JP3774380B2 - チャイルドシートの装着装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、座部とシートバックを備えた自動車、バス、車両、航空機などの乗物用シートにおけるチャイルドシートの装着装置に関する。
この発明は、チャイルドシート自体を乗物用シートに装着する場合と、チャイルドシート取付用ベース(詳細はたとえば特開2000−280800号公報を参照)を介してチャイルドシートを乗物用シートに装着する場合が予定されている。
この発明は、チャイルドシートの後部に突設された被係合子あるいはチャイルドシート取付用ベースの後部に突設された被係合子を乗物用シートのアンカに係合することにより、チャイルドシートを乗物用シートに装着させるようにしたものであるから、チャイルドシートの被係合子およびチャイルドシート取付用ベースの被係合子を包括して、この明細書では断りのない限り、単に「チャイルドシート側の被係合子」と称する。
【0002】
【従来の技術】
この種の装置として知られている例は少なくないが、使用時の幼児の安全性を図るという基本的な目的のほか、知られるように、チャイルドシートの着脱の確実性を図る一方、チャイルドシートの装着装置を備えた乗物用シートのチャイルドシートの非使用時における使用上の違和感を解消するようにしている。
【0003】
そこで、これらの目的を達成するため、従来例の特開2000−335294号公報に記載された発明(以下先行技術1という)は、シートバックの下方に回動自在なアンカーロッドが設けられ、倒立U字状のアンカーの一対がアンカーロッドの周面に突設され、アンカーをチャイルドシートのアームと称されている被係合子を係止し得る係止位置と、シートボトムの着座者の腰部に干渉しない位置に退避した退避位置との間で位置変更させる位置変更手段を備えた装置であった。
【0004】
さらに、特開2000−289505号公報に記載された発明(以下先行技術2という)や特開2000−296733号公報に記載された発明(以下先行技術3という)は、シートクッションの後方やシートバックの下方に切り欠きが設けられ、この切り欠きの内部には、倒立U字状のアンカが外側に向けて突設され、チャイルドシートのアームをアンカに係止することによりチャイルドを乗物用シートに装着するようにした装置であった。
また、特開2000−198378号公報に記載された発明(以下先行技術4という)は、アンカは、シ−トボトムの後縁部とシ−トバックの下縁部との間隙から前方に向けて露出するように設定され、チャイルドシートの係止用ロッドと称されている被係合子をアンカに係止するようにした装置であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
先行技術1の発明は、チャイルドシートの被係合子をアンカーに係止するようにすることにより、チャイルドシートの着脱の容易性、確実性、安全性を図るようにする点で評価できるものの、倒立U字状のアンカーの一対がアンカーロッドの周面に突設されていることにより、チャイルドシートの非使用時に倒立U字状のアンカーの一対がシートボトムの後方上に突き出る結果、着座者の臀部に干渉するため、チャイルドシートの非使用時における使用上の違和感を解消しようとしているものの、アンカーをシートボトムのパッドに沈み込みできるよう着座者の臀部に干渉しない位置に退避した退避位置との間で位置変更させる位置変更手段を別に備えなければならないという煩雑性があった。
また、アンカーをシートボトムのパッドに反覆して強制的に沈み込ませることにより、シートボトムのパッドの損傷や損傷による違和感を生じるおそれを回避できなかった。
【0006】
先行技術2および同3の発明は、それぞれ、シートクッションの後方やシートバックの下方に切り欠きが設けられ、この切り欠きの内部に突設された倒立U字状のアンカにチャイルドシートの被係合子を係止することにより、チャイルドシートを乗物用シートに装着しようとするものであるから、先行技術1の発明と同様にチャイルドシートの着脱の容易性、確実性、安全性を図るようにする点では評価できる。
しかし、チャイルドシートの非使用時における使用上の違和感を解消しようとしているものの、チャイルドシートの非使用時に倒立U字状のアンカがシートクッションの座面側に露呈するため、車両用シートに設けられた筒部材により、切り欠きの開口部を塞ぐようにしたり、カバー表皮で被覆せざるを得ないという煩雑さがあった。
【0007】
先行技術4は、シ−トボトムのフレ−ムの後縁にアンカを設けることにより、チャイルドシ−トの被係合子をそのアンカに着脱自在に制御することにより、チャイルドシ−トの着脱の容易性、装着の確実性や安全性を図るようにしている点で評価できるとしても、前記したようにアンカは、シ−トボトムの後縁部とシ−トバックの下縁部との間隙から前方に向けて露出するように設定されているから、チャイルドシ−トの非使用時におけるアンカの露出という違和感を生じるにもかかわらず、チャイルドシートの非使用時におけるアンカの露出については、一切配慮されていなかった。
【0008】
前記した先行技術1〜4は、何れもチャイルドシ−トをシートボトム上で後方へスライドさせるだけで被係合子をアンカに係合させることができるものの、チャイルドシ−トの非使用時における乗物用シ−トの違和感の解消については、前記したように配慮されていなかったり、配慮されていてもその解決手段は煩雑であった。
【0009】
この発明の目的は、前記した従来技術の問題点を解消しようとするもので、チャイルドシートの装着装置において、チャイルドシートの着脱の容易性、確実性、安全性を図ることのほか、チャイルドシートの非使用時における乗物用シートの使用上の違和感を解消するとともに、その解決手段の煩雑性を解消することにある。
さらに、アンカの取付機構の簡素化、取付コストの低減化を図ることにある。
さらに、他の目的は、シートバックが傾倒可能に設けられた乗物用シートにおいて、シートバックの傾倒位置の変化に関わらず、チャイルドシート側の被係合子とアンカの係合部とを確実にかつ容易に装着できるようにすることのほか、座部上において、チャイルドシートにその正面側に向かう引張荷重が作用することがあっても、チャイルドシートに作用する引張荷重を抑制ないし軽減させることができるようにすることなどにある。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用効果】
請求項1記載のチャイルドシートの装着装置は、クッション性を備えた座部と、シ−トバックとが備えられるとともに前記座部の後部と前記シ−トバックの下方との間にチャイルドシート側の被係合子を装着するアンカを設定できる空所を残して前記座部の後部と前記シ−トバックの下方が隣接されて設けられてなる乗物用シ−トにチャイルドシートを装着するチャイルドシートの装着装置であって、前記アンカは、前記シ−トバックの下方の厚みに沿ってその下方に形成される領域に設けられるとともに、前記チャイルドシートを前記座部上で下方に向けて押圧させることにより、下降される前記チャイルドシート側の前記被係合子の見込位置に対応する位置に設けられてなることを特徴とするものである。
【0011】
請求項1記載のチャイルドシートの装着装置は、上記の構成であるから、チャイルドシートの使用時には、座部上でチャイルドシートを下方に向けて押圧させる。
座部がクッション性を備えているので、座部を圧縮することができ、その圧縮に追従してチャイルドシートを座部の圧縮分だけ下降させることができる。
その結果、チャイルドシートの下降に伴い、チャイルドシートに設けられた被係合子もその圧縮分だけ下降される。
【0012】
前記したように、アンカはチャイルドシートを座部上で下方に向けて押圧させ、チャイルドシート側の被係合子が下降されたときの見込位置に対応する位置に設けられてなるから、チャイルドシートを押圧させながら、後方へ圧送させることにより、チャイルドシート側の被係合子をそのままアンカに確実に係合させることができる。
【0013】
チャイルドシート側の被係合子とアンカの係合後にチャイルドシートの押圧および圧送を停止することにより、座部の圧縮が解除されるが、圧縮が解除された座部上にチャイルドシートが装着される。
かくして、チャイルドシートの使用には、チャイルドシートを座部上でシ−トバック側に向けて押圧・圧送するだけでチャイルドシートを乗物用シートに確実に装着できる。
【0014】
他方、チャイルドシートを座部から取り外す場合は、チャイルドシートを座部上で押圧させる。
【0015】
次いで、被係合子を解除するための操作部材を操作することにより、被係合子とアンカの係合を解除できる。
被係合子とアンカの係合の解除後に、乗物用シートの正面側へチャイルドシートを引き出すことにより、チャイルドシートを座部から取り外すことができる。
また、チャイルドシートを座部から取り外した乗物用シートの形態はいうまでもなく通常の使用状態である。
【0016】
この発明は、クッション性を備えた座部と、シ−トバックとが備えられるとともに前記座部の後部と前記シ−トバックの下方との間にチャイルドシート側の被係合子を装着するアンカを設定できる空所を残して前記座部の後部と前記シ−トバックの下方が隣接されて設けられてなる乗物用シ−トにおいて、アンカは、シ−トバックの下方の厚みに沿ってその下方に形成される領域に存在するから、チャイルドシートの非使用時つまり乗物用シートの常態では、座部の後部と前記シ−トバックの下方の隣接部分の空所に隠蔽され、一切、シ−トバックの正面側および座部の後縁にも飛び出ることがない。
【0017】
したがって、乗物用シートの美観の向上化を図ることができることは勿論、乗物用シートの着座者の臀部にアンカが触れたり、後部座席の着座者のつま先などにアンカが触れることがないので乗物用シートに違和感を生じない。
とりわけ、チャイルドシートの装着装置を備えた乗物用シートにおいて、その非使用時、つまり、乗物用シートの通常の使用状態における違和感の解決手段が、従来の技術では、前記したとおり煩雑であったものが、この発明では、座部の後部と前記シ−トバックの下方が隣接されて設けられてなる乗物用シ−トにおいて
、アンカは常時シ−トバックの下方の厚みに沿ってその下方に形成される領域に存在し、座部の後部とシ−トバックの下方の境の背面側に隠蔽されるので、正面から見て違和感を生じないから、従来の技術と比較して、格別、違和感の解決手段を必要としない。
【0018】
請求項2記載の乗物用シートにおけるチャイルドシートの装着装置は、請求項1記載のチャイルドシートの装着装置において、前記アンカは前記シ−トバックの下方から下方に向けて突設されてなることを特徴とするものである。
【0019】
請求項2記載のチャイルドシートの装着装置は、上記の構成であるから、請求項1記載の発明と共通の作用効果を奏することのほか、アンカをシ−トバックの下方に備えられる底側フレームを利用して設けることができるから、アンカの取付機構の簡素化やアンカの取付コストの低減化に寄与できる。
【0020】
請求項3記載の乗物用シートにおけるチャイルドシートの装着装置は、請求項1記載のチャイルドシートの装着装置において、アンカは前記座部の後部から前記シ−トバックの下方に向けて設けられてなることを特徴とするものである。
【0021】
請求項3記載のチャイルドシートの装着装置は、上記の構成であるから、請求項1記載の発明と共通の作用効果を奏することのほか、アンカは座部の後部からシ−トバックの下方に向けて設けられてなるから、アンカは座部を支える横フレームを利用して設けることができるので、アンカの取付機構の簡素化やアンカの取付コストの低減化に寄与できる。
【0022】
請求項4記載のチャイルドシートの装着装置は、請求項1、2又は3記載の乗物用シートにおけるチャイルドシートの装着装置において、アンカは前記シ−トバックの下方の両側に一対設けられてなることを特徴とするものである。
【0023】
請求項4記載のチャイルドシートの装着装置は、上記の構成であるから、請求項1、2又は3記載の発明と共通の作用効果を奏することのほか、アンカはシ−トバックの下方の両側に一対設けられてなるから、チャイルドシートの装着機能の一層の向上化を図ることができる。
【0024】
請求項5記載のチャイルドシートの装着装置は、請求項2又は4記載の乗物用シートにおけるチャイルドシートの装着装置において、前記シ−トバックがその下方の両側に設けられた回動軸を介して傾倒可能に設けられ、前記回動軸が前記シ−トバックの下方の厚みに沿ってその下方に形成される領域の両側であって、かつ、前記チャイルドシートを前記座部上で下方に向けて押圧させることにより、下降される前記チャイルドシート側の前記被係合子の見込位置に対応する位置に設けられ、一方、前記アンカに前記回動軸の軸心と平行な係合部が備えられるとともに、前記アンカの係合部が前記した両側の回動軸間において前記回動軸の軸心と同一軸心上に設けられてなることを特徴とするものである。
【0025】
請求項5記載のチャイルドシートの装着装置は、上記の構成であるから、請求項2又は4記載の発明と共通の作用効果を奏することのほか、シートバックは回動軸を軸心として傾倒し、アンカはシ−トバックの傾倒に追従して傾倒するものの、アンカの係合部はチャイルドシート側の被係合子の見込位置に対応する位置に設けられた回動軸の軸心上に常時存在するから、シ−トバックの傾倒角度の変化に関わらず、アンカの係合部に傾倒角度の変化が生じないので、チャイルドシート側の被係合子とアンカの係合部とを確実にかつ容易に装着できる。
【0026】
請求項6記載のチャイルドシートの装着装置は、請求項2又は4記載の乗物用シートにおけるチャイルドシートの装着装置において、前記シ−トバックがその下方の両側に設けられた回動軸を介して傾倒可能に設けられ、前記回動軸が前記シ−トバックの下方の厚みに沿ってその下方に形成される領域の両側であって、かつ、前記チャイルドシートを前記座部上で下方に向けて押圧させることにより、下降される前記チャイルドシート側の前記被係合子の見込位置に対応する位置に設けられ、一方、前記アンカに前記回動軸の軸心と平行な係合部が備えられるとともに、前記アンカの係合部が前記した両側の回動軸間において前記回動軸の軸心に隣接して設けられてなることを特徴とするものである。
【0027】
請求項6記載のチャイルドシートの装着装置は、上記の構成であるから、請求項2又は4記載の発明と共通の作用効果を奏することのほか、シートバックは回動軸を軸心として傾倒し、アンカはシ−トバックの傾倒に追従して傾倒するものの、アンカの係合部はチャイルドシート側の被係合子の見込位置に対応する位置に設けられた回動軸の軸心に隣接して常時存在するから、シ−トバックの傾倒角度の変化に関わらず、アンカの係合部に傾倒角度の変化が生じることが少ないので、チャイルドシート側の被係合子とアンカの係合部を請求項5記載の発明と比較して遜色ない程度に確実にかつ容易に装着させることが期待できる。
【0028】
請求項7記載のチャイルドシートの装着装置は、請求項1、2、3、4、5又は6記載の乗物用シートにおけるチャイルドシートの装着装置において、ストッパが前記アンカの正面側に前記アンカと干渉するように設けられてなることを特徴とするものである。
【0029】
請求項7記載のチャイルドシートの装着装置は、上記の構成であるから、請求項1、2、3、4、5又は6記載の発明と共通の作用効果を奏することのほか、ストッパがアンカの正面側にアンカと干渉するように設けられているから、シ−トバック上において、チャイルドシートにその正面側に向かう引張荷重が作用することがあっても、チャイルドシートは前記した被係合子とアンカが装着されていることと相俟ってストッパがさらにアンカに作用するので、一層チャイルドシートに作用する引張荷重を抑制ないし軽減させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1はシートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第1の実施の形態に係る乗物用シートの要部の正面斜視図、図2〜図4は、チャイルドシートの装着装置を備えた乗物用シートの使用状態を示す要部の側面図であって、図2は乗物用シートの常態で、チャイルドシートの使用前の状態を示す要部の側面図、図3はチャイルドシートを乗物用シートの座部上に載置させ、チャイルドシートの装着前の状態を示す要部の側面図、図4はチャイルドシートを乗物用シートに装着させた状態を示す一部を破断して示す要部の側面図、図5はシートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第2の実施の形態に係る乗物用シートの要部の正面斜視図、図6はシートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第3の実施の形態に係る乗物用シートの要部の正面斜視図、図7はシートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第4の実施の形態その1に係る乗物用シートの正面斜視図、図8は図7の要部の正面斜視図、図9はシートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第4の実施の形態その2に係る乗物用シートの正面斜視図、図10は図9の要部の正面斜視図、図11はシートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第5の実施の形態その1に係る乗物用シートの正面斜視図、図12は図11の要部の正面斜視図、図13はシートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第5の実施の形態その2に係る乗物用シートの正面斜視図、図14は図13の要部の正面斜視図、図15はシートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第6の実施の形態その1に係る乗物用シートの正面斜視図、図16は図15の要部の正面斜視図、図17はシートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第6の実施の形態その2に係る乗物用シートの正面斜視図、図18は図17の要部の正面斜視図である。
【0031】
(第1の実施の形態)
この実施の形態は、チャイルドシートの装着装置が乗物用シート10に採用され、シ−トバック12がその下方に設けられた取付軸14によって固定され、追って詳細を説明するチャイルドシート30の一対の被係合子32(図3、図4を参照。図面上では一方の被係合子32が表され、他方の被係合子は省略され、表されていない)を装着する一対のアンカ16、16がシ−トバック12の下方に設けられた例である(図1〜図4を参照)。
因みに、図示が省略されているが、シ−トバック12が傾倒しない形態の乗物用シートとして知られる自動車の後部座席についてもこの発明が適用されることは勿論、以下に説明する他の実施の形態の、シ−トバックが傾倒可能なバス、車両、航空機などの乗物用シートにも適用され、複数人掛、又は多人数掛の乗物用シートの全てのシートあるいはその一部のシートにおいても適用できる。
【0032】
この乗物用シート10にはクッション性を備えた座部18と、必ずしもクッション性を備える必要性のないシ−トバック12とが備えられている。
そして、座部18の後部とシ−トバック12の下方との間にチャイルドシート側の被係合子32を装着するアンカ16、16を設定できる空所を残して座部18の後部とシ−トバック12の下方が隣接されている(図2〜図4を参照)。
図面を参照してさらに具体的にいえば、一般的には、座部18の後部及びシ−トバック12の下方の形態は多少の相違があるものの、乗物用シ−ト10の正面側から見たとき、つまり、チャイルドシート30の非使用時、換言すれば、通常の乗物用シ−ト10の使用時であるが、座部18の後部の上縁とシ−トバック12の下方の正面側の境に、前記したアンカ16、16が露呈することなく、間隙を生じないように両者12、18が隣接され、両者12、18の隣接部の背面にアンカ16、16を設定できる空所が形成されている(図2、図3を参照)。
なお、座部18の後部とシ−トバック12の下方が隣接されていることを説明したが、この場合、正面側から見たときにアンカ16、16が一切露呈しないよう両者12、18間に隙間のないことは勿論、両者12、18間に多少の隙間があっても正面側から見たときにアンカ16、16の存在が観者にとって違和感のない限り、この明細書では隣接の概念に含むことを意味している。
【0033】
この発明は、チャイルドシート30の使用時は座部18上にチャイルドシート30が載置され、前記被係合子32が乗物用シート10に設けられたアンカ16に係合される(図4を参照)。
一方、チャイルドシート30の非使用時は被係合子32とアンカ16の係合が解除され、座部18からチャイルドシート30が取り除かれ、乗物用シート10は知られるように常態として使用される(図2を参照)。
【0034】
一般的に乗物用シート10がクッション性を備えていることは知られるとおりであるが、この発明はチャイルドシート30の着脱操作の便宜に鑑み、座部18が備えるクッション性に着目された発明である点が特徴の一つである。
【0035】
この発明のチャイルドシートの装着装置が使用の対象とする被係合子には二種類あり、その一つは、チャイルドシート30の底面側の後部に突設されたアームなどと一般的に称されている一対の被係合子32(詳細についてはたとえば特開2000−296733号公報図3を参照)を利用してチャイルドシート30自体を乗物用シート10の座部18上に直接装着する場合の被係合子32である(図3、図4を参照)。
【0036】
その二つは、図示が省略されているが、いわゆるチャイルドシート取付用ベースの後部に突設された一対の被係合子(詳細については、たとえば、特開2000−280800号公報図1を参照)を利用してチャイルドシート30を該ベースを介して乗物用シート10の座部18上に間接装着する場合の被係合子である。
【0037】
そこで、この明細書では以下の説明の便宜上、断りのない限り、チャイルドシート30の被係合子32およびチャイルドシート取付用ベースの被係合子を包括的に「チャイルドシート側の被係合子」と称して使用する。
【0038】
チャイルドシート側の被係合子32を係合する一対のアンカ16、16がシ−トバック12の下方の両側であって、シ−トバック12の下方の厚みに沿ってその下方に形成される領域Pに設けられている(図2を参照)。
アンカ16、16を前記した領域Pに設けることにより、アンカ16、16はチャイルドシート30の使用時、非使用時に関わらず、シ−トバック12の正面側および座部18の後部上に飛び出て違和感を生じるようなことがない。
前記したように、座部18の後部とシ−トバック12の下方との間にアンカ16、16を設定できる空所があるから、シ−トバック12の背面にアンカ16、16が露呈することになるが、美観の向上化などを図るなどを目的としてアンカ16、16の背面に図示を省略したがカバーを取り付けることは自由である。
【0039】
その上、前記したように、座部18の後部とシ−トバック12の下方が隣接されて設けられてなるから、アンカ16、16は正面側に露呈しないので、乗物用シート10の美観を損なわないようにすることができることは勿論、チャイルドシート30の非使用時における乗物用シート10の着座者の臀部にアンカ16、16が触れたり、チャイルドシート30の使用時、非使用時に関わらず、後部座席の着座者のつま先などにアンカ16、16が触れないので乗物用シート10に違和感を生じないという利点がある。
【0040】
アンカ16の構成をさらに具体的に説明すると、シ−トバック用のフレーム12Aの下方に横架された底側フレーム12aの下方からU字状の一対のアンカ16、16がその下方に向けて突設されている。
ところで、この発明では、アンカ16の設定条件は前記したとおりであることのほか、アンカ16は、チャイルドシート30を前記座部18上で下方に向けて押圧させることにより、下降されるチャイルドシート側の被係合子32の見込位置に対応する位置に設けられている。
この点を図3、図4を参照して具体的に説明すれば、チャイルドシート30を座部18上で下方に向けて押圧させることにより、たとえば発明者の実験によれば座部18の後部では圧縮前のその高さHは(図3を参照)、座部18が圧縮されることにより、たとえば20mm程度低い圧縮後の高さh(図4を参照)に変化する。
座部18の高さが低くなるのに追従してチャイルドシート30のチャイルドシート側の被係合子32も下降するが、この被係合子32が下降したときの見込位置に対応する位置にアンカ16を設けるようにした点に工夫が凝らされている。
つまり、被係合子32が下降したときの見込位置とアンカ16の位置が整合するように図られている。
さらに、具体的にいえば、U字状の一対のアンカ16、16の水平な係合部16aに図示をしない被係合子32のフック(例えば、特開2000−280800号公報図4参照)が係合されるから、その水平な係合部16aと被係合子32の見込位置が整合するように図られている。
【0041】
この実施の形態によるチャイルドシートの装着装置の使用方法を作用効果と併せ説明する。
▲1▼チャイルドシートを乗物用シートに装着する方法および作用効果
チャイルドシート30の一対の被係合子32をシ−トバック12側に向けて座部18上に載置させ(図3を参照)、チャイルドシート30を図面上の矢印Yのように、下方に押圧させつつ、チャイルドシート30をシ−トバック12の背面側へ圧送させる(図4を参照)。
この場合、チャイルドシート30を下方に押圧させることにより、座部18は圧縮前の高さHから、圧縮後の高さhに低く変化する(図3、図4を参照)。
シ−トバック12の下方に設けられた一対のアンカ16、16はシ−トバック12と座部18との境に間隙を生じるので、隠蔽状態から露呈状態となる。
そこで、前記の間隙を生じる結果、チャイルドシート側の被係合子32をアンカ16に装着できる環境が設定されるので、アンカ16にチャイルドシート側の被係合子32を係合させ、その係合を確認した後にチャイルドシート30の押圧を解除する。
かくして、チャイルドシート側の被係合子32とアンカ16とは係合状態を保持してチャイルドシート30を座部18上に載置できるから、座部18上でチャイルドシート30を使用できる。
この場合、装着されたチャイルドシート30は、チャイルドシート30の安定性の向上化を図るため、その背面をシ−トバック12の正面に当接させることが好ましい。
【0042】
▲2▼チャイルドシートを乗物用シートから取り外す方法および作用効果
チャイルドシート30の装着時と同様に、チャイルドシート30を下方に押圧させる。
次いで、アンカ16と被係合子32の係合状態を操作部材(詳細についてはたとえば特開2000−280800号公報を参照)を操作して解除し、その解除を確認した後にチャイルドシート30を座部18上から取り外すことにより、チャイルドシート30の非使用時つまり乗物用シート10の通常の使用状態が得られる(図2を参照)。
前記したチャイルドシート30の非使用時におけるシ−トバック12の下方に設けられた一対のアンカ16、16は、シ−トバック12と座部18との境の隣接部分において隠蔽状態となり、一切、シ−トバック12の正面側およびシ−トボトム18の後部にも露呈しないので、乗物用シート10の美観を損なわないようにすることができることは勿論、乗物用シート10の着座者の臀部にアンカ16、16が触れたり、後部座席の着座者のつま先などにアンカ16、16が触れないので乗物用シート10に違和感を生じない。
その上、アンカ16の取付はシ−トバック12の底側フレーム12aを利用できるので、アンカ16の取付部材を別に必要としないから、アンカ16の取付部のスペースを狭隘にしないので、アンカ16と被係合子32による係合機構を複雑化しない。
【0043】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態に係るチャイルドシートの装着装置を図5を参照して説明する。
第1の実施の形態に係るチャイルドシートの装着装置におけるアンカ16はシ−トバック12の下方から突設されてなるものであるに対して、この実施の形態に係るチャイルドシートの装着装置では、一対のアンカ16、16が座部18側に設けられてなるもので、座部18の後部からシ−トバック12の下方に向けて設けられてなる相違があるものの、他の構成および作用は第1の実施の形態と共通であるから、相違点について説明し、共通点は第1の実施の形態の説明を援用し、説明を省略する。
したがって、図5の符号についても共通な構成については、図1〜図4の符号と統一されている。
【0044】
倒立U字状であって、水平な係合部16a、16aをそれぞれ備えた一対のアンカ16、16が図示されるように座部18の後部側に横架されたシ−トバック12寄りの横フレーム18aを利用してその一端が横フレーム18aに固定され、その他端つまり水平な係合部16a、16a側はシ−トバック12の下方に臨ませて固定されることなく、自由な状態にされている。
一対のアンカ16、16のその位置は、第1の実施の形態と同様に、チャイルドシート30を前記座部18上で下方に向けて押圧させることにより、下降されるチャイルドシート側の被係合子32の見込位置に対応する位置である。
この点をさらに具体的にいえば、必ずしもアンカ16、16の全体が前記した見込位置に対応する位置に存在する必要はないもの、少なくとも前記したアンカ16、16の係合部16a、16aは見込位置に対応する位置にあることが好ましい。
チャイルドシート30を乗物用シート10に装着する方法およびチャイルドシート30を乗物用シート10から取り外す方法は、前記した第1の実施の形態に係るチャイルドシートの装着装置の場合と共通である。
【0045】
作用効果についても、前記した第1の実施の形態に係るチャイルドシートの装着装置が奏するものと共通するほか、アンカ16の取付は座部18側の横フレーム18aを利用できるので、アンカ16の取付部材を別に必要としないから、アンカ16の取付部のスペースを狭隘にしないので、アンカ16と被係合子32による係合機構を複雑化させない。
また、乗物用シート10の種類により、シ−トバック12側にアンカ16を取付けるスペースのない場合には、座部18側の横フレーム18aを利用してアンカ16を取付ることができる有利性があるので、その技術的意義は少なくない。
【0046】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係るチャイルドシートの装着装置を図6を参照して説明する。
この実施の形態は、チャイルドシートの装着装置が乗物用シート10に採用され、シ−トバック12が座部18の後部の両側の側板22、22の後部に支持された回動軸20、20を基軸として傾倒可能に設けられたものである。
そして、第1の実施の形態に係るチャイルドシートの装着装置と同様にチャイルドシート側の一対の被係合子32を装着するアンカ16、16がシ−トバック12の下方に設けられた例である。
他方、シ−トバック12が傾倒可能に設けられている点で前記した第1の実施の形態に係るチャイルドシートの装着装置と相違があるものの、他の大部分の構成や作用効果は前記した第1の実施の形態に係るチャイルドシートの装着装置と共通であるから、相違点について説明し、共通点は第1の実施の形態の説明を援用し、説明を省略する。
したがって、図6の符号についても共通な構成については、図1〜図5の符号と統一されている。
【0047】
シ−トバック12を傾倒可能にするため、シ−トバック用のフレーム12Aの一方の縦フレーム12bの側方に上下方向に延びた背当制御部材24が前記した一方の回動軸20を基軸として回動自在に設けられている。
そして、この背当制御部材24は回動軸20を境にしてシ−トバック12側が前記縦フレーム12bに固定されることにより、シ−トバック12が回動軸20を基軸として傾倒可能に設けられている。
【0048】
背当制御部材24は座部18側に延長されているが、その延長端は図示を省略したが、シリンダ内を前後方向に往復運動するピストンに結合され、背当制御部材24の前記延長端の傾倒時の規制と誘導を図ることにより、シ−トバック12の傾倒の確実性や妄動を抑制できるようにされている。
【0049】
この実施の形態では、前記シ−トバック12がその下方の両側に設けられた前記の回動軸20、20を介して傾倒可能に設けられ、前記回動軸20、20が前記シ−トバック12の下方の厚みに沿ってその下方に形成される領域P(図2を参照)の両側であって、かつ、前記チャイルドシート30を前記座部18上で下方に向けて押圧させることにより、下降される前記チャイルドシート側の前記被係合子32の見込位置に対応する位置に設けられている。
【0050】
一方、前記アンカ16、16に前記回動軸20、20の軸心と平行な係合部16a、16aが備えられるとともに、前記アンカ16、16の係合部16a、16aが両側の回動軸20、20間において前記回動軸20、20の軸心と同一軸心上に設けられている。
【0051】
この実施の形態では、シートバック12は回動軸20、20を軸心として傾倒し、アンカ16、16はシ−トバック12の傾倒に追従して傾倒する。
しかし、アンカ16、16の係合部16a、16aはチャイルドシート側の被係合子32の見込位置に対応する位置に設けられた回動軸20、20の軸心上に常時存在するから、シ−トバック12の傾倒角度の変化に関わらず、アンカ16、16の係合部16a、16aに傾倒角度の変化が生じないので、チャイルドシート側の被係合子32とアンカ16の係合部16aとを確実にかつ容易に装着できる利点を有する。
シ−トバック12が後方に向けて傾倒している場合には、チャイルドシート30の装着後にシ−トバック12を正面側へ起こし、チャイルドシート30の安定性の向上化を図るため、チャイルドシート30の背面をシ−トバック12の正面に当接させることが好ましい。
【0052】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態その1および2を図7〜図10を参照して説明する。
なお、以下に説明する第4〜6の実施の形態は、何れもシ−トバックが傾倒可能なもので、シ−トバック12上において、チャイルドシート30にその正面側に向かう引張荷重が作用することがあっても、チャイルドシート30に作用する引張荷重を抑制ないし軽減させることを目的とするもので(図4を参照)、以下に説明するストッパ36が前記アンカ16の正面側で、かつ、アンカ16とチャイルドシート側の被係合子32が係合するのに邪魔にならない位置に、前記アンカ16と干渉するように設けられてなるものである。
第4の実施の形態その1
この例を図7および図8を参照して説明するが、この例は第3の実施の形態において、以下に説明するストッパ36が結合された点に相違があるに止まるものであるから、この例の構成や作用効果の大部分は第3の実施の形態と共通するので、相違点について言及し、共通点については、図面の符号と併せ第3の実施の形態の説明を断りがない限り援用する。
【0053】
シ−トバック12は両側の側板22によって支持された回動軸20を介して傾倒可能に設けられている(図7を参照)。
アンカ16に回動軸20の軸心と平行な係合部16aが備えられていることは先の例と同じである。
前記した第3の実施の形態と同様にアンカ16の軸心と回動軸20の軸心は同一に設けられている。
【0054】
一方、回動軸20の他側をストッパ36として利用しようとするこの例では、前記係合部16aにストッパ36を干渉させるために、回動軸20を延長した他側をそのまま利用した場合、前記係合部16aと回動軸20を延長した他側は互いに回動軸20と同一軸心に位置して衝突することになるから、ストッパ36としての機能を奏することはできない。
そこで、この例では、回動軸20を延長した他側がストッパ36としての機能を奏することができるように、図7および図8に示めされるように乗物用シートの正面側へずらし、略鉤状に湾曲させて前記係合部16aの正面側に当接するように形成されている。
【0055】
かくして、回動軸20の一部がアンカ16の本体あるいはその係合部16aに干渉することにより、回動軸20の一部がアンカ16に対するストッパ36の役割を果たすことになるものである。
【0056】
この例では、アンカ16の軸心と回動軸20の軸心が同一に設定されつつ、ストッパ36は回動軸20の他側を利用して形成されているから、回動軸20の他側を略鉤状に湾曲させてストッパ36を形成する手間を要するものの、回動軸20の他側を利用できるので、別途にストッパを独立して設ける場合に比較してストッパ36の製造上の労力や材料費の軽減を図ることができる。
【0057】
また、前記したとおり、アンカ16の軸心と回動軸20の軸心が同一に設定されつつ、前記のストッパ36が形成されているから、依然として、第3の実施の形態と同様に、アンカ16の係合部16aはチャイルドシート側の被係合子32の見込位置に対応する位置に設けられた回動軸20、20の軸心上に常時存在するから、シ−トバック12の傾倒角度の変化に関わらず、アンカ16の係合部16aに傾倒角度の変化が生じないので、チャイルドシート側の被係合子32とアンカ16の係合部16aとを確実にかつ容易に装着できる利点はそのまま維持される。
【0058】
このストッパ36は、シ−トバック12上にチャイルドシート30を装着させた場合において、チャイルドシート30にその正面側に向かう引張荷重が作用することがあっても、チャイルドシート30は前記した被係合子32とアンカ16が装着されていることと相俟って、さらにアンカ16に作用するので、一層、チャイルドシート30に作用する引張荷重を抑制ないし軽減させることができる。
【0059】
第4の実施の形態その2
この例を図9および図10を参照して説明する。
前記した第4の実施の形態その1のと比較してこの例は、アンカ16が座部の横フレーム18aに設けられた相違があるに止まる。
したがって、この例の構成や作用の大部分は第4の実施の形態その1と共通であるから、相違点について言及し、共通点については、図面の符号と併せ第4の実施の形態その1の説明を断りがない限り援用する。
シ−トバック12は両側の側板22によって支持された回動軸20を介して傾倒可能に設けられている(図9を参照)。
アンカ16に回動軸20の軸心と平行な係合部16aが備えられていることは先の例と同じである。
【0060】
また、この例のストッパ36の構成および作用効果は、前記した第4の実施の形態その1の例と共通であるから、詳細については、先の説明を援用するが、回動軸20を延長した他側がストッパ36としての機能を奏することができるように、乗物用シートの正面側へずらし、略鉤状に湾曲させて前記係合部16aに当接するストッパ36が形成されている。
【0061】
前記したその1の例と比較して、アンカ16が座部の横フレーム18aに設けられてなる相違があるものの、ストッパ36の機能は前記したその1の場合と相違しない。したがって作用効果も共通である。
【0062】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態その1および2を図11〜図14を参照して説明するが、この例は第3の実施の形態において、以下に説明するストッパ36が結合された点および第4の実施の形態その1のストッパ36の具体的構成について相違があるに止まるものであるから、この例の構成や作用効果の大部分は第3の実施の形態および第4の実施の形態その1と共通するので、相違点について言及し、共通点については、図面の符号と併せ第3の実施の形態および第4の実施の形態その1の説明を断りがない限り援用する。
第5の実施の形態その1
この例は、前記した回動軸20を延長した他側がそのままストッパ36として構成され、シ−トバックの底側のフレーム12aの下方においてその下方に向けてアンカ16が設けられた例であるから、回動軸20の軸心とストッパ36の軸心は同一である。
【0063】
したがって、前記した第4の実施の形態の理由から明らかなように、ストッパ36の軸心とアンカ16の軸心が同一では、ストッパ36がその機能を奏することができないから、ストッパ36を乗り物用シートの正面側に配置させた上、アンカ16の軸心が回動軸20の軸心から外され、ストッパ36の背面においてその近傍に臨ませてある(図11、図12を参照)。
【0064】
前記した第4の実施の形態と異なり、ストッパ36の軸心とアンカ16の軸心が同一軸心に位置することなく、アンカ16の軸心が回動軸20の軸心からその背面側にずらされているが、シートバック12は回動軸20を軸心として傾倒し、シートバック12に装着されたアンカ16はシ−トバック12の傾倒に追従して傾倒する。
しかし、アンカ16の係合部16aはチャイルドシート側の被係合子32の見込位置に対応する位置に設けられた回動軸20の軸心の近傍に常時存在するから、シ−トバック12の傾倒角度の変化に関わらず、アンカ16の係合部16aに傾倒角度の変化が生じることが少ないので、チャイルドシート側の被係合子32とアンカ16の係合部16aとを確実にかつ容易に装着させることが期待できる。
【0065】
第5の実施の形態その2
この例を図13および図14を参照して説明する。
前記した第5の実施の形態その1のと比較してこの例は、アンカ16が座部の横フレーム18aに設けられた相違があるに止まる。
したがって、この例の構成や作用の大部分は第5の実施の形態その1と共通であるから、相違点について言及し、共通点については、図面の符号と併せ第5の実施の形態その1の説明を断りがない限り援用する。
前記したその1の例は、シ−トバック12の底側のフレーム12aの下方においてその下方に向けてアンカ16が設けられた例であるが、この例は、アンカ16が座部の横フレーム18aに設けられた例である。
したがって、この例の構成や作用の大部分は第5の実施の形態その1と共通であるから、相違点について言及し、共通点については、図面の符号と併せ第5の実施の形態その1の説明を援用する。
シ−トバックは両側の側板22によって支持された回動軸20を介して傾倒可能に設けられている(図12を参照)。
アンカ16に回動軸20の軸心と平行な係合部16aが備えられていることは先の例と同じである。
他方、この例のストッパ36の構成および作用は、前記した第5の実施の形態その1の例と共通であるから、詳細については、先の説明を援用するが、回動軸20を延長した他側がストッパ36としての機能を奏することができるように、ストッパ36を乗り物用シートの正面側に配置させた上、アンカ16の係合部16aの軸心が回動軸20の軸心から外され、ストッパ36の背面においてその近傍に臨ませてある。
【0066】
前記した第5の実施の形態その1の例と比較して、アンカ16が座部の横フレーム18aに設けられてなる相違があるものの、ストッパ36の機能は前記したその1の場合と相違しない。したがって作用効果も共通である。
【0067】
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態その1
第6の実施の形態その1および2を図15〜図18を参照して説明するが、この例は第3の実施の形態において、以下に説明するストッパ36が結合された点に相違があるに止まるものであるから、この例の構成や作用効果の大部分は第3の実施の形態と共通するので、相違点について言及し、共通点については、図面の符号と併せ第3の実施の形態の説明を断りがない限り援用する。
この例を図15および図16を参照して説明する。この例は、アンカ16と回動軸20のそれぞれの軸心が同一に設けられ、ストッパ36が前記した第4および第5の実施の形態のように、回動軸20の他側を利用するものと異なり、回動軸20と独立してストッパ36が設けられてなる例である。
具体的には、シ−トバックのフレーム12Aを利用してその下方にアンカ16の係合部16aと平行にストッパ36がその正面側においてその近傍に設けられている。
その他の構成や作用効果と併せ、第3の実施の形態、第4の実施の形態その1および第5の実施の形態その1と共通である。
【0068】
第6の実施の形態その2
この例を図17および図18を参照して説明する。この例は、アンカ16と回動軸20のそれぞれの軸心が同一に設けられ、ストッパ36が前記した第4および第5の実施の形態のように、回動軸20の他側を利用するものと異なり、回動軸20と独立してストッパ36が設けられてなる例である。
具体的には、座部の座部の横フレーム18aを利用してその下方にアンカ16の係合部16aと平行にストッパ36がその正面側においてその近傍に設けられている。
その他の構成や作用効果と併せ、第3の実施の形態、第4の実施の形態その1および第5の実施の形態その1と共通である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第1の実施の形態に係る乗物用シートの要部の正面斜視図である。
【図2】 乗物用シートの常態で、チャイルドシートの使用前の状態を示す要部の側面図である。
【図3】 チャイルドシートを乗物用シートの座部上に載置させ、チャイルドシートの装着前の状態を示す要部の側面図である。
【図4】 チャイルドシートを乗物用シートに装着させた状態を示す一部を破断して示す要部の側面図である。
【図5】 シートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第2の実施の形態に係る乗物用シートの要部の正面斜視図である。
【図6】 シートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第3の実施の形態に係る乗物用シートの要部の正面斜視図である。
【図7】 シートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第4の実施の形態その1に係る乗物用シートの正面斜視図である。
【図8】 図7の要部の正面斜視図である。
【図9】 シートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第4の実施の形態その2に係る乗物用シートの正面斜視図である。
【図10】 図9の要部の正面斜視図である。
【図11】 シートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第5の実施の形態その1に係る乗物用シートの正面斜視図である。
【図12】 図11の要部の正面斜視図である。
【図13】 シートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第5の実施の形態その2に係る乗物用シートの正面斜視図である。
【図14】 図13の要部の正面斜視図である。
【図15】 シートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第6の実施の形態その1に係る乗物用シートの正面斜視図である。
【図16】 図15の要部の正面斜視図である。
【図17】 シートバック及び座部とチャイルドシートの装着装置を備えた第6の実施の形態その2に係る乗物用シートの正面斜視図である。
【図18】 図17の要部の正面斜視図である。
【符号の説明】
10 乗物用シート
12 シ−トバック
12A シ−トバックのフレーム
12a シ−トバックの底側のフレーム
14 取付軸
16 アンカ
16a アンカの係合部
18 座部
18A 座部のフレーム
18a 座部の横フレーム
20 回動軸
22 側板
24 背当制御部材
30 チャイルドシート
32 チャイルドシート側の係合子
36 ストッパ
P シ−トバックの下方の厚みに沿ってその下方に形成される領域
H 圧縮前の座部の高さ
h 圧縮後の座部の高さ
Claims (7)
- クッション性を備えた座部と、シ−トバックとが備えられるとともに前記座部の後部と前記シ−トバックの下方との間にチャイルドシート側の被係合子を装着するアンカを設定できる空所を残して前記座部の後部と前記シ−トバックの下方が隣接されて設けられてなる乗物用シ−トにチャイルドシートを装着するチャイルドシートの装着装置であって、
前記アンカは、前記シ−トバックの下方の厚みに沿ってその下方に形成される領域に設けられるとともに、
前記チャイルドシートを前記座部上で下方に向けて押圧させることにより、下降される前記チャイルドシート側の前記被係合子の見込位置に対応する位置に設けられてなることを特徴とするチャイルドシートの装着装置。 - 前記アンカは前記シ−トバックの下方から下方に向けて突設されてなることを特徴とする請求項1記載のチャイルドシートの装着装置。
- 前記アンカは前記座部の後部から前記シ−トバックの下方に向けて設けられてなることを特徴とする請求項1記載のチャイルドシートの装着装置。
- 前記アンカは前記シ−トバックの下方の両側に一対設けられてなることを特徴とする請求項1、2又は3記載のチャイルドシートの装着装置。
- 前記シ−トバックがその下方の両側に設けられた回動軸を介して傾倒可能に設けられ、
前記回動軸が前記シ−トバックの下方の厚みに沿ってその下方に形成される領域の両側であって、かつ、前記チャイルドシートを前記座部上で下方に向けて押圧させることにより、下降される前記チャイルドシート側の前記被係合子の見込位置に対応する位置に設けられ、
一方、前記アンカに前記回動軸の軸心と平行な係合部が備えられるとともに、前記アンカの係合部が前記した両側の回動軸間において前記回動軸の軸心と同一軸心上に設けられてなることを特徴とする請求項2又は4記載のチャイルドシートの装着装置。 - 前記シ−トバックがその下方の両側に設けられた回動軸を介して傾倒可能に設けられ、
前記回動軸が前記シ−トバックの下方の厚みに沿ってその下方に形成される領域の両側であって、かつ、前記チャイルドシートを前記座部上で下方に向けて押圧させることにより、下降される前記チャイルドシート側の前記被係合子の見込位置に対応する位置に設けられ、
一方、前記アンカに前記回動軸の軸心と平行な係合部が備えられるとともに、前記アンカの係合部が前記した両側の回動軸間において前記回動軸の軸心に隣接して設けられてなることを特徴とする請求項2又は4記載のチャイルドシートの装着装置。 - ストッパが前記アンカの正面側に前記アンカと干渉するように設けられてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のチャイルドシートの装着装置。
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