JP4097030B2 - 脱水乾燥装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下水道,農村集落排水処理設備,し尿処理設備等から排出される汚泥、または例えば食品やパルプ等の各種産業に用いられる懸濁液(以下、これらをまとめてスラリと言う)の脱水乾燥装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スラリを脱水乾燥するためには、脱水装置と乾燥装置とをそれぞれに設置する必要があり、イニシャルコストが大きく、維持管理に多大な労力がかかるのが実情であった。
【0003】
また、加圧圧搾脱水機の圧搾媒体として温水を使用し、ダイアフラムを介してスラリを加熱すると共に、ろ布外部を減圧することにより、スラリを加温及び圧搾すると同時に減圧乾燥するものが知られている(特許文献1参照)。しかしながら、この装置においては、ダイアフラム(圧搾膜)の熱伝導率が低く、ろ枠とダイアフラムの間の温水流量分布やダイアフラムとろ布の間の減圧度が場所により不均一なため、ケーキの乾燥時間が長く、乾燥むらが生じやすい等の問題点があった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−232109号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、ケーキに乾燥むらが生ぜず且つ乾燥時間を短くすることができるとともに、経済的で且つ耐久性に優れたスラリの脱水乾燥装置及び方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の脱水乾燥装置は、ろ布により囲まれたスラリを収容するろ室と、前記ろ室を二分するように前記ろ室内に配置した金属製の中空体と、前記中空体の内部に熱媒体を供給する手段と、前記ろ布の外側に配置したダイアフラムと、前記ダイアフラムの外側に熱媒体を供給する手段とを備え、前記中空体の内部及び前記ダイアフラムの外側に熱媒体を同時に供給し、前記ろ室内に収容されたスラリを前記中空体と前記ダイアフラムの両側から加熱して乾燥するようにしたことを特徴とするものである。これにより、熱伝導率の良好な金属製の中空体に循環供給された熱媒体の熱がろ室内のスラリに速やかに供給されるため、スラリの乾燥時間を短縮し乾燥むらを低減することができる。
【0007】
ここで、前記ろ布の外側を真空排気する手段を備えることが好ましい。これにより、スラリを中空体とダイアフラムの両側から加熱するため、また減圧下で加熱するため、良好な効率でスラリの乾燥時間を短縮し乾燥むらを低減することができる。
【0008】
また、前記中空体の内部に前記熱媒体が迂回して流れる流路を備えることが好ましい。これにより熱媒体の有する熱を有効に利用することができる。また、前記中空体の表面に突起物を設けることが好ましい。中空体の表面に突起物を設けることにより、伝熱面積を拡張し、かつ、前記突起物でスラリが固形化したケーキを破断しながら脱水乾燥することができる。従って、固形化したケーキの内部まで十分に均一に乾燥することができる。ここで、中空体の表面の突起物は、前記スラリが脱水乾燥されたケーキの排出する方向に延在していることが好ましい。これにより、脱水乾燥後のケーキを排出するに際して、突起物がケーキの排出を妨げない。
【0009】
また、中空体の表面にろ布と、前記ろ布によりろ過されたろ液の流路とを備えることが好ましい。これにより、金属製の中空体とダイアフラムの両側から熱媒体の熱がろ室内のスラリにさらに速やかに供給されると共に、両側から脱水されることにより、スラリの乾燥時間をさらに短縮することができる。従って、固形化したケーキの内部まで十分に均一に乾燥することができる。また、中空体に前記スラリを収容する凹部を備えることが好ましい。これにより、ろ室を実質的に拡張し処理能力を向上させることができる。
【0010】
また、本発明の脱水乾燥方法は、ろ布により囲まれたろ室を二分するように金属製の中空体を配置し、前記ろ室内にスラリを収容し、前記ろ布の外側にダイアフラムを備え、前記中空体の内部及び前記ダイアフラムの外側に熱媒体を同時に供給し、前記ろ室内に収容されたスラリを前記中空体と前記ダイアフラムの両側から加熱して乾燥ることを特徴とするものである。ここで、中空体の表面に突起物を設け、伝熱面積を拡張し、かつ、前記突起物でスラリが固形化したケーキを破断しながら脱水乾燥することが好ましい。また、中空体の表面にろ布を配備するとともにろ液の排出流路を設け、前記中空体表面からも前記スラリのろ過を行うことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の脱水乾燥装置を含むスラリの処理システムの概略を示す。
【0012】
脱水乾燥機11は、スラリの脱水乾燥を行うフィルタプレス装置である。その内部に、隣接する一対のろ枠の間に一対のダイアフラムとろ布とを設け、ろ布により囲まれたろ室が形成されている。この脱水乾燥機11には、後に詳述するように、そのろ室を二分するようにろ室内に配置した金属製の中空体を備え、その中空体の内部に熱媒体を供給するようにしている。開閉装置でろ枠を締付けた状態で、ダイアフラム及びろ布からなるろ室内のスラリを両面から圧搾することで、スラリの脱水乾燥が行われる。
【0013】
この脱水乾燥機11には、スラリ供給ポンプ12によりスラリ供給ライン13から供給弁15を介して脱水乾燥対象のスラリが供給される。そして、スラリは脱水乾燥機11により脱水圧搾乾燥されて所要の含水率のケーキとなり、脱水乾燥機11より取り出される。
【0014】
脱水乾燥機11には温水が熱媒体として供給され、この熱媒体によりスラリの脱水乾燥が促進される。温水ユニット31にて温水が作られ、温水循環ポンプ32により温水循環ライン35から脱水乾燥機11のヘッダ管17に導入される。脱水乾燥機11でスラリの脱水乾燥に使用された温水はヘッダ管18から温水循環ライン35により温水ユニット31に戻される。このように、温水ユニット31と脱水乾燥機11との間で温水が循環するようになっていて、脱水乾燥機11の出口側に背圧弁33が配置されている。従って、背圧弁33の調整により、循環する温水の流量及び脱水乾燥機内の温水の圧力をすみやかに調整することが可能である。
【0015】
また、脱水乾燥機11におけるスラリの脱水乾燥には真空吸引が用いられる。したがって、真空ポンプ37と凝縮槽38とを備え、ろ布とダイアフラムとの間を減圧雰囲気とすることで、ろ室内部のスラリの脱水乾燥を促進する。また、圧搾工程と同時に真空ポンプ37を起動するようにして、ダイアフラムとろ布との間隙を減圧することによりろ布に囲まれたろ室内のスラリを加圧脱水すると共に加温減圧乾燥する。
【0016】
センターブローライン21には空気弁22が、センターブロー排泥ライン23には排泥弁24がそれぞれ配置され、センターブロー用空気は、センターブローライン21により脱水乾燥機11に供給され、センターブロー排泥ライン23から脱水されていないスラリと共に排出される。
【0017】
温水ユニット31は、加温・加圧媒体としての温水を供給するものであり、温水の水温を60℃〜100℃、好ましくは70℃〜95℃に保つことが好ましい。また、水蒸気を用いるようにしてもよい。この温水ユニット31としては、電力や石油等の燃料、または燃焼排ガス等を用いた温水ボイラ、水蒸気ドレン、燃料電池排水などの各種の熱源を用いることができる。温水循環ポンプ32は、脱水乾燥機11内のダイアフラムに0.5MPa以上の圧力を加えられるものであることが好ましい。脱水乾燥機11に接続されるろ液ライン19と真空ライン20は弁25,26により切り替えられ、真空ラインには上述したように凝縮槽38、真空ポンプ37が接続されている。凝縮槽38には冷却水が循環するようになっている。ここで真空ポンプ37の到達真空度は7kPa以下が好ましい。
【0018】
図2は、スラリの脱水乾燥機における要部の構成例を示す。図2に示すように、互いに隣接するろ枠54a,54b,54c,54dの間に、それぞれダイアフラム52,52とろ布51,51とが配置されて、ろ布51により囲まれたろ室55a,55b,55cが形成されている。そして、それぞれのろ室55a,55b,55cを二分するように、金属製の空洞を有する中空体56a,56b,56cが設けられている。本例で示す全体構成は、中空体で2分割されたろ室が3室(55a,55b,55c)の構成となっているが、室数は必要に応じて増やすことができる。金属製の中空体56a,56b,56cの材質は特に限定するものではないが、ステンレス,アルミニウム,チタン等を用いることができる。
【0019】
このフィルタプレス(脱水乾燥機)では、両側にプレート57,58を備え、図示しない開閉装置によりろ枠54a,54b,54c,54dを開閉するようになっている。即ち、スラリの脱水乾燥時には図示しない開閉装置によりプレート57,58が両側から締付けられ、各ろ枠54a,54b,54c,54dが両側から締付けられ、ろ布51,51に取り囲まれたろ室55a,55b,55cが形成される。そして、ろ室の内部に脱水乾燥対象のスラリが導入され、スラリの脱水乾燥が行われる。スラリの脱水乾燥後は、図示しない開閉装置によりプレート57,58が開かれ、各ろ枠54a,54b,54c,54dがそれぞれ離反するように開かれ、脱水乾燥されたケーキが下方に落下して取り出される。
【0020】
金属製の空洞を有する中空体56a,56b,56cの内部には、温水(熱媒体)が流れ、ろ室55a,55b,55c内に充填されたスラリを加熱する。中空体の構成例を図3(a)(b)に示す。図示するように、中空体の内部56には仕切板56zが上下から交互に延びて熱媒体が迂回して流れる流路が形成されている。なお、迂回流路は例えば渦巻状等に形成してもよい。仕切板56zによる流路を形成することで、熱媒体の中空体内部の滞留時間が延び、熱媒体の熱を有効に利用することができる。また、仕切板56zは扁平な中空体の補強構造となり、比較的薄い金属板を用いて中空体を構成することができ、装置の軽量化、コスト低減に資することができる。
【0021】
図4(a)(b)に示すように、ろ枠54とダイアフラム52との間には、厚さ1mm以上の網目状物53が配置され、ろ枠54とダイアフラム52との間に温水が均一に流れる流路53aが確保されている。網目状物53は、耐熱性、耐腐食性の材質からなる線径0.5mm以上の網などを用いることができ、材質としてはポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ステンレスなどが好適である。
【0022】
ダイアフラム52は、多数の突起52aを備えた弾性を有するゴム等の膜体であり、ろ枠との間に温水(熱媒体)の流路53aを備え、この流路に温水を循環ポンプ32(図1参照)で押し込むことで、ダイアフラムの弾性によりろ布を介してろ室内のスラリを圧搾するとともに加熱する。なお、循環ポンプ32により押し込まれる温水は、中空体とろ枠側(流路53a)に並列に供給されても、また直列に供給されてもよい。
【0023】
ろ布51とダイアフラム52との間には、ろ布51によりろ過されたろ液の流路52bが設けられ、この流路52bは真空ポンプ37(図1参照)に接続され、真空排気される。このため、ろ室は減圧雰囲気下で加熱・加圧され、ろ布を介して抽出されたろ液が流路52bを通って排出される。
【0024】
ここで、ダイアフラム52は、ポリプロピレン樹脂または架橋ポリエチレン樹脂によるものが好適であり、これにより高い耐久性と経済性が得られる。また、ダイアフラム52のろ布51側には、ろ液排出用の溝または突起52aが設けられ、この溝の深さまたは突起の高さは3mm以上10mm以下が好ましく、幅2〜6mmの円柱形または角形が好ましい。これにより、ダイアフラム52とろ布51との間隙の真空吸引路(ろ液流路)52bを均一なスペースに確保することが可能になる。
【0025】
図5は、本発明の他の実施形態の金属製の中空体表面の構成例を示す。この実施形態においては、中空体56の表面に突起物56sを設けている。これにより、伝熱面積を拡張し、かつ、前記突起物でスラリが固形化したケーキを破断しながら脱水乾燥することができる。従って、固形化したケーキの内部まで十分に均一に乾燥することができる。ここで、中空体の表面の突起物は、前記スラリが脱水乾燥されたケーキの排出する方向(図の上下方向)に延在していることが好ましい。これにより、脱水乾燥後のケーキを排出するに際して、突起物がケーキの排出を妨げない。なお、突起物の形状は固形化したケーキを破断できる構造であればよいので、断面が三角形状、半円状、台形状等であってもよく、横方向に断続的に、または連続的に配置したものであってもよい。また、上下方向に図示するように連続していなくてもよく、断続的に突起物を配置するようにしてもよい。この場合には、円柱状,円錐状,三角錐状,角柱状,フィン状などのものを用いることができる。
【0026】
図6(a)(b)は、本発明のさらに他の実施形態の金属製の中空体の構成例を示す。この実施形態においては、中空体の表面にろ布と、前記ろ布によりろ過されたろ液の流路とを備えている。即ち、図6(a)に示すように、中空体56a56b56cの表面にろ布51と、ろ液の流路51bとを備えている。ここで、中空体の表面に金属と一体の突起物56sを配置することが好ましい(図6(b)参照)。これにより、流路51bを真空排気してスラリを減圧下で加圧・加熱脱水するに対してこの突起物56sによりろ液の流路を安定に確保すると共に、ろ室内を安定に減圧雰囲気下におくことができる。
【0027】
また、図6(b)に示すように、中空体にスラリを収容する凹部54mを備え、ろ枠と同様な構成としている。これにより、金属製の中空体とダイアフラムの両側から熱媒体の熱がろ室内のスラリにさらに速やかに供給されると共に、両側から脱水されることにより、スラリの乾燥時間をさらに短縮することができる。従って、固形化したケーキの内部まで十分に均一に乾燥することができ、ろ室を実質的に拡張し処理能力を向上させることができる。
【0028】
次に、上記フィルタプレスを用いたスラリの脱水乾燥工程について説明する。スラリの脱水乾燥の工程は大きく、ろ過工程,圧搾工程,センターブロー,乾燥工程に分けることができる。
【0029】
ろ過工程では、スラリはスラリ供給ポンプによりスラリ供給ライン,供給弁を介して脱水乾燥機に供給され、前記ろ室に充填される。さらにスラリが加圧供給されると、スラリ中の水分がろ液として排出される。
【0030】
圧搾工程では、温水ユニットで加熱された熱媒体は温水循環ポンプにより温水循環ラインを介して脱水乾燥機に供給され、前記ろ枠とダイアフラムの間及び前記中空体の内部を通り、さらに背圧弁を介して温水ユニットに戻り、循環使用される。前記ろ枠とダイアフラムの間に熱媒体が供給され、背圧弁が設けられていることにより、ダイアフラムが膨張し、前記ろ室の体積が減少することにより、ろ室内のスラリが圧搾される。さらに、切換弁を動作させ、真空ポンプにより真空ラインを介して凝縮槽を減圧し、凝縮槽に冷却水を供給することにより、脱水乾燥機内は減圧され、スラリは圧搾されると同時に加熱され減圧乾燥される。圧搾工程の開始時は一時的に開放弁を開き、温水循環ライン内に溜まった気体を排出することもできる。
【0031】
センターブローでは空気弁と排泥弁を開放し、センターブローラインを介して空気を脱水乾燥機に供給し、センターブロー排泥ラインを介してスラリー状の汚泥が排出される。
【0032】
乾燥工程では、圧搾工程と同様に熱媒体を循環させるが、背圧弁は背圧をかけても背圧がかからないように開放しても良い。温水循環と同時に、切換弁を動作させ、真空ポンプにより真空ラインを介して凝縮槽を減圧し、凝縮槽に冷却水を供給することにより、脱水乾燥機内は減圧され、スラリは加熱されるとともに減圧乾燥される。ここで、中空体にも温水(熱媒体)が供給され、中空体側からスラリを加熱するので、スラリの加熱・加圧脱水を効率的に行うことができる。これにより、スラリが固形化したケーキの内部まで十分に均一に乾燥することができ、乾燥時間を短縮し乾燥むらを低減することができる。特に、この脱水乾燥工程では、ろ布により囲まれたろ室を二分するように金属製の中空体を配置し、その中空体に熱媒体を供給することで、スラリを中空体側とダイヤフラム側との両側から加熱することができる。更に、中空体の表面に突起物を設け伝熱面積を拡張し、突起物でスラリが固形化したケーキを破壊しながら脱水乾燥することで極めて良好な脱水効率が得られる。また、図6に示すような中空体の表面に炉布を配置した構成を採用することで、両面側からのろ液の抽出を行うことができる。
【0033】
表1は本発明のスラリの脱水乾燥装置の効果を説明するためのもので、従来例と本発明例とを比較した実験結果である。ろ室構成は、従来例が両面ダイアフラム、本発明例1は片面がダイアフラムで片面が突起の無い金属製中空体、本発明例2は片面がダイアフラムで片面が突起のある金属製中空体、本発明例3は片面がダイアフラムで片面がろ布を備える金属製中空体である。
【0034】
【表1】
Figure 0004097030
【0035】
各発明例1,2,3は、ろ過面積を1.0m、スラリ供給量を70L、圧搾工程は温水加温圧搾と減圧乾燥を併用し、乾燥工程は加温しつつ減圧する方法に統一して実験している。ここで、ダイアフラムの熱伝導率は0.23W・m−1・K−1であるのに対して、金属製中空体の熱伝導率は15W・m−1・K−1と65倍であった。
【0036】
そして、最終的なケーキ含水率を35%として実験した結果、従来例では乾燥時間が2.50H(時間)でもケーキ含水率が55%に留まったのに対して、本発明例1では乾燥時間が0.50H(時間)、ろ過速度が0.53kg・m−2・h−1が得られた。また、本発明例2では乾燥時間が0.43H(時間)であり、ろ過速度が0.55kg・m−2・h−1が得られた。また、本発明例3では乾燥時間が0.58H(時間)であり、ろ過速度が0.51kg・m−2・h−1が得られた。
【0037】
また、乾燥ケーキの形状は本発明例3のみがブロック状であり、他の3例は板状で排出された。上記実験結果から、金属製中空体の有無が乾燥時間の長短に大きく影響していることが判る。特に、熱伝導性の良好な金属製の中空体を用い、スラリを両面からその内部まで加熱・加圧しつつ減圧下で脱水乾燥することにより、ケーキの内部まで十分に乾燥し、乾燥時間の短縮及び乾燥むらの低減に極めて有効であることが判る。
【0038】
尚、上記実施形態は本発明の実施例の一態様を述べたもので、本発明の趣旨を逸脱することなく種々の変形実施例が可能なことは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、脱水乾燥対象のスラリの加温に十分な熱伝導率を有する金属製中空体を用いることで、ケーキ乾燥時間を短縮し、ケーキの乾燥むらを低減することができる。また、金属製の中空体をろ室内に挿入するという簡単な手法で、製造コストを余り上昇させることなく、耐久性が高く、且つ処理時間が短縮されることから処理能力が向上したフィルタプレス(断水乾燥機)を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のスラリの脱水乾燥装置を示すブロック図である。
【図2】図1に示す脱水乾燥装置の要部の断面図である。
【図3】中空体の構成例を示す(a)はAA断面図であり、(b)はBB断面図である。
【図4】ろ枠とダイアフラムとろ布との配置関係を示す(a)は断面図であり、(b)は一部透過平面図である。
【図5】 中空体表面に突起物を設けた構成例を示す斜視図である。
【図6】中空体表面にろ布とろ液の流路を設けた例を示す図であり、(a)は中空体が平板状である場合を示す断面図であり、(b)は中空体が炉枠と同様な形状をした内部にスラリを収容する凹部を有するものの要部断面図である。
【符号の説明】
11 脱水乾燥機
12 スラリ供給ポンプ
13 スラリ供給ライン
21 センターブローライン
23 センターブロー排泥ライン
31 温水ユニット
32 温水循環ポンプ
33 背圧弁
35 温水循環ライン
37 真空ポンプ
38 凝縮槽
51 ろ布
52 ダイアフラム
52a 突
52b 真空吸引路(ろ液流路)
53 網目状物
53a 温水流路
54,54a,54b,54c,54d ろ枠
56,56a,56b,56c 中空体
56s 中空体表面に設けられた突起物
56z 中空体内部の仕切板
55a,55b,55c ろ室
57,58 プレート

Claims (11)

  1. ろ布により囲まれたスラリを収容するろ室と、前記ろ室を二分するように前記ろ室内に配置した金属製の中空体と、前記中空体の内部に熱媒体を供給する手段と、前記ろ布の外側に配置したダイアフラムと、前記ダイアフラムの外側に熱媒体を供給する手段とを備え、
    前記中空体の内部及び前記ダイアフラムの外側に熱媒体を同時に供給し、前記ろ室内に収容されたスラリを前記中空体と前記ダイアフラムの両側から加熱して乾燥するようにしたことを特徴とする脱水乾燥装置。
  2. 前記ろ布の外側を真空排気する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の脱水乾燥装置。
  3. 前記中空体の内部に前記熱媒体が迂回して流れる流路を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の脱水乾燥装置。
  4. 前記中空体の表面に突起物を設けたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の脱水乾燥装置。
  5. 前記中空体の表面の突起物は、前記スラリが脱水乾燥されたケーキの排出する方向に延在していることを特徴とする請求項記載の脱水乾燥装置。
  6. 前記中空体の表面にろ布と、前記ろ布によりろ過されたろ液の流路とを備えたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の脱水乾燥装置。
  7. 前記中空体に前記スラリを収容する凹部を備えたことを特徴とする請求項記載の脱水乾燥装置。
  8. ろ布により囲まれたろ室を二分するように金属製の中空体を配置し、前記ろ室内にスラリを収容し、前記ろ布の外側にダイアフラムを備え、
    前記中空体の内部及び前記ダイアフラムの外側に熱媒体を同時に供給し、前記ろ室内に収容されたスラリを前記中空体と前記ダイアフラムの両側から加熱して乾燥ることを特徴とする脱水乾燥方法。
  9. 前記ろ布の外側を真空排気することを特徴とする請求項記載の脱水乾燥方法。
  10. 前記中空体の表面に突起物を設け、スラリを脱水乾燥することを特徴とする請求項8または9記載の脱水乾燥方法。
  11. 前記中空体の表面にろ布を配備するとともにろ液の排出流路を設け、前記中空体表面からも前記スラリのろ過を行うことを特徴とする請求項乃至10のいずれかに記載の脱水乾燥方法。
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