JP3584416B2 - トンネルおよびその構築方法 - Google Patents

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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、並行する2本以上のシールドトンネルからなるトンネルに用いて好適なトンネルおよびその構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、トンネルの構築には、シールド掘削機で地山を掘削し、その後方においてシールド掘削機と略同径のシールドトンネルを構築するシールド工法が多用されている。
【0003】
ところで、例えば地下水路、電気・電話の配線用洞道、地下鉄等の用途において、複数本のシールドトンネルが並行した構成のものがある。
【0004】
このようなトンネルで、例えば地下水路の拡幅・縮幅、分岐・合流部分や、配線用洞道の分岐・接続部分においては、地上から立坑を構築して、この立坑内でシールドトンネルの拡幅・縮幅、分岐・合流部分の施工を行っていた。
【0005】
また、地下鉄用のシールドトンネルにおいては、駅舎を設置する部分等で、互いに隣り合うシールドトンネルの間隔を拡幅し、そこに空洞を形成する。ところが、地上に既に構造物があり、地上からは作業を行うことができないことがある。このような場合には、互いに隣り合うシールドトンネル間を薬液注入等によって地盤改良した後、その上方に土留工を施工しながら2本のシールドトンネル間の地山を掘削することによって空洞を形成する工法等が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のトンネルおよびその構築方法には、以下のような問題が存在する。
まず、立坑を設置する工法では、この立坑の構築にコストと時間がかかるという問題がある。しかも、地上に立坑を構築するための用地が確保できない場合には、施工そのものが不可能となってしまう。
一方、互いに隣り合うシールドトンネル間を地盤改良する工法では、地盤改良に莫大なコストと時間がかかるうえ、しかも完全な止水効果を得ることは困難である。
【0007】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、工期の短縮化と低コスト化を図るとともに、完全な止水効果を有するトンネルを構築することのできるトンネルおよびその構築方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、2本以上のシールドトンネルが並設されてなるトンネルであって、互いに隣り合う2本のシールドトンネル間に、これらを結ぶ方向に対して一方の側と他方の側とにそれぞれ前記シールドトンネルよりも径の小さい小径シールドトンネルが構築され、かつ互いに隣り合う前記シールドトンネルと前記2本一組の小径シールドトンネルとがその一部を互いに重合させて一体化されてなり、前記2本のシールドトンネルの内部と、これら2本のシールドトンネル間で前記小径シールドトンネルによって囲まれた部分とがトンネルの内部空間とされ、前記2本のシールドトンネルの断面方向における間隔をその軸線方向に沿って漸次増加または減少させる部分で、前記各小径シールドトンネルが、これら2本のシールドトンネルどうしを結ぶ方向と直交する方向に漸次変位するよう構築されていることを特徴としている。
【0010】
請求項に係る発明は、請求項1記載のトンネルにおいて、互いに隣り合う前記シールドトンネル間に、前記小径シールドトンネルが複数組並設されていることを特徴としている。
【0011】
請求項に係る発明は、予め定めた間隔を隔てて2本以上のシールドトンネルを先行構築した後、互いに隣り合うシールドトンネル間の一方の側と他方の側とに、それぞれ前記シールドトンネルよりも径の小さな小径シールドトンネルを後行構築した後、これらシールドトンネル間で2本一組の前記小径シールドトンネルによって囲まれる部分の地山を掘削してここに内部空間を形成することによってトンネルを構築する構成とし、前記シールドトンネルどうしの間隔をその軸線方向に沿って漸次増加または減少させる部分では、互いに隣り合う前記シールドトンネルどうしを漸次離間または接近させるよう構築するとともに、2本一組の前記小径シールドトンネルを、前記シールドトンネルどうしを結ぶ方向と直交する方向に変位させつつ構築することを特徴としている。
【0012】
請求項に係る発明は、請求項記載のトンネルの構築方法において、前記小径シールドトンネルを構築するに際して、これを前記シールドトンネルの内部から発進させることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るトンネルおよびその構築方法の実施の形態の一例を、図1ないし図7を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、例えば地下水路用、電気・電話配線用、あるいは地下鉄用等として用いられるトンネル10は、2本の断面視矩形の矩形シールドトンネル(シールドトンネル)11,12が互いに平行に構築され、これら矩形シールドトンネル11,12間に、円形シールドトンネル(小径シールドトンネル)13,14が、その一部を矩形シールドトンネル11,12に重合させて構築された構成となっている。
【0015】
円形シールドトンネル13,14は、その外径が各矩形シールドトンネル11,12の高さ寸法よりも小さくなるよう設定されている。
そして、これら円形シールドトンネル13,14は、矩形シールドトンネル11,12間の土留めとしての機能を果たし、これら矩形シールドトンネル11,12の内部S1およびこれら矩形シールドトンネル11,12間の円形シールドトンネル13,14で囲まれた部分S2が、トンネル10の内部空間Sとされている。
【0016】
図2に示すように、このようなトンネル10には、その全体の幅が漸次変化するテーパ部Dが設けられている。
テーパ部Dにおいては、互いに隣り合う矩形シールドトンネル11,12の間隔が漸次拡大され、これらの間の円形シールドトンネル13,14が、矩形シールドトンネル11,12の高さ方向に漸次変位する構成となっている。これにより、両側の矩形シールドトンネル11,12に重合させる部分の円形シールドトンネル13,14の幅が変化することになる。
【0017】
次に、このようなトンネル10の構築方法について説明する。
[平行部分の施工]
図3(a)に示すように、トンネル10で、2本の矩形シールドトンネル11,12が互いに平行に延在している区間では、まず、矩形シールドトンネル11,12を先行構築する。
矩形シールドトンネル11,12を構築するには、断面視矩形のシールド掘削機(図示なし)の前面に備えたカッタで地盤中に矩形の孔17を削孔していき、その後方で鋼製のセグメント18,18,…をそれぞれ断面視矩形に組み立てる。そして、組み立てたセグメント18,18,…の外周面と孔17の内周面との間にコンクリートやモルタル、ファイバーコンクリート等の裏込充填材19を充填する。
【0018】
続いて、図3(b)に示すように、断面視円形のシールド掘削機(図示なし)で、矩形シールドトンネル11,12の上端部間に、円形シールドトンネル13を後行構築する。
これには、矩形シールドトンネル11,12の上端部間に孔Hを掘削しつつ、その後方において、この孔H内に、所定形状のセグメント21を組み立てた後、セグメント21の外周面と孔Hの内周面との間に裏込充填材22を充填する。
このときに、これら円形シールドトンネル13は、先行構築した矩形シールドトンネル11,12を構成する裏込充填材19の一部を削るようにして構築し、これによって円形シールドトンネル13を円形シールドトンネル11,12の一部に重合させるようにする。
【0019】
そして、図3(c)に示すように、セグメント21内の下部に、上面が両側の矩形シールドトンネル11,12の上側の内側面と略同レベルに位置し、かつ下面がセグメント21の内面に沿った形状の型枠23を配置する。続いて、このセグメント21内に例えばコンクリート等の中詰め充填材24を打設する。
【0020】
次いで、矩形シールドトンネル11,12の下端部間に、円形シールドトンネル14を上記円形シールドトンネル13と同様にして構築する。このとき、円形シールドトンネル14においては、セグメント21内の上部に、下面が両側の矩形シールドトンネル11,12の上側の内側面と略同レベルに位置し、かつ上面がセグメント21の内面に沿った形状の型枠25を配置し、さらにここに中詰め充填材24を打設する。
【0021】
この後、図3(d)に示すように、円形シールドトンネル13,14によって挟まれた部分において、矩形シールドトンネル11,12のセグメント18,18を取り外し、さらにこの部分の裏込充填材19および地山G1を撤去する。このときには、上下の円形シールドトンネル13,14が土留めの役割をなすようになっている。
【0022】
なお、必要に応じ、矩形シールドトンネル11,12の上面側,円形シールドトンネル13,14等を支持する支保工を用いる。例えば、図1に示したように、矩形シールドトンネル11,12の上面側,下面側に、その軸線方向に連続する支保梁26a,26aを配し、これらの間に支保柱26bを介装させる。
【0023】
次いで、図3(d)に示したように、円形シールドトンネル13の下部、円形シールドトンネル14の上部において、それぞれ、裏込充填材22と、セグメント21と、型枠23,25とを撤去する。このとき、取り外す部分のセグメント21に継ぎ目を予め設けておき、さらにボルト等を用いず単に突き合わせるだけにしておくことにより、セグメント21の取り外しを簡単に行うことができる。また、型枠23,25は単に取り外すのみでよい。
これにより、図1に示したように、互いに隣り合う矩形シールドトンネル11,12の内部S1、およびこれら矩形シールドトンネル11,12間でかつ円形シールドトンネル13,14によって囲まれた部分S2が連通した状態となり、トンネル10の内部空間Sが形成される。
【0024】
この後、矩形シールドトンネル11,12と、その上下の円形シールドトンネル13,14との接合部に、例えばアンカーボルト28、鉄筋(図示なし)を配し、これらをコンクリート29で一体化する。このようにして矩形シールドトンネル11,12と円形シールドトンネル13,14を一体化することにより、トンネル10を構造的に強化することができる。
【0025】
[テーパ部の施工]
一方、幅が漸次拡がっていくテーパ部Dにおいては、その施工を以下のようにして行う。
図2(a)ないし(c)に示したように、まず、互いに隣り合う矩形シールドトンネル11,12,…を順次構築するときに、その間隔を、掘進方向前方に行くに従い漸次拡大していく。
【0026】
次いで、矩形シールドトンネル11,12間に円形シールドトンネル13を構築するため、円形のシールド掘削機(図示なし)で孔Hを削孔する。このとき、矩形シールドトンネル11,12の間隔が拡がるにしたがって、円形のシールド掘削機(図示なし)を斜め下方に向けて掘進させる。
【0027】
このようにして矩形シールドトンネル11,12の上端部間に孔Hを掘削しつつ、その後方においては、この孔H内に、前記と同様にして円形シールドトンネル13を構築していく。
【0028】
この後、矩形シールドトンネル11,12の下端部間に、円形シールドトンネル14を上記円形シールドトンネル13と同様にして構築する。
【0029】
これら円形シールドトンネル13,14の構築が完了した後には、側面のセグメント18,18、裏込充填材19,19および地山G1を撤去した後、円形シールドトンネル13,14の裏込充填材22と、セグメント21と、型枠23,25とを撤去した後、さらにアンカーボルト28,コンクリート29を打設することにより、テーパ部Dにおけるトンネル10の構築が完了する。
【0030】
[円形シールドトンネルの掘進開始時]
なお、図4に示すように、上記トンネル10において、矩形シールドトンネル11,12間の円形シールドトンネル13,14が、その途中から設けられている場合、円形シールドトンネル13,14の掘進開始時には、その施工を以下のようにして行う。
まず、図5(a)に示すように、これら円形シールドトンネル13(図4参照)を構築するための断面視円形のシールド掘削機27を、矩形シールドトンネル11,12の内部に設置する。このとき、シールド掘削機27の本体、発進架台、反力壁などの製作に必要となる各種材料や、円形シールドトンネル13(図4参照)の構築に必要なセグメントなどの材料は、全て先行構築した矩形シールドトンネル11,12内を通して運搬することができる。
【0031】
そして、設置したシールド掘削機27を、まず発進位置(図4中符号イの位置)から斜め上方に向けて発進させる。そして、矩形シールドトンネル11,12が離間し始める位置(図4中符号ロの位置)で、シールド掘削機27の中心軸線位置が矩形シールドトンネル11,12の上端部と略同一レベルとなるよう、シールド掘削機27を徐々に変位させていく。
このとき、図5(b)および(c)に示すように、この区間(図4中符号イ〜ロの区間)における矩形シールドトンネル11,12は、セグメント18等を解体することなくシールド掘削機27を掘進させるため、セグメント18を内側に位置させるとともに、裏込充填材19を厚く打設した構成としておく。これにより、シールド掘削機27は、互いに隣り合う矩形シールドトンネル11,12の裏込充填材19,19の内部を掘進していくことになる。また、シールド掘削機27の発進時には、その前方の全面に裏込充填材19,19が打設されているので、通常のシールド掘削機の発進時に必要な、前方の地山の地盤改良が不要である。
【0032】
この後、さらにシールド掘削機27を斜め上方に向けて掘進させ、その中心軸線位置が、矩形シールドトンネル11,12よりも上方の所定のレベルとなる(図4中符号ハの位置)まで変位させていく。この区間(図4中符号ロ〜ハの区間)における矩形シールドトンネル11,12は、その側面の裏込充填材19、19の厚さが、徐々に薄くなるよう形成されている。
【0033】
続いて、矩形シールドトンネル11,12の間隔が所定以上となる(図中符号ニの位置)まで、シールド掘削機27を矩形シールドトンネル11,12の軸線と平行に掘進させていく。
そして、この後は、前述のテーパ部Dの施工方法でも説明したように、図2(a)ないし(c)に示したように、矩形シールドトンネル11,12の間隔がさらに拡がるにしたがって、シールド掘削機27を斜め下方に向けて掘進させていけばよい。
【0034】
上述したトンネル10およびその構築方法では、互いに隣り合う2本の矩形シールドトンネル11,12の上端部間と下端部間とに、円形シールドトンネル13,14を構築し、かつ互いに隣り合う矩形シールドトンネル11,12と2本一組の円形シールドトンネル13,14とをその一部を互いに重合させて一体化し、矩形シールドトンネル11,12の内部S1と、円形シールドトンネル13,14によって囲まれた部分S2とをトンネル10の内部空間Sとした構成となっている。また、トンネル10の幅が漸次拡がるテーパ部Dにおいて、互いに隣り合う矩形シールドトンネル11,12どうしを漸次離間させるよう先行構築するとともに、2本一組の円形シールドトンネル13,14をトンネル構造体11の厚さ方向に変位させて後行構築する構成とした。
これにより、間隔を隔てた2本の矩形シールドトンネル11,12を一体化したトンネル10を構成することができる。しかも、その施工に際しては、互いに隣り合う矩形シールドトンネル11,12間に円形シールドトンネル13,14を後行構築することによって、これらを矩形シールドトンネル11,12間の土留めとすることができ、従来のように薬液注入などによって地盤改良することなく、完全な止水効果を得ることができる。さらに、円形シールドトンネル13,14をトンネル構造体11の厚さ方向に変位させることによって、テーパ部Dにおけるトンネル構造体11の拡幅にも対応することができる。このようにして、従来のように、立坑を構築したり、地盤改良を行うことなく、トンネル10の拡幅等にも対応することができる。
このようにして、従来立坑の構築や地盤改良にかかっていた費用と工期を低減することが可能となる。また、地盤改良工法に比較して高い止水効果を得ることができるので、トンネル10の施工の安全性を大幅に向上させることができる。加えて、円形シールドトンネル13,14を掘削するシールド掘削機27は小型のものですむため、コストを抑えることができ、しかもこのシールド掘削機27は転用することも可能である。
【0035】
また、矩形シールドトンネル11,12と、円形シールドトンネル13,14とをアンカーボルト28,コンクリート29等で一体化する構成としたので、トンネル10を構造的に強化することができる。
【0036】
なお、上記実施の形態において、互いに隣り合う矩形シールドトンネル11,12間に、上下各1本の円形シールドトンネル13,14を構築する構成としたが、図6に示すように、矩形シールドトンネル11,12の間隔が大きい場合には、トンネル構造体11の周方向において、2本(図6(a)参照)、又は3本(図6(b)参照)、あるいはそれ以上の本数の円形シールドトンネル13,14を構築する。これにより、内部空間S’、S”を、例えば地下鉄の駅舎等を構築するための大空間とすることができる。
この場合、矩形シールドトンネル11,12の間隔が漸次拡がるにしたがい、円形シールドトンネル13,14の本数を1本から2本、3本へと増加させていく。例えば、2本目の円形シールドトンネル13,14を構築するに際しては、矩形シールドトンネル11,12の間隔が、1本目の円形シールドトンネル13,14の外径よりも大きくなる前の位置から、2本目の円形シールドトンネル13,14用のシールド掘削機(図示なし)を発進させるようにする。3本目以降についても同様である。
【0037】
また、2本の矩形シールドトンネル11,12間に、円形シールドトンネル13,14を設ける構成としたが、矩形シールドトンネルが3本以上の場合であっても、本発明に係るトンネルおよびその構築方法を適用することが可能であり、この場合には、互いに隣り合う2本の矩形シールドトンネル間に上記と同様に円形シールドトンネル13,14を構築すればよい。
【0038】
さらに、上記実施の形態において、互いに隣り合うシールドトンネルとして、断面視矩形の矩形シールドトンネル11,12を採用したが、図7に示すように、断面視円形のシールドトンネル30,31においても、全く同様の構成を適用することができる。
【0039】
加えて、上記実施の形態において、本発明に係るトンネルおよびその構築方法を、トンネル10の幅が変化しない部分および幅が拡がるテーパ部Dに適用する構成としたが、もちろん、幅が減少する場合においても適用することができる。さらには、トンネル10の幅ではなく、高さが増加又は減少する場合にも同様にして適用することができる。
【0040】
また、矩形シールドトンネル11,12と、円形シールドトンネル13,14とを、アンカーボルト28,コンクリート29で一体化する構成としたが、これらアンカーボルト28,コンクリート29に替えて、他の部材を用いても良い。例えば鉄板の両端部を矩形シールドトンネル11,12に固定し、これら鉄板と、矩形シールドトンネル11,12の上面,下面および円形シールドトンネル13,14の上面,下面との間に、コンクリートを間詰めする構成とするなどしても良い。また、言うまでもなく、セグメント18が金属製の場合には、鉄板などの固定には、ボルト留めだけでなく溶接も用いることができる。さらには、これらアンカーボルト28、コンクリート29を廃した構成としても良い。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係るトンネルによれば、2本以上のシールドトンネルが並設されてなるトンネルであって、互いに隣り合う2本のシールドトンネル間の一方の側と他方の側とにそれぞれ小径シールドトンネルを構築し、かつ互いに隣り合うシールドトンネルと2本一組の小径シールドトンネルとをその一部を互いに重合させて一体化し、2本のシールドトンネルの内部と、これら2本のシールドトンネル間で小径シールドトンネルによって囲まれた部分とをトンネルの内部空間とした構成となっている。これにより、互いに隣接して間隔を隔てた2本のシールドトンネルを一体化したトンネルを構成することができる。しかも、その施工に際しては、2本一組の小径シールドトンネルを、互いに隣り合うシールドトンネル間の土留めとすることができるので、従来のように互いに隣り合うシールドトンネル間の地山を薬液注入などによって地盤改良することなく、完全な止水効果を得ることができる。したがって、従来地盤改良にかかっていた費用と工期を低減することができ、また、地盤改良工法に比較して、トンネルの施工の安全性を向上させることができる。
加えて、小径シールドトンネルを掘削するためのシールド掘削機は小型のものですむため、コストを抑えることができる。
【0042】
さらに、請求項に係るトンネルによれば、2本のシールドトンネルの断面方向における間隔をその軸線方向に沿って漸次増加または減少させる部分で、各小径シールドトンネルを、これら2本のシールドトンネルどうしを結ぶ方向と直交する方向に漸次変位させて構築した構成となっている。これにより、トンネル構造体の幅や高さ等が増加または減少する部分において、互いに隣り合うシールドトンネルの間隔の増減に対応することができ、この部分においても上記効果を奏することができる。
【0043】
請求項に係るトンネルによれば、互いに隣り合うシールドトンネル間に、小径シールドトンネルを複数組並設した構成となっている。これにより、互いに隣り合うシールドトンネルの間隔が、小径シールドトンネルの外径よりも大きい場合にも対応することができる。
【0044】
請求項に係るトンネルの構築方法によれば、予め定めた間隔を隔てて2本以上のシールドトンネルを先行構築した後、互いに隣り合うシールドトンネル間の一方の側と他方の側とにそれぞれ小径シールドトンネルを後行構築した後、2本一組の小径シールドトンネルによって囲まれる部分の地山を掘削してここに空間を形成することによってトンネルを構築する構成とし、シールドトンネルどうしの間隔を漸次増加または減少させる部分では、2本一組の小径シールドトンネルを、シールドトンネルどうしを結ぶ方向と直交する方向に変位させつつ構築する構成となっている。このようにして、先行構築したシールドトンネル間の両側に、2本一組の小径シールドトンネルを後行構築することによって、これらを互いに隣り合うシールドトンネル間の土留めとすることができる。これにより、従来のように互いに隣り合うシールドトンネル間の地山を薬液注入などによって地盤改良することなく、完全な止水効果を得ることができる。したがって、地盤改良にかかる費用と工期を低減することができ、また、地盤改良工法に比較して非常に高い止水効果を有しているので、トンネルの施工の安全性を向上させることができる。
【0045】
請求項に係るトンネルの構築方法によれば、小径シールドトンネルを構築するに際して、これをシールドトンネルの内部から発進させる構成となっている。これにより、小径シールドトンネルを構築するためのシールド掘削機の組立や、これに必要な各種材料や小径シールドトンネルの構築に必要なセグメントなどの材料の運搬を、全て先行構築したシールドトンネル内で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトンネルおよびその施工方法を適用するトンネルの一例を示す立断面図である。
【図2】同トンネルのテーパ部分を示す立断面図である。
【図3】前記トンネル構造体の構築方法を示す工程図である。
【図4】前記拡幅部分におけるトンネル構造体の一部を示す平断面図および側断面図である。
【図5】図4の符号イ、ロ、ハの各位置における前記トンネル構造体の立断面図である。
【図6】本発明に係るトンネルおよびその構築方法の他の一例を示す立断面図である。
【図7】本発明に係るトンネルおよびその構築方法のさらに他の一例を示す立断面図である。
【符号の説明】
10 トンネル
11,12 矩形シールドトンネル(シールドトンネル)
13,14 円形シールドトンネル(小径シールドトンネル)
30,31 シールドトンネル
S 内部空間

Claims (4)

  1. 2本以上のシールドトンネルが並設されてなるトンネルであって、互いに隣り合う2本のシールドトンネル間に、これらを結ぶ方向に対して一方の側と他方の側とにそれぞれ前記シールドトンネルよりも径の小さい小径シールドトンネルが構築され、かつ互いに隣り合う前記シールドトンネルと前記2本一組の小径シールドトンネルとがその一部を互いに重合させて一体化されてなり、前記2本のシールドトンネルの内部と、これら2本のシールドトンネル間で前記小径シールドトンネルによって囲まれた部分とがトンネルの内部空間とされ
    前記2本のシールドトンネルの断面方向における間隔をその軸線方向に沿って漸次増加または減少させる部分で、前記各小径シールドトンネルが、これら2本のシールドトンネルどうしを結ぶ方向と直交する方向に漸次変位するよう構築されていることを特徴とするトンネル。
  2. 請求項1記載のトンネルにおいて、互いに隣り合う前記シールドトンネル間に、前記小径シールドトンネルが複数組並設されていることを特徴とするトンネル。
  3. 予め定めた間隔を隔てて2本以上のシールドトンネルを先行構築した後、互いに隣り合うシールドトンネル間の一方の側と他方の側とに、それぞれ前記シールドトンネルよりも径の小さな小径シールドトンネルを後行構築した後、これらシールドトンネル間で2本一組の前記小径シールドトンネルによって囲まれる部分の地山を掘削してここに内部空間を形成することによってトンネルを構築する構成とし、
    前記シールドトンネルどうしの間隔をその軸線方向に沿って漸次増加または減少させる部分では、互いに隣り合う前記シールドトンネルどうしを漸次離間または接近させるよう構築するとともに、2本一組の前記小径シールドトンネルを、前記シールドトンネルどうしを結ぶ方向と直交する方向に変位させつつ構築することを特徴とするトンネルの構築方法。
  4. 請求項記載のトンネルの構築方法において、前記小径シールドトンネルを構築するに際して、これを前記シールドトンネルの内部から発進させることを特徴とするトンネルの構築方法。
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