JP2015027282A - 作業車輌 - Google Patents

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周一 足立
Shuichi Adachi
周一 足立
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Abstract

【課題】リフトアームの昇降微小調整を直感的にかつ効率的に行えるようにして、操作性の良い作業車輌を提供する。
【解決手段】昇降制御レバー(微小調整手段)の所定操作時間tの範囲における操作時間(例えばt)に応じて、リフトアーム(昇降連結機構)を昇降制御する制御部を備える。また、該制御部は、該昇降制御レバーの操作終了後に所定時間経過すると、昇降制御レバーを操作する前の昇降位置にリフトアームを戻す。
【選択図】図7

Description

本発明は、トラクタ等の作業車輌に関し、詳しくは、作業機を昇降自在に連結する作業車輌に関する。
従来、トラクタ等の作業車輌の後端部に設けられた昇降自在なリフトアームに、各種作業機を連結し、レバーの傾動角によってリフトアームの昇降位置を制御(ポジション制御)するポジションレバー等の各種昇降操作手段によってリフトアームを昇降操作することで、作業機を昇降操作可能としたものがある。
この種の作業車輌において、主変速レバーのグリップ部に作業機昇降スイッチを備え、該作業機昇降スイッチを所定設定時間以上操作した場合には、予め設定した位置まで作業機を昇降制御(自己保持昇降制御)し、作業機昇降スイッチの操作時間が、所定設定時間以内であれば、リフトアームを微小量だけ昇降制御(微小昇降制御)するものが提案されている(特許文献1参照)。
特許第4080713号公報
しかしながら、上記特許文献1記載のものは、微小昇降制御において、リフトアームの昇降量は一定であり、例えばリフトアームを比較的大きく昇降させたい場合には、何度も作業機昇降スイッチのON・OFFを繰り返さなければならず、操作性に問題があった。
また、ポジション制御によって定められたリフトアームの位置から、微小昇降制御によって更にリフトアームを昇降させた場合には、リフトアームの位置がポジションレバーに対応する位置からずれてしまい、昇降制御に不具合が発生するという問題があった。
そこで、本発明は、微小昇降制御を行う微小調整手段の操作時間に応じてリフトアームの昇降制御を行うと共に、該微小昇降制御の操作終了後所定時間経つと、リフトアームを基の位置に戻して、もって上述した課題を解決した作業車輌を提供することを目的とする。
本発明は、走行装置(2)に支持される機体(3)と、該機体(3)に作業機(9)を昇降自在に連結可能な昇降連結機構(15)と、を備えた作業車輌(1)において、
前記昇降連結機構(15)を昇降操作する昇降操作手段(39)と、
操作に応じた信号を出力する微小調整手段(42)と、
前記微小調整手段(42)を連続して所定操作時間(t)以上操作することで、前記昇降連結機構(15)を予め定められている上昇側又は下降側の所定位置に昇降し、かつ前記微小調整手段(42)の前記所定操作時間(t)の範囲における操作時間(t,t)に応じて、前記昇降連結機構(15)を昇降する制御部(46)と、を備えた、
ことを特徴とする。
前記制御部(46)は、前記微小調整手段(42)の操作終了後に所定時間経過すると、前記微小調整手段(42)を操作する前の昇降位置に前記昇降連結機構(15)を戻してなる。
例えば図7を参照して、前記制御部(46)は、前記微小調整手段(42)の前記所定操作時間(t)の範囲における操作時間(t,t)が長くなるほど、前記昇降連結機構(15)の昇降速度が速くなるように制御してなる。
なお、上述カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、何ら本発明の構成を限定するものではない。
請求項1に係る本発明は、微小調整手段の所定操作時間の範囲における操作時間に応じて昇降連結機構が昇降するので、昇降連結機構を効率的にかつ直感的に操作することができ、操作性を向上することができる。
請求項2に係る本発明は、微小調整手段を操作しても所定時間経過すると昇降連結機構が元の位置に戻るので、昇降連結機構の昇降位置が、昇降操作手段の設定位置や耕深設定とずれてしまうことを防止できる。これにより、昇降連結機構のポジション制御や自動制御の不具合を防止し、かつ昇降連結機構の操作を簡単にすることができる。
請求項3に係る本発明は、微小調整手段の所定操作時間の範囲における操作時間が長くなるほど昇降連結機構の昇降速度が速くなるので、昇降連結機構を大きく昇降したい場合でも短時間で操作することができ、操作性を向上することができる。
本発明を適用したトラクタを示す全体左側面図。 油圧装置の油圧回路図。 運転操作部内の操作部を示す平面図。 主変速レバーを示し、(a)は左側面図、(b)は後背面図。 トラクタの制御ブロック図。 クイックアップ制御を示す図。 微小調整制御を示す図。
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。作業車輌であるトラクタ1は、図1に示すように、クローラ走行装置2(走行装置)に支持される機体3を有している。該機体3の前部には、エンジンを収納するボンネット5が配置され、該ボンネット5の後部には、作業者が運転操作する運転操作部6を覆うキャビン7が配置されている。
上記機体3の後部には、例えばロータリ耕耘装置などの作業機9を昇降自在に連結可能な3点リンク機構からなる昇降リンク機構10と、該作業機9に動力を伝達するためのPTO軸(不図示)が設けられている。上記昇降リンク機構10は、一つのアッパーリンク11と左右のロアリンク12を有し、該ロアリンク12は、リフトロッド13を介して、左右のリフトアーム15(昇降連結機構)に吊り下げ支持されている。該リフトアーム15は、その根元側に配置された油圧式の左右のリフトシリンダ16の伸縮動作によって昇降駆動する。
上記リフトシリンダ16を駆動する油圧装置17は、図2に示すように、作動油が注入された作動油タンク19と、外部取出しバルブユニット20と、作業機バルブユニット21と、上記作動油タンク19内の作動油を上記外部取出しバルブユニット20及び作業機バルブユニット21に圧送するギヤポンプ22と、を有している。上記外部取出しバルブユニット20は、油圧装置17内の作動油を取り出して外部油圧駆動装置(不図示)に供給すると共に、外部油圧駆動装置内の作動油を油圧装置17内に戻すことが可能な油圧バルブ20aを複数備えている。これらの油圧バルブ20aを介して、外部油圧駆動装置から戻されてきた作動油は、リターン回路23を介して、上記作動油タンク19に戻される。
上記作業機バルブユニット21は、上昇切替バルブ25と、下降切替バルブ26と、降下防止バルブ27と、プライオリティバルブ29と、を有しており、上記ギヤポンプ22からプライオリティバルブ29を介して、これら上昇切替バルブ25又は下降切替バルブ26へと供給・排出される作動油によって、上記リフトシリンダ16を伸縮作動する。上記上昇切替バルブ25と下降切替バルブ26は、リフトアーム上昇用ソレノイドバルブ30とリフトアーム下降用ソレノイドバルブ31から供給されるパイロット圧によってバルブ開度がコントロールされ、上記リフトシリンダ16の伸縮時の作動速度をこのバルブ開度によって変更することができる。また、上記降下防止バルブ27は、上記リフトシリンダ16の伸縮作動を阻止するシャット弁の役割を果たし、非作業時における作業機の自然落下を防止する。
一方、上記プライオリティバルブ29から同じく作動油が供給されるリフトロッドシリンダ32は、水平制御バルブ33を備えており、左右のリフトアーム15の一方に連結する上記リフトロッド13をこのリフトロッドシリンダ32から構成することにより、上記昇降リンク機構10に連結する上記作業機9を左右方向に傾斜して左右傾斜制御することができる。
上記運転操作部6は、図3に示すように、作業者が着座する運転席(不図示)と、該運転席の右側方に位置し、各種レバーやダイヤル等が配置される操作部35と、を備えている。該操作部35は、主変速レバー36と、エンジンコントロールレバー37と、レバーの傾動位置に応じて上記リフトアーム15を昇降制御(ポジション制御)するポジションコントロールレバー39(昇降操作手段)と、上記リフトアーム15の昇降位置規制、作業機9の水平制御、耕深制御等を設定するサイドパネル40と、等を備えている。
上記主変速レバー36は、図4に示すように、上端部にグリップ部41を有しており、該グリップ部41の前側面側には、操作に応じた信号を出力する昇降制御レバー42(微小調整手段)を備えている。また、上記グリップ部41の機体内側である左側面部には、その上部にミッションケース内の副変速機構を変速する副変速操作ボタン43と、その下部に上記作業機9の水平制御の微調整を行う傾き調整スイッチ45と、を有している。上記昇降制御レバー42は、グリップ部41の上方から把持した状態にて人差し指や中指の指先により上下方向に傾動操作するようになっており、上記副変速操作ボタン43及び傾き調整スイッチ45は、通常右手親指で操作される。よって、これら操作具は、右手のみで操作可能になっており、操作性が良い。
図5は、トラクタ1の制御ブロック図を示しており、該トラクタ1は、マイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM等を含む)からなる制御部46を有している。該制御部46の入力側には、上記ポジションコントロールレバー39の傾動角を検知するポジションセンサ47と、上記リフトアーム15のアーム角を検知するリフトアームセンサ49と、伸縮する上記リフトロッドシリンダ32からなる上記リフトロッド13の長さを検知するリフトロッドセンサ50と、上記機体3の左右傾斜角を検知する傾斜センサ51と、上記昇降制御レバー42と、上記傾き調整スイッチ45と、等が接続されている。上記制御部46の出力側には、上記リフトアーム上昇用ソレノイドバルブ30と、上記リフトアーム下降用ソレノイドバルブ31と、上記水平制御バルブ33によって構成されるリフトロッド伸び用ソレノイドバルブ52と、リフトロッド縮み用ソレノイドバルブ53と、ブザー55と、等が接続されている。
上記制御部46は、機体3の後進又は後進操作に応じて上記リフトアーム15を所定の上昇位置まで上昇制御するバックアップ制御や、上記ポジションコントロールレバー39の傾動角に応じてリフトアーム15を昇降制御するポジション制御等の制御プログラムを備えている。
更に、制御部46は、図6に示すように、上記昇降制御レバー42を連続して所定操作時間(例えば図6に示すt)以上上昇側又は下降側にON操作すると、クイックアップ制御を行う。該クイックアップ制御とは、例えば上記サイドパネル40によって予め上昇側又は下降側に所定位置を設定し、該クイックアップ制御によってワンタッチで該所定位置までリフトアーム15を昇降制御する制御のことである。
すなわち、上昇側のクイックアップ制御における上記所定位置を最大高さ位置に設定した場合、上記昇降制御レバー42を上昇側にON操作すると、操作時間が所定操作時間t以内においては、徐々に上記リフトアーム15の上昇速度が上昇する。操作時間が所定操作時間tを超えると、クイックアップ制御がスタートして更にリフトアーム15の上昇速度が速くなり、その後一定速度となって(例えばT〜T)、最大高さ付近(例えばT)で減速し、最大高さ位置(例えばT)にてリフトアーム15が停止される。上記昇降制御レバー42を下降側にON操作した場合にも、上述した上昇側の制御と同様に、上記リフトアーム15が下降側にクイックアップ制御される。
更に、制御部46は、図7に示すように、上記昇降制御レバー42のON操作時間が所定操作時間(例えば図7に示すt)の範囲であれば、微小調整制御を行う。該微小調整制御とは、上記リフトアーム15を微小量上昇又は下降させたい場合、例えば軟弱の圃場において耕耘初めに機体3が後傾ないし前傾した場合に、所定の耕深を確保するため又は過負荷を防止するために作業機を昇降させる制御のことである。
すなわち、上記昇降制御レバー42を所定操作時間t未満である操作時間t(t<t)だけ上昇側にON操作した場合、該操作時間tに応じた量だけ上記リフトアーム15が上昇する。その際、該操作時間t内において、操作時間が長くなるほど、上記リフトアーム15の上昇速度は速くなり、昇降制御レバー42がOFFになると(例えばT)、上昇速度が減速し、リフトアーム15が停止する。これにより、操作を直感的にかつ効率的に行うことができ、また、微小調整制御においてリフトアーム15を大きく昇降したい場合に、操作時間を短時間にすることができ、操作性を向上することができる。上記昇降制御レバー42を所定操作時間t未満である操作時間t(t<t)だけ上昇側にON操作した場合でも、操作時間tの場合と同様の制御が行われ、また上記昇降制御レバー42を下降側にON操作した場合でも、上述した上昇側の微小調整制御と同様に、上記リフトアーム15が下降側に制御される。
該微小調整制御は、上記昇降制御レバー42の操作終了後に所定時間(例えば5秒)経過すると、上記リフトアーム15を、上記昇降制御レバー42を操作する前の昇降位置に戻す制御を行う。すなわち、上記微小調整制御によって上記リフトアーム15が昇降した分をキャンセルする昇降制御を行うので、上記リフトアーム15の昇降位置が、上述したポジション制御やバックアップ制御並びに耕深設定とずれた位置になってしまうことを防止し、昇降制御の不具合を防止かつ昇降操作を簡単にすることができる。
上記所定操作時間tは、上記運転操作部6内に配置される不図示の設定パネル又は他のレバーやダイヤル等によって設定変更が可能であり、圃場環境や作業者の好みによって、微小調整制御によるリフトアーム15の昇降量及び昇降時間を長くしたい場合や、すぐにクイックアップ制御を行いたい場合に対応することができる。
本実施の形態は、以上のような構成からなるので、作業者は、リフトアーム15を好みの昇降制御を選んで昇降操作することで、作業機9による作業を行う。例えば作業機9がロータリ耕耘装置の場合、上昇側の所定位置を最大高さ位置、下降側の所定位置を作業位置(耕耘位置)に設定する。耕耘作業を開始したが、圃場が軟弱で機体3が後傾ないし前傾した場合には、昇降制御レバー42を所定操作時間t未満の微小時間(例えば図7のtやt)ON操作して、微小量リフトアーム15を昇降操作する(微小調整制御)。該微小調整制御は、昇降制御レバー42の操作終了後に所定時間経過することで、元の位置に戻る。また、機体3が左右傾斜した場合には、傾き調整スイッチ45を操作して水平制御の微調整を行う。
畔際まで耕耘作業を行ったら、上記昇降制御レバー42を所定操作時間t以上上昇側にON操作することで、上昇側にクイックアップ制御が開始する。上記リフトアーム15を上昇側の所定位置である最大高さ位置まで上昇することで、ターンの際に作業機が畔に干渉することなくスムーズに行われる。ターンが終了したら、上記昇降制御レバー42を所定操作時間t以上下降側にON操作することで、下降側にクイックアップ制御が行われ、作業機9を作業位置まで簡単に下降することができる。
これら昇降制御は、昇降制御レバー42の操作のみによって行うことができ、また直感的な操作で行えるため、操作性が良い。そして、昇降制御レバー42の操作は、主変速レバー36のグリップ部41を把持した状態で、通常右手人差し指又は中指によって行うことができる。更に、同じくグリップ部41に配置される副変速操作ボタン43及び傾き調整スイッチ45も右手親指で操作して、機体3の前後進操作、リフトアーム15の昇降操作及び水平制御操作を一つの操作具かつ右手のみで行うことができ、操作性が良い。
なお、昇降制御レバー42、副変速操作ボタン43、傾き調整スイッチ45の配置は、グリップ部41のどこに配置してもよく、またグリップ部41以外の場所に配置してもよい。また、これら操作具による制御の役割を互いに入れ替えてもよく、例えば傾き調整スイッチ45によってリフトアーム15のクイックアップ制御及び微小調整制御を行い、昇降制御レバー42によってリフトロッド13の伸縮制御を行ってもよい。
1 トラクタ(作業車輌)
2 クローラ走行装置(走行装置)
3 機体
9 作業機
15 リフトアーム(昇降連結機構)
39 ポジションコントロールレバー(昇降操作手段)
42 昇降制御レバー(微小調整手段)
46 制御部
所定操作時間
,t 操作時間

Claims (3)

  1. 走行装置に支持される機体と、該機体に作業機を昇降自在に連結可能な昇降連結機構と、を備えた作業車輌において、
    前記昇降連結機構を昇降操作する昇降操作手段と、
    操作に応じた信号を出力する微小調整手段と、
    前記微小調整手段を連続して所定操作時間以上操作することで、前記昇降連結機構を予め定められている上昇側又は下降側の所定位置に昇降し、かつ前記微小調整手段の前記所定操作時間の範囲における操作時間に応じて、前記昇降連結機構を昇降する制御部と、を備えた、
    ことを特徴とする作業車輌。
  2. 前記制御部は、前記微小調整手段の操作終了後に所定時間経過すると、前記微小調整手段を操作する前の昇降位置に前記昇降連結機構を戻してなる、
    請求項1記載の作業車輌。
  3. 前記制御部は、前記微小調整手段の前記所定操作時間の範囲における操作時間が長くなるほど、前記昇降連結機構の昇降速度が速くなるように制御してなる、
    請求項1または2記載の作業車輌。

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