JP2008182375A - 画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単色センサと複数色の光源とを備える画像読取装置において、黒レベルを精度良く補正する。
【解決手段】例えば、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色の光源を用いる場合、これらのそれぞれについてついて黒基準データを生成し、この黒基準データに基づいて出力濃度ムラを補正する。ブルーの黒基準データを生成する場合、ブルーの光源は消灯させつつ、レッドおよびグリーンの光源は、所定のタイミングで点滅させる。そうすると、全ての光源が消灯している期間(P1等)と、いずれかの光源が点灯している期間(P2、P3等)が生じる。画像信号は、全ての光源が消灯している期間の直後の期間に読み出される。
【選択図】図6
【解決手段】例えば、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色の光源を用いる場合、これらのそれぞれについてついて黒基準データを生成し、この黒基準データに基づいて出力濃度ムラを補正する。ブルーの黒基準データを生成する場合、ブルーの光源は消灯させつつ、レッドおよびグリーンの光源は、所定のタイミングで点滅させる。そうすると、全ての光源が消灯している期間(P1等)と、いずれかの光源が点灯している期間(P2、P3等)が生じる。画像信号は、全ての光源が消灯している期間の直後の期間に読み出される。
【選択図】図6
Description
本発明は、画像読取装置および画像形成装置に関する。
プリンタ等の画像形成装置の出力濃度ムラを補正するために、画像が形成された用紙を光学的に読み取る画像読取装置を画像形成装置と一体に設けることがある。この種の画像読取装置は、用紙の搬送路の中途に設けられることが多く、小型であることが望ましい。この種の画像読取装置としては、例えば、密着型の単色センサと複数色(例えば、赤色、緑色および青色)のアレイ状のLED(Light Emitting Diode)光源とを備え、点灯するLED光源を順次切り替えて各色の画像信号を得る構成がある。また、このような構成の場合、小型化という観点からいえば、センサとLED光源とが同一の基板上に設けられているのがより望ましい。
また、スキャナ等の画像読取装置において、画像読取装置自体に起因するノイズを抑制するために、いわゆる白レベルや黒レベルを補正する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。黒レベルを補正する方法としては、光源からの光が入射しない状態でセンサに生じるノイズ(暗時出力)をあらかじめ測定し、画像読取装置が生成する画像信号からこのノイズ分を減算するものがある。
特開平10−164361号公報
しかし、上述したような、点灯する光源を順次切り替える構成の画像読取装置の場合、単に全ての光源を消灯しただけでは除去しきれないノイズが存在した。そのため、かかる構成においては、単に全ての光源を消灯しただけでは、黒レベルの補正の精度が良好にならないという問題があった。また、この問題は、センサとLED光源とが同一の基板上に設けられている構成において特に顕著であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、単色センサと複数色の光源とを備える画像読取装置において、黒レベルを精度良く補正することを可能にする技術を提供することにある。
本願発明者は、上述した問題が、点灯する光源の切り替えに際して生じる誘導ノイズや電源の電圧変動により惹起されることを見出した。そこで、本願発明者は、黒レベルの補正のための基準信号を生成するときに、画像信号を生成するときと同じような動作をさせることによってこの問題を解決することを着想し、本発明をするに至った。
具体的には、本発明は、その一態様として、光を受容して受光量に応じた信号を生成する撮像素子を所定の方向に複数配置した受光手段と、被撮像物において反射した光が前記撮像素子に入射するように光を照射する複数の照射手段であって、照射する光の色がそれぞれ異なる複数の照射手段と、前記複数の照射手段による光の照射と前記受光手段により生成された信号の読み出しとを制御する制御手段であって、前記被撮像物を表す画像信号を生成する第1のモードと、補正の基準となる基準信号を読み出す第2のモードとにより制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第1のモードにより制御を行う場合、第1の期間においては、ある色の光を照射する前記照射手段に光を照射させる一方、当該色以外の色の光を照射する前記照射手段に光を照射させず、当該第1の期間の後の第2の期間においては、前記ある色の光と異なる色の光を照射する前記照射手段に光を照射させる一方、当該色以外の光を照射する前記照射手段に光を照射させずに、前記受光手段により生成された信号を前記ある色に対応する画像信号として読み出し、前記第2のモードにより制御を行う場合、第1の期間においては、ある色の光を照射する前記照射手段と、その他の色の光を照射する前記照射手段とに光を照射させず、当該第1の期間の後の第2の期間においては、前記その他の色の光を照射する前記照射手段に光を照射させる一方、前記ある色の光を照射する前記照射手段に光を照射させずに、前記受光手段により生成された信号を前記ある色に対応する基準信号として読み出すことを特徴とする構成により、上述した目的を達成するものである。
かかる構成によれば、まず、第1のモードにおいては、第1の期間にある色(対象色)の照射手段(光源)で露光して電荷の蓄積を行い、第2の期間に蓄積した画像信号を読み出すとともに、再び他の色の照射手段で電荷の蓄積が行われるので、各色の画像信号が連続的に読み出される。そして、第2のモードにおいては、対象色の照射手段は消灯しつつ、その他の照射手段は第1のモードと同様に動作させることによって、基準信号を得ている。これにより、全ての照射手段を消灯し続ける場合などに比べて、基準信号を生成するときの電気的な条件が通常の画像信号を生成するときの条件により近くなるので、誘導ノイズや電圧変動の発生も第1のモードと第2のモードとで類似したものとなり、より高精度での補正が可能な基準信号が得られることとなる。
また、本発明は、前記制御手段が前記第1のモードにおいて読み出した画像信号を、前記制御手段が前記第2のモードにおいて読み出した基準信号に基づいて補正する補正手段を備える構成であってもよい。すなわち、画像信号の補正は、画像読取装置内部で行ってもよいし、他の外部装置で行ってもよいということである。
また、本発明は、前記基準信号を前記複数の照射手段が照射する光の各色について記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、前記第2のモードによる制御を前記複数の照射手段が照射する光の色の数と同じ回数行い、それぞれの前記第2のモードにおいて、前記複数の照射手段が照射する光のいずれかの色に対応する前記基準信号を読み出し、それぞれを前記記憶手段に記憶させる構成であってもよい。このように、基準信号を各色について生成し、記憶することによって、補正の精度をさらに向上させることが可能となる。
また、本発明は、前記複数の照射手段が、赤色、緑色および青色の発光ダイオードアレイであり、前記受光手段と同一の基板により構成される構成であってもよい。かかる構成によれば、小型でありながらも、補正の精度を向上させることが可能となる。
また、本発明は、上述した構成に加えて、シートに画像を形成する画像形成手段を備え、前記画像形成手段により画像が形成されたシートを前記被撮像物として読み取る構成であってもよい。すなわち、画像読取装置単体であってもよいし、画像形成装置と一体化されていてもよい。なお、本発明は、画像形成装置に着脱自在なオプション装置のように構成してもよい。
このように、本発明によれば、単色センサと複数色の光源とを備える画像読取装置において、黒レベルを精度良く補正することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施形態において、画像データとは、いわゆるRGB形式の画像データであり、R(レッド:赤色)、G(グリーン:緑色)およびB(ブルー:青色)の各色について8ビット(256階調)の階調値を有する画素データの集合であるとする。
[実施形態の構成]
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置100の全体構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、供給された画像データに応じた画像を形成するプリンタの機能と、原稿を光学的に読み取ってこれに応じた画像を形成する複写機の機能とを有するものである。同図に示すように、画像形成装置100は、制御部10と、記憶部20と、操作部30と、通信部40と、画像入力部50と、画像形成部60と、画像読取部70とを備える。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置100の全体構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、供給された画像データに応じた画像を形成するプリンタの機能と、原稿を光学的に読み取ってこれに応じた画像を形成する複写機の機能とを有するものである。同図に示すように、画像形成装置100は、制御部10と、記憶部20と、操作部30と、通信部40と、画像入力部50と、画像形成部60と、画像読取部70とを備える。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える。制御部10は、CPUがRAMをワークエリアとして用いてROMや記憶部20に記憶されたプログラムを実行することにより、画像形成装置100の各部の動作を制御する。また、制御部10は、デジタル画像信号を基準信号により補正するなどの種々の画像処理を実行する。このような画像処理は、上述したCPUが実行することも可能であるが、専用の集積回路を用いるのがより望ましい。
記憶部20は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であり、種々のデータを記憶する。記憶部20が記憶するデータには、ムラ補正情報と、テスト画像データと、黒基準データと、白基準データとが含まれる。ムラ補正情報は、画像形成部60に起因する出力濃度ムラを抑制するために用いられる情報である。テスト画像データは、画像形成部60の出力濃度ムラを検知するために用いられる画像データであり、所定のパターンを有している。また、黒基準データおよび白基準データは、上述したムラ補正情報を生成する際に問題となる、画像読取部70自体に起因するノイズを抑制するために用いられるデータである。これらのデータの詳細については、後に詳説する。
操作部30は、いわゆるタッチパネル式の入力装置や各種のボタンを備え、ユーザの操作による指示を受け付ける。ユーザからの指示としては、画像形成の開始の指示や、濃度やプリント枚数等の各種パラメータの指示が含まれる。
通信部40は、LAN(Local Area Network)等の所定のネットワークに接続するインタフェース装置である。通信部40は、ネットワークを介して外部装置であるコンピュータ装置から画像データの供給を受け付ける。また、通信部40は、操作部30と同様に、ユーザからの指示を受け付けることも可能である。
画像入力部50は、いわゆるスキャナの機能を有し、原稿を光学的に読み取ってこれを表す画像データを生成する。画像入力部50は、生成した画像データを制御部10に供給する。
通信部40は、LAN(Local Area Network)等の所定のネットワークに接続するインタフェース装置である。通信部40は、ネットワークを介して外部装置であるコンピュータ装置から画像データの供給を受け付ける。また、通信部40は、操作部30と同様に、ユーザからの指示を受け付けることも可能である。
画像入力部50は、いわゆるスキャナの機能を有し、原稿を光学的に読み取ってこれを表す画像データを生成する。画像入力部50は、生成した画像データを制御部10に供給する。
画像形成部60は、供給された画像データに応じた画像を用紙をはじめとするシート状物に形成する。本実施形態においては、画像形成部60は電子写真方式により画像を形成するものであるとするが、画像形成の方式は特にこれに限定されない。また、シート状物は、紙とは異なる材質のもの(例えばプラスティック)であってもよい。
図2は、画像形成部60の構成をより詳細に示す図である。画像形成部60は、転写ユニット61Y、61M、61Cおよび61Kと、中間転写ベルト62と、転写ロール63と、定着器64と、複数の搬送ロール65とを備える。なお、転写ユニット61Y、61M、61Cおよび61K、中間転写ベルト62、転写ロール63、定着器64ならびに搬送ロール65は、画像形成装置100の筐体100Cの内部に備わっている。
図2は、画像形成部60の構成をより詳細に示す図である。画像形成部60は、転写ユニット61Y、61M、61Cおよび61Kと、中間転写ベルト62と、転写ロール63と、定着器64と、複数の搬送ロール65とを備える。なお、転写ユニット61Y、61M、61Cおよび61K、中間転写ベルト62、転写ロール63、定着器64ならびに搬送ロール65は、画像形成装置100の筐体100Cの内部に備わっている。
転写ユニット61Y、61M、61Cおよび61Kは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)のトナー像を中間転写ベルト62に形成する。転写ユニット61Y、61M、61Cおよび61Kは、それぞれ、帯電、露光、現像および転写(一次転写)といった周知のプロセスによりトナー像を形成する。中間転写ベルト62は、転写ユニット61Y、61M、61Cおよび61Kにより一次転写がなされたトナー像を搬送する。中間転写ベルト62には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が、単一の像を形成するように重ねられて転写される。転写ロール63は、中間転写ベルト62により搬送されたトナー像を用紙に転写(二次転写)する。定着器64は、転写ロール63によりトナー像が転写された用紙を加熱し、用紙上のトナーを定着させる。複数の搬送ロール65は、トナーが定着された用紙を図中の矢印Aで示す方向に搬送する。このように、画像形成部60は、帯電、露光、現像、転写(一次転写および二次転写)および定着といったプロセスによって、用紙に画像を形成する。
なお、画像形成部60の各部は、図2の紙面に垂直な方向に所定の幅を有している。この方向のことを、以下では「主走査方向」という。また、この主走査方向に直交する方向であって、用紙の搬送方向に沿った方向のことを、以下では「副走査方向」という。
なお、画像形成部60の各部は、図2の紙面に垂直な方向に所定の幅を有している。この方向のことを、以下では「主走査方向」という。また、この主走査方向に直交する方向であって、用紙の搬送方向に沿った方向のことを、以下では「副走査方向」という。
画像読取部70は、画像形成部60により画像が形成された用紙を光学的に読み取ってこれを表すアナログの画像信号を生成し、デジタルの画像データに変換して出力する。画像読取部70において生成された画像データは、後述するムラ補正に用いられる。また、図2に示すように、画像読取部70は、外光を避けることを目的に、画像形成装置100の筐体100Cの内部に設けられている。
図3は、画像読取部70の構成を主走査方向から見たときの図である。画像読取部70は、LEDアレイ71と、レンズアレイ72と、PD(Photo Diode)アレイ73とを備える。また、図示を省略するが、画像読取部70は、LEDアレイ71およびPDアレイ73の駆動を制御するドライバ回路を備える。
LEDアレイ71は、レッド、グリーンおよびブルーの光を照射する複数のLEDを主走査方向に配置してなるものである。各々のLEDは、主波長が620nm(レッド)、525nm(グリーン)、470nm(ブルー)前後の光を発する。レンズアレイ72は、ロッド状(柱状)のレンズを主走査方向に配置してなるものである。レンズアレイ72は、LEDアレイ71が照射した光のうち用紙Pにおいて反射した拡散反射光の一部を、PDアレイ73が設けられた位置に集光結像する。PDアレイ73は、光を受容して受光量に応じた撮像素子(すなわちフォトダイオード)を主走査方向に配置してなるものである。PDアレイ73のそれぞれの撮像素子は、受光量に応じた電荷を所定の期間蓄積し、これを画像信号として供給する。PDアレイ73の出力は、高速読出しのために並列に読み出され、A/D変換後に1ラインの画像データに並べ替えられる。
LEDアレイ71およびPDアレイ73は、共通の基板70B上に構成されており、主走査方向に対して、最大サイズの用紙と同程度の長さ(幅)を有している。しかし、PDアレイ73は、単一のチップにより構成されるのではなく、所定の長さのチップを主走査方向に複数配置した構成となっている。また、各々のチップ内には、複数の撮像素子が設けられている。こうしてLEDアレイ71とPDアレイ73とが同一基板上に搭載されていることから、LEDアレイ71の点灯時に発生する電流が基板の基準電位レベルを変化させるなどして、画像信号に影響を与える場合がある。
なお、画像読取部70は、それ自体が副走査方向に移動するわけではないが、用紙が搬送ロール65により移動されるので、用紙を主走査方向および副走査方向に読み取ることが可能となっている。
[実施形態の動作]
以上の構成のもと、画像形成装置100は、ユーザの指示に応じて通信部40または画像入力部50を介して取得した画像データに応じた画像を形成する。画像を形成するに際して、画像形成装置100の制御部10は、主走査方向の出力濃度ムラを抑制するために、あらかじめ取得したムラ補正情報に基づいたムラ補正を行う。このムラ補正とは、例えば、画像データを構成する画素データにムラ補正情報を作用させる処理である。この場合、ムラ補正情報とは、主走査方向の各画素に対応する補正係数の集合となる。
以上の構成のもと、画像形成装置100は、ユーザの指示に応じて通信部40または画像入力部50を介して取得した画像データに応じた画像を形成する。画像を形成するに際して、画像形成装置100の制御部10は、主走査方向の出力濃度ムラを抑制するために、あらかじめ取得したムラ補正情報に基づいたムラ補正を行う。このムラ補正とは、例えば、画像データを構成する画素データにムラ補正情報を作用させる処理である。この場合、ムラ補正情報とは、主走査方向の各画素に対応する補正係数の集合となる。
画像形成装置100は、このムラ補正情報を、定期的あるいは不定期に生成する。ムラ補正情報は、いったん生成されれば常に同じものを用いるとしてもよいが、出力濃度ムラは、時間とともに変動する可能性がある。そのため、このような場合には、ムラ補正情報を適当なタイミングで更新し、補正の精度を高められるようにするのが望ましい。このような更新は、画像形成装置100自体が所定の時間間隔で実行するものであってもよいし、ユーザがムラ補正情報の更新を指示したときに実行するものであってもよい。
ここからは、画像形成装置100が濃度ムラ情報を生成するときの処理を説明するが、処理の具体的な説明の前に、この処理において用いられるテスト画像データについて説明する。
テスト画像データは、所定のパターンを有する画像データである。図4は、テスト画像データの一例を示す図である。テスト画像データは、主走査方向について同一の階調値となる帯状の画像を複数含んだものであり、それぞれの帯状の画像が所定の階調値となっている。例えば、テスト画像データD1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の帯状画像が、それぞれ、20%、40%、60%、80%および100%の網点%で用紙上に形成されるように作成されたものである。また、テスト画像データD2は、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の帯状画像が、それぞれ、20%、40%、60%、80%および100%の濃度で用紙上に形成されるように作成されたものである。なお、ここにおいて「網点%」とは、単位面積当たりのトナーの被覆率を示しており、0%で無色(下地色)を表し、100%でいわゆるベタ色を表す。
テスト画像データは、所定のパターンを有する画像データである。図4は、テスト画像データの一例を示す図である。テスト画像データは、主走査方向について同一の階調値となる帯状の画像を複数含んだものであり、それぞれの帯状の画像が所定の階調値となっている。例えば、テスト画像データD1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の帯状画像が、それぞれ、20%、40%、60%、80%および100%の網点%で用紙上に形成されるように作成されたものである。また、テスト画像データD2は、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の帯状画像が、それぞれ、20%、40%、60%、80%および100%の濃度で用紙上に形成されるように作成されたものである。なお、ここにおいて「網点%」とは、単位面積当たりのトナーの被覆率を示しており、0%で無色(下地色)を表し、100%でいわゆるベタ色を表す。
画像形成装置100は、このようなテスト画像データを画像読取部70において読み取り、出力濃度ムラの程度を判断する。しかし、画像読取部70の読み取り結果には、画像読取部70の各部に起因するノイズが重畳するため、出力濃度ムラを正確に反映したものとはならない。そこで、画像形成装置100は、画像読取部70の読み取り結果に対して白レベルと黒レベルの補正を行うことにより、画像読取部70自体に起因するノイズの影響を低減させている。
図5は、画像形成装置100が濃度ムラ情報を生成するときの処理を示すフローチャートである。同図に示すように、まず、画像形成装置100の制御部10は、ブルー(B)、グリーン(G)およびレッド(R)の黒基準データをそれぞれ生成する(ステップS1、S2、S3)。黒基準データの生成方法は、次の通りである。
図6は、ブルーの黒基準データを生成する場合における、LEDの点灯タイミングと画像信号の読み取りタイミングとを示すタイミングチャートである。同図において、期間P1、P2、…は、各色について主走査方向に1行分の画像信号を露光(蓄積)する期間に相当するとともに、1行分の画像信号を読み出す期間に相当する。また、各LEDの点灯信号は、低レベル時がオフであり、高レベル時がオンである。
同図において、ブルーの黒基準データに相当する画像信号の露光期間は、期間P1、P4、P7、P10、…である。また、ブルーの黒基準データに相当する画像信号を読み出している期間は、期間P2、P5、P8、P11、…である。つまり、ブルーの黒基準データに相当する画像信号は、露光期間の直後に読み出されている。
同図に示すように、ブルーのLEDの点灯信号は、オフのままである。つまり、ブルーの黒基準データを生成する際には、ブルーのLEDは点灯せず、消灯したままである。一方、レッドとグリーンのLEDの点灯信号は、ブルーの黒基準データに相当する画像信号の露光期間を除く期間において、交互にオンになる。ゆえに、レッドとグリーンのLEDは、所定の時間間隔で点滅する。
つまり、ブルーの黒基準データに相当する画像信号の露光期間には、レッド、グリーンおよびブルーのLEDがともに消灯している一方、この露光期間以外の期間には、レッドまたはグリーンのLEDのいずれかが点灯している。
つまり、ブルーの黒基準データに相当する画像信号の露光期間には、レッド、グリーンおよびブルーのLEDがともに消灯している一方、この露光期間以外の期間には、レッドまたはグリーンのLEDのいずれかが点灯している。
制御部10は、期間P2、P5、P8、P11、…において読み出した画像信号を、ブルーの黒基準データとして用いる。制御部10は、これらの画像信号のそれぞれをデジタルデータに変換し、同一の位置に相当する各画素データを平均するなどして黒基準データを生成し、記憶部20に記憶させる。なお、これらの読み出し期間以外の期間に読み出された画像信号は、用いられずに破棄される。
制御部10は、点灯させるLEDの色を切り替えながら、これと同様の動作を繰り返し、グリーンおよびレッドの黒基準データを生成する。図7は、グリーンの黒基準データを生成する場合における、LEDの点灯タイミングと画像信号の読み出しタイミングとを示すタイミングチャートであり、図8は、レッドの黒基準データを生成する場合における、LEDの点灯タイミングと画像信号の読み出しタイミングとを示すタイミングチャートである。図7において、グリーンの黒基準データに相当する画像信号は、期間P3、P6、P9、P12、…において露光され、期間P4、P7、P10、P13、…において読み出される。また、図8において、レッドの黒基準データに相当する画像信号は、期間P2、P5、P8、P11、…において露光され、期間P3、P6、P9、P12、…において読み出される。
ここで図5のフローチャートの説明に戻る。各色の黒基準データを生成したら、制御部10は、続いて白基準データを生成する(ステップS4)。白基準データを生成するときには、制御部10は、ブルー、グリーンおよびレッドの各色のLEDを1色ずつ線順次に点灯させ、所定の白基準部材を表す画像信号を読み出し、これに基づいて各色毎の白基準データを生成する。なお、白基準部材は、用紙の搬送路の近傍に適当に設けられていてもよいが、画像が形成されていない白色の用紙を白基準部材として用いてもよい。
続いて、制御部10は、画像形成部60にテスト画像を形成させ、形成されたテスト画像を画像読取部70に読み取らせる(ステップS5)。このとき、画像読取部70は、形成されたテスト画像を表す画像信号を生成する。なお、画像読取部70がテスト画像を読み取る場合の、LEDの点灯タイミングと画像信号の読み出しタイミングは、図9に示すタイミングチャートのようになる。画像読取部70は、期間P1〜P3において、レッド、グリーンおよびブルーのそれぞれに対応する1行分の画像信号を露光し、これに続く期間P2〜P4において、直前の期間に露光された画像信号を読み出す。そして、画像読取部70は、2行目以降の画像信号も同様に読み出す。
そして、制御部10は、画像読取部70により生成されたこの画像信号を取得し、これを画像データに変換してRAMに一時的に記憶する。以下では、この画像データを他の画像データと区別するために、特に「読取画像データ」という。
そして、制御部10は、画像読取部70により生成されたこの画像信号を取得し、これを画像データに変換してRAMに一時的に記憶する。以下では、この画像データを他の画像データと区別するために、特に「読取画像データ」という。
ここで、制御部10は、上述したステップS1〜S5において得られたデータを用いて、濃度ムラ情報を生成する(ステップS6)。以下では、濃度ムラ情報の生成方法を説明する。
ここでは、読取画像データを構成する画素データのうちの主走査方向のある1ライン分の画素データとして、(r1,g1,b1)、(r2,g2,b2)、…、(ri,gi,bi)、…、(rn,gn,bn)を考える。ここにおいて、ri、giおよびbiは、それぞれ、i番目の画素データのレッド、グリーンおよびブルーの階調値を示しており、nは、主走査方向の画素数を示している。つまり、ここにおいて、読取画像データは、主走査方向にn画素である。なお、このnの値は、画像形成装置100において使用可能な用紙の最大サイズに対応するものであると望ましい。
ここでは、読取画像データを構成する画素データのうちの主走査方向のある1ライン分の画素データとして、(r1,g1,b1)、(r2,g2,b2)、…、(ri,gi,bi)、…、(rn,gn,bn)を考える。ここにおいて、ri、giおよびbiは、それぞれ、i番目の画素データのレッド、グリーンおよびブルーの階調値を示しており、nは、主走査方向の画素数を示している。つまり、ここにおいて、読取画像データは、主走査方向にn画素である。なお、このnの値は、画像形成装置100において使用可能な用紙の最大サイズに対応するものであると望ましい。
黒基準データおよび白基準データは、主走査方向の各画素について独立の値を有する。また、黒基準データは、レッド、グリーンおよびブルーのそれぞれについて存在するが、白基準データは、レッド、グリーンおよびブルーについて同一のデータである。ここで、レッド、グリーンおよびブルーの黒基準データを、それぞれ、Dri、Dgi、Dbi(i=1、2、…、n)とし、白基準データを、Wri、Wgi、Wbi(i=1、2、…、n)とする。すると、制御部10は、上述した画素データの各々に対して、以下の(1)、(2)、(3)式に示す演算を行い、補正前の画素データ(ri,gi,bi)から補正後の画素データ(Ri,Gi,Bi)を得る。
制御部10は、上述のような演算を読取画像データの各ラインについて行うことで、読取画像データを補正する。そして、制御部10は、この補正後の読取画像データに基づいてムラ補正情報を生成し、記憶部20に記憶させる。ムラ補正情報は、例えば、主走査方向の各画素について、画素データの階調値を変換するルックアップテーブルとなる。この場合、ルックアップテーブルは、主走査方向の各画素について異なるものとなる。もちろん、ムラ補正情報は、その他の態様であってもよい。
[実施形態の効果]
このように、本実施形態の画像形成装置100は、黒基準データと白基準データとを用いてムラ補正情報を生成するので、ムラ補正情報から画像読取部70に起因するノイズのを低減させることが可能となる。これにより、本実施形態の画像形成装置100は、画像形成部60の出力濃度ムラを良好に補正することが可能となる。
このように、本実施形態の画像形成装置100は、黒基準データと白基準データとを用いてムラ補正情報を生成するので、ムラ補正情報から画像読取部70に起因するノイズのを低減させることが可能となる。これにより、本実施形態の画像形成装置100は、画像形成部60の出力濃度ムラを良好に補正することが可能となる。
図10および図11は、本実施形態の効果を示すための図である。これらの図において、横軸は、主走査方向の各画素を表しており、一方の端点を「0」としている。なお、ここにおいて、画素とは、プリントむらデータを生成するために、主走査方向に連続した4つの撮像素子の画素の出力値を平均したものであり、また、PDアレイ73を構成する各チップの素子数は、1チップ当たり「472」である。つまり、図における1チップ当たりの画素の数は、「118(=472÷4)」である。また、縦軸は、PDアレイ73を構成する各撮像素子からの出力値を表しており、「0」を最小値とし、「255」を最大値とするデジタルデータに変換したものである。各図に示すグラフは、いずれもブルーのLEDを点灯させた際の黒地の高濃度チャートを読み取った際の出力値であり、同一条件にてセンサ通電10分後に出力を行ったときの400ライン分の平均値を示している。ただし、各グラフにおいては、出力値のうち「0」から「5」までを示している。
まず、図10は、全てのLEDを消灯した状態で暗時出力を測定した場合を黒補正の基準データDri、Dgi、Dbiとして前記の補正を行い、黒地の高濃度チャートを読み取った際の各撮像素子からの出力値を示す図である。つまり、図10は、本発明を適用しない場合を示すものである。同図において、縦軸方向の破線は、およそ118画素毎の間隔、すなわちPDアレイ73を構成する各チップの間隔を示している。同図においては、この間隔毎に出力値が大きく変動しているが、この変動は、隣接するチップ間において生じる誘導ノイズ等に起因するもので、黒基準データ読取時に、実データ読取時と同様にLEDを点灯しているか否かの差にあると認められる。
また、図11は、ブルー以外のLEDを点滅させながら黒基準データを生成し、濃度が出力値にして「2」程度のブラックを読み取った場合の各撮像素子からの出力値をこの黒基準データに基づいて補正した値を示す図である。このように、本発明を適用した場合(図11)とそうでない場合(図10)とでは、同一の画像を読み取っているにもかかわらず、出力値に明らかな相違を生じる。図10に示す出力値は、黒基準データの影響を強く受けている。すなわち、本発明を適用しない場合には、誘導ノイズ等の影響により、チップの境界に相当する位置の出力値に大きな変動を生じるため、画像読取部70自体に起因するノイズの影響を強く受けることが明らかである。
また、本実施形態の画像形成装置100は、黒基準データを生成するときに、全てのLEDを消灯するのではなく、対象となるLEDのみを消灯し、その他のLEDは、画像を読み取るときと同様の動作(図9参照)を行う。このようにすることで、点灯するLEDを切り替えるときに生じる誘導ノイズや電源の電圧変動を、画像を読み取るときと同じような状態にして黒基準データを生成することができる。そのため、画像読取部70に起因するノイズをより正確に反映した黒基準データを生成することが可能となる。また、黒基準データを各色で共通とせず、LEDの色に応じて用いることにより、高濃度となる画像の色再現性を向上させることが可能となる。
[変形例]
以上、一の好適な実施形態を示して本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。以下にその例を示す。
以上、一の好適な実施形態を示して本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。以下にその例を示す。
上述した実施形態においては、画像読取部70を一体に構成した画像形成装置100を示したが、上述した画像読取部70の動作を実現可能な画像読取装置として本発明を構成することも可能である。また、かかる画像読取装置は、画像形成装置に着脱自在な構成を有していてもよい。
また、上述した実施形態においては、光源はLEDであるとしたが、LEDと異なる光源であってもよい。また、照射する光の色についても、レッド、グリーンおよびブルーの3色に限定されず、その他の色であってもよい。加えて、光源が3色でなく、2色や4色以上であってもよい。
100…画像形成装置、10…制御部、20…記憶部、30…操作部、40…通信部、50…画像入力部、60…画像形成部、61Y、61M、61C、61K…転写ユニット、62…中間転写ベルト、63…転写ロール、64…定着器、65…搬送ロール、71…LEDアレイ、72…レンズアレイ、73…PDアレイ、70…画像読取部
Claims (5)
- 光を受容して受光量に応じた信号を生成する撮像素子を所定の方向に複数配置した受光手段と、
被撮像物において反射した光が前記撮像素子に入射するように光を照射する複数の照射手段であって、照射する光の色がそれぞれ異なる複数の照射手段と、
前記複数の照射手段による光の照射と前記受光手段により生成された信号の読み出しとを制御する制御手段であって、前記被撮像物を表す画像信号を生成する第1のモードと、補正の基準となる基準信号を読み出す第2のモードとにより制御を行う制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記第1のモードにより制御を行う場合、第1の期間においては、ある色の光を照射する前記照射手段に光を照射させる一方、当該色以外の色の光を照射する前記照射手段に光を照射させず、当該第1の期間の後の第2の期間においては、前記ある色の光と異なる色の光を照射する前記照射手段に光を照射させる一方、当該色以外の光を照射する前記照射手段に光を照射させずに、前記受光手段により生成された信号を前記ある色に対応する画像信号として読み出し、
前記第2のモードにより制御を行う場合、第1の期間においては、ある色の光を照射する前記照射手段と、その他の色の光を照射する前記照射手段とに光を照射させず、当該第1の期間の後の第2の期間においては、前記その他の色の光を照射する前記照射手段に光を照射させる一方、前記ある色の光を照射する前記照射手段に光を照射させずに、前記受光手段により生成された信号を前記ある色に対応する基準信号として読み出す
ことを特徴とする画像読取装置。 - 前記制御手段が前記第1のモードにおいて読み出した画像信号を、前記制御手段が前記第2のモードにおいて読み出した基準信号に基づいて補正する補正手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。 - 前記基準信号を前記複数の照射手段が照射する光の各色について記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、
前記第2のモードによる制御を前記複数の照射手段が照射する光の色の数と同じ回数行い、それぞれの前記第2のモードにおいて、前記複数の照射手段が照射する光のいずれかの色に対応する前記基準信号を読み出し、それぞれを前記記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。 - 前記複数の照射手段は、
赤色、緑色および青色の発光ダイオードアレイであり、前記受光手段と同一の基板により構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。 - 請求項1乃至4に記載の画像読取装置と、
シートに画像を形成する画像形成手段とを備え、
前記画像読取装置が、前記画像形成手段により画像が形成されたシートを前記被撮像物として読み取る
ことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007013083A JP2008182375A (ja) | 2007-01-23 | 2007-01-23 | 画像読取装置および画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007013083A JP2008182375A (ja) | 2007-01-23 | 2007-01-23 | 画像読取装置および画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008182375A true JP2008182375A (ja) | 2008-08-07 |
Family
ID=39725956
Family Applications (1)
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JP2007013083A Pending JP2008182375A (ja) | 2007-01-23 | 2007-01-23 | 画像読取装置および画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008182375A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017200089A (ja) * | 2016-04-28 | 2017-11-02 | ブラザー工業株式会社 | 画像読取装置 |
-
2007
- 2007-01-23 JP JP2007013083A patent/JP2008182375A/ja active Pending
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