JP2006348718A - 地下構造物の構築方法および地下構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 早期施工が可能で、かつ、安価に施工が可能な地下構造物の構築方法および地下構造物を提案する。
【解決手段】 先進導坑6を掘進する工程と、前記先進導坑6内から該先進導坑6の周囲に所定の間隔をあけて止水領域を形成する工程と、前記止水領域の内側において、前記先進導坑6を取り囲むように複数の小断面トンネル1,1,…を構築する工程と、前記止水領域の内側において、前記複数の小断面トンネル1,1,…を利用して前記先進導坑6を取り囲む外殻2を構築する工程とにより大断面トンネル(地下構造物)Tを構築する。
【選択図】 図1
【解決手段】 先進導坑6を掘進する工程と、前記先進導坑6内から該先進導坑6の周囲に所定の間隔をあけて止水領域を形成する工程と、前記止水領域の内側において、前記先進導坑6を取り囲むように複数の小断面トンネル1,1,…を構築する工程と、前記止水領域の内側において、前記複数の小断面トンネル1,1,…を利用して前記先進導坑6を取り囲む外殻2を構築する工程とにより大断面トンネル(地下構造物)Tを構築する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、地下構造物の構築方法および地下構造物に関する。
大都市における都市交通基盤整備事業の一環として、大深度地下における道路工事が検討されている。これに伴い、大深度地下におけるトンネル構築技術として、大深度・長距離掘進対応型のシールドマシン等、さまざまな技術が開発され、実用化に至っている。
このような大深度地下における地下構造物の分岐合流部(以下、「ランプ部」という場合がある)では、大断面の地下構造物構築技術が要求されるとともに、圧密沈下等の地上への影響や地下水位低下等の環境への配慮等が必要とされている。
従来、ランプ部等における大断面の地下構造物として、複数の矩形状のシールドトンネルを隣接配置して一体化することで、大断面トンネルの外殻を構築する技術やNATM工法(New Austrian Tunnelling Method)等の山岳工法により大断面トンネルを構築する施工技術が開示されている。
このような大断面トンネルの構築では、各シールドトンネル同士の接合部周囲の地盤を改良することにより、接合部の止水および強度増加を図る必要があるが、この地盤改良は、通常、大断面トンネル上方の地表面から鉛直に配置した注入管を利用した薬液注入や各シールドトンネル内からの薬液注入等により行われていた。ところが、これらの方法による地盤改良には時間やコストが嵩むという問題点を有していた。特に大深度地下における地下構造物の構築では、地表からの地盤改良工はその施工が困難であるとともに費用が嵩み、各シールドトンネル内からの地盤改良は、限られた内空断面において、地盤改良に要する機器設備の配置が困難な場合があるという問題点を有していた。
また、NATM工法等の山岳工法による施工は、施工に伴う地下水位の低下等による地表面の沈下が懸念されるという問題点を有していた。
また、NATM工法等の山岳工法による施工は、施工に伴う地下水位の低下等による地表面の沈下が懸念されるという問題点を有していた。
そのため、特許文献1には、矩形状のシールドトンネルと円形状のシールドトンネルとを、互いに重合するように交互に隣接配置することで薬液注入や凍結工法等の地盤改良を要することなく、止水性に優れた大断面トンネルの外殻を構築する方法が開示されている。
つまり、矩形状シールドトンネル同士の接合部を、円形状のシールドトンネルにより接合することで、シールドトンネル同士の接合部において補助工法を要することなく、所定の強度および止水性能を確保した状態で大断面トンネルの外殻を形成している。
特開平10−220194号公報([0020]−[0039]、図1)
つまり、矩形状シールドトンネル同士の接合部を、円形状のシールドトンネルにより接合することで、シールドトンネル同士の接合部において補助工法を要することなく、所定の強度および止水性能を確保した状態で大断面トンネルの外殻を形成している。
ところが、前記の大断面トンネルの構築方法は、各シールドトンネルにおいて、掘進、セグメントの組み立て、裏込め注入等に時間がかかるため、工事期間が長くなるという問題点を有していた。また、シールドトンネル同士の接合が可能となるように、特殊加工を施したセグメントの製造費用が嵩むという問題点も有していた。また、特殊形状に形成された2種類のシールド掘進機を必要とするため、その費用が嵩むとともに、同時施工が可能な切羽数に限りがあり、施工スピードに限度がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、早期施工が可能で、かつ、安価に施工が可能な地下構造物の構築方法および地下構造物を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の地下構造物の構築方法は、先進導坑を掘進する工程と、前記先進導坑内から該先進導坑の周囲に所定の間隔をあけて止水領域を形成する工程と、前記止水領域の内側において、前記先進導坑を取り囲むように複数の小断面トンネルを構築する工程と、前記止水領域の内側において、前記複数の小断面トンネルを利用して前記先進導坑を取り囲む外殻を構築する工程とを含むことを特徴としている。
かかる地下構造物の構築方法は、小断面トンネルを構築する前に、予め先進導坑からその周囲に地盤改良を施すため、小断面トンネルの構築の際に地下水が浸透することがなく、ウォータータイト施工による地下構造物の構築が可能となる。そのため、地下水位の低下や地表面沈下等のトンネル掘進に伴う弊害が生じることがないため、好適である。また、各小断面トンネルの施工を山岳工法(NATM工法等)により行えば、地質の状況等に応じて切羽数の増減や掘削断面の形状を変更することが可能なため、早期施工が可能となり、好適である。
また、前記地下構造物の構築方法において、各小断面トンネルの一部分が隣接する他の小断面トンネルの一部分と重なり合うように形成されていれば、外殻の構築を容易に行うことが可能となり、好適である。なお、各小断面トンネルの施工を山岳工法(NATM工法等)で行えば、特殊なセグメントや施工方法を要することなく、隣り合う小断面トンネル同士の一部分を重ね合わせながら施工できるため、施工性および経済性に優れており、好適である。
また、請求項3に記載の地下構造物の構築方法は、先進導坑を掘進する工程と、前記先進導坑内から該先進導坑の周囲に所定の間隔をあけて止水領域を形成する工程と、前記止水領域の内側において、所定の間隔をあけた状態で複数の先行小断面トンネルを構築する工程と、前記構築された各先行小断面トンネル同士の間隔に、隣り合う前記先行小断面トンネルとその一部分が重なり合うように後行小断面トンネルを形成する工程と、前記止水領域の内側において、前記先行小断面トンネルおよび後行小断面トンネルを利用して前記先進導坑を取り囲む外殻を構築する工程と、を含むことを特徴としている。
かかる地下構造物の構築方法によれば、先行した小断面トンネル(先行小断面トンネル)を閉合させた状態で後行の小断面トンネル(後行小断面トンネル)の構築を行うため、地山が緩むことがない。
また、請求項4に記載の発明は、本線部と前記本線部に並設された合流部とを含むランプ部と、該ランプ部の本線部の前後に連なる一般部とを備える線状の地下構造物の構築方法であって、前記ランプ部の本線部を含む領域において先進導坑を掘進する工程と、前記先進導坑内から該先進導坑の周囲に所定の間隔をあけて止水領域を形成する工程と、前記止水領域の内側において、前記先進導坑を取り囲むように複数の小断面トンネルを構築する工程と、前記止水領域の内側において、前記複数の小断面トンネルを利用して前記先進導坑を取り囲む外殻を構築する工程とを含み、前記先進導坑の掘進を、前記一般部を構築するためのシールド機を利用して行うことを特徴としている。
かかる地下構造物の構築方法は、ランプ部について、新たに先進導坑用の掘進機を使用する必要がないため、経済性に優れている。また、シールド機による掘進を、ランプ部の区間を通過した後も引き続き行えば、ランプ部の施工と平行して、一般部(ランプ部以外の区間)の施工を行うことが可能なため、早期施工が可能となる。また、内空断面が大きい一般部のシールド機を使用すれば、先進導坑の断面内において、複数の注入機を配置することが可能なため、止水領域の形成を早期に行うことが可能となる。
また、前記地下構造物の構築方法において、前記先進導坑を構築した後、ランプ部の始端と終端にそれぞれ立坑を構築する工程、あるいは、ランプ部に少なくとも1箇所立坑を構築する工程を含むことを特徴としている。つまり、一般部のシールド機による先進導坑の構築が完了してからランプ部の立坑を構築するため、ランプ部のその後の施工と一般部の施工とを並行して進行させることが可能となり、施工期間を大幅に短縮することが可能となる。
さらに、前記地下構造物の構築方法において、前記立坑の掘削深度に伴い前記小断面トンネルを構築すれば、小断面トンネルの施工に伴う、立坑内の足場を要することなく施工することが可能となるため、その段取り等の手間を省くことが可能となるとともに、その費用を削減することが可能となり、好適である。
また、本発明の地下構造物の構築方法は、前記先進導坑を構築した後、前記先進導坑内に坑口付けをして、前記止水領域内の所定の箇所まで延設された取付坑を形成する工程を含み、この取付坑を起点として、前記小断面トンネルを構築することを特徴としている。
かかる地下構造物の構築方法は、各小断面トンネルの構築を、先進導坑内から延設された取付坑から発進するため、小断面トンネルの構築のために、大断面地下構造物の起点や終点に立坑を構築する必要がない。そのため、大規模な立坑の構築に必要な費用や手間を省略することで、工事費および施工期間の大幅な削減が可能となる。
さらに、前記地下構造物の構築方法において、前記先進導坑を取り囲むように前記取付坑を形成し、なおかつ、この取付坑を環状に形成すれば、小断面トンネルの切羽数を増やして、複数の小断面トンネルの施工を同時期に行うことで工期を短縮することが可能となり、好適である。ここで、本明細書における環状(リング状)とは、円形、楕円形、矩形を問わず、先進導坑の周囲を取り囲むように連続して形成されたものをいう。
また、本発明の地下構造物は、互いの一部分が重合されるように連続して配設された山岳トンネルからなる複数の小断面トンネルと、前記複数の小断面トンネルを介して閉合するように形成された外殻とから構成される地下構造物であって、前記複数の小断面トンネルの周囲には、予め地盤改良による止水領域が形成されていることを特徴としている。
かかる地下構造物は、止水領域により囲われた領域内に複数の小断面トンネルを形成するため、止水を目的とした補助工法を要することなく施工することが可能となる。そのため、複数の小断面トンネルを早期に構築することでき、好適である。
また、前記地下構造物は、小断面トンネルの施工をNATM工法等の山岳工法により行うため、立坑を利用して小断面トンネルを構築する場合でも、発進立坑のみで行うことが可能なため、到達立坑の構築に伴う手間や費用を削減することが可能となり、好適である。
さらに、前記地下構造物が、前記複数の小断面トンネルの本数を増減することにより、前記外殻の形状が任意に変化されれば、目的に応じた形状の地下構造物の構築を、簡易、かつ、安価に行うことが可能となり、好適である。
本発明の地下構造物の構築方法および地下構造物によれば、大深度や地下水位の高い地盤でも早期、かつ、安価に施工を行うことが可能となる。
<第1の実施の形態>
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
ここで、図1は、第1の実施の形態に係る地下構造物の概略を示す斜視図である。また、図2は、第1の実施の形態に係る地下構造物を示す横断面図である。また、図3の(a)および(b)は、第1の実施の形態に係る地下構造物の構築方法による各段階を示す横断面図であり、図4の(a)および(b)は、同じく地下構造物の構築方法による各段階を示す横断面図である。また、図5は、立坑の掘削と小断面トンネルの掘削との関係を示す概略図であり、さらに、図6の(a)〜(c)は、立坑の配置例を示す平面図である。
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
ここで、図1は、第1の実施の形態に係る地下構造物の概略を示す斜視図である。また、図2は、第1の実施の形態に係る地下構造物を示す横断面図である。また、図3の(a)および(b)は、第1の実施の形態に係る地下構造物の構築方法による各段階を示す横断面図であり、図4の(a)および(b)は、同じく地下構造物の構築方法による各段階を示す横断面図である。また、図5は、立坑の掘削と小断面トンネルの掘削との関係を示す概略図であり、さらに、図6の(a)〜(c)は、立坑の配置例を示す平面図である。
第1の実施の形態では、図1に示すように、地下水流域に大深度トンネルにより道路を構築する場合において、分岐合流部(ランプ部)Aの構築のため、ランプ部Aの両端に立坑S,Sを構築し、この立坑S,Sを利用して大断面トンネル(地下構造物)Tを構築する場合について、説明する。
第1の実施の形態に係る大断面トンネルTは、図1に示すように、互いの一部分が重合されるように連続して配設された複数の小断面トンネル1,1,…と、これらの複数の小断面トンネル1,1,…を利用して形成された外殻2とから構成されており、この外殻2の内部には道路構造物3が構築されている。なお、小断面トンネル1,1,…は、NATM等の山岳工法により構築されている。
前記複数の小断面トンネル1,1,…の周囲には、図2に示すように、予め地盤改良による止水領域4が形成されており、山岳工法による小断面トンネル1の施工の際に、湧水が発生することがない。
小断面トンネル1の内部における外殻2の外周には、裏込めコンクリート1aが打設されており、空隙が充填されている。
また、大断面トンネルTの空間部5おける小断面トンネル1の支保工1bは、空間部5の地山の掘削に伴い、撤去されている。
また、大断面トンネルTの空間部5おける小断面トンネル1の支保工1bは、空間部5の地山の掘削に伴い、撤去されている。
次に、図面を参照して、第1の実施の形態に係る地下構造物の構築方法について説明する。
第1の実施の形態に係る地下構造物の構築方法は、(1)先進導坑6を掘進する導坑掘進工程(図3(a)参照)と、(2)前記先進導坑6の内部から該先進導坑6の周囲に所定の間隔をあけて止水領域4を形成する止水領域構築工程(図3(a)参照)と、(3)前記止水領域4の内側において前記先進導坑6を取り囲むように連続した複数の小断面トンネル1,1,…を構築する小断面トンネル構築工程(図3(b)参照)と、(4)前記複数の小断面トンネル1,1,…を利用して前記先進導坑6の横断方向において閉合する外殻2のコンクリートを打設する外殻構築工程(図3(b)および図4(a)参照)と、(5)前記外殻2により囲われた領域内の掘削を行う内部掘削工程(図4(b)参照)と、(6)前記外殻2の内部において道路構造物3を構築する構造物構築工程(図4(b)参照)と、により大断面トンネルTの構築を行うものである。
(1)導坑掘進工程
導坑掘進工程は、図3(a)に示すように、シールド掘削工法により、ランプ部Aに先進導坑6を構築する工程である。第1の実施の形態では、先進導坑6の構築について、一般部Bにおいて本線道路トンネルの施工に使用する内径12mの本線用シールド機により先進導坑6を構築するものとする(図1参照)。すなわち、第1の実施の形態では、本線用シールドトンネル6aが先進導坑6になっている。
なお、先進導坑6の構築は、本線用シールド機によるものに限定されるものではなく、例えばランプ用シールド機(図1参照)により構築してもよい。また、先進導坑6の形状寸法は限定されるものではないことはいうまでもない。
導坑掘進工程は、図3(a)に示すように、シールド掘削工法により、ランプ部Aに先進導坑6を構築する工程である。第1の実施の形態では、先進導坑6の構築について、一般部Bにおいて本線道路トンネルの施工に使用する内径12mの本線用シールド機により先進導坑6を構築するものとする(図1参照)。すなわち、第1の実施の形態では、本線用シールドトンネル6aが先進導坑6になっている。
なお、先進導坑6の構築は、本線用シールド機によるものに限定されるものではなく、例えばランプ用シールド機(図1参照)により構築してもよい。また、先進導坑6の形状寸法は限定されるものではないことはいうまでもない。
(2)止水領域構築工程
止水領域構築工程は、図3(a)に示すように、導坑掘進工程において構築された先進導坑6を利用して、大断面トンネルTの完成断面の外周に薬液注入等による地盤改良により、止水領域4を構築する工程である。
第1の実施の形態では、内空断面の大きい本線用シールドトンネル6aを先進導坑6としているため、同時に複数の注入機(図示せず)を配置して、先進導坑6の周囲に薬液注入を行う。また、止水領域構築工程は、先進導坑6の切羽後方において、随時連続して行うものとする。
止水領域構築工程は、図3(a)に示すように、導坑掘進工程において構築された先進導坑6を利用して、大断面トンネルTの完成断面の外周に薬液注入等による地盤改良により、止水領域4を構築する工程である。
第1の実施の形態では、内空断面の大きい本線用シールドトンネル6aを先進導坑6としているため、同時に複数の注入機(図示せず)を配置して、先進導坑6の周囲に薬液注入を行う。また、止水領域構築工程は、先進導坑6の切羽後方において、随時連続して行うものとする。
止水領域4の形状等は閉断面のものであれば限定されるものではないが、第1の実施の形態では、先進導坑6の外周から25m程度間隔をあけて、10m程度の厚みを有した断面リング状の領域を形成するものとする。
また、薬液注入に使用する材料や機器設備は限定されるものではなく、現地の状況や先進導坑の形状等に応じて、適宜公知のものから選定して使用すればよい。また、大断面トンネルTの縦断方向(例えば小断面トンネル1の切羽)からの地下水の浸透を防止することを目的として、例えば、ランプ部Aの始端と終端にカーテングラウトを行ってもよい。なお、大断面トンネルTの縦断方向の止水方法はカーテングラウトに限定されるものではなく、適宜公知の工法から選定して行えばよいことはいうまでもない。
また、薬液注入に使用する材料や機器設備は限定されるものではなく、現地の状況や先進導坑の形状等に応じて、適宜公知のものから選定して使用すればよい。また、大断面トンネルTの縦断方向(例えば小断面トンネル1の切羽)からの地下水の浸透を防止することを目的として、例えば、ランプ部Aの始端と終端にカーテングラウトを行ってもよい。なお、大断面トンネルTの縦断方向の止水方法はカーテングラウトに限定されるものではなく、適宜公知の工法から選定して行えばよいことはいうまでもない。
(3)小断面トンネル構築工程
小断面トンネル構築工程は、図3(b)に示すように、止水領域構築工程において、構築された止水領域4の内周面に沿って、小断面トンネル1,1,…を構築する工程である。各小断面トンネル1は、隣接する他の小断面トンネル1と互いに一部がラップ(重合)するように構築するが、施工段階では、計画された小断面トンネル1,1,…を一つおきに構築してから、図4(a)に示すように、各小断面トンネル(先行小断面トンネル)1の間に、隣接する小断面トンネル1にラップさせながら残りの小断面トンネル(後行小断面トンネル)1,1,…を構築する。
小断面トンネル構築工程は、図3(b)に示すように、止水領域構築工程において、構築された止水領域4の内周面に沿って、小断面トンネル1,1,…を構築する工程である。各小断面トンネル1は、隣接する他の小断面トンネル1と互いに一部がラップ(重合)するように構築するが、施工段階では、計画された小断面トンネル1,1,…を一つおきに構築してから、図4(a)に示すように、各小断面トンネル(先行小断面トンネル)1の間に、隣接する小断面トンネル1にラップさせながら残りの小断面トンネル(後行小断面トンネル)1,1,…を構築する。
なお、第1の実施の形態では、図5に示すように、各小断面トンネル1の構築を、立坑Sの掘削深度に伴い構築するものとする。つまり、まず、立坑Sの鉛直方向の掘削を、構築する小断面トンネル11の高さであるS1まで掘削した後、横方向の小断面トンネル11の掘進を行うことで、小断面トンネル11の掘削の発進・到達に必要な足場を省略することが可能となる。そして、小断面トンネル11の掘進が完了、または所定の距離まで進行したら、立坑Sの鉛直方向の掘削を次に構築する小断面トンネル12,12の高さであるS2まで掘削する。そして、同様に、小断面トンネル12,12の掘進を開始する。この立坑Sの掘削と、小断面トンネル1の掘進とを繰り返し行うことにより、大断面トンネルTの構築を行う。
ここで、第1の実施の形態では、大都心におけるトンネル構築のために、深度が深く、地上での用地の確保が困難であること等から、立坑Sの構築を地中内で行うものとする。つまり、先進導坑6(大断面トンネルT)よりも上方において立坑Sの構築位置を通過するように立坑用先進導坑Saを構築し、この立坑用先進導坑Saおよび先進導坑6から立坑Sの構築予定箇所の周面に薬液注入を行うことで、地盤改良Sbを行う。立坑Sの周辺地盤は、地盤改良Sbにより、所定の強度と止水性を有しているため、立坑Sの掘削に伴う地山の崩壊および地下水の流入が防止されている。そして、立坑用先進導坑Saから掘削を行い、立坑Sの構築を行うものとする。なお、立坑Sの構築方法は、前記の方法に限定されるものではなく、現場の状況等に応じて、適宜、公知の方法により構築すればよいことはいうまでもない。また、立坑Sの支保構造は、地山の状況等に応じて適宜構築すればよい。
第1の実施の形態では、小断面トンネル1の構築をNATM工法により行うものとし、ロードヘッダ等の公知の掘削機による掘進、支保工1bの組み立て、吹き付けコンクリート(図示省略)の順に随時施工を行う。なお、地山の状況に応じて、先受けポーリング等の補助工法を併用してもよい。ここで、第1の実施の形態では、小断面トンネル1について2次覆工(覆工コンクリートの打設等)は行わないものとする。なお、小断面トンネル1の掘進の切羽数を増やすことで施工を早期に行うことも可能である。
(4)外殻構築工程
外殻構築工程は、図3(b)に示すように、小断面トンネル構築工程において構築された小断面トンネル1,1,…に随時コンクリートを打設することにより、図4(a)に示すように、閉断面(第1の実施の形態ではリング状)の大断面トンネルTの外殻2を構築する工程である。外殻2のコンクリート(以下、単に「外殻コンクリート」という場合がある)の打設は、図3(b)に示すように、各小断面トンネル1が構築された段階で、随時行うものとし、後施工で構築される小断面トンネル1(後行小断面トンネル)内の外殻コンクリートは、隣接する小断面トンネル1(先行小断面トンネル)内に打設された既設の外殻コンクリートと接合させながら行う。
外殻構築工程は、図3(b)に示すように、小断面トンネル構築工程において構築された小断面トンネル1,1,…に随時コンクリートを打設することにより、図4(a)に示すように、閉断面(第1の実施の形態ではリング状)の大断面トンネルTの外殻2を構築する工程である。外殻2のコンクリート(以下、単に「外殻コンクリート」という場合がある)の打設は、図3(b)に示すように、各小断面トンネル1が構築された段階で、随時行うものとし、後施工で構築される小断面トンネル1(後行小断面トンネル)内の外殻コンクリートは、隣接する小断面トンネル1(先行小断面トンネル)内に打設された既設の外殻コンクリートと接合させながら行う。
外殻2の構築は、小断面トンネル1内において、所定の配筋を行った後、型枠を設置し、外殻コンクリートを打設することにより行う。このとき、隣接する小断面トンネル1の外殻コンクリート同士の接合は、さし筋を介するなどして一体化する。
ここで、外殻2の配筋は、想定される外力に応じて行えばよく、必ずしも配筋しなくてもよい。また、外殻2の厚みは、限定されるものではなく、地山の状況や深度等に応じて適宜設定すればよい。また、外殻コンクリートの打設に伴い、小断面トンネル1内における外殻2の外周側の空間に裏込めコンクリート1aを打設し、空隙をなくすものとする。なお、外殻コンクリートと裏込めコンクリート1aの配合や打設方法等は限定されるものではなく、状況に応じて適宜設定するものとする。
ここで、外殻2の配筋は、想定される外力に応じて行えばよく、必ずしも配筋しなくてもよい。また、外殻2の厚みは、限定されるものではなく、地山の状況や深度等に応じて適宜設定すればよい。また、外殻コンクリートの打設に伴い、小断面トンネル1内における外殻2の外周側の空間に裏込めコンクリート1aを打設し、空隙をなくすものとする。なお、外殻コンクリートと裏込めコンクリート1aの配合や打設方法等は限定されるものではなく、状況に応じて適宜設定するものとする。
(5)内部掘削工程
内部掘削工程は、外殻構築工程により構築された外殻2の内側にある地山を完成断面の形状に応じて掘削し、所望の道路構造物3の構築が可能となるように空間部5を構築する工程である(図4(b)参照)。このとき、掘削に伴い空間部5内に突出する小断面トンネル1の支保工1bは撤去するものとする。
内部掘削工程は、外殻構築工程により構築された外殻2の内側にある地山を完成断面の形状に応じて掘削し、所望の道路構造物3の構築が可能となるように空間部5を構築する工程である(図4(b)参照)。このとき、掘削に伴い空間部5内に突出する小断面トンネル1の支保工1bは撤去するものとする。
(6)構造物構築工程
構造物構築工程は、図4(b)に示すように、内部掘削工程により掘削された、大断面トンネルTの内部に道路構造物3を構築する工程である。
第1の実施の形態では、先進導坑6を利用して本線部R1を構築し、この本線部R1の隣に合流部R2を構築することにより、道路構造物3を構築する。
構造物構築工程は、図4(b)に示すように、内部掘削工程により掘削された、大断面トンネルTの内部に道路構造物3を構築する工程である。
第1の実施の形態では、先進導坑6を利用して本線部R1を構築し、この本線部R1の隣に合流部R2を構築することにより、道路構造物3を構築する。
第1の実施の形態では、図6(a)に示すように、ランプ部Aについて、両端に立坑S,Sを構築するものとしたが、立坑Sの構築は、必ずしも対象範囲の両端に行う必要はなく、例えば、図6(b)に示すように、ランプ部Aの中央に立坑Sを構築し、この立坑Sから前後に小断面トンネル1,1,…を掘進させることにより、大断面トンネルTを構築する構成としてもよい。また、図6(c)に示すように、ランプ部Aの一方の端部にのみ立坑Sを構築し、この立坑Sを発進立坑として小断面トンネル1,1,1…を構築する構成としてもよい。
ランプ部Aの施工が完了したら、立坑Sからランプ部Aと逆方向にランプ用シールドトンネル6bを構築して、合流路線の施工を行う(図1参照)。なお、第1の実施の形態では、ランプ用シールド機として、断面形状が矩形状のシールド機を使用するものとしたが、ランプ用シールドトンネル6bの形状寸法は限定されるものではなく、その掘進用のシールド機は適宜設定すればよいことはいうまでもない。
第1の実施の形態に係る地下構造物の構築方法によれば、本線用シールドトンネル6aを先進導坑6として使用するため、一般部Bのトンネル掘削の施工を中断することなく、ランプ部Aの施工を行うことが可能となり、ひいては、道路トンネル工事全体の工期の短縮化が可能となる。
また、内空断面の大きい本線用シールドトンネル6aを先進導坑6として使用しているため、複数台の薬液注入機を先進導坑6の内部に配置することが可能となり、止水領域構築工程における地盤改良工事を早期に行うことが可能となる。
また、内空断面の大きい本線用シールドトンネル6aを先進導坑6として使用しているため、複数台の薬液注入機を先進導坑6の内部に配置することが可能となり、止水領域構築工程における地盤改良工事を早期に行うことが可能となる。
また、第1の実施の形態に係る地下構造物の構築方法は、先進導坑6の掘進をシールド工法、小断面トンネル1の掘進を止水領域4内で行うため、各トンネル(先進導坑6および小断面トンネル1)の掘進に伴い、各トンネル内に地下水を引き込むことがない。そのため、ウォータータイト施工が可能となり、周辺地域の地下水の流域に影響を与えることがなく、地下水位の低下に伴う地盤沈下や、井戸枯れなどが発生する恐れがない。
また、予め止水領域4を構築することで、小断面トンネル1の施工時には湧水がないため、小断面トンネル1の構築を山岳工法(NATM)により施工を行うことが可能となり、掘進速度が速い。また、山岳工法による小断面トンネル1の施工には、一般的な汎用機械を使用することが可能なため、シールドトンネル等において使用する、現場に応じて準備される特殊な機械設備等を必要としないため、施工費用が安価となる。
また、切羽数を増加することにより、早期施工を図ることが可能である。さらに、ランプ部両端の立坑S,Sからそれぞれ小断面トンネル1の掘進を行えば、切羽数を2倍に増加することが可能となる。
また、切羽数を増加することにより、早期施工を図ることが可能である。さらに、ランプ部両端の立坑S,Sからそれぞれ小断面トンネル1の掘進を行えば、切羽数を2倍に増加することが可能となる。
また、外殻2は、各小断面トンネル1内において構築されため、大規模な構造物である大断面トンネルTの外殻2を簡易に構築することが可能となる。
さらに、大断面トンネルTの空間部5の掘削は、予め構築された外殻2の内側において行われるため、安全かつ簡易に施工を行うことが可能である。
また、各小断面トンネル1の構築は、NATM工法により行うため、地質状況などに応じて適宜支保工を変更することが可能となり、経済性、安全性に最適の施工を行うことを可能としている。
さらに、大断面トンネルTの空間部5の掘削は、予め構築された外殻2の内側において行われるため、安全かつ簡易に施工を行うことが可能である。
また、各小断面トンネル1の構築は、NATM工法により行うため、地質状況などに応じて適宜支保工を変更することが可能となり、経済性、安全性に最適の施工を行うことを可能としている。
<第2の実施の形態>
次に図7および図8を参照して、第2の実施の形態に係る地下構造物の構築方法ついて説明する。ここで、図7は、第2の実施の形態に係る地下構造物の概略を示した斜視図であり、図8は同地下構造物の構築方法による施工段階の一部を示す横断面図である。
次に図7および図8を参照して、第2の実施の形態に係る地下構造物の構築方法ついて説明する。ここで、図7は、第2の実施の形態に係る地下構造物の概略を示した斜視図であり、図8は同地下構造物の構築方法による施工段階の一部を示す横断面図である。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、地下水流域に大深度トンネルにより道路を構築する場合において、ランプ部の構築を行う場合について、説明する。
第2の実施の形態に係る大断面トンネルT’は、第1の実施の形態の大断面トンネルTと同様に、互いの一部分が重合されるように連続して配設された複数の小断面トンネル1,1,…と、これらの複数の小断面トンネル1,1,…を利用して形成された外殻2とから構成されており、この外殻2の内部には道路構造物3が構築されている(図2参照)。なお、図7に示すように、小断面トンネル1,1,…は、先進導坑6を構築した後、先進導坑6内に坑口付けをして、止水領域4内の所定の箇所まで延設された取付坑10を起点として、NATM等の山岳工法により構築されている。ここで、第2の実施の形態に係る大断面トンネルT’のこの他の構成は、第1の実施の形態で示したものと同様なため、詳細な説明は省略する。
次に、図7および図8を参照して、第2の実施の形態に係る地下構造物の構築方法について説明する。
第2の実施の形態に係る地下構造物の構築方法は、(1)先進導坑6を掘進する導坑掘進工程と、(2)前記先進導坑6の内部から該先進導坑6の周囲に所定の間隔をあけて止水領域4を形成する止水領域構築工程と、(3)先進導坑6を構築した後、先進導坑6内に坑口付けをして、止水領域4内の所定の箇所まで延設された取付坑10を形成する取付坑形成工程(図7および図8参照)と、(4)前記止水領域4の内側において前記取付坑10を起点として前記先進導坑6を取り囲むようにトンネル周方向に連続した複数の小断面トンネル1,1,…を構築する小断面トンネル構築工程(図7および図8参照)と、(5)前記複数の小断面トンネル1,1,…を利用して前記先進導坑6の横断方向において閉合する外殻2のコンクリートを打設する外殻構築工程と、(6)前記外殻2により囲われた領域内の掘削を行う内部掘削工程と、(7)前記外殻2の内部において道路構造物3を構築する構造物構築工程と、により大断面トンネルTの構築を行うものである。
(1)導坑掘進工程
導坑掘進工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、シールド掘削工法により、ランプ部に先進導坑6を構築する工程である。
導坑掘進工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、シールド掘削工法により、ランプ部に先進導坑6を構築する工程である。
(2)止水領域構築工程
止水領域構築工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、導坑掘進工程において構築された先進導坑6を利用して、大断面トンネルT’の完成断面の外周に薬液注入等による地盤改良により、止水領域4を構築する工程である。
止水領域構築工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、導坑掘進工程において構築された先進導坑6を利用して、大断面トンネルT’の完成断面の外周に薬液注入等による地盤改良により、止水領域4を構築する工程である。
(3)取付坑形成工程
取付坑形成工程は、図7および図8に示すように、導坑掘進工程において構築された先進導坑6の内面に坑口付けをし、この坑口10aから、先進導坑6に沿って取付坑10を掘進する工程である。
取付坑形成工程は、図7および図8に示すように、導坑掘進工程において構築された先進導坑6の内面に坑口付けをし、この坑口10aから、先進導坑6に沿って取付坑10を掘進する工程である。
第2の実施の形態に係る取付坑10は、小断面トンネル1を構築するために先進導坑6から分岐して構築されたトンネルであって、複数の小断面トンネル1,1,…を兼ねている。つまり、先進導坑6から分岐して斜め前方方向に向かって形成された斜部(取付坑10)と、先進導坑6に略平行に形成された一般部(小断面トンネル1)とを一本のトンネルとして連続して構築している。そして、複数の小断面トンネル1,1,…の少なくとも1つの斜部を、取付坑10として先進導坑6から構築し、他の小断面トンネル1,1,…の斜部(分岐取付坑10b)をこの取付坑10から構築する。
第2の実施の形態では、一の小断面トンネル1に対応する取付坑10を形成した後、その取付坑10の内面に坑口付けをし、当該小断面トンネル1(取付坑10)の近傍の小断面トンネル1に対応する取付坑10(分岐取付坑10b)を構築するものとする。なお、一の取付坑10から分岐する分岐取付坑10bの本数は限定されるものではなく、適宜、設定すればよい。また、分岐取付坑10bからさらに分岐取付坑を構築してもよい。さらに、分岐取付坑10bを設けることなく、各小断面トンネル1に対応する取付坑10を、それぞれ先進導坑6から構築してもよいことはいうまでもない。
取付坑10(小断面トンネル1)の構築は、止水領域構築工程において構築された止水領域4内において行われる。したがって、湧水の恐れがないため、取付坑10および分岐取付坑10bの構築をNATM工法により行うものとし、ロードヘッダ等の公知の掘削機による掘進、支保工1bの組み立て、吹き付けコンクリート(図示省略)の順に随時施工を行う。なお、地山の状況に応じて、先受けポーリング等の補助工法を併用してもよい。ここで、第2の実施の形態では、取付坑10および分岐取付坑10bについて2次覆工(覆工コンクリートの打設等)は行わないものとする。なお、掘進の切羽数を増やすことで施工を早期に行うことも可能である。ここで、取付坑10または分岐取付坑10bの構築は、NATM工法に限定されるものではないことはいうまでもない。
ここで、第2の実施の形態では、取付坑10の断面形状を、小断面トンネル1の断面形状と同一とするが、取付坑10の断面形状は、限定されるものではないことはいうまでもない。
(4)小断面トンネル構築工程
小断面トンネル1の構築は、取付坑10または分岐取付坑10bの構築が小断面トンネル1に対応する箇所に到達した時点で、掘進方向を計画された小断面トンネル1の掘進方向(第2の実施の形態では先進導坑6と略平行)に変更して、前記一般部として引き続き掘進することにより行う。
各小断面トンネル1は、隣接する他の小断面トンネル1と互いに一部がラップ(重合)するように構築するが、施工段階では、図7に示すように、計画された小断面トンネル1,1,…を一つおきに構築してから、図8に示すように、各小断面トンネル(先行小断面トンネル)1の間に、隣接する小断面トンネル1にラップさせながら残りの小断面トンネル(後行小断面トンネル)1,1,…を構築する。
小断面トンネル1の構築は、取付坑10または分岐取付坑10bの構築が小断面トンネル1に対応する箇所に到達した時点で、掘進方向を計画された小断面トンネル1の掘進方向(第2の実施の形態では先進導坑6と略平行)に変更して、前記一般部として引き続き掘進することにより行う。
各小断面トンネル1は、隣接する他の小断面トンネル1と互いに一部がラップ(重合)するように構築するが、施工段階では、図7に示すように、計画された小断面トンネル1,1,…を一つおきに構築してから、図8に示すように、各小断面トンネル(先行小断面トンネル)1の間に、隣接する小断面トンネル1にラップさせながら残りの小断面トンネル(後行小断面トンネル)1,1,…を構築する。
ここで、小断面トンネル1の断面形状や本数を変化させることにより外殻2(大断面トンネルT’)の形状を変化させてもよい。
この他、小断面トンネル1,1,…の構築方法は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
(5)外殻構築工程
外殻構築工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、小断面トンネル構築工程において構築された小断面トンネル1,1,…に随時コンクリートを打設することにより、閉断面(第2の実施の形態ではリング状)の大断面トンネルT’の外殻2を構築する工程である。
外殻構築工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、小断面トンネル構築工程において構築された小断面トンネル1,1,…に随時コンクリートを打設することにより、閉断面(第2の実施の形態ではリング状)の大断面トンネルT’の外殻2を構築する工程である。
(6)内部掘削工程
内部掘削工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、外殻構築工程により構築された外殻2の内側にある地山を完成断面の形状に応じて掘削し、空間部5を構築する工程である。
内部掘削工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、外殻構築工程により構築された外殻2の内側にある地山を完成断面の形状に応じて掘削し、空間部5を構築する工程である。
(7)構造物構築工程
構造物構築工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、内部掘削工程により掘削された、大断面トンネルTの内部に道路構造物3を構築する工程である。
構造物構築工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、内部掘削工程により掘削された、大断面トンネルTの内部に道路構造物3を構築する工程である。
第2の実施の形態に係る地下構造物の構築方法は、先進導坑6の掘進をシールド工法、取付坑10(分岐取付坑10bを含む)および小断面トンネル1の掘進を止水領域4内で行うため、各トンネル(先進導坑6および小断面トンネル1)の掘進に伴い、各トンネル内に地下水を引き込むことがない。そのため、ウォータータイト施工が可能となり、周辺地域の地下水の流域に影響を与えることがなく、地下水位の低下に伴う地盤沈下や、井戸枯れなどが発生する恐れがない。
また、予め止水領域4を構築することで、取付坑10、分岐取付坑10b、小断面トンネル1の施工時には湧水がないため、取付坑10、分岐取付坑10b、小断面トンネル1の構築を山岳工法(NATM)により施工を行うことが可能となり、掘進速度が速い。また、山岳工法による取付坑10、分岐取付坑10b、小断面トンネル1の施工には、一般的な汎用機械を使用することが可能なため、シールドトンネル等において使用する、現場に応じて準備される特殊な機械設備等を必要としないため、施工費用が安価となる。また、切羽数を増加することにより、早期施工を図ることが可能である。
また、各小断面トンネル1の構築に、立坑を必要としないため、大規模な立坑の構築に要する時間と手間を削減することで、大幅な工期短縮および費用削減が可能となる。
また、取付坑10の構築は、NATM工法により行うため、地質状況などに応じて適宜支保工を変更することが可能となり、経済性、安全性に最適の施工を行うことを可能としている。
また、取付坑10の構築は、NATM工法により行うため、地質状況などに応じて適宜支保工を変更することが可能となり、経済性、安全性に最適の施工を行うことを可能としている。
この他、第2の実施の形態の地下構造物の構築方法による効果は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
<第3の実施の形態>
次に図9を参照して、第3の実施の形態に係る地下構造物の構築方法ついて説明する。ここで、図9は、第3の実施の形態に係る地下構造物の構築方法を示した図であって、(a)は斜視図、(b)は横断面図である。
次に図9を参照して、第3の実施の形態に係る地下構造物の構築方法ついて説明する。ここで、図9は、第3の実施の形態に係る地下構造物の構築方法を示した図であって、(a)は斜視図、(b)は横断面図である。
第3の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、地下水流域に大深度トンネルにより道路を構築する場合において、ランプ部の構築を行う場合について、説明する。
第3の実施の形態に係る大断面トンネルT”は、第1の実施の形態の大断面トンネルTと同様に、互いの一部分が重合されるように連続して配設された複数の小断面トンネル1,1,…と、これらの複数の小断面トンネル1,1,…を利用して形成された外殻2とから構成されており、この外殻2の内部には道路構造物3が構築されている。なお、図9(a)および(b)に示すように、小断面トンネル1,1,…は、先進導坑6を構築した後、先進導坑6を取り囲むように、外殻2の内周に沿って、計画された小断面トンネル1,1,…に対応するようにリング状に形成されたリング状斜坑(環状の取付坑)10cを起点として、NATM等の山岳工法により構築されている。ここで、第3の実施の形態に係る大断面トンネルT”のこの他の構成は、第1の実施の形態または第2の実施の形態で示したものと同様なため、詳細な説明は省略する。
次に、図9(a)および(b)を参照して、第3の実施の形態に係る地下構造物の構築方法について説明する。
第3の実施の形態に係る地下構造物の構築方法は、(1)先進導坑6を掘進する導坑掘進工程と、(2)前記先進導坑6の内部から該先進導坑6の周囲に所定の間隔をあけて止水領域4を形成する止水領域構築工程と、(3)先進導坑を構築した後、先進導坑内に坑口付けをして横坑10dを形成し、この横坑10dを起点として、止水領域4の内面に沿ってリング状斜坑10cを形成する取付坑形成工程(図9(a)および(b)参照)と、(4)前記止水領域4の内側において前記リング状斜坑10cを起点として前記先進導坑6を取り囲むようにトンネル周方向に連続した複数の小断面トンネル1,1,…を構築する小断面トンネル構築工程(図9(a)および(b)参照)と、(5)前記複数の小断面トンネル1,1,…を利用して前記先進導坑6の横断方向において閉合する外殻2のコンクリートを打設する外殻構築工程と、(6)前記外殻2により囲われた領域内の掘削を行う内部掘削工程と、(7)前記外殻2の内部において道路構造物3を構築する構造物構築工程と、により大断面トンネルTの構築を行うものである。
(1)導坑掘進工程
導坑掘進工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、シールド掘削工法により、ランプ部に先進導坑6を構築する工程である。
導坑掘進工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、シールド掘削工法により、ランプ部に先進導坑6を構築する工程である。
(2)止水領域構築工程
止水領域構築工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、導坑掘進工程において構築された先進導坑6を利用して、大断面トンネルT”の完成断面の外周に薬液注入等による地盤改良により、止水領域4を構築する工程である。
止水領域構築工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、導坑掘進工程において構築された先進導坑6を利用して、大断面トンネルT”の完成断面の外周に薬液注入等による地盤改良により、止水領域4を構築する工程である。
(3)取付坑形成工程
取付坑形成工程は、図9(a)および(b)に示すように、止水領域構築工程において構築された止水領域4の内周面に沿って、小断面トンネル1,1,…の起点となるリング状斜坑10cを構築する工程である。
取付坑形成工程は、図9(a)および(b)に示すように、止水領域構築工程において構築された止水領域4の内周面に沿って、小断面トンネル1,1,…の起点となるリング状斜坑10cを構築する工程である。
リング状斜坑10cの構築は、まず、導坑掘進工程において構築された先進導坑6の内面に坑口付けをし、この坑口10aから、先進導坑6の外周であって先進導坑6から所定間隔を有して計画された小断面トンネル1の位置付近まで、先進導坑6のトンネル軸と交差する方向(第3の実施の形態では直交する方向)に横坑10dを形成する。所定の位置まで横坑10dの形成が完了したら、図9(a)に示すように、横坑10dを起点として各小断面トンネル1に対応するように止水領域4に沿って楕円形状の斜坑であるリング状斜坑10cを構築する。
ここで、リング状斜坑10cの断面形状は、小断面トンネル1の発進が可能となるように、小断面トンネル1の断面形状以上に形成するものとする。また、第3実施形態では、取付坑として、楕円形に形成されたリング状斜坑10cを構築するものとしたが、取付坑の形状は限定されるものではなく、例えば、真円形や矩形等、大断面トンネルT”の断面形状に応じて適宜設定すればよい。
また、第3の実施形態では、図9(b)に示すように、先進導坑6を挟んで両側にそれぞれ横坑10d,10dを構築するものとしたが、横坑10dの本数は限定されるものではなく、例えば片側のみに構築してもよい。また、横坑10dの掘進方向は、リング状斜坑10cとの接続が可能であれば、先進導坑6のトンネル軸と直交する方向に限定されるものではない。
また、第3の実施形態では、図9(b)に示すように、先進導坑6を挟んで両側にそれぞれ横坑10d,10dを構築するものとしたが、横坑10dの本数は限定されるものではなく、例えば片側のみに構築してもよい。また、横坑10dの掘進方向は、リング状斜坑10cとの接続が可能であれば、先進導坑6のトンネル軸と直交する方向に限定されるものではない。
リング状斜坑10cおよび横坑10dの構築は、止水領域構築工程において構築された止水領域4内において行われるため、湧水の恐れがないため、NATM工法により行うものとし、ロードヘッダ等の公知の掘削機による掘進、支保工1bの組み立て、吹き付けコンクリート(図示省略)の順に随時施工を行う。なお、地山の状況に応じて、先受けポーリング等の補助工法を併用してもよい。ここで、第3の実施の形態では、リング状斜坑10cおよび横坑10dについて2次覆工(覆工コンクリートの打設等)は行わないものとする。なお、掘進の切羽数を増やすことで施工を早期に行うことも可能である。ここで、リング状斜坑10cまたは横坑10dの構築は、NATM工法に限定されるものではないことはいうまでもない。
(4)小断面トンネル構築工程
小断面トンネル構築工程は、図9(a)および(b)に示すように、取付坑形成工程において構築されたリング状斜坑10cを起点として、止水領域構築工程において構築された止水領域4の内周面に沿って、小断面トンネル1,1,…を構築する工程である。
小断面トンネル構築工程は、図9(a)および(b)に示すように、取付坑形成工程において構築されたリング状斜坑10cを起点として、止水領域構築工程において構築された止水領域4の内周面に沿って、小断面トンネル1,1,…を構築する工程である。
第3の実施の形態では、各小断面トンネル1を、先進導坑6と平行に、リング状斜坑10cを起点として、その前後方向に掘進するものとする。各小断面トンネル1は、隣接する他の小断面トンネル1と互いに一部がラップ(重合)するように構築するが、施工段階では、図7に示すように、計画された小断面トンネル1,1,…を一つおきに構築してから、図8に示すように、各小断面トンネル(先行小断面トンネル)1の間に、隣接する小断面トンネル1にラップさせながら残りの小断面トンネル(後行小断面トンネル)1,1,…を構築する。
この他、小断面トンネル1,1,…の構築方法は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
(5)外殻構築工程
外殻構築工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、小断面トンネル構築工程において構築された小断面トンネル1,1,…に随時コンクリートを打設することにより、閉断面(第3の実施の形態ではリング状)の大断面トンネルTの外殻2を構築する工程である。
外殻構築工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、小断面トンネル構築工程において構築された小断面トンネル1,1,…に随時コンクリートを打設することにより、閉断面(第3の実施の形態ではリング状)の大断面トンネルTの外殻2を構築する工程である。
(6)内部掘削工程
内部掘削工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、外殻構築工程により構築された外殻2の内側にある地山を完成断面の形状に応じて掘削し、空間部5を構築する工程である。
内部掘削工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、外殻構築工程により構築された外殻2の内側にある地山を完成断面の形状に応じて掘削し、空間部5を構築する工程である。
(7)構造物構築工程
構造物構築工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、内部掘削工程により掘削された、大断面トンネルT”の内部に道路構造物3を構築する工程である。
構造物構築工程は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略するが、内部掘削工程により掘削された、大断面トンネルT”の内部に道路構造物3を構築する工程である。
第3の実施の形態に係る地下構造物の構築方法によれば、先進導坑6の掘進をシールド工法、リング状斜坑10c(横坑10dを含む)および小断面トンネル1の掘進を止水領域4内で行うため、各トンネル(先進導坑6、リング状斜坑10cおよび小断面トンネル1)の掘進に伴い、各トンネル内に地下水を引き込むことがない。そのため、ウォータータイト施工が可能となり、周辺地域の地下水の流域に影響を与えることがなく、地下水位の低下に伴う地盤沈下や、井戸枯れなどが発生する恐れがない。
また、予め止水領域4を構築することで、リング状斜坑10c、横坑10d、小断面トンネル1の施工時には湧水がないため、リング状斜坑10c、横坑10d、小断面トンネル1の構築を山岳工法(NATM)により施工を行うことが可能となり、掘進速度が速い。また、山岳工法による施工には、一般的な汎用機械を使用することが可能なため、シールドトンネル等において使用する、現場に応じて準備される特殊な機械設備等を必要としないため、施工費用が安価となる。また、切羽数を増加することにより、早期施工を図ることが可能である。
また、楕円リング状に形成されたリング状斜坑10cを利用した小断面トンネル1の構築は、自由にどこからでも坑口10aをつけることができるため、パーティ数を増やすことにより、工期短縮が可能となる。
この他、第3の実施の形態の地下構造物の構築方法による効果は、第1の実施の形態または第2の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
<第4の実施の形態>
次に図10を参照して、第4の実施の形態に係る地下構造物ついて説明する。ここで、図10は、第4の実施の形態に係る地下構造物を示した図であって、(a)は平面図、(b)は(a)に示すX−X断面図、(c)は(a)に示すY−Y断面図である。
次に図10を参照して、第4の実施の形態に係る地下構造物ついて説明する。ここで、図10は、第4の実施の形態に係る地下構造物を示した図であって、(a)は平面図、(b)は(a)に示すX−X断面図、(c)は(a)に示すY−Y断面図である。
第4の実施形態に係る大断面トンネル(地下構造物)Tは、前記各実施形態で示した地下構造物の構築方法を利用して構築されており、図10(a)に示すように、ランプ部Aの両端部において、その外殻2が徐々に拡幅または縮小することにより、本線用シールドトンネル6aに擦り付けられている。
つまり、大断面トンネルTは、図10(b)および(c)に示すように、互いの一部分が重合されるように連続して配設された複数の小断面トンネル1,1,…について、その本数を増減することにより、外殻2の形状を任意に変化(拡幅または縮小)させたものである。
なお、第4の実施の形態では、ランプ部Aの中央部において、図10(b)に示すように、所定の内空断面積を有して形成された大断面トンネルT1について、複数の小断面トンネル1,1,…のうち、一部の小断面トンネル1’,1’,…を削減するとともに、残りの小断面トンネル1,1,…の配置を調整することにより、図10(c)に示す大断面トンネルT2のように、その内空断面積を縮小させている。そして、同様に、ランプ部Aと一般部Bとの接合部に近づくにつれて小断面トンネル1,1,…の数を削減することにより、大断面トンネルTの形状を縮小して、本線用シールドトンネル6aに擦り付けている。
なお、第4の実施の形態では、小断面トンネル1の増減により、大断面トンネルTの内空断面積を増減する構成としたが、小断面トンネル1の増減と配置の調整により、例えば円形断面の大断面トンネルを矩形状に変形するなど、任意の形状に変化させてもよい。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、前記各実施形態では、大断面トンネルの形状を円形に形成するものとしたが、大断面トンネルの形状は円形に限定されるものではなく、例えば矩形状に形成されていてもよいことはいうまでもない。
例えば、前記各実施形態では、大断面トンネルの形状を円形に形成するものとしたが、大断面トンネルの形状は円形に限定されるものではなく、例えば矩形状に形成されていてもよいことはいうまでもない。
また、前記各実施形態では、小断面トンネルの構築を一つおきに構築するものとしたが、例えば二つおきに構築するなど、小断面トンネルの施工順序は限定されるものではない。また、小断面トンネルの掘進はNATM工法に限定されるものではないことはいうまでもない。
また、前記各実施形態では、隣り合う小断面トンネルを互いにラップさせて構築するものとしたが、小断面トンネルの配置は限定されるものではなく、例えば、隣り合う小断面トンネルの一部が互いに当接した状態や隙間をあけた状態で構築してもよい。なお、この場合において、外殻の構築は、各小断面トンネルから対象箇所を掘削して行えばよい。
また、本発明の地下構造物の構築方法および地下構造物は、大深度トンネルに限定されるものではなく、あらゆる大断面の地下構造物に適用可能であることはいうまでもない。
また、前記第1の実施の形態では、立坑の構築を地中内で行うものとしたが、地表面から掘り下げることにより立坑を構築してもよいことはいうまでもない。
また、前記各実施形態では、道路トンネルについて適用するものとしたが、例えば鉄道トンネルに使用してもよく、本発明の地下構造物の使用目的は限定されるものではない。
また、前記各実施形態では、外殻の構築を、現地にてコンクリートを打設することにより行うものとしたが、プレキャスト部材(セグメント)を組み立てることにより構築してもよいことはいうまでもない。
1 小断面トンネル
2 外殻
3 道路構造物
4 止水領域
6 先進導坑
10 取付坑
10a 坑口
10c リング状斜坑(取付坑)
A ランプ部
B 一般部
S 立坑
T,T’,T” 大断面トンネル(地下構造物)
2 外殻
3 道路構造物
4 止水領域
6 先進導坑
10 取付坑
10a 坑口
10c リング状斜坑(取付坑)
A ランプ部
B 一般部
S 立坑
T,T’,T” 大断面トンネル(地下構造物)
Claims (12)
- 先進導坑を掘進する工程と、
前記先進導坑内から該先進導坑の周囲に所定の間隔をあけて止水領域を形成する工程と、
前記止水領域の内側において、前記先進導坑を取り囲むように複数の小断面トンネルを構築する工程と、
前記止水領域の内側において、前記複数の小断面トンネルを利用して前記先進導坑を取り囲む外殻を構築する工程と、を含むことを特徴とする、地下構造物の構築方法。 - 前記各小断面トンネルは、その一部分が隣接する他の前記小断面トンネルの一部分と重なり合うように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の地下構造物の構築方法。
- 先進導坑を掘進する工程と、
前記先進導坑内から該先進導坑の周囲に所定の間隔をあけて止水領域を形成する工程と、
前記止水領域の内側において、所定の間隔をあけた状態で複数の先行小断面トンネルを構築する工程と、
前記構築された各先行小断面トンネル同士の間隔に、隣り合う前記先行小断面トンネルとその一部分が重なり合うように後行小断面トンネルを形成する工程と、
前記止水領域の内側において、前記先行小断面トンネルおよび後行小断面トンネルを利用して前記先進導坑を取り囲む外殻を構築する工程と、を含むことを特徴とする、地下構造物の構築方法。 - 本線部と前記本線部に並設された合流部とを含むランプ部と、該ランプ部の本線部の前後に連なる一般部とを備える線状の地下構造物の構築方法であって、
前記ランプ部の本線部を含む領域において先進導坑を掘進する工程と、
前記先進導坑内から該先進導坑の周囲に所定の間隔をあけて止水領域を形成する工程と、
前記止水領域の内側において、前記先進導坑を取り囲むように複数の小断面トンネルを構築する工程と、
前記止水領域の内側において、前記複数の小断面トンネルを利用して前記先進導坑を取り囲む外殻を構築する工程と、を含み、
前記先進導坑の掘進を、前記一般部を構築するためのシールド機を利用して行うことを特徴とする、地下構造物の構築方法。 - 前記先進導坑を構築した後、前記ランプ部の始端と終端にそれぞれ立坑を構築する工程を含む地下構造物の構築方法であって、
前記立坑を利用して前記小断面トンネルを構築することを特徴とする、請求項4に記載の地下構造物の構築方法。 - 前記先進導坑を構築した後、ランプ部に少なくとも1箇所立坑を構築する工程を含む地下構造物の構築方法であって、
前記立坑を利用して前記小断面トンネルを構築することを特徴とする、請求項4に記載の地下構造物の構築方法。 - 前記立坑の掘削深度に伴い前記小断面トンネルを構築することを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の地下構造物の構築方法。
- 前記先進導坑を構築した後、前記先進導坑内に坑口付けをして、前記止水領域内の所定の箇所まで延設された取付坑を形成する工程を含み、
前記取付坑を起点として、前記小断面トンネルを構築することを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の地下構造物の構築方法。 - 前記取付坑を、前記先進導坑を取り囲むように形成することを特徴とする、請求項8に記載の地下構造物の構築方法。
- 前記取付坑を、環状に形成することを特徴とする、請求項9に記載の地下構造物の構築方法。
- 互いの一部分が重合されるように連続して配設された山岳トンネルからなる複数の小断面トンネルと、
前記複数の小断面トンネルを介して閉合するように形成された外殻と、から構成される地下構造物であって、
前記複数の小断面トンネルの周囲には、予め地盤改良による止水領域が形成されていることを特徴とする地下構造物。 - 前記複数の小断面トンネルの本数を増減することにより、前記外殻の形状が、任意に変化されていることを特徴とする、請求項11に記載の地下構造物。
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