JP3778322B2 - ナビゲーション装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体の移動経路を地図情報に基づいて探索するとともに、この移動経路を移動体操作者に情報伝達する経路表示装置またはナビゲーション装置に関する。特に、地図情報の表示の仕方を改良した経路表示装置またはナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来のナビゲーション装置では、ディスプレイ装置に使用者が希望するエリアの地図が表示される。この表示された地図を利用して、使用者が希望する目的地が設定される。そして、この設定された目的地と、車両の現在位置との間を結ぶ、最適な案内経路が、予め記録された各道路情報を利用して検索される。
【0003】
この検索された案内経路は、ディスプレイ装置に表示される地図で、明確に表示される。なお、車両がその案内経路を移動している間は、走行に必要な情報が音声等の聴取手段によって使用者に報知される。
【0004】
また、従来のナビゲーション装置では、車両の現在位置から目的地までの経路探索が行われ、この探索された経路に基づき経路案内が行われる。そして、この経路に沿った走行中に、その現在案内を受けている経路とは、別の経路を探索する要求が入力されると、現在の経路とは別の探索条件による経路探索が実行される。そして、探索された経路が、新たな案内経路とされる。この別ルート探索においては、現在走行中の道路の探索コストを上げたり、現在案内中の経路の探索時における探索条件(探索時における道路データの重み付け)と、異なる条件によって再探索が行われる。これにより、現在走行中の道路を避けた道路によって構成される経路が、新たな案内経路として探索される。
【0005】
また、従来の装置には、車両が案内経路から外れて走行すると、経路から外れていることが認識された時点で、車両現在位置から新たな経路を自動的に再探索するオートリルート機能がある。或いは、再探索を開始するためのキーを有し、該キーが操作されると再探索を実行する機能がある。この従来の装置においては、案内経路から外れて最初の再探索経路は周辺探索経路(元の経路に戻るように探索された経路)を掲出し、さらに、使用者の要求により全ルート探索経路(目的地までの新たな探索経路)を掲出することが可能となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のナビゲーション装置では、ディスプレイ装置の画面全体に一つの地図が表示される。ところが、近年、液晶ディスプレイの単価が低下している。そこで、表示画面の広いディスプレイ装置が利用できるようになった。このように、広い表示画面を持つディスプレイ装置で、地図を表示した場合、より広い範囲の地理情報が得られる。しかも、広い画面を用いれば、より詳細な地理情報を含む地図の拡大表示が可能である。
【0007】
しかし、車両の運行状態においては、広い範囲の地理情報が必要でない場合がある。例えば、車両が目的地近隣に接近した場合、車両及び目的地の地理的な位置が確認できればよい。それ以外の地理的情報は必要でない。この場合、必要な地理的な情報は、画面の一部を用いれば十分に表示できる。つまり、広くなったディスプレイ装置の画面が十分に活用されない場合がある。
【0008】
また、従来と同様の広さの画面を持ったディスプレイでも、一つの地図画面の表示では、上記と同様な問題が発生する可能性がある。つまり、車両の任意の運行状況において、あまり必要でない情報が画面に表示される場合がある。さらに、自車両の現在位置から目的地までの推奨経路が複数検索できる場合、1つ1つの案内経路を1つの画面に表示していたのでは、各経路同士の比較が容易とはいえない。仮に、1つの画面に複数の案内経路が同時に表示された場合でも、画面全体が煩雑な表示となり、的確かつ迅速な経路比較ができない。
【0009】
さらに、上記従来の別ルート探索が可能な装置においては、別ルート探索を実行すると、新たな経路に基づき、経路案内が開始される。別ルート探索は、例えば現在走行中の経路前方が渋滞しているときに、使用者の要求に応じて行われる。ここで別ルート探索により探索された経路が元の経路に対して非常に大回りとなってしまうことがある。しかも、従来の装置では、別ルート探索により探索された経路に自動的に切り替わってしまい、元の経路と比較することができなかった。また、異なる探索条件による複数の別ルートが順次探索可能である装置においても、それらの経路同士の比較は容易ではなかった。
【0010】
また、上記従来の再探索を行う装置においては、経路を外れたことをシステムが認識した時点、或いは、使用者により再探索開始のキーが入力された時点で再探索が実行される。そして、探索された新たな経路により自動的に経路案内が開始される。しかしながら、上記別ルート探索における課題同様、再探索した経路が元の経路に比較して非常に大回りである場合には、元の経路に戻って案内を受ける方がよいと感ずることがある。しかし、再探索後には、自動的に再探索経路による案内に切り替わってしまい、元の経路と再探索された経路との比較ができなかった。また、周辺探索経路と全ルート探索経路との比較もできなかった。
【0011】
さらにまた、案内経路走行中に於いて、一時的に案内経路から外れた場所へと走行され、その後、再度元の案内経路へ自車両を復帰させたい場合がある。例えば、急に発生した用事を済ませるため、または案内経路前方の道路混雑を迂回するために上記状況が要求される。特に、現在走行中の案内経路周辺の道路構成が操作者にとって周知であるなら、自車両の走行前方に発生した道路混雑を迂回すべく、意図的に案内経路から逸脱され、案内経路でない迂回路によって目的地方向へ移動される場合がある。しかも、迂回路走行後に於いて、迅速に元の案内経路への復帰が希望される。
【0012】
しかし、従来のナビゲーション装置では、常時、自車両が画面中心となるように地図表示がなされるため、地図の表示縮尺によっては、元の案内経路が画面からはみ出して、経路が全く表示されない状況がある。この場合、元の案内経路の方向及び位置が画面上で直ちに確認できない。そこで、従来では、地図縮尺の変更操作が必要であった。つまり、地図の表示縮尺が、元の案内経路が表示できるまで順次小さくされ、より広い範囲の道路地図を表示する操作が必要であった。
【0013】
また、従来の案内経路からの自車両の逸脱を検知したときに、自車両の現在位置から目的地までの新しい案内経路を再探索して表示するナビゲーション装置でも、新しい案内経路が、必ずしも操作者の希望に合致した経路とは限らない。むしろ、元の案内経路へ復帰したほうが好ましい場合もある。自車両の現在位置と、元の案内経路とが1つの画面に表示されない状況が発生する従来のナビゲーション装置では、このような判断が困難である。つまり、自車両と元の案内経路とが、地図縮尺によっては、同時に表示されない場合がある。しかも、自車両の元の案内経路に対する位置と、新しい案内経路との比較もできなかった。
【0014】
また、案内経路を走行途中において、経路近傍の施設へ寄り道した場合、元の案内経路への復帰するルートを中心的に表示するとともに、自車両の周囲を同時に表示することは、従来のナビゲーション装置ではできなかった。
【0015】
しかし、広い画面を用いても、目的地又は立ち寄り地の設定の場合、必要な検索条件の情報は画面の一部を用いれば十分に表示できるものであり、広くなったディスプレイ装置の画面が十分に活用されているとは言い難い。
【0016】
また、必要な検索条件のうち一つ指定すると、画面か移り変わるため、前回の指定条件を確認したい場合、画面を一つ前に戻すか、若しくは最初の入力画面に戻さなくてはならず、検索操作が煩雑化していた。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1記載の発明では、目的地までの経路を探索する経路探索手段と、前記探索した経路から外れた現在位置から前記経路探索手段で探索された経路まで復帰する経路、又は、前記目的地までの経路を再探索する再探索手段と、表示装置と、前記表示装置の表示画面を1画面、又は分割した複数画面とする表示制御手段と、を具備し、前記表示制御手段は、前記経路探索手段で探索された経路に基づき1画面で経路案内し、前記再探索手段で経路が再探索された場合に、前記1画面から複数の画面に分割し、該分割された1の画面に前記経路探索手段で探索された経路を表示し、他の画面に前記再探索手段で再探索された経路を表示することを特徴とする。
(2)請求項2に記載した発明では、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記経路探索手段で探索された経路から現在位置が外れたことを検出する離脱検出手段を備え、前記再探索手段は、前記離脱検出手段による検出に応じて、再探索する。
(3)請求項3に記載した発明では、請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置において、前記表示制御手段は、前記経路探索手段で探索された経路と共に、該経路から外れた離脱地点から現在位置までの離脱経路を表示する、ことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
1.実施例の要約
以下に説明する本発明の第6実施例のナビゲーション装置は、目的地または立ち寄り地までの経路を探索するようにし(図5のステップSA4、SA5)、この探索された経路から現在位置が外れたことを検出するようにし(図34のステップSQ2)、この検出に応じて、上記探索された経路、上記目的地または立ち寄り地へ戻る復帰地点までの復帰経路を再探索するようにし(図35のステップSR4)、地図情報を表示する表示手段の表示画面を2以上の画面に分割するようにし(図35のステップSR10)、このうちの1以上の画面に、上記再探索された復帰経路を表示する(図35のステップSR10)ようにすることを特徴とする。
【0023】
以下に説明する本発明の第6実施例のナビゲーション装置は、上記特徴の他に、上記探索された元の経路は、上記分割された他の画面に表示され(図35のステップSR14)、上記各分割画面の表示縮尺は、それまで表示されていた画面の表示縮尺と同じであることを特徴とする。
【0024】
以下に説明する本発明の第6実施例のナビゲーション装置は、上記特徴の他に、上記ナビゲーション装置は、上記探索経路から現在位置が外れた離脱地点から現在位置までの離脱経路も表示し、上記ナビゲーション装置は、上記探索経路の中の上記離脱地点から上記復帰地点までの非走行経路も表示し、上記ナビゲーション装置は、上記復帰経路と上記探索経路との地理的関係も表示する(実施例の応用例説明参照)ことを特徴とする。
【0025】
以下に説明する本発明の第6実施例のナビゲーション装置は、上記特徴の他に、上記復帰経路のほぼ全部が上記分割画面に表示されるように表示制御され、この表示制御では、この復帰経路のほぼ全体が上記分割画面に表示されるように表示縮尺が決定され(図36、図37の第2画面の初期表示)、上記離脱経路のほぼ全体も上記分割画面に表示されるように表示制御され、この表示制御では、この離脱経路のほぼ全体が上記分割画面に表示されるように、表示縮尺が決定され、上記非走行経路のほぼ全体も上記分割画面に表示されるように表示制御され、この表示制御では、この非走行経路のほぼ全体が上記分割画面に表示されるように、表示縮尺が決定される(第6実施例の応用に関する説明)ことを特徴とする。
【0026】
以下に説明する本発明の第6実施例のナビゲーション装置は、上記特徴の他に、上記分割された画面に表示される経路は、現在位置が画面の中心となるように表示され(図36の第2画面の初期表示)、北の絶対方位を画面のいずれかの方向にほぼ維持するように表示され、または現在位置の進行方向を画面のいずれかの方向にほぼ維持するように表示される(図37の第2画面の初期表示)ことを特徴とする。
【0027】
以下に説明する本発明の第6実施例のナビゲーション装置は、上記特徴の他に、上記分割画面はそれまで合体されており、この画面の分割は、上記探索経路から現在位置が外れたとき、操作者の切り換え操作、現在位置の走行状態の変化、現在位置の車速の変化、現在位置の方位の変化、交差点または曲がる地点から現在位置までの距離の変化、目的地または立ち寄り地までの距離の変化に応じて実行され、この分割画面は、上記探索経路までの距離の変化、操作者の切り換え操作、現在位置の走行状態の変化、現在位置の車速の変化、現在位置の方位の変化、交差点または曲がる地点から現在位置までの距離の変化、目的地または立ち寄り地までの距離の変化に応じて合体され、合体後の画面には、上記画面分割前に表示されていた地図情報、上記元の探索経路、または現在位置を含む地図情報が表示されることを特徴とする。
【0028】
以下に説明する本発明の第6実施例のナビゲーション処理または地図情報処理のためのコンピュータプログラムを記憶した媒体は、上記特徴の他に、目的地または立ち寄り地までの経路を探索するようにし(図5のステップSA4)、この探索された経路から現在位置が外れたことを検出するようにし(図34のステップSQ2)、この検出に応じて、上記探索された経路、上記目的地または上記立ち寄り地へ戻る復帰経路を再探索するようにし(図35のステップSR4)、地図情報を表示する画面を2以上の画面に分割するようにし(図35のステップSR10)、このうちの1以上の画面に、上記再探索された復帰経路を表示するようにすることを特徴とする。
【0029】
2.全体回路
図1は、本発明に係るナビゲーション装置の全体回路を示す。中央処理部1は、ナビゲーション装置全体の動作を制御する。この中央処理部1は、CPU(中央処理装置)2、フラッシュメモリ3、ROM4、RAM(Random Access Memory)5、センサ入力インターフェイス7、通信インターフェイス8、画像プロセッサ9、画像メモリ10、音声プロセッサ11及び時計14によって構成されている。各CPU2〜時計14は、CPUローカルバス15によって相互に接続されている。CPU2の制御のもと、各種情報データの授受がフラッシュメモリ3等の各デバイス間で行われる。
【0030】
フラッシュメモリ3は、電気的な消去及び書き込みが可能なメモリ(EEPROM)等で構成される。このフラッシュメモリ3(内部記憶媒体/手段)には、光ディスクまたは光磁気ディスク等の情報記憶部37(外部記憶媒体/手段)に記憶されるコンピュータのプログラム38bが書き写され記憶される(インストール/転送される)。また、フラッシュメモリ3は、メイン情報処理装置等の外部装置から、データ送受信装置27を介して送信されるプログラム38bが記憶可能である。このプログラム38bの記憶媒体は通信媒体も含む。
【0031】
このフラッシュメモリ3に記憶されているプログラムが変更されれば、新しいルーチンによる処理が可能となる。このプログラム38bは、後述する各フローチャートに応じたプログラムであり、CPU2で実行される各種処理のプログラムである。例えば、このプログラム38bは、情報の表示制御と音声案内制御等である。本装置に予め別のオペレーティングシステム、システムプログラム(OS)、その他のプログラムが記憶され、上記プログラム38bはこれらのOS、その他のプログラムとともに実行されてもよい。このプログラム38bは本装置(コンピュータ本体)にインストールされ実行されたときに、別のプログラムとともに又は単独で請求項(クレーム)に記載された処理・機能を実行させることができればよい。
【0032】
このインストール(転送/複写)は、情報記憶部37が本ナビゲーション装置にセットされたとき、または、本ナビゲーション装置の電源が投入されたとき等に、自動的に実行される。または、操作者による操作によってインストールされてもよい。なお、情報記憶部37には、ラベルまたはファイル識別子等を含むディスク管理情報38aが保存されており、このディスク管理情報38aによって、情報記憶部37のプログラムの更新バージョン等が判断される。また、この情報記憶部37は、他の情報記憶部37と入れ替えることができる。よって、新しい情報記憶部37がセットされたか否かが、ディスク管理情報38aの情報内容によって判断される。
【0033】
例えば、フラッシュメモリ3には、プログラムと、このプログラムに関する管理情報が保存されているので、新たな情報記憶部37がセットされると、フラッシュメモリ3の管理情報と、ディスク管理情報38aとが比較される。そして、新しいプログラムを含む情報記憶部37がセットされたと判断された場合に、情報記憶部37のプログラム38bが、フラッシュメモリ3にインストールされる。これにより、フラッシュメモリ3には、最新の上記プログラム38bおよびデータ38cが、常時保存されることになる。この結果、情報記憶部37の交換によって、最新のナビゲーション装置が実現される。
【0034】
また、フラッシュメモリ3に記憶される情報には、ナビゲーション動作で用いられる、各種パラメータ等が含まれている。ROM4には、表示図形データ及び各種汎用データが記憶されている。表示図形データとは、ディスプレイ33上に表示されるルート案内及び地図表示に必要な各データである。各種汎用データとは、案内音声用の合成または肉声を録音した音声波形データ等のナビゲーション時に使用される各データである。
【0035】
また、このプログラム38bの一部又は全部が本装置以外の1つ以上の別装置に記憶されて実行され、本装置と別装置との間には通信手段を介して、これから処理するデータ/既に処理されたデータ/プログラムが送受され、本装置及び別装置全体として、本発明が実行されてもよい。
【0036】
RAM5には、外部から入力されたデータ及び、演算のために用いられる各種パラメータや演算結果及びナビゲーション用のプログラム等が記憶される。つまり、RAM5は、キャッシュメモリ等にも利用される。時計14は、カウンタ及びバッテリバックアップRAMまたはEEPROM等から構成されている。この時計14から、時間情報が出力される。
【0037】
センサ入力インターフェイス7は、A/D変換回路またはバッファ回路等で構成されている。このセンサ入力インターフェイス7には、現在位置検出装置20の各センサが接続されている。現在位置検出装置20の各センサから、アナログ信号またはデジタル信号のセンサデータがセンサ入力インタフェイス7に入力される。この現在位置検出装置20のセンサには、絶対方位センサ21、相対方位センサ22、距離センサ23及び車速センサ24がある。
【0038】
絶対方位センサ21は、例えば、地磁気センサであり、地磁気が検出される。この絶対方位センサ21から、絶対方位となる南北方向を示すデータが出力される。相対方位センサ22は、例えば、光ファイバジャイロや圧電振動ジャイロ等のジャイロ装置を用いた操舵角センサである。この操舵角センサにより、車輪の操舵角が検出される。そして、絶対方位センサ21で検出される絶対方位に対する、自車両の走行方向の相対角度が、相対方位センサ22から出力される。
【0039】
距離センサ23は、例えば、走行距離メータに連動したカウンタ等で構成されている。この距離センサ23からは、自車両の走行距離を示すデータが出力される。速度センサ24は、速度メータに接続されたカウンタ等で構成されている。この速度センサ24からは、自車両の走行速度に比例するデータが出力される。
【0040】
中央処理部1の通信インターフェイス8には、I/Oデータバス28が接続されている。このI/Oデータバス28には、現在位置検出装置20のGPS受信装置25、ビーコン受信装置26及びデータ送受信装置27が接続されている。さらに、このI/Oデータバス28には、入出力装置30のタッチスイッチ34、プリンタ35及び情報記憶部37が接続されている。つまり、通信インターフェイス8により、各付属装置と、CPUローカルバス15との間で、各種データの授受が行われる。
【0041】
現在位置検出装置20からは、上述されたように、自車両の現在位置を検出するためのデータが出力される。つまり、絶対方位センサ21で絶対方位が検出される。相対方位センサ22で、この絶対方位に対する相対方位が検出される。さらに、距離センサ23で走行距離が検出される。速度センサ24で自車両の走行速度が検出される。GPS受信装置25により、GPS(Global Positioning System)の信号(複数の地球周回軌道衛星からのマイクロ波)が受信され、自車両の緯度・経度等の地理的な位置データが検出される。
【0042】
同じように、ビーコン受信装置26により、VICS(道路交通情報通信システム)等の情報提供システムからのビーコン波が受信される。そして、ビーコン受信装置26から、近隣道路情報データまたはGPSの補正データ等がI/Oデータバス28へ出力される。
【0043】
データ送受信装置27では、セルラフォーン、FM多重信号若しくは電話回線等を利用した双方向式の現在位置情報提供システムまたはATIS(交通情報サービス)等との間で、現在位置情報または自車両近隣の道路状況に関する情報が送受信される。これらの情報は、自車両の位置検出情報または運行補助情報として利用される。なお、これらビーコン受信装置26及びデータ送受信装置27はなくても良い。このデータ送受信装置27は、ラジオ受信機、テレビジョン受信機、携帯電話、ページャまたはその他の無線通信機が用いられる。
【0044】
入出力装置30は、ディスプレイ33、透明なタッチパネル34、プリンタ35及びスピーカ13から構成される。ディスプレイ33には、ナビゲーション動作中に案内情報が表示される。タッチパネル34は、ディスプレイ33の画面上に付着され、透明タッチスイッチ(透明電極で構成された接触スイッチまたは、圧電スイッチ等がある)が複数、平面マトリクス状に配置されている。このタッチパネル34からは、ナビゲーション装置に対して、出発地、目的地、通過地点等の目的地設定に必要な情報が選択され、入力される。
【0045】
プリンタ35では、通信インターフェイス8を介して出力される地図や施設ガイド等の各種情報が印刷される。スピーカ13からは音声で使用者に各情報が伝達される。なお、プリンタ35は、無くても良い。
【0046】
また、ディスプレイ33としては、CRT、液晶ディスプレイまたはプラズマディスプレイ等の画像情報を表示可能なものが利用される。しかし、消費電力が少なく、視認性が高くしかも軽量な、液晶ディスプレイがディスプレイ33として好ましい。本実施例においては、このディスプレイ33に、画面がより広いワイド液晶ディスプレイが用いられる。
【0047】
なお、このディスプレイ33は、分離できる2枚以上の液晶ディスプレイで構成してもよい。そして、各液晶ディスプレイは、各々、独立したビデオ信号ケーブルで画像プロセッサ9と接続されている。しかも、各液晶ディスプレイは、各々異なる位置に設置できるようにしてもよい。
【0048】
ディスプレイ33に接続される画像プロセッサ9には、DRAM(Dynamic RAM)またはデュアルポートDRAM等の画像メモリ10が接続されている。画像プロセッサ9によって、画像メモリ10への画像データの書き込み制御が行われる。さらに、画像プロセッサ9の制御のもとで、画像メモリ10からデータが読み出されてディスプレイ33への画像表示が行われる。
【0049】
ディスプレイ33の分割に応じて画像メモリ10も第2画面用と第3面面用とに分割される。この分割形態に応じて、画像メモリ10の各画像メモリ素子のアドレス指定も、第2画面と第3画面とで分けられる。
【0050】
なお、画像プロセッサ9は、CPU2からの描画コマンドに従って、地図データ及び文字データを表示用画像データに変換し、画像メモリ10に書き込む。このとき、画面のスクロールのために、ディスプレイ33に表示される、画面周囲の画像も形成されて、画像メモリ10に同時に書き込まれる。
【0051】
また、ディスプレイ33の表示画面が分割されたときは、画像メモリ10のメモリ領域も、その画面分割に適合するように分割される。そして、画像メモリ10の分割された各メモリ領域に、独立した画像データが書き込まれる。
【0052】
スピーカ13には、音声プロセッサ11が接続されている。この音声プロセッサ11は、CPUローカルバス15を介してCPU2及びROM4と接続されている。そして、CPU2によって、ROM4から読み出された案内音声用の音声波形データが、音声プロセッサ11に入力される。この音声波形データは、音声プロセッサ11によりアナログ信号に変換され、スピーカ13から出力される。この音声プロセッサ11及び上記画像プロセッサ9は、汎用のDSP(デジタルシグナルプロセッサ)等で構成されてもよい。
【0053】
I/Oデータバス28には、データ送受信部39を介して情報記憶部37が接続されている。この情報記憶部37には、ディスク管理情報38a、上述した各ナビゲーション動作を制御するためのプログラム38b及び地図情報などのデータ38cが記憶されている。ディスク管理情報38aには、この情報記憶部37内に記憶されているデータ及びプログラムに関する情報が保存されている。例えば、プログラム38bのバージョン情報等である。データ38cには、道路地図データなどのナビゲーション動作に必要なデータが不揮発性的に記録されている。この情報記憶部37には、I/Oデータバス28との間で、データの読み出し制御を行う、データ送受信部39が設けられている。
【0054】
また、本発明の情報記憶部37としては、CD−ROM等の光メモリのみならず、次のようなデバイスを利用してもよい。例えば、ICメモリ、ICメモりカード等の半導体メモリ、光磁気ディスク、ハードディスク等の磁気メモリ等の記録媒体でもよい。なお、データ送受信部39は、情報記録部37の記録媒体が変更された場合、その変更された記録媒体に適合するデータピックアップが備えられる。例えば、記録媒体がハードディスクであれば、コアーヘッド等の磁気信号書き込み、読み取り装置がデータ送受信部39に具備される。
【0055】
情報記憶部37のデータ38cは、ナビゲーション動作に必要な、地図データ、交差点データ、ノードデータ、道路データ、写真データ、目的地点データ、案内地点データ、詳細目的地データ、目的地読みデータ、家形データ、その他のデータである。また、情報記憶部37に記憶されたプログラム38bにより、データ38cの道路地図データを用いてナビゲーション動作が実行される。なお、このナビゲーション用のプログラムは、データ送受信部39によって情報記憶部37から読み出され、フラッシュメモリ3内に書き込まれる。その他のデータには、表示案内用データ、音声案内用データ、簡略案内経路画像データ等がある。
【0056】
なお、情報記憶部37のデータ38cには、各々異なる縮尺率の地図データや、一つの縮尺率の地図データが記憶されている。つまり、データ38cに、同一地域の地図であって、しかも各々が異なる縮尺率の地図が記録されている。または、一つの縮尺率の地図データがデータ38cに記録されている。一つの縮尺率の地図データが記録されている場合、その縮尺率は、地図が最も大きく表示されるものとする。
【0057】
なお、一つの地図データのみがデータ38cに記録されている場合で、ディスプレイ33に縮尺の小さな地図、つまり広い地理範囲を表示する地図(広域地図)を表示する場合、このデータ38cに記録された地図データから情報が間引かれて表示される。このデータ38cの地図データの間引き表示においては、各道路等の地理的距離が小さくされるのみならず、施設等の表示記号情報の間引きも行われる。
【0058】
3.情報記憶部37のデータ38cのデータファイル
図2は、情報記憶部37のデータ38cに記憶されている各データファイルの内容を示す。地図データファイルF1には、全国道路地図、1地方の道路地図または住宅地図等の地図データが記憶されている。道路地図には、主要幹線道路、高速道路、細街路等の各道路と地上目標物(施設等)が表示される。住宅地図は、地上建造物等の外形を表す図形及び、道路名称等が表示される市街図である。細街路とは、後述される図5の経路探索処理で利用されない道路である。例えば、道幅が所定値以下の狭い道路で、しかも国道または県道以外の市道及び私道等が細街路とされる。
【0059】
交差点データファイルF2には、交差点の地理的位置座標や名称等の交差点に関するデータが記憶されている。ノードデータファイルF3には、地図上において経路探索に利用される各ノードの地理座標データ等が記憶されている。道路データファイルF4には、道路の位置と種類及び車線数及び各道路間の接続関係等の道路に関するデータが記憶されている。写真データファイルF5には、各種施設や観光地、または主要な交差点等の視覚的表示が要求される場所を写した写真の画像データが記憶されている。
【0060】
目的地データファイルF6には、主要観光地や建物、電話帳に記載されている企業・事業所等の目的地になる可能性の高い場所や施設等の位置と名称等のデータが記憶されている。案内地点データファイルF7には、道路に設置されている案内表示板の内容や分岐点の案内等の案内が必要とされる地点の案内データが記憶されている。詳細目的地データファイルF8には、上記目的地データファイルF6に記憶されている目的地に関する詳細なデータが記憶されている。道路名称データファイルF10には、上記道路データファイルF4に記憶されている道路の中で主要な道路の名称データが記憶されている。分岐点名称データファイルF11には、主要な分岐点の名称データが記憶されている。住所データファイルF11には、上記目的地データファイルF6に記憶されている目的地を住所から検索するためのリストデータが記憶されている。
【0061】
市外・市内局番リストファイルF12には、上記目的地データファイルF6に記憶されている目的地の市外・市内局番のみのリストデータが記憶されている。登録電話番号ファイルF13には、使用者のマニュアル操作によって登録された仕事上の取引先等の覚えておきたい電話番号データが記憶されている。目印データファイルF14には、使用者がマニュアル操作によって入力した走行途上の目印になる地点や覚えておきたい場所の位置と名称等のデータが記憶されている。地点データファイルF15には、目印データファイルF14に記憶されている目印地点の詳細なデータが記憶されている。施設データファイルF16には、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア或いは駐車場等の目的地以外に立ち寄りたい場所等の目標物の位置や説明等のデータが記憶されている。
【0062】
4.RAM5のデータ内容
図3はRAM5内に記憶されるデータ群の一部を示す。現在位置データMPは、現在位置検出装置20によって検出される、自車両の現在位置を表すデータである。絶対方位データZDは、南北方向を示すデータであり、絶対方位センサ21からの情報に基づいて求められる。相対方位角データDθは、自車両の進行方向が絶対方位データZDに対してなす角度データである。この相対方位角データDθは、相対方位センサ22からの情報に基づいて求められる。
【0063】
走行距離データMLは、自車両の走行距離であり、距離センサ23からのデータに基づいて求められる。現在位置情報PIは、現在位置に関するデータであり、ビーコン受信装置26またはデータ送受信装置27から入力される。VICSデータVDとATISデータADは、ビーコン受信装置26またはデータ送受信装置27から入力されるデータである。このVICSデータVDを利用して、GPS受信装置25で検出される自車両位置の誤差補正が実行される。また、ATISデータADにより、地域の交通規制、交通混雑状況が判別される。
【0064】
登録目的地データTPは、使用者によって登録された、目的地の座標位置や名称等の目的地に関するデータである。案内開始地点データSPには、ナビゲーション動作が開始される地点の地図座標データが記憶される。同様に、最終案内地点データEDには、ナビゲーション動作が終了される地点の地図座標データが記憶される。
【0065】
なお、案内開始地点データSPには、自車両の現在地または出発地からもっとも近い案内道路上のノード座標が用いられる。この案内開始地点データSPが記憶される理由は、現在位置データMPに応じた自車両の現在地が、例えば、ゴルフ場または駐車場等の敷地内等であり、必ずしも案内道路上にないからである。同じように、案内最終地点データEDも、登録目的地データTPにもっとも近い案内道路上のノード座標が記憶される。この案内最終地点データEDが記憶される理由も、登録目的地データTPの座標が、案内道路上にないことがあるからである。
【0066】
RAM5に記憶される案内経路データMWは、目的地までの最適な経路、または推奨される経路を示すデータであり、後述されるステップSA4の経路探索処理または再探索処理等で求められる。なお、情報記憶部37のデータ38cに記憶された道路地図内の各道路には、固有の道路ナンバが付されている。この案内経路データMWは、案内開始地点データSPから最終案内地点データEDまでの道路ナンバの列で構成される。
【0067】
モードセットデータMDは、後述する目的地設定処理で利用されるデータである。このモードセットデータMDは、ディスプレイ33上にラミネート積層されたタッチスイッチ34によって設定される。このモードセットデータMDにより、ディスプレイ33上に表示されるモード内容が特定される。立ち寄り地DPは、案内経路途中において立ち寄る施設等に関する情報である。
【0068】
画面状態GJは、ディスプレイ33の表示状態を示すデータである。つまり、後述されるプログラムの処理によってディスプレイ33の表示画面が分割される。画面状態GJのデータは、このディスプレイ33の表示画面が、分割状態か、単一画面状態かを示す。よって、ディスプレイ33の表示状態が切り換えられる毎に、画面状態GJのデータが書き換えられる。
【0069】
クロスポイントCSPは、後述されるルート前方表示処理等で利用されるデータである。具体的には、ディスプレイ33の画面が分割表示されるが、その分割画面の一方に表示される案内経路における端点の地理座標を表す。このクロスポイントCSPを始点として、分割された他方の画面に案内経路が表示される。
【0070】
第1画面の縮尺WDAは、ディスプレイ33の分割前の単一画面に表示される地図の縮尺度を表す。第2画面の縮尺WDBは、ディスプレイ33の分割後の画面であって、補助席により近い画面に表示される地図の縮尺度を表す。よって、第2画面は、便宜上分割画面の助手席側の画面とする。同じように、第3画面の縮尺WDCは、分割後の運転者に近い画面に表示される地図の縮尺度を表す。つまり、第3画面は、分割画面の運転者側の画面である。なお、本発明では、第2画面が、分割された画面の運転者側の画面とし、第3画面が助手席側の画面でもよい。
【0071】
水平距離XLMは、指定された縮尺度によってディスプレイ33の画面に表示される地図において、画面水平方向の表示可能な地理的直線距離を表す。同じように、垂直距離YLMは、指定された縮尺度によってディスプレイ33の画面に表示される地図において、画面の垂直方向の表示可能な地理的な直線距離を表す。
【0072】
ポイントノードNDPは、後述されるプログラム「表示可能範囲算出処理」で用いられるデータである。具体的には、分割画面に表示される案内経路の画面端に表示されるノードの座標値である。詳細は後述される。
【0073】
5.道路データ
図4は、上記情報記憶部37に記憶されている道路データファイルF4中の道路データの一部を示す。この道路データファイルF4には、地図データファイルに記憶されている地域内に存在する一定幅以上の道路に関する情報が含まれている。この道路データファイルF4に含まれる道路数をnとすれば、n本の道路に関する道路データが含まれている。各道路データは、道路ナンバデータ、案内対象フラグ、道路属性データ、形状データ、案内データ、長さデータから構成されている。
【0074】
情報記憶部37の地図データに含まれる各国道等が、最小単位に分断される。そして、この分断された道路毎に付された識別番号が道路ナンバデータである。道路データファイルF4の案内対象フラグには、案内対象道路であれば“1”、非案内対象道路であれば“0”が記憶されている。なお、案内対象道路は県道以上の主幹道路や一般道路等の所定幅以上、例えば幅5.5メートル以上の道路であり、経路探索対象とされる道路である。非案内対象道路は、あぜ道や路地等の所定幅以下、例えば幅5.5メートル未満の狭い細街路で、経路探索の対象にならない道路である。また、案内対象道路は県道以上の幹線道路、非案内対象道路は県道以下の幹線道路と設定してもよい。
【0075】
道路属性データは、高架道路、地下道、高速道路、有料道路等の属性を示すデータである。形状データは、道路の形状を示すデータである。例えば、道路の始点及び終点の座標データと、始点から終点間にある各ノードの座標データとから形状データは構成される。
【0076】
案内データは、交差点名称データ、注意点データ、道路名称データ、道路名称音声データ及び行き先データから構成されている。交差点名称データは、道路の終点が交差点である場合に、その交差点の名称を表すデータである。注意点データは、踏切、トンネル入り口、トンネル出口、幅員減少点等の道路上の注意点に関するデータである。道路名称音声データは、音声案内に使用される道路名称を表す音声データである。
【0077】
行き先データは、道路の終点に接続する道路(これを、行き先とする)に関するデータであり、行き先数kと、行き先毎のデータから構成されている。行き先に関するデータは、行き先道路ナンバデータ、行き先名称データ、行き先名称音声データ、行き先方向データ及び走行案内データから構成される。
【0078】
行き先道路ナンバデータによって行き先の道路ナンバが示される。行き先名称データによって行き先の道路の名称が示される。行き先名称音声データには、この行き先名称を音声案内するための音声データが記憶されている。行き先方向データにより、行き先の道路が向いている方向が示される。走行案内データは、行き先の道路に入るために、当該道路において右車線に寄ったり、左車線に寄ったり、中央を走行したりすることを案内するための案内データである。長さデータは、道路の始点から終点までの長さと、始点から各ノードまでの長さ、及び各ノード間の長さのデータである。
【0079】
6.全体処理
図5は、本発明にかかるナビゲーション装置のCPU2によって実行される、全体処理のフローチャートを示す。この処理は、電源投入によってスタートし、電源オフによって終了される。この電源投入及びオフは、ナビゲーション装置の電源自体がオン・オフされるか、または車両のエンジンスタートキー(イグニッションスイッチ)のオン・オフで実行される。
【0080】
図5におけるステップSA1のイニシャライズ処理とは次のようなものである。初めに、情報記憶部37からナビゲーション用プログラムが読み出される。読み出されたナビゲーション用プログラムは、フラッシュメモリ3に複写される。この後、フラッシュメモリ3のプログラムが実行される。さらに、CPU2によって、RAM5のワークメモリ、画像メモリ10等の各RAM内の汎用データ記憶エリアがクリアされる。
【0081】
なお、フラッシュメモリ3へのプログラムの複写は、情報記憶部37の交換によって、新たなプログラム38bがナビゲーション装置にセットされると実行される。つまり、新しい情報記憶部37がナビゲーション装置に初めてセットされたときにのみ、フラッシュメモリ3へのプログラムの複写が実行される。
【0082】
そして、現在位置処理(ステップSA2)、目的地設定処理(ステップSA3)、経路探索処理(ステップSA4)、案内・表示処理(ステップSA5)及びその他の処理(ステップSA6)がサイクリックに実行される。なお、目的地設定処理(ステップSA3)及び経路探索処理(ステップSA4)は、目的地の変更、または経路からの自車両の離脱等が発生しない場合には、重複して実行されない。
【0083】
上記現在位置処理(ステップSA2)では、本ナビゲーション装置が積載された地上移動体である自車両の地理座標(緯度、経度及び高度)が検出される。つまり、GPS受信装置25によって、地球の回りを周回している複数の衛星から電波が受信される。この各衛星からの電波により、各衛星の座標位置、衛星における電波発信時間、及びGPS受信装置25での電波受信時間が検出される。これらの情報から、各衛星との距離が演算によって求められる。この各衛星との距離から、自車両の地球表面における座標位置が求められる。この求められた自車両の座標位置は、現在位置データMPとしてRAM5に記憶される。なお、この現在位置データMPは、ビーコン受信装置26またはデータ受信装置27から入力される情報によって修正される場合もある。
【0084】
また、現在位置処理(ステップSA2)に於いて、絶対方位データZDと、相対方位角データDθと、走行距離データMLが、絶対方位センサ21、相対方位センサ22及び距離センサ23を利用して求められる。これらの絶対方位データZDと、相対方位角データDθと及び走行距離データMLから、自車両位置を特定する演算処理が行われる。この演算処理によって求められた自車両位置は、情報記憶部37のデータ38cに記憶される地図データと照合され、地図画面上の現在位置が正確に表示されるように補正が行われる。この補正処理によって、トンネル内等のGPS信号が受信できないときでも自車両の現在位置が正確に求められる。
【0085】
目的地設定処理(ステップSA3)では、使用者の希望する目的地の地理座標が登録目的地データTPとしてセットされる。例えば、ディスプレイ33上に表示される道路地図若しくは住宅地図を利用して、使用者により目的地の座標が指定される。または、ディスプレイ33上に表示される目的地の項目別リストから、使用者によって目的地が特定される。この使用者による目的地指定操作が行われると、目的地の地理座標等の情報データが登録目的地データTPとしてRAM5に記憶される。
【0086】
経路探索処理(ステップSA4)では、案内開始地点データSPから、最終案内地点データEDまでの最適な経路が探索される。なお、ここでいう最適な経路とは、例えば、最短時間または最短距離で、目的地に到達できる経路、または、より広い道路を優先的に使用する経路等である。または、高速道路を使用する場合、その高速道路を使用して、最短時間または最短距離で目的地に到達できる経路等である。
【0087】
上記案内開始地点データSPには、現在位置データMPと同じデータがセットされるか、または、現在位置データMPに近い案内対象道路のノードデータがセットされる。なお、自車両の現在走行位置が、案内経路から外れた場合には、この外れた現在位置から最終案内地点までの最適な経路が自動的に再探索されるオートリルートモードがある。オートリルートモードがセットされていなければ、経路の再探索は行われない。また、上記案内経路は、立ち寄り地が設定された場合、その立ち寄り地を経由した経路が探索されることもある。
【0088】
案内・表示処理(ステップSA5)では、上記経路探索処理(ステップSA4)で求められた案内経路が、自車両の現在位置を中心としてディスプレイ33に表示される。なお、このディスプレイ33に表示される案内経路は、表示地図上において識別可能なように表示される。例えば、ディスプレイ33に表示される地図上で、案内経路のみが色違い表示される。さらに、この案内経路にしたがって、自車両が良好に走行できるよう、道路の案内情報がスピーカ13から発音される。同じように、各種の案内情報がディスプレイ33に随時表示される。なお、案内経路を表示するための画像データは、情報記憶部37にあるデータ38cの現在位置周辺の道路地図データか、または現在位置周辺の住宅地図データが用いられる。
【0089】
この道路地図データと住宅地図データとの切り換えは次の条件によって行われる。例えば、現在位置から案内地点(目的地、立ち寄り地または交差点等)までの距離、自車両の速度、表示可能エリアの大小、または操作者のスイッチ操作等により切り換えられる。さらに、案内地点(目的地、立ち寄り地または交差点等)付近では、この案内地点付近の拡大地図がディスプレイ33上に表示される。なお、道路地図の代わりに、簡略案内経路画像がディスプレイ33に表示されてもよい。この簡略案内経路画像には、例えば、地理的情報の表示が省略され、案内経路と目的地または立ち寄り地の方向と現在位置等の、必要最小限の情報のみが表示される。
【0090】
さらに、地図等の情報が表示されるディスプレイ33の画面は、後述されるように、操作者の操作に応答して、2分割される。そして二つの画面は、各々独立した操作により各種の案内情報及び道路情報が表示される。
【0091】
ステップSA5の案内・表示処理の後、その他の処理(ステップSA6)が実行される。このステップSA6の「その他の処理」では、最寄り施設処理が実行される場合がある。この最寄り施設処理とは、上記登録目的地データTP以外の、立ち寄り地(施設等)が検索・指定される処理である。この立ち寄り地に関するデータは、ディスプレイ33に表示される地図または各項目情報などを利用して定められる。この最寄り施設処理は、上記ステップSA3の目的地設定処理と同じように行われる。
【0092】
さらに、その他の処理には、例えば、自車両の走行位置が、算出された案内経路に沿っているか否の判断が行われる。また、操作者のスイッチ操作による目的地の変更命令が入力されたか否かの判断等も行われる。ステップSA6の処理が終わると、再び現在位置処理(ステップSA2)から処理が繰り返される。なお、自車両が目的地に到達した場合にも、経路の案内・表示処理が終了され、再度ステップSA2に処理が戻される。この様に、ステップSA2〜ステップSA6までの処理が、順次繰り返される。
【0093】
7.第1実施例の案内・表示処理
この案内・表示処理とは、案内経路に沿って自車両を走行させるための情報報知処理である。つまり、ステップSA4によって案内経路が探索される。この探索された案内経路がディスプレイ33に表示される。しかも、その表示される案内経路は、常に自車両が画面中央となるように表示される。また、案内経路における右左折すべき地点に関する情報が随時報知される。このように、案内経路に沿って良好に自車両が走行できるように、各種情報が随時、報知または表示される処理が、案内・表示処理である。
【0094】
図6は、本実施例で行われる案内・表示処理のフローチャートを示す図である。初めに、ディスプレイ33の表示画面が分割状態であるか否かが判断される(ステップSB2)。表示画面の分割は、例えば、ディスプレイ33の表示画面が横方向に長い場合は、略画面中央を境界にして左右の2画面に分割される。そして、各分割画面個々に独自の地図が表示される。なお、本実施例では、ディスプレイ33の分割画面の助手席側画面を第2画面とし、運転席側画面を第3画面と定義する。したがって、右ハンドル仕様の車では、ディスプレイ33に向かって左側の画面が第2画面である。逆に、左ハンドル仕様の車では、ディスプレイ33の右側の画面が、第2画面である。
【0095】
ステップSB2の処理により、画面が分割状態と判断されると、画面分割解除要求が入力されたか否かが判断される(ステップSB4)。この解除要求の命令は、タッチスイッチ34の特定スイッチが押されることで入力される。なお、タッチスイッチ34に代えて、ディスプレイ33の画面下部に設けられたプッシュスイッチ等を用いるようにしてもよい。
【0096】
画面分割解除要求があれば、サブルーチンの「単一画面表示処理」が実行される(ステップSB6)。この単一画面処理では、分割前の第1画面の縮尺率をもとに、ディスプレイ33の画面全体に地図が表示される。この「単一画面表示処理」については、後ほど詳述される。単一画面表示処理が終了されると、サブルーチンの「その他の案内・表示処理」が実行される(ステップSB8)。このステップSB8では、自車両が走行する案内経路に関する各情報が、随時、表示または報知される。
【0097】
「その他の案内・表示処理」の処理が終了されると、図5の「全体処理」のフローに処理が回帰される。他方、ステップSB4において、画面分割解除要求がなければ、サブルーチンの「第3画面の表示処理」が実行される(ステップSB14)。この「第3画面の表示処理」については後述される。
【0098】
また、上記ステップSB2において、ディスプレイ33の表示画面が分割状態でないと判断されると、画面分割要求が入力されたか否かが判断される(ステップSB10)。この画面分割要求も、タッチスイッチ34に設定された特定スイッチが押されることで入力される。
【0099】
画面分割要求がない場合は、ステップSB8の「その他の案内・表示処理」が実行される。しかし、画面分割要求があると、サブルーチンの「画面分割処理」が実行される(ステップSB12)。この「画面分割処理」では、ディスプレイ33の表示画面が、画面中央を境界として2画面に分割表示される。そして、各分割画面に各々独立した地図若しくは案内情報が表示される。この「画面分割処理」については、後ほど詳述される。
【0100】
ステップSB12の「画面分割処理」が実行されると、さらに、サブルーチン「第3画面の表示処理」が実行される(ステップSB14)。この「第3画面の表示処理」では、第3画面に表示される情報が、自車両の走行状態に応じて切り換える処理が行われる。この「第3画面の表示処理」については後述される。
【0101】
ステップSB14の「第3画面の表示処理」が終了されると、ルート前方表示モードが操作者によって選択されたか否かが判断される(ステップSB16)。ルート前方表示モードが選択されれば、サブルーチンの「ルート前方表示処理」が実行される(ステップSB18)。この「ルート前方表示処理」では、第3画面に表示されている案内経路の上端(クロスポイントCSP)に繋がる案内経路を第2画面に表示する処理が実行される。この「ルート前方表示処理」については、後ほど詳述される。ステップSB18の「ルート前方表示処理」が終了されると、ステップSB8の「その他の案内・表示処理」が実行される。そして、図5の「全体処理」のフローに処理が回帰される。
【0102】
他方、ステップSB16において、ルート前方表示モードが選択されていないと判断されると、全ルート表示モードが選択されたか否かが判断される(ステップSB20)。この全ルート表示モードの選択は、タッチスイッチ34に設定された特定スイッチが押されることで入力される。全ルート表示モードが選択されると、サブルーチンの「全ルート(前方)表示処理」が実行される(ステップSB22)。全ルート表示モードが選択されていないと、ステップSB8の「その他の案内・表示処理」が実行される。
【0103】
上記「全ルート(前方)表示処理」では、第3画面に表示された案内経路の上端に接続し、かつ目的地までの案内経路が第2画面に表示される処理が実行される。なお、このサブルーチン「全ルート(前方)表示処理」については後ほど詳述される。この全ルート(前方)表示処理の後、ステップSB8の「その他の案内・表示処理」が実行される。その後、図5の「全体処理」のフローに処理が回帰される。
【0104】
8.単一画面表示処理
図7は「単一画面処理」のサブルーチンを示す図である。この単一画面処理では、ディスプレイ33の分割状態の画面が単一画面に戻す処理が実行される。初めに、RAM5の画面状態GJが読み出される(ステップSH2)。この画面状態GJは、分割状態における第3画面に表示されていた地図の表示態様を表す。
【0105】
例えば、分割状態の第3画面に細街路を含む地図が表示されていた場合、その表示態様を表す情報が、RAM5に画面状態GJとして記憶されている。そして、この画面状態GJに基づいて、分割が解除された画面に地図が表示される。したがって、分割時の第3画面に細街路を含む地図が表示されていた場合、分割解除後の第1画面には、細街路を含む地図が表示される。なお、第1画面とは、分割状態でないディスプレイ33の画面全体を意味する。
【0106】
よって、読み出された画面状態GJにより、第3画面に表示されていた地図に細街路が含まれているか否かが判断される(ステップSH4)。細街路が含まれていれば、RAM5の「第3画面の縮尺WDC」が読み出される(ステップSH6)。そして、画面状態GJに基づいた地図であって、縮尺WDCの地図がディスプレイ33の画面全体に表示される(ステップSH8)。つまり、細街路を含む地図が分割解除後の第1画面に表示される。
【0107】
他方、第3画面に、細街路を含む地図が表示されていない場合、RAM5の「第1画面の縮尺WDA」が読み出される(ステップSH10)。そして、画面状態GJに基づいた地図であって、縮尺WDAの地図がディスプレイ33の画面全体に表示される(ステップSH12)。なお、分割時における第3画面に簡略図が表示されていた場合、その表示態様が画面状態GJに記憶されている。したがって、分割解除後の第1画面には、この簡略図が表示される。ステップSH8またはステップSH12によって、ディスプレイ33の画面分割が解除されると、フローは図6の案内・表示処理に回帰される。
【0108】
9.画面分割処理
図8は、図6のサブルーチン「画面分割処理」のフローチャートを示す。この画面分割処理では、ディスプレイ33の画面全体が分割され、第2画面、第3画面が形成される。なお、この画面分割は、次のように行われる。ディスプレイ33に表示される画像データは、画像メモリ10に書き込まれる。そこで、画像メモリ10のメモリ領域が、分割画面に対応して分割される。その分割された画像メモリ10の各メモリ領域に、各々異なる地図情報が画像プロセッサ9によって書き込まれる。これにより、ディスプレイ33の表示画面は、2つに分割される。しかも、各画面には、異なる地図情報が表示される。
【0109】
なお、画面の分割位置は、本発明では特に限定されないが、本実施例では、ディスプレイ33の略画面中央とする。
【0110】
画面分割処理の初めに、第1画面、つまり分割前の画面の表示態様が検出される(ステップSC2)。検出された表示態様により、第1画面に細街路を含む道路地図が表示されているか否かが判断される(ステップSC4)。第1画面に細街路を含む地図が表示されていれば、画面分割後の第2画面(助手席側画面)に細街路を除く道路地図が表示される(ステップSC6)。そして、画面分割後の第3画面(運転者席側画面)に、第1画面と同じ表示態様の道路地図が表示される(ステップSC8)。ここでは、細街路を含む道路地図が第3画面に表示される。
【0111】
他方、画面分割前の第1画面に細街路を含まない道路地図が表示されていた場合、第2画面(助手席側画面)に細街路を含む道路地図が表示される(ステップSC18)。そして、第3画面に細街路を含まない道路地図が表示される(ステップSC20)。このように、分割された画面の第2画面には、分割前の画面と異なる態様の地図が表示される。そして、分割された画面の第3画面には、分割前の画面と同じ態様の地図が表示される。
【0112】
この後、第3画面に表示されている道路地図の表示態様が、RAM5に画面状態GJとして記憶される(ステップSC10)。この道路地図の表示態様とは、細街路を含む道路地図が第3画面に表示されていれば、その態様を表すデータが画面状態GJにセットされる。なお、この画面状態GJにセットされるその他のデータには、簡略図表示態様または、右左折方向のみを示す図の表示態様等がある。
【0113】
また、第3画面に簡略図以外の道路地図が表示されると、その画面端で表示がとぎれる案内経路の地理座標が検出される。そして、検出された地理座標値は、RAM5にクロスポイントCSPとして記憶される(ステップSC12)。なお、このクロスポイントCSPは、案内経路の自車両の現在地より先方であって、しかも第3画面の表示地図上で途切れる案内経路中の地点である。
【0114】
そして、分割前の第1画面の縮尺度がRAM5に「第1画面の縮尺WDA」として記憶される(ステップSC14)。さらに、この「第1画面の縮尺WDA」のデータが、RAM5に「第2画面の縮尺WDB」及び「第3画面の縮尺WDC」としてコピーされる(ステップSC16)。これは、ディスプレイ33の表示画面が分割直後であって、第2画面、第3画面共に、同じ縮尺の地図が表示されていることによる。よって、第2画面、第3画面各々の縮尺度が変更されれば、各縮尺WDB、WDCの値は変更される。縮尺WDB、WDCに縮尺WDAのデータが複写されると、図6の案内・表示処理にフローが復帰される。
【0115】
図9は、ディスプレイ33に表示される地図の分割前の様子を示す図である。つまり第1画面の様子を示す。記号100は、自車両の現在位置と、走行方向を示す。この画面104には、主要幹線道路102のみが表示されている。記号130は、絶対方位の北を示す。この記号130の数値132は、画面104に表示されている地図の縮尺を表す。この図9では、縮尺が1/400であることが数値132によって解る。
【0116】
図10は、図9に示されるディスプレイ33の表示画面104が、左右に2分割された様子を示す図である。図10の記号112は、自車両の現在位置と、走行方向を示す。第2画面108には、主要幹線道路102と、細街路116とが表示される。また、第3画面110には、主要幹線道路102のみが表示されている。このように、第3画面には、分割前の第1画面と同じ表示態様の道路地図が表示される。
【0117】
図10の記号134、138は、絶対方位の北を示す。数値136は、第2画面の縮尺度を示す。数値140は、第3画面の縮尺度を示す。数値136が表す情報が、「第2画面の縮尺WDB」に記憶される。数値140が表す情報が、「第3画面の縮尺WDC」に記憶される。なお、上記画面の分割処理では、第2画面に、第3画面と異なる表示態様の地図が表示されたが、第3画面と同じ態様の地図が第2画面に表示されてもよい。
【0118】
10.第3画面表示処理
図11は、図6の「第3画面表示処理」のサブルーチンを示すフローチャートである。この「第3画面表示処理」では、第3画面に表示されている、道路地図の縮尺変更の処理等が実行される。
【0119】
初めに、自車両の現在位置と、案内経路における次の右左折点との距離が所定値以内か否かが判断される(ステップSD2)。つまり、走行される自車両が、案内経路の次の右左折点に接近したか否かが判断される。自車両と次の右左折点との距離が所定値以内であれば、第3画面に、自車両の直進方向に対する右左折方向を示す簡略図が表示される(ステップSD4)。
【0120】
第3画面に右左折方向を示す簡略図が表示されると、この第3画面の地図表示態様を示すデータが、RAM5に画面状態GJとして記憶される(ステップSD22)。この後、処理は図6のフローチャートに復帰される。
【0121】
また、自車両と次の右左折点との距離が所定値以内でないと、第3画面に表示されている地図の縮尺変更要求があるか否かが判断される(ステップSD6)。縮尺変更要求があると、変更されたその縮尺率の地図が第3画面に表示される。さらに、その変更された縮尺度が、RAM5に「第3画面の縮尺WDC」として記憶される(ステップSD8)。なお、縮尺の変更は、タッチスイッチ34に設けられた特定スイッチの操作によって行われる。この地図の縮尺変更前の第3画面に細街路を含む道路地図が表示されていた場合、細街路を十分に表示できない縮尺度に変更されると、細街路を除いた道路地図が第3画面に表示される。
【0122】
この様に縮尺変更要求に伴う処理が終了されると、次に自車両の走行速度が、所定値(時速0Km(停止)または数Km(微速))以下か否かが判断される(ステップSD10)。車速が所定値以下の徐行または停止状態であると、第3画面に細街路を含む道路地図が表示される(ステップSD12)。また、車速が所定値以下でないと、第3画面に、細街路を除く道路地図が表示される(ステップSD14)。
【0123】
この後、自車両が所定距離移動されたか否かが判断される(ステップSD16)。所定距離移動されていれば、サブルーチンの「画面スクロール処理」が実行される(ステップSD18)。この画面スクロール処理では、自車両の現在位置が第3画面の中央となるように地図がスクロール表示される。
【0124】
画面のスクロール処理が実行された後(ステップSD18)か、または自車両が所定距離移動していない場合(ステップSD16)、第3画面に表示された案内経路の画面端における地理座標が検出される(ステップSD20)。つまり、第3画面に表示される案内経路は、画面端で表示が途切れている。そこで、その画面端において途切れる案内経路上の地点が検出される。この検出された地点の座標値がクロスポイントCSPとしてRAM5に記憶される。
【0125】
そして、第3画面の地図表示状態を表すデータが、画面状態GJとしてRAM5に記憶される(ステップSD22)。この後、処理は、図6の案内・表示処理に復帰される。
【0126】
11.ルート前方表示処理
図12は、図6の案内・表示処理におけるサブルーチン「ルート前方表示処理」のフローチャートを示す。このルート前方表示処理では、第3画面に表示された案内経路に続く残りの案内経路が第2画面に表示される。
【0127】
初めに、第2画面に表示されている地図がルート前方表示態様であるか否かが判断される(ステップSE2)。ルート前方表示態様でなければ、前方表示要求が命令されたか否かが判断される(ステップSE12)。この前方表示要求は、タッチスイッチ34に設けられた特定のスイッチが操作されることによって入力される。
【0128】
前方表示要求がなければ(ステップSE12)、この「ルート前方表示処理」が終了され、図6の案内・表示処理に処理が戻される。他方、前方表示要求があれば(ステップSE12)、サブルーチン「表示可能範囲算出処理」が実行される(ステップSE8)。
【0129】
また、ステップSE2において、第2画面が前方表示状態でないと判断されると、縮尺変更要求があるか否かが判断される(ステップSE4)。縮尺変更要求がなければ、サブルーチン「表示可能範囲算出処理」が実行される(ステップSE8)。逆に、縮尺変更要求があれば、RAM5の「第2画面の縮尺WDB」のデータ値が変更される(ステップSE6)。なお、この縮尺変更の処理も、タッチスイッチ34に設けられた特定スイッチの操作によって行われる。
【0130】
サブルーチン「表示可能範囲算出処理」は後述される。この表示可能範囲算出処理によってポイントノードNDPが求められる。そして、このポイントノードNDP及びクロスポイントCSPを用いて案内経路が第2画面に表示される。なお、ポイントノードNDPは、上記縮尺WDBによって表示可能な案内経路の端点の地理座標値である。
【0131】
つまり、縮尺WDBによって表示可能な地図上に、クロスポイントCSPからポイントノードNDPまでの案内経路が表示される。このポイントノードNDPがサブルーチン「表示可能範囲算出処理」によって検出される。
【0132】
クロスポイントCSP及びポイントノードNDPの各東経座標値の中間点が第2画面の中央垂線上に略位置するとともに、クロスポイントCSPが画面の下端に位置するように案内経路を含む道路地図が第2画面に表示される(ステップSE10)。この様にして第2画面に、第3画面に表示された案内経路を除いた残りの案内経路が表示されると、処理は図6の案内・表示処理に戻される。
【0133】
12.表示可能範囲算出処理
図13は、図12に於けるサブルーチン「表示可能範囲算出処理」のフローチャートを示す。初めに、縮尺WDBによって第2画面に表示できる地図の地理的範囲が算出される(ステップSF2)。つまり、縮尺WDBの地図が第2画面に表示された際、画面上に表示される地図の画面水平方向の直線距離が算出される。そして、この表示可能な画面水平方向の直線距離が水平距離XLMとしてRAM5に記憶される。同じように、表示可能な画面垂直方向の直線距離が垂直距離YLMとしてRAM5に記憶される。
【0134】
次に、ステップSF6〜SF10の処理がステップSF12の条件を満足するまで繰り返される。これらの処理は、案内経路のクロスポイントCSPを始点として、第2画面に案内経路を効果的に表示するための処理である。つまり、クロスポイントCSPを基点とした場合、縮尺WDBによって表示可能な案内経路の遠隔点は、上記水平距離XLM及び垂直距離YLMで構成される長方圏内にある。
【0135】
そこで、案内経路上の各ノードの座標値が、クロスポイントCSPを一つの頂点とし、かつ水平距離XLM及び垂直距離YLMで囲まれる四角形内にあるか否かが順次調査される。よって、ステップSF4の回数値Nの値は、クロスポイントCSPを始点とする案内経路上の第N番目のノードを示す。そして、「1」毎にインクリメントされる回数値Nに基づいて、ステップSF4〜SF22の各処理が繰り返し実行される。
【0136】
回数値Nが「1」に、間隔XNが「0」に初期設定される。さらに、水平位置XPにクロスポイントCSPの東経座標値が記憶される(ステップSF4)。次に、クロスポイントCSPに繋がる案内経路の第N番目のノードの座標値が道路データファイルF4及びノードデータファイルF3から読み出される。読み出されたノードの座標値は、ポイントノードNDPとしてRAM5に記憶される(ステップSF6)。このポイントノードNDPの北緯値からクロスポイントCSPの北緯値が減算される。この減算の結果が垂直値YMとしてRAM5に記憶される(ステップSF8)。
【0137】
さらに、ポイントノードNDPの東経値から上記水平位置XPの値が減算される。そして、その減算値の絶対値が水平値XMとしてRAM5に記憶される(ステップSF10)。次に、水平値XMが間隔XNより大きいか否かが判断される(ステップSF12)。水平値XMが間隔XNより大きければ、間隔XNに水平値XMの値が代入される(ステップSF14)。
【0138】
他方、水平値XMが間隔XN以下の場合、水平位置XPに、案内経路の第(N−1)番目のノードの東経値が記憶される(ステップSF20)。そして、間隔XNが0にクリアされる(ステップSF22)。これらステップSF12、SF20、SF22は、案内経路が東経方向に湾曲していることを検出するために行われる。
【0139】
つまり、第2画面の下端にクロスポイントCSPが表示されるが、案内経路が東経方向に湾曲していた場合、その湾曲部分を含めた案内経路が効率よく第2画面に表示されねばならない。そこで、案内経路の湾曲部分を新たな基点(水平位置XP)として、案内経路の表示可能端であるポイントノードNDPが順次検索される。
【0140】
次に、上記ステップSF8、SF10によって求められた水平値XM及び垂直値YMと、各水平距離XLM及び垂直距離YLMとの大小比較が次のように行われる。
【0141】
XM>XLM・・・・(A)
0>YM>YLM・・・・(B)
つまり、水平値XMが水平距離XLMより大きいか否かが式(A)によって判断される。また、垂直値YMが「0」より小さいかまたは垂直距離YLMより大きいか否かが式(B)によって判断される。
【0142】
この式(A)または(B)何れかが正ならば、ステップSF6〜SF22の一連の処理が終了される。そして、図12のルート前方表示処理に処理が回帰される。しかし、式(A)、(B)何れもが誤ならば、回数値Nが「1」加算されて、案内経路の次のノードについての処理が実行される(ステップSF18)。
【0143】
以上のステップSF6〜SF22の処理により、ポイントノードNDPには、クロスポイントCSPを始点とした案内経路であって、第2画面に効率よく表示される案内経路の端点の座標値が記憶される。なお、第2画面に表示される案内経路は、クロスポイントCSP部分の案内経路が画面の垂直方向を向くように設定される。
【0144】
図14は、図12のルート前方表示処理によって第2画面に案内経路の前方部分が表示された様子を示す図である。第3画面110に表示される案内経路146のクロスポイントCSPに、第2画面の案内経路144が接続される。そして、第2画面に縮尺WDBによって案内経路144を含む道路地図が表示された際、案内経路上の地点であって、有効表示可能な地点がポイントノードNDPである。また、案内経路の東経方向の湾曲部148が図13のステップSF12〜SF22によって検出される。つまり、ステップSF22で水平位置XPに新たに記憶される東経値は、この湾曲部148の座標である。
【0145】
13.全ルート(前方)表示処理
図15は、図6に於ける全ルート(前方)表示処理のサブルーチンを示す。この全ルート(前方)表示処理では、第3画面に表示される案内経路の表示途絶ポイントであるクロスポイントCSPに続く残りの案内経路であって、しかも目的地までの案内経路全体が第2画面に表示される。しかも、この全ルート(前方)表示処理では、表示縮尺の変更が可能である。つまり、残存案内経路を含み、より広い範囲の道路地図が表示可能とされる。
【0146】
初めに、第2画面に全ルートが表示されているか否かが判断される(ステップSG2)。第2画面に全ルートが表示されていれば、縮尺変更要求がなされたか否かが判断される(ステップSG4)。この縮尺変更の処理は、タッチスイッチ34に設けられた特定スイッチが使用者によって操作されることにより実行される。
【0147】
縮尺変更が要求されると、縮尺WDBの値が変更される(ステップSG6)。そして、その変更された縮尺WDBにより地図が第2画面に表示される(ステップSG8)。なお、この縮尺が小さくされて、クロスポイントCSPから目的地までの案内経路が第2画面全体に表示できない場合、図12のルート前方表示処理と同じ処理が実行される。つまり、第2画面に最も効率よく案内経路が表示されるように、案内経路の表示位置の調整が実行される。
【0148】
また、縮尺変更要求がないと判断された場合(ステップSG4)、図15の処理が終了され、図6の案内・表示処理に処理が回帰される。さらにまた、第2画面の表示態様が全ルート表示状態でないと(ステップSG2)、全ルート表示要求が入力されたか否かが判断される(ステップSG10)。この全ルート表示要求は、タッチスイッチ34に設定された特定スイッチを操作することによって入力される。
【0149】
全ルート表示要求がないと、図15の処理が終了され、図6の案内・表示処理に処理が回帰される。他方、全ルート表示要求が入力されると、次の処理が実行される。クロスポイントCSPから最終案内地点データEDまでの案内経路における各ノードの座標値において、緯度、経度それぞれの最大値、最小値が検出される(ステップSG12)。この緯度、経度それぞれの最大値及び最小値間の地理的な間隔を第2画面に表示できる、縮尺が求められる(ステップSG14)。この縮尺算出には、予め求められた数値変換テーブルが用いられても良い。
【0150】
求められた縮尺により第2画面に案内経路を含む道路地図が表示される(ステップSG16)。さらに、ステップSG14で求められた縮尺が「第2画面の縮尺WDB」としてRAM5に記憶される(ステップSG18)。この後、ステップSG4以降の縮尺変更処理が実行される。
【0151】
図16は、この全ルート(前方)表示処理によって、クロスポイントCSPから目的地152までの案内経路が第2画面108に表示された様子を示す図である。この様に、全ルート(前方)表示処理では、第3画面の案内経路の端であるクロスポイントCSPより先の案内経路全体が第2画面に表示される。
【0152】
上記実施例では、画面分割が指示されると、走行中においてより重要な地図情報が第3画面に表示される。しかも、比較的重要性の低い地図情報が第2画面に表示される。重要な地図情報とは、案内経路走行中において、運転者にとってより必要性が高い情報を意味する。つまり、案内経路を走行中において、自車両が右左折する交差点に接近したとき、その右左折する方向を示す情報が、案内経路全体に関する情報より重要である。そこで、右左折する方向を示す情報が、第3画面に表示される。
【0153】
そして、重要性の比較的小さい道路情報が第2画面に表示される。ここでは、案内経路を含む一般的な道路地図が第2画面に表示される。また、自車両が右左折点に接近していない場合は、細街路を含む地図と、細街路を含まない地図とが何れの画面に表示させるかを自動的に処理している。つまり、車速が一定値以上なら、細街路を含む道路地図は、運転者にとってあまり重要ではない。そこで、主要幹線道路のみの道路地図が第3画面に表示されるとともに、細街路を含む道路地図が第2画面に表示される。
【0154】
なお、上記実施例における第3画面は、ディスプレイ33の表示面の右側とした。右ハンドル仕様の車では、運転者側に近い分割画面が第3画面である。つまり、第3画面とは、運転者により近い分割画面のことである。したがって、左ハンドルの車では、ディスプレイ33の左側の分割画面が、第3画面になる。
【0155】
つまり、分割画面表示が選択されたとき、運転者により近い画面に、より重要性の高い案内情報が優先して表示される。そして、助手席側の画面に、補助的な案内経路情報が表示される。なお、上記実施例では、第1〜第3画面にヘディングアップの地図が表示されたが、これをノースアップの地図が表示されるようにしても良い。ヘディングアップとは、自車両の走行方向が常に画面の上方となるように地図が表示される状態である。ノースアップとは、絶対方向の北が常に画面の上方となるように地図が表示された状態である。
【0156】
図17は、ディスプレイ33の画面に表示される簡略図を示す。画面104には、絶対方位(地磁気の北)を表す記号120と、自車両の現在位置を示す記号126と、目的地の方向を示す矢印122と、目的地までの距離を示す文字情報列124とが表示される。この様な簡略図が第1〜第3画面の何れかに表示されてもよい。
【0157】
なお、この簡略図は、図17のものに本発明は限定されない。例えば、自車両の走行方向が、常に画面104の上方となるように表示されてもよい。この場合、絶対方位を表す記号120は、相対方位角データDθにしたがって画面104上で回転される。
【0158】
図18は、画像メモリ10とディスプレイ33との間に挿入される上記画像プロセッサ9の回路構成の一部を示す図である。この図18の回路は、ディスプレイ33の画面が図10のように分割された場合にも用いられる。画像メモリ10の出力は、パレットRAM204とパレットRAM208とに並列接続されている。つまり、同じ画像データがパレットRAM204とパレットRAM208とに入力される。パレットRAM204の出力は、ディジタルスイッチ214の端子222に接続される。パレットRAM208の出力は、スイッチ214の端子224に接続される。スイッチ214の出力は、デジタル/アナログ変換器(DAC)218に接続されている。
【0159】
DAC218から出力されたアナログ信号のビデオ信号は、ディスプレイ33の表示制御回路に入力される。なお、ディスプレイ33の表示制御回路では、液晶ディスプレイを駆動するための各種制御信号が生成される。画像メモリ10には、画像プロセッサ9の制御信号202が入力される。ディジタルスイッチ214の切り換え制御信号216は、画像プロセッサ9によって生成される。
【0160】
なお、図示しないが、パレットRAM204、208には、画像プロセッサ9の他の回路が接続されており、変換テーブルデータが書き込まれる。つまり、パレットRAM204に書き込まれる変換テーブルデータと、パレットRAM208に書き込まれる変換テーブルデータとは異なる。なお、この変換テーブルデータの相違部分は、細街路の表示色に関するデータである。例えば、パレットRAM204の変換テーブルには、細街路が画面の背景色と異なる色で表示されるデータが記憶される。他方、パレットRAM208の変換テーブルには、細街路が画面と同一色または近似色となるデータが記憶される。
【0161】
その他の地図表示物の色は、各パレットRAM204の変換テーブルにおいて略同一とされる。このような回路において、画像メモリ10から読み出されたデジタルの画像データは、シリアル/パラレル変換された後、各パレットRAM204、208のアドレス端子に入力される。パレットRAM204、208から出力されるディジタルの色信号は、スイッチ214に入力される。スイッチ214の切り換え制御は、画像プロセッサ9によって行われる。この切り換えは、第2画面108と第3画面110の分割部分で行われる。つまり、第2画面108の画像データが画像メモリ10から読み出されているときは、スイッチ214がパレットRAM204側に切り換えられる。これにより、パレットRAM204から出力された色信号がDAC218に入力される。
【0162】
また、第3画面110の画像データが画像メモリ10から読み出されているときは、スイッチ214がパレットRAM208側に切り換えられる。上述したように、パレットRAM204の変換テーブルには、細街路を表示するデータが書き込まれている。パレットRAM208の変換テーブルには、細街路が表示されないデータが書き込まれている。これにより、図10に示されるように、第2画面108では、細街路が画面上に表示され、第3画面110では、細街路が表示されない。
【0163】
なお、図18では、パレットRAM204、208が各々1つしか示されていないが、これらのパレットRAMは、レッド、グリーン、ブルーの3つのパレットRAMから構成されている。
【0164】
14.第2実施例の案内・表示処理
図19は、本発明における案内・表示処理の第2実施例のフローチャートである。本第2実施例では、第1実施例と同じように、ディスプレイ33の表示画面が分割される。そして、分割された一方の画面にノースアップ画面が、他方の画面にヘディングアップ画面が表示される。ノースアップ画面では、地磁気の北が常に画面の上方となるように地図が表示される。ヘディングアップ画面では、自車両の走行方向が常に画面の上方を向くように地図が表示される。
【0165】
図19の処理を詳細に説明する。初めに、略図表示選択が、使用者によって命令されたか否か判断される(ステップSK2)。この略図表示の命令は、タッチスイッチ34の特定スイッチが押されることで入力される。
【0166】
略図表示が選択されると、ディスプレイ33の画面全体に略図が表示される(ステップSK16)。この略図は、上記第1実施例と同じであり、図17に示されている。略図表示の選択がない場合(ステップSK2)、分割画面表示が命令されたか否かが判断される(ステップSK4)。この分割画面表示の命令も、タッチスイッチ34の所定スイッチがオンされることによって入力される。分割画面表示が選択されないと、ステップSK18のその他の案内・表示処理が実行される。このステップSK18では、自車両が走行する案内経路に関する各情報が、随時、表示または報知される。この後、図19の案内・表示処理のサブルーチンが終了される。
【0167】
他方、分割画面表示が選択されると(ステップSK4)、第1画面の表示状態が検出される(ステップSK6)。この第1画面とは、ディスプレイ33の分割前の画面を意味する。つまり、ディスプレイ33全体に表示されている地図の様子が検出される。表示されている地図の様子とは、ディスプレイ33に表示されている地図の表示態様を意味する。つまり、ノースアップ画面か、ヘディングアップ画面何れによって、ディスプレイ33に地図が表示されているかが判断される。
【0168】
第1画面、すなわちディスプレイ33の分割前の画面に、ヘディングアップの地図が表示されていた場合(ステップSK7)、第2画面にノースアップの地図が表示される(ステップSK8)。さらに、第3画面に、ヘディングアップの地図が表示される(ステップSK10)。この後、その他の案内・表示処理が実行される(ステップSK18)。そして、図19のサブルーチンが終了される。図19のサブルーチンが終了されると、処理は図5のメイン処理に戻される。
【0169】
また、ディスプレイ33の分割前の画面に、ヘディングアップの地図が表示されていないときは(ステップSK7)、第2画面にヘディングアップの地図が表示される(ステップSK12)。さらに、第3画面にノースアップの地図が表示される(ステップSK14)。つまり、画面の分割前に表示されていた地図が、常に第3画面に表示される。そして、第2画面には、第3画面と対となる表示状態の地図が表示される。この後、その他の案内・表示処理が実行される(ステップSK18)。そして、図19のサブルーチンが終了される。図19のサブルーチンが終了されると、処理は図5のメイン処理に戻される。
【0170】
なお、第2画面及び第3画面は、上記第1実施例と同じように、ディスプレイ33の画面が分割されて設けられる。つまり、運転者側により近い分割画面が第3画面であり、助手席側に近い分割画面が第2画面である。
【0171】
図20は、本第2実施例による分割画面の様子を示す。なお、第1画面、つまり、ディスプレイ33の分割前の画面は、図9に示されている。つまり、分割前では、ヘディングアップの地図が表示されているものとする。この状態で、画面の分割が指示されると、第2画面108には、ノースアップの地図が表示される。つまり、第2画面108の絶対方位を示す記号120が画面の上方を向く。しかも、自車両の走行方向を示す記号100が横向きにされる。
【0172】
また、第3画面110には、ヘディングアップの地図が表示される。つまり、自車両の走行を示す記号100が画面の上方を向かされる。この第3画面110における北方位は、記号122が示すように、画面の右手方向となる。
【0173】
15.第3実施例の案内・表示処理
図21は、本発明における案内・表示処理の第3実施例のフローチャートである。本第3実施例では、第2実施例と同じ処理には、同一符号が付されている。本第3実施例では、ディスプレイ33の表示画面が分割される。そして、分割された一方の画面に分割前に表示されていた地図がそのまま表示される。他方の画面には、略図が表示される。
【0174】
図21の処理を詳細に説明する。初めに、略図表示選択が、使用者によって命令されたか否か判断される(ステップSK2)。この略図表示の命令は、タッチスイッチ34の特定スイッチが押されることで入力される。
【0175】
略図表示が選択されると、ディスプレイ33の画面全体に略図が表示される(ステップSK16)。この略図は、上記第1実施例と同じであり、図17に示されている。略図表示の選択がない場合(ステップSK2)、分割画面表示が命令されたか否かが判断される(ステップSK4)。この分割画面表示の命令も、タッチスイッチ34の所定スイッチがオンされることによって入力される。分割画面表示が選択されないと、ステップSK18のその他の案内・表示処理が実行される。このステップSK18では、自車両が走行する案内経路に関する各情報が、随時、表示または報知される。この後、図21の案内・表示処理のサブルーチンが終了される。
【0176】
他方、分割画面表示が選択されると(ステップSK4)、第1画面の表示状態が検出される(ステップSK6)。この第1画面とは、第2実施例と同じように、ディスプレイ33の分割前の画面を意味する。第1画面、すなわちディスプレイ33の分割前の画面に、ヘディングアップの地図が表示されていた場合(ステップSK7)、第2画面にヘディングアップの地図が表示される(ステップSK20)。さらに、第3画面に、図17の簡略図が表示される(ステップSK24)。この後、その他の案内・表示処理が実行される(ステップSK18)。そして、図21のサブルーチンが終了される。図21のサブルーチンが終了されると、処理は図5のメイン処理に戻される。
【0177】
また、ディスプレイ33の分割前の画面に、ヘディングアップの地図が表示されていないときは(ステップSK7)、第2画面にノースアップの地図が表示される(ステップSK22)。さらに、第3画面には、図17のような簡略図が表示される(ステップSK24)。つまり、画面の分割前に表示されていた地図が、常に第2画面に表示される。そして、第3画面には、目的地の方向等必要最小限の案内情報が表示される。この後、その他の案内・表示処理が実行される(ステップSK18)。そして、図21のサブルーチンが終了される。図21のサブルーチンが終了されると、処理は図5のメイン処理に戻される。
【0178】
なお、第2画面及び第3画面は、上記第1、2実施例と同じように、ディスプレイ33の画面が分割されて設けられる。つまり、運転者側により近い分割画面が第3画面であり、助手席側に近い分割画面が第2画面である。
【0179】
16.第4実施例の案内・表示処理
図22は、本発明の第4実施例の案内・表示処理のフローチャートを示す。当該実施例においては、最初に求められた案内経路の他に、操作者(使用者)の求めに応じて別の案内経路が新たに探索される。そして、その求められた新しい案内経路と、先に求められた案内経路とが、2つの分割画面上でそれぞれ表示される。また、更なる探索が指示されると、再び別の案内経路が探索される。そして、新たに探索された案内経路が一方の画面に表示されると、他の案内経路が他方の画面に表示される。これにより、分割画面において、元の経路と新たな経路、或いは複数の別の経路とをそれぞれ比較することができる。この経路の比較により、操作者の希望に合致した案内経路の選択が容易になる。
【0180】
図22のフローチャートを説明する。初めに、ディスプレイ33の画面が分割状態か否かが判断される(ステップSL2)。分割状態なら、各画面に独自に探索された別々の案内経路が表示されている。つまり、本実施例では、後述する再探索操作が命令された後、操作者による案内経路の決定が行われないと、1度、図22の処理が終了され、図5のメイン処理にフローが戻される。そして、再び、図22のサブルーチンがコールされると、直前で実行されていた処理が再度繰り返される。つまり、再探索操作が操作者から命令されても、案内経路の決定が入力されないと、図22のサブルーチン全体が繰り返して実行される。しかも、操作者による案内経路の決定操作が行われるまで、ディスプレイ33の分割画面状態が維持される。
【0181】
画面分割状態でないなら(ステップSL2)、別ルートの探索開始命令が入力されたか否かが判断される(ステップSL4)。この別ルートの探索開始命令は、ディスプレイ33に表示された「再探索」、「別ルート」等のアイコンが操作者によってタッチされたか否かによって判断される。つまり、ディスプレイ33の画面に「再探索」等のアイコンが表示される。このアイコン表示部分を操作者がタッチしたか否かが、ディスプレイ33の表示面に取り付けられたタッチスイッチ34によって検知される。
【0182】
「再探索」等のアイコンがタッチされない、つまり、別ルート探索が指示されない場合は、「その他の案内・表示処理」が実行される(ステップSL38)。この「その他の案内・表示処理」では、最初に求められた案内経路又は、選択された再探索案内経路を、自車両が良好に運行できるように、各種の音声情報及び画像情報が報知される。その後、図22の案内・表示処理が終了され、図5の全体処理にフローが戻される。
【0183】
他方、別ルート探索操作があると(ステップSL4)、ルート数Nが1に初期設定される(ステップSL6)。このルート数Nは、探索された案内経路の数を意味する。なお、別ルート探索操作は、例えば、ディスプレイ33の画面に表示された、「別ルート」(図23)の文字部分を操作者がタッチすることを意味する。そして、別ルート探索操作があると、自車両の現在位置から登録目的地までの案内経路が、新たに探索される(ステップSL8)。このステップSL8で探索される案内経路は、再探索直前の案内処理中の案内経路とは異なる。
【0184】
このステップSL8の別ルート探索では、図5の経路探索処理と同じ様な処理が行われる。つまり、情報記憶部37に記録されている各道路データ及び交差点データを用いて、自車両の現在位置から最終案内地点まで繋がる経路が探索される。例えば、自車両が案内対象道路上に存在した場合、その案内対象道路の終点の交差点が道路データ及び交差点データから検索される。そして、その交差点が始点となる各道路から、目的地方向により近い次の交差点へ、最短距離で進める道路が探索される。このように、目的地方向に存在する交差点へ進め、しかも距離のより短い道路が順次選択されて、案内経路が探索される。
【0185】
ここで、案内経路の探索処理について簡単に説明する。道路に関する情報は、例えば、二つの分岐点間(交差点等)を結ぶ接続道を1単位として、情報記憶部37に記憶されている(図4)。各道路の情報には、その道路の長さデータと、その道路の方向等を表す形状データと、その道路の種別等を表す道路属性データ等が含まれる。そこで、これらのデータ値に対して、道路の長さに換算する探索コストが定義される。例えば、道路の道幅が広いほど、探索コストの値が小さくなるように設定される。つまり、道路の車線数が3車線なら、「10」の探索コストが付与される。逆に、車線数が1なら「30」の探索コストが与えられる。従って、道路の幅が大きいと探索コストが小さく、狭いと探索コストが大きくされる。
【0186】
同じように、道路属性データ、形状データ等に対しても探索コストが定義される。この道路の行き先方向(地理的な向き)は、この道路に繋がっていた、もとの道路データに含まれる行き先方向データで判別される。そこで、この行き先方向データによる道路の方向が、目的地方向に向いているほど、探索コストが小さくなるように設定される。また、県道、市道、国道等によっても探索コストが定義されても良い。つまり、より一般的な道路が優先選択されるように探索コストが定義されてもよい。
【0187】
なお、この探索コストの計算は、予め定められた数値算出用テーブルが利用される。上記の車線数の場合、3車線で、探索コスト「10」、1車線で探索コスト「30」というような数値対応表(以下テーブルと呼称する)が、予め情報記憶部37またはROM4に記録されている。
【0188】
そして、道路の属性、行き先方向等、それぞれの値に対する探索コストが、それぞれのテーブルによって求められる。この求められた探索コストの総和が、当該道路の総合的な探索コスト(以下総合探索コスト)とされる。なお、道路の長さについては、直接、探索コストとして、用いても良いし、長さに係数を乗算しても良い。つまり、道路の長さによって一義的に定められる係数値が、その長さの値に乗算されて、長さの探索コストとされる。なお、この係数も、数値対応表(テーブル)によって算出されるようにしても良い。つまり、道路の長さに応じて一義的に定められる係数の対応表が情報記憶部37またはROM4に記録されている。
【0189】
例えば、道路の長さが、10km以下なら、係数「1.0」が与えられる。そして、長さの探索コストが10*1.0=10とされる。同じように、10kmより長く、20km以下の道路なら、係数「3.0」が与えられるようにする。この道路の長さの探索コストは、20*3.0=60とされる。このように、道路の長さに応じた係数が順次与えられる。これにより、距離の長短による探索コストの大小比較が容易になる。なお、これらの値は、1例であって、本願発明はこの数値に限定されるものではないし、これらの探索コスト算出を計算式を用いて行われるようにしてもよい。
【0190】
このようにして、各道路の総合探索コストが算出される。そして、一つの探索開始点(ノードまたは交差点)に繋がる道路が複数ある場合は、各道路の総合探索コストが求められる。そして、それまでに探索された経路の各道路の総合探索コストの累算値に、この求められた各道路の総合探索コスト値が、それぞれ別々に加算される。そして、より小さな総合探索コストの累算値となる道路が最適経路として選択される。
【0191】
この選ばれた道路に繋がる道路も、同じように総合探索コストの累算値が最も小さくなる道路が選ばれる。つまり、総合探索コストの累算値がより小さくなるように、道路が順次選択される。このようにして探索された、出発地(案内開始点)から目的地(案内終了点)まで連続する道路が、案内経路データMWとしてRAM4に記憶される。なお、上記の場合、目的地方向に向いた道路で、しかも、より道幅の広い道路が優先して選ばれることになる。
【0192】
また、探索コストには、各道路同士が、交差点を右左折して接続される場合に、より大きくなるようにされてもよい。つまり、案内経路には、交差点における右左折を極力排除するような道路が選択されてもよい。同じように、交差点において、信号機の存在有無または交差点の呼称有無等によって探索コストが増減するように定められてもよい。例えば、信号機のない交差点には、信号機のある交差点より探索コスト値が大きくなるように設定される。これにより、より条件の良い交差点が案内経路の交差点として優先的に選択される。
【0193】
なお、上記の探索コストの説明では、条件のより良い道路の総合探索コストが小さくなるように設定されたが、逆に、条件のよい道路の総合探索コストが大きくなるように設定されても良い。つまり、より短い道路の探索コスト値が大きくなるように、長さの値に乗算される係数値が逆比例に設定されてもよい。同じように、道幅のより広い道路の探索コストが大きくなるように設定される。
【0194】
例えば、道路の長さが、10km以下なら、係数「3.0」が与えられる。そして、長さの探索コストが10*3.0=30とされる。同じように、10kmより長く、20km以下の道路なら、係数「0.1」が与えられるようにする。この道路の長さの探索コストは、20*0.1=2とされる。この場合、長さの短い道路の探索コストが大きくなる。
【0195】
なお、経路探索において、自車両が案内対象道路上に存在しない場合は、自車両により近い案内対象道路上のノードが選択される。つまり、自車両の現在位置から所定距離圏内にある、案内対象道路のノードが選択される。しかも、この自車両に近い案内対象道路のノードが複数あった場合は、その複数のノードに於いて、より目的地に近いノードが案内開始地点とされる。ステップSL8(図22)の別ルート探索においても、自車両の現在位置が、案内対象道路上にない場合は、近隣の案内対象道路上のノードが探索開始点とされる。これは、図5の経路探索処理(ステップSA4)と同じ処理である。
【0196】
また、上記ステップSL8においては、図5の経路探索処理において探索された案内経路又は、現在案内中の案内経路の道路が、新しい案内経路に極力選択されない処理が施される。例えば、以前の探索処理で求められた案内経路に既に使用されている道路の探索条件に新たな探索コストが付加される。すなわち、図5の経路探索処理で探索された案内経路を構成する各道路に、例えば、探索コスト「50」の数値を余分に加算する。これにより、案内経路として既に使用されている道路の選択条件が悪くなる。結果、新たな案内経路の探索において、この道路の選択が困難とされる。
【0197】
このようにステップSL8で探索された新たな案内経路が、第N番目の案内経路としてRAM5に記憶される。この新たな案内経路が探索されると、ディスプレイ33の表示画面が左右に分割される(ステップSL10)。この画面分割処理では、ディスプレイ33の画面が、略中央を境として左右に、2分割される。そして、表示画面に向かって、左側の画面が第2画面とされる。右側の画面は、第3画面とされる。
【0198】
そして、第2画面に、上記ステップSL8で探索された第N番目の案内経路が表示される(ステップSL12)。第3画面には、第(N−1)番目の案内経路が表示される(ステップSL12)。ここでの第(N−1)番目の案内経路とは、図5の経路探索処理で探索された最初の案内経路または、現在案内中の経路である。つまり、N−1=0である。このN=0の経路とは、最初に探索された経路又は、走行途中で再探索され、現在案内中の経路である。例えば、N=0の経路には、ナビゲーションシステムによる案内開始前の目的地等が設定された時点で探索される経路がある。又は、図22の案内・表示処理によって再探索され、選択された新たな案内経路である。つまり、ルート数N=0の経路とは、現在案内中の経路が該当する。
【0199】
ただし、案内経路の再探索が繰り返し操作者によって命令された場合は、最新の案内経路が、第2画面に表示され、直前に探索された、一つ古い案内経路が第3画面に表示される。
【0200】
第2画面、第3画面に各々の案内経路が表示されると、ディスプレイ33の画面に表示されたアイコンの「RETURN」が押されたか否かが判断される(ステップSL16)。このアイコンの「RETURN」が押されたか否かは、タッチスイッチ34のオン・オフによって判断される。
【0201】
「RETURN」、すなわち復帰キーがオンされると、第2画面及び第3画面に表示される案内経路が、各々1つ前の案内経路とされる。ところで、図22の案内・表示処理の別ルート探索命令が繰り返されると、N個の案内経路が探索される。そして、上記復帰キーが押される直前では、第2画面に最新の第N番目の案内経路が表示されており、第3画面には、第(N−1)番目の案内経路が表示されている。
【0202】
この状態で、復帰キーが押されると、第2画面には第(N−1)番目の案内経路が、第3画面には、第(N−2)番目の案内経路がそれぞれ表示される。つまり、復帰キーが押されると、ディスプレイ33の表示状態が、1つ前の状態に戻される。これらの一連の処理が、ステップSL12〜SL20によって行われる。
【0203】
つまり、ルート数Nの値が1減算される(ステップSL18)。そして、ステップSL18の処理によって、ルート数Nの値が1より小さくなったか否かが判断される(ステップSL20)。ルート数Nの値が「1」より小さくない場合、再びステップSL12に戻って、処理が実行される。つまり、第2画面に、1つ前に探索された案内経路が表示される。同じように、第3画面には、2つ前に探索された案内経路が表示される。
【0204】
逆に、ルート数Nの値が「1」より小さいと、N=0の案内経路より古い探索経路はない。そこで、図5の経路探索処理で探索された最初の経路、または案内処理が実行されていた現在の経路が選択される(ステップSL22)。この場合、画面の表示も、分割状態が解除される。そして、分割前に表示されていた地図が、縮尺を変更することなく表示される(ステップSL23)。この後、その他の案内・表示処理が行われ(ステップSL38)、図22の案内・表示処理が一度終了される。
【0205】
または、ルート数Nが「1」より小さくなった場合(ステップSL22、23)、最初に再探索された別ルートが第2画面に、もとの経路が第3画面に表示された状態が保持されても良い。この場合、第2、第3画面のいずれかの経路が選択された時点で、画面分割が解除されればよい。
【0206】
なお、画面分割状態で、図22の案内・表示処理のサブルーチンがコールされたときにも、ステップSL16の処理が行われる。つまり、画面の分割表示状態で、復帰キーが押されたか、または後述されるルート決定キーが押されたか否かが判断される。別ルート探索が1度命令されると、ディスプレイ33の画面は、分割状態にされる。その分割状態で、第2画面または第3画面の案内経路が操作者によって選択されないか、またはルート数N=0となるまで、「RETURN」キーが繰り返して押されないと、その分割状態が継続される。
【0207】
しかし、案内経路が選択されるか、またはルート数N=0となるまで、「RETURN」が繰り返して押されると、その分割状態が解除される。そして、決定された案内経路による案内処理が実行される。なお、図22の案内・表示処理は、自車両が最終案内地点に到達するまで繰り返し実行される。ただし、別ルートの探索命令は、車両が停止または徐行状態でないと許可されない。
【0208】
ステップSL16において、復帰キー、つまり「RETURN」キーのオンが検出されないと、別ルートキーが押されたか否かが判断される(ステップSL28)。つまり、ディスプレイ33に表示されたアイコンの「別ルート」が操作者によってタッチされたか否かが、タッチスイッチ34のオン・オフによって判断される。
【0209】
別ルートキーがオンされると、ルート数Nが「1」加算される(ステップSL24)。そして、再度新たな案内経路が探索される。探索された新たな案内経路は、第N番目の案内経路としてRAM5に記憶される(ステップSL26)。なお、このステップSL26の案内経路の探索においても、過去に探索された案内経路に使用されている道路は、選択されにくくされる。つまり、より小さな総合探索コストの道路が選択される場合、案内経路を構成する道路として選択されたものに、新たな探索コストが加算される。これにより、異なる道路によって構成された案内経路が複数探索される。
【0210】
また、このステップSL8、26によって探索される案内経路の探索条件は、第1番目に探索された案内経路と異なる探索条件にされてもよい。例えば、第1番目の探索経路が有料道路(高速道路)を優先使用する経路であれば、第2番目に探索される案内経路は、有料道路を使用しない経路となるように探索される。また、第1番目の案内経路が、最短距離で目的地まで到達する案内経路であれば、第2番目は、より広い道路を優先使用した案内経路となるように探索される。このように、繰り返される案内経路探索において、各々の経路探索条件が変更されてもよい。
【0211】
ステップSL26によって探索された案内経路は、第2画面に表示される。しかもそれまで第2画面に表示されていた案内経路が第3画面に表示される(ステップSL12)。なお、第3画面には、常時、図5の経路探索処理によって最初に探索された案内経路又は、現在案内中の案内経路が表示されてもよい。つまり、第2画面には、「別ルート」キーが押された毎に探索された、最新の案内経路が表示される。他方、第3画面には、現在案内中の経路が、常時表示される。これにより、元の案内経路と、再探索処理が行われた新しい案内経路とを直接的に比較できる。
【0212】
なお、本発明では、ルート数N=1の状態で、第3画面に表示される案内経路は、図5の経路探索処理で探索された案内経路に限定されない。つまり、図22の案内・表示処理において、新たに探索された案内経路が、案内対象経路として選択された場合、この新しい案内対象道路が基本の案内経路とされる。よって、1度、別ルート探索による新しい案内経路によって案内処理が行われている際に、再度別ルート探索が指示されると、その新しい案内経路が、分割画面の第3画面に表示される。
【0213】
図22のステップSL28において、別ルートキーのオンが検出されないと、ルート決定キーがオンされたか否かが判断される(ステップSL30)。このルート決定キーも、ディスプレイ33の画面に、アイコン「ルート決定」として表示される。そして、このアイコン表示部分が操作者によってタッチされたか否かが、タッチスイッチ34によって判断される。
【0214】
ルート決定キーが押されなければ、ステップSL38の「その他案内・表示処理」が実行される。そして、図22の処理が一度終了される。逆に、ルート決定キーが押された場合、第2画面、第3画面何れの案内経路が選択されたかが判断される(ステップSL32)。この案内経路の選択も、タッチスイッチ34のオン・オフによって判断される。第2画面の案内経路が選択されれば、ディスプレイ33の画面分割状態が解除される。そして、第2画面に表示されている案内経路が、解除された単一画面(第1画面)に表示される(ステップSL34)。そして、選択された案内経路に沿った車両の運行を助ける為の情報表示及び報知等の「その他の案内・表示処理」が実行される(ステップSL38)。
【0215】
また、第3画面の案内経路が選択されたときにも、ディスプレイ33の分割状態が解除される。そして、単一画面となったディスプレイ33の画面に選択された案内経路が表示される(ステップSL36)。さらに、選択された案内経路に沿った車両の運行を助ける為の情報表示及び報知等の「その他の案内・表示処理」が実行される(ステップSL38)。この後、図22の処理が終了され、図5のフローチャートに処理が戻される。
【0216】
図23は、画面分割前のディスプレイ33の表示画面の様子を示す。画面104には、図5の経路探索処理によって探索された最初の案内経路162が表示されている。さらに、この案内経路162上を走行している自車両の現在位置と走行方向とを示す記号100が表示されている。また、画面104に、ステップSL4の判断対象である「別ルート」のアイコン160が表示されている。
【0217】
図24は、ディスプレイ33の画面分割状態を示す。この画面分割状態は、図22のステップSL8が初めて実行された直後のディスプレイ33の画面の様子を示す。第2画面108には、ステップSL8の経路探索処理によって探索された新たな案内経路170が表示される。第3画面110には、図23で表示されていた案内経路162が表示されている。また、第2画面108、第3画面110には、アイコン164、166、168が表示されている。アイコン164は、「別ルート」を表す。アイコン166は、ステップSL30の判断対象である「ルート決定」キーを表す。アイコン168は、ステップSL16の判断対象である「RETURN」キー、つまり復帰キーを表す。
【0218】
図25は、図22のステップSL26実行直後のディスプレイ33の表示画面の様子を示す。第2画面108には、ステップSL26によって新たに探索された案内経路172が表示されている。第3画面には、図24の第2画面に表示されていた案内経路170が表示される。なお、アイコン164、166、168は、図24のアイコンと同じ機能が与えられている。
【0219】
図26は、図22のステップSL36によってディスプレイ33の画面が単一画面に戻された状態を示す。例えば、図25において、アイコン166が押され、第3画面110の案内経路170が選択される。案内経路170が選択されると、分割画面が解除される。そして、単一画面の第1画面104全体に案内経路170が表示される。なお、この画面分割解除後の画面104にアイコン160も表示されている。
【0220】
また、上記第4実施例に於いて、第2、第3画面それぞれに表示される経路を自由に選択できるようにしても良い。つまり、N回、別ルートが探索された場合、そのN個の別ルートの任意の1つが、第2画面に表示される。同じく、N個の別ルートの任意の1つが、第3画面に表示されてもよい。さらに、第2画面または第3画面に、表示される経路が固定されても良い。例えば、第3画面に、別ルートの再探索が指示される直前の元の経路が常時表示されても良い。しかも、第2、第3画面に表示される地図の縮尺についても、特に限定するものではなく、自車両の現在位置から目的地までの経路全体が各分割画面全体に表示されるように、縮尺が調整されても良い。または、分割前の縮尺を用いて、各分割画面の地図表示が行われてもよい。
【0221】
17.第5実施例の案内・表示処理
図27は、本発明の第5実施例の案内・表示処理のフローチャートを示す。この第5実施例の案内・表示処理では、自車両が現在案内中の案内経路から外れた場合に、その案内経路へ戻る復帰ルートと、新たに探索された別ルートまたは元の経路とが分割画面にそれぞれ表示される。
【0222】
初めに、自車両の走行位置が案内経路から外れたか否かが判断される(ステップSP2)。RAM5に記憶された現在位置情報PIと、案内経路データMWを構成する道路の地理座標とが比較される。これにより、自車両が案内経路上を走行しているか否かが判断される。自車両が案内経路上を走行していれば、「その他の案内・表示処理」が実行される(ステップSP42)。そして、案内経路に沿った車両の運行を補助する案内情報の報知及び表示等の処理が行われる。この後、図27の処理が終了され、図5のフローチャートに処理が戻される。
【0223】
しかし、案内経路上から自車両が外れた場合、画面分割状態か否かが判断される(ステップSP4)。画面分割状態なら、既に探索された二つの案内経路が左右の画面それぞれに表示されている。この場合、復帰キーがオンされるか、またはルート決定キーがオンされる場合がある。そこで、画面分割状態なら、ステップSP18の処理が実行される。
【0224】
しかし、画面分割状態でないなら、再探索指令が入力されたか否かが判断される(ステップSP6)。つまり、現在案内中の案内経路へ戻る経路を探索する処理の開始が指示されたか否かが判断される。この再探索指令は、ディスプレイ33の画面に表示された「再探索」、「別ルート」等のアイコンが操作者によってタッチされたか否かによって判断される。タッチの有無は、タッチスイッチ34のオン・オフによって判断される。
【0225】
再探索指令がないと、案内経路から自車両が外れた地図が、ディスプレイ33に継続して表示される。なお、この場合、案内経路から自車両が外れていることを警告する情報が随時報知されてもよい。再探索指令があれば、ルート数Nが「1」に初期設定される(ステップSP8)。そして、自車両の現在位置から案内経路に戻る経路が探索される。この復帰ルートの探索は周辺ルート探索処理である。この復帰ルートの探索では、案内経路へ向かう道路の選択条件がより優位になる重み付けが行われる。例えば、自車両の進行方向と逆方向に進む道路は、総合探索コストが大きくなるように、所定の探索コスト値が総合探索コストに加算される。同じように、案内経路方向とは、逆方向に進行する道路にも、探索コストが大きくなるように所定値が加算される。この結果、案内経路方向に進行する道路が優先的に選択される。
【0226】
この様にして案内経路へ戻る復帰ルートが探索されると、この復帰ルートが第N(N=1)番目の経路に設定される(ステップSP10)。そして、ディスプレイ33の画面が分割される(ステップSP12)。分割された画面における、第2画面に第N番目の案内経路が表示される(ステップSP14)。ここでは、N=1であり、現在案内中の案内経路への復帰ルートが第2画面に表示される。なお、この第N番目の案内経路は、自車両が外れてきた案内経路と異なる色彩等で表示される。つまり、もとの案内経路と、復帰ルートが識別可能なようにディスプレイ33に表示される。
【0227】
さらに、第3画面に第(Nー1)番目の案内経路が表示される。ここでは、N−1=0であり、図5の経路探索処理で探索された最初の案内経路又は、自車両が外れた時点での案内経路である。第2画面、第3画面に各々の案内経路が表示されると、ディスプレイ33の画面に表示されたアイコンの「RETURN」が押されたか否かが判断される(ステップSP18)。このアイコンの「RETURN」が押されたか否かは、タッチスイッチ34のオン・オフによって判断される。
【0228】
「RETURN」、すなわち復帰キーがオンされると、第2画面及び第3画面に表示される案内経路が、各々1つ前の案内経路とされる。なお、後述されるステップSP30の全ルート探索処理が繰り返されると、N個の案内経路が探索される。そして、上記復帰キーが押される直前では、第2画面に最新の第N番目の案内経路が表示されており、第3画面に第(N−1)番目の案内経路が表示されている。
【0229】
この状態で、復帰キーが押されると、第2画面には第(N−1)番目の案内経路が、第3画面には、第(N−2)番目の案内経路がそれぞれ表示される。つまり、復帰キーが押されると、ディスプレイ33の表示状態が、1つ過去の状態に戻される。これらの一連の処理が、ステップSP14〜SP22によって行われる。
【0230】
つまり、「RETURN」、すなわち復帰キーがオンされると、ルート数Nの値が「1」減算される(ステップSP20)。そして、ステップSP20の処理によって、ルート数Nの値が「1」より小さくなったか否かが判断される(ステップSP22)。ルート数Nの値が「1」より小さくない場合、再びステップSP14に戻って、処理が実行される。つまり、第2画面に、1つ前に探索された案内経路が表示される。同じように、第3画面には、2つ前に探索された案内経路が表示される。
【0231】
逆に、ルート数Nの値が「1」より小さいと、N=0の案内経路より古い探索経路はない。この場合、自車両が外れた時点で、案内が行われていた案内経路が選択される(ステップSP24)。そして、分割前の状態、つまり、元の経路と、その経路から外れた自車両とが一つの地図画面に表示される(ステップSP25)。この後、その他の案内・表示処理が実行され(ステップSP42)、図27の案内・表示処理が一旦終了される。この場合、経路の案内処理は行われず、単一画面に、元の経路と、その経路から外れた自車両とが表示される。
【0232】
また、ルート数N=1の状態で、「RETURN」キーがオンされた場合、分割を解除するのではなく、第2画面に復帰ルート、第3画面に自車両が外れてきた案内経路とが表示される状態が保持されても良い。この場合、第2画面、または第3画面の経路いずれかが選択されたときに、画面分割状態が初めて、解除されればよい。さらに、ルート数N=1の状態で、「RETURN」キーが押されると、もとの案内経路への復帰が要求されたと判断して、第2画面の復帰ルートが強制的に選択されても良い。
【0233】
なお、自車両が当初の案内経路から外れ、しかも画面分割状態で、図27の案内・表示処理のサブルーチンがコールされたときにも、ステップSP18の処理が最初に行われる。つまり、画面の分割表示状態で、復帰キーが押されたか、または後述されるルート決定キー等が押されたか否かの判断が実行される。また、再探索指令が1度入力されると、ディスプレイ33の画面は、分割状態にされる。その分割状態で、第2画面または第3画面の案内経路が操作者によって選択されないか、またはルート数N=0となるまで、復帰キー(RETURN)が繰り返して押されないと、その分割状態が継続される。しかし、案内経路が選択されると、その分割状態が解除され、単一画面とされると共に、決定された案内経路による案内処理が実行される。
【0234】
なお、図27の案内・表示処理は、自車両が最終案内地点に到達するまで繰り返し実行される。さらに、第2画面、第3画面に表示される地図の縮尺は、本実施例では、特に限定しないが、再探索された別ルートを表示する場合、そのルート全体が画面上に表示されるようにしても良い。又は、分割前の、第1画面に表示されていた地図の縮尺で、第2画面、第3画面に地図が表示されても良い。
【0235】
ステップSP18において、復帰キー、つまり「RETURN」キーのオンが検出されないと、再探索キーが押されたか否かが判断される(ステップSP32)。つまり、ディスプレイ33に表示されたアイコンの「再探索」が操作者によってタッチされたか否かが、タッチスイッチ34のオン・オフによって判断される。
【0236】
再探索キーがオンされると、ルート数Nが「1」加算される(ステップSP28)。そして、新たな案内経路が探索される。探索された新たな案内経路は、第N番目の案内経路としてRAM5に記憶される(ステップSP30)。なお、このステップSP30の案内経路の探索では、過去に探索された案内経路に使用されている道路は、選択されにくくされる。つまり、より値の小さな総合探索コストの道路が優先選択される場合、案内経路を構成する道路として既に選択されたものに、新たな探索コストが加算される。これにより、異なる道路によって構成された案内経路が複数探索される。このステップSP30における全ルート探索は、上記図22のステップSL8等と同様な処理が実行される。
【0237】
また、このステップSP30によって探索される案内経路の探索条件は、第1番目に探索された案内経路と異なる探索条件にされてもよい。例えば、第1番目の探索経路が有料道路(高速道路)を優先使用する経路であれば、第2番目に探索される案内経路は、有料道路を使用しない経路となるように探索される。また、第1番目の案内経路が、最短距離で目的地まで到達する案内経路であれば、第2番目は、より広い道路を優先使用した案内経路となるように探索される。このように、繰り返される案内経路探索において、各々の経路探索条件が変更されてもよい。
【0238】
ステップSP30によって探索された案内経路は、第2画面に表示される。しかもそれまで第2画面に表示されていた案内経路が第3画面に表示される(ステップSP14)。なお、第3画面には、常時、図5の経路探索処理によって最初に探索された案内経路又は、現在案内中の案内経路が表示されてもよい。つまり、第2画面には、「再探索」キーが押された毎に探索された、最新の案内経路が表示される。第3画面には、自車両が外れてきた案内経路が表示される。これにより、元の案内経路と、探索処理が行われた毎の新しい案内経路とを直接的に比較できる。
【0239】
さらにまた、第2、第3画面それぞれに表示される経路を、それぞれ自由に、ルート数Nによって指定及び表示されるようにしても良い。つまり、再探索がN回行われた場合、第2、第3画面それぞれに、N個のルートの一つが任意に選択表示可能とされても良い。
【0240】
なお、本発明では、ルート数N=1の状態で、第3画面に表示される案内経路は、図5の経路探索処理で探索された案内経路に限定されない。つまり、図27の案内・表示処理において、新たに探索された案内経路が、案内対象経路として選択された場合、この新しい案内対象道路が基本の案内経路とされる。よって、1度、再探索による新しい案内経路によって案内処理が行われている際に、再度再探索が指示されると、その新しい案内経路が、分割画面の第3画面に最初に表示される。
【0241】
ステップSP32において、再探索キーのオンが検出されないと、案内開始(ルート決定)キーがオンされたか否かが判断される(ステップSP34)。なお、ステップSP10の周辺ルート探索処理が実行された場合、第2画面には、復帰ルートが表示されている。また、第3画面には、当初の案内経路が表示されているが、自車両はこの案内経路上にない。よって、この第3画面の案内経路による経路の案内が要求されると、第2画面の復帰ルートを用いて経路の案内が行われてもよい。よって、第2画面に復帰ルートが表示されている場合、第2画面上にアイコンの「案内開始」が表示される。そして、ステップSP34の判断対象では、この案内開始キーが押されたか否かが判断される。
【0242】
また、ルート数N=1の状態で、第3画面(外れた案内経路)が選択された場合、なんら案内開始が行われないようにしても良い。この場合、分割前の単一画面に戻される。つまり、自車両が外れてきた案内経路と、自車両とが画面に表示される。つまり、ルート数N=1の状態で、「RETURN」キーが押された状態(ステップSP24、25)と同様な処理が行われる。
【0243】
しかし、ステップSP30の全ルート探索が繰り返された場合は、第4実施例と同じように、ディスプレイ33の画面に、アイコンの「ルート決定」が表示される。そして、このアイコン表示部分が操作者によってタッチされたか否かが、タッチスイッチ34によって判断される(ステップSP34)。
【0244】
案内開始(ルート決定)キーが押されなければ、ステップSP42の「その他案内・表示処理」が実行される。そして、図27の処理が一度終了される。逆に、ルート決定キーが押された場合、第2画面、第3画面何れの案内経路が選択されたかが判断される(ステップSP36)。この案内経路の選択も、タッチスイッチ34のオン・オフによって判断される。第2画面の案内経路が選択されれば、ディスプレイ33の画面分割状態が解除される。そして、第2画面に表示されている案内経路が、解除された単一画面(第1画面)に表示される(ステップSP38)。そして、選択された案内経路に沿った車両の運行を助ける為の情報表示及び報知等の「その他の案内・表示処理」が実行される(ステップSP42)。
【0245】
また、第3画面の案内経路が選択されたときにも、ディスプレイ33の分割状態が解除される。そして、単一画面となったディスプレイ33の画面に選択された案内経路が表示される(ステップSP40)。さらに、選択された案内経路に沿った車両の運行を助ける為の情報表示及び報知等の「その他の案内・表示処理」が実行される(ステップSP42)。この後、図27の処理が終了され、図5のフローチャートに処理が戻される。なお、これら分割解除後の表示地図縮尺についても、分割前の表示縮尺が用いられても良いし、異なる縮尺でもよい。
【0246】
図28は、画面分割前のディスプレイ33の表示画面の様子を示す。画面104には、図5の経路探索処理によって探索された最初の案内経路162が表示されている。さらに、この案内経路162から外れた自車両の現在位置と走行方向とを示す記号100が表示されている。また、画面104に、ステップSP4の判断対象である「再探索」のアイコン174が表示されている。
【0247】
図29は、ディスプレイ33の画面分割状態を示す。この画面分割状態は、図27のステップSP10が実行された直後のディスプレイ33の画面の様子を示す。第2画面108には、ステップSP10の周辺ルート探索処理によって探索された復帰ルート178が表示される。第3画面110には、図28で表示されていた案内経路162が表示されている。また、第2画面108、第3画面110には、アイコン174、176、168が表示されている。アイコン174は、「再探索」を表す。アイコン176は、ステップSP34の判断対象である「案内開始」キーを表す。アイコン168は、ステップSP18の判断対象である「RETURN」キー、つまり復帰キーを表す。
【0248】
図30は、図27のステップSP30が実行された直後のディスプレイ33の表示画面の様子を示す。第2画面108には、ステップSP30によって新たに探索された案内経路180と、最初に探索された案内経路162とが表示されている。第3画面には、図29の第2画面に表示されていた復帰ルート178が表示される。なお、アイコン174、168は、図29のアイコンと同じ機能が与えられている。なお、アイコン166は、ルート決定キーであり、図29の「案内開始」のアイコンに対応する。なお、図30の第2画面108には、二つの案内経路が表示されているが、これを案内経路180のみが表示されてもよい。
【0249】
図31は、図27のステップSP40によってディスプレイ33の画面が単一画面に戻された状態を示す。例えば、図30において、アイコン166が押され、第3画面110の復帰ルート178が選択されたとする。復帰ルート178が選択されると、分割画面が解除される。そして、単一画面の第1画面104全体に復帰ルート178と案内経路162が表示される。なお、この画面分割解除後の画面104にアイコン174も表示されている。
【0250】
図32は、上記第4実施例の図24、25及び第5実施例の図30の他の実施例を示す図である。この実施例では、案内経路の表示に合わせて、距離及び時間情報186が表示される。この距離及び時間情報には、当該経路による最終案内地点までの経路沿いの距離と、最終案内地点到着に要する所用時間とが表示される。例えば、図32の場合、案内経路182によって最終案内地点まで走行した場合の経路沿いの距離と、その距離を法定速度で走行した場合の所用時間とが情報186として表示される。
【0251】
図32の第3画面110でも、案内経路184の最終案内地点までの走行距離と、その距離を走行するのに必要な所用時間とが距離及び時間情報186に表示される。図33は、図22のステップSL26等が実行され、図32から案内経路の表示が切り換えられた状態を示す。この図33の距離及び時間情報186には、案内経路188の最終案内地点までの走行距離と、その距離を走行するのに必要な所用時間とが表示される。なお、図33の第3画面110は、図32の第2画面が複写される。
【0252】
また、図32、33において、経路の距離等の情報が表示される距離及び時間情報186には、次のような情報が表示されても良い。すなわち、データ送受信装置27によって受信されたVICS情報(経路中の混雑道路の情報、または工事情報等)や、当該経路における右左折回数等が表示されても良い。VICS情報には、道路の混雑情報等のみならず、経路周辺の駐車場の混雑情報等が含まれても良い。
【0253】
さらに、案内経路を構成する中心的な道路の名称(国道、県道名等)や、主要交差点名称(名称のある交差点のみ)が表示されるようにしても良い。このような道路名称、交差点名称などは、画面上に表示される「ルート情報」キーがオンされたときに、リスト形式で表示されても良い。つまり、画面上に、「ルート情報」のアイコンが表示されるようにする。そして、このアイコン「ルート情報」が操作者によってオンされると、第2、第3画面に表示されている各案内経路の詳細情報(道路名称等)が表示される。この詳細情報には、案内経路の目的地までの距離、所用時間、VICS情報等が含まれても良い。これにより、経路の選択に寄与するより多くの情報が多岐に表示されるので、経路の比較検討が容易になる。
【0254】
さらにまた、上記第4、第5実施例に於ける「別ルート探索」、「周辺ルート探索」「全ルート探索」の各探索処理において、探索コストにVICS等の外部から受信された交通情報が加味されても良い。つまり、外部から入信された道路の混雑情報に基づいて、当該混雑中の道路が選択されにくくすることで、混雑道路を迂回する経路が探索されるようにしても良い。
【0255】
また、上記第4、5実施例に於いて、各分割表示画面が、ヘディングアップ画面、ノースアップ画面、または絶対方位が、画面の4方向の何れかを向いているように表示されても良い。
【0256】
18.第6実施例の案内・表示処理
図34は、第6実施例の案内・表示処理のフローチャートを示す。第6実施例では、最初の案内経路上から自車両の走行位置が外れた場合、画面が2分割される。第2画面には、外れてきた案内経路の一部と車両の現在位置周辺とを含む道路地図が表示される。第3画面には、分割前に表示されていた、元の案内経路か、または目的地までの新しい案内経路である、再探索された全ルートが表示される。自車両が外れた元の案内経路は、図5の経路探索処理(ステップSA4)又は、後述される全ルート再探索(ステップSR20)によって探索された経路である。また、画面分割直後の第2画面には、元の案内経路に戻る復帰ルートが、直ぐには表示されない。しかし、復帰ルートによる案内開始が、操作者によって命令されると、その復帰ルートが画面上に明示される。なお、第2画面に表示される道路地図の縮尺は、復帰ルート全体が、第2画面に表示されるように調整される。
【0257】
図34について説明する。初めに、自車両の現在位置が案内経路上に存在するか否かが判断される(ステップSQ2)。この判断処理は次のように行われる。RAM5から現在位置情報PIと、案内経路データMWとが読み出される。現在位置情報PIの示す座標が、案内経路データMWを構成する道路の地理座標に略一致するか否かが判断される。一致すれば、自車両が案内経路上を走行している。逆に、一致しなければ、自車両が案内経路から外れて走行していることになる。
【0258】
自車両が案内経路上にあれば、ディスプレイ33の画面が分割状態か否かが判断される(ステップSQ14)。なお、このディスプレイ33の分割状態は、画面状態GJとしてRAM5に記憶されている。そこで、この画面状態GJのデータによって、ディスプレイ33が分割状態か否かが判断される。ディスプレイ33の画面が分割状態ならば、単一画面処理が実行される(ステップSQ16)。この単一画面処理では、ディスプレイ33の画面分割状態が解除される。そして、第3画面に表示されている道路地図が、ディスプレイ33の画面全体に表示される。
【0259】
なお、自車両が案内経路上にあるにも拘わらず(ステップSQ2)、画面が分割状態とは、自車両が1度、案内経路から外れた後、再び案内経路上に戻された状態を意味する。つまり、自車両が案内経路から外れると、後述されるルート外れ処理によって、画面が分割状態にされる。しかし、その分割状態において、経路探索または経路変更等の操作が操作者によって行われず、そのまま元の案内経路に復帰された場合に、ステップSQ2、SQ14、SQ16の処理が実行される。
【0260】
これは、操作者の意図によって、案内経路から自車両が一時的に外されるが、操作者の判断によって、再び、案内経路に自車両が戻された場合に実行される。すなわち、案内経路走行中に於いて、経路近傍の施設への急な用事ができた場合、一時的に案内経路から外されるが、この用事終了の後、案内経路に再び戻される場合がある。ところで、従来のナビゲーション装置に於いては、オートリルートモードがセットされた状態で、案内経路から自車両が外れたことが検知されると、自車両の現在位置から目的地までの新しい案内経路が、自動的に再探索されてしまう。
【0261】
しかし、この新しい案内経路が、必ずしも、目的地方向への最短距離で到達できるとは限らない。むしろ、外れた元の案内経路に戻った方が、より迅速に目的地に到達できる場合がある。このような場合、案内経路が自動的に再探索されず、操作者の意志によって自車両が元の案内経路に戻されたほうが良い。そこで、オートリルートモードがセットされていない状態で、自車両が再び元の案内経路に、操作者の意志によって戻された場合、上記ステップSQ2、SQ14、SQ16の処理が実行される。なお、オートリルートモードとは、案内中の経路から自車両が外れたことを検出して、自車両の現在位置から目的地までの経路が自動的に再探索されるモードである。
【0262】
図34において、画面分割状態でないか(ステップSQ14)、または画面分割が解除されると(ステップSQ16)、その他の案内・表示処理が実行される(ステップSQ26)。つまり、現在選択されている案内経路に沿って自車両が良好に走行できるよう、各種情報の表示及び報知等が行われる。例えば、右左折する交差点に接近した場合に、その交差点までの距離がディスプレイ33に表示される。このような「その他の案内・表示処理」が行われた後、図34の処理が終了され、図5のメイン処理に復帰される。
【0263】
他方、自車両が案内経路から外れている場合は(ステップSQ2)、復帰ルートによる案内処理中か否かが判断される(ステップSQ3)。つまり、後述されるサブルーチンの「ルート外れ処理」によって探索された復帰ルートによって元の経路への復帰中か否かが判断される。復帰ルートによる案内処理中ならば、ステップSQ20以降の、単一画面選択及び、第2、第3画面の表示処理が実行される。このステップSQ3の判断は、図34の処理が繰り返し実行された場合に於いて、「ルート外れ処理」が誤って実行されるのを防止するために行われる。なお、上記ステップSQ20以降の処理については、後述する。
【0264】
復帰ルートによる案内処理中でないと、サブルーチンの「ルート外れ処理」が実行される(ステップSQ4)。このサブルーチン「ルート外れ処理」については、後ほど詳細に説明されている。この「ルート外れ処理」では、はじめにディスプレイ33の画面が分割される。画面の分割は、ディスプレイ33の表示画面のほぼ中央を境界として、左右の画面に分割される。そして、表示画面に向かって左側の画面が第2画面、右側の画面が第3画面とされる。この画面の分割は、画像データが書き込まれるビデオメモリが、画面分割状態に応じて二つの領域に分割される。そして、各分割領域に、独立した画像データが書き込まれることによって、ディスプレイ33の表示画面が分割されて表示される。なお、ディスプレイ33が、はじめから二つのディスプレイ装置で構成されていても良い。
【0265】
画面が二つに分割された後、外れた元の案内経路まで戻る復帰ルートが探索される。なお、この復帰ルートは、分割された一方の画面(第2画面)に自車両の現在位置周辺の道路地図を表示する際に利用される。これに加えて、ナビゲーション装置のモードがオートリルートモードに設定されていれば、自車両の現在位置から最終案内地点までの経路が、自動的に再探索される。なお、分割直後の第2画面には、復帰ルートが明示されず、自車両の現在位置周辺の道路地図が表示される。
【0266】
図40は、最初に探索された案内経路146から自車両が外れた直後のディスプレイ33の状態を示している。記号100が自車両の現在位置と走行方向とを示している。この分割前のディスプレイ33の画面が第1画面である。第1画面の下部には、文字「縮小」、「拡大」、「全ルート」等のアイコン250、256、252が表示されている。「縮小」のアイコン250が、操作者によってタッチされると、第1画面に表示されている地図の縮尺が小さくされ、広域地図が表示される。
【0267】
また、「拡大」のアイコン256が、操作者によってタッチされると、第1画面に表示されている地図の縮尺が大きくされ、詳細地図または住宅地図が表示される。「全ルート」のアイコン252が、操作者によってタッチされると、自車両の現在位置から最終案内地点までの案内経路が再探索される。
【0268】
また、図41は、上記「ルート外れ処理」が実行された直後のディスプレイ33の表示画面の様子を示す。第2画面108には、案内経路146及び、その案内経路146から外れた自車両が、記号100として表示されている。第3画面110には、分割前の画面である第1画面に表示されていた地図が、同一縮尺によって表示されている。また、第2画面108の下部には、「全ルート」のアイコン252、「案内開始」のアイコン255、「縮小」のアイコン250、「拡大」のアイコン256が表示されている。「案内開始」のアイコン255は、復帰ルートによる案内開始を指示するために用いられる。
【0269】
図34に於いて、サブルーチンの「ルート外れ処理」が実行され、復帰ルートまたは全ルートが探索されると、案内開始キーのオンが検知されたか否かが判断される(ステップSQ6)。この案内開始キーは、上述されたように、第2画面上に、アイコンとしての文字「案内開始」が表示される。そして、この「案内開始」表示部分が操作者によってタッチされたか否かが、タッチスイッチ34から出力されるスイッチ信号によって判断される。
【0270】
この「案内開始」キーのオンは、元の案内経路へ戻る復帰ルートによる案内の処理を行わせるか否かの判断に用いられる。よって、「案内開始」キーがオンされれば、図34のステップSQ18以降の処理が実行される。つまり、復帰ルートが第2画面に明示され、所定の案内処理が実行される。しかし、「案内開始」キーのオンが検知されなければ(ステップSQ6)、次の条件判断が実行される。すなわち、自車両の現在位置から目的地までの、再探索された全ルートが指定されたか否かが判断される(ステップSQ8)。この全ルートの再探索は、オートリルートモード又は、操作者によって再探索が命令されたときに、行われる。
【0271】
この新しい全ルートが選択されると、それまで案内処理が実行されていた案内経路に替えて、新しい案内経路としてRAM5に記憶される(ステップSQ10)。さらに、この新しい案内経路を画面全体に表示すべく、ディスプレイ33の分割状態が解除される(ステップSQ12)。つまり、2つに分割されていた画面が、1つの画面に戻されると共に、その単一画面に新しい案内経路が表示される。この後、新しい案内経路に沿った情報報知・表示を行う「その他の案内・表示処理」が行われる(ステップSQ26)。そして、図34の処理が一旦終了され、図5の全体処理にフローが戻される。なお、単一画面に表示される新しい案内経路の縮尺は、分割前(第1画面)の縮尺が用いられる。
【0272】
他方、「案内開始」キーがオンされると(ステップSQ6)、画面分割時に探索された復帰ルートが第2画面に明示される(ステップSQ18)。この後、復帰ルートを1つの画面に表示するか否かの判断が行われる(ステップSQ20)。これは、ディスプレイ33の画面に表示された、例えば、「画面解除」のアイコンが、操作者によってタッチされたか否かによって判断される。画面解除が選択されれば、単一画面処理が実行される(ステップSQ12)。
【0273】
この単一画面処理では、分割状態のディスプレイ33の表示画面が解除されると共に、その単一画面に復帰ルート及び元の案内経路が表示される。なお、この復帰ルートの単一画面表示の縮尺は、第2画面表示時の地図縮尺又は、分割前の第1画面に表示されていた地図の縮尺が用いられる。単一画面処理の後、その他の案内・表示処理(ステップSQ26)が行われた後、図34の処理が一旦終了される。
【0274】
また、復帰ルートの単一画面表示が選択されない場合(ステップSQ20)、自車両の移動に伴い、サブルーチン「第2画面の表示調整」が実行される(ステップSQ22)。この「第2画面の表示調整」では、第2画面に表示される自車両の表示位置又は、地図縮尺の調整が行われる。つまり、第2画面には、復帰ルートと自車両とが表示されているが、この表示方法に次の2つが設けられている。第1の表示方法では、復帰ルートが自車両を中心として第2画面全体に表示される。第2の表示方法では、第2画面全体に復帰ルートが表示され、その復帰ルート上を自車両が移動するように表示される。つまり、第2の表示方法では、自車両の表示位置が、自車両の走行に伴って第2画面上を移動される。なお、これら、第1または第2の表示方法による「第2画面の表示調整」については、後述される。
【0275】
「第2画面の表示調整」の後、サブルーチン「第3画面の表示処理」が行われる(ステップSQ23)。このサブルーチン「第3画面の表示処理」では、画面分割前の第1画面に表示されていた地図が、そのまま第3画面に表示される。なお、この第3画面においても、自車両の走行に伴う、表示地図のスクロール処理等が行われる。この後、復帰ルートによる音声情報の報知等の処理である「選択ルートの音声等の案内処理」が実行される(ステップSQ24)。
【0276】
なお、第3画面では、第2実施例で実施されたノースアップまたはヘディングアップ状態で地図表示が行われる。上記ステップSQ24が実行された後、「その他の案内・表示処理」が実行される(ステップSQ26)。そして、処理が図5のメインフローチャートに復帰される。なお、上記第3画面の地図縮尺は、自車両の走行位置に伴って変化されてもよい。
【0277】
19.第6実施例のルート外れ処理
図35は、図34におけるサブルーチンの「ルート外れ処理」のフローチャートを示す。初めに、案内中の経路から外れた自車両が、この経路に戻る復帰ルート上を走行しているか否かが判断される(ステップSR2)。つまり、図35の一連の処理が実行された後では、復帰ルートが既に探索されている。復帰ルート探索後において、操作者によるルート選択等の操作が行われないと、図35の処理が繰り返し実行される。また、自車両が復帰ルート上にない場合、「復帰ルート探索処理」が実行される(ステップSR4)。なお、自車両が探索済みの復帰ルート上に無い状態には、復帰ルートが全く探索されていない状態も含まれる。つまり、自車両が元の経路から外れた直後の状態である。但し、自車両が既に探索された復帰ルート上にあれば、復帰ルートの探索処理はパスされる。この「復帰ルート探索処理」では、上記案内・表示処理の第5実施例における周辺ルート探索処理と同じ処理が実行される。
【0278】
つまり、自車両が外れてきた案内経路へ接続する経路の探索が行われる。しかも、この復帰ルート探索に於いては、元の案内経路へ向かう道路の選択条件がより優位になる重み付けが行われる。例えば、自車両の進行方向と逆方向に進む道路は、総合探索コストが大きくなるように、所定の探索コスト値が総合探索コストに加算される。同じように、案内経路方向へ向かう道路と、逆方向に進行する道路にも、探索コストが大きくなるように所定値が加算される。この結果、案内経路方向に進行する道路が優先的に選択される。
【0279】
そして、自車両が外れた案内経路の地点に最も近い目的地側の交差点と、自車両の現在位置とを結ぶ、最短経路が探索される。但し、自車両の現在位置と上記交差点とを結ぶ経路が発見できない場合は、次に近い目的地側の交差点と自車両とを結ぶ経路が探索される。このように、自車両の現在位置と、自車両が外れた地点より目的地側にある、元の案内経路の交差点とを結ぶ復帰ルートが探索される。なお、この復帰ル−トは、再探索条件によっては、自車輌の現在位置から目的地または立ち寄り地等までの経路とされることがあり、上記復帰地点P12が目的地または立ち寄り地に一致してしまうこともある。
【0280】
復帰ルートが探索されるか、または既に自車両が復帰ルート上にあれば、ディスプレイ33の画面が分割されているか否かが判断される(ステップSR6)。画面分割状態でないなら、ディスプレイ33の画面分割処理が実行される(ステップSR8)。つまり、表示される画像データが書き込まれる画像メモリが、その画面分割に適合するように、領域分割される。ここでは、上記各実施例と同じように、ディスプレイ33の画面中央を境界とされて、左右に分割される。
【0281】
そして、左側の画面が第2画面、右側の画面が第3画面とされる。なお、分割前の画面は第1画面である。ディスプレイ33が分割状態なら、ステップSR8の画面分割処理は実行されない(ステップSR6)。つまり、一度、自車両が案内中の経路から外れて、図34、35の処理が実行されると、ディスプレイ33の画面が分割される。その後、経路の選択等の操作が行われないと、画面分割状態が保持されている。この場合は、ステップSR8の画面分割処理は行われない。
【0282】
ステップSR8の処理によって画面が分割されると、「第2画面の初期表示」のサブルーチンが実行される(ステップSR10)。この「第2画面の初期表示」では、第2画面に、自車両と、外れてきた案内経路とが、最適縮尺で表示される。つまり、ステップSR4によって探索された復帰ルートにおける、元の案内経路への接続点(交差点等)と、自車両とが、第2画面に適正縮尺で表示される。なお、この「第2画面の初期表示」では、復帰ルートそのものは明示されない。但し、図34のステップSQ6の案内開始キーがオンされて、初めて復帰ルートが第2画面に表示される。この「第2画面の初期表示」については、後述される。
【0283】
「第2画面の初期表示」の後、当該実施例のナビゲーション装置のモードが、オートリルートモードか否かが判断される(ステップSR12)。オートリルートモードならば、自車両の現在位置が、再探索された全ルート上にあるか否かが判断される(ステップSR16)。ステップSR12、16等の処理は、ナビゲーション装置がオートリルートモードにセットされており、しかも新しい全ルートが再探索された後、操作者によって経路指定がされないと、図34、35の処理が繰り返される。そこで、ステップSR16の処理は、新しい全ルートが繰り返し再探索されることを防止すべく実行される。
【0284】
ところで、自車両が再探索された全ルート上にない場合には、全ルートが全く再探索されていない状態も含まれる。そこで、自車両が再探索された新しい全ルート上になければ、自車両の現在位置から最終案内地点までの全ルートが再探索される(ステップSR20)。そして、第3画面に、再探索された新しい全ルートが表示される。なお、この第3画面には、自車両が外れてきた元の案内経路が共に表示されてもよい。この第3画面の表示縮尺は、分割前の第1画面の縮尺でも良い。または、新しい全ルートが表示される場合は、その全ルート全体が画面に表示されるように縮尺が調整されても良い。さらに、この新しい全ルートが表示される際、第5実施例の図32、33等のように、新しく探索された経路の固有情報も同時に表示されても良い。つまり、自車両の現在位置から目的地までの経路の全長距離と、走行予測所用時間、主要道路名称、主要交差点名称等の情報が同時に表示されてもよい。この新しい経路の固有情報は、操作者の選択によって、リスト形式で表示されても良い。
【0285】
第3画面に再探索された全ルートが表示されると、図35の処理が終了され、図34の処理に戻される。また、オートリルートモードでないと(ステップSR12)、第3画面に、分割前のディスプレイ33の画面(第1画面)に表示されていた地図が表示される(ステップSR14)。つまり、元の経路から外れた自車両が、第3画面の中央となる地図が表示される。なお、この第3画面への地図表示に用いられる縮尺は、分割前の地図縮尺が用いられる。さらに、この第3画面には、自車両と、目的地と、元の案内経路とを含んだ地図が表示されても良い。つまり、地図縮尺が調整され、元の経路全体が表示されても良い。または、第2画面の地図表示に用いられる縮尺と同一縮尺で、第3画面に地図が表示されても良い。
【0286】
第3画面の地図表示が終了されると(ステップSR14)、全ルートキーがオンされたか否かが判断される(ステップSR18)。この全ルートキーのオン/オフは、ディスプレイ33に表示されたアイコン「全ルート」が操作者によってタッチされたか否かによって判断される。タッチの有無は、タッチスイッチ34の検出信号によって判断される。全ルートキーがオンされれば、上述された「全ルート再探索処理」が実行される(ステップSR20)。その後、再探索された全ルートが第3画面に表示される(ステップSR22)。
【0287】
全ルートキーが押されなければ、図35の処理が終了され、図34の処理にフローが戻される。
【0288】
20.第2画面の初期表示の第1実施例
図36は、図35の「第2画面の初期表示」の第1実施例を示す。図36の「第2画面の初期表示」では、自車両の現在位置が画面中心となるように、元の経路に戻るための地図情報として探索された復帰ルート全体が表示できる縮尺で地図が第2画面に表示される。但し、復帰ルートそのものは、第2画面に明示されない。
【0289】
初めに、復帰ルートと、自車両が外れた元の経路の一部とを構成する各道路のノード座標値がノードデータファイルF3等から読み出される(ステップST2)。ステップST2によって読み出された各ノードの座標値から、東経方向及び北緯方向の最大値(Emax、Nmax)及び最小値(Emin、Nmin)が検索される(ステップST4)。この東経及び北緯方向の最大値、最小値について、図47を用いて説明する。
【0290】
例えば、図47に於いて、ノードP20からノードP24へ結ばれた経路PC10が元の案内経路の一部とすると、点線で表示されたルートPC12及び一点鎖線の経路PC11が復帰ルートとする。つまり、ノードP22が、元の経路から自車両が外れた地点(以下、離反点(離脱地点))である。ノードP12が、探索された復帰ルートと元の案内経路との合流点(復帰地点)である。自車両の現在位置P10から合流点のノードP12までが、復帰ルートの未走行路になる。また、離反点のノードP22から自車両の現在位置P10までの経路PC11が、元の案内経路から外れた自車両が走行してきた道のりと仮定する。なお、元の案内経路における目的地は、ノードP24方向にあるとする。さらに、図47の上方が絶対方位の北方位とする。なお、復帰ルートは、自車両が、元の経路から外れた時点で直ちに探索される。したがって、実際には、経路PC11も復帰ルートの一部である。ここでは、説明の便宜上、自車両が復帰ルート上を現在位置P10まで移動してきたものとする。
【0291】
この図47の復帰ルートが第2画面に表示される場合、ルートPC12及び経路PC11の復帰ルート全体と、次の各ノードを繋ぐ経路とが表示される。すなわち、合流点のノードP12の両隣の、出発地側にあるノードP28と、目的地側にあるノードP24とを結ぶ元の経路が、復帰ルートと共に第2画面に表示される。なお、この復帰ルートの第2画面表示に於いて、離反点のノードP22から合流点のノードP12までの元の経路と、復帰ルートとが、全て第2画面に表示されても良い。
【0292】
さて、図47の復帰ルート(経路PC11及びルートPC12)の場合、東経方向の最大座標値を持つノードが、ノードP24になる。よって、ノードP24の東経座標値が最大値EmaxとしてRAM5に記憶される。同じように、北緯方向の最大座標値を持つノードがノードP12とすると、このノードP12の北緯座標値が最大値NmaxとしてRAM5に記憶される。
【0293】
また、東経方向の最小座標値を持つノードがノードP14とすると、このノードP14の東経座標値が最小値EminとしてRAM5に記憶される。北緯方向の最小座標値を持つノードがノードP16であれば、このノードP16の北緯座標値が最小値NminとしてRAM5に記憶される。
【0294】
なお、第2画面に、元の経路も共に表示される場合、以下のノード及び経路が含まれてもよい。すなわち、合流点であるP12から1つ目的地側にあるノードP24と、離反点のノードP22より出発地側にあるノードP26とを結ぶ元の経路とが、復帰ルートと共に第2画面に表示されてもよい。この場合、東経方向の最大値座標値を持つノードは、ノードP24となる。同じように、北緯方向の最大座標値を持つノードは、ノードP20となる。東経方向の最小座標値を持つノードは、ノードP26になる。北緯方向の最小座標値を持つノードは、ノードP16となる。そして、各ノードの座標値が、東経方向及び北緯方向の最大値(Emax、Nmax)及び最小値(Emin、Nmin)としてRAM5に記憶される。
【0295】
上記のようにして、最大値(Emax、Nmax)及び最小値(Emin、Nmin)が検出されると、自車両の現在位置P10の座標(GX、GY)から次の数式が計算される。
【0296】
|GX −Emax |・・・・(1)
|GX −Emin |・・・・(2)
なお、(1)、(2)は計算結果の絶対値が求められる。そして、(1)、(2)式の値において大きいものが、東経幅WEとしてRAM5に記憶される(ステップST6)。さらに、次の数式が計算される。
【0297】
|GY −Nmax |・・・・(3)
|GY −Nmin |・・・・(4)
なお、(3)、(4)式でも絶対値が求められる。そして、(3)、(4)式の値において大きいものが、北緯幅WNとしてRAM5に記憶される(ステップST8)。
【0298】
そして、東経幅WE及び北緯幅WNを表示できる地図の縮尺が、予め、情報記憶部37に記録された数値算出テーブル等を利用して求められる。つまり、第2画面上に、自車両が画面の中心となるように復帰ルートを内在させた道路地図が表示される。この道路地図が表示される際の縮尺が、数値算出テーブルを利用して求められる(ステップST10)。
【0299】
具体的に、図48を用いて説明する。図48に分割されたディスプレイ33の様子が表示されている。この第2画面108の有効表示領域は、水平幅HC6及び垂直高HC14とする。そして、この有効表示領域より、面積が約5パーセント小さな領域内に、復帰ルート等を含む道路地図が表示される。
【0300】
ここでは、有効表示領域より約5パーセント小さな領域が、水平幅HC4、垂直高HC10の範囲とする。この水平幅HC4の半分の幅HC2以内に、上記東経幅WEが収まると共に、垂直高HC10の半分の高さHC8以内に北緯幅WNが収まるように地図縮尺が求められる。このように復帰ルートを含む範囲の地図を表示する領域が、有効表示領域、つまり、表示画面の最大領域より小さくされるのは、画面端に有効な情報が表示されるのを防止するためである。すなわち、画面の端に有効な情報が表示されると、その情報が見づらい場合があるためである。
【0301】
数値算出テーブルには、東経幅WE及び北緯幅WNの値と、各地図縮尺値との数値対応関係を表すデータが格納されている。よって、東経幅WE及び北緯幅WNが上記各式によって求められると、その東経幅WE及び北緯幅WNに対応する地図縮尺値が数値算出テーブルより求められる。なお、この地図縮尺は、比例式等の演算によって求められても良い。
【0302】
例えば、地図縮尺が「MSA」であったとき、第2画面の実寸から、表示できる地図の地理的な距離が解る。よって、地図縮尺が「MSA」のときに、第2画面に表示された地図における画面縦方向の地理的な距離が「MYA」、画面横方向の地理的な距離が「MXA」とする。これら、地図縮尺に対する、表示可能な地理的距離が解れば、上記東経幅WE及び北緯幅WNの道路地図を表示するための適正縮尺は次の式によって求まる。
【0303】
MSA*WE/MXA・・・・(5)
MSA*WN/MYA・・・・(6)
この(5)、(6)式で与えられる縮尺のうち大きな値(広域地図表示可能な縮尺)のものが適正縮尺として選択される。上記数値算出テーブルには、各東経幅WE及び北緯幅WNに対する(5)、(6)式の演算結果による地図縮尺が保存されている。なお、(5)、(6)の計算は、第2画面にノースアップ地図が表示される場合に用いられる。
【0304】
ヘディングアップ地図が表示される場合は、各東経幅WE及び北緯幅WNに、以下の値による補正演算が行われる。つまり、絶対方位に対する自車両の進行方向角度を表す相対方位角データDθによる余弦値が求められる。そして、東経幅WE及び北緯幅WNからなる三角形の斜辺の距離に、上記余弦値が乗算される。この乗算値が、図48の幅HC2及び高さHC8以内に収まる地図縮尺が求められる。
【0305】
図48において、第2画面の画面下部にある間隔HC12には、アイコン「全ルート」「案内開始」等が表示される。この間隔HC12のアイコンの背景にも、道路地図等が表示されても良いし、この領域の背景に、地図情報が表示されなくてもよい。また、復帰ルートが表示される領域は、第2画面の有効表示領域より約5パーセント小さな領域に限定しない。つまり、有効表示領域より面積が、5パーセント以上小さくても良いし、1〜5パーセント小さなサイズでも良い。
【0306】
図36のステップST10によって地図縮尺が求められると、この求められた縮尺で、しかも自車両が画面中心となるように、復帰ルートを含む地図が第2画面に表示される(ステップST12)。なお、ここでは、復帰ルートそのものは、また明示されない。この後、フローは図35に戻される。つまり、第3画面の表示処理等が行われる。
【0307】
なお、上記実施例に於いて、復帰ルートPC12が第2画面に表示される際、合流点であるノードP12の両隣のノードP28、24を結ぶ元の経路部分も同時に表示された。しかし、合流点であるノードP12のみが含まれるように、復帰ルートPC12が第2画面に表示されても良い。さらに、離反点のノードP22乃至、合流点P12までの復帰ルート全体が完全に含まれる範囲の地図が第2画面に表示されても良い。
【0308】
21.「第2画面の初期表示」の第2実施例
図37は、図35の「第2画面の初期表示」の第2実施例のフローチャートを示す。この「第2画面の初期表示」の第2実施例では、自車両の現在位置が必ずしも、画面中心となるように復帰ルートが表示されない。つまり、最初に求められた復帰ルートの全体を含む範囲の地図が第2画面に均等に表示され、その状態が保持される。よって、自車両は、第2画面に表示された地図上を移動するように表示される。
【0309】
初めに、復帰ルートを構成する各道路のノード座標値が読み出される(ステップSU2)。ステップSU2によって読み出された各ノードの座標値及び自車両の現在位置座標値から、東経方向及び北緯方向の最大値(Emax、Nmax)及び最小値(Emin、Nmin)が検索される(ステップSU4)。この処理は図36のステップST4と同じである。なお、本実施例においても、復帰ルートは、経路PC11及びルートPC12から構成されている。また、復帰ルートを含む地図が第2画面に表示される際、ノードP28〜P24間の元の経路の一部(図47)も同時に表示されるものとする。
【0310】
なお、このノードP28〜P24間の元の経路が表示されず、合流点のノードP12から、離反点のノードP22または自車両の現在位置P10までのルートPC12のみを含む範囲の地図が表示されても良い。さらに、上記第1実施例の「第2画面の初期表示」と同じように、ノードP26からノードP24までの元の経路と、復帰ルート全体とを含む範囲の地図が第2画面に表示されても良い。以下の説明では、上記ノードP28〜P24間の元の経路と、離反点のノードP22から合流点のノードP12までの復帰ルートとが第2画面に表示される場合について説明する。
【0311】
例えば、図47の復帰ルート(経路PC11及びルートPC12)において、東経方向の最大座標値を持つノードは、ノードP24になる。よって、ノードP24の東経座標値が最大値EmaxとしてRAM5に記憶される。同じように、北緯方向の最大座標値を持つノードは、ノードP12になる。よって、ノードP12の北緯座標値が最大値NmaxとしてRAM5に記憶される。
【0312】
東経方向の最小座標値を持つノードは、ノードP14(またはノードP22)である。よって、ノードP14の東経座標値が最小値EminとしてRAM5に記憶される。北緯方向の最小座標値を持つノードは、ノードP16である。よって、ノードP16の北緯座標値が最小値NminとしてRAM5に記憶される。そして、各東経、北緯方向各々の最大値、最小値から次の数式が計算される(ステップSU6)。
【0313】
Emax−Emin=XE・・・・(7)
Nmax−Nmin=YN・・・・(8)
そして、東経間隔XE及び北緯間隔YNを表示できる地図の縮尺が、予め情報記憶部37に記録された数値算出テーブルを利用して求められる(ステップSU8)。第1実施例の「第2画面の初期表示」と同じように、図48の水平幅HC4以内に東経間隔XEが収まると共に、垂直高HC10以内に北緯間隔YNが収まる地図縮尺が数値算出テーブルによって求められる。
【0314】
なお、この数値算出テーブルには、各東経間隔XE及び北緯間隔YNが与えられたとき、水平幅HC4及び垂直高HC10で囲まれる、第2画面の表示領域内に、正しく、復帰ルート及び元の経路の一部が表示できる縮尺値が保存されている。つまり、各東経間隔XE及び北緯間隔YNに対応した縮尺値が数値算出テーブルに保存されている。なお、この地図縮尺値は、演算によって直接に求められても良い。例えば、任意の縮尺で第2画面に地図が表示されたとき、表示される地理的な距離、すなわち、東経方向の距離と、北緯方向の距離とは、第2画面の実寸からわかる。よって、特定の東経間隔XE及び北緯間隔YNを、正しく第2画面に表示できる地図縮尺は、比例式によって算出できる。上記数値算出テーブルには、このような東経間隔XE及び北緯間隔YNと地図縮尺との対応関係が保存されている。
【0315】
なお、水平幅HC4及び垂直高HC10で囲まれる領域は、上記第1実施例の「第2画面の初期表示」と同じように、有効表示領域より約5パーセント小さくされている。ステップSU8によって地図縮尺が求められると、この求められた縮尺で、しかも、東経座標(Emin+XE/2)、北緯座標(Nmin+YN/2)が画面中心となるように、復帰ルートを含む範囲の地図が第2画面に表示される(ステップSU10)。この後、フローは図35に戻される。なお、本第2実施例では、復帰ルートを含む地図がノースアップ状態で表示される。
【0316】
図41は、自車両が案内経路を外れた直後の、ディスプレイ33の様子を示す。つまり、第2画面108には、元の経路146と、自車両の現在位置を表す記号100とが表示されている。但し、探索された復帰ルートそのものは、まだ表示されておらず、復帰ルートに基づく経路案内は行われていない。また、アイコン252、255も同時に表示されている。アイコン252は、図35における全ルート再探索処理の開始を指示するスイッチを表している。また、アイコン255は、復帰ルートによる案内開始を指示するスイッチを表している。アイコン250、256は、第3画面の地図縮尺をマニュアルによって変更するためのスイッチである。
【0317】
図42は、復帰ルート258が第2画面に表示されている様子を示す。この図42は、図41の表示状態に於いて、案内開始キー(アイコン255)が押された時点のディスプレイ33の様子を示す。つまり、図41のように復帰ルートが表示されていない状態から、復帰ルートが点線258のように明示される。なお、実際の表示画面では、復帰ルートが、元の案内経路146と異なる色で表示されるか、または同一色彩で表示される。なお、図41、42では、離反点(図42の交点261)の隣にある、案内経路の出発地側のノードと、合流点(図42の交点259)の隣にある、案内経路の目的地側のノードとを結ぶ元の案内経路も表示されている。
【0318】
図43は、図41の表示状態に於いて、自車両がさらに案内経路からより遠くに外れた場合を示している。つまり、図41の状態では、一度、復帰ルートが探索される。その後、その復帰ルートから再度自車両が外れると、図35のステップSR2、SR4の処理により、新たな復帰ルートが探索される。そして、この新しい復帰ルートを含む道路地図が第2画面108に表示される。但し、この図43においても、案内開始キーが押されていないので、復帰ルートは明示されておらず、復帰ルートに基づく経路案内は行われていない。この図43の状態で、案内開始キーが押されると、図44の様に、復帰ルートが点線260のように明示される。
【0319】
図44は、復帰ルートが第2画面に点線260で明示されている様子を示す。この図44は、図43の表示状態に於いて、案内開始キー(アイコン255)が押された時点のディスプレイ33の様子を示す。つまり、図43のように復帰ルートが表示されていない状態から、復帰ルートが点線260のように明示される。なお、実際の表示画面では、復帰ルートが、元の案内経路146と異なる色で表示されるか、または同一色彩で表示される。
【0320】
図45は、復帰ルート260の表示応用例を示す。つまり、案内開始キーが押されると、自車両の現在位置(記号100の位置)から合流点263までを繋ぐ復帰ルート260と、合流点263から目的地までの案内経路146のみが、第2画面に明示される。よって、案内経路の不要部分、すなわち、既に走行してきた部分等は、第2画面に表示されない。
【0321】
22.「第2画面の表示調整」(図34のステップSQ22)の第1実施例
図38は、本発明の第6実施例(図34)における第2画面の表示調整(ステップSQ22)のフローチャートを示す。図38の「第2画面の表示調整」では、自車両の走行に伴う、第2画面の復帰ルート表示位置調整等が行われる。つまり、復帰ルートに沿って自車両が走行された場合、自車両の現在位置から合流点までの復帰ルートと、合流点近傍の案内経路等が、第2画面に最大表示される。なお、図38の「第2画面の表示調整」では、復帰ルートを含む道路地図が、自車両を画面中心に表示される。
【0322】
初めに、復帰ルートの残存ルート、つまり未走行ルートを構成する各道路のデータが情報記憶部37から読み出される。そして、読み出された道路データの各ノード座標値がノードデータファイルF3等から読み出される(ステップSV2)。ステップSV2によって読み出された各ノードの座標値から、東経方向及び北緯方向の最大値(Emax、Nmax)及び最小値(Emin、Nmin)が検索される(ステップSV4)。
【0323】
このステップSV4の処理は、図36のステップST4と同じである。そして、自車両の現在位置座標(GX、GY)と、各最大値(Emax、Nmax)及び最小値(Emin、Nmin)とから次の数式が計算される。
【0324】
|GX −Emax |・・・・(9)
|GX −Emin |・・・・(10)
なお、式(9)、(10)では、計算結果の絶対値が求められる。そして、(9)、(10)式の値において大きいものが、東経幅WEとしてRAM5に記憶される(ステップSV6)。さらに、次の数式が計算される。
【0325】
|GY −Nmax |・・・・(11)
|GY −Nmin |・・・・(12)
なお、式(11)、(12)では、計算結果の絶対値が求められる。そして、(11)、(12)式の値において大きいものが、北緯幅WNとしてRAM5に記憶される(ステップSV8)。
【0326】
また、第2画面に現在表示されている地図の縮尺KAPが識別される(ステップSV10)。そして、識別された縮尺KAPによって表示できる東経方向の地理的な距離REと、北緯方向の地理的な距離RNとが求められる(ステップSV12)。なお、この距離RE、RNは、情報記憶部37またはROM4に記憶された数値算出テーブルが用いられても良いし、比例式等の演算式で求められても良い。ここでの数値算出テーブルは、上記「第2画面の初期表示」で説明した数値算出テーブルと同様のものである。つまり、各地図縮尺で第2画面に地図が表示されたとき、第2画面上の縦及び横方向の、表示可能な地理的距離が、その地図縮尺と対応して保存されている。そして、この数値算出テーブルを用いて、上記距離RE、RNが求められる(ステップSV12)。
【0327】
次に、東経幅WEと距離REとの大小比較及び、北緯幅WNと距離RNとの大小比較が行われる。そして、東経幅WEが距離RE以上か、または北緯幅WNが距離RN以上であると、縮尺KAPはより広い地理範囲の地図が表示できる値に変更される(ステップSV16)。つまり、自車両の移動によって、第2画面上に復帰ルートの残存ルートが表示できなくなった場合に、ステップSV16の処理が実行される。
【0328】
しかし、東経幅WEが距離REより短く、かつ、北緯幅WNが距離RNより短いと、東経幅WE及び北緯幅WNが適正に表示できる縮尺KAPであるか、否かが判断される(ステップSV18)。つまり、東経幅WEが距離REよりかなり短いか、または、北緯幅WNが距離RNよりかなり短くなっていないかどうか判断される。東経幅WE<<距離REか、または北緯幅WN<<距離RNとは、自車両の移動に伴い、第2画面に表示すべき復帰ルートの地理範囲が狭くなってきたことを表している。この場合、縮尺KAP値は、地図がより狭い地理的範囲を表示できる縮尺値に変更される(ステップSV20)。つまり、詳細地図が表示される地図縮尺に変更される。
【0329】
ステップSV16、SV20によって縮尺KAPが調整されると、再度ステップSV14、SV18の判断処理が実行される。つまり、縮尺KAPの値が、東経幅WE及び北緯幅WNが最も適正に表示できるように増減される。そして、適正縮尺KAPがステップSV14、SV18で求められると、復帰ルートの残存経路が、自車両を画面中心として第2画面に表示される(ステップSV22)。この後、処理は、図34の案内・表示処理に戻される。このように、復帰ルートによる案内開始が選択された後、自車両が走行されると、合流点までの復帰ルートの残存部分が減少する。そこで、「第2画面の表示調整」の第1実施例では、減少する復帰ルートの残存部分に合わせて、地図縮尺が調整される。例えば、復帰ルートの残存部分が短くなり、表示すべき地理的範囲が狭くなると、第2画面の表示地図縮尺が、小さくされる。この結果、より詳細地図が第2画面に表示される。
【0330】
なお、地図の縮尺KAPは、予め情報記憶部37に記録されたテーブルを利用して求められてもよい。つまり、第2画面上に、自車両が画面の中心となり、しかも残存復帰ルートが効率よく地図上に表示される縮尺KAPが、情報記憶部37等に記憶された数値算出テーブル等を利用して直接的に求められてもよい。なお、縮尺KAPは、残存復帰ルート等が、第2画面の有効表示領域より多少面積の小さな領域に、適正表示できる値とされる。これは、図36、37の「第2画面の初期表示」処理と同一である。
【0331】
23.「第2画面の表示調整」(図34のステップSQ22)の第2実施例
図39は、「第2画面の表示調整」の第2実施例のフローチャートを示す。この「第2画面の表示調整」の第2実施例は、図37の「第2画面の初期表示」に対応している。つまり、自車両の走行に伴って減少する復帰ルートの残存部分を、第2画面に効率良く表示する地図縮尺が随時求められる。図39において、初めに、自車両の現在位置から復帰ルートの合流点までの未走行道路データが情報記憶部37から読み出される。この残存する復帰ルート及び、元の案内経路の合流点近傍の経路を構成する各道路のノード座標値がノードデータファイルF3等から読み出される(ステップSW2)。ステップSW2によって読み出された各ノードの座標値及び自車両の現在位置座標値から、東経方向及び北緯方向の最大値(Emax、Nmax)及び最小値(Emin、Nmin)が検索される(ステップSW4)。この処理は図37のステップSU4と同じである。
【0332】
そして、各東経、北緯方向各々の最大値、最小値から次の数式が計算される(ステップSW6)。
【0333】
Emax−Emin=XE・・・・(13)
Nmax−Nmin=YN・・・・(14)
そして、水平距離XE及び垂直距離YNを表示できる地図の縮尺が、予め情報記憶部37に記録された数値算出テーブルを利用して求められる(ステップSW8)。つまり、第2画面上に、復帰ルートの残存部分が、適正表示される縮尺が求められる。なお、この適正縮尺の算出は、図37の「第2画面の初期表示」と同じ処理が実行される。本実施例では、第2画面に表示される地図が固定されており、自車両がその表示地図上の復帰ルート上を移動するように表示される。但し、地図の縮尺は、自車両の移動に伴って変化する場合がある。
【0334】
ステップSW8によって地図縮尺が求められると、この求められた縮尺で、しかも東経座標(Emin+XE/2)、北緯座標(Nmin+YN/2)が画面中心となるように、未走行の復帰ルートと、合流点を中心とした元の案内経路の一部とが、第2画面に表示される(ステップSU10)。そして、フローは図34に戻される。なお、本実施例の「第2画面の表示調整」は、第2画面に表示される復帰ルートが、図27の「第2画面の初期表示」によって表示された場合に、図34のステップSQ22として行われる。また、復帰ルートを含む地図が、図37の「第2画面の初期表示」の処理によって表示された場合、図39の「第2画面の表示調整」は行われなくてもよい。つまり、第2画面に最初に表示された復帰ルート等を含む地図が縮尺固定で表示されると共に、自車両の移動に伴う地図縮尺の調整が行われなくてもよい。
【0335】
図46は、第2画面表示の応用例を示す。例えば、復帰ルートが矢印268で表示される。又、復帰ルートが第2画面に表示されないとき、復帰ルートと元の経路とが交わる、合流点のみが、印262によって明示されても良い。また、復帰ルートが明示されたときでも、合流点が印262によって表示されても良い。さらに、元の案内経路における目的地の方向が、目的地方向マーク264によって表示されてもよい。
【0336】
上記目的地方向マーク264の表示処理について簡単に説明する。第2画面に表示されている元の案内経路と、ディスプレイ33の第2画面108に表示されている地図画面の端との交点が計算される。この処理では、上記案内経路データMWを構成する各道路の中から、画像プロセッサ9によってディスプレイ33に表示されている座標の範囲内に含まれる道路データが読み出される。そして、この道路データの中から、登録目的地TPに最も近い道路が求められる。案内経路データMWは、案内開始地点から登録目的地までの間を結ぶ道路ナンバデータが順番に並べられて構成されている。従って、この順番(アドレスナンバ)が最も大きい道路ナンバが登録目的地に最も近い道路である。
【0337】
さらに、この道路を構成するノードの中から、ディスプレイ33に表示されている座標範囲内のものが読み出される。そして、この各ノードの中で、最も順番(アドレスナンバ)が大きいノードND1が選択される。このノードND1と、この次のアドレスナンバのノードND2とを結ぶ直線がディスプレイ33の画面端部と交差する点の座標データが求められる。求められた座標データは、交点データCPとしてRAM4に記憶される。
【0338】
次に、ディスプレイ33に表示されている案内経路の目的地方向を求める処理が行われる。この処理も種々考えられるが、例えば、上記交点データCPの座標(またはノードND1の座標)と上記ノードND2の座標とを結ぶ直線の絶対方位に対する傾き角(Tanθ1)が目的地の方向になる。
【0339】
次に、計算した交点CPに目的地方向を示す目的地方向マーク264を表示する処理が行われる。この処理は、例えば次のように実行される。情報記憶部37またはROM4には、目的地方向マークに用いられる矢印のキャラクタパターンデータが記憶されている。そして、上記交点データCPに応じて、上記目的地方向を示す矢印となるように矢印のキャラクタパターンが回転される。このキャラクタパターンデータは画像プロセッサ9へ送られて、画像データに組み込まれる。これにより、目的地方向マーク264が交点データCPによって示される座標に表示される。実際には、矢印の先端が交点データCPの座標に一致するように、目的地方向マークの座標には交点データCPに対する偏差が設けてある。
【0340】
以上説明してきたように、案内・表示処理の第6実施例では、自車両が案内経路から外れた際に、その案内経路へ戻るための復帰ルートが一旦探索される。そして、第2画面に、復帰ルート等が適正表示される縮尺で、自車両近傍の道路地図が表示される。そして、操作者の選択により、復帰ルートを用いた、元の案内経路への案内処理が行われる。また、この復帰ルートの案内処理では、操作者の選択により2画面表示または1画面表示とされる。また、復帰ルートが操作者の希望にそぐわない場合、操作者の命令に応じて、目的地までの案内経路が新たに探索される、全ルート探索が行われる。つまり、自車両の走行位置に応じた、案内経路の選択が可能である。
【0341】
なお、上記各実施例における案内開始、復帰ルート探索、ルート決定等の操作は、本発明では、車両が停止または徐行速度以下で走行しているときにのみ操作可能とされる。
【0342】
以上の様に、本実施例によれば、操作者の意図によって、一時的に案内経路から自車両が逸れて走行されても、元の案内経路と自車両近傍とを含む道路地図が、分割されたディスプレイ33の一方の画面に表示される。しかも、この自車両近傍の道路地図は、元の経路から外れた地点から、元の経路との合流点までの復帰ルートが表示された場合における適正縮尺で表示される。この復帰ルートは、ナビゲーション装置によって自動探索された、自車両の現在位置、または元の経路から外れた地点から元の案内経路の推奨合流点までの推奨経路である。
【0343】
これにより、自車両が、操作者によって、意図的に案内経路から外されても、自車両の現在位置と、元の案内経路との位置関係などの必要な地図情報を、迅速に確認できる。しかも、案内開始が指示されれば、元の経路に戻るための案内処理が、復帰ルートの表示と共に開始される。従って、案内経路走行中に於ける、急用等による一時的な経路外れが発生されても、迅速に案内経路へ復帰する事が可能になる。
【0344】
また、分割画面の他方の画面には、分割前に表示されていた地図が、同一縮尺で表示されるので、地図表示の切り替えに伴う状況混乱が防止できる。つまり、ディスプレイ33に表示される、地図が変更されると、通常、表示されている自車両の現在位置及び地図情報の把握により多くの時間が必要であり、画面への意識の集中が発生される。この結果、車両前方への意識の欠落が生じるおそれがある。しかし、本実施例では、分割前に表示されていた地図がそのまま、分割後の他方の画面に表示されるので、そのような画面への意識の集中を未然に防止できる。
【0345】
さらに、従来の単一画面による自車両の現在位置周辺の地図が表示されていた場合、表示縮尺によっては、案内経路が完全に画面から消失する場合がある。つまり、分割前の画面に詳細地図が表示されている場合、自車両が案内経路から遠く離れるにつれて、案内経路が画面から消失する状態が生じてくる。この場合、自車両の現在位置に対する、元の案内経路の方向が分からず、迅速に元の経路へ戻ることができない。また、このような場合に於いて、自車両の現在位置から目的地までの案内経路が再探索されても、その新しい案内経路が、目的地到着時間がより多くかかり、元の案内経路へ復帰した方が好ましい場合がある。しかし、本実施例によれば、外れた元の経路と、自車両との相対位置が分割画面の一方に的確に表示されるので、自車両の現在位置に対する元の案内経路の位置及び方向を的確に把握できる。つまり、元の経路に戻ることと、新しい案内経路を使用した場合の条件比較が容易にできる。
【0346】
なお、上記本第6実施例においては、分割画面の第2画面に表示される地図の種類については特に限定しない。つまり、道路地図でも、住宅地図でも良い。なお、住宅地図とは、住居等の施設情報を含む道路地図のことである。さらに、本第6実施例では、第2画面の地図縮尺は、復帰ルート全体が最大限に表示されるよう定められたが、それ以上の地図縮尺でも良い。つまり、復帰ルートを含む、より範囲の広い地図が、第2画面に表示されるようにしても良い。さらにまた、復帰ルート探索に於いて、VICS情報等の外部から送信される情報を考慮した経路探索が行われてもよい。つまり、道路混雑情報等をもとに、その混雑道路が復帰ルートとして選択されないようにしても良い。
【0347】
さらにまた、自車両が元の経路から外れた後の、走行路が累積的に記憶され、その走行路と復帰ルートとを含む範囲の地図が第2画面に表示されても良い。つまり、自車両が元の経路から外れて、任意の時間が経過した後では、自車両が元の経路から外れた直後に探索された復帰ルート上を走行してきたとは限らない。そこで、自車両が、元の経路から外れたことが検出されると、自車両の現在位置の変化が、東経及び北緯方向の移動座標として順次RAM5に記憶される。しかも、その移動座標の記憶の際、東経方向の最大値座標、最小値座標及び、北緯方向の最大値座標、最小値座標として記憶される。つまり、自車両の地理的な移動範囲が、東経及び北緯方向の最大値、最小値として記憶される。そして、第2画面に、復帰ルート等を含む地図が表示される際、元の経路から外れた地点から自車両の現在位置までの移動地理範囲を含む地図が表示されても良い。
【0348】
また、上記では復帰ル−ト(復帰経路)を内在した地図情報が、分割画面(第2画面等)に表示される縮尺は、復帰ル−ト全体が表示できる縮尺であったが、これ以下の縮尺、詰まり、復帰ル−トの一部が欠ける縮尺とされることもある。
【0349】
24.最寄り施設設定処理
図49は、本発明の第7実施例における最寄り施設設定処理のフローチャートを示す。この最寄り施設設定処理は、図5の目的地設定処理またはその他の処理で実行される。最寄り施設処理では、自車両の現在位置付近または案内経路途中にある、最終目的地以外の立ち寄り施設の検索及び選択処理が行われる。立ち寄り施設とは、次のようなものがある。例えば、燃料補給のためのガソリンスタンド、食事の為のレストラン、銀行、郵便局、買い物のためのスーパーなどがある。つまり、最終目的地以外の施設であって、日常生活において必要な用事を済ませるための各種施設が該当する。
【0350】
図49の最寄り施設設定処理が要求されると、初めに、立ち寄り施設を特定するためのジャンルがディスプレイ33に表示される。そして、そのジャンルリストを用いて1つのジャンルが指定される。その指定されたジャンルに該当する施設が第2画面の地図上に表示される。このとき、第3画面には、検索施設の絞り込み条件である販売品目名のリストが表示される。第3画面の販売品目名リストから特定品目名が指定される。
【0351】
すると、第2画面に上記販売品目名のリストが表示される。さらに、その販売品目名に該当する施設のみが、第3画面の地図上に表示される。このように、立ち寄り施設を指定するのに、大きな範疇から順により狭い範疇が順次指定される。しかも、その指定による検索結果が分割画面に表示される。加えて、直前に指定された範疇による検索結果か、または検索条件も同時に表示される。
【0352】
図49を説明する。初めに、ジャンル選択の要求が操作者からなされたか否かが判断される(ステップSX2)。ジャンル選択の要求は、ディスプレイ33に表示されたアイコンの「立ち寄り地設定」等の文字部分が押されることで、入力される。ジャンル選択の要求がない場合、図49の処理が終了される。そして、図5の全体処理にフローが戻される。しかし、ジャンル選択の要求が入力されれば、ジャンル選択用のリストがディスプレイ33の画面に表示される(ステップSX4)。
【0353】
図50は、ディスプレイ33の第1画面104に表示されるジャンルリストの例を示す。図50に示されるリスト270の各欄に、ジャンル(例えば、コンビニエンスストアー、ファミリーレストラン、ガソリンスタンド等)の名称が表示される。
【0354】
ジャンルリストが表示されると、当該ジャンルリストから1つのジャンルが選択されたか否かが判断される(ステップSX6)。ジャンルの選択が行われない場合、つまり、一定時間の間、タッチスイッチ34の操作が行われないと、図49の処理が強制的に終了される(ステップSX6)。そして、処理は図5の全体処理に戻される。しかし、特定のジャンルが指定されると、自車両の現在位置から所定距離の圏内に存在する指定ジャンルに該当する施設が、施設データファイルF16から検索される(ステップSX8)。つまり、施設データファイルF16内の各施設から指定ジャンルに該当する施設のみが検索される。さらに、その検索された各施設の東経座標SEO及び北緯座標SNOから、自車両の現在位置との地理的な直線距離が算出される。
【0355】
この算出された直線距離が所定距離以内にある各施設の識別番号が、検索施設番号GBnとしてRAM5に、一時的に記憶される。選択ジャンルに該当する施設の抽出が終了されると、次にディスプレイ33の表示画面の分割処理が実行される(ステップSX10)。そして、ステップSX8によって抽出された各施設が第2画面の地図上に表示される(ステップSX12)。さらに、第3画面には、販売品目名やブランド名のリストが表示される。例えば、図50に示される第1画面において、ジャンルの中のガソリンスタンドが選択されれば、販売品目名であるガソリンスタンドの銘柄(販売商品名)のリストが、図51のように、第3画面に表示される(ステップSX14)。
【0356】
また、ジャンルに銀行が指定されれば、ステップSX14の処理によって、銀行各社の名前が第3画面にリスト表示される。なお、レストランが指定された場合、各レストランの店名がリスト表示される前に、中華、和食、洋食という種類リストが先に表示されても良い。この場合、後述される検索条件の重畳(ステップSX18等)が繰り返される。
【0357】
図51は、ディスプレイ33の画面が分割された状態を示している。第2画面108には、第1画面で指定されたジャンルに該当する施設が抽出され、自車両を中心とする地図上に表示される。また、第3画面には、第1画面で指定されたガソリンスタンドの銘柄(販売品目名)のリスト272が表示される。
【0358】
次に、戻し要求があるか否かが判断される(ステップSX16)。この戻し要求とは、ディスプレイ33に表示されている情報が、1つ前に表示されていた情報内容に戻される処理である。ステップSX16で戻し要求が入力されたと判断されると、ステップSX4のジャンルリストの表示、つまり図50の第1画面に戻される。
【0359】
なお、上記戻し要求が入力された場合、以下のようにしても良い。つまり、図51の第2画面若しくは第3画面のどちらか一方に、図50の第1画面に表示されているジャンルリストが表示されても良い。なお、戻し要求の入力は、ディスプレイ33に表示されたアイコンが押されることによって行われる。戻し要求がなければ、第3画面に表示されたリスト272を用いて、販売品目であるガソリンスタンドの銘柄指定が行われたか否かが判断される(ステップSX18)。
【0360】
なお、ステップSX18で指定されるのは、第2次検索で用いられる検索条件に該当する。この第2次検索の指定が行われることで、特定施設の絞り込みが行われる。
【0361】
ステップSX18によって、ガソリンスタンドの銘柄(販売品目)の指定が行われると、第2画面に、ガソリンスタンドの銘柄(販売品目名)のリストが表示される(ステップSX20)。そして、指定されたガソリンスタンドの銘柄(販売品目)を扱う施設のみが第3画面の地図上に表示される(ステップSX22)。図52の第2画面108には、ステップSX20の処理結果が表示されている。同じく、図52の第3画面110には、ステップSX22の処理結果が示されている。第2画面108には、図51で示される第3画面のリスト272が表示される。図52の第3画面110には、リスト272のガソリンスタンドの銘柄(販売品目)278に該当する施設279のみが地図上に表示される。
【0362】
次に、戻し要求があるか否かが判断される(ステップSX24)。この戻し要求とは、ディスプレイ33に表示されている情報が、1つ前に表示されていた情報内容に戻される処理である。ステップSX24で戻し要求が入力されたと判断されると、ステップSX12の処理に戻される。つまり、図52の表示状態で戻し要求が行われると、図51の表示状態に戻される。
【0363】
しかし、戻し要求が無ければ、施設の指定操作が行われたか否かが判断される(ステップSX26)。つまり、図52に示される、第3画面の表示を利用して特定施設が指定されたか否か判断される。施設が指定されれば、その指定された施設の座標値等の情報が情報記憶部37から読み出され、立ち寄り地DPとしてRAM5に記憶される(ステップSX28)。
【0364】
他方、第3画面110の表示を利用して1つの施設が指定されないか、または所定時間、タッチスイッチ34が操作されないと、分割画面の解除処理等が行われる(ステップSX30)。つまり、図49で示された最寄り施設設定処理が強制的に終了される。なお、上記の様に、特定施設の指定が行われた場合にも、分割画面の解除が実行される(ステップSX30)。
【0365】
このように、図49の最寄り施設設定処理では、立ち寄り地などの施設指定において、ジャンル指定、銘柄(販売品目)名指定というように、施設が検索される条件の絞り込みが順次行われる。しかも、その検索条件の絞り込みが行われるとき、条件の合致する施設と、次の検索条件(販売品目リスト等)とがディスプレイ33の分割画面に並列表示される。したがって、検索条件の変更と、その条件変更に伴う検索結果とが分割画面上で直ちに確認できる。よって、立ち寄り地または目的地に関する施設指定の操作がより迅速かつ的確に行うことができる。
【0366】
また、図49のステップSX18によってガソリンスタンドの銘柄(販売品目)の指定が行われると、次のようにされても良い。すなわち、図73に示されるように、第2画面108に、ステップSX12において選択されたジャンルに該当する全施設が地図表示されても良い。ここでは、特定地域内にある全てのガソリンスタンドが、第2画面に表示される。さらに、第3画面の地図には、ステップSX18によって指定された特定銘柄(販売品目)を取り扱うスタンドのみが表示される。この様子が、図73に示されている。
【0367】
上記実施例では、第1の検索条件としてジャンル指定が行われた。第2の検索条件として、銘柄(販売品目)名指定が行われた。しかし、本発明は、この様な検索条件に限定するものではない。例えば、探索された案内経路から所定距離以内にある施設のみが抽出される検索条件が、上記第2の検索条件に代えられても良いし、第3の検索条件とされてもよい。さらに、図49の最寄り施設設定処理と同様の処理が、目的地設定等において実行されても良い。すなわち、目的地の指定において、ジャンル選択、チェーン店名選択、販売品目選択等、各種の選択条件によって各施設が指定できるようにされても良い。さらに、各施設の検索条件に、以下の経路沿い施設の抽出(図53)及び/または案内経路と施設間の最短直線距離による抽出(図54)が加えられても良い。
【0368】
25.経路沿い施設の抽出
図53は、経路沿い施設の抽出サブルーチンを示す。このサブルーチンでは、検索された各施設の地理座標データにより、その施設から案内経路までの地理的最短直線距離が算出される(ステップSX32)。そして、その最短直線距離が所定値以内にある施設のみが抽出される。なお、この最短直線距離算出のサブルーチンは図54に示される。上記案内経路とは、図5の全体処理における経路探索処理によって求められた案内経路データMWを意味する。図55は、検出された施設と案内経路との位置関係を説明する図である。案内開始地点εから目的地αまでの経路が、経路探索処理(ステップSA4)によって求められた経路となる。
【0369】
図53の経路沿い施設の抽出処理では、はじめに、各施設の案内経路に対する最短直線距離が算出される(ステップSX32)。この最短直線距離が、約150m以内の施設のみが抽出される(ステップSX34)。そして、このステップSX34によって抽出された各施設が、案内経路の進行方向に対して左右何れの側にあるかが求められる(ステップSX36)。図56は、ステップSX36の処理を説明するための図である。
【0370】
図56において、座標(X1、Y1)は、目標座標(Xb、Yb)に存在する施設に近い、案内経路のノードの座標を表す。座標(X1、Y1)は、図55に示される案内経路のノードSAS1に相当する。また、基準座標(X0、Y0)は、図55に示されるように、案内経路のノードSAS2の座標または自車両の現在位置に相当する。したがって、座標(X1、Y1)と基準座標(X0、Y0)とを結ぶ基準ベクトルa=(ax、ay)は、図55のブランチ300に対応している。なお、基準ベクトルaは、a=(ax、ay)=(X1−X0、Y1−Y0)である。この座標(X1、Y1)と基準座標(X0、Y0)は、案内経路データMWを構成する道路データのうち、施設の目標座標(Xb、Yb)に最も近い座標のノードが選択される。
【0371】
この基準ベクトルaに対して、反時計回りに90度回転させた直交ベクトルc=(−ax、ay)が定義される。また、基準座標(X0、Y0)と、施設の目標座標(Xb、Yb)とを結ぶ目標ベクトルbと、直交ベクトルcとの間は、角度θだけの広がりがあるものとする。なお、目標ベクトルbは、b=(Xb−X0、Yb−Y0)である。この様な直交ベクトルcと目標ベクトルbとの内積は、次のように定義される。
【0372】
c・b=|c|×|b|×cosθ
ところで、−90度<θ<90度のとき、0<cosθ<1である。また、<−180度<θ<−90度及び、90度<θ<180度のとき、−1<cosθ<0である。よって、上記ベクトルc、bの内積の値が正ならば、着目施設は、案内経路における進行方向の左側にある。逆に、上記内積値が負ならば、当該施設は、進行方向に対して右側にある。この様に、案内経路に対する各抽出施設の相対的な左右位置が、ベクトルの内積のプラス、マイナスによって判別される(ステップSX36)。
【0373】
したがって、内積計算結果の正負だけを判別すれば、目標物の左右方向が容易に判定される。この判別された左右データRLは、上記RAM5に記憶される。なお、図56に示される基準座標(X0、Y0)は、案内経路における、検査対象施設に最も近い二つのノードのうち、必ず、出発地点に近いノードの座標(図55の場合では、ノードSAS2)とされる。逆に、座標(X1、Y1)は、目的地に近い側のノード座標(図55では、ノードSAS1)とされる。なお、上記直交ベクトルcは、基準ベクトルaに対して時計回りに90度回転させたものでもよい。案内経路の進行方向に対する各施設の相対位置が、基準ベクトルaと目標ベクトルbとの外積(|a|×|b|×sinE)によって検出されても良い。但し、sinEは、基準ベクトルaと、目標ベクトルbとの間の角度であるが、基準ベクトルaに対して時計回り方向の回転角度がプラスとする。
【0374】
さらに、基準ベクトルaの方向は、自車両の現在位置における進行方向や、自車両から目的地への方向、北、南、東、西、または操作者が設定した方向等、何れの方向とされても良い。つまり、指定された直線方向に対する、各施設の位置が左右どちら側にあるかが判別されても良い。
【0375】
図53のステップSX36によって、案内経路に対する各抽出施設の左右位置が検出されると、各抽出施設から目的地までの施設−目的地間距離Znが算出される(ステップSX38)。ここでの施設−目的地間距離Znとは、案内経路沿いの距離である。つまり、図55に示される点PP1から目的地αまでの経路沿い距離を意味する。したがって、図55の場合、点PP1からノードSAS1までの直線距離に、ブランチ364、365、366の各直線距離が加算されたものが、施設−目的地間距離Znである。また、この施設−目的地間距離Znに、最短直線距離(図53のステップSX32で求められた値)が加算されても良い。
【0376】
そして、求められた施設−目的地間距離Znを基に、抽出施設データの並び替えが実行される(ステップSX40)。例えば、各施設が、施設−目的地間距離Znの最も大きなものから並べられる。そして、この施設−目的地間距離Znによって、施設の抽出条件が定められても良い。すなわち、施設−目的地間距離Znと、自車両と目的地間の距離との比較により、自車両の現在位置から所定値以上離れるか、または目的地から所定値以上離れた施設が除外されても良い。
【0377】
26.最短直線距離算出
図54は、図53における検索施設と、案内経路との最短直線距離算出のサブルーチン(ステップSX32)を示す。図55は、案内経路沿いにある施設と、この案内経路との相対的な地理的位置関係を説明するための図である。図57は、最短直線距離の算出を説明する図である。上述されたように、図55に示される案内開始地点εから目的地αまでの経路が、経路探索処理(図5のステップSA4)によって求められた経路である。
【0378】
また、図57に示されるノードSAS1、SAS2が図55に示されるノードSAS1、SAS2に対応する。検索された1つの施設の座標PP2と案内経路との地理的最短直線距離は次のようにして求められる。案内経路に於いて、この施設の座標PP2に最も近いノードSAS1、SAS2が選択される(図54のステップSX42)。なお、この案内経路にある各ノードうち、着目施設に最も近い二つのノードを検出するには、次の処理が実行される。まず、案内経路の各ノードと座標PP2との直線距離が算出される。算出された各直線距離のうち、最小値及び、次に小さな値の直線距離を有するノードが検出される。この二つのノードが、案内経路に最も近いノードとされる。
【0379】
次に、この二つのノードSAS1、SAS2を結ぶ直線をm等分する中間点JJ1、JJ2…の各座標が、各ノードSAS1、SAS2の地理的座標から算出される(ステップSX44)。各中間点JJ1、JJ2…と、着目されている施設の座標PP2とを各々結ぶ直線RR1、RR2…の地理的な直線距離が算出される(ステップSX46)。
【0380】
次に、初期値設定として、最小値Rminに直線RR1の距離値がセットされる。さらに、条件変数NSに初期値「2」がセットされる(ステップSX48)。この条件変数NSは、上記各直線RR1、RR2…の番号を表している。この条件変数NSで指定される、NS番目の直線RR(NS)の地理的な距離と、上記最小値Rminとの大小比較が行われる(ステップSX50)。直線RR(NS)の値が最小値Rminより小さければ、最小値Rminに直線RR(NS)の距離値がセットされる(ステップSX52)。この数値の置換の後、条件変数NSが1インクリメントされる(ステップSX54)。
【0381】
しかし、最小値Rminが直線RR(NS)の距離値より小さければ、ステップSX52の処理は行われず、条件変数NSの1インクリメント(ステップSX54)のみが実行される。この後、条件変数NSがノードSAS1、SAS2を等間隔に分割する中間点数より大きくなったか否かが判断される(ステップSX56)。このステップSX56の判断がNOならば、ステップSX50の処理から再度実行される。しかし、ノードSAS1、SAS2を等間隔に分割した中間点数より、条件変数NSが大きければ、ステップSX50〜SX56の処理が終了される。
【0382】
以上のステップSX50〜SX56の処理により、最小値Rminには、着目施設の座標PP2から、ノードSAS1、SAS2間を結ぶ直線までの最短直線距離にほぼ等しい数値がセットされる。よって、上記処理によって求められた最小値Rminを、施設と案内経路間の最短の施設−経路間距離Rminとする。この最小値Rminは、目標施設から、ノードSAS1、SAS2間を結ぶ直線への垂線の距離を表す。なお、この最短直線距離算出処理は、次のようにされても良い。ノードSAS1またはノードSAS2と目標施設までの直線距離が算出される。さらに、ノードSAS1〜SAS2を結ぶ直線と、ノード〜施設間を結ぶ直線との間の角度が求められる。この2直線間の角度と、ノード〜施設間の直線距離とから、三角関数を用いて求められても良い。
【0383】
また、図53の処理によって求められた案内経路に対する左右位置により、次のような抽出条件が付加されても良い。すなわち、道路中央に中央分離帯が存在する場合、交差点以外では、右折が不可能である。そこで、このような右左折ができない道路部分の右手側にある施設が、除外されるようにしても良い。この場合、探索された案内経路中の各道路の道路環境を抽出する道路条件抽出手段が設けられる。この道路条件抽出手段によって読み出された道路条件により、抽出された施設を除外するか否かが、図53のステップSX36の結果を利用して、施設除外手段によって判断される。つまり、ステップSX36により案内経路沿いの左右どちら側に各施設があるか判別される。そこで、道路環境と、各施設の左右位置との比較を行えば、上記抽出処理が可能である。
【0384】
上記道路条件抽出手段による処理は、次のように行われる。すなわち、各道路の道路データファイルF4から、道路属性データ、注意点データ等が読み出される。この読み出された道路属性データ等を利用して、抽出された施設に最も近い案内経路の道路環境が判断される。つまり、その施設への立ち寄りが困難か否かが施設除外手段によって判断される。これにより、立ち寄りが極めて困難な施設が、目的地または立ち寄り地として選択されることが防止できる。
【0385】
さらにまた、VICSやATIS等の外部装置から送信される情報が取り込まれ、立ち寄り施設の抽出条件とされても良い。例えば、目的地周辺の駐車場が立ち寄り施設等として抽出される場合、次のようにされる。VICSやATIS等によって送られてくる外部情報により、各駐車場の満車、空車状態または当該施設近傍の道路の混雑状況が、施設の抽出条件に加味される。つまり、VISC、ATIS等の外部から送られる情報による抽出条件が、目的地または立ち寄り地設定時に付加されても良い。これにより、満車の駐車場又は、渋滞(混雑)道路に隣接する施設の選択が防止できる。つまり、施設選択の誤りがより少なくできる。なお、上記最寄り施設設定処理及び目的地設定処理の開始命令は、自車両が一定速度以上の走行状態では実行できないような処理がされている。
【0386】
以上のように、当初設定された目的地までの案内経路途中等で、立ち寄りたい場所が生じたときに、案内経路沿いの施設が、自車両の現在位置を考慮した距離と共に検索される。よって、立ち寄り施設の抽出条件がより的確となり、より最適な施設の選択が可能となる。つまり、案内経路から遠く離れた施設への立ち寄りは、一般的に困難である。よって、このような案内経路から遠く離れた施設に関する情報がディスプレイ33上に表示されないほうが好ましい。よって、上記経路沿い施設の抽出が行われれば、このような必要性の乏しい情報が画面に表示されることを防止できるし、誤った施設の選択が防止できる。
【0387】
また、自車両の現在位置から目的地までの経路途中においては、目的に合致する立ち寄り施設がない場合でも、次の様な状態があり得る。すなわち、案内経路を少し出発地側に引き返した地点に、目的に合致する施設が存在する。この場合でも、上記実施例によれば、案内経路沿いであって、しかも既に通過した施設も検索されるので、このような施設の選択が可能である。
【0388】
また、抽出された立ち寄り施設が複数ある場合には、上記のように絞り込み条件(案内経路からの直線距離)を厳しくすれば、より使用者の希望に合致する立ち寄り施設のみが表示されるので、施設選択処理に要する時間が短縮される。
【0389】
上記施設設定処理は、案内経路に基づいて地図情報全域で施設の検索が行われても良いし、後述される特定地域内においてのみ、検索が行われてもよい。案内経路沿いの場合、ルートを走行している利用者は、ルートから大きく外れることなく、所望の施設に立ち寄ることができる。また、基準点(現在地、目的地、カーソル位置など)から所望範囲内の施設を選択表示されるようにすれば、利用者に対して、要求されている情報と、その検索結果が迅速かつ明瞭に提供される。また、施設の抽出結果が画面に表示される際、各施設と案内経路との距離及び位置関係、または各施設と目的地までの距離等の各種情報が同時に表示されれば、案内経路に対する所望施設の位置が明確に把握することができる。
【0390】
27.郵便番号選択データ50
立ち寄り施設または目的地の設定に於いて、以下の郵便番号等の地域指定用番号によって特定地域が指定された後、その指定地域内で施設が順次抽出されても良い。図58〜図63には、情報記憶部37に記録されている各種のデータの構造が示されている。これらのデータは、図64の目的地設定処理で用いられる。図58には、郵便番号選択データ50が示される。この郵便番号データ50は、郵便番号RDN、ストリートリストアドレスLA、サイズLD、施設ジャンルリストアドレスNA、サイズND、代表点東経座標PEO、代表点北緯座標PNO及びエリア形状データアドレスEAから構成される。1つの郵便番号RDNによって、1つの地域エリアが特定される。この特定されたエリアに関する各種データは、ストリートリストアドレスLA及び施設ジャンルリストアドレスNA等によって指定される情報記憶部37の記憶番地から順次記録されている。
【0391】
例えば、ストリートリストが記録された記憶開始番地とメモリサイズとは、ストリートリストアドレスLA及びサイズLDによって指定される。同じく、各施設の属するジャンルリストが記録された記憶開始番地とメモリサイズとは、施設ジャンルリストアドレスNA及びサイズNDによって指定される。なお、ジャンルとは、駅、美術館、ゴルフ場、本屋、薬局、レストラン等、その施設の公共施設、交通施設、スポーツ・レジャー施設、ショッピング施設等の施設、目的地または立ち寄り地の分類、分野、類別、目的、用途または事業(営業)内容を表している。
【0392】
代表点東経座標PEO及び代表点北緯座標PNOは、郵便番号RDNに応じたエリアの略中心を表している。情報記憶部37の地図データがディスプレイ33に表示されるとき、この代表点東経座標PEO及び代表点北緯座標PNOで指定される地理座標がディスプレイ33のほぼ中央とされる。これにより、指定された郵便番号に該当するエリアがディスプレイ33の略中央に表示される。つまり、代表点東経座標PEO及び代表点北緯座標PNOによって、郵便番号エリアに対応する地図データがディスプレイ33内のほぼ中央に表示される。なお、表示縮尺によってはエリアの端の一部がカットされる場合がある。
【0393】
郵便番号RDNによって指定されたエリアの外形状を特定するデータは、エリア形状データアドレスEAによって指定される、情報記憶部37の記憶開始番地から記録されている。そして、サイズEDによって指定されるメモリ領域内にデータが格納されている。つまり、エリアの外縁をプロットする複数箇所の緯度データ及び経度データ(地理座標)が、アドレスEAで指定される情報記憶部37のメモリ番地から記録されている。この複数箇所の緯度及び経度(地理座標)により、1つの郵便番号エリアが、情報記憶部37の地図データにおいて特定される。そして、この各緯度及び経度が全てディスプレイ33内に入る縮尺であれば、指定された郵便番号エリアがディスプレイ33に完全に表示されたことになる。
【0394】
この様に、図58の郵便番号選択データ50は、郵便番号RDN、ストリートリストアドレスLA、施設ジャンルリストアドレスNA、代表点東経座標PEO、代表点北緯座標PNO及びエリア形状データアドレスEAを1単位とするデータ群で構成される。しかも、郵便番号RDNがインデックスデータとされている。したがって、郵便番号RDNが指定されれば、1つのエリアが情報記憶部37の地図データにおいて特定される。この指定された郵便番号(電話番号)エリアは、このエリアの代表点データに基づいて表示出力手段(ディスプレイ33)のほぼ中央に表示される。なお、エリア表示の際、エリアの形状データに基づいて最適な表示縮尺が選択されてもよい。つまり、エリア全体がディスプレイ33に完全に表示されるように、縮尺が調整されてもよい。さらに、上記では、エリアの特定に郵便番号RDNが用いられたが、これを電話番号、市政管理地区番号または独自に定められた番号等で指定されても良い。
【0395】
また、郵便番号及び電話番号の一部(上位桁の一部)によって、代表点東経座標及び代表点北緯座標を有する特定エリアが選択されてもよい。つまり、郵便番号及び電話番号の一部が入力されることによって、入力された一部の郵便番号及び電話番号に該当するエリアが指定される。例えば、3桁の郵便番号「123」のうち上位から2桁の「12」が入力された場合、この入力された郵便番号の上位「12」に対応するエリアが表示されてもよい。さらに、郵便番号及び電話番号と同様に、所定条件によって区別、分類または区分された地域ごとの特定の識別番号によってエリアが指定されてもよい。例えば、県、市、町または村ごとの番号、または州ごとの番号、時差域ごとの番号または、欧州共同体の国ごとの番号等である。
【0396】
このように、郵便番号等によってエリアが指定された後、図49の最寄り施設設定処理が行われても良い。また、エリア指定の後、さらに、以下のストリート指定が行われ、その後に、図49の最寄り施設設定処理が行われてもよい。
【0397】
28.ストリートリストデータ55
図59は、ストリートリストデータ55のデータ構造を示す。このストリートリストデータ55は、ストリート数SS(m)個のグループデータから構成される。このリストデータ55は、ストリートリストアドレスLAで指定される情報記憶部37の先頭番地から記録される。1つのストリートリストデータ55は、ストリート名称SSN、表示代表点東経座標SEO、表示代表点北緯座標SNO及び形状データアドレスSEA並びにサイズSEDから構成される。
【0398】
ストリート名称SSNは、例えば、第m番目のストリートの名称を表す。このストリート名称は、国道名(国道番号)、地方道路名(地方道路番号)または高速道路名(高速道路番号)等が含まれても良い。表示代表点東経座標SEO及び表示代表点北緯座標SNOにより、このストリートの代表点の経度及び緯度(地理座標)が表される。この代表点はストリートのほぼ中央の点とされるが、ストリートの始点、終点またはストリートの東西南北何れかの端の点とされてもよい。
【0399】
形状データアドレスSEAにより、このストリートを構成する各ノードの地理座標データの記憶開始番地が指定される。サイズSEDにより、このストリートの形状データが記録されているメモリサイズの大きさが指定される。この各ノードの地理座標データによって、このストリートの外形が決定される。これらの表示代表点東経座標SEO、表示代表点北緯座標SNO及び各ノードの地理座標データを用いて、ストリート図形がディスプレイ33に表示される。
【0400】
1つのストリートが複数の郵便番号エリアにまたがる場合、このストリートに関するストリートリストデータ55は、各郵便番号エリアごとに記憶される。但し、各エリア内に存在する当該ストリートの部分形状は、それぞれ異なるので、表示代表点東経座標SEO、表示代表点北緯座標SNO及び形状データアドレスSEA並びにサイズSEDは異なる。つまり、二つのエリアに一つのストリートが跨る場合、各エリアに存在するストリートはそれぞれ異なる。よって、各エリアのストリートの表示代表点も異なる。この結果、各エリアにあるストリートの表示代表点東経座標SEO、表示代表点北緯座標SNO等がストリートデータとして、それぞれ記録される。なお、それぞれのストリート名称SSNは同じである。
【0401】
29.施設ジャンルリストデータ60
図60は、施設ジャンルリストデータ60のデータ構造を示している。この施設ジャンルリストデータ60は、施設ジャンル数NC(k)個のデータグループから構成されている。1つの施設ジャンルリストデータ60は、施設ジャンル名称NM及び施設リストアドレスNLA、サイズSEDから構成される。施設ジャンル名称NMは、ジャンルの名称を表す。
【0402】
施設リストアドレスNLAで指定されるメモリ開始番地から、サイズNLDで指定されるメモリ領域に、このジャンルに属する施設のリストデータが記憶されている。よって、この施設リストアドレスNLA及びサイズNLDで指定されるメモリから読み出されたデータにより、この施設ジャンル名称NMに属する各施設の地理座標と施設固有の名称が識別される。
【0403】
30.ストリート形状データ65
図61は、ストリート形状データ65のデータ構造を示す。このストリート形状データ65は、ノード数ES(t)個のデータ群から構成されている。1つのストリート形状データ65は、東経座標EEO、北緯座標ENO、番地ENO及びストリート名称SSNから構成されている。東経座標EEO及び北緯座標ENOにより、情報記憶部37の地図データにおけるノードの地理的な位置が定められる。また、番地ENOは、このノードの住所の番地データを表している。この番地ENOは、ストリートがディスプレイ33内に表示される際、ストリート(またはノード)に伴って表示される。これにより、ストリートに沿った各番地が識別できる。
【0404】
31.施設リストデータ70
図62は、施設リストデータ70のデータ構造を示す。この施設リストデータ70は、施設数IS(u)個のデータグループから構成されている。この施設リストデータ70は、図60に示された1つの施設ジャンルリストデータ60の1つのジャンルに帰属する複数の施設を表している。
【0405】
1つの施設リストデータ70は、施設名称IM、東経座標IEO、北緯座標INO及び番地IBから構成されている。施設名称IMは、施設の固有名称である。東経座標IEOおよび北緯座標INOは、この施設の経度及び緯度(地理的位置)を示す。この東経座標IEOおよび北緯座標INOによって、この施設の地図上の位置が特定される。また、番地IBは住所の番地を表す。
【0406】
ストリート名称SSNは、この施設が接する道路の名称である。但し、隣接する道路がない場合は、最も近いストリートの名称とされる。なお、このストリート名称SSNは、この施設に最も近い案内対象とされる道路の名称でもよい。したがって、施設周囲に複数のストリート(または案内対象道路)が存在した場合、複数のストリート名称SSNが、一つの施設データ内に記憶される。また、このストリート名称SSNは、図59に示されるストリートリストデータ55のストリート名称SSNと同じである。なお、案内対象道路は、上記経路探索処理で用いられる道路を意味する。
【0407】
32.エリア形状データ75
図63は、エリア形状データ75のデータ列の構造を表す。このエリア形状データ75は、上述したように地図上の郵便番号エリアの外縁を特定する。よって、エリア形状データ75により、地図上におけるエリア範囲が特定される。エリアの地理的範囲の外周は、複数のノードによって、地理的な位置が特定される。1つのエリア形状データ75は、経度と緯度、つまり東経座標AEOと北緯座標ANOから成る。また、ノード数データANC(v)はノードの数を示す。つまり、エリアの外周をかたどるノードの数が、ノード数データANC(v)である。
【0408】
33.目的地設定処理(ステップSA5)
図64〜65は、本発明のナビゲーション装置で実行される、目的地設定処理のフローチャートを表している。図64に於いて、初めに、ディスプレイ33の画面が分割される(ステップSX60)。そして、第2画面に郵便番号の入力画面が表示される(ステップSX62)。この郵便番号の入力画面の例が、図68の第2画面108に示されている。さらに、第3画面110に項目選択用の画像が表示される(ステップSX64)。
【0409】
図68に示されるように、第2画面108上に、入力数字表示欄402と、0〜9までの数字408と、数字入力が完了したことを選択する「END」文字410とが表示される。また、この画面108内を自由に移動できるマウスカーソル406も表示される。このマウスカーソル406が、各数字408上に移動され、確定入力キーが押されると、当該数字がナビゲーション装置で認識される。なお、確定入力キーは、ナビゲーション装置上に設けられたキースイッチである。
【0410】
マウスカーソル406は、小さいジョイスティックによって移動されてもよい。確定入力キーは、このジョイスティックが押し込まれるスイッチング機構で代用されてもよい。また、第3画面110に、マウスカーソル406が表示されなくてもよい。この場合、画面110内の各表示項目がジョイスティックの上下駆動によって選択される。そして、選択された表示項目の枠内は、表示色が変化され、選択状態が識別できるように表示される。この後、確定入力キーが押されることで、反転表示された項目の選択が確定される。
【0411】
図68の第2画面108の入力画面を利用して入力された数値は、郵便番号RDNとして用いられる。この郵便番号RDNが入力されると、この郵便番号RDNを元に、郵便番号選択データ50(図58参照)が情報記憶部37から検索される。すなわち、郵便番号選択データ50のデータ群から、入力された郵便番号RDNに合致する1つの郵便番号選択データが、情報記憶部37から読み出される。
【0412】
他方、第3画面110の項目選択画面(図68)には、例えば、「代表点地図表示」の文字418、「ストリート名入力」の文字420、「施設名入力」の文字422及び、「別項目による目的地設定」の文字424が表示される。
【0413】
ディスプレイ33の画面に表示されているマウスカーソル406が、操作者によって移動され、その後、確定キーが押されると次の処理が実行される。確定キーがオンされた時点での、マウスカーソル406の画面108、110上における相対位置が検知される(ステップSX66)。すなわち、確定キーが押された時点における、マウスカーソル406の画面上の位置がCPU2によって識別される。そして、このマウスカーソル406の位置に表示されている情報内容が選択される。例えば、「代表点地図表示」の文字418上に、マウスカーソル406が重ねて表示されているときに、確定キーが押されたとする。この場合、代表点地図表示の処理が選択される。
【0414】
次に、「別項目による目的地設定」が選択されたか否かが判断される(ステップSX68)。この「別項目による目的地設定」が選択されると、図64の処理が終了される。すなわち、郵便番号で指定されるエリアから目的地が設定される処理がキャンセルされる。したがって、ステップSX68の判断結果がYESの場合、別の項目に基づく目的地の設定処理サブルーチンが実行される(ステップSX70)。別の項目に基づく目的地の設定には、例えば、目的地の住所から直接的に目的地が選択される処理がある。このステップSX70のサブルーチンが終了されると、処理は図5のメインフローに復帰される。
【0415】
しかし、ステップSX68の判断結果がNOの場合は、ステップSX72以降の処理が実行される。ステップSX64、SX66による項目選択処理において、代表点地図表示処理、ストリート名入力処理または施設名入力処理の何れかが選択されると、この選択結果がモードセットデータMDとしてRAM5に記憶される。
【0416】
「別項目による目的地設定」が選択されず、他の処理、例えば「代表地図表示」等が指定されると、それまで第3画面に表示されていた項目選択画像が第2画面に表示される(ステップSX72)。この後、図68の第3画面で選択されたモードが判定される。つまり、モードセットデータMDのデータにより、代表点地図を表示させるモードが選択されたか否かが判断される(ステップSX74)。選択されていれば、「代表点地図表示及び目的地設定」サブルーチンが実行される(ステップSX76)。
【0417】
しかし、代表点地図モードが選択されていないか、またはステップSX76の「代表点地図表示及び目的地設定」の処理が終了された場合、次のステップSX78の判断が実行される。つまり、モード選択がストリート入力モードであるか否かが判断される(ステップSX78)。ストリート入力モードが選択されていれば、「ストリート名称の表示及び目的地設定」サブルーチンが実行される(ステップSX80)。
【0418】
そして、「ストリート名称の表示及び目的地設定」サブルーチンが終了されるか、またはステップSX78の判断結果が「NO」の場合、ステップSX82の判断が実行される。すなわち、ジャンル別設定モードが、選択されたか否かが判断される(ステップSX82)。ジャンル別設定モードなら、「ジャンルリスト表示及び目的地設定」サブルーチンが実行される(ステップSX84)。このステップSX84のサブルーチンが終了されるか、またはステップSX82の結果が「NO」の場合は、復帰キーが押されたか否か判断される(ステップSX86)。復帰キーが押されていれば、ステップSX62以降の処理が再度実行される。つまり、郵便番号入力用の画像が第2画面に表示される。しかし、復帰キーが押されなければ、処理が図5のメインフローに戻される。つまり、復帰キーが押されれば、ディスプレイ33の表示状態が、一つ前の状態に戻される。
【0419】
34.代表点地図表示及び目的地設定サブルーチン
図65は、代表点地図表示及び目的地設定サブルーチンを示す。初めに、郵便番号RDNで指定される郵便番号選択データ50が情報記憶部37から読み出される。なお、この郵便番号RDNは、図64のステップSX62で入力される。さらに、この郵便番号選択データ50に記録されるエリア形状データアドレスEA、サイズEDが抽出される。
【0420】
このエリア形状データアドレスEA及びサイズEDで指定されるメモリ領域から、エリアの外縁(外周)を定める各ノードの東経座標AEO及び北緯座標ANO(図63参照)が、順次読み出される。そして、各ノードの東経座標AEOにおいて、最大値、最小値が抽出される(ステップSX90)。同じく、各ノードの北緯座標ANOにおける、最大値、最小値が抽出される。
【0421】
これら各東経座標AEO、各北緯座標ANOそれぞれの最大値、最小値から、ディスプレイ33に地図を表示する際の、縮尺が求められる(ステップSX92)。例えば、東経の最大値、最小値から、東経方向の地理的距離が算出される。同じように、北緯方向の地理的距離が、北緯の最大値、最小値から算出される。また、任意の縮尺のときに、ディスプレイ33の分割画面に表示可能な東経及び北緯方向の地理的距離は、画面の実寸等から分かる。よって、指定されたエリアの東経及び北緯方向の地理的距離を表示するための縮尺は、画面に表示できる地理的距離から逆算できる。このようにして縮尺が求められると、分割画面内に指定エリアが完全に表示される。
【0422】
つまり、郵便番号RDNで指定されたエリアの端が切れることなく、エリア全体が、ディスプレイ33の第3画面110内に表示される(ステップSX94)。なお、郵便番号RDNの指定エリアの地理範囲は、エリア形状データ75によって定められる。また、ディスプレイ33に表示される地図データは、情報記憶部37に記憶されている。
【0423】
この適正縮尺による指定エリアの表示例は、図69に示される。この図69において、指定エリアは点線456で囲まれた範囲である。また、この図69に示される曲折点460、462等は、ノードを表している。さらに、記号452は、自車両の現在位置を表している。曲線458、459は、道路を表している。また、上記ステップSX94では、指定エリア内の全ストリートまたは主要ストリートの形状が同時に表示される。この場合、図61の各エリアのストリート形状データ65が使用される。
【0424】
なお、ステップSX92の適正縮尺の選択処理は省略されてもよいし、適正縮尺は、操作者の手動によって選択されてもよい。ステップSX92の処理が省かれた場合は、ディスプレイ33に表示されるエリア地図は、最も拡大して表示されるように設定される。しかも、指定されたエリアの代表点東経座標PEO、代表点北緯座標PNO(図58参照)が、第3画面110の中心とされる。
【0425】
この様に、ディスプレイ33の第3画面110内にエリア地図が表示されると、さらに、フラッシュメモリ3等に記憶された図記号を利用して、指定エリア内に各施設が表示される(ステップSX96)。この施設の表示では、図62の施設リストデータ70が利用される。各施設の地理座標に特定のシンボルが表示される。このシンボルは、例えば、星、丸、三角、方形、フォーク、コップ、鞄、旗、家等である。なお、この施設表示は、ディスプレイ33の第3画面に最も拡大されたエリア地図が表示されたときのみ行われるようにしてもよい。
【0426】
この後、ディスプレイ33内に表示されるマウスカーソル406を用いて、表示地図エリアの任意の点が指定される。つまり、操作者の操作により、マウスカーソル406が移動され、確定キーが押される。この確定キーが押された時点での、マウスカーソル406の表示位置が操作者の希望目的地とされる。よって、確定キーが押された時点の、マウスカーソル406の表示位置が取得される(ステップSX98)。このカーソル表示位置から、実際の地理座標位置が、地図縮尺等を利用した演算によって算出される。この演算によって求められた地理座標位置が、登録目的地データTPとしてRAM5に記憶される(ステップSX100)。
【0427】
このステップSX100の処理が終了されると、処理は図64の目的地設定処理に戻される。なお、立ち寄り地の設定も、上記と同じ手順にしたがって行われてもよい。立ち寄り地が、図64の処理と同じ処理で設定されると、立ち寄り地の地理座標が、立ち寄り地DPとしてRAM5に記憶される。
【0428】
35.ストリート名称の表示及び目的地設定サブルーチン
図66は、ストリート名称の表示及び目的地設定サブルーチンを示す。この図66の処理は、図64において、ステップSX78の判断結果がYESの場合に実行される。図66において、初めに、郵便番号RDNで指定されるエリア内にある全てのストリートが読み出される(ステップSX110)。この全ストリートのリストアップは、図59のストリートリストデータ55を利用して行われる。このストリートリストデータ55には、郵便番号RDNで指定されるエリア内にあるストリート名称が記憶されている。よって、このストリートリストデータ55からストリート名称のみを抽出することによって、ストリートのリストアップが行われる。
【0429】
ステップSX110でリストアップされたストリート名称のリストは、ディスプレイ33の第3画面110に表示される(ステップSX112)。なお、ストリート数SS(m)が多い場合、ディスプレイ33に全ストリートが一度に表示できない。この場合、ディスプレイ33の画面がスクロールされることにより、残りの各ストリート名称が、順次表示される。ストリートリストの表示例は図70に示される。また、このストリートのリスト表示と共に、音声によって各ストリート名称が報知されてもよい。
【0430】
ステップSX112のストリートリスト表示の際、マウスカーソル406もディスプレイ33の画面108上に表示される。そして、確定キーが押された時点における、マウスカーソル406の表示位置が取得される(ステップSX114)。このマウスカーソル406の表示位置により、どのストリートが選択されたかが識別される(ステップSX116)。
【0431】
このステップSX116で選択されたストリートの表示代表点東経座標SEO及び表示代表点北緯座標SNOが、ストリートリストデータ55から読み出される(ステップSX118)。さらに、選択されたストリートのストリート形状データ65が、情報記憶部37から読み出される。このストリート形状データ65は、各ノードの東経座標EEOと北緯座標ENOとからなり、このストリートの形状が定められる。そこで、これら各ノードの東経座標EEO及び各北緯座標ENOから、それぞれの最大値及び最小値が検出される(ステップSX120)。
【0432】
このノード座標の東経及び北緯方向それぞれの最大値及び最小値の検出は、上記したエリア地図表示におけるステップSX90と同様の処理である。よって、求められた東経及び北緯方向それぞれの最大値及び最小値により、ディスプレイ33に表示される地図の適正縮尺が求められる。つまり、指定されたストリート全体が、分割画面に完全に表示できる縮尺が求められる。この求められた縮尺で、ストリートがディスプレイ33の第3画面110に表示される(ステップSX122)。このストリートが表示される際、このストリートに付随する各番地がともに表示される。なお、このストリート表示に併せて、このストリート名称が音声によって報知されてもよい。
【0433】
第3画面へのストリート表示に伴って、第2画面にストリートリストが表示される(ステップSX123)。ディスプレイ33の第3画面110に表示されたストリートの例は図71に示される。この図に示されるように、選択されたストリートは、第3画面110において、他の道路と識別表示される。この図71では、太線500で示される。なお、この指定されたストリートが、他の道路から識別できる異なる色で表示されてもよい。また、第3画面110の上部に設けられた表示領域502に、選択されたストリートの名称が、文字504で表示される。なお、この表示ストリート名称は、ストリートリストデータ55のストリート名称SSNが用いられる。図71における、文字506は、番地を表している。この番地表示は、ストリートリストデータ55の番地ENOのデータが用いられる。
【0434】
上記ステップSX122における適正縮尺の算出は省略されてもよい。この場合、ストリートが最も拡大されるように、地図が表示される。しかも、ストリートの代表点が画面100の略中央となるように調整される。このストリートの代表点は、ストリートリストデータ55内の表示代表点東経座標SEO、表示代表点SNOで決定される。
【0435】
この様に、特定されたストリートが第3画面110に表示されると、マウスカーソル406によって、ストリート沿いの任意の地点が、目的地として指定される。すなわち、確定キーが押された時点での、マウスカーソル406の画面110上の位置が検出される(ステップSX124)。また、復帰キーが押されたか否かが判断される(ステップSX125)。復帰キーが押されていれば、ディスプレイ33の表示状態が1処理前の状態に戻される。つまり、図64のステップSX72に処理が戻される。また、復帰キーが押されていなければ、確定キーが押された時点でのカーソル表示位置から、実際の地理座標位置が算出される。この演算によって求められた地理座標位置が、登録目的地データTPとしてRAM5に記憶される(ステップSX126)。
【0436】
このステップSX126の処理が終了されると、処理は、図64の目的地設定処理に戻される。なお、立ち寄り地の設定も、上記と同じ手順にしたがって行われてもよい。つまり、エリアが郵便番号RDN等によって指定される。この指定されたエリア内にある全ストリートから、特定ストリートが選択され、さらに、表示されたストリートの地図上で、特定の地点が指定される。この指定された地点が、立ち寄り地DPとしてRAM5に記憶される。
【0437】
このように、図66のストリート名称の表示及び目的地設定では、指定エリア内にある全ストリートがリストアップされる。そして、そのストリート名称のリストから、目的地が存在する1つのストリートが選択される。選択されたストリートは、画面に、そのストリート全体を表す地図が表示される。そこで、このストリートを表す地図上で、特定の地点がマウスカーソルによって、目的地として指定される。これにより、目的地または立ち寄り地の指定が、ストリートの名称から容易に指定できる。なお、上記ステップSX122によるストリート表示の際、このストリートを含む指定エリア全体が表示されてもよい。
【0438】
36.ジャンルリスト表示及び目的地設定サブルーチン
図67は、ジャンルリスト表示及び目的地設定サブルーチンを表している。この図67において、初めに、郵便番号RDNで指定されたエリア内にある各施設のジャンルが、リストアップされる(ステップSX130)。このジャンルのリストアップは、図60の施設ジャンルリストデータ60を用いて行われる。この施設ジャンルリストデータ60の情報記憶部37のメモリ領域は、郵便番号選択データ50の施設ジャンルリストアドレスNA及びサイズNDによって指定される。
【0439】
次いで、施設ジャンルリストデータ60から施設ジャンル数NC(k)個の施設ジャンル名称NMが読み出される。そして、ジャンルリストがディスプレイ33の第3画面に表示される(ステップSX132)。このジャンルリストの画面表示例が図72に示されている。この後、確定キーが押された時点における、マウスカーソル406の画面110における表示位置が取得される(ステップSX134)。つまり、確定キーが押された時点における、マウスカーソルの表示位置のジャンル名称が、選択ジャンルとされる。また、復帰キーが押されたか否かが判断される(ステップSX135)。復帰キーが押されていれば、図67の処理から図64のステップSX62に処理が戻される。
【0440】
復帰キーが押されていなければ、カーソル406のある位置に表示されているジャンルが選択されたと判断される(ステップSX136)。この指定されたジャンルに属する施設がリストアップされる(ステップSX138)。つまり、図62の施設リストデータ70を用いて、選択ジャンルに該当する施設がリストアップされる。施設リストデータ70のメモリ領域は、施設リストアドレスNLA及びサイズNLDによって指定される。施設リストアドレスNLA及びサイズNLDは、施設ジャンルリストデータ60に含まれる。つまり、ジャンルが特定されれば、直ちにそのジャンルに属し、かつ指定されたエリア内にある施設のリストが、情報記憶部37から読み出される。
【0441】
次に、施設リストデータ70の施設名称IMのみが抽出されて、ディスプレイ33の第3画面にリスト表示される(ステップSX140)。さらに、ジャンルリストが第2画面に表示される(ステップSX141)。そして、確定キーが押された時点における、マウスカーソル406の画面110における表示位置が取得される(ステップSX142)。このカーソル106の表示位置の施設が目的地として設定される(ステップSX144)。つまり、選択された施設が、登録目的地データTPとしてRAM5に記憶される。
【0442】
また、復帰キーが押されたか否かが判断される(ステップSX145)。復帰キーが押されていれば、図64のステップSX72に処理が戻される。しかし、復帰キーが押されなければ、ステップSX146以降の処理が実行される。つまり、復帰キーが押されると、ディスプレイ33の表示状態が、以前の表示状態に戻される。
【0443】
復帰キーが押されなければ、ステップSX144で選択された施設の東経座標IEO及び北緯座標INOが、施設リストデータ70から読み出される。この東経座標IEO及び北緯座標INOをもとにして、指定された施設周辺の地図がディスプレイ33の第3画面に表示される(ステップSX146)。しかも、施設リストが第2画面に表示される(ステップSX147)。なお、この地図表示の縮尺は、地図が最大表示される縮尺、または、操作者によって選択された縮尺でもよい。さらに、この特定された施設の周辺地図表示に併せて、音声によって施設名称が報知されてもよい。なお、ステップSX146、SX147の処理は省略されても良い。
【0444】
ステップSX147の表示が行われた後、復帰キーが押されたか否か判断される(ステップSX148)。復帰キーが押されていれば、ステップSX140の処理が再び実行される。しかし、復帰キーが押されていなければ、処理は図64の目的地設定処理に戻される。このように、図67のジャンルリスト表示及び目的地設定では、指定されたエリアから、ジャンルが特定される。そして、特定されたジャンルのリストから、所望する目的地が指定される。
【0445】
以上の様に、本実施例の目的地設定処理では、郵便番号RDNで特定のエリアが指定された後、ディスプレイ33に表示される情報は複数種類(3種類、3モード)ある。そして、各モードにおいて表示される地図、またはリスト等から目的地が指定される。例えば、指定されたエリア内において、特定のストリートが指定される。この指定されたストリートが地図表示されるので、このストリートの地図上で、特定地点が目的地として指定される。このように、目的地の検索が、エリア指定、ストリート指定、ジャンル指定等を介して段階的に行われるので、目的地指定がより簡便である。また、上記実施例における各表示状態において、復帰キーが押されると、1つ前の選択画面に表示が戻される。
【0446】
上記目的地設定処理は、次のように実施されてもよい。まず、郵便番号によって特定エリアが指定される。次ぎに、そのエリア内にある全ストリートから特定のストリートが選択される。さらに、ジャンル指定が行われると、その選択ストリート周囲にあり、しかも指定されたジャンルに該当する施設がリストアップされる。最後に、このリストアップされた施設名称から、所望する目的地が選択される。これにより、所望する目的地がストリート近傍で、しかも特定ジャンルから検索できる。
【0447】
さらに、上記目的地設定処理が次のように行われても良い。郵便番号によって特定エリアが指定される。次ぎに、そのエリア内にあるストリートから特定のストリートが選択される。さらに、その選択ストリート沿いにある施設がリストアップされる。最後に、このリストアップされた施設名称から所望する目的地が選択される。したがって、所望する目的地が特定地域の特定ストリート沿いから抽出される。
【0448】
さらにまた、上記目的地設定処理は次のように行われても良い。まず、郵便番号RDNで特定のエリアが指定される。この後、特定のジャンルが選択される。次に、指定された同一ジャンルに該当する各施設が存在するストリート名称が列挙される。そして、このストリート名称リストをもとにして、施設が選択される。よって、目的地を設定する場合、地域、ジャンル、ストリートの順に、検索できる。
【0449】
本発明は上記実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図66のステップSX116におけるストリート選択時において、ストリートリストが図70のように、ディスプレイ33内に表示されたが、これを次のように行ってもよい。すなわち、図69の第2画面110のように、エリアがディスプレイ33の分割画面に表示されると共に、各ストリート名称も、その画面上に一緒に表示される。そして、マウスカーソル406によって表示エリア上の任意の地理座標が選択されると、直ちにその選択部分を中心とした拡大図が表示される。その拡大図表示の際、ディスプレイ33の表示可能範囲にある施設も、同時に表示される。これにより、特定地域の特定ストリートに沿った各施設を、操作者は地図を見ながら検索できる。
【0450】
また、上記各実施例において、郵便番号によってエリアが指定されたが、この郵便番号をそっくり電話番号の全部または上位一部に置き換え可能である。すなわち、市外局番のみでエリアを指定したり、市外局番と、市外局番を除いた残りの電話番号の上数桁とを用いて、エリアを指定できるようにする。なお、入力される郵便番号は、上位一部または全部いずれであってもよい。
【0451】
さらに、上記ステップSX94またはSX96の後に、上記ステップSX110、またはステップSX130へ処理がジャンプされてもよい。これにより、表示されたエリア内のストリートのリスト若しくは図形または施設のリストまたは位置が表示出力または/及び音声出力される。また、上記ステップSX112で上記ステップSX94の処理が実行されてもよい。さらにまた、上記ステップSX140の施設リスト表示に代えて、上記ステップSX96の施設の地図表示が行われても良いし、施設リスト表示に併せて、施設の位置が地図上に表示されてもよい。これにより、指定されたエリア内のストリートの図形または指定されたエリア内の施設の位置が表示される。なお、上記ステップSX146とステップSX144の順番が入れ替えられても良い。
【0452】
さらに、マウスカーソルによる選択が、操作者からの音声によって実行されてもよい。この場合、表示出力または/及び音声出力されたリストのなかから所望の事項(ジャンル、ストリート名称、施設名称等)が、操作者によって発音されることによって指定される。
【0453】
上記各実施例においては、郵便番号RDN入力にもとづく、目的地または立ち寄り地の検索処理が、経路探索処理(ステップSA4)の前に行われる。しかし、これらの目的地または立ち寄り地検索処理が、ステップSA5の案内・表示処理途中でも行われてもよい。つまり、案内経路の途中において、操作者の要求に応じて、新たな立ち寄り地または目的地が設定される。但し、これらの操作は自車両が停止または徐行状態で行われる。これにより、容易に目的地または立ち寄り地が設定変更される。さらに、目的地、立ち寄り地の選択に各施設の営業時間による抽出が行われてもよい。例えば午前11時から午後の11まで営業している施設が抽出されてもよい。
【0454】
さらにまた、目的地または立ち寄り地の検索条件に、県名、州名、市町村名、等の住所が用いられても良い。上記検索条件のジャンルには、分野、業種、販売品の銘柄、販売品目が用いられても良い。各店における具体的な販売品の価格、業績、実績によって各施設が類別または検索されても良い。さらに、建造物の外的情報である、階数、床面積、高さ、広告体、色、敷地、区画、平面形状または立体的形状による検索または抽出が行われてもよい。また、目的地及び立ち寄り地には、施設、建物等の地上または地下構造物が該当するが、それ以外に、詳細な地名または番地等の案内できる地点も該当する。上記案内経路の検索始点または地図表示の際の基点とされる自車両の現在位置には、出発地または案内開始をできるスタート地点が含まれる。
【0455】
また、ディスプレイ33の画面分割、分割解除(画面の合体)またはナビゲーション動作の切り替えが行われるのは、上記各実施例では、操作者の選択操作、自車両の現在位置の変化で行われたが、以下の環境変化によって行われてもよい。例えば、自車両の走行状態の変化、自車両の車速の変化、自車両の方向の変化、自車両の高度の変化、目的地又は立ち寄り地までの距離の変化、情報記憶部37に記録されている住宅地図の範囲から自車両が外れるかまたは範囲内に入ったとき、目的地が変更されたとき、走行時間の変化、駆動源(エンジン、モータ)の回転数または駆動源の温度変化、時刻の変化、燃料の残量の変化、バッテリー(蓄電池、電池)の電圧または電流の変化、周囲の環境変化(明るさ(日中、日没時、日没後)、気温、湿度、風圧、降水量(雨量、雪量、騒音)の変化)がある。
【0456】
特に、第6実施例等おいては、画面の分割が、案内中の経路から自車輌が外れた時点で行われたが、上記環境変化によって画面が分割されるから、案内中の経路から自車輌が外れる以前から画面が分割されることもある。なお、上記環境の変化には、各種センサーが必要である。例えば、周囲環境の光の変化には、光電変換素子等を備える光センサーが用いられる。
【0457】
以上詳述したように、本発明の目的地設定処理では、画面が分割されると共に、各分割画面に検索条件及び検索結果が並列表示される。これにより、目的地の検索条件の絞り込みが段階的に行えるので、目的地の検索がより簡便に行える効果等を奏する。特に所望目的地の住所等が明確に分からない場合でも、地域を特定する番号をもとに、目的地を検索できる。
【0458】
ディスプレイ33の表示画面における分割位置は、本発明において特に限定しない。上記各実施例においては、ディスプレイ33の画面を縦方向で、しかも第2画面と第3画面とを均等面積となるように分割した。しかし、第2画面の表示面積が第3画面の表示面積より小さくてもよい。逆に、第2画面の表示面積が、第3画面の表示面積より大きくても良い。また、ディスプレイ33の表示画面が縦長の場合は、水平方向に分断し、第3画面が上方の画面とし、第2画面が下方の画面としてもよい。なお、ここでの第3画面とは、運転者にとってより必要性の高い地図情報を表示する画面を意味する。さらに、上記各実施例では、画面を2分割したが、3画面以上に分割してもよい。例えば、上記各実施例における第2画面を水平方向に分割し、上側と、下側の画面に分割する。そして、各分割画面に、異なる地理的な情報が表示されるようにしてもよい。
【0459】
さらに、上記各実施例では、第2画面及び第3画面それぞれに地理的な情報が表示された。これを次のようにしてもよい。例えば、第2画面に、テレビジョン画像が表示される。第3画面には、地図情報等が表示されるようにしてもよい。なお、上記各実施例に於いて、画面分割解除が使用者によって指示されると、ディスプレイ33の画面全体に1つの地図が表示される。この分割解除時には、第3画面に表示されていた地図が、ディスプレイ33の画面全体に表示されてもよい。
【0460】
(1)以上のことに加え、画面の分割は、左/右のほか、上/下、斜め上/斜め下等でもよく、両画面の表示面積は異なっていてもよい。この場合、上記画像メモリ10はこれらの分割形態に応じて分割され、各画像メモリ素子のアドレス指定も、これらの分割形態に応じて分けられる。また、分割画面の数は2つを越えても良く、これに応じて画像メモリ10の分割数が増加されるとともに、図18のパレットRAM204、208の数も増加される。
【0461】
(2)上記(1)に加え、上記図10または図14の第3画面110(または第2画面108)に表示される情報は、図17の簡略図であってもよい。この場合、上記ステップSC8、SC20、SD12、SD14または上記ステップSC6、SC18、SB18、SB22、SK8、SK12)で、上記ステップSK16またはSK24の処理が実行される。
【0462】
以上に加え、上記ステップSK4では、ディスプレイ33に表示されたアイコン上のタッチスイッチまたはこのアイコンに対応するスイッチの操作が判別されてもよい。このアイコンは「地図向き」である。
【0463】
以上に加え、上記ステップSB4、SB10、SE4、SE12、SG10、SG4でも、上記アイコンに応じた操作者による操作が判別されてもよい。このアイコンはステップSB4では「分割解除」、ステップSB10では「画面分割」、ステップSE4、SG4では「縮尺変更」、ステップSE12では「ルート前方表示」、ステップSG10では「全ルート表示」等である。
【0464】
図8の画面分割処理において、各画面に表示される地図を手動によって選択できるようにしてもよい。この場合、アイコンで表示される「詳細」が選択されると、主に幹線道路(案内対象道路)だけの全画面から、非幹線道路(細街路または案内非対象道路)を含む分割画面と幹線道路(案内対象道路)だけの分割画面とに切り換えられる。また、アイコンで表示される「概略」が選択されると、非幹線道路を含む全画面から、幹線道路だけの分割画面と非幹線道路を含む分割画面とに切り換えられる。
【0465】
また、図11の第3画面処理のステップSD4においても、表示地図の態様を手動によって選択できるようにしてもよい。この場合、アイコンで表示される「交差点」が選択されると、道路地図の全画面から、交差点または曲がる地点における左右折方向を示す分割画面と上記道路地図の分割画面とに切り換えられる。以上により、画面分割前の表示内容が分割後の1つの画面に表示され、表示切り換えによって表示したい内容が分割後の他の画面に表示される。
【0466】
(3)上記(1)(2)に加え、上記分割表示への切り換えは、自車の方位の変化に応じてもよい。この場合、絶対方位センサ21または相対方位センサ22からの情報に基づき、自車の方位が「北」から所定角度(例えば±45度、±30度)ずれれば、上記ステップSK12→SK14→…、ステップSK8→SK10→…、ステップSK20→SK24→…、ステップSK22→SK24→…に入ることになる。または、上記図11のステップSD2で判別されるのは、自車から目的地または立ち寄り地までの距離が所定距離未満となったか否かでもよい。この場合、上記ステップSD4で、第3画面に目的地または立ち寄り地の業種、銘柄、価格、名称、電話番号等が表示される。
【0467】
(4)上記(1)(2)(3)に加え、上記図10、図14または図16の第2画面108(または第3画面110)に表示される情報は、上記ノースアップであってしかも上記細街路を含む詳細な道路地図が表示されてもよい。
【0468】
以上に加え、上記ステップSK2が省略され、図6の各処理による分割画面が表示されたまま、ステップSK6→SK7→…の処理に入ってもよい。または、図19または図21の各処理による分割画面が表示されたまま、ステップSD2またはステップSD10の処理に入ってもよい。これにより分割画面の表示内容が同時に切り換えられる。
【0469】
以上に加え、各分割画面ごとに上記「詳細」、「概略」、「交差点」、「地図向き」「画面分割」、「縮尺変更」、「ルート前方表示」、「全ルート表示」等のアイコンが表示され、このアイコンに応じたスイッチが操作者によって操作され、各分割画面ごとに表示内容が個別に切り換えられてもよい。
【0470】
(5)上記(1)(2)(3)(4)に加え、図6、図19または図21の各処理による分割画面が表示されたまま、単一画面表示に戻ってもよい。この場合、この単一の画面に表示される地図情報は、上記分割画面のいずれかに表示されていた地図情報、この分割画面のいずれにも表示されていなかった地図情報または画面分割前の元の地図情報とされてもよい。
【0471】
この場合の単一画面への切り換えは、上述した操作者の切り換え操作、自車の走行状態の変化、自車の車速の変化、自車の方位の変化、交差点または曲がる地点から自車までの距離の変化、目的地または立ち寄り地までの距離の変化等に基づく。
【0472】
この表示切り換えに応じて、上記ステップSK16、SK24、SD4、SC6、SC8、SC18、SC20、SK8、SK10、SK12、SK14、SK20、SK22、SK24が実行される。この場合、表示情報は分割画面ではなく、ディスプレイ33の全画面に表示される。
【0473】
(6)上記(1)(2)(3)(4)(5)に加え、上記実施例の図10、図14、図16、図20、図24、図25、図30、図32、図33、図41、図42、図43、図44、図51、図52及び図68〜図73では、運転手に近い方の画面が第3画面110であった。しかし、この第3画面110と第2画面108とが、左ハンドルと右ハンドルに応じて、または自車の走行状態の変化に応じて入れ換えられてもよい。この場合、上述した操作者の切り換え操作、自車の走行状態の変化、自車の車速の変化、自車の方位の変化、交差点または曲がる地点から自車までの距離の変化、目的地または立ち寄り地までの距離の変化等に基づいて、上記図6、図19、図21、図22、図27、図34、図35、図36、図37、図38、図39、図49、図64、図65、図66及び図67のフローチャートのコンピュータプログラムの変更が行われる。
【0474】
この変更では、上記ステップSC6、SC8、SC18、SC20、SD12、SD14、SE120、SG16、SK12、SK14、SK8、SK10、SK20、SK22、SK24、SL12、SL34、SL36、SP14、SP38、SP40、SQ26、SQ28、ST12、ST14、SU12、SV22、SX12、SX14、SX20、SX22、SX62、SX64、SX72、SX94、SX112、SX122、SX123、SX132、SX140、SX141、SX146及びSX147等における表示処理で、各分割画面に表示される情報が、第3画面110と第2画面108とで入れ替えられる。
【0475】
または、ステップSC6及びSC8、ステップSC18及びSC20、ステップC18及びSC20、ステップSK12及びSK14、ステップSK8及びSK10、ステップSK20及びSK22、ステップSK20及びSK24等で、それまで、第2画面108に表示されていた情報が第3画面110に移され、第3画面110に表示されていた情報が第2画面108に移され、両表示画面が入れ替えられる。これにより、それぞれの分割画面の表示内容は互いに入れ替えることができる。
【0476】
(7)上記(1)(2)(3)(4)(5)(6)に加え、第1実施例の第2画面に表示される地図は、第3画面に表示される地図に対して、北方向、北東方向、東方向、南東方向、南方向、南西方向、西方向または北西方向に連なる地図でもよい。この場合、例えば、第1実施例のステップSB16で判断されるモードが、上記方向に接続する地図表示モードか否かが判断される。そして、このステップSB16に該当するモードであるなら、当該モードに適合する地図表示が、ステップSB18で行われる。例えば、第3画面110に表示されている地図がノースアップ画面とする。この場合に、東方向に接続する地図表示モードが選択されたとする。
【0477】
なお、地図接続部分の地理的な座標検出は、図11(第3画面表示処理)における第3画面の端部におけるクロスポイントCSPが検出されるステップSD20で行われる。つまり、このステップSD20において、第3画面110に表示される地図の東端の地理座標が検出される。そして、上記のモード選択を受けて、図6のステップSB18では、この第3画面110に表示される地図の東端に接続する地図が第2画面108に表示される。
【0478】
さらに、上記第2画面の地図表示は、操作者の操作、取り付け者の操作等に基づいて、当該操作が検出されて行われてもよい。さらに、ナビゲーション装置近傍表面に設けた物体検出センサー、例えば、赤外センサー等によって、運転者の位置が検知されるようにしてもよい。そして、この運転者の位置によって上記第2画面への地図表示処理が行われてもよい。さらに、速度センサー等によって検出される自車の走行状態の変化または、自車の車速の変化によって上記第2、3画面の地図表示処理が行われてもよい。
【0479】
さらに、相対方位センサーによって検出される、自車の方位の変化によって上記第2、3画面の地図表示が行われてもよい。案内経路の走行位置によって交差点または曲がる地点から自車までの距離の変化、目的地または立ち寄り地までの距離の変化が検出され、その検出結果に応じて上記第2、3画面の表示が行われてもよい。
【0480】
(8)上記(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)に加え、上記第3画面110に表示される地図は、自車、出発地、目的地、立ち寄り地または選択された任意の箇所の周囲を表す地図情報であってもよい。そして、この第3画面に表示された地図の全方位の1方位に繋がる地図が第2画面108に表示されてもよい。つまり、第3画面110に、目的地(立ち寄り地、指定地等)周辺の地図が表示されているとする。第2画面108には、この第3画面110の地図に接続される地図であって、しかも出発地から目的地へと繋がる案内経路を含む地図が表示されてもよい。この場合の処理も、上記(7)と同様に、図11の第3画面表示処理のステップSD20において行われる。つまり、第3画面110に表示される地図の端辺に対応する地理座標がステップSD20等で検出される。そして、図6のステップSB18において、第2画面に、この第3画面の端辺の地理座標に繋がる地図が表示される。
【0481】
さらに、第2画面108に表示される第3画面110に繋がる地図は、自車の走行延長線上で接続する地図でもよい。つまり、自車が案内経路上を走行していないとき、第3画面に目的地周辺の地図が表示されるとする。第2画面108には、第3画面110につながる地図が表示される。しかし、自車が案内経路を走行していないので、第2画面108には、案内経路が含まれなくてもよい。加えて、第2画面108には、自車の位置または案内経路と無関係な方向の地図が表示されてもよい。
【0482】
さらにまた、第2、第3画面108、110おのおのに表示される地図は、各地図の表示中心が互いにずれていてもよい。各地図の表示範囲が第2、第3画面108、110同士で互いに重なっておらず、地理的に離れた地図が表示されてもよい。第2画面108、第3画面110おのおのに表示される地図の一部が重なっていてもよい。
【0483】
(9)上記(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)に加え、上記各実施例の第1画面104または/及び第2画面108または/及び第3画面110に表示される各地図、各住宅地図、記号またはその他の情報は、立体的に見える画像であってもよく、このような情報が情報記憶部37のデータ38cに記憶される。このような立体的な地図、画像は、表示する地表面、表面に対しての視点方向の角度が垂直にならない鳥瞰図である。この視点方向角度が垂直になれば上述の地図のような平面図となる。
【0484】
このような第1画面104または/及び第2画面108または/及び第3画面110にこのような鳥瞰図が複数表示される場合には、各鳥瞰図の上記視点方向角度が異なっていてもよい。これにより、前後左右に隣接する鳥瞰図、上記視点の高度の異なる鳥瞰図などが同時表示または切り換え表示される。このような鳥瞰図は、上記視点から遠方に遠ざかるに従い、相対的に地図の精度を下げ、画面上に連続的に圧縮して表示され、場合によって地平線も表示される。
【0485】
本発明は上記実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図2に示される種々のデータを記憶するための記録媒体は、フロッピーディスク、ICメモリ等の書き込みが可能な記録媒体でも良い。さらに、上記ナビゲーション装置に、アナログ/デジタル変換器を備える音声入力装置を具備させるようにしても良い。そして、この音声入力装置によって入力された音声命令によって、各操作が実行されるようにしても良い。
【0486】
また、上記各実施例では、一つのディスプレイ33の画面が二つの表示面に分割された。これを、二つのディスプレイ装置によって実施してもよい。つまり、一つの筐体内に、二つの液晶ディスプレイが隣接して配置される。そして、分割前では、二つの液晶ディスプレイによって一つの地図が表示される。分割が指示されると、各々の液晶ディスプレイに、異なる地図情報が表示される。
【0487】
さらに、本発明に係るナビゲーション装置では、上述のフローチャートの全部または一部の処理が、VICS、ATIS等の情報管理センターにおいて実行されてもよい。この処理結果(処理情報)は、データ送受信装置27で受信される。例えば、図5の目的地設定処理(ステップSA3)及び経路探索処理(ステップSA4)等が、地図情報が蓄積された情報処理センターにおいて実行される。そして、探索された案内経路データが、データ送受信装置27を介して本発明のナビゲーション装置に転送される。
【0488】
本発明のナビゲーション装置では、送られてきた案内経路データに基づいて案内表示の処理が実行される。つまり、目的地または立ち寄り施設の検索条件及び、経路探索条件等の情報が本発明のナビゲーション装置から上記情報管センターに送られる。情報管理センターでは、この送られてきた条件に基づき、所望の施設の検索と、目的地までの経路の探索が実行される。そして、情報管理センターからナビゲーション装置へ検索・抽出・探索結果に関する情報が地図情報等と共に送信される。
【0489】
ナビゲーション装置では、この受信された検索・抽出・探索結果に基づき、検索施設がディスプレイ33上に表示される。このようにすれば、自車の現在位置周辺に関する各施設の詳細かつ最新情報に基づいて、各施設の検索、抽出、探索が可能である。また、施設検索において、周辺道路の環境変化(一方通行道路の新設等)を考慮した検索が可能である。なお、この場合、情報管理センターに蓄積される各施設に関する情報は、常に更新される必要がある。
【0490】
さらに、本発明で説明した各プログラムと、地図及び表示記号等の情報とを記憶した情報記憶部37を一般のコンピュータ装置で使用できるようにしてもよい。つまり、情報記憶部37に記憶されたプログラムが一般のコンピュータで実行可能なプログラムとされる。そして、GPS受信装置25によって現在位置を検出できる装置とともに、この情報記憶部37を携帯タイプのコンピュータ装置に接続すれば、このコンピュータ装置でもナビゲーション処理が可能となる。また、情報記憶部37には、上述の各フローチャートの一部に対応するプログラムが記録されると共に、それ以外の残りの必要なプログラムは、ROM4等に記憶されていても良い。
【0491】
さらに、本発明は、自動車以外の車両や、船舶、航空機、ヘリコプタ等のナビゲーション装置としても適用でき、ナビゲーションに用いられる地図は、道路地図の他に、海図や海底地図等でも良い。さらにまた、本発明は、自動車等の移動体に装着されるナビゲーション装置のみならず、人間が携帯するナビゲーション装置に適用されても良い。これにより、自動車を利用しないサイクリング、旅行、登山、ハイキング、つり等においても本ナビゲーション装置を利用できる。
【0492】
上記に説明した本発明に係る第1実施例は、地図情報を表示する画面を2以上の画面に分割し(図6のステップSB12)、このうちの1以上の画面に、記憶または受信された第1の地図情報を表示し(図6のステップSB14)、この表示された画面以外の画面に、この表示された第1の地図情報と異なり、しかも記憶または受信された第2の地図情報を同時に表示し(図6のステップSB18またはステップSB22)、上記第1の地図情報は、所定の処理によって表示された地図情報であり(第3画面110または図17)、上記第2の地図情報は、上記第1の地図情報に連なる地図情報(図16の第2画面108)であることを特徴とする。
【0493】
上記に説明した本発明に係る第1実施例は、地図情報を表示する画面を2以上の画面に分割し(図6のステップSB12)、このうちの1以上の画面に、記憶または受信された第1の地図情報を表示し(図6のステップSB14)、この表示された画面以外の画面に、この表示された第1の地図情報と異なり、しかも記憶または受信された第2の地図情報を同時に表示し(図6のステップSB18またはステップSB22)、上記第1の地図情報は、自車両の周囲を表す地図情報(第3画面110)、または自車の出発地または現在位置付近と目的地または立ち寄り地付近との地理関係を表す簡略図(図17)の情報であり、上記第2の地図情報は、上記第1の地図情報に連なり、しかも自車の行き先方向の地図、自車の出発地または現在位置付近から目的地または立ち寄り地付近までの地図を表示できる地図情報(図16の第2画面108)であることを特徴とする。
【0494】
また、上記第1実施例の上記地図情報にはナビゲーションの案内対象道路及び非案内対象道路の情報が、上記第1の地図情報または/及び第2の地図情報に含まれることを特徴とする。
【0495】
上記に説明した本発明の第1実施例は、上記特徴に加えて、上記地図情報を表示する画面の表示内容の切り換えを検出するようにし(図6のステップSB10、SB16、SB20)、この検出結果に応じて、上記第1の地図情報を、当該切り換え前に表示されていた地図情報とするようにし(図6のステップSB14)、同じくこの検出結果に応じて、上記第2の地図情報を、当該切り換え後に表示すべき地図情報とするようにしたことを特徴とする。
【0496】
上記に説明した本発明に係る実施例は、上記特徴に加えて、上記表示内容の切り換え前の表示画面は分割されていない、または分割されており(図6のステップSB2)、上記表示内容の切り換えは、操作者の切り換え操作、自車の走行状態の変化、自車の車速の変化(図11のステップSD10)、自車の方位の変化、交差点または曲がる地点から自車までの距離の変化(図11のステップSD2)、目的地または立ち寄り地までの距離の変化に応じていることを特徴とする。
【0497】
上記に説明した本発明に係る第1実施例は、上記特徴に加えて上記分割された各画面に表示される地図は、個々にまたは連動して縮尺が変更される(図12のステップSE4、図15のステップSG4)ことを特徴とする。
【0498】
上記に説明した本発明に係る第1実施例は、上記特徴に加えて、上記第1の地図情報または第2の地図情報は、さらに順次別の地図情報に切り換えられ、これにより上記分割画面の一部または全部の表示内容がさらに順次個別に若しくは同時に切り換えられ、または、上記第1の地図情報または、第2の地図情報、または第1の地図情報及び第2の地図情報とは別の地図情報、または画面分割前の元の地図情報何れかが、画面のさらなる切り換えに応じて、分割されない単一の画面に表示され(図6のステップSB6)、記表示内容の切り換えは、操作者の切り換え操作、自車の走行状態の変化、自車の車速の変化、自車の方位の変化、交差点または曲がる地点から自車までの距離の変化、目的地または立ち寄り地までの距離の変化に応じていることを特徴とする。
【0499】
上記に説明した本発明に係る第1実施例は、上記特徴に加えて、上記第1の地図情報と第2の地図情報とが表示される画面は互いに入れ換わり、この入れ換わりは操作者の操作、取り付け者の操作、運転者の位置の検知、自車の走行状態の変化、自車の車速の変化、自車の方位の変化、交差点または曲がる地点から自車までの距離の変化、目的地または立ち寄り地までの距離の変化に基づき、上記分割された画面のうち運転者に近い画面に、上記第1の地図情報または第2の地図情報が表示されることを特徴とする。
【0500】
上記に説明した本発明に係る第1実施例は、上記特徴に加え、上記第1の地図情報及び上記第2の地図情報は、一方がノースアップによる表示であり(図19のステップSK8、SK14)、他方はヘディングアップ(図19のステップSK10、SK12)による表示であり、または、上記第1の地図情報及び上記第2の地図情報は、一方は北の絶対方位を画面のいずれかの方向にほぼ維持した地図の情報であり、他方は自車の進行方向を画面のいずれかの方向にほぼ維持した地図の情報であり、または、上記第1の地図情報及び上記第2の地図情報は、同じ縮尺または異なる縮尺であり、上記第2の地図情報は、上記第1の地図情報に対して、北、北東、東、南東、南、南西、西または北西に連なる地図情報であり、これらの地図情報は、操作者の操作、取り付け者の操作、運転者の位置の検知、自車の走行状態の変化、自車の車速の変化、自車の方位の変化、交差点または曲がる地点から自車までの距離の変化、目的地または立ち寄り地までの距離の変化に基づき、いずれかが選択されることを特徴とする。
【0501】
上記に説明した本発明に係る第1実施例は、上記特徴に加え、上記第1の地図情報は、自車、出発地、目的地、立ち寄り地または選択された任意の箇所の周囲を表す地図情報であり、上記第2の地図情報は、この第1の地図情報に連なる地図の情報であり、この第2の地図情報の地図は、上記第1の地図情報の地図に隣り合いまたはこの第1の地図情報の地図に対して自車の進行方向若しくは探索経路に沿って先又は後に隣り合い、各地図の表示中心が互いにずれており、各地図の表示範囲は互いに重なっていない又は一部重なっていることを特徴とする。
【0502】
上記に説明した本発明に係る第4、第5実施例は、表示画面を2以上の画面に分割し(図22のステップSL10、図27のステップSP12)、該分割された画面のうち1以上の画面に、第1の案内経路情報を表示し(図22のステップSL12、図27のステップSP14)、前記第1の案内経路情報を表示した画面以外の1以上の両面に、前記第1の案内経路情報とは異なる第2の案内経路情報を表示する(図22のステップSL12、図27のステップSP14)ことを特徴とする。
【0503】
上記に説明した本発明に係る第4、第5実施例は、予め設定された経路に従い経路案内を行う(図5のSA2〜SA6)ナビゲーション装置において、予め設定された経路とは異なる経路を探索させる命令がなされると(図22のステップSL4、図22のステップSL28、図22のステップSP6、図27のステップSP32)、探索を実行し(図22のステップSL8、SL26、図27のステップSP10、SP30)、表示画面を2以上の画面に分割し(図22のステップSL10、図27のステップSP12)、該分割された画面のうち1以上の画面に第1の案内経路情報として予め設定された経路の情報を表示し(図22のステップSL12、図27のステップSP14)、前記第1の案内経路情報を表示した画面以外の1以上の画面に、第2の案内経路情報として前記第1の案内経路情報とは異なる経路の情報を表示する(図22のステップSL12、図27のステップSP14)ことを特徴とする。
【0504】
上記に説明した本発明に係る第5実施例は、予め設定された経路に従い経路案内を行う(図5のSA2〜SA6)ナビゲーション装置において、予め設定された経路から外れて新たな経路を探索させる命令がなされると(図27のステップSP2、SP6)、探索を実行し(図27のステップSP10)、表示画面を2以上の画面に分割し(図27のステップSP12)、該分割された画面のうち1以上の画面に第1の案内経路情報として予め設定された経路の情報を表示し(図27のステップSP14)、前記第1の案内経路情報を表示した画面以外の1以上の画面に、第2の案内経路情報として探索された新たな経路を表示する(図27のステップSP14)ことを特徴とする。
【0505】
また、上記第1及び第2の案内経路情報は、自車両の出発地または現在位置付近から、入力された目的地または立ち寄り地付近までの、探索または受信された経路の情報、または自車両が離脱した案内経路と自車両の現在位置とを繋なぐ経路の情報(図22のステップSL8、SL26、図27のステップSP10、SP30)であることを特徴とする。
【0506】
上記に説明した本発明に係る第4、第5実施例は、探索命令が入力される度に、上記第1の案内経路情報及び/または上記第2の案内経路情報が他の案内経路情報に切り換えられる(図22のステップSL24、SL26、SL12、図27のステップSP28、SP30、SP14)ことを特徴とする。
【0507】
上記に説明した本発明に係る実施例は、探索命令が入力される度に、上記第1の案内経路情報が、上記第2の案内経路情報とされると共に、上記第2の案内経路情報には、探索または受信された新たな経路の情報とされる(図22のステップSL24、SL26、SL12、図27のステップSP28、SP30、SP14)ことを特徴とする。
【0508】
上記に説明した本発明に係る第4、第5実施例は、上記第1、第2の案内経路情報は、案内経路の主要名称及び/または通過点名称及び/または案内経路の全長及び/または通過所用時間(図32、図33)でもよいことを特徴とする。
【0509】
上記に説明した本発明に係る第4、第5実施例は、上記第1、第2の案内経路情報の一つが選択されると、当該選択案内経路による案内が開始されるとともに、画面が分割状態または、当該選択案内経路のみを表示する単一画面にされる(図22のステップSL23、SL34、SL36、図27のステップSP25、SP38、SP40)ことを特徴とする。
【0510】
上記に説明した本発明に係る第4、第5実施例は、予め設定された経路に従い経路案内を行う(図5のSA2〜SA6)ナビゲーション装置において、案内経路情報を表示する表示装置と(図1の画像メモリ10、ディスプレイ33)、該表示装置に案内情報を出力する表示処理手段と(図1の画像プロセッサ9)、予め設定された経路とは異なる経路を探索させる指示を入力する入力手段と(図22のステップSL4、SL28、図27のステップSP6、SP32)、前記入力手段の入力により経路を探索させる指示がなされると予め設定された経路とは異なる経路を探索する経路探索手段(図22のステップSL8、SL26、図27のステップSP10、SP30)とを備え、前記表示処理手段は、前記経路探索手段により予め設定された経路とは異なる経路が探索されると前記表示装置に表示する画面を2以上の画面に分割し(図22のステップSL10、図27のステップSP12)、該分割された画面のうち1以上の画面に、予め設定された経路に関する第1の案内経路情報を表示し(図22のステップSL12、図27のステップSP14)、前記第1の案内経路情報を表示した画面以外の1以上の画面に、前記第1の案内経路情報とは異なる経路に関する第2の案内経路情報を表示する(図22のステップSL12、図27のステップSP14)ことを特徴とする。
【0511】
上記に説明した本発明に係る第4、第5実施例は、予め設定された経路に従い経路案内を行う(図5のSA2〜SA6)ナビゲーション装置において、案内経路情報を表示する表示装置と(図1の画像メモリ10、ディスプレイ33)、該表示装置に案内情報を出力する表示処理手段と(図1の画像プロセッサ9)、予め設定された経路から車両が外れたことを検出する経路外れ検出手段と(図27のステップSP2)、該経路外れ検出手段により車両が経路から外れたことが検出されると新たな経路を探索する経路探索手段(図27のステップSP10)とを備え、前記表示処理手段は、前記経路探索手段により新たな経路が探索されると前記表示装置に表示する画面を2以上の画面に分割し(図27のステップSP12)、該分割された画面のうち1以上の画面に、予め設定された経路に関する第1の案内経路情報を表示し(図27のステップSP14)、該第1の案内経路情報を表示した画面以外の1以上の画面に、前記経路探索手段により探索された新たな経路に関する第2の案内経路情報を表示する(図27のステップSP14)ことを特徴とする。
【0512】
(A1)上記に説明した本発明に係る第6実施例は、入力された目的地までの案内経路を探索し(図5のステップSA4)、この案内経路にしたがって情報案内を行うナビゲーション装置(図5のステップSA5)において、地図情報を表示する画面を2以上の画面に分割し(図35のステップSR8)、このうちの1以上の画面に、記憶または受信された第1の地図情報を表示し(図35のステップSR10)、この表示された画面以外の画面に、記憶または受信された第2の地図情報を同時に表示し(図35のステップSR14、SR22)、上記第1の地図情報は、自車両の現在位置周囲の地図を表す地図情報であり(図35のステップSR14)、上記第2の地図情報は、上記案内経路の一部または全部と、自車両の現在位置とを含む地図情報(図36のステップST12、図37のステップSU10)であることを特徴とするナビゲーション装置である。
【0513】
また、上記画面の分割は、上記案内経路からの自車両の逸脱を検知したときに行われる(図34のステップSQ2)。そして、上記案内経路から自車両が逸脱走行されると、自車両の現在位置から上記案内経路へ戻る復帰経路が探索される(図35のステップSR4)とともに、この復帰経路から自車両が逸脱走行されると、再度、自車両の現在位置から上記案内経路へ戻る復帰経路を再探索し(図35のステップSR2)、上記第2の地図情報が、上記復帰経路を上記分割画面に最も拡大表示できる地理範囲(図36のステップST10、図37のステップSU8、図38のステップSV16、SV20又は、図39のステップSW8)である。
【0514】
さらに、上記復帰経路の明示要求があった場合にのみ、上記第2の地図情報に復帰経路が表示される(図34のステップSQ18)。そして、上記第2の地図情報は、上記復帰経路における自車両の現在位置から上記案内経路との合流点までを上記分割画面に最も拡大表示できる地理範囲である(図37のステップSU8又は、図39のステップSW8)。
【0515】
また、上記第2の地図情報は、自車両が上記分割画面の中心となるように表示されると共に、絶対方位が常時画面上方を向いているか、または自車両の進行方向が常時画面上方を向いている(図36のステップST12または図38のステップSV22)。
【0516】
さらに、案内経路の再探索要求があった場合に、自車両の現在位置から目的地までの第2案内経路を探索し、この第2案内経路の一部または全部が、上記第1の地図情報として、上記案内経路と共に/または代えて表示される(図35のステップSR20、SR22)。
【0517】
また、画面分割解除要求があると(図34のステップSQ20)、地図情報を表示する画面の分割状態が解除されると共に(図34のステップSQ12)、上記第1または第2の地図情報のいずれかが分割解除後の画面に表示される。
【0518】
さらに、自車両が上記案内経路へ復帰したことが検知されたとき(図34のステップSQ2及びSQ14)、画面分割が解除され(図34のステップSQ16)、上記第1の地図情報が分割解除の画面に表示される。
【0519】
[0] 目的地または立ち寄り地までの経路を探索させ、 この探索された経路から現在位置が外れたことを検出させ、 この検出に応じて、上記探索された経路、上記目的地または立ち寄り地へ戻る復帰地点までの復帰経路を再探索させ、 表示手段の表示画面を2以上の画面に分割させ、 このうちの1以上の画面に、上記再探索された復帰経路を表示させるる処理とを少なくともコンピュータに実行させる案内経路表示のためのコンピュータプログラムの記憶媒体/通信方法(装置)/経路表示方法(装置)/地図表示方法(装置)/ナビゲーション方法(装置)。
【0520】
[1]上記実施例のナビゲーション装置は、地図情報を表示する画面を2以上の画面に分割するようにし、このうちの1以上の画面に、記憶または受信された第1の地図情報を表示するようにし、この表示された画面以外の画面に、この表示された第1の地図情報と異なる第2の地図情報を同時に表示するようにしたことを特徴とするナビゲーション装置において、上記第1の地図情報と上記第2の地図情報とは、道路種別の異なる地図情報の異なる地図情報を表示制御することを特徴とする。
【0521】
[2]上記[1]の特徴に加え、上記道路種別とはナビゲーションの案内対象道路及び非案内対象道路についての情報であり、上記第1の地図情報はナビゲーションの案内対象道路及び非案内対象道路の情報であり、上記第2の地図情報はナビゲーションの案内対象道路のみの情報であることを特徴とする。
【0522】
[3]上記本発明の実施例のナビゲーション装置は、地図情報を表示する画面を2以上の画面に分割するようにし、このうちの1以上の画面に対して記憶または受信された第1の地図情報を表示するようにし、この表示された画面以外の画面に、この表示された第1の地図情報とは異なる第2の地図情報を同時に表示するナビゲーション装置において、上記表示された第1の地図情報の地図の向きと上記表示された第2の地図情報の地図の向きと異なるように表示制御することを特徴とする。
【0523】
[4]上記特徴に加え、上記第1の地図情報はノースアップによる表示がなされ、上記第2の地図情報はヘディングアップによる表示がなされることを特徴とする。
【0524】
[5]上記ナビゲーション装置は、上記[1]、[2]、[3]または[4]の特徴に加え、上記地図情報を表示する画面の表示内容の切り換えを検出するようにし、この検出結果に応じて、上記第1の地図情報を、当該切り換え前に表示されていた地図情報とするようにし、同じくこの検出結果に応じて、上記第2の地図情報を、当該切り換え後に表示すべき地図情報とするようにしたことを特徴とする。
【0525】
[6]上記ナビゲーション装置は、上記[1]、[2]、[3]、[4]または[5]に加え、上記表示内容の切り換え前の表示画面は分割されていない、または分割されており、上記表示内容の切り換えは、操作者の切り換え操作、自車の走行状態の変化、自車の車速の変化、自車の方位の変化、交差点または曲がる地点から自車までの距離の変化、目的地または立ち寄り地までの距離の変化に応じていることを特徴とする。
【0526】
[7]上記実施例のナビゲーション装置は、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]または[6]に加え、上記第1の地図情報または第2の地図情報は、さらに順次別の地図情報に切り換えられ、これにより上記分割画面の一部または全部の表示内容がさらに順次個別に若しくは同時に切り換えられ、または上記第1の地図情報または第2の地図情報は、画面の表示内容のさらなる切り換えに応じて、分割されない単一の画面にされ、この単一の画面に表示される地図情報は、上記第1の地図情報、第2の地図情報、この第1の地図情報及び第2の地図情報とは別の地図情報または画面分割前の元の地図情報であり、上記表示内容の切り換えは、操作者の切り換え操作、自車の走行状態の変化、自車の車速の変化、自車の方位の変化、交差点または曲がる地点から自車までの距離の変化、目的地または立ち寄り地までの距離の変化に応じていることを特徴とする。
【0527】
[8]上記実施例のナビゲーション装置は、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]または[7]の特徴に加え、上記第1の地図情報と第2の地図情報とが表示される画面は互いに入れ換わり、この入れ換わりは操作者の操作、取り付け者の操作、運転者の位置の検知、自車の走行状態の変化、自車の車速の変化、自車の方位の変化、交差点または曲がる地点から自車までの距離の変化、目的地または立ち寄り地までの距離の変化に基づき、上記分割された画面のうち運転者に近い画面に、上記第1の地図情報または第2の地図情報が表示されることを特徴とする。
【0528】
[9]上記ナビゲーション装置は、上記[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]または[8]の特徴に加え、上記地図情報は、自車の出発地または現在位置付近から目的地または立ち寄り地付近までの経路を探索し、この探索された経路に関する地図情報であり、上記第1の地図情報は自車の出発地または現在位置付近と目的地または立ち寄り地付近との地理関係を表す簡略図の情報であり、上記第2の地図情報は自車の現在位置付近の詳細な地理情報であり、または、上記第1の地図情報は上記探索された経路における、自車の走行情報に基づく走行情報であり、上記第2の地図情報は自車の現在位置付近の詳細な地理情報であり、または、上記第1の地図情報は幹線道路及び非幹線道路またはナビゲーションの対象道路及び非対象道路についての情報であり、第2の地図情報は主に幹線道路だけまたはナビゲーションの対象道路だけについての情報であり、または、上記第1の地図情報はノースアップによる表示であり、第2の地図情報はヘディングアップによる表示であり、または、上記第1の地図情報は北の絶対方位を画面のいずれかの方向にほぼ維持した地図の情報であり、第2の地図情報は自車の進行方向を画面のいずれかの方向にほぼ維持した地図の情報であることを特徴とする。
【0529】
[10]上記第7実施例のナビゲーション装置は、入力された目的地までの経路を探索し、探索された経路を基に経路案内するナビゲーション装置において、表示画面を2以上に分割し、所望の地点データを階層的に検索でき、この検索条件及び検索結果のうち異なる2以上の情報を各分割画面それぞれに、同時表示することを特徴とする。
【0530】
[11]上記第7実施例のナビゲーション装置は、上記[10]の特徴に加え、上記異なる2以上の情報のうち、第1の情報は第1の検索条件による抽出結果であり、第2の情報は第2の検索条件であることを特徴とする。
【0531】
[12]上記第7実施例のナビゲーション装置は、上記[11]の特徴に加え、上記異なる2以上の情報のうち、第1の情報は第1の検索条件による抽出結果であり、第2の情報は第2の検索条件による抽出結果であることを特徴とする。
【0532】
[13]上記第7実施例のナビゲーション装置は、上記[10]、[11]、または[12]の特徴に加え、上記第1の検索条件は、地域に対応する識別番号の全部または一部よってエリアを指定し、上記第2の検索条件は、上記各エリア内のストリートを抽出し、上記ストリート内にある施設を、ジャンルまたは営業内容または営業時間または営業品目または自車両からの距離または案内経路からの距離によって抽出する条件が、検索命令の入力毎に上記第2の検索条件に重畳されることを特徴とする。
【0533】
[14]上記第7実施例のナビゲーション装置は、上記[10]、[11]、[12]または[13]の特徴に加え、切り換え命令に応じて、上記第1の検索条件及び/または第2の検索条件に付加条件が重畳、または軽減されることを特徴とする。
【0534】
[15] 上記表示される第1の地図情報、第2の地図情報、画面分割前の元の地図情報または別の地図情報は、鳥瞰図または平面図の地図情報であり、または互いに視点角度または視点高度の異なる鳥瞰図、互いに縮尺の異なる鳥瞰図、互いに隣接する鳥瞰図であることを特徴とする。
【0535】
以上詳述したように、本実施例は、地図が表示される表示画面を少なくとも二つに分割した。そして、一方の画面には、より重要性の高い情報を表示させる。他方の画面には、補助的な情報が表示されるようにした。しかも、各画面に表示される地図情報は、車両の走行状態等に応じて変更するようにした。これにより、異なる2種類の情報を同時に得ることができる。つまり、従来、画面の表示状態の切り換えによって時間差を持って得られた二つの情報が、本実施例によれば、同時に得られる。また、表示される2種類の情報同士の比較が可能になるので、自車両の現在位置近傍の地理的な環境と、案内経路の先方の状態とを的確に知ることができる。さらに、再探索された別ルートと、元の経路、または他の最探索された別ルート同士が、分割画面にそれぞれ表示される。よって、各経路同士の優劣判断による比較が直接行える。
また、自車両が案内経路から外れても、自車両と外れた元の案内経路とを含む地図が、分割画面の一方に直ちに表示されると共に、他方の画面には分割前の地図が表示されている。この結果、元の案内経路と自車両との相対位置関係を迅速に把握できる。よって、元の経路への復帰が容易にできる。しかも、必要に応じて、自動探索された復帰ルートによる案内処理が実行される。また、再探索された新しい案内経路を使用することと、元の経路へ復帰した場合おのおのについて条件比較が容易にできる。また、目的地または立ち寄り地等の設定においても、各選択条件と、その選択結果を分割画面各々に表示するので、選択条件の変更と、その結果を迅速に得ることができる。
【0536】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、経路探索手段で探索された経路に基づき1画面で経路案内し、再探索手段で経路が再探索された場合に、1画面から複数の画面に分割し、該分割された1の画面に経路探索手段で探索された経路を表示し、他の画面に再探索手段で再探索された経路を表示するようにしたので、両経路を、分割された別の画面で比較することが可能になる。
そして、この経路の比較により、操作者の希望に合致した案内経路の選択が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ナビゲーション装置の全体回路図である。
【図2】 情報記憶部37のデータ38cに記憶されるデータ構造を示す図である。
【図3】 RAM5に記憶されるデータを示す図である。
【図4】 道路データファイルF4の構造を示す図である。
【図5】 全体処理のフローチャートを示す図である。
【図6】 第1実施例の案内・表示処理のフローチャートを示す図である。
【図7】 第1実施例の単一画面表示処理サブルーチンを示す図である。
【図8】 第1実施例の画面分割処理サブルーチンを示す図である。
【図9】 ディスプレイ33に表示される画面の様子を示す図である。
【図10】ディスプレイ33の画面が分割された状態を示す図である。
【図11】第1実施例の第3画面表示処理サブルーチンを示す図である。
【図12】第1実施例のルート前方表示処理サブルーチンを示す図である。
【図13】第1実施例の表示可能範囲算出処理サブルーチンを示す図である。
【図14】案内経路の前方が表示された様子を示す図である。
【図15】第1実施例の全ルート(前方)表示処理サブルーチンを示す図である。
【図16】案内経路の残りでしかも目的地までの経路全体が表示された様子を示す図である。
【図17】ディスプレイ33に表示される簡略図を示す図である。
【図18】画像メモリ10とディスプレイ33との間に介装される回路を示す図である。
【図19】第2実施例の案内・表示処理のフローチャートを示す図である。
【図20】第2実施例によるディスプレイ33の分割画面の様子を示す図である。
【図21】第3実施例の案内・表示処理のフローチャートを示す図である。
【図22】第4実施例の案内・表示処理のフローチャートを示す図である。
【図23】画面分割前のディスプレイ33の表示画面の様子を示す図である。
【図24】ディスプレイ33の画面分割状態を示す図である。
【図25】ディスプレイ33の画面分割状態を示す図である。
【図26】ディスプレイ33の画面が単一画面に戻された状態を示す図である。
【図27】本発明の第5実施例の案内・表示処理のフローチャートを示す図である。
【図28】画面分割前のディスプレイ33の表示画面の様子を示す図である。
【図29】ディスプレイ33の画面分割状態を示す図である。
【図30】ディスプレイ33の画面分割状態を示す図である。
【図31】ディスプレイ33の単一画面に戻された状態を示す図である。
【図32】ディスプレイ33の画面分割状態を示す図である。
【図33】ディスプレイ33の画面分割状態を示す図である。
【図34】第6実施例の案内・表示処理のフローチャートを示す図である。
【図35】ルート外れ処理のフローチャートを示す図である。
【図36】図35の第2画面の初期表示の第1実施例のフローチャートを示す図である。
【図37】図35の第2画面の初期表示の第2実施例のフローチャートを示す図である。
【図38】図34の案内・表示処理における第2画面の表示調整の第1実施例のフローチャートを示す図である。
【図39】図34の案内・表示処理における第2画面の表示調整の第2実施例のフローチャートを示す図である。
【図40】分割前のディスプレイ33の様子を示す図である。
【図41】案内経路外れ直後のディスプレイ33の分割画面の様子を示す図である。
【図42】復帰ルート258が第2画面に表示されている様子を示す図である。
【図43】案内経路から自車両が遠く離れた場合におけるディスプレイ33の分割画面の様子を示す図である。
【図44】図43において第2画面に復帰ルート260が表示され様子を示す図である。
【図45】図43において第2画面に復帰ルート260が表示され様子を示す図である。
【図46】案内経路離反直後のディスプレイ33の表示応用例を示す図である。
【図47】案内経路等の各ノードを説明する図である。
【図48】第2画面に地図が表示される際の表示領域を説明する図である。
【図49】最寄り施設設定処理のフローチャートを示す図である。
【図50】ジャンルリストの例を示す図である。
【図51】分割画面に指定ジャンルに該当する施設が表示された様子を示す図である。
【図52】分割画面の様子を示す図である。
【図53】経路沿い施設の抽出サブルーチンを示す図である。
【図54】検索施設と、案内経路との最短直線距離算出のサブルーチンを示す図である。
【図55】検出された施設と案内経路との位置関係を説明する図である。
【図56】ステップSX36の説明図である。
【図57】最短直線距離の算出を説明する図である。
【図58】郵便番号選択データ50を示す図である。
【図59】ストリートリストデータ55の内容を表した図である。
【図60】施設ジャンルリストデータ60の内容を表した図である。
【図61】ストリート形状データ65の内容を表した図である。
【図62】施設リストデータ70の内容を表した図である。
【図63】エリア形状データ75の内容を表した図である。
【図64】目的地設定処理(ステップSA3)のフローチャートを表す図である。
【図65】代表点地図表示及び目的地設定サブルーチンを示す図である。
【図66】ストリート名称の表示及び目的地設定サブルーチンを示す図である。
【図67】ジャンルリスト表示及び目的地設定サブルーチンを示す図である。
【図68】郵便番号及び項目選択画面の様子を示す図である。
【図69】指定エリアの表示例を示す図である。
【図70】ストリートリストを示す図である。
【図71】ストリート表示の様子を示す図である。
【図72】ジャンルリストの画面表示例を示す図である。
【図73】分割画面に指定ジャンルに該当する施設と、特定銘柄に該当する施設が表示された様子を示す図である。
【符号の説明】
1…中央処理装置、2…CPU、3…フラッシュメモリ、4…ROM、5…RAM、7…センサ入力インタフェイス、8…通信インタフェイス、9…画像プロセッサ、10…画像メモリ、11…音声プロセッサ、13…スピーカ、20…現在位置検出装置、21…絶対方位センサ、22…相対方位センサ、23…距離センサ、24…速度センサ、25…GPS受信装置、26…ビーコン受信装置、27…データ送受信装置、30…入出力装置、33…ディスプレイ、34…タッチパネル、37…情報記憶部、38a…ディスク管理情報、39…データ送受信部

Claims (3)

  1. 目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
    前記探索した経路から外れた現在位置から前記経路探索手段で探索された経路まで復帰する経路、又は、前記目的地までの経路を再探索する再探索手段と、
    表示装置と、
    前記表示装置の表示画面を1画面、又は分割した複数画面とする表示制御手段と、を具備し、
    前記表示制御手段は、前記経路探索手段で探索された経路に基づき1画面で経路案内し、前記再探索手段で経路が再探索された場合に、前記1画面から複数の画面に分割し、該分割された1の画面に前記経路探索手段で探索された経路を表示し、他の画面に前記再探索手段で再探索された経路を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
  2. 前記経路探索手段で探索された経路から現在位置が外れたことを検出する離脱検出手段を備え、
    前記再探索手段は、前記離脱検出手段による検出に応じて、再探索する、ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
  3. 前記表示制御手段は、前記経路探索手段で探索された経路と共に、該経路から外れた離脱地点から現在位置までの離脱経路を表示する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置。
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