JP3773192B2 - スラッジの脱水方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、上水汚泥や下水処理場の排水、工場廃水あるいは一般化学、食品関係の圧搾型フィルタープレスを含むスラッジの脱水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、上水汚泥等はフィルタープレスを用いて脱水処理されてきた。特に近年では、水質悪化等が原因で設備の処理能力が不足してきているため、その解決策として、フィルタープレスに供給するスラッジを加温することにより、処理能力の向上を図っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる従来技術によって処理能力をある程度までは向上させることができるが、さらに脱水ケーキの含水率の低減および薄い脱水ケーキの剥離性を格段に高めることが困難であり、濾過および圧搾時間の短縮化についても有効な手段がないのが現状である。
【0004】
したがって、本発明の主たる課題は、処理能力の向上を図りながら、脱水ケーキ含水率の低減および脱水ケーキの剥離性の向上を図るとともに、濾過および圧搾時間の短縮化を行うことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
対向する濾板間の濾室内に濾布を対向して設け、前記濾布間にスラッジを供給し濾過するようになし、一方の圧搾濾板と対面する濾布との間にダイアフラムを設け、かつ他方の加温濾板と直接対面する濾布との間に中空熱伝導パネルを配置し、前記濾室内を負圧化する負圧化手段を連結したフィルタープレス装置を用い、
前記中空熱伝導パネルに加温流体貯留槽からの加温流体を通すことにより前記濾布間に供給したスラッジを加温しながら、濾過を行い、
濾過工程後の圧搾工程において、前記圧搾濾板との間の流体室内に前記加温流体貯留槽からの加温流体を圧入し、前記ダイアフラムを前記加温濾板側に膨出させて圧搾操作を行い、この圧搾中においても中空熱伝導パネルに加温流体を通すことにより前記濾布間に供給したスラッジを加温し、
所定時間後に前記流体室内の加温流体を前記加温流体貯留槽に返送する返送操作を行い、
圧搾工程中において、前記圧搾操作及び返送操作を交互に繰り返し、
前記濾過工程または圧搾工程において、前記負圧化手段を作動させ濾液の排出を促進させる、
ことを特徴とするスラッジの脱水方法。
【0006】
<請求項2項記載の発明>
濾過工程においては、負圧化手段を作動させることなく、濾液を自然排出し、圧搾工程に入って濾液が少なくなった時点で、負圧化手段を作動させ濾液の排出を促進させる請求項1記載のスラッジの脱水方法。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
<作用>
濾過に際して、加温スラッジを供給すると、濾過能力が高まることは従来から知られており、本発明においてもその手段を採用するか、あるいは濾布間に供給したスラッジを加温する手段を採用するか、もしくは両手段を併用する。
【0017】
しかるに、加温スラッジを供給したとしても、濾過脱水が終了するまでの時間内に温度低下を生じ、脱水性が経時的に低下する。また、濾室内に供給したスラッジを加温するにしても、その熱の一部は濾板などの熱伝達経路を通じて装置外部へ放出されてしまい、スラッジへの熱伝達効率が良くない。
【0018】
そこで、本発明においては、濾室内のスラッジの加温、スラッジへの高効率な熱伝達を可能としている。その結果、濾過工程での温度低下に伴う濾過脱水性の低下を防止することができる。
本発明においては、圧搾工程中において圧搾操作・返送操作を交互に繰り返し行うことにより、スラッジが揉み解され、圧搾による濾過作用の促進を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ詳説する。
図1は、本発明に係るフィルタープレス装置1例の正面図を示し、図2はそのII-II断面図を示し、図3はその濾板配列形態を示している。本装置1は、図3に示すように、各濾布4がわ面にダイアフラム2Eをそれぞれ設けた濾板2(以下、圧搾濾板ともいう)と、ダイアフラムを設けていない濾板3(以下、加温濾板ともいう)とを、水平方向に交互に配列しており、濾板の配列形態からは水平型に属するものとなっている。この加温濾板3は、図2や図3にも示されている。
【0020】
また本装置1例は、いわゆる凹版型濾板に属するものであり、各濾板2,3には隣の濾板3,2と対向する面に凹部2a,3aがそれぞれ形成されており、隣り合う濾板2,3間に、1対の濾布4,4…がそれぞれ吊り下げられている。
【0021】
これら濾板2,3…は隣り合う濾板に対して連結部材109,109を介して連結されるとともに、水平方向に伸縮するシリンダー5により相互間隔が調節されるように構成されている。また濾板2,3の上には、シャフト103が水平方向に軸支され、濾布駆動装置102により正逆回転自在とされ、このシャフト103に取り付けられた滑車104,104によって巻取り自在のワイヤーロープ105およびこのワイヤーロープ下端部に接続されたサポートバー108を介して、濾布4,4が吊下げ状態で支持されるようになっている。そして、濾布を吊下げるサポートバー108を上限まで引き上げた後、シリンダー5の伸長により隣り合う濾板2,3を接触させ締め付けることによって、図4などに示すように、隣り合う濾板2,3間において1対の濾布4,4により取り囲まれた濾室6が形成される。この濾室6内には後述の外部スラッジ供給路7Fが加温濾板3の内部スラッジ供給路31(図2も参照)を介してそれぞれ連通している。濾板の下側構造については後述する。
【0022】
特に本例では、各圧搾濾板2は樹脂製とされるとともに、濾布4,4外面と対面する凹部2a,2aを覆うように、表面に濾液溝2e,2e…が形成された樹脂製ダイアフラム2E,2Eがそれぞれ配され、このダイアフラム2E,2Eと圧搾濾板2外面との間に流体室2D,2Dがそれぞれ形成されている。各流体室2D,2D内には、内部流体給排路2Fがそれぞれ通じている。したがって、流体室2D,2D内への流体Fの供給・排出が可能なようになっている。また、ダイアフラム2E,2Eの濾液溝2e,2e…とこれに対面する濾布4外面との隙間SP1(濾液溝2e,2e…内含む)には、その下端部おいて内部濾液排出路2H,2Hがそれぞれ通じており、上端部において内部圧気供給路2Jがそれぞれ通じている。
【0023】
一方、加温濾板3も樹脂製とされるとともに、濾布4,4外面と対面する凹部3a,3aに、表面に濾液溝3e,3e…がそれぞれ形成された中空熱伝導パネル30(例:金属製パネル)がそれぞれ嵌め込まれ、かつその熱伝導パネル30の中空スペースに加温流体が流通する加温室3sがそれぞれ形成されるとともに、この加温室3sの下端部および上端部には内部流体供給路3Fおよび内部流体排出路3Gがそれぞれ連通されている。したがって、本加温濾板3には、圧搾濾板2のように、対向する濾布4外面との間にダイアフラムが配されていない。さらに、濾液溝3e,3e…とこれに対面する濾布4外面との隙間SP2(濾液溝3e,3e…内含む)には、その下端部おいて内部濾液排出路3Hがそれぞれ通じており、上端部において内部圧気供給路3Jがそれぞれ通じている。
【0024】
かくして、本装置1では、加温濾板3、圧搾濾板2およびダイアフラム2Eのような装置1外へ面する主要部材が樹脂製とされることで、これらによって取り囲まれる濾室6から装置外への熱伝導、ならびに熱伝導パネル30(これらは供給スラッジ加温手段の加温部位に相当する)から装置外への熱伝導・熱放散がそれぞれ抑制され、濾室6内のスラッジの保温、濾室6内のスラッジへの高効率な熱伝達が可能となっている。
【0025】
また本装置1では、圧搾濾板2とこれと対向する濾布4との間には、一対の濾布4,4間4Sに供給したスラッジを圧搾するダイアフラム2Eを配し、このダイアフラム2Eと圧搾濾板2との間を流体室2Dとなす一方で、加温濾板3とこれと対向する濾布4との間にはダイアフラムを配さず、かつ加温濾板3には、供給したスラッジを加温する加温手段(加温室3sは加温手段を構成する)を設けた構成となっている。
【0026】
他方、図4のシステムフロー図を参照すると、本装置1例は、加温スラッジを供給するスラッジ供給手段7として、スラッジ貯留槽7Aと、このスラッジ貯留槽7A内のスラッジSを加温するスラッジ加温手段7B(例えば蒸気吹込み装置)と、スラッジ貯留槽7A内の加温スラッジSを外部スラッジ供給路7Fを介して濾布4,4間4Sに加圧供給するスラッジポンプ7Pとを備えている。外部スラッジ供給路7Fには洗浄弁8Vfを有する洗浄液供給路8Fが通じており、また外部スラッジ供給路7Fからはスラッジブロー弁8Vbを有するスラッジブロー路8Bが分岐され、このスラッジブロー路8Bはスラッジ貯留槽7Aに通じている。図示の7Vfは、外部スラッジ供給路7Fにおける洗浄液供給路8Fの連通部とスラッジポンプ7P出側との間に配設されたスラッジ供給弁を示している。
【0027】
また、供給スラッジの加温を行うべく、熱伝導パネル30内の加温室3sに対して加温流体(温水や蒸気等)Fを供給する手段9として、流体貯留槽9Aと、この流体貯留槽9A内の流体Fを加温する流体加温手段9B(例えば蒸気吹込み装置)と、流体貯留槽9A内の加温流体Fを外部流体供給路9Fおよび内部流体供給路3Fを介して加温室3sに対して供給する加温流体供給ポンプ9Pとを備えている。9Vfは流体供給路9Fに配設された加温流体供給弁を示している。また、加温室3sの上部には内部流体排出路3Gが連通しており、加温室3s内に供給された加温流体は、内部流体排出路3Gならびに流体返送路12を介して流体貯留槽9Aに返送されるようになっている。
【0028】
さらに本例では、この加温流体Fを前述の流体室2D内へ供給し、ダイアフラム2Eの膨出に用いるようになしている。具体的には、流体貯留槽9A内の加温流体Fを外部流体供給路10Fおよび内部流体供給路2Fを介して流体室2D,2D内に加圧供給する圧入ポンプ10Pとを備えている。10Vfは外部流体供給路10Fに配設された流体入口弁を示している。このように構成することで、樹脂製ダイアフラムを用いた場合においても、ダイアフラム2Eを介して多少の熱伝導は期待できるので、供給スラッジに対するダイアフラム2Eがわからの加温がなされるようになる。さらに、外部流体供給路10Fにおける流体入口弁10Vfと内部流体供給路2Fとの間の部位から分岐し、流体貯留槽9Aに通じる返送路10Rを設け、この返送路10Rにリリーフ弁10Vrを配設することによって、流体室2D,2Dに対する加温流体の供給圧がリリーフ弁の設定圧以下に保持されるようにもなっている。
【0029】
また本装置1例では、各濾板2,3の内部濾液排出路2H,3Hは、合流しつつ、濾液出口弁11Veを有する外部濾液排出路11Hを介して濾液槽11Aに通じており、この濾液槽11A内の濾液は貯留濾液量に応じて濾液ポンプ11Bにより濾液貯留槽11Cに供給されるようになっている。また、外部濾液排出路11Hからは濾液ブロー弁11Vbを有する濾液ブロー路11Jが分岐されており、この濾液ブロー路11Jは濾液貯留槽11Cに通じている。好ましくは、図示例のように、濾液槽11Aに真空ポンプ11Dを連結しておき、この真空ポンプ11Dにより、濾液槽11A、濾液排出路2H,3Hを介して、濾液溝2e,3eと濾布4,4との隙間SP1,SP2を負圧にできるように構成する。さらに図示例のように、圧気供給路2J,3Jおよび上部吸引路14を介して、濾液溝2e,3eと濾布2B外面との隙間SP1,SP2を隙間上部から吸引し負圧にできるようになすと、被脱水物の高効率かつ均等な脱水が可能になる。
【0030】
また本装置1例では、内部圧気供給路2J,3Jには、外部圧気供給路13Jならびに圧気槽13Aを介してコンプレッサー13Cからの圧気(例えば圧縮空気)が供給されるようになっている。
【0031】
<脱水方法例>
次に、前述の脱水装置1を用いる本発明のスラッジ脱水方法例について説明する。本脱水方法例は、主に濾過工程とこれに続く圧搾工程とからなる。
【0032】
濾過工程においては、先ずシリンダー5(図1のみ図示)の伸長により濾板2,3…を締め付けて閉枠し、図4に示すように濾室6を形成する。また、全ての弁は閉じておく。しかる後、加温流体供給ポンプ9Pを作動させるとともに、流体入口弁9Vfを開ける。これにより、加温手段9Bにより温められた加温流体F(温水や蒸気)が流体貯留槽9Aから外部流体供給路9Fならびに内部流体供給路3Fを介して熱伝導パネル30の加温室3s内に供給される。なお、本例では、加温室3sに供給した加温流体Fは、上部流体排出路3Gおよび流体返送路12を介して流体貯留槽9Aに返送され、加温手段9Bにより温められた後、再度加温室3sに送られる。このように循環を行うことで、常時新しく加温された加温流体Fが加温室3s内に存在することになる。
【0033】
これと同時に、あるいはこれに続いてスラッジポンプ7Pを作動させるとともに、スラッジ供給弁7Vfを開とし、加温手段7Bにより前もって温められスラッジ貯留槽7Aに貯留されていた加温スラッジSを、外部および内部スラッジ供給路7F,31を介して濾室6の濾布4,4間に加圧供給する。この状態が図5に示されている。濾室6内のスラッジS1は、順次送られてくるスラッジの供給圧力によって濾液のみが濾布4,4を通り、濾過が進行する。この際、加温室3s内を通る加温流体Fの熱が熱伝導パネル30を介して、濾布4,4間のスラッジに対して伝わり、当該スラッジが加温されつつ濾過が進行することになる。
【0034】
またこの際、濾液出口弁11Veおよび濾液ブロー弁11Vbのいずれか一方は開けておき、いずれの場合にも濾液をダイアフラム2Eの濾液溝2e,…、熱伝導パネルの濾液溝3e,…、内部濾液排出路2H,3Hならびに外部濾液排出路11Hを介して濾液貯留槽11C内に対して排出させる(詳しくは後述する)。
【0035】
所定時間経過後、例えばスラッジポンプ7Pを停止するとともにスラッジ供給弁7Pを閉じて濾過工程を終え、続いて圧搾工程に移る(引き続き、スラッジ供給を行いながら、圧搾工程を行うこともできる)。
【0036】
圧搾工程では、加温濾板3の熱伝導パネル30内の加温室3sに対する加温流体Fの供給を行っている(濾過工程から引き続き供給しておくのが好ましい)状態で、流体室2Dに対して流体を圧入するのが好ましい。すなわち図示例の場合、加温流体供給弁10Vfを開けるとともに加温流体圧入ポンプ10Pを作動させ、加温流体貯留槽9Aに貯留されている加温流体Fを加温流体圧入路10Fおよび内部供給路2Fを介して流体室2D内に圧入供給する。この際の供給圧は、前述のとおりリリーフ弁10Vrの作用により設定圧力以下に保持される。その結果、図6に示すように、流体室2D,2Dの内圧が濾室6の内圧よりも高くなることにより、その差圧によってダイアフラム2Eが圧搾濾板2がわから加温濾板3がわへ膨出し、膨出したダイアフラム2Eにより濾室6内の被脱水スラッジS1が濾布4,4を介して挟まれ圧搾される。
【0037】
かくして、圧搾中においても、加温室3s内を通る加温流体Fが熱伝導パネル30を主に介して、また補助的に流体室2D内の加温流体がダイアフラム2Eを介して、濾布4,4間のスラッジを効果的に加温する。これにより、濾布4,4間のスラッジは少なくとも保温される。かかる加温によって高効率な圧搾濾過がなされる。
【0038】
さらに所定時間経過後に、加温流体供給弁10Vfを閉じ、加温流体圧入ポンプ10Pを停止するとともに、流体返送弁4Vbを開ける。これにより流体室2D内の加温流体が流体返送路4Cを介して流体貯留槽9Aに返送される。
【0039】
本発明においては、圧搾工程中においてかかる圧搾操作・返送操作を交互に繰り返し行うことができる(通常数回繰り返す)。これにより、スラッジが揉み解され、圧搾による濾過作用の促進を図ることができる。
【0040】
さらに、濾過操作・圧搾操作・返送操作の一連のサイクルを繰り返し行うこともでき、この場合には圧搾後の被脱水物は体積が小さくなっているので、濾布4,4間にさらに加温スラッジを圧入でき(この場合にはダイアフラム2Eは押し戻されて図5に示す状態に戻る)、圧搾による濾過作用の促進のみならずこれに伴うスラッジS供給(注入)量の飛躍的な増大を図ることができる。
【0041】
圧搾工程が終了したならば、圧入ポンプ10Pを停止し、開いている弁を閉じる。
【0042】
ここに、これらの濾過工程および圧搾工程における濾液の排出形態は、主に次の方法からそれぞれ選ぶことができる。すなわち、第1の方法は、濾液出口弁11Veを開けかつ濾液ブロー弁11Vbを閉じるとともに、真空ポンプ11Dを作動させる方法である。これにより、濾液排出経路を構成する、濾液槽11A、外部濾液排出路11H、内部濾液排出路2H,3H、ダイアフラム2Eの濾液溝2e,…および熱伝導パネル30の濾液溝3e,…が負圧となるので、濾過または圧搾中の濾液の排出を促進させ、脱水ケーキの含水率を低くすることが出来る。この場合、濾液は、ダイアフラム2Eの濾液溝2e,2e…、および熱伝導パネル30の濾液溝3e,…を通り、内部濾液排出路2H,3Hならびに外部濾液排出路11Hを介して濾液槽11Aに送られ、濾液槽11Aに一時的に貯留される。そして、濾液槽11A内の濾液貯留量に応じて自動的に動作する濾液ポンプ11Bにより、濾液槽11A内の濾液が汲み出され、濾液貯留槽11C内に排出される。
【0043】
第2の方法は、濾液ブロー弁11Vbを開け、濾液出口弁11Veは閉じ、かつ真空ポンプ11Dを作動させない方法である。この場合には、濾液は、ダイアフラム2Eの濾液溝2e,2e…、および熱伝導パネル30の濾液溝3e,…を通り、内部濾液排出路2H,3H、外部濾液排出路11H、濾液ブロー路11Jを介して直接に濾液貯留槽11Cへ排出される。
【0044】
最も効果的な方法は、濾過工程中は濾液ブロー弁11Vbを開とし且つ濾液出口弁11Veを閉として、濾液を自然流下させ、圧搾工程に入ってからも所定時間は同様にし、しかる後に濾液量が少なくなった頃から濾液出口弁11Veを開とし且つ濾液ブロー弁11Vbを閉とし、同時に真空ポンプ11Dを作動させて濾液排出経路11Hを負圧にする方法である。本方法では、濾液が自然に排出されるうちは濾液排出経路11Hを負圧とせず、濾液が自然に排出され難くなったときから濾液排出経路11Hを負圧とするので、濾液排出の促進およびケーキ含水率の低下を図りつつも、濾過工程または圧搾工程において常時濾液排出経路11Hを負圧とする場合と比べて、真空ポンプ11Dによる消費エネルギーを少なくできる利点がある。
【0045】
他方、前述の圧搾工程ならびに濾過工程が終了したならば、続いてブロー工程を行うことを推奨する。本ブロー工程においては、洗浄弁8Vfおよびスラッジブロー弁8Vbを開けて、洗浄水により外部スラッジ供給路7Fを含むスラッジ供給経路内のスラッジをスラッジ貯留槽7Aヘブローする。
【0046】
次に、洗浄弁8Vfを閉じるとともに圧気入口弁13Vfを開けて、図7に示すように、コンプレッサー13Cにより圧気槽13Aに貯められた圧気により、外部圧気供給路13Jならびに内部圧気供給路2J,3J、ダイアフラム2E,2Eの濾液溝2e,2eおよび熱伝導パネル30の濾液溝3e,…を介してブローするとともに、外部スラッジ供給路7Fを含むスラッジ供給経路に残留した洗浄水をスラッジ貯留槽7Aヘブローする。好適には、かかる圧気ブローを洗浄水ブローの前後に行うようにする。
【0047】
さらに好適には、この所定時間経過後、スラッジブロー弁8Vbを閉じ、流体ブロー弁4Vbおよび濾液ブロー弁11Vbを開け、引き続き供給される圧気を今度は濾室6内に供給する。そして、その濾室6内への供給エアの作用によって、流体室2Dの加温流体を流体ブロー路4Cを介して流体貯留槽9Aに返送するとともに、ダイアフラム2Eの濾液溝2e,…および熱伝導パネル30の濾液溝3e,…に残留する濾液を、内部濾液排出路2H,3H、外部濾液排出路11H、濾液ブロー弁11Vbを介して濾液貯留槽11Cへブローする。
【0048】
以上で濾過、圧搾、ブロー工程が終了し、脱水ケーキKが濾室6内に形成されているのでその排出工程に入る。排出工程ではまず、図8と図1との対比からも理解されるように、シリンダー5を収縮させてルーズヘッド101を開放し、これに対してまた互いに連結された濾板2,3…が順次牽引され、各濾板間2,3が一定間隔となるように開枠される。続いて、濾布駆動装置102により駆動シャフト103を回転させ、滑車104に巻き取られているワイヤーロープ105を繰り出せるとともに、張り合わされていた濾布4,4の下端を開くように、各濾布4を各リターンロール106を経て各巻取りロール107にそれぞれ巻き取る。この巻取りはワイヤーロープ105の繰り出しに伴う濾布下降量に応じてなされ、濾布4,4は常にサポートバー108と各リターンロール106との間に引っ張られ実質的に平面をなす状態とされる。
【0049】
かくして、リターンロール106,106における濾布4,4の鋭角的な折返しの作用および自重により、濾布4,4間に形成された脱水ケーキKは濾布4,4から剥離し排出される。通常はかかる濾布駆動のみで脱水ケーキKの剥離が可能であるが、剥離性が悪い場合には、濾布4,4を挟んでリターンロール106,106の反対側に、濾布4からケーキを掻き取るスクレーパ(図示せず)を設け、濾布4,4に付着した脱水ケーキを積極的に剥離するように構成することができる。
【0050】
<その他>
本発明のダイアフラム2Eはゴム材等の樹脂で形成することができるが、ダイアフラム2Eにおける少なくとも濾布を介して濾室と対応する部分を、熱伝導性の高い材料、例えば可撓性を有する程度の薄さの鋼板(特に防錆性の観点からステンレス鋼板が好ましい)などにより形成するのが好ましい。例えば、図示しないが、実質的に前述の保温効果に寄与しないダイアフラムの外縁部分をゴム材等の熱伝導性の低い可撓性材料で形成し、実質的に保温効果に寄与する中央部分を金属等の熱伝導性の高い硬質材料で形成することもできる。
【0051】
前記の説明では、濾布走行型への適用例を示したが、本発明は濾布吊り下げ型の脱水機にも適用可能である。また本発明では、上述例のように濾板上部からスラッジ供給を行うアッパーフィードとするほか、加温スラッジを濾板中央部から供給するセンターフィードとしたり、濾板下部からスラッジを供給するアンダーフィードとしたりすることもできる。
【0052】
さらに、本発明においては、前述具体例における弁の開閉やポンプの始動・停止、シリンダーによる閉枠・開枠等は、適宜の制御装置により自動制御で行わしめることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、スラッジの注入量の増大、濾過および圧搾時間の短縮、脱水ケーキの含水率の大幅な低下、脱水ケーキの剥離性の向上などを図ることができ、総じて濾過脱水能力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るフィルタープレス装置例の正面図である。
【図2】 図1のII-II断面を示す縦断面図である。
【図3】 濾板の配列形態を示す要部縦断面図である。
【図4】 本発明に係るフィルタープレス装置例を示すフロー図である。
【図5】 濾過工程を示す要部縦断面図である。
【図6】 圧搾工程を示す要部縦断面図である。
【図7】 ブロー工程を示す要部縦断面図である。
【図8】 ケーキ排出工程を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1…フィルタープレス装置、2…圧搾濾板、3…加温濾板、4…濾布、2E…ダイアフラム、2D…流体室。
Claims (2)
- 対向する濾板間の濾室内に濾布を対向して設け、前記濾布間にスラッジを供給し濾過するようになし、一方の圧搾濾板と対面する濾布との間にダイアフラムを設け、かつ他方の加温濾板と直接対面する濾布との間に中空熱伝導パネルを配置し、前記濾室内を負圧化する負圧化手段を連結したフィルタープレス装置を用い、
前記中空熱伝導パネルに加温流体貯留槽からの加温流体を通すことにより前記濾布間に供給したスラッジを加温しながら、濾過を行い、
濾過工程後の圧搾工程において、前記圧搾濾板との間の流体室内に前記加温流体貯留槽からの加温流体を圧入し、前記ダイアフラムを前記加温濾板側に膨出させて圧搾操作を行い、この圧搾中においても中空熱伝導パネルに加温流体を通すことにより前記濾布間に供給したスラッジを加温し、
所定時間後に前記流体室内の加温流体を前記加温流体貯留槽に返送する返送操作を行い、
圧搾工程中において、前記圧搾操作及び返送操作を交互に繰り返し、
前記濾過工程または圧搾工程において、前記負圧化手段を作動させ濾液の排出を促進させる、
ことを特徴とするスラッジの脱水方法。 - 濾過工程においては、負圧化手段を作動させることなく、濾液を自然排出し、圧搾工程に入って濾液が少なくなった時点で、負圧化手段を作動させ濾液の排出を促進させる請求項1記載のスラッジの脱水方法。
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JP2002255233A JP3773192B2 (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | スラッジの脱水方法 |
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