JPH09317397A - 大断面トンネルおよびその構築方法 - Google Patents

大断面トンネルおよびその構築方法

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JPH09317397A
JPH09317397A JP8135554A JP13555496A JPH09317397A JP H09317397 A JPH09317397 A JP H09317397A JP 8135554 A JP8135554 A JP 8135554A JP 13555496 A JP13555496 A JP 13555496A JP H09317397 A JPH09317397 A JP H09317397A
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Yasuhiko Shigeta
安彦 重田
Hiroshi Kazama
広志 風間
Fusao Kawakami
房男 川上
Hiroyuki Kawaguchi
博行 川口
Shinji Seki
伸司 関
Hisashi Takenaka
久 竹中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工を円滑に行って工期の短縮化と低コスト
化を図るとともに、完全な止水効果を有する大断面トン
ネルを構築することのできる大断面トンネルおよびその
構築方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 大断面トンネル10を構成するトンネル
構造体11の幅が漸次拡がるテーパ部Dにおいて、互い
に隣り合う矩形シールドトンネル13,13どうしを漸
次離間させるよう先行構築するとともに、2本一対の円
形シールドトンネル15,16をトンネル構造体11の
厚さ方向に変位させて後行構築することによって、トン
ネル構造体11を構築する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大断面を有した断
面視矩形状のトンネルを構築するに際して用いて好適な
大断面トンネルおよびその構築方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、トンネルの構築には、シ
ールド掘削機で地山を掘削し、その後方においてシール
ド掘削機と略同径のトンネルを構築するシールド工法が
多用されている。しかしながらシールド工法では、大断
面のトンネルを構築しようとすると、当然のことながら
それに用いるシールド掘削機が大型化し、この結果、シ
ールド掘削機の製作、運搬、現場組立等のあらゆる面に
おいて人手およびコストが嵩むものとなってしまう。
【0003】このため、近年では、大断面のトンネルの
形状に沿って小径トンネルを多数構築することによっ
て、これら小径トンネルから大断面のトンネル構造体を
形成する工法が開発されている。
【0004】ところで、特に内部に大空間を有する大断
面トンネルを構築しようとした場合、図10に示すよう
に、断面円形のトンネル構造体1を構築し、その内方に
所定寸法の空間Sを形成していたのでは、空間Sに対し
てトンネル構造体1が大きいために、大断面トンネルT
を構築するに要する用地が広く必要となってコストが嵩
んだり、用地確保ができない場合には所定寸法の空間S
を形成することができないといった問題がある。
【0005】このため、図11に示すように、断面視矩
形の大断面トンネルT’を構築すれば、所定寸法の空間
Sを形成するために必要最小限の用地を確保すればよ
く、コストの低減を図れることから、このような断面視
矩形の大断面トンネルT’の構築工法が各種開発されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の大断面トンネルおよびその構築方法に
は、以下のような問題が存在する。図11に示したよう
な断面視矩形の大断面トンネルT’のトンネル構造体2
を構築するに際しては、トンネル構造体2の四辺を構成
する水平部2a、鉛直部2bを、それぞれセグメントを
断面視ロ字状に組んで構築した後、互いに隣接する水平
部2aと鉛直部2bどうしを、継ぎ目部Aにおいて接続
する必要がある。これには、図12(a)に示すよう
に、トンネル構造体2の水平部2aと鉛直部2bとを別
々に構築した後、まずこれら水平部2aと鉛直部2bと
の間の地盤G1を薬液注入あるいは凍結工法等を用いて
地盤改良する。続いて、図12(b)に示すように、水
平部2aを構築する際にその端部に組み込んでおいた接
続部土留材3を鉛直部2bに向けて押し出す。そして、
接続部土留材3を鉛直部2bに到達させた後、水平部2
aと鉛直部2bのセグメント4を撤去し、鉛直部2b側
に接続用ブラケット5を取り付ける。このようにして水
平部2aと鉛直部2bとを一体に接続した後、図12
(c)に示すように、その内方に鉄筋6等を配し、コン
クリート7を打設することによってトンネル構造体2が
完成する。
【0007】このような工法においては、まず、接続部
土留材3を押し出すようになっているが、水平部2aを
構築するに際しては、その外周にモルタル等の裏込充填
材が注入されているため、接続部土留材3の押し出しは
困難である。また、継ぎ目部Aに止水および強度増加の
ために、薬液注入や凍結工法等で地盤改良するようにな
っているが、言うまでもなくこのような地盤改良には時
間とコストがかかり、しかも完全な止水効果を得ること
は困難である。
【0008】また、トンネル構造体2の幅が増加または
減少等、変化する場所においては、水平部2a、鉛直部
2bの間隔が大きくなるため、継ぎ目部Aの地盤改良し
なければならない区域が大幅に増加し、これによって前
記問題はさらに顕著なものとなる。
【0009】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、施工を円滑に行って工期の短縮化と低コス
ト化を図るとともに、完全な止水効果を有する大断面ト
ンネルを構築することのできる大断面トンネルおよびそ
の構築方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
大断面トンネルが、断面略矩形状に形成されたトンネル
構造体と、その内方に形成されたトンネル空間とからな
る構成とされ、前記トンネル構造体を、断面視矩形状の
矩形シールドトンネルと、前記大断面トンネルの内周面
側と外周面側とにそれぞれ配置された2本一対の断面視
円形の円形シールドトンネルとが、断面周方向において
交互に隣接配置され、かつ互いに隣接する前記矩形シー
ルドトンネルと前記円形シールドトンネルとがその一部
を互いに重合させて一体化された構成としたことを特徴
としている。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1記載の大
断面トンネルにおいて、前記トンネル構造体の断面方向
における辺の長さを、該トンネル構造体の軸線方向に沿
って漸次増加または減少させる部分で、前記円形シール
ドトンネルが前記トンネル構造体の軸線方向に沿って、
該トンネル構造体の厚さ方向に変位するよう構築されて
いることを特徴としている。
【0012】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の大断面トンネルにおいて、互いに隣接する前記矩
形シールドトンネル間に、前記円形シールドトンネルが
前記トンネル構造体の周方向に複数並設されていること
を特徴としている。
【0013】請求項4に係る発明は、予め定めた間隔を
隔てて複数の矩形シールドトンネルを先行構築した後、
互いに隣接する前記矩形シールドトンネル間の、構築す
べき大断面トンネルの外周面側と内周面側とに、それぞ
れ円形シールドトンネルを後行構築することによって、
前記矩形シールドトンネルと、前記大断面トンネルの外
周面側と内周面側とに位置する2本一対の前記円形シー
ルドトンネルとが周方向において交互に隣接配置されて
なるトンネル構造体を構築し、しかる後に、該トンネル
構造体の内方の地山を掘削してここに空間を形成するこ
とによって、前記大断面トンネルを構築する構成とし、
前記トンネル構造体の辺の長さをその軸線方向に沿って
漸次増加または減少させる部分においては、互いに隣り
合う前記矩形シールドトンネルどうしを漸次離間または
接近させるよう構築するとともに、前記2本一対の円形
シールドトンネルを前記トンネル構造体の厚さ方向に変
位させつつ構築することを特徴としている。
【0014】請求項5に係る発明は、請求項4記載の大
断面トンネルの構築方法において、前記円形シールドト
ンネルを構築するに際して、これを前記矩形シールドト
ンネルの内部から発進させることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る大断面トンネ
ルおよびその構築方法の実施の形態の一例を、図1ない
し図9を参照して説明する。
【0016】図1に示すように、構築すべき大断面トン
ネル10は、例えば地下に設けられる高速道路として用
いられるもので、この大断面トンネル10には、本線1
0Aに支線10Bが合流する合流ランプLが設けられて
いる。合流ランプLには、周知のように、支線10Bか
ら走行してきた車が加速するための加速車線部Xが設け
られており、この加速車線部Xの端部に連続して、この
大断面トンネル10の幅が漸次変化するテーパ部Dが形
成されている。
【0017】図2に示すものは大断面トンネル10の例
えば本線10Aを示すもので、この部分は、周囲の地山
からの土圧に抗するための覆工体である断面視日字状の
トンネル構造体11と、該トンネル構造体11の内方に
形成された上下2段の内部空間12A、12Bとから構
成されている。
【0018】このトンネル構造体11は、断面視矩形の
矩形シールドトンネル13が周方向に複数配置されて、
これらが一体化された構成からなっている。そして、こ
のようなトンネル構造体11内には、互いに隣接する矩
形シールドトンネル13,13の継ぎ目部に図示しない
鉄筋が配筋され、さらにその内部に図示しないコンクリ
ートが打設される構成となっている。
【0019】図3に示すように、大断面トンネル10の
テーパ部Dにおいては、互いに隣接する矩形シールドト
ンネル13,13の間隔が漸次拡大され、これらの間の
土留めとして、トンネル構造体11の厚さ、すなわち各
矩形シールドトンネル13の高さ寸法よりも小径の円形
シールドトンネル15,16が構築されている。図4に
示すように、互いに隣接する矩形シールドトンネル1
3,13間に構築する円形シールドトンネル15,16
を、トンネル構造体11の厚さ方向に変位させることに
よって、テーパ部Dにおける矩形シールドトンネル1
3,13の間隔の変化に対応するようになっている。こ
れは、図4(a)ないし(c)に示すように、互いに隣
接する矩形シールドトンネル13,13の間隔が広がる
にしたがって、円形シールドトンネル15,16をトン
ネル構造体11の厚さ方向中心部に向けて変位させてい
くことにより、両側の矩形シールドトンネル13,13
に重合させる部分の円形シールドトンネル15,16の
幅が変化することになるからである。
【0020】次に、このような大断面トンネル10の構
築方法について説明する。図2に示した大断面トンネル
10の本線10A、支線10Bについては、トンネル構
造体11を構成する矩形シールドトンネル13,13,
…を順次構築していく。このとき、先行構築した矩形シ
ールドトンネル13に隣接して他の矩形シールドトンネ
ル13を構築するに際しては、その一部を重合させてト
ンネル構造体11を強固に一体化させるようにする。
【0021】この後、構築したトンネル構造体11内
で、互いに隣接する矩形シールドトンネル13,13の
継ぎ目部J1のセグメント(図示なし)およびこの部分
の裏込充填材(図示なし)を撤去することにより、双方
の矩形シールドトンネル13,13の内部空間を連通さ
せる。このようにしてトンネル構造体11の内部空間を
全周にわたって連通させた後、ここに、鉄筋(図示な
し)の配筋、およびコンクリート(図示なし)の打設を
行う。しかる後には、トンネル構造体11の内方の地山
を掘削し、ここに内部空間12A,12Bを形成するこ
とにより所定形状の大断面トンネル10の本線部10
A,10Bの構築が完了する。
【0022】一方、幅が漸次拡がっていくテーパ部Dに
おいては、トンネル構造体11の施工を以下のようにし
て行う。図5(a)に示すように、まず、トンネル構造
体11を構成する矩形シールドトンネル13,13,…
を順次構築するときに、互いに隣接する矩形シールドト
ンネル13,13の間隔を、掘進方向前方に行くに従い
漸次拡大していく。
【0023】各矩形シールドトンネル13を構築するに
は、図4に示したように、断面視矩形のシールド掘削機
(図示なし)の前面に備えたカッタで地盤中に矩形の孔
17を削孔していき、その後方で鋼製のセグメント1
8,18,…をそれぞれ断面視矩形に組み立てる。そし
て、組み立てたセグメント18,18,…の外周面と孔
17の内周面との間にコンクリートやモルタル、ファイ
バーコンクリート等の裏込充填材19を充填する。
【0024】次いで、図6(a)に示すように、矩形シ
ールドトンネル13,13どうしが隣接している部分に
おいて、その継ぎ目部J1に位置するセグメント18,
18を取り外し、さらにこの部分の裏込充填材19を撤
去する。これにより互いに隣接する矩形シールドトンネ
ル13,13の内部空間が連通した状態となるので、こ
こに円形シールドトンネル15を構築するための断面視
円形のシールド掘削機20を設置する。このとき、シー
ルド掘削機20の本体、発進架台、反力壁などの製作に
必要となる各種材料や、円形シールドトンネル15の構
築に必要なセグメントなどの材料は、全て先行構築した
矩形シールドトンネル13内を通して運搬することがで
きる。
【0025】そして、設置したシールド掘削機20を、
図5(b)に示すような経路Rで掘進させることによっ
て、孔Hを削孔していく。これには、シールド掘削機2
0を、まず発進位置(図5中符号イの位置)から斜め上
方に向けて発進させる。そして、矩形シールドトンネル
13,13が離間し始める位置(図中符号ロの位置)
で、シールド掘削機20の中心軸線位置が矩形シールド
トンネル13,13の上端部と略同一レベルとなるよ
う、シールド掘削機20を徐々に変位させていく。この
とき、図6(b)および(c)に示すように、この区間
(図5中符号イ〜ロの区間)における矩形シールドトン
ネル13,13は、セグメント18等を解体することな
くシールド掘削機20を掘進させるため、セグメント1
8を内側に位置させるとともに、裏込充填材19を厚く
打設した構成としておく。これにより、シールド掘削機
20は、互いに隣接する矩形シールドトンネル13,1
3の裏込充填材19,19の内部を掘進していくことに
なる。また、シールド掘削機20の発進時には、その前
方の全面に裏込充填材19,19が打設されているの
で、通常のシールド掘削機の発進時に必要な、前方の地
山の地盤改良が不要である。
【0026】この後、さらにシールド掘削機20を斜め
上方に向けて掘進させ、その中心軸線位置が、矩形シー
ルドトンネル13,13よりも上方の所定のレベルとな
る(図5中符号ハの位置)まで変位させていく。この区
間(図5中符号ロ〜ハの区間)における矩形シールドト
ンネル13,13は、その側面の裏込充填材19、19
の厚さが、徐々に薄くなるよう形成されている。
【0027】続いて、矩形シールドトンネル13,13
の間隔が所定以上となる(図中符号ニの位置)まで、シ
ールド掘削機20を矩形シールドトンネル13,13の
軸線と平行に掘進させていく。そして、この後は、図4
(a)ないし(c)に示したように、矩形シールドトン
ネル13,13の間隔がさらに拡がるにしたがって、シ
ールド掘削機20を斜め下方に向けて掘進させていき、
このシールド掘削機20で削孔した孔Hが、互いに隣接
する矩形シールドトンネル13,13の双方に重合する
ようにする。
【0028】このようにして図7(a)に示すように、
シールド掘削機20によって互いに隣接する矩形シール
ドトンネル13,13の上端部間に孔Hを掘削しつつ、
その後方においては、この孔H内に、以下のようにして
円形シールドトンネル15を構築していく。まず、図7
(b)に示すように、孔H内に所定形状のセグメント2
1を組み立てた後、セグメント21の外周面と孔Hの内
周面との間に裏込充填材22を充填する。次いで、図7
(c)に示すように、セグメント21内の下部に、上面
23aが両側の矩形シールドトンネル13,13の上側
の内側面と略同レベルに位置し、かつ下面23bがセグ
メント21の内面に沿った形状の型枠23を配置する。
続いて、このセグメント21内に例えばコンクリート等
の中詰め充填材24を打設する。
【0029】このようにして、漸次拡幅するテーパ部D
(図1参照)において、互いに隣接する矩形シールドト
ンネル13,13間に、円形シールドトンネル15を構
築していく。
【0030】この後、図8(a)に示すように、上記円
形シールドトンネル15を先行構築した区間において、
互いに隣接する矩形シールドトンネル13,13の下端
部間に、上記と同様にして円形シールドトンネル16を
構築していく。このときには、円形シールドトンネル1
6の上部に型枠25を配するようにする。
【0031】これら円形シールドトンネル15,16の
構築が完了した後には、まず、互いに隣接する矩形シー
ルドトンネル13,13の継ぎ目部J2において、側面
のセグメント18,18を取り外し、続いてこの部分の
裏込充填材19,19および地山G3を撤去する。この
ときには、上下の円形シールドトンネル15,16が土
留めの役割をなすようになっている。なお、必要に応
じ、矩形シールドトンネル13の上面側,円形シールド
トンネル15等を支持する支保工を用いる。
【0032】次いで、図8(b)に示すように、円形シ
ールドトンネル15の下部、円形シールドトンネル16
の上部において、それぞれ、裏込充填材22と、セグメ
ント21と、型枠23,25とを撤去する。このとき、
取り外す部分のセグメント21に継ぎ目を予め設けてお
き、さらにボルト等を用いず単に突き合わせるだけにし
ておくことにより、セグメント21の取り外しを簡単に
行うことができる。また、型枠23,25は単に取り外
すのみでよい。
【0033】このようにして、図8(c)に示すよう
に、互いに隣接する矩形シールドトンネル13,13の
内部空間を周方向に連通させた後、トンネル構造体11
の内部に鉄筋26を配筋組立し、さらにコンクリート2
7を打設充填することにより、テーパ部Dにおけるトン
ネル構造体11の構築が完了する。
【0034】しかる後には、図3に示したように、トン
ネル構造体11の内方の地山G4を掘削し、ここに内部
空間12A,12Bを形成することにより、テーパ部D
において漸次拡幅する所定形状の大断面トンネル10の
構築が完了する。
【0035】上述した大断面トンネル10およびその構
築方法では、大断面トンネル10を構成するトンネル構
造体11の幅が漸次拡がるテーパ部Dにおいて、互いに
隣り合う矩形シールドトンネル13,13どうしを漸次
離間させるよう先行構築するとともに、2本一対の円形
シールドトンネル15,16をトンネル構造体11の厚
さ方向に変位させて後行構築することによって、トンネ
ル構造体11を構築する構成とした。このようにして、
互いに隣接する矩形シールドトンネル13,13間に円
形シールドトンネル15,16を後行構築することによ
って、これらを矩形シールドトンネル13,13間の土
留めとすることができ、従来のように薬液注入などによ
って地盤改良することなく、完全な止水効果を得ること
ができる。さらに、円形シールドトンネル15,16を
トンネル構造体11の厚さ方向に変位させることによっ
て、テーパ部Dにおけるトンネル構造体11の拡幅にも
対応することができる。したがって、従来地盤改良にか
かっていた費用と工期を低減することができ、また、地
盤改良工法に比較して高い止水効果を得ることができる
ので、大断面トンネル10の施工の安全性を大幅に向上
させることができる。
【0036】なお、上記実施の形態において、互いに隣
接する矩形シールドトンネル13,13間に、上下各1
本の円形シールドトンネル15,16を構築する構成と
したが、図9に示すように、矩形シールドトンネル1
3,13の間隔が大きい場合には、トンネル構造体11
の周方向において、2本(図9(a)参照)、又は3本
(図9(b)参照)、あるいはそれ以上の本数の円形シ
ールドトンネル15,16を構築する。この場合、矩形
シールドトンネル13,13の間隔が漸次拡がるにした
がい、円形シールドトンネル15,16の本数を1本か
ら2本、3本へと増加させていく。例えば、2本目の円
形シールドトンネル15,16を構築するに際しては、
矩形シールとトンネル13,13の間隔が、1本目の円
形シールドトンネル15,16の外径よりも大きくなる
前の位置から、2本目の円形シールドトンネル15,1
6用のシールド掘削機(図示なし)を発進させるように
する。3本目以降についても同様である。
【0037】また、上記実施の形態において、本発明に
係る大断面トンネルおよびその構築方法を、大断面トン
ネル10の幅が拡がるテーパ部Dに適用する構成とした
が、もちろん、幅が減少する場合や、幅が変化しない部
分においても適用することができる。さらには、大断面
トンネル10の幅ではなく、高さが増加又は減少する場
合にも同様にして適用することができる。さらに、大断
面トンネル10の本線部10Aや支線部10Bについて
は、その施工方法を上記に限定するものではなく、施工
を低コスト、短工期で、かつ安全に行うことのできる方
法を用いればよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る大
断面トンネルによれば、大断面を有したトンネルのトン
ネル構造体を、矩形シールドトンネルと、トンネル構造
体の内周面側と外周面側とに位置する2本一対の円形シ
ールドトンネルとを、断面周方向において交互に隣接配
置し、かつ互いに隣接する矩形シールドトンネルと円形
シールドトンネルとを、その一部を互いに重合させて一
体化した構成となっている。これにより、トンネル構造
体の内周面側と外周面側とに位置する2本一対の円形シ
ールドトンネルを、互いに隣接する矩形シールドトンネ
ル間の土留めとすることができるので、従来のように互
いに隣接する矩形シールドトンネル間の地山を薬液注入
などによって地盤改良することなく、完全な止水効果を
得ることができる。したがって、従来地盤改良にかかっ
ていた費用と工期を低減することができ、また、地盤改
良工法に比較して、完全な止水効果を得ることができる
ので、大断面トンネルの施工の安全性を向上させること
ができる。
【0039】請求項2に係る大断面トンネルによれば、
トンネル構造体の断面方向における辺の長さを、該トン
ネル構造体の軸線方向に沿って漸次増加または減少させ
る部分で、円形シールドトンネルを、トンネル構造体の
厚さ方向に変位させる構成となっている。これにより、
トンネル構造体の幅や高さ等が増加または減少する部分
において、互いに隣接する矩形シールドトンネルの間隔
の増減に対応することができ、この部分においても請求
項1に係る効果を奏することができる。
【0040】請求項3に係る大断面トンネルによれば、
互いに隣接する矩形シールドトンネル間に、円形シール
ドトンネルを複数並設した構成となっている。これによ
り、互いに隣接する矩形シールドトンネルの間隔が、円
形シールドトンネルの外径よりも大きい場合にも対応す
ることができる。
【0041】請求項4に係る大断面トンネルの構築方法
によれば、予め定めた間隔を隔てて複数の矩形シールド
トンネルを先行構築した後、互いに隣接する前記矩形シ
ールドトンネル間に、構築すべき大断面トンネルの外周
面側と内周面側とにそれぞれ円形シールドトンネルを後
行構築することによってトンネル構造体を構築し、しか
る後に、トンネル構造体の内方の地山を掘削してここに
空間を形成して大断面トンネルを構築する構成となって
いる。そして、前記トンネル構造体の辺の長さをその軸
線方向に沿って漸次増加または減少させる部分において
は、互いに隣り合う矩形シールドトンネルどうしを漸次
離間または接近させるよう構築するとともに、2本一対
の円形シールドトンネルをトンネル構造体の厚さ方向に
変位させて構築する構成となっている。このようにし
て、先行構築した矩形シールドトンネル間の、大断面ト
ンネルの外周面側と内周面側とに、2本一対の円形シー
ルドトンネルを後行構築することによって、これらを互
いに隣接する矩形シールドトンネル間の土留めとするこ
とができる。これにより、従来のように互いに隣接する
矩形シールドトンネル間の地山を薬液注入などによって
地盤改良することなく、完全な止水効果を得ることがで
きる。したがって、地盤改良にかかる費用と工期を低減
することができ、また、地盤改良工法に比較して非常に
高い止水効果を有しているので、大断面トンネルの施工
の安全性を向上させることができる。
【0042】請求項5に係る大断面トンネルの構築方法
によれば、円形シールドトンネルを構築するに際して、
これを矩形シールドトンネルの内部から発進させる構成
となっている。これにより、円形シールドトンネルを構
築するためのシールド掘削機の組立や、これに必要な各
種材料や円形シールドトンネルの構築に必要なセグメン
トなどの材料の運搬を、全て先行構築した矩形シールド
トンネル内で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る大断面トンネルおよびその施工方
法を適用する大断面トンネルの一例を示す平断面図であ
る。
【図2】前記大断面トンネルの一部を示す立断面図であ
る。
【図3】同大断面トンネルの拡幅部分を示す立断面図で
ある。
【図4】前記拡幅部分におけるトンネル構造体の一部を
示す立断面図である。
【図5】同拡幅部分におけるトンネル構造体の一部を示
す平断面図および側断面図である。
【図6】図5の符号イ、ロ、ハの各位置における前記ト
ンネル構造体の立断面図である。
【図7】前記トンネル構造体の構築方法を示す工程図で
ある。
【図8】同トンネル構造体の構築方法を示す図であっ
て、図7に続く状態を示す工程図である。
【図9】本発明に係る大断面トンネルおよびその構築方
法の他の一例を示す立断面図である。
【図10】従来の大断面トンネルの一例を示す立断面図
である。
【図11】従来の断面視矩形の大断面トンネルの一例を
示す立断面図である。
【図12】図11に示した大断面トンネルの構築方法を
示す工程図である。
【符号の説明】
10 大断面トンネル 11 トンネル構造体 13 矩形シールドトンネル 15,16 円形シールドトンネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 博行 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 関 伸司 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 竹中 久 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大断面トンネルが、断面略矩形状に形成
    されたトンネル構造体と、その内方に形成されたトンネ
    ル空間とからなる構成とされ、 前記トンネル構造体を、断面視矩形状の矩形シールドト
    ンネルと、前記大断面トンネルの内周面側と外周面側と
    にそれぞれ配置された2本一対の断面視円形の円形シー
    ルドトンネルとが、断面周方向において交互に隣接配置
    され、かつ互いに隣接する前記矩形シールドトンネルと
    前記円形シールドトンネルとがその一部を互いに重合さ
    せて一体化された構成としたことを特徴とする大断面ト
    ンネル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の大断面トンネルにおい
    て、前記トンネル構造体の断面方向における辺の長さ
    を、該トンネル構造体の軸線方向に沿って漸次増加また
    は減少させる部分で、前記円形シールドトンネルが前記
    トンネル構造体の軸線方向に沿って、該トンネル構造体
    の厚さ方向に変位するよう構築されていることを特徴と
    する大断面トンネル。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の大断面トンネル
    において、互いに隣接する前記矩形シールドトンネル間
    に、前記円形シールドトンネルが前記トンネル構造体の
    周方向に複数並設されていることを特徴とする大断面ト
    ンネル。
  4. 【請求項4】 予め定めた間隔を隔てて複数の矩形シー
    ルドトンネルを先行構築した後、互いに隣接する前記矩
    形シールドトンネル間の、構築すべき大断面トンネルの
    外周面側と内周面側とに、それぞれ円形シールドトンネ
    ルを後行構築することによって、前記矩形シールドトン
    ネルと、前記大断面トンネルの外周面側と内周面側とに
    位置する2本一対の前記円形シールドトンネルとが周方
    向において交互に隣接配置されてなるトンネル構造体を
    構築し、しかる後に、該トンネル構造体の内方の地山を
    掘削してここに空間を形成することによって、前記大断
    面トンネルを構築する構成とし、 前記トンネル構造体の辺の長さをその軸線方向に沿って
    漸次増加または減少させる部分においては、互いに隣り
    合う前記矩形シールドトンネルどうしを漸次離間または
    接近させるよう構築するとともに、前記2本一対の円形
    シールドトンネルを前記トンネル構造体の厚さ方向に変
    位させつつ構築することを特徴とする大断面トンネルの
    構築方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の大断面トンネルの構築方
    法において、前記円形シールドトンネルを構築するに際
    して、これを前記矩形シールドトンネルの内部から発進
    させることを特徴とする大断面トンネルの構築方法。
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