JP3764178B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその処理方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法に関するもので、特に迅速処理での色バランスが改良されたハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀カラー写真感光材料の発色現像に用いる発色現像主薬としては、従来よりN,N−ジアルキルパラフェニレンジアミン系化合物が数多く知られており、例えばN−ヒドロキシアルキル系に関し米国特許第2,108,243号、英国特許第807,899号、欧州特許第410,450A2号等が、N−スルホンアミドアルキル系に関し米国特許第2,193,015号、同2,552,240号、同2,566,271号等が提案されている。一方処理の迅速化や現像処理廃液の環境に対する影響を低減する目的で、カラー発色現像に用いられるN,N−ジアルキルパラフェニレンジアミン系発色現像主薬を感材に内蔵することが、米国特許第4,157,915号、同5,210,007号および欧州特許第547,621A1号等に記載されている。しかし迅速処理および環境保護をめざした処理液補充量の低減において、色バランスの悪化を伴い改良が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みて行われたもので、その目的は迅速処理に適したハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。また迅速処理において色バランスに優れた感光材料およびその処理方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、請求項1ないし5に記載されたハロゲン化銀感光材料およびその処理方法によって達成された。すなわち、(1) 支持体上に少なくとも3層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、かつ最下層の感光性ハロゲン化銀乳剤層に、下記化1に示される一般式(D)で表される化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0005】
【化2】
【0006】
式中、R1 ,R2 はそれぞれアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。R3 ないしR6 はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子でベンゼン環に結合する置換基を表す。R1 とR2 、R1 とR3 、R3 とR4 、R2 とR5 、またはR5 とR6 は結合して環を形成してもよい。R7 は水素原子または単なる結合を表す。Tはタイミング基を表し、mは0ないし3の整数を表し、Sは現像処理時除去される保護基を表す。
(2) (1) において一般式(D)が不溶性の微細な固体の分散物であることを特徴とする(1) に記載の感光材料。
(3) (1) においてハロゲン化銀乳剤のヨード含率が少なくとも3.0〜15モル%であることを特徴とする(1) に記載の感光材料。
(4) (1) の感光材料をパラフェニレンジアミン系カラー発色現像主薬を含有する発色現像液で処理することを特徴とする(1) に記載の感光材料を処理する方法。
(5) (4) の処理方法において発色現像の処理時間が30〜90秒であることを特徴とする(3) に記載の感光材料を処理する方法。
【0007】
次に一般式(D)を詳細に説明する。本発明において、「少なくとも3層の感光性ハロゲン化銀乳剤層」とは、より具体的には感色性の異なった少なくとも3層ということである。例えば、青感性、緑感性、赤感性などである。本発明においては、一般式(D)で示される化合物を最下層の感光性乳剤層および/または該乳剤層と支持体との間の非感光性層に用いるものであるが、例えば同一感色性であるが感度が異なった乳剤層がある場合には、そのうちより支持体に近い乳剤層に用いることが好ましい。R1 及びR2 は、同一でも異なっていてもよく各々アルキル基、アリール基およびヘテロ環基を表す。これらは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリル基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基で置換されていてもよい。更にこれらの基はこれらの基で置換されていてもよい。
【0008】
更に詳しくはR1 及びR2 の例を示す。アルキル基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、ベンジル、2−メタンスルホンアミドエチル、3−メタンスルホンアミドプロピル、2−メタンスルホニルエチル、2−メトキシエチル、シクロペンチル、2−アセトアミドエチル、2−カルボキシルエチル、2−カルバモイルエチル、3−カルバモイルプロピル、ヘキシル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、2−カルバモイルアミノエチル、3−カルバモイルアミノプロピル、4−カルバモイルアミノブチル、4−カルバモイルブチル、2−カルバモイル−1−メチルエチル、4−ニトロブチルである。
【0009】
アリール基としては炭素数6〜24、好ましくは炭素数6〜12のアリール基で例えば、フェニル、ナフチル、p−メトキシフェニルである。ヘテロ環基としては炭素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1〜4個含む5員または6員環の飽和または不飽和のヘテロ環であって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であっても良く、例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾトリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルである。
【0010】
R1 とR2 は互いに結合して環を形成していても良い。形成される環としては特に制限はないが、中でも炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子よりなる群より選ばれた元素により構成される5員、6員、7員の飽和環であることが好ましく、その環としては例えばピロリジノ、ピペラジノ、モルホリノである。これらの環上にはR1 にて許容された置換基を有していても良い。
【0011】
R1 及びR2 は無置換ないし置換基を有したアルキル基であるか、結合して共同でピロリジン環を形成する場合が好ましい。R1 及びR2 の置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基が好ましい。R1 及びR2 としてさらに好ましくは、無置換のアルキル基およびヒドロキシ、アルコシキないしスルホンアミドの基で置換されたアルキル基である。
【0012】
R3 ないしR6 はそれぞれ水素原子、またはハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子でベンゼン環に結合する置換基を表し、各々同一でも異なっていても良い。R3 ないしR6 の炭素原子で結合するものとしては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基が、酸素原子で結合するものとしてはヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基が、窒素原子で結合するものとしてはアシルアミノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、イミド基、ヘテロ環基が、硫黄原子で結合するものとしてはアルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基が挙げられる。これらはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシル基、シアノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくは炭素原子で形成される置換基でさらに置換されていてもよい。
【0013】
更に詳しくR3 ないしR6 で表わされる置換基の具体例を示す。ハロゲン原子としては例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子である。アルキル基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、ベンジル、2−メタンスルホンアミドエチル、3−メタンスルホンアミドプロピル、2−メタンスルホニルエチル、2−メトキシエチル、シクロペンチル、2−アセトアミドエチル、2−カルボキシルエチル、2−カルバモイルエチル、3−カルバモイルプロピル、ヘキシル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、2−カルバモイルアミノエチル、3−カルバモイルアミノプロピル、4−カルバモイルアミノブチル、4−カルバモイルブチル、2−カルバモイル1−メチルエチルである。
【0014】
アルケニル基としては炭素数2〜16のもので、例えばビニル、1−プロペニル、1−ヘキセニル、スチリル等が挙げられる。アルキニル基としては炭素数2〜16のもので、例えばエチニル、1−ブチニル、1−ドデセニル、フェニルエチニル等が挙げられる。アリール基としては炭素数6〜24のアリール基で例えば、フェニル、ナフチル、p−メトキシフェニルである。
【0015】
環上の炭素原子で連結するヘテロ環基としては炭素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員または6員環の飽和または不飽和のヘテロ環であって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であっても良く、例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−イミダゾリルである。
【0016】
アルコキシ基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基で例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシである。アリールオキシ基としては炭素数6〜24のアリールオキシ基で例えば、フェノキシ、p−メトキシフェノキシ、m−(3−ヒドロキシプロピオンアミド)フェノキシである。ヘテロ環オキシ基としては炭素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員または6員環の飽和または不飽和のヘテロ環オキシ基であって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であっても良く例えば、1−フェニルテトラゾリル−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ、2−ピリジルオキシである。アシルオキシ基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のアシルオキシ基で例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ、4−ヒドロキシブタノイルオキシである。カルバモイルオキシ基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のカルバモイルオキシ基で例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシである。スルホニルオキシ基としては炭素数1〜16のもので、たとえばメタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシである。
【0017】
アシルアミノ基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のアシルアミノ基で例えば、アセトアミド、2−メトキシプロピオンアミド、p−クロロベンゾイルアミドである。アルキルアミノ基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のアルキルアミノ基で例えば、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−(2−ヒドロキシエチル)アミノである。アリールアミノ基としては炭素数6〜24のアリールアミノ基で例えばアニリノ、m−ニトロアニリノ、N−メチルアニリノである。ヘテロ環アミノ基としては炭素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員または6員環の飽和または不飽和のヘテロ環アミノ基であって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であっても良く例えば、2−オキサゾリルアミノ、2−テトラヒドロピラニルアミノ、4−ピリジルアミノである。ウレイド基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のウレイド基で例えば、ウレイド、メチルウレイド、N,N−ジエチルウレイド、2−メタンスルホンアミドエチルウレイドである。
【0018】
スルファモイルアミノ基としては炭素数0〜16、好ましくは炭素数0〜6のスルファモイルアミノ基で例えば、ジメチルスルファモイルアミノ、メチルスルファモイルアミノ、2−メトキシエチルスルファモイルアミノである。アルコキシカルボニルアミノ基としては炭素数2〜16、好ましくは炭素数2〜6のアルコキシカルボニルアミノ基で例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、3−メタンスルホニルプロピルオキシカルボニルアミノである。アリールオキシカルボニルアミノ基としては炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基で例えば、フェノキシカルボニルアミノ、4−シアノフェノキシカルボニルアミノ、2、6−ジメトキシフェノキシカルボニルアミノである。スルホンアミド基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のスルホンアミド基で例えば、メタンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、2−メトキシエタンスルホンアミドである。イミド基としては炭素数4〜16のイミド基で例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミドである。環の窒素原子で連結するヘテロ環基としては、炭素原子、酸素原子または硫黄原子の少なくとも1種と窒素原子からなる5〜6員のヘテロ環で、例えばピロリジノ、モルホリノ、イミダゾリノである。
【0019】
アルキルチオ基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のアルキルチオ基で例えば、メチルチオ、エチルチオ、2−フェノキシエチルチオである。アリールチオ基としては炭素数6〜24のアリールチオ基でこれらは例えば、フェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、4−シアノフェニルチオである。ヘテロ環チオ基としては炭素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員または6員環の飽和または不飽和のヘテロ環チオ基であって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であっても良く例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ピリジルチオである。
【0020】
R1 とR3 またはR2 とR5 は結合して環を形成してもよい。形成される環としては特に制限はないが、中でも炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子よりなる群より選ばれた元素により構成される5員、6員、7員の含窒素ヘテロ環であることが好ましく、その環としては例えばテトラヒドロピリジン、1,4−ジヒドロオキサジン、テトラヒドロピラジン、ピロリンである。R3 とR4 またはR5 とR6 は結合して環を形成してもよい。形成される環としては炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子よりなる群より選ばれた元素により構成される5員、6員、7員の環であり、その環としては例えばシクロペンテン、ジヒドロフラン、ピロリンである。
【0021】
R3 ないしR6 は好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、炭素数1〜6のウレイド基、炭素数2〜12のスルファモイルアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1〜6のスルホンアミド基であり、さらに好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基であり、最も好ましくは炭素数1〜2のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基である。R3 およびR5 は水素原子またはそれぞれR1 およびR2 と結合して共同で環を形成する場合が好ましい。R4 およびR6 のいずれか一方が水素原子であることが好ましく、R4 が水素原子、R6 が炭素数1〜2のアルキル基か炭素数1〜3のアルコキシ基である場合がさらに好ましい。
【0022】
mは0〜3であるがここでm=2、3の場合、Tは同じでも異なっていてもよい。ここで、m=1が好ましい。一般式(D)で示される本発明の化合物のうち好ましくは下記一般式(E)で表されるものである。ここでR1 、R2 、R4 、R7 、T、Sおよびmは一般式(D)のそれと同義である。
一般式(E)
【0023】
【化3】
【0024】
一般式(E)において、R1 、R2 :無置換アルキル又はヒドロキシアルキル基、R1 とR2 で結合して5員環を形成、又はR1 とベンゼン環が結合して5又は6員の環形成
R4 :アルキル基又はアルコキシ基
R7 :H
の場合が特に好ましい。一般式(D)のTはタイミング基を表し、例えば米国特許第4,146,396号、同第4,248,962号、同第4,409,323号、同第4,772,537号、同第5,019,492号、英国特許第2,096,783号、特開昭51−146,828号、同57−56,837号などに記載されているものが挙げられる。mが2以上の時、Tは同じでも異なっていても良い。
【0025】
タイミング基の好ましい例としては以下のものが挙げられる。
(1)ヘミアセタールの開裂反応を利用する基で、例えば米国特許第4,146,396号、特開昭60−249,148号および同60−249,149号に記載がある。
(2)分子内求核置換反応を利用して開裂反応を起こさせる基で、例えば米国特許第4,248,962号に記載がある。
(3)共役系に沿った電子移動反応を利用して開裂反応を起こさせる基で、例えば米国特許第4,409,323号または同第4,421,845号に記載がある。
(4)エステルの加水分解による開裂反応を利用する基で、例えば西独公開特許第2,626,315号に記載がある。
(5)イミノアセタールの開裂反応を利用する基で、例えば米国特許第4,546,073号に記載のある基である。
【0026】
一般式(D)のSは現像処理時除去される保護基を表す。この保護基は現像時処理液の成分、例えば水酸イオン、亜硫酸イオン、発色現像主薬、ヒドロキシルアミン等によって除去される。その切断の機構は、分子間の求核置換反応や脱離反応等による直接切断と、分子間付加反応や置換反応にひきつぐ分子内求核置換による間接切断等が挙げられる。Sとして例えば、加水分解開裂型基(アシル基、スルホニル基、スルフィニル基、アミノメチル基等)、逆マイケル付加反応開裂型基(2−シアノエチル基,2−アシルエチル基、2−スルホニルエチル基,2−カルバモイルエチル基、ピロリジン−2、5−3−イル基等)、付加脱離反応開裂型基(ウラシル基、2−シクロヘキセンノン−3−イル基、マレインイミド−3−イル基、2−アルコキシカルボニルエテニル基,2−アシルエテニル基等)、分子内電子移動反応開裂型基(キノンメチド生成開裂型基等)、分子内求核置換反応開裂型基(3−アシルプロパノイル基,2−アシル−2,2−ジアルキルアセチル基等)その他フタリド基やサッカリン基でブロックする基、イミドメチル基でブロックする基等が挙げられる。Sおよび−(T)m Sの具体例を以下に示す。
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
これらの部分構造の具体例のうち、次のものはSの例である。
(1)、(3)、(4)、(5)、(7)、(8)、(9)、(17)、(19)、(22)、(23)、(24)、(25)、(28)、(31)、(32)、(33)、
また、他の例は−(T)m Sの具体例である。
一般式(D)で示される化合物は遊離アミンのかたちだけでなく、無機酸、有機酸の塩として製造、保存し、使用することができる。一般式(D)の化合物を造塩する無機、有機の酸としては例えば塩酸、硫酸、燐酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸などが挙げられる。
次に本発明に於ける一般式(D)で表されるブロックされた現像主薬の具体例を示すがこれらによって限定されるものではない。
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
本発明の一般式(D)で表される化合物は以下に示される特許およびそれに引用された特許・文献に記載されている。すなわち米国特許第2,911,410号、同3,342,599、同4,426,441、同4,157,915、同5,210,007、特開昭53−135,628、同54−79,035、同58−1,139、同58−1,140、同56−107,236、同61−113,059、欧州特許第547,621A1号等が挙げられる。
本発明の化合物を含有する感光材料を現像する場合に好ましく用いられる発色現像主薬を以下に挙げる。
【0042】
このうち特に好ましくは例示化合物P−5あるいはP−6である。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、硝酸塩、ナフタレン−1、5−ジスルホン酸塩などの塩で使用されるのが一般的である。該芳香族第一級アミン現像主薬の使用量は現像液1リットル当たり好ましくは約0.1g〜約20gである。併用する主薬の量は、本発明の効果を損なわない限り本発明の一般式の主薬1モルに対して1/10〜10モル用いることが好ましい。
本発明に使用される発色現像液はアルカリ性であることが一般的であり、好ましくはpH9〜12、5のアルカリ性水溶液である。
一般式(D)の微細な固体の分散物を得る分散方法に関しては、公知の粉砕方法(例えば、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミル)によって行うことができ、その場合は溶媒(例えば、水)を用いることが好ましく、更に分散用界面活性剤を用いることがより好ましい。また、本発明の染料を適当な溶媒中で溶解させた後、本発明の染料の貧溶媒を添加して微結晶を析出させてもよく、この場合にも分散用界面活性剤を用いてもよい。或いは、溶媒中でpHをコントロールさせることによってまず溶媒させ、その後pHを変化させて微結晶化させてもよい。
分散体中の本発明の一般式(D)の化合物は、平均粒径が10μm以下(好ましくは0.01μ以上)、好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.5μm以下であり、場合によっては0.1μm以下であることが好ましい。またこの微粒子は単分散されていることが好ましい。
【0043】
一般式(D)の化合物の分散の際には、何の前処理も施さず、そのまま分散しても良い。このとき好ましくは、該化合物の合成過程において得られる湿潤状態にある固体を分散に用いるのが良い。
また、必要に応じて、分散前及び/又は分散後に加熱処理を行ってもよく、より有効に加熱処理を行うには、少なくとも分散後に加熱処理を行うことが好ましい。
加熱方法は、一般式(D)の固体に熱が加われば特に制限はなく、温度は40℃以上が好ましく上限は染料が分解しない範囲であれば何度でもよく、好ましくは250℃以下である。更に好ましくは50℃〜150℃である。
加熱時間は(D)が分解しない範囲であれば特に制限はなく、15分〜1週間、好ましくは1時間〜4日である。
【0044】
有効に加熱処理を行うために、溶媒中で行うことが好ましく、溶媒の種類としては、一般式(D)の化合物を実質的に溶解しないものであれば制限はなく、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチルセロソルブ)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル)、アルキルカルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル)、エーテル類(例えば、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン)等を挙げることができる。
【0045】
加熱処理時に有機カルボン酸類を共存させると、本発明の課題をより有効に解決することができる。有機カルボン酸としては、アルキルカルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸)、カルボキシメチルセルロース類(CMC)、アリールカルボン酸類(例えば、安息香酸、サリチル酸)等を挙げることができる。
有機カルボン酸類の量は、溶媒として用いる場合には一般式(D)の化合物の重量の0.5〜100倍量を用いることができる。有機カルボン酸類以外の溶媒を用いて有機カルボン酸を添加して用いる場合には、一般式(D)の化合物に対して0.05〜100%の重量比で用いることができる。
【0046】
一般式(D)で表される化合物は、効果のある任意の量を使用できるが、添加量としては、発生色素が十分な濃度となる量を添加することが望ましい。現像処理時の現像主薬放出効率や銀現像性、発色効率等で異なってくるが、添加量としては2×10-2 mmole/m2〜10 mmole/m2が好ましく、より好ましくは1×10-1 mmole/m2〜6 mmole/m2である。
【0047】
カラー現像液には、前記芳香族第一級アミンカラー現像主薬を直接保恒する化合物として、特開昭63−5341号、同63−106655号あるいは特開平4−144446号に記載の各種ヒドロキシルアミン類、特開昭63−43138号に記載のヒドロキサム酸類、同63−146041号に記載のヒドラジン類やヒドラジド類、同63−44657および同63−58443号に記載のフエノール類、同63−44656号に記載のα−ヒドロキシケトン類やα−アミノケトン類、同63−36244号記載の各種糖類などを含有することができる。また、上記化合物と併用して、特開昭63−4235号、同63−24254号、同63−21647号、同63−146040号、同63−27841号および同63−25654号等に記載のモノアミン類、同63−30845号、同63−14640号、同63−43139号等に記載のジアミン類、同63−21647号、同63−26655号および同63−44655号に記載のポリアミン類、同63−53551号に記載のニトロキシラジカル類、同63−43140号及び同63−53549号に記載のアルコール類、同63−56654号に記載のオキシム類および同63−239447号に記載の3級アミン類を使用することができる。その他保恒剤として、特開昭57−44148号および同57−53749号に記載の各種金属類、同59−180588号に記載のサリチル酸類、同54−3582号に記載のアルカノールアミン類、同56−94349号に記載のポリエチレンイミン類、米国特許第3,746,544号に記載の芳香族ポリヒドロキシ化合物等を必要に応じて含有しても良い。特にヒドロキシルアミン類を使用する場合は、上記のアルカノールアミン類や芳香族ポリヒドロキシ化合物の併用が好ましい。
特に好ましい保恒剤としては、特開平3−144446号の一般式(I)で表されるヒドロキシルアミン類であり、中でもメチル基、エチル基あるいはスルホ基やカルボキシ基を有する化合物が好ましい。これらの保恒剤の添加量としてはカラー現像液1リットル当り20ミリモル〜200ミリモル、好ましくは30ミリモル〜150ミリモルである。
【0048】
プリント用感光材料の現像液中には塩素イオンを3.0×10-2〜1.5×10-1モル/リットル含有することが好ましい。特に好ましくは3.5×10-2〜1.0×10-1モル/リットルである。塩素イオン濃度が1.5×10-1〜1.0×10-1モル/リットルより多いと現像を遅らせるという欠点を有し、迅速で最大濃度が高いという本発明の目的を達成する上で好ましくない。また、3.0×10-2モル/リットル未満では、カブリを防止する上で好ましくない。
本発明において、カラー現像液中に臭素イオンを0.5×10-5モル/リットル〜1.0×10-3モル/リットル含有することが好ましい。より好ましくは、3.0×10-5〜5×10-4モル/リットルである。臭素イオン濃度が1×10-3モル/リットルより多い場合、現像を遅らせ、最大濃度及び感度が低下し、0.5×10-5モル/リットル未満である場合、カブリを十分に防止することができない。
【0049】
ここで塩素イオン及び臭素イオンはカラー現像液中に直接添加されてもよく、現像処理中に感光材料からカラー現像液に溶出してもよい。
カラー現像液に直接添加される場合、塩素イオン供給物質として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムが挙げられる。また、カラー現像液中に添加されている蛍光増白剤から供給されてもよい。臭素イオンの供給物質として、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウムが挙げられる。
現像処理中に感光材料から溶出する場合、塩素イオンや臭素イオンは共に乳剤から供給されていてもよく、乳剤以外から供給されても良い。
【0050】
その他カラー現像液には、上記特開平3−144446号に記載の各種添加剤を使用できる。例えば、pHを保持するための緩衝剤として同特許(9)ページの炭酸類、リン酸類、ホウ酸類、ヒドロキシ安息香酸類などを使用できる。カラー現像液はこれらの緩衝剤を用いてpHを9.0〜12.5に維持することが好ましい。より好ましくは9.5〜11.5である。
カブリ防止剤としては同(10)ページに記載のハロゲン化物イオン、有機カブリ防止剤が上げられる。特にカラー現像液中の現像主薬濃度が20ミリモル/リットル以上の高い時や40℃以上の高温処理する場合には、臭化物イオン濃度はある程度高い方が好ましく、17ミリモル/リットル以上60ミリモル以下が好ましい。また必要に応じてイオン交換樹脂やイオン交換膜を用いてハロゲンを除去して好ましい濃度範囲にコントロールすることもできる。
キレート剤としては、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸が好ましく使用される。例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N,N−テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表例とした化合物が使用できる。また好ましいキレート剤としては生分解性を有する化合物があげられる。この例としては特開昭63−146998号、特開昭63−199295号、特開昭63−267750号、特開昭63−267751号、特開平2−229146号、特開平3−186841号、独国特許3739610、欧州特許468325号等が挙げられる。
更に、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助現像主薬、粘性付与剤、あるいはアルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を必要に応じて添加してもよい。
【0051】
カラー現像液には、必要により任意の現像促進剤を添加できる。
現像促進剤としては、特公昭37−16088号、同37−5987号、同38−7826号、同44−12380号、同45−9019号及び米国特許第3,813,247号等に表わされるチオエーテル系化合物、特開昭52−49829号及び同50−15554号に表わされるp−フェニレンジアミン系化合物、特開昭50−137726号、特公昭44−30074号、特開昭56−156826号及び同52−43429号等に表わされる4級アンモニウム塩類、米国特許第2,494,903号、同3,128,182号、同4,230,796号、同3,253,919号、特公昭41−11431号、米国特許第2,482,546号、同2,596,926号及び同3,582,346号等に記載のアミン系化合物、特公昭37−16088号、同42−25201号、米国特許第3,128,183号、特公昭41−11431号、同42−23883号及び米国特許第3,532,501号等に表わされるポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、イミダゾール類、等を必要に応じて添加することができる。
【0052】
本発明の方法においてカラー現像液の補充量は撮影用感光材料の場合、1m2 当り550ml以下が前述の目的にとって好ましく、450ml以下がより好ましく、400ml以下、80ml以上が最も好ましい。補充液中の臭化物イオン濃度を低減するかあるいは含有させないことで、300ml以下にすることもできる。カラー現像液の補充量はプリント用感光材料の場合、感光材料1m2あたり20〜600mlが適当であり、好ましくは30〜200ml、さらに好ましくは40〜100mlである。
カラー現像液の処理温度は撮影用感光材料の場合、35℃以上が好ましく、更に好ましくは40℃以上50℃以下である。カラー現像液の処理温度はプリント用感光材料の場合、20〜50℃、好ましくは30〜45℃、最も好ましくは37〜42℃である。
カラー現像液の処理時間は撮影用感光材料の場合、30秒〜3分15秒が好ましく、30秒〜2分30秒がより好ましい。カラー現像液の処理時間はプリント用感光材料の場合、一般に3分以下であるが、10秒〜1分が好ましく、10秒〜30秒がより好ましい。ここで処理時間(例えば現像時間)とは、感光材料が対象の処理液に入ってから次浴の処理液に入るまでの時間を言う。
【0053】
プリント用感光材料の現像液には、実質的にベンジルアルコールを含有しないことが好ましい。
プリント用感光材料の現像液には、連続処理に伴う写真特性の変動を抑えまた、本発明の効果を達成するために亜硫酸イオンを実質的に含有しないこと(ここで実質的に含有しないとは、亜硫酸イオン濃度3.0×10-3モル/リットル以下である。)が好ましい。好ましくは亜硫酸イオンを1.0×10-3モル/リットル以下、最も好ましくは全く含有しないことである。ここで但し、使用液に調液する前に現像主薬が濃縮されている処理剤キットの酸化防止に用いられるごく少量の亜硫酸イオンは除外される。この現像液は、ヒドロキシルアミンの濃度変動に伴う写真特性の変動を抑えるために、さらにヒドロキシルアミンを実質的に含有しないこと(ここで実質的に含有しないとは、ヒドロキシルアミン濃度5.0×10-3モル/リットル以下である。)がより好ましい。最も好ましくはヒドロキシルアミンを全く含有しないことである。
【0054】
また液の蒸発、空気酸化を防止することが好ましい。処理槽での写真処理液と空気との接触面積は、以下に定義する開口率で表わすことができる。すなわち
開口率=[処理液と空気との接触面積(cm2) ]÷[処理液の容量(cm3) ]
上記の開口率(cm-1)は0.05以下であることが好ましく、より好ましくは0.0005〜0.01である。このように開口率を低減させる方法としては、処理槽の写真処理液面に浮き蓋等の遮蔽物を設けるほかに、特開平1−82033号に記載された可動蓋を用いる方法、特開昭63−216050号に記載されたスリット現像処理法を挙げることができる。またカラー現像液の補充タンクや処理層中の処理液は高沸点有機溶媒や高分子化合物などでシールドし、空気との接触面積を低減させることが好ましい。特に、流動パラフィンやオルガノシロキサン等が好ましい。開口率を低減させることは、発色現像及び黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工程例えば、漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全ての工程において適用できる。
現像液は再生して使用することができる。現像液の再生とは、使用済みの現像液をアニオン交換樹脂や電気透析を行ったり、あるいは再生剤と呼ばれる処理薬品を加えることにより現像液の活性を上げ、再び処理液として使用することである。この場合、再生率(補充液中のオーバーフロー液の割合)は、70%以上が好ましく、特に90%以上が好ましい。
再生の方法としては、アニオン交換樹脂を用いるの好ましい。特に好ましいアニオン交換樹脂の組成及び樹脂の再生方法に関しては、三菱化成工業(株)発行のダイアイオン・マニュアル(I)(1986年第14版)に記載のものをあげることができる。また、アニオン交換樹脂のなかでは特開平2−952号や特開平1−281152号に記載された組成の樹脂が好ましい。
【0055】
カラー現像された感光材料は、通常、脱銀処理される。ここでいう脱銀処理とは、基本的には漂白処理と定着処理からなるが、これらを同時に行う漂白定着処理及びこれらの処理を組み合わせて構成される。
漂白剤としては、例えば鉄塩;鉄(III)、コバルト(III) 、クロム(IV)、銅(II)などの多価金属の化合物;過酸類;キノン類;ニトロ化合物等があげられる。代表的漂白剤としては、塩化鉄;フェリシアン化物;重クロム酸塩;鉄(III) の有機錯塩(例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボン酸類などの金属錯塩);過硫酸塩;臭素酸塩;過マンガン酸塩;ニトロベンゼン類などを挙げることができる。これらのうち前述の特開平3−144446号(11)ページに記載の様にアミノポリカルボン酸第2鉄塩又はその塩が好ましく用いられる。例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸などの第2鉄塩が上げられる。その他漂白剤として、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩などを用いることができる。これらのうちエチレンジアミン四酢酸鉄(III) 錯塩、及び1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III) 錯塩を始めとするアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩が特に好ましい。これらのアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩は漂白液においても、漂白定着液においても特に有用である。
【0056】
漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴には、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されている:米国特許第3,893,858号、西独特許第1,290,812号、特開昭53−95630号、リサーチ・ディスクロージャーNo.17129号(1978年7月)などに記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化合物;特開昭50−140129号に記載のチアゾリジン誘導体;米国特許第3,706,561号に記載のチオ尿素誘導体;特開昭58−16235号に記載の沃化物塩;西独特許第2,748,430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭45−8836号記載のポリアミン化合物;臭化物イオン等が使用できる。なかでもメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果が大きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893,858号、西独特許第1,290,812号、特開昭53−95630号に記載の化合物が好ましい。さらに、米国特許第4,552,834号に記載の化合物も好ましい。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。撮影用のカラー感光材料を漂白定着するときにこれらの漂白促進剤は特に有効である。
【0057】
脱銀処理浴には漂白剤の他に特開平3−144446号(12)ページに記載の再ハロゲン化剤、pH緩衝剤及び公知の添加剤を使用できる。
漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させることが好ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数(pka)が2〜6である化合物で、具体的には酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、フマル酸、マロン酸、アジピン酸などが挙げられるが、特に好ましくはコハク酸、マレイン酸、グルタル酸である。
漂白液又は漂白定着液のpHは通常4.0〜8.0であるが、処理の迅速化のために、さらに低いpHで処理することもできる。
【0058】
定着液や漂白定着液に用いられる定着剤としては、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等を挙げることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用できる。また、チオ硫酸塩とチオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素などとの併用も好ましい。
定着液や漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重亜硫酸付加物あるいは欧州特許第294769A号に記載のスルフィン酸化合物が好ましい。さらに液の安定化の目的で各種アミノポリカルボン酸類や、有機ホスホン酸類等のキレート剤の添加が好ましい。好ましいキレート剤としては1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラキス(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−プロピレンジアミン四酢酸をあげることができる。この中でも、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びエチレンジアミン四酢酸が特に好ましい。
定着液や漂白定着液には、pH調整のためにpKaが6.0〜9.0の化合物を含有させることが好ましい。例えばイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールの如きイミダゾール類を0.1〜10モル/リットル添加することが好ましい。
イミダゾール化合物とは、イミダゾール及びその誘導体を表し、イミダゾールの好ましい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等を挙げることができる。また、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基は、更にアミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。イミダゾールの置換基の好ましい総炭素数は1〜6であり、最も好ましい置換基はメチル基である。
【0059】
以下に、イミダゾール化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール、4−プロピルイミダゾール、4−(2−アミノエチル)イミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−クロロイミダゾール。これらの内、好ましい化合物はイミダゾール、2−メチル−イミダゾール、4−メチル−イミダゾールであり、最も好ましい化合物はイミダゾールである。
【0060】
定着液や漂白定着液には、さらに、各種の蛍光増白剤;消泡剤;界面活性剤;ポリビニルピロリドン;メタノール等を含有させることができる。
処理において補充方式を採用する場合の定着液または漂白定着液の補充量としては感光材料1m2 あたり100〜3000mlが好ましいが、より好ましくは300〜1800mlである。漂白定着液の補充は漂白定着補充液として補充してもよいし、特開昭61−143755号や特願平2−216389号記載のように漂白液と定着液のオーバーフロー液を使用して行ってもよい。
撮影用感光材料を漂白、漂白定着、定着の組合せよりなる脱銀工程の全処理時間の合計は、好ましくは30秒〜3分、さらに好ましくは45秒〜2分である。また、処理温度は30〜60℃、好ましくは35〜55℃である。
【0061】
漂白能を有する処理液は、処理に際し、エアレーションを実施することが写真性能をきわめて安定に保持するので特に好ましい。エアレーションには当業界で公知の手段が使用でき、漂白能を有する処理液中への、空気の吹き込みやエゼクターを利用した空気の吸収などが実施できる。
空気の吹き込みに際しては、微細なポアを有する散気管を通じて、液中に空気を放出させることが好ましい。このような散気管は、活性汚泥処理における曝気槽等に、広く使用されている。エアレーションに関しては、イーストマン・コダック社発行のZ−121、ユージング・プロセス・C−41第3版(1982年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項を利用できる。本発明の漂白能を有する処理液を用いた処理に於いては、攪拌が強化されていることが好ましく、その実施には特開平3−33847号公報の第8頁、右上欄、第6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、そのまま利用できる。
【0062】
定着能を有する処理液は公知の方法で銀回収を行うことができ、このような銀回収を施した再生液を使用することができる。銀回収法としては、電気分解法(仏国特許第2,299,667号記載)、沈澱法(特開昭52−73037号、独国特許第2,331,220号記載)、イオン交換法(特開昭51−17114号、独国特許第2,548,237号記載)及び金属置換法(英国特許第1,353,805号記載)等が有効である。これらの銀回収法はタンク液中からインラインで行うと迅速処理適性が更に良好となるため好ましい。
また、漂白能を有する処理液は、処理に使用後のオーバーフロー液を回収し、成分を添加して組成を修正した後、再利用することが出来る。このような使用方法は、通常、再生と呼ばれるが、本発明はこのような再生も好ましくできる。再生の詳細に関しては、富士写真フイルム株式会社発行の富士フイルム・プロセシングマニュアル、フジカラーネガティブフィルム、CN−16処理(1990年8月改訂)第39頁〜40頁に記載の事項が適用できる。
本発明の漂白能を有する処理液を調整するためのキットは、液体でも粉体でも良いが、アンモニウム塩を排除した場合、ほとんどの原料が粉体で供給され、また吸湿性も少ないことから、粉体を作るのが容易になる。
上記再生用のキットは、廃液量削減の観点から、余分な水を用いず、直接添加できることから、粉体が好ましい。
【0063】
漂白能を有する処理液の再生に関しては、前述のエアレーションの他、「写真工学の基礎−銀塩写真編−」(日本写真学会編、コロナ社発行、1979年)等に記載の方法が使用できる。具体的には電界再生の他、臭素酸や亜鉛素酸、臭素、臭素プレカーサー、過硫酸塩、過酸化水素、触媒を利用した過酸化水素、亜臭素酸、オゾン等による漂白液の再生方法が挙げられる。
電解による再生においては、陰極及び陽極を同一漂白浴に入れたり、或いは隔膜を用いて陽極槽と陰極槽を別浴にして再生したりするほか、やはり隔膜を用いて漂白液と現像液及び/又は定着液を同時に再生処理したりすることができる。
定着液、漂白定着液の再生は、蓄積する銀イオンを電解還元することでおこなわれる。その他、蓄積するハロゲンイオンを陰イオン交換樹脂により除去することも、定着性能を保つ上で好ましい。
【0064】
脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法としては特開昭62−183460号に記載の感光材料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭62−183461号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、さらには液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化することによってより攪拌効果を向上させる方法、処理液全体の循環流量を増加させる方法があげられる。このような攪拌向上手段は漂白液、漂白定着液、定着液のいずれにおいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高めるものと考えられる。また前記の攪拌向上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効であり、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害作用を解消させることができる。
本発明の感光材料に用いられる自動現像機は、特開昭 60-191257号、同 60-191258号、同 60-191259号に記載の感光材料搬送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭 60-191257号に記載のとおり、このような搬送手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は各工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減に特に有効である。
【0065】
脱銀処理後に水洗工程を経るのが一般的である。水洗工程に代り、安定工程を行ってもよい。このような安定化処理においては、特開昭57−8543号、同58−14834号、同60−220345号に記載の公知の方法はすべて用いることができる。また、色素安定化剤と界面活性剤を含有する安定浴を最終浴として使用するような水洗工程−安定工程を行ってもよい。
水洗液及び安定液には、無機リン酸、ポリアミノカルボン酸、有機アミノホスホン酸のような硬水軟化剤などを含有させることができる。
【0066】
水洗工程等での水量は、感光材料の特性(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には液温、タンクの数(段数)、向流、順流等の補充方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。段数としては2〜4段が好ましい。補充量としては単位面積当り前浴からの持込量の1〜50倍、好ましくは1〜30倍、より好ましくは1〜10倍である。さらに補充量を効率よく低減する方法として、水洗タンクあるいは安定浴を隔壁で分割し、ワイパーブレード等のスリット部を通って感光材料が空気中に出ることなく液中で処理されるいわゆる多室水洗あるいは安定処理が好ましく用いられる。
【0067】
上記の多段向流方式あるいは多室水洗方式によれば、水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感光材料の処理において、このような問題が解決策として、特開昭62-288,838号に記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを予め低減させる方法を極めて有効に用いることができる。また、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の殺菌剤によって予め殺菌した水を用いることも有効である。また、水洗水等には特開昭57-8,542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、公知の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0068】
水洗水および安定液のpHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。又、温度、時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し得るが、一般には、15〜45℃で10秒〜10分、好ましくは25〜40℃で15秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代り、直接安定液によって処理することもできる。このような安定化処理においては、特開昭57-8543 号、同58-14834号、同60-220345 号に記載の公知の方法はすべて用いることができる。
【0069】
また、安定液には色素画像を安定化させる化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズアルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これらの化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり0.001〜0.02モルであるが、安定液中の遊離ホルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロールアゾール類、N,N′−ビ(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−313753号記載のアゾリルメチルアミン類が好ましい。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリアゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きアゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好ましい。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alなどの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,786,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィン酸化合物を含有させることも好ましい。
【0070】
水洗水及び安定液には処理後の感光材料の乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活性剤を含有することができる。中でもノニオン性界面活性剤を用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエチレンオキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノールとしては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニルフェノールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加モル数としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効果の高いシリコン系界面活性剤を用いることも好ましい。
【0071】
水洗水及び安定液中には、各種キレート剤を含有させることが好ましい。好ましいキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′−トリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの有機ホスホン酸、あるいは、欧州特許345,172A1号に記載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物などをあげることができる。
【0072】
上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用することもできる。
自動現像機などを用いた処理において、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、蒸発による濃縮を補正するために、適当量の水または補正液ないし処理補充液を補充することが好ましい。水補充を行う具体的方法としては、特に制限はないが、中でも特開平1−254959号、同1−254960号公報記載の、漂白槽とは別のモニター水槽を設置し、モニター水槽内の水の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂白槽における水の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例して漂白槽に水を補充する方法や特開平3−248155号、同3−249644号、同3−249645号、同3−249646号公報記載の液レベルセンサーやオーバーフローセンサーを用いた蒸発補正方法が好ましい。各処理液の蒸発分を補正するための水は、水道水を用いてもよいが上記の水洗工程に好ましく使用される脱イオン処理した水、殺菌された水とするのがよい。
【0073】
水洗及び/又は安定化水は逆浸透膜で処理したものを有効に用いることができる。逆浸透膜の材質としては酢酸セルロース、架橋ポリアミド、ポリエーテル、ポリサルホン、ポリアクリル酸、ポリビニレンカーボネート等が使用できる。
これらの膜の使用における送液圧力は、ステイン防止効果と透過水量の低下防止により好ましい条件は2〜10kg/cm2 、特に好ましい条件は3〜7kg/cm2 である。
【0074】
逆浸透膜による処理は、このような多段向流式水洗及び/又は安定化の第2タンク以降の水に対して行うのが好ましい。具体的には2タンク構成の場合は第2タンク、3タンク構成の場合は第2または第3タンク、4タンク構成の場合は第3または第4タンク内の水を逆浸透膜で処理、透過水を同一タンク(逆浸透膜処理のために水を採取したタンク;以下採取タンクと記す)またはその後に位置する水洗及び/又は安定化タンクに戻すことにより行われる。更に、濃縮された水洗及び/又は安定化液を採取タンクよりも上流側の漂白定着浴に戻すことも一つの対応である。
【0075】
各種処理液は10℃〜50℃において使用されることが好ましい。通常は33℃〜38℃の温度が標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液の安定性の改良を達成することができる。
【0076】
各処理液は2種以上の感光材料の処理に共通に使用することができる。例えば、カラーネガフィルムとカラーペーパーの処理を同じ処理液を用いて処理することにより、処理機のコスト低減や処理の簡易化を行うことができる。
【0077】
一般用もしくは映画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー反転ペーパーのような種々のカラー感光材料に適用することができる。また、特公平2-32615 、実公平3-39784 に記載されているレンズ付きフイルムユニット用にも好適である。
【0078】
感光材料は、支持体上に少なくとも3層の感光性ハロゲン化銀乳剤層が設けられてなり、典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る単位感光性層を少なくとも3 層有するハロゲン化銀写真感光材料である。該単位感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真の撮影用感光材料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層には非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプラー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,045に記載されているように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ましい。また、特開昭57-112751 、同62- 200350、同62-206541 、62-206543に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。具体例として支持体から最も遠い側から、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭 55-34932 公報に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもできる。また特開昭56-25738、同62-63936に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列することもできる。
【0079】
また特公昭49-15495に記載されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭59-202464 に記載されているように、同一感色性層中において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に配置されていてもよい。また、4層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
色再現性を改良するために、US 4,663,271、同 4,705,744、同 4,707,436、特開昭62-160448 、同63- 89850 の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接して配置することが好ましい。
【0080】
一般的なプリント用感光材料(カラー印画紙)では、ハロゲン化銀乳剤粒子は前述の発色層の順に青感性、緑感性、赤感性の分光増感色素によりそれぞれ分光増感され、また支持体上に前出の順で塗設して構成することができる。しかしながら、これと異なる順序であっても良い。つまり迅速処理の観点から平均粒子サイズの最も大きなハロゲン化銀粒子を含む感光層が最上層にくることが好ましい場合や、光照射下での保存性の観点から、最下層をマゼンタ発色感光層にすることが好ましい場合もある。
また感光層と発色色相とは、上記の対応を持たない構成としても良く、赤外感光性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層用いることもできる。
【0081】
撮影用感材に用いられる好ましいハロゲン化銀は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。より好ましいのは約2モル%から約15モル%まで、特に好ましくは3〜15モル%のヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形でもよい。
ハロゲン化銀の粒径は、約 0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよい。分散係数15%以下、10%以下の単分散のものが好ましい。
ハロゲン化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す) 17643 (1978 年12月), 22〜23頁, “I. 乳剤製造(Emulsion preparation and types)”、および同 18716 (1979年11月), 648 頁、同 307105(1989 年11月),863 〜865 頁、などに記載された方法を用いて調製することができる。
【0082】
また、アスペクト比が約3以上であるような平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutoff, Photographic Science and Engineering)、第14巻 248〜 257頁(1970年)、US 4,434,226、GB 2,112,157に記載の方法により簡単に調製することができる。
結晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい。エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。
上記の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像型のうち、特開昭 63-264740に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよく、この調製方法は特開昭 59-133542に記載されている。この乳剤のシェルの厚みは現像処理等によって異なるが、3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好ましい。
【0083】
ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このような工程で使用される添加剤はRD17643 、同18716 および同307105に記載されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。
本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することができる。
US 4,082,553に記載の粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、US 4,626,498、特開昭 59-214852に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的に非感光性の親水性コロイド層に適用することが好ましい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のことをいう。粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、ハロゲン組成が異なっていてもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズとしては0.01〜0.75μm 、特に0.05〜0.6 μm が好ましい。また、粒子形状は規則的な粒子でもよく、多分散乳剤でもよいが、単分散性であることが好ましい。
【0084】
非感光性微粒子ハロゲン化銀を使用することもできる。非感光性微粒子ハロゲン化銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感光せずに、その現像処理において実質的に現像されないハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされていないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含有率が 0〜 100モル%であり、必要に応じて塩化銀および/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化銀を 0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)が0.01〜 0.5μm が好ましく、0.02〜 0.2μm がより好ましい。
微粒子ハロゲン化銀は、光学的に増感される必要はなく、また分光増感も不要である。ただし、これを塗布液に添加するのに先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておくことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コロイド銀を含有させることができる。
撮影用感光材料の塗布銀量は、3〜10g/m2以下が好ましく、4〜7g/m2が最も好ましい。
【0085】
プリント用感光材料ではハロゲン化銀粒子としては、95モル%以上が塩化銀である塩化銀、塩臭化銀、または塩沃臭化銀粒子を使用することが好ましい。特に、現像処理時間を速めるために実質的に沃化銀を含まない塩臭化銀もしくは塩化銀よりなるものを好ましく用いることができる。ここで実質的に沃化銀を含まないとは、沃化銀含有率が1モル%以下、好ましくは0.2モル%以下のことを言う。一方、高照度感度を高める、分光増感感度を高める、あるいは感光材料の経時安定性を高める目的で、特開平3−84545号に記載されているような乳剤表面に0.01〜3モル%の沃化銀を含有した高塩化銀粒子が好ましく用いられる場合もある。乳剤のハロゲン組成は粒子間で異なっていても等しくても良いが、粒子間で等しいハロゲン組成を有する乳剤を用いると、各粒子の性質を均質にすることが容易である。また、ハロゲン化銀乳剤粒子内部のハロゲン組成分布については、ハロゲン化銀粒子のどの部分をとっても組成の等しい所謂均一型構造の粒子や、ハロゲン化銀粒子内部のコア(芯)とそれを取り囲むシェル(殻)〔一層または複数層〕とでハロゲン組成の異なる所謂積層型構造の粒子あるいは、粒子内部もしくは表面に非層状にハロゲン組成の異なる部分を有する構造(粒子表面にある場合は粒子のエッジ、コーナーあるいは面上に異組成の部分が接合した構造)の粒子などを適宜選択して用いることができる。高感度を得るには、均一型構造の粒子よりも後二者のいずれかを用いることが有利であり、耐圧力性の面からも好ましい。ハロゲン化銀粒子が上記のような構造を有する場合には、ハロゲン組成において異なる部分の境界部は、明確な境界であっても、組成差により混晶を形成して不明確な境界であっても良く、また積極的に連続的な構造変化を持たせたものであってもよい。
【0086】
高塩化銀乳剤においては臭化銀局在相を先に述べたような層状もしくは非層状にハロゲン化銀粒子内部および/または表面に有する構造のものが好ましい。上記局在相のハロゲン組成は、臭化銀含有率において少なくとも10モル%のものが好ましく、20モル%を越えるものがより好ましい。そして、これらの局在相は、粒子内部、粒子表面のエッジ、コーナーあるいは面上にあることができるが、一つの好ましい例として、粒子のコーナー部にエピタキシャル成長したものを挙げることができる。
また、現像処理液の補充量を低減する目的でハロゲン化銀乳剤の塩化銀含有率を更に高めることも有効である。この様な場合にはその塩化銀含有率が98モル%〜100モル%であるような、ほぼ純塩化銀の乳剤も好ましく用いられる。
【0087】
ハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投影面積と等価な円の直径を以て粒子サイズとし、その数平均をとったもの)は、0.1μm〜2μmが好ましい。
また、それらの粒子サイズ分布は変動係数(粒子サイズ分布の標準偏差を平均粒子サイズで除したもの)20%以下、望ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下の所謂単分散なものが好ましい。このとき、広いラチチュードを得る目的で上記の単分散乳剤を同一層にブレンドして使用することや、重層塗布することも好ましく行われる。
写真乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の形状は、立方体、十四面体あるいは八面体のような規則的な(regular)結晶形を有するもの、球状、板状などのような変則的な(irregular)結晶形を有するもの、あるいはこれらの複合形を有するものを用いることができる。また、種々の結晶形を有するものの混合したものからなっていても良い。本発明においてはこれらの中でも上記規則的な結晶形を有する粒子を50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上含有するのが良い。また、これら以外にも平均アスペクト比(円換算直径/厚み)が5以上、好ましくは8以上の平板状粒子が投影面積として全粒子の50%を越えるような乳剤も好ましく用いることができる。
【0088】
ハロゲン化銀粒子の局在相またはその基質には、異種金属イオンまたはその錯イオンを含有させてもよい。好ましい金属としては周期律表の第VIII族、第IIb族に属する金属イオンあるいは金属錯体、及び鉛イオン、タリウムイオンの中から選ばれる。主として局在相にはイリジウム、ロジウム、鉄などから選ばれるイオンまたはその錯イオン、また主として基質にはオスミウム、イリジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、パラジウム、コバルト、ニッケル、鉄などから選ばれた金属イオンまたはその錯イオンを組合せて用いることができる。また局在相と基質とで金属イオンの種類と濃度をかえて用いることができる。これらの金属は複数種用いても良い。特に鉄、イリジウム化合物は臭化銀局在相中に存在させることが好ましい。
【0089】
これらの金属イオン提供化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に、分散媒になるゼラチン水溶液中、ハロゲン化物水溶液中、銀塩水溶液中またはその他の水溶液中、あるいはあらかじめ金属イオンを含有せしめたハロゲン化銀微粒子の形で添加しこの微粒子を溶解させる、等の手段によって本発明のハロゲン化銀粒子の局在相および/またはその他の粒子部分(基質)に含有せしめる。
本発明で用いられる金属イオンを乳剤粒子中に含有させるには、粒子形成前、粒子形成中、粒子形成直後のいずれかでおこなうことができる。これは金属イオンを粒子のどの位置に含有させるかによって変えることができる。
【0090】
ハロゲン化銀乳剤は、通常化学増感及び分光増感を施される。
化学増感法については、カルコゲン増感剤を使用した化学増感(具体的には不安定硫黄化合物の添加に代表される硫黄増感あるいはセレン化合物によるセレン増感、テルル化合物によるテルル増感があげられる。)、金増感に代表される貴金属増感、あるいは還元増感などを単独もしくは併用して用いることができる。化学増感に用いられる化合物については、特開昭62−215272号公報の第18頁右下欄〜第22頁右上欄に記載のものが好ましく用いられる。
本発明の感光材料の構成の効果は、金増感された高塩化銀乳剤を用いた際より顕著である。本発明に用いる乳剤は、潜像が主として粒子表面に形成される所謂表面潜像型乳剤である。
【0091】
ハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防止する、あるいは写真性能を安定化させる目的で種々の化合物あるいはそれ等の前駆体を添加することができる。これらの化合物の具体例は前出の特開昭62−215272号公報明細書の第39頁〜第72頁に記載のものが好ましく用いられる。更に欧州特許EP0447647号に記載された5−アリールアミノ−1,2,3,4−チアトリアゾール化合物(該アリール残基には少なくとも一つの電子吸引性基を持つ)も好ましく用いられる。
【0092】
分光増感は、感光材料における各層の乳剤に対して所望の光波長域に分光感度を付与する目的で行われる。
青、緑、赤領域の分光増感に用いられる分光増感色素としては例えば、F.M.Harmer著 Heterocyclic compounds-Cyanine dyes and related compounds (John Wiley & Sons New York,London 社刊1964年)に記載されているものを挙げることができる。具体的な化合物の例ならびに分光増感法は、前出の特開昭62−215272号公報の第22頁右上欄〜第38頁に記載のものが好ましく用いられる。また、特に塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤粒子の赤感光性分光増感色素としては特開平3−123340号に記載された分光増感色素が安定性、吸着の強さ、露光の温度依存性等の観点から非常に好ましい。
【0093】
赤外域を効率よく分光増感する場合、特開平3−15049号12頁左上欄〜21頁左下欄、あるいは特開平3−20730号4頁左下欄〜15頁左下欄、欧州特許EP0,420,011号4頁21行〜6頁54行、欧州特許EP0,420,012号4頁12行〜10頁33行、欧州特許EP0,443,466号、米国特許US4,975,362号に記載の増感色素が好ましく使用される。
【0094】
これら分光増感色素を乳剤中に添加する時期としては、これまで有用であると知られている乳剤調製のいかなる段階であってもよい。つまりハロゲン化銀乳剤の粒子形成前、粒子形成中、粒子形成直後から水洗工程に入る前、化学増感前、化学増感中、化学増感直後から乳剤を冷却固化するまで、塗布液調製時、のいずれから選ぶことができる。もっとも普通には化学増感の完了後、塗布前までの時期に行なわれるが、米国特許第3628969号、および同第4225666号に記載されているように化学増感剤と同時期に添加し分光増感を化学増感と同時に行なうことも、特開昭58−113928号に記載されているように化学増感に先立って行なうこともでき、またハロゲン化銀粒子沈殿生成の完了前に添加し分光増感を開始することもできる。更にまた米国特許第4225666号に教示されているように分光増感色素を分けて添加すること、すなわち一部を化学増感に先立って添加し、残部を化学増感の後で添加することも可能であり、米国特許第4183756号に教示されている方法を始めとしてハロゲン化銀粒子形成中のどの時期であってもよい。この中で特に乳剤の水洗工程前或いは化学増感前に増感色素を添加することが好ましい。
【0095】
これらの分光増感色素の添加量は場合に応じて広範囲にわたり、ハロゲン化銀1モルあたり0.5×10-6モル〜1.0×10-2モルの範囲が好ましい。更に好ましくは、1.0×10-6モル〜5.0×10-3モルの範囲である。
本発明において、特に赤域から赤外域に分光増感感度を有する増感色素を使用する場合、特開平2−157749号13頁右下欄〜22頁右下欄記載の化合物を併用することが好ましい。これらの化合物を使用することで、特異的に感光材料の保存性及び処理の安定性、強色増感効果を高めることができる。なかでも同特許中の一般式(IV)、(V)および(VI)の化合物を併用して使用することが特に好ましい。これらの化合物はハロゲン化銀1モル当り0.5×10-5モル〜5.0×10-2モル、好ましくは5.0×10-5モル〜5.0×10-3モルの量が用いられ、増感色素1モルあたり0.1倍〜10000倍、好ましくは0.5倍〜5000倍の範囲に有利な使用量がある。
【0096】
感光材料には、イラジエーションやハレーションを防止したり、セーフライト安全性等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許EP0337490A2号明細書の第27〜76頁に記載の、処理により脱色可能な染料(中でもオキソノール染料、シアニン染料)を添加することができる。
これらの水溶性染料の中には使用量を増やすと色分離やセーフライト安全性を悪化するものもある。色分離を悪化させないで使用できる染料としては、特願平03−310143号、特願平03−310189号、特願平03−310139号に記載された水溶性染料が好ましい。
【0097】
水溶性染料の代わりあるいは水溶性染料と併用して処理で脱色可能な着色層が用いられる。用いられる処理で脱色可能な着色層は、乳剤層に直かに接してもよく、ゼラチンやハイドロキノンなどの処理混色防止剤を含む中間層を介して接するように配置されていても良い。この着色層は、着色された色と同種の原色に発色する乳剤層の下層(支持体側)に設置されることが好ましい。各原色毎に対応する着色層を全て個々に設置することも、このうちに一部のみを任意に選んで設置することも可能である。また複数の原色域に対応する着色を行った着色層を設置することも可能である。着色層の光学反射濃度は、露光に使用する波長域(通常のプリンター露光においては400nmから700nmの可視光領域、走査露光の場合には使用する走査露光光源の波長)において最も光学濃度の高い波長における光学濃度値が0.2以上3.0以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.5以上2.5以下、特に0.8以上2.0以下が好ましい。
【0098】
着色層を形成するためには、従来公知の方法が適用できる。例えば、特開平2−282244号3頁右上欄から8頁に記載された染料や、特開平3−7931号3頁右上欄から11頁左下欄に記載された染料のように固体微粒子分散体の状態で親水性コロイド層に含有させる方法、アニオン性色素をカチオンポリマーに媒染する方法、色素をハロゲン化銀等の微粒子に吸着させて層中に固定する方法、特開平1−239544号に記載されているようなコロイド銀を使用する方法などである。色素の微粉末を固体状で分散する方法としては、たとえば、少なくともpH6以下では実質的に水不溶性であるが、少なくともpH8以上では実質的に水溶性である微粉末染料を含有させる方法が特開平2−308244号の第4〜13頁に記載されている。また、例えば、アニオン性色素をカチオンポリマーに媒染する方法としては、特開平2−84637号の第18〜26頁に記載されている。光吸収剤としてのコロイド銀の調製法については米国特許第2,688,601号、同3,459,563号に示されている。これらの方法のなかで微粉末染料を含有させる方法、コロイド銀を使用する方法などが好ましい。
【0099】
感光材料に用いることのできる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用いることが有利であるが、それ以外の親水性コロイドを単独であるいはゼラチンとともに用いることができる。好ましいゼラチンとしては、カルシウム含有量が800ppm以下、より好ましくは200ppm以下の低カルシウムゼラチンを用いることが好ましい。また親水性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や細菌を防ぐために、特開昭63−271247号公報に記載のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0100】
プリント用感光材料をプリンター露光する際、米国特許第4,880,726号に記載のバンドストップフィルターを用いることが好ましい。これによって光混色が取り除かれ、色再現性が著しく向上する。
露光済みの感光材料は慣用のカラー現像処理が施されうるが、迅速処理の目的からカラー現像の後、漂白定着処理するのが好ましい。特に前記高塩化銀乳剤が用いられる場合には、漂白定着液のpHは脱銀促進等の目的から約6.5以下が好ましく、更に約6以下が好ましい。
【0101】
使用できる写真用添加剤もRDに記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0102】
感光材料には種々の色素形成カプラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に好ましい。
イエローカプラー: EP 502,424A の式(I),(II)で表わされるカプラー; EP 513,496A の式(1),(2) で表わされるカプラー (特に18頁のY-28); 特願平4-134523の請求項1の一般式(I) で表わされるカプラー; US 5,066,576のカラム1の45〜55行の一般式(I) で表わされるカプラー; 特開平4-274425の段落0008の一般式(I) で表わされるカプラー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に記載のカプラー(特に18頁のD-35); EP 447,969A1 の4頁の式(Y) で表わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54(41頁)); US 4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表わされるカプラー(特にII-17,19( カラム17),II-24(カラム19))。
アシルアセトアニリド型カプラー、中でも、アニリド環のオルト位にハロゲン原子またはアルコキシ基を持つピバロイルアセトアニリド型カプラー、欧州特許EP0447969A号、特開平5−107701号、特開平5−113642号等に記載のアシル基が1位置換のシクロアルカンカルボニル基であるアシルアセトアニリド型カプラー、欧州特許EP−0482552A号、同EP−0524540A号等に記載のマロンジアニリド型カプラー。
【0103】
マゼンタカプラー; 特開平3-39737(L-57(11 頁右下),L-68(12 頁右下),L-77(13 頁右下); EP 456,257 の A-4 -63(134頁), A-4 -73,-75(139頁); EP 486,965 のM-4,-6(26 頁),M-7(27頁); 特願平4-234120の段落0024のM-45; 特願平4-36917 の段落0036のM-1;特開平4-362631の段落0237のM-22。
5−ピラゾロン系マゼンタカプラーとして、国際公開WO92/18901号、同WO92/18902号や同WO92/18903号に記載のアリールチオ離脱の5−ピラゾロン系マゼンタカプラー。ピラゾロアゾール型カプラーとして、特開昭61−65246号に記載されたような分子内にスルホンアミド基を含んだピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−147254号に記載されたようなアルコキシフェニルスルホンアミドバラスト基を持つピラゾロアゾールカプラーや欧州特許第226,849A号や同第294,785A号に記載されたような6位にアルコキシ基やアリーロキシ基をもつピラゾロアゾールカプラー。
【0104】
シアンカプラー: 特開平4-204843のCX-1,3,4,5,11,12,14,15(14 〜16頁); 特開平4-43345 のC-7,10(35 頁),34,35(37頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁); 特願平4-236333の請求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカプラー。
ポリマーカプラー: 特開平2-44345 のP-1,P-5(11頁) 。
フェノール系カプラーやナフトール系カプラー、特開平2−33144号公報に記載のジフェニルイミダゾール系シアンカプラー、欧州特許EP0333185A2号明細書に記載の3−ヒドロキシピリジン系シアンカプラーや特開昭64−32260号公報に記載された環状活性メチレン系シアンカプラー、欧州特許EP0456226A1号明細書に記載のピロロピラゾール型シアンカプラー、欧州特許EP0484909号に記載のピロロイミダゾール型シアンカプラー、欧州特許EP0488248号明細書及びEP0491197A1号明細書に記載のピロロトリアゾール型シアンカプラー。
【0105】
発色色素が適度な拡散性を有するカプラーとしては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、DE 3,234,533に記載のものが好ましい。
発色色素の不要吸収を補正するためのカプラーは、EP 456,257A1の5 頁に記載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV) で表わされるイエローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、該EPに記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM-7(202 頁) 、 EX-1(249 頁) 、 EX-7(251 頁) 、US 4,833,069に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9 (カラム8)、CC-13(カラム10) 、US 4,837,136の(2)(カラム8)、WO92/11575のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマスキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ましい。
現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な化合物残基を放出する化合物(カプラーを含む)としては、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:EP 378,236A1の11頁に記載の式(I),(II),(III),(IV) で表わされる化合物(特にT-101(30頁),T-104(31頁),T-113(36頁),T-131(45頁),T-144(51頁),T-158(58頁)), EP 436,938A2の 7頁に記載の式(I) で表わされる化合物(特にD-49(51 頁))、特願平4-134523の式(1) で表わされる化合物(特に段落0027の(23)) 、EP 440,195A2の5 〜6 頁に記載の式(I),(II),(III)で表わされる化合物(特に29頁のI-(1) );漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2の5 頁の式(I),(I')で表わされる化合物(特に61頁の(60),(61)) 及び特願平4-325564の請求項1の式(I) で表わされる化合物(特に段落0022の(7) );リガンド放出化合物:US 4,555,478のクレーム1に記載のLIG-X で表わされる化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物) ;ロイコ色素放出化合物:US 4,749,641のカラム3〜8の化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:US 4,774,181のクレーム1のCOUP-DYEで表わされる化合物(特にカラム7〜10の化合物1〜11);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US 4,656,123のカラム3の式(1) 、(2) 、(3) で表わされる化合物(特にカラム25の(I-22)) 及びEP 450,637A2の75頁36〜38行目のExZK-2; 離脱して初めて色素となる基を放出する化合物: US 4,857,447のクレーム1の式(I) で表わされる化合物(特にカラム25〜36のY-1 〜Y-19) 。
【0106】
カプラー以外の添加剤としては、以下のものが好ましい。
油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272 のP-3,5,16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(140〜144 頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US 4,199,363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャー: US 4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I) で表わされる化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12) (カラム4〜5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP 298321Aの4頁30〜33行の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24 〜48頁); 褪色防止剤: EP 298321AのA-6,7,20,21,23,24,25,26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118 頁), US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III-23, 特にIII-10, EP 471347Aの8 〜12頁のI-1 〜III-4,特にII-2, US 5,139,931のカラム32〜40のA-1 〜48, 特にA-39,42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させる素材: EP 411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特にI-46; ホルマリンスカベンジャー: EP 477932Aの24〜29頁のSCV-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1-214845の17頁のH-1,4,6,8,14, US 4,618,573のカラム13〜23の式(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-214852の8頁右下の式(6) で表わされる化合物(H-1〜76),特にH-14, US 3,325,287のクレーム1に記載の化合物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-168139 のP-24,37,39(6〜7 頁); US 5,019,492 のクレーム1に記載の化合物,特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: US 4,923,790のカラム3 〜15のI-1 〜III-43, 特にII-1,9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US 4,923,793のカラム6 〜16のI-1 〜(14), 特にI-1,60,(2),(13), US 4,952,483 のカラム25〜32の化合物1〜65, 特に36: 化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開平5-40324 の化合物50; 染料: 特開平3-156450の15〜18頁のa-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27 〜29頁のV-1 〜23, 特にV-1, EP 445627A の33〜55頁のF-I-1 〜F-II-43,特にF-I-11,F-II-8, EP 457153A の17〜28頁のIII-1 〜36, 特にIII-1,3, WO 88/04794の8〜26のDye-1 〜124 の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の化合物1〜22, 特に化合物1, EP 519306A の式(1) ないし(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US 4,268,622の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜10), US 4,923,788 の式(I) で表わされる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46-3335 の式(1) で表わされる化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜9頁),EP 520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜(66)(10 〜44頁) 及び式(III) で表わされる化合物HBT-1 〜10(14 頁), EP 521823A の式(1) で表わされる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9)。
【0107】
プリント用感光材料に使用する支持体はガラス、紙、プラスチックフィルムなど写真乳剤層を塗布できる支持体ならいかなる支持体でもかまわないが、最も好ましいのは反射型支持体である。
本発明に使用する「反射型支持体」とは、反射性を高めてハロゲン化銀乳剤層に形成された色素画像を鮮明にするものをいい、このような反射型支持体には、支持体上に酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の光反射物質を分散含有する疎水性樹脂を被覆したものや、光反射性物質を分散含有する疎水性樹脂そのものを支持体として用いたものが含まれる。例えばポリエチレン被覆紙、ポリエチレンテレフタレート被覆紙、ポリプロピレン系合成紙、反射層を併設した、或は反射性物質を併用する透明支持体、例えばガラス板、ポリエチレンテレフタレート、三酢酸セルロースあるいは硝酸セルロースなどのポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニル樹脂等がある。 本発明において使用する反射型支持体としては、耐水性樹脂層で両面を被覆された紙支持体で、耐水性樹脂層の少なくとも一方が白色顔料微粒子を含有するものが好ましい。
【0108】
反射支持体の耐水性樹脂とは、吸水率(重量%)が0.5、好ましくは0.1以下の樹脂で、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン系重合体等のポリオレフィン、ビニールポリマーやそのコポリマー(ポリスチレン、ポリアクリレートやそのコポリマー)やポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート等)やそのコポリマーである。特に好ましくはポリエチレンとポリエステルである。
ポリエチレンは高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及びこれらポリエチレンのブレンドを用いることができる。これらポリエチレン樹脂の加工前のメルトフローレート(以下MFRと略す)はJISK 7210の表1の条件4で測定された値で1.2g/10分〜12g/10分の範囲が好ましい。ここで言うポリオレフィン樹脂の加工前のMFRとは、ブルーイング剤、白色顔料を練り込む前の樹脂のMFRを示す。
【0109】
上記耐水性樹脂と白色顔料の混合比率は重量比で98/2〜30/70(耐水性樹脂/白色顔料)、好ましくは95/5〜50/50、特に好ましくは90/10〜60/40である。白色顔料が2重量%未満では白色度に対する寄与が不十分であり、70重量%を越える場合には写真用支持体としたときの表面の平滑性が不十分であり、光沢度に優れた写真用支持体を得ることができない。
これらの耐水性樹脂層は2〜200μmの厚みで基体上に被覆するのが好ましく、更に好ましくは5〜80μmである。200μmより厚くなると樹脂の脆さが強調されてわれを生じる等物性上の問題が出てくる。2μmより薄くなると被覆の本来の目的である防水性が損なわれるほか、白色度と表面平滑性を同時に満足することができなくなり、物性的にも柔らかくなりすぎて好ましくない。
基体の感光層塗布面側でない面に被覆する樹脂または樹脂組成物の厚みは、5〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。この範囲を越えて厚くなると樹脂の脆さが強調されて、われを生じる等物性上の問題が出てくる。この範囲を下回ると被覆の本来の目的である防水性が損なわれるほか物性的にも柔らかくなりすぎて好ましくない。
【0110】
反射支持体においては、感光層塗設側の耐水性樹脂被覆層が白色顔料の含有率の異なる2層以上の耐水性樹脂被覆層からなる反射支持体であることがコスト、支持体の製造適性等の観点からより好ましい場合もある。この場合白色顔料の含有率が異なる耐水性樹脂被覆層のうち、基体に最も近い耐水性樹脂被覆層の白色顔料の含有率が、この層よりも上層にある少なくとも1つの耐水性樹脂被覆層の白色顔料の含有率よりも低いことが好ましい。更に好ましい態様としては、反射支持体の白色顔料の含有率が異なる耐水性樹脂被覆層のうち、感光層に最も近い耐水性樹脂被覆層の白色顔料の含有率が最も高い反射支持体、あるいは反射支持体が少なくとも3層の耐水性樹脂被覆層からなり、その多層耐水性樹脂層の感光層に最も近い耐水性樹脂被覆層と基体に最も近い耐水性樹脂被覆層以外の中間のいずれかの層における白色顔料の含有率が最も高い反射支持体が挙げられる。
【0111】
多層耐水性樹脂層における各層の白色顔料の含有率は0重量%〜70重量%、好ましくは0重量%〜50重量%、より好ましくは0重量%〜40重量%である。またこの多層耐水性樹脂層のうち最も白色顔料の含有率が高い層の含有率は9重量%〜70重量%、好ましくは15重量%〜50重量%、更に好ましくは20重量%〜40重量%である。この層の白色顔料の含有率が9重量%未満だと画像の鮮鋭度が低く、70重量%を越えると溶融押し出ししたフィルムの膜割れを生じる。
また、多層耐水性樹脂層の各層の厚みは、0.5μm〜50μmが好ましい。例えば、2層構成の多層耐水性樹脂層の場合、各層の厚みは0.5μm〜50μmが好ましく、合わせたトータルの膜厚が前記の範囲(2〜200μm)に入ることが好ましい。3層構成の場合、最上層の膜厚は0.5μm〜10μm,中間層の膜厚は5μm〜50μm、下層(基体に最も近い層)の膜厚は0.5〜10μmが好ましい。最上層、最下層の膜厚が0.5μm以下であると、中間層の高充填化した白色顔料の作用によりダイリップスジが発生しやすくなる。一方最上層、最下層、特に最上層の厚みが10μm以上になると鮮鋭度を低下させてしまう。
【0112】
白色顔料微粒子は反射層中において粒子の集合体等を作らず均一に分散されている事が好ましく、その分布の大きさは単位面積に投影される微粒子の占有面積比率(%)(Ri )を測定して求めることが出来る。占有面積比率(%)の変動係数は、Ri の平均値(R)に対するRi の標準偏差sの比s/Rによって求めることが出来る。本発明において、顔料の微粒子の占有面積比率(%)の変動係数は0.15以下、更には0.12以下が好ましい。0.08以下が特に好ましい。
第二種拡散反射性の表面をもつ支持体を用いることができる。第二種拡散反射性とは、鏡面を有する表面に凹凸を与えて微細な異なった方向を向く鏡面に分割して、分割された微細な表面(鏡面)の向きを分散化させることによって得た拡散反射性のことをいう。第二種拡散反射性の表面の凹凸は、中心面に対する三次元平均粗さが0.1〜2μm、好ましくは0.1〜1.2μmである。表面の凹凸の周波数は、粗さ0.1μm以上の凹凸について0.1〜2000サイクル/mmであることが好ましく、さらに50〜600サイクル/mmであることが好ましい。このような支持体の詳細については、特開平2−239244号に記載されている。
【0113】
感光材料の適当な支持体は、例えば、前述のRD.17643 の28頁、同18716 の 647頁右欄から 648頁左欄、および同307105の 879頁に記載されている。
【0114】
撮影用感光材料では、乳剤層を有する側の全親水性コロイド層の膜厚の総和が23μm 以下であることが好ましく、20μm 以下がより好ましく、13〜17μm が特に好ましい。また膜膨潤速度T1/2 は5〜15秒が好ましい。T1/2 は、発色現像液で30℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚としたとき、膜厚がその1/2 に到達するまでの時間と定義する。T1/2 は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変えることによって調整することができる。また、膨潤率は 150〜350 %が好ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚により計算できる。
感光材料は、乳剤層を有する側の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm 〜20μm の親水性コロイド層(バック層と称す)を設けることができる。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含有させることが好ましい。このバック層の膨潤率は 150〜500 %が好ましい。
【0115】
【実施例】
実施例1
下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー感光材料である試料101を作製した。
(感光層組成)
各層に使用する素材の主なものは下記のように分類されている;
ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤
ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤
ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤
ExS:増感色素
各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0116】
(試料101)
第1層(ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 銀 0.18
ゼラチン 1.40
ExM−1 0.11
ExF−1 3.4×10-3
HBS 0.16
【0117】
第2層(中間層)
ExC−2 0.030
UV−1 0.020
UV−2 0.020
UV−3 0.060
HBS−1 0.05
HBS−2 0.020
ポリエチルアクリレートラテックス 0.080
ゼラチン 0.90
【0118】
第3層(低感度赤感乳剤層)
乳剤A 銀 0.23
乳剤B 銀 0.23
ExS−1 5.0×10-4
ExS−2 1.8×10-5
ExS−3 5.0×10-4
ExC−1 0.045
ExC−3 0.030
ExC−4 0.12
ExC−5 3.0×10-3
ExC−7 1.0×10-3
ExC−8 0.010
Cpd−2 0.005
HBS−1 0.08
ゼラチン 0.08
【0119】
第4層(中感度赤感乳剤層)
乳剤C 銀 0.70
ExS−1 3.4×10-4
ExS−2 1.2×10-5
ExS−3 4.0×10-4
ExC−1 0.15
ExC−2 0.060
ExC−4 0.050
ExC−5 0.010
ExC−8 0.010
Cpd−2 0.023
HBS−1 0.08
ゼラチン 0.55
【0120】
第5層(高感度赤感乳剤層)
乳剤D 銀 1.62
ExS−1 2.4×10-4
ExS−2 1.0×10-5
ExS−3 3.0×10-4
ExC−1 0.10
ExC−3 0.050
ExC−5 2.0×10-3
ExC−6 0.010
ExC−8 0.010
Cpd−2 0.025
HBS−1 0.20
HBS−2 0.10
ゼラチン 1.30
【0121】
第6層(中間層)
Cpd−1 0.090
HBS−1 0.05
ポリエチルアクリレートラテックス 0.15
ゼラチン 1.10
【0122】
第7層(低感度緑感乳剤層)
乳剤E 銀 0.24
乳剤F 銀 0.24
ExS−4 4.0×10-5
ExS−5 1.8×10-4
ExS−6 6.5×10-4
ExM−1 5.0×10-3
ExM−2 0.28
ExM−3 0.086
ExM−4 0.030
ExY−1 0.015
HBS−1 0.30
HBS−3 0.010
ゼラチン 0.85
【0123】
第8層(中感度緑感乳剤層)
乳剤G 銀 0.94
ExS−4 2.0×10-5
ExS−5 1.4×10-4
ExS−6 5.4×10-4
ExM−2 0.14
ExM−3 0.045
ExM−5 0.020
ExY−1 7.0×10-3
ExY−4 2.0×10-3
ExY−5 0.020
HBS−1 0.16
HBS−3 8.0×10-3
ゼラチン 0.80
【0124】
第9層(高感度緑感乳剤層)
乳剤H 銀 1.29
ExS−4 3.7×10-5
ExS−5 8.1×10-5
ExS−6 3.2×10-4
ExC−1 0.010
ExM−1 0.020
ExM−4 0.050
ExM−5 0.020
ExY−4 5.0×10-3
Cpd−3 0.050
HBS−1 0.20
HBS−2 0.08
ポリエチルアクリレートラテックス 0.26
ゼラチン 1.45
【0125】
第10層(イエローフィルター層)
黄色コロイド銀 銀 7.5×10-3
Cpd−1 0.13
Cpd−4 7.5×10-3
HBS−1 0.60
ゼラチン 0.60
【0126】
第11層(低感度青感乳剤層)
乳剤I 銀 0.25
乳剤J 銀 0.25
乳剤K 銀 0.10
ExS−7 8.0×10-4
ExC−7 0.010
ExY−1 5.0×10-3
ExY−2 0.40
ExY−3 0.45
ExY−4 6.0×10-3
ExY−6 0.10
HBS−1 0.30
ゼラチン 1.65
【0127】
第12層(高感度青感乳剤層)
乳剤L 銀 1.30
ExS−7 3.0×10-4
ExY−2 0.15
ExY−3 0.06
ExY−4 5.0×10-3
Cpd−2 0.10
HBS−1 0.070
ゼラチン 1.20
【0128】
第13層(第1保護層)
UV−2 0.10
UV−3 0.12
UV−4 0.30
HBS−1 0.10
ゼラチン 2.50
【0129】
第14層(第2保護層)
乳剤M 銀 0.10
H−1 0.37
B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2
B−2(直径 1.7 μm) 0.15
B−3 0.05
S−1 0.20
ゼラチン 0.70
【0130】
更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくするために、W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F−1ないしF−17及び鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、イリジウム塩、パラジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
Cpd−4は国際特許WO88/4794号に記載の方法に準じて固体状に分散した。
【0131】
【表1】
【0132】
表1において、
(1)乳剤I〜Lは特開平2-191938号の実施例に従い、二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時に還元増感されている。
(2)乳剤A〜Lは特開平3-237450号の実施例に従い、各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されている。
(3)平板状粒子の調製には特開平1-158426号の実施例に従い、低分子量ゼラチンを使用している。
(4)平板状粒子は特開平3-237450号に記載されているような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されている。
【0133】
各層のカプラーおよび添加剤は表2に示す方法でゼラチン溶液中に分散した。各層毎の添加法は表3に示した。
【0134】
【表2】
【0135】
【表3】
【0136】
【化17】
【0137】
【化18】
【0138】
【化19】
【0139】
【化20】
【0140】
【化21】
【0141】
【化22】
【0142】
【化23】
【0143】
【化24】
【0144】
【化25】
【0145】
【化26】
【0146】
【化27】
【0147】
【化28】
【0148】
【化29】
【0149】
【化30】
【0150】
【化31】
【0151】
次に第4表に示すように、本発明の一般式(D)の化合物を添加する層に用いた分散用オイル(HBS)に溶かして乳化分散しそれを添加する以外は試料101と全く同様にして試料102〜109を作成した。これらの試料を露光したのち、後にまとめて示す処理方法AおよびBで処理した。得られたイエロー、マゼンタ、シアン色像に関し(カブリ濃度+0.2)の濃度D0 を与える露光量をE0 とすると、logE=logE0 +2となるような露光量Eでの濃度D2 を測定した。これらの値より(D2 −D0 )/2の値を階調として第4表にまとめて示した。表より明らかなように、本発明の1−6、1−9、1−15及び1−18は、比較例1−1〜1−5、1−10〜1−14に比し、イエロー、マゼンタ、シアン3色の色バランスが良く、好ましかった。また発色現像液中に現像主薬P−5を含有する処理方法Aの方が、P−5を含有しない処理方法Bよりも色バランスの点でより好ましかった。
【0152】
【表4】
【0153】
実施例2
実施例1の処理方法を処理方法CおよびDに変更する以外、実施例1と全く同様な実験を行い、得られた結果を第5表にまとめて示した。表より明らかなように、迅速処理において本発明の2−6、2−9、2−15及び2−18は、比較例2−1〜2−5、2−10〜2−14に比し、イエロー、マゼンタ、シアン3色の色バランスが良く、好ましかった。この効果は迅速処理の方がより顕著であった。また発色現像液中に現像主薬P−5を含有する処理方法Cの方が、P−5を含有しない処理方法Dよりも色バランスの点でより好ましかった。
【0154】
【表5】
【0155】
実施例3
実施例2において処理方法をEおよびFに変更し同時に現像処理しても実施例2とほぼ同様の結果が得られた。
【0156】
実施例4
本発明の一般式(D)の化合物を下記記載の方法でボールミル処理した。水110mlおよび Triton X−200界面活性剤(TX−200)の6.7%水溶液200mlとを500mlのボールミルに入れた。一般式(D)の化合物5gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO)のビーズ100ml(2mm径)を添加し、内容物を4日間粉砕した。この後12.5%ゼラチン160gを添加した。脱泡したのち濾過によりZrOビーズを除去した。このようにして得られた一般式(D)の化合物の分散物を第6表に記載した層に添加する以外は、実施例1と全く同様にして試料110〜113を作成した。これらの試料を露光した後処理方法CおよびDで処理した。得られた結果を第6表にまとめて示した。表より明らかなように本発明の4−4及び4−9は比較例4−1〜4−3、4−6〜4−8に比しイエロー、マゼンタ、シアンの色バランスがよく好ましかった。また実施例2と比較すると、一般式(D)の化合物固体分散の方がオイル分散より濃度が出易く好ましかった。
【0157】
【表6】
【0158】
本発明の実施例で用いた処理方法に関し、以下まとめて示す。
(処理方法A)
カラー写真感光材料を露光したのち、富士写真フイルム(株)製ネガプロセサー FP−350を用い、以下に記載の方法で(液の累積補充量がその母液タンク容量の3倍になるまで)処理した。
【0159】
次に、処理液の組成を記す。
【0160】
【0161】
【0162】
(水洗液) タンク液、補充液共通
水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−120Bと、OH型アニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム0.15g/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0163】
【0164】
このようにして得られたランニング処理液で処理する場合を処理方法Aとする。
(処理方法B)
処理方法Aの発色現像液中の発色現像主薬P−5硫酸塩を除去した以外、処理方法Aと同様にして得られたランニング処理液で処理する場合を処理方法Bとする。
【0165】
カラー現像から漂白定着及び漂白定着から水洗(1)に至るクロスオーバー時間は5秒。
感光材料1m2当たりの平均処理液持ち出し量は40mlである。
水洗(1)〜(3)は向流多段カスケード方式。
水洗(1)〜(3)は空中でクロスオーバーすることなくワイパーブレードによる液中移動可能な多室水洗方式で行った。
また各槽には蒸発補正として特開平3−280042号に記載の様に処理機外気の温湿度を温湿度計にて検出し、蒸発量を換算して補正した。蒸発補正用の水は上記水洗水用のイオン交換水を用いた。
【0166】
各工程に用いた処理液の組成を以下に示す。
【0167】
【0168】
(水洗水)
水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製、アンバーライトIR−120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150mg/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0169】
漂白定着液は銀回収装置にてインラインで銀回収を行った。銀回収装置は、小型の電解銀回収装置で陽極がカーボン、陰極がステンレスドラムのもので、電流密度を0.5A/dm2 で使用した。
処理工程に用いる化合物の構造を以下に示す。
【0170】
【化32】
【0171】
試料に像様露光を与えて、上記の処理工程にて漂白定着液の補充量がタンク容量の3倍になるまで連続処理を行った。
このようにして得られたランニング処理液で処理する場合を、処理方法Cとする。
(処理方法D)
処理方法Cの発色現像液中の発色現像主薬P−5硫酸塩を除去した以外、処理方法Cと同様にして得られたランニング処理液で処理する場合を処理方法Dとする。
【0172】
(処理方法E)
試料を露光した後、以下に記載の方法で(液の累積補充量がその母液タンク容量の3倍になるまで)処理した。
【0173】
【0174】
以下に処理液の組成を示す。
【0175】
【0176】
【0177】
(水洗水)タンク液、補充液共通
水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型アニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム0.15g/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0178】
【0179】
このランニング処理液を用い処理する場合を処理方法Eとする。
【0180】
(処理方法F)
処理方法Eの発色現像液中の発色現像主薬P−5硫酸塩を除去した以外処理方法Eと同様にして得られたランニング処理液で処理する場合を、処理方法Fとする。
【0181】
【発明の効果】
本発明により、迅速に処理できると共に得られた色素画像もバランスのとれたものとなる。
また、現像液に発色現像主薬を含有させるとカラーバランスが一層良化した。
また、カラー感材が沃臭化銀乳剤からなる感光性を持ったものである場合、一般式(D)の化合物を固体の分散物として用いる場合、発色現像液が低補充の場合、本発明は、特に有効であった。
【産業上の利用分野】
本発明はハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法に関するもので、特に迅速処理での色バランスが改良されたハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀カラー写真感光材料の発色現像に用いる発色現像主薬としては、従来よりN,N−ジアルキルパラフェニレンジアミン系化合物が数多く知られており、例えばN−ヒドロキシアルキル系に関し米国特許第2,108,243号、英国特許第807,899号、欧州特許第410,450A2号等が、N−スルホンアミドアルキル系に関し米国特許第2,193,015号、同2,552,240号、同2,566,271号等が提案されている。一方処理の迅速化や現像処理廃液の環境に対する影響を低減する目的で、カラー発色現像に用いられるN,N−ジアルキルパラフェニレンジアミン系発色現像主薬を感材に内蔵することが、米国特許第4,157,915号、同5,210,007号および欧州特許第547,621A1号等に記載されている。しかし迅速処理および環境保護をめざした処理液補充量の低減において、色バランスの悪化を伴い改良が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みて行われたもので、その目的は迅速処理に適したハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。また迅速処理において色バランスに優れた感光材料およびその処理方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、請求項1ないし5に記載されたハロゲン化銀感光材料およびその処理方法によって達成された。すなわち、(1) 支持体上に少なくとも3層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、かつ最下層の感光性ハロゲン化銀乳剤層に、下記化1に示される一般式(D)で表される化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0005】
【化2】
【0006】
式中、R1 ,R2 はそれぞれアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。R3 ないしR6 はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子でベンゼン環に結合する置換基を表す。R1 とR2 、R1 とR3 、R3 とR4 、R2 とR5 、またはR5 とR6 は結合して環を形成してもよい。R7 は水素原子または単なる結合を表す。Tはタイミング基を表し、mは0ないし3の整数を表し、Sは現像処理時除去される保護基を表す。
(2) (1) において一般式(D)が不溶性の微細な固体の分散物であることを特徴とする(1) に記載の感光材料。
(3) (1) においてハロゲン化銀乳剤のヨード含率が少なくとも3.0〜15モル%であることを特徴とする(1) に記載の感光材料。
(4) (1) の感光材料をパラフェニレンジアミン系カラー発色現像主薬を含有する発色現像液で処理することを特徴とする(1) に記載の感光材料を処理する方法。
(5) (4) の処理方法において発色現像の処理時間が30〜90秒であることを特徴とする(3) に記載の感光材料を処理する方法。
【0007】
次に一般式(D)を詳細に説明する。本発明において、「少なくとも3層の感光性ハロゲン化銀乳剤層」とは、より具体的には感色性の異なった少なくとも3層ということである。例えば、青感性、緑感性、赤感性などである。本発明においては、一般式(D)で示される化合物を最下層の感光性乳剤層および/または該乳剤層と支持体との間の非感光性層に用いるものであるが、例えば同一感色性であるが感度が異なった乳剤層がある場合には、そのうちより支持体に近い乳剤層に用いることが好ましい。R1 及びR2 は、同一でも異なっていてもよく各々アルキル基、アリール基およびヘテロ環基を表す。これらは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリル基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基で置換されていてもよい。更にこれらの基はこれらの基で置換されていてもよい。
【0008】
更に詳しくはR1 及びR2 の例を示す。アルキル基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、ベンジル、2−メタンスルホンアミドエチル、3−メタンスルホンアミドプロピル、2−メタンスルホニルエチル、2−メトキシエチル、シクロペンチル、2−アセトアミドエチル、2−カルボキシルエチル、2−カルバモイルエチル、3−カルバモイルプロピル、ヘキシル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、2−カルバモイルアミノエチル、3−カルバモイルアミノプロピル、4−カルバモイルアミノブチル、4−カルバモイルブチル、2−カルバモイル−1−メチルエチル、4−ニトロブチルである。
【0009】
アリール基としては炭素数6〜24、好ましくは炭素数6〜12のアリール基で例えば、フェニル、ナフチル、p−メトキシフェニルである。ヘテロ環基としては炭素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1〜4個含む5員または6員環の飽和または不飽和のヘテロ環であって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であっても良く、例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾトリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルである。
【0010】
R1 とR2 は互いに結合して環を形成していても良い。形成される環としては特に制限はないが、中でも炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子よりなる群より選ばれた元素により構成される5員、6員、7員の飽和環であることが好ましく、その環としては例えばピロリジノ、ピペラジノ、モルホリノである。これらの環上にはR1 にて許容された置換基を有していても良い。
【0011】
R1 及びR2 は無置換ないし置換基を有したアルキル基であるか、結合して共同でピロリジン環を形成する場合が好ましい。R1 及びR2 の置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基が好ましい。R1 及びR2 としてさらに好ましくは、無置換のアルキル基およびヒドロキシ、アルコシキないしスルホンアミドの基で置換されたアルキル基である。
【0012】
R3 ないしR6 はそれぞれ水素原子、またはハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子でベンゼン環に結合する置換基を表し、各々同一でも異なっていても良い。R3 ないしR6 の炭素原子で結合するものとしては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基が、酸素原子で結合するものとしてはヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基が、窒素原子で結合するものとしてはアシルアミノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、イミド基、ヘテロ環基が、硫黄原子で結合するものとしてはアルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基が挙げられる。これらはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシル基、シアノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくは炭素原子で形成される置換基でさらに置換されていてもよい。
【0013】
更に詳しくR3 ないしR6 で表わされる置換基の具体例を示す。ハロゲン原子としては例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子である。アルキル基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、ベンジル、2−メタンスルホンアミドエチル、3−メタンスルホンアミドプロピル、2−メタンスルホニルエチル、2−メトキシエチル、シクロペンチル、2−アセトアミドエチル、2−カルボキシルエチル、2−カルバモイルエチル、3−カルバモイルプロピル、ヘキシル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、2−カルバモイルアミノエチル、3−カルバモイルアミノプロピル、4−カルバモイルアミノブチル、4−カルバモイルブチル、2−カルバモイル1−メチルエチルである。
【0014】
アルケニル基としては炭素数2〜16のもので、例えばビニル、1−プロペニル、1−ヘキセニル、スチリル等が挙げられる。アルキニル基としては炭素数2〜16のもので、例えばエチニル、1−ブチニル、1−ドデセニル、フェニルエチニル等が挙げられる。アリール基としては炭素数6〜24のアリール基で例えば、フェニル、ナフチル、p−メトキシフェニルである。
【0015】
環上の炭素原子で連結するヘテロ環基としては炭素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員または6員環の飽和または不飽和のヘテロ環であって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であっても良く、例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−イミダゾリルである。
【0016】
アルコキシ基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基で例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシである。アリールオキシ基としては炭素数6〜24のアリールオキシ基で例えば、フェノキシ、p−メトキシフェノキシ、m−(3−ヒドロキシプロピオンアミド)フェノキシである。ヘテロ環オキシ基としては炭素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員または6員環の飽和または不飽和のヘテロ環オキシ基であって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であっても良く例えば、1−フェニルテトラゾリル−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ、2−ピリジルオキシである。アシルオキシ基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のアシルオキシ基で例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ、4−ヒドロキシブタノイルオキシである。カルバモイルオキシ基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のカルバモイルオキシ基で例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシである。スルホニルオキシ基としては炭素数1〜16のもので、たとえばメタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシである。
【0017】
アシルアミノ基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のアシルアミノ基で例えば、アセトアミド、2−メトキシプロピオンアミド、p−クロロベンゾイルアミドである。アルキルアミノ基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のアルキルアミノ基で例えば、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−(2−ヒドロキシエチル)アミノである。アリールアミノ基としては炭素数6〜24のアリールアミノ基で例えばアニリノ、m−ニトロアニリノ、N−メチルアニリノである。ヘテロ環アミノ基としては炭素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員または6員環の飽和または不飽和のヘテロ環アミノ基であって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であっても良く例えば、2−オキサゾリルアミノ、2−テトラヒドロピラニルアミノ、4−ピリジルアミノである。ウレイド基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のウレイド基で例えば、ウレイド、メチルウレイド、N,N−ジエチルウレイド、2−メタンスルホンアミドエチルウレイドである。
【0018】
スルファモイルアミノ基としては炭素数0〜16、好ましくは炭素数0〜6のスルファモイルアミノ基で例えば、ジメチルスルファモイルアミノ、メチルスルファモイルアミノ、2−メトキシエチルスルファモイルアミノである。アルコキシカルボニルアミノ基としては炭素数2〜16、好ましくは炭素数2〜6のアルコキシカルボニルアミノ基で例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、3−メタンスルホニルプロピルオキシカルボニルアミノである。アリールオキシカルボニルアミノ基としては炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基で例えば、フェノキシカルボニルアミノ、4−シアノフェノキシカルボニルアミノ、2、6−ジメトキシフェノキシカルボニルアミノである。スルホンアミド基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のスルホンアミド基で例えば、メタンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、2−メトキシエタンスルホンアミドである。イミド基としては炭素数4〜16のイミド基で例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミドである。環の窒素原子で連結するヘテロ環基としては、炭素原子、酸素原子または硫黄原子の少なくとも1種と窒素原子からなる5〜6員のヘテロ環で、例えばピロリジノ、モルホリノ、イミダゾリノである。
【0019】
アルキルチオ基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6のアルキルチオ基で例えば、メチルチオ、エチルチオ、2−フェノキシエチルチオである。アリールチオ基としては炭素数6〜24のアリールチオ基でこれらは例えば、フェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、4−シアノフェニルチオである。ヘテロ環チオ基としては炭素数1〜5の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含む5員または6員環の飽和または不飽和のヘテロ環チオ基であって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であっても良く例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ピリジルチオである。
【0020】
R1 とR3 またはR2 とR5 は結合して環を形成してもよい。形成される環としては特に制限はないが、中でも炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子よりなる群より選ばれた元素により構成される5員、6員、7員の含窒素ヘテロ環であることが好ましく、その環としては例えばテトラヒドロピリジン、1,4−ジヒドロオキサジン、テトラヒドロピラジン、ピロリンである。R3 とR4 またはR5 とR6 は結合して環を形成してもよい。形成される環としては炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子よりなる群より選ばれた元素により構成される5員、6員、7員の環であり、その環としては例えばシクロペンテン、ジヒドロフラン、ピロリンである。
【0021】
R3 ないしR6 は好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、炭素数1〜6のウレイド基、炭素数2〜12のスルファモイルアミノ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1〜6のスルホンアミド基であり、さらに好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基であり、最も好ましくは炭素数1〜2のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基である。R3 およびR5 は水素原子またはそれぞれR1 およびR2 と結合して共同で環を形成する場合が好ましい。R4 およびR6 のいずれか一方が水素原子であることが好ましく、R4 が水素原子、R6 が炭素数1〜2のアルキル基か炭素数1〜3のアルコキシ基である場合がさらに好ましい。
【0022】
mは0〜3であるがここでm=2、3の場合、Tは同じでも異なっていてもよい。ここで、m=1が好ましい。一般式(D)で示される本発明の化合物のうち好ましくは下記一般式(E)で表されるものである。ここでR1 、R2 、R4 、R7 、T、Sおよびmは一般式(D)のそれと同義である。
一般式(E)
【0023】
【化3】
【0024】
一般式(E)において、R1 、R2 :無置換アルキル又はヒドロキシアルキル基、R1 とR2 で結合して5員環を形成、又はR1 とベンゼン環が結合して5又は6員の環形成
R4 :アルキル基又はアルコキシ基
R7 :H
の場合が特に好ましい。一般式(D)のTはタイミング基を表し、例えば米国特許第4,146,396号、同第4,248,962号、同第4,409,323号、同第4,772,537号、同第5,019,492号、英国特許第2,096,783号、特開昭51−146,828号、同57−56,837号などに記載されているものが挙げられる。mが2以上の時、Tは同じでも異なっていても良い。
【0025】
タイミング基の好ましい例としては以下のものが挙げられる。
(1)ヘミアセタールの開裂反応を利用する基で、例えば米国特許第4,146,396号、特開昭60−249,148号および同60−249,149号に記載がある。
(2)分子内求核置換反応を利用して開裂反応を起こさせる基で、例えば米国特許第4,248,962号に記載がある。
(3)共役系に沿った電子移動反応を利用して開裂反応を起こさせる基で、例えば米国特許第4,409,323号または同第4,421,845号に記載がある。
(4)エステルの加水分解による開裂反応を利用する基で、例えば西独公開特許第2,626,315号に記載がある。
(5)イミノアセタールの開裂反応を利用する基で、例えば米国特許第4,546,073号に記載のある基である。
【0026】
一般式(D)のSは現像処理時除去される保護基を表す。この保護基は現像時処理液の成分、例えば水酸イオン、亜硫酸イオン、発色現像主薬、ヒドロキシルアミン等によって除去される。その切断の機構は、分子間の求核置換反応や脱離反応等による直接切断と、分子間付加反応や置換反応にひきつぐ分子内求核置換による間接切断等が挙げられる。Sとして例えば、加水分解開裂型基(アシル基、スルホニル基、スルフィニル基、アミノメチル基等)、逆マイケル付加反応開裂型基(2−シアノエチル基,2−アシルエチル基、2−スルホニルエチル基,2−カルバモイルエチル基、ピロリジン−2、5−3−イル基等)、付加脱離反応開裂型基(ウラシル基、2−シクロヘキセンノン−3−イル基、マレインイミド−3−イル基、2−アルコキシカルボニルエテニル基,2−アシルエテニル基等)、分子内電子移動反応開裂型基(キノンメチド生成開裂型基等)、分子内求核置換反応開裂型基(3−アシルプロパノイル基,2−アシル−2,2−ジアルキルアセチル基等)その他フタリド基やサッカリン基でブロックする基、イミドメチル基でブロックする基等が挙げられる。Sおよび−(T)m Sの具体例を以下に示す。
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
これらの部分構造の具体例のうち、次のものはSの例である。
(1)、(3)、(4)、(5)、(7)、(8)、(9)、(17)、(19)、(22)、(23)、(24)、(25)、(28)、(31)、(32)、(33)、
また、他の例は−(T)m Sの具体例である。
一般式(D)で示される化合物は遊離アミンのかたちだけでなく、無機酸、有機酸の塩として製造、保存し、使用することができる。一般式(D)の化合物を造塩する無機、有機の酸としては例えば塩酸、硫酸、燐酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸などが挙げられる。
次に本発明に於ける一般式(D)で表されるブロックされた現像主薬の具体例を示すがこれらによって限定されるものではない。
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
本発明の一般式(D)で表される化合物は以下に示される特許およびそれに引用された特許・文献に記載されている。すなわち米国特許第2,911,410号、同3,342,599、同4,426,441、同4,157,915、同5,210,007、特開昭53−135,628、同54−79,035、同58−1,139、同58−1,140、同56−107,236、同61−113,059、欧州特許第547,621A1号等が挙げられる。
本発明の化合物を含有する感光材料を現像する場合に好ましく用いられる発色現像主薬を以下に挙げる。
【0042】
このうち特に好ましくは例示化合物P−5あるいはP−6である。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、硝酸塩、ナフタレン−1、5−ジスルホン酸塩などの塩で使用されるのが一般的である。該芳香族第一級アミン現像主薬の使用量は現像液1リットル当たり好ましくは約0.1g〜約20gである。併用する主薬の量は、本発明の効果を損なわない限り本発明の一般式の主薬1モルに対して1/10〜10モル用いることが好ましい。
本発明に使用される発色現像液はアルカリ性であることが一般的であり、好ましくはpH9〜12、5のアルカリ性水溶液である。
一般式(D)の微細な固体の分散物を得る分散方法に関しては、公知の粉砕方法(例えば、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミル)によって行うことができ、その場合は溶媒(例えば、水)を用いることが好ましく、更に分散用界面活性剤を用いることがより好ましい。また、本発明の染料を適当な溶媒中で溶解させた後、本発明の染料の貧溶媒を添加して微結晶を析出させてもよく、この場合にも分散用界面活性剤を用いてもよい。或いは、溶媒中でpHをコントロールさせることによってまず溶媒させ、その後pHを変化させて微結晶化させてもよい。
分散体中の本発明の一般式(D)の化合物は、平均粒径が10μm以下(好ましくは0.01μ以上)、好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.5μm以下であり、場合によっては0.1μm以下であることが好ましい。またこの微粒子は単分散されていることが好ましい。
【0043】
一般式(D)の化合物の分散の際には、何の前処理も施さず、そのまま分散しても良い。このとき好ましくは、該化合物の合成過程において得られる湿潤状態にある固体を分散に用いるのが良い。
また、必要に応じて、分散前及び/又は分散後に加熱処理を行ってもよく、より有効に加熱処理を行うには、少なくとも分散後に加熱処理を行うことが好ましい。
加熱方法は、一般式(D)の固体に熱が加われば特に制限はなく、温度は40℃以上が好ましく上限は染料が分解しない範囲であれば何度でもよく、好ましくは250℃以下である。更に好ましくは50℃〜150℃である。
加熱時間は(D)が分解しない範囲であれば特に制限はなく、15分〜1週間、好ましくは1時間〜4日である。
【0044】
有効に加熱処理を行うために、溶媒中で行うことが好ましく、溶媒の種類としては、一般式(D)の化合物を実質的に溶解しないものであれば制限はなく、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチルセロソルブ)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル)、アルキルカルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル)、エーテル類(例えば、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン)等を挙げることができる。
【0045】
加熱処理時に有機カルボン酸類を共存させると、本発明の課題をより有効に解決することができる。有機カルボン酸としては、アルキルカルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸)、カルボキシメチルセルロース類(CMC)、アリールカルボン酸類(例えば、安息香酸、サリチル酸)等を挙げることができる。
有機カルボン酸類の量は、溶媒として用いる場合には一般式(D)の化合物の重量の0.5〜100倍量を用いることができる。有機カルボン酸類以外の溶媒を用いて有機カルボン酸を添加して用いる場合には、一般式(D)の化合物に対して0.05〜100%の重量比で用いることができる。
【0046】
一般式(D)で表される化合物は、効果のある任意の量を使用できるが、添加量としては、発生色素が十分な濃度となる量を添加することが望ましい。現像処理時の現像主薬放出効率や銀現像性、発色効率等で異なってくるが、添加量としては2×10-2 mmole/m2〜10 mmole/m2が好ましく、より好ましくは1×10-1 mmole/m2〜6 mmole/m2である。
【0047】
カラー現像液には、前記芳香族第一級アミンカラー現像主薬を直接保恒する化合物として、特開昭63−5341号、同63−106655号あるいは特開平4−144446号に記載の各種ヒドロキシルアミン類、特開昭63−43138号に記載のヒドロキサム酸類、同63−146041号に記載のヒドラジン類やヒドラジド類、同63−44657および同63−58443号に記載のフエノール類、同63−44656号に記載のα−ヒドロキシケトン類やα−アミノケトン類、同63−36244号記載の各種糖類などを含有することができる。また、上記化合物と併用して、特開昭63−4235号、同63−24254号、同63−21647号、同63−146040号、同63−27841号および同63−25654号等に記載のモノアミン類、同63−30845号、同63−14640号、同63−43139号等に記載のジアミン類、同63−21647号、同63−26655号および同63−44655号に記載のポリアミン類、同63−53551号に記載のニトロキシラジカル類、同63−43140号及び同63−53549号に記載のアルコール類、同63−56654号に記載のオキシム類および同63−239447号に記載の3級アミン類を使用することができる。その他保恒剤として、特開昭57−44148号および同57−53749号に記載の各種金属類、同59−180588号に記載のサリチル酸類、同54−3582号に記載のアルカノールアミン類、同56−94349号に記載のポリエチレンイミン類、米国特許第3,746,544号に記載の芳香族ポリヒドロキシ化合物等を必要に応じて含有しても良い。特にヒドロキシルアミン類を使用する場合は、上記のアルカノールアミン類や芳香族ポリヒドロキシ化合物の併用が好ましい。
特に好ましい保恒剤としては、特開平3−144446号の一般式(I)で表されるヒドロキシルアミン類であり、中でもメチル基、エチル基あるいはスルホ基やカルボキシ基を有する化合物が好ましい。これらの保恒剤の添加量としてはカラー現像液1リットル当り20ミリモル〜200ミリモル、好ましくは30ミリモル〜150ミリモルである。
【0048】
プリント用感光材料の現像液中には塩素イオンを3.0×10-2〜1.5×10-1モル/リットル含有することが好ましい。特に好ましくは3.5×10-2〜1.0×10-1モル/リットルである。塩素イオン濃度が1.5×10-1〜1.0×10-1モル/リットルより多いと現像を遅らせるという欠点を有し、迅速で最大濃度が高いという本発明の目的を達成する上で好ましくない。また、3.0×10-2モル/リットル未満では、カブリを防止する上で好ましくない。
本発明において、カラー現像液中に臭素イオンを0.5×10-5モル/リットル〜1.0×10-3モル/リットル含有することが好ましい。より好ましくは、3.0×10-5〜5×10-4モル/リットルである。臭素イオン濃度が1×10-3モル/リットルより多い場合、現像を遅らせ、最大濃度及び感度が低下し、0.5×10-5モル/リットル未満である場合、カブリを十分に防止することができない。
【0049】
ここで塩素イオン及び臭素イオンはカラー現像液中に直接添加されてもよく、現像処理中に感光材料からカラー現像液に溶出してもよい。
カラー現像液に直接添加される場合、塩素イオン供給物質として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムが挙げられる。また、カラー現像液中に添加されている蛍光増白剤から供給されてもよい。臭素イオンの供給物質として、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウムが挙げられる。
現像処理中に感光材料から溶出する場合、塩素イオンや臭素イオンは共に乳剤から供給されていてもよく、乳剤以外から供給されても良い。
【0050】
その他カラー現像液には、上記特開平3−144446号に記載の各種添加剤を使用できる。例えば、pHを保持するための緩衝剤として同特許(9)ページの炭酸類、リン酸類、ホウ酸類、ヒドロキシ安息香酸類などを使用できる。カラー現像液はこれらの緩衝剤を用いてpHを9.0〜12.5に維持することが好ましい。より好ましくは9.5〜11.5である。
カブリ防止剤としては同(10)ページに記載のハロゲン化物イオン、有機カブリ防止剤が上げられる。特にカラー現像液中の現像主薬濃度が20ミリモル/リットル以上の高い時や40℃以上の高温処理する場合には、臭化物イオン濃度はある程度高い方が好ましく、17ミリモル/リットル以上60ミリモル以下が好ましい。また必要に応じてイオン交換樹脂やイオン交換膜を用いてハロゲンを除去して好ましい濃度範囲にコントロールすることもできる。
キレート剤としては、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸が好ましく使用される。例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N,N−テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表例とした化合物が使用できる。また好ましいキレート剤としては生分解性を有する化合物があげられる。この例としては特開昭63−146998号、特開昭63−199295号、特開昭63−267750号、特開昭63−267751号、特開平2−229146号、特開平3−186841号、独国特許3739610、欧州特許468325号等が挙げられる。
更に、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助現像主薬、粘性付与剤、あるいはアルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を必要に応じて添加してもよい。
【0051】
カラー現像液には、必要により任意の現像促進剤を添加できる。
現像促進剤としては、特公昭37−16088号、同37−5987号、同38−7826号、同44−12380号、同45−9019号及び米国特許第3,813,247号等に表わされるチオエーテル系化合物、特開昭52−49829号及び同50−15554号に表わされるp−フェニレンジアミン系化合物、特開昭50−137726号、特公昭44−30074号、特開昭56−156826号及び同52−43429号等に表わされる4級アンモニウム塩類、米国特許第2,494,903号、同3,128,182号、同4,230,796号、同3,253,919号、特公昭41−11431号、米国特許第2,482,546号、同2,596,926号及び同3,582,346号等に記載のアミン系化合物、特公昭37−16088号、同42−25201号、米国特許第3,128,183号、特公昭41−11431号、同42−23883号及び米国特許第3,532,501号等に表わされるポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、イミダゾール類、等を必要に応じて添加することができる。
【0052】
本発明の方法においてカラー現像液の補充量は撮影用感光材料の場合、1m2 当り550ml以下が前述の目的にとって好ましく、450ml以下がより好ましく、400ml以下、80ml以上が最も好ましい。補充液中の臭化物イオン濃度を低減するかあるいは含有させないことで、300ml以下にすることもできる。カラー現像液の補充量はプリント用感光材料の場合、感光材料1m2あたり20〜600mlが適当であり、好ましくは30〜200ml、さらに好ましくは40〜100mlである。
カラー現像液の処理温度は撮影用感光材料の場合、35℃以上が好ましく、更に好ましくは40℃以上50℃以下である。カラー現像液の処理温度はプリント用感光材料の場合、20〜50℃、好ましくは30〜45℃、最も好ましくは37〜42℃である。
カラー現像液の処理時間は撮影用感光材料の場合、30秒〜3分15秒が好ましく、30秒〜2分30秒がより好ましい。カラー現像液の処理時間はプリント用感光材料の場合、一般に3分以下であるが、10秒〜1分が好ましく、10秒〜30秒がより好ましい。ここで処理時間(例えば現像時間)とは、感光材料が対象の処理液に入ってから次浴の処理液に入るまでの時間を言う。
【0053】
プリント用感光材料の現像液には、実質的にベンジルアルコールを含有しないことが好ましい。
プリント用感光材料の現像液には、連続処理に伴う写真特性の変動を抑えまた、本発明の効果を達成するために亜硫酸イオンを実質的に含有しないこと(ここで実質的に含有しないとは、亜硫酸イオン濃度3.0×10-3モル/リットル以下である。)が好ましい。好ましくは亜硫酸イオンを1.0×10-3モル/リットル以下、最も好ましくは全く含有しないことである。ここで但し、使用液に調液する前に現像主薬が濃縮されている処理剤キットの酸化防止に用いられるごく少量の亜硫酸イオンは除外される。この現像液は、ヒドロキシルアミンの濃度変動に伴う写真特性の変動を抑えるために、さらにヒドロキシルアミンを実質的に含有しないこと(ここで実質的に含有しないとは、ヒドロキシルアミン濃度5.0×10-3モル/リットル以下である。)がより好ましい。最も好ましくはヒドロキシルアミンを全く含有しないことである。
【0054】
また液の蒸発、空気酸化を防止することが好ましい。処理槽での写真処理液と空気との接触面積は、以下に定義する開口率で表わすことができる。すなわち
開口率=[処理液と空気との接触面積(cm2) ]÷[処理液の容量(cm3) ]
上記の開口率(cm-1)は0.05以下であることが好ましく、より好ましくは0.0005〜0.01である。このように開口率を低減させる方法としては、処理槽の写真処理液面に浮き蓋等の遮蔽物を設けるほかに、特開平1−82033号に記載された可動蓋を用いる方法、特開昭63−216050号に記載されたスリット現像処理法を挙げることができる。またカラー現像液の補充タンクや処理層中の処理液は高沸点有機溶媒や高分子化合物などでシールドし、空気との接触面積を低減させることが好ましい。特に、流動パラフィンやオルガノシロキサン等が好ましい。開口率を低減させることは、発色現像及び黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工程例えば、漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全ての工程において適用できる。
現像液は再生して使用することができる。現像液の再生とは、使用済みの現像液をアニオン交換樹脂や電気透析を行ったり、あるいは再生剤と呼ばれる処理薬品を加えることにより現像液の活性を上げ、再び処理液として使用することである。この場合、再生率(補充液中のオーバーフロー液の割合)は、70%以上が好ましく、特に90%以上が好ましい。
再生の方法としては、アニオン交換樹脂を用いるの好ましい。特に好ましいアニオン交換樹脂の組成及び樹脂の再生方法に関しては、三菱化成工業(株)発行のダイアイオン・マニュアル(I)(1986年第14版)に記載のものをあげることができる。また、アニオン交換樹脂のなかでは特開平2−952号や特開平1−281152号に記載された組成の樹脂が好ましい。
【0055】
カラー現像された感光材料は、通常、脱銀処理される。ここでいう脱銀処理とは、基本的には漂白処理と定着処理からなるが、これらを同時に行う漂白定着処理及びこれらの処理を組み合わせて構成される。
漂白剤としては、例えば鉄塩;鉄(III)、コバルト(III) 、クロム(IV)、銅(II)などの多価金属の化合物;過酸類;キノン類;ニトロ化合物等があげられる。代表的漂白剤としては、塩化鉄;フェリシアン化物;重クロム酸塩;鉄(III) の有機錯塩(例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボン酸類などの金属錯塩);過硫酸塩;臭素酸塩;過マンガン酸塩;ニトロベンゼン類などを挙げることができる。これらのうち前述の特開平3−144446号(11)ページに記載の様にアミノポリカルボン酸第2鉄塩又はその塩が好ましく用いられる。例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸などの第2鉄塩が上げられる。その他漂白剤として、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩などを用いることができる。これらのうちエチレンジアミン四酢酸鉄(III) 錯塩、及び1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III) 錯塩を始めとするアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩が特に好ましい。これらのアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩は漂白液においても、漂白定着液においても特に有用である。
【0056】
漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴には、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されている:米国特許第3,893,858号、西独特許第1,290,812号、特開昭53−95630号、リサーチ・ディスクロージャーNo.17129号(1978年7月)などに記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化合物;特開昭50−140129号に記載のチアゾリジン誘導体;米国特許第3,706,561号に記載のチオ尿素誘導体;特開昭58−16235号に記載の沃化物塩;西独特許第2,748,430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭45−8836号記載のポリアミン化合物;臭化物イオン等が使用できる。なかでもメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果が大きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893,858号、西独特許第1,290,812号、特開昭53−95630号に記載の化合物が好ましい。さらに、米国特許第4,552,834号に記載の化合物も好ましい。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。撮影用のカラー感光材料を漂白定着するときにこれらの漂白促進剤は特に有効である。
【0057】
脱銀処理浴には漂白剤の他に特開平3−144446号(12)ページに記載の再ハロゲン化剤、pH緩衝剤及び公知の添加剤を使用できる。
漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させることが好ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数(pka)が2〜6である化合物で、具体的には酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、フマル酸、マロン酸、アジピン酸などが挙げられるが、特に好ましくはコハク酸、マレイン酸、グルタル酸である。
漂白液又は漂白定着液のpHは通常4.0〜8.0であるが、処理の迅速化のために、さらに低いpHで処理することもできる。
【0058】
定着液や漂白定着液に用いられる定着剤としては、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等を挙げることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用できる。また、チオ硫酸塩とチオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素などとの併用も好ましい。
定着液や漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重亜硫酸付加物あるいは欧州特許第294769A号に記載のスルフィン酸化合物が好ましい。さらに液の安定化の目的で各種アミノポリカルボン酸類や、有機ホスホン酸類等のキレート剤の添加が好ましい。好ましいキレート剤としては1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラキス(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−プロピレンジアミン四酢酸をあげることができる。この中でも、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びエチレンジアミン四酢酸が特に好ましい。
定着液や漂白定着液には、pH調整のためにpKaが6.0〜9.0の化合物を含有させることが好ましい。例えばイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールの如きイミダゾール類を0.1〜10モル/リットル添加することが好ましい。
イミダゾール化合物とは、イミダゾール及びその誘導体を表し、イミダゾールの好ましい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等を挙げることができる。また、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基は、更にアミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。イミダゾールの置換基の好ましい総炭素数は1〜6であり、最も好ましい置換基はメチル基である。
【0059】
以下に、イミダゾール化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール、4−プロピルイミダゾール、4−(2−アミノエチル)イミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−クロロイミダゾール。これらの内、好ましい化合物はイミダゾール、2−メチル−イミダゾール、4−メチル−イミダゾールであり、最も好ましい化合物はイミダゾールである。
【0060】
定着液や漂白定着液には、さらに、各種の蛍光増白剤;消泡剤;界面活性剤;ポリビニルピロリドン;メタノール等を含有させることができる。
処理において補充方式を採用する場合の定着液または漂白定着液の補充量としては感光材料1m2 あたり100〜3000mlが好ましいが、より好ましくは300〜1800mlである。漂白定着液の補充は漂白定着補充液として補充してもよいし、特開昭61−143755号や特願平2−216389号記載のように漂白液と定着液のオーバーフロー液を使用して行ってもよい。
撮影用感光材料を漂白、漂白定着、定着の組合せよりなる脱銀工程の全処理時間の合計は、好ましくは30秒〜3分、さらに好ましくは45秒〜2分である。また、処理温度は30〜60℃、好ましくは35〜55℃である。
【0061】
漂白能を有する処理液は、処理に際し、エアレーションを実施することが写真性能をきわめて安定に保持するので特に好ましい。エアレーションには当業界で公知の手段が使用でき、漂白能を有する処理液中への、空気の吹き込みやエゼクターを利用した空気の吸収などが実施できる。
空気の吹き込みに際しては、微細なポアを有する散気管を通じて、液中に空気を放出させることが好ましい。このような散気管は、活性汚泥処理における曝気槽等に、広く使用されている。エアレーションに関しては、イーストマン・コダック社発行のZ−121、ユージング・プロセス・C−41第3版(1982年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項を利用できる。本発明の漂白能を有する処理液を用いた処理に於いては、攪拌が強化されていることが好ましく、その実施には特開平3−33847号公報の第8頁、右上欄、第6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、そのまま利用できる。
【0062】
定着能を有する処理液は公知の方法で銀回収を行うことができ、このような銀回収を施した再生液を使用することができる。銀回収法としては、電気分解法(仏国特許第2,299,667号記載)、沈澱法(特開昭52−73037号、独国特許第2,331,220号記載)、イオン交換法(特開昭51−17114号、独国特許第2,548,237号記載)及び金属置換法(英国特許第1,353,805号記載)等が有効である。これらの銀回収法はタンク液中からインラインで行うと迅速処理適性が更に良好となるため好ましい。
また、漂白能を有する処理液は、処理に使用後のオーバーフロー液を回収し、成分を添加して組成を修正した後、再利用することが出来る。このような使用方法は、通常、再生と呼ばれるが、本発明はこのような再生も好ましくできる。再生の詳細に関しては、富士写真フイルム株式会社発行の富士フイルム・プロセシングマニュアル、フジカラーネガティブフィルム、CN−16処理(1990年8月改訂)第39頁〜40頁に記載の事項が適用できる。
本発明の漂白能を有する処理液を調整するためのキットは、液体でも粉体でも良いが、アンモニウム塩を排除した場合、ほとんどの原料が粉体で供給され、また吸湿性も少ないことから、粉体を作るのが容易になる。
上記再生用のキットは、廃液量削減の観点から、余分な水を用いず、直接添加できることから、粉体が好ましい。
【0063】
漂白能を有する処理液の再生に関しては、前述のエアレーションの他、「写真工学の基礎−銀塩写真編−」(日本写真学会編、コロナ社発行、1979年)等に記載の方法が使用できる。具体的には電界再生の他、臭素酸や亜鉛素酸、臭素、臭素プレカーサー、過硫酸塩、過酸化水素、触媒を利用した過酸化水素、亜臭素酸、オゾン等による漂白液の再生方法が挙げられる。
電解による再生においては、陰極及び陽極を同一漂白浴に入れたり、或いは隔膜を用いて陽極槽と陰極槽を別浴にして再生したりするほか、やはり隔膜を用いて漂白液と現像液及び/又は定着液を同時に再生処理したりすることができる。
定着液、漂白定着液の再生は、蓄積する銀イオンを電解還元することでおこなわれる。その他、蓄積するハロゲンイオンを陰イオン交換樹脂により除去することも、定着性能を保つ上で好ましい。
【0064】
脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法としては特開昭62−183460号に記載の感光材料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭62−183461号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、さらには液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化することによってより攪拌効果を向上させる方法、処理液全体の循環流量を増加させる方法があげられる。このような攪拌向上手段は漂白液、漂白定着液、定着液のいずれにおいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高めるものと考えられる。また前記の攪拌向上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効であり、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害作用を解消させることができる。
本発明の感光材料に用いられる自動現像機は、特開昭 60-191257号、同 60-191258号、同 60-191259号に記載の感光材料搬送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭 60-191257号に記載のとおり、このような搬送手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は各工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減に特に有効である。
【0065】
脱銀処理後に水洗工程を経るのが一般的である。水洗工程に代り、安定工程を行ってもよい。このような安定化処理においては、特開昭57−8543号、同58−14834号、同60−220345号に記載の公知の方法はすべて用いることができる。また、色素安定化剤と界面活性剤を含有する安定浴を最終浴として使用するような水洗工程−安定工程を行ってもよい。
水洗液及び安定液には、無機リン酸、ポリアミノカルボン酸、有機アミノホスホン酸のような硬水軟化剤などを含有させることができる。
【0066】
水洗工程等での水量は、感光材料の特性(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には液温、タンクの数(段数)、向流、順流等の補充方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。段数としては2〜4段が好ましい。補充量としては単位面積当り前浴からの持込量の1〜50倍、好ましくは1〜30倍、より好ましくは1〜10倍である。さらに補充量を効率よく低減する方法として、水洗タンクあるいは安定浴を隔壁で分割し、ワイパーブレード等のスリット部を通って感光材料が空気中に出ることなく液中で処理されるいわゆる多室水洗あるいは安定処理が好ましく用いられる。
【0067】
上記の多段向流方式あるいは多室水洗方式によれば、水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感光材料の処理において、このような問題が解決策として、特開昭62-288,838号に記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを予め低減させる方法を極めて有効に用いることができる。また、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の殺菌剤によって予め殺菌した水を用いることも有効である。また、水洗水等には特開昭57-8,542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、公知の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0068】
水洗水および安定液のpHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。又、温度、時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し得るが、一般には、15〜45℃で10秒〜10分、好ましくは25〜40℃で15秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代り、直接安定液によって処理することもできる。このような安定化処理においては、特開昭57-8543 号、同58-14834号、同60-220345 号に記載の公知の方法はすべて用いることができる。
【0069】
また、安定液には色素画像を安定化させる化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズアルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これらの化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり0.001〜0.02モルであるが、安定液中の遊離ホルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロールアゾール類、N,N′−ビ(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−313753号記載のアゾリルメチルアミン類が好ましい。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリアゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きアゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好ましい。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alなどの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,786,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィン酸化合物を含有させることも好ましい。
【0070】
水洗水及び安定液には処理後の感光材料の乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活性剤を含有することができる。中でもノニオン性界面活性剤を用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエチレンオキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノールとしては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニルフェノールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加モル数としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効果の高いシリコン系界面活性剤を用いることも好ましい。
【0071】
水洗水及び安定液中には、各種キレート剤を含有させることが好ましい。好ましいキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′−トリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの有機ホスホン酸、あるいは、欧州特許345,172A1号に記載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物などをあげることができる。
【0072】
上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用することもできる。
自動現像機などを用いた処理において、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、蒸発による濃縮を補正するために、適当量の水または補正液ないし処理補充液を補充することが好ましい。水補充を行う具体的方法としては、特に制限はないが、中でも特開平1−254959号、同1−254960号公報記載の、漂白槽とは別のモニター水槽を設置し、モニター水槽内の水の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂白槽における水の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例して漂白槽に水を補充する方法や特開平3−248155号、同3−249644号、同3−249645号、同3−249646号公報記載の液レベルセンサーやオーバーフローセンサーを用いた蒸発補正方法が好ましい。各処理液の蒸発分を補正するための水は、水道水を用いてもよいが上記の水洗工程に好ましく使用される脱イオン処理した水、殺菌された水とするのがよい。
【0073】
水洗及び/又は安定化水は逆浸透膜で処理したものを有効に用いることができる。逆浸透膜の材質としては酢酸セルロース、架橋ポリアミド、ポリエーテル、ポリサルホン、ポリアクリル酸、ポリビニレンカーボネート等が使用できる。
これらの膜の使用における送液圧力は、ステイン防止効果と透過水量の低下防止により好ましい条件は2〜10kg/cm2 、特に好ましい条件は3〜7kg/cm2 である。
【0074】
逆浸透膜による処理は、このような多段向流式水洗及び/又は安定化の第2タンク以降の水に対して行うのが好ましい。具体的には2タンク構成の場合は第2タンク、3タンク構成の場合は第2または第3タンク、4タンク構成の場合は第3または第4タンク内の水を逆浸透膜で処理、透過水を同一タンク(逆浸透膜処理のために水を採取したタンク;以下採取タンクと記す)またはその後に位置する水洗及び/又は安定化タンクに戻すことにより行われる。更に、濃縮された水洗及び/又は安定化液を採取タンクよりも上流側の漂白定着浴に戻すことも一つの対応である。
【0075】
各種処理液は10℃〜50℃において使用されることが好ましい。通常は33℃〜38℃の温度が標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液の安定性の改良を達成することができる。
【0076】
各処理液は2種以上の感光材料の処理に共通に使用することができる。例えば、カラーネガフィルムとカラーペーパーの処理を同じ処理液を用いて処理することにより、処理機のコスト低減や処理の簡易化を行うことができる。
【0077】
一般用もしくは映画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー反転ペーパーのような種々のカラー感光材料に適用することができる。また、特公平2-32615 、実公平3-39784 に記載されているレンズ付きフイルムユニット用にも好適である。
【0078】
感光材料は、支持体上に少なくとも3層の感光性ハロゲン化銀乳剤層が設けられてなり、典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る単位感光性層を少なくとも3 層有するハロゲン化銀写真感光材料である。該単位感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真の撮影用感光材料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層には非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプラー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,045に記載されているように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ましい。また、特開昭57-112751 、同62- 200350、同62-206541 、62-206543に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。具体例として支持体から最も遠い側から、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭 55-34932 公報に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもできる。また特開昭56-25738、同62-63936に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列することもできる。
【0079】
また特公昭49-15495に記載されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭59-202464 に記載されているように、同一感色性層中において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に配置されていてもよい。また、4層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
色再現性を改良するために、US 4,663,271、同 4,705,744、同 4,707,436、特開昭62-160448 、同63- 89850 の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接して配置することが好ましい。
【0080】
一般的なプリント用感光材料(カラー印画紙)では、ハロゲン化銀乳剤粒子は前述の発色層の順に青感性、緑感性、赤感性の分光増感色素によりそれぞれ分光増感され、また支持体上に前出の順で塗設して構成することができる。しかしながら、これと異なる順序であっても良い。つまり迅速処理の観点から平均粒子サイズの最も大きなハロゲン化銀粒子を含む感光層が最上層にくることが好ましい場合や、光照射下での保存性の観点から、最下層をマゼンタ発色感光層にすることが好ましい場合もある。
また感光層と発色色相とは、上記の対応を持たない構成としても良く、赤外感光性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層用いることもできる。
【0081】
撮影用感材に用いられる好ましいハロゲン化銀は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。より好ましいのは約2モル%から約15モル%まで、特に好ましくは3〜15モル%のヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形でもよい。
ハロゲン化銀の粒径は、約 0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよい。分散係数15%以下、10%以下の単分散のものが好ましい。
ハロゲン化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す) 17643 (1978 年12月), 22〜23頁, “I. 乳剤製造(Emulsion preparation and types)”、および同 18716 (1979年11月), 648 頁、同 307105(1989 年11月),863 〜865 頁、などに記載された方法を用いて調製することができる。
【0082】
また、アスペクト比が約3以上であるような平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutoff, Photographic Science and Engineering)、第14巻 248〜 257頁(1970年)、US 4,434,226、GB 2,112,157に記載の方法により簡単に調製することができる。
結晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい。エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。
上記の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像型のうち、特開昭 63-264740に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよく、この調製方法は特開昭 59-133542に記載されている。この乳剤のシェルの厚みは現像処理等によって異なるが、3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好ましい。
【0083】
ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このような工程で使用される添加剤はRD17643 、同18716 および同307105に記載されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。
本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することができる。
US 4,082,553に記載の粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、US 4,626,498、特開昭 59-214852に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的に非感光性の親水性コロイド層に適用することが好ましい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のことをいう。粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、ハロゲン組成が異なっていてもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズとしては0.01〜0.75μm 、特に0.05〜0.6 μm が好ましい。また、粒子形状は規則的な粒子でもよく、多分散乳剤でもよいが、単分散性であることが好ましい。
【0084】
非感光性微粒子ハロゲン化銀を使用することもできる。非感光性微粒子ハロゲン化銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感光せずに、その現像処理において実質的に現像されないハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされていないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含有率が 0〜 100モル%であり、必要に応じて塩化銀および/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化銀を 0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)が0.01〜 0.5μm が好ましく、0.02〜 0.2μm がより好ましい。
微粒子ハロゲン化銀は、光学的に増感される必要はなく、また分光増感も不要である。ただし、これを塗布液に添加するのに先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておくことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コロイド銀を含有させることができる。
撮影用感光材料の塗布銀量は、3〜10g/m2以下が好ましく、4〜7g/m2が最も好ましい。
【0085】
プリント用感光材料ではハロゲン化銀粒子としては、95モル%以上が塩化銀である塩化銀、塩臭化銀、または塩沃臭化銀粒子を使用することが好ましい。特に、現像処理時間を速めるために実質的に沃化銀を含まない塩臭化銀もしくは塩化銀よりなるものを好ましく用いることができる。ここで実質的に沃化銀を含まないとは、沃化銀含有率が1モル%以下、好ましくは0.2モル%以下のことを言う。一方、高照度感度を高める、分光増感感度を高める、あるいは感光材料の経時安定性を高める目的で、特開平3−84545号に記載されているような乳剤表面に0.01〜3モル%の沃化銀を含有した高塩化銀粒子が好ましく用いられる場合もある。乳剤のハロゲン組成は粒子間で異なっていても等しくても良いが、粒子間で等しいハロゲン組成を有する乳剤を用いると、各粒子の性質を均質にすることが容易である。また、ハロゲン化銀乳剤粒子内部のハロゲン組成分布については、ハロゲン化銀粒子のどの部分をとっても組成の等しい所謂均一型構造の粒子や、ハロゲン化銀粒子内部のコア(芯)とそれを取り囲むシェル(殻)〔一層または複数層〕とでハロゲン組成の異なる所謂積層型構造の粒子あるいは、粒子内部もしくは表面に非層状にハロゲン組成の異なる部分を有する構造(粒子表面にある場合は粒子のエッジ、コーナーあるいは面上に異組成の部分が接合した構造)の粒子などを適宜選択して用いることができる。高感度を得るには、均一型構造の粒子よりも後二者のいずれかを用いることが有利であり、耐圧力性の面からも好ましい。ハロゲン化銀粒子が上記のような構造を有する場合には、ハロゲン組成において異なる部分の境界部は、明確な境界であっても、組成差により混晶を形成して不明確な境界であっても良く、また積極的に連続的な構造変化を持たせたものであってもよい。
【0086】
高塩化銀乳剤においては臭化銀局在相を先に述べたような層状もしくは非層状にハロゲン化銀粒子内部および/または表面に有する構造のものが好ましい。上記局在相のハロゲン組成は、臭化銀含有率において少なくとも10モル%のものが好ましく、20モル%を越えるものがより好ましい。そして、これらの局在相は、粒子内部、粒子表面のエッジ、コーナーあるいは面上にあることができるが、一つの好ましい例として、粒子のコーナー部にエピタキシャル成長したものを挙げることができる。
また、現像処理液の補充量を低減する目的でハロゲン化銀乳剤の塩化銀含有率を更に高めることも有効である。この様な場合にはその塩化銀含有率が98モル%〜100モル%であるような、ほぼ純塩化銀の乳剤も好ましく用いられる。
【0087】
ハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投影面積と等価な円の直径を以て粒子サイズとし、その数平均をとったもの)は、0.1μm〜2μmが好ましい。
また、それらの粒子サイズ分布は変動係数(粒子サイズ分布の標準偏差を平均粒子サイズで除したもの)20%以下、望ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下の所謂単分散なものが好ましい。このとき、広いラチチュードを得る目的で上記の単分散乳剤を同一層にブレンドして使用することや、重層塗布することも好ましく行われる。
写真乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の形状は、立方体、十四面体あるいは八面体のような規則的な(regular)結晶形を有するもの、球状、板状などのような変則的な(irregular)結晶形を有するもの、あるいはこれらの複合形を有するものを用いることができる。また、種々の結晶形を有するものの混合したものからなっていても良い。本発明においてはこれらの中でも上記規則的な結晶形を有する粒子を50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上含有するのが良い。また、これら以外にも平均アスペクト比(円換算直径/厚み)が5以上、好ましくは8以上の平板状粒子が投影面積として全粒子の50%を越えるような乳剤も好ましく用いることができる。
【0088】
ハロゲン化銀粒子の局在相またはその基質には、異種金属イオンまたはその錯イオンを含有させてもよい。好ましい金属としては周期律表の第VIII族、第IIb族に属する金属イオンあるいは金属錯体、及び鉛イオン、タリウムイオンの中から選ばれる。主として局在相にはイリジウム、ロジウム、鉄などから選ばれるイオンまたはその錯イオン、また主として基質にはオスミウム、イリジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、パラジウム、コバルト、ニッケル、鉄などから選ばれた金属イオンまたはその錯イオンを組合せて用いることができる。また局在相と基質とで金属イオンの種類と濃度をかえて用いることができる。これらの金属は複数種用いても良い。特に鉄、イリジウム化合物は臭化銀局在相中に存在させることが好ましい。
【0089】
これらの金属イオン提供化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に、分散媒になるゼラチン水溶液中、ハロゲン化物水溶液中、銀塩水溶液中またはその他の水溶液中、あるいはあらかじめ金属イオンを含有せしめたハロゲン化銀微粒子の形で添加しこの微粒子を溶解させる、等の手段によって本発明のハロゲン化銀粒子の局在相および/またはその他の粒子部分(基質)に含有せしめる。
本発明で用いられる金属イオンを乳剤粒子中に含有させるには、粒子形成前、粒子形成中、粒子形成直後のいずれかでおこなうことができる。これは金属イオンを粒子のどの位置に含有させるかによって変えることができる。
【0090】
ハロゲン化銀乳剤は、通常化学増感及び分光増感を施される。
化学増感法については、カルコゲン増感剤を使用した化学増感(具体的には不安定硫黄化合物の添加に代表される硫黄増感あるいはセレン化合物によるセレン増感、テルル化合物によるテルル増感があげられる。)、金増感に代表される貴金属増感、あるいは還元増感などを単独もしくは併用して用いることができる。化学増感に用いられる化合物については、特開昭62−215272号公報の第18頁右下欄〜第22頁右上欄に記載のものが好ましく用いられる。
本発明の感光材料の構成の効果は、金増感された高塩化銀乳剤を用いた際より顕著である。本発明に用いる乳剤は、潜像が主として粒子表面に形成される所謂表面潜像型乳剤である。
【0091】
ハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防止する、あるいは写真性能を安定化させる目的で種々の化合物あるいはそれ等の前駆体を添加することができる。これらの化合物の具体例は前出の特開昭62−215272号公報明細書の第39頁〜第72頁に記載のものが好ましく用いられる。更に欧州特許EP0447647号に記載された5−アリールアミノ−1,2,3,4−チアトリアゾール化合物(該アリール残基には少なくとも一つの電子吸引性基を持つ)も好ましく用いられる。
【0092】
分光増感は、感光材料における各層の乳剤に対して所望の光波長域に分光感度を付与する目的で行われる。
青、緑、赤領域の分光増感に用いられる分光増感色素としては例えば、F.M.Harmer著 Heterocyclic compounds-Cyanine dyes and related compounds (John Wiley & Sons New York,London 社刊1964年)に記載されているものを挙げることができる。具体的な化合物の例ならびに分光増感法は、前出の特開昭62−215272号公報の第22頁右上欄〜第38頁に記載のものが好ましく用いられる。また、特に塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤粒子の赤感光性分光増感色素としては特開平3−123340号に記載された分光増感色素が安定性、吸着の強さ、露光の温度依存性等の観点から非常に好ましい。
【0093】
赤外域を効率よく分光増感する場合、特開平3−15049号12頁左上欄〜21頁左下欄、あるいは特開平3−20730号4頁左下欄〜15頁左下欄、欧州特許EP0,420,011号4頁21行〜6頁54行、欧州特許EP0,420,012号4頁12行〜10頁33行、欧州特許EP0,443,466号、米国特許US4,975,362号に記載の増感色素が好ましく使用される。
【0094】
これら分光増感色素を乳剤中に添加する時期としては、これまで有用であると知られている乳剤調製のいかなる段階であってもよい。つまりハロゲン化銀乳剤の粒子形成前、粒子形成中、粒子形成直後から水洗工程に入る前、化学増感前、化学増感中、化学増感直後から乳剤を冷却固化するまで、塗布液調製時、のいずれから選ぶことができる。もっとも普通には化学増感の完了後、塗布前までの時期に行なわれるが、米国特許第3628969号、および同第4225666号に記載されているように化学増感剤と同時期に添加し分光増感を化学増感と同時に行なうことも、特開昭58−113928号に記載されているように化学増感に先立って行なうこともでき、またハロゲン化銀粒子沈殿生成の完了前に添加し分光増感を開始することもできる。更にまた米国特許第4225666号に教示されているように分光増感色素を分けて添加すること、すなわち一部を化学増感に先立って添加し、残部を化学増感の後で添加することも可能であり、米国特許第4183756号に教示されている方法を始めとしてハロゲン化銀粒子形成中のどの時期であってもよい。この中で特に乳剤の水洗工程前或いは化学増感前に増感色素を添加することが好ましい。
【0095】
これらの分光増感色素の添加量は場合に応じて広範囲にわたり、ハロゲン化銀1モルあたり0.5×10-6モル〜1.0×10-2モルの範囲が好ましい。更に好ましくは、1.0×10-6モル〜5.0×10-3モルの範囲である。
本発明において、特に赤域から赤外域に分光増感感度を有する増感色素を使用する場合、特開平2−157749号13頁右下欄〜22頁右下欄記載の化合物を併用することが好ましい。これらの化合物を使用することで、特異的に感光材料の保存性及び処理の安定性、強色増感効果を高めることができる。なかでも同特許中の一般式(IV)、(V)および(VI)の化合物を併用して使用することが特に好ましい。これらの化合物はハロゲン化銀1モル当り0.5×10-5モル〜5.0×10-2モル、好ましくは5.0×10-5モル〜5.0×10-3モルの量が用いられ、増感色素1モルあたり0.1倍〜10000倍、好ましくは0.5倍〜5000倍の範囲に有利な使用量がある。
【0096】
感光材料には、イラジエーションやハレーションを防止したり、セーフライト安全性等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許EP0337490A2号明細書の第27〜76頁に記載の、処理により脱色可能な染料(中でもオキソノール染料、シアニン染料)を添加することができる。
これらの水溶性染料の中には使用量を増やすと色分離やセーフライト安全性を悪化するものもある。色分離を悪化させないで使用できる染料としては、特願平03−310143号、特願平03−310189号、特願平03−310139号に記載された水溶性染料が好ましい。
【0097】
水溶性染料の代わりあるいは水溶性染料と併用して処理で脱色可能な着色層が用いられる。用いられる処理で脱色可能な着色層は、乳剤層に直かに接してもよく、ゼラチンやハイドロキノンなどの処理混色防止剤を含む中間層を介して接するように配置されていても良い。この着色層は、着色された色と同種の原色に発色する乳剤層の下層(支持体側)に設置されることが好ましい。各原色毎に対応する着色層を全て個々に設置することも、このうちに一部のみを任意に選んで設置することも可能である。また複数の原色域に対応する着色を行った着色層を設置することも可能である。着色層の光学反射濃度は、露光に使用する波長域(通常のプリンター露光においては400nmから700nmの可視光領域、走査露光の場合には使用する走査露光光源の波長)において最も光学濃度の高い波長における光学濃度値が0.2以上3.0以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.5以上2.5以下、特に0.8以上2.0以下が好ましい。
【0098】
着色層を形成するためには、従来公知の方法が適用できる。例えば、特開平2−282244号3頁右上欄から8頁に記載された染料や、特開平3−7931号3頁右上欄から11頁左下欄に記載された染料のように固体微粒子分散体の状態で親水性コロイド層に含有させる方法、アニオン性色素をカチオンポリマーに媒染する方法、色素をハロゲン化銀等の微粒子に吸着させて層中に固定する方法、特開平1−239544号に記載されているようなコロイド銀を使用する方法などである。色素の微粉末を固体状で分散する方法としては、たとえば、少なくともpH6以下では実質的に水不溶性であるが、少なくともpH8以上では実質的に水溶性である微粉末染料を含有させる方法が特開平2−308244号の第4〜13頁に記載されている。また、例えば、アニオン性色素をカチオンポリマーに媒染する方法としては、特開平2−84637号の第18〜26頁に記載されている。光吸収剤としてのコロイド銀の調製法については米国特許第2,688,601号、同3,459,563号に示されている。これらの方法のなかで微粉末染料を含有させる方法、コロイド銀を使用する方法などが好ましい。
【0099】
感光材料に用いることのできる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用いることが有利であるが、それ以外の親水性コロイドを単独であるいはゼラチンとともに用いることができる。好ましいゼラチンとしては、カルシウム含有量が800ppm以下、より好ましくは200ppm以下の低カルシウムゼラチンを用いることが好ましい。また親水性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や細菌を防ぐために、特開昭63−271247号公報に記載のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0100】
プリント用感光材料をプリンター露光する際、米国特許第4,880,726号に記載のバンドストップフィルターを用いることが好ましい。これによって光混色が取り除かれ、色再現性が著しく向上する。
露光済みの感光材料は慣用のカラー現像処理が施されうるが、迅速処理の目的からカラー現像の後、漂白定着処理するのが好ましい。特に前記高塩化銀乳剤が用いられる場合には、漂白定着液のpHは脱銀促進等の目的から約6.5以下が好ましく、更に約6以下が好ましい。
【0101】
使用できる写真用添加剤もRDに記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0102】
感光材料には種々の色素形成カプラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に好ましい。
イエローカプラー: EP 502,424A の式(I),(II)で表わされるカプラー; EP 513,496A の式(1),(2) で表わされるカプラー (特に18頁のY-28); 特願平4-134523の請求項1の一般式(I) で表わされるカプラー; US 5,066,576のカラム1の45〜55行の一般式(I) で表わされるカプラー; 特開平4-274425の段落0008の一般式(I) で表わされるカプラー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に記載のカプラー(特に18頁のD-35); EP 447,969A1 の4頁の式(Y) で表わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54(41頁)); US 4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表わされるカプラー(特にII-17,19( カラム17),II-24(カラム19))。
アシルアセトアニリド型カプラー、中でも、アニリド環のオルト位にハロゲン原子またはアルコキシ基を持つピバロイルアセトアニリド型カプラー、欧州特許EP0447969A号、特開平5−107701号、特開平5−113642号等に記載のアシル基が1位置換のシクロアルカンカルボニル基であるアシルアセトアニリド型カプラー、欧州特許EP−0482552A号、同EP−0524540A号等に記載のマロンジアニリド型カプラー。
【0103】
マゼンタカプラー; 特開平3-39737(L-57(11 頁右下),L-68(12 頁右下),L-77(13 頁右下); EP 456,257 の A-4 -63(134頁), A-4 -73,-75(139頁); EP 486,965 のM-4,-6(26 頁),M-7(27頁); 特願平4-234120の段落0024のM-45; 特願平4-36917 の段落0036のM-1;特開平4-362631の段落0237のM-22。
5−ピラゾロン系マゼンタカプラーとして、国際公開WO92/18901号、同WO92/18902号や同WO92/18903号に記載のアリールチオ離脱の5−ピラゾロン系マゼンタカプラー。ピラゾロアゾール型カプラーとして、特開昭61−65246号に記載されたような分子内にスルホンアミド基を含んだピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−147254号に記載されたようなアルコキシフェニルスルホンアミドバラスト基を持つピラゾロアゾールカプラーや欧州特許第226,849A号や同第294,785A号に記載されたような6位にアルコキシ基やアリーロキシ基をもつピラゾロアゾールカプラー。
【0104】
シアンカプラー: 特開平4-204843のCX-1,3,4,5,11,12,14,15(14 〜16頁); 特開平4-43345 のC-7,10(35 頁),34,35(37頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁); 特願平4-236333の請求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカプラー。
ポリマーカプラー: 特開平2-44345 のP-1,P-5(11頁) 。
フェノール系カプラーやナフトール系カプラー、特開平2−33144号公報に記載のジフェニルイミダゾール系シアンカプラー、欧州特許EP0333185A2号明細書に記載の3−ヒドロキシピリジン系シアンカプラーや特開昭64−32260号公報に記載された環状活性メチレン系シアンカプラー、欧州特許EP0456226A1号明細書に記載のピロロピラゾール型シアンカプラー、欧州特許EP0484909号に記載のピロロイミダゾール型シアンカプラー、欧州特許EP0488248号明細書及びEP0491197A1号明細書に記載のピロロトリアゾール型シアンカプラー。
【0105】
発色色素が適度な拡散性を有するカプラーとしては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、DE 3,234,533に記載のものが好ましい。
発色色素の不要吸収を補正するためのカプラーは、EP 456,257A1の5 頁に記載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV) で表わされるイエローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、該EPに記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM-7(202 頁) 、 EX-1(249 頁) 、 EX-7(251 頁) 、US 4,833,069に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9 (カラム8)、CC-13(カラム10) 、US 4,837,136の(2)(カラム8)、WO92/11575のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマスキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ましい。
現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な化合物残基を放出する化合物(カプラーを含む)としては、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:EP 378,236A1の11頁に記載の式(I),(II),(III),(IV) で表わされる化合物(特にT-101(30頁),T-104(31頁),T-113(36頁),T-131(45頁),T-144(51頁),T-158(58頁)), EP 436,938A2の 7頁に記載の式(I) で表わされる化合物(特にD-49(51 頁))、特願平4-134523の式(1) で表わされる化合物(特に段落0027の(23)) 、EP 440,195A2の5 〜6 頁に記載の式(I),(II),(III)で表わされる化合物(特に29頁のI-(1) );漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2の5 頁の式(I),(I')で表わされる化合物(特に61頁の(60),(61)) 及び特願平4-325564の請求項1の式(I) で表わされる化合物(特に段落0022の(7) );リガンド放出化合物:US 4,555,478のクレーム1に記載のLIG-X で表わされる化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物) ;ロイコ色素放出化合物:US 4,749,641のカラム3〜8の化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:US 4,774,181のクレーム1のCOUP-DYEで表わされる化合物(特にカラム7〜10の化合物1〜11);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US 4,656,123のカラム3の式(1) 、(2) 、(3) で表わされる化合物(特にカラム25の(I-22)) 及びEP 450,637A2の75頁36〜38行目のExZK-2; 離脱して初めて色素となる基を放出する化合物: US 4,857,447のクレーム1の式(I) で表わされる化合物(特にカラム25〜36のY-1 〜Y-19) 。
【0106】
カプラー以外の添加剤としては、以下のものが好ましい。
油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272 のP-3,5,16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(140〜144 頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US 4,199,363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャー: US 4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I) で表わされる化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12) (カラム4〜5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP 298321Aの4頁30〜33行の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24 〜48頁); 褪色防止剤: EP 298321AのA-6,7,20,21,23,24,25,26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118 頁), US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III-23, 特にIII-10, EP 471347Aの8 〜12頁のI-1 〜III-4,特にII-2, US 5,139,931のカラム32〜40のA-1 〜48, 特にA-39,42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させる素材: EP 411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特にI-46; ホルマリンスカベンジャー: EP 477932Aの24〜29頁のSCV-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1-214845の17頁のH-1,4,6,8,14, US 4,618,573のカラム13〜23の式(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-214852の8頁右下の式(6) で表わされる化合物(H-1〜76),特にH-14, US 3,325,287のクレーム1に記載の化合物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-168139 のP-24,37,39(6〜7 頁); US 5,019,492 のクレーム1に記載の化合物,特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: US 4,923,790のカラム3 〜15のI-1 〜III-43, 特にII-1,9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US 4,923,793のカラム6 〜16のI-1 〜(14), 特にI-1,60,(2),(13), US 4,952,483 のカラム25〜32の化合物1〜65, 特に36: 化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開平5-40324 の化合物50; 染料: 特開平3-156450の15〜18頁のa-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27 〜29頁のV-1 〜23, 特にV-1, EP 445627A の33〜55頁のF-I-1 〜F-II-43,特にF-I-11,F-II-8, EP 457153A の17〜28頁のIII-1 〜36, 特にIII-1,3, WO 88/04794の8〜26のDye-1 〜124 の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の化合物1〜22, 特に化合物1, EP 519306A の式(1) ないし(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US 4,268,622の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜10), US 4,923,788 の式(I) で表わされる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46-3335 の式(1) で表わされる化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜9頁),EP 520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜(66)(10 〜44頁) 及び式(III) で表わされる化合物HBT-1 〜10(14 頁), EP 521823A の式(1) で表わされる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9)。
【0107】
プリント用感光材料に使用する支持体はガラス、紙、プラスチックフィルムなど写真乳剤層を塗布できる支持体ならいかなる支持体でもかまわないが、最も好ましいのは反射型支持体である。
本発明に使用する「反射型支持体」とは、反射性を高めてハロゲン化銀乳剤層に形成された色素画像を鮮明にするものをいい、このような反射型支持体には、支持体上に酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の光反射物質を分散含有する疎水性樹脂を被覆したものや、光反射性物質を分散含有する疎水性樹脂そのものを支持体として用いたものが含まれる。例えばポリエチレン被覆紙、ポリエチレンテレフタレート被覆紙、ポリプロピレン系合成紙、反射層を併設した、或は反射性物質を併用する透明支持体、例えばガラス板、ポリエチレンテレフタレート、三酢酸セルロースあるいは硝酸セルロースなどのポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニル樹脂等がある。 本発明において使用する反射型支持体としては、耐水性樹脂層で両面を被覆された紙支持体で、耐水性樹脂層の少なくとも一方が白色顔料微粒子を含有するものが好ましい。
【0108】
反射支持体の耐水性樹脂とは、吸水率(重量%)が0.5、好ましくは0.1以下の樹脂で、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン系重合体等のポリオレフィン、ビニールポリマーやそのコポリマー(ポリスチレン、ポリアクリレートやそのコポリマー)やポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート等)やそのコポリマーである。特に好ましくはポリエチレンとポリエステルである。
ポリエチレンは高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及びこれらポリエチレンのブレンドを用いることができる。これらポリエチレン樹脂の加工前のメルトフローレート(以下MFRと略す)はJISK 7210の表1の条件4で測定された値で1.2g/10分〜12g/10分の範囲が好ましい。ここで言うポリオレフィン樹脂の加工前のMFRとは、ブルーイング剤、白色顔料を練り込む前の樹脂のMFRを示す。
【0109】
上記耐水性樹脂と白色顔料の混合比率は重量比で98/2〜30/70(耐水性樹脂/白色顔料)、好ましくは95/5〜50/50、特に好ましくは90/10〜60/40である。白色顔料が2重量%未満では白色度に対する寄与が不十分であり、70重量%を越える場合には写真用支持体としたときの表面の平滑性が不十分であり、光沢度に優れた写真用支持体を得ることができない。
これらの耐水性樹脂層は2〜200μmの厚みで基体上に被覆するのが好ましく、更に好ましくは5〜80μmである。200μmより厚くなると樹脂の脆さが強調されてわれを生じる等物性上の問題が出てくる。2μmより薄くなると被覆の本来の目的である防水性が損なわれるほか、白色度と表面平滑性を同時に満足することができなくなり、物性的にも柔らかくなりすぎて好ましくない。
基体の感光層塗布面側でない面に被覆する樹脂または樹脂組成物の厚みは、5〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。この範囲を越えて厚くなると樹脂の脆さが強調されて、われを生じる等物性上の問題が出てくる。この範囲を下回ると被覆の本来の目的である防水性が損なわれるほか物性的にも柔らかくなりすぎて好ましくない。
【0110】
反射支持体においては、感光層塗設側の耐水性樹脂被覆層が白色顔料の含有率の異なる2層以上の耐水性樹脂被覆層からなる反射支持体であることがコスト、支持体の製造適性等の観点からより好ましい場合もある。この場合白色顔料の含有率が異なる耐水性樹脂被覆層のうち、基体に最も近い耐水性樹脂被覆層の白色顔料の含有率が、この層よりも上層にある少なくとも1つの耐水性樹脂被覆層の白色顔料の含有率よりも低いことが好ましい。更に好ましい態様としては、反射支持体の白色顔料の含有率が異なる耐水性樹脂被覆層のうち、感光層に最も近い耐水性樹脂被覆層の白色顔料の含有率が最も高い反射支持体、あるいは反射支持体が少なくとも3層の耐水性樹脂被覆層からなり、その多層耐水性樹脂層の感光層に最も近い耐水性樹脂被覆層と基体に最も近い耐水性樹脂被覆層以外の中間のいずれかの層における白色顔料の含有率が最も高い反射支持体が挙げられる。
【0111】
多層耐水性樹脂層における各層の白色顔料の含有率は0重量%〜70重量%、好ましくは0重量%〜50重量%、より好ましくは0重量%〜40重量%である。またこの多層耐水性樹脂層のうち最も白色顔料の含有率が高い層の含有率は9重量%〜70重量%、好ましくは15重量%〜50重量%、更に好ましくは20重量%〜40重量%である。この層の白色顔料の含有率が9重量%未満だと画像の鮮鋭度が低く、70重量%を越えると溶融押し出ししたフィルムの膜割れを生じる。
また、多層耐水性樹脂層の各層の厚みは、0.5μm〜50μmが好ましい。例えば、2層構成の多層耐水性樹脂層の場合、各層の厚みは0.5μm〜50μmが好ましく、合わせたトータルの膜厚が前記の範囲(2〜200μm)に入ることが好ましい。3層構成の場合、最上層の膜厚は0.5μm〜10μm,中間層の膜厚は5μm〜50μm、下層(基体に最も近い層)の膜厚は0.5〜10μmが好ましい。最上層、最下層の膜厚が0.5μm以下であると、中間層の高充填化した白色顔料の作用によりダイリップスジが発生しやすくなる。一方最上層、最下層、特に最上層の厚みが10μm以上になると鮮鋭度を低下させてしまう。
【0112】
白色顔料微粒子は反射層中において粒子の集合体等を作らず均一に分散されている事が好ましく、その分布の大きさは単位面積に投影される微粒子の占有面積比率(%)(Ri )を測定して求めることが出来る。占有面積比率(%)の変動係数は、Ri の平均値(R)に対するRi の標準偏差sの比s/Rによって求めることが出来る。本発明において、顔料の微粒子の占有面積比率(%)の変動係数は0.15以下、更には0.12以下が好ましい。0.08以下が特に好ましい。
第二種拡散反射性の表面をもつ支持体を用いることができる。第二種拡散反射性とは、鏡面を有する表面に凹凸を与えて微細な異なった方向を向く鏡面に分割して、分割された微細な表面(鏡面)の向きを分散化させることによって得た拡散反射性のことをいう。第二種拡散反射性の表面の凹凸は、中心面に対する三次元平均粗さが0.1〜2μm、好ましくは0.1〜1.2μmである。表面の凹凸の周波数は、粗さ0.1μm以上の凹凸について0.1〜2000サイクル/mmであることが好ましく、さらに50〜600サイクル/mmであることが好ましい。このような支持体の詳細については、特開平2−239244号に記載されている。
【0113】
感光材料の適当な支持体は、例えば、前述のRD.17643 の28頁、同18716 の 647頁右欄から 648頁左欄、および同307105の 879頁に記載されている。
【0114】
撮影用感光材料では、乳剤層を有する側の全親水性コロイド層の膜厚の総和が23μm 以下であることが好ましく、20μm 以下がより好ましく、13〜17μm が特に好ましい。また膜膨潤速度T1/2 は5〜15秒が好ましい。T1/2 は、発色現像液で30℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚としたとき、膜厚がその1/2 に到達するまでの時間と定義する。T1/2 は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変えることによって調整することができる。また、膨潤率は 150〜350 %が好ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚により計算できる。
感光材料は、乳剤層を有する側の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm 〜20μm の親水性コロイド層(バック層と称す)を設けることができる。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含有させることが好ましい。このバック層の膨潤率は 150〜500 %が好ましい。
【0115】
【実施例】
実施例1
下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー感光材料である試料101を作製した。
(感光層組成)
各層に使用する素材の主なものは下記のように分類されている;
ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤
ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤
ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤
ExS:増感色素
各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0116】
(試料101)
第1層(ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 銀 0.18
ゼラチン 1.40
ExM−1 0.11
ExF−1 3.4×10-3
HBS 0.16
【0117】
第2層(中間層)
ExC−2 0.030
UV−1 0.020
UV−2 0.020
UV−3 0.060
HBS−1 0.05
HBS−2 0.020
ポリエチルアクリレートラテックス 0.080
ゼラチン 0.90
【0118】
第3層(低感度赤感乳剤層)
乳剤A 銀 0.23
乳剤B 銀 0.23
ExS−1 5.0×10-4
ExS−2 1.8×10-5
ExS−3 5.0×10-4
ExC−1 0.045
ExC−3 0.030
ExC−4 0.12
ExC−5 3.0×10-3
ExC−7 1.0×10-3
ExC−8 0.010
Cpd−2 0.005
HBS−1 0.08
ゼラチン 0.08
【0119】
第4層(中感度赤感乳剤層)
乳剤C 銀 0.70
ExS−1 3.4×10-4
ExS−2 1.2×10-5
ExS−3 4.0×10-4
ExC−1 0.15
ExC−2 0.060
ExC−4 0.050
ExC−5 0.010
ExC−8 0.010
Cpd−2 0.023
HBS−1 0.08
ゼラチン 0.55
【0120】
第5層(高感度赤感乳剤層)
乳剤D 銀 1.62
ExS−1 2.4×10-4
ExS−2 1.0×10-5
ExS−3 3.0×10-4
ExC−1 0.10
ExC−3 0.050
ExC−5 2.0×10-3
ExC−6 0.010
ExC−8 0.010
Cpd−2 0.025
HBS−1 0.20
HBS−2 0.10
ゼラチン 1.30
【0121】
第6層(中間層)
Cpd−1 0.090
HBS−1 0.05
ポリエチルアクリレートラテックス 0.15
ゼラチン 1.10
【0122】
第7層(低感度緑感乳剤層)
乳剤E 銀 0.24
乳剤F 銀 0.24
ExS−4 4.0×10-5
ExS−5 1.8×10-4
ExS−6 6.5×10-4
ExM−1 5.0×10-3
ExM−2 0.28
ExM−3 0.086
ExM−4 0.030
ExY−1 0.015
HBS−1 0.30
HBS−3 0.010
ゼラチン 0.85
【0123】
第8層(中感度緑感乳剤層)
乳剤G 銀 0.94
ExS−4 2.0×10-5
ExS−5 1.4×10-4
ExS−6 5.4×10-4
ExM−2 0.14
ExM−3 0.045
ExM−5 0.020
ExY−1 7.0×10-3
ExY−4 2.0×10-3
ExY−5 0.020
HBS−1 0.16
HBS−3 8.0×10-3
ゼラチン 0.80
【0124】
第9層(高感度緑感乳剤層)
乳剤H 銀 1.29
ExS−4 3.7×10-5
ExS−5 8.1×10-5
ExS−6 3.2×10-4
ExC−1 0.010
ExM−1 0.020
ExM−4 0.050
ExM−5 0.020
ExY−4 5.0×10-3
Cpd−3 0.050
HBS−1 0.20
HBS−2 0.08
ポリエチルアクリレートラテックス 0.26
ゼラチン 1.45
【0125】
第10層(イエローフィルター層)
黄色コロイド銀 銀 7.5×10-3
Cpd−1 0.13
Cpd−4 7.5×10-3
HBS−1 0.60
ゼラチン 0.60
【0126】
第11層(低感度青感乳剤層)
乳剤I 銀 0.25
乳剤J 銀 0.25
乳剤K 銀 0.10
ExS−7 8.0×10-4
ExC−7 0.010
ExY−1 5.0×10-3
ExY−2 0.40
ExY−3 0.45
ExY−4 6.0×10-3
ExY−6 0.10
HBS−1 0.30
ゼラチン 1.65
【0127】
第12層(高感度青感乳剤層)
乳剤L 銀 1.30
ExS−7 3.0×10-4
ExY−2 0.15
ExY−3 0.06
ExY−4 5.0×10-3
Cpd−2 0.10
HBS−1 0.070
ゼラチン 1.20
【0128】
第13層(第1保護層)
UV−2 0.10
UV−3 0.12
UV−4 0.30
HBS−1 0.10
ゼラチン 2.50
【0129】
第14層(第2保護層)
乳剤M 銀 0.10
H−1 0.37
B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2
B−2(直径 1.7 μm) 0.15
B−3 0.05
S−1 0.20
ゼラチン 0.70
【0130】
更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくするために、W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F−1ないしF−17及び鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、イリジウム塩、パラジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
Cpd−4は国際特許WO88/4794号に記載の方法に準じて固体状に分散した。
【0131】
【表1】
【0132】
表1において、
(1)乳剤I〜Lは特開平2-191938号の実施例に従い、二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時に還元増感されている。
(2)乳剤A〜Lは特開平3-237450号の実施例に従い、各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されている。
(3)平板状粒子の調製には特開平1-158426号の実施例に従い、低分子量ゼラチンを使用している。
(4)平板状粒子は特開平3-237450号に記載されているような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されている。
【0133】
各層のカプラーおよび添加剤は表2に示す方法でゼラチン溶液中に分散した。各層毎の添加法は表3に示した。
【0134】
【表2】
【0135】
【表3】
【0136】
【化17】
【0137】
【化18】
【0138】
【化19】
【0139】
【化20】
【0140】
【化21】
【0141】
【化22】
【0142】
【化23】
【0143】
【化24】
【0144】
【化25】
【0145】
【化26】
【0146】
【化27】
【0147】
【化28】
【0148】
【化29】
【0149】
【化30】
【0150】
【化31】
【0151】
次に第4表に示すように、本発明の一般式(D)の化合物を添加する層に用いた分散用オイル(HBS)に溶かして乳化分散しそれを添加する以外は試料101と全く同様にして試料102〜109を作成した。これらの試料を露光したのち、後にまとめて示す処理方法AおよびBで処理した。得られたイエロー、マゼンタ、シアン色像に関し(カブリ濃度+0.2)の濃度D0 を与える露光量をE0 とすると、logE=logE0 +2となるような露光量Eでの濃度D2 を測定した。これらの値より(D2 −D0 )/2の値を階調として第4表にまとめて示した。表より明らかなように、本発明の1−6、1−9、1−15及び1−18は、比較例1−1〜1−5、1−10〜1−14に比し、イエロー、マゼンタ、シアン3色の色バランスが良く、好ましかった。また発色現像液中に現像主薬P−5を含有する処理方法Aの方が、P−5を含有しない処理方法Bよりも色バランスの点でより好ましかった。
【0152】
【表4】
【0153】
実施例2
実施例1の処理方法を処理方法CおよびDに変更する以外、実施例1と全く同様な実験を行い、得られた結果を第5表にまとめて示した。表より明らかなように、迅速処理において本発明の2−6、2−9、2−15及び2−18は、比較例2−1〜2−5、2−10〜2−14に比し、イエロー、マゼンタ、シアン3色の色バランスが良く、好ましかった。この効果は迅速処理の方がより顕著であった。また発色現像液中に現像主薬P−5を含有する処理方法Cの方が、P−5を含有しない処理方法Dよりも色バランスの点でより好ましかった。
【0154】
【表5】
【0155】
実施例3
実施例2において処理方法をEおよびFに変更し同時に現像処理しても実施例2とほぼ同様の結果が得られた。
【0156】
実施例4
本発明の一般式(D)の化合物を下記記載の方法でボールミル処理した。水110mlおよび Triton X−200界面活性剤(TX−200)の6.7%水溶液200mlとを500mlのボールミルに入れた。一般式(D)の化合物5gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO)のビーズ100ml(2mm径)を添加し、内容物を4日間粉砕した。この後12.5%ゼラチン160gを添加した。脱泡したのち濾過によりZrOビーズを除去した。このようにして得られた一般式(D)の化合物の分散物を第6表に記載した層に添加する以外は、実施例1と全く同様にして試料110〜113を作成した。これらの試料を露光した後処理方法CおよびDで処理した。得られた結果を第6表にまとめて示した。表より明らかなように本発明の4−4及び4−9は比較例4−1〜4−3、4−6〜4−8に比しイエロー、マゼンタ、シアンの色バランスがよく好ましかった。また実施例2と比較すると、一般式(D)の化合物固体分散の方がオイル分散より濃度が出易く好ましかった。
【0157】
【表6】
【0158】
本発明の実施例で用いた処理方法に関し、以下まとめて示す。
(処理方法A)
カラー写真感光材料を露光したのち、富士写真フイルム(株)製ネガプロセサー FP−350を用い、以下に記載の方法で(液の累積補充量がその母液タンク容量の3倍になるまで)処理した。
【0159】
次に、処理液の組成を記す。
【0160】
【0161】
【0162】
(水洗液) タンク液、補充液共通
水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−120Bと、OH型アニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム0.15g/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0163】
【0164】
このようにして得られたランニング処理液で処理する場合を処理方法Aとする。
(処理方法B)
処理方法Aの発色現像液中の発色現像主薬P−5硫酸塩を除去した以外、処理方法Aと同様にして得られたランニング処理液で処理する場合を処理方法Bとする。
【0165】
カラー現像から漂白定着及び漂白定着から水洗(1)に至るクロスオーバー時間は5秒。
感光材料1m2当たりの平均処理液持ち出し量は40mlである。
水洗(1)〜(3)は向流多段カスケード方式。
水洗(1)〜(3)は空中でクロスオーバーすることなくワイパーブレードによる液中移動可能な多室水洗方式で行った。
また各槽には蒸発補正として特開平3−280042号に記載の様に処理機外気の温湿度を温湿度計にて検出し、蒸発量を換算して補正した。蒸発補正用の水は上記水洗水用のイオン交換水を用いた。
【0166】
各工程に用いた処理液の組成を以下に示す。
【0167】
【0168】
(水洗水)
水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製、アンバーライトIR−120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150mg/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0169】
漂白定着液は銀回収装置にてインラインで銀回収を行った。銀回収装置は、小型の電解銀回収装置で陽極がカーボン、陰極がステンレスドラムのもので、電流密度を0.5A/dm2 で使用した。
処理工程に用いる化合物の構造を以下に示す。
【0170】
【化32】
【0171】
試料に像様露光を与えて、上記の処理工程にて漂白定着液の補充量がタンク容量の3倍になるまで連続処理を行った。
このようにして得られたランニング処理液で処理する場合を、処理方法Cとする。
(処理方法D)
処理方法Cの発色現像液中の発色現像主薬P−5硫酸塩を除去した以外、処理方法Cと同様にして得られたランニング処理液で処理する場合を処理方法Dとする。
【0172】
(処理方法E)
試料を露光した後、以下に記載の方法で(液の累積補充量がその母液タンク容量の3倍になるまで)処理した。
【0173】
【0174】
以下に処理液の組成を示す。
【0175】
【0176】
【0177】
(水洗水)タンク液、補充液共通
水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型アニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム0.15g/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0178】
【0179】
このランニング処理液を用い処理する場合を処理方法Eとする。
【0180】
(処理方法F)
処理方法Eの発色現像液中の発色現像主薬P−5硫酸塩を除去した以外処理方法Eと同様にして得られたランニング処理液で処理する場合を、処理方法Fとする。
【0181】
【発明の効果】
本発明により、迅速に処理できると共に得られた色素画像もバランスのとれたものとなる。
また、現像液に発色現像主薬を含有させるとカラーバランスが一層良化した。
また、カラー感材が沃臭化銀乳剤からなる感光性を持ったものである場合、一般式(D)の化合物を固体の分散物として用いる場合、発色現像液が低補充の場合、本発明は、特に有効であった。
Claims (5)
- 支持体上に少なくとも3層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、かつ最下層の感光性ハロゲン化銀乳剤層に、下記化1に示される一般式(D)で表される化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
一般式(D)
R3 ないしR6 はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子でベンゼン環に結合する置換基を表す。R1 とR2 、R1 とR3 、R3 とR4 、R2 とR5 、またはR5 とR6 は結合して環を形成してもよい。R7 は水素原子または単なる結合を表す。Tはタイミング基を表し、mは0ないし3の整数を表し、Sは現像処理時除去される保護基を表す。 - 請求項1において一般式(D)が不溶性の微細な固体の分散物であることを特徴とする請求項1に記載の感光材料。
- 請求項1においてハロゲン化銀乳剤のヨード含率が少なくとも3.0〜15モル%であることを特徴とする請求項1に記載の感光材料。
- 請求項1の感光材料をパラフェニレンジアミン系カラー発色現像主薬を含有する発色現像液で処理することを特徴とする請求項1に記載の感光材料を処理する方法。
- 請求項4の処理方法において発色現像の処理時間が30〜90秒であることを特徴とする請求項3に記載の感光材料を処理する方法。
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