JP2017160685A - マルチパスシールド工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】地中にさまざまな空間を構築し得る複数の小口径シールドトンネルを形成する。【解決手段】このマルチシールド工法では、地中の予定施工領域Sに先行トンネルT1を掘進し、このトンネルT1の坑内からシールド工法又は推進工法による機械施工によりこのトンネルT1の上方及び下方に向けて直進的に地中内立坑を掘削して複数の小口径シールド掘削機M5を上下方向に階層的に配備し発進させるための発進基地T3、T4を構築し、各発進基地T3、T4から各小口径シールド掘削機M5を発進基地全周方向任意の方向に発進して複数の小口径シールドトンネルT5を構築する。【選択図】図1

Description

本発明は、道路トンネルの分岐・合流部や鉄道トンネルの上下線のわたり線部、本線側線の分岐・合流部など、断面の大きさや形状が変化するような地下空間を構築する際の、仮設の先受け工として、複数の小口径シールド掘削機又は小口径推進器などにより、地下空間の予定領域を取り囲むように仮設又は本設の複数の小口径シールドトンネル(ルーフシールドトンネルともいう。)を施工する工法に適用するマルチパスシールド工法に関する。
都市地盤に代表される地下水が豊富な未固結地盤中において、道路トンネルの分岐・合流部や鉄道トンネルの上下線のわたり線部、本線側線の分岐・合流部など、断面の大きさや形状が変化するような地下空間を施工する場合、従来は、地上からの開削工法により施工することが多かったが、近時は、地上の交通や周辺住民などへの影響を最小限に抑えるため、非開削による各種の工法が行われている。
例えば、道路トンネルにおいて、一つの本線トンネルにランプトンネルをすりつけ、その分合流区間で両トンネルを地中で拡幅し、切り拡げて接合する場合など、地中に並設した複数の大口径シールドトンネルの間を地中で切り拡げて大断面のトンネル空間を構築する際には、従来は、地中の切り拡げ部にパイプルーフなどにより機械的な仮設構造物あるいは仮設の先受け防護壁を設ける方法や、地盤改良工法や凍結工法によってこれを先受け防護壁とする方法が用いられてきた。
パイプルーフを設置する場合、パイプルーフの発進基地として大規模な空間を掘削、構築する必要があるが、一般に地下水が豊富な都市地下地盤のような地盤においては、施工時に、地盤改良工法や凍結工法などの地下水対策が必要となる。また、パイプルーフの発進基地として、地上からの立坑を新たに構築することも考えられるが、この場合、地上での施工用地の確保が必要となる。パイプルーフを設置する場合、そのトンネル延長がせいぜい百数十mであり、より延長の長い大規模な空間の構築では実績で劣る可能性がある。
地盤改良工法や凍結工法を採る場合は、地下水が多い地盤で規模が大きくなると、改良、凍結する領域が増大し、多くのコストと時間を要することとなり、さらに、信頼性が低下する懸念がある。
そこで、近年は、断面の大きさや形状が変化するような地下空間を施工する工法として、地山の地下空間の予定領域を複数の小口径シールドトンネルで取り囲み、地下空間の外殻を形成した後、地山を掘削する工法が提案されている。その一例が特許文献1に開示されている。
この文献1の工法では、複数の小断面トンネルの側面間を連結した小断面トンネル群によって地山を囲繞し、その囲繞された地山を掘削して地中構造物を構築する。
特に、この方法では、シールド掘削機を掘進させて先行トンネルを構築し、その先行トンネルの周面の2箇所から先行トンネルから離隔する方向に2本の枝トンネルを構築し、その2本の枝トンネルのそれぞれの周面の間隔を置いた複数の位置から複数の並行する小断面トンネルを構築するための小断面シールド掘削機を発進させ、小断面トンネルが所定の位置に到達したところで小断面シールド掘削機を折り返させて略U字形の小断面トンネルを複数構築して小断面トンネル群を形成する。
この場合、2本の枝トンネルは、先行トンネルの鋼製セグメントの互いに対向する上面及び下面に設けられた開口部から円弧状に上方又は下方に向けて延伸する。なお、 この枝トンネルはこのトンネルの内部から、小口径シールド掘削機を発進させるため、すべての小口径シールド掘削機が発進できるような長さになるまで延伸する。この枝トンネルの内部から、この枝トンネルの軸方向に直交する方向に向けて略水平に小口径シールド掘削機を発進させて、この小断面シールド掘削機により、複数の小口径トンネルを略平行に構築し、これらの小口径トンネルによって構成される断面視楕円状の小口径トンネル群によって地山を囲繞する。
特開2007−224532
ところで、特許文献1の工法では、「先行トンネルの周面の2箇所から先行トンネルから離隔する方向に2本の枝トンネルを構築し、その2本の枝トンネルのそれぞれの周面の間隔を置いた複数の位置から複数の並行する小断面トンネルを構築する。」として、「この2本の枝トンネルを先行トンネルの鋼製セグメントの互いに対向する上面及び下面に設けられた開口部から円弧状に上方又は下方に向けて延伸」させているが、先行トンネルの開口から地山を掘削した直後に枝トンネルの急曲線施工を行うことはこれまでのところまだ実績がなく、現実性に乏しい、と考えられる。また、この文献1には、「2本の枝トンネルは、先行トンネルの鋼製セグメントの互いに対向する上面及び下面に設けられた開口部から円弧状に上方又は下方に向けて延伸する。」と記載されているものの、この枝トンネルについて大きさや円弧の曲線半径などの具体的な記載がなく、円弧において曲線半径のかなり小さい急曲線施工を行うことが前提になるとみられる。しかしながら、その施工方法の具体的な記載がなく、現実にそのような急曲線施工を行うことができるか否かが不明で、技術面で、例えば、曲線施工特有のシールドジャッキの片推しによるトンネルの変形や線形確保の困難さなど、安全面で、例えば、トンネル変形に伴い発生する目開き、目違い箇所からの出水など、課題が多いものと考えられる。
本発明は、このような従来の問題を解決するもので、この種の工法(仮設の先受け工として、複数の小口径シールド掘削機などにより、地下空間の予定領域を取り囲むように仮設又は本設の複数の小口径シールドトンネルを施工する工法)において、小口径シールド機を発進、到達させるための作業空間を安全かつ確実に施工すること、地下空間の形状に制限が少なく、地中にさまざまな空間を構築し得る複数の小口径シールドトンネルを形成することなど、を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、
地山の地下空間の予定領域を複数の小口径シールドトンネルで取り囲み、地下空間の外殻を形成した後、地山を掘削する工法において、
前記地下空間の予定領域に先行トンネルを掘進し、又は前記地下空間の予定領域に向けて先行トンネルを延伸し、
前記先行の大口径シールドトンネルの坑内からシールド工法又は推進工法による機械施工により前記先行の大口径シールドトンネルの上方及び/又は下方に向けて直進的に地中内立坑を掘削して複数の小口径シールド掘削機を上下方向に階層的に配備し、発進させるための発進基地を構築し、前記発進基地から前記各小口径シールド掘削機を前記発進基地全周方向任意の方向に発進して前記複数の小口径シールドトンネルを構築する、
ことを要旨とする。
このマルチパスシールド工法はさらに次のように具体化される。
(1)発進基地から発進した各小口径シールド掘削機は、小口径シールドトンネルの掘削後、前記小口径シールドトンネルの端部に主要な機械部分を分解撤去して残置する。
(2)各小口径シールド掘削機の到達地点として、先行の大口径シールドトンネルの坑内からシールド工法又は推進工法による機械施工により前記先行の大口径シールドトンネルの上方及び/又は下方に向けて直進的に地中内立坑を掘削して複数の小口径シールド掘削機を到達させるための到達基地を構築し、発進基地から発進した各小口径シールド掘削機を、小口径シールドトンネルの掘削後、前記到達基地に前記到達基地全周方向任意の方向から到達させて回収する。
(3)発進基地と到達基地との間の中間地点に、先行の大口径シールドトンネルの坑内からシールド工法又は推進工法による機械施工により前記先行の大口径シールドトンネルの上方及び/又は下方に向けて直進的に地中内立坑を掘削して複数の小口径シールド掘削機を中継する中継基地を構築し、発進基地から発進した小口径シールド掘削機を前記中継基地を中継して小口径シールドトンネルを掘削する。
(4)地中内立坑の掘削は、先行の大口径シールドトンネル内でシールド掘進機、推進機を含む先端にカッタヘッドを有する掘進機をトンネル内壁に向けて設置する工程と、前記掘削機の反力架台を組み立て、当該架台の周囲複数の箇所に推進用ジャッキを前記地中内立坑の掘削方向に伸縮可能に設置して、前記掘進機と各推進用ジャッキとの間にセグメントを略筒状に組み立てる工程と、前記掘進機のカッタヘッドを回転駆動し、前記各推進用ジャッキを伸長させて、前記掘進機を前記セグメントとともに推進して前記地中内立坑を掘削し、前記セグメントの継ぎ足しと前記各推進用ジャッキの伸長を繰り返して、前記地中内立坑を所定の長さまで掘削する工程とにより行う。
本発明のマルチパスシールド工法では、地山の地下空間の予定領域を複数の小口径シールドトンネルで取り囲み、地下空間の外殻を形成した後、地山を掘削する工法において、先行の大口径シールドトンネルの坑内からシールド工法又は推進工法による機械施工により先行の大口径シールドトンネルの上方及び/又は下方に向けて直進的に地中内立坑を掘削して複数の小口径シールド掘削機を上下方向に階層的に配備し、発進させるための発進基地を構築し、発進基地から各小口径シールド掘削機を発進基地全周方向任意の方向に発進して複数の小口径シールドトンネルを構築するようにしたので、小口径シールド機を発進させるための作業空間を安全かつ確実に施工することができ、そして、地下空間の形状に制限が少なく、地中にさまざまな空間を構築し得る複数の小口径シールドトンネルを形成することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
本発明の一実施の形態によるマルチパスシールド工法の概要を示す図 同工法の施工手順を示す図 同工法の特に地中内立坑の掘削工程を示す図 同工法の特に地中内立坑の掘削工程を示す図 同工法において先行トンネル(大口径シールドトンネル)の径を基準として例示する上下部の地中内立坑の大きさを示す図 同工法において上下部の地中内立坑に複数の小口径シールド掘削機を上下方向に階層的に配備し、発進させるときの状況を示す図
次に、この発明の実施の形態について図を用いて説明する。
このマルチパスシールド工法は、地山の地下空間の予定領域(以下、単に予定施工領域という。)を複数の小口径シールドトンネルで取り囲み、地下空間の外殻を形成した後、地山を掘削する工法に適用され、予定施工領域に先行トンネルを掘進し、又は予定施工領域に向けて先行トンネルを延伸し、先行の大口径シールドトンネルの坑内からシールド工法又は推進工法による機械施工により先行の大口径シールドトンネルの上方及び/又は下方に向けて直進的に地中内立坑を掘削して複数の小口径シールド掘削機を上下方向に階層的に配備し、発進させるための発進基地を構築し、発進基地から各小口径シールド掘削機を発進基地全周方向任意の方向に発進して、先受け、防護壁となる複数の小口径シールドトンネルを構築するものである。
図1に地中に並行に掘削した2本の大口径シールドトンネルの間を地中で切り拡げて大断面のトンネル空間を構築する際の、仮設の先受け工として、複数の小口径シールド掘削機により、大断面のトンネル空間の予定領域を取り囲むように複数の小口径シールドトンネルを施工するマルチシールド工法の概要を示し、図2にその具体的な施工手順を示している。以下、このマルチシールド工法についてその施工手順(ステップ1−3)に基づいて具体的に説明する。
(ステップ1)
先ず、図2(1)に示すように、大口径シールドトンネルT1を施工する。
この場合、大口径シールド掘削機M1により、地中の予定施工領域Sの両側まで延伸された各大口径シールドトンネルT1、T2の一方、この場合、T1を、先行トンネルとして、地中の予定施工領域Sに掘進する。
(ステップ2)
次に、図2(2)に示すように、先行の各大口径シールドトンネルT1の坑内からシールド工法又は推進工法による機械施工により先行の各大口径シールドトンネルT1の上方及び下方に向けて直進的に地中内立坑T3、T4を掘削し、複数の小口径シールド掘削機を上下方向に階層的に配備し、発進させるための発進基地T3、T4を構築する。
この場合、地中内立坑T3、T4の掘削は、図3、図4に示すように、次の工程(1)−(3)により行う。
(1)先行の大口径シールドトンネルT1内でシールド掘進機、推進機を含む先端にカッタヘッドを有する掘進機M3、M4をトンネルT1内壁に向けて設置する工程
図3(1)−(4)に示すように、この工程では、先行の大口径シールドトンネルT1の坑内で地中の予定施工領域Sの手前に当たる所定の位置を掘進機M3、M4の発進箇所として開放する。また、この工程に当たり、トンネルT1と地中内立坑T3、T4との接続部となる位置に止水剤を注入するなど小規模な地盤改良を行う。なお、止水のための注入でよく、大規模な地盤改良工や凍結工は不要である。
そして、この工程では、まず、トンネルT1の坑内の下部に発進坑口1を取り付けて、この坑口1に掘進機M3をカッタヘッドを下方に向けて設置する。続いて、トンネルT1の坑内の下部に発進坑口2を取り付けて、この坑口2に掘進機M4をカッタヘッドを上方に向けて仮受け部材を介して設置する。
(2)掘進機M4又はM3の反力架台3を組み立て、この架台3の周囲複数の箇所に推進用ジャッキ4を地中内立坑T4又はT3の掘削方向に伸縮可能に設置して、掘進機M4又はM3と各推進用ジャッキ4との間にセグメント5を略筒状に組み立てる工程
図3(5)、(6)に示すように、この工程では、上下の各掘進機M3、M4間に略円筒構造の反力架台3を組み立て、その内周に複数の推進用ジャッキ4を伸縮ロッドを上方に向けて伸縮可能に取り付けて、上部の掘進機M4と各推進用ジャッキ4との間に推進用セグメント5を組み立てる。この場合、発進坑口1、2のエントランスパッキン6に高水圧対応のチューブ式パッキンを2段配置して、掘進機M3、M4発進時の止水性を確保する。エントランスパッキン6は実績が多数あり、信頼性は高い。また、発進坑口1、2内の発進部は直接切削セグメント(FFUセグメント)7で覆工しておくことにより、掘進機M3、M4のカッタビットで直接切削できるようにする。これにより、鏡切りは不要であり、大規模な薬液注入などの坑口防護が不要である。
(3)各掘進機M3、M4のカッタヘッドを各別に回転駆動し、各推進用ジャッキ4を伸長させて、各掘進機M3、M4をセグメント5とともに推進して地中内立坑T3、T4を掘削し、セグメント5の継ぎ足しと各推進用ジャッキ4の伸長を繰り返して、地中内立坑T3、T4を所定の長さまで掘削する工程
図4(7)−(10)に示すように、この工程では、まず、上部の掘進機M4のカッタヘッドを回転させてこのトンネルT1の坑内上部から上部地山を掘削するとともに、反力架台3の各推進ジャッキ4により推進反力を取り、この推進ジャッキ4の反力を反力架台3と坑口2で受けて、上部地山を鉛直上方向に直進的に掘進する。この掘進機M4の発進時、掘進機M4はトンネルT1の坑内から上部の直接切削セグメント(FFUセグメント)7に対して直角に進入し切削していくので、直接切削セグメント7をスムーズに切削することができる。そして、各推進用ジャッキ4の反力をコンクリートで受けることで、十分な推進反力を期待することができる。このようにして上部の掘進機M4が上部地山を所定の距離掘削する毎に、掘進機M4下部のセグメント5と各推進用ジャッキ4との間に推進用セグメント5を組み立て、この地山の掘削とセグメント5の組み立てを繰り返して、上部地山に円筒形の地中内立坑T4を構築し、2機又は3機の小口径シールド掘削機を上下方向に階層的に配備し、発進させるための上部発進基地T4を築造する。続いて、反力架台3の各推進用ジャッキ4を反転して付け替え、同様に、下部の掘進機M3のカッタヘッドを回転させてこのトンネルT1の坑内下部から下部地山を掘削し、下部地山を鉛直下方向に直進的に掘進する。この掘進機M3の発進時も、同様に、掘進機M3はトンネルT1の坑内から下部の直接切削セグメント(FFUセグメント)7に対して直角に進入し切削していくので、直接切削セグメント7をスムーズに切削することができる。そして、推進用ジャッキ4の反力をコンクリートで受けることで、十分な推進反力を期待することができる。このようにして掘進機M3が下部地山を所定の距離掘削する毎に、掘進機M3上部のセグメント5と各推進用ジャッキ4との間に推進用セグメント5を組み立て、この地山の掘削とセグメント5の組み立てを繰り返して、下部地山に円筒形の地中内立坑T3を構築し、1機又は2機の小口径シールド掘削機を上下方向に階層的に配備し、発進させるための下部発進基地T3を築造する。なお、図5に、大口径シールドトンネルT1の直径を11mとした場合の上下部の地中内立坑T3、T4の概略寸法を示す。また、これら上下部の発進基地T3、T4の築造に当たり、各地中内立坑T3、T4と次のステップで施工する小口径シールドトンネルT5との接続部となる位置に止水剤を注入するなど小規模な地盤改良を行う。なお、止水のための注入でよく、大規模な地盤改良工や凍結工は不要である。また、各地中内立坑T3、T4において各小口径シールド掘削機M5の発進部に直接切削セグメント8を設置しておく。これにより、鏡切りを不要とする。そして、各小口径シールド掘削機M5の発進坑口9にエントランスパッキン10を配置して、各小口径シールド掘削機M5の発進時の止水性を確保する。
(ステップ3、4)
続いて、図2(3)、(4)に示すように、各発進基地T3、T4より小口径シールド掘削機M5を発進させて予定施工領域Sの周囲に先受け防護壁となる複数の小口径シールドトンネルT5を施工する。なお、この地中の各発進基地T3、T4から小口径シールド掘削機M5を発進させる方法は、セグメントで構築された円形立坑と同様であり、実績は多数ある。
図6に示すように、この工程では、先行の大口径シールドトンネルT1からクレーンにより順次小口径シールド掘削機M5をステージ11に載せて吊り上げ、各発進基地T3、T4において発進部に対応する所定の高さに吊り上げ又は吊り降ろし、各小口径シールド掘削機M5のカッタヘッドを所定の発進部に向けてステージ11を地中立坑T3、T4の内周(鋼製セグメント)に固定し、各小口径シールド掘削機M5を階層状に(発進高さをずらして)配備する。なお、この場合、小口径シールド掘削機M5はφ2m級で、中折れを有する。このようにして上部発進基地T4で2段又は3段のステージ11を組み、2機又は3機の小口径シールド掘削機M5を上下に高さを変えて配備し、下部発進基地T3で1段又は2段のステージ11を組み、1機又は2機の小口径シールド掘削機M5を上下に高さを変えて配備して、これらのステージ11から各小口径シールド掘削機M5を発進基地T3、T4全周方向任意の方向、同じ又は異なる方向に水平方向に向かって同時又は異時発進して、施工を開始し(ステップ3)、予定施工領域Sの周囲に沿って掘進していく(ステップ4)。この場合、小口径シールド掘削機M5の発進位置が上下に異なるので、複数の小口径シールド掘削機M5を同時又は順次に発進させることで、複数のシールドトンネルT5の同時施工が可能である。また、小口径シールドトンネルT5の急曲線施工では、例えばφ2m級であれば、曲線半径10m程度までは従来技術で施工可能である。また、この場合、各発進基地T3、T4から発進した各小口径シールド掘削機5は、小口径シールドトンネルT5を所定の距離まで掘削した後、小口径シールドトンネルT5の終端部に主要な機械部分を分解撤去して残置する。
(ステップ5)
以上により、図2(5)に示すように、地中の予定施工領域Sの周囲に所定の本数、距離の小口径シールドトンネルT5を配置して施工を完了する。なお、大口径シールドトンネルの他方(T2)は、上部、下部の各発進基地T3、T4、各発進基地T3、T4から発進する小口径シールドトンネルT5の施工と並行して施工可能であり、並行して施工することにより、工期の短縮を図ることが可能である。
以上説明したように、このマルチパスシールド工法によれば、地中の予定施工領域Sを複数の小口径シールドトンネルT5で取り囲み、地下空間の外殻を形成した後、地山を掘削する工法において、先行の大口径シールドトンネルT1の坑内からシールド工法又は推進工法による機械施工により先行の大口径シールドトンネルT1の上方及び下方に向けて直進的に地中内立坑T3、T4を掘削して複数の小口径シールドトンネルT5を発進させるための発進基地T3、T4を構築するので、豊富な地下水環境下でも、大口径シールドトンネルT1と地中内立坑T3、T4との接続部に止水のための注入のみを行えばよく、大規模な地盤改良工や凍結工を不要にして、小口径シールドトンネルT5を発進、到達させるための作業空間を安全な施工で確保することができる。また、地中での施工になるので、地上の用地の確保が不要である。
そして、発進基地T3、T4に複数の小口径シールド掘削機M5を上下方向に階層的に、つまり、上下に高さを変えて配備し、この発進基地T3、T4から全周方向任意の方向に発進して、防護壁となる複数の小口径シールドトンネルT5を構築するので、小口径シールドトンネルT5の本数、配置を自由に選択することができ、大断面トンネルの形状に制限が少なく、地中にさまざまな空間を構築することができる。
この実施の形態では、各発進基地T3、T4から発進した各小口径シールド掘削機M5を、小口径シールドトンネルT5を所定の距離まで掘削した後、小口径シールドトンネルT5の終端部に主要な機械部分を分解撤去して残置する場合を例示したが、各小口径シールド掘削機M5の到達地点として、先行の大口径シールドトンネルT1の坑内からシールド工法又は推進工法による機械施工により先行の大口径シールドトンネルの上方及び/又は下方に向けて直進的に地中内立坑を掘削して複数の小口径シールド掘削機を到達させるための到達基地を構築し、発進基地T3、T4から発進した各小口径シールド掘削機M5を、小口径シールドトンネルT5の掘削後、到達基地に到達基地全周方向任意の方向から到達させて回収するようにしてもよい。
さらに、これら発進基地と到達基地との間の中間地点に、先行の大口径シールドトンネルの坑内からシールド工法又は推進工法による機械施工により先行の大口径シールドトンネルの上方及び/又は下方に向けて直進的に地中内立坑を掘削して複数の小口径シールド掘削機を中継する中継基地を構築し、発進基地から発進した小口径シールド掘削機を中継基地を中継して小口径シールドトンネルを掘削し、各小口径シールド掘削機を、中径基地又は到達基地に到達させて回収するようにしてもよい。
S 地下空間の予定領域(予定施工領域)
T1 大口径シールドトンネル
1 発進坑口
2 発進坑口
3 反力架台
4 推進用ジャッキ
5 セグメント
6 エントランスパッキン
7 直接切削セグメント(FFUセグメント)
T2 大口径シールドトンネル
T3 地中内立坑(発進基地)
T4 地中内立坑(発進基地)
T5 小口径シールドトンネル
8 直接切削セグメント(FFUセグメント)
9 発進坑口
10 エントランスパッキン
11 ステージ
M1 大口径シールド掘削機
M2 大口径シールド掘削機
M3 掘進機
M4 掘進機
M5 小口径シールド掘削機

Claims (5)

  1. 地山の地下空間の予定領域を複数の小口径シールドトンネルで取り囲み、地下空間の外殻を形成した後、地山を掘削する工法において、
    前記地下空間の予定領域に先行トンネルを掘進し、又は前記地下空間の予定領域に向けて先行トンネルを延伸し、
    前記先行の大口径シールドトンネルの坑内からシールド工法又は推進工法による機械施工により前記先行の大口径シールドトンネルの上方及び/又は下方に向けて直進的に地中内立坑を掘削して複数の小口径シールド掘削機を上下方向に階層的に配備し、発進させるための発進基地を構築し、前記発進基地から前記各小口径シールド掘削機を前記発進基地全周方向任意の方向に発進して前記複数の小口径シールドトンネルを構築する、
    ことを特徴とするマルチパスシールド工法。
  2. 発進基地から発進した各小口径シールド掘削機は、小口径シールドトンネルの掘削後、前記小口径シールドトンネルの端部に主要な機械部分を分解撤去して残置する請求項1に記載のマルチパスシールド工法。
  3. 各小口径シールド掘削機の到達地点として、先行の大口径シールドトンネルの坑内からシールド工法又は推進工法による機械施工により前記先行の大口径シールドトンネルの上方及び/又は下方に向けて直進的に地中内立坑を掘削して複数の小口径シールド掘削機を到達させるための到達基地を構築し、発進基地から発進した各小口径シールド掘削機を、小口径シールドトンネルの掘削後、前記到達基地に前記到達基地全周方向任意の方向から到達させて回収する請求項1に記載のマルチパスシールド工法。
  4. 発進基地と到達基地との間の中間地点に、先行の大口径シールドトンネルの坑内からシールド工法又は推進工法による機械施工により前記先行の大口径シールドトンネルの上方及び/又は下方に向けて直進的に地中内立坑を掘削して複数の小口径シールド掘削機を中継する中継基地を構築し、発進基地から発進した小口径シールド掘削機を前記中継基地を中継して小口径シールドトンネルを掘削する請求項1に記載のマルチパスシールド工法。
  5. 地中内立坑の掘削は、先行の大口径シールドトンネル内でシールド掘進機、推進機を含む先端にカッタヘッドを有する掘進機をトンネル内壁に向けて筒形構造の架台を介して設置する工程と、前記架台の周囲複数の箇所に推進用ジャッキを前記地中内立坑の掘削方向に伸縮可能に設置し、前記掘進機と前記各推進用ジャッキとの間にセグメントを略筒状に組み立てる工程と、前記掘進機のカッタヘッドを回転駆動し、前記各推進用ジャッキを伸長させて、前記掘進機を前記セグメントとともに推進して前記地中孔を掘削し、前記セグメントの継ぎ足しと前記各推進用ジャッキの伸長を繰り返して、前記地中内立坑を所定の長さまで掘削する工程とにより行う請求項1乃至4のいずれかに記載のマルチパスシールド工法。
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