JP4660440B2 - フィルタープレスの加熱ろ板 - Google Patents

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本発明は、スラリーを脱水乾燥するフィルタープレス用の加熱ろ板に係り、特に上下水道や農村集落の排水処理設備、し尿処理設備、および産業排水処理設備などから排出される汚泥などのスラリーを脱水乾燥するフィルタープレスに使用される加熱ろ板に関する。
フィルタープレスは、水分を含む汚泥などのスラリーを脱水乾燥させる加圧脱水装置である。このフィルタープレスは、特許文献1および2に開示されているように、並列に配置された複数の加熱ろ板や、これらの加熱ろ板に温水などの熱媒体を供給する熱媒体供給ラインなどから構成されている。加熱ろ板の間にはろ室が形成され、ろ室内に充填されたスラリーを熱媒体により加温しつつ圧搾すると同時に、ろ室内を真空にすることにより、スラリーを脱水乾燥させる。
特許第3739049号公報 特表平9−511441号公報
しかしながら、従来の加熱ろ板には以下のような問題点がある。
(1)加熱ろ板は、通常、熱媒体が流通する熱媒体流路と、この熱媒体流路が固定される樹脂製のろ枠とから構成される。従来の加熱ろ板では、熱媒体流路とろ枠とが接触しているため、熱媒体の熱がろ枠を通じて周囲に放出されてしまい、スラリーを効率よく加熱することができない。
(2)熱媒体からの熱により樹脂製のろ枠が変形してしまう。
(3)ろ液を排出する経路が加熱ろ板の四隅のみに配置されているため、加熱ろ板の中心付近から流れてくるろ液は、比較的長い時間加熱ろ板と接触していることになる。このため、ろ液が加熱され、熱媒体の熱がろ液に奪われてしまい、熱効率が低下してしまう。
本発明は、上述した従来の問題点を解決するためになされたものであり、高い熱効率でスラリーを加熱することができる加熱ろ板を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の一態様は、熱媒体が供給される熱媒体室を有する加熱部と、前記熱媒体室の外周を囲み、かつ、前記熱媒体室と非接触に配置されるろ枠と、前記加熱部と前記ろ枠とを連結する連結部材と、前記熱媒体室に熱媒体を流入および流出させるための複数の配管と、前記加熱部および前記連結部材を覆い、かつ、ろ液の流通を妨げない伝熱スペーサとを備え、前記熱媒体室と前記ろ枠との間には、前記熱媒体室を断熱する断熱空間と、ろ液を前記断熱空間に流入させるための複数の開口部とが形成されており、前記複数の開口部は前記熱媒体室の全周を囲むように配置されていることを特徴とするフィルタープレスの加熱ろ板である。
前記加熱部は、一対の伝熱板と、前記一対の伝熱板に固定される側板と、前記一対の伝熱板に固定され、かつ前記熱媒体室を流れる熱媒体に乱流を生じさせるバッフルとを備えることが好ましい。
前記一対の伝熱板および前記側板は金属から形成され、前記一対の伝熱板と前記側板とは溶接により互いに固定されていることが好ましい。
前記一対の伝熱板は金属から形成され、前記側板は樹脂から形成され、前記一対の伝熱板と前記側板との間にシール部材を介在させた状態で前記一対の伝熱板と前記側板とが締結具により互いに固定されていることが好ましい。
前記加熱部は、前記連結部材を取り付けるための取付座を有することが好ましい。
前記ろ枠は、ろ液を排出するための少なくとも4つのろ液排出路と、前記断熱空間と前記ろ液排出路とを連通する複数の連通路とを備えることが好ましい。
前記連結部材は、前記加熱部と前記ろ枠とを連結する複数のリング状の部材であることが好ましい。
前記連結部材は、前記加熱部と前記ろ枠とを連結する複数の板状の部材であることが好ましい。
本発明によれば、ろ枠と熱媒体室との間に断熱空間が形成され、熱媒体室とろ枠とは非接触であるので、熱媒体室内の熱媒体からろ枠へ伝達される熱量が極めて少ない。したがって、熱媒体の熱を高効率でろ室内のスラリーに与えることができ、スラリーを速やかに脱水乾燥させることができる。また、ろ枠がほとんど変形しないため、変形による加熱ろ板の損傷を防止することができる。
さらに、熱媒体室の全周を囲むように配置された複数の開口部からろ液が速やかに排出されるので、加熱部とろ液との接触時間が短くなり、熱効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1はフィルタープレスの全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、フィルタープレスは、複数の加熱ろ板1と複数の圧搾ろ板2とを備えている。これらの加熱ろ板1および圧搾ろ板2は交互に配置され、締め付け装置(図示せず)により締め付けられて互いに固定されている。図2は図1に示す加熱ろ板1および圧搾ろ板2を示す断面図である。図2に示すように、圧搾ろ板2の両側面には凹部が形成されており、この凹部によって加熱ろ板1と圧搾ろ板2との間にはろ室30が形成される。隣接する加熱ろ板1と圧搾ろ板2との間には一対のろ布31が配置され、ろ室30はこれらのろ布31により囲まれている。
加熱ろ板1および圧搾ろ板2の中央にはスラリーをろ室30に供給するためのスラリー供給口15が形成されている。このスラリー供給口15は図1に示すスラリー供給ライン3に連結されている。スラリー供給ライン3には供給弁6及び圧力検出器4が設けられており、さらにスラリー供給ライン3にはスラリー供給ポンプ5が接続されている。このような構成により、汚泥などのスラリーはスラリー供給ポンプ5によりスラリー供給ライン3を介してろ室30に供給される。
各加熱ろ板1および各圧搾ろ板2には、ろ室30内のスラリーを圧搾し、加温する熱媒体(例えば温水)を供給するための熱媒体循環ライン7A,7Bが接続されている。上流側に位置する熱媒体循環ライン7Aには、熱媒体循環ポンプ8及び熱媒体入口温度測定器9が設けられ、下流側に位置する熱媒体循環ライン7Bには、熱媒体出口温度測定器10、圧力検出器11、及び背圧弁12が設けられている。背圧弁12は、熱媒体循環ライン7Bを流通する熱媒体の圧力を調整可能に構成されており、この背圧弁12を操作することにより、加熱ろ板1および圧搾ろ板2に供給される熱媒体の圧力が調節されるようになっている。熱媒体循環ライン7A,7Bは加温槽13に接続され、この加温槽13により熱媒体循環ライン7A,7B内を循環する熱媒体が加温される。このような構成により、熱媒体は、加温槽13により加温された後に熱媒体循環ライン7Aを介して各加熱ろ板1および各圧搾ろ板2に供給され、熱媒体循環ライン7Bを介して加温槽13に戻される。
図2に示すように、加熱ろ板1の内部には熱媒体室33が形成されており、この熱媒体室33には熱媒体循環ライン7A(図1参照)を通じて熱媒体が供給されるようになっている。圧搾ろ板2は、一対のダイヤフラム60と、これらのダイヤフラム60の間に配置される本体部61とから基本的に構成されている。本体部61とダイヤフラム60との間には熱媒体循環ライン7Aを通じて熱媒体が供給され、熱媒体はダイヤフラム60およびろ布31を介してろ室30内のスラリーを圧搾するように構成されている。
熱媒体が圧搾ろ板2に供給されると、ろ室30の容積が減少する方向にダイヤフラム60が変形する。これにより、ろ室30内のスラリーが脱水される。このとき、熱媒体室33を流れる熱媒体から与えられる熱によりスラリーに含まれる水分が蒸発し、スラリーの脱水が促進される。このようにして、ろ室30内のスラリーは次第に脱水乾燥されてケーキとなる。圧搾と同時またはその後、以下に述べるように、ろ室30内が真空引きされ、ケーキの乾燥がさらに促進される。
図1に示すように、ろ室30は、真空ライン16を介して真空ポンプ20に連通している。真空ライン16には、第1切替弁(開閉弁)17Aと、コンデンサー(凝縮器)18と、真空タンク19とが設けられている。コンデンサー18には冷却液が供給されており、コンデンサー18に導かれた蒸気がコンデンサー18内で凝縮され、凝縮液として排出される。スラリーの脱水に伴い、ろ室30からはろ液が排出され、このろ液は真空ライン16に接続されたろ液排出ライン21を介して排出される。ろ液排出ライン21には第2切替弁17Bが設けられており、真空ポンプ20によりろ室30内を真空排気するときは、第2切替弁17Bが閉じられる。また、第2切替弁17Bを開けることにより、ろ室30内の圧力を真空から大気圧に瞬時に導くことができる。
ろ室30には、排出弁23を有する排出ライン24と、空気弁25を有するブローライン26とが接続されている。ブローライン26の端部には圧縮空気を生成するコンプレッサー(図示せず)が接続されており、ブローライン26を介してコンプレッサーからろ室30内に加圧空気が吹き込まれるようになっている。
図3は図1および図2に示す加熱ろ板1を示す平面図であり、図4は加熱ろ板1の内部構造を示す平断面図である。図5は図3のV−V線断面図であり、図6は図3のVI−VI断面図である。図7は図5に示す加熱ろ板1の部分拡大図であり、図8は図7に示すVIII部を示す拡大図である。
図3〜図7に示すように、加熱ろ板1は、ろ室30(図2参照)に充填されたスラリーを加熱する加熱部34と、加熱部34の外周面を囲むように熱媒体室33の外側に配置されたろ枠35と、加熱部34とろ布31との間に配置される一対の伝熱スペーサ36と、加熱部34とろ枠35とを連結する一対の連結部材37と、加熱部34に熱媒体を流入させる2本の熱媒体流入管38と、加熱部34に供給された熱媒体を流出させる2本の熱媒体流出管39とを備えている。図5および図6に示すように、ろ枠35は加熱部34よりもやや厚く形成されている。
加熱ろ板1は、全体としてほぼ正方形の形状を有している。ろ枠35は加熱部34の外周面に沿って延びる樹脂製の部材である。加熱部34は略正方形の形状を有しており、さらにその四隅が面取りされている。なお、加熱部34は八角形、またはその他の多角形、もしくは円形であってもよい。加熱部34の内部には中空部が形成されており、この中空部が熱媒体室33を構成している。熱媒体室33は、上述した熱媒体流入管38および熱媒体流出管39に接続されている。ろ枠35の内寸は熱媒体室33の外寸よりも大きく設定されている。したがって、熱媒体室33とろ枠35との間には、熱媒体室33の外周に沿って延びる断熱空間45が形成されており、熱媒体室33とろ枠35とは非接触に保たれている。
熱媒体室33は、その両側面を構成する一対の伝熱板42と、その外周面を構成する側板43とにより形成されている。伝熱板42および側板43は金属から形成されており、図8に示すように伝熱板42と側板43とは溶接により互いに固定されている。
連結部材37は断熱空間45に沿って延びる一枚の板状の部材である。加熱部34の側板43の外周面には複数の(本実施形態では8組の)取付座41が固定されており、連結部材37はこれらの取付座41およびろ枠35にボルト(図示せず)により固定されている。連結部材37には断熱空間45に沿って複数の(本実施形態では16個の)開口部(通孔)46が形成されている。これらの開口部46は熱媒体室33の全周を囲むようにほぼ等間隔に配置されている。
ろ室30は、伝熱板42、連結部材37、および図2に示すダイヤフラム60により形成される。ろ室30内のスラリーから排出されるろ液は、開口部46を通じて断熱空間45に流入する。連結部材37の材料としては、金属、耐熱樹脂、耐熱ゴムなどが好適に用いられる。
ろ枠35には4つのろ液排出路47が設けられており、これらのろ液排出路47はろ枠35の四隅にそれぞれ配置されている。また、各ろ液排出路47には複数の連通路48が接続されており、この連通路48によりろ液排出路47と断熱空間45とが連通している。それぞれのろ液排出路47は真空ライン16を介して真空ポンプ20に連通している(図1参照)。したがって、真空ポンプ20を駆動することにより、ろ液排出路47、連通路48、断熱空間45、および開口部46を通じて、ろ室30を真空排気することが可能となっている。
熱媒体流入管38および熱媒体流出管39はろ枠35および断熱空間45を貫通して設けられている。熱媒体流入管38とろ枠35との間、および熱媒体流出管39とろ枠35との間の微小な隙間をシールするために、パッキンなどのシール部材40がろ枠35に設けられている。熱媒体循環ライン7A(図1参照)から供給される熱媒体は熱媒体流入管38を通って熱媒体室33に流入し、熱媒体室33が熱媒体により満たされる。その後、熱媒体は熱媒体流出管39を通って熱媒体室33から流出し、熱媒体循環ライン7B(図1参照)に排出される。なお、熱媒体としては温水が好適に用いられる。
伝熱スペーサ36は、加熱部34および連結部材37を覆うように配置されている。より具体的には、伝熱板42の外側表面および連結部材37の外側表面は伝熱スペーサ36により覆われている。本実施形態では、伝熱スペーサ36として金網が用いられている。しかしながら、熱伝導性がよく、ろ液の流通を妨げない構造を有していれば伝熱スペーサ36は金網に限定されない。
次に、上述したフィルタープレスの動作について説明する。まず、供給弁6を開き、加熱ろ板1と圧搾ろ板2との間に形成されたろ室30にスラリー(汚泥などの処理対象物)を供給する。次に、加熱ろ板1および圧搾ろ板2に、加圧された熱媒体を供給する。圧搾ろ板2に供給された熱媒体はダイヤフラム60を介してろ室30内のスラリーを圧搾するとともに加熱し、これによりスラリーを脱水する。一方、加熱ろ板1に供給された熱媒体は熱媒体室33を満たし、伝熱板42および伝熱スペーサ36を介してろ室30内のスラリーを加熱し、スラリーに含まれる水分を蒸発させる。このようにしてろ室30内のスラリーが脱水乾燥されてケーキとなる。
ろ室30から排出されるろ液は、伝熱スペーサ36により形成されたスペースを通って開口部46に達し、ここから断熱空間45に流入する。これらの開口部46は、熱媒体室33の全周を囲むように配置されているので、ろ室30内のろ液を開口部46を通じて速やかに排出させることができる。したがって、加熱部34とろ液との接触時間が短くなり、熱効率の低下を防止することができる。なお、ろ液を速やかに排出させるためには、開口部46は100〜200mm間隔で配置することが好ましい。
ろ液は、さらに、連通路48、ろ液排出路47、およびろ液排出ライン21(図1参照)を通って外部に排出される。加熱ろ板1および圧搾ろ板2に熱媒体を供給するのと同時またはその後に、真空ポンプ20を駆動してろ室30を真空排気し、ろ室30内のケーキ(脱水されたスラリー)の乾燥をさらに促進させる。真空により生じた蒸気は開口部46からコンデンサー18に流れ込み、ここで冷却液と熱交換して凝縮され、凝縮液として排出される。
このように、圧搾による脱水と、熱媒体の熱による蒸発と、真空による蒸発とによりスラリーから水分が除去される。本実施形態では、ろ枠35と熱媒体室33との間に断熱空間45が形成され、熱媒体室33とろ枠35とは非接触であるので、熱媒体室33内の熱媒体からろ枠35へ伝わる熱量が極めて少ない。したがって、熱媒体の熱を高効率でろ室30内のスラリーに与えることができ、スラリーを速やかに脱水乾燥させることができる。また、熱媒体の熱がろ枠35に伝わりにくいので、ろ枠35の変形を防止することができる。
また、任意の時期に、空気弁25、排出弁23を開き、加圧空気をブローライン26に吹き込み、スラリー供給口15などに残留するスラリーを排出ライン24から排出する。
前記各動作が終了後、上述した締め付け装置(図示せず)を弛めてろ室30を開き、ケーキをろ室30から排出する。
なお、本実施形態では、同一の熱媒体循環系統から加熱ろ板1および圧搾ろ板2に熱媒体が供給されるように構成されているが、別個の熱媒体循環系統を設けて、それぞれの系統から加熱ろ板1および圧搾ろ板2に熱媒体を供給するようにしてもよい。
次に、本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板について図9および図10を参照して説明する。図9は本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板を示す平断面図である。図10は図9に示すX−X線断面図である。なお、特に説明しない構成は上述した実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
図9および図10に示すように、熱媒体室33の内部には、断面L字型の複数のバッフル50が配置されている。バッフル50の両端部は、熱媒体室33を形成する2枚の伝熱板42の内面にそれぞれ固定されている。これらのバッフル50は、熱媒体室33を流れる熱媒体に乱流を生じさせる役割と、熱媒体室33(伝熱板42)を補強する役割を担っている。すなわち、バッフル50を熱媒体室33内に配置することで、熱媒体室33を流れる熱媒体に乱流を生じさせ、スラリーに伝わる熱量を増大させる。また、バッフル50を伝熱板42に固定することで、熱媒体がろ室30内のスラリーを圧搾する圧縮圧力と、熱媒体室33を流れる熱媒体の膨張圧力とによる加熱部34の変形を防止することができる。なお、本実施形態では、バッフル50として断面L字型の部材を用いているが、例えば、少しずつ位置をずらして配置された複数の平板部材でもよい。つまり、熱媒体室33を補強することができ、かつ熱媒体に乱流を生じさせることができれば、バッフル50の形状は特に限定されない。
次に、本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板について図11を参照して説明する。図11は本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板の加熱部34の一部を示す拡大断面図である。なお、特に説明しない構成は上述した実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
本実施形態では、熱媒体室33を形成する側板43は樹脂から形成されている。この側板43は、図11に示すように、伝熱板42よりも肉厚に形成されており、側板43と伝熱板42との間には、ガスケットまたはパッキンなどのシール部材49が配置されている。側板43と伝熱板42とは、ボルトやねじなどの締結具51により互いに固定されている(図11においては、締結具51は簡略化されて描かれている)。
図11に示す構造は、図8に示す構造に比べて、次のような利点がある。まず第1に、側板43が樹脂により形成されているので、断熱性が高い。したがって、熱媒体室33内の熱媒体から断熱空間45内のろ液に伝わる熱量が少ない。第2に、加熱部34を分解して熱媒体室33の内部を容易に洗浄することができる。そして、第3に、加熱ろ板1が軽量となる。一方、図7に示す構造は、製造コストが低く、強度が高いという利点がある。
次に、本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板について図12および図13を参照して説明する。図12および図13は本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板を示す平面図である。なお、特に説明しない構成は上述した実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
図12に示すように、加熱部34とろ枠35とは複数のリング状の連結部材37で連結されている。この構成例では、連結部材37の間に形成される隙間が、断熱空間45にろ液を流入させるための開口部46を構成する。この実施形態は、製造コストが低く、容易に製造できるという利点がある。図13は、複数の板状の連結部材37を用いた構成例を示している。この場合も、連結部材37の間に形成される隙間が開口部46を構成する。図12および図13に示す連結部材37は、いずれも断熱空間45に沿ってほぼ等間隔に配列されているので、連結部材37の間に形成される開口部(隙間)46も断熱空間45に沿ってほぼ等間隔に配列される。また、この実施形態に係る加熱ろ板1は、図3に示す実施形態に比べて、大きな開口部46を有するので、ろ室30内のスラリーから排出されるろ液を速やかに断熱空間45に流入させることができる。
次に、本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板について図14を参照して説明する。図14は本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板を示す平面図である。なお、特に説明しない構成は上述した実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
図14に示すように、本実施形態の加熱ろ板1は4つの加熱部34を有しており、これらの加熱部34は互いに隙間を介して配置されている。加熱部34間の隙間は、加熱部34とろ枠35との間の隙間とともに断熱空間45を構成している。ろ枠35とこれら4つの加熱部34とは1対の板状の連結部材37で連結されており(図14には一方の連結部材のみを示す)、断熱空間45は連結部材37によって覆われている。
上流側の加熱部34と下流側の加熱部34とは連結管55で連結されている。したがって、熱媒体流入管38から供給される熱媒体は上流側の加熱部34の内部に形成されている熱媒体室を満たした後、下流側の加熱部34の熱媒体室を満たし、熱媒体流出管39を通じて排出される。なお、熱媒体室の構成は上述した実施形態のものと基本的に同様である。
連結部材37には複数の開口部46が4つの熱媒体室を囲むようにほぼ等間隔で形成されている。このような構成により、ろ室30の中央から流れるろ液を速やかに断熱空間45に排出することができる。なお、加熱部34の数は4つに限られず、2つ、または3つであってもよく、あるいは4つより多くてもよい。
次に、本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板について図15および図16を参照して説明する。図15は本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板を示す断面図である。図16は図15に示す加熱ろ板1を複数並べた状態を示す図である。なお、特に説明しない構成は上述した実施形態と同様であり、同一または相当の部材には同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図15に示すように、ろ枠35は加熱部34の約2倍の厚さを有している。したがって、図16に示すように、複数の加熱ろ板1を並べたとき、隣接する加熱ろ板1の間にはろ室30が形成される。このろ室30は図2に示すろ室に比べて容積が大きい。したがって、1回の脱水乾燥処理当たりのスラリーの処理量が多くなる。一方、図2に示す構成では、1回の脱水乾燥処理当たりのスラリーの処理量は少ないが、処理時間が短くなる。なお、図16では、図15に示す加熱ろ板1のみを用いてろ室30を形成しているが、図15に示す加熱ろ板1と図2に示す圧搾ろ板2との組み合わせによりろ室30を形成してもよい。
次に、本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板について図17を参照して説明する。図17は本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板を示す断面図である。なお、特に説明しない構成は上述した実施形態と同様であり、同一または相当の部材には同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
図17に示すように、一対の伝熱板42の一方は他方よりも大きく構成されており、伝熱板42の延長された部分(伝熱板42の周縁部)が一方の連結部材37を構成している。連結部材37とろ枠35との間には断熱部材57が介装されており、図示しないボルトにより連結部材37がろ枠35に固定されている。
このような構成は、片方の連結部材37の取付座や取付用ボルトを不要とし、ほとんどの製作作業を片側から行うことができるという利点がある。本実施形態においても、熱媒体室33とろ枠35との間には断熱空間45が形成されており、熱媒体室33とろ枠35とは非接触に保たれているので、熱媒体室33内の熱媒体からろ枠35に移動する熱量は極めて少ない。
今まで述べてきた実施形態は、必要に応じて組み合わせることができる。例えば、図9に示すバッフル及び/又は図11に示す構造を図12〜図17の加熱ろ板に適用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
フィルタープレスの全体構成を示す概略図である。 図1に示す加熱ろ板および圧搾ろ板を示す断面図である。 図1および図2に示す加熱ろ板を示す平面図である。 加熱ろ板の内部構造を示す平断面図である。 図3のV−V線断面図である。 図3のVI−VI断面図である。 図5に示す加熱ろ板の部分拡大図である。 図7に示すVIII部を示す拡大図である。 本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板を示す平断面図である。 図9に示すX−X線断面図である。 本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板の加熱部の一部を示す拡大断面図である。 本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板を示す平面図である。 本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板を示す平面図である。 本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板を示す平面図である。 本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板を示す断面図である。 図15に示す加熱ろ板を複数並べた状態を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る加熱ろ板を示す断面図である。
符号の説明
1 加熱ろ板
2 圧搾ろ板
3 スラリー供給ライン
4 圧力検出器
5 スラリー供給ポンプ
6 供給弁
7A,7B 熱媒体循環ライン
8 熱媒体循環ポンプ
9 熱媒体入口温度測定器
10 熱媒体出口温度測定器
11 圧力検出器
12 背圧弁
13 加温槽
15 スラリー供給口
16 真空ライン
17A 第1切替弁
17B 第2切替弁
18 コンデンサー
19 真空タンク
20 真空ポンプ
21 ろ液排出ライン
23 排出弁
24 排出ライン
25 空気弁
26 ブローライン
30 ろ室
31 ろ布
33 熱媒体室
34 加熱部
35 ろ枠
36 伝熱スペーサ
37 連結部材
38 熱媒体流入管
39 熱媒体流出管
40 シール部材
41 取付座
42 伝熱板
43 側板
45 断熱空間
46 開口部
47 ろ液排出路
48 連通路
49 シール部材
50 バッフル
51 締結具
55 連結管
57 断熱部材
60 ダイヤフラム
61 本体部

Claims (8)

  1. 熱媒体が供給される熱媒体室を有する加熱部と、
    前記熱媒体室の外周を囲み、かつ、前記熱媒体室と非接触に配置されるろ枠と、
    前記加熱部と前記ろ枠とを連結する連結部材と、
    前記熱媒体室に熱媒体を流入および流出させるための複数の配管と、
    前記加熱部および前記連結部材を覆い、かつ、ろ液の流通を妨げない伝熱スペーサとを備え、
    前記熱媒体室と前記ろ枠との間には、前記熱媒体室を断熱する断熱空間と、ろ液を前記断熱空間に流入させるための複数の開口部とが形成されており、
    前記複数の開口部は前記熱媒体室の全周を囲むように配置されていることを特徴とするフィルタープレスの加熱ろ板。
  2. 前記加熱部は、
    一対の伝熱板と、
    前記一対の伝熱板に固定される側板と、
    前記一対の伝熱板に固定され、かつ前記熱媒体室を流れる熱媒体に乱流を生じさせるバッフルとを備えることを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレスの加熱ろ板。
  3. 前記一対の伝熱板および前記側板は金属から形成され、
    前記一対の伝熱板と前記側板とは溶接により互いに固定されていることを特徴とする請求項2に記載のフィルタープレスの加熱ろ板。
  4. 前記一対の伝熱板は金属から形成され、
    前記側板は樹脂から形成され、
    前記一対の伝熱板と前記側板との間にシール部材を介在させた状態で前記一対の伝熱板と前記側板とが締結具により互いに固定されていることを特徴とする請求項2に記載のフィルタープレスの加熱ろ板。
  5. 前記加熱部は、前記連結部材を取り付けるための取付座を有することを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレスの加熱ろ板。
  6. 前記ろ枠は、
    ろ液を排出するための少なくとも4つのろ液排出路と、
    前記断熱空間と前記ろ液排出路とを連通する複数の連通路とを備えることを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレスの加熱ろ板。
  7. 前記連結部材は、前記加熱部と前記ろ枠とを連結する複数のリング状の部材であることを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレスの加熱ろ板。
  8. 前記連結部材は、前記加熱部と前記ろ枠とを連結する複数の板状の部材であることを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレスの加熱ろ板。
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