JP3782497B2 - 脂肪族α,ω−ジオールの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、4〜12個の炭素原子の脂肪族α,ω−ジカルボン酸からの4〜12個の炭素原子の脂肪族α,ω−ジオールの製造方法であって、このような酸又はそれらのエステル誘導体の水素化においては通常は副生成物として製造される炭素数1〜12のモノアルコールが非常に小量しか生成せず、そしてC4〜C12−ラクトンもC4〜C12−ω−ヒドロキシカルボン酸も生成しない製造方法に関する。この目的のために、まず第一に用いられるべきカルボン酸からそして製造されるべきジオールからオリゴマー状ジオールジカルボキシレートを製造し、そしてこのジカルボキシレートを、蒸留によって更に精製することなく、引き続いて液相中で水素によって接触的に水素化することによってエステル製造のためのモノアルコールの使用を回避する。述べた条件は、本発明による方法を生態的にそして工業的に有利にする。
【0002】
脂肪族α,ω−ジオール、例えばヘキサン−1,6−ジオールは、特別な機械的及び化学的特性を有する熱可塑性ポリエステルのそしてポリウレタンの製造のための重要なモノマーである。この目的のためには、このようなジオールは、純粋な形で、又はC4〜C12の範囲内の異なる連鎖長を有する二種以上の混合物として用いることができる。
【0003】
例えば、ヘキサン−1,6−ジオールを製造するためには、アジピン酸又はその塩を直接に、水性溶液中で又は有機溶媒中で、バッチ式(DE−A−26 05 107;GB 1,300,889)又は連続的(DE−A−23 21 101)手順によって水素化することが知られているが、この手順においては、ヘキサン−1,6−ジオールの外に、比較的大きな割合のカプロラクトン、ω−ヒドロキシ−カプロン酸及び1〜6の炭素数を有するモノアルコールが常に生成される。同じ目的のために、アジピン酸をモノアルコールによってエステル化してアジピン酸ジ−n−アルキルを生成させ、これを気相中で水素化してヘキサン−1,6−ジオールを生成させることもまた知られている(WO 82/03854)。アジピン酸をジオール、例えばヘキサン−1,6−ジオールでバッチ式手順によってエステル化して高級エステルの混合物を生成させ、これをバッチ式オートクレーブ方法で水素化してヘキサン−1,6−ジオール及びω−ヒドロキシ−カプロン酸エステルを生成させることもまた知られているが、ここでは用いられる水素化触媒は粉末銅クロマイト触媒である(DE−B−10 23 750)。
【0004】
本発明は、4〜12個の炭素原子の脂肪族α,ω−ジカルボン酸からの4〜12個の炭素原子の脂肪族α,ω−ジオールの製造方法であり、前記ジカルボン酸の前記ジオールによるオリゴエステル化及び生成するオリゴエステルの液相中での接触水素化による方法であって、オリゴエステルを、元素の周期表(メンデレエフ)の鉄族の金属の又はマンガンの少なくとも一種の酸化物を含む又は含まないCu酸化物、Zn酸化物及びAl酸化物の圧縮された粉末から成る片の形の触媒の上で180〜250℃、好ましくは190〜240℃で、100〜400bar、好ましくは150〜300barのH2圧力で、そして化学量論的に必要とされる量の20〜100倍の量のH2で連続的に水素化することを特徴とする方法に関する。
【0005】
反応の過程は、オリゴエステル化のためにヘキサン−1,6−ジオールを使用するアジピン酸からのヘキサン−1,6−ジオールの生成を基にして、以下の組の式によって表すことができる:
【0006】
【化1】
【0007】
今日までに開示された方法においては、比較的大量の副生成物が常に得られ、これは、純粋な形での反応生成物の製造においてかなりの複雑さをもたらす。リサイクルが常に可能であるということはない。何故ならば、既に上で述べたように、水素化が常に所望の生成物へと滑らかに進むわけではなく、そしてそれ故もっと高いレベルの循環副生成物を導くであろうからである。もう一つの基本的困難は、エステル化のためにこれまで用いられてきたモノアルコールであり、これは原則として最終生成物から分離しなければならない。エステル化のためのモノアルコールによる不揮発性化(fixation)は、水素化方法の液相から気相への展開の過程において、容易に揮発させることができるエステルを利用可能にすることが必要であったという事実によって非常に明瞭に説明される。このような容易に揮発可能なモノアルコールからのエステルを支持する別の議論は、それらが明らかに純粋な形で製造することができるという事実である。水素化における汚染された出発物質は一般に困難を導くので、これは非常に重要であるように思われる。ジカルボン酸及び低級アルコール、例えばメタノール、エタノール又はプロパノールのこのようなエステルは、しかしながら、一般に、エステル化触媒及び水伴出剤、例えばトルエンの使用を要求し、これらの物質は両方ともシステムにとって異質でありそして分離除去しなければならない。生成される反応水との共沸混合物として反応混合物から留去し、水から分離しそして反応混合物にリサイクルしなければならない水伴出剤の使用は、装置に関しての付加的な出費を意味する。更にまた、その量が生成される水の量の何倍にもなる伴出剤を反応混合物から繰り返して留去するためには、比較的大量のエネルギーを用いなければならない。最後に、ジアルキルジカルボキシレートは、接触水素化に先立って蒸留又はその他の面倒な精製手段によってエステル化触媒を注意深く除去しなければならない。水素化に引き続いては、モノアルコールを反応生成物から分離しなければならないが、これは技術的な努力を必要とし、そして避けることができないアルコールの損失を補いながら、モノアルコールを純粋なアルコールへと後処理しそしてエステル化方法に返さなければならない。
【0008】
ジカルボン酸をジアルキルエステルとして気相中で水素化するために、より高沸のアルコール、例えば3よりも多い炭素数を有するアルコールによってジカルボン酸をエステル化することが望まれる場合には、エステル化触媒及び伴出剤を省略することが可能であるかもしれないが、その時には、反応に対して異質な物質として、比較的高価でより高沸のモノアルコールが付加的に必要とされ、これは同様に純粋なアルコールへと再び後処理しそしてエステル化方法に返さなければならず、この場合にはアルコールの避けられない損失をここでもまた補わなければならない。このようなアルコールの比較的高い価格のために、これらの損失はこのような方法の経済性に強く影響する。加えて、比較的高い沸点に起因して、各々の蒸留のために比較的多くが費やされる。
【0009】
4〜12個の炭素原子のジカルボン酸をエステル化するために、4〜12個の炭素原子のジオールを用いるならば、このような場合にはエステル化触媒も伴出剤も必要としないので、そしてエステル化のジオールは、システム中に固有の物質として、反応生成物中に留まることができるので、状況は異なりそして有利である。上で述べた意図された用途のためには、多くの場合において、異なる連鎖長のジオールの混合物を用いることが許される。それ故、ジカルボン酸のオリゴエステル化において同じ数の炭素原子を有するジオールを用いることは必要ではない。むしろ、本発明によれば、例えば、アジピン酸をヘキサン−1,6−ジオールとばかりでなくまたブタン−1,4−ジオール、オクタン−1,8−ジオール及びその他のジオールと反応させて、例えばC6のジオールとC4のジオールとのまたC8のジオールとの混合物を得ることが許される。しかしながら、均一な炭素数を有する反応生成物としてα,ω−ジオールを得るためには、反応させるべきジカルボン酸を同じ炭素数のジオールによってオリゴエステル化しそして水素化する、例えばアジピン酸をヘキサン−1,6−ジオールによって、コハク酸をブタン−1,4−ジオールによって、スベリン酸をオクタン−1,8−ジオールによってなどである。
【0010】
各々の場合において2個のカルボキシル基の炭素原子も含めて偶数又は奇数の炭素原子を有する、本発明に従って用いることができるジカルボン酸の例は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ヘプタンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸及びデカンジカルボン酸である。これらの酸は、知られていてそして天然の又は合成のソースから得られる。
【0011】
本発明に従って製造される予定でありそしてオリゴエステル化ステップにおいて用いることができる、偶数又は奇数の炭素原子を有するα,ω−ジオールの例は、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ヘプタン−1,7−ジオール、オクタン−1,8−ジオール、デカン−1,10−ジオール及びドデカン−1,12−ジオールである。
【0012】
本発明による方法は、ヘキサン−1,6−ジオールによるアジピン酸のオリゴエステル化及び引き続く水素化によるヘキサン−1,6−ジオールの製造のために特に重要である。
【0013】
本発明による方法において必要とされるオリゴエステルを製造するためには、例えば、ヘキサン−1,6−ジオールアジペートを製造するためには、ジカルボン酸及びジオールが触媒有りで又は無しで反応器中でエステル化され、そしてエステル化の間に生成される水が伴出剤有りで又は無しで反応混合物から除去される不連続的方法(バッチ方法)が通常は用いられる。このようなオリゴエステルは本発明に従って用いることができる。しかしながら、上で述べたタイプのバッチ方法は、それらの容量が反応容積に対して小さくそしてそれ故大きな反応器及び貯蔵タンクが必要とされるという欠点を有する。エネルギー消費が不経済であり、そして人的要求が比較的高い。
【0014】
カスケードの複数のエステル化反応器による連続的エステル化方法は、これらの欠点の幾つかを回避する。それ故、本発明による方法の好ましい態様は、オリゴエステル化を、バッチ式手順でばかりでなくまた疑似連続的手順で、そしてそれ故、ただ一つのエステル化段階においての外に、また4つまでのエステル化段階において、好ましくは2つ又は3つのエステル化段階においては反応水の蒸留除去をしながら疑似連続的に実施することである。この文脈における適切な範囲は、温度に関しては100〜240℃そして圧力に関しては1500〜100mbarである。1よりも多い、好ましくは2〜4のエステル化段階、好ましくは2又は3のエステル化段階でのこの手順でさえ、反応混合物からの水の排出を技術的手段によって、例えば高速撹拌機システムによって加速しない限り、例えば12時間以上の比較的長い反応時間の実質的な短縮をもたらすことが殆ど単独ではできない。水の排出における一層の加速は、例えば、推進ガスを吹き込むことによって、例えば窒素を吹き込むことによって達成される加速である。
【0015】
対照的に、温度カスケードを有するカスケードに反応器を結合することはもっとずっと効果的であり、そしてそれ故本発明による方法の更に好ましい態様に相当する。かくして、液体−溶融液出発成分のエステル化反応を最初は例えば110〜150℃の比較的低い反応温度で始めて、この反応を第二のそして引き続くエステル化段階において高められた温度で続けることが有用であることが証明されたが、この時、温度は段階から段階へと10〜40℃だけ、好ましくは15〜30℃だけ上昇させる。各々の段階内では、温度を少し変えることができるばかりでなく、また5〜30℃だけ故意に上昇させることができる。温度のカスケードに加えて、圧力を変えることもまた可能であり、この文脈においては、1500〜100mbarの一般的範囲において、温度の上昇は原則として圧力の低下を伴う。かくして、例えば、多段階オリゴエステル化の場合には、第一段階を大気圧で、最後の段階を200〜600mbarでそして、3又は4段階の場合には、中間段階を400〜100mbarで実施することができる。
【0016】
単一段階の手順においては、そして同様に複数の反応器を使用する時にも、オリゴエステル化は、ある時間サイクルで、反応器を時間の異なる点でエステル化混合物によって満たすように実施することができる。かくして、後続の水素化のためのオリゴエステルの新しいバッチは、全体のエステル化のために必要とされるよりも短い時間の後で各々の場合において利用可能である。上で述べたやり方での多段階エステル化においては、後続のエステル化段階を実施するためのエステル化混合物を一つの反応器から他の反応器に移す。各々の場合において空にされた反応器は、次に、続くバッチで満たすことができる。この場合においてもまた、後続の水素化のためのオリゴエステルの新しいバッチは、全体のオリゴエステル化のために必要とされるよりも短い時間後に利用可能である。このやり方においては、疑似連続的オリゴエステル化が可能である。
【0017】
オリゴエステル化のために適切な反応装置は、一般に、効果的な撹拌機をそして8〜15のトレーを有する慣用的な構造の装備された蒸留カラムを備えている、耐酸性材料から作られた1以上の反応器から成る。
【0018】
例えば、指示されたエステル化条件下で1:1のモル比でジカルボン酸をジオールによってエステル化することを望む場合には、異なるオリゴマー化度(=オリゴエステル中のジカルボン酸の分子の数)を有するオリゴエステルの混合物が得られるが、その分子質量分布はベル曲線に非常に良く従う。上の組の式の意味における平均オリゴマー化度nは、n=9であり、酸価は50mgKOH/g反応生成物よりも高い。もっと低い酸価を得て、そしてかくして腐食の例を抑制し、そして加えてオリゴエステルの平均連鎖長をもっと短い連鎖長に向かって移動させるためには、モル過剰のジオールの存在下でエステル化を実施することが便宜的である。指示された反応条件下で1:2のモル比でジカルボン酸をジオールによってエステル化する場合には、遊離カルボキシル基は比較的速くエステル化され、そして得られるオリゴエステル混合物は例えばn=5の平均連鎖長を有するに過ぎないことが本当に確かであるが、比較的高い割合のジオールを用いることが必要である。ジカルボン酸を基にして僅かなモル過剰のジオールによってさえ、50mgKOH/g反応混合物よりも大きくない酸価、例えば20〜50の酸価を達成することができることがここに驚くべきことに見い出されたが、これは本発明による方法の別の有利な態様を構成する。必要とされるオリゴエステルのためのこの種類のモル比は、1モルのジカルボン酸あたり1.03〜1.15モル、好ましくは1.05〜1.12モルのジオールを構成する。この場合に得られる平均エステル化度(オリゴマー化度)は、n=3ないしn=6の範囲内で変化する。
【0019】
用いられるジカルボン酸及び用いられるジオールは、通常は99%よりも大きい純度を有する。しかしながら、システムに対して異質の物質省くことができるという事実のために、オリゴエステル化に従う水素化ステップからの蒸留リサイクル物の純度はまた、これらの蒸留リサイクル物が小量の未水素化オリゴエステルを含む場合においてさえも、本発明による方法を実施するために全く適切である。このようなリサイクルされるオリゴエステル及びその他の成分は、ジオール対ジカルボン酸の述べられたモル比を確立する時に考慮に入れなければならない。
【0020】
本発明による方法の別の利点は、このようにして製造されたオリゴエステルは、追加の精製ステップなしに水素化段階において更に直接に処理することができることである。
【0021】
本発明による方法における水素化ステップは、化学量論的に必要とされる量の20〜100倍にあたる過剰の水素によって液相中で実施される。液相中で作業することによって、気相方法中に含まれるエネルギー消費が減らされ、かくしてコストの節約をもたらす。エステルの水素化のためにも不連続方法(バッチ方法)がまだ広く用いられていて、このような方法はエステル化に関して述べた欠点に同様にさらされ、そしてこのような方法は懸濁技術における粉末触媒を用いるけれども、本発明による方法は、その水素化段階においては完全に連続して操作される。加えて、水素化段階は、片の形の触媒の上で実施される。粉末触媒に関して含まれる困難、即ち特定のかつ均一なやり方で粉末触媒を活性化する困難、特別な懸濁ポンプの助けによって粉末触媒を循環する困難、及び反応生成物からの粉末触媒の定量的な分離を達成する困難は、これによって回避される。事実、懸濁ポンプは高い機械的応力にさらされる。更にまた、粉末触媒の定量的除去は、それが切り替え設計の装置による粗い濾過及び細かい濾過を必要とするので繁雑である。加えて、これらの付加的な操作の結果として触媒がそれらの活性を急速に失う大きなリスクが存在し、これは、高い触媒消費の数字をなお予期しなければならないことを意味する。示してきたこれらの困難とは対照的に、本発明に従って用いられるべき片の形の触媒は、酸に対する高い不感応性、圧力に対する高い不感応性を有し、そして1年以上の期間にわたって低下しない高い活性を有する。頻繁な触媒交換は固定床中に配置された片の形の触媒に関してさえ非常に煩わしいので、後者の利点は非常に重要である。
【0022】
本発明に従って用いられる片の形の触媒は、Cu酸化物、Zn酸化物及びAl酸化物の圧縮された粉末から成り、その中で、Cuの割合は40〜60重量%であり、Znの割合は15〜30重量%であり、そしてAlの割合は0.2〜6重量%であり、ここですべての数字は酸化物粉末混合物の全量を基にしていて、そして100重量%への残りは酸素から成る。このような触媒は、追加の添加物なしでこの形で本発明による水素化ステップのために用いることができる。しかしながら、有利には、それは、元素の周期表(メンデレエフ)の鉄族からの金属の又はマンガンの少なくとも一種のある量の酸化物を付加的に含む。この文脈における鉄族からの適切な元素は、鉄、コバルト及びニッケルである。鉄、コバルト、ニッケル及びマンガン、好ましくは鉄、コバルト及びニッケル元素の酸化物は、個別にそして上で述べた複数の元素の酸化物の混合物としてのどちらでも用いることができる。圧縮された酸化物粉末中の鉄族からの及び/又はマンガンの酸化物の全量は、水素化触媒のための全酸化物粉末の0.05〜1.5重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%である。鉄族からの元素のそしてマンガンの酸化物の複数を用いる場合には、これらの混合された酸化物の各々は、0.05〜1.5重量%の上で述べた全範囲の20%よりも少なくはなくそして80%よりも多くはない量で存在する。
【0023】
用いる予定の触媒は、できる限りアルカリ金属及びアルカリ土類金属のないものでなければならない。この場合における最大許容汚染レベルは、酸化物粉末混合物の全量を基にして0.1重量%である。
【0024】
片の形の担体なしの触媒は、慣用的な方法によって、例えばタブレット又はペレット成形機で高圧下で金属酸化物粉末を圧縮することによって製造することができ、この文脈においては、金属酸化物粒子の接着能力を改善するために、圧縮される成分の全重量を基にして0.5〜3重量%の量でグラファイト及び/又は接着剤を使用することもまた可能である。片の形の触媒の例は、2〜10mm、好ましくは3〜7mmの寸法を有するタブレット、球又はグラニュールである。外部表面積を大きくするために、タブレットの形に軸方向の貫通孔を付与することもまた可能である。このような形は、巨視的に見れば、滑らかな表面を有する。長い使役寿命(保存寿命)を達成するためには、片の形の触媒は、造形された形の表面上で50〜200N、好ましくは75〜150Nの圧縮強度を持たなければならない。片の形の触媒は、付加的に、10〜90m2/g、好ましくは30〜80m2/gの内部表面積を有する。片の形の担体なし触媒の圧縮強度は、DIN 50 106に従って測定することができる。内部表面積は、Analyt.Chem.30(1958)、1387〜1390頁に従って、又はS.J.Gregg及びS.W.Sing、吸着、表面積及び多孔度、ロンドン 1982、第2及び6章に従って測定される。
【0025】
鉄族からの金属の又はマンガンの少なくとも一種の酸化物を含む又は含まない、Cu酸化物、Zn酸化物及びAl酸化物の圧縮された粉末から成る、水素化触媒として用いられる造形された形は、用いる前に注意深く還元しなければならない。これは180〜200℃で水素による処理によって行い、この処理の始めには10〜15容量%のH2及び90〜85容量%の不活性ガスの混合物を用いそして、処理の過程において、不活性ガス成分を0容量%にまで減らす。このような処理は約15〜30時間の期間にわたって実施し、そして触媒がもはや水素を消費せずそして、結果として、もはや反応水を生成させない時に完了である。
【0026】
本発明による方法における水素化ステップは、180〜250℃、好ましくは190〜240℃で、そして100〜400bar、好ましくは150〜300barのH2圧力で、純粋な水素を使用して液相中で連続的に実施する。
【0027】
水素化されるべきオリゴエステル混合物を水素化反応器中でボトムからトップへ又はトップからボトムへ流すことは原理的には等価であるけれども、オリゴエステル混合物を触媒の上をトップからボトムへ流す(したたり流れ相)ことが有利であることが見い出された。この文脈においては、水素化されるべきオリゴエステルは、別途導入された若しくは予め混合された水素と一緒に触媒の上を流れることもできるし(並流技術)、又はその代わりに水素に向かって導くこともできる(向流技術)。
【0028】
水素化反応器は、一方では、完全に又は部分的に片の形の触媒で満たされている鋼又は鋼合金で作られた単一の高圧パイプでも良く、この場合には、比較的大きなパイプ断面を有して、トレー(ワイヤバスケット又は類似物)の上に片の形の担体なし触媒を配置することもまた有用であろう。しかしながら、共通のハウジング内の高圧パイプの束を使用することもまた可能であり、ここでは個々のパイプを完全に又は部分的に片の形の担体なし触媒で満たす。
【0029】
時空速度は、1リットルの触媒あたり200〜600mlのオリゴエステル混合物で良い。上で明記した反応条件下では、8000〜16,000時間の高い触媒使役寿命を達成することができる。水素化反応器を去る反応混合物は、過剰の水素を途中で捕らえそしてそれを圧縮しそして消費された水素を補った後で再使用することができるようにする後処理(let down)の後で、98.5重量%を越える程度まで、予期したジオール又は予期したジオールの混合物から成る。それは、有機低沸成分に関しては、0.5重量%よりも多いモノアルコールは含まず、そして、高沸成分に関しては、0.5重量%よりも多い比較的高分子量の残渣を含まない。比較的高沸の成分は、本質的に未反応オリゴエステルから成りそして本発明の方法にリサイクルすることができるが、その結果ジオールに関するその全選択率は少なくとも99.0重量%となる。製造されたジオールは、低沸及び高沸成分の蒸留除去の後では、少なくとも99.9重量%の純度で得られ、そしてこの純度においては、それはすべての後続の化学的処理操作のために用いることができる。
【0030】
【実施例】
実施例1
650g(5.5モル)のヘキサン−1,6−ジオール中の730.7g(5モル)のアジピン酸の110℃の熱い溶液を、各々が5lの容積を有しそして各々が慣用的な構造の急速撹拌システム(タービン撹拌機、回転速度:800〜1200/分)及び蒸留塔(10理論段)を備えた3つの直列接続された反応器から成る、耐酸性材料で作られた反応器カスケードの第一反応器中に入れ、この溶液を撹拌しながら140〜150℃の反応温度に素早く加熱し、そして生成した反応水を大気圧下で留去した。1.5時間の滞留時間の後で、反応混合物を隣の第二反応器に移し、その中では反応水の更なる部分を150〜180℃の反応温度で撹拌しながら大気圧下で留去した。最後に、1.5時間の更なる滞留時間の後で、反応混合物を隣の第三反応器に移し、そこでは残りの反応水を400mbarの圧力下でそして180〜190℃の反応温度で除去した。更に1.5時間の滞留時間(全部で4.5時間)の後では、所望のエステル化度に到達していた。得られたオリゴマー状ヘキサン−1,6−ジオールアジペート(1,290g)は、(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定して)n=4の平均オリゴエステル化度(オリゴエステル中のアジピン酸の分子の数)及び25mgKOH/g反応混合物の酸価を有していた。第一反応器を部分的に又は完全に空にした後で、新しい量の反応混合物を添加することによって疑似連続的なやり方でエステル化方法を継続することが可能であった。
【0031】
実施例2
620.5g(5.25モル)のヘキサン−1,6−ジオール中の730.7g(5モル)のアジピン酸の溶液を、実施例1におけるのと同じ反応器カスケードの第一反応器中に入れ、この溶液を撹拌しながら140〜150℃の反応温度に加熱し、そして生成した反応水を大気圧下で留去した。1時間の滞留時間の後で、反応混合物を隣の第二反応器中に流し込み、そこでは反応水の更なる部分を140〜180℃の反応温度で大気圧下で留去した。最後に、1時間の滞留時間の後で、反応混合物を第三反応器中に流し込み、そして残りの反応水を350mbarの圧力下でそして180℃の反応温度で除去した。更に2時間の反応時間(全部で4時間)の後では、所望のエステル化度に到達していた。得られたオリゴマー状ヘキサン−1,6−ジオールアジペート(1,256g)は、n=5の平均オリゴエステル化度(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定された分子質量分布)及び32mgKOH/g反応混合物の酸価を有していた。第一及び/又は第二反応器を部分的に又は完全に空にした後で、新しい量の反応混合物を添加することによって疑似連続的なやり方でエステル化方法を継続することが可能であった。
【0032】
実施例3
非腐食性の耐酸性材料から作られそして45mmの内径及び1mの長さを有する垂直な断熱された高圧チューブに、予め窒素をどっと流してそれから酸素を無くし、そして銅、亜鉛、アルミニウム及び鉄の酸化物の粉末をタブレット化することによって製造された1.4lの水素化触媒によってそれを満たした。タブレットの銅含量は42重量%であり、亜鉛含量は17重量%であり、アルミニウム含量は2.0重量%であり、そして鉄含量は0.2重量%であった。5mmの円筒高さ及び5mmの径で、タブレットは、円筒外面上で125Nの圧縮強度及び68m2/gの内部表面積を有していた。
【0033】
金属酸化物の混合物から成るこの触媒を活性化するために、タブレットを最初に窒素の流れ(温度:最高 200℃、量:5m3のN2/h(s.t.p))の中で6時間乾燥させた。本当の活性化は、200barの窒素圧力及び180〜200℃の温度で行い、この間に不活性ガスに水素を次第に混合したが、初期相において混合されたこの水素の割合は10〜15容量%を越えてはならない。24時間の過程にわたって、ガス混合物中の窒素の割合を、最後には、純粋な水素が反応器を通って流れるまでどんどん減らした。下流の分離器中で収集される反応水がもはや生成しなくなった時には、反応は終了していた。
【0034】
水素化触媒の活性化に引き続いて、反応器システム中の水素圧力を300barに上げた。引き続いて、1時間あたり、420gの実施例1に従って得られていたヘキサン−1,6−ジオールアジペートを300barの圧力で5m3(s.t.p)の水素と一緒に高圧チューブを通してポンプ送りしたが、ヘキサン−1,6−ジオールアジペートは、高圧チューブ中へ入れる前に、上流の電気加熱された熱交換器中で210℃の温度に加熱した。
【0035】
反応チューブを去る反応生成物(粗製ヘキサン−1,6−ジオール)を、第二熱交換器(水コンデンサー)中で300barの水素圧力で<60℃の温度に冷却し、そしてガス分離器中で過剰の水素から分離し、この過剰の水素は水素化システムに返した。<30℃の温度への更なる冷却及び大気圧への除圧の後で、反応生成物をガスクロマトグラフィーによって分析した。それは、有機低沸成分に関しては、僅かに0.4重量%の炭素数1〜6のモノアルコールをそして、比較的高沸の成分に関しては、0.3重量%の未反応ヘキサン−1,6−ジオールアジペートを含んでいたが、その結果有機反応生成物のヘキサン−1,6−ジオール含量は99.3重量%となった。製造されたヘキサン−1,6−ジオールは、低沸及び高沸成分の蒸留除去の後で、≧99.9重量%の純度で得られた。比較的高沸の成分をプロセスに返したので、ヘキサン−1,6−ジオールに関するその総括的選択率は99.6重量%であった。
【0036】
触媒は、7800時間の使役期間の後でも不変の活性を示し、その結果反応生成物の組成はこの期間にわたって変わらなかった。
【0037】
実施例4
実施例3におけるような高圧チューブを、銅、亜鉛、アルミニウム及びニッケルの酸化物の粉末をタブレット化することによって製造された1.4lの水素化触媒によって不活性ガス下で満たした。タブレットの銅含量は51重量%であり、亜鉛含量は19重量%であり、アルミニウム含量は0.5重量%であり、そしてニッケル含量は0.15重量%であった。3mmの円筒高さ及び3mmの径で、タブレットは、円筒外面上で81Nの圧縮強度及び58m2/gの内部表面積を有していた。
【0038】
実施例3におけるような、金属酸化物の混合物を含むこの水素化触媒の活性化に引き続いて、水素圧力を300barに上げた。引き続いて、1時間あたり、420gの実施例2に従って得られたヘキサン−1,6−ジオールアジペートを、300barの圧力下で5Nm3(s.t.p)の水素と一緒に高圧チューブを通して連続的にポンプ送りしたが、ヘキサン−1,6−ジオールアジペートは、高圧チューブ中へ入れる前に、220℃の温度に加熱した。
【0039】
反応チューブを去る反応生成物(粗製ヘキサン−1,6−ジオール)は、過剰の水素からの分離及び<30℃の温度への冷却の後で、そしてガスクロマトグラフィーによる分析によって、 - 有機低沸成分に関しては - 0.48重量%の炭素数1〜6のモノアルコールをそして - 比較的高沸の成分に関しては - 0.35重量%の未反応ヘキサン−1,6−ジオールアジペートを含んでいたが、その結果有機反応生成物のヘキサン−1,6−ジオール含量は99.17重量%となった。低沸及び高沸成分の蒸留除去の後で、製造されたヘキサン−1,6−ジオールは、99.9重量%の純度で得られた。比較的高沸の成分をプロセスに返したので、ヘキサン−1,6−ジオールに関するその総括的選択率は99.52重量%であった。
【0040】
触媒は、5400時間の使役期間の後でも不変の活性を示し、その結果反応生成物の組成はこの期間にわたって変わらなかった。
【0041】
実施例5
実施例3におけるような高圧チューブを、銅、亜鉛、アルミニウム及びコバルトの酸化物の粉末をタブレット化することによって製造された1.4lの水素化触媒によって不活性ガス下で満たした。タブレットの銅含量は49重量%であり、亜鉛含量は27重量%であり、アルミニウム含量は1.8重量%であり、そしてコバルト含量は0.22重量%であった。5mmの円筒高さ及び5mmの径で、タブレットは、円筒外面上で110Nの圧縮強度及び47m2/gの内部表面積を有していた。
【0042】
実施例3におけるような、酸化物の水素化触媒の活性化に引き続いて、水素圧力を250barに上げた。引き続いて、1時間あたり、420gの実施例2に従って得られたヘキサン−1,6−ジオールアジペートを、250barの圧力下で5Nm3(s.t.p)の水素と一緒に高圧チューブを通して連続的にポンプ送りしたが、ヘキサン−1,6−ジオールアジペートは、高圧チューブ中へ入れる前に、220℃の温度に加熱した。反応チューブを去る粗製生成物(粗製ヘキサン−1,6−ジオール)は、過剰の水素の分離及び<30℃の温度への冷却の後で、そしてガスクロマトグラフィーによる分析によって、 - 有機低沸成分に関しては - 0.68重量%の炭素数1〜6のモノアルコールをそして - 比較的高沸の成分に関しては - 0.38重量%の未反応ヘキサン−1,6−ジオールアジペートを含んでいたが、その結果有機反応生成物のヘキサン−1,6−ジオール含量は98.94重量%となった。未反応ヘキサン−1,6−ジオールアジペートをプロセスに返したので、ヘキサン−1,6−ジオールに関するその総括的選択率は99.32重量%であった。
【0043】
触媒は、3800時間の使役期間の後でも不変の活性を示し、その結果反応生成物の組成はこの期間にわたって変わらなかった。
【0044】
実施例6
504.7g(5.6モル)の1,4−ブタンジオール中の590.5g(5モル)のコハク酸の溶液を、実施例1におけるのと同じ反応器カスケードの第一反応器中に入れ、この溶液を撹拌しながら130〜140℃の反応温度に加熱し、そして生成した反応水を大気圧下で留去した。2時間の滞留時間の後で、反応混合物を隣の第二反応器中に流し込み、そこでは反応水の更なる部分を140〜160℃の反応温度で大気圧下で留去した。最後に、1時間の滞留時間の後で、反応混合物を第三反応器中に流し込み、そして残りの反応水を800mbarの圧力下でそして160℃の反応温度で除去した。更に2時間の反応時間(全部で5時間)の後では、所望のエステル化度に到達していた。得られたオリゴマー状ブタンン−1,4−ジオールスクシネート(1,005g)は、n=5の平均オリゴエステル化度(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定された分子質量分布)及び46mgKOH/g反応混合物の酸価を有していた。第一及び/又は第二反応器を部分的に又は完全に空にした後で、新しい量の反応混合物を添加することによって連続的にエステル化方法を継続することが可能であった。
【0045】
実施例7
非腐食性の耐酸性材料から作られそして45mmの内径及び1mの長さを有する垂直な断熱された高圧チューブに、予め窒素をどっと流してそれから酸素を無くし、そして銅、亜鉛、アルミニウム及び鉄の酸化物の粉末をタブレット化することによって製造された1.4lの水素化触媒によってそれを満たした。タブレットの銅含量は42重量%であり、亜鉛含量は17重量%であり、アルミニウム含量は2.0重量%であり、そして鉄含量は0.2重量%であった。5mmの円筒高さ及び5mmの径で、タブレットは、円筒外面上で125Nの圧縮強度及び68m2/gの内部表面積を有していた。
【0046】
金属酸化物の混合物から成るこの触媒を活性化するために、タブレットを最初に窒素の流れ(温度:最高 200℃、量:5m3のN2/h(s.t.p))の中で6時間乾燥させた。本当の活性化は、100barの窒素圧力及び180〜200℃の温度で行い、この間に不活性ガスに水素を次第に混合したが、初期相において混合されたこの水素の割合は10〜15容量%を越えてはならない。24時間の過程にわたって、ガス混合物中の窒素の割合を、最後には、純粋な水素が反応器を通って流れるまでどんどん減らした。下流の分離器中で収集される反応水がもはや生成しなくなった時には、反応は終了していた。
【0047】
水素化触媒の活性化に引き続いて、反応器システム中の水素圧力を150barに上げた。
【0048】
引き続いて、1時間あたり、420gの実施例1に従って得られていたブタン−1,4−ジオールスクシネートを150barの圧力で5m3(s.t.p)の水素と一緒に高圧チューブを通してポンプ送りしたが、ブタン−1,6−ジオールスクシネートは、高圧チューブ中へ入れる前に、上流の電気加熱された熱交換器中で210℃の温度に加熱した。
【0049】
反応チューブを去る反応生成物(粗製ブタン−1,4−ジオール)を、第二熱交換器(水コンデンサー)中で300barの水素圧力で<60℃の温度に冷却し、そしてガス分離器中で過剰の水素から分離し、この過剰の水素は水素化システムに返した。
【0050】
<30℃の温度への更なる冷却及び大気圧への除圧の後で、反応生成物をガスクロマトグラフィーによって分析した。
【0051】
それは、有機低沸成分に関しては、0.2重量%のテトラヒドロフラン及び0.1重量%のn−ブタノールをそして、比較的高沸の成分に関しては、0.4重量%の未反応ブタン−1,4−ジオールスクシネートを含んでいたが、その結果有機反応生成物のブタン−1,4−ジオール含量は99.3重量%となった。
【0052】
製造された1,4−ブタンジオールは、低沸及び高沸成分の蒸留除去の後で、≧99.9重量%の純度で得られた。
【0053】
比較的高沸の成分をプロセスに返したので、ブタン−1,4−ジオールに関するその総括的選択率は99.7重量%であった。
【0054】
触媒は、5600時間の使役期間の後でも不変の活性を示し、その結果反応生成物の組成はこの期間にわたって変わらなかった。
【0055】
本発明の主なる特徴及び態様は以下の通りである。
【0056】
1. 4〜12個の炭素原子の脂肪族α,ω−ジカルボン酸からの4〜12個の炭素原子の脂肪族α,ω−ジオールの製造方法であり、前記ジカルボン酸の前記ジオールによるオリゴエステル化及び生成するオリゴエステルの液相中での接触水素化による方法であって、オリゴエステルを、元素の周期表(メンデレエフ)の鉄族の金属の又はマンガンの少なくとも一種の酸化物を含む又は含まないCu酸化物、Zn酸化物及びAl酸化物の圧縮された粉末から成る片の形の触媒の上で180〜250℃、好ましくは190〜240℃で、100〜400bar、好ましくは150〜300barのH2圧力で、そして化学量論的に必要とされる量の20〜100倍の量のH2で連続的に水素化することを特徴とする方法。
【0057】
2. オリゴエステル化を、バッチ式で又は1〜4つのエステル化段階で疑似連続的に、好ましくは2つ又は3つのエステル化段階で疑似連続的に、反応水の蒸留除去をしながら100〜240℃の温度範囲でそして1500〜100mbarの圧力範囲で実施することを特徴とする、上記1記載の方法。
【0058】
3. 多段階オリゴエステル化の場合において、温度を、段階から段階へ10〜40℃だけ、好ましくは15〜30℃だけ、そして各々の段階内で5〜30℃だけ上昇させることを特徴とする、上記2記載の方法。
【0059】
4. 多段階オリゴエステル化の場合において、第一段階を大気圧で、最後の段階を200〜600mbarでそして、3又は4段階の場合には、中間段階を400〜1000mbarで実施することを特徴とする、上記2記載の方法。
【0060】
5. 用いるオリゴエステルを、1モルのジカルボン酸あたり1.03〜1.15モル、好ましくは1.05〜1.12モルのジオールの混合物から、3〜6の平均エステル化度及び20〜50mgKOH/gオリゴエステルの酸価が得られるようなやり方で製造することを特徴とする、上記1記載の方法。
【0061】
6. 用いるオリゴエステルを水素化のための一層の精製なしで使用することを特徴とする、上記1記載の方法。
【0062】
7. 圧縮された酸化物粉末の混合物において、Cuの割合が40〜60重量%であり、Znの割合が15〜30重量%であり、そしてAlの割合が0.2〜6重量%であり、ここですべての数字は酸化物粉末混合物の全量を基にしていて、そして100重量%への残りは酸素から成ることを特徴とする、上記1記載の方法。
【0063】
8. 鉄族の又はマンガンの一種以上の酸化物が圧縮された酸化物粉末中に存在し、そしてそれらの全量が全酸化物粉末の0.05〜1.5重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%であることを特徴とする、上記1記載の方法。
【0064】
9. 圧縮された酸化物粉末を含んで成る片の形の触媒が、2〜10mm、好ましくは3〜7mmの寸法を有する円筒状又は球形の形、そして形作られた本体表面上で50〜200N、好ましくは75〜150Nの圧縮強度及び10〜90m2/g、好ましくは30〜80m2/gの内部表面積を有することを特徴とする、上記1記載の方法。
【0065】
10. 圧縮された酸化物粉末の触媒を、水素化に先立って、180〜200℃でのH2による処理によって活性化し、この処理の始めには10〜15容量%のH2及び90〜85容量%の不活性ガスの混合物を用いそして、処理の過程において、不活性ガス成分を0容量%にまで減らすことを特徴とする、上記1記載の方法。
Claims (1)
- 4〜12個の炭素原子の脂肪族α,ω−ジカルボン酸からの4〜12個の炭素原子の脂肪族α,ω−ジオールの製造方法であり、前記ジカルボン酸の前記ジオールによるオリゴエステル化及び生成するオリゴエステルの液相中での接触水素化による方法であって、オリゴエステルを、元素の周期表(メンデレエフ)の鉄族の金属の又はマンガンの少なくとも一種の酸化物を含む又は含まないCu酸化物、Zn酸化物及びAl酸化物の圧縮された粉末から成る片の形の触媒の上で180〜250℃で、100〜400barのH2圧力で、そして化学量論的に必要とされる量の20〜100倍の量のH2で連続的に水素化することを特徴とする方法。
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