JP3776819B2 - 走行車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行車両の一形態として、無段変速可能とした走行車体に、各種作業装置を連結すると共に昇降させる昇降連結機構を設け、同昇降連結機構を昇降操作手段により昇降操作可能としたものがある。
【0003】
そして、例えば、各種作業装置としての耕耘装置を昇降連結機構に連結して耕耘作業を行う際には、昇降操作手段を操作することにより、耕耘装置を昇降連結機構により圃場に接地させるべく下降動作させ、同状態を保持したまま耕耘装置を耕耘作動させると共に、走行車体を前進させる。
【0004】
また、圃場内で走行車体を回行させる場合や路上走行等する際には、耕耘装置を昇降装置により上昇動作させておく。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した走行車両では、昇降操作手段を操作することにより各種作業装置を昇降連結機構を介して昇降させることができるものの、同昇降操作手段では、各種作業装置を微小に昇降調整するのが困難である。
【0006】
そのために、軟弱な圃場において耕耘作業をする際に、耕耘初めに走行車体が後傾ないしは前傾した場合等には、そのときだけ耕耘装置を少し上昇ないしは下降させれば、所定の耕耘深さを確保することができるが、それが容易にできないという不具合がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、無段変速可能とした走行車体に、各種作業装置を連結すると共に昇降させる昇降連結機構を設け、同昇降連結機構を昇降操作手段により昇降操作可能とすると共に、上記昇降操作手段とは別に、昇降連結機構を微小範囲で上昇及び/又は下降させるための微小調整操作手段を設けた走行車両において、昇降連結機構の最下降位置をあらかじめ設定するための最下降位置設定手段と、昇降連結機構の最上昇位置をあらかじめ設定するための最上昇位置設定手段と、両設定手段により設定した最上昇位置若しくは最下降位置まで昇降させるための昇降操作手段とを設け、同昇降操作手段により昇降操作がなされた場合には、微小調整操作手段による設定が解除されるようにし、さらに昇降連結機構に姿勢制御手段を設けて、同姿勢制御手段により昇降連結機構に連結した各種作業装置を地面に対して所定の姿勢に制御可能とし、同姿勢制御手段が作動している間に微小調整操作手段を操作した場合には、姿勢制御手段による姿勢制御機能が一旦停止して、微小調整操作手段による微小調整操作機能が優先し、同微小調整操作手段による微小調整操作が終了した時点で姿勢制御手段による姿勢制御機能が再開されるようにしたこと走行車両を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
すなわち、本発明に係る走行車両は、基本的構造として、無段変速可能とした走行車体に、各種作業装置を連結すると共に昇降させる昇降連結機構を設け、同昇降連結機構を昇降操作手段により昇降操作可能としている。
【0014】
そして、特徴的構造として、上記昇降操作手段とは別に、昇降連結機構を微小範囲で上昇及び/又は下降させるための微小調整操作手段を設けている。
【0015】
しかも、走行車体を無段変速操作するための変速レバーを設けると共に、同変速レバーの把持部の近傍に微小調整操作手段を設けている。
【0016】
さらには、昇降連結機構の最下降位置をあらかじめ設定するための最下降位置設定手段と、昇降連結機構の最上昇位置をあらかじめ設定するための最上昇位置設定手段と、両設定手段により設定した最上昇位置若しくは最下降位置まで昇降させるための昇降操作手段とを設け、同昇降操作手段により昇降操作がなされた場合には、微小調整操作手段による設定が解除されるようにしている。
【0017】
また、昇降連結機構に姿勢制御手段を設けて、同姿勢制御手段により昇降連結機構に連結した各種作業装置を地面に対して所定の姿勢に制御可能とし、同姿勢制御手段が作動している間に微小調整操作手段を操作した場合には、姿勢制御手段による姿勢制御機能が一旦停止して、微小調整操作手段による微小調整操作機能が優先し、同微小調整操作手段による微小調整操作が終了した時点で姿勢制御手段による姿勢制御機能が再開されるようにしている。
【0018】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1及び図2に示すMは、本発明に係る走行車両であり、同走行車両Mは無段変速可能とした走行車体Aの後部に昇降連結機構Bを設けて、同昇降連結機構Bに各種作業装置Cを連結して昇降させることができるようにしている。
【0020】
そして、走行車体Aは、図1及び図2に示すように、左右一対のクローラ式の走行部1,1間に車体フレーム2を介設し、同車体フレーム2上の前部に原動機部3を配設し、同原動機部3の後方位置に運転部4を配設し、同運転部4の後方位置に燃料タンク5を配設している。
【0021】
走行部1は、前後方向に伸延する走行フレーム10の前端部に駆動輪11を後述する前部ミッションケース25を介して取り付ける一方、後端部に従動輪12をアイドラフォーク13を介して取り付け、これら駆動輪11と従動輪12との間に履帯14を巻回している。11aは駆動輪支軸、12aは従動軸、15は上部転動輪、16はイコライザである。
【0022】
車体フレーム2は、前後方向に伸延する左右一対の車体フレーム側部形成片20,20と、両車体フレーム側部形成片20,20の前・後端部間にそれぞれ横架した車体フレーム前・後端部形成片21,22とを具備している。
【0023】
そして、車体フレーム2は、走行部1,1の走行フレーム10,10に前部左右側連結体23,23と後部左右側連結体24,24とを介して連結している。
【0024】
また、前部左右側連結体23,23間には前部ミッションケース25を横架し、同前部ミッションケース25の左右側端部にそれぞれ前記した駆動輪11,11を駆動輪支軸11a,11aを介して取り付けている。
【0025】
原動機部3には、主としてエンジンEを搭載しており、同エンジンEの前方位置に前部減速ケース30を第1伝動シャフト31を介して連動連結し、同前部減速ケース30の出力側に旋回用HST(静油圧式無段変速装置)32の入力側を連動連設し、同旋回用HST32の出力側に前部ミッションケース25の入力側を連動連設している。
【0026】
そして、旋回用HST32のもう一つの出力側に前部PTO軸(図示せず)を連動連結すると共に、同前部PTO軸を前方に向けて突出させて、同前部PTO軸に洗車ポンプ40を着脱自在に連動連結しており、同洗車ポンプ40は、左右一対の車体フレーム側部形成片20,20の間の前部に配置している。
【0027】
また、エンジンEの後方位置に後部ミッションケース33を介して直進用HST(静油圧式無段変速装置)34を連動連設し、同直進用HST34の出力側に後部ミッションケース33の入力側を連動連結して、同後部ミッションケース33の出力側に前部ミッションケース25の入力側を第2伝動シャフト35を介して連動連結する一方、後部ミッションケース33のもう一つの出力側に車体フレーム2の後部に配置した後部減速ケース36の入力側を第3伝動シャフト37を介して連動連結して、同後部減速ケース36の出力側に後部PTO軸38を連動連結して、同後部PTO軸38を後方へ向けて突出させている。
【0028】
運転部4は、左右一対の車体フレーム側部形成片20,20の中央部間に床部41を張設し、同床部41上の前部にステアリングコラム42を立設し、同ステアリングコラム42の上端部にステアリングホイール43を取り付け、同ステアリングホイール43の後方位置に座席44を配置し、同座席44の右側方位置に変速レバー45を起立状に配置し、同変速レバー45の後方位置に各種作業装置Cを操作するための第1・第2作業装置操作用レバー46,47をそれぞれ起立状に配置している。48は、運転部4を被覆するキャビンである。
【0029】
そして、ステアリングホイール43は、旋回用HST32に操向用連動機構(図示せず)を介して連動連結する一方、変速レバー45は、直進用HST34に直進用連動機構(図示せず)を介して連動連結して、同変速レバー45により無段変速操作が行えるようにしている。
【0030】
また、図3に示すように、変速レバー45の上端部には把持部50を設けており、同把持部50の前側面部には昇降操作手段としての昇降操作スイッチ51を設け、同把持部50の左側面部(内側面部)の上部に副変速操作ボタン52を設けると共に、中途部に微小調整操作手段としての微小昇降操作スイッチ53を設けて、これらのスイッチ51,53と副変速操作ボタン52を制御手段としての制御部49の入力側に接続している。なお、制御部49は運転部4に配設している。
【0031】
ここで、昇降操作スイッチ51は、把持部50を上方から把持した状態にて人差し指や中指の指先により上下方向に傾動操作するようにしており、同昇降操作スイッチ51は、前記した制御部49を介して後述する昇降用シリンダ70,70に電気的に接続している。
【0032】
このようにして、昇降操作スイッチ51を上方向へ傾動操作することにより、昇降用シリンダ70,70を伸長作動させて昇降連結機構Bを上昇作動させることも、また、同昇降操作スイッチ51を下方へ傾動操作することにより、昇降用シリンダ70,70を短縮作動させて昇降連結機構Bを下降作動させることもできる。
【0033】
この際、昇降連結機構Bは、後述するようにあらかじめ設定された最上昇位置に一挙に上昇作動されるか、又は、あらかじめ設定された最下降位置に一挙に下降作動されるようにしている。
【0034】
また、微小昇降操作スイッチ53は、昇降連結機構Bを微小範囲で上昇又は下降させるための操作手段であり、図4に示すように、上昇側スイッチ面53aと下降側スイッチ面53bとを具備している。
【0035】
そして、微小昇降操作スイッチ53は、図4(a)に示すように、上昇側スイッチ面53aを親指等で押し続けることにより、後述する昇降用シリンダ70,70を連続的に伸長作動させて、昇降連結機構Bを連続的に上昇作動させることができると共に、押している親指等を上昇側スイッチ面53aから離すことにより、昇降用シリンダ70,70の伸長作動を停止させて、昇降連結機構Bの上昇作動を停止させることができるようにしている。
【0036】
また、微小昇降操作スイッチ53は、図4(b)に示すように、下降側スイッチ面53bを親指等で押し続けることにより、後述する昇降用シリンダ70,70を連続的に短縮作動させて、昇降連結機構Bを連続的に下降作動させることができると共に、押している親指等を下降側スイッチ面53bから離すことにより、昇降用シリンダ70,70の短縮作動を停止させて、昇降連結機構Bの下降作動を停止させることができるようにしている。
【0037】
このように、微小昇降操作スイッチ53により昇降連結機構Bを微小範囲で上昇作動又は下降作動させることにより、軟弱な作業現場(例えば、圃場)において、走行車体Aが後傾ないしは前傾した際には、適宜微小昇降操作スイッチ53を操作することにより、昇降連結機構Bを介して各種作業装置C(例えば、耕耘装置)を上昇作動又は下降作動させて、所要の作業(例えば、耕耘作業)を確実にかつ精度良く行うことができる。
【0038】
なお、本実施例では、微小昇降操作スイッチ53により昇降連結機構Bの微小範囲での上昇作動操作と下降作動操作とを選択的に行えるようにしているが、場合によっては、行える操作を上昇作動操作のみ、又は、下降作動操作のみに限定することもできる。
【0039】
また、上記したように、変速レバー45の把持部50に昇降操作スイッチ51と微小昇降操作スイッチ53を設けているため、同変速レバー45の把持部50を把持した状態にてこれらのスイッチ51,53を指先にて操作することができる。
【0040】
従って、オペレータは、前方を視認したまま、変速レバー45を把持した手の指先にて昇降操作及び微小昇降操作を適宜行うことができて、作業上の安全性と作業効率を良好に確保することができる。
【0041】
この際、走行車体Aは、変速レバー45により無段変速操作することができるため、オペレータは、変速レバー45を常時把持して、同変速レバー45を頻繁に変速操作することが考えられるが、このような場合でも、各スイッチ51,53は変速レバー45を把持した指先にて確実に操作することができる。
【0042】
前記した第1・第2作業装置操作用レバー46,47の後方位置には操作パネル部54を設けており、同操作パネル部54には、図3に示すように、自動制御入切操作手段としての入切スイッチ55と、最下降設定手段としての最下降設定ボリュームスイッチ56と、姿勢制御設定手段としての姿勢制御設定ボリュームスイッチ57と、最上昇設定手段としての最上昇設定ボリュームスイッチ58と、下げ速度設定ボリュームスイッチ59とを設けて、これらのスイッチ55,56,57,58、59を前記した制御部49の入力側に接続している。
【0043】
ここで、入切スイッチ55は、自動制御を開始若しくは停止するための手段であり、最下降設定ボリュームスイッチ56は、昇降連結機構Bの最下降位置(各種作業装置Cが耕耘装置である場合には、耕耘深さ)をあらかじめ設定するための手段であり、また、姿勢制御設定ボリュームスイッチ57は、昇降連結機構Bに連結した各種作業装置Cを水平姿勢ないしは左右いずれかに傾斜した姿勢に保持する自動制御がなされるように、姿勢をあらかじめ設定するための手段であり、また、最上昇設定ボリュームスイッチ58は、昇降連結機構Bの最上昇位置をあらかじめ設定するための手段であり、また、下げ速度設定ボリュームスイッチ59は、昇降連結機構Bの下降速度を設定するための手段である。
【0044】
このようにして、最下降設定ボリュームスイッチ56により昇降連結機構Bの最下降位置を設定すると共に、最上昇設定ボリュームスイッチ58により昇降連結機構Bの最上昇位置を設定した状態において、昇降操作スイッチ51を上方向へ傾動操作すると、昇降連結機構Bが設定された最上昇位置まで一挙に上昇し、また、昇降操作スイッチ51を下方向へ傾動操作すると、昇降連結機構Bが設定された最下降位置まで一挙に下降するようにしている。
【0045】
この際、昇降連結機構Bの昇降作動位置の検出は、後述するリフトアームセンサ81により行うようにしており、同リフトアームセンサ81の検出結果に基づいて制御部49が昇降用シリンダ70,70の伸縮作動を制御するようにしている。
【0046】
しかも、微小昇降操作スイッチ53を操作して昇降連結機構Bを微小範囲にて昇降させていた場合には、昇降操作スイッチ51を昇降操作した時点で微小昇降操作スイッチ53による設定が解除されるようにしている。
【0047】
従って、昇降操作スイッチ51を昇降操作した時点で微小昇降操作スイッチ53による設定が解除されるようにすることにより、逐一、微小昇降操作スイッチ53による設定解除操作を行う必要性をなくして、誤操作を防止すると共に、操作の簡便化を図ることができる。
【0048】
昇降連結機構Bは、図1、図5及び図6に示すように、車体フレーム2の後端部に背面視四角形枠状の後部支持枠体60を設け、同後部支持枠体60の中央上部にトップリンク支持片(図示せず)を介してトップリンク62の基端部を枢支して、同トップリンク62を上下回動自在となす一方、後部支持枠体60の左右側下部にロワリンク支持片63,63を介して左右一対のロワリンク64,64の基端部を枢支して、各ロワリンク64,64を上下回動自在となして、これらのリンク62,64,64の先端部に各種作業装置Cを連結するようにしている。66は左右方向に軸線を向けたロワリンク支軸である。
【0049】
そして、後部支持枠体60の上部にはリフトアーム支持片67を介して左右方向に軸線を向けたリフトアーム支軸68を横架し、同リフトアーム支軸68の左右側端部に左右一対のリフトアーム69,69の基端部を取り付け、各リフトアーム69,69の中途部と後部支持枠体60の左右側下部との間に上下方向に伸縮する左右一対の昇降手段としての昇降用シリンダ70,70を介設して、両昇降用シリンダ70,70の伸縮作動に連動して両リフトアーム69,69を上下回動作動させることができるようにしている。
【0050】
また、左側のリフトアーム69の先端部と左側のロワリンク64の中途部との間にはリフトリンク71を介設する一方、右側のリフトシリンダ70の先端部と右側のロワリンク64の中途部との間には姿勢制御手段としての姿勢制御用シリンダ72を介設している。
【0051】
ここで、前記した昇降用シリンダ70,70と姿勢制御用シリンダ72は、図3に示すように、前記した制御部49の出力側に接続している。
【0052】
また、図5及び図6に示すように、車体フレーム2の左右方向の中央部には本機傾斜角速度検出手段としての角速度センサ75を設けて、同角速度センサ75により走行車体Aが地面の凹凸等により左右方向に傾動する際の角速度を検出するようにしており、同角速度センサ75は、図3に示すように、制御部49の入力側に接続している。
【0053】
そして、図5及び図6に示すように、車体フレーム2の左側部には、作業装置傾斜角検出手段としての作業装置傾斜角検出センサ76を設けており、同作業装置傾斜角検出センサ76は、図3に示すように、制御部49の入力側に接続している。
【0054】
しかも、作業装置傾斜角検出センサ76は、各種作業装置Cの姿勢に対応させるべく姿勢変更自在となした振り子式のセンサ本体77と、同センサ本体77より突設して、センサ本体77の姿勢を変更するセンサアーム78と、同センサアーム78の先端部と、姿勢制御用シリンダ72のシリンダロッド72aとの間に介設したフィードバックワイヤ79とを具備している。80はガイド体であり、同ガイド体80によりフィードバックワイヤ79がセンサアーム78の先端部に対して常時直交状態にて押し引き作用するようにしている。
【0055】
このようにして、走行車体Aの姿勢が変化した場合においても、同操作車体Aに昇降連結機構Bを介して連結した各種作業装置Cは、あらかじめ設定した水平姿勢ないしは左右いずれかに所定の角度で傾斜した姿勢に保持する自動姿勢制御がなされるようにしている。
【0056】
すなわち、各種作業装置Cの姿勢を、あらかじめ姿勢制御設定ボリュームスイッチ57により所定の姿勢、すなわち、水平姿勢、若しくは、左右いずれかに所定の傾斜角で傾斜した姿勢に設定しておく。
【0057】
そうすると、走行車体Aが地面の凹凸等により左右に傾動した場合には、角速度センサ75が走行車体Aの左右の傾動角速度を検出し、同検出結果を制御部49に出力する。
【0058】
そして、かかる検出結果を入力した制御部49は、姿勢制御用シリンダ72に信号を出力して、同姿勢制御用シリンダ72を適宜伸長作動若しくは短縮作動させて、右側のロワリンク64を上方へ回動作動若しくは下方へ回動作動させる。
【0059】
そうすると、右側のロワリンク64の上下回動作動に連動してフィードバックワイヤ79が前後方向に摺動し、同フィードバックワイヤ79の摺動作動に連動してセンサアーム78が前後方向に回動し、同センサアーム78の回動作動に連動してセンサ本体77の姿勢が変更される。
【0060】
そして、姿勢変更されたセンサ本体77により検出された傾斜角は、各種作業装置Cの姿勢(検出値)として制御部49に入力され、その入力結果とあらかじめ設定された所定の姿勢(設定値)とを制御部49が比較して、両者の値が一致するまでフィードバック制御を繰り返す。
【0061】
その結果、昇降連結機構Bに連結した各種作業装置Cがあらかじめ設定された所定の姿勢、すなわち、水平姿勢、若しくは、左右いずれかに所定の傾斜角で傾斜した姿勢に自動復帰される。
【0062】
従って、上記した自動姿勢制御では、姿勢制御用シリンダ72の伸縮作動を制御して、走行車体Aの姿勢にかかわらず、昇降連結機構Bに連結した各種作業装置Cを地面に対して所定の姿勢に自動的に保持することができる。
【0063】
しかも、本実施例では、上記した自動姿勢制御において、姿勢制御用シリンダ72が作動している間に、オペレータが微小昇降操作スイッチ53を操作した場合には、姿勢制御用シリンダ72による姿勢制御機能を一旦停止させて、微小昇降操作スイッチ53による微小昇降(調整)操作機能を優先させ、同微小昇降操作スイッチ53による微小昇降操作が終了した時点で姿勢制御用シリンダ72による姿勢制御機能を再開させるようにしている。
【0064】
このように、姿勢制御機能よりも微小昇降操作機能を優先させて、微小昇降操作中は、各種作業装置Cの姿勢制御がなされないようにすることにより、微小昇降操作中に姿勢制御がなされて、各種作業装置Cを地面に衝突させるという不具合の発生を確実に防止することができる。
【0065】
しかも、微小昇降操作スイッチ53による微小昇降操作が終了した時点で姿勢制御用シリンダ72による姿勢制御機能を再開させるようにしているため、微小昇降操作後にはスムーズにかつ自動的に姿勢制御が続行されて、作業性能を良好に確保することができる。
【0066】
また、リフトアーム支軸68には、昇降角度検出手段としてのリフトアームセンサ81を設けて、同リフトアームセンサ81によりリフトアーム69,69の上下回動角度を検出するようにしている。
【0067】
このようにして、リフトアームセンサ81によりリフトアーム69,69の回動角度を検出することにより、同リフトアーム69,69により昇降される昇降連結機構B、さらには、各種作業装置Cの昇降位置を検出すると共に、同検出値に基づいて制御部49が昇降連結機構Bを所定の設定位置(最上昇位置若しくは最下降位置)に昇降させる制御が行えるようにしている。
【0068】
また、左右一対のロワリンク支軸66,66には、負荷検出手段としての負荷検出センサ82,82を設けて、両負荷検出センサ82,82によりロワリンク64,64を介して連結している各種作業装置Cが地面(圃場面)から受ける負荷を検出するようにしている。
【0069】
このようにして、負荷検出センサ82,82により検出される負荷があらかじめ設定している所定の負荷よりも大きい場合には、制御部49を介して昇降用シリンダ70,70を伸長作動させて、昇降連結機構Bを所定量だけ上昇させることにより、各種作業装置Cが地面(圃場面)から負荷を軽減する負荷制御が自動的になされるようにしている。
【0070】
図7は、他の実施例としての走行車両Mを示しており、同走行車両Mでは、図8及び図9にも示すように、車体フレーム2の前端部に左右一対の枢支ブラケット85,85を介して左右一対の前部支柱86,86を起立させた使用位置と倒伏させた不使用位置との間で起倒自在に取り付ける一方、昇降連結機構Bに後部支持体87を着脱自在に取り付けている。93は枢軸である。
【0071】
そして、後部支持体87は、左右方向に幅広の支持板体88と、同支持板体88の左右側部より立設した左右一対の後部支柱89,89と、両後部支柱89,89の上端部間に左右方向に軸線を向けて横架した筒状連結体90とを具備している。
【0072】
このようにして、昇降連結機構Bの一部を構成する左右一対のロワリンク64,64に後部支持体87を取り付ける際には、筒状連結体90の左右側端開口部90a,90aを左右一対のロワリンク64,64の先端部に形成した連結孔91,91に符合させて、両連結孔91,91中に連結ロッド92を貫通させることにより取り付けることができる。
【0073】
また、左側の後部支柱89の上部には、図7及び図9に示すように、ロワリンク当たり片94を設けており、同ロワリンク当たり片94を左側のロワリンク64の下面に当てることにより、図7に示すように、後部支持体87が倒伏するのを防止している。
【0074】
上記のように構成することにより、本実施例では、まず、左右一対の前部支柱86,86を、図8に示すように、枢軸93,93を中心に不使用位置から使用位置に位置変更して起立状態となす。
【0075】
次に、左右一対のロワリンク64,64に連結ロッド92を介して後部支持体87を取り付ける。
【0076】
続いて、昇降連結機構Bを下降作動させることにより、後部支持体87の支持板体88を接地状態となし、さらに、昇降連結機構Bを下降作動させることにより、前部支柱86,86を支点として、走行車両Mを浮上させることができる。
【0077】
このようにして、走行車両Mを地面Gより浮上させた状態となすことにより、洗車やメンテナンス等の作業を容易に行うことができる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0079】
(1)請求項1記載の本発明では、無段変速可能とした走行車体に、各種作業装置を連結すると共に昇降させる昇降連結機構を設け、同昇降連結機構を昇降操作手段により昇降操作可能とした走行車両において、上記昇降操作手段とは別に、昇降連結機構を微小範囲で上昇及び/又は下降させるための微小調整操作手段を設けている。
【0080】
しかも、昇降連結機構の最下降位置をあらかじめ設定するための最下降位置設定手段と、昇降連結機構の最上昇位置をあらかじめ設定するための最上昇位置設定手段と、両設定手段により設定した最上昇位置若しくは最下降位置まで昇降させるための昇降操作手段とを設け、同昇降操作手段により昇降操作がなされた場合には、微小調整操作手段による設定が解除されるようにしている。
【0081】
このようにして、微小調整操作手段により昇降連結機構を微小範囲で上昇及び/又は下降させることができるようにしているため、軟弱な作業現場(例えば、圃場)において、走行車体が後傾ないしは前傾した際には、適宜微小調整操作手段を操作することにより、昇降連結機構を介して各種作業装置(例えば、耕耘装置)を上昇ないしは下降させて、所要の作業(例えば、耕耘作業)を確実にかつ精度良く行うことができる。
【0082】
さらに、昇降操作手段を操作することにより、昇降連結機構に連結した各種作業装置を最上昇位置若しくは最下降位置に一挙に昇降移動させることができるため、各種作業装置の昇降作業能率を向上させることができる。
【0083】
この際、微小調整操作手段を操作していた場合でも、昇降操作手段を昇降操作するだけで、微小調整操作手段による設定が解除されるため、逐一、微小調整操作手段による設定解除操作を行う必要性がなく、誤操作を防止することができると共に、操作の簡便化を図ることができる。
【0084】
また、昇降連結機構に姿勢制御手段を設けて、同姿勢制御手段により昇降連結機構に連結した各種作業装置を地面に対して所定の姿勢に制御可能とし、同姿勢制御手段が作動している間に微小調整操作手段を操作した場合には、姿勢制御手段による姿勢制御機能が一旦停止して、微小調整操作手段による微小調整操作機能が優先し、同微小調整操作手段による微小調整操作が終了した時点で姿勢制御手段による姿勢制御機能が再開されるようにしている。
【0085】
このようにして、姿勢制御機能よりも微小調整操作機能を優先させて、微小調整操作中は、各種作業装置の姿勢制御がなされないようにしているため、微小調整操作中に姿勢制御がなされて、各種作業装置を地面に衝突させるという不具合の発生を確実に防止することができる。
【0086】
しかも、微小調整操作手段による微小調整操作が終了した時点で姿勢制御手段による姿勢制御機能が再開されるようにしているため、微小調整操作後にはスムーズにかつ自動的に姿勢制御が続行されて、作業性能を良好に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる走行車両の側面図。
【図2】同走行車両の平面説明図。
【図3】制御ブロック図。
【図4】微小昇降操作スイッチの説明図。
【図5】走行車両の後部の側面説明図。
【図6】走行車両の後部の平面説明図。
【図7】他の実施例としての走行車両の側面説明図。
【図8】同走行車両の正面説明図。
【図9】後部支持体の背面図。
【符号の説明】
M 走行車両
A 走行車体
1 走行部
2 車体フレーム
3 原動機部
4 運転部
5 燃料タンク
Claims (1)
- 無段変速可能とした走行車体(A)に、各種作業装置(C)を連結すると共に昇降させる昇降連結機構(B)を設け、同昇降連結機構(B)を昇降操作手段(51)により昇降操作可能とすると共に、上記昇降操作手段(51)とは別に、昇降連結機構(B)を微小範囲で上昇及び/又は下降させるための微小調整操作手段(53)を設けた走行車両において、
昇降連結機構(B)の最下降位置をあらかじめ設定するための最下降位置設定手段(56)と、昇降連結機構(B)の最上昇位置をあらかじめ設定するための最上昇位置設定手段(58)と、両設定手段(56,58)により設定した最上昇位置若しくは最下降位置まで昇降させるための昇降操作手段(51)とを設け、同昇降操作手段(51)により昇降操作がなされた場合には、微小調整操作手段(53)による設定が解除されるようにし、
さらに昇降連結機構 (B) に姿勢制御手段 (72) を設けて、同姿勢制御手段 (72) により昇降連結機構 (B) に連結した各種作業装置 (C) を地面に対して所定の姿勢に制御可能とし、同姿勢制御手段 (72) が作動している間に微小調整操作手段 (53) を操作した場合には、姿勢制御手段 (72) による姿勢制御機能が一旦停止して、微小調整操作手段 (53) による微小調整操作機能が優先し、同微小調整操作手段 (53) による微小調整操作が終了した時点で姿勢制御手段 (72) による姿勢制御機能が再開されるようにしたことを特徴とする走行車両。
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