JP3768825B2 - 電磁アクチュエータ、リニアモータ、露光装置、半導体デバイス製造方法、半導体製造工場および露光装置の保守方法 - Google Patents
電磁アクチュエータ、リニアモータ、露光装置、半導体デバイス製造方法、半導体製造工場および露光装置の保守方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定子と可動子から成る電磁アクチュエータおよびリニアモータに関し、さらには、電磁アクチュエータまたはリニアモータを具備する露光装置、前記露光装置を用いた半導体デバイス製造方法、前記露光装置を含む半導体製造工場および前記露光装置の保守方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体デバイス等の製造に用いられる露光装置としては、基板(ウエハやガラス基板)をステップ移動させながら基板上の複数の露光領域に原版(レチクルやマスク)のパターンを投影光学系を介して順次露光するステップ・アンド・リピート型の露光装置(ステッパと称することもある)や、ステップ移動と走査露光とを繰り返すことにより、基板上の複数の領域に露光転写を繰り返すステップ・アンド・スキャン型の露光装置(スキャナと称することもある)が代表的である。特にステップ・アンド・スキャン型の露光装置は、スリットにより光束を制限して投影光学系の比較的光軸に近い部分の光のみを使用しているため、より高精度且つ広画角な微細パターンの露光が可能となっている。
【0003】
これら露光装置はウエハやレチクルを高速で移動させて位置決めするステージ装置(ウエハステージ、レチクルステージ)を有している。このステージ駆動方法としては一般にローレンツ力によるリニアパルスモータ(リニアモータ)を使用している。リニアモータを用いることにより、ステージ可動部と固定部が非接触で高速駆動し、しかも高精度な位置決めが可能となっている。
【0004】
昨今、位置決め処理の高速化(スループットの向上)に伴うステージ加速度は増加の一途であり、例えばステップ・アンド・スキャン型の露光装置では、いまやステージの最大加速度はレチクルステージで5×9.81m/s2 (5G)、ウエハステージで1×9.81m/s2 (1G)にも達する。さらにレチクルや基板の大型化に伴ってステージの質量も増大している。このため、<移動体の質量>×<加速度>で定義される駆動力は非常に大きなものとなり、ステージ駆動用リニアモータの発熱量も増加し、発熱が周りに与える影響が問題として顕在化しつつある。従来よりコイルからの発熱を抑えるためにコイル近傍に冷却用冷媒を流しているが、その流し方として、図6に示すコイル支持部だけを冷却する方法や、図7に示すコイル全体を冷却する方法などが挙げられる。図6および図7は共に、固定子1にコイル4を設けて可動子2を駆動するリニアモータを模式的に示したものであり、図6(a)および図7(a)は正面図を、図6(b)および図7(b)は各々をD−D’およびE−E’で切った断面図を示す。図6に示すように、コイル4を一部分で支持するコイル支持部材33の内部のみに冷媒流路32を通してコイル支持部だけを冷却する方法は、支持部以外が露出しているため、熱が周りに与える影響が大きくなる。また、図7に示すように、コイル4全体を支持するコイル支持部材33の内部全体に冷媒流路32を通し、コイル全体を冷却する方法は図6に示すコイル支持部だけを冷却する方法と比較して、熱が周りに与える影響は少なくなるが、冷却用冷媒の上流部と下流部で温度分布ができてしまい、リニアモータの表面温度を均一にすることができず、この温度差が周りに影響を与えてしまう。
【0005】
一方、従来、LSI、超LSI等の極微細パターンから形成される半導体素子の製造工程において、マスクに描かれた回路パターンを感光剤が塗布された基板上に縮小投影して焼き付け形成する縮小型投影露光装置が使用されている。半導体素子の実装密度の向上に伴いパターンのより一層の微細化が要求され、露光装置の微細化への対応がなされてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
高精度な位置決めが可能な上記リニアモータを使用して、高速な位置決めを行うためには大きな駆動力を発生させる必要があるが、そのためにはコイルに大きな電流を流さなければならない。そして、そのような大きな電流を流すことによりコイルの発熱量が大きくなってしまう。
【0007】
また、半導体露光装置では高精度な位置決めを行うために、通常干渉計を使用しているが、コイルからの発熱の影響により干渉計の光軸やミラーが設置されているリニアモータ近傍やステージ空間において温度の上昇および揺らぎを起こしてしまい、干渉計計測精度を落としてしまう。
【0008】
本発明の目的は、第1にコイルからの発熱による外部空間への影響を抑えることができる電磁アクチュエータおよびリニアモータを提供することである。第2に露光時の位置決め処理を高速化し、ひいてはスループットを向上し、且つ高精度な位置決めを行い微細なパターンの露光が可能な露光装置、並びに前記露光装置を用いた半導体デバイス製造方法、前記露光装置を含む半導体製造工場および前記露光装置の保守方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の電磁アクチュエータおよびリニアモータは固定子と、固定子に沿って移動する可動子から成り、固定子と可動子のいずれか一方に磁石を、他方にコイルを有し(固定子に磁石、可動子にコイル、または固定子にコイル、可動子に磁石)、コイル近傍にコイル冷却用冷媒流路を備え、固定子の内部もしくは表面または可動子の内部もしくは表面の少なくとも一部に、その表面の温度を調節するための温度調節用冷媒流路を少なくとも一つ備えることを特徴とする。通常、固定子はガイド面を有し、可動子はこのガイド面に沿って移動する。
【0010】
本発明の露光装置は、上記本発明の電磁アクチュエータ、リニアモータまたはその両方を具備し、原版のパターンを基板に露光する際に、リニアモータにより原版または基板を搭載するステージを駆動し、電磁アクチュエータにより原版または基板を搭載するステージの姿勢を調節することを特徴とする。
【0011】
本発明の半導体デバイス製造方法は、上記本発明の露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群を半導体製造工場に設置する工程と、この製造装置群を用いて複数のプロセスによって半導体デバイスを製造する工程とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の半導体製造工場は、上記本発明の露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群と、この製造装置群を接続するローカルエリアネットワークと、このローカルエリアネットワークから工場外の外部ネットワークにアクセス可能にするゲートウェイを有し、製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信することを可能にしたものである。
【0013】
本発明の保守方法は、半導体製造工場に設置された上記本発明の露光装置の保守方法であって、露光装置のベンダーもしくはユーザーが、半導体製造工場の外部ネットワークに接続された保守データベースを提供する工程と、半導体製造工場内から外部ネットワークを介して保守データベースへのアクセスを許可する工程と、保守データベースに蓄積される保守情報を外部ネットワークを介して半導体製造工場側に送信する工程とを有することを特徴とする。
【0014】
【作用】
上述の構成を有する本発明によれば、コイル冷却用冷媒流路を通る第1冷媒によりコイルからの熱の大半を回収し、温度調節用冷媒流路を通る第2冷媒により第1冷媒で回収できなかった熱の回収を行い、電磁アクチュエータまたはリニアモータ全体を効率よく冷却することができる。また、第2冷媒での熱回収を第1冷媒のそれと比較してかなり少なくできるため、電磁アクチュエータやリニアモータ表面においては、冷媒上流と下流の温度分布は殆ど無視できるものとなる。また、電磁アクチュエータまたはリニアモータの近傍、特に露光装置のステージ空間等への熱による影響を抑えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明の温度調節用冷媒流路は、固定子の内部もしくは表面または可動子の内部もしくは表面の少なくとも一部に設けられている。すなわち、本発明では形状による局所的な発熱部分、冷却の必要な部分等がある場合には、その部分に温度調節用冷媒流路を配置して効率的に冷却することができる。これにより、熱による影響が深刻な機器の近傍を重点的に冷却したり、局所的な発熱部を冷却することで全体温度を均一にすることが可能となる。通常、温度調節用冷媒流路は、コイル冷却用冷媒流路と電磁アクチュエータまたはリニアモータの表面との間に配され、その表面温度を所定の温度に調節するために設けられている。そこで、発熱部であるコイルが固定子側に設けられているリニアモータの場合は、温度調節用冷媒流路を固定子の表面近傍に設けることが好ましい。なぜなら、リニアモータの固定子は通常可動子よりも表面積が大きく固定子の表面が露出するので、リニアモータ全体として周囲に影響を及ぼす表面が固定子側に多くなるためである。特に、固定子のガイド面により可動子を挟み込む形状のリニアモータでは、この傾向が顕著となる。一方、ステージ等の姿勢を微調節する電磁アクチュエータの場合で、固定子と可動子の大きさが然程変わらなければ、固定子と可動子の形状によって冷媒流路の位置を決定すればよい。例えば、発熱体であるコイルを固定子側に設けた電磁アクチュエータの場合でも、ガイド面が固定子周囲の表面上にあり可動子が固定子全体を包み込む形状であるときは、温度調節用冷媒流路を可動子の表面近傍に設けることが好ましい。
【0016】
本発明の電磁アクチュエータおよびリニアモータの好適な実施形態では、コイル冷却用冷媒流路内を通る冷媒(第1冷媒)の温度、温度調節用冷媒流路内を通る冷媒(第2冷媒)の温度または第1冷媒と第2冷媒の両冷媒の温度を測定する温度検出部と、この冷媒温度を制御する温度制御部を有するものが好適である。この温度検出部は、複数箇所の温度を計測する場合は、複数の温度センサを具備している。冷媒温度は、通常電磁アクチュエータまたはリニアモータへの入り口温度または出口温度を計測することで検出されるが、内部を通る冷媒の温度を直接計測してもよい。また、これらの複数位置で計測し複数の計測結果に基づいて冷媒温度を検出してもよい。そして冷媒温度は温度調節器で冷却することにより調節される。
【0017】
温度制御部は、通常上記温度調節器を制御することにより冷媒温度を調節しているが、この形態において、さらに、電磁アクチュエータやリニアモータの内部もしくは表面温度を測定し、その測定結果を考慮して温度調節器を制御することが好ましい。これにより、電磁アクチュエータやリニアモータの表面温度を所定の温度に調節することができる。
【0018】
また、電磁アクチュエータまたはリニアモータの内部または表面の少なくとも一部には断熱材を配置することが好ましい。この断熱材により外部への熱の放出が抑えられるため、ステージ空間やリニアモータ近傍の熱による影響を一層抑えることが可能である。
【0019】
本発明の露光装置に好適な実施形態においては、可動子の位置を測定するためのレーザ干渉計を具備している。レーザ干渉計の設置は、通常、可動子に位置計測用ミラーを設け、固定子または固定子の設置される露光装置本体に、計測光(ビーム)を照射する照射器と位置計測用ミラーに反射したビームの受光器とを有するレーザ干渉計が設置される。この場合、レーザ干渉計のレーザ光路近傍には温度調節用冷媒流路が設けられていることが好ましい。レーザ干渉計から照射したビームおよび位置計測用ミラーに反射したビームの向きは、通常可動子の移動方向に平行であるから、好ましくは第2冷媒が固定子のガイド面に添って流れるように温度調節用冷媒流路を配置する。
【0020】
さらに、本発明の露光装置の好適な実施形態においては、露光装置の保守情報等をコンピュータネットワークを介してデータ通信できるように、ディスプレイと、ネットワークインタフェースと、ネットワーク用ソフトウェアを実行するコンピュータとを有する。このネットワーク用ソフトウェアは、露光装置が設置された工場の外部ネットワークに接続され露光装置のベンダーもしくはユーザが提供する保守データベースにアクセスするためのユーザインタフェースをディスプレイ上に提供し、外部ネットワークを介して該データベースから情報を得ることを可能にする。
【0021】
本発明のデバイス製造方法の好適な実施形態においては、複数機種からなる露光装置群を含む各種プロセス用の製造装置群を半導体製造工場に設置する工程と、該製造装置群を用いて複数のプロセスによって半導体デバイスを製造する工程とを有する。
【0022】
また、製造装置群をローカルエリアネットワークにより接続し、ローカルエリアネットワークと半導体製造工場外の外部ネットワークにより製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信する工程とを有してもよい。
【0023】
さらに、露光装置のベンダーもしくはユーザーが提供するデータベースに外部ネットワークを介してアクセスしてデータ通信によって製造装置の保守情報を得る、または半導体製造工場とは別の半導体製造工場との間で外部ネットワークを介してデータ通信して生産管理を行ってもよい。
【0024】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
<実施例1>
図1(a)は本発明のリニアモータでコイルが2層に配置された一実施例を示す平面図であり、図1(b)はそのA−A’断面図である。
図1(a)および図1(b)において、固定子1にはガイド面8が設けられていて、Yガイドバー13に取り付けられ磁石3を有する可動子2がガイド面8に添ってX方向に移動することが可能である。また、可動子2には、そのX軸方向の位置を計測するためのX軸位置計測用ミラー9が設けられている。固定子1の内部には、導線を巻回した外周面が対向するように複数のコイル4をX方向に一列に配列したコイル列が2層(コイル4a列および4b列)並設されている。すなわち、コイル4aの外周面と内周面に直角に接する2側面の内の一つの側面はコイル4bの一つの側面と対向し、2層のコイル列がZ軸方向(上下)に重なるように固定子1に支持されている。そして、コイル列は、対向するコイル側面で磁石3を上下から非接触で挟み込むように固定子1内に配設されており、各コイル列と磁石3との間にはガイド面8が配設されている。固定子1は、これらのコイル列とガイド面8を支持するリニアモータ構成部材14を含んでいる。リニアモータ1をYZ平面で切った断面である図1(b)に示されるように、コイル4の周囲には、コイル冷却用冷媒流路である第1冷媒流路5が設けられていて、第1冷媒用配管11を通じて流れる冷媒が各コイル列に添ってX方向に流動する。第1冷媒流路5は各コイル列を包囲しており、コイル4のほぼ全面に冷媒が行き渡るので、コイル4から発生する熱の大半を回収することができる。
【0025】
固定子1の表面近くには温度調節用冷媒流路である第2冷媒流路6が配設されている。第2冷媒流路6は固定子1の上下面(各コイル列の対向する向きと反対方向の表面)のほぼ全面に重なるように、リニアモータ構成部材14の内部で且つ上下面の近傍に各々設けられ、その断面形状は、Z軸方向の短い長方形となっている。そして、固定子1の表面温度を第2冷媒用配管12を通じて流れる冷媒により調節している。その際、固定子1の上面上に設けられた温度センサ10によりリニアモータの表面温度を検知し、図5に示す第1および第2冷媒の、入り口温度または出口温度を温度センサ35により計測して冷媒温度を検知し、温度調節器30と温度制御部31により冷媒温度を制御することにより、固定子1の表面温度を所定の温度に保っている。図5において、温度制御部31は各温度センサ35およびリニアモータ29の温度センサ10(図1(b))に接続され、温度センサ10の計測値である表面温度を考慮して、冷媒温度(温度センサ35の計測値)を制御するための制御信号を温度調節器30に送信する。温度調節器30は、この制御信号に従って、第1および第2冷媒を適切な温度に調節する。この冷媒温度の検知は、入り口温度と出口温度の測定を行う代わりに、各冷媒流路内に設けられた温度センサ34(図1(b))を用いて行ってもよい。
【0026】
また、本実施例では、固定子1のガイド面8以外の全表面を覆うように断熱材7を設けて、固定子1から外部に流出する熱を遮断、軽減している。固定子1の表面に断熱材7を配置し、さらに、固定子1の表面に設けられた温度センサ10により表面温度を検知し、図5に示す第1および第2冷媒温度の入り口温度または出口温度を温度センサ35により測定して冷媒温度を検知し、検知した表面温度を考慮し、温度調節器30と温度制御部31により冷媒温度を制御することにより、固定子1の表面の温度を任意に設定することが可能である。断熱材は、固定子もしくは可動子の全面もしくは高温部分、干渉計光路近くの一部に配置してもよい。また、第2冷媒流路6は固定子1の、内部もしくは表面の一部または全体に、複数配置してもよい。第2冷媒流路6を複数本配置して冷媒の流量、流動方向、温度等を別個に調節することにより、固定子1からの局所的な発熱がある場合等にも、所望の部分の熱を取り除き、固定子1表面の温度分布を均一に保つことが可能となる。
具体的には、本実施例の場合や第2冷媒流路6を1本のみ配管する場合、第2冷媒流路6を流路内を通る冷媒の流動方向が、第1冷媒流路5内を通る冷媒の流動方向と逆向きになるように、第2冷媒流路6を配管する。また、複数流路を配置する場合は、隣接する冷媒流路内を通る冷媒の流動方向を互いに平行逆向きに(あるいは一本おきに逆に)することによって、表面温度の温度分布を小さくすることができる。さらに、リニアモータへの配管の本数が制限されてしまう場合は、第2冷媒流路6の配管された固定子1の内部もしくは表面または可動子2の内部もしくは表面を往復するように、1本の配管を何回か折り返して冷媒の高温部、低温部をキャンセルし、表面の温度分布を小さくすることができる。また、リニアモータの高温部では熱を回収するために、配管を折り返して集中的に配置してもよい。
【0027】
例えば、周囲の温度が24℃の時のある実験条件におけるリニアモータ表面平均温度は、第1冷媒流路のみを配置した場合は28℃、第1冷媒流路と第2冷媒流路を配置した場合は24.5℃、第1冷媒流路、第2冷媒流路、表面に断熱材を配置した場合は24.1℃となる。
【0028】
<実施例2>
図2(a)はコイルが単層配置された本発明のリニアモータでの一実施例を示す平面図であり、図2(b)はそのB−B’断面図である。本実施例では、実施例1と同様にコイル4を配列したコイル列が1層のみ固定子に配設されている。図2(a)および図2(b)において、コイル4の一方の側面が可動子の磁石3とZ軸方向上下に対向するように固定子1に配設され、磁石3とX軸計測用ミラー9を有する可動子2が固定子1に沿ってX方向に移動可能である。つまり、固定子1の、上面(磁石3に対向する表面)と上面に直角に隣接する長手方向の2側面(XZ面)の一部がガイド面となっている。可動子2のX方向位置は不図示の干渉計によって計測される。干渉計は、ビーム36を照射し、ミラー9に反射したビーム36を受光して可動子2のX方向位置を計測する。
【0029】
固定子1をコイル4の配列方向(X軸)に垂直な面(YZ平面)で切った断面である図2(b)に示すように、コイル4の周囲には、第1冷媒流路5が設けられ、第1冷媒用配管11を通じて流れる冷媒がコイル列に添ってX方向に流動し、これによりコイル4から発生する熱の大半を回収する。また、固定子1の上面(可動子2に対向する面)およびXZ面には表面全体を覆うように断熱材7が設けられ、外部に流出する熱を遮断、軽減している。また、固定子1は、上面のほぼ全面において、断熱材7とリニアモータ構成部材14の間に第2冷媒流路6を有する。そして、その上面に設けられた温度センサ10により固定子1の表面温度を検知し、図5に示すように第1および第2冷媒の入り口温度または出口温度を温度センサ35により計測して冷媒温度を検知し、検知した表面温度を考慮して温度調節器30と温度制御部31で冷媒温度を制御することにより、固定子1の表面温度を所定の温度に保っている。この冷媒温度の検知は、図2(b)に示す各冷媒流路内に設けられた各温度センサ34を用いて行ってもよい。
【0030】
また、本実施例では、第2冷媒流路を固定子1の内部もしくは表面の一部または全体に複数配置してもよい。
第2冷媒流路を複数本配置して冷媒の流量、流動方向、温度等を別個に調節することにより、固定子1からの局所的な発熱がある場合等にも、所望の部分の熱を取り除き、固定子表面の温度分布を均一に保つことが可能となる。
【0031】
本実施例によれば、固定子の直上を通る位置決め用干渉計のビーム36のゆらぎをおさえることが可能となる。
【0032】
<実施例3>
図3(a)は単体コイルによる本発明のリニアモータの一実施例を示す正面図であり、図3(b)はそのC−C’断面図である。
図3(a)および図3(b)において、固定子1はコイル4とコイル4を包囲するように配置された第1冷媒流路5からなり、その固定子1を上方から囲繞するように可動子2が配置されている。固定子1と可動子2はローレンツ力により相互に駆動力を発生し、可動子2は固定子1の上下面以外の全側面をガイド面として上下(Z軸方向)に微動する。
【0033】
可動子2は、コイル4の両側面を挟むように平行に配置された一対の板状磁石3を有し、各磁石3は可動子2の内側でリニアモータ構成部材14により支持されている。可動子2の下面以外の表面には、全体を覆うように断熱材7が設けられ、外部に流出する熱を遮断し、軽減している。この断熱材7とリニアモータ構成部材14の間には、全面に第2冷媒流路6が配されている。そして可動子2の上面に設けられた温度センサ10により表面温度を検知し、図5に示す第1および第2冷媒の入り口温度もしくは出口温度を温度センサ35により計測して冷媒温度を検知し、検知した表面温度を考慮して温度調節器30と温度制御部31により冷媒温度を制御することにより、可動子2の表面温度を所定の温度に保っている。冷媒温度の検知は図3(b)内の各冷媒流路内に設けられた温度センサ34を用いて行ってもよい。第2冷媒流路6は可動子2の内部もしくは表面の一部または全体に複数配置してもよい。
【0034】
なお、本実施例ではコイルを有する側を可動子、磁石を有する側を固定子としてもよい。
【0035】
<実施例4>
次に前述した実施例のリニアモータをθ、Z軸チルトステージを搭載する微動ステージ(6軸可動ステージ)に適用した露光装置の実施例を図4を用いて説明する。図4(a)は、本実施例の露光装置のステージ部を上(Z軸方向)から見た図であり、図4(b)は、側面(Y軸方向)から見た図である。
【0036】
図4(a)および図4(b)において、天板23にはウエハチャック24と位置計測用バーミラー15,16が設けられている。ウエハチャック24は位置決め対象物であるウエハを真空吸着して保持する。バーミラー15,16は、不図示のレーザ干渉計からの計測光を反射する。不図示のレーザ干渉計は、バーミラー15,16からの反射光に基づいて、天板23の位置を計測する。天板23とXスライダー28との間には駆動力を発生する電磁アクチュエータとして微動用リニアモータ(XY軸リニアモータ26およびZ軸リニアモータ27)が設けられている。天板23は、この電磁アクチュエータによってXスライダー28に対して6軸方向(XYZ方向およびこの軸周り方向) に微少駆動される。すなわち、X軸リニアモータ(微動用)26によりX軸方向に天板23を並進駆動することができ、Y軸リニアモータ(微動用)26によりY軸方向に天板23を並進駆動することができ、2つのX軸リニアモータ(微動用)26(またはY軸リニアモータ)を逆方向に駆動すれば、Z軸回り(θ方向)に天板23を駆動することができ、3つのZ軸リニアモータ(微動用)27のそれぞれの駆動力を調整することで、Z軸並進方向、X軸回り(ωX方向)およびY軸回り(ωY方向)に天板23を駆動することができる。また、微動用リニアモータの固定子1となるコイルはXスライダー28側に設けられ、微動用リニアモータの可動子2となる磁石は天板23側に設けられる。
【0037】
本実施例の電磁アクチュエータは、実施例3で説明したものと同様に、微動用リニアモータの表面温度を所定の温度に制御することができるので、微動用リニアモータ周囲のステージ空間等への熱の影響を抑えることが可能となる。
【0038】
Xスライダー28はエアベアリング(静圧軸受け)37により、X軸リニアモータ22にガイドされている。つまり、Xスライダー28は、エアベアリング37によりX軸リニアモータ22に対してX軸方向に移動可能に支持され、X軸リニアモータ22によりX軸方向に駆動される。また、Xスライダー28は、X軸リニアモータ22がY軸方向に移動すると、エアベアリング37を介してY軸方向の力が伝達される。また、Xスライダー28は、Z軸方向に関して、エアベアリング(静圧軸受け)25により基準構造体17にガイドされている。X軸リニアモータ22の両端部付近にはY軸リニアモータの可動子(マグネット)20が取り付けられている。
Y軸リニアモータ可動子20は、2個のY軸リニアモータ固定子(コイル)21に電流を流すことによりローレンツ力を発生させる。Y軸リニアモータがY軸方向の力を発生すると、X軸リニアモータ22、Xスライダー28およびXスライダー28上の微動部(以下、これらY軸方向に移動する構成部材を『X軸リニアモータ22等』という。)がY方向に駆動される。
2個のY軸リニアモータ固定子(コイル)21は、Z方向に関してエアベアリング(静圧軸受け)25により基準構造体17上面にガイドされていて、XY方向(平面方向)に自由度をもっている。したがって、Y軸リニアモータがY軸方向の力を発生すると、Y軸リニアモータ固定子(コイル)21は、X軸リニアモータ22等とは逆方向に移動することとなる。Y軸リニアモータ固定子21は、X軸リニアモータ22等をY軸方向に駆動したときの駆動反力によってX軸リニアモータ22等と逆方向に移動するため、駆動反力をキャンセルすることができる。また、これによりY軸リニアモータ固定子21とX軸リニアモータ22等との重心位置の変化による影響もない。なお、同様に、Y軸リニアモータ固定子21は、X軸方向にも移動可能であるため、X軸方向の駆動反力もキャンセルすることができる。
【0039】
Y軸リニアモータ固定子(コイル)21に対して、基準構造体17との相対関係を維持するためのリニアモータ固定子位置制御用リニアモータ(Y軸)18とリニアモータ固定子位置制御用リニアモータ(X軸)19が設けられている。リニアモータ固定子位置制御用リニアモータ18、19は、XY方向に自由度を持つY軸リニアモータ固定子21が所定の移動範囲から外れるのを防止する。
【0040】
なお、本実施例のY軸リニアモータ固定子21およびX軸リニアモータ22に対して、実施例1および2と同様の構成のリニアモータを適用している。
本実施例によれば、X軸位置計測用バーミラー15に照射されるレーザ干渉計用レーザビーム(不図示) はY軸リニアモータの固定子(コイル)21とX軸リニアモータ22の直上を通過する。一方、X軸、およびY軸それぞれのリニアモータは固定子(コイル) に電流を流すことによりローレンツ力を発生させ駆動力を得ているが、大きな推進力を得るためにはコイルに大きな電流を流さなければならず、大きな発熱源となっている。これにより、従来の技術ではレーザ干渉計用レーザビームの光路中の空間にゆらぎを起こし、干渉計の計測精度を落としてしまっていた。本実施例のリニアモータによると、実施例1および2で説明したものと同様に、コイルからの熱を第1冷媒で低減させ、更に、固定子表面に断熱材を設けることにより、熱の通過を遮断、低減させ、第2冷媒により固定子表面温度を管理することで空間のゆらぎを大幅に抑えることが可能である。
【0041】
また、リニアモータ外部への熱を遮断、低減させることにより、基準構造体17上を移動するX軸リニアモータ22、Xスライダー28が発生させる空間の流れにのった、熱せられた空気がレーザ干渉用レーザビームの光路中に入り、空間のゆらぎにより干渉計の計測精度を落とすのを防ぐことが可能である。このように、ステージの加速度が増加しても、それに伴うステージ空間への熱の影響を抑制することができるため、スループットを向上することも可能となる。
【0042】
<半導体生産システムの実施例>
次に、半導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産システムの例を説明する。これは半導体製造工場に設置された製造装置のトラブル対応や定期メンテナンス、あるいはソフトウェア提供などの保守サービスを、製造工場外のコンピュータネットワークを利用して行うものである。
【0043】
図8は全体システムをある角度から切り出して表現したものである。図中、101は半導体デバイスの製造装置を提供するベンダー(装置供給メーカー)の事業所である。製造装置の実例として、半導体製造工場で使用する各種プロセス用の半導体製造装置、例えば、前工程用機器(露光装置、レジスト処理装置、エッチング装置等のリソグラフィ装置、熱処理装置、成膜装置、平坦化装置等)や後工程用機器(組立て装置、検査装置等)を想定している。事業所101内には、製造装置の保守データベースを提供するホスト管理システム108、複数の操作端末コンピュータ110、これらを結んでイントラネットを構築するローカルエリアネットワーク(LAN)109を備える。ホスト管理システム108は、LAN109を事業所の外部ネットワークであるインターネット105に接続するためのゲートウェイと、外部からのアクセスを制限するセキュリティ機能を備える。
【0044】
一方、102〜104は、製造装置のユーザーとしての半導体製造メーカーの製造工場である。製造工場102〜104は、互いに異なるメーカーに属する工場であっても良いし、同一のメーカーに属する工場(例えば、前工程用の工場、後工程用の工場等)であっても良い。各工場102〜104内には、夫々、複数の製造装置106と、それらを結んでイントラネットを構築するローカルエリアネットワーク(LAN)111と、各製造装置106の稼動状況を監視する監視装置としてホスト管理システム107とが設けられている。各工場102〜104に設けられたホスト管理システム107は、各工場内のLAN111を工場の外部ネットワークであるインターネット105に接続するためのゲートウェイを備える。これにより各工場のLAN111からインターネット105を介してベンダー101側のホスト管理システム108にアクセスが可能となり、ホスト管理システム108のセキュリティ機能によって限られたユーザーだけがアクセスが許可となっている。具体的には、インターネット105を介して、各製造装置106の稼動状況を示すステータス情報(例えば、トラブルが発生した製造装置の症状)を工場側からベンダー側に通知する他、その通知に対応する応答情報(例えば、トラブルに対する対処方法を指示する情報、対処用のソフトウェアやデータ)や、最新のソフトウェア、ヘルプ情報などの保守情報をベンダー側から受け取ることができる。各工場102〜104とベンダー101との間のデータ通信および各工場内のLAN111でのデータ通信には、インターネットで一般的に使用されている通信プロトコル(TCP/IP)が使用される。なお、工場外の外部ネットワークとしてインターネットを利用する代わりに、第三者からのアクセスができずにセキュリティの高い専用線ネットワーク(ISDNなど)を利用することもできる。また、ホスト管理システムはベンダーが提供するものに限らずユーザーがデータベースを構築して外部ネットワーク上に置き、ユーザーの複数の工場から該データベースへのアクセスを許可するようにしてもよい。
【0045】
さて、図9は本実施形態の全体システムを図8とは別の角度から切り出して表現した概念図である。先の例ではそれぞれが製造装置を備えた複数のユーザー工場と、該製造装置のベンダーの管理システムとを外部ネットワークで接続して、該外部ネットワークを介して各工場の生産管理や少なくとも1台の製造装置の情報をデータ通信するものであった。これに対し本例は、複数のベンダーの製造装置を備えた工場と、該複数の製造装置のそれぞれのベンダーの管理システムとを工場外の外部ネットワークで接続して、各製造装置の保守情報をデータ通信するものである。図中、201は製造装置ユーザー(半導体デバイス製造メーカー)の製造工場であり、工場の製造ラインには各種プロセスを行う製造装置、ここでは例として露光装置202、レジスト処理装置203、成膜処理装置204が導入されている。なお図9では製造工場201は1つだけ描いているが、実際は複数の工場が同様にネットワーク化されている。工場内の各装置はLAN206で接続されてイントラネットを構成し、ホスト管理システム205で製造ラインの稼動管理がされている。一方、露光装置メーカー210、レジスト処理装置メーカー220、成膜装置メーカー230などベンダー(装置供給メーカー)の各事業所には、それぞれ供給した機器の遠隔保守を行なうためのホスト管理システム211,221,231を備え、これらは上述したように保守データベースと外部ネットワークのゲートウェイを備える。ユーザーの製造工場内の各装置を管理するホスト管理システム205と、各装置のベンダーの管理システム211,221,231とは、外部ネットワーク200であるインターネットもしくは専用線ネットワークによって接続されている。このシステムにおいて、製造ラインの一連の製造機器の中のどれかにトラブルが起きると、製造ラインの稼動が休止してしまうが、トラブルが起きた機器のベンダーからインターネット200を介した遠隔保守を受けることで迅速な対応が可能で、製造ラインの休止を最小限に抑えることができる。
【0046】
半導体製造工場に設置された各製造装置はそれぞれ、ディスプレイと、ネットワークインターフェースと、記憶装置にストアされたネットワークアクセス用ソフトウェアならびに装置動作用のソフトウェアを実行するコンピュータを備える。記憶装置としては内蔵メモリやハードディスク、あるいはネットワークファイルサーバーなどである。上記ネットワークアクセス用ソフトウェアは、専用又は汎用のウェブブラウザを含み、例えば図10に一例を示す様な画面のユーザーインターフェースをディスプレイ上に提供する。各工場で製造装置を管理するオペレータは、画面を参照しながら、製造装置の機種(401)、シリアルナンバー(402)、トラブルの件名(403)、発生日(404)、緊急度(405)、症状(406)、対処法(407)、経過(408)等の情報を画面上の入力項目に入力する。入力された情報はインターネットを介して保守データベースに送信され、その結果の適切な保守情報が保守データベースから返信されディスプレイ上に提示される。またウェブブラウザが提供するユーザーインターフェースはさらに図示のごとくハイパーリンク機能(410〜412)を実現し、オペレータは各項目の更に詳細な情報にアクセスしたり、ベンダーが提供するソフトウェアライブラリから製造装置に使用する最新バージョンのソフトウェアを引出したり、工場のオペレータの参考に供する操作ガイド(ヘルプ情報)を引出したりすることができる。ここで、保守データベースが提供する保守情報には、上記説明した本発明の特徴に関する情報も含まれ、また前記ソフトウェアライブラリは本発明の特徴を実現するための最新のソフトウェアも提供する。
【0047】
次に上記説明した生産システムを利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図11は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。前工程と後工程はそれぞれ専用の別の工場で行い、これらの工場毎に上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされる。また前工程工場と後工程工場との間でも、インターネットまたは専用線ネットワークを介して生産管理や装置保守のための情報がデータ通信される。
【0048】
図12は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。各工程で使用する製造機器は上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされているので、トラブルを未然に防ぐと共に、もしトラブルが発生しても迅速な復旧が可能で、従来に比べて半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明のリニアモータおよび電磁アクチュエータでは、コイル近くの第1冷媒流路でコイルからの発熱の大部分を回収し、さらに第2冷媒流路で表面温度を所定の温度に制御することにより、周囲への熱の影響を抑えることが可能である。
【0050】
また、本発明によれば、コイルの発熱によるステージ空間のゆらぎを抑え、露光処理におけるステージの位置決め精度を上げ、オーバーレイ精度、線幅精度を向上させることができる。さらに、ステージ加速度の増加に伴い増大するコイルの発熱による影響をを抑えることでスループットを向上することが可能となり、従来以上に高精度で生産性の高い露光処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の2層式リニアモータの一実施例を示す図である。
【図2】 本発明の単層式リニアモータの一実施例を示す図である。
【図3】 本発明の単体リニアモータの一実施例を示す図である。
【図4】 本発明の露光装置の一実施例を示す図である。
【図5】 本発明の一実施例に係るリニアモータの温度制御系統を示す図である。
【図6】 従来のリニアモータの冷却方法の一例を示す図である。
【図7】 従来のリニアモータの冷却方法の他の例を示す図である。
【図8】 半導体デバイスの生産システムをある角度から見た概念図である。
【図9】 半導体デバイスの生産システムを別の角度から見た概念図である。
【図10】 ユーザーインターフェースの具体例である。
【図11】 デバイスの製造プロセスのフローを説明する図である。
【図12】 ウエハプロセスを説明する図である。
【符号の説明】
1:固定子、2:可動子、3:磁石、4:コイル、5:第1冷媒流路、6:第2冷媒流路、7:断熱材、8:ガイド面、9:X軸位置計測用ミラー、10:温度センサ、11:第1冷媒用配管、12:第2冷媒用配管、13:Yガイドバー、14:リニアモータ構成部材、15:X軸位置計測用バーミラー、16:Y軸位置計測用バーミラー、17:基準構造体、18:リニアモータ固定子位置制御用リニアモータ(Y軸)、19:リニアモータ固定子位置制御用リニアモータ(X軸)、20:Y軸リニアモータの可動子(マグネット)、21:Y軸リニアモータの固定子(コイル)、22:X軸リニアモータ、23:天板、24:ウエハチャック、25:エアベアリング(静圧軸受け)、26:X、Y軸リニアモータ(微動用)、27:θ、Z軸リニアモータ(微動用)、28:Xスライダー、29:リニアモータ、30:温度調節器、31:温度制御部、32:冷媒流路、33:支持部材、34:温度センサ、35:温度センサ、36:干渉ビーム、37:エアベアリング(静圧軸受け)。
Claims (35)
- 固定子と、前記固定子に沿って移動する可動子とを有し、前記固定子と前記可動子のいずれか一方に磁石を、他方にコイルを有し、前記コイル近傍にコイル冷却用冷媒流路を備え、前記固定子の内部もしくは表面または前記可動子の内部もしくは表面の少なくとも一部に、その表面の温度を調節するための温度調節用冷媒流路を少なくとも一つ備えることを特徴とする電磁アクチュエータ。
- 前記固定子がガイド面を有し、前記可動子はこのガイド面に沿って移動するものであることを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記温度調節用冷媒流路は前記コイル冷却用冷媒流路と電磁アクチュエータの表面との間に配され、電磁アクチュエータの表面温度を所定の温度に調節するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記コイル冷却用冷媒流路内を通る冷媒の温度、前記温度調節用冷媒流路内を通る冷媒の温度またはその両冷媒の温度を検出する温度検出部と、この冷媒温度を制御する温度制御部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記温度制御部は、前記冷媒温度を調節するための温度調節器を制御するものであることを特徴とする請求項4に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記温度検出部は冷媒の電磁アクチュエータへの入り口温度、冷媒の電磁アクチュエータからの出口温度および電磁アクチュエータ内部を通る冷媒の温度から選択される少なくとも一つを計測することにより冷媒温度を検出するものであることを特徴とする請求項4または5に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記温度検出部が、電磁アクチュエータの内部温度または表面温度を測定し、前記温度制御部は、その測定結果を考慮して前記温度調節器を制御するものであることを特徴とする請求項5または6に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記電磁アクチュエータの内部または表面の少なくとも一部に断熱材を配置することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記温度調節用冷媒流路内を通る冷媒の流動方向が、前記コイル冷却用冷媒流路内を通る冷媒の流動方向と逆向きになるように、前記温度調節用冷媒流路が配管されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記温度調節用冷媒流路を複数本有し、隣接する冷媒流路内を通る冷媒の流動方向が互いに逆向きになるように、互いに平行に配管されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記温度調節用冷媒流路が配管される、前記固定子の内部もしくは表面または前記可動子の内部もしくは表面を、冷媒が往復するように、前記温度調節用冷媒流路を折り返して配管することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記温度調節用冷媒流路は、電磁アクチュエータの高温部において配管を折り返し、集中的に配置することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
- ガイド面を有する固定子と、前記ガイド面に沿って移動する可動子から成り、前記固定子と前記可動子のいずれか一方に磁石を、他方にコイルを有し、前記コイル近傍にコイル冷却用冷媒流路を備え、前記固定子の内部もしくは表面または前記可動子の内部もしくは表面の少なくとも一部に、その表面の温度を調節するための温度調節用冷媒流路を少なくとも一つ備えることを特徴とするリニアモータ。
- 前記固定子がガイド面を有し、前記可動子はこのガイド面に沿って移動するものであることを特徴とする請求項13に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記温度調節用冷媒流路は前記コイル冷却用冷媒流路とリニアモータの表面との間に配され、リニアモータの表面温度を所定の温度に調節するものであることを特徴とする請求項13または14に記載のリニアモータ。
- 前記コイル冷却用冷媒流路内を通る冷媒の温度、前記温度調節用冷媒流路内を通る冷媒の温度またはその両冷媒の温度を検出する温度検出部と、この冷媒温度を制御する温度制御部を有することを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載のリニアモータ。
- 前記温度制御部は、前記冷媒温度を調節するための温度調節器を制御するものであることを特徴とする請求項16に記載のリニアモータ。
- 前記温度検出部は冷媒のリニアモータへの入り口温度、冷媒のリニアモータからの出口温度およびリニアモータ内部を通る冷媒の温度から選択される少なくとも一つを計測することにより前記冷媒温度を検出するものであることを特徴とする請求項16または17に記載のリニアモータ。
- 前記温度検出部は、リニアモータの内部温度または表面温度を測定し、前記温度制御部は、その測定結果を考慮して前記温度調節器を制御するものであることを特徴とする請求項17または18に記載のリニアモータ。
- 前記リニアモータの内部または表面の少なくとも一部に断熱材を配置することを特徴とする請求項13〜19のいずれか1項に記載のリニアモータ。
- 前記温度調節用冷媒流路内を通る冷媒の流動方向が、前記コイル冷却用冷媒流路内を通る冷媒の流動方向と逆向きになるように、前記温度調節用冷媒流路が配管されることを特徴とする請求項13〜20のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記温度調節用冷媒流路を複数本有し、隣接する冷媒流路内を通る冷媒の流動方向が互いに逆向きになるように、互いに平行に配管されることを特徴とする請求項13〜20のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記温度調節用冷媒流路が配管される、前記固定子の内部もしくは表面または前記可動子の内部もしくは表面を、冷媒が往復するように、前記温度調節用冷媒流路を折り返して配管することを特徴とする請求項13〜20のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
- 前記温度調節用冷媒流路は、電磁アクチュエータの高温部において配管を折り返し、集中的に配置することを特徴とする請求項13〜20のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
- 原版のパターンを基板に露光する露光装置において、請求項1〜12に記載の電磁アクチュエータを具備し、この電磁アクチュエータにより前記原版または基板を搭載するステージを駆動することを特徴とする露光装置。
- 原版のパターンを基板に露光する露光装置において、請求項13〜24に記載のリニアモータを具備し、このリニアモータにより前記原版または基板を搭載するステージの姿勢を調節することを特徴とする露光装置。
- 前記可動子の位置を測定するためのレーザ干渉計を具備することを特徴とする請求項25または26に記載の露光装置。
- 前記温度調節用冷媒流路は前記レーザ干渉計の計測光の光路近傍に設けられていることを特徴とする請求項27に記載の露光装置。
- 請求項25〜28のいずれか1項に記載の露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群を半導体製造工場に設置する工程と、この製造装置群を用いて複数のプロセスによって半導体デバイスを製造する工程とを有することを特徴とする半導体デバイス製造方法。
- 前記製造装置群をローカルエリアネットワークで接続する工程と、前記ローカルエリアネットワークと前記半導体製造工場外の外部ネットワークとの間で、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信する工程とをさらに有する請求項29に記載の方法。
- 前記露光装置のベンダーもしくはユーザーが提供するデータベースに前記外部ネットワークを介してアクセスしてデータ通信によって前記製造装置の保守情報を得る、もしくは前記半導体製造工場とは別の半導体製造工場との間で前記外部ネットワークを介してデータ通信して生産管理を行う請求項29に記載の方法。
- 請求項25〜28のいずれか1項に記載の露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群と、この製造装置群を接続するローカルエリアネットワークと、このローカルエリアネットワークから工場外の外部ネットワークにアクセス可能にするゲートウェイを有し、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信することを可能にした半導体製造工場。
- 半導体製造工場に設置された請求項25〜28のいずれか1項に記載の露光装置の保守方法であって、前記露光装置のベンダーもしくはユーザーが、半導体製造工場の外部ネットワークに接続された保守データベースを提供する工程と、前記半導体製造工場内から前記外部ネットワークを介して前記保守データベースへのアクセスを許可する工程と、前記保守データベースに蓄積される保守情報を前記外部ネットワークを介して半導体製造工場側に送信する工程とを有することを特徴とする露光装置の保守方法。
- 請求項25〜28のいずれか1項に記載の露光装置において、ディスプレイと、ネットワークインターフェースと、ネットワーク用ソフトウェアを実行するコンピュータとをさらに有し、露光装置の保守情報をコンピュータネットワークを介してデータ通信することを可能にした露光装置。
- 前記ネットワーク用ソフトウェアは、前記露光装置が設置された工場の外部ネットワークに接続され前記露光装置のベンダーもしくはユーザーが提供する保守データベースにアクセスするためのユーザーインターフェースを前記ディスプレイ上に提供し、前記外部ネットワークを介して前記データベースから情報を得ることを可能にする請求項34に記載の装置。
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