JP3956370B2 - スラリーの脱水方法およびフィルタープレス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主に、上水汚泥や下水処理場の排水、あるいは工場廃水等の脱水に用いられる、スラリーの脱水方法、ならびにフィルタープレス装置に関する。
従来から、上水汚泥等はフィルタープレスを用いて脱水処理されてきた。特に近年では、水質悪化等が原因で設備の処理能力が不足してきているため、その解決策として、フィルタープレスに供給するスラリーを加温することにより、処理能力の向上を図ることも行われている。
また脱水性能を更に向上させるべく、濾板間の濾室内に設けられた濾布外面とこれに対向する濾板との間にダイアフラムを配し、ダイアフラムとこれに対向する濾板との間に流体室を形成し、流体供給ポンプを用いて前記流体室内に流体を供給する流体供給手段を設け、スラリーを濾布内面側に加圧供給して、濾布を介してスラリーを濾過し、濾過ケーキを形成した後、前記流体供給手段により前記流体室内へ流体を供給し、この流体の供給圧によりダイアフラムが濾布を介して濾過ケーキを圧搾することも提案されている(特許文献1参照)。
さらに、圧搾後、加温した流体を流体室内へ供給し、圧搾を継続しつつダイアフラム内の加温流体の熱量を圧搾ケーキに伝え、圧搾ケーキを加温するとともに、濾室内を真空ポンプにより吸引して負圧化し、圧搾ケーキ内に残留する水分を気化させ濾室外に排出する真空加熱乾燥工程を行うことも提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、従来の技術には次のような問題点がある。
圧搾工程における脱水性能を向上しようとすると、圧搾圧を高めることになるが、過度の圧力で圧搾を行うと、圧搾ケーキが圧密化し、水分がケーキ内部から外部へ逃げ出す通路が少なくなる或いは細くなるため、後の真空加熱乾燥において蒸気がケーキ外部へ逃げ出すことができなくなり、脱水性能が低下していた。
この問題は、圧搾ケーキが圧密化しないように低い圧力で圧搾を行えば回避できるが、その場合、圧搾に長時間を要することになり、圧搾効率が低下する。
また、従来は、真空加熱乾燥工程においてもケーキの圧搾を行っており、この圧搾によって真空加熱乾燥中においても圧密化を進行させていたため、この点でも脱水性能の低下を来たしていた。
特開2000−153103号公報
したがって、本発明の主たる課題は、濾過、圧搾および真空加熱乾燥によるスラリーの脱水に際して、圧搾効率を低下させずに、更なる脱水性能の向上を図ることにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1>
濾板間の濾室内に濾布を設け、前記濾布外面とこれに対向する濾板との間にダイアフラムを配し、スラリーを前記濾布内面側に供給するスラリー供給手段を設け、前記ダイアフラムとこれに対向する濾板との間に流体室を形成し、この流体室内に流体を供給する流体供給手段を設け、かつ前記濾室内を負圧化する負圧化手段を設けてなるフィルタープレスを用い、濾過工程、圧搾工程及び真空加熱乾燥工程を行うスラリーの脱水方法であって
前記濾過工程で、前記スラリー供給手段によってスラリーを濾布内面側に加圧供給して、濾布を介してスラリーを濾過し、濾過ケーキを形成し、
前記圧搾工程で、流体を前記流体供給手段により前記流体室内へ供給し、この流体の供給圧により前記ダイアフラムが前記濾布を介して前記濾室内の濾過ケーキを圧搾し、この圧力で所定の脱水レベルまで圧搾を行った後、圧搾終了にかけて圧搾の圧力を0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで漸減させて、圧搾ケーキを形成し
前記真空加熱乾燥工程で、加温した流体を前記流体供給手段により前記流体室内へ供給し、この加温流体の供給圧により前記ダイアフラムが0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力で前記濾布を圧搾ケーキに密着させた状態とし、これにより加温流体の熱量を圧搾ケーキに伝えるとともに、この圧搾ケーキの加温を行いつつ前記負圧化手段により前記濾室内を負圧下に保持し乾燥する、
ことを特徴とする、スラリーの脱水方法。
(作用効果)
このように、圧搾圧を圧搾終了にかけて漸減することにより、より水分が多く圧密化し難い状況では高圧で圧搾を行い、水分が少なくなり圧密化が進行し易い状況では低圧で圧搾を行うことができ、圧搾効率を犠牲にせずに十分な圧搾性能を発揮させることができ、しかも、圧密化が進行し難いため、後の真空加熱乾燥工程における脱水性能を向上させることができる。なお、本発明における濾過工程、圧搾工程及び真空加熱乾燥工程は、その2つ以上を同時に実行することができ、したがって、本発明には濾過工程の途中で圧搾工程を開始する、圧搾工程の途中から真空加熱乾燥工程を開始するといったことも可能である。
また、前述のとおり、従来は、真空加熱乾燥工程で圧搾を併用していたが、その場合、圧密化の進行により蒸気の逃げ道が少なくなる或いは細くなる事態が発生していた。この問題点に対して、当初、単に圧搾を行わないようにすれば足りると考えられたが、その場合、濾布と圧搾ケーキとの密着性が低下する結果、伝熱性能が低下し、加温効率が低下するという新たな問題点が発生することが判明した。そこで、本発明は、圧搾ケーキの圧密化が実質的に起こらない程度の弱い圧力で濾布と圧搾ケーキとの密着を確保することによって、加温効率を低下させずに真空加熱乾燥工程における圧密化の進行をも防止したものである。
<請求項2>
前記濾室内にスラリーを供給するスラリー供給路と、このスラリー供給路を介して前記濾室内にスラリーを加圧供給するスラリー供給ポンプとを備え、前記スラリー供給路における前記スラリー供給ポンプの出側にスラリー供給弁を設け、このスラリー供給弁と前記濾室との間に、前記濾室内の圧力を計測するための濾室内圧力センサを設け、
前記流体を前記流体室内に供給するための外部流体供給路および内部流体供給路と、これら外部流体供給路および内部流体供給路を介して前記流体を前記流体室内に加圧供給する流体供給ポンプとを設け、
前記外部流体供給路に流体供給弁を配設するとともに、この流体供給弁の流体室側に流体供給圧センサを設け、
前記流体室内に内部流体排出路を連通させ、この内部流体排出路を流体返送路を介して流体貯留槽に連通させ、
前記流体返送路に返送流量調整弁を設けるとともに、その流体室側に流量センサを設け、
前記スラリー供給ポンプを停止させ、スラリー供給弁を閉じて前記濾過工程を終了した後に前記圧搾工程を開始し、
前記圧搾工程で前記圧搾終了にかけて、前記濾室内圧力を前記濾室内圧力センサにより、及び前記圧搾の圧力を前記流体供給圧センサによりそれぞれ検出し、これら検出圧力に基づき、前記濾室内圧力と圧搾の圧力とが同等となるように、前記流体供給弁の開度を調整するとともに、前記流体返送路の流量センサにより流体排出流量を検出し、この検出流量に応じて前記返送流量調整弁の開度を調整することによって、前記圧搾の圧力を0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで漸減する、請求項1記載のスラリーの脱水方法。
<請求項3>
前記圧搾工程で、流体を加温せずに前記流体供給手段により前記流体室内へ供給し、この非加温流体の供給圧により前記圧搾を行う、請求項1または2記載のスラリーの脱水方法。
(作用効果)
従来のフィルタープレスでは、圧搾に用いる流体および真空加熱乾燥に用いる流体ともに加温流体を用いていたが、圧搾工程で加温を行う場合、その熱量は圧搾により多量に排出される濾液とともに系外へ排出されてしまうため、継続的な加温が必要となり、エネルギー消費が嵩むという問題点があった。また、圧搾圧及び温度の双方を高く設定すると、ゴム製または樹脂製のダイアフラムや樹脂製濾板を用いる場合には、それらの寿命が短くなるという問題点も有していた。
前述のとおり、本発明ではケーキの圧密化を防止して脱水性能を向上させるものであるため、圧搾における加熱を省略しても十分な脱水性能を発揮できる。そこで、本項記載の発明では、圧搾工程で用いる流体を加温しないこととしたものである。
<請求項4>
前記流体供給手段は、流体供給ポンプを用いて前記流体室内に流体を供給するものであり、前記真空加熱乾燥工程で用いる前記流体供給手段の流体供給ポンプとして、前記圧搾工程で用いる前記流体供給手段の流体供給ポンプとは別個で且つより消費エネルギーの少ないポンプを用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスラリーの脱水方法。
(作用効果)
従来は、圧搾工程および真空加熱乾燥工程ともに、加温流体を用いて圧搾を行っていたため、加温流体の供給ポンプの消費エネルギーが嵩んでいた。
これに対して、前述のとおり、本発明では真空加熱乾燥において必要となる加温流体の供給圧は低くて足り、かつ真空加熱乾燥では濾液排出による熱量の排出も著しく少ないため、新たな加温流体を継続的に供給する必要もない。
そこで、本項記載の発明は、真空加熱乾燥工程で用いる流体供給ポンプと、圧搾工程で用いる流体供給ポンプとを個別化し、かつ前者のポンプとして消費エネルギーのより少ないポンプを用いることとし、真空加熱乾燥工程における消費エネルギーの削減を図ったものである。
<請求項5>
濾板間の濾室内に濾布を設け、前記濾布外面とこれに対向する濾板との間にダイアフラムを配し、スラリーを前記濾布内面側に供給するスラリー供給手段を設け、前記ダイアフラムとこれに対向する濾板との間に流体室を形成し、この流体室内に流体を供給する流体供給手段を設け、かつ前記濾室内を負圧化する負圧化手段を設け、濾過工程、圧搾工程及び真空加熱乾燥工程を行うように構成したフィルタープレス装置であって;
前記濾過工程では、前記スラリー供給手段によってスラリーを濾布内面側に加圧供給して、濾布を介してスラリーを濾過し、濾過ケーキを形成し、
前記圧搾工程では、流体を前記流体供給手段により前記流体室内へ供給し、この流体の供給圧により前記ダイアフラムが前記濾布を介して前記濾室内の濾過ケーキを圧搾し、この圧力で所定の脱水レベルまで圧搾を行った後、圧搾終了にかけて圧搾の圧力を0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで漸減させて、圧搾ケーキを形成
前記真空加熱乾燥工程では、加温した流体を前記流体供給手段により前記流体室内へ供給し、この加温流体の供給圧により前記ダイアフラムが0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力で前記濾布を圧搾ケーキに密着させ状態とし、これにより加温流体の熱量を圧搾ケーキに伝えるとともに、この圧搾ケーキの加温を行いつつ前記負圧化手段により前記濾室内を負圧下に保持し乾燥する、
ように構成したことを特徴とする、フィルタープレス装置。
(作用効果)
請求項1記載の発明と同様の作用効果を奏する。
<請求項6>
前記濾室内にスラリーを供給するスラリー供給路と、このスラリー供給路を介して前記濾室内にスラリーを加圧供給するスラリー供給ポンプとを備え、前記スラリー供給路における前記スラリー供給ポンプの出側にスラリー供給弁を設け、このスラリー供給弁と前記濾室との間に、前記濾室内の圧力を計測するための濾室内圧力センサを設け、
前記流体を前記流体室内に供給するための外部流体供給路および内部流体供給路と、これら外部流体供給路および内部流体供給路を介して前記流体を前記流体室内に加圧供給する流体供給ポンプとを設け、
前記外部流体供給路に流体供給弁を配設するとともに、この流体供給弁の流体室側に流体供給圧センサを設け、
前記流体室内に内部流体排出路を連通させ、この内部流体排出路を流体返送路を介して流体貯留槽に連通させ、
前記流体返送路に返送流量調整弁を設けるとともに、その流体室側に流量センサを設け、
前記スラリー供給ポンプを停止させ、スラリー供給弁を閉じて前記濾過工程を終了した後に前記圧搾工程を開始し、
前記圧搾工程で前記圧搾終了にかけて、前記濾室内圧力を前記濾室内圧力センサにより、及び前記圧搾の圧力を前記流体供給圧センサによりそれぞれ検出し、これら検出圧力に基づき、前記濾室内圧力と圧搾の圧力とが同等となるように、前記流体供給弁の開度を調整するとともに、前記流体返送路の流量センサにより流体排出流量を検出し、この検出流量に応じて前記返送流量調整弁の開度を調整することによって、前記圧搾の圧力を0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで漸減するように構成した、請求項5記載のフィルタープレス装置。
<請求項7>
前記圧搾工程で、流体を加温せずに前記流体供給手段により前記流体室内へ供給し、この非加温流体の供給圧により前記圧搾を行うように構成した、請求項5または6記載のフィルタープレス装置。
(作用効果)
請求項3記載の発明と同様の作用効果を奏する。
<請求項8>
前記流体供給手段は、流体供給ポンプを用いて前記流体室内に流体を供給するものであり、前記真空加熱乾燥工程で用いる前記流体供給手段の流体供給ポンプと、前記圧搾工程で用いる前記流体供給手段の流体供給ポンプとを個別に備え、前記真空加熱乾燥工程で用いる流体供給ポンプは、前記圧搾工程で用いる流体供給ポンプより消費エネルギーの少ないポンプとなした、請求項5〜7のいずれか1項に記載のフィルタープレス装置。
(作用効果)
請求項4記載の発明と同様の作用効果を奏する。
以上のとおり本発明によれば、濾過、圧搾および真空加熱乾燥によるスラリーの脱水に際して、圧搾効率を低下させずに、更なる脱水性能の向上を図ることができるようになる、等の利点がもたらされる。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るフィルタープレス装置例1のフロー図を示しており、この装置1は圧搾型フィルタープレス2によりスラリーの脱水を行うものである。図2は圧搾型フィルタープレス2の概略的正面図を示している。
本例のフィルタープレス2は、いわゆる凹版型に属するものであり、濾板の配列形態からは水平型に属するものである。すなわち、水平方向に平行に並べられた多数の濾板2A,2A…を有し、各濾板2Aには隣の濾板2Aと対向する面に凹部2aが形成されており、隣り合う濾板2A,2A間に、1対の濾布2B,2Bがそれぞれ吊り下げられている。これら濾板2A,2A…は、水平方向に伸縮するシリンダー2Sにより相互間隔が調節されるように構成されており、このシリンダー2Sの伸張により隣り合う濾板2A,2Aが接触して締め付けられ、隣り合う濾板2A,2A間において1対の濾布2B,2Bにより取り囲まれた濾室2Cが形成される。この濾室2C内にはスラリー供給路3Diが通じている。
また、濾布2B,2Bの各外面と、これにそれぞれ対面する濾板面2A,2Aにおける凹部2a,2aとの間に、表面に濾液溝2e,2e…が形成された1対のダイアフラム2E,2Eがそれぞれ配され、このダイアフラム2E,2Eと濾板面2A,2Aとの間に流体室2D,2Dがそれぞれ形成されている。
この流体室2D,2D内には、内部流体供給路2Fi,2Fiおよび内部流体排出路2Gi,2Giがそれぞれ通じている。したがって、流体室2D,2D内への流体Fの供給・排出が可能なようになっている。また、ダイアフラム2E,2Eの濾液溝2e,2e…とこれに対面する濾布外面2B,2Bとの隙間SP,SP(濾液溝2e,2e…内含む)には、その下端部において内部濾液排出路2Hi,2Hiがそれぞれ通じており、上端部において内部圧縮空気供給路2Ji,2Jiがそれぞれ通じている。
本例1は、かかるフィルタープレス2に対してスラリーを供給するスラリー供給手段3を備える。図示のスラリー供給手段3は、スラリー貯留槽3Aと、スラリー貯留槽3A内のスラリーSをスラリー供給路3Diを介して濾室2C内に加圧供給するスラリー供給ポンプ3Pとを備えるものである。スラリー供給路3Diにおけるスラリー供給ポンプ3Pの出側にはスラリー供給弁3Viが設けられ、このスラリー供給弁3Viと濾室2Cとの間には、濾室2C内の圧力を計測するための濾室内圧力センサ3sが設けられている。
また、本例1は、フィルタープレス2に対してダイアフラム2E,2E…による圧搾を行うべく、流体(水等)Fを前述の流体室2D内へ供給する流体供給手段4を備える。図示の流体供給手段4は、流体貯留槽4Aと、その貯留流体Fを加温する流体加温手段4B(例えば蒸気吹込み装置)および貯留流体Fを攪拌する攪拌装置4Cと、流体貯留槽4A内の流体Fを外部流体供給路2Foおよび内部流体供給路2Fiを介して流体室2D内に加圧供給する流体供給ポンプ4Pとを備えている。また、外部流体供給路2Foには流体供給弁4Viが配設されるとともに、この流体供給弁4Viの流体室2D側には流体供給圧センサ4sが設けられている。
流体室2D内には内部流体排出路2Giが連通されており、この内部流体排出路2Giは流体返送路5を介して流体貯留槽4Aに連通されている。流体返送路5には、返送流量調整弁5Vが設けられるとともに、その流体室2D側には流量センサ5sが設けられており、この流量センサ5sによる検出流量に応じて返送流量調整弁5Vの開度が自動調整されるようになっている。
また、本例1では、フィルタープレス2の内部濾液排出路2Hi,2Hiが外部濾液排出路2Hoを介して濾液貯留槽8Cに連通している。この外部濾液排出路2Hoにおける濾液貯留槽8Cの上流側には凝縮槽8Aが設けられており、濾液および気化液分は凝縮槽8Aに一時的に貯留された後、所定量貯留された時点で濾液貯留槽8Cに供給されるようになっている。また濾液量を検出するために、凝縮槽8Aの入側には積算流量センサ8sが設けられている。この積算流量センサ8sに代えて、濾液量計測手段として濾液貯留槽8A内にレベルセンサを設置し、液面レベルから濾液量を計測することもできる。さらに、本装置例1では、凝縮槽8Aに対して真空ポンプ8Dが連通されており、この真空ポンプ8Dを作動させることにより、凝縮槽8A、濾液排出路2Ho,2Hiを介して、ダイアフラム2Eの濾液溝2eと濾布2B外面との隙間SP,SPを負圧にできるように構成されている。
さらにまた本例1では、ダイアフラム2Eの濾液溝2eと濾布2B外面との隙間SP,SPに連通する内部圧縮空気供給路2Jiが設けられており、この内部圧縮空気供給路2Jiを通じて圧縮空気を供給することにより、濾室内の濾液を吹き飛ばす、いわゆるブロー工程を行うことができるように構成されている。
本発明では、上記各構成以外にも、濾室内に洗浄液を供給するための手段等、公知のフィルタープレス装置の構成を採用することができる。
次に、上述のフィルタープレス装置を用いた本発明に係る脱水手順について説明する。なお、この脱水手順を実行するためにフィルタープレス装置にコンピュータ等の制御装置を備え付けることができる。
スラリーの脱水に際しては、主に濾過工程、圧搾工程、真空加熱乾燥工程とを行う。濾過工程においては、先ずシリンダー2S(図2のみ図示)の伸張により濾板2A,2A…を締め付けて閉枠し、図3に示すように濾室2Cを形成する。しかる後、スラリー供給弁3Viを開けてスラリー供給ポンプ3Pを作動させる。これにより、スラリー貯留槽3Aに貯留されていたスラリーSが、スラリー供給路3Diを介して濾室2C内に加圧供給される。このスラリーSは、適宜の加温手段により予め加温されていても良い。濾室2C内のスラリーS1は、供給圧力によって濾液のみが濾布2B,2Bを通り、濾過が進行する。その結果、濾室2C内には濾過ケーキK1が形成される。濾液はダイアフラム2E,2E表面の濾液溝2e,2e…を通り、内部濾液排出路2Hi,2Hiならびに外部濾液排出路2Hoを介して凝縮槽8A内に排出される。所定時間経過したならばスラリー供給ポンプ3Pを停止させ、スラリー供給弁3Viを閉じて濾過工程を終了する。
この濾過工程がある程度まで進行した時点で、あるいは濾過工程が終了した後に、流体供給弁4Viを開け、流体供給ポンプ4Pを作動させて、圧搾工程を開始する。これにより、図4に示すように予め流体加温手段4Bにより加温された温水等の加温流体Fが、流体貯留槽4Aから外部流体供給路2Fo、内部流体供給路2Fi,2Fiを介して流体室2D,2D内に供給され、さらに流体返送路5を介して流体貯留槽4Aへ返送される。つまり加温流体Fは、流体貯留槽4Aと流体室2D,2Dとの間を循環され、流体室2D,2D内には所定温度の流体が供給される。流体室2D,2D内に加温流体Fが供給されると、その供給圧(流体室内圧)に応じてダイアフラム2E,2Eが膨出され、濾布2B,2Bを介して濾過ケーキK1が圧搾され、図4に示すようにさらに脱水された圧搾ケーキK2が形成される。また、加温流体Fの熱量がダイアフラム2E,2E及び濾布2B,2Bを介して圧搾中のケーキに伝達され、脱水が促進される。ケーキ中から排出される濾液は、濾過工程と同様に、ダイアフラム2E,2Eの濾液溝2e,2e…を通り、内部濾液排出路2Hi,2Hiならびに外部濾液排出路2Hoを介して凝縮槽8A内に排出される。
かかる圧搾工程において、本発明では、所定の脱水レベルまで脱水時圧力で圧搾を行った後、圧搾終了にかけて圧搾の圧力を0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで漸減させる。このために本実施形態では、スラリー供給ポンプ3Pを停止させ、スラリー供給弁3Viを閉じて濾過工程を終了した後に圧搾工程を開始すると、圧力センサ3sにより検出される濾室内圧力が圧搾開始当初は圧搾圧(流体供給圧もしくは流体室内圧)と同等であるのに対して経時的に低下する現象を利用する。すなわち、スラリー供給ポンプ3Pを停止させ、スラリー供給弁3Viを閉じて濾過工程を終了した後に圧搾工程を開始する。この圧搾工程で、所定の脱水レベルまで脱水時圧力で圧搾を行った後、圧搾終了にかけて、濾室内圧力を圧力センサ3sにより検出し、この検出圧力に基づき、濾室内圧力と圧搾圧とが同等となるように流体供給弁4Viの開度を調整する。この場合、更に流体供給圧センサ4sによる検出結果に基づき、調整圧と流体供給圧との間にずれが発生していないかを検出し、ずれが発生しているときには流体供給弁4Viの開度を調整し直す。この一方で、かかる入側圧力調整に伴い流体の供給流量が低下すると、流体返送路5の流量センサ5sにより検出される流体排出流量に基づき、予め定めた設定流量となるように返送流量調整弁5Vの開度が調整される。
かくして、所定の脱水レベルまで比較的高い脱水時圧力で圧搾を行った後、圧搾終了にかけて圧搾の圧力を0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで漸減させることができる。圧搾工程は、処理対象物にもよるが、0.5〜3時間、特に1〜2時間程度とするのが好適である。
圧搾の圧力が0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで減少したならば、次に真空加熱乾燥工程を開始する。この開始時点は、経過時間や、濾室内圧力センサ3s、流体供給圧センサ4s、濾液の積算流量センサ8s等による濾液量によって決定することができる。
真空加熱乾燥工程は、圧搾圧力を0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力で、濾布を圧搾ケーキに密着させた状態を維持しつつ行うのが好ましい。この場合、圧搾工程で圧搾圧力が0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで減少したならば、その圧力を維持するべく流体供給弁4Viおよび返送流量調整弁5Vの開度を固定し、また加温流体の供給を維持しつつ、真空ポンプ8Dを作動させるのが好ましいが、圧搾工程と真空加熱乾燥工程の間において、ケーキ洗浄等の補助的な工程を行う場合等、必要に応じて、加温流体の供給を停止し圧搾圧力を開放した後に、再び0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで上昇させることもできる。さらに、圧搾圧力が0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで減少する前の圧搾途中時点から真空ポンプ8Dを作動させ、真空加熱乾燥工程を開始し、その後圧搾圧力が0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで減少した後まで真空加熱乾燥工程を継続することもできる。さらにまた、圧搾圧力が0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで減少し、この0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力を所定時間維持した後に、真空ポンプ8Dを作動させて真空加熱乾燥工程を開始することもできる。
脱水時圧力は脱水対象や機械の種類・性能等に応じて適宜定めることができるが、例えば図7に示すように0.7〜1.5MPaとするのが好適である。また、非圧搾圧力は、本発明では0.1〜0.7MPaであるが、特に0.2〜0.5MPaであると好適である。
かくして、圧搾工程において水分が比較的に多く圧密化し難い状況では高圧で圧搾を行い、水分が少なくなり圧密化が進行し易い状況では低圧で圧搾を行うことができ、圧搾効率を犠牲にせずに十分な圧搾性能を発揮させることができ、しかも、圧密化が進行し難いため、真空加熱乾燥工程における乾燥性能が向上する。また真空加熱乾燥工程では、0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力で、濾布を圧搾ケーキに密着させた状態を維持するため、加温効率を低下させず且つ圧密化も進行させずに、ケーキ内に蒸気の排出流路が確保された状態で効率良く乾燥を行うことができる。
所定の時間が経過したならば、流体供給ポンプ4Pおよび真空ポンプ8Dを停止させて真空加熱乾燥工程を終了させる。この際、ダイアフラム2E,2Eが収縮し、これに伴い、流体が流体室2Dから排出される。
しかる後、脱水ケーキK3が濾室2C内に形成されている(図5参照)のでこれの排出工程にはいる。ケーキ排出工程ではまず、図2に示すように、シリンダー2Sが収縮し、これに連結された濾板2A,2A…が順次牽引され、各濾板間2A,2Aが一定間隔となるように開枠される。この時、図6に示すように、濾布2B,2Bにより取り囲まれた濾室2C内に形成された脱水ケーキK3は自重により、濾布2B,2Bから剥離し排出される。通常はこの開枠だけで脱水ケーキK3の剥離が可能であるが、剥離性が悪い場合には、濾布2B,2Bを支持する濾布サポートバー2Kを揺らす手段を設けておき、これにより濾布2B,2Bを揺らすことにより、濾布2B,2Bに付着した脱水ケーキを積極的に剥離するように構成することができる。
(第2の実施形態)
前述したように、従来のフィルタープレスでは、圧搾に用いる流体および真空加熱乾燥に用いる流体ともに加温流体を用いていたが、圧搾工程で加温を行う場合、その熱量は圧搾により多量に排出される濾液とともに系外へ排出されてしまうため、継続的な加温が必要となり、エネルギー消費が嵩む。また、圧搾圧及び温度の双方を高く設定すると、ゴム製のダイアフラムや樹脂製濾板を用いる場合には、それらの寿命が短くなるという問題点もある。
よって、圧搾工程で用いる流体を加温しないようにするのが好ましい。具体的には、図8に示すように、流体返送路5における返送流量調整弁5Vと流体貯留槽4Aとの間から、流体貯留槽4Aと流体供給ポンプ4Pとの間の流路に連通するバイパス路6を設けるとともに、流体返送路5及びバイパス路6におけるバイパス部位よりも下流側に切替弁6V,6Vをそれぞれ設け、圧搾工程全体にわたり、あるいは圧搾工程中に真空加熱乾燥を開始する場合にはその前において、切替弁6Vをバイパス路6側のみ連通させて、流体を加温せずに循環利用するように構成できる。この場合、流体貯留槽4Aの流体加温手段4Bは、真空加熱乾燥工程に入る前の貯留流体Fの加温のみを行えば足りるため、従来よりも省エネルギーな脱水が可能になる。しかも、本発明の圧搾圧の漸減による脱水性能の向上により、従来のように圧搾工程で濾室内のケーキを加温しなくても、十分な脱水性能の向上を図ることができる。
この図8に示す形態では、第1の実施形態に対して新たな構成を必要とするが、第1の実施形態において、返送流量調整弁5Vを閉じた状態で圧搾工程を行い、流体を循環させないようにすると、全く構成変更なしに、供給流体を非加温にすることができる。この場合、圧搾圧は、流体供給ポンプ4Pの制御および流体供給弁4Viの開度調整により変化させることができる。
(第3の実施形態)
他方、前述のとおり、本発明では真空加熱乾燥において必要となる加温流体の供給圧は低くて足り、かつ真空加熱乾燥では濾液排出による熱量の排出も著しく少ないため、新たな加温流体を継続的に供給する必要もない。
そこで、図9に示すように、圧搾工程用の流体供給ポンプ4Pと、真空加熱乾燥工程用の流体供給ポンプ8とを個別に設け、かつ真空加熱乾燥工程用の流体供給ポンプ8として消費エネルギーのより少ない小型ポンプを用いることとするのが好ましい。具体的には、前述の第1の実施形態において、外部流体供給路2Foにおける流体供給弁4Viと流体貯留槽4Aとの間に、圧搾工程用の流体供給ポンプ4Pと、真空加熱乾燥工程用の流体供給ポンプ8とを並列に接続し、動作させるポンプを工程別に切り替えることで実現できる。
なお、本第3の実施形態は、第2の実施形態と組み合わせて用いることができ、その場合、消費エネルギーを更に削減できる。
(その他)
(イ)濾室内圧力や流体排出流量を検出し、この検出結果に応じて流体供給圧力や流体排出流量を変化させているが、予め定めたスケジュールに従って経時的に流体供給圧力や流体排出流量を変化させることもできる。さらに、これらを組み合わせて、濾室内圧力や流体排出流量を検出し、この検出結果に応じて予め定めた経時的スケジュールの範囲内で流体供給圧力や流体排出流量を変化させるようにすることもできる。
(ロ)本発明においては、上記実施形態のように1対の濾布2B,2Bの両外側にそれぞれダイアフラム2E,2Eを配する必要はなく、1対の濾布の一方の濾布の外側にのみダイアフラムを配し、他方の濾布の外側面には濾板が対面するようにすることもできる、この場合、その他方の濾布外面と対面する濾板面に濾液溝を形成する(図示せず)。上記実施形態のように2枚の濾布にそれぞれ対応して2枚のダイアフラムを設ける場合には、流体室は2室形成されるが、ダイアフラムが1枚の場合には1室のみの流体室となる。
(ハ)上記実施形態では、スラリーを濾室下端部から供給するアンダーフィードとしているが、スラリーを濾室上端部から供給するアッパーフィードや、濾室の高さ方向の略中央かつ幅方向の略中央からスラリーを供給するセンターフィードとすることもできる。
(ニ)濾板は、金属または樹脂により形成することができ、またダイアフラム2E,2Eはゴム材または樹脂材で形成することができる。ダイアフラム2E,2Eにおける少なくとも濾布を介して濾室と対応する部分を、熱伝導性の高い材料、例えば可撓性を有する程度の薄さの鋼板(特に防錆性の観点からステンレス鋼板が好ましい)などにより形成するのも好ましい形態である。例えば、実質的に前述の加熱効果に寄与しないダイアフラムの外縁部分を断熱材等の熱伝導性の低い可撓性材料で形成し、実質的に加熱効果に寄与する中央部分を金属等の熱伝導性の高い材料で形成することもできる。
(ホ)図示形態のフィルタープレスは濾布吊り下げ型であるが、本発明は濾布走行型のフィルタープレスにも適用可能である。
(ヘ)さらに、本発明においては、前述具体例における弁の開閉やポンプの始動・停止、シリンダーによる閉枠・開枠等は、適宜の制御装置により自動制御で行わしめることができる。
(ト)上記実施形態において、圧搾工程が終了した後、続いてブロー工程を行うことを推奨する。本ブロー工程においては、図5に示すように、図示しないコンプレッサーからの圧縮空気を、内部圧縮空気供給路2Ji,2Jiを介して、濾布2B,2Bとダイアフラム2E,2Eとの間に供給し、ダイアフラム2E,2Eの濾液溝2e,2eに残留する濾液を、内部濾液排出路2Hi,2Hi、外部濾液排出路2Hoを介して濾液貯留槽8Cへブローする。図示しないが、適宜の段階で、他の配管内の残留液体の排出を目的としたブローも行うことができる。
本発明は、スラリーの種類や脱水機の構造に限定されるものではなく、広範な用途に適用できるものであり、顔料、染料、ファインケミカル製品、医薬品等の工業製品(脱水した固形分が製品となるもの)、工場廃水等の減容化またはリサイクル、水処理(上下水)の汚泥脱水等に適用できるものである
第1の実施形態のフィルタープレス装置例を示すフロー図である。 フィルタープレスの正面図である。 フィルタープレスの要部を示す概略縦断面図である。 フィルタープレスの要部を示す概略縦断面図である。 フィルタープレスの要部を示す概略縦断面図である。 フィルタープレスの要部を示す概略縦断面図である。 圧搾の圧力の変化例を示すグラフである。 第2の実施形態のフィルタープレス装置例を示すフロー図である。 第3の実施形態のフィルタープレス装置例を示すフロー図である。
符号の説明
1…フィルタープレス装置、2…フィルタープレス、3…スラリー供給手段、4…流体供給手段。

Claims (8)

  1. 濾板間の濾室内に濾布を設け、前記濾布外面とこれに対向する濾板との間にダイアフラムを配し、スラリーを前記濾布内面側に供給するスラリー供給手段を設け、前記ダイアフラムとこれに対向する濾板との間に流体室を形成し、この流体室内に流体を供給する流体供給手段を設け、かつ前記濾室内を負圧化する負圧化手段を設けてなるフィルタープレスを用い、濾過工程、圧搾工程及び真空加熱乾燥工程を行うスラリーの脱水方法であって
    前記濾過工程で、前記スラリー供給手段によってスラリーを濾布内面側に加圧供給して、濾布を介してスラリーを濾過し、濾過ケーキを形成し、
    前記圧搾工程で、流体を前記流体供給手段により前記流体室内へ供給し、この流体の供給圧により前記ダイアフラムが前記濾布を介して前記濾室内の濾過ケーキを圧搾し、この圧力で所定の脱水レベルまで圧搾を行った後、圧搾終了にかけて圧搾の圧力を0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで漸減させて、圧搾ケーキを形成し
    前記真空加熱乾燥工程で、加温した流体を前記流体供給手段により前記流体室内へ供給し、この加温流体の供給圧により前記ダイアフラムが0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力で前記濾布を圧搾ケーキに密着させた状態とし、これにより加温流体の熱量を圧搾ケーキに伝えるとともに、この圧搾ケーキの加温を行いつつ前記負圧化手段により前記濾室内を負圧下に保持し乾燥する、
    ことを特徴とする、スラリーの脱水方法。
  2. 前記濾室内にスラリーを供給するスラリー供給路と、このスラリー供給路を介して前記濾室内にスラリーを加圧供給するスラリー供給ポンプとを備え、前記スラリー供給路における前記スラリー供給ポンプの出側にスラリー供給弁を設け、このスラリー供給弁と前記濾室との間に、前記濾室内の圧力を計測するための濾室内圧力センサを設け、
    前記流体を前記流体室内に供給するための外部流体供給路および内部流体供給路と、これら外部流体供給路および内部流体供給路を介して前記流体を前記流体室内に加圧供給する流体供給ポンプとを設け、
    前記外部流体供給路に流体供給弁を配設するとともに、この流体供給弁の流体室側に流体供給圧センサを設け、
    前記流体室内に内部流体排出路を連通させ、この内部流体排出路を流体返送路を介して流体貯留槽に連通させ、
    前記流体返送路に返送流量調整弁を設けるとともに、その流体室側に流量センサを設け、
    前記スラリー供給ポンプを停止させ、スラリー供給弁を閉じて前記濾過工程を終了した後に前記圧搾工程を開始し、
    前記圧搾工程で前記圧搾終了にかけて、前記濾室内圧力を前記濾室内圧力センサにより、及び前記圧搾の圧力を前記流体供給圧センサによりそれぞれ検出し、これら検出圧力に基づき、前記濾室内圧力と圧搾の圧力とが同等となるように、前記流体供給弁の開度を調整するとともに、前記流体返送路の流量センサにより流体排出流量を検出し、この検出流量に応じて前記返送流量調整弁の開度を調整することによって、前記圧搾の圧力を0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで漸減する、請求項1記載のスラリーの脱水方法。
  3. 前記圧搾工程で、流体を加温せずに前記流体供給手段により前記流体室内へ供給し、この非加温流体の供給圧により前記圧搾を行う、請求項1または2記載のスラリーの脱水方法。
  4. 前記流体供給手段は、流体供給ポンプを用いて前記流体室内に流体を供給するものであり、前記真空加熱乾燥工程で用いる前記流体供給手段の流体供給ポンプとして、前記圧搾工程で用いる前記流体供給手段の流体供給ポンプとは別個で且つより消費エネルギーの少ないポンプを用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスラリーの脱水方法。
  5. 濾板間の濾室内に濾布を設け、前記濾布外面とこれに対向する濾板との間にダイアフラムを配し、スラリーを前記濾布内面側に供給するスラリー供給手段を設け、前記ダイアフラムとこれに対向する濾板との間に流体室を形成し、この流体室内に流体を供給する流体供給手段を設け、かつ前記濾室内を負圧化する負圧化手段を設け、濾過工程、圧搾工程及び真空加熱乾燥工程を行うように構成したフィルタープレス装置であって;
    前記濾過工程では、前記スラリー供給手段によってスラリーを濾布内面側に加圧供給して、濾布を介してスラリーを濾過し、濾過ケーキを形成し、
    前記圧搾工程では、流体を前記流体供給手段により前記流体室内へ供給し、この流体の供給圧により前記ダイアフラムが前記濾布を介して前記濾室内の濾過ケーキを圧搾し、この圧力で所定の脱水レベルまで圧搾を行った後、圧搾終了にかけて圧搾の圧力を0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで漸減させて、圧搾ケーキを形成
    前記真空加熱乾燥工程では、加温した流体を前記流体供給手段により前記流体室内へ供給し、この加温流体の供給圧により前記ダイアフラムが0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力で前記濾布を圧搾ケーキに密着させ状態とし、これにより加温流体の熱量を圧搾ケーキに伝えるとともに、この圧搾ケーキの加温を行いつつ前記負圧化手段により前記濾室内を負圧下に保持し乾燥する、
    ように構成したことを特徴とする、フィルタープレス装置。
  6. 前記濾室内にスラリーを供給するスラリー供給路と、このスラリー供給路を介して前記濾室内にスラリーを加圧供給するスラリー供給ポンプとを備え、前記スラリー供給路における前記スラリー供給ポンプの出側にスラリー供給弁を設け、このスラリー供給弁と前記濾室との間に、前記濾室内の圧力を計測するための濾室内圧力センサを設け、
    前記流体を前記流体室内に供給するための外部流体供給路および内部流体供給路と、これら外部流体供給路および内部流体供給路を介して前記流体を前記流体室内に加圧供給する流体供給ポンプとを設け、
    前記外部流体供給路に流体供給弁を配設するとともに、この流体供給弁の流体室側に流体供給圧センサを設け、
    前記流体室内に内部流体排出路を連通させ、この内部流体排出路を流体返送路を介して流体貯留槽に連通させ、
    前記流体返送路に返送流量調整弁を設けるとともに、その流体室側に流量センサを設け、
    前記スラリー供給ポンプを停止させ、スラリー供給弁を閉じて前記濾過工程を終了した後に前記圧搾工程を開始し、
    前記圧搾工程で前記圧搾終了にかけて、前記濾室内圧力を前記濾室内圧力センサにより、及び前記圧搾の圧力を前記流体供給圧センサによりそれぞれ検出し、これら検出圧力に基づき、前記濾室内圧力と圧搾の圧力とが同等となるように、前記流体供給弁の開度を調整するとともに、前記流体返送路の流量センサにより流体排出流量を検出し、この検出流量に応じて前記返送流量調整弁の開度を調整することによって、前記圧搾の圧力を0.1〜0.7MPaの非圧搾圧力まで漸減するように構成した、請求項5記載のフィルタープレス装置。
  7. 前記圧搾工程で、流体を加温せずに前記流体供給手段により前記流体室内へ供給し、この非加温流体の供給圧により前記圧搾を行うように構成した、請求項5または6記載のフィルタープレス装置。
  8. 前記流体供給手段は、流体供給ポンプを用いて前記流体室内に流体を供給するものであり、前記真空加熱乾燥工程で用いる前記流体供給手段の流体供給ポンプと、前記圧搾工程で用いる前記流体供給手段の流体供給ポンプとを個別に備え、前記真空加熱乾燥工程で用いる流体供給ポンプは、前記圧搾工程で用いる流体供給ポンプより消費エネルギーの少ないポンプとなした、請求項5〜7のいずれか1項に記載のフィルタープレス装置。
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