JP3765048B2 - トンネルの構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟弱地盤においてトンネル本線からの分岐部分または合流部分となる大断面空間を構築するトンネルの構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車道路用のトンネル構築に際し、本線については一般的に単一断面のトンネルが構築されるので、地盤が軟弱な場合であってもシールド工法を用いてトンネルを構築することが可能である。
【0003】
ところが、トンネルの分岐部分や合流部分等、道路幅を拡げる必要がある箇所については、車線が増えるために本線部分に用いた単一断面のシールド工法では掘削することができない。そのため、従来の掘削技術を用いてこのようなトンネルの分岐・合流部分を構築しようとすると、増加する車線まで内包する超大断面のトンネルを構築できる大型のシールド掘削機を使用するか、周辺の地山を地盤改良によって著しく強化し、山岳トンネルに準じた工法で掘削せざるを得ないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の掘削技術を用いて軟弱地盤にトンネルの分岐・合流部分を構築しようとすると、上記のどちらの方法を用いても工費が膨大な額に昇る、地盤改良時に周辺の地山に大きな影響を与える等の問題がある。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、軟弱地盤にトンネルの分岐・合流部分となる大断面空間を構築するに際し、工費が安価で周辺地盤への影響も少ないトンネルの構築方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段として、次のような構成のトンネルの構築方法を採用する。すなわち、請求項1記載のトンネルの構築方法は、トンネル本線からの分岐部分または合流部分を構築するトンネルの構築方法であって、本線となる第1のシールドトンネルを鋼繊維補強コンクリートを用いたECL工法により覆工する際に、分岐線または合流線となる第2のシールドトンネルと接する壁部を肉厚に覆工しておき、前記第1のシールドトンネルと離間した位置から該第1のシールドトンネルに漸次接近するように地山を掘進し、ついには第1のシールドトンネルと並設させて分岐線または合流線となる第2のシールドトンネルを構築し、並設された前記第1、第2のシールドトンネル間の壁部を除去して両者を連結することを特徴とする。
【0007】
このトンネルの構築方法においては、本線となる第1のシールドトンネルに、分岐・合流線となる第2のシールドトンネルを並設し、両者間の壁部を除去することで、従来のように大型のシールド掘削機を使用することなく分岐・合流部分となる大断面空間を形成することが可能となる。さらに、軟弱地盤で山岳トンネル工法を用いる場合のような著しい地盤改良を必要としないため、周辺の地山に影響を与えることなく施工が可能である。
また、特殊な変断面シールド掘削機を使用するようなこともないので、シールド掘削機の製作費も比較的安価で済む等コスト面でのメリットも大きい。
【0013】
また、このトンネルの構築方法においては、第1のシールドトンネルをなす覆工に鋼繊維補強コンクリートを用いることにより、両シールドトンネルを並設する箇所において覆工を切削し易くなり、第2のシールドトンネルの施工が容易になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係るトンネルの構築方法の実施形態を図1ないし図6に示して説明する。
まず、本線ならびに分岐・合流線からなるトンネルの分岐・合流部分の構造について説明しておく。図1に示すように、本線ならびに分岐・合流線からなるトンネル1は軟弱地盤中に構築され、断面円形の本線坑道をなす第1のシールドトンネル2と、断面矩形の分岐・合流線坑道をなす第2のシールドトンネル3とから構成されている。なお、第1、第2のシールドトンネル2,3の覆工にはいずれも鋼繊維強化コンクリート(S.F.R.C.)が用いられている。
【0017】
第2のシールドトンネル3は、図4に示すように、第1のシールドトンネル2と離間した離間した位置から第1のシールドトンネル2に漸次接近するように地山を掘削して構築されており、その先端部分は、第1のシールドトンネル2の覆工に当接した後、この覆工を切削しながら第1のシールドトンネル2と略平行に必要な長さだけ掘進されて停止している。
【0018】
第1、第2のシールドトンネル2,3間に位置する壁部(覆工が密着した部分)は除去され、両者の内面には鉄筋コンクリートの二次覆工4が施されることで、本線からの分岐・連結部分をなす大断面空間Sが構築されている。そして、大断面空間Sの内部には拡幅された車道Rが構築されている。
【0019】
上記のようなトンネルの構築方法について説明する。
まず、図2に示すように、地山を本線掘削用のシールド掘削機M1で掘削し第1のシールドトンネル2を構築する。第1のシールドトンネル2は鋼強化繊維コンクリートを用いたECL工法により覆工されることが望ましいが、分岐・合流部分だけを鋼強化繊維コンクリートで覆工したものであっても構わない。また、分岐・合流部分において第2のシールドトンネル3と接する壁面2aは、第2のシールドトンネルに切削される分を見越して図3のように肉厚に覆工しておくことが望ましい。
【0020】
続いて、図4に示すように、分岐線または合流線の先方から第1のシールドトンネル2に漸次接近するように地山を分岐・合流線掘削用のシールド掘削機M2で掘進していき、ついにはその先端を第1のシールドトンネル2の覆工にすり寄せるように当接させ、さらに第1のシールドトンネル2と略平行に、拡幅部として必要な長さだけ掘進して第2のシールドトンネル3を構築する。このとき、第2のシールドトンネル3は、図5のように肉厚の覆工2aの外側を切削しながら掘進するため、両シールドトンネル2,3の覆工部分は密着した1枚の壁部5となる。なお、第2のシールドトンネル3についてもECL工法による覆工が施されることが望ましい。
【0021】
次に、並設された第1、第2のシールドトンネル2,3間の壁部5を除去し、図6に示すように両者の内部空間を連結する。このとき、両シールドトンネル2,3の覆工に作用する土水圧によりトンネルが内側に崩壊するのを防止するため、壁部5を除去した部分に仮設支柱6を建て込んで一時的に内部空間を確保する。
【0022】
なお、壁部5を除去することでトンネル内に地下水の漏洩等の恐れがある場合には、あらかじめ周辺地盤に薬液を注入し地盤改良を施しておく。この場合の地盤改良は内部空間の確保が目的ではないので軽微な処置で十分である。
【0023】
この後、連結された第1、第2のシールドトンネル2,3の内面に鉄筋コンクリートによる二次覆工4を施し、両者を連続させてひとつのトンネル構造体とする。最後に、仮設支柱6を撤去して図1に示すような分岐・合流部分をなす大断面空間Sが完成する。
【0024】
上記のようなトンネルの構築方法によれば、並設された第1、第2のシールドトンネル2,3間の壁部5を除去し、さらにその内面を鉄筋コンクリートで二次覆工することで、従来のように大型のシールド掘削機を使用することなく分岐・合流部分となる大断面空間Sが構築される。これにより、トンネルの構築にかかる工費を大幅に削減することができる。
【0025】
また、軟弱地盤で山岳トンネル工法を用いる場合のような著しい地盤改良を必要としないため、周辺の地山に影響を与えることがほとんどない。
【0026】
なお、上記実施形態においては、第1のシールドトンネル2の断面形状を円形、第2のシールドトンネル3の断面形状を矩形としたが、これは単に一例であって、トンネルの形状自体は如何なるものであってもよい。
【0027】
また、上記実施形態では自動車道路用のトンネルについて説明したが、本発明に係るトンネルの構築方法は、これに限らず、鉄道その他あらゆるトンネルの分岐・合流部分の構築に好適に用いられる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る請求項1記載のトンネルの構築方法によれば、本線となる第1のシールドトンネルに、分岐・合流線となる第2のシールドトンネルを並設し、両者間の壁部を除去することで、従来のように大型のシールド掘削機を使用することなく分岐・合流部分となる大断面空間が形成される。これにより、トンネルの拡幅部分の構築にかかる工費を大幅に削減することができる。また、特殊な変断面シールド掘削機を使用するようなこともないので、シールド掘削機の制作費も安価で済み、工費のさらなる削減が可能である。
また、軟弱地盤で山岳トンネル工法を用いる場合のような著しい地盤改良を必要としないため、周辺の地山にほとんど影響を与えることなく施工が可能である。
【0031】
さらに、請求項1記載のトンネルの構築方法によれば、第1のシールドトンネルをなす覆工に鋼繊維補強コンクリートを用いることにより、両シールドトンネルを並設する箇所において覆工を切削し易くなり、これによって第2のシールドトンネルの構築が容易になるので、工費をさらに削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るトンネルの構築方法の実施形態を示す図であって、二次覆工を終えてひとつのトンネル構造体となった大断面空間を示す断面図である。
【図2】 軟弱地盤に構築された第1のシールドトンネルの平面図である。
【図3】 図2におけるIII-III線矢視断面図である。
【図4】 第1のシールドトンネルに並設された第2のシールドトンネルの平面図である。
【図5】 図4におけるV-V線矢視断面図である。
【図6】 壁部を除去されて連続した第1、第2のシールドトンネルの断面図である。
【符号の説明】
1 トンネル
2 第1のシールドトンネル
3 第2のシールドトンネル
4 二次覆工
5 壁部
6 仮設支柱
M1,M2 シールド掘削機
S 大断面空間
Claims (1)
- トンネル本線からの分岐部分または合流部分となる断面空間を構築するトンネルの構築方法であって、
本線となる第1のシールドトンネルを鋼繊維補強コンクリートを用いたECL工法により覆工する際に、分岐線または合流線となる第2のシールドトンネルと接する壁部を肉厚に覆工しておき、
前記第1のシールドトンネルと離間した位置から該第1のシールドトンネルに漸次接近するように地山を掘進し、ついには第1のシールドトンネルと並設させて分岐線または合流線となる第2のシールドトンネルを構築し、
並設された前記第1、第2のシールドトンネル間の壁部を除去して両者を連結することを特徴とするトンネルの構築方法。
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