JP2005131508A - 濾布を用いた脱水における濾布付着ケーキ除去方法、フィルタープレスによる脱水方法、フィルタープレス装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スラリーを濾布9を介して脱水した後、濾布9に付着したケーキを乾燥空気等により強制乾燥させ、しかる後、濾布9および濾布に付着している乾燥ケーキに外力を与え、濾布9から乾燥ケーキC1を脱落させるようにする。
【選択図】図4
Description
<請求項1記載の発明>
スラリーを濾布を介して脱水した後、濾布に付着したケーキを強制乾燥させ、しかる後、濾布および濾布に付着している乾燥ケーキに外力を与え、濾布から乾燥ケーキを脱落させる、ことを特徴とする濾布を用いた脱水における濾布付着ケーキ除去方法。
本発明者らは、液体により洗い流すという洗浄一般の考え方から脱して鋭意研究を行った結果、濾布を強制乾燥した後に振動や屈曲等の外力を与えることにより、濾布表面のみならず、濾布の繊維間に保持されている固形分までも効果的に除去できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。本発明では強制乾燥を行うことにより、前述したようなフィルタープレスのサイクル毎の洗浄のように、短時間での処理が要求されるような場合にも適用できる利点がある。しかしもちろん、本発明の除去方法はサイクル毎の洗浄のみならず、濾布の再生のみに適用してサイクル毎の洗浄を洗浄液により行う方法や、洗浄液による洗浄と併用することもできる。
複数の濾板を対向配置し、濾板間に一対の濾布を配置した状態で濾板相互を締め付けて密着させ、濾板間に濾室を形成する締め付け工程と、
前記濾板間の濾布間にスラリーを供給し、液分を濾布を介して排出させて濾布間にケーキを形成する濾過工程と、
濾板相互および濾布相互を離間させ、濾布間に形成されたケーキを落下排出する、開放排出工程と、
濾布を強制乾燥させた後、濾布および濾布に付着している乾燥ケーキに外力を与え、濾布から乾燥ケーキを脱落させる濾布再生工程と、
を含むことを特徴とするフィルタープレスによる脱水方法。
本項記載の発明は、フィルタープレスによる脱水方法における洗浄工程に代わるものとして、本発明の強制乾燥による濾布再生技術を応用したものである。
前記濾布再生工程に際し、ケーキが付着した濾布に対して乾燥空気、加熱空気、加熱乾燥空気のいずれかを接触させることにより前記強制乾燥を行う、請求項2記載のフィルタープレスによる脱水方法。
本発明の強制乾燥方法としては、ケーキが付着した濾布に対して乾燥空気、加熱空気、加熱乾燥空気のいずれかを接触させる手法が、既存装置への組み込みの容易性、ユーティリティコストの面で特に好ましい。
前記濾布再生工程に際し、前記濾板を締め付けて濾板間に濾室を形成するとともに、濾室内に濾布を対向配置した状態で前記強制乾燥を行う請求項3記載のフィルタープレスによる脱水方法。
濾板を開枠した状態で乾燥空気等を用いると、外部に熱が逃げエネルギー効率が低下するため、本項記載のように、強制乾燥のために濾板を閉枠し、密閉空間内で濾布に対して乾燥空気等を供給する形態を採用するのが好ましい。
前記濾布に対して接触させる空気の温度を15〜90℃とする、請求項3または4記載のフィルタープレスによる脱水方法。
濾布に対して接触させる空気の温度は、適宜選択すれば良いが、15℃未満では自然乾燥と殆ど変わりが無く、乾燥効率が低いため好ましくない。また、90℃を超えると濾布を傷めるおそれがあるため好ましくない。
前記濾布再生工程に際し、濾布に対して振動を与える又は濾布を曲げることにより、濾布から乾燥ケーキを脱落させる、請求項3〜5のいずれか1項に記載のフィルタープレスによる脱水方法。
濾布に付着した乾燥ケーキはスクレーパやブラシ等を濾布に接触させて脱落させることもできるが、濾布吊り下げ型のフィルタープレス装置には濾布からのケーキ脱落を促すための濾布振動機構が備わっており、また濾布走行型のものでは濾布をロールで巻き取る機構が備わっているため、これら利用してすることにより新たな機器構成を必要とせずに、濾布に対して振動を与える又は濾布を曲げることにより乾燥ケーキの脱落を図ることができる。
前記濾布再生工程を除く脱水作業を繰り返し行うとともに、所定時間経過後に自動的に前記濾布再生工程を割り込ませ、濾布の再生を図る、請求項2〜6のいずれか1項に記載のフィルタープレスによる脱水方法。
このように、所定期間、例えば一日に一回等、本発明の強制乾燥による濾布再生工程を介在させることにより、最小限度のメンテナンス時間で目詰まりの進行を確実に抑制できるようになる。
対向配置された複数の濾板と、
これら濾板間に配置された一対の濾布と、
濾板相互を密着させ、濾板間に濾室を形成する締め付け手段と、
前記濾板間の濾布間にスラリーを供給し、液分を濾布を介して排出させて濾布間にケーキを形成する濾過手段と、
濾板相互および濾布相互を離間させ、濾布間に形成されたケーキを落下排出する、開放排出手段と、
濾布を強制乾燥させた後、濾布および濾布に付着している乾燥ケーキに外力を与え、濾布から乾燥ケーキを脱落させる濾布再生手段と、
を含むことを特徴とするフィルタープレス装置。
請求項2記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
<第1の形態>
図1〜図5は第1の形態を示しており、濾布固定型のフィルタープレス装置を用いる形態である。先ず、図1及び図2に基づいて装置構成について説明する。図1はフィルター機構部1を示しており、この機構部1には横方向に間隔をおいて配置された固定フレーム2とルーズヘッド3との間に、濾板4が縦方向に沿う姿勢で横方向に複数並設されている。これらの濾板4は上部に設けられた支持リンク5により相互連結されるとともに、その両側に配された主梁6により並設方向に移動自在に支持されており、濾板駆動装置7により一体的に移動され、濾板4相互の接触および離間(開枠)が可能となっている。また、この移動後の濾板4相互の接触状態において、締付けシリンダ8によりルーズヘッド3が締め付けられると、濾板4相互が密着され、閉枠されるようになっている。
図4〜図6に示す第2の形態は、上記第1の形態と同様、濾布固定型のフィルタープレス装置を用いるものであるが、圧搾機構付きである点で相違するものである。すなわち各濾板4の一方側の凹部4B内に板状のダイアフラム4Dを貼り付け、このダイアフラム4Dの裏面と濾板4との間4sに圧力水を供給するための圧力水給排路4Gを形成し、各濾板4の圧力水給排路4Gを外部の圧力水出入口15に連通させている。圧力水出入口15にはそれぞれバルブV4,V5を介して圧力水タンク60および圧力水ポンプ61に接続されている。圧力水ポンプ61は圧力水タンク60に接続されており、圧力水タンク60に貯留された水を圧力水出入口15に対して圧送するように構成されている。また、ダイアフラム4Dの濾布側表面には濾液溝dなどの濾液通路形成手段が設けられる。その他の装置構成は、前述の第1の形態と同様であるため、図中に同じ符号を付して説明は省略する。
図11〜図15に示す第3の形態は、圧搾機構付きの濾布走行型フィルタープレス装置を用いる形態である。先ず、図11〜図13に基づいて装置構成について説明する。図11はフィルター機構部1を示しており、この機構部1には、横方向に間隔をおいて配置された固定フレーム2とルーズヘッド3との間に、濾板4が縦方向に沿う姿勢で横方向に複数並設されている。これらの濾板4は両側部に設けられた図示しない連結部材により相互連結されるとともに、その両側に配された主梁6により並設方向に移動自在に支持されており、濾板駆動装置7により一体的に移動され、濾板4相互の接触および離間(開枠)が可能となっている。また、この移動後の濾板4相互の接触状態において、図示しない締付けシリンダ8によりルーズヘッド3が締め付けられると、濾板4相互が密着され、閉枠されるようになっている。
上記各形態では、スラリー供給経路を利用して乾燥のための空気を供給するように構成しているが、他の給排経路を利用したり、別途専用の乾燥空気等の供給路を設けたりすることもできる。
Claims (8)
- スラリーを濾布を介して脱水した後、濾布に付着したケーキを強制乾燥させ、しかる後、濾布および濾布に付着している乾燥ケーキに外力を与え、濾布から乾燥ケーキを脱落させる、ことを特徴とする濾布を用いた脱水における濾布付着ケーキ除去方法。
- 複数の濾板を対向配置し、濾板間に一対の濾布を配置した状態で濾板相互を締め付けて密着させ、濾板間に濾室を形成する締め付け工程と、
前記濾板間の濾布間にスラリーを供給し、液分を濾布を介して排出させて濾布間にケーキを形成する濾過工程と、
濾板相互および濾布相互を離間させ、濾布間に形成されたケーキを落下排出する、開放排出工程と、
濾布を強制乾燥させた後、濾布および濾布に付着している乾燥ケーキに外力を与え、濾布から乾燥ケーキを脱落させる濾布再生工程と、
を含むことを特徴とするフィルタープレスによる脱水方法。 - 前記濾布再生工程に際し、ケーキが付着した濾布に対して乾燥空気、加熱空気、加熱乾燥空気のいずれかを接触させることにより前記強制乾燥を行う、請求項2記載のフィルタープレスによる脱水方法。
- 前記濾布再生工程に際し、前記濾板を締め付けて濾板間に濾室を形成するとともに、濾室内に濾布を対向配置した状態で前記強制乾燥を行う請求項3記載のフィルタープレスによる脱水方法。
- 前記濾布に対して接触させる空気の温度を15〜90℃とする、請求項3または4記載のフィルタープレスによる脱水方法。
- 前記濾布再生工程に際し、濾布に対して振動を与える又は濾布を曲げることにより、濾布から乾燥ケーキを脱落させる、請求項3〜5のいずれか1項に記載のフィルタープレスによる脱水方法。
- 前記濾布再生工程を除く脱水作業を繰り返し行うとともに、所定時間経過後に自動的に前記濾布再生工程を割り込ませ、濾布の再生を図る、請求項2〜6のいずれか1項に記載のフィルタープレスによる脱水方法。
- 対向配置された複数の濾板と、
これら濾板間に配置された一対の濾布と、
濾板相互を密着させ、濾板間に濾室を形成する締め付け手段と、
前記濾板間の濾布間にスラリーを供給し、液分を濾布を介して排出させて濾布間にケーキを形成する濾過手段と、
濾板相互および濾布相互を離間させ、濾布間に形成されたケーキを落下排出する、開放排出手段と、
濾布を強制乾燥させた後、濾布および濾布に付着している乾燥ケーキに外力を与え、濾布から乾燥ケーキを脱落させる濾布再生手段と、
を含むことを特徴とするフィルタープレス装置。
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