JPH07208068A - トンネルの拡径・縮径・合流・分岐方法 - Google Patents
トンネルの拡径・縮径・合流・分岐方法Info
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- JPH07208068A JPH07208068A JP6005463A JP546394A JPH07208068A JP H07208068 A JPH07208068 A JP H07208068A JP 6005463 A JP6005463 A JP 6005463A JP 546394 A JP546394 A JP 546394A JP H07208068 A JPH07208068 A JP H07208068A
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- tunnel
- diameter
- small
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- tunnel structure
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- Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
- Lining And Supports For Tunnels (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 トンネル構造体全体が構造的に不安定な状態
となるおそれなしに、施工することができるトンネルの
拡径・縮径・合流・分岐方法を提供する。 【構成】 多数の小径トンネル構造物4…が連設されて
トンネル構造体2が形成されたトンネルTを拡径するに
あたって、トンネル構造体2を構成する小径トンネル構
造物4…を構築する以前に調整トンネル21…を構築
し、各調整トンネル21と、各調整トンネル21に隣接
する小径トンネル構造物4、4との重合範囲を狭めなが
らトンネル構造体2を形成しトンネルTを拡径する。
となるおそれなしに、施工することができるトンネルの
拡径・縮径・合流・分岐方法を提供する。 【構成】 多数の小径トンネル構造物4…が連設されて
トンネル構造体2が形成されたトンネルTを拡径するに
あたって、トンネル構造体2を構成する小径トンネル構
造物4…を構築する以前に調整トンネル21…を構築
し、各調整トンネル21と、各調整トンネル21に隣接
する小径トンネル構造物4、4との重合範囲を狭めなが
らトンネル構造体2を形成しトンネルTを拡径する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネルの拡径・縮径
・合流・分岐方法に係り、特に大断面トンネルに適用し
て好適なトンネルの拡径・縮径・合流・分岐方法に関す
るものである。
・合流・分岐方法に係り、特に大断面トンネルに適用し
て好適なトンネルの拡径・縮径・合流・分岐方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、現在提供されている様々
なトンネル工法のうち、シールド工法は硬岩以外のあら
ゆる地山に適用でき、しかも地上施設に影響を与えず、
地下深部の施工が可能である等の利点を有するため、近
年特にその施工実績が増加している。そして、地下の利
用ニーズが高まると共にトンネルもその大断面化が要求
されてきている。しかし、シールド機はその掘削径が大
きくなると、一般にW=2.5D2〜3.5D2(D:シ
ールド機外形、W:シールド機重量)の関係で重量が増
加すると言われており、このように大型化されたシール
ド機は単に重量が極めて重くなるばかりでなく、製作、
仮組み、運搬、現場組立、現場設備等のあらゆる面で多
大な人手およびコストを要するものとなるし、工場設備
等の関係で試運転の実施さえ困難な状況となっている。
また、シールド工法によってはトンネルの拡縮径部や合
流分岐部を連続的に施工することは不可能であるという
問題があった。
なトンネル工法のうち、シールド工法は硬岩以外のあら
ゆる地山に適用でき、しかも地上施設に影響を与えず、
地下深部の施工が可能である等の利点を有するため、近
年特にその施工実績が増加している。そして、地下の利
用ニーズが高まると共にトンネルもその大断面化が要求
されてきている。しかし、シールド機はその掘削径が大
きくなると、一般にW=2.5D2〜3.5D2(D:シ
ールド機外形、W:シールド機重量)の関係で重量が増
加すると言われており、このように大型化されたシール
ド機は単に重量が極めて重くなるばかりでなく、製作、
仮組み、運搬、現場組立、現場設備等のあらゆる面で多
大な人手およびコストを要するものとなるし、工場設備
等の関係で試運転の実施さえ困難な状況となっている。
また、シールド工法によってはトンネルの拡縮径部や合
流分岐部を連続的に施工することは不可能であるという
問題があった。
【0003】そのため従来は、このようなトンネルの拡
縮径部および合流分岐部についてはNATM工法あるい
は開削工法によって施工がなされてきた。しかしNAT
M工法は、切羽や掘削地山の崩落防止を図りながら掘り
進めていくものであるため、大断面トンネルの場合にお
いてはそのための付帯工事が大掛かりなものとなり多大
な工数を必要とすることとなる。特に大深度においては
地下水対策のために薬注等の補助工法が必須であり、こ
の薬注作業は非常に経費がかかるばかりではなく、薬注
を実施しても完全な遮水が期待できないという問題があ
る。また開削工法においては、地表に広大な用地を必要
とする上、特に大深度におけるトンネル工事では山留め
支保工が大規模となると共に掘削土量も膨大なものとな
り、さらに地中に地下鉄、下水道等の構造物が存在する
場合には施工できないという問題がある。
縮径部および合流分岐部についてはNATM工法あるい
は開削工法によって施工がなされてきた。しかしNAT
M工法は、切羽や掘削地山の崩落防止を図りながら掘り
進めていくものであるため、大断面トンネルの場合にお
いてはそのための付帯工事が大掛かりなものとなり多大
な工数を必要とすることとなる。特に大深度においては
地下水対策のために薬注等の補助工法が必須であり、こ
の薬注作業は非常に経費がかかるばかりではなく、薬注
を実施しても完全な遮水が期待できないという問題があ
る。また開削工法においては、地表に広大な用地を必要
とする上、特に大深度におけるトンネル工事では山留め
支保工が大規模となると共に掘削土量も膨大なものとな
り、さらに地中に地下鉄、下水道等の構造物が存在する
場合には施工できないという問題がある。
【0004】そこで本出願人は、先に提供した小径なる
シールド機により低コストにて大断面トンネルを構築す
ることを可能とする「大断面トンネルおよびその構築方
法」(特願平2−4074)を発展させて、シールド工
法によってトンネルの拡径・縮径部の施工を可能とする
「トンネルの拡径方法および縮径方法」を特開平4−6
2292において提供し、また同じくシールド工法によ
ってトンネルの合流・分岐部の施工を可能とする「トン
ネルの合流方法および分岐方法」を特開平4−6819
9において提供した。以下、これらについて概説する。
シールド機により低コストにて大断面トンネルを構築す
ることを可能とする「大断面トンネルおよびその構築方
法」(特願平2−4074)を発展させて、シールド工
法によってトンネルの拡径・縮径部の施工を可能とする
「トンネルの拡径方法および縮径方法」を特開平4−6
2292において提供し、また同じくシールド工法によ
ってトンネルの合流・分岐部の施工を可能とする「トン
ネルの合流方法および分岐方法」を特開平4−6819
9において提供した。以下、これらについて概説する。
【0005】まず「大断面トンネルおよびその構築方
法」について説明する。図21に示す大断面トンネルT
は、筒状に形成され地山Sの土圧に抗して内部空間を形
成するトンネル構造体2と、該トンネル構造体2の内側
に形成されるトンネル空間3とから成る大断面トンネル
であって、前記トンネル構造体2を、多数の小径トンネ
ル構造物4…を連設することにより構成したものであ
る。小径トンネル構造物4は、シールドトンネル工法あ
るいは推進管トンネル工法等により構築され、図中6は
多数の円弧板状のセグメントを周方向および長手方向に
組み上げて形成された筒状構造体、7は筒状構造体6の
背面側に後打ちされたコンクリートあるいはモルタル等
の裏込め硬化充填材、8は筒状構造体6と裏込め硬化充
填剤7とから構成される覆工体である。そして、この大
断面トンネルTは、これら多数の小径トンネル構造物4
により構成されたトンネル構造体2を地山S内に予め構
築した後、トンネル構造体2により囲まれた部分を掘削
してトンネル空間3を形成することにより構築するであ
る。また、トンネル構造体2を構成する各小径トンネル
構造物4は、隣り合うものどうしでその覆工体8どうし
が重合(オーバーラップ)することにより覆工体8が一
体に形成されたものとなっている。
法」について説明する。図21に示す大断面トンネルT
は、筒状に形成され地山Sの土圧に抗して内部空間を形
成するトンネル構造体2と、該トンネル構造体2の内側
に形成されるトンネル空間3とから成る大断面トンネル
であって、前記トンネル構造体2を、多数の小径トンネ
ル構造物4…を連設することにより構成したものであ
る。小径トンネル構造物4は、シールドトンネル工法あ
るいは推進管トンネル工法等により構築され、図中6は
多数の円弧板状のセグメントを周方向および長手方向に
組み上げて形成された筒状構造体、7は筒状構造体6の
背面側に後打ちされたコンクリートあるいはモルタル等
の裏込め硬化充填材、8は筒状構造体6と裏込め硬化充
填剤7とから構成される覆工体である。そして、この大
断面トンネルTは、これら多数の小径トンネル構造物4
により構成されたトンネル構造体2を地山S内に予め構
築した後、トンネル構造体2により囲まれた部分を掘削
してトンネル空間3を形成することにより構築するであ
る。また、トンネル構造体2を構成する各小径トンネル
構造物4は、隣り合うものどうしでその覆工体8どうし
が重合(オーバーラップ)することにより覆工体8が一
体に形成されたものとなっている。
【0006】上記大断面トンネルTによれば、例えば小
径トンネル構造物4をシールドトンネルにより構成した
場合、小径なるシールド機により低コストにて大断面ト
ンネルを構築することができる。しかも、前記覆工体8
が一体化されることにより強固なトンネル構造体2を実
現でき、さらには、シールド工法を適用できる全ての地
山に適用できる、等の優れた効果を奏するものである。
径トンネル構造物4をシールドトンネルにより構成した
場合、小径なるシールド機により低コストにて大断面ト
ンネルを構築することができる。しかも、前記覆工体8
が一体化されることにより強固なトンネル構造体2を実
現でき、さらには、シールド工法を適用できる全ての地
山に適用できる、等の優れた効果を奏するものである。
【0007】次に、上記「大断面トンネルおよびその構
築方法」を発展させた「トンネルの拡径方法および縮径
方法」について説明する。まずトンネルの拡径方法から
図12ないし図14および図4を参照して説明する。図
12はトンネルの拡径開始位置(図4における位置
A)、図13は拡径途中位置(図4における位置B)、
図14は拡径終了位置(図4における位置C)、それぞ
れにおけるトンネルT(Tn)の正断面図である。なお
ここで、このトンネルの拡径方法の説明の次にトンネル
の縮径方法を説明するので、その説明をするうえで図の
重複を避けるために上記図12ないし図14において同
一のものに対して二つの符号を付したものがあるが、そ
れらはここでは()を付していない方の符号を参照され
たい。また、以下において、既述のものと同一のものに
ついては同一符号を付し、それらの説明は適宜省略す
る。
築方法」を発展させた「トンネルの拡径方法および縮径
方法」について説明する。まずトンネルの拡径方法から
図12ないし図14および図4を参照して説明する。図
12はトンネルの拡径開始位置(図4における位置
A)、図13は拡径途中位置(図4における位置B)、
図14は拡径終了位置(図4における位置C)、それぞ
れにおけるトンネルT(Tn)の正断面図である。なお
ここで、このトンネルの拡径方法の説明の次にトンネル
の縮径方法を説明するので、その説明をするうえで図の
重複を避けるために上記図12ないし図14において同
一のものに対して二つの符号を付したものがあるが、そ
れらはここでは()を付していない方の符号を参照され
たい。また、以下において、既述のものと同一のものに
ついては同一符号を付し、それらの説明は適宜省略す
る。
【0008】拡径すべきトンネルは図12に示すように
上記「大断面トンネルおよびその構築方法」に係るトン
ネルTであり、小径トンネル構造物4…が連設されトン
ネル構造体2が形成されている。そしてトンネルTの拡
径開始位置Aの手前において、図12に示すように、ト
ンネル構造体2を形成している一連の小径トンネル構造
物4…の連設体の外方に、これら小径トンネル構造物4
…の連設体に沿う予備の小径トンネル構造物4a…を予
め略等間隔で複数本構築しておき、少なくとも拡径開始
位置Aより手前において、各予備の小径トンネル構造物
4a…を、該予備の小径トンネル構造物4a…の径方向
に対する一部がトンネル構造体2と重合する状態として
おく。そして拡径開始位置Aより、小径トンネル構造物
4…の連設体を、小径トンネル構造物4…間の離間距離
を所定箇所に於いて漸次拡げていくことによりトンネル
空間3の中心軸から徐々に遠ざかるようにテーパ状に形
成していくと共に、この操作により互いの隣接距離を漸
次離されていく小径トンネル構造物4…間に、図13に
示すように予備の小径トンネル構造物4a…を徐々に割
り込ませて重合させていき、最終的に、図14に示すよ
うに小径トンネル構造物4…の連設体と予備の小径トン
ネル構造物4a…とが一定形状に連続されたトンネル構
造体2nを形成することにより、拡径されたトンネルT
nを形成するものである。
上記「大断面トンネルおよびその構築方法」に係るトン
ネルTであり、小径トンネル構造物4…が連設されトン
ネル構造体2が形成されている。そしてトンネルTの拡
径開始位置Aの手前において、図12に示すように、ト
ンネル構造体2を形成している一連の小径トンネル構造
物4…の連設体の外方に、これら小径トンネル構造物4
…の連設体に沿う予備の小径トンネル構造物4a…を予
め略等間隔で複数本構築しておき、少なくとも拡径開始
位置Aより手前において、各予備の小径トンネル構造物
4a…を、該予備の小径トンネル構造物4a…の径方向
に対する一部がトンネル構造体2と重合する状態として
おく。そして拡径開始位置Aより、小径トンネル構造物
4…の連設体を、小径トンネル構造物4…間の離間距離
を所定箇所に於いて漸次拡げていくことによりトンネル
空間3の中心軸から徐々に遠ざかるようにテーパ状に形
成していくと共に、この操作により互いの隣接距離を漸
次離されていく小径トンネル構造物4…間に、図13に
示すように予備の小径トンネル構造物4a…を徐々に割
り込ませて重合させていき、最終的に、図14に示すよ
うに小径トンネル構造物4…の連設体と予備の小径トン
ネル構造物4a…とが一定形状に連続されたトンネル構
造体2nを形成することにより、拡径されたトンネルT
nを形成するものである。
【0009】次に、トンネルの縮径方法について図12
ないし図14および図4を参照して説明する。図14は
トンネルの縮径開始位置(図4における位置C)、図1
3は縮径途中位置(図4における位置B)、図12は縮
径終了位置(図4における位置A)、それぞれにおける
トンネルTn(T)の正断面図である。ここでは、上記
図12ないし図14において同一のものに対して二つの
符号を付したものにつていは()を付した方の符号を参
照されたい。縮径すべきトンネルは、図14に示す前記
「大断面トンネルおよびその構築方法」に係るトンネル
Tnであって、トンネル構造体2nを形成している小径
トンネル構造物4…のうち所定間隔を置いて選択した複
数の間引用小径トンネル構造物4b…を、図14、図1
3に示すようにトンネルTnの縮径開始位置Cから隣接
する小径トンネル構造物4、4との重合状態を保持した
まま一連の小径トンネル構造物4…の連設体の外方へと
徐々に外していく。このとき、間引用小径トンネル構造
物4b…を除く一連の小径トンネル構造物4…の連設体
をトンネル空間3nの中心軸に徐々に近づくようにテー
パ状に形成することにより、間引用小径トンネル構造物
4b…に隣接した小径トンネル構造物4、4どうしを互
いに漸次接近させていき、最終的に、図12に示すよう
に各間引用小径トンネル構造物4bに隣接していた小径
トンネル構造物4、4どうしを互いに重合させることに
よりトンネル構造体2nを形成し、縮径されたトンネル
Tを形成する。
ないし図14および図4を参照して説明する。図14は
トンネルの縮径開始位置(図4における位置C)、図1
3は縮径途中位置(図4における位置B)、図12は縮
径終了位置(図4における位置A)、それぞれにおける
トンネルTn(T)の正断面図である。ここでは、上記
図12ないし図14において同一のものに対して二つの
符号を付したものにつていは()を付した方の符号を参
照されたい。縮径すべきトンネルは、図14に示す前記
「大断面トンネルおよびその構築方法」に係るトンネル
Tnであって、トンネル構造体2nを形成している小径
トンネル構造物4…のうち所定間隔を置いて選択した複
数の間引用小径トンネル構造物4b…を、図14、図1
3に示すようにトンネルTnの縮径開始位置Cから隣接
する小径トンネル構造物4、4との重合状態を保持した
まま一連の小径トンネル構造物4…の連設体の外方へと
徐々に外していく。このとき、間引用小径トンネル構造
物4b…を除く一連の小径トンネル構造物4…の連設体
をトンネル空間3nの中心軸に徐々に近づくようにテー
パ状に形成することにより、間引用小径トンネル構造物
4b…に隣接した小径トンネル構造物4、4どうしを互
いに漸次接近させていき、最終的に、図12に示すよう
に各間引用小径トンネル構造物4bに隣接していた小径
トンネル構造物4、4どうしを互いに重合させることに
よりトンネル構造体2nを形成し、縮径されたトンネル
Tを形成する。
【0010】次に、前記「大断面トンネルおよびその構
築方法」を発展させた「トンネルの合流方法および分岐
方法」について説明する。まず、トンネルの合流方法を
図15ないし図19および図10を参照して説明する。
図15はトンネルの合流開始前の位置(図10における
位置D)、図16は合流開始位置(図10における位置
E)、図17は合流途中位置(図10における位置
F)、図18は合流終了位置(図10における位置
G)、図19は後述するトンネル内の中壁を撤去した位
置、それぞれにおけるトンネルTaおよびTb、もしく
はTの正断面図である。なおここでも、このトンネルの
合流方法の説明の次にトンネルの分岐方法を説明するの
で、その説明をするうえで図の重複を避けるために上記
図15ないし図19において同一のものに対して二つの
符号を付したものがあるが、それらはここでは()を付
していない方の符号を参照されたい。
築方法」を発展させた「トンネルの合流方法および分岐
方法」について説明する。まず、トンネルの合流方法を
図15ないし図19および図10を参照して説明する。
図15はトンネルの合流開始前の位置(図10における
位置D)、図16は合流開始位置(図10における位置
E)、図17は合流途中位置(図10における位置
F)、図18は合流終了位置(図10における位置
G)、図19は後述するトンネル内の中壁を撤去した位
置、それぞれにおけるトンネルTaおよびTb、もしく
はTの正断面図である。なおここでも、このトンネルの
合流方法の説明の次にトンネルの分岐方法を説明するの
で、その説明をするうえで図の重複を避けるために上記
図15ないし図19において同一のものに対して二つの
符号を付したものがあるが、それらはここでは()を付
していない方の符号を参照されたい。
【0011】合流させるべきトンネルTaおよびTb
は、図15に示すように、双方共に前記「大断面トンネ
ルおよびその構築方法」に係るトンネルであり、それぞ
れ小径トンネル構造物4…によりトンネル構造体2a、
2bが形成されている。そして図10に示すように、各
トンネルTa、Tbはその進路を、これら各トンネルT
a、Tbの軸線が相対的に漸次接近して最終的に一本に
収束するように変更し、このトンネルの進路の変更によ
り各トンネルTa、Tbが漸次近接し、各トンネル構造
体2a、2bが接触した時点(図10における位置E)
より、それら互いに接触する一方のトンネルTaのトン
ネル構造体2aの小径トンネル構造物4…の間に他方の
トンネルTbのトンネル構造体2bの小径トンネル構造
物4…を順次割り込ませて重合させていき、それら双方
の小径トンネル構造物4が互いに重合してなる合成部分
については、図16、図17に示すように該合成部分が
直線的となるように小径トンネル構造物4…を配列して
いくことにより中壁12を構成していく。そして各トン
ネル構造体2a、2bの中壁12以外の曲面部について
は、該曲面部を構成する小径トンネル構造物4…の重合
状態が常に一定に保持されるよう該曲面部の曲率半径を
漸次大きくしていく。さらに、この目的のために、図1
5に示すようにトンネル構造体2bの外方に予め予備の
小径トンネル構造物4aを三本構築しておき、図16、
図17に示すように、トンネルTa、Tbの合流がすす
むにつれて、これら予備の小径トンネル構造物4a‥を
トンネル構造体2b内に取り込んでいく。そして最終的
に、図18に示すように所定の曲率半径を有するトンネ
ル構造体2が構成され、この時点でトンネルTa、Tb
の合流は終了し、トンネルTが形成される。内部に残っ
た中壁12は、必要に応じて撤去し図19に示すトンネ
ルTとする。
は、図15に示すように、双方共に前記「大断面トンネ
ルおよびその構築方法」に係るトンネルであり、それぞ
れ小径トンネル構造物4…によりトンネル構造体2a、
2bが形成されている。そして図10に示すように、各
トンネルTa、Tbはその進路を、これら各トンネルT
a、Tbの軸線が相対的に漸次接近して最終的に一本に
収束するように変更し、このトンネルの進路の変更によ
り各トンネルTa、Tbが漸次近接し、各トンネル構造
体2a、2bが接触した時点(図10における位置E)
より、それら互いに接触する一方のトンネルTaのトン
ネル構造体2aの小径トンネル構造物4…の間に他方の
トンネルTbのトンネル構造体2bの小径トンネル構造
物4…を順次割り込ませて重合させていき、それら双方
の小径トンネル構造物4が互いに重合してなる合成部分
については、図16、図17に示すように該合成部分が
直線的となるように小径トンネル構造物4…を配列して
いくことにより中壁12を構成していく。そして各トン
ネル構造体2a、2bの中壁12以外の曲面部について
は、該曲面部を構成する小径トンネル構造物4…の重合
状態が常に一定に保持されるよう該曲面部の曲率半径を
漸次大きくしていく。さらに、この目的のために、図1
5に示すようにトンネル構造体2bの外方に予め予備の
小径トンネル構造物4aを三本構築しておき、図16、
図17に示すように、トンネルTa、Tbの合流がすす
むにつれて、これら予備の小径トンネル構造物4a‥を
トンネル構造体2b内に取り込んでいく。そして最終的
に、図18に示すように所定の曲率半径を有するトンネ
ル構造体2が構成され、この時点でトンネルTa、Tb
の合流は終了し、トンネルTが形成される。内部に残っ
た中壁12は、必要に応じて撤去し図19に示すトンネ
ルTとする。
【0012】最後に、トンネルの分岐方法について図1
5ないし図19および図10を参照して説明する。図1
9は分岐すべきトンネルに中壁を設ける以前の位置、図
18は分岐開始位置(図10における位置G)、図17
は分岐途中位置(図10における位置F)、図16は分
岐終了位置(図10における位置E)、図15は分岐終
了後の位置(図10における位置D)、それぞれにおけ
るトンネルT、もしくはTaおよびTbの正断面図であ
る。なおここでは、上記図15ないし図19において同
一のものに対して二つの符号を付したものにつてい
は()を付した方の符号を参照されたい。分岐させるべ
きトンネルTは、図19に示すように、前記「大断面ト
ンネルおよびその構築方法」に係るトンネルであり、小
径トンネル構造物4…によってトンネル構造体2が形成
されている。トンネルTを二本のトンネルTa、Tbに
分岐するためには、少なくともトンネルの分岐開始位置
G以前において、図18に示すように、予めトンネル空
間3内に、トンネル構造体2を構成する小径トンネル構
造物4…と略同径の小径トンネル構造物4…を連設する
ことにより中壁12を形成してトンネル空間3を二つの
空間3a、3bに分割する。そして図17および図16
に示すようにトンネルの分岐開始位置Gより、中壁12
を構成していた小径トンネル構造物4…を、トンネル構
造体2a、2bの一部を成すよう順次トンネル構造体2
a、2b側に供給していくことにより、複数に分割した
トンネル空間3a、3bのそれぞれを互いに離間させて
いく。このときトンネル構造体2bを構成する小径トン
ネル構造物4…の重合状態が一定となるよう、予め定め
た間引用小径トンネル構造物4b‥をトンネルTbの外
方へと排出していく。そして最終的に、図15に示すよ
うに中壁12を構成していた小径トンネル構造物4…
と、分岐前の元のトンネルTを構成していた小径トンネ
ル構造体4…とにより、それぞれ独立したトンネル構造
体2a、2bを有するトンネルTa、Tbを形成し、ト
ンネルTの分岐は終了する。
5ないし図19および図10を参照して説明する。図1
9は分岐すべきトンネルに中壁を設ける以前の位置、図
18は分岐開始位置(図10における位置G)、図17
は分岐途中位置(図10における位置F)、図16は分
岐終了位置(図10における位置E)、図15は分岐終
了後の位置(図10における位置D)、それぞれにおけ
るトンネルT、もしくはTaおよびTbの正断面図であ
る。なおここでは、上記図15ないし図19において同
一のものに対して二つの符号を付したものにつてい
は()を付した方の符号を参照されたい。分岐させるべ
きトンネルTは、図19に示すように、前記「大断面ト
ンネルおよびその構築方法」に係るトンネルであり、小
径トンネル構造物4…によってトンネル構造体2が形成
されている。トンネルTを二本のトンネルTa、Tbに
分岐するためには、少なくともトンネルの分岐開始位置
G以前において、図18に示すように、予めトンネル空
間3内に、トンネル構造体2を構成する小径トンネル構
造物4…と略同径の小径トンネル構造物4…を連設する
ことにより中壁12を形成してトンネル空間3を二つの
空間3a、3bに分割する。そして図17および図16
に示すようにトンネルの分岐開始位置Gより、中壁12
を構成していた小径トンネル構造物4…を、トンネル構
造体2a、2bの一部を成すよう順次トンネル構造体2
a、2b側に供給していくことにより、複数に分割した
トンネル空間3a、3bのそれぞれを互いに離間させて
いく。このときトンネル構造体2bを構成する小径トン
ネル構造物4…の重合状態が一定となるよう、予め定め
た間引用小径トンネル構造物4b‥をトンネルTbの外
方へと排出していく。そして最終的に、図15に示すよ
うに中壁12を構成していた小径トンネル構造物4…
と、分岐前の元のトンネルTを構成していた小径トンネ
ル構造体4…とにより、それぞれ独立したトンネル構造
体2a、2bを有するトンネルTa、Tbを形成し、ト
ンネルTの分岐は終了する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記トンネ
ルの拡径方法および縮径方法とトンネルの合流方法およ
び分岐方法には、以下の問題があった。すなわち、前記
トンネルの拡径方法においては、もとのトンネルTのト
ンネル構造体2を形成していた小径トンネル構造物4…
間に予備の小径トンネル構造物4a…を徐々に割り込ま
せて重合させていく際に、小径トンネル構造物4、4と
予備の小径トンネル構造物4aとの位置関係が、図13
の破線内に示すものとなる。この状態で周囲の地山Sか
ら土圧がかかると小径トンネル構造物4、4は、トンネ
ル空間3内に押し込まれ、それによって予備の小径トン
ネル構造物4aは、外側へと押し出されることとなり、
トンネル構造体2全体として構造的に不安定となってし
まう。これは、トンネルの縮径方法において、小径トン
ネル構造物4、4と間引用小径トンネル構造物4bとが
これと同一の位置関係にあるときも同様である。
ルの拡径方法および縮径方法とトンネルの合流方法およ
び分岐方法には、以下の問題があった。すなわち、前記
トンネルの拡径方法においては、もとのトンネルTのト
ンネル構造体2を形成していた小径トンネル構造物4…
間に予備の小径トンネル構造物4a…を徐々に割り込ま
せて重合させていく際に、小径トンネル構造物4、4と
予備の小径トンネル構造物4aとの位置関係が、図13
の破線内に示すものとなる。この状態で周囲の地山Sか
ら土圧がかかると小径トンネル構造物4、4は、トンネ
ル空間3内に押し込まれ、それによって予備の小径トン
ネル構造物4aは、外側へと押し出されることとなり、
トンネル構造体2全体として構造的に不安定となってし
まう。これは、トンネルの縮径方法において、小径トン
ネル構造物4、4と間引用小径トンネル構造物4bとが
これと同一の位置関係にあるときも同様である。
【0014】また、トンネルの合流方法においても、合
流させるべきトンネルTa、Tbのトンネル構造体2
a、2bを形成している小径トンネル構造物4…の重合
状態を一定に保つために予備の小径トンネル構造物4a
を取り込んでいく際に、小径トンネル構造物4、4と予
備の小径トンネル構造物4a位置関係は、図17の破線
内に示すものとなり、やはり周囲の地山Sから土圧がか
かると小径トンネル構造物4、4は、トンネル空間3a
内に押し込まれ、予備の小径トンネル構造物4aは、外
側へと押し出されることとなり、トンネル構造体2b全
体として構造的に不安定となってしまう。これは、トン
ネルの分岐方法において、小径トンネル構造物4、4と
間引用小径トンネル構造物4bとがこれと同一の位置関
係にあるときも同様である。
流させるべきトンネルTa、Tbのトンネル構造体2
a、2bを形成している小径トンネル構造物4…の重合
状態を一定に保つために予備の小径トンネル構造物4a
を取り込んでいく際に、小径トンネル構造物4、4と予
備の小径トンネル構造物4a位置関係は、図17の破線
内に示すものとなり、やはり周囲の地山Sから土圧がか
かると小径トンネル構造物4、4は、トンネル空間3a
内に押し込まれ、予備の小径トンネル構造物4aは、外
側へと押し出されることとなり、トンネル構造体2b全
体として構造的に不安定となってしまう。これは、トン
ネルの分岐方法において、小径トンネル構造物4、4と
間引用小径トンネル構造物4bとがこれと同一の位置関
係にあるときも同様である。
【0015】本発明は、前記の事情に鑑みてなされたも
のであって、トンネル構造体全体が構造的に不安定な状
態となるおそれなしに、施工することができるトンネル
の拡径・縮径・合流・分岐方法を提供することを目的と
する。
のであって、トンネル構造体全体が構造的に不安定な状
態となるおそれなしに、施工することができるトンネル
の拡径・縮径・合流・分岐方法を提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のトンネル
の拡径方法は、アーチ状または筒状の断面形状を有し、
その内部をトンネル空間とするトンネル構造体を、トン
ネル断面輪郭線に沿って位置させると共に互いに径方向
に重合させる複数の小径トンネル構造物を前記トンネル
構造体の長さ方向に構築することにより施工し、前記ト
ンネル構造体を、漸次トンネル空間の断面積が拡径する
よう施工するに際して、トンネル拡径開始位置の手前に
おいて、前記小径トンネル構造物を構築する以前に、ト
ンネル拡径開始位置と拡径終了位置との間のトンネル拡
径部の断面輪郭線に沿って前記小径トンネル構造物と略
同一径で切削可能な構造を有する調整トンネルを漸次間
隔が広がるよう複数本構築しておき、該調整トンネルの
構築後、前記小径トンネル構造物を、前記トンネル拡径
部の断面輪郭線に沿って前記調整トンネル間に位置させ
ると共に該調整トンネルとその重合範囲を漸次減少させ
つつ重合させて構築するようにしたことを特徴とするも
のである。
の拡径方法は、アーチ状または筒状の断面形状を有し、
その内部をトンネル空間とするトンネル構造体を、トン
ネル断面輪郭線に沿って位置させると共に互いに径方向
に重合させる複数の小径トンネル構造物を前記トンネル
構造体の長さ方向に構築することにより施工し、前記ト
ンネル構造体を、漸次トンネル空間の断面積が拡径する
よう施工するに際して、トンネル拡径開始位置の手前に
おいて、前記小径トンネル構造物を構築する以前に、ト
ンネル拡径開始位置と拡径終了位置との間のトンネル拡
径部の断面輪郭線に沿って前記小径トンネル構造物と略
同一径で切削可能な構造を有する調整トンネルを漸次間
隔が広がるよう複数本構築しておき、該調整トンネルの
構築後、前記小径トンネル構造物を、前記トンネル拡径
部の断面輪郭線に沿って前記調整トンネル間に位置させ
ると共に該調整トンネルとその重合範囲を漸次減少させ
つつ重合させて構築するようにしたことを特徴とするも
のである。
【0017】また、請求項2記載のトンネルの縮径方法
は、アーチ状または筒状の断面形状を有し、その内部を
トンネル空間とするトンネル構造体を、トンネル断面輪
郭線に沿って位置させると共に互いに径方向に重合させ
る複数の小径トンネル構造物を前記トンネル構造体の長
さ方向に構築することにより施工し、前記トンネル構造
体を、漸次トンネル空間の断面積が縮径するよう施工す
るに際して、トンネル縮径開始位置の手前において、前
記小径トンネル構造物を構築する以前に、トンネル縮径
開始位置と縮径終了位置との間のトンネル縮径部の断面
輪郭線に沿って前記小径トンネル構造物と略同一径で切
削可能な構造を有する調整トンネルを漸次間隔が狭まる
よう複数本構築しておき、該調整トンネルの構築後、前
記小径トンネル構造物を、前記トンネル縮径部の断面輪
郭線に沿って前記調整トンネル間に位置させると共に該
調整トンネルとその重合範囲を漸次増大させつつ重合さ
せて構築するようにしたことを特徴とするものである。
は、アーチ状または筒状の断面形状を有し、その内部を
トンネル空間とするトンネル構造体を、トンネル断面輪
郭線に沿って位置させると共に互いに径方向に重合させ
る複数の小径トンネル構造物を前記トンネル構造体の長
さ方向に構築することにより施工し、前記トンネル構造
体を、漸次トンネル空間の断面積が縮径するよう施工す
るに際して、トンネル縮径開始位置の手前において、前
記小径トンネル構造物を構築する以前に、トンネル縮径
開始位置と縮径終了位置との間のトンネル縮径部の断面
輪郭線に沿って前記小径トンネル構造物と略同一径で切
削可能な構造を有する調整トンネルを漸次間隔が狭まる
よう複数本構築しておき、該調整トンネルの構築後、前
記小径トンネル構造物を、前記トンネル縮径部の断面輪
郭線に沿って前記調整トンネル間に位置させると共に該
調整トンネルとその重合範囲を漸次増大させつつ重合さ
せて構築するようにしたことを特徴とするものである。
【0018】また、請求項3記載のトンネルの合流方法
は、アーチ状または筒状の断面形状を有し、その内部を
トンネル空間とするトンネル構造体を、トンネル断面輪
郭線に沿って位置させると共に互いに径方向に重合させ
る複数の小径トンネル構造物を前記トンネル構造体の長
さ方向に構築することにより施工し、前記トンネル構造
体を複数構築してこれらを合流させるに際して、複数の
トンネル構造体を互いに合流する方向に構築し、前記各
トンネル構造体が接触する以前の位置において、これら
各トンネル構造体の前記小径トンネル構造物を構築する
以前に、該小径トンネル構造物と略同一径で切削可能な
構造を有する調整トンネルを、合流するトンネルのトン
ネル構造体が位置する方向に延在するように、かつ合流
するトンネルのトンネル構造体内に常に位置するように
予め構築しておき、その後、該調整トンネルに重合させ
て前記小径トンネル構造物を構築し、前記各トンネル構
造体が接触した時点より、それら互いに接触する一方の
トンネル構造体の小径トンネル構造物の間に他方のトン
ネル構造体の小径トンネル構造物を順次割り込ませて重
合させていき、それら双方の小径トンネル構造物を割り
込ませて重合した合成部分については中壁を構成し、各
トンネル構造体の前記中壁以外の曲面部については前記
小径トンネル構造物の一部を前記調整トンネルに重合さ
せてトンネル構造体を構成することを特徴とするもので
ある。
は、アーチ状または筒状の断面形状を有し、その内部を
トンネル空間とするトンネル構造体を、トンネル断面輪
郭線に沿って位置させると共に互いに径方向に重合させ
る複数の小径トンネル構造物を前記トンネル構造体の長
さ方向に構築することにより施工し、前記トンネル構造
体を複数構築してこれらを合流させるに際して、複数の
トンネル構造体を互いに合流する方向に構築し、前記各
トンネル構造体が接触する以前の位置において、これら
各トンネル構造体の前記小径トンネル構造物を構築する
以前に、該小径トンネル構造物と略同一径で切削可能な
構造を有する調整トンネルを、合流するトンネルのトン
ネル構造体が位置する方向に延在するように、かつ合流
するトンネルのトンネル構造体内に常に位置するように
予め構築しておき、その後、該調整トンネルに重合させ
て前記小径トンネル構造物を構築し、前記各トンネル構
造体が接触した時点より、それら互いに接触する一方の
トンネル構造体の小径トンネル構造物の間に他方のトン
ネル構造体の小径トンネル構造物を順次割り込ませて重
合させていき、それら双方の小径トンネル構造物を割り
込ませて重合した合成部分については中壁を構成し、各
トンネル構造体の前記中壁以外の曲面部については前記
小径トンネル構造物の一部を前記調整トンネルに重合さ
せてトンネル構造体を構成することを特徴とするもので
ある。
【0019】そして、請求項4記載のトンネルの分岐方
法は、アーチ状または筒状の断面形状を有し、その内部
をトンネル空間とするトンネル構造体を、トンネル断面
輪郭線に沿って位置させると共に互いに径方向に重合さ
せる複数の小径トンネル構造物を前記トンネル構造体の
長さ方向に構築することにより施工し、前記トンネル構
造体を複数方向に分岐させるに際して、前記トンネル構
造体を分岐させる以前の位置において、前記小径トンネ
ル構造物を構築する以前に、該小径トンネル構造物と略
同一径で切削可能な構造を有する調整トンネルを、分岐
する各トンネルのトンネル構造体が位置する方向に延在
するように、かつ該分岐する各トンネルのトンネル構造
体内に常に位置するように予め構築しておく一方、前記
トンネル空間内に、前記トンネル構造体を構成する前記
小径トンネル構造物と略同径の小径トンネル構造物を連
設することにより中壁を形成して前記トンネル空間を複
数の空間に分割し、前記トンネルの分岐開始位置より、
前記調整トンネルに重合させてトンネルの分岐方向へ前
記小径トンネル構造物を構築し、前記中壁を構成した小
径トンネル構造物を、分岐するトンネル構造体の一部を
成すよう順次トンネル構造体側に供給していくととも
に、前記中壁を構成していた小径トンネル構造物と、分
岐前の元のトンネルを構成していた小径トンネル構造体
とにより、それぞれ独立したトンネル構造体を有したト
ンネルを構成することを特徴とするものである。
法は、アーチ状または筒状の断面形状を有し、その内部
をトンネル空間とするトンネル構造体を、トンネル断面
輪郭線に沿って位置させると共に互いに径方向に重合さ
せる複数の小径トンネル構造物を前記トンネル構造体の
長さ方向に構築することにより施工し、前記トンネル構
造体を複数方向に分岐させるに際して、前記トンネル構
造体を分岐させる以前の位置において、前記小径トンネ
ル構造物を構築する以前に、該小径トンネル構造物と略
同一径で切削可能な構造を有する調整トンネルを、分岐
する各トンネルのトンネル構造体が位置する方向に延在
するように、かつ該分岐する各トンネルのトンネル構造
体内に常に位置するように予め構築しておく一方、前記
トンネル空間内に、前記トンネル構造体を構成する前記
小径トンネル構造物と略同径の小径トンネル構造物を連
設することにより中壁を形成して前記トンネル空間を複
数の空間に分割し、前記トンネルの分岐開始位置より、
前記調整トンネルに重合させてトンネルの分岐方向へ前
記小径トンネル構造物を構築し、前記中壁を構成した小
径トンネル構造物を、分岐するトンネル構造体の一部を
成すよう順次トンネル構造体側に供給していくととも
に、前記中壁を構成していた小径トンネル構造物と、分
岐前の元のトンネルを構成していた小径トンネル構造体
とにより、それぞれ独立したトンネル構造体を有したト
ンネルを構成することを特徴とするものである。
【0020】
【作用】請求項1記載のトンネルの拡径方法において
は、多数の小径トンネル構造物が連設されてトンネル構
造体が形成されているトンネルを拡径するに際して、ト
ンネルの拡径開始位置の手前において、トンネル構造体
を形成する一連の小径トンネル構造物を構築する以前
に、トンネル拡径開始位置と拡径終了位置との間のトン
ネル拡径部の断面輪郭線に沿って、前記小径トンネル構
造物と略同一径で切削可能な構造を有する調整トンネル
を漸次間隔が広がるよう複数本構築しておき、該調整ト
ンネルの構築後、前記小径トンネル構造物を、前記トン
ネル拡径部の断面輪郭線に沿って前記調整トンネル間に
位置させると共に該調整トンネルとその重合範囲を漸次
減少させつつ重合させてトンネル構造体を形成していく
ことによりトンネルを拡径する。
は、多数の小径トンネル構造物が連設されてトンネル構
造体が形成されているトンネルを拡径するに際して、ト
ンネルの拡径開始位置の手前において、トンネル構造体
を形成する一連の小径トンネル構造物を構築する以前
に、トンネル拡径開始位置と拡径終了位置との間のトン
ネル拡径部の断面輪郭線に沿って、前記小径トンネル構
造物と略同一径で切削可能な構造を有する調整トンネル
を漸次間隔が広がるよう複数本構築しておき、該調整ト
ンネルの構築後、前記小径トンネル構造物を、前記トン
ネル拡径部の断面輪郭線に沿って前記調整トンネル間に
位置させると共に該調整トンネルとその重合範囲を漸次
減少させつつ重合させてトンネル構造体を形成していく
ことによりトンネルを拡径する。
【0021】また、請求項2記載のトンネルの縮径方法
においては、多数の小径トンネル構造物が連設されてト
ンネル構造体の形成されたトンネルを縮径するに際し
て、トンネル構造体を構成する小径トンネル構造物を構
築する以前に、トンネル縮径開始位置と縮径終了位置と
の間のトンネル縮径部の断面輪郭線に沿って、前記小径
トンネル構造物と略同一径で切削可能な構造を有する調
整トンネルを漸次間隔が狭まるよう複数本構築してお
き、該調整トンネルの構築後、前記小径トンネル構造物
を、前記トンネル縮径部の断面輪郭線に沿って前記調整
トンネル間に位置させると共に該調整トンネルとその重
合範囲を漸次増加させつつ重合させてトンネル構造体を
形成していくことによりトンネルを縮径する。
においては、多数の小径トンネル構造物が連設されてト
ンネル構造体の形成されたトンネルを縮径するに際し
て、トンネル構造体を構成する小径トンネル構造物を構
築する以前に、トンネル縮径開始位置と縮径終了位置と
の間のトンネル縮径部の断面輪郭線に沿って、前記小径
トンネル構造物と略同一径で切削可能な構造を有する調
整トンネルを漸次間隔が狭まるよう複数本構築してお
き、該調整トンネルの構築後、前記小径トンネル構造物
を、前記トンネル縮径部の断面輪郭線に沿って前記調整
トンネル間に位置させると共に該調整トンネルとその重
合範囲を漸次増加させつつ重合させてトンネル構造体を
形成していくことによりトンネルを縮径する。
【0022】また、請求項3記載のトンネルの合流方法
においては、多数の小径トンネル構造物が連設されてト
ンネル構造体が形成された複数のトンネルを合流させる
に際して、複数のトンネル構造体を互いに合流する方向
に構築し、各トンネル構造体が接触する以前の位置にお
いて、トンネル構造体を構成する小径トンネル構造物を
構築する以前に、該小径トンネル構造物と略同一径で切
削可能な構造を有する調整トンネルを、合流するトンネ
ルのトンネル構造体が位置する方向に延在するように予
め構築しておき、調整トンネルの構築後、小径トンネル
構造物を、各調整トンネルと、各調整トンネルに隣接す
る小径トンネル構造物の重合範囲が狭められていくよう
に構築してトンネル構造体を形成していくことによりト
ンネルを合流させる。
においては、多数の小径トンネル構造物が連設されてト
ンネル構造体が形成された複数のトンネルを合流させる
に際して、複数のトンネル構造体を互いに合流する方向
に構築し、各トンネル構造体が接触する以前の位置にお
いて、トンネル構造体を構成する小径トンネル構造物を
構築する以前に、該小径トンネル構造物と略同一径で切
削可能な構造を有する調整トンネルを、合流するトンネ
ルのトンネル構造体が位置する方向に延在するように予
め構築しておき、調整トンネルの構築後、小径トンネル
構造物を、各調整トンネルと、各調整トンネルに隣接す
る小径トンネル構造物の重合範囲が狭められていくよう
に構築してトンネル構造体を形成していくことによりト
ンネルを合流させる。
【0023】そして、請求項4記載のトンネルの分岐方
法においては、多数の小径トンネル構造物が連設されて
トンネル構造体が形成されるトンネルを分岐するに際し
て、前記トンネル構造体を分岐させる以前の位置におい
て、トンネル構造体を構成する小径トンネル構造物を構
築する以前に、小径トンネル構造物と略同一径で切削可
能な構造を有する調整トンネルを、分岐するトンネルの
トンネル構造体が位置する方向に延在するように予め構
築しておき、調整トンネルの構築後、小径トンネル構造
物を、各調整トンネルと、各調整トンネルに隣接する小
径トンネル構造物との重合範囲が広げられていくように
構築してトンネル構造体形成していくことによりトンネ
ルを分岐させる。
法においては、多数の小径トンネル構造物が連設されて
トンネル構造体が形成されるトンネルを分岐するに際し
て、前記トンネル構造体を分岐させる以前の位置におい
て、トンネル構造体を構成する小径トンネル構造物を構
築する以前に、小径トンネル構造物と略同一径で切削可
能な構造を有する調整トンネルを、分岐するトンネルの
トンネル構造体が位置する方向に延在するように予め構
築しておき、調整トンネルの構築後、小径トンネル構造
物を、各調整トンネルと、各調整トンネルに隣接する小
径トンネル構造物との重合範囲が広げられていくように
構築してトンネル構造体形成していくことによりトンネ
ルを分岐させる。
【0024】
【実施例】以下、本発明のトンネルの拡径方法の一実施
例について、図1ないし図4、および図11を参照して
説明する。図1はトンネルの拡径開始位置A、図2は拡
径途中位置B、図3は拡径終了位置C、それぞれにおけ
るトンネルT(Tn)の正断面図であり、図11は後述
する調整トンネルを掘削する状況を示す図である。拡径
すべきトンネルは図1に示す上記「大断面トンネルおよ
びその構築方法」に係るトンネルTであり、小径トンネ
ル構造物4…が連設されてトンネル構造体2が形成され
ている。そしてトンネルTの拡径開始位置Aの手前にお
いて、図1に示すように、トンネル構造体2を形成する
一連の小径トンネル構造物4…を構築する前に、小径ト
ンネル構造物4と略同一径の調整トンネル21…を予め
略等間隔で複数本構築しておく。これら調整トンネル2
1…は、トンネル空間3の中心軸より漸次離間し、その
延在する方向は、図4におけるトンネル拡径開始位置A
と拡径終了位置C間のトンネル構造体2がテーパ面とな
る範囲のその傾きと同一とされている。
例について、図1ないし図4、および図11を参照して
説明する。図1はトンネルの拡径開始位置A、図2は拡
径途中位置B、図3は拡径終了位置C、それぞれにおけ
るトンネルT(Tn)の正断面図であり、図11は後述
する調整トンネルを掘削する状況を示す図である。拡径
すべきトンネルは図1に示す上記「大断面トンネルおよ
びその構築方法」に係るトンネルTであり、小径トンネ
ル構造物4…が連設されてトンネル構造体2が形成され
ている。そしてトンネルTの拡径開始位置Aの手前にお
いて、図1に示すように、トンネル構造体2を形成する
一連の小径トンネル構造物4…を構築する前に、小径ト
ンネル構造物4と略同一径の調整トンネル21…を予め
略等間隔で複数本構築しておく。これら調整トンネル2
1…は、トンネル空間3の中心軸より漸次離間し、その
延在する方向は、図4におけるトンネル拡径開始位置A
と拡径終了位置C間のトンネル構造体2がテーパ面とな
る範囲のその傾きと同一とされている。
【0025】調整トンネル21の構築方法を、図11を
参照して説明する。この調整トンネル21は、通常のシ
ールド工法と略同一の方法によって構築されるが、後述
するように調整トンネル21の構築後、小径トンネル構
造物4を調整トンネル21との重合部分を大きくとって
構築する必要があるため、若干異なった構築方法が取ら
れる。すなわち図11に示すように、シールド機31を
その前面に設けたカッタ32により地山Sを掘削しなが
ら前進させて掘削穴33を掘り、その後、通常のシール
ド工法、例えば小径トンネル構造物4を構築する場合に
おいては、シールド機31の後方にて掘削穴33内に円
弧板状のセグメントを周方向および長手方向に組み上げ
て筒状構造体6を形成するのに対して、調整トンネル2
1を構築する際には、小径トンネル構造物4を構築する
ための後行のシールド機によって切削可能となるよう
に、型枠5…を用いて筒状構造体6を形成し、筒状構造
体6の外部にコンクリート・モルタル等の裏込め硬化充
填剤7を打設する。そして打設した裏込め硬化充填剤7
が固まり、必要強度が発現した時点で型枠5…を解体・
撤去し、さらに内部にも硬化充填剤を打設して調整トン
ネル21とする。
参照して説明する。この調整トンネル21は、通常のシ
ールド工法と略同一の方法によって構築されるが、後述
するように調整トンネル21の構築後、小径トンネル構
造物4を調整トンネル21との重合部分を大きくとって
構築する必要があるため、若干異なった構築方法が取ら
れる。すなわち図11に示すように、シールド機31を
その前面に設けたカッタ32により地山Sを掘削しなが
ら前進させて掘削穴33を掘り、その後、通常のシール
ド工法、例えば小径トンネル構造物4を構築する場合に
おいては、シールド機31の後方にて掘削穴33内に円
弧板状のセグメントを周方向および長手方向に組み上げ
て筒状構造体6を形成するのに対して、調整トンネル2
1を構築する際には、小径トンネル構造物4を構築する
ための後行のシールド機によって切削可能となるよう
に、型枠5…を用いて筒状構造体6を形成し、筒状構造
体6の外部にコンクリート・モルタル等の裏込め硬化充
填剤7を打設する。そして打設した裏込め硬化充填剤7
が固まり、必要強度が発現した時点で型枠5…を解体・
撤去し、さらに内部にも硬化充填剤を打設して調整トン
ネル21とする。
【0026】調整トンネル21…の構築後、従来どおり
の工法によって小径トンネル構造物4…を構築する。こ
のとき小径トンネル構造物4…も調整トンネル21…と
同様にトンネル空間3の中心軸に対して傾斜して構築さ
れ、トンネルTの拡径開始位置Aにおいては、各調整ト
ンネル21と、後から構築された隣接する小径トンネル
構造物4、4との重合範囲が大きく、調整トンネル21
はその大部分が切除される。トンネルTが拡径していく
にしたがって、図2に示すように各調整トンネル21と
隣接する小径トンネル構造物4、4との重合範囲は狭ま
っていくが、図3に示すようにトンネルTの拡径の終了
し、トンネルTnが形成された位置Cにおいても各調整
トンネル21と、隣接する小径トンネル構造物4、4と
は、一定範囲以上にわたって重合するようにされてい
る。さらに拡径終了後のトンネルTnを構築していくに
は、図3において調整トンネル21…を配置している場
所も通常の小径トンネル構造物4…とし、従来通りの大
断面トンネルの構築方法によってトンネルTnを構築し
ていけばよい。
の工法によって小径トンネル構造物4…を構築する。こ
のとき小径トンネル構造物4…も調整トンネル21…と
同様にトンネル空間3の中心軸に対して傾斜して構築さ
れ、トンネルTの拡径開始位置Aにおいては、各調整ト
ンネル21と、後から構築された隣接する小径トンネル
構造物4、4との重合範囲が大きく、調整トンネル21
はその大部分が切除される。トンネルTが拡径していく
にしたがって、図2に示すように各調整トンネル21と
隣接する小径トンネル構造物4、4との重合範囲は狭ま
っていくが、図3に示すようにトンネルTの拡径の終了
し、トンネルTnが形成された位置Cにおいても各調整
トンネル21と、隣接する小径トンネル構造物4、4と
は、一定範囲以上にわたって重合するようにされてい
る。さらに拡径終了後のトンネルTnを構築していくに
は、図3において調整トンネル21…を配置している場
所も通常の小径トンネル構造物4…とし、従来通りの大
断面トンネルの構築方法によってトンネルTnを構築し
ていけばよい。
【0027】上記のようなトンネルの拡径方法によれ
ば、多数の小径トンネル構造物4…を連設することによ
り形成され、上述したごとき優れた利点を有する大断面
トンネルTの断面を極めて合理的に拡張することができ
る。また、トンネルTの拡径にあたって、トンネル構造
体2を構成する小径トンネル構造物4…を構築する以前
に調整トンネル21…を構築し、各調整トンネル21
と、各調整トンネル21に隣接する小径トンネル構造物
4、4との重合範囲を狭めながらトンネル構造体2を形
成しトンネルTを拡径していくので、拡径途中において
もトンネル構造体2に構造的に不安定な部分ができるこ
とはなく、トンネル構造体2全体の強度が保たれ、かつ
止水性を確保することもできる。
ば、多数の小径トンネル構造物4…を連設することによ
り形成され、上述したごとき優れた利点を有する大断面
トンネルTの断面を極めて合理的に拡張することができ
る。また、トンネルTの拡径にあたって、トンネル構造
体2を構成する小径トンネル構造物4…を構築する以前
に調整トンネル21…を構築し、各調整トンネル21
と、各調整トンネル21に隣接する小径トンネル構造物
4、4との重合範囲を狭めながらトンネル構造体2を形
成しトンネルTを拡径していくので、拡径途中において
もトンネル構造体2に構造的に不安定な部分ができるこ
とはなく、トンネル構造体2全体の強度が保たれ、かつ
止水性を確保することもできる。
【0028】次に、本発明のトンネルの縮径方法の一実
施例について、図1ないし図4を参照して説明する。図
3はトンネルの縮径開始位置C、図2は縮径途中位置位
置、図1は縮径終了位置A、それぞれにおけるトンネル
Tn(T)の正断面図である。縮径すべきトンネルは、
図3に示す前記「大断面トンネルおよびその構築方法」
に係るトンネルTnであって、トンネル構造体2nを形
成している小径トンネル構造物4…のうち所定間隔を置
いて選択した複数の小径トンネル構造物4…を、トンネ
ルTnの縮径開始位置Cから、前記トンネルの拡径方法
において説明したものと同一構成の調整トンネル21…
とし、これら調整トンネル21…を他の小径トンネル構
造物4…に先立って構築する。この場合は、前記トンネ
ルの拡径方法とは反対に、これら調整トンネル21…
は、トンネル空間3nの中心軸に漸次接近し、その延在
する方向は、図4におけるトンネル縮径開始位置Cと縮
径終了位置A間のトンネル構造体2nがテーパ面となる
範囲のその傾きと同一とされている。調整トンネル21
…の構築後、小径トンネル構造物4…を構築するが、図
3に示すように、縮径開始位置Cにおいては、各調整ト
ンネル21と隣接する小径トンネル構造物4、4との重
合範囲は比較的狭く、図2に示すように、トンネルTn
の縮径がすすむにつれて重合範囲は広がっていく。そし
て、トンネルTnの縮径が終了し、トンネルTが形成さ
れた位置Aにおいては、図1に示すように各調整トンネ
ル21と隣接する小径トンネル構造物4、4との重合範
囲が広くなるばかりではなく、各調整トンネル21に隣
接していた小径トンネル構造物4、4どうしが重合した
状態となる。この後、縮径したトンネルTをさらに構築
するには、もはや調整トンネル21…を構築する必要は
なく、小径トンネル構造物4…のみを構築し、従来通り
の大断面トンネルの構築方法によってトンネルTを構築
していけばよい。
施例について、図1ないし図4を参照して説明する。図
3はトンネルの縮径開始位置C、図2は縮径途中位置位
置、図1は縮径終了位置A、それぞれにおけるトンネル
Tn(T)の正断面図である。縮径すべきトンネルは、
図3に示す前記「大断面トンネルおよびその構築方法」
に係るトンネルTnであって、トンネル構造体2nを形
成している小径トンネル構造物4…のうち所定間隔を置
いて選択した複数の小径トンネル構造物4…を、トンネ
ルTnの縮径開始位置Cから、前記トンネルの拡径方法
において説明したものと同一構成の調整トンネル21…
とし、これら調整トンネル21…を他の小径トンネル構
造物4…に先立って構築する。この場合は、前記トンネ
ルの拡径方法とは反対に、これら調整トンネル21…
は、トンネル空間3nの中心軸に漸次接近し、その延在
する方向は、図4におけるトンネル縮径開始位置Cと縮
径終了位置A間のトンネル構造体2nがテーパ面となる
範囲のその傾きと同一とされている。調整トンネル21
…の構築後、小径トンネル構造物4…を構築するが、図
3に示すように、縮径開始位置Cにおいては、各調整ト
ンネル21と隣接する小径トンネル構造物4、4との重
合範囲は比較的狭く、図2に示すように、トンネルTn
の縮径がすすむにつれて重合範囲は広がっていく。そし
て、トンネルTnの縮径が終了し、トンネルTが形成さ
れた位置Aにおいては、図1に示すように各調整トンネ
ル21と隣接する小径トンネル構造物4、4との重合範
囲が広くなるばかりではなく、各調整トンネル21に隣
接していた小径トンネル構造物4、4どうしが重合した
状態となる。この後、縮径したトンネルTをさらに構築
するには、もはや調整トンネル21…を構築する必要は
なく、小径トンネル構造物4…のみを構築し、従来通り
の大断面トンネルの構築方法によってトンネルTを構築
していけばよい。
【0029】上記のようなトンネルの縮径方法によれ
ば、多数の小径トンネル構造物4…を連設することによ
り形成され、上述したごとき優れた利点を有する大断面
トンネルTnの断面を極めて合理的に縮小することがで
きる。また、トンネルTnの縮径にあたって、トンネル
構造体2nを構成する小径トンネル構造物4…を構築す
る以前に調整トンネル21…を構築し、各調整トンネル
21と、各調整トンネル21に隣接する小径トンネル構
造物4、4との重合範囲を広げながらトンネル構造体2
nを形成しトンネルTnを縮径していくので、縮径途中
においてもトンネル構造体2nに構造的に不安定な部分
ができることはなく、トンネル構造体2n全体の強度が
保たれ、かつ止水性を確保することもできる。
ば、多数の小径トンネル構造物4…を連設することによ
り形成され、上述したごとき優れた利点を有する大断面
トンネルTnの断面を極めて合理的に縮小することがで
きる。また、トンネルTnの縮径にあたって、トンネル
構造体2nを構成する小径トンネル構造物4…を構築す
る以前に調整トンネル21…を構築し、各調整トンネル
21と、各調整トンネル21に隣接する小径トンネル構
造物4、4との重合範囲を広げながらトンネル構造体2
nを形成しトンネルTnを縮径していくので、縮径途中
においてもトンネル構造体2nに構造的に不安定な部分
ができることはなく、トンネル構造体2n全体の強度が
保たれ、かつ止水性を確保することもできる。
【0030】次に、本発明のトンネルの合流方法の一実
施例について、図5ないし図10を参照して説明する。
図5はトンネルの合流開始前の位置D、図6は合流開始
位置E、図7は合流途中位置F、図8は合流終了位置
G、図9はトンネル内の中壁を撤去した位置、それぞれ
におけるトンネルTaおよびTb、もしくはTの正断面
図である。合流させるべきトンネルTaおよびTbは、
図5に示すように、双方共に前記「大断面トンネルおよ
びその構築方法」に係るトンネルであり、それぞれ小径
トンネル構造物4…によりトンネル構造体2a、2bが
形成されている。そして従来通り図10に示すように、
各トンネルTa、Tbはその進路を、これら各トンネル
Ta、Tbの軸線が相対的に漸次接近して最終的に一本
に収束するように変更し、このトンネルの進路の変更に
より各トンネルTa、Tbが漸次近接し、各トンネル構
造体2a、2bが接触した時点(図10における位置
E)より、それら互いに接触する一方のトンネルTaの
トンネル構造体2aの小径トンネル構造物4…の間に他
方のトンネルTbのトンネルの構造体2bの小径トンネ
ル構造物4…を順次割り込ませて重合させていき、それ
ら双方の小径トンネル構造物4が互いに重合してなる合
成部分については、図6、図7に示すように該合成部分
が直線的となるように小径トンネル構造物4…を配列し
ていくことにより中壁12を構成していく。各トンネル
構造体の中壁12以外の曲面部については該曲面部を構
成する小径トンネル構造物4…の重合状態が常に一定に
保持されるよう該曲面部の曲率半径を漸次大きくしてい
くが、本発明のトンネルの合流方法においては、この目
的のために、トンネル構造体2bを構成する小径トンネ
ル構造物4…を構築する以前に、予め前述した構成の調
整トンネル21を複数本構築しておく。図5は、トンネ
ルTbのトンネル構造体2bを形成するために調整トン
ネル21‥を三本構築した場合を示している。これら調
整トンネル21‥は、トンネルTa、Tbの合流がすす
むにつれてトンネル構造体2bが位置する方向へと延在
するように構築され、各調整トンネル21は、図5に示
すように合流開始前の位置Dにおいては、隣接する小径
トンネル構造物4、4と広い範囲にわたって重合し、そ
の大部分が切除されるが、図6、図7に示すようにトン
ネルの合流がすすむにつれてこの重合範囲は減少してい
き、図8に示すように合流完了位置Gにおいては、調整
トンネル21‥もトンネルTのトンネル構造体2を形成
する要素となる。そして必要に応じて中壁12は撤去さ
れ、トンネルTは図9に示す状態となる。その後、さら
にトンネルTを構築するには、図8もしくは図9におい
て調整トンネル21…を配置している位置にも通常の小
径トンネル構造物4…を配置し、従来通りの大断面トン
ネルの構築方法によってトンネルTを構築していけばよ
い。
施例について、図5ないし図10を参照して説明する。
図5はトンネルの合流開始前の位置D、図6は合流開始
位置E、図7は合流途中位置F、図8は合流終了位置
G、図9はトンネル内の中壁を撤去した位置、それぞれ
におけるトンネルTaおよびTb、もしくはTの正断面
図である。合流させるべきトンネルTaおよびTbは、
図5に示すように、双方共に前記「大断面トンネルおよ
びその構築方法」に係るトンネルであり、それぞれ小径
トンネル構造物4…によりトンネル構造体2a、2bが
形成されている。そして従来通り図10に示すように、
各トンネルTa、Tbはその進路を、これら各トンネル
Ta、Tbの軸線が相対的に漸次接近して最終的に一本
に収束するように変更し、このトンネルの進路の変更に
より各トンネルTa、Tbが漸次近接し、各トンネル構
造体2a、2bが接触した時点(図10における位置
E)より、それら互いに接触する一方のトンネルTaの
トンネル構造体2aの小径トンネル構造物4…の間に他
方のトンネルTbのトンネルの構造体2bの小径トンネ
ル構造物4…を順次割り込ませて重合させていき、それ
ら双方の小径トンネル構造物4が互いに重合してなる合
成部分については、図6、図7に示すように該合成部分
が直線的となるように小径トンネル構造物4…を配列し
ていくことにより中壁12を構成していく。各トンネル
構造体の中壁12以外の曲面部については該曲面部を構
成する小径トンネル構造物4…の重合状態が常に一定に
保持されるよう該曲面部の曲率半径を漸次大きくしてい
くが、本発明のトンネルの合流方法においては、この目
的のために、トンネル構造体2bを構成する小径トンネ
ル構造物4…を構築する以前に、予め前述した構成の調
整トンネル21を複数本構築しておく。図5は、トンネ
ルTbのトンネル構造体2bを形成するために調整トン
ネル21‥を三本構築した場合を示している。これら調
整トンネル21‥は、トンネルTa、Tbの合流がすす
むにつれてトンネル構造体2bが位置する方向へと延在
するように構築され、各調整トンネル21は、図5に示
すように合流開始前の位置Dにおいては、隣接する小径
トンネル構造物4、4と広い範囲にわたって重合し、そ
の大部分が切除されるが、図6、図7に示すようにトン
ネルの合流がすすむにつれてこの重合範囲は減少してい
き、図8に示すように合流完了位置Gにおいては、調整
トンネル21‥もトンネルTのトンネル構造体2を形成
する要素となる。そして必要に応じて中壁12は撤去さ
れ、トンネルTは図9に示す状態となる。その後、さら
にトンネルTを構築するには、図8もしくは図9におい
て調整トンネル21…を配置している位置にも通常の小
径トンネル構造物4…を配置し、従来通りの大断面トン
ネルの構築方法によってトンネルTを構築していけばよ
い。
【0031】上記のようなトンネルの合流方法によれ
ば、多数の小径トンネル構造物4…を連設することによ
り形成され、上述したごとき優れた利点を有する大断面
トンネルTa、Tbを極めて合理的に合流させることが
できる。また、トンネルTa、Tbの合流にあたって、
トンネルTbのトンネル構造体2bを構成する小径トン
ネル構造物4…を構築する以前に調整トンネル21‥を
構築し、各調整トンネル21と、各調整トンネル21に
隣接する小径トンネル構造物4、4との重合範囲を狭め
ながらトンネル構造体2a、2bを形成してトンネルT
a、Tbを合流させていくので、合流途中においてもト
ンネル構造体2bに構造的に不安定な部分ができること
はなく、トンネル構造体2a、2b全体としての強度が
保たれ、かつ止水性を確保することもできる。
ば、多数の小径トンネル構造物4…を連設することによ
り形成され、上述したごとき優れた利点を有する大断面
トンネルTa、Tbを極めて合理的に合流させることが
できる。また、トンネルTa、Tbの合流にあたって、
トンネルTbのトンネル構造体2bを構成する小径トン
ネル構造物4…を構築する以前に調整トンネル21‥を
構築し、各調整トンネル21と、各調整トンネル21に
隣接する小径トンネル構造物4、4との重合範囲を狭め
ながらトンネル構造体2a、2bを形成してトンネルT
a、Tbを合流させていくので、合流途中においてもト
ンネル構造体2bに構造的に不安定な部分ができること
はなく、トンネル構造体2a、2b全体としての強度が
保たれ、かつ止水性を確保することもできる。
【0032】最後に、本発明のトンネルの分岐方法の一
実施例について、図5ないし図10を参照して説明す
る。図9は分岐すべきトンネルに中壁を設ける以前の位
置、図8は分岐開始位置G、図7は分岐途中位置F、図
6は分岐終了位置E、図5は分岐終了後の位置D、それ
ぞれにおけるトンネルT、もしくはTaおよびTbの正
断面図である。分岐させるべきトンネルTは、図9に示
すように、前記「大断面トンネルおよびその構築方法」
に係るトンネルTであり、小径トンネル構造物4…によ
ってトンネル構造体2が形成されている。トンネルTを
二本のトンネルTa、Tbに分岐するためには、まず従
来通り、少なくともトンネルの分岐開始位置G以前にお
いて、図8に示すように、予めトンネル空間3内に、ト
ンネル構造体2を構成する小径トンネル構造物4…と略
同径の小径トンネル構造物4…を連設することにより中
壁12を形成してトンネル空間3を二つの空間3a、3
bに分割し、図7および図6に示すようにトンネルの分
岐開始位置Gより中壁12を構成していた小径トンネル
構造物4…を、トンネル構造体2a、2bの一部を成す
よう順次トンネル構造体2a、2b側に供給していくこ
とにより、複数に分割したトンネル空間3a、3bのそ
れぞれを互いに離間させていく。このとき本発明のトン
ネルの分岐方法においては、トンネル構造体2a、2b
を構成する小径トンネル構造物4…の重合状態が一定と
なるようにするために、予め定めた小径トンネル構造物
4‥を前述した構成の調整トンネル21‥とし、他の小
径トンネル構造物4…を構築する前にこの調整トンネル
21を構築しておく。図8は、調整トンネル21‥を三
本とした場合を示している。これら調整トンネル21‥
は、トンネルTが分岐し、トンネルTbのトンネル構造
体2bが形成される方向に延在するように構築されてい
て、図8に示すように分岐開始位置Gにおいては、後か
ら構築される小径トンネル構造物4…と共にトンネルT
のトンネル構造体2を形成している。そして、図7、図
6に示すようにトンネルTの分岐がすすむにつれて、各
調整トンネル21と隣接する小径トンネル構造物4、4
との重合範囲は広がっていき、図5に示すように分岐終
了後の位置Dにおいては、各調整トンネル21と隣接す
る小径トンネル構造物4、4との重合範囲が広がるのみ
ならず、各調整トンネル21に隣接していた小径トンネ
ル構造物4、4どうしが重合して位置する。そしてトン
ネルTの分岐が終了し、トンネルTa、Tbが形成され
た後は、もはや調整トンネル21‥を構築する必要はな
く、従来通りの大断面トンネルの構築方法によってトン
ネルTa、Tbを構築していけばよい。
実施例について、図5ないし図10を参照して説明す
る。図9は分岐すべきトンネルに中壁を設ける以前の位
置、図8は分岐開始位置G、図7は分岐途中位置F、図
6は分岐終了位置E、図5は分岐終了後の位置D、それ
ぞれにおけるトンネルT、もしくはTaおよびTbの正
断面図である。分岐させるべきトンネルTは、図9に示
すように、前記「大断面トンネルおよびその構築方法」
に係るトンネルTであり、小径トンネル構造物4…によ
ってトンネル構造体2が形成されている。トンネルTを
二本のトンネルTa、Tbに分岐するためには、まず従
来通り、少なくともトンネルの分岐開始位置G以前にお
いて、図8に示すように、予めトンネル空間3内に、ト
ンネル構造体2を構成する小径トンネル構造物4…と略
同径の小径トンネル構造物4…を連設することにより中
壁12を形成してトンネル空間3を二つの空間3a、3
bに分割し、図7および図6に示すようにトンネルの分
岐開始位置Gより中壁12を構成していた小径トンネル
構造物4…を、トンネル構造体2a、2bの一部を成す
よう順次トンネル構造体2a、2b側に供給していくこ
とにより、複数に分割したトンネル空間3a、3bのそ
れぞれを互いに離間させていく。このとき本発明のトン
ネルの分岐方法においては、トンネル構造体2a、2b
を構成する小径トンネル構造物4…の重合状態が一定と
なるようにするために、予め定めた小径トンネル構造物
4‥を前述した構成の調整トンネル21‥とし、他の小
径トンネル構造物4…を構築する前にこの調整トンネル
21を構築しておく。図8は、調整トンネル21‥を三
本とした場合を示している。これら調整トンネル21‥
は、トンネルTが分岐し、トンネルTbのトンネル構造
体2bが形成される方向に延在するように構築されてい
て、図8に示すように分岐開始位置Gにおいては、後か
ら構築される小径トンネル構造物4…と共にトンネルT
のトンネル構造体2を形成している。そして、図7、図
6に示すようにトンネルTの分岐がすすむにつれて、各
調整トンネル21と隣接する小径トンネル構造物4、4
との重合範囲は広がっていき、図5に示すように分岐終
了後の位置Dにおいては、各調整トンネル21と隣接す
る小径トンネル構造物4、4との重合範囲が広がるのみ
ならず、各調整トンネル21に隣接していた小径トンネ
ル構造物4、4どうしが重合して位置する。そしてトン
ネルTの分岐が終了し、トンネルTa、Tbが形成され
た後は、もはや調整トンネル21‥を構築する必要はな
く、従来通りの大断面トンネルの構築方法によってトン
ネルTa、Tbを構築していけばよい。
【0033】上記のようなトンネルの分岐方法によれ
ば、多数の小径トンネル構造物4…を連設することによ
り形成され、上述したごとき優れた利点を有する大断面
トンネルTを極めて合理的に分岐することができる。ま
た、トンネルTの分岐にあたって、トンネルTのトンネ
ル構造体2を構成する小径トンネル構造物4…を構築す
る以前に調整トンネル21‥を構築し、各調整トンネル
21と、各調整トンネル21に隣接する小径トンネル構
造物4、4との重合範囲を広げながらトンネル構造体2
を形成しトンネルTを分岐させていくので、分岐途中に
おいてもトンネル構造体2a、2bに構造的に不安定な
部分ができることはなく、トンネル構造体2a、2b全
体としての強度が保たれ、かつ止水性を確保することも
できる。
ば、多数の小径トンネル構造物4…を連設することによ
り形成され、上述したごとき優れた利点を有する大断面
トンネルTを極めて合理的に分岐することができる。ま
た、トンネルTの分岐にあたって、トンネルTのトンネ
ル構造体2を構成する小径トンネル構造物4…を構築す
る以前に調整トンネル21‥を構築し、各調整トンネル
21と、各調整トンネル21に隣接する小径トンネル構
造物4、4との重合範囲を広げながらトンネル構造体2
を形成しトンネルTを分岐させていくので、分岐途中に
おいてもトンネル構造体2a、2bに構造的に不安定な
部分ができることはなく、トンネル構造体2a、2b全
体としての強度が保たれ、かつ止水性を確保することも
できる。
【0034】なお、上記実施例においては、調整トンネ
ル21は、セグメントを使用せずに型枠を使用して構築
する無筋のコンクリート製小口径トンネルであるとのみ
記述したが、調整トンネル21には、スチールファイバ
ーコンクリートを用いることもできるし、ガラス繊維、
炭素繊維をプラスチックで固めて鉄筋状にしたもの等の
有筋(鉄筋は不可)コンクリートを用いてもよく、つま
り小径トンネル構造物4を構築するための後行のシール
ド機によって切削可能なものであればよい。調整トンネ
ルの構築が終わり、トンネル内部の片付け等を行なった
後、内部空間にコンクリートを打設するが、この内部充
填コンクリート打設時に内・外のコンクリートを一体化
するために、鉄筋の代替品としての前記配筋を行なうこ
とも有効である。この配筋としては、例えば、調整トン
ネル構築時に内部複数箇所にアンカーをセットし、さら
に各アンカー内側にはナットをセットしておき、内部充
填コンクリートの打設前に内・外継ぎ筋を前記ナットに
セットし、これら一連の作業が終了した後に、内部に充
填コンクリートを打設する。そしてこれらアンカー、ナ
ット、内・外継ぎ筋もすべて、小径トンネル構造物を構
築するための後行のシールド機によって切削可能な材料
を使用する。また、トンネル構築時に差し筋を行なって
もよいが、上記と同様の理由によって、差し筋としては
切削可能な材料を使用する。
ル21は、セグメントを使用せずに型枠を使用して構築
する無筋のコンクリート製小口径トンネルであるとのみ
記述したが、調整トンネル21には、スチールファイバ
ーコンクリートを用いることもできるし、ガラス繊維、
炭素繊維をプラスチックで固めて鉄筋状にしたもの等の
有筋(鉄筋は不可)コンクリートを用いてもよく、つま
り小径トンネル構造物4を構築するための後行のシール
ド機によって切削可能なものであればよい。調整トンネ
ルの構築が終わり、トンネル内部の片付け等を行なった
後、内部空間にコンクリートを打設するが、この内部充
填コンクリート打設時に内・外のコンクリートを一体化
するために、鉄筋の代替品としての前記配筋を行なうこ
とも有効である。この配筋としては、例えば、調整トン
ネル構築時に内部複数箇所にアンカーをセットし、さら
に各アンカー内側にはナットをセットしておき、内部充
填コンクリートの打設前に内・外継ぎ筋を前記ナットに
セットし、これら一連の作業が終了した後に、内部に充
填コンクリートを打設する。そしてこれらアンカー、ナ
ット、内・外継ぎ筋もすべて、小径トンネル構造物を構
築するための後行のシールド機によって切削可能な材料
を使用する。また、トンネル構築時に差し筋を行なって
もよいが、上記と同様の理由によって、差し筋としては
切削可能な材料を使用する。
【0035】また、調整トンネルの配置本数は、上記ト
ンネルの拡径・縮径方法の説明においては12本とし、
トンネルの合流・分岐方法の説明においては3本とした
が、これらはその本数に限定されるものではなく、具体
的な状況に応じて各個別に適宜決定されるものである。
さらに、トンネルの合流・分岐方法の説明において、ト
ンネルTb側にのみ調整トンネルを配置する場合を例に
上げて説明したが、これも言うまでもなく、調整トンネ
ルは状況に応じてトンネルTa、Tbの双方側に配置さ
れる。
ンネルの拡径・縮径方法の説明においては12本とし、
トンネルの合流・分岐方法の説明においては3本とした
が、これらはその本数に限定されるものではなく、具体
的な状況に応じて各個別に適宜決定されるものである。
さらに、トンネルの合流・分岐方法の説明において、ト
ンネルTb側にのみ調整トンネルを配置する場合を例に
上げて説明したが、これも言うまでもなく、調整トンネ
ルは状況に応じてトンネルTa、Tbの双方側に配置さ
れる。
【0036】また、上記実施例においては、いずれもト
ンネル構造体2が縦断面において筒状に閉環された構成
のものについて説明したが、本発明に係るトンネルの拡
径・縮径・合流・分岐方法は、図20に示すように例え
ばトンネル空間3の一部(図示例のものは上半部)のみ
が上記のごとく小径トンネル構造物4…により構成され
たものに対しても上記同様に適用することが可能であ
る。なお、この図20に示すトンネルTでは、トンネル
底部(インバート部)にコンクリート41を打設したも
のとなっている。
ンネル構造体2が縦断面において筒状に閉環された構成
のものについて説明したが、本発明に係るトンネルの拡
径・縮径・合流・分岐方法は、図20に示すように例え
ばトンネル空間3の一部(図示例のものは上半部)のみ
が上記のごとく小径トンネル構造物4…により構成され
たものに対しても上記同様に適用することが可能であ
る。なお、この図20に示すトンネルTでは、トンネル
底部(インバート部)にコンクリート41を打設したも
のとなっている。
【0037】そして、トンネルの合流・分岐方法の説明
においては、トンネルTaとTbとは径の異なるものと
して図示したが、同一径の二トンネルを対象としても無
論かまわない。さらに、第一、第二のトンネルTa、T
bの二本を合流させる場合について説明したが、上記方
法により三本以上のトンネルを合流させることも可能で
あるし、同様にトンネルTを分岐する場合においても、
第一、第二のトンネルTa、Tbの二本に分岐するのみ
ならず、三本以上に分岐することも可能である。
においては、トンネルTaとTbとは径の異なるものと
して図示したが、同一径の二トンネルを対象としても無
論かまわない。さらに、第一、第二のトンネルTa、T
bの二本を合流させる場合について説明したが、上記方
法により三本以上のトンネルを合流させることも可能で
あるし、同様にトンネルTを分岐する場合においても、
第一、第二のトンネルTa、Tbの二本に分岐するのみ
ならず、三本以上に分岐することも可能である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のトンネル
の拡径・縮径・合流・分岐方法によれば、以下の効果を
奏することができる。すなわち請求項1記載のトンネル
の拡径方法においては、多数の小径トンネル構造物が連
設されてトンネル構造体が形成されているトンネルを拡
径するに際して、トンネルの拡径開始位置の手前におい
て、トンネル構造体を形成する一連の小径トンネル構造
物を構築する以前に、トンネル拡径開始位置と拡径終了
位置との間のトンネル拡径部の断面輪郭線に沿って、前
記小径トンネル構造物と略同一径で切削可能な構造を有
する調整トンネルを漸次間隔が広がるよう複数本構築し
ておき、該調整トンネルの構築後、前記小径トンネル構
造物を、前記トンネル拡径部の断面輪郭線に沿って前記
調整トンネル間に位置させると共に該調整トンネルとそ
の重合範囲を漸次減少させつつ重合させてトンネル構造
体を形成していくことによりトンネルを拡径する。よっ
て、多数の小径トンネル構造物を連設することにより形
成され、優れた利点を有する大断面トンネルの断面を極
めて合理的に拡張することができる。また、トンネルの
拡径途中においてもトンネル構造体に構造的に不安定な
部分ができることはなく、トンネル構造体全体の強度が
保たれ、かつ止水性を確保することもできる。
の拡径・縮径・合流・分岐方法によれば、以下の効果を
奏することができる。すなわち請求項1記載のトンネル
の拡径方法においては、多数の小径トンネル構造物が連
設されてトンネル構造体が形成されているトンネルを拡
径するに際して、トンネルの拡径開始位置の手前におい
て、トンネル構造体を形成する一連の小径トンネル構造
物を構築する以前に、トンネル拡径開始位置と拡径終了
位置との間のトンネル拡径部の断面輪郭線に沿って、前
記小径トンネル構造物と略同一径で切削可能な構造を有
する調整トンネルを漸次間隔が広がるよう複数本構築し
ておき、該調整トンネルの構築後、前記小径トンネル構
造物を、前記トンネル拡径部の断面輪郭線に沿って前記
調整トンネル間に位置させると共に該調整トンネルとそ
の重合範囲を漸次減少させつつ重合させてトンネル構造
体を形成していくことによりトンネルを拡径する。よっ
て、多数の小径トンネル構造物を連設することにより形
成され、優れた利点を有する大断面トンネルの断面を極
めて合理的に拡張することができる。また、トンネルの
拡径途中においてもトンネル構造体に構造的に不安定な
部分ができることはなく、トンネル構造体全体の強度が
保たれ、かつ止水性を確保することもできる。
【0039】また、請求項2記載のトンネルの縮径方法
においては、多数の小径トンネル構造物が連設されてト
ンネル構造体の形成されたトンネルを縮径するに際し
て、トンネル構造体を構成する小径トンネル構造物を構
築する以前に、トンネル縮径開始位置と縮径終了位置と
の間のトンネル縮径部の断面輪郭線に沿って、前記小径
トンネル構造物と略同一径で切削可能な構造を有する調
整トンネルを漸次間隔が狭まるよう複数本構築してお
き、該調整トンネルの構築後、前記小径トンネル構造物
を、前記トンネル縮径部の断面輪郭線に沿って前記調整
トンネル間に位置させると共に該調整トンネルとその重
合範囲を漸次増加させつつ重合させてトンネル構造体を
形成していくことによりトンネルを縮径する。よって、
多数の小径トンネル構造物を連設することにより形成さ
れ、優れた利点を有する大断面トンネルの断面を極めて
合理的に縮小することができる。また、縮径途中におい
てもトンネル構造体に構造的に不安定な部分ができるこ
とはなく、トンネル構造体全体の強度が保たれ、かつ止
水性を確保することもできる。
においては、多数の小径トンネル構造物が連設されてト
ンネル構造体の形成されたトンネルを縮径するに際し
て、トンネル構造体を構成する小径トンネル構造物を構
築する以前に、トンネル縮径開始位置と縮径終了位置と
の間のトンネル縮径部の断面輪郭線に沿って、前記小径
トンネル構造物と略同一径で切削可能な構造を有する調
整トンネルを漸次間隔が狭まるよう複数本構築してお
き、該調整トンネルの構築後、前記小径トンネル構造物
を、前記トンネル縮径部の断面輪郭線に沿って前記調整
トンネル間に位置させると共に該調整トンネルとその重
合範囲を漸次増加させつつ重合させてトンネル構造体を
形成していくことによりトンネルを縮径する。よって、
多数の小径トンネル構造物を連設することにより形成さ
れ、優れた利点を有する大断面トンネルの断面を極めて
合理的に縮小することができる。また、縮径途中におい
てもトンネル構造体に構造的に不安定な部分ができるこ
とはなく、トンネル構造体全体の強度が保たれ、かつ止
水性を確保することもできる。
【0040】また、請求項3記載のトンネルの合流方法
においては、多数の小径トンネル構造物が連設されてト
ンネル構造体が形成された複数のトンネルを合流させる
に際して、複数のトンネル構造体を互いに合流する方向
に構築し、各トンネル構造体が接触する以前の位置にお
いて、トンネル構造体を構成する小径トンネル構造物を
構築する以前に、該小径トンネル構造物と略同一径で切
削可能な構造を有する調整トンネルを、合流するトンネ
ルのトンネル構造体が位置する方向に延在するように予
め構築しておき、調整トンネルの構築後、小径トンネル
構造物を、各調整トンネルと、各調整トンネルに隣接す
る小径トンネル構造物の重合範囲が狭められていくよう
に構築してトンネル構造体を形成していくことによりト
ンネルを合流させる。よって、多数の小径トンネル構造
物を連設することにより形成され、優れた利点を有する
大断面トンネルを極めて合理的に合流することができ
る。また、トンネルの合流途中においても、トンネル構
造体に構造的に不安定な部分ができることはなく、トン
ネル構造体全体としての強度が保たれ、かつ止水性を確
保することもできる。
においては、多数の小径トンネル構造物が連設されてト
ンネル構造体が形成された複数のトンネルを合流させる
に際して、複数のトンネル構造体を互いに合流する方向
に構築し、各トンネル構造体が接触する以前の位置にお
いて、トンネル構造体を構成する小径トンネル構造物を
構築する以前に、該小径トンネル構造物と略同一径で切
削可能な構造を有する調整トンネルを、合流するトンネ
ルのトンネル構造体が位置する方向に延在するように予
め構築しておき、調整トンネルの構築後、小径トンネル
構造物を、各調整トンネルと、各調整トンネルに隣接す
る小径トンネル構造物の重合範囲が狭められていくよう
に構築してトンネル構造体を形成していくことによりト
ンネルを合流させる。よって、多数の小径トンネル構造
物を連設することにより形成され、優れた利点を有する
大断面トンネルを極めて合理的に合流することができ
る。また、トンネルの合流途中においても、トンネル構
造体に構造的に不安定な部分ができることはなく、トン
ネル構造体全体としての強度が保たれ、かつ止水性を確
保することもできる。
【0041】そして、請求項4記載のトンネルの分岐方
法においては、多数の小径トンネル構造物が連設されて
トンネル構造体が形成されるトンネルを分岐するに際し
て、前記トンネル構造体を分岐させる以前の位置におい
て、トンネル構造体を構成する小径トンネル構造物を構
築する以前に、小径トンネル構造物と略同一径で切削可
能な構造を有する調整トンネルを、分岐するトンネルの
トンネル構造体が位置する方向に延在するように予め構
築しておき、調整トンネルの構築後、小径トンネル構造
物を、各調整トンネルと、各調整トンネルに隣接する小
径トンネル構造物との重合範囲が広げられていくように
構築してトンネル構造体形成していくことによりトンネ
ルを分岐させる。よって、多数の小径トンネル構造物を
連設することにより形成され、優れた利点を有する大断
面トンネルを極めて合理的に分岐することができる。ま
た、トンネルの分岐途中においても、トンネル構造体に
構造的に不安定な部分ができることはなく、トンネル構
造体全体としての強度が保たれ、かつ止水性を確保する
こともできる。
法においては、多数の小径トンネル構造物が連設されて
トンネル構造体が形成されるトンネルを分岐するに際し
て、前記トンネル構造体を分岐させる以前の位置におい
て、トンネル構造体を構成する小径トンネル構造物を構
築する以前に、小径トンネル構造物と略同一径で切削可
能な構造を有する調整トンネルを、分岐するトンネルの
トンネル構造体が位置する方向に延在するように予め構
築しておき、調整トンネルの構築後、小径トンネル構造
物を、各調整トンネルと、各調整トンネルに隣接する小
径トンネル構造物との重合範囲が広げられていくように
構築してトンネル構造体形成していくことによりトンネ
ルを分岐させる。よって、多数の小径トンネル構造物を
連設することにより形成され、優れた利点を有する大断
面トンネルを極めて合理的に分岐することができる。ま
た、トンネルの分岐途中においても、トンネル構造体に
構造的に不安定な部分ができることはなく、トンネル構
造体全体としての強度が保たれ、かつ止水性を確保する
こともできる。
【図1】本発明のトンネルの拡径方法の一実施例におけ
る拡径開始位置もしくは縮径方法の一実施例における縮
径終了位置のトンネルを示す正断面図である。
る拡径開始位置もしくは縮径方法の一実施例における縮
径終了位置のトンネルを示す正断面図である。
【図2】同、拡径途中位置もしくは縮径途中位置のトン
ネルを示す正断面図である。
ネルを示す正断面図である。
【図3】同、拡径終了位置もしくは縮径開始位置のトン
ネルを示す正断面図である。
ネルを示す正断面図である。
【図4】拡径・縮径するトンネルを示す側断面図であ
る。
る。
【図5】本発明のトンネルの合流方法の一実施例におけ
る合流開始以前の位置もしくは分岐方法の一実施例にお
ける分岐終了後の位置のトンネルを示す正断面図であ
る。
る合流開始以前の位置もしくは分岐方法の一実施例にお
ける分岐終了後の位置のトンネルを示す正断面図であ
る。
【図6】同、合流開始位置もしくは分岐終了位置のトン
ネルを示す正断面図である。
ネルを示す正断面図である。
【図7】同、合流途中位置もしくは分岐途中位置のトン
ネルを示す正断面図である。
ネルを示す正断面図である。
【図8】同、合流終了位置もしくは分岐開始位置のトン
ネルを示す正断面図である。
ネルを示す正断面図である。
【図9】同、合流終了後中壁を撤去したトンネルもしく
は分岐開始前中壁設置前のトンネルを示す正断面図であ
る。
は分岐開始前中壁設置前のトンネルを示す正断面図であ
る。
【図10】合流・分岐するトンネルを示す平面図であ
る。
る。
【図11】調整トンネルをシールド機と共に示す側断面
図である。
図である。
【図12】本出願人が先に発明したトンネルの拡径方法
における拡径開始位置もしくは縮径方法における縮径終
了位置のトンネルを示す正断面図である。
における拡径開始位置もしくは縮径方法における縮径終
了位置のトンネルを示す正断面図である。
【図13】同、拡径途中位置もしくは縮径途中位置のト
ンネルを示す正断面図である。
ンネルを示す正断面図である。
【図14】同、拡径終了位置もしくは縮径開始位置のト
ンネルを示す正断面図である。
ンネルを示す正断面図である。
【図15】本出願人が先に発明したトンネルの合流方法
における合流開始以前の位置もしくは分岐方法における
分岐終了後の位置のトンネルを示す正断面図である。
における合流開始以前の位置もしくは分岐方法における
分岐終了後の位置のトンネルを示す正断面図である。
【図16】同、合流開始位置もしくは分岐終了位置のト
ンネルを示す正断面図である。
ンネルを示す正断面図である。
【図17】同、合流途中位置もしくは分岐途中位置のト
ンネルを示す正断面図である。
ンネルを示す正断面図である。
【図18】同、合流終了位置もしくは分岐開始位置のト
ンネルを示す正断面図である。
ンネルを示す正断面図である。
【図19】同、合流終了後中壁を撤去したトンネルもし
くは分岐開始前中壁設置前のトンネルを示す正断面図で
ある。
くは分岐開始前中壁設置前のトンネルを示す正断面図で
ある。
【図20】本発明が適用されるその他のトンネルを示す
正断面図である。
正断面図である。
【図21】本出願人が先に発明した大断面トンネルを示
す正断面図である。
す正断面図である。
T トンネル S 地山 2 トンネル構造体 3 トンネル空間 4 小径トンネル構造物 12 中壁 21 調整トンネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 伸司 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 尾上 篤生 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 石崎 秀武 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 堀田 洋之 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 井上 啓明 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 重田 安彦 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 川上 房男 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 アーチ状または筒状の断面形状を有し、
その内部をトンネル空間とするトンネル構造体を、トン
ネル断面輪郭線に沿って位置させると共に互いに径方向
に重合させる複数の小径トンネル構造物を前記トンネル
構造体の長さ方向に構築することにより施工し、 前記トンネル構造体を、漸次トンネル空間の断面積が拡
径するよう施工するに際して、 トンネル拡径開始位置の手前において、前記小径トンネ
ル構造物を構築する以前に、トンネル拡径開始位置と拡
径終了位置との間のトンネル拡径部の断面輪郭線に沿っ
て前記小径トンネル構造物と略同一径で切削可能な構造
を有する調整トンネルを漸次間隔が広がるよう複数本構
築しておき、 該調整トンネルの構築後、前記小径トンネル構造物を、
前記トンネル拡径部の断面輪郭線に沿って前記調整トン
ネル間に位置させると共に該調整トンネルとその重合範
囲を漸次減少させつつ重合させて構築するようにしたこ
とを特徴とするトンネルの拡径方法。 - 【請求項2】 アーチ状または筒状の断面形状を有し、
その内部をトンネル空間とするトンネル構造体を、トン
ネル断面輪郭線に沿って位置させると共に互いに径方向
に重合させる複数の小径トンネル構造物を前記トンネル
構造体の長さ方向に構築することにより施工し、 前記トンネル構造体を、漸次トンネル空間の断面積が縮
径するよう施工するに際して、 トンネル縮径開始位置の手前において、前記小径トンネ
ル構造物を構築する以前に、トンネル縮径開始位置と縮
径終了位置との間のトンネル縮径部の断面輪郭線に沿っ
て前記小径トンネル構造物と略同一径で切削可能な構造
を有する調整トンネルを漸次間隔が狭まるよう複数本構
築しておき、 該調整トンネルの構築後、前記小径トンネル構造物を、
前記トンネル縮径部の断面輪郭線に沿って前記調整トン
ネル間に位置させると共に該調整トンネルとその重合範
囲を漸次増大させつつ重合させて構築するようにしたこ
とを特徴とするトンネルの縮径方法。 - 【請求項3】 アーチ状または筒状の断面形状を有し、
その内部をトンネル空間とするトンネル構造体を、トン
ネル断面輪郭線に沿って位置させると共に互いに径方向
に重合させる複数の小径トンネル構造物を前記トンネル
構造体の長さ方向に構築することにより施工し、 前記トンネル構造体を複数構築してこれらを合流させる
に際して、 複数のトンネル構造体を互いに合流する方向に構築し、 前記各トンネル構造体が接触する以前の位置において、
これら各トンネル構造体の前記小径トンネル構造物を構
築する以前に、該小径トンネル構造物と略同一径で切削
可能な構造を有する調整トンネルを、合流するトンネル
のトンネル構造体が位置する方向に延在するように、か
つ合流するトンネルのトンネル構造体内に常に位置する
ように予め構築しておき、 その後、該調整トンネルに重合させて前記小径トンネル
構造物を構築し、 前記各トンネル構造体が接触した時点より、それら互い
に接触する一方のトンネル構造体の小径トンネル構造物
の間に他方のトンネル構造体の小径トンネル構造物を順
次割り込ませて重合させていき、 それら双方の小径トンネル構造物を割り込ませて重合し
た合成部分については中壁を構成し、 各トンネル構造体の前記中壁以外の曲面部については前
記小径トンネル構造物の一部を前記調整トンネルに重合
させてトンネル構造体を構成することを特徴とするトン
ネルの合流方法。 - 【請求項4】 アーチ状または筒状の断面形状を有し、
その内部をトンネル空間とするトンネル構造体を、トン
ネル断面輪郭線に沿って位置させると共に互いに径方向
に重合させる複数の小径トンネル構造物を前記トンネル
構造体の長さ方向に構築することにより施工し、 前記トンネル構造体を複数方向に分岐させるに際して、 前記トンネル構造体を分岐させる以前の位置において、
前記小径トンネル構造物を構築する以前に、該小径トン
ネル構造物と略同一径で切削可能な構造を有する調整ト
ンネルを、分岐する各トンネルのトンネル構造体が位置
する方向に延在するように、かつ該分岐する各トンネル
のトンネル構造体内に常に位置するように予め構築して
おく一方、 前記トンネル空間内に、前記トンネル構造体を構成する
前記小径トンネル構造物と略同径の小径トンネル構造物
を連設することにより中壁を形成して前記トンネル空間
を複数の空間に分割し、 前記トンネルの分岐開始位置より、前記調整トンネルに
重合させてトンネルの分岐方向へ前記小径トンネル構造
物を構築し、 前記中壁を構成した小径トンネル構造物を、分岐するト
ンネル構造体の一部を成すよう順次トンネル構造体側に
供給していくとともに、 前記中壁を構成していた小径トンネル構造物と、分岐前
の元のトンネルを構成していた小径トンネル構造物とに
より、それぞれ独立したトンネル構造体を有したトンネ
ルを構成することを特徴とするトンネルの分岐方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6005463A JPH07208068A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | トンネルの拡径・縮径・合流・分岐方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6005463A JPH07208068A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | トンネルの拡径・縮径・合流・分岐方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07208068A true JPH07208068A (ja) | 1995-08-08 |
Family
ID=11611932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6005463A Pending JPH07208068A (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | トンネルの拡径・縮径・合流・分岐方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07208068A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015151674A (ja) * | 2014-02-10 | 2015-08-24 | 株式会社大林組 | シールドトンネルの拡幅部形成方法 |
JP2015151675A (ja) * | 2014-02-10 | 2015-08-24 | 株式会社大林組 | 大断面トンネルの構築方法 |
JP2015151672A (ja) * | 2014-02-10 | 2015-08-24 | 株式会社大林組 | シールドトンネルの拡幅部形成方法 |
JP2018009434A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-18 | 鹿島建設株式会社 | 地下構造物の施工方法及び地下構造物 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0462292A (ja) * | 1990-06-29 | 1992-02-27 | Shimizu Corp | トンネルの拡径方法および縮径方法 |
JPH0468199A (ja) * | 1990-07-09 | 1992-03-03 | Shimizu Corp | トンネルの合流方法および分岐方法 |
-
1994
- 1994-01-21 JP JP6005463A patent/JPH07208068A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0462292A (ja) * | 1990-06-29 | 1992-02-27 | Shimizu Corp | トンネルの拡径方法および縮径方法 |
JPH0468199A (ja) * | 1990-07-09 | 1992-03-03 | Shimizu Corp | トンネルの合流方法および分岐方法 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015151674A (ja) * | 2014-02-10 | 2015-08-24 | 株式会社大林組 | シールドトンネルの拡幅部形成方法 |
JP2015151675A (ja) * | 2014-02-10 | 2015-08-24 | 株式会社大林組 | 大断面トンネルの構築方法 |
JP2015151672A (ja) * | 2014-02-10 | 2015-08-24 | 株式会社大林組 | シールドトンネルの拡幅部形成方法 |
JP2018009434A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-18 | 鹿島建設株式会社 | 地下構造物の施工方法及び地下構造物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020212 |