JP3779389B2 - 弾性境界波デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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    • H03H9/0222Details of interface-acoustic, boundary, pseudo-acoustic or Stonely wave devices

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばTVや携帯電話、PHS等におけるフィルタ素子や発振子に用いることができる弾性境界波デバイス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性波を応用したデバイスの1つとして弾性表面波デバイス(SAWデバイス:Surface Acoustic Wave Device)が以前よりよく知られている。このSAWデバイスは、例えば45MHz〜2GHzの周波数帯域における無線信号を処理する装置における各種回路、例えば送信用バンドパスフィルタ、受信用バンドパスフィルタ、局発フィルタ、アンテナ共用器、IFフィルタ、FM変調器等に用いられる。
【0003】
図14にこのSAWデバイスの基本的構成を示す。同図に示すようにSAWデバイスは、LiNbO3 等の圧電性基板100上にAl薄膜等の金属材料をエッチング等により加工したくし歯状電極(IDT:Interdigital Transducer)101、102を設けて構成される。そして、IDT101に高周波の電気信号が印加されると圧電性基板100表面にSAW103が励振される。励振されたSAW103は、圧電性基板100表面を伝搬してIDT102に達し、IDT102において再び電気信号に変換される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、SAWデバイスは、固体表面と真空または気体の境界面、すなわち固体表面を伝搬する弾性波を利用するために伝搬媒体である圧電性基板の表面を自由表面とする必要がある。従って、SAWデバイスにおいては、例えば半導体のパッケージに使用されるようなプラスチックモールドでチップを覆うことができず、パッケージ内部に自由表面を確保するための中空部を設ける必要がある。しかしながら、パッケージ内部に中空部を設けた構造にすると、デバイスが比較的高価かつ大型になるという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に対処し、SAWデバイスと同等の機能を有し、小型化が容易でかつコストダウンが容易な弾性境界波デバイス及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
具体的には、本発明は、プラスチックモールド等でチップを直接覆うことが可能な弾性境界波デバイス及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
また、本発明は、半導体プロセスをそのまま適用して製造することが可能な弾性境界波デバイス及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
本発明のさらなる目的は、アクティブ素子等の他の素子を搭載することが可能な弾性境界波デバイス及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、本発明の弾性境界波デバイスは、Si系の第1層と圧電性の第2層とを積層した積層体と、前記第1層と前記第2層との対向する面間に沿って伝搬する弾性波を励振する手段とを具備する。前記第1層と前記第2層との間に誘電体膜を設けてもよい。
【0010】
ここで、第1層及び第2層は、基板等の基体により構成してもよいし、いずれか一方または両方を薄膜により構成してもよい。弾性波を伝搬させる手段としては、例えば第1層と第2層との間に励振用の対向する一対のくし歯状電極と受信用の対向する一対のくし歯状電極とを配置すればよい。
【0011】
本発明の弾性境界波デバイスでは、Si系の第1層と圧電性の第2層との対向する面間に沿って弾性波を伝搬させるように構成したことで、SAWデバイスと同等の機能を持たせている。また、かかる面間は、第1層と第2層との間、すなわち固体と固体とにより挟まれたものであるから、SAWデバイスの如くパッケージ内部に自由表面を確保するための中空部を設ける必要はなく、プラスチックモールド等でチップを直接覆うことが可能となる。さらに、第1層をSi系としたことで、半導体プロセスをそのまま適用して製造することが可能となり、かつこの第1層にアクティブ素子等の他の素子を搭載することも可能である。Si系の第1層を用いることにより、例えば本来Si基板上に形成される集積回路と当該境界波デバイスを一体化することが可能になり、プログラマブルなフィルタ回路素子等の機能的なデバイスを1チップで構成することができる。
【0012】
すなわち、より具体化した本発明の弾性境界波デバイスは、Si系の第1の基体と、前記第1の基体に張り合わされた圧電性の第2の基体と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に介挿され、くし歯状の溝が設けられた誘電体膜と、前記誘電体膜に導電性材料を埋め込んで構成されるくし歯状電極とを具備する。前記第1の基体の前記第2の基体との張り合わせ面に露出部を設け、前記露出部に半導体素子を形成してもよい。前記第1の基体を10Ωcm以上の比抵抗のSi系の基板としてもよい。
【0013】
本発明の弾性境界波デバイスの製造方法は、Si系の第1の基体の主面または圧電性の第2の基体の主面にくし歯状電極を形成する工程と、前記第1の基体の主面及び前記第2の基体の主面に水酸基化処理を施す工程と、前記第1の基体の主面と前記第2の基体の主面とを対接させる工程と、前記対接された第1の基体及び第2の基体を100℃〜1000℃で加熱する工程とを具備する。
【0014】
本発明によれば、Si系の第1の基体と圧電性の第2の基体とを張り合わせることが可能となる。
【0015】
本発明の弾性境界波デバイスの製造方法は、Si系の第1の基体の主面または圧電性の第2の基体の主面にくし歯状の溝を有する誘電体膜を形成する工程と、前記くし歯状の溝に導電性材料を埋め込んでくし歯状電極を形成する工程と、前記第1の基体の主面と前記第2の基体の主面とを張り合わせる工程とを具備する。 本発明によれば、張り合わされた第1の基体と第2の基体との間にくし歯状電極を簡単に形成することが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図3は本発明の一実施形態に係る弾性境界波デバイスの構成を示す図であって、図1は分解斜視図、図2は正面図、図3は図1のA−A矢視平面図である。
【0018】
これらの図に示すように、この弾性境界波デバイス1は、Si系の第1の基板2の主面上にくし歯状の溝3を有する誘電体膜4を形成すると共にその溝3に導電性材料を埋め込んでくし歯状電極5を形成し、その上に圧電性の第2の基板6を張り合わせて構成される。
【0019】
第1の基板2としては、例えばSiが用いられる。しかし、アモルファスシリコンやポリシリコン等の他のSi系の材料を材料を用いることも可能である。また、Si系の第1の基板は、半導体集積回路に通常用いられているように意図的にn−型、p−型として比抵抗を下げたものではなく、くし歯状電極5による直流的な漏れを防ぐために10Ωcm以上の高抵抗のSi系の基板であることが好ましい。 第2の基板6としては、例えばLiNbO3 が用いられる。しかし、LiTaO3 、水晶等の他の圧電性の材料を用いることも可能である。第2の基板6の主面の面積は、第1の基板2の主面の面積より小さい。例えば、第2の基板6の主面は、最低限弾性境界波が伝搬するために必要な有効な領域のみに張り付ければよい。これにより第1の基板2の主面のうち露出面7に、後述するアクティブ素子等の他の素子を搭載することが可能である。また、圧電性の第2の基板6はSi系の第1の基板2と比べ比較的高価であることから、圧電体基板材料を少なくできコストダウンを図ることができる。しかし、第2の基板6の主面の面積と第1の基板2の主面の面積とを同じものとすることも可能であるし、第2の基板6の主面の面積を第1の基板2の主面の面積より大きくすることも可能である。
【0020】
誘電体膜4は、例えばSiO2 が用いられる。これによりSi系の第1の基板2の主面を酸化処理するだけでSiO2 を形成することが可能となる。しかし、他の誘電体膜4を敢えて形成するようにしてもよい。
【0021】
くし歯状電極5は、例えばAlが用いられる。しかし、他の導電性材料を用いることも可能である。くし歯状電極5は、例えば励振用の対向する一対のくし歯状電極8と受信用の対向する一対のくし歯状電極9とにより構成される。しかし、これらの電極をそれぞれ複数設けてもよい。また、くし歯状電極5の他に例えばこれらの電極を挟むように反射電極を設けてもよい。さらに、こうした電極ばかりでなく、例えばこれらの電極を挟むように吸音材を形成するようにしてもよい。要するに、本発明に係る弾性境界波デバイスは、例えば従来のSAWデバイスに代えて用いられるものであって、すなわちフィルタ、遅延線、共振器、発振器、アナログ信号処理用回路、増幅器、コンバルバメモリ等に用いられるが、くし歯状電極5等の構成はこれらの用途、仕様等に応じて適宜設計変更される。
【0022】
ところで、弾性境界波は2種の固体間の対向する面間を伝搬する弾性波である。この弾性境界波の存在に関する理論的な検討は、例えば清水、入野等の「ZnOとガラスの境界面を伝搬するストンリー波の理論的検討」学信論(C),J65-C,11,pp.883-890 により取り扱われている。この論文では、2種の固体の一方は圧電材料であるZnO、もう一方はガラスの組み合わせの場合が取り扱われているが、2種の固体のうち少なくともどちらか一方に弾性波を励振するために圧電性があり2種の固体の境界面に弾性波のエネルギーが集中して伝搬する波を用いて弾性境界波デバイスを実現することができる。
【0023】
次に、本発明の弾性境界波デバイスの製造方法について説明する。
【0024】
図4はその製造方法に係る一実施形態を説明するための図である。
【0025】
まず、Si系の第1の基板70上に例えば熱酸化処理により 0.1〜 2μm程度のSiO2 膜71を形成する(図4(a))。
【0026】
次に、SiO2 膜71に対し、例えばCDΕ(Cemical Dry Ecthing)によりくし歯状の溝72をパターニングする(図4(b))。
【0027】
次に、SiO2 膜71上を覆うように例えばスパッタ法によりAl膜73を成形する(図4(c))。
【0028】
次に、Αl膜73表面をSiO2 膜が現れるまで研磨する(図4(d))。
【0029】
これにより、SiO2 膜71の溝72にΑlを埋め込んだ電極(くし歯状電極74)が構成される。
【0030】
次に、SiO2 膜71とくし歯状電極74が形成されたSi系の第1の基板70の主面及び圧電性の第2の基板75の主面を例えば過酸化アンモニア水により表面処理することにより、両者の表面を水酸基化する(図4(e))。
【0031】
次に、第1の基板70の主面と第2の基板75の主面とを対接させ、約 300℃で1〜2時間程度加熱する(図4(f))。
【0032】
かかる熱処理により2種の基板表面にあるOH基同士が結合しH2 Oが遊離し、異種材料であるSi系の第1の基板70と第2の基板75とを直接接合することができる。なお、加熱温度は、好ましくは約 300℃であるが、 100〜1000℃の間とすることができる。 100℃以下ではOH基同士が結合する反応を生じないし、1000℃以上では要素部材に熱的悪影響を及ぼす可能性があるからである。
【0033】
このように異種材料間の直接接合が可能であることは江田等:「圧電材料の直接接合」信学技報US95-24.ΕMD95-20,CPM95-32.(1995-07),pp.31-38にも報告されている。Si系の第1の基板と圧電性の第2の基板とは上記以外の方法でも前記江田等の報告にあるように容易に接合することが可能である。
【0034】
以上の製造工程を経て形成された弾性境界波デバイスでは、境界波を励振するためのくし歯型電極74をSi系の第1の基板70上に形成することができるため通常の半導体デバイスの製造技術をそのまま転用することができる。
【0035】
なお、上記製造方法では、SiO2 膜71とくし歯状電極74を予めSi系の第1の基板70に形成する例を示したが、SiO2 膜71とくし歯状電極74を圧電性の第2の基板75上に予め形成し、Si系の第1の基板70と直接張り付ける方法でも同様の構造の弾性境界波デバイスを製造することができる。
【0036】
また、本発明の弾性境界波デバイスにおけるくし歯型電極のその他の構成方法を図5に示す。
【0037】
まず、Si系の第1の基板80上にイオンミリング等の加工により 0.1〜 2μm程度のくし歯状の溝81を形成する(図5(a))。
【0038】
次に、溝81を覆うように第1の基板80上にAl膜82を例えばスパッタ法により形成する(図5(b))。
【0039】
次に、Al膜82の表面を第1の基板80表面が現れるまで研磨する(図5(c))。
【0040】
これにより、第1の基板80表面の溝81にΑlを埋め込んだ電極(くし歯状電極83)が構成される。
【0041】
上述した実施形態においては、第1層及び第2層をそれぞれ基板の形態としていたが、第1層及び第2層のうちいずれか一方または両方を薄膜としても構わない。
【0042】
図6は、Si系の第1層を基板の形態であるSi基板91とし、その上に圧電性の第2層として圧電性薄膜92を形成した弾性境界波デバイスを示している。図示を省略しているが、Si基板91と圧電性薄膜92との間には、くし歯状電極が形成されている。
【0043】
図7は、圧電性の第2層を基板の形態である圧電性基板11とし、その上にSi系の第1層としてSi薄膜12、例えばポリシリコンを形成した弾性境界波デバイスを示している。図示を省略しているが、圧電性基板11とSi薄膜12との間には、くし歯状電極が形成されている。
【0044】
図8は、第1層及び第2層の両方を薄膜とした弾性境界波デバイスを示しており、ここでは支持基体としてのガラス基板110上にSi系の第1層としてSi薄膜111を形成し、その上に圧電性の第2層として圧電性薄膜112を形成して構成される。図示を省略しているが、Si薄膜111と圧電性薄膜112との間には、くし歯状電極が形成されている。また、圧電性薄膜の上にSi薄膜を形成するようにしてもよい。
【0045】
なお、Si薄膜と圧電性薄膜のいずれも弾性境界波を伝搬させるためには1λ以上の厚さとする必要がある。
【0046】
次に、Si系の第1の基板にアクティブ素子等の他の素子を搭載した例を示す。 図9はその一例を示しており、Si系の第1の基板120主面の第1の領域121には、くし歯状電極(図示せず)が形成され、これを覆うように圧電性の第2の基板122が張り合わされている。第1の基板120主面の露出領域である第2の領域123には、集積回路124が形成されている。これにより、例えばプログラマブルなフィルタ回路素子等の機能的なデバイスを1チップで構成することができるようになる。
【0047】
図10及び図11は図9に示した弾性境界波デバイスをプリント配線板上に実装した例をそれぞれ示している。
【0048】
図10に示すように、弾性境界波デバイス131の第1の基板132主面の第2の領域133には、ボンディングパッド134が形成されている。プリント配線板135上の所定の位置にこの弾性境界波デバイス131が搭載され、弾性境界波デバイス131のボンディングパッド134とプリント配線板135上の所定の位置に設けられたボンディングパッド136とがボンディングワイヤ137により接続されている。そして、これらを覆うようにポリイミドやエポキシ樹脂等により樹脂封止138がされている。
【0049】
また、図11は別の例であり、同図に示すように、弾性境界波デバイス141の第1の基板142には主面回路部より裏面のパッド143に通じるスルーホール144が形成されている。プリント配線板145上の所定の位置にこの弾性境界波デバイス141が搭載され、弾性境界波デバイス141のパッド143とプリント配線板145上の所定の位置に設けられたパッド146とがバンプ147により接続されている。そして、これらを覆うようにポリイミドやエポキシ樹脂等により樹脂封止148がされている。
【0050】
本発明に係る弾性境界波デバイスは、例えばフィルタ、遅延線、共振器、発振器、アナログ信号処理用回路、増幅器、コンバルバメモリ等に用いられる。そして、これらの弾性境界波デバイスを備えたフィルタ、遅延線、共振器等は、携帯電話、PHS、TV等に用いられる。
【0051】
図12は携帯電話、PHS等の移動体通信装置の構成を示すブロック図である。 同図に示すように、アンテナ151を介して受信した受信波は、アンテナ共用器152により受信系に分離される。分離された受信信号は、アンプ153により増幅された後、受信用バンドパスフィルタ154により所望の帯域が抽出され、ミキサ155に入力される。ミキサ155には、PLL発振器156により発振された局発信号が局発フィルタ157を介して入力されている。ミキサ155の出力は、IFフィルタ158、FM復調器159を介してスピーカ160より受信音として出力される。一方、マイク161より入力された送話音は、FM変調器162を介してミキサ163に入力される。ミキサ163には、PLL発振器164により発振された局発信号が入力されている。ミキサ163の出力は、送信用バンドパスフィルタ165、パワーアンプ166及びアンテナ共用器152を介してアンテナ151より送信波として出力される。
【0052】
本発明に係る弾性境界波デバイスは、この移動通信装置の各部に使用することができる。例えば、送信用バンドパスフィルタ165、受信用バンドパスフィルタ154、局発フィルタ157及びアンテナ共用器152には、本発明に係る弾性境界波デバイスがRF段のフィルタとして使われる。IFフィルタ158には、本発明に係る弾性境界波デバイスがチャネル選局に不可欠な狭帯域のIF段のフィルタとして使われる。FM変調器162には、本発明に係る弾性境界波デバイスが音声のFM変調における共振子として使われる。
【0053】
本発明に係る弾性境界波デバイスは、VTRやCATVに用いられるRFモジュレータの発振回路等にも用いることができる。その回路構成を図13に示す。図9に示したSi系の第1の基板120主面の第1の領域121にくし歯状電極167を形成し、第2の領域123に回路部168を形成することで、この発振回路を1チップで構成することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の弾性境界波デバイスによれば、SAWデバイスと同等の機能を有し、プラスチックモールド等でチップを直接覆うことが可能となり、さらに半導体プロセスをそのまま適用して製造することが可能となりかつアクティブ素子等の他の素子を搭載することも可能となる。
【0055】
また、本発明の弾性境界波デバイスの製造方法によれば、Si系の第1の基体の主面または圧電性の第2の基体の主面にくし歯状電極を形成し、前記第1の基体の主面及び前記第2の基体の主面に水酸基化処理を施し、前記第1の基体の主面と前記第2の基体の主面とを対接し、前記対接された第1の基体及び第2の基体を100℃〜1000℃で加熱するようにしたことで、Si系の第1の基体と圧電性の第2の基体とを張り合わせることが可能となる。
【0056】
さらに、本発明の他の弾性境界波デバイスの製造方法によれば、Si系の第1の基体の主面または圧電性の第2の基体の主面にくし歯状の溝を有する誘電体膜を形成し、前記くし歯状の溝に導電性材料を埋め込んでくし歯状電極を形成し、前記第1の基体の主面と前記第2の基体の主面とを張り合わすようにしたことで、張り合わされた第1の基体と第2の基体との間にくし歯状電極を簡単に形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る弾性境界波デバイスの構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図2のA−A矢視平面図である。
【図4】本発明の弾性境界波デバイスの製造方法に係る一実施形態を説明するための工程図である。
【図5】本発明の弾性境界波デバイスにおけるくし歯型電極の他の構成方法を示す工程図である。
【図6】本発明の弾性境界波デバイスの他の実施形態を示す正面図である。
【図7】本発明の弾性境界波デバイスの他の実施形態を示す正面図である。
【図8】本発明の弾性境界波デバイスの他の実施形態を示す正面図である。
【図9】本発明の弾性境界波デバイスの他の実施形態を示す斜視図である。
【図10】本発明の弾性境界波デバイスをプリント配線板上に実装した例を示す正面図である。
【図11】本発明の弾性境界波デバイスをプリント配線板上に実装した他の例を示す正面図である。
【図12】本発明の弾性境界波デバイスが用いられる移動体通信装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の弾性境界波デバイスが用いられるRFモジュレータの発振回路の回路図である。
【図14】SAWデバイスの基本的構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 弾性境界波デバイス
2 Si系の第1の基板
3 くし歯状の溝
4 誘電体膜
5 くし歯状電極
6 圧電性の第2の基板
7 露出面

Claims (5)

  1. Si系の第1層と圧電性の第2層とを積層した積層体と、
    前記第1層と前記第2層との間に形成された誘電体膜と、
    前記第1層と前記第2層との対向する面間に沿って伝搬する弾性波を励振する手段と
    を具備することを特徴とする弾性境界波デバイス。
  2. Si系の第1の基体と、前記第1の基体に張り合わされた圧電性の第2の基体と、
    前記第1の基体と前記第2の基体との間に介挿され、くし歯状の溝が設けられた誘電体膜と、
    前記誘電体膜に導電性材料を埋め込んで構成されるくし歯状電極と
    を具備することを特徴とする弾性境界波デバイス。
  3. 前記第1の基体の前記第2の基体との張り合わせ面に露出部を有し、前記露出部に回路が形成されていることを特徴とする請求項2記載の弾性境界波デバイス。
  4. 前記第1の基体が、10Ωcm以上の比抵抗のSi系の基板であることを特徴とする請求項2記載の弾性境界波デバイス。
  5. Si系の第1の基体の主面または圧電性の第2の基体の主面にくし歯状の溝を有する誘電体膜を形成する工程と、
    前記くし歯状の溝に導電性材料を埋め込んでくし歯状電極を形成する工程と、
    前記第1の基体の主面と前記第2の基体の主面とを張り合わせる工程と
    を具備することを特徴とする弾性境界波デバイスの製造方法。
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