax+b
y)/Nの階調、すなわち、P=a+(k/N)の階調
を確実に再現することができる。これにより、装置のコ
ストアップを招くことなく、プリント濃度の細かい、階
調性豊かな画像を感光材料上に再現できる本発明の効果
を確実に得ることができるという効果を奏する。
【0130】本発明に係る露光装置は、以上のように、
上記露光手段は、異なる色のレーザ光を出射する光源
と、上記データ生成手段から供給される出力画像データ
に基づいて、光源からのレーザ光を変調し、感光材料に
供給する光変調素子とを備えている構成である。
【0131】それゆえ、光変調素子にて変調されたレー
ザ光を用いて、N個の出力画像データに対応するN個の
ドットを感光材料上に重ね打ちすることができる。これ
により、レーザ露光を行う露光装置において、本発明の
効果を得ることができるという効果を奏する。
【0132】本発明に係る写真処理装置は、以上のよう
に、上述した本発明の露光装置と、上記露光装置によっ
て感光材料上に形成された画像を現像する現像部とを備
えている構成である。
【0133】それゆえ、上述した本発明の露光装置にて
感光材料上に形成された画像を現像部にて現像すること
により、階調性豊かなプリントを得ることができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る露光装置の主要部の概略の構成を
示すブロック図である。
【図2】上記露光装置を備える写真処理装置の概略の構
成を示す説明図である。
【図3】上記露光装置を構成する露光部の概略の構成を
示す説明図である。
【図4】上記露光部のデータ供給部の概略の構成を示す
ブロック図である。
【図5】上記露光装置を構成する制御部のLUTが保持
するテーブル(入力画像データと出力画像データとの関
係)を示す説明図である。
【図6】画像1ドットに対応する2個のドットを印画紙
上に重ね打ちしたときの状態を示す説明図である。
【図7】画像1ドットに対応する3個のドットを印画紙
上に重ね打ちしたときの状態を示す説明図である。
【図8】上記露光装置での動作の流れを示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
2 現像処理部(現像部) 3 印画紙(感光材料) 7 露光部(露光手段) 10R 赤色レーザ光源(光源) 10G 緑色レーザ光源(光源) 10B 青色レーザ光源(光源) 11R AOM(光変調素子) 11G AOM(光変調素子) 11B AOM(光変調素子) 32 LUT(変換手段) 33 データ生成部(データ生成手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光材料を副走査方向に搬送しながら、こ
    の副走査方向と直交する主走査方向に感光材料を走査露
    光する露光装置であって、 画像を構成する各ドットの入力画像データを、感光材料
    の発色特性に応じた階調値の出力画像データに変換する
    変換手段と、 Nを2以上の整数とすると、1ドットの出力画像データ
    に対応してN個の出力画像データを生成するデータ生成
    手段と、 上記N個の出力画像データに対応するN個のドットが、
    主走査方向と副走査方向とのうち少なくともどちらか一
    方向にずれて感光材料上に形成されるように感光材料を
    露光する露光手段とを備え、 上記データ生成手段は、1ドットの出力画像データに対
    応する階調が、N個の出力画像データに対応して形成さ
    れるN個のドット全体によって感光材料上で再現される
    ように、2種以上からなるN個の出力画像データを生成
    することを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】上記データ生成手段は、1ドットの出力画
    像データがこれと隣り合う整数値で示される各出力画像
    データの間のデータであるときに、上記隣り合う出力画
    像データを用いてN個の出力画像データを生成すること
    を特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 【請求項3】kを1以上N未満の整数、aを0以上の整
    数、bをaよりも大きくaと連続する整数、xおよびy
    を1以上の整数、変換手段にて変換された1ドットの出
    力画像データをPとすると、 上記データ生成手段は、1ドットの出力画像データPが
    これと隣り合う出力画像データaおよびbの間のデータ
    であり、かつ、出力画像データaおよびbの間のk/N
    に相当するデータであるときに、 P=a+(k/N)=(ax+by)/N、かつ、x+
    y=N を満たすような出力画像データaをx個、出力画像デー
    タbをy個でN個の出力画像データを生成することを特
    徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
  4. 【請求項4】上記露光手段は、 異なる色のレーザ光を出射する光源と、 上記データ生成手段から供給される出力画像データに基
    づいて、光源からのレーザ光を変調し、感光材料に供給
    する光変調素子とを備えていることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれかに記載の露光装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の露光
    装置と、 上記露光装置によって感光材料上に形成された画像を現
    像する現像部とを備えていることを特徴とする写真処理
    装置。
  6. 【請求項6】感光材料を副走査方向に搬送しながら、こ
    の副走査方向と直交する主走査方向に感光材料を走査露
    光する露光方法であって、 画像を構成する各ドットの入力画像データを、感光材料
    の発色特性に応じた階調値の出力画像データに変換する
    第1のステップと、 Nを2以上の整数とすると、1ドットの出力画像データ
    に対応してN個の出力画像データを生成する第2のステ
    ップと、 上記N個の出力画像データに対応するN個のドットが、
    主走査方向と副走査方向とのうち少なくともどちらか一
    方向にずれて感光材料上に形成されるように感光材料を
    露光する第3のステップとを有しており、 上記第2のステップでは、1ドットの出力画像データに
    対応する階調がN個の出力画像データに対応するN個の
    ドット全体によって感光材料上で再現されるように、2
    種以上からなるN個の出力画像データを生成することを
    特徴とする露光方法。
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