JP3771022B2 - 組合せ秤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、合計重量が予め定めた目標重量に等しいか近い物品の組合せ、又は合計金額が予め定めた目標金額に等しいか近い物品の組合せを選択する組合せ秤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の上記組合せ秤には、例えば図4に示すように、10台の普通計量部1(11 〜110)と2台の優先計量部2(21 、22 )を有する手動式組合せ秤がある。この2台の各優先計量部21 、22 は、組合せに選択される物品3、・・・・に必ず含ませる物品3の重量を計量させるためのものであり、この2台の優先計量部21 、22 のうちの何れか一方で計量された物品3が組合せに必ず選択されるようになっている。組合せ計量を行うときは、これら各普通計量部1と各優先計量部2に人手によって物品3を載せる。すると、組合せ秤は、普通計量部1及び優先計量部2が物品3の重量に応じて生成する計量信号を種々に組合せ、これら組合せの中から合計重量が予め定めた許容重量範囲内であって目標重量に等しいか最も近い合計重量の組であり、かつ組を構成する物品3の中に何れか1台の優先計量部2が計量した物品3を含む組を選択する組合せ演算を行い、この選択された組合せを構成する物品3が載せられている普通計量部1及び優先計量部2を示す表示灯4(41 〜412)を点灯させる。図4には、点灯する例えば表示灯42 、44 、48 、411にハッチングを入れてある。
【0003】
次に、作業者は、点灯する表示灯42 、44 、48 と対応する普通計量部12 、14 、18 に載っている物品3を点灯する表示灯411と対応する優先計量部21 上に載っている箱5の中に移し替えて、組合せに選択された物品を収容する箱5を優先計量部21 から取り出す。これで1回の組合せ計量が終わる。次回以降の組合せ計量を行うときは、物品3を取り出した普通計量部12 、14 、18 及び優先計量部21 に新たに物品3、及び物品3を収容する箱5を載せればよく、これにより、組合せ演算が繰り返し行われる。
なお、図4に示すように、各優先計量部21 、22 には、目標重量の約60%の重量の物品3を載せてあり、これにより、作業者がそれぞれの普通計量部1に載せる物品3の重量を軽くすることができるし、組合せに選択された普通計量部1上の物品3を優先計量部2上に移し替える手間を軽減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の組合せ秤では、図4に示す組合せに選択された全ての普通計量部12 、14 、18 上の各物品3を、組合せに選択された1台の優先計量部21 上の箱5の中に投入する必要があるが、例えば作業者が組合せに選択された或る普通計量部1上の物品3を組合せに選択されなかった方の優先計量部22 上の箱5の中に間違って投入することがあり、その場合、組合せに選択された優先計量部21 上の箱5の中に収容されている物品3の合計重量が許容重量範囲の下限重量よりも軽くなることがある。
【0005】
また、普通計量部1及び優先計量部2の12台の計量部うちのいずれかの計量部が例えば故障若しくは調整不良となっていることにより、又は作業者の体が或る計量部1又は2の載台に触れた状態で計量が行われたことにより、その計量部が誤差を有する計量信号を生成することがある。そして、その誤差を有する計量信号が組合わせに選択された場合、組合せに選択された物品3の実際の合計重量が許容重量範囲外となっていることがある。図4に示す6(61 〜612)は、載皿である。
【0006】
そこで、上記の問題を解決するために、組合せに選択された物品3を箱5に投入した後に、それら物品3を収容する箱5を別個の計量装置(図示せず)により再度計量して、物品3を収容する箱5の重量が許容重量範囲内にあるか否かをチェックすることが行われている。
しかし、別個に計量装置を用意することは費用が掛かるし、計量装置を設置するためのスペースを必要とし、更に優先計量部21 の優先載皿61 上に載置されている物品3を収容する箱5をその別個の計量装置上に載せ替えるための手間が掛かるという問題がある。
【0007】
本発明は、組合せ秤と別個に計量装置を設ける必要がなく、組合せに選択された物品の合計重量が予め定めた許容重量範囲内であるか否かを判定することができる組合せ秤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る組合せ秤は、被計量物品の重量を計量する複数の計量手段と、上記計量手段により計量された物品の重量を種々に組合せこれらの中から予め定めた目標重量に等しいか近い合計重量の組を選択する組合せ演算手段と、を具備する組合せ秤において、上記複数の計量手段の中から1又は2以上の計量手段を上記組合せに選択された物品の合計重量を計量するための合計重量計量手段に切り替える切替手段を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
第2の発明に係る組合せ秤は、被計量物品の重量を計量する複数の計量手段と、上記計量手段により計量された物品の重量を種々に組合せ各組の合計重量と物品の重量当たりの金額とに基づき各組ごとに物品の合計金額を算出する第1の合計金額算出手段と、上記複数の合計金額の中から予め定めた目標金額に等しいか近い合計金額の組を選択する組合せ選択手段と、を具備する組合せ秤において、上記複数の計量手段の中から1又は2以上の計量手段を上記組合せに選択された物品の合計重量を計量するための合計重量計量手段に切り替える切替手段と、上記組合せに選択された物品を上記合計重量計量手段により計量して得られた合計重量と上記物品の重量当たりの金額とに基づき当該合計重量の物品の合計金額を算出する第2の合計金額算出手段と、を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
第3の発明に係る組合せ秤は、被計量物品の重量を計量する複数の計量手段と、これら複数の計量手段のうちから定められ組合せに選択される物品に必ず含ませる物品の重量を計量するための優先計量手段と、上記計量手段により計量された物品の重量を種々に組合せこれらの中から予め定めた目標重量に等しいか近い合計重量の組であり、かつ組を構成する物品に上記優先計量手段が計量した物品を含む組を選択する組合せ演算手段と、を具備する組合せ秤において、上記優先計量手段を上記組合せに選択された物品の合計重量を計量するための合計重量計量手段に切り替える切替手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
第4の発明に係る組合せ秤は、被計量物品の重量を計量する複数の計量手段と、これら複数の計量手段のうちから定められ組合せに選択される物品に必ず含ませる物品の重量を計量するための優先計量手段と、上記計量手段により計量された物品の重量を種々に組合せ上記優先計量手段が計量した物品の重量を含む各組の合計重量と物品の重量当たりの金額とに基づき当該各組ごとに物品の合計金額を算出する第1の合計金額算出手段と、上記複数の合計金額の中から予め定めた目標金額に等しいか近い合計金額の組を選択する組合せ選択手段と、を具備する組合せ秤において、上記優先計量手段を上記組合せに選択された物品の合計重量を計量するための合計重量計量手段に切り替える切替手段と、上記組合せに選択された物品を上記合計重量計量手段により計量して得られた合計重量と上記物品の重量当たりの金額とに基づき当該合計重量の物品の合計金額を算出する第2の合計金額算出手段と、を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
第1の発明に係る組合せ秤によると、組合せ演算手段は、各計量手段が生成する計量信号に基づいて組合せ演算を行い、予め定めた目標重量に等しいか近い合計重量の組を選択することができる。そして、切替手段によって複数の計量手段の中から1又は2以上の計量手段を合計重量計量手段に切り替えて、組合せに選択された物品を1台の合計重量計量手段上に移し替えることにより、組合せに選択された物品の合計重量をその合計重量計量手段により計量することができる。
【0013】
第2の発明に係る組合せ秤によると、第1の合計金額算出手段は、各計量手段が生成する計量信号に基づいて組合せ演算を行い、各組の合計重量と物品の重量当たりの金額とに基づき各組ごとに物品の合計金額を算出することができる。そして、組合せ選択手段が複数の合計金額の中から予め定めた目標金額に等しいか近い合計金額の組を選択することができる。そして、切替手段によって複数の計量手段の中から1又は2以上の計量手段を合計重量計量手段に切り替えて、組合せに選択された物品を1台の合計重量計量手段上に移し替えることにより、組合せに選択された物品の合計重量をその合計重量計量手段により計量することができ、そしてその合計重量計量手段により得られた合計重量と物品の重量当たりの金額とに基づき当該合計重量の物品の合計金額を第2の合計金額算出手段によって算出することができる。
【0014】
第3の発明に係る組合せ秤によると、組合せ演算手段は、各計量手段が生成する計量信号に基づいて組合せ演算を行い、予め定めた目標重量に等しいか近い合計重量の組であり、かつ組を構成する物品の中に優先計量手段が計量した物品を含む組を選択することができる。そして、切替手段によって優先計量手段を合計重量計量手段に切り替えて、組合せに選択された物品を1台の合計重量計量手段上に移し替えることにより、組合せに選択された物品の合計重量をその合計重量計量手段により計量することができる。
【0015】
第4の発明に係る組合せ秤によると、第1の合計金額算出手段は、各計量手段が生成する計量信号に基づいて組合せ演算を行い、優先計量手段が計量した物品の重量が含まれている各組の合計重量と物品の重量当たりの金額とに基づき当該各組ごとに物品の合計金額を算出することができる。そして、選択手段が複数の合計金額の中から予め定めた目標金額に等しいか近い合計金額の組を選択することができる。そして、切替手段によって優先計量手段を合計重量計量手段に切り替えて、組合せに選択された物品を1台の合計重量計量手段上に移し替えることにより、組合せに選択された物品の合計重量をその合計重量計量手段により計量することができ、そして合計重量計量手段により得られた合計重量と物品の重量当たりの金額とに基づき当該合計重量の物品の合計金額を第2の合計金額算出手段によって算出することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る組合せ秤の第1実施形態を各図を参照して説明する。この実施形態は、物品3の供給及び排出を手動で行う手動式の組合せ秤であって、図4に示す従来の組合せ秤と相違するところは、従来の組合せ秤では、組合せに選択された物品3を一纏めにした状態でその合計重量を計量してチェックすることができない構成であり、合計重量を計量してチェックするためには組合せ秤とは別個に計量装置を必要とするものであるのに対して、この実施形態の組合せ秤では、組合せに選択された物品3を一纏めにした状態でその合計重量を合計重量計量部2’により計量してチェックすることができる構成としたところである。なお、この合計重量計量部2’は、優先計量部2を電気的に切り替えて合計重量を計量することができるようにしたものである。
【0017】
組合せ秤は、図2に示すように、平板状の本体7上に、6台ずつ2列に合計12枚の載皿6(61 〜612)を有している。これら各載皿61 〜612は、本体7内に収容されている例えばロードセル等の重量検出部8(81 〜812)によって支持されている。そして、これら載皿61 〜610と重量検出部81 〜810とからなる10台の計量部が普通計量部1(11 〜110)を構成し、載皿611、612と重量検出部811、812とからなる計量部が優先計量部2(21 、22 )を構成している。この2台の優先計量部21 、22 は、組合せに選択される物品3の中に必ず含ませる物品3の重量を計量するためのものである。
【0018】
これら各重量検出部8は、対応する載皿6上に載せられた物品3の重量を表すアナログ計量信号を生成し、これらアナログ計量信号は、図3に示すそれぞれのA/D変換器9(91 〜912)によってデジタル計量信号に変換され、マイクロコンピュータ10の入力インターフェース11を介してCPU(中央演算処理装置)12に供給される。
【0019】
CPU12には、入力インターフェース11を介して設定入力部13から組合せ演算の目標重量、その許容値が入力される。更に、CPU12には、優先計量部2を合計重量計量部2’に切り替える切替指令、及び合計重量計量部2’を優先計量部2に切り替える切替指令が、設定入力部13の切替手段(切替キー)から入力インターフェース11を介して入力される。
【0020】
CPU12は、記憶部14のROMに記憶されているプログラムに従って、設定された目標重量と許容値を出力インターフェイス15を介して目標重量及び許容値表示部16に出力して表示させ、更に、組合せ演算を行い、それぞれの計量部1、2により計量された物品3の重量を種々に組合せ、これらの中から設定されている目標重量に等しいか若しくは許容値の範囲内であって目標重量に最も近い合計重量の組であり、かつ組を構成する物品3に2台の優先計量部2のうちのいずれか一方の優先計量部2が計量した物品3を含む組を選択し、その選択された組合せの合計重量と組合せ数を出力インターフェース15を介して組合せ合計重量表示部17と組合せ数表示部18にそれぞれ出力して表示させる。なお、組合せ数は、組合せに選択された物品3の個数であり、各優先計量部2で計量される物品3の個数を予め組合せ秤に設定しておくことにより、組合せに選択された物品3の合計個数を算出することができる。この組合せ数をカウントするのが図3に示すカウンタ19である。更に、CPU12は、図2に示すように、各載皿61 〜612の近傍に、これらに対応させて設けられている組合せ表示灯4(41 〜412)のうち、選択された組合せを構成する物品3が載せられている載皿6に対応する表示灯4に出力インターフェース15を介して信号を出力して点灯させる。
【0021】
また、CPU12は、組合せに選択された優先計量部2を合計重量計量部2’に切り替える切替指令が入力すると、組合せに選択された物品3が載置されている優先計量部2を合計重量計量部2’に切り替えて、組合せに選択された物品3がこの合計重量計量部2’上に移し替えられたときに、その合計重量を出力インターフェース15を介して組合せ合計重量表示部17に出力して表示させる。そして、CPU12は、合計重量計量部2’を優先計量部2に切り替える切替指令が入力すると、合計重量計量部2’を優先計量部2に切り替えてこの優先計量部2により計量された物品3の計量信号を、上記組合せ演算に参加させる。
【0022】
また、CPU12は、このようにして組合せ演算を行い、組合せを選択するごとに、選択された物品3の組合せ数、組合せ合計重量等を出力インターフェース15を介してラベルプリンタ20に出力して印字させる。この印字されたラベルは、組合せに選択された物品3が詰め合わされる箱5に貼られる。そして、記憶部14のRAMは、CPU12が上記のような組合せ演算及び制御を行う際に、例えばそれに用いるデータを一時的に記憶するためのものである。
これら設定入力部13、マイクロコンピュータ10、組合せ数表示部18、目標重量及び許容値表示部16、組合せ合計重量表示部17は、図2に示す制御盤21に設けられており、この制御盤21は支柱22によって支持されている。
【0023】
上記のように構成された組合せ秤は、図1に示すフローチャートのように動作する。この組合せ秤は、図4に示す従来の組合せ秤のように、各優先計量部21 、22 の優先載皿611、612には、目標重量の約60%の重量の物品3(箱5の重量を含む)を載置し、各普通計量部11 〜110の普通載皿61 〜610には、目標重量の約13%の重量の物品3を載置することとしている。これによって、3つの普通載皿6上の物品3と1つの優先載皿6上の箱5に収容されている物品3が組合せに選択されるように目標組合せ個数が決められている。そして、物品3が収容され、各優先載皿6上に載せられる各箱5は既知の同一重量であり、目標重量には箱5の重量が含まれている。
まず、作業者が電源をONにした後に、設定入力部13を操作して目標重量と許容値とからなる許容重量範囲を設定する。なお、この場合、目標重量が許容重量範囲の下限値として設定され、許容値は許容重量範囲の上限値として設定されるようになっており、従って組合せに選択される物品3の合計重量(箱5の重量を含む)は必ず目標重量(下限値)以上であり許容値(上限値)以下となる。
【0024】
次に、作業者が各載皿6に順次物品3を載せていく(S100)。そして、CPU12が2台の優先計量部21 、22 のうち少なくとも何れか一方の優先計量部2の優先載皿6上に物品3が収容された箱5が載せられたか否かを判定する(S102)。優先計量部2に物品3が収容された箱5が載せられているか否かを判定するのは、組合せに選択される物品3の中に優先計量部2により計量された物品3を必ず含ませるようにしているからである。従って、両方の優先計量部2に物品3が収容された箱5が載せられておらず、NOと判定したときは、少なくとも何れか一方の優先計量部2の優先載皿6上に物品3が収容された箱5を載せる。そして、少なくとも何れか一方の優先載皿6に物品3が収容された箱5が載置されてYESと判定したときは、CPU12の組合せ演算手段が組合せ演算を行い、普通計量部1及び優先計量部2のそれぞれの計量部により計量された物品3の重量を種々に組合せ、これらの中から設定されている許容重量範囲内であって目標重量に最も近い合計重量の組であり、かつ組を構成する物品3に2台の優先計量部2のうちのいずれか一方の優先計量部2が計量した物品3を含む組合せがあるか否かを判定する(S104)。この組合せ演算の技術は公知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0025】
ステップS104において、上記組合せ演算により計算された各合計重量の中に上記条件を満足するものが存在せず、NOと判定したときは、組合せが存在しない旨を表示部16に表示させる。この際、作業者は、いずれかの普通載皿6上の物品3を他の物品3と取り替え、ステップS100以降の処理を行う。
ステップS104において、YESと判定したときは、CPU12はその組合せを選択してその選択した組合せを構成する物品3が載っている載皿6に対応する表示灯4を点灯して排出を促す(S106)。この選択された組合せを構成する物品3は、2台の優先計量部2のうちの何れか一方の優先計量部2の優先載皿611又は612に載っている箱5に収容されている物品3と1又は2以上の普通計量部1の普通載皿6に載っている物品3とからなっており、合計重量が許容重量範囲内であって目標重量に最も近いものである。この組合せに選択された物品3及び箱5の合計重量は、組合せ合計重量表示部17に表示され、組合せ数が組合せ数表示部18に表示される。この組合せ数は、組合せに選択された箱5に収容されている物品3と組合せに選択された普通載皿6に載っている物品3の合計個数である。
【0026】
次に、作業者は、設定入力部13の切替手段を操作する。すると、組合せに選択された優先計量部2が自動的に合計重量計量部2’に切り替わる(S108)。次に、点灯している例えば表示灯42 、44 、47 に対応する普通載皿62 、64 、67 上のそれぞれの物品3を取り出して、点灯している表示灯411に対応する合計重量計量部21 ’(優先計量部21 )の合計載皿611(優先載皿611)上の箱5の中に投入する(S110)。この時、点灯している表示灯42 、44 、47 と対応する普通載皿62 、64 、67 上の物品3が取り除かれると、各表示灯42 、44 、47 が順次消灯する(S112)。ただし、消灯している表示灯4と対応する普通載皿6上の物品3(組合せに選択されていない物品3)を取り除くと、ブザーが鳴ると共に、対応する表示灯4が点滅して作業者に警告することができる。ただし、その物品3を元の普通載皿6上に戻すと、ブザーが停止すると共に、対応する表示灯4の点滅が止まり消灯する。次に、点灯している表示灯42 、44 、47 と対応する全ての普通載皿62 、64 、67 上の物品3が取り除かれて、それらの物品3が合計載皿611上の箱5の中に投入されたか否かをCPU12が判定し(S114)、点灯している表示灯42 、44 、47 と対応する全ての普通載皿62 、64 、67 上の物品3が取り除かれておらずNOと判定したときは、それらの物品3が取り除かれるまで待つ。
【0027】
表示灯42 、44 、47 が点灯している全ての普通載皿62 、64 、67 上の物品3が取り除かれて、それらの全ての物品3が組合せに選択された合計載皿611上の箱5の中に投入されたときは、YESと判定し、その合計重量計量部21 ’(優先計量部21 )の計量信号が安定する所定の安定時間が経過した後に(S116でYESと判定したときに)、その合計載皿611上に載置されている箱5及びその箱5に収容されている物品3の合計重量を読み取り、この合計重量が許容重量範囲内にあるか否かを判定する(S118)。このように、合計重量計量部21 ’によって箱5の重量を含む組合せに選択された物品3の合計重量を計量して、その合計重量が許容重量範囲内にあるか否かを判定することにより、箱5に収容されている物品3の合計重量(箱5の重量を除く)が規定の許容重量範囲(箱5の重量を除く)内であるか否かのチェックを行うことができる。
【0028】
ステップS118において、箱5の重量を含む物品3の合計重量が許容重量範囲内であり、YESと判定したときは、CPU12が自動的に合計重量計量部21 ’(優先計量部21 )と対応する表示灯411を消灯させる(S120)。当該表示灯411が消灯したことによって、作業者は、箱5の重量を含む物品3の合計重量が許容重量範囲内であることを確認することができ、この確認後、合計重量計量部21 ’の合計載皿611から計量済み物品3を収容する箱5を取り除き、設定入力部13の切替手段を操作して合計重量計量部21 ’を優先計量部21 に切り替える(S122)。この際、ラベルプリンタ20は、合計重量計量部21 ’により計量されて得られた箱5を含む物品3の合計重量、及び組合せ数(物品3の個数)等のデータをラベル(図示せず)に印字してそのラベルを発行する。作業者は、このラベルを計量済み物品3が収容されている箱5に貼着することにより物品3の組合せ計量が終了する。次の組合せ計量を行うときは、ステップ100に戻り、作業者が、物品3が載っていない普通載皿6上に物品3を1個ずつ載せると共に、優先載皿6上に目標重量の約60%の物品3を収容している箱5を載せ、上記と同様の処理及び作業を行うことにより組合せ計量を繰り返し行うことができる。
【0029】
ただし、ステップS118において、組合せに選択された物品3が収容されている箱5の合計重量が許容重量範囲内でなくNOとCPU12が判定したときは、合計重量計量部21 ’と対応する表示灯411を点滅させて(S124)、その旨を作業者に警報する。作業者は、合計重量計量部21 ’の表示灯411が点滅したときは、その異常の原因を調べる。異常の原因として、例えば、作業者が普通載皿62 、64 、67 上の物品3を組合せに選択されなかった方の優先計量部22 の優先載皿612上の箱5の中に間違って投入したこと、組合せに選択された物品3の重量を計量した普通計量部12 、14 、17 及び優先計量部21 のうちのいずれかの計量部が故障又は調整不良となっていること、及び作業者の体が組合せに選択された物品3が載せられていた普通載皿62 、64 、67 又は優先載皿611に触れた状態で計量が行われたこと等が考えられる。
【0030】
上記のように、作業者の作業ミスや計量部1、2の異常等により、物品3の組合せ計量が正確に行われず、組合せに選択された物品3が収容されている箱5の合計重量が許容重量範囲外となっている場合には、表示灯411が点滅して作業者がその異常を確認することができるので、合計重量が許容重量範囲外の物品3が出荷されることを確実に防止することができる。更に、計量部1、2が異常であればその異常を取り除いて次回以降の計量を精度良く行わせることができる。そして、合計重量計量部21 ’の合計載皿611に載っている箱5を取り除くと共に、計量部1、2等の異常が取り除かれて、次回の組合せ計量を行うときは、設定入力部13の切替手段を操作して合計重量計量部21 ’を優先計量部21 に切り替える(S122)。これにより、上記と同様にして、ステップS100以降の手順に従って次回以降の組合せ計量を繰り返し行うことができる。
【0031】
また、この組合せ秤によると、設定入力部13に設けられている切替手段(切替キー)によって組合せに選択された物品3が計量された優先計量部2を合計重量計量部2’に切り替えることができる構成であるので、組合せ秤と別個に計量装置を設けることなく、しかも組合せ秤に専用の合計重量計量部2’を設けることなく、優先計量部2から切り替えられた合計重量計量部2’により組合せに選択された物品3の合計重量を計量し直して、組合せに選択された物品3の合計重量が許容重量範囲内であるか否かをチェックすることができる。これにより、組合せに選択された物品3の合計重量を計量するための別個の計量装置及びその設置場所を不要とすると共に、組合せ秤上の物品3を収容する箱5を計量装置に載せ替える手間を不要とすることができる。
【0032】
次に、第2実施形態の組合せ秤を説明する。第1実施形態と第2実施形態の組合せ秤が特に相違するところは、第1実施形態の組合せ秤では、普通計量部1及び優先計量部2により計量された物品3の重量を種々に組合せ、これらの中から予め定めた許容重量範囲内であって目標重量に最も近い合計重量の組であり、かつ組を構成する物品3に2台の優先計量部2のうちのいずれか一方の優先計量部2が計量した物品3(箱5の重量を含む)を含む組合せを選択する組合せ演算手段(S104、S106等)を設けた構成であるのに対して、第2実施形態の組合せ秤では、ステップS104、S106に代えて、普通計量部1及び優先計量部2により計量された物品3の重量を種々に組合せ、何れか一方の優先計量部2が計量した物品3の重量を含む各組の合計重量と物品3の重量当たりの金額とに基づいて当該各組ごとに物品3の合計金額を算出する第1の合計金額算出手段をCPU12に設け、これら複数の合計金額の中から予め定めた許容金額範囲内であって目標金額に最も近い合計金額の組合せを選択する組合せ選択手段をCPU12に設けた構成としたところ、及び第1実施形態の組合せ秤では、組合せに選択された物品3が投入されている箱5の合計重量を合計重量計量部2’が計量して、その合計重量が許容重量範囲内であるか否かを判定(S118)する構成であるのに対して、第2実施形態の組合せ秤では、ステップS118に代えて、組合せに選択された物品3が投入されている箱5の合計重量を合計重量計量部2’が計量して、その合計重量計量部2’により計量して得られた合計重量と物品3の単位重量当たりの金額とに基づき、当該合計重量の物品3の合計金額を算出する第2の合計金額算出手段をCPU12に設け、その合計金額が許容金額範囲内であるか否かを判定する判定手段を設けた構成としたところである。
【0033】
そして、上記許容金額範囲は、目標金額と許容金額とを設定入力部13を操作して設定することができる。この場合、第1実施形態と同様に、目標金額が許容金額範囲の下限値として設定され、許容金額は許容金額範囲の上限値として設定され、従って、組合せに選択される物品3の合計金額は必ず目標金額(下限金額)以上であり許容金額(上限金額)以下となる。
また、図3に示す目標重量及び許容値表示部16は、設定された目標金額及び許容金額を表示し、組合せ合計重量表示部17は、組合せに選択された物品3の合計重量と対応する合計金額と合計重量計量部2’により計量して得られた物品3の合計重量と対応する合計金額の両方を表示するようになっている。
これ以外は第1実施形態と同等であり、同等部分の詳細な説明を省略する。
【0034】
上記組合せ秤によると、物品3の詰め合わせを製造するときに、目標重量を決めてそれに近い合計重量となるような詰め合わせを作らずに、目標金額を決めてそれに近い合計金額となるような詰合せを作る場合があり、その場合、この第2実施形態の組合せ秤を使用すると、目標金額と許容金額とを設定することにより、自動的に合計金額が許容金額範囲内であり、目標金額に最も近い物品3の詰合せを製造することができる。
【0035】
ただし、上記第1及び第2実施形態の組合せ秤では、図2に示す右端の2台の計量部を優先計量部21 、22 として固定的に設けた構成としたが、優先計量部2を固定的に設けずに、図2に示す12台の計量部を普通計量部11 〜112として設け、この12台の普通計量部11 〜112のうちから作業者が所望する台数の所望の箇所の普通計量部1を選択して優先計量部2として機能するように切替え可能な構成としてもよい。普通計量部1を優先計量部2に切替えるときは、設定入力部13に設けた優先計量部切替え手段(切替キー)を作業者が操作することにより行う構成とする。このように構成することにより、例えば組合せ秤の各載皿61 〜612上への物品3の供給作業、普通載皿6上の物品3を合計重量計量部2’の合計載皿6上に移し替える作業、及びこの合計載皿6上の物品3を取り除く作業等の作業性に応じて、所望の普通計量部1を優先計量部2に切り替えることができ、上記計量作業の作業性の向上を図ることができる。なお、作業者が優先計量部切替え手段を操作して、例えば2台の普通計量部1をそれぞれ優先計量部2に切り替えて、その一方の優先計量部2が組合せに選択された際には、上記各実施形態と同様に、作業者が設定入力部13の切替手段を操作してその選択された優先計量部2を合計重量計量部2’に切り替えることができ、この合計重量計量部2’により組合せに選択された物品3の合計重量を計量してチェックすることができる。
【0036】
そして、上記第1及び第2実施形態の組合せ秤では、作業者が設定入力部13の切替手段を操作して組合せに選択された優先計量部2を合計重量計量部2’に切り替える構成としたが、優先計量部2を合計重量計量部2’に切り替える代わりに、作業者が設定入力部13の切替手段を操作して普通計量部1を合計重量計量部2’に切り替える構成としてもよい。
【0037】
また、上記第1及び第2実施形態の組合せ秤では、2台の優先計量部2を設け、この2台の優先計量部2のうち組合せに選択された方の優先計量部2を合計重量計量部2’に切り替える構成としたが、2台の優先計量部2を削除して、この2台の優先計量部2の代わりに2台の普通計量部1を設けて合計12台の普通計量部1から成る構成とし、組合せに選択された普通計量部1のうち作業者が所望する普通計量部1を合計重量計量部2’に切り替えることができる構成としてもよい。組合せに選択された普通計量部1のうち作業者が所望の普通計量部1を合計重量計量部2’に切り替えるときは、設定入力部13に設けた切替手段を操作することにより行うこととする。
【0038】
更に、上記第1及び第2実施形態の組合せ秤、及び上記3つの各ただし書きに記載されている組合せ秤では、作業者が設定入力部13に設けられている切替手段を操作することにより組合せに選択された優先計量部2又は普通計量部1を合計重量計量部2’に切り替える構成としたが、作業者が組合せに選択された優先計量部2又は普通計量部1の載皿6上の物品3を組合せに選択された或る1台の計量部1又は2の載皿6上に物品3を移し替えた時に、その物品3が移し替えられた載皿6を支持する優先計量部2又は普通計量部1を合計重量計量部2’に自動的にCPU12が切り替える構成としてもよい。つまり、組合せに選択された或る1台の優先計量部2又は普通計量部1の載皿6上に物品3が移し替えられた時に、物品3が移し替えられたその優先計量部2又は普通計量部1が増加した重量を検出し、CPU12がその増加した重量信号に基づいて、その計量部2又は1を自動的に合計重量計量部2’に切り替える構成であり、このように、自動的に合計重量計量部2’に切り替わることにより、作業者による切り替え操作が不要であり、作業性の向上を図ることができるし、作業者が切り替えた合計重量計量部2’と組合せに選択された物品3を移し替えようとする計量部との不一致による作業ミスを解消することができる。
【0039】
そして、上記第1及び第2実施形態の組合せ秤では、図2に示す組合せ秤の右端に設けられている2台の両方の計量部を優先計量部2として設けた構成としたが、この2台の両方の計量部を優先計量部2とせずに、図2に示す12台の計量部のうち、いずれか1台又は2台以上の計量部を優先計量部2とした構成としてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態の組合せ秤では、組合せに選択された1台の優先計量部2を合計重量計量部2’に切り替える構成としたが、組合せに選択された全ての優先計量部2及び普通計量部1を合計重量計量部2’に切り替える構成としてもよい。これにより、組合せに選択された物品が載置されている何れの優先計量部2及び普通計量部1によっても物品の合計重量を計量してチェックすることができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係る組合せ秤によると、切替手段によって組合せ秤に設けられている複数の計量手段の中から1又は2以上の計量手段を合計重量計量手段に切り替えることができる構成であるので、組合せ秤と別個に計量装置を設けることなく、しかも組合せ秤に専用の合計重量計量手段を設けることなく、計量手段から切り替えられた合計重量計量手段により組合せに選択された物品の合計重量を計量し直して、組合せに選択された物品の合計重量が許容重量範囲内であるか否か、又は組合せに選択された物品の合計金額が許容金額範囲内であるか否かをチェックすることができる。これにより、組合せに選択された物品の合計重量を計量するための別個の計量装置及びその設置場所を不要とすることができ、しかも組合せに選択された物品を組合せ秤と別個に配置されている計量装置上に移し替える手間も不要とすることができる。
【0041】
第3及び第4の各発明に係る組合せ秤によると、切替手段によって優先計量手段を合計重量計量手段に切り替える構成であるので、組合せに選択された優先計量手段以外の計量手段上の物品を比較的簡単にスムースに合計重量計量手段に移し替えることができる。つまり、例えば図4に示す従来の組合せ秤で説明したように、優先計量手段以外の計量手段よりも優先計量手段の方に重い重量(例えば目標重量の約60%の重量)の物品を計量させる場合は、それぞれの計量手段に略同じ重量の物品を計量させる場合と比較して、優先計量手段以外の計量手段から合計重量計量手段である優先計量手段に移し替える物品の重量が比較的軽くて済むからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る組合せ秤の動作手順を示すフローチャートである。
【図2】同第1実施形態に係る組合せ秤の外観斜視図である。
【図3】同第1実施形態に係る組合せ秤の電気回路を示すブロック図である。
【図4】従来の組合せ秤の外観平面図である。
【符号の説明】
1(11 〜110) 普通計量部
2(21 、22 ) 優先計量部
2’ 合計重量計量部
3 物品
4(41 〜412) 表示灯
5 箱
6(61 〜612) 載皿
10 マイクロコンピュータ
12 CPU

Claims (4)

  1. 被計量物品の重量を計量する複数の計量手段と、上記計量手段により計量された物品の重量を種々に組合せこれらの中から予め定めた目標重量に等しいか近い合計重量の組を選択する組合せ演算手段と、を具備する組合せ秤において、
    上記複数の計量手段の中から1又は2以上の計量手段を上記組合せに選択された物品の合計重量を計量するための合計重量計量手段に切り替える切替手段を設けたことを特徴とする組合せ秤。
  2. 被計量物品の重量を計量する複数の計量手段と、上記計量手段により計量された物品の重量を種々に組合せ各組の合計重量と物品の重量当たりの金額とに基づき各組ごとに物品の合計金額を算出する第1の合計金額算出手段と、上記複数の合計金額の中から予め定めた目標金額に等しいか近い合計金額の組を選択する組合せ選択手段と、を具備する組合せ秤において、
    上記複数の計量手段の中から1又は2以上の計量手段を上記組合せに選択された物品の合計重量を計量するための合計重量計量手段に切り替える切替手段と、上記組合せに選択された物品を上記合計重量計量手段により計量して得られた合計重量と上記物品の重量当たりの金額とに基づき当該合計重量の物品の合計金額を算出する第2の合計金額算出手段と、を設けたことを特徴とする組合せ秤。
  3. 被計量物品の重量を計量する複数の計量手段と、これら複数の計量手段のうちから定められ組合せに選択される物品に必ず含ませる物品の重量を計量するための優先計量手段と、上記計量手段により計量された物品の重量を種々に組合せこれらの中から予め定めた目標重量に等しいか近い合計重量の組であり、かつ組を構成する物品に上記優先計量手段が計量した物品を含む組を選択する組合せ演算手段と、を具備する組合せ秤において、
    上記優先計量手段を上記組合せに選択された物品の合計重量を計量するための合計重量計量手段に切り替える切替手段を設けたことを特徴とする組合せ秤。
  4. 被計量物品の重量を計量する複数の計量手段と、これら複数の計量手段のうちから定められ組合せに選択される物品に必ず含ませる物品の重量を計量するための優先計量手段と、上記計量手段により計量された物品の重量を種々に組合せ上記優先計量手段が計量した物品の重量を含む各組の合計重量と物品の重量当たりの金額とに基づき当該各組ごとに物品の合計金額を算出する第1の合計金額算出手段と、上記複数の合計金額の中から予め定めた目標金額に等しいか近い合計金額の組を選択する組合せ選択手段と、を具備する組合せ秤において、
    上記優先計量手段を上記組合せに選択された物品の合計重量を計量するための合計重量計量手段に切り替える切替手段と、上記組合せに選択された物品を上記合計重量計量手段により計量して得られた合計重量と上記物品の重量当たりの金額とに基づき当該合計重量の物品の合計金額を算出する第2の合計金額算出手段と、を設けたことを特徴とする組合せ秤。
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