JP2018150767A - 地下構造物の構築方法 - Google Patents

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Shinji Kushida
慎二 串田
実 米沢
Minoru Yonezawa
実 米沢
善一郎 岩下
Zenichiro Iwashita
善一郎 岩下
善文 桝永
Yoshifumi Masunaga
善文 桝永
恵史 三室
Keiji Mimuro
恵史 三室
琢郎 小坂
Takuro Kosaka
琢郎 小坂
初太郎 梶川
Hatsutaro Kajikawa
初太郎 梶川
沙英 石黒
Sae Ishiguro
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Abstract

【課題】トンネルの拡幅部などの地下構造物の構築予定領域の地盤改良を確実に行う。【解決手段】地下構造物(トンネル拡幅部300)の構築方法は、地中に第1トンネル111〜116を構築する第1トンネル構築工程と、第1トンネル111〜116から複数の第2トンネル121,122が分岐して第2トンネル121同士が互いに並行に延びるように、また、第2トンネル122同士が互いに並行に延びるように第2トンネル121,122を地中に構築する第2トンネル構築工程と、隣り合う第2トンネル121同士の間の領域の地盤改良と隣り合う第2トンネル122同士の間の領域の地盤改良とを行う第2トンネル間地盤改良工程と、を含む。【選択図】図9

Description

本発明は、地下構造物の構築方法に関する。
特許文献1は、トンネルの拡幅部施工方法において、トンネルの拡幅部が構築される予定の領域に薬液注入工法により地盤改良を行うことを開示している。特許文献1では、トンネル(トンネル本線)内の高所作業車上に配置した高所ボーリングマシン及び低所ボーリングマシンなどによりトンネルの外側の地盤を削孔して多数の薬液注入孔を形成し、この薬液注入孔から地盤に薬液(止水材)を注入している。
特開2009−174185号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術において、薬液注入孔同士の間の間隔については、トンネルから離れるほど当該間隔が広がる。ゆえに、トンネルから離れた箇所で薬液を設計範囲にわたって確実に浸透させて所望の止水性を確保することが難しかった。
本発明は、このような実状に鑑み、トンネルの拡幅部などの地下構造物の構築予定領域の地盤改良を確実に行うことを目的とする。
そのため本発明に係る地下構造物の構築方法の第1態様は、地中に第1トンネルを構築する第1トンネル構築工程と、第1トンネルから複数の第2トンネルが分岐して第2トンネル同士が互いに並行に延びるように第2トンネルを地中に構築する第2トンネル構築工程と、隣り合う第2トンネル同士の間の領域の地盤改良を行う第2トンネル間地盤改良工程と、を含む。
本発明に係る地下構造物の構築方法の第2態様は、互いに並行に延びる複数の第1トンネルを地中に構築する第1トンネル構築工程と、複数の第1トンネルの各々から1つ以上の第2トンネルが分岐して延びるように第2トンネルを地中に構築する第2トンネル構築工程と、隣り合って互いに並行に延びる第2トンネル同士の間の領域の地盤改良を行う第2トンネル間地盤改良工程と、を含む。
本発明によれば、第1トンネルから分岐して延びる第2トンネル同士の間の領域の地盤改良を行う。これにより、例えば、前述のトンネル本線から外方に向けて第1トンネルを構築し、この第1トンネルの、トンネル本線から離れた側の端部から分岐するように第2トンネルを構築して、第2トンネル同士の間の領域の地盤改良を行うことができるので、トンネル本線から離れた箇所でも確実に地盤改良を行うことができる。
本発明の第1実施形態における既設トンネルの概略構成を示す図 同上実施形態における第1トンネル及び第3トンネルの概略構成を示す図 同上実施形態における第1トンネル及び第3トンネルの概略構成を示す図 同上実施形態における第2トンネルの概略構成を示す図 同上実施形態における第2トンネルの概略構成を示す図 同上実施形態における凍結管の配置を示す図 同上実施形態における凍結管の配置を示す図 同上実施形態における造成された地盤改良体を示す図 同上実施形態における造成された地盤改良体を示す図 同上実施形態における造成された地盤改良体を示す図 同上実施形態におけるトンネル拡幅部の概略構成を示す図 同上実施形態におけるトンネル拡幅部の概略構成を示す図 同上実施形態のおける第2トンネルの構築方法を示す図 同上実施形態のおける第2トンネルの構築方法を示す図 同上実施形態のおける第2トンネルの構築方法を示す図 同上実施形態のおける第2トンネルの構築方法を示す図 同上実施形態のおける第2トンネルの構築方法を示す図 本発明の第2実施形態における第4トンネル及び第5トンネルの概略構成を示す図
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態における既設トンネル1の概略構成を示す。詳しくは、図1(ア)は既設トンネル1の側面図である。図1(イ)は図1(ア)のA−A断面図である。図1(ウ)は図1(ア)のB−B断面図である。本実施形態では、説明の便宜上、図1(ア)〜(ウ)に示すように上下・前後・左右を規定している。ゆえに、既設トンネル1の軸方向(延在方向)が前後方向に対応し、また、既設トンネル1の幅方向(横方向)が左右方向に対応する。
既設トンネル1は、シールド工法により形成されたシールドトンネルである。シールド工法では、例えば、地山に発進立坑と到達立坑とを形成し、発進立坑から到達立坑へ向けてシールド掘進機で地山を掘削しながら、シールド掘進機の後部で次々にセグメントをトンネル周方向に組み立ててセグメントリングを形成すると共に、隣接するセグメントリング同士をトンネル軸方向で連結することで円筒状の覆工体を形成する。この工法では、シールド掘進機は、その後方の既設セグメントリングを推進ジャッキで後方へ押圧し、その反力として発生する推力によって、地山を掘削しながら前進する。
既設トンネル1のうち、後述する掘削機211〜216の発進用の坑口が形成され得る部分と、掘削機231〜236の発進用の坑口が形成され得る部分とには、それぞれ、切削可能部材11〜16,31〜36が配置されている。
切削可能部材11〜16は、既設トンネル1の右上半分に位置しており、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて並んでいる。切削可能部材11,16については、長辺がトンネル周方向に延び、短辺がトンネル軸方向に延びる矩形状をなしている。切削可能部材12〜15については、短辺がトンネル周方向に延び、長辺がトンネル軸方向に延びる矩形状をなしている。尚、切削可能部材11〜16の形状(前述の矩形状)は、第1トンネル111〜116の断面形状に対応している。
切削可能部材31〜36は、既設トンネル1の右下半分に位置しており、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて並んでいる。切削可能部材31,36については、長辺がトンネル周方向に延び、短辺がトンネル軸方向に延びる矩形状をなしている。切削可能部材32〜35については、短辺がトンネル周方向に延び、長辺がトンネル軸方向に延びる矩形状をなしている。尚、切削可能部材31〜36の形状(前述の矩形状)は、第3トンネル131〜136の断面形状に対応している。
切削可能部材11〜16は、第1トンネル111〜116を構築するために地盤を掘削する掘削機211〜216によって切削され得るものである(図2及び図3参照)。切削可能部材31〜36は、第3トンネル131〜136を構築するために地盤を掘削する掘削機231〜236によって切削され得るものである(図2及び図3参照)。切削可能部材11〜16,31〜36は例えば樹脂製や低強度コンクリート製である。切削可能部材11〜16,31〜36としては、例えば、特許第4851133号公報に開示の切削可能セグメント、及び、特許4934416号に開示の切削可能セグメントを挙げることができる。ここで、掘削機211〜216は、それぞれ、第1トンネル111〜116に対応している。掘削機231〜236は、それぞれ、第3トンネル131〜136に対応している。図2、図4、図6及び図8には掘削機211,213,231,233が図示されている。図12には掘削機212,215,232,235が図示されている。
本実施形態では、本発明に係る地下構造物の構築方法の一例として、既設トンネル1のトンネル拡幅部300(図11及び図12参照)の構築方法を挙げて以下説明する。しかしながら、本発明に係る地下構造物の構築方法は、トンネル拡幅部300の構築方法に限らない。ここで、本実施形態において、トンネル拡幅部300は、既設トンネル1の側部に形成されるものであり、第1トンネル112〜115及び第3トンネル132〜135を含んで構成され得る。
トンネル拡幅部300の構築方法は、以下の工程〔1〕〜〔8〕を含む。
〔1〕第1トンネル構築工程(図2及び図3参照)
既設トンネル1内にて掘削機211〜216の発進準備を行い、掘削機211〜216を既設トンネル1内からトンネル外方の地中へ斜め上向きに発進させて、地中に第1トンネル111〜116を構築する。ここで、第1トンネル111〜116は、互いに間隔を空けて並行に延びている。
〔2〕第3トンネル構築工程(図2及び図3参照)
既設トンネル1内にて掘削機231〜236の発進準備を行い、掘削機231〜236を既設トンネル1内からトンネル外方の地中へ斜め下向きに発進させて、地中に第3トンネル131〜136を構築する。ここで、第3トンネル131〜136は、互いに間隔を空けて並行に延びている。また、第1トンネル111〜116は、第3トンネル131〜136よりも上方に位置している。また、第1トンネル111〜116と第3トンネル131〜136との間の間隔は、既設トンネル1の径方向外側に向かうほど(すなわち、既設トンネル1から離れるほど)大きくなっている。
〔3〕第2トンネル構築工程(図4、図5、及び、図13〜図17参照)
第1トンネル111〜116の各々の内部にて複数の掘削機220の発進準備を行い、複数の掘削機220を第1トンネル111〜116の各々の内部からトンネル外方の地中へ下向きに発進させて、各掘削機220により地盤を掘削し、各掘削機220を第3トンネル131〜136に到達させることで、地中に複数の第2トンネル121,122を構築する。
〔4〕凍結管設置工程(図6及び図7参照)
第1トンネル111〜116内と、第2トンネル121,122内と、第3トンネル131〜136内とに複数の凍結管50を設置する。
〔5〕第1トンネル間地盤改良工程(図9参照)
第1トンネル111〜116のうち隣り合うもの同士の間の領域を、凍結管50を用いる凍結工法によって地盤改良する(すなわち、当該領域にて地盤改良体(凍土)60を造成する)。
〔6〕第3トンネル間地盤改良工程(図9参照)
第3トンネル131〜136のうち隣り合うもの同士の間の領域を、凍結管50を用いる凍結工法によって地盤改良する(すなわち、当該領域にて地盤改良体(凍土)60を造成する)。
〔7〕第2トンネル間地盤改良工程(図8〜図10参照)
複数の第2トンネル121,122のうち隣り合うもの同士の間の領域を、凍結管50を用いる凍結工法によって地盤改良する(すなわち、当該領域にて地盤改良体(凍土)60を造成する)。
〔8〕トンネル拡幅部構築工程(図11及び図12参照)
第1トンネル111〜116と、第2トンネル121,122と、第3トンネル131〜136と、地盤改良体(凍土)60とによって囲まれた領域以内にトンネル拡幅部300を構築する。
尚、工程〔1〕及び〔2〕(第1トンネル構築工程及び第3トンネル構築工程)については、これら工程を並行して実施してもよい。また、これら工程の実施時期を互いにずらしてもよい。すなわち、工程〔1〕及び〔2〕のいずれかを先に実施してもよい。
また、工程〔5〕〜〔7〕(第1トンネル間地盤改良工程、第3トンネル間地盤改良工程、及び、第2トンネル間地盤改良工程)については、これら工程のうち少なくとも2つを同時に開始してもよい。また、これら工程の開始時期を互いにずらしてもよい。すなわち、工程〔5〕〜〔7〕のいずれかを先に開始してもよい。
前述の工程〔1〕〜〔8〕について、図2〜図17を用いて説明する。
図2及び図3は、第1トンネル111〜116及び第3トンネル131〜136の概略構成を示す図である。図4及び図5は、第2トンネル121,122の概略構成を示す図である。図6及び図7は、凍結管50の配置を示す図である。図8〜図10は、造成された地盤改良体(凍土)60を示す図である。図11及び図12は、トンネル拡幅部300の概略構成を示す図である。図13〜図17は、第2トンネル121,122の構築方法の一例として、第1トンネル113と第3トンネル133とを連結する第2トンネル122の構築方法を示している。
ここで、図2(ア)、図4(ア)、図6(ア)、及び図8(ア)は、図1のA−A断面に対応している。図2(イ)、図4(イ)、図6(イ)、及び図8(イ)は、図1のB−B断面に対応している。図3(ア)、図5(ア)、図7(ア)、及び図9(ア)は、図2のC−C断面に対応している。図3(イ)、図5(イ)、図7(イ)、及び図9(イ)は、図2のD−D断面に対応している。図10は図9(ア)のE−E断面に対応している。図11(ア)は図12(ア)のH−H断面に対応している。図11(イ)は図12(ア)のI−I断面に対応している。図12(ア)は図11(ア)のF−F断面に対応している。図12(イ)は図11(ア)のG−G断面に対応している。尚、図11及び図12では、図示簡略化のため、凍結管50の図示を省略している。
尚、本実施形態では、第1トンネル111〜116、第2トンネル121,122、及び第3トンネル131〜136の構築方法として推進工法を採用している。しかしながら、これらトンネルの構築方法は推進工法に限らず、例えばシールド工法であってもよい。
〔1〕第1トンネル構築工程(図2及び図3参照)
既設トンネル1内にて行われる掘削機211〜216の発進準備では、既設トンネル1内にて切削可能部材11〜16に対向するように、かつ、掘削機211〜216の各々に対応するように、図示しない支圧壁、元押しジャッキ(油圧ジャッキ)、及び押輪を設置する。また、切削可能部材11〜16の各々について、掘削機211〜216によって切削される部分(発進用の坑口となる部分)を囲むように、既設トンネル1の内面に、エントランスパッキンなどの止水装置を設置する。そして、掘削機211〜216及び矩形状の推進管を既設トンネル1内の発進開始位置に配置する。
第1トンネル111〜116を形成する際には、まず、前述の元押しジャッキを伸長させることにより、掘削機211〜216の各々を、前述の押輪及び推進管を介して、既設トンネル1内からトンネル外方に向けて押圧する。これにより、掘削機211〜216の各々の発進が開始される。ここにおいて、掘削機211〜216は既設トンネル1内から右斜め上向きに発進する。この発進の初期には、掘削機211〜216の各々のカッタヘッド(図示せず)が切削可能部材11〜16を切削する。これにより、既設トンネル1には、掘削機211〜216の各々に対応する坑口が形成される。これら坑口から既設トンネル1外に進んだ掘削機211〜216については、元押しジャッキの短縮、推進管の継ぎ足し、及び、元押しジャッキの伸長をいう一連の作業を繰り返すことで、地盤を掘進する。このようにして継ぎ足されて連結された推進管の一群が、第1トンネル111〜116として、図2及び図3に示されている。第1トンネル111〜116は、既設トンネル1から右斜め上向きに延びている。
尚、第1トンネル111〜116を構成する推進管は、複数のセグメントピースを組み立てて形成されるものであってもよい。
第1トンネル111〜116を構成する推進管のうち、掘削機211〜216に隣接するもの(すなわち、第1トンネル111〜116の先頭に位置するもの)の下部は、切削可能部材21によって構成されている(図13参照)。切削可能部材21は、第2トンネル121,122を構築するために地盤を掘削する掘削機220によって切削され得るものである(図13参照)。切削可能部材21は例えば樹脂製や低強度コンクリート製である。切削可能部材21としては、例えば、特許第4851133号公報に開示の切削可能セグメント、及び、特許4934416号に開示の切削可能セグメントを挙げることができる。
〔2〕第3トンネル構築工程(図2及び図3参照)
既設トンネル1内にて行われる掘削機231〜236の発進準備では、既設トンネル1内にて切削可能部材31〜36に対向するように、かつ、掘削機231〜236の各々に対応するように、図示しない支圧壁、元押しジャッキ(油圧ジャッキ)、及び押輪を設置する。また、切削可能部材31〜36の各々について、掘削機231〜236によって切削される部分(発進用の坑口となる部分)を囲むように、既設トンネル1の内面に、エントランスパッキンなどの止水装置を設置する。そして、掘削機231〜236及び矩形状の推進管を既設トンネル1内の発進開始位置に配置する。
第3トンネル131〜136を形成する際には、まず、前述の元押しジャッキを伸長させることにより、掘削機231〜236の各々を、前述の押輪及び推進管を介して、既設トンネル1内からトンネル外方に向けて押圧する。これにより、掘削機231〜236の各々の発進が開始される。ここにおいて、掘削機231〜236は既設トンネル1内から右斜め下向きに発進する。この発進の初期には、掘削機231〜236の各々のカッタヘッド(図示せず)が切削可能部材31〜36を切削する。これにより、既設トンネル1には、掘削機231〜236の各々に対応する坑口が形成される。これら坑口から既設トンネル1外に進んだ掘削機231〜236については、元押しジャッキの短縮、推進管の継ぎ足し、及び、元押しジャッキの伸長をいう一連の作業を繰り返すことで、地盤を掘進する。このようにして継ぎ足されて連結された推進管の一群が、第3トンネル131〜136として、図2及び図3に示されている。第3トンネル131〜136は、既設トンネル1から右斜め下向きに延びている。
尚、第3トンネル131〜136を構成する推進管は、複数のセグメントピースを組み立てて形成されるものであってもよい。
第3トンネル131〜136を構成する推進管のうち、掘削機231〜236に隣接するもの(すなわち、第3トンネル131〜136の先頭に位置するもの)の上部は、切削可能部材22によって構成されている(図17参照)。切削可能部材22は、地盤を掘進してきた掘削機220によって切削され得るものである(図17参照)。切削可能部材22は例えば樹脂製や低強度コンクリート製である。切削可能部材22としては、例えば、特許第4851133号公報に開示の切削可能セグメント、及び、特許4934416号に開示の切削可能セグメントを挙げることができる。
〔3〕第2トンネル構築工程(図4、図5、及び、図13〜図17参照)
図13〜図17に基づいて、第1トンネル113と第3トンネル133とを連結する第2トンネル122の構築方法について説明する。
図13(ア)に示すように、第1トンネル113内にて行われる掘削機220の発進準備では、第1トンネル113内にて切削可能部材21に対向するように、元押しジャッキ(油圧ジャッキ)71、及び押輪72を設置する。また、切削可能部材21について、掘削機220によって切削される部分(発進用の坑口となる部分)を囲むように、第1トンネル113の内面に、エントランスパッキンなどの止水装置73を設置する。そして、掘削機220の前胴220aを第1トンネル113内の発進開始位置に配置する。
次に、図13(イ)に示すように、元押しジャッキ71を伸長させることにより、掘削機220の前胴220aを、スペーサ74及び押輪72を介して、第1トンネル113内からトンネル外方に向けて下向きに押圧する。この押圧時には、掘削機220の前胴220aのカッタヘッド(図示せず)が切削可能部材21を切削する。これにより、第1トンネル113には、掘削機220用の坑口が形成される。
次に、図14(ア)に示すように、元押しジャッキ71を短縮させて、掘削機220の前胴220aに後胴220bを接続する。尚、元押しジャッキ71を短縮する際に、当該短縮に先立って、第1トンネル113と前胴220aとの間に鋼材などの連結部材を配置し、この連結部材と第1トンネル113及び前胴220aとを互いに溶接するなどして仮固定することにより、前胴220aの逆戻り防止の措置をとることができる。
次に、図14(イ)に示すように、元押しジャッキ71を伸長させることにより、掘削機220(前胴220a及び後胴220b)を、スペーサ74及び押輪72を介して、第1トンネル113内からトンネル外方に向けて下向きに押圧する。この押圧により、掘削機220は地盤を下向きに掘進する。
次に、図15(ア)に示すように、元押しジャッキ71を短縮させて、掘削機220に、円形断面を有する推進管77を接続する。尚、元押しジャッキ71を短縮する際に、当該短縮に先立って、第1トンネル113と掘削機220との間に鋼材などの連結部材を配置し、この連結部材と第1トンネル113及び掘削機220とを互いに溶接するなどして仮固定することにより、掘削機220の逆戻り防止の措置をとることができる。
次に、図15(イ)に示すように、元押しジャッキ71を伸長させることにより、掘削機220及び推進管77を、押輪72を介して、第1トンネル113内からトンネル外方に向けて下向きに押圧する。この押圧により、掘削機220は地盤を下向きに掘進する。
この後、図16(ア)及び(イ)に示すように、元押しジャッキ71の短縮、推進管77の継ぎ足し、及び、元押しジャッキ71の伸長をいう一連の作業を繰り返すことで、掘削機220は地盤を下向きに掘進する。
図17(ア)に示すように、地盤を掘進して第3トンネル133に接近した掘削機220は、図17(イ)に示すように、掘削機220の前胴220aのカッタヘッドによって切削可能部材22を切削して、第3トンネル133内に到達する。この掘削機220の第3トンネル133への到達に先立って、第3トンネル133の内面と、型枠81と、掘削機233とによって囲まれた空間82内には、流動化処理土などの充填材が詰められている。
前述のように継ぎ足されて連結された推進管77の一群が、第2トンネル122として、図4及び図5に示されている。第2トンネル122は、第1トンネル113から下向きに弧状に延びて第3トンネル133に至っている。
ここまで、第1トンネル113と第3トンネル133とを連結する第2トンネル122の構築方法について説明したが、これと同様の構築方法により、第1トンネル112,114,115と第3トンネル132,134,135とを連結する第2トンネル122、及び、第1トンネル111,116と第3トンネル131,136とを連結する第2トンネル121を構築することができることは言うまでもない。
ゆえに、第1トンネル112,114,115と第3トンネル132,134,135とを連結する第2トンネル122についても、第1トンネル112,114,115から下向きに弧状に延びて第3トンネル132,134,135に至っている。尚、本実施形態において、第1トンネル111,116と第3トンネル131,136とを連結する第2トンネル121については、第1トンネル111,116から下向きに直線状に延びて第3トンネル131,136に至っている。
従って、本実施形態では、第1トンネル111,116の各々から1つ以上の第2トンネル121が分岐して延びている。また、第1トンネル112〜115の各々から1つ以上の第2トンネル122が分岐して延びている。
また、本実施形態では、複数の第2トンネル121同士が互いに並行に延びている。また、複数の第2トンネル122同士が互いに並行に延びている。
尚、本実施形態では、複数の第2トンネル121,122を構築するために地盤を掘削する掘削機220が、第1トンネル111〜116内から発進して第3トンネル131〜136に到達する。
〔4〕凍結管設置工程(図6及び図7参照)
第1トンネル111〜116の内面と、第2トンネル121,122の内面と、第3トンネル131〜136の内面とに、各トンネルの延在方向に延びる複数の凍結管50を貼り付ける。凍結管50は例えば鋼管である。凍結管50については、その内部を冷媒が流通可能である。ここで、冷媒として、塩化ナトリウム水溶液や塩化カルシウム水溶液などのブラインを用いてもよい。又は、冷媒として、二酸化炭素を用いてもよい。
〔5〕第1トンネル間地盤改良工程(図9参照)
第1トンネル111〜116の内面に貼り付けられた凍結管50内に冷媒を流通させることにより、第1トンネル111〜116を冷却し、更に、第1トンネル111〜116のうち隣り合うもの同士の間の領域の土砂を凍結させる。つまり、凍結工法によって、当該領域に地盤改良体(凍土)60を造成する。これにより、当該領域での止水性が確保され得る。
〔6〕第3トンネル間地盤改良工程(図9参照)
第3トンネル131〜136の内面に貼り付けられた凍結管50内に冷媒を流通させることにより、第3トンネル131〜136を冷却し、更に、第3トンネル131〜136のうち隣り合うもの同士の間の領域の土砂を凍結させる。つまり、凍結工法によって、当該領域に地盤改良体(凍土)60を造成する。これにより、当該領域での止水性が確保され得る。
〔7〕第2トンネル間地盤改良工程(図8〜図10参照)
第2トンネル121,122の内面に貼り付けられた凍結管50内に冷媒を流通させることにより、第2トンネル121,122を冷却し、更に、複数の第2トンネル121,122のうち隣り合うもの同士の間の領域の土砂を凍結させる。つまり、凍結工法によって、当該領域に地盤改良体(凍土)60を造成する。これにより、当該領域での止水性が確保され得る。
〔8〕トンネル拡幅部構築工程(図11及び図12参照)
トンネル拡幅部300は、第1トンネル111〜116と、第2トンネル121,122と、第3トンネル131〜136と、地盤改良体(凍土)60とによって囲まれた領域以内に構築される。トンネル拡幅部300の構築が完了するまで、地盤改良体(凍土)60の凍結状態を継続する。
トンネル拡幅部300はコンクリート構造物であり、上壁301、下壁302、前壁303、後壁304、右側壁305、及び中壁306により構成されている。
前壁303は、第1トンネル111及び第3トンネル131より後方に形成される。
後壁304は、第1トンネル116及び第3トンネル136より前方に形成される。
ここで、第1トンネル111及び第3トンネル131と、これらトンネルを連結する複数の第2トンネル121と、地盤改良体(凍土)60とが、トンネル拡幅部300の構築予定場所の前方に位置する土留壁(止水壁)として機能し得る。また、第1トンネル116及び第3トンネル136と、これらトンネルを連結する複数の第2トンネル121と、地盤改良体(凍土)60とが、トンネル拡幅部300の構築予定場所の後方に位置する土留壁(止水壁)として機能し得る。
右側壁305は、複数の第2トンネル122より左側方に形成される。ここで、複数の第2トンネル122と、地盤改良体(凍土)60とが、トンネル拡幅部300の構築予定場所の右側方に位置する土留壁(止水壁)として機能し得る。
中壁306は、既設トンネル1の幅方向中央部に立設されている。中壁306には、トンネル拡幅部300の内部空間308と既設トンネル1の内部空間1aとを連通するための開口部306aが形成されている。
図11及び図12に示すように、上壁301は、第1トンネル112〜115を含んで構成される。第1トンネル112〜115内にはコンクリートが充填される。尚、第1トンネル112〜115内にコンクリートが充填されるに先立って、第2トンネル122の上端部が第1トンネル112〜115に固定される。すなわち、第2トンネル122の一端部(上端部)は第1トンネル112〜115のいずれかに連結される。
図11及び図12に示すように、下壁302は、第3トンネル132〜135を含んで構成される。第3トンネル132〜135内にはコンクリートが充填される。尚、第3トンネル132〜135内にコンクリートが充填されるに先立って、型枠81と、空間82内の充填材(例えば流動化処理土)と、第3トンネル132〜135内に到達した掘削機220とが撤去されて、第2トンネル122の下端部が第3トンネル132〜135に固定される。すなわち、第2トンネル122の他端部(下端部)は第3トンネル132〜135のいずれかに連結される。
尚、第1トンネル112〜115内と第3トンネル132〜135内とにそれぞれコンクリートが充填されても凍結管50内に冷媒が供給され得るように、配管が適宜なされている。
トンネル拡幅部300の構築が完了すると、凍結管50への冷媒の供給を停止して、地盤改良体(凍土)60の凍結を解除する。
以上のようにして、トンネル拡幅部300が構築される。
本実施形態によれば、地下構造物(トンネル拡幅部300)の構築方法は、地中に第1トンネル111〜116を構築する第1トンネル構築工程(図2及び図3参照)と、第1トンネル111〜116から複数の第2トンネル121,122が分岐して第2トンネル121同士が互いに並行に延びるように、また、第2トンネル122同士が互いに並行に延びるように第2トンネル121,122を地中に構築する第2トンネル構築工程(図4及び図5参照)と、隣り合う第2トンネル121同士の間の領域の地盤改良と隣り合う第2トンネル122同士の間の領域の地盤改良とを行う第2トンネル間地盤改良工程(図8〜図10参照)と、を含む。これにより、例えば、既設トンネル1から右側方に延びるように第1トンネル112〜115を構築し、第1トンネル112〜115の、既設トンネル1から離れた側の端部(右側端部)から分岐するように第2トンネル122を構築して、第2トンネル122同士の間の領域の地盤改良を行うことができるので、既設トンネル1から離れた箇所でも確実に地盤改良を行うことができる。
また本実施形態によれば、第1トンネル構築工程(図2及び図3参照)では、互いに並行に延びる複数の第1トンネル111〜116を地中に構築する。地下構造物(トンネル拡幅部300)の構築方法は、第1トンネル111〜116のうち隣り合うもの同士の間の領域の地盤改良を行う第1トンネル間地盤改良工程(図9参照)を含む。これにより、第1トンネル111〜116の直下に施工空間を確保することができる。
また本実施形態によれば、地下構造物(トンネル拡幅部300)の構築方法は、互いに並行に延びる複数の第1トンネル111〜116を地中に構築する第1トンネル構築工程(図2及び図3参照)と、複数の第1トンネル111〜116の各々から1つ以上の第2トンネル121,122が分岐して延びるように第2トンネル121,122を地中に構築する第2トンネル構築工程(図4及び図5参照)と、隣り合って互いに並行に延びる第2トンネル121同士の間の領域の地盤改良と第2トンネル122同士の間の領域の地盤改良とを行う第2トンネル間地盤改良工程(図8〜図10参照)と、を含む。これにより、例えば、既設トンネル1から右側方に延びるように第1トンネル112〜115を構築し、第1トンネル112〜115の、既設トンネル1から離れた側の端部(右側端部)から分岐するように第2トンネル122を構築して、第2トンネル122同士の間の領域の地盤改良を行うことができるので、既設トンネル1から離れた箇所でも確実に地盤改良を行うことができる。
また本実施形態によれば、第1トンネル間地盤改良工程(図9参照)では、第1トンネル111〜116に設置された凍結管50を用いる凍結工法により、第1トンネル111〜116のうち隣り合うもの同士の間の領域の地盤改良を行う。これにより、地下構造物(トンネル拡幅部300)の構築後に、地盤改良体(凍土)60の凍結を解除して元の地盤に戻すことができるので、地下構造物(トンネル拡幅部300)の構築時の環境負荷を低減することができる。
また本実施形態によれば、地下構造物(トンネル拡幅部300)の構築方法は、第1トンネル111〜116と間隔を空けて第3トンネル131〜136を地中に構築する第3トンネル構築工程(図2及び図3参照)を含む。第2トンネル121,122の一端部は第1トンネル111〜116のいずれかに連結されて他端部は第3トンネル131〜136のいずれかに連結される。これにより、既設トンネル1と、第1トンネル111〜116と、第2トンネル121,122と、第3トンネル131〜136とからなる閉ループ構造を実現することができる。
また本実施形態によれば、地下構造物(トンネル拡幅部300)の構築方法は、互いに並行に延びる複数の第3トンネル131〜136を地中に第1トンネル111〜116と間隔を空けて構築する第3トンネル構築工程(図2及び図3参照)と、第3トンネル131〜136のうち隣り合うもの同士の間の領域の地盤改良を行う第3トンネル間地盤改良工程(図9参照)と、を含む。第2トンネル121,122の一端部は第1トンネル111〜116のいずれかに連結されて他端部は第3トンネル131〜136のいずれかに連結される。これにより、既設トンネル1と、第1トンネル111〜116と、第2トンネル121,122と、第3トンネル131〜136とからなる閉ループ構造を実現することができる。
また本実施形態によれば、第3トンネル間地盤改良工程(図9参照)では、第3トンネル131〜136に設置された凍結管50を用いる凍結工法により、第3トンネル131〜136のうち隣り合うもの同士の間の領域の地盤改良を行う。これにより、地下構造物(トンネル拡幅部300)の構築後に、地盤改良体(凍土)60の凍結を解除して元の地盤に戻すことができるので、地下構造物(トンネル拡幅部300)の構築時の環境負荷を低減することができる。
また本実施形態によれば、第2トンネル構築工程(図4、図5、及び、図13〜図17参照)では、複数の第2トンネル121,122を構築するために地盤を掘削する掘削機220が、第1トンネル111〜116内から発進して第3トンネル131〜136に到達する。これにより、掘削機220の自重を掘削機220の掘進に利用することができる。
また本実施形態によれば、第1トンネル111〜116は第3トンネル131〜136よりも上方に構築され、第2トンネル121,122は上下方向に延びる。これにより、第2トンネル121,122の土留壁の一部として機能させることができる。
また本実施形態によれば、地下構造物(トンネル拡幅部300)は、第1トンネル111〜116の少なくとも一部を含んで構成される。これにより、第1トンネル111〜116を、地盤改良体(凍土)60の造成に用いるのみならず、地下構造物(トンネル拡幅部300)の一部として有効に活用することができる。
また本実施形態によれば、地下構造物(トンネル拡幅部300)は、第3トンネル131〜136の少なくとも一部を含んで構成される。これにより、第3トンネル131〜136を、地盤改良体(凍土)60の造成に用いるのみならず、地下構造物(トンネル拡幅部300)の一部として有効に活用することができる。
また本実施形態によれば、第2トンネル間地盤改良工程(図8〜図10参照)では、第2トンネル121,122に設置された凍結管50を用いる凍結工法により、隣り合う第2トンネル121同士の間の領域の地盤改良と隣り合う第2トンネル122同士の間の領域の地盤改良とを行う。これにより、地下構造物(トンネル拡幅部300)の構築後に、地盤改良体(凍土)60の凍結を解除して元の地盤に戻すことができるので、地下構造物(トンネル拡幅部300)の構築時の環境負荷を低減することができる。
尚、本実施形態では、第1トンネル111,116及び第3トンネル131,136が土留壁の一部として機能しているが、この他、第1トンネル111,116及び第3トンネル131,136がトンネル拡幅部300などの地下構造物を構成してもよい。
また、本実施形態において、第2トンネル121,122がトンネル拡幅部300などの地下構造物を構成してもよい。すなわち、地下構造物(トンネル拡幅部300)は、第2トンネル121,122の少なくとも一部を含んで構成されてもよい。
また、本実施形態では、工程〔5〕〜〔7〕(第1トンネル間地盤改良工程、第3トンネル間地盤改良工程、及び、第2トンネル間地盤改良工程)において、地盤改良方法として凍結工法を用いたが、地盤改良方法は凍結工法に限らず、例えば薬液注入工法であってもよい。地盤改良方法が薬液注入工法である場合には、第1トンネル111〜116、第2トンネル121,122、第3トンネル131〜136、及び既設トンネル1の各々から薬液注入用の注入孔が形成され得る。
また、本実施形態では、第1トンネル111〜116及び第3トンネル131〜136の断面形状が矩形状であるが、第1トンネル111〜116及び第3トンネル131〜136の断面形状は矩形状に限らず、例えば、円形状、又は、楕円形状であってもよい。
また、本実施形態では、第2トンネル121,122の断面形状が円形状であるが、第2トンネル121,122の断面形状は円形状に限らず、例えば、楕円形状、又は、矩形状であってもよい。
また、本実施形態において、第1トンネル111〜116は、掘削機211〜216の筒状の胴部(スキンプレート)を含み得る。また、掘削機211〜216の胴部に開口部を予め形成すると共に、当該開口部を開閉するためのゲートを掘削機211〜216に予め設けて、掘削機220を第1トンネル111〜116内から発進させるときにこのゲートを開けることで掘削機220の発進用の坑口を形成してもよい。
また、本実施形態において、第3トンネル131〜136は、掘削機231〜236の筒状の胴部(スキンプレート)を含み得る。また、掘削機231〜236の胴部に開口部を予め形成すると共に、当該開口部を開閉するためのゲートを掘削機231〜236に予め設け、掘削機220を第3トンネル131〜136に到達させるときにこのゲートを開けることで掘削機220の到達用の坑口を形成してもよい。
また、本実施形態では、第2トンネル121,122を構築するために地盤を掘削する掘削機220の全てが、第1トンネル111〜116内から発進して第3トンネル131〜136に到達するが、これら掘削機220の一部又は全てが第3トンネル131〜136内から発進して第1トンネル111〜116に到達してもよい。すなわち、掘削機220の掘進方向は下向きに限らず、上向きであってもよい。
また、本実施形態では、第1トンネル111〜116、第2トンネル121,122、及び、第3トンネル131〜136の構築方法として推進工法を採用し、押輪を用いているが、押輪については省略してもよい。押輪を省略する場合には、掘削機及び推進管が元押しジャッキによって直接的に押圧される。
また、本実施形態では、第1トンネル111〜116、第2トンネル121,122、及び、第3トンネル131〜136の構築方法として推進工法を採用したが、これらトンネルの構築方法は推進工法に限らない。これらトンネルの一部又は全部をシールド工法で構築してもよい。シールド工法を採用する場合には、当該トンネル用の掘削機がシールド掘進機となる。
図18は、本発明の第2実施形態における第4トンネル及び第5トンネルの概略構成を示す図である。ここで、図18は、前述の図7(ア)に対応するものである。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態におけるトンネル拡幅部300の構築方法は、前述の工程〔4〕(凍結管設置工程)に先立って、以下の工程〔9〕及び〔10〕を含む。
〔9〕第4トンネル構築工程
複数の第2トンネル122のうち隣り合うもの同士を連結するように、複数の第4トンネル141を構築する。これら複数の第4トンネル141は、各々が前後方向に延びている。尚、第4トンネル141の構築については、隣り合う第2トンネル122同士の間の距離が比較的長い場所に第4トンネル141を構築することが好ましい。
また、隣り合う第2トンネル121,122同士を連結するように、複数の第4トンネル142を構築する。これら複数の第4トンネル142は各々が前後方向に延びている。
尚、複数の第2トンネル121のうち隣り合うもの同士を連結するように、複数の第4トンネル(図示せず)を構築してもよい。
〔10〕第5トンネル構築工程
第1トンネル111,116と、これらトンネルの各々に隣り合う第2トンネル122とを連結するように、複数の第5トンネル151を構築する。これら複数の第5トンネル151は、各々が前後方向に延びている。
また、第3トンネル131,136と、これらトンネルの各々に隣り合う第2トンネル122とを連結するように、複数の第5トンネル152を構築する。これら複数の第5トンネル152は、各々が前後方向に延びている。
本実施形態において、前述の工程〔4〕(凍結管設置工程)では、第4トンネル141,142の内面と、第5トンネル151,152の内面とにも、各トンネルの延在方向に延びる複数の凍結管(図示せず)を貼り付ける。凍結管は例えば鋼管である。凍結管については、その内部を冷媒が流通可能である。ここで、冷媒として、塩化ナトリウム水溶液や塩化カルシウム水溶液などのブラインを用いてもよい。又は、冷媒として、二酸化炭素を用いてもよい。
本実施形態において、前述の工程〔7〕(第2トンネル間地盤改良工程)では、第4トンネル141,142の内面と第5トンネル151,152の内面とに貼り付けられた凍結管内にも冷媒を流通させる。これにより、複数の第2トンネル121,122のうち隣り合うもの同士の間の領域の土砂をより確実に凍結させることができる。
特に本実施形態によれば、地下構造物(トンネル拡幅部300)の構築方法は、複数の第2トンネル121,122のうち隣り合うもの同士を連結するように延びる第4トンネル(連結トンネル)141,142を地中に構築する第4トンネル構築工程(連結トンネル構築工程)を含む。第4トンネル141,142には凍結管が設置され得る。これにより、前述の工程〔7〕(第2トンネル間地盤改良工程)では、複数の第2トンネル121,122のうち隣り合うもの同士の間の領域の土砂をより確実に凍結させることができる。
尚、本実施形態では、第4トンネル141,142の内面と第5トンネル151,152の内面とに凍結管を貼り付けている。しかしながら、この凍結管の貼り付け箇所については任意である。すなわち、第4トンネル141,142の内面には凍結管を貼り付ける一方、第5トンネル151,152の内面には凍結管を貼り付けない、ということもあり得る。また、第4トンネル141,142の内面と第5トンネル151,152の内面とには凍結管を貼り付けない、ということもあり得る。
また、本実施形態において、第4トンネル141,142及び第5トンネル151,152の各々の断面形状は、例えば、円形状、楕円形状、又は、矩形状であり得る。
また、本実施形態において、第4トンネル141,142及び第5トンネル151,152がトンネル拡幅部300などの地下構造物を構成してもよい。すなわち、地下構造物(トンネル拡幅部300)は、第4トンネル141,142及び第5トンネル151,152の少なくとも一部を含んで構成されてもよい。
また、本実施形態では、工程〔7〕(第2トンネル間地盤改良工程)において、地盤改良方法として凍結工法を用いたが、地盤改良方法は凍結工法に限らず、例えば薬液注入工法であってもよい。地盤改良方法が薬液注入工法である場合には、第4トンネル141,142及び第5トンネル151,152の各々から薬液注入用の注入孔が形成されてもよい。
また、前述の第1及び第2実施形態では、本発明の「地下構造物」の一例としてトンネル拡幅部300を挙げて説明したが、本発明の「地下構造物」はこれに限らず、例えば、地中立坑であってもよい。
また、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1 既設トンネル
1a 内部空間
11〜16,21,22,31〜36 切削可能部材
50 凍結管
60 地盤改良体
71 元押しジャッキ
72 押輪
73 止水装置
74 スペーサ
77 推進管
81 型枠
82 空間
111〜116 第1トンネル
121,122 第2トンネル
131〜136 第3トンネル
141,142 第4トンネル
151,152 第5トンネル
211〜216,220,231〜236 掘削機
220a 前胴
220b 後胴
300 トンネル拡幅部
301 上壁
302 下壁
303 前壁
304 後壁
305 右側壁
306 中壁
306a 開口部
308 内部空間

Claims (13)

  1. 地中に第1トンネルを構築する第1トンネル構築工程と、
    前記第1トンネルから複数の第2トンネルが分岐して第2トンネル同士が互いに並行に延びるように第2トンネルを地中に構築する第2トンネル構築工程と、
    隣り合う第2トンネル同士の間の領域の地盤改良を行う第2トンネル間地盤改良工程と、
    を含む、地下構造物の構築方法。
  2. 前記第1トンネル構築工程では、互いに並行に延びる複数の第1トンネルを地中に構築し、
    前記地下構造物の構築方法は、隣り合う第1トンネル同士の間の領域の地盤改良を行う第1トンネル間地盤改良工程を更に含む、請求項1に記載の地下構造物の構築方法。
  3. 互いに並行に延びる複数の第1トンネルを地中に構築する第1トンネル構築工程と、
    前記複数の第1トンネルの各々から1つ以上の第2トンネルが分岐して延びるように第2トンネルを地中に構築する第2トンネル構築工程と、
    隣り合って互いに並行に延びる第2トンネル同士の間の領域の地盤改良を行う第2トンネル間地盤改良工程と、
    を含む、地下構造物の構築方法。
  4. 隣り合う第1トンネル同士の間の領域の地盤改良を行う第1トンネル間地盤改良工程を更に含む、請求項3に記載の地下構造物の構築方法。
  5. 前記第1トンネル間地盤改良工程では、前記第1トンネルに設置された凍結管を用いる凍結工法により、前記第1トンネル同士の間の領域の地盤改良を行う、請求項2又は請求項4に記載の地下構造物の構築方法。
  6. 前記第1トンネルと間隔を空けて第3トンネルを地中に構築する第3トンネル構築工程を更に含み、
    前記第2トンネルは、その一端部が前記第1トンネルに連結されて他端部が前記第3トンネルに連結される、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の地下構造物の構築方法。
  7. 互いに並行に延びる複数の第3トンネルを地中に前記第1トンネルと間隔を空けて構築する第3トンネル構築工程と、
    隣り合う第3トンネル同士の間の領域の地盤改良を行う第3トンネル間地盤改良工程と、
    を更に含み、
    前記第2トンネルは、その一端部が前記第1トンネルに連結されて他端部が前記第3トンネルに連結される、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の地下構造物の構築方法。
  8. 前記第3トンネル間地盤改良工程では、前記第3トンネルに設置された凍結管を用いる凍結工法により、前記第3トンネル同士の間の領域の地盤改良を行う、請求項7に記載の地下構造物の構築方法。
  9. 前記第2トンネル構築工程では、前記第2トンネルを構築するために地盤を掘削する掘削機が、前記第1トンネル内から発進して前記第3トンネルに到達するか、又は、前記第3トンネル内から発進して前記第1トンネルに到達する、請求項6〜請求項8のいずれか1つに記載の地下構造物の構築方法。
  10. 前記第1トンネルは前記第3トンネルよりも上方に構築され、
    前記第2トンネルは上下方向に延びる、請求項6〜請求項9のいずれか1つに記載の地下構造物の構築方法。
  11. 前記地下構造物は、前記第3トンネルの少なくとも一部を含んで構成される、請求項6〜請求項10のいずれか1つに記載の地下構造物の構築方法。
  12. 前記地下構造物は、前記第1トンネルの少なくとも一部、及び/又は、前記第2トンネルの少なくとも一部を含んで構成される、請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の地下構造物の構築方法。
  13. 前記第2トンネル間地盤改良工程では、前記第2トンネルに設置された凍結管を用いる凍結工法により、前記第2トンネル同士の間の領域の地盤改良を行う、請求項1〜請求項12のいずれか1つに記載の地下構造物の構築方法。
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