JP6935640B2 - 地中拡幅部の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地中拡幅部の施工方法に関する。
地下の分岐合流部における大断面の地下構造物を構築する技術として、複数のシールドトンネルを隣接配置して一体化することで、大断面トンネルの外殻を構築する技術や、NATM工法(New Austrian Tunnelling Method)等の山岳工法により大断面トンネルを構築する技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、シールドトンネルのセグメントを取り外し、当該シールドトンネルの回りに地中拡幅部を構築するためのシールドの発進基地を構築し、当該発進基地からシールド機を発進させ、切削可能なセグメントが配置された先行シールドを間隔を空けて環状に複数構築し、発進基地からシールド機を発進させ、先行シールドの一部を切削しながら、後行シールドを環状に複数構築し、シールドトンネルの外側に地中拡幅部の外殻を形成する環状の外殻シールドを構築することが開示されている。
特許第5947441号公報
トンネルの分岐・合流部など、地中拡幅部の施工では、地山の安定を確保すること、施工時の止水を実現すること、地表面の沈下を最小限に抑えることが求められる。また、特に都市部など、地理的条件により、開削できない場合も多く、非開削で分岐合流部を施工できることが求められる。特許文献1に記載の技術によれば、非開削で、かつ、安全性を確保して地中拡幅部の施工を行うことができる。ここで、特許文献1に記載の技術では、外殻シールドの構築工程に先行して、先行シールド内に、鉄筋を組み立て、コンクリートを打設して、外殻シールドの覆工体を構築する。但し、鉄筋の組み立てやコンクリートの打設には、十分な作業スペースが必要となる。従って、先行シールドと後行シールドとの重なりが大きくなると、外殻シールドの覆工体の構築が困難になることが想定される。
本発明は、このような問題に鑑み、非開削で施工でき、かつ、安全性に優れた新たな地中拡幅部の施工方法に関する技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、シールドトンネルのセグメントを取り外し、当該シールドトンネルの回りに地中拡幅部を構築するためのシールドの発進基地を構築し、当該発進基地からシールド機を発進させ、切削可能なセグメントが配置された複数の先行シールドを互いに間隔を空けて環状に構築し、発進基地の先行シールド同士の間からシールド機を発進させ、先行シールドの一部を切削しながら、複数の後行シールドを環状に構築し、シールドトンネルの外側に地中拡幅部の外殻を形成する環状の外殻シールドを構築することとした。また、先行シールド内に先行シールドの変形を抑制する支柱を設置することとした。
詳細には、本発明は、地中拡幅部の施工方法であって、シールドトンネルのセグメントを取り外し、当該シールドトンネルの回りに、地中拡幅部を構築するための環状の発進基
地を構築する発進基地の構築工程と、前記発進基地から先行シールド機を発進させ、切削可能なセグメントが配置された複数の先行シールドを互いに間隔を空けて環状に構築する先行シールドの構築工程と、前記先行シールド内に、当該先行シールドの変形を抑制する支柱を設置する支柱設置工程と、前記支柱の設置後、当該先行シールド内に埋め戻し材を充填する埋め戻し材の充填工程と、前記発進基地の前記先行シールド同士の間から後行シールド機を発進させ、前記先行シールドの一部を切削しながら、複数の後行シールドを環状に構築する後行シールドの構築工程と、前記先行シールド、及び前記後行シールドの周りに止水領域を構築するシールド回りの止水領域の構築工程と、前記発進基地側、及び当該発進基地の反対側の褄部に褄部の止水領域を構築する褄部の止水領域の構築工程と、前記先行シールドと隣接する前記後行シールドとを連結し、シールドトンネルの外側に地中拡幅部の外殻を形成する環状の外殻シールドを構築する外殻シールドの構築工程と、前記外殻シールドの構築後、前記外殻シールドの内側を掘削する掘削工程と、を有する。
本発明に係る地中拡幅部の施工方法によれば、シールドトンネルのセグメントを取り外し、当該シールドトンネルの回りに地中拡幅部を構築するためのシールドの発進基地を構築することで、非開削で地中拡幅部を施工することができる。また、先行シールド、及び前記後行シールドの周りに止水領域を構築することで、地山が安定し、また、先行シールド、及び後行シールドの内側への水の浸入を抑制できる。また、外殻シールドの構築後に外殻シールドの内側を掘削し、地中拡幅部を構築することで、地表面の沈下を最小限に抑えることができる。これにより、十分に安全性を確保した上で、地中拡幅部の施工を行うことができる。また、先行シールド内に支柱を設置することで、先行シールドの変形を抑制でき、安全性を確保できる。また、例えば、従来の地中拡幅部の施工方法では、外殻シールドの構築工程に先行して、先行シールド内に、鉄筋を組み立て、コンクリートを打設して、外殻シールドの覆工体を構築していたが、鉄筋の組み立てやコンクリートの打設には、十分な作業スペースが必要とされていた。一方、支柱の設置は、鉄筋の組み立てやコンクリートの打設と比較すると、狭い作業スペースで行うことができる。従って、本発明に係る地中拡幅部の施工方法は、先行シールドと後行シールドとの重なりが大きく、先行シールド内に鉄筋組み立てやコンクリート打設の作業スペースが十分に確保できない場合でも実施することができる。
支柱は、H形鋼材、L形鋼材など既存の鋼材を用いることができる。例えば、先行シールドに支柱を取り付けるための取付部を設け、ボルトやナットなどの接続部材を用いて、支柱を先行シールドに設置することができる。取付部は、現場で施工してもよいし、工場などで先行シールドのセグメントと予め一体的に形成するようにしてもよい。例えば、取付部は、支柱を接続する接続面と、接続部材を取り付ける被接続部(例えば、ボルト用の孔)とを備える構成とすることができる。
また、前記後行シールドの構築工程では、前記先行シールドの切削可能なセグメントが切削されるとともに、前記先行シールド内の埋め戻し材の一部が撤去され、前記外殻シールドの構築工程は、前記シールド内の埋め戻し材の他部が撤去される埋め戻し材の撤去工程と、埋め戻し材の撤去後、連結された先行シールドと後行シールドの内部に環状の覆工体を構築する覆工体の構築工程と、を含むものでもよい。
外殻シールドの構築工程における覆工体の構築(鉄筋の組み立てやコンクリートの打設)を先行シールドと後行シールドで、合わせて行うことができる。その結果、先行シールド内において、先行して覆工体の構築を行う場合、換言すると、先行シールドと後行シールドで別々に鉄筋の組み立てやコンクリートの打設を行う場合と比較して、作業性が向上する。
前記外殻シールドは、前記発進基地側から反対側に向けて徐々に縮径するものでもよい
。外殻シールドを縮径することで、例えば、発進基地側から反対側に向けて同径の場合と比較して、凍土の造成量、覆工体の構築におけるコンクリートの打設量、外殻シールド内の掘削量を削減することができる。その結果、コストを削減することができる。また、外殻シールドが縮径すると、先行シールドと後行シールドとの重なりが大きくなり、先行シールド内が狭隘となる。ここで、先行シールド内に支柱を設置することで、先行シールドの変形を抑制でき、安全性を確保できる。
また、外殻シールドが縮径する場合、先行シールドと後行シールドとの重なり度合に応じて、工程を変えるようにしてもよい。先行シールドと後行シールドとの重なり度合に適した工程を行うことで、安全性を確保しつつ、作業効率を向上できる。例えば、前記外殻シールドは、前記発進基地側から反対側に向けて徐々に縮径し、当該発進基地側の外殻シールドの第1区間と、当該外殻シールドの第1区間に隣接して発進基地の反対側に伸びる外殻シールドの第2区間であって、前記発進基地側と比較して前記先行シールドと前記後行シールドとの重なりが大きい外殻シールドの第2区間とを含み、前記外殻シールドの第1区間では、前記先行シールド内に埋め戻し材を充填する埋め戻し材の充填工程と、先行シールドの内部に、外殻シールドの内部に構築される環状の覆工体の一部を構築する先行シールドの覆工体の構築工程と、が行われ、更に、外殻シールドの構築工程として、後行シールドの内部に、外殻シールドの内部に構築される環状の覆工体の他部を構築する後行シールドの覆工体の構築工程が行われ、前記外殻シールドの第2区間では、前記先行シールドの変形を抑制する支柱を設置する支柱設置工程と、前記支柱の設置後、当該先行シールド内に埋め戻し材を充填する埋め戻し材の充填工程とが行われ、更に、前記後行シールドの構築工程では、前記先行シールドの切削可能なセグメントが切削されるとともに、前記先行シールド内の埋め戻し材の一部が撤去され、前記外殻シールドの構築工程では、前記シールド内の埋め戻し材の他部が撤去される埋め戻し材の撤去工程と、埋め戻し材の撤去後、連結された先行シールドと後行シールドの内部に環状の覆工体を構築する覆工体の構築工程とが行われるようにしてもよい。
ここで、前記発進基地の構築工程は、前記シールドドンネルの周りの一部に前記発進基地を構築するための地中立坑を構築する地中立坑の構築工程と、前記地中立坑の周囲に凍土を造成する地中立坑の凍土造成工程と、前記地中立坑の周囲に鋼管を打設する地中立坑の鋼管打設工程とを含むものでもよい。
また、発進基地の構築工程で、地中立坑の周囲に凍土を造成し、更に、地中立坑の周囲に鋼管を打設することで、地山の変形をより確実に抑制できる。その結果、より安全性を高めることができる。本発明に係る地中拡幅部の施工方法は、従来よりも更に安全性が高いため、例えば、透水性が高い帯水層下での大断面の施工にも適している。
シールド回りの止水領域は、先行シールド及び後行シールドの周りに凍土を造成して構築してもよく、また、先行シールド及び後行シールドの周りに薬液注入等による地盤改良を行うことで構築してもよい。外殻シールドの構築工程は、鉄筋の組み立て、コンクリートの打設により、外殻シールドの覆工体を構築する工程を含むものとすることができる。
また、前記地中立坑の鋼管打設工程では、地中立坑の凍土造成工程で造成される地中立坑の凍土領域内、かつ、地中立坑の凍土領域と地山との境界近傍に、互いに間隔を空けて複数の鋼管が打設されてもよい。これにより、地中立坑の外側に鋼管による壁を形成することができ、地山の変形を抑制できる。
また、前記地中立坑の鋼管打設工程は、前記地中立坑の凍土造成工程で造成される地中立坑の凍土領域内、かつ、地中立坑の凍土領域と地山との境界近傍に、前記シールドトンネルから、互いに間隔を空けて複数の鋼管を打設する第1鋼管打設工程と、前記シールド
トンネルと交わるように、前記地中立坑の凍土領域内に推進管を構築する推進管の構築工程と、前記地中立坑の凍土領域内、かつ、当該地中立坑の凍土領域と地山との境界近傍に、前記推進管から、互いに間隔を空けて複数の鋼管を打設する第2鋼管打設工程と、を有するものでもよい。
これにより、地中立坑の周りを凍土、及び複数の鋼管で覆うことができる。そのため、地山の変形をより確実に抑制でき、より安全性を高めることができる。
また、前記発進基地の構築工程は、前記地中立坑の周りに薬液を注入して地盤改良する地盤改良工程を更に有するものでもよい。これにより、地山の変形をより抑制できる。薬液の注入は、地中立坑の下部、換言すると、造成される凍土の底部に行うようにしてもよい。これにより、仮に凍土の一部が溶け、溶けた水が地中立坑の下部に侵入した場合でも、砂を引き込み難くなり、地山の変形を抑制できる。
また、前記褄部の止水領域の構築工程は、前記褄部の地山側に凍土を造成する褄部の凍土造成工程と、褄部の凍土造成工程で造成される褄部の凍土領域内に鋼管を打設する褄部の鋼管打設工程と、を含むものでもよい。褄部の止水領域の構築工程においても、凍土の造成と、鋼管の打設とを行うことで、地山の変形をより確実に抑制できる。その結果、より安全性を高めることができる。
ここで、前記シールドトンネルは、第1シールドトンネルと、当該第1シールドトンネルと並行する第2シールドトンネルとを含み、前記地中立坑の構築工程では、前記第2シールドトンネルの周りの一部に前記発進基地を構築するための地中立坑が構築されるものでもよい。
第2シールドトンネルの回りの一部に地中立坑を構築することで、第1シールドトンネル内の空間を確保することができる。なお、第2シールドトンネルは、第1シールドトンネルよりも径が小さいものでもよい。これにより、第2シールドトンネルよりも径が大きい第1シールドトンネル内の空間を確保することができる。確保した空間は、作業スペースや、搬送スペースとして利用することができるが、用途は特に限定されない。
また、前記褄部の止水領域の構築工程は、前記褄部の地山側に凍土を造成する褄部の凍土造成工程と、褄部の凍土造成工程で造成される褄部の凍土領域内に鋼管を打設する褄部の鋼管打設工程と、を含むものでもよい。
褄部の止水領域の構築工程において、凍土の造成と、鋼管の打設とを行うことで、地山の変形をより確実に抑制できる。その結果、より安全性を高めることができる。
また、本発明は、上述した支柱部を設置するための取付部を備えるセグメントとして特定することもできる。例えば、本発明は、シールドトンネルのセグメントであって、セグメントの本体部と、当該セグメントの本体部に設けられる取付部であって、シールドトンネルの変形を抑制するための支柱を設置するための取付部とを備え、取付部は、支柱を接続する接続面と、接続部材を取り付ける被接続部(例えば、ボルト用の孔)とを備える構成とすることができる。取付部を備えるセグメントを工場などで予め一体的に成型することで、現場における作業を削減でき、作業性が向上する。
本発明によれば、非開削で施工でき、かつ、安全性に優れた新たな地中拡幅部の施工方法に関する技術を提供することができる。
図1は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法によって構築される地中拡幅部の平面図である。 図2は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法によって構築される地中拡幅部の斜視図である。 図3は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法のフロー図である。 図4Aは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、地中立坑と地中立坑の凍土の位置関係を示す斜視図である。 図4Bは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、第1鋼管打設工程を説明する斜視図である。 図4Cは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、推進管の構築工程を説明する斜視図である。 図4Dは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、第2鋼管打設工程を説明する斜視図である。 図5は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、円周シールドの構築を説明する斜視図である。 図6は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、先行シールドの構築を説明する斜視図である。 図7は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、完成した先行シールドを示す斜視図である。 図8Aは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、先行シールド内の構築が行われる前の先行シールドの横断面図である(到達点側)。 図8Bは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、凍結管、及び架台が構築された先行シールドの横断面図である(到達点側)。 図8Cは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、支柱が設置された先行シールドの横断面図である(到達点側)。 図8Dは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、エアモルタルが充填された先行シールドの横断面図である(到達点側)。 図9は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、支柱と架台の接続を説明する斜視図である。 図10Aは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、先行シールド内の構築が行われる前の先行シールドの横断面図である(中間付近)。 図10Bは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、凍結管、及び架台が構築された先行シールドの横断面図である(中間付近)。 図10Cは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、支柱が設置された先行シールドの横断面図である(中間付近)。 図10Dは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、エアモルタルが充填された先行シールドの横断面図である(中間付近)。 図11は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、RCリング覆工体等が構築された先行シールドの横断面図である(発進基地側)。 図12は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、後行シールドの構築を説明する斜視図である。 図13は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、完成した後行シールドを示す斜視図である。 図14は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、後行シールドの構築状況を説明する横断面図である(到達点側)。 図15は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、後行シールドの構築状況を説明する横断面図である(発進基地側)。 図16は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、後行シールドに凍結管を設置する状況を説明する横断面図である(到達点側)。 図17は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、先行シールド、及び後行シールドの周りに凍土が造成された横断面図である(到達点側)。 図18は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、先行シールド、及び後行シールドの周りに凍土が造成された横断面図である(発進基地側)。 図19は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、先行シールド、及び後行シールドの周りに凍土が造成された斜視図である。 図20Aは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、発進基地側の褄部の止水領域の構築を説明する横断面図である。 図20Bは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、発進基地側の褄部の止水領域の構築を説明する縦断面図である。 図21Aは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、到達点側の褄部の止水領域の構築を説明する横断面図である。 図21Bは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、到達点側の褄部の止水領域の構築を説明する縦断面図である。 図21Aは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、RCリング覆工体の構築を説明する横断面図である(到達点側)。 図22Bは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、コンクリートの打設を説明する横断面図である(到達点側)。 図23は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、外殻シールドの完成を示す横断面図である(到達点側)。 図24は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、外殻シールド内の掘削状況を示す横断面図である(到達点側)。 図25は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、外殻シールドに設置された仕切り壁の概要を示す縦断面図である。 図26は、第2実施形態に係る、支柱を設置する架台が設けられたセグメントの斜視図である。 図27は、第2実施形態に係る架台が設けられたセグメントに支柱を設置した状態を示す斜視図である。 図28は、第3実施形態に係る同径の外殻シールドの斜視図である。
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、本発明に係る地中拡幅部の施工方法として、本線シールド2(トンネル)とランプシールド3(トンネル)が分岐・合流する地中拡幅部を施工する場合を一例として説明する。但し、以下で説明する実施形態は本発明を実施するための例示であり、本発明は以下で説明する態様に限定されない。
<第1実施形態>
<全体構成>
図1は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法によって構築される地中拡幅部の平面図である。図2は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法によって構築される地中拡幅部の斜視図である。第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法は、本線シールド2(本発明の第1シールドトンネルの一例)とランプシールド3(本発明の第2シールドトンネルの一例)が分岐・合流する分岐合流部を拡幅するものであり、本線シールド2とランプシールド3の外側に外殻シールド4を構築する。外殻シールド4は、断面視環状であり、先行シールド5及び後行シールド6が環状に交互に配置され、内部にRCリング覆工体9が構築されることで形成されている。第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法では、本線シールド2とランプシールド3が並行する側(図1、図2の紙面右側)に、先行シールド5及び後行シールド6を構築するシールドマシンが発進する発進基地7が設けられている。また、第1実施形態に係る外殻シールド4は、発進基地7側から本線シールド2の
単独側(先行シールド5及び後行シールド6の到達点側)に向けて徐々に縮径している。図1における符号1Xは、縮径しない外殻シールド(発進基地側から到達点側まで同径の外殻シールド)の外形を示す。外殻シールド4の内部では、ランプシールド3の道路線形と本線シールド2の道路線形とが分岐合流する。なお、発進基地7は、本線シールド2の単独側に構築し、先行シールド5及び後行シールド6を構築するシールドマシンを本線シールド2とランプシールド3が並行する側に発進させるようにしてもよい。
<施工方法>
図3は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法のフロー図である。また、図4から図24は、地中拡幅部の施工方法を説明する図である。
<<発進基地の構築>>
ステップS01では、シールド機の発進基地7が構築される。具体的には、ランプシールド3の側方に地中立坑の凍土81が造成される。図4Aは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、地中立坑と地中立坑の凍土の位置関係を示す斜視図である。第1実施形態では、ランプシールド3の側方のうち、本線シールド2が隣接しない側方に地中立坑8が構築され、地中立坑の凍土81は、この地中立坑8よりも広い領域に造成される。第1実施形態に係る地中立坑8は、直方体の箱形であるため、地中立坑の凍土81は、箱形の地中立坑8よりも一回り大きい箱形になるように造成される。ランプシールド3の側方から、ブライン(冷却媒体)が流れる複数の凍結管(図示せず)が互いに間隔を空けて地山に埋設され、地中立坑8よりも広い領域に地中立坑の凍土81が造成される。地中立坑の凍土81が造成されることで、地中立坑8の周囲の地山が保持され(地山の変形が抑制され)、また、地中立坑8内への水の浸入を抑制することができる。なお、第1実施形態に係る地中立坑8は、隣接する面同士が何れも直角である直方体の箱形であるが、内部に空間を形成できればよく、例えば、隣接する面同士の一部が直角でないもの(例えば、縦断面図が台形)、面が湾曲しているものなど、形状は特に限定されない。地中立坑8は、縦断面図が台形である箱形とした場合、平行な2辺のうち、短辺(一方の台形の底辺)をランプシールド3の側面と接する側、長辺(他方の台形の底辺)をランプシールド3の側面から離れた側とするとよい。
地中立坑の凍土81が造成されると、次に、地中立坑の鋼管が打設される。地中立坑の鋼管の打設は、第1鋼管打設工程、推進管の構築工程、第2鋼管打設工程に分けられる。まず、第1鋼管打設工程では、地中立坑の凍土81の領域内、かつ、地中立坑の凍土81の領域と地山との境界近傍に、ランプシールド3から、複数の地中立坑の鋼管83,84が互いに間隔を空けて凍結管と重ならないように打設される。図4Bは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、第1鋼管打設工程を説明する斜視図である。地中立坑の凍土81の境界のうち、発進基地7側、及び先行シールド5等の到達点側の垂直な境界面(図4Aを合わせて参照)の近傍には、地中立坑の鋼管83が、ランプシールド3から放射状に、垂直方向に並んで打設される。また、地中立坑の凍土81の境界のうち、上方、及び下方の水平な境界面(図4Aを合わせて参照)の近傍には、地中立坑の鋼管84が、ランプシールド3から所定の角度で並んで打設される。所定の角度は、放射状に打設された地中立坑の鋼管83の最も上の地中立坑の鋼管84、及び最も下の地中立坑の鋼管84の角度と同角度となっている。
推進管の構築工程では、ランプシールド3の側方からランプシールド3と直交するように、地中立坑の凍土81の領域内に推進管85が構築される。図4Cは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、推進管の構築工程を説明する斜視図である。推進管85は、地中立坑の凍土81の側方の境界(図4Aを合わせて参照)に到達するように構築される。
第2鋼管打設工程では、地中立坑の凍土81の領域内、かつ、地中立坑の凍土81の領域と地山との境界近傍に、推進管85から、複数の地中立坑の鋼管86が互いに間隔を空けて凍結管と重ならないように打設される。図4Dは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、第2鋼管打設工程を説明する斜視図である。地中立坑の鋼管86は、推進管85の先端部から放射状に打設される。地中立坑の鋼管86は、ランプシールド3よりも径が小さい推進管85から打設される。そのため、地中立坑の鋼管86には、地中立坑の鋼管83,84よりも径が小さい鋼管が用いられている。地中立坑の鋼管の打設、すなわち、第1鋼管打設工程、推進管の構築工程、第2鋼管打設工程が行われることで、地中立坑8の周りに、地中立坑の凍土81に加えて、地中立坑の鋼管83,84,86による壁が構築される。その結果、地山の変形を抑制できる。
地中立坑の鋼管が打設されると、次に、地中立坑の地盤改良が行われる。具体的には、地中立坑の凍土81の底部に薬液が注入され、地盤改良された領域82が構築される。これにより、仮に地中立坑の凍土81の一部が溶け、溶けた水が地中立坑8の下部に侵入した場合でも、砂を引き込み難くなり、地山の変形を抑制できる。なお、地中立坑の地盤改良は、地山の状況に応じて、省略してもよい。地中立坑の地盤改良を省略することで、地中拡幅部の施工を簡素化できる。
地中立坑の地盤改良が行われると、ランプシールド3を構成するセグメントの一部が取り外され、造成した地中立坑の凍土81の領域内、かつ、打設された地中立坑の鋼管83,84,86による壁の内側に、箱形の地中立坑8が構築される。
地中立坑8が構築されると、次に、円周シールドが構築される。図5は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、円周シールドの構築を説明する斜視図である。地中立坑8が構築されると、発進基地7となる円周シールドを構築する密閉式シールド機により掘進が開始される。より詳細には、地中立坑の鋼管83,84,86、及び推進管85が必要に応じて撤去され、地中立坑8に密閉式シールド機(図示せず)がセットされる。密閉式シールド機は、地中立坑8内のジャッキの推力で少しずつ押され、地中立坑8を通り、本線シールド2、及びランプシールド3の周りを一周するように、本線シールド2、及びランプシールド3の周りを掘進する。密閉式シールド機が、地中立坑8を基点として、本線シールド2、及びランプシールド3の周りを一周すると、本線シールド2、及びランプシールド3の周りに、発進基地7となるドーナツ状の円周シールドが構築される。
なお、上述した施工順序は、適宜入れ替えることができる。例えば、地中立坑の鋼管83,84,86を打設した後、地中立坑の凍土81を造成してもよい。また、例えば、地中立坑の鋼管の打設では、推進管の構築工程、及び第2鋼管打設工程を行った後、第1鋼管打設工程を行うようにしてもよい。また、推進管の構築工程を行った後、第2鋼管打設工程と第1鋼管打設工程とを並行して行うようにしてもよい。また、上述した実施形態では、地中立坑の鋼管86は、地中立坑の鋼管83,84よりも径の小さいものを用いたが、地中立坑の鋼管83,84,86の径、長さ、本数などは、地山の状況、打設範囲、又は打設する際の基点側の種類や大きさなど(上述した実施形態では、ランプシールド3、推進管85、これらの径)に応じて、適宜変更することができる。また、例えば、地中立坑の鋼管83,84,86に凍結管の機能を持たせ、地中立坑の鋼管83,84,86の打設後に、ブラインを流して凍土を造成するようにしてもよい。
<<先行シールドの構築>>
ステップS02では、先行シールド5が構築される。図6は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、先行シールドの構築を説明する斜視図である。図7は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、完成した先行シールドを示す斜視図である。発進基地7にシールド機(SM)が設置され、順次、複数の先行シールド5が構築さ
れる。発進基地7から掘進するシールド機(SM)は、地中拡幅部の到達点まで掘進すると、褄部にカッター及びスキンプレートを残して発進基地7に戻され、次の先行シールド5の掘進を開始する。先行シールド5と先行シールド5との間には、後行シールド6が構築される。最終的に環状になるように、先行シールド5同士が互いに間隔を空けて配置され、順次複数の先行シールド5が構築される。上述したように、第1実施形態に係る外殻シールド4は、発進基地7側から本線シールド2の単独側(先行シールド5及び後行シールド6の到達点側)に向けて徐々に縮径している。そのため、先行シールド5同士の間隔は、発進基地7側と比較して到達点側が狭くなっている(図2を参照)。
<<先行シールド内の構築>>
先行シールド5が構築されると、ステップS03では、先行シールド5内の構築が行われる。先行シールド5内の構築は、凍結管185の設置、架台130の構築、支柱140の設置、本発明の埋め戻し材の一例であるエアモルタル(AM)の充填等に区別される。図8Aは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、先行シールド内の構築が行われる前の先行シールドの横断面図である(到達点側)。本明細書において横断面とは、先行シールド5や後行シールド6の軸方向と直交する垂直断面であり、縦断面とは、先行シールド5と後行シールド6の軸方向と平行な垂直断面である。また、図8A、及び後述する図8Bから図8Dは、到達点側の先行シールド5の断面図であり、発進基地7側よりも、先行シールド5同士の間隔が狭くなっている。先行シールド5は、切削可能なセグメント52と鋼製セグメント51によって構成されている。先行シールド5と後行シールド6は、これらのシールドの軸方向と直交する断面において、一部が重なるように構築される。そのため、切削可能なセグメント52は、後行シールド6と重なる領域に主に用いられる。切削可能なセグメント52には、軽量骨材コンクリート、炭素繊維補強筋等を用いることができる。
まず、先行シールド5内に、凍結管185、及び架台130が設置される。図8Bは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、凍結管、及び架台が構築された先行シールドの横断面図である(到達点側)。架台130は、本発明の取付部の一例であり、先行シールド5における外殻シールド4の中心側(図8Bでは下部)の鋼製セグメント51の内側面にコンクリートが打設されることで構築される。ここで、図9は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、支柱と架台の接続を説明する斜視図である。図9では、鋼製セグメント51が省略されている。図9に示すように、架台130は、支柱140の四角プレート142と接続される平面状の接続面131を有し、接続面131の反対側が鋼製セグメント51の曲面に対応して湾曲している。接続面131には、支柱140の四角プレート142と固定するボルトに対応したボルト孔が形成されている。
また、図8Bに示すように、先行シールド5の上部2カ所に、先行シールドの軸方向に延びる凍結管185が設置される。凍結管185は、例えば所謂Uバンドで先行シールド5における外殻シールド4の外側(図8Bでは上部)の鋼製セグメント51の内側面に固定される。また、凍結管185を覆うように被覆コンクリート188が打設され、更にその被覆コンクリート188を覆うように断熱材189が吹き付けられる。また、凍結管185を覆う被覆コンクリート188には、支柱140の上部の四角プレート142と接続する接続面(図示せず)が設けられ、接続面にはボルト孔(図示せず)が形成されている。被覆コンクリート188の接続面、及びボルト孔は、架台130の接続面131、及びボルト孔と同様の構成とすることができる。
次に、支柱140が設置される。図9に示すように、支柱140は、H形鋼材141、H形鋼材141の端部に接続され、架台130の接続面131(又は、被覆コンクリート188の接続面)と接続される四角プレート142、H形鋼材141と四角プレート142と接続され、H形鋼材141と四角プレート142の接続部を補強する三角プレート1
43によって構成されている。また、四角プレート142の四隅近傍には、ボルト孔が形成されている。なお、図9は、支柱140の下部を示すが、支柱140の上部も同様の構成である。ここで、図8Cは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、支柱が設置された先行シールドの横断面図である(到達点側)。支柱140が架台130の接続面131と被覆コンクリート188の接続面との間に設置され、ボルトで固定される。支柱140と架台130を例にすると、支柱140の四角プレート142のボルト孔と架台130の接続面131のボルト孔が合わせられ、ボルト孔にボルトが固定される。
次に、先行シールド5にエアモルタル(AM)が充填される。図8Dは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、エアモルタルが充填された先行シールドの横断面図である(到達点側)。図8Dに示すように、支柱140が設置された先行シールド5内にエアモルタル(AM)が充填される。
なお、支柱140の設置数は、先行シールド5同士の間隔に応じて変更される。第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法においても、到達点側よりも発進基地7側の特定の区間(以下、中間付近ともいう)では、各先行シールド5に支柱140が2つ並べて設置される。ここで、図10Aは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、先行シールド内の構築が行われる前の先行シールドの横断面図である(中間付近)。図10A、及び後述する図10Bから図10Dは、到達点と発進基地7の中間付近(若しくは、中間付近よりも到達点側)の先行シールド5の断面図であり、発進基地7側よりも、先行シールド5同士の間隔が狭いものの、到達点側と比較すると、先行シールド5同士の間隔が広くなっている。
図10Bは、中間付近において、凍結管、及び架台が構築された先行シールドの横断面図であり、図10Cは、中間付近において、支柱が設置された先行シールドの横断面図であり、図10Dは、中間付近において、エアモルタルが充填された先行シールドの横断面図である。図10Bから図10Dに示すように、中間付近では、到達点側と比較すると、先行シールド5同士の間隔が広いため、架台130及び被覆コンクリート188が到達点側よりも大きく構築され、支柱140が2つ並べて設置され、その後エアモルタル(AM)が充填される。
一方、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法では、到達点側、及び中間付近と異なり、発進基地7側では、支柱140を用いず、RCリング覆工体9が構築される。図11は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、RCリング覆工体等が構築された先行シールドの横断面図である(発進基地側)。発進基地7側の先行シールド5では、エアモルタル(AM)が、後に構築される後行シールド6と重なる部分(以下、切削部ともいう)に充填される。エアモルタル(AM)は、施工誤差を許容するため、切削部よりもやや大きい範囲に充填される。換言すると、後行シールド6の最外周面よりも外側の位置にエアモルタル(AM)用の型枠が組み立てられ、エアモルタル(AM)が充填される。また、先行シールド5の上部2カ所に、先行シールドの軸方向に延びる凍結管185が設置される。更に、凍結管185を覆うように被覆コンクリート188(モルタルでもよい)が打設され、更にその被覆コンクリート188を覆うように断熱材(例えば、発泡ウレタン)が吹き付けられる。また、エアモルタル(AM)とエアモルタル(AM)の間には、RCリング覆工体9が構築される。RCリング覆工体9は、RCリング覆工体9を構成する鉄筋91の組み立て後、RCリング覆工体9を構成するコンクリート92が打設されることで構築される。
<<後行シールドの構築>>
ステップS04では、後行シールド6が構築される。図12は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、後行シールドの構築を説明する斜視図である。図13は、
第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、完成した後行シールドを示す斜視図である。発進基地7の先行シールド5同士の間にシールド機(SM)が設置され、先行シールド5の一部を切削しながら、順次、複数の後行シールド6が構築される。発進基地7から掘進するシールド機(SM)は、地中拡幅部の到達点まで掘進すると、褄部にカッター及びスキンプレートを残して発進基地7に戻され、次の後行シールド6の掘進を開始する。
ここで、図14は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、後行シールドの構築状況を説明する横断面図である(到達点側)。図14に示すように、到達点側では、支柱140が設置され、かつ、エアモルタル(AM)が充填された先行シールド5の一部を切削しながら、後行シールド6が構築される。先行シールド5は、後行シールド6と重なる領域が、切削可能なセグメント52で構成され、それ以外の領域は、鋼製セグメント51で構成されている。一方、後行シールド6は、全て鋼製セグメント61で構成されている。なお、中間付近では、先行シールド5内に支柱140が2つ並べて設置されている点で到達点側と相違するが、後行シールドの構築状況は基本的に同じであるため図示を省略する。
図15は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、後行シールドの構築状況を説明する横断面図である(発進基地側)。図15に示すように、発進基地7側では、RCリング覆工体9が構築され、かつ、エアモルタル(AM)が、施工誤差を許容するため、切削部よりもやや大きい範囲に充填された先行シールド5の一部を切削しながら、後行シールド6が構築される。先行シールド5は、後行シールド6と重なる領域が、切削可能なセグメント52で構成され、それ以外の領域は、鋼製セグメント51で構成されている。一方、後行シールド6は、全て鋼製セグメント61で構成されている。後行シールド6が構築されることで、切削部のエアモルタル(AM)が撤去され、施工誤差を許容するために充填された切削部の外側のエアモルタル(AM)が残る。
<<シールド回りの止水領域の構築>>
ステップS05では、先行シールド5、及び後行シールド6の周りに止水領域が構築される(以下、先行シールド5、及び後行シールド6の周りをシールド回りともいう)。図16は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、後行シールドに凍結管を設置する状況を説明する横断面図である。図16に示すように、後行シールド6の上部に、後行シールドの軸方向に延びる凍結管185が設置される。凍結管185は、例えば所謂Uバンドで後行シールド6における外殻シールド4の外側(図16では上部)のセグメントの内側面に固定される。
また、図17は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、先行シールド、及び後行シールドの周りに凍土が造成された横断面図である(到達点側)。凍結管185が設置されると、凍結管185を覆うように被覆コンクリート188が打設され、更にその被覆コンクリート188を覆うように断熱材189が吹き付けられる。なお、中間付近では、後行シールド6と重なる先行シールド5内に支柱140が2つ並べて設置されている点で到達点側と相違するが、後行シールド6内における凍結管185の設置等は基本的に同じであるため図示を省略する。
図18は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、先行シールド、及び後行シールドの周りに凍土が造成された横断面図である(発進基地側)。発進基地7側においても、凍結管185が設置され、次に、凍結管185を覆うように被覆コンクリート188が打設され、更にその被覆コンクリート188を覆うように断熱材189が吹き付けられる。以上により、発進基地7側において、先行シールド5及び後行シールド6の周りに凍土42が造成される。図19は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において
、先行シールド、及び後行シールドの周りに凍土が造成された斜視図である。図19に示すように、先行シールド5、及び後行シールド6の周りに凍土42が造成されることで、先行シールド5、及び後行シールド6内への水の浸入を抑制することができる。凍土42の厚さは、地中拡幅部1の周囲の土圧、水圧、深度、土質、及び先行シールド5や後行シールド6の径などに基づいて適宜決定することができる。なお、先行シールド5や後行シールド6から地山に凍結管を埋設し、凍土42を造成してもよい。
<<褄部の止水領域の構築>>
ステップS06では、褄部の止水領域が構築される。褄部の止水領域の構築は、発進基地側と、到達点側に区別される。まず、発進基地側について説明する。図20Aは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、発進基地側の褄部の止水領域の構築を説明する横断面図である。図20Bは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、発進基地側の褄部の止水領域の構築を説明する縦断面図である。発進基地7の背面近傍において、本線シールド2、及びランプシールド3から地山にブラインが流れる凍結管114が放射状に複数埋設され、発進基地7の外径と同じか、これよりもやや広い領域について発進基地側の褄部の凍土113が造成される。
発進基地側の褄部の凍土113が造成されると、次に、発進基地側の褄部の鋼管が打設される。具体的には、発進基地側の褄部の凍土113の領域内、かつ発進基地7の背面近傍において(構築される褄壁110の前面側)、ランプシールド3から、複数の発進基地側の褄部の鋼管111が、互いに間隔を空けて凍結管及び発進基地側の褄部の鋼管112と重ならないように放射状に打設される。また、本線シールド2から、複数の発進基地側の褄部の鋼管112が、互いに間隔を空けて凍結管及び発進基地側の褄部の鋼管111と重ならないように放射状に打設される。第1実施形態では、ランプシールド3から打設される発進基地側の褄部の鋼管111が、本線シールド2から打設される発進基地側の褄部の鋼管112よりも径が大きい鋼管が用いられている。ランプシールド3から径が大きい鋼管を打設することで地山の変形を抑制しつつ、本線シールド2から打設する鋼管の径を小さくすることができる。その結果、本線シールド2で用いる鋼管の打設装置をランプシールド3で用いる鋼管の打設装置よりも小型にすることができ、本線シールド2内の作業スペースや搬送スペースを確保することができる。
なお、上述した施工順序は、適宜入れ替えることができる。例えば、発進基地側の褄部の鋼管111,112を打設した後、発進基地側の褄部の凍土113を造成してもよい。また、上述した実施形態では、ランプシールド3から打設される発進基地側の褄部の鋼管111は、本線シールド2から打設される発進基地側の褄部の鋼管112よりも径が大きい鋼管を用いたが、発進基地側の褄部の鋼管111,112の径、長さ、本数などは、地山の状況、打設範囲、又は打設する際の基点側の種類や大きさなど(上述した実施形態では、本線シールド2、ランプシールド3、これらの径)に応じて、適宜変更することができる。また、例えば、発進基地側の褄部の鋼管111,112に凍結管の機能を持たせ、発進基地側の褄部の鋼管111,112の打設後に、ブラインを流して凍土を造成するようにしてもよい。
次に、到達点側について説明する。図21Aは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、到達点側の褄部の止水領域の構築を説明する横断面図である。図21Bは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、到達点側の褄部の止水領域の構築を説明する縦断面図である。到達点側の端部(構築される褄壁120の前面側)において、本線シールド2から先行シールド5と後行シールド6にブラインが流れる凍結管123が放射状に複数埋設され、本線シールド2と、先行シールド5及び後行シールド6の間に到達点側の褄部の凍土122が造成される。
到達点側の褄部の凍土122が造成されると、次に、到達点側の褄部の鋼管121が打設される。具体的には、到達点側の褄部の凍土122の領域内、かつ到達点側の端部(構築される褄壁120の前面側)において、本線シールド2から、複数の到達点側の褄部の鋼管121が、互いに間隔を空けて凍結管123と重ならないように放射状に打設される。
なお、上述した施工順序は、適宜入れ替えることができる。例えば、到達点側の褄部の鋼管121を打設した後、到達点側の褄部の凍土122を造成してもよい。また、到達点側の褄部の鋼管121の径、長さ、本数などは、本線シールド2と、先行シールド5及び後行シールド6の間の土の状況、打設範囲、又は打設する際の基点側の種類や大きさなど(上述した実施形態では、本線シールド2、またはこれらの径)に応じて、適宜変更することができる。また、例えば、到達点側の褄部の鋼管121に凍結管の機能を持たせ、到達点側の褄部の鋼管121の打設後に、ブラインを流して凍土を造成するようにしてもよい。
<<外殻シールドの構築>>
ステップS07では、外殻シールド4が構築される。外殻シールド4の構築は、エアモルタル(AM)の撤去、RCリング覆工体9の構築等に区別される。図16、図17に示すように、到達点側では、先行シールド5と後行シールド6とを連通させて連通部を形成するため、後行シールド6の側方のセグメント、より詳細にはセグメントのスキンプレートが撤去される。また、先行シールド5内のエアモルタル(AM)が撤去される。更に、先行シールド5と後行シールド6が接続される箇所には、吹付防水として、例えば硬質ウレタンの層186が設けられる。なお、吹付防水に代えて、先行シールド5と後行シールド6が接続される箇所にシートを設けるようにしてもよい。シートは、先行シールド5の端部の内側面と後行シールド6の端部の外側面を跨ぐように設置することができる。
図22Aは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、RCリング覆工体の構築を説明する横断面図である(到達点側)。エアモルタル(AM)の撤去等が完了すると、先行シールド5、及び後行シールド6の内部にRCリング覆工体9を構成する鉄筋91が組み立てられる。
図22Bは、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、コンクリートの打設を説明する横断面図である(到達点側)。RCリング覆工体9を構成する鉄筋91の組み立てが完了すると、RCリング覆工体9を構成するコンクリート92が打設される。
また、発進基地7側では、図11に示すように、先行シールド内の構築において、先行シールド5内にRCリング覆工体9が先行して構築されている。従って、発進基地7側では、後行シールド6内にRCリング覆工体9が構築され、先行シールド5内のRCリング覆工体9と後行シールド6内のRCリング覆工体9が鉄筋継手などにより接続される。また、中間付近では、後行シールド6と重なる先行シールド5内に支柱140が2つ並べて設置されている点で到達点側と相違するが、RCリング覆工体の構築は基本的に同じ手順で行われる。以上により、図23に示すように、外殻シールド4が完成する。
<<外殻シールド内の掘削工程>>
ステップS08では、外殻シールド4内が掘削される。図24は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、外殻シールド内の掘削状況を示す横断面図である(到達点側)。図24に示すように、外殻シールド4内の掘削、より詳細には、外殻シールド4の内側、かつ、本線シールド2の外側にある地山(土)の掘削は、段階的に行われる。また、図示では省略するが、外殻シールド4内の掘削は、外殻シールド4の長手方向を複数に分割して行われる。また、図24は、到達点側を示すが、発進基地側では、外殻シール
ド4の内側、かつ、本線シールド2、及びランプシールド3の外側にある地山(土)の掘削が段階的に行われる。なお、外殻シールド4内の掘削に合わせて、若しくは、掘削後、発進基地7側の褄壁110、及び到達点側の褄壁120が、外殻シールド4内において上部から下部に向けて構築される。その後、地中立坑の凍土81、発進基地側の褄部の凍土113、到達点側の褄部の凍土122、先行シールド5、及び後行シールド6周りに造成された凍土42が解凍される。なお、凍土の解凍のタイミングは、適宜変更することができる。外殻シールド4内の掘削が終わると、必要に応じてセグメントの撤去が行われ、外殻シールド4内に、ランプシールド3の道路線形と本線シールド2の道路線形とが分岐合流するように道路が構築され、地中拡幅部の施工が完了する(図2参照)。
なお、外殻シールド4内の掘削中、特に褄壁120が完成していない場合において、仮に漏水(出水)が発生した場合の土砂の流入を低減するため、発進基地の近傍、及び到達点の近傍に、仕切り壁を設置してもよい。以下、到達点側の仕切り壁を例に説明する。ここで、図25は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法において、外殻シールド4内に設置された仕切り壁の概要を示す縦断面図である(到達点側)。図25に示す例では、褄壁120が構築中であり、外殻シールド4内の上部にのみ褄壁120が構築され、褄壁120の背面側(シールドマシン(SM)が到達する到達点の反対側)に、褄壁120と間隔を空けて仕切り壁126が設置されている。また、図25に示す例では、到達点側の褄部の凍土122の前面側(到達点側)と、仕切り壁126の背面側に、薬液注入による地盤改良が行われている。更に、到達点側の褄部の鋼管121の背面に、漏水が発生してしまった場合の漏水を凍結するための第2凍結管125が設置されている。仕切り壁126、薬液注入による地盤改良領域、第2凍結管125は、外殻シールド4の内側、かつ、本線シールド2の外側に構築される。
仕切り壁126、薬液注入による地盤改良領域、第2凍結管125の構築は、外殻シールド内の掘削工程とともに行うことができる。なお、漏水対策工程は、外殻シールド内の掘削工程の前に、行うようにしてもよい。仕切り壁126は、例えば、本線シールド2から鋼管が放射状に打設され、外殻シールド4内の掘削を行いながら、放射状に打設された鋼管に鋼製の土留め板が溶接されることで構築される。鋼管の打設は、外殻シールド4内の掘削開始前に行うことが好ましい。鋼製の土留め板は、外殻シールド4の内側、かつ、本線シールド2の外側にある地山(土)を土留めするように、打設された鋼管に溶接される。仕切り壁126は、外殻シールド4内の掘削に合わせて、設置される。なお、仕切り壁126の上部には、図示しない扉が設置することができ、これにより、仕切り壁126の前面側、及び背面側への移動が可能となる。
到達点側の褄部の凍土122の前面側における薬液注入による地盤改良は、到達点側の褄部の凍土122の前面側に薬液注入を行う薬液注入用の管(図示せず)が設置され、設置された薬液注入用の管から薬液注入を行うことで行われる。上記到達点側の褄部の凍土122の前面側における薬液注用の管(図示せず)の設置は、到達点側の褄部の凍土122の造成前に行うことが好ましい。仕切り壁126の背面側の薬液注入による地盤改良は、仕切り壁126の背面側に薬液注入を行う薬液注入用の管(図示せず)が設置され、設置された薬液注入用の管から薬液注入を行うことで行われる。仕切り壁126の背面側の薬液注入管の設置は、仕切り壁126の設置前に行うことが好ましい。第2凍結管125は、到達点側の褄部の鋼管121の背面に、例えば鋼製の板を設置し、設置した鋼製の板に取り付けることで設置される。
仕切り壁126を、設置することで、仮に漏水が発生した場合でも、漏水による土砂の流入を最小限にすることができる。そのため、安全性が向上する。なお、仕切り壁126、薬液注入による地盤改良領域、第2凍結管125の構築を全て行うことで、仮に漏水が発生した場合の影響を最小限にすることができるが、これらの構築は、一部のみを行うよ
うにしてもよい。
<効果>
第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法によれば、ランプシールド3のセグメントを取り外し、本線シールド2、及びランプシールド3の回りに地中拡幅部を構築するための円周シールドからなる発進基地7を構築することで、非開削で地中拡幅部1を施工することができる。また、先行シールド5、及び後行シールド6の周りに凍土42を造成して止水領域を構築することで、地山が安定し、また、先行シールド5、及び後行シールド6の内側への水の浸入を抑制できる。また、外殻シールド4の構築後に外殻シールド4の内側を掘削し、地中拡幅部1を構築することで、地表面の沈下を最小限に抑えることができる。これにより、十分に安全性を確保した上で、地中拡幅部1の施工を行うことができる。また、発進基地7の構築工程では、地中立坑8の周囲に地中立坑の凍土81を造成し、更に、地中立坑8の周囲に地中立坑の鋼管83,84,86を打設して、地中立坑の鋼管83,84,86の壁を形成することで、地山の変形をより確実に抑制できる。また、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法では、地中立坑の凍土81の底部に地盤改良された領域82が構築される。これにより、仮に地中立坑の凍土81の一部が溶け、溶けた水が地中立坑8の下部に侵入した場合でも、地山が滑りにくくなる。その結果、より安全性を高めることができる。第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法は、従来よりも更に安全性が高いため、例えば、透水性が高い帯水層下での大断面の施工にも適している。
また、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工では、褄部の止水領域の構築工程において、発進基地側の褄部の凍土113、及び到達点側の褄部の凍土122の造成に加えて、発進基地側の褄部の鋼管111,112の打設、及び到達点側の褄部の鋼管121の打設が行われる。その結果、地山の変形をより確実に抑制でき、より安全性を高めることができる。
また、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工では、到達点側、及び中央付近において、先行シールド5内に支柱140を設置することで、先行シールド5の変形を抑制でき、安全性を確保できる。また、支柱140の設置は、発進基地7側で行うRCリング覆工体9を構成する鉄筋91の組み立てやコンクリート92の打設と比較すると、狭い作業スペースで行うことができる。従って、先行シールド5内に支柱を設置する工程を含む地中拡幅部の施工方法は、先行シールド5と後行シールド6との重なりが大きく、先行シールド5内に鉄筋組み立てやコンクリート打設の作業スペースが十分に確保できない場合に適している。換言すると、第1実施形態のように、徐々に縮径する外殻シールド4に適している。
また、外殻シールド4を縮径することで、例えば、発進基地7側から反対側の到達点側に向けて同径の外殻シールドと比較して、凍土の造成量、覆工体の構築におけるコンクリートの打設量、外殻シールド内の掘削量を削減することができる。その結果、コストを削減することができる。
<第2実施形態>
第1実施形態に係る地中拡幅部の施工では、支柱140を設置する架台130を現場で施工したが、架台130は先行シールド5の鋼製セグメント53と一体的に形成してもよい。図26は、第2実施形態に係る、支柱を設置する架台が設けられたセグメントの斜視図である。また、図27は、第2実施形態に係る架台が設けられたセグメントに支柱を設置した状態を示す斜視図である。第2実施形態に係る先行シールド5の鋼製セグメント53は、湾曲する内側面に、接続面131が形成された架台130が設けられている。接続面131には、支柱140の四角プレート142と固定するボルトに対応したボルト孔が形成されている。
上記鋼製セグメント53を用いる場合には、まず、先行シールド5の構築において、上記鋼製セグメント53を支柱140を設置する箇所に用いて先行シールド5を構築する。その後は、第1実施形態に係る地中拡幅部の施工と同様に、支柱140が架台130の接続面131と被覆コンクリート188の接続面との間に設置され、ボルトで固定される。以上により、支柱140が設置される。架台130を備える鋼製セグメント53を工場などで予め一体的に成型することで、現場における作業を削減でき、作業性が向上する。
<第3実施形態>
図28は、第3実施形態に係る同径の外殻シールドの斜視図である。第1実施形態に係る地中拡幅部の施工方法では、到達点側に向けて徐々に縮径する外殻シールド4の構築を例に説明したが、本発明に係る地中拡幅部の施工方法は、図28に示すような、同径の外殻シールド4にも適用可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明に係る地中拡幅部の施工方法等は、これらに限られず、可能な限りこれらを組み合わせることができる。
1・・・地中拡幅部
2・・・本線シールド
3・・・ランプシールド
4・・・外殻シールド
5・・・先行シールド
6・・・後行シールド
7・・・発進基地
8・・・地中立坑
81・・・地中立坑の凍土
83,84,86・・・地中立坑の鋼管
85・・・推進管
111,112・・・発進基地側の褄部の鋼管
113・・・発進基地側の褄部の凍土
121・・・到達点側の褄部の鋼管
122・・・到達点側の褄部の凍土

Claims (3)

  1. 地中拡幅部の施工方法であって、
    シールドトンネルのセグメントを取り外し、当該シールドトンネルの回りに、地中拡幅部を構築するための環状の発進基地を構築する発進基地の構築工程と、
    前記発進基地から先行シールド機を発進させ、切削可能なセグメントが配置された複数の先行シールドを互いに間隔を空けて環状に構築する先行シールドの構築工程と、
    前記先行シールド内に、当該先行シールドの変形を抑制する支柱を設置する支柱設置工程と、
    前記支柱の設置後、当該先行シールド内に埋め戻し材を充填する埋め戻し材の充填工程と、
    前記発進基地の前記先行シールド同士の間から後行シールド機を発進させ、前記先行シールドの一部を切削しながら、複数の後行シールドを環状に構築する後行シールドの構築工程と、
    前記先行シールド、及び前記後行シールドの周りに止水領域を構築するシールド回りの止水領域の構築工程と、
    前記発進基地側、及び当該発進基地の反対側の褄部に褄部の止水領域を構築する褄部の止水領域の構築工程と、
    前記先行シールドと隣接する前記後行シールドとを連結し、前記シールドトンネルの外側に地中拡幅部の外殻を形成する環状の外殻シールドを構築する外殻シールドの構築工程と、
    前記外殻シールドの構築後、前記外殻シールドの内側を掘削する掘削工程と、を有し、
    前記外殻シールドは、前記発進基地側から反対側に向けて徐々に縮径し、当該発進基地側の外殻シールドの第1区間と、当該外殻シールドの第1区間に隣接して発進基地の反対側に伸びる外殻シールドの第2区間であって、前記発進基地側と比較して前記先行シールドと前記後行シールドとの重なりが大きい外殻シールドの第2区間とを含み、
    前記外殻シールドの第1区間では、前記先行シールド内に埋め戻し材を充填する埋め戻し材の充填工程と、先行シールドの内部に、外殻シールドの内部に構築される環状の覆工体の一部を構築する先行シールドの覆工体の構築工程と、が行われ、更に、外殻シールドの構築工程として、後行シールドの内部に、外殻シールドの内部に構築される環状の覆工体の他部を構築する後行シールドの覆工体の構築工程が行われ、
    前記外殻シールドの第2区間では、前記先行シールドの変形を抑制する支柱を設置する
    支柱設置工程と、前記支柱の設置後、当該先行シールド内に埋め戻し材を充填する埋め戻し材の充填工程とが行われ、更に、前記後行シールドの構築工程では、前記先行シールドの切削可能なセグメントが切削されるとともに、前記先行シールド内の埋め戻し材の一部が撤去され、前記外殻シールドの構築工程では、前記シールド内の埋め戻し材の他部が撤去される埋め戻し材の撤去工程と、埋め戻し材の撤去後、連結された先行シールドと後行シールドの内部に環状の覆工体を構築する覆工体の構築工程とが行われる、
    地中拡幅部の施工方法。
  2. 前記後行シールドの構築工程では、前記先行シールドの切削可能なセグメントが切削されるとともに、前記先行シールド内の埋め戻し材の一部が撤去され、
    前記外殻シールドの構築工程は、前記シールド内の埋め戻し材の他部が撤去される埋め戻し材の撤去工程と、埋め戻し材の撤去後、連結された先行シールドと後行シールドの内部に環状の覆工体を構築する覆工体の構築工程と、を含む請求項1に記載の地中拡幅部の施工方法。
  3. 前記外殻シールドは、前記発進基地側から反対側に向けて徐々に縮径する、請求項1又は2に記載の地中拡幅部の施工方法。
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