本発明の第一の実施例を図1ないし図8に基づいて以下に説明する。なお、本実施例で云う前後や上下などの方向は、説明を簡略化するために便宜的に定義するものであり、これは実際の装置の設置や使用の方向を限定するものではない。
まず、本実施例のカラープリンタであるカラー複写機1は、図2に示すように、本体制御部2に、操作部3、スキャナ部4、画像処理部5、プリンタ部6、センサ部7等を接続し、前記スキャナ部4と前記画像処理部5と前記プリンタ部6とを直接にも接続した構造となっている。
ここで、このプリンタ部6は、図1に示すように、印刷用紙8を無彩色の媒体であるエンドレスの白色の転写ベルト9に吸着して順次搬送する。このため、この転写ベルト9が一対のガイドローラ10で循環自在に張架されており、この直線状に張架された転写ベルト9と対向する位置に、第一から第四の印刷ステーション11〜14が順次配置されている。これらの印刷ステーション11〜14は、前記転写ベルト9を介して転写チャージャ15と対向する感光ドラム16の周面に、帯電チャージャ17、レーザスキャナ18、現像器19等を対向配置した構造となっており、前記レーザスキャナ18は、レーザ光源20に対向配置したポリゴンミラー21の走査光路に補正光学系22を配置した構造となっている。そして、第一から第四の印刷ステーション11〜14の現像器19の各々には、カラートナーとしてイエロートナーとマゼンタトナーとシアントナーとブラックトナー(図示せず)とが個々に収納されている。
さらに、図4に示すように、このプリンタ部6は、第一から第四の印刷ステーション11〜14のレーザスキャナ18にレーザドライバ23が接続されると共に、ポリゴンミラー21を回転自在に軸支した駆動モータ24にモータドライバ25が接続されており、これらのドライバ23,25がビデオ制御部26に接続されている。また、前記帯電チャージャ17、前記転写チャージャ15、前記転写ベルト9を除電するベルトチャージャ27、前記現像器19に収納されたトナーを帯電させる現像チャージャ28、トナー補給器29、定着器(図示せず)のヒータ30の各々に、高圧電源31〜34、ドライバ回路35、制御部36が接続されており、前記定着器にはサーミスタ37も設けられている。
さらに、前記感光ドラム16、前記転写ベルト9、前記現像器19、前記定着器、給紙装置38、レジストローラ(図示せず)等の各々に、駆動モータ39〜44が接続されており、DC(Direct Current)モータからなる前記駆動モータ39〜42は、前記本体制御部2のマイクロコンピュータ45にドライバ回路46を介して接続され、パルスモータからなる前記駆動モータ43,44は前記本体制御部2のドライバ回路47に接続されている。また、上述のようなプリンタ部6の前記ビデオ制御部26や前記高圧電源31〜34や前記ドライバ回路35や前記制御部36や前記サーミスタ37等も、前記本体制御部2のマイクロコンピュータ45に接続されている。
さらに、前記本体制御部2は、前記印刷用紙8の機外への排出を検知する排紙センサ48、給紙カセット(図示せず)に収納された前記印刷用紙8の有無を検知するペーパーエンドセンサ49、レジストローラへの給紙状態を検知するレジストセンサ50、給紙カセットのサイズを検知するカセットサイズセンサ51、前記現像器19に収納されたカラートナーの有無を検知するトナーセンサ52〜55等が、前記マイクロコンピュータ45に接続されている。なお、このマイクロコンピュータ45は、CPU(Central Processing Unit)にRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)やI/F(Interface)を接続し、適切なプログラムをインストゥールやファームウェアで形成した構造となっている。
また、図1に示すように、前記プリンタ部6の転写ベルト9の末端近傍の側部と対向する位置には、白色光源56とカラーセンサ57とが対向配置されている。このカラーセンサ57は、図5に示すように、ブルー光に感度が高い第一の受光素子58と、グリーン光に感度が高い第二の受光素子59と、レッド光に感度が高い第三の受光素子60とを有しているので、カラートナーの各々に対応した分光特性を具備している。さらに、これらの受光素子58〜60は、出力信号を電流量から電圧値に変換する抵抗器61が個々に接続されており、前記本体制御部2のマイクロコンピュータ45に増幅器62を介して個々に接続されている。
なお、前記受光素子58〜60は、例えば、分光特性を具備しない一般的なフォトダイオードに所定の透光フィルタを装着した構造(図示せず)となっており、前記白色光源56は、一般的な照明ランプで少なくとも 400〜700(μm)の波長を含んだ光線を照射する。
さらに、前記画像処理部5は、図3に示すように、γ変換部63、マスキング処理部64、UCR処理部65、多値化処理部66、バッファメモリ(図示せず)等を順次接続し、前記スキャナ部4に前記γ変換部63を接続すると共に、前記多値化処理部66を前記プリンタ部6に接続した構造となっている。
また、前記操作部3は、コピー条件などの各種データが入力操作されるキーボード(図示せず)や、操作ガイダンスなどの各種データを表示出力するディスプレイ(図示せず)を有している。
そして、本実施例のカラー複写機1では、前記本体制御部2がバックアップ電源が接続されたメモリ(共に図示せず)から所定の画像データを読み出し、この画像データにより前記プリンタ部6がカラートナーの各々で多階調のテストパターンとしてパッチ画像67〜78を無彩色の媒体となる白色の前記転写ベルト9の側縁部に印刷するので、ここにパターン印刷手段が形成されている。
より詳細には、このパターン印刷手段は、カラートナーであるイエロートナーとマゼンタトナーとシアントナーとブラックトナーとにより、イエローパターンであるパッチ画像67〜69、マゼンタパターンであるパッチ画像70〜72、シアンパターンであるパッチ画像73〜75、ブラックパターンであるパッチ画像76〜78、を印刷する。
さらに、本実施例のカラー複写機1は、読取制御手段と濃度補正手段とを有しており、前記読取制御手段は、前記カラーセンサ57の出力信号を前記パッチ画像67〜78の移動位置に対応して読み取り、前記濃度補正手段は、読み取られた前記カラーセンサ57の出力信号に基づいて前記カラートナーの印刷濃度を個々に補正する。
より詳細には、前記読取制御手段は、イエローのパッチ画像67〜69の移動位置に対応して、前記カラーセンサ57のブルー光に感度が高い第一の受光素子58の出力信号を読み取る。同様に、マゼンタのパッチ画像70〜72の移動位置に対応してグリーン光に感度が高い第二の受光素子59の出力信号を読み取り、シアンのパッチ画像73〜75の移動位置に対応してレッド光に感度が高い第三の受光素子60の出力信号を読み取り、ブラックのパッチ画像76〜78の移動位置に対応して第一の受光素子58の出力信号を読み取る。なお、このような読取制御手段による前記カラーセンサ57の出力信号の読み取りは、前記マイクロコンピュータ45の内部のデータ処理により実行される。
このような構成において、本実施例のカラー複写機1は、スキャナ部4で原稿(図示せず)のカラー画像を読み取ってRGB(Red,Green,Blue)の画像データを生成し、このRGBの画像データを画像処理部5でYMCK(Yellow,Magenta,Cyanide,Black)の画像データに変換し、このYMCKの画像データに基づいてプリンタ部6が電子写真法により印刷用紙8にカラー画像を印刷する。この時、本体制御部2は、操作部3から入力された設定データに基づいて、上述のようなスキャナ部4や画像処理部5やプリンタ部6を統括的に制御する。
より詳細には、上述のようにして原稿のカラー画像を印刷用紙8に複写する場合、スキャナ部4に原稿をセットして操作部3に所定操作を実行する。すると、この操作部3に入力されたコピー条件に従って本体制御部2がスキャナ部4を駆動制御することにより、このスキャナ部4は原稿のカラー画像を読み取って8ビットのRGBの画像データを画像処理部5に出力する。この時、この画像処理部5が本体制御部2の制御に従ってスキャナ部4に水平同期信号S−LSYNCと画像クロックS-STROBEと垂直同期信号FGATE とを出力することにより、これらの信号出力に同期してスキャナ部4は画像データを画像処理部5に出力する。
そこで、上述のようにして画像データが入力される画像処理部5は、図3に示すように、本体制御部2から送信される画像処理モード指定信号に対応して、γ変換やマスキング処理やUCR処理等の画像処理とパルス幅変調による多値化処理とを順次実行することにより、入力されたRGBの8ビットの画像データをYMCKの1ビットの画像データに変換し、この画像データを本体制御部2の制御に従って水平同期信号P−LSYNCや画像クロックP-STROBEと共にプリンタ部6に出力する。この時、このプリンタ部6の間隔に対応して画像データを出力するため、画像処理部5は出力する画像データをバッファメモリで一時保持する。なお、利用者が所望により操作部3に編集処理の実行を入力操作した場合は、これを検知した本体制御部2の制御により、画像処理部5は、画像データの変倍処理やトリミングやカラー変換やミラーリングなどの編集処理も実行する。
そこで、上述のようにして画像データが水平同期信号P−LSYNCや画像クロックP-STROBEと共に入力されるプリンタ部6は、水平同期信号P−LSYNCと画像クロックP-STROBEとに同期して画像データにより第一から第四の印刷ステーション11〜14のレーザ光源20を発光駆動し、順次回転する感光ドラム16の周面に静電潜像を形成する。そして、第一から第四の印刷ステーション11〜14では、感光ドラム16の静電潜像をイエロートナーとマゼンタトナーとシアントナーとブラックトナーとで現像し、この転写ベルト9で順次搬送される印刷用紙8に転写チャージャ15の印加電圧で順次転写する。そこで、この印刷用紙8にはイエロートナーとマゼンタトナーとシアントナーとブラックトナーとの単色画像が重ね印刷されるので、この重ね印刷でカラー画像が形成された印刷用紙8を定着器でヒートプレスしてから機外に排出する。
上述のように、本実施例のカラー複写機1は、印刷用紙8にカラー画像を高品質に印刷出力するようになっているが、カラートナーや感光ドラム16の経年変化により、特定のカラートナーの印刷濃度や階調性が低下することがある。
そこで、本実施例のカラー複写機1では、上述のようなことを解消するため、例えば、初期設定の実行時や、終了処理の実行時や、一定周期の検出時や、メンテナンス作業の実行時などに、カラートナーの各々で多階調のテストパターンを転写ベルト9に印刷し、これらのテストパターンをカラーセンサ57で各々読み取り、このカラーセンサ57の出力信号に基づいてカラートナーの印刷濃度を個々に補正する。
より詳細には、上述のようにカラートナーの印刷濃度をテストする場合は、本体制御部2のメモリ(図示せず)にテストパターンとして予め格納されたパッチ画像の画像データを読み出し、図1に示すように、この画像データによりプリンタ部6の第一から第四の印刷ステーション11〜14が、転写ベルト9の側縁部にパッチ画像67〜78を順次印刷する。ここで、このパッチ画像67〜78は、カラートナーの各々で矩形画像を高濃度と中濃度と低濃度とで順次印刷して多階調とした形態となっており、具体的には、イエローパターンである高濃度Y(Yellow)67、中濃度Y68、低濃度Y69、マゼンタパターンである高濃度M(Magenta)70、中濃度M71、低濃度M72、シアンパターンである高濃度C(Cyanide)73、中濃度C74、低濃度C75、ブラックパターンである高濃度K(Black)76、中濃度K77、低濃度K78となっている。
そこで、図7及び図8に示すように、上述のように印刷出力されるパッチ画像67〜78を転写ベルト9の循環に従ってカラーセンサ57が順次読み取ることになるが、このカラーセンサ57の各カラーの受光素子58〜60の出力信号は、本体制御部2によりパッチ画像67〜78の移動位置に対応して選択的に読み取られる。つまり、イエローのパッチ画像67〜69は、ブルー光に感度が高い第一の受光素子58により読み取り、マゼンタのパッチ画像70〜72は、グリーン光に感度が高い第二の受光素子59により読み取り、シアンのパッチ画像73〜75は、レッド光に感度が高い第三の受光素子60により読み取り、ブラックのパッチ画像76〜78はブルー光に感度が高い第一の受光素子58により読み取るようにする。
このため、本体制御部2は、転写ベルト9の駆動モータ40のドライバ回路46の動作に同期した基準クロックを第一から第四の印刷ステーション11〜14でのパッチ画像67〜78の露光開始からカウントし、このカウント値によりカラーセンサ57の読取位置にパッチ画像67〜78の中心が到来したタイミングで受光素子58〜60の出力信号を読み込む。なお、このような読込動作は、所定回数まで繰り返されて平均値が検出されるので、電気的ノイズや印刷誤差の影響が解消される。
従って、各カラーのパッチ画像67〜78を補色の関係にある受光素子58〜60で選択的に読み取ることになるので、これらの受光素子58〜60はパッチ画像67〜78を良好な感度で読み取ることになる。なお、ブラックはイエローとマゼンタとシアンとの混色に相当するので、これは各カラーの受光素子58〜60の何れでも高精度に読み取ることができる。そこで、本実施例のカラー複写機1では、ブラックのパッチ画像76〜78を第一の受光素子58により読み取っているが、これは第二の受光素子59や第三の受光素子60でも良好に読み取ることができる。
上述のように、カラーセンサ57の受光素子58〜60は、図6に示すように、パッチ画像67〜78の濃度に反比例した光量を受光し、この光量に比例した電流を出力するので、この電流量は抵抗器61で電圧値に変換されてから本体制御部2の増幅器62で増幅されてマイクロコンピュータ45のA/D(Analog/Digital)端子に入力される。そこで、このマイクロコンピュータ45は、図7及び図8に示すように、カラーセンサ57の出力信号に基づいてカラートナーの印刷濃度の変化量をγ値として検出し、これを予め設定された基準値と比較する。そして、この比較結果としてγ値が基準値より低い場合には、入力データの変化量に対して出力データの変化量が増大するようγ変換部63の設定を変更すると共に、帯電チャージャ17の出力電圧を増加させる。
従って、本実施例のカラー複写機1は、カラートナーや感光ドラム16の経年変化により、特定のカラートナーの印刷濃度や階調性が低下しても、これをカラートナーの各々で個々に補正することができるので、印刷画像のカラーバランスを良好に維持することができる。なお、このような補正の過剰や他の要因により、特定のカラートナーの印刷濃度や階調性が上昇することもあり得るので、パッチ画像67〜78のγ値が基準値より高い場合には、入力データの変化量に対して出力データの変化量が減少するようγ変換部63の設定を変更すると共に、帯電チャージャ17の出力電圧を低下させるようになっている。
そして、本実施例のカラー複写機1では、カラートナーの各々に対応した分光特性を具備したカラーセンサ57の出力信号をパッチ画像67〜78の移動位置に対応して読み取るので、これらのパッチ画像67〜78の印刷濃度を高精度に読み取ることができ、カラートナーの個々の印刷濃度を良好に補正することができる。
しかも、カラートナーとしてイエロートナーとマゼンタトナーとシアントナーとを利用し、ブルー光に感度が高い第一のセンサである第一の受光素子58と、グリーン光に感度が高い第二のセンサである第二の受光素子59と、レッド光に感度が高い第三のセンサである第三の受光素子60とで、カラーセンサ57が形成されているので、単純な構造で各カラーのパッチ画像67〜75の印刷濃度を高精度に読み取ることができる。
さらに、カラートナーとしてイエロートナーとマゼンタトナーとシアントナーとブラックトナーとを利用し、このブラックのパッチ画像76〜78は各カラーの受光素子58〜60の一つにより読み取るので、専用のセンサを要することなくブラックトナーの印刷濃度を高精度に読み取ることができる。
しかも、パッチ画像67〜78の移動位置に対応したカラーセンサ57の出力信号の読み取りを、マイクロコンピュータ45の内部のデータ処理で実行するので、カラーセンサ57の各カラーの受光素子58〜60の切り替えをハードウェアで実行する必要がなく、単純な構造でパッチ画像67〜78を選択的に読み取ることができる。
なお、本実施例のカラー複写機1では、白色の転写ベルト9を無彩色の媒体として側縁部にパッチ画像67〜78を一列に順次印刷することを例示したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、印刷用紙8を無彩色の媒体としてパッチ画像67〜78を印刷することも可能である。また、印刷ステーション11〜14の各々で無彩色の媒体となる感光ドラム16の周面に各カラーの受光素子58〜60を個々に配置し、感光ドラム16の周面上でパッチ画像67〜78を受光素子58〜60により読み取ることも可能である。さらに、一個の大径の感光ドラムの周囲に各カラーの現像器と一個の転写ドラムとを配置したカラープリンタ(図示せず)において、その感光ドラムや転写ドラムの周囲にカラーセンサを配置することも可能である。
本発明の第二の実施例を図9ないし図13に基づいて以下に説明する。なお、この第二の実施例に関し、上述した第一の実施例と同一の部分は、同一の名称と符号とを利用して詳細な説明は省略する。
まず、本実施例のカラープリンタであるカラー複写機101も、図9に示すように、カラーセンサ102が転写ベルト9の末端近傍の側部と対向する位置に配置されており、図10及び図11に示すように、このカラーセンサ102は本体制御部2に接続されている。このカラーセンサ102は、図12に示すように、第一の発光素子であるB−LED(Blue-Light Emitting Diode)103、第二の発光素子であるG−LED(Green-LED)104、第三の発光素子であるR−LED(Red−LED)105と、受光素子である一個のフォトトランジスタ106とを有している。
図13に示すように、前記B−LED103は、発光波長のピークが約460(nm)に位置するので、これは 400〜500(nm)の領域に位置することになり、その発
光はブルーである。前記G−LED104は、発光波長のピークが約530(nm)に位置するので、これは 500〜600(nm)の領域に位置することになり、その発光はグリーンである。前記R−LED105は、発光波長のピークが約600(nm)に位
置するので、これは 600〜700(nm)の領域に位置することになり、その発光はレッドである。このため、前記LED103〜105は、発光波長のピークが光の三原色として各々相違している。また、前記フォトトランジスタ106は、受光波長において 400〜700(nm)に感度を有するので、前記LED103〜105の発光波長の全体に感度を有している。
そして、図12に示すように、前記LED103〜105のカソードには、トランジスタアレイ107が個々に接続されており、これらのトランジスタアレイ107が前記本体制御部2のマイクロコンピュータ45の出力ポートに接続されている。前記B−LED103のアノードには、抵抗器108が接続されており、前記G−LED104と前記R−LED105とのアノードには、可変抵抗器109,110が各々接続されている。このため、前記G−LED104と前記R−LED105とに印加する電力は電流量により可変することができるので、前記G−LED104と前記R−LED105との発光強度を可変することができる。また、前記フォトトランジスタ106には、その出力信号を電流量から電圧値に変換する抵抗器61と、出力信号を増幅する増幅器62とが接続されており、この増幅器62は前記本体制御部2のマイクロコンピュータ45のA/D入力端子に接続されている。
そして、本実施例のカラー複写機101は、パターン印刷手段、読取制御手段、センサ制御手段、濃度補正手段を有している。まず、前記パターン印刷手段は、前記本体制御部2により、バックアップ電源が接続されたメモリ(共に図示せず)からテストパターンの画像データを読み出し、前記プリンタ部6により、前記カラーセンサ102により読み取られる前記転写ベルト9の側縁部にテストパターンとしてパッチ画像67〜78を印刷する。また、前記読取制御手段は、前記本体制御部2のマイクロコンピュータ45により各部を制御することにより、前記フォトトランジスタ106の出力信号を前記パッチ画像67〜78の移動位置に対応して読み取る。
また、前記センサ制御手段は、前記カラーセンサ102が前記パッチ画像67〜78を読み取る場合に、前記トランジスタアレイ107による前記LED103〜105の駆動を前記マイクロコンピュータ45が制御することにより、イエローの前記パッチ画像67〜69に対しては前記B−LED103を点灯し、マゼンタの前記パッチ画像70〜72に対しては前記G−LED104を点灯し、シアンの前記パッチ画像73〜75に対しては前記R−LED105を点灯し、ブラックの前記パッチ画像76〜78に対しては前記G−LED104を点灯する。
そして、前記濃度補正手段は、パッチ画像67〜78を読み取った前記カラーセンサ102のフォトトランジスタ106の出力信号に基づいて、前記プリンタ部6によるカラートナーの印刷濃度を個々に補正する。
なお、前記センサ制御手段は、ブラックの中間濃度のパッチ画像77をB−LED103により照明した場合のフォトトランジスタ106の出力強度と、G−LED104やR−LED105により照明した場合のフォトトランジスタ106の出力強度とが同一になるよう、前記G−LED104と前記R−LED105とに印加する電流量が設定されている。このような電流量の設定は、例えば、前記G−LED104と前記R−LED105とに接続された前記可変抵抗器109,110を調節することにより実現できる。
また、前記カラーセンサ102のフォトトランジスタ106に接続された前記増幅器62は、前記カラーセンサ102が前記パッチ画像67〜78を読み取った場合の最大出力強度が、電源電圧より少し低い電圧となるよう増幅度が設定されている。
より具体的には、電源電圧は15(V)であり、前記カラーセンサ102の出力電圧は、各カラーの高濃度の前記パッチ画像67,70,73,76を読み取った場合でも1.0(V)程度である。そこで、前記カラーセンサ102が前記パッチ画像67〜78を読み取った場合の前記増幅器62の出力電圧が、最大でも14(=15−1)(V)となるよう、前記増幅器62の増幅度は14倍に設定されている。なお、このように増幅器62の増幅度を設定した結果、前記カラーセンサ102が低濃度のパッチ画像69,72,75,78を読み取った場合の前記増幅器62の出力電圧は約 5(V)程度である。
このような構成において、本実施例のカラー複写機101は、第一の実施例として前述したカラー複写機1と同様に、印刷用紙8にカラー画像を高品質に印刷出力するが、カラートナーや感光ドラム16の経時変化により、特定のカラートナーの印刷濃度や階調性が低下することがある。
そこで、このようなことを解消するため、例えば、初期設定の実行時や、終了処理の実行時や、一定周期の検出時や、メンテナンス作業の実行時などに、カラートナーの各々で印刷濃度が順次変化するパッチ画像67〜78を転写ベルト9に印刷し、これらのパッチ画像67〜78を多階調のテストパターンとしてカラーセンサ102により各々読み取り、このカラーセンサ102の出力信号に基づいてプリンタ部6によるカラートナーの印刷濃度を個々に補正する。
より詳細には、上述のようにカラートナーの印刷濃度がテストされる場合、本体制御部2のメモリにテストパターンとして予め格納されたパッチ画像67〜78の画像データが読み出され、図9に示すように、プリンタ部6の第一から第四の印刷ステーション11〜14により、転写ベルト9の側縁部にパッチ画像67〜78が順次印刷される。
そこで、第一の実施例において図7及び図8に基づいて説明した場合と同様に、上述のように印刷出力されるパッチ画像67〜78を転写ベルト9の循環に従ってカラーセンサ102が順次読み取ることになるが、イエローのパッチ画像67〜69に対してはB−LED103が点灯され、マゼンタのパッチ画像70〜72に対してはG−LED104が点灯され、シアンのパッチ画像73〜75に対してはR−LED105が点灯され、ブラックのパッチ画像76〜78に対してはG−LED104が点灯される。このため、本体制御部2は、転写ベルト9の駆動モータ40のドライバ回路46の動作に同期した基準クロックを第一から第四の印刷ステーション11〜14でのパッチ画像67〜78の露光開始からカウントし、このカウント値によりカラーセンサ102の読取位置にパッチ画像67〜78の中心が到来したタイミングでLED103〜105の一個を駆動する。
つぎに、これらのLED103〜105により照明されたパッチ画像67〜78を、カラーセンサ102のフォトトランジスタ106により読み取るため、本体制御部2は、LED103〜105の駆動タイミングと同様に、カラーセンサ102の読取位置にパッチ画像67〜78の中心が到来したタイミングでフォトトランジスタ106の出力信号を読み込む。この時、カラーセンサ102のフォトトランジスタ106は、図13に示すように、パッチ画像67〜78の濃度に反比例した光量を受光し、この光量に比例した電流を出力するので、この電流量は抵抗器61で電圧値に変換されてから本体制御部2の増幅器62で増幅されてマイクロコンピュータ45に出力される。
そして、以下は前述した第一の実施例のカラー複写機1と同様に、カラートナーの印刷濃度が個々に補正されて、印刷画像のカラーバランスが良好に維持される。本実施例のカラー複写機101では、上述のようにカラートナーで多階調に印刷するパッチ画像67〜78が、カラーセンサ102のLED103〜105により補色の発光により照明されるので、カラーセンサ102のフォトトランジスタ106は、パッチ画像67〜78の印刷濃度を高精度に読み取ることができ、プリンタ部6によるカラートナーの印刷濃度を良好に補正することができる。
なお、ブラックはイエローとマゼンタとシアンとの混色に相当するので、これはLED103〜105の何れでも良好に照明することができる。つまり、本実施例のカラー複写機101では、ブラックトナーのパッチ画像76〜78をG−LED104により照明するが、これはB−LED103やR−LED105により照明しても良い。
また、本実施例のカラー複写機101は、G−LED104とR−LED105とに印加する電流量が適正に設定されていることにより、ブラックの中間濃度のパッチ画像77をB−LED103により照明した場合のフォトトランジスタ106の出力強度と、G−LED104やR−LED105により照明した場合のフォトトランジスタ106の出力強度とが同一である。このため、LED103〜105を切り替えてもフォトトランジスタ106の出力信号が同一レベルであるので、これを増幅する増幅器62の増幅度をLED103〜105毎に切り替える必要がなく、共に増幅器62の特性がリニアな領域を利用できる。
なお、LED103〜105は、結晶成分によって発色が決定されるが、出射光がブルーのB−LED103は、他のLED104,105に比較して発光強度が低い。このため、上述のようにB−LED103を基準として他のLED104,105の発光強度を調整すれば、三個のLED103〜105の発光強度を同一に調整することができる。
また、本実施例では発光素子としてLED103〜105を採用しているので、その発光強度を調整するための電力の設定を電流量により行なっているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、発光素子としてEL(Electro Luminescence)を利用する場合は電力の設定を電圧により行なうことになる。
なお、本実施例でLED103〜105の出力調整に利用するブラックの中間濃度のパッチ画像77は、印刷濃度の変化が大きく表れるので、このパッチ画像77に基づいてLED103〜105の出力強度を調整すれば、この調整を高精度に行なうことができる。
しかし、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、LED103〜105の出力調整の精度に余裕があるならば、例えば、転写ベルト9をB−LED103により照明した場合のフォトトランジスタ106の出力強度とG−LED104やR−LED105により照明した場合のフォトトランジスタ106の出力強度とが同一になるよう、センサ制御手段がG−LED104とR−LED105とに印加する電力を設定することも可能である。この場合、パッチ画像77を印刷することなくLED103〜105の出力調整を行なえるので、この作業を簡易かつ迅速に行なうことができる。
また、本実施例のカラー複写機101では、増幅器62の増幅度が適正に設定されていることにより、カラーセンサ102がパッチ画像67〜78を読み取った場合の出力強度が電源電圧より少し低い電圧とされている。このため、カラーセンサ102の出力電圧は、パッチ画像67〜78の濃度検出に最適な割合で増幅されることになり、パッチ画像67〜78の印刷濃度が高精度に検出される。このことを以下に詳述する。
まず、カラーセンサ102の出力信号は微弱なので、これを増幅することなく離反したマイクロコンピュータ45まで伝送すると、ノイズが混入してパッチ画像67〜78の濃度検出の精度が低下する。このため、本実施例のカラー複写機101は、カラーセンサ102の近傍に増幅器62を配置し、カラーセンサ102の出力信号を増幅してからマイクロコンピュータ45まで伝送している。
カラーセンサ102の出力電圧は、パッチ画像67,70,73,76を読み取る場合には最大でも 1(V)程度であるが、転写ベルト9を読み取る場合は
3(V)にもなる。増幅器62の出力電圧が電源電圧に到達すると、これは飽和
してリニアリティが無くなるので、例えば、電源電圧が 15(V)の場合、転写ベルト9を読み取った場合の出力電圧も必要ならば、増幅器62の増幅度を5倍以下とする必要がある。
しかし、パッチ画像67〜78を読み取った場合の出力電圧のみ必要ならば、増幅器62の増幅度は15倍以下であれば良く、例えば、14倍として設定できる。この場合、転写ベルト9を読み取った場合の出力電圧は飽和するが、必要なパッチ画像67〜78を読み取った場合の出力電圧は14倍もの大きい増幅度で検出できるので、パッチ画像67〜78の濃度検出の精度が向上する。
本発明の第三の実施例を図14ないし図23に基づいて以下に説明する。なお、この第三の実施例に関し、上述した第二の実施例と同一の部分は、同一の名称と符号とを利用して詳細な説明は省略する。
まず、本実施例のカラープリンタであるカラー複写機(図示せず)では、カラーセンサ102が転写ベルト9の末端近傍の側部と対向する位置に配置されており、このカラーセンサ102は、第一の発光素子であるB−LED103、第二の発光素子であるG−LED104、第三の発光素子であるR−LED105と、受光素子である一個のフォトトランジスタ106とを有している。
また、本実施例のカラー複写機の画像処理部201は、図14に示すように、γ変換部63、マスキング処理部64、UCR処理部65、混色補正手段である混色補正処理部202、バッファメモリ203等を有しており、前記混色補正処理部202は、図15に示すように、YMCKの各カラー毎に補正処理回路204〜207を有している。これらの補正処理回路204〜207の各々は、図16ないし図19に示すように、マイクロコンピュータ45の補正信号により選択されるルックアップテーブル208〜211を有しており、これらのルックアップテーブル208〜211には、カラートナーの印刷濃度を補正する補正データが格納されている。
本実施例のカラー複写機は、センサ制御手段、出力記憶手段、混色検出手段、を有している。センサ制御手段は、カラーセンサ102がパッチ画像67〜78を読み取る場合に、トランジスタアレイ107によるLED103〜105の駆動をマイクロコンピュータ45が制御することにより、各カラーのパッチ画像67〜78の各々に対して各カラーのLED103〜105の全部を順番に点灯させる。
つまり、イエローのパッチ画像67〜69に対し、最初にB−LED103を点灯してフォトトランジスタ106の出力信号を読み取り、つぎにG−LED104を点灯してフォトトランジスタ106の出力信号を読み取り、最後にR−LED105を点灯してフォトトランジスタ106の出力信号を読み取る。同様に、マゼンタとシアンとブラックとのパッチ画像70〜78に対しても全部のLED103〜105を順番に点灯してフォトトランジスタ106の出力信号を読み取る。
なお、センサ制御手段は、無彩色の媒体である白色の転写ベルト9をB−LED103により照明した場合のフォトトランジスタ106の出力強度と、G−LED104やR−LED105により照明した場合のフォトトランジスタ106の出力強度とが同一になるよう、G−LED104とR−LED105とに印加する電流量が設定されている。
前記出力記憶手段は、マイクロコンピュータ45のメモリ(図示せず)からなり、上述のように設定された電力によりB−LED103とG−LED104とR−LED105とを個々に点灯させて転写ベルト9を照明した場合のフォトトランジスタ106の出力強度を各々記憶している。
前記混色検出手段は、前記センサ制御手段が上述のように駆動する前記カラーセンサ102が各カラーのパッチ画像67〜78を読み取った出力信号に基づいてカラートナーの混色を検出する。この時、前記混色検出手段は、最初にセンサ制御手段に設定された電力によりB−LED103とG−LED104とR−LED105とを各々点灯させて転写ベルト9を照明し、フォトトランジスタ106の出力強度を出力記憶手段に記憶された出力強度と比較する。この比較結果に基づいてカラーセンサ102の出力信号を補正してカラートナーの混色を検出し、この検出結果に対応してマイクロコンピュータ45から前記混色補正処理部202に補正信号を出力する。
この混色補正処理部20は、前記混色検出手段が上述のように検出した混色の補正信号に対応して前記補正処理回路204〜207の各々で前記ルックアップテーブル208〜211を選択することにより、前記UCR処理部65から入力されて前記バッファメモリ203に出力するYMCKの印刷濃度を個々に補正する。
このような構成において、本実施例のカラー複写機は、転写ベルト9により順次搬送される印刷用紙8にYMCKのカラートナーを順番に転写してカラー画像を形成するので、先に印刷用紙8に転写されたカラートナーが後の現像器19に混入する。これは混色として経時的に印刷画像のカラーバランスを劣化させるが、本実施例のカラー複写機では、このような混色を検出して解消することができる。
このようなカラー複写機の処理動作を、図20ないし図23に基づいて以下に順次説明する。まず、初期設定やメンテナンス作業の実行時などに、カラートナーの各々で印刷濃度が順次変化するパッチ画像67〜78が転写ベルト9に印刷され、これらのパッチ画像67〜78が多階調のテストパターンとしてカラーセンサ102により各々読み取られる。このカラーセンサ102はパッチ画像67〜78を転写ベルト9の循環に従って順次読み取るが、各カラーのパッチ画像67〜78の各々に対して全部のLED103〜105を順番に点灯してフォトトランジスタ106の出力信号を個々に読み取る。
例えば、イエローのパッチ画像67〜69は、混色が発生していなければ、ブルー光のみを吸収してグリーン光とレッド光とは吸収しないので、カラーセンサ102は、B−LED103を点灯した場合のみフォトトランジスタ106の出力信号が低下することになる。このようなフォトトランジスタ106の出力信号はLED103〜105を切り替えても同一レベルになるよう設定されており、この混色が発生していない場合の出力信号はマイクロコンピュータ45が予め記憶している。
そして、イエローのパッチ画像67〜69にマゼンタが混色した場合、ブルー光の吸収率が低下すると共にグリーン光の吸収率が増加するので、フォトトランジスタ106の出力信号は、B−LED103の点灯時は本来より上昇し、G−LED104の点灯時は本来より低下する。同様に、イエローのパッチ画像67〜69にシアンが混色しているとレッド光の吸収率が増加するので、R−LED105の点灯時のフォトトランジスタ106の出力信号が低下する。
そこで、カラーセンサ102の出力信号がマイクロコンピュータ45により本来の出力信号と比較され、この比較結果によりイエローの混色が検出されて対応する補正信号がマイクロコンピュータ45から混色補正処理部202に出力される。このような処理動作は、マゼンタとシアンとブラックとのパッチ画像70〜78に対しても実行されるので、全部のカラートナーの混色が検出されてマイクロコンピュータ45から混色補正処理部202に補正信号が出力される。
この混色補正処理部202は、マイクロコンピュータ45から受信した補正信号に対応してYMCKの補正処理回路204〜207の各々でルックアップテーブル208〜211を選択し、その選択したルックアップテーブル208〜211によりUCR処理部65からバッファメモリ203まで転送されるYMCKの印刷データを補正することにより、YMCKの印刷濃度を個々に補正する。
例えば、印刷データが、イエロー濃度1.2 、マゼンタ濃度1.3 、シアン濃度1.1 、ブラック濃度0.0 、の場合、混色が発生していない場合は、上述した濃度で各カラーのトナーを印刷すれば良好なカラー画像が形成される。しかし、イエロートナーにマゼンタトナーが混入している場合、印刷データの濃度でカラー画像を形成すると、これはマゼンタが濃く印刷される。このような場合、上述のようにマゼンタの混色は検出されるので、この混色に対応してマゼンタトナーの印刷濃度を低下させる補正信号がマイクロコンピュータ45から混色補正処理部202に出力される。
この混色補正処理部202では、混色が発生していない場合、マイクロコンピュータ45から受信する3ビットの補正信号“0”に対応して全部の補正処理回路204〜207の各々が基本のルックアップテーブル208を選択しており、このルックアップテーブル208により8ビットのYMCKの印刷データを補正することなく転送する。
しかし、上述のようにイエロートナーにマゼンタトナーが混入した場合、検出されたマゼンタトナーの混色の度合に対応した補正信号がマイクロコンピュータ45からマゼンタの補正処理回路205に出力される。この補正処理回路205は、例えば、補正信号“2”に対応してルックアップテーブル210を選択するので、このルックアップテーブル210によりマゼンタの印刷データの印刷濃度が二段階に低下されることになる。この場合、YMCKの印刷データはマゼンタの印刷濃度が混色に対応して補正されるので、カラー画像はマゼンタが濃く印刷されることなく良好なカラーバランスで印刷される。
つまり、本実施例のカラー複写機では、カラートナーに混色が発生しても、これがカラートナーの印刷濃度により補正されるので、印刷画像のカラーバランスが良好に維持される。しかも、このような混色の解消が、他のカラートナーに混入したカラートナーの印刷濃度の低下により実現されるので、印刷画像のカラーバランスが簡易な処理で良好に補正される。
なお、本実施例のカラー複写機では、上述のようにカラーセンサ102によりパッチ画像67〜78を読み取ってカラートナーの混色を検出するが、カラーセンサ102は経時変化や環境変化により出力レベルが変動する。しかし、本実施例のカラー複写機は、カラーセンサ102の出力レベルを、その出力変動に対応して補正することもできるので、カラートナーの混色を常時良好に検出することができる。
このようなカラー複写機の処理動作を以下に順次説明する。まず、上述のようにカラートナーの混色を検出するためにカラーセンサ102によりパッチ画像67〜78が読み取られる場合、これに先行してカラーセンサ102により転写ベルト9が読み取られる。この場合、パッチ画像67〜78の読取時と同様に、全部のLED103〜105が順番に点灯され、これに対応してフォトトランジスタ106の出力信号が順番に読み取られる。カラーセンサ102に出力変動が発生していない場合の出力信号はマイクロコンピュータ45に予め記憶されているので、これらの出力信号の比較によりカラーセンサ102の出力変動が検出される。
上述のようにカラーセンサ102の出力変動が検出された場合、これに対応してカラーセンサ102でパッチ画像67〜78を読み取った出力信号が補正されるので、パッチ画像67〜78は常時良好なカラーバランスで読み取られることになり、カラートナーの混色も常時良好に検出される。
なお、本実施例のカラー複写機では、YMCKのカラートナーの各々の混色を検出して補正することを例示したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、印刷順序が一番目のカラートナーであるイエロートナーには他のカラートナーが混入することは少ないので、このイエロートナーに対しては混色の検出と補正とを省略し、カラー複写機の構造を簡略化して処理の負担を軽減することも可能である。また、ブラックトナーは他のカラートナーが混入しても印刷品質の低下が微少であるので、このブラックトナーに対しても混色の検出と補正とを省略し、カラー複写機の構造を簡略化して処理の負担を軽減することも可能である。
また、本実施例のカラー複写機では、三個のLED103〜105と一個のフォトトランジスタ106とからなるカラーセンサ102によりパッチ画像67〜78を読み取ってカラートナーの混色を検出することを例示したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、一個の白色光源56が組み合わされた三個の受光素子58〜60からなるカラーセンサ57によりパッチ画像67〜78を読み取ってカラートナーの混色を検出することも可能である。この場合、パッチ画像67〜78の各々をカラーセンサ57の三個の受光素子58〜60の全部で読み取り、この出力信号からカラートナーの混色を検出する。
また、このようなカラーセンサ57に対してカラーセンサ102と同様に出力変動を補正することも可能である。この場合、カラーセンサ57の出力強度を増幅器62の増幅度により同一に補正しておき、このようなカラーセンサ57により転写ベルト9を読み取った出力信号をマイクロコンピュータ45に記憶しておく。カラートナーの混色を検出するためにカラーセンサ57でパッチ画像67〜78を読み取る場合に、カラーセンサ57で転写ベルト9を読み取ってマイクロコンピュータ45に記憶された本来の出力信号と比較し、この比較結果に対応してパッチ画像67〜78を読み取った出力信号を補正する。
さらに、上述した実施例等では、カラーセンサ57,102の出力レベルを補正する場合、転写ベルト9を無彩色の媒体として読み取ることを例示したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、このような無彩色の媒体はカラートナーの印刷濃度とは無関係にカラーセンサ57,102により読み取ることができれば良いので、例えば、転写ベルト9に予め固定的に印刷されたグレースケール(図示せず)、印刷用紙8、予め用意されたチャート用紙(図示せず)、などが利用可能である。