JP3778552B2 - 電磁弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁弁に関し、特に、コイルの励磁による弁体の閉弁時に弁体が受ける流体圧が一定値を超えると、その流体圧の過剰分を逃がすようにしたリリーフ手段を備えた常開型の電磁弁の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような電磁弁は、たとえば特開平4−293648号公報および特開2000−18416号公報等で既に知られており、これらの公報で開示されたものでは、可動コアに設けられた案内孔に、弁体を弁座側に押動することを可能とした押し部材が収納されるとともにばね受け部材が嵌合、固定され、押し部材を弁体側に向けて付勢するばね力を発揮するようにして押し部材およびばね受け部材間にコイル状のリリーフばねが縮設され、可動コアには、該可動コアの後退時には押し部材の弁体側への前進限を規制して弁体を開弁位置に保持するが可動コアの前進時には前記弁体が前記弁座に着座するまで前記リリーフばねによって前記押し部材が前進するのを許容するストッパが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来の電磁弁では、押し部材およびばね受け部材がともに中実の棒状に形成されており、押し部材およびばね受け部材の相互に近い側の端部間にリリーフばねが縮設されている。このため、ばね定数の比較的小さなリリーフばねを用いるためにリリーフばねの伸縮ストロークを比較的大きく設定したい場合には、押し部材およびばね受け部材間の距離を比較的長く設定せねばならず、押し部材、ばね受け部材およびリリーフばねを収容する案内孔の長さすなわち可動コアの軸方向長さを比較的大きく設定する必要があり、電磁弁の大型化につながってしまう。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、リリーフばねの伸縮ストロークを充分に確保しつつ、押し部材およびばね受け部材間の距離を短縮して小型化を可能とした電磁弁を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、弁座を有する弁ハウジングと、前記弁座に着座可能に対向して弁ハウジングに収容される弁体と、該弁体を前記弁座から離座する方向に付勢する弁ばねと、前記弁ハウジングの一端に連設される固定コアと、該固定コアに近接する前進時に前記弁体を前記弁座に着座させるようにして前記固定コアに対向配置されるとともに中心部には案内孔が設けられる可動コアと、励磁時に前記可動コアを前進作動させる電磁力を発揮するコイルと、前記弁体を前記弁座側に押動することを可能として前記案内孔に収納される押し部材と、前記案内孔に嵌合、固定されるばね受け部材と、前記押し部材を前記弁体側に向けて付勢するばね力を発揮するようにして前記押し部材および前記ばね受け部材間に縮設されるコイル状のリリーフばねとを備え、前記可動コアの後退時には前記押し部材の前記弁体側への前進限を規制して前記弁体を開弁位置に保持するストッパが、前記可動コアの前進時には前記弁体が前記弁座に着座するまで前記リリーフばねによって前記押し部材が前進するのを許容するようにして前記可動コアに設けられる電磁弁において、前記押し部材および前記ばね受け部材が、少なくとも相互に対向する側を開口した円筒状に形成され、前記リリーフばねがその両端部を前記押し部材および前記ばね受け部材に収容せしめて、前記押し部材および前記ばね受け部材間に縮設されることを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、リリーフばねの両端部を押し部材およびばね受け部材内に収容することができ、リリーフばねの伸縮ストロークを充分に確保しても押し部材およびばね受け部材間の距離を短縮することができ、可動コアの軸方向長さを短縮し、電磁弁を小型化することが可能となる。
【0007】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記押し部材および前記ばね受け部材は、前記リリーフばねの両端に対応する部分の直径が、押し部材およびばね受け部材の相互に対向する側の開口端直径よりも小さくなるように形成されることを特徴とし、かかる構成によれば、リリーフばねのばね荷重が作用する部分の座屈強度を高め、押し部材およびばね受け部材の薄肉化を図り、電磁弁の軽量化に寄与することができる。またリリーフばねが収縮した際に、押し部材およびばね受け部材の内周面にリリーフばねが接触することがなく、押し部材の作動応答性を向上してリリーフ手段としての性能を安定させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図3は本発明の一実施例を示すものであり、図1は車両用ブレーキ装置のブレーキ液圧回路図、図2は本発明を適用した電磁弁を消磁状態で示す縦断面図、図3は前記電磁弁を励磁状態で示す縦断面図である。
【0010】
先ず図1において、タンデム型のマスタシリンダMは、車両運転者がブレーキペダルPに加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生する第1および第2出力ポート1A,1Bを備えており、左前輪用車輪ブレーキ2A、右後輪用車輪ブレーキ2B、右前輪用車輪ブレーキ2Cおよび左後輪用車輪ブレーキ2Dと、前記第1および第2出力ポート1A,1Bに個別に接続された第1および第2出力液圧路3A,3Bとの間にブレーキ液圧制御装置4が設けられる。
【0011】
ブレーキ液圧制御装置4は、第1および第2出力液圧路3A,3Bにそれぞれ接続される常開型の電磁弁5A,5Bと、一方の電磁弁5Aならびに左前輪用車輪ブレーキ2Aおよび右後輪用車輪ブレーキ2B間にそれぞれ設けられる常開型電磁弁である入口弁6A,6Bと、他方の電磁弁5Bならびに右前輪用車輪ブレーキ2Cおよび左後輪用車輪ブレーキ2D間にそれぞれ設けられる常開型電磁弁である入口弁6C,6Dと、各入口弁6A〜6Dにそれぞれ並列に接続されるチェック弁7A〜7Dと、第1および第2出力液圧路3A,3Bにそれぞれ個別に対応した第1および第2リザーバ8A,8Bと、第1リザーバ8Aならびに左前輪用車輪ブレーキ2Aおよび右後輪用車輪ブレーキ2B間にそれぞれ設けられる常閉型電磁弁である出口弁9A,9Bと、第2リザーバ8Bならびに右前輪用車輪ブレーキ2Cおよび左後輪用車輪ブレーキ2D間にそれぞれ設けられる常閉型電磁弁である出口弁9C,9Dと、第1リザーバ8Aに吸入側が接続されるとともに吐出側が電磁弁5Aならびに入口弁6A,6B間に接続される第1ポンプ10Aと、第2リザーバ8Bに吸入側が接続されるとともに吐出側が電磁弁5Bならびに入口弁6C,6D間に接続される第2ポンプ10Bと、両ポンプ10A,10Bを駆動する共通1個の電動モータ11と、第1および第2出力液圧路3A,3Bならびに第1および第2ポンプ10A,10Bの吸入側間にそれぞれ介設される常閉型電磁弁であるサクション弁12A,12Bと、第1および第2ポンプ10A,10Bの吐出側がそれぞれ接続される第1および第2ダンパ13A,13Bと、第1および第2ポンプ10A,10Bならびに第1および第2ダンパ13A,13B間にそれぞれ設けられる第1および第2オリフィス14A,14Bと、各ポンプ10A,10B側へのブレーキ液の流通を許容するようにして第1および第2ポンプ10A,10Bならびに第1および第2リザーバ8A,8B間に介設されるチェック弁15A,15Bと、第2出力液圧路3Bに取付けられる圧力センサ16とを備える。
【0012】
サクション弁12A,12Bは第1および第2ポンプ10A,10Bならびにチェック弁15A,15B間に接続され、各出口弁9A〜9Dはチェック弁15A,15Bならびに第1および第2リザーバ8A,8B間にそれぞれ接続される。
【0013】
電磁弁5A,5Bは、第1および第2出力液圧路3A,3Bと、両ポンプ10A,10Bの吐出口にオリフィス14A,14Bを介して接続される液圧路20A,20Bとの間に介設されるものであり、第1および第2出力液圧路3A,3B側からだけのブレーキ液の流通を許容するようにして電磁弁5A,5Bに並列に接続される一方向弁18A,18Bと、液圧路20A,20Bの液圧が所定値以上になるのに応じて開弁するようにして電磁弁5A,5Bに並列に接続されるリリーフ手段19A,19Bとが、電磁弁5A,5Bに設けられる。
【0014】
このようなブレーキ液圧制御装置4は、各車輪がロックを生じる可能性のない通常ブレーキ時には、マスタシリンダMおよび車輪ブレーキ2A〜2D間を連通するとともに車輪ブレーキ2A〜2Dおよびリザーバ8A,8B間を遮断する。すなわち電磁弁5A,5Bを消磁、開弁するとともにサクション弁12A,12Bを消磁、閉弁した状態で、各入口弁6A〜6Dが消磁、開弁状態とされるとともに各出口弁9A〜9Dが消磁、閉弁状態とされ、マスタシリンダMの第1出力ポート1Aから出力されるブレーキ液圧は電磁弁5Aおよび入口弁6A,6Bを介して左前輪および右後輪用車輪ブレーキ2A,2Bに作用する。またマスタシリンダMの第2出力ポート1Bから出力されるブレーキ液圧は、電磁弁5Bおよび入口弁6C,6Dを介して右前輪用および左後輪用車輪ブレーキ2C,2Dに作用する。
【0015】
上記ブレーキ中に車輪がロック状態に入りそうになったときに、ブレーキ液圧制御装置4は、ロック状態に入りそうになった車輪に対応する部分でマスタシリンダMおよび車輪ブレーキ2A〜2D間を遮断するとともに車輪ブレーキ2A〜2Dおよびリザーバ8A,8B間を連通する。すなわち入口弁6A〜6Dのうちロック状態に入りそうになった車輪に対応する入口弁が励磁、閉弁されるとともに、出口弁9A〜9Dのうち上記車輪に対応する出口弁が励磁、開弁される。これにより、ロック状態に入りそうになった車輪のブレーキ液圧の一部が第1リザーバ8Aまたは第2リザーバ8Bに吸収され、ロック状態に入りそうになった車輪のブレーキ液圧が減圧されることになる。
【0016】
またブレーキ液圧を一定に保持する際に、ブレーキ液圧制御装置4は、車輪ブレーキ2A〜2DをマスタシリンダMおよびリザーバ8A,8Bから遮断する状態となる。すなわち入口弁6A〜6Dが励磁、閉弁されるとともに、出口弁9A〜9Dが消磁、閉弁されることになる。さらにブレーキ液圧を増圧する際には、入口弁6A〜6Dが消磁、開弁状態とされるともに、出口弁9A〜9Dが消磁、閉弁状態とされればよい。
【0017】
このように電磁弁5A,5Bを消磁、開弁するとともにサクション弁12A,12Bを消磁、閉弁した状態で各入口弁6A〜6Dおよび各出口弁9A〜9Dの消磁・励磁を制御することにより、車輪をロックさせることなく、効率良く制動することができる。
【0018】
ところで、上述のようなアンチロックブレーキ制御中に、電動モータ11は回転作動し、この電動モータ11の作動に伴って第1および第2ポンプ10A,10Bが駆動されるので、第1および第2リザーバ8A,8Bに吸収されたブレーキ液は、第1および第2ポンプ10A,10Bに吸入され、次いで第1および第2ダンパ13A,13Bを経て第1および第2出力液圧路3A,3Bに還流される。このようなブレーキ液の還流によって、第1および第2リザーバ8A,8Bのブレーキ液の吸収によるブレーキペダルPの踏み込み量の増加を防ぐことができる。しかも第1および第2ポンプ10A,10Bの吐出圧の脈動は第1および第2ダンパ13A,13Bならびに第1および第2オリフィス14A,14Bの働きにより抑制され、上記還流によってブレーキペダルPの操作フィーリングが阻害されることはない。
【0019】
またブレーキ液圧制御装置4は、上述のアンチロックブレーキ制御に加えて、非ブレーキ操作時に第1および第2ポンプ10A,10Bを電動モータ11で駆動するとともに、電磁弁5A,5Bを開閉制御することにより、車両の横滑り制御やトラクション制御を行なうことが可能である。
【0020】
また圧力センサ16は、マスタシリンダMから液圧が出力されているか否か、すなわちブレーキペダルPが踏まれているか否かを検出するものであり、上記 車両の横滑り制御およびトラクション制御や、マスタシリンダMの出力液圧に応じた電動モータ11の回転数制御等に用いられる。
【0021】
而してたとえば横滑り制御時には、電磁弁5A,5Bが励磁、閉弁されるとともにサクション弁12A,12Bが励磁、開弁され、さらに電動モータ11の作動により第1および第2ポンプ10A,10Bが駆動され、各入口弁6A〜6Dのうち制動したい車輪に対応する入口弁以外の入口弁が励磁、閉弁される。
【0022】
これにより両ポンプ10A,10Bは、マスタシリンダMのブレーキ液を第1および第2出力ポート1A,1Bから第1および第2出力液圧路3A,3B、サクション弁12A,12Bを介して吸入し、各車輪ブレーキ2A〜2Dのうち選択された車輪ブレーキに、入口弁6A〜6Dのうち開弁している入口弁を介してブレーキ液を供給し、ブレーキ液がマスタシリンダM側に逆流することは、電磁弁5A,5Bが閉弁していることによって阻止される。
【0023】
このような横滑り制御やトラクション制御時に、第1および第2ポンプ10A,10Bの吐出圧すなわち各電磁弁5A,5Bおよび各入口弁6A〜6D間の液圧が規定値を超えると、リリーフ手段19A,19Bにより、過剰油圧分がマスタシリンダM側に逃がされることになり、ブレーキ圧が作用している車輪ブレーキに過剰の液圧が作用することが回避される。
【0024】
ところで、電磁弁5A,5Bは、本発明に従って構成されるものであり、その詳細について以下に説明するが、両電磁弁5A,5Bは同一構成を有するものであるので、一方の電磁弁5Aの構成の詳細についてのみ説明し、他方の電磁弁5Bについては説明を省略する。
【0025】
図2において、電磁弁5Aは、基体21に軸線をほぼ水平として取付けられる円筒状の弁ハウジング22を備える。
【0026】
基体21には、ほぼ水平な軸線を有する装着孔23と、第1ポンプ10Aの吐出側に連なる液圧路20Aに通じて装着孔23の内端に同軸に連なる通路24と、第1出力液圧路3Aに通じて装着孔23の内面に開口する通路25とが設けられる。装着孔23に嵌装される弁ハウジング22の外周および装着孔23の内面間には前記通路25に通じる環状路26が形成され、この環状路26および前記通路24間で弁ハウジング22の外周には環状路26から通路24側へのブレーキ液の流通を許容する一方向弁18Aの機能を果たすカップシールが装着され、前記環状路26および外部間をシールするためのOリング27が弁ハウジング22の外周に装着される。また装着孔23の外端には弁ハウジング22に当接、係合して該弁ハウジング22の装着孔23からの離脱を阻止する止め輪28が装着される。
【0027】
弁ハウジング22内の中間部には、通路24に通じる弁孔29ならびに該弁孔29を中央部に開口させた弁座30を有する略円筒状の弁座部材31が圧入される。また弁ハウジング22には、前記弁座30に着座可能な球状の弁部32aを前端に備える棒状の弁体32が、弁座部材31との間に弁室33を形成して摺動可能に収容されており、前記弁室33には、弁体32をその弁部32aが前記弁座30から離座する方向に付勢する弁ばね34が、弁体32および弁座部材31間に縮設されるようにして収容される。
【0028】
弁ハウジング22には、前記弁室33を前記環状路26に通じさせる複数の連通孔35…が設けられており、各連通孔35…および環状路26間に介在するフィルタ36が弁ハウジング22の外周に装着される。また弁ハウジング22の内端には前記弁孔29および通路24間に介在するフィルタ37が装着される。
【0029】
弁ハウジング22の外端には円筒状の固定コア40が一体にかつ同軸に連設されており、該固定コア40は、半球状の閉塞端を有して有底円筒状に形成されるガイド筒41の開口端に嵌合され、ガイド筒41および固定コア40はレーザ溶接等で液密に溶接される。
【0030】
固定コア40の一部およびガイド筒41の一部はボビン42に挿通されるものであり、該ボビン42にコイル43が巻装される。またボビン42およびコイルを覆う磁性材料製のコイルケース44が固定コア40に磁気的に結合される。
【0031】
ガイド筒41内には、固定コア40に対向する可動コア45が摺動可能に嵌装されており、前記コイル43がその励磁時に発揮する電磁力により可動コア45は、固定コア40側に向けて前進作動する。
【0032】
可動コア45の中心部には、前記弁体32の後端を収容し得るようにして該弁体32の後端よりも大径に形成されつつ可動コア45の前端に開口する収容孔46と、該収容孔46よりも小径の通孔47と、通孔47よりも大径に形成されて可動コア45の後端に開口する案内孔48とが同軸に連なるようにして設けられており、また通孔47および案内孔48で挟まれる環状の段部であるストッパ49が可動コア45に設けられる。
【0033】
前記案内孔48には、前記弁体32を弁座30側に押動することを可能とした押し部材50が、前記ストッパ49で可動コア45に対する前進限を規制されるようにして摺動自在に嵌装される。また案内孔48の後端には、ばね受け部材51が、たとえば圧入により嵌合、固定され、案内孔48の後端周縁部はばね受け部材51が案内孔48から離脱してしまうことがないようにかしめられる。また押し部材50およびばね受け部材51間には、コイル状であるリリーフばね52が、押し部材50を弁体32側に向けて付勢するばね力を発揮するようにして縮設され、このリリーフばね52のセット荷重は、弁ばね34のセット荷重よりも大きく設定される。
【0034】
押し部材50およびばね受け部材51は、少なくとも相互に対向する側を開口した円筒状に形成されるものであり、リリーフばね52は、その両端部を押し部材50およびばね受け部材51に収容せしめて、押し部材50およびばね受け部材51間に縮設される。
【0035】
前記押し部材50は、案内孔48に摺動可能に嵌合される円筒部50aと、案内孔48の内径よりもわずかに小さな直径を有して円筒部50aの前端に同軸に連なる縮径円筒部50bと、可動コア45のストッパ49に当接することを可能として縮径円筒部50bの前端から半径方向内方に張り出す鍔部50cと、通孔47に挿通されるようにして有底円筒状に形成されて前記鍔部50cの内周部に連なる有底円筒部50dとを一体に有するものであり、有底円筒部50dの前端閉塞部が弁体32の後端中央部に当接可能である。
【0036】
またばね受け部材51は、案内孔48に圧入される円筒部51aと、大径端が円筒部51aの後端に連なるテーパ部51bと、該テーパ部51bの後端すなわち小径端から半径方向内方に張り出す鍔部51cとを一体に備える。
【0037】
而してリリーフばね52は、押し部材50の鍔部50cと、ばね受け部材51の鍔部51cとの間に縮設されるものであり、押し部材50およびばね受け部材51においてリリーフばね52の両端に対応する部分すなわち縮径筒部50bおよびテーパ筒部51bの直径は、押し部材50およびばね受け部材51の相互に対向する側の開口端直径よりも小さい。
【0038】
また押し部材50およびばね受け部材51には、案内孔48の内部および可動コア45の外部間を通じる連通孔54,55が設けられるものであり、連通孔54は押し部材50における縮径筒部50bに設けられ、また連通孔55は、ばね受け部材51における鍔部51cの内周で形成される。
【0039】
さらに弁体32の外面には、固定コア40および可動コア45間を弁室33に連通せしめる複数状の溝56…が設けられ、可動コア45の外面には、ガイド筒41の閉塞端および可動コア45間を、固定コア40および可動コア45間に連通させる複数状の溝57…が設けられる。
【0040】
ところで、可動コア45は、ガイド筒41の閉塞端に当接する後退位置と、固定コア40に当接する前進位置との間で移動するものである。また弁体32は、可動コア45が後退位置にあるときに、リリーフばね52によってストッパ49に当接した押し部材51に当接する開弁位置と、弁座30の弁部32aを着座させる閉弁位置との間で移動するものであり、可動コア45の前後移動ストロークをS1とし、弁体32の開閉ストロークをS2としたときに、前後移動ストロークS1は開閉ストロークS2よりもわずかに大きく設定される。
【0041】
すなわちストッパ49は、可動コア45の後退時には押し部材50の弁体32側への前進限を規制して弁体32を開弁位置に保持するが、可動コア45の前進時には弁体32が弁座30に着座するまでリリーフばね52によって押し部材50が前進するのを許容するようにして可動コア45に設けられている。
【0042】
而して、図3で示すように、コイル43を励磁して可動コア45を前進させると、上述のように可動コア45の前後移動ストロークS1が弁体32の開閉ストロークS2よりもわずかに大きいので、弁体32の弁部32aが弁座30に着座して弁孔29が閉鎖されるのに対し、弁体32の後端に当接した押し部材50の鍔部50cは、リリーフばね52を収縮させてストッパ49からわずかに後方側に離反した位置となる。この状態のリリーフばね52のばね荷重が、弁体32の弁座30に対する閉弁力となり、弁孔29から弁部32aに作用する油圧力が前記閉弁力を上回ると、弁体32がリリーフばね52のばね荷重に抗して開弁作動し、過剰油圧分が第1出力液圧路3AからマスタシリンダM側に逃がされることになる。すなわち押し部材50、ばね受け部材51およびリリーフばね52でリリーフ手段19Aが構成される。
【0043】
次にこの実施例の作用について説明すると、リリーフ手段19A,19Bのうち押し部材50およびばね受け部材51が、少なくとも相互に対向する側を開口した円筒状に形成され、リリーフばね52がその両端部を押し部材50およびばね受け部材51に収容せしめて、押し部材50およびばね受け部材51間に縮設されている。
【0044】
したがって、リリーフばね52の両端部を押し部材50およびばね受け部材51内に収容することができ、リリーフばね52の伸縮ストロークを充分に確保しても押し部材50およびばね受け部材51間の距離を短縮することができる。それにより、可動コア45の軸方向長さを短縮し、電磁弁5A,5Bを小型化することが可能となる。
【0045】
しかも押し部材50およびばね受け部材51は、リリーフばね52の両端に対応する部分の直径が、押し部材50およびばね受け部材51の相互に対向する側の開口端直径よりも小さくなるように形成されているので、リリーフばね52のばね荷重が作用する部分の座屈強度を高めることができ、その結果、押し部材50およびばね受け部材51の薄肉化を図り、電磁弁5A,5Bの軽量化に寄与することができる。またリリーフばね52が収縮した際に、押し部材50の円筒部50aおよびばね受け部材51の円筒部51aの内周面にリリーフばね52が接触することがなく、押し部材50の作動応答性を向上してリリーフ手段19Aとしての性能を安定させることができる。
【0046】
また押し部材50およびばね受け部材51に、案内孔48の内部および可動コア45の外部間を通じる連通孔54,55がそれぞれ設けられているので、それらの連通孔54,55により、押し部材50およびばね受け部材51間から空気を可動コア45外に排出することができるので、この実施例のように押し部材50およびばね受け部材51が有底円筒状である場合にも、押し部材50およびばね受け部材51間から空気を可動コア45外に排出することができる。したがって押し部材50およびばね受け部材51間に空気が残留することが極力防止され、押し部材50の作動を円滑化して、リリーフ機能を確実に果たすことができる。
【0047】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、リリーフばねの伸縮ストロークを充分に確保しても押し部材およびばね受け部材間の距離を短縮することができ、可動コアの軸方向長さを短縮し、電磁弁を小型化することが可能となる。
【0049】
また請求項2記載の発明によれば、リリーフばねのばね荷重が作用する部分の座屈強度を高めて押し部材およびばね受け部材の薄肉化を図り、電磁弁の軽量化に寄与することができる。またリリーフばねが収縮した際に、押し部材およびばね受け部材の内周面にリリーフばねが接触することがないようにし、押し部材の作動応答性を向上してリリーフ手段としての性能を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用ブレーキ装置のブレーキ液圧回路図である。
【図2】本発明を適用した電磁弁を消磁状態で示す縦断面図である。
【図3】前記電磁弁を励磁状態で示す縦断面図である。
【符号の説明】
5A,5B・・・電磁弁
22・・・弁ハウジング
30・・・弁座
32・・・弁体
34・・・弁ばね
40・・・固定コア
43・・・コイル
45・・・可動コア
48・・・案内孔
49・・・ストッパ
50・・・押し部材
51・・・ばね受け部材
52・・・リリーフばね

Claims (2)

  1. 弁座(30)を有する弁ハウジング(22)と、前記弁座(30)に着座可能に対向して弁ハウジング(22)に収容される弁体(32)と、該弁体(32)を前記弁座(30)から離座する方向に付勢する弁ばね(34)と、前記弁ハウジング(22)の一端に連設される固定コア(40)と、該固定コア(40)に近接する前進時に前記弁体(32)を前記弁座(30)に着座させるようにして前記固定コア(40)に対向配置されるとともに中心部には案内孔(48)が設けられる可動コア(45)と、励磁時に前記可動コア(45)を前進作動させる電磁力を発揮するコイル(43)と、前記弁体(32)を前記弁座(30)側に押動することを可能として前記案内孔(48)に収納される押し部材(50)と、前記案内孔(48)に嵌合、固定されるばね受け部材(51)と、前記押し部材(50)を前記弁体(32)側に向けて付勢するばね力を発揮するようにして前記押し部材(50)および前記ばね受け部材(51)間に縮設されるコイル状のリリーフばね(52)とを備え、前記可動コア(45)の後退時には前記押し部材(50)の前記弁体(32)側への前進限を規制して前記弁体(32)を開弁位置に保持するストッパ(49)が、前記可動コア(45)の前進時には前記弁体(32)が前記弁座(30)に着座するまで前記リリーフばね(52)によって前記押し部材(50)が前進するのを許容するようにして前記可動コア(45)に設けられる電磁弁において、前記押し部材(50)および前記ばね受け部材(51)が、少なくとも相互に対向する側を開口した円筒状に形成され、前記リリーフばね(52)がその両端部を前記押し部材(50)および前記ばね受け部材(51)に収容せしめて、前記押し部材(50)および前記ばね受け部材(51)間に縮設されることを特徴とする電磁弁。
  2. 前記押し部材(50)および前記ばね受け部材(51)は、前記リリーフばね(52)の両端に対応する部分の直径が、押し部材(50)およびばね受け部材(51)の相互に対向する側の開口端直径よりも小さくなるように形成されることを特徴とする請求項1記載の電磁弁。
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