JP3763859B2 - プラント監視装置 - Google Patents

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、原子力発電プラントの定期検査の際に、安全維持系統の監視を行うプラント監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、原子力発電プラントでは、定期的に運転を停止し一定の安全基準にしたがって定期検査(以下定検という)を行っており、この定検時において安全性維持のための監視を行っている。この定検時の原子力発電プラントにおける安全基準としては、原子炉の未臨界性の確保、燃料からの崩壊熱の除熱機能の確保、原子炉水位確保、工学的安全系の待機、電源の確保等がある。このうち、燃料からの崩壊熱の除去と原子炉水位の維持とを目的とした監視は、以下のようにして行われている。
【0003】
すなわち、安全基準で定められている原子炉冷却材温度及び原子炉水位などの安全パラメータが中央制御室の定検用監視盤に表示され、運転員はその安全パラメータに基づいて安全性の維持のための監視を行う。
【0004】
この場合、定検用監視盤に表示されている安全パラメータだけでは、安全性維持の監視には不十分であるので、運転員は安全性維持の監視に必要な他の情報を定期的に収集している。すなわち、崩壊熱除去のための冷却系統のプラントデータや冷却系統に冷却水を流す補機冷却水系統のプラントデータ、さらには冷却系統の代替系統の待機情報などの必要な情報を定期的に手作業で収集している。収集した情報は、チェックシート等の管理シートに記入され、この収集した情報と定検用監視盤に表示されているプラントデータとを使用して原子力発電プラントの安全性維持のための監視を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、定検用監視盤に表示されている原子炉冷却材温度及び原子炉水位以外の情報は、運転員が手作業で収集しているので、その収集のための負担が大きく、又収集に当たって記録間違いを起こすこともあった。又、監視にあたっての異常か正常かの判断は、定検用監視盤及び手作業で収集したプラントデータに基づいて行うことになるので、運転員の負担が大きく、又運転員によってその判断に個人差が生じていた。
【0006】
本発明の目的は、原子力発電プラントの定検時の安全性維持のための監視を行うにあたり、運転員の負担の軽減を図り、安全性維持に必要な情報を統合して運転員に提供することができるプラントの監視装置を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、原子力発電プラントの定期検査の際に燃料からの崩壊熱を除去する冷却系統及び原子炉水位の維持に必要な注水系統からなる安全維持系統の監視を行うプラント監視装置において、前記原子力発電プラントからのプラントデータを読み込むプラントデータ入力装置と、このプラントデータ入力装置で読み込まれたプラントデータを記憶するとともに前記プラントデータのうち予め定められた重要パラメータの基準値及び許容範囲と前記安全維持系統に関する設計情報とを記憶するための記憶装置と、前記重要パラメータがその基準値及び許容範囲を満たすか否かを判定するとともにその変化率を算出する重要パラメータ監視装置と、前記プラントデータのうち前記安全維持系統の機器状態に基づいて前記安全維持系統が適切に運転できる状態にあるか否かを評価する系統状態監視装置と、前記重要パラメータ監視装置及び前記系統状態監視装置の演算結果を表示するための表示装置とを備え、前記重要パラメータ監視装置が、前記重要パラメータのうち温度データを前記表示装置に表示させるにあたり、円の右半分からなる半円の表示部上に前記円の中心を起点とする矢印または直線を描き、前記円の中心から右方向に引いた水平線を基準軸として、これから反時計回りを正とする回転角を温度の変化率に比例して与え、また温度の絶対値を中心からの距離で与え、前記矢印または直線の終点を決定して前記温度データを前記表示装置に表示するようにしたものである。
【0008】
また、原子力発電プラントの定期検査の際に燃料からの崩壊熱を除去する冷却系統及び原子炉水位の維持に必要な注水系統からなる安全維持系統の監視を行うプラント監視装置において、前記原子力発電プラントからのプラントデータを読み込むプラントデータ入力装置と、このプラントデータ入力装置で読み込まれたプラントデータを記憶するとともに前記プラントデータのうち予め定められた重要パラメータの基準値及び許容範囲と前記安全維持系統に関する設計情報とを記憶するための記憶装置と、前記重要パラメータがその基準値及び許容範囲を満たすか否かを判定するとともにその変化率を算出する重要パラメータ監視装置と、前記プラントデータのうち前記安全維持系統の機器状態に基づいて前記安全維持系統が適切に運転できる状態にあるか否かを評価する系統状態監視装置と、前記重要パラメータ監視装置及び前記系統状態監視装置の演算結果を表示するための表示装置とを備え、前記重要パラメータ監視装置が、前記重要パラメータのうち温度データを前記表示装置に表示させるにあたり、円上に円の中心を起点とする矢印または直線を描き、円の一周りを一定時間長さに定めて円の中心から上方向に引いた垂直線を基準時刻にしてこれから時計回りに時刻を設定し、前記矢印または直線の終点を現在の時刻を示す位置に定め、温度の絶対値を円の中心から距離で与えたときの現在までの温度の履歴を合わせて前記表示装置に表示するようにしたものである。
【0009】
また、前記重要パラメータ表示装置は、温度の表示部である円の外周に温度データとそれに関連する作業名とを合わせて表示するようにしたものである。
【0011】
【作用】
本発明のプラント監視装置は、プラント停止時に運転員の要求により起動される。起動がかけられると、重要パラメータ監視装置はプラントデータ入力装置により読み込まれた原子炉冷却材温度が、安全基準で定められた基準値を満たしているか否か、また、これらの安全維持のために動作している安全維持系統が正常な状態にあるか否かを表示装置に表示する。これにより、運転員は重要パラメータの監視が可能になるとともに、安全維持系統の正常な運用が可能となる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。図1は本発明のプラント監視装置のブロック構成図を示すものである。原子力発電プラントが定検のために停止されると、本発明のプラント監視装置は、運転員によりマンマシンインターフェースの入力装置3にて起動される。すなわち、原子力発電プラントの定期検査にあたって、本発明のプラント監視装置は、燃料からの崩壊熱を除去する冷却系統及び原子炉水位の維持に必要な注水系統からなる安全維持系統の監視を行う。
【0015】
プラント監視装置が起動されると、プラントデータ入力装置1を介して原子力発電プラントからのプラントデータが記憶装置2に読み込まれる。記憶装置2には、プラントデータのうち予め定められた重要パラメータの基準値及び許容範囲が記憶されており、入力された重要パラメータは、重要パラメータ監視装置5にてその基準値及び許容範囲と比較判定される。また、記憶装置2には、燃料からの崩壊熱を除去する冷却系統及び原子炉水位の維持に必要な注水系統からなる安全維持系統に関する設計情報が記憶されており、系統状態監視装置6にて安全維持系統が適切に運転できる状態にあるか否かを評価する際に使用される。そして、重要パラメータ監視装置及び系統状態監視装置の演算結果は、表示装置4に表示されるようになっている。
【0016】
重要パラメータ監視装置5は、重要パラメータがその基準値及び許容範囲を満たすか否か判定すると共にその変化率を算出し、その結果を表示装置4に表示するものである。図2は、重要パラメータ監視装置5により重要パラメータを表示装置4に表示した表示内容の説明図である。
【0017】
図2において、定検時に監視すべき重要パラメータとして、プラントデータ入力装置1により読み込んだ原子炉水位の絶対値7とその履歴データから計算した変化率8、スキマサージタンク水位の絶対値9とその履歴データから計算した変化率10、サプレッションプール(S/P)水位の絶対値11とその履歴データから計算した変化率12、残留熱除去系(RHR)熱交換器(HX)の炉水側入り口温度の絶対値13とその履歴データから計算した変化率14、原子炉冷却材浄化系(CUW)熱交換器(HX)の炉水側入口温度の絶対値15とその履歴データから計算した変化率16、燃料プール冷却浄化系(FPC)ポンプ入口温度又は燃料貯蔵プール水温度の絶対値17とその履歴データから計算した変化率18、サプレッションプール(S/P)水温度の絶対値19とその履歴データから計算した変化率20、及び中性子源領域モニタ(SRM)計数率の絶対値21とその履歴データから計算した変化率22をそれぞれ表示装置4に表示したものを示している。
【0018】
図2の表示データは、重要パラメータ監視装置5において作成される。重要パラメータの絶対値はバーチャートで表示され、必要に応じて数値も合わせて表示される。図2では数値の表示は省略している。また、変化率は上向きと下向きとの三角形により表示される。絶対値を示した各バーチャートには安全基準で決められている基準値及び許容範囲を記憶装置2より読み込んで合わせて表示される。又、重要パラメータ監視装置5において重要パラメータが許容範囲内にあると判定された場合には、正常であることを示すのにバーチャートの棒を青色に表示し、許容範囲外にあると判定された場合には運転員に警告を発するためにバーチャートの棒を赤色に表示し、更にこれを点滅させる。
【0019】
次に、変化率を示した各上向きと下向きの三角形は、上向きが増加で下向きが減少を表し、三角形の個数が変化率の大きさを表している。変化率の計算は重要パラメータ監視装置5において行われ、重要パラメータの現在値及び現在から過去の一定期間、つまり、温度変化率がほとんど変わらない程度の短期的な期間の値を記憶装置2に記憶させておき、これを一次式で最小自乗法によりフィッティングすることにより求める。各重要パラメータの変化率は、ゆっくりと変化すると判定した場合、すなわち、変化率が小さい場合には三角形を一つだけ表示し、変化率が大きくなるにつれて表示する三角形の個数を増やす。こうして求めた変化率を予め設定しているしきい値に基づいて三角形の表示数を決めている。
【0020】
重要パラメータのうちの温度の変化率を示す三角形の表示色は、重要パラメータ監視装置5において、記憶装置2にある安全基準で決められている許容範囲により、以下の(1)、(2)のように重要パラメータ監視装置5で判定して表示装置4に表示し運転員に状況を知らせる。
(1)許容範囲内または許容範囲の最高温度より大きい場合は、減少する方を安全側と判定して下向き三角形を青色で表示し、増加する方を危険側と判定して上向き三角形を赤色で点滅させて表示する。
(2)許容範囲の最低温度より低い場合は、増加する方を安全側と判定して上向き三角形を青色で表示し、減少する方を危険側と判定して下向き三角形を赤色で点滅させて表示する。
【0021】
重要パラメータのうち、水位の変化率を示す三角形の表示色は、重要パラメータ監視装置5において、以下の(1)〜(4)のように判定して表示装置4に表示し、運転員に状況を知らせる。
【0022】
(1)ウェル水張り開始後に通常水位からウェル満水になるまでの期間は、増加する方を安全側と判定して上向き三角形を青色で表示し、減少する方を危険側と判定して下向き三角形を赤色で点滅させて表示する。
【0023】
(2)ウェル満水後の燃料貯蔵プールゲートが開いている期間は、増加減少ともに危険側と判定して上向き下向きとも赤色で点滅させて表示する。
【0024】
(3)ウェル水抜き開始後にウェル満水から通常水位に戻るまでの期間は、減少する方を安全側と判定して下向き三角形を青色で表示し、増加する方を危険側と判定して上向き三角形を赤色で点滅させて表示する。
【0025】
(4)通常水位で燃料貯蔵プールゲートが閉まっている期間は、増加減少ともに危険側と判定して上向き下向きともに赤色で点滅させて表示する。
【0026】
次に、図3は安全維持系統の系統模式図を表示した表示画面の説明図である。前述の重要パラメータの表示に追加してこの系統模式図の表示を行う。すなわち、原子炉圧力容器23、燃料貯蔵プールゲート24、燃料貯蔵プール25、スキマサージタンク26、それぞれの水位及びゲート開閉状態を模式的に表示すると共に、残留熱除去系(RHR−A系)27、残留熱除去系(RHR−B系)28、原子炉冷却材浄化系(CUW系)29、燃料プール冷却浄化系(FCP系)30等の各冷却系統を示すブロックと、復水補給水系(MUWC系)31、制御棒駆動系(CRD系)32、燃料プール補給水系(MUWF系)33、原子炉隔離時冷却系(RCIC系)34、高圧炉心スプレイ系(HPCS系)35、低圧炉心スプレイ系(LPCS系)36、低圧注入系(LPCI系)37の補給水注水系統を示すブロックを表示する。
【0027】
また、図3の原子炉圧力容器23、燃料貯蔵プール25、及びスキマサージタンク26の模式図には、併せて水位も表示する。表示色を重要パラメータ監視装置5において、原子炉冷却材及び燃料貯蔵プール水の温度が許容範囲内にあると判定した場合には、正常であることを示すために青色で表示し、許容範囲外と判定された場合には運転員に警告を発するために赤色で表示して点滅させる。
【0028】
次に、重要パラメータ監視装置5においては、プラントデータ入力装置1によりプラントデータとして読み込んだポンプの運転状態、主要な弁の開閉状態から、各冷却系統及び各注水系統が運転状態か、待機中か、点検中かを判定する。また、各冷却系統及び注水系統に対し、それぞれの運転状態に応じて定められている安全基準を記憶装置2から読み込み、この安全基準に基づいて、各重要パラメータの基準値及び許容範囲を更新して表示装置4に表示する。
【0029】
さらに、図2において、温度の絶対値を示すバーチャート及び変化率を示す三角形を含む領域38の表示色は、各冷却系統と各注水系統を示すブロックを各冷却系統及び各注水系統が運転中か、待機中か、点検中かに基づいて表示色を更新して表示する。また、水位の絶対値を示すバーチャート及び変化率を示す三角形を囲む領域39の表示色は、前述した(1)〜(4)のどの期間であるかを入力装置3により入力することにより、重要パラメータ監視装置5において決められる。すなわち、前述の(1)、(3)の場合には、基準値の変更にともなって水位が連動的に変更されており、(2)、(4)の場合には、原子炉水位は一定に保たれることから、両者を容易に区別することができるよう領域39の表示色を変える。
【0030】
このように、重要パラメータの絶対量と変化率を、基準値及び許容範囲と共に運転員に判り易く表示するので、運転員の監視の負担を軽減することができる。また、系統模式図と共に表示した場合には、さらに監視のし易いものとなる。
【0031】
次に、系統状態監視装置6は、安全維持系統が適切に運転できる状態にあるか否かを評価するもので、特に動作中以外の冷却系統の除熱量能力を評価し、適切な代替系統が確保されるように監視するものである。前述の重要パラメータ監視装置5は、主として動作中の冷却系統を監視することになるが、この系統状態監視装置6は、待機中の冷却系統の冷却能力を判定しプラント状態に応じて適切な代替系統を運転員に知らせるようにするものである。
【0032】
系統状態監視装置6は、崩壊熱算出手段と除熱量算出手段とを有し、除熱量算出手段で推定した複数個の冷却系統のそれぞれの除熱量と、崩壊熱算出手段で推定した崩壊熱の変化と、記憶装置2に記憶されている待機中の冷却系統が待機中から運転開始するまでに要する時間とから、各冷却系統の使用可能期間あるいは安全基準を逸脱する時期を予測するものである。
【0033】
崩壊熱算出手段としては、定検直前までの運転期間中の燃料燃焼度等のプラント運転履歴データを記憶装置2に記憶しておき、これとプラント停止後の経過時間とから現在の発生崩壊熱を推定する崩壊熱モデルを用いる。燃料燃焼度の等のプラント履歴データは、運転期間中、既設のプロセス計算機で計算されており、これからネットワーク或いはフロッピーディスク等補助記憶媒体を介して記憶装置2に記憶させる。また、プラント停止後の経過時間は、系統状態監視装置6においてプラント停止時刻と現在の時刻とから計算するものとし、プラント停止時刻は運転員がプラント監視装置2に記憶させておくものとする。崩壊熱算出手段の一例として、NUCLEAR REACTOR ENGINEERING(著者:S.Gclasstone and A.Sesonske, 出版社: D.VAN NOSTRAND COMPANY,INC)の100ページに記載されている(2.56)式によれば、運転期間中の定格出力P0 、プラント停止後の経過時間をtとすると、崩壊熱Qは、次の(1)式で与えられる。
【0034】
Q=A×P0 ×tB ・・・(1)
ここで、A=6.1×10-3 , B=−0.2 となっている。
【0035】
崩壊熱算出手段の別の例として、系統状態監視装置において、プラント停止後にプラントデータ入力装置1から入力した炉水温度と、除熱量算出手段で求めた除熱量とから燃料の崩壊熱を推定し、これをプラント停止後の経過時間と共に一定時間、記憶装置2に記憶させておく。炉水の除熱は、各冷却系統に設けられた熱交換器において、高温の炉水から低温側の冷却水に熱が伝達されることによって行われる。その除熱量の算出は、次の(2)式を用いて行われる。
【0036】
Qc=Qd×(Tc−Te)/(Tx−Te)・・・(2)
ここで、Qcは現在動作中の冷却系統による除熱量を表しており、Qdは設計で決められた当該冷却系統の除熱量、Tcは炉水温度、Teは冷却水温度、Txは設計時に用いられた炉水温度をそれぞれ表している。また、Qd、Txは予め与えておくものとし、Tc、Teはプラントデータ入力装置1から入力した現在値である。
【0037】
動作中の冷却系統の運転条件が変わらない場合、(2)式で求めた除熱量は崩壊熱と均衡してほぼ等しいと考えられることから、冷却系統の運転条件を監視して運転条件が変わらないと判断した場合に、(2)式の除熱量を崩壊熱として記憶装置2に記憶させておく。
【0038】
冷却系統の運転条件が変化しないことを監視する方法として、冷却系統の機器の運転状態を直接監視する方法と、炉水温度の温度変化率から冷却系統の運転条件が変化したことを判定させる方法とがある。後者の判定方法は、冷却系統の運転条件が変わらない場合には、炉水温度の温度変化率が炉水温度と冷却水温度との温度差にほぼ比例する特性を用いたものである。これを次の(3)式に示す。
【0039】
dTc/dt=C×(Tc−Te)・・・(3)
炉水温度の温度変化率dTcは重要パラメータ監視装置5において計算された現在値を用い、これと炉水温度Tc、冷却水温度Teから比例係数Cを計算し、これがほぼ一定の場合に冷却系統の運転条件が変わらないと判定する。炉水温度Tcの変化率の計算方法は、たとえば、炉水温度Tcの現在値及び現在から過去の一定期間、すなわち、温度変化率がほとんど変わらない程度の短期的な期間の値を記憶装置2に記憶させておき、これを一次式で最小自乗法によりフィッティングすることにより求める。
【0040】
上記の方法により記録された崩壊熱を(1)式の如くプラント停止後の経過時間の関数として、フィッティングして(1)式の定数A、Bを決めることにより崩壊熱モデルを作成し、これを用いてプラント停止後の経過時間のみを入力して現在の発生崩壊熱を推定するようにする。
【0041】
除熱量算出手段としては、冷却系統の機器構成及び機器仕様等の設計情報に基づいて、冷却系統における熱収支を計算する除熱モデルを用い、これにプラントデータ入力装置1で読み込んだ炉水温度Tc及び動作中の冷却系統の冷却水温度Teと機器の運転/停止等の運転状態を入力することにより現在の除熱量を推定する。除熱モデルは(2)式を用いることができる。(2)式において、機器の運転状態より設計で決められた当該冷却系統の除熱量Qdの値を決定する。
【0042】
このようにして、系統状態監視装置6は、除熱算出手段で複数個の冷却系統のそれぞれの除熱量を算出し、崩壊熱算出手段で燃料の崩壊熱の変化を算出する。そして、算出した除熱量及び崩壊熱変化と、記憶装置2に記憶されている待機中の冷却系統が待機中から運転開始するまでに要する時間とから、各冷却系統の使用可能期間あるいは安全基準を逸脱する時期を予測する。すなわち、崩壊熱と除熱量とが等しければ炉水温度の変化はなく一定であるが、崩壊熱が除熱量より大きい場合は、炉水温度は徐々に上昇する。その上昇が継続すれば炉水温度の許容範囲を逸脱することになる。そこで、系統状態監視装置6では、各々の冷却系統につきその冷却系統の設計上の除熱量Qdと炉水温度Tc及び冷却水温度Teに基づいて各々の冷却能力Qcを算出し、その冷却系統を起動した場合の崩壊熱の熱収支との関係から、その冷却系統を起動して運転した場合に、炉水温度が安全基準を満たす状態での運転を継続できる期間を冷却系統の使用可能期間として算出する。この場合、冷却系統に起動指令を出力してから実際に除熱を開始するまでには時間が掛るので、その時間も考慮に入れている。
【0043】
これにより、待機中の冷却系統の各々につき、それを起動した場合の各冷却系統の使用可能期間あるいは安全基準を逸脱する時期を表示装置4に表示するので、運転員はどの冷却系統を起動すれば、現状のプラント状態に最も適切なものであるかを容易に判断できるようになる。
【0044】
次に、崩壊熱除去のために動作中の冷却系統を代替系統に切替える場合には、次の2通りの基準で切り替える。運転員は表示装置4に表示されている代替系統の中から、入力装置3により起動する冷却系統を選択し指定する。
【0045】
(1)現在動作中の冷却系統を停止してから、その後に代替系統を運転開始する場合は、一時的に崩壊熱除去機能の停止期間が存在することになる。そこで、系統状態監視装置6は、一時的に崩壊熱除去機能の停止期間も考慮に入れて、系統状態監視装置6により予測した安全基準を逸脱する時期までに代替系統への運転切替えを終了するように、表示装置4に運転切替のガイドを表示する。そして、切替え前に代替系統が一系統しかなかった場合には、切り替えた後に代替系統がなくなるので、代替系統なしの警告を表示装置4に表示する。
【0046】
(2)代替系統を動作中の冷却系統に切替えてから現在動作中の冷却系統を停止する場合は、一時的に動作中の冷却系統が二系統になる。この場合、代替系統がなくなる場合でも動作中の冷却系統のうちのどちらかが代替系統になるので、警報は出さないようにする。切替え前に代替系統が一系統しかなかった場合や、動作中の二系統の一方を停止した場合には、代替系統なしの警告を表示装置4に表示する。
【0047】
このように、動作中系統の監視をそれまでの代替系統の中から新たに選択して切替える際にも、適切な冷却能力を有する冷却系統から動作中系統を選択するようにガイドすることができると共に、動作中系統の切替え後も代替系統の必要性を判断して、運転員が代替系統の確保を見落とすことのないように監視することが可能となる。
【0048】
このように、本発明のプラント監視装置は、動作中の冷却系統の監視だけでなく、冷却機能を持つ動作中以外の待機中の冷却系統についてもそれぞれの冷却能力を評価して、常に適切な代替系統が一系統以上確保されているを監視する。
【0049】
次に、動作中の冷却系統による運転中において、重要パラメータは許容範囲内にあるが、動作中の冷却系統には正常時の運転能力がないことを監視する場合について説明する。この監視は重要パラメータ監視装置5においてなされる。
【0050】
重要パラメータ監視装置5は、系統状態監視装置6の崩壊熱算出手段で求めた現在の発生崩壊熱と、除熱量算出手段で求めた動作中の冷却系統の除熱能力より正常時の原子炉冷却材温度を推定し、これとプラントデータ入力装置1より読み込んだ現在の原子炉冷却材温度とを比較することにより、動作中の冷却系統の異常を早期に検知して表示装置4に表示する。
【0051】
この場合、崩壊熱算出手段での崩壊熱モデルは(1)式の崩壊熱モデルを用いて、プラント停止後の経過時間から現在の発生崩壊熱を算出する。動作中の冷却系統の運転状態が変わらなければ、除熱量は崩壊熱と均衡してほぼ等しいとの考えから、除熱モデルである(2)式に、(1)式で求めた崩壊熱Qと、記憶装置2から取り出した冷却系統の運転状態で決められる設計上の除熱量Qcと、プラントデータ入力装置1で読み込んだ冷却水温度Teとを代入して正常時の原子炉冷却材温度Tcを推定する。そして、現在の発生崩壊熱と動作中の冷却系統の除熱量から推定した正常時の原子炉冷却材温度と現在の原子炉冷却材温度とを比較し、現在の原子炉冷却材温度が許容範囲内にあるが、正常時の原子炉冷却材温度より高い場合には、正常時の除熱能力がないと判定する。この場合、動作中の冷却系統の運転状態の監視は、前述した原子炉冷却材温度Tcの変化率dTc/dtにより可能である。
【0052】
表示装置4への表示は、前述した重要パラメータと同じ表示が適用できる。たとえば、推定した正常時の原子炉冷却材温度と現在の原子炉冷却材温度との比の絶対値をバーチャートで表示し、原子炉冷却材温度と現在の原子炉冷却材温度との絶対値はバーチャートと数値で表示し、また、原子炉冷却材温度と現在の原子炉冷却材温度との絶対値から算出した変化率を上向きと下向きの三角形で表示する。
【0053】
このように、重要パラメータである原子炉冷却材温度が安全基準で定められた許容範囲内にあることを監視するだけでなく、動作中の冷却系統に正常時の除熱能力がないことも監視するので、動作中の冷却系統の異常をいち早く発見することができ、プラントの安全を維持する上で大きな効果がある。
【0054】
以上の説明は、動作中の冷却系統による運転中において、重要パラメータは許容範囲内にあるが、動作中の冷却系統には正常時の運転能力がないことを監視するものであるが、動作中の冷却系統だけではなく、その冷却系統の冷却水を冷却するための補機冷却水系統についても除熱評価を行い、冷却系統と補機冷却系統の除熱能力の双方を監視するようにすることも可能である。
【0055】
この場合、冷却系統の監視は上述の場合と同様にして行う。一方、補機冷却系統についても同様に、除熱算出手段の除熱モデルから正常時の冷却水温度を推定する。つまり、冷却水系統の監視の場合における原子炉冷却材を冷却系統の冷却水に置き換えて、補機冷却水系統の監視を行うことになる。除熱算出手段では、原子炉冷却材を冷却する冷却系統と冷却系統の冷却水を冷却する補機冷却水系統との設計情報に基づいて、冷却系統及び補機冷却水系統における熱収支を除熱モデルで計算する。この計算にあたり、プラントデータ入力装置1で取り込んだ動作中の冷却系統及び補機冷却系統のプロセス量、つまり、原子炉冷却材温度や冷却水温度、補機冷却水温度等と、機器の運転/停止等の運転状態とを入力して現在の除熱量を推定することになる。
【0056】
これにより、異常箇所が冷却系統か補機冷却水系統かを判断することが可能となり、動作中の冷却水系統に異常があった場合、その異常が冷却水系統なのかその補機冷却水系統なのかを判断することが可能となる。したがって、異常箇所に対して速やかに対応することが可能となる。つまり、動作中の冷却水系統の監視だけでなく、補機冷却水系統についても除熱量の評価を行い、常に冷却系統と補機冷却系統の除熱能力を監視するので、動作中の冷却系統に不具合があった場合に、異常が冷却系統か補機冷却系統かを判断できる。したがって、異常箇所に対して速やかに対処することができるので、プラントの安全を確保できる。
【0057】
また、燃料貯蔵プールは燃料貯蔵プール冷却系統で冷却される。この場合、燃料貯蔵プールと原子炉とが連通している場合は、原子炉冷却材の冷却は燃料貯蔵プール冷却系統でも行うことができるが、燃料貯蔵プールと原子炉とが分離されている状態ではそれができない。そこで、重要パラメータ監視装置5は、原子炉水位とスキマサージタンク26の水位から燃料貯蔵プール25の水位を推定し、推定された燃料貯蔵プール25の水位と原子炉水位との差が、所定値以上に拡大した場合には、原子炉と燃料貯蔵プール25とが分離されていると判定する。原子炉と燃料貯蔵プール25とが分離されていると判定したときは、燃料プール冷却系統以外に原子炉冷却材の冷却系統及び代替系統が確保されているか否かを判定し、その判定結果を表示装置4に表示する。代替系統が確保されていない場合には、警告を出力することになる。
【0058】
次に、重要パラメータ監視装置5による重要パラメータの表示形態の他の実施例を図4に示す。図4では、プラントデータ入力装置1により読み込んだ温度データの絶対値と変化率とを円の右半分からなる半円の表示部上に円の中心を起点とする矢印または直線40を描くことにより表示したものである。矢印または直線40の終点が現在の温度データを示している。温度データの絶対値は、矢印なたは直線40の伝の中心からの距離で示し、温度データの変化率は、円の中心から右方向に引いた水平線である基準軸41から反時計回りを正のとする矢印または直線40の回転角で示す。つまり、矢印または直線40の回転角が正の場合は温度は上昇しており、負の場合は温度は下降しているということを示す。
【0059】
温度データの現在までの傾向を見る場合は、入力装置3から表示したい過去から現在までの時間を入力し、記憶装置2にある入力した時間に対応した履歴データを、半円の表示部に矢印または直線40の終点部分の点の軌跡43として表示する。
【0060】
温度データの監視の一例としては、半円の表示部には安全基準で定められている許容範囲42が記憶装置2より読み込んで表示されている。重要パラメータ監視装置5において、許容範囲内にあると判定された場合には、正常であることを示すのに矢印または直線40を青色で表示し、許容範囲外と判定された場合には、運転員に警告を発するために矢印または直線40を赤色で表示し、さらにこれを点滅させることで監視を行う。つまり、矢印または直線40は、その終点部が表示した許容範囲42内にある場合は青色で表示され、許容範囲外にある場合は赤色で点滅して表示される。
【0061】
このように、この表示形態は温度データの絶対値と変化率とが同じ表示部で示され、変化率の表示が矢印または直線40の傾きで示されるので、温度データの現在の傾向が一目で分かり、トレンドも併せて表示できるので、入力装置3で指定した過去の時間から現在までの温度の傾向も分かり、運転員の監視の負担を軽減することができる。
【0062】
図5は、重要パラメータを円形状に表示した場合の表示画面の説明図である。図5では、プラントデータ入力装置1により読み込んだ温度データを、入力装置3より入力した一定時間を円の一周りの長さに定めて、円の中心から上方向に引いた垂直線を基準時刻に、これから時計回りに時刻を設定した表示部の円上に、円の中心を起点とする矢印または直線44を描くことにより表示する。矢印または直線44の終点が現在の時刻を示しており、矢印または直線44上に現在の温度データと現在から円の一周分時間前の温度データを表示している。
【0063】
温度の絶対値は、円の中心からの距離で示しており、図5では表示の一例として、矢印または直線44上の矢じりが現在の温度データ45を示し、黒丸が円の一周分時間前の温度データ46を示している。つまり、黒丸と矢じりとの間の距離が円の一周分時間の温度データの平均変化量を示している。
【0064】
表示部である円上には、時間が進むにつれて表示されている最も古いデータ、つまり円の一周分時間前の温度データ46が消されて、最も新しいデータ、つまり現在の温度データ45の一つ先のデータが新たに表示される。こうして、円一周分時間前から現在までの温度データの履歴が示されている。現在までの温度データの履歴は全て記憶装置2に記憶されており、入力装置3で過去の任意の時間を指定すると、指定した過去の時間から現在までの温度の履歴データを表示することもできるようになっている。
【0065】
温度データの監視の一例としては、表示部である円上には安全基準で定められている許容範囲47が記憶装置2より読み込んで表示されている。重要パラメータ監視装置5において、許容範囲内にあると判定された場合には正常であることを示すのに、矢印または直線44の円の中心から現在の温度データ45の矢じりまでを青色で表示し、許容範囲外と判定された場合には、運転員に警告を発するために矢印または直線44の円の中心から現在の温度データ45の矢じりまでを赤色で表示し、さらにこれを点滅させることで監視を行う。つまり、矢印または直線44の現在の温度データ45の矢じりが表示した許容範囲47内にある場合は青色で表示され、許容範囲外にある場合は赤色で点滅して表示される。
【0066】
このように、この表示形態では、入力装置3により指定した円一周分時間前から現在までの温度データの平均の変化量が、矢印または直線44上で一目で分かるように表示される。また、円一周分時間前から現在までのトレンド48も表示されているので、温度データの傾向も分かり、運転員の監視の負担を軽減することができる。
【0067】
次に、図6に、重要パラメータを円形状に表示すると共に代替系統や作業名を併せて表示した場合の表示画面の説明図を示す。図6では、上述した図5の温度データの表示形態において、温度データの表示部である円のすぐ外側の円が崩壊熱除去のために運転中の冷却系統49を示し、もう一つ外側の円が冷却系統の代替系統50を示している。又、関連する作業件名51も直線で表示されている。運転中の冷却系統49と関連する作業件名51は入力装置3により運転員が指定したもので、代替系統50については系統状態監視装置6により判定した系統である。
【0068】
この表示形態によれば、温度データのみの監視だけではなく、崩壊熱除去のために運転中の冷却系統とその代替系統及び関連する作業件名を併せて表示するので、温度データの傾向と関連作業との関係が一目で分かり、運転員の監視の負担を軽減することができる。
【0069】
又、この表示形態は、温度データの傾向と関連作業との関係が判り易いので、崩壊熱モデルと除熱モデルとから予測した温度データを使用して、一日の作業計画を検討する際の作業性が向上する。また、温度データの傾向と関連作業との関係が判り易いので、作業開始後には、実際の温度データを予測したデータを併せて表示することにより監視の支援となり、作業終了後には、記憶装置2にある予測データと実データとを比較検討する際に、実施した作業との関係が判り易いものとなる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、原子炉の安全維持系統の重要パラメータを絶対値と変化率とで表示し、その変化方向を運転員に分かり易く表示するので、運転員の監視が容易にできるようになる。また、動作中の冷却系統の監視だけでなく、冷却機能を持つ動作中の冷却系統以外の冷却系統についても、それぞれの冷却能力を評価して、常に適切な代替系統が一系統以上確保されていることを監視することができるので、動作中の冷却系統に不具合があった場合にも、速やかに冷却機能を維持することができる。
【0071】
また、冷却系統内の機器の点検により、動作中の冷却系統の監視をそれまでの代替系統の中から新たに選択して切替る際にも、適切な冷却能力を有する冷却系統から動作中の冷却系統を選択するようにガイドするので、動作中の冷却系統の切り替え後も代替系統の必要性を判断して運転員が代替系統の確保を見落とすことのないように監視することができる。
【0072】
本発明では、重要パラメータが安全基準で定められた許容範囲内にあることを監視するだけではなく、動作中以外の冷却系統や補機冷却系統が正常時の除熱能力があるか否かも監視するので、動作中の冷却系統や補機冷却系統の異常をいち早く発見することができる。
【0073】
一方、温度データの絶対値と変化率とを同じ表示部で表示し、温度データのトレンド表示を行うので、過去から現在までの温度の傾向も分かり、また、それに関連する作業件名も併せて表示することにより温度データの傾向と関連作業との関係が一目で分かり、運転員の監視の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラント監視装置のブロック構成図
【図2】本発明の重要パラメータを表示するための表示画面の説明図
【図3】本発明の安全維持系統の系統模式図を表示するための表示画面の説明図
【図4】本発明の重要パラメータを半円形状に表示した場合の表示画面の説明図
【図5】本発明の重要パラメータを円形状に表示した場合の表示画面の説明図
【図6】本発明の重要パラメータを円形状に表示すると共に代替系統や作業名を併せて表示した場合の表示画面の説明図
【符号の説明】
1 プラントデータ入力装置
2 記憶装置
3 入力装置
4 表示装置
5 重要パラメータ監視装置
6 系統状態監視装置

Claims (3)

  1. 原子力発電プラントの定期検査の際に燃料からの崩壊熱を除去する冷却系統及び原子炉水位の維持に必要な注水系統からなる安全維持系統の監視を行うプラント監視装置において、
    前記原子力発電プラントからのプラントデータを読み込むプラントデータ入力装置と、
    このプラントデータ入力装置で読み込まれたプラントデータを記憶するとともに前記プラントデータのうち予め定められた重要パラメータの基準値及び許容範囲と前記安全維持系統に関する設計情報とを記憶するための記憶装置と、
    前記重要パラメータがその基準値及び許容範囲を満たすか否かを判定するとともにその変化率を算出する重要パラメータ監視装置と、
    前記プラントデータのうち前記安全維持系統の機器状態に基づいて前記安全維持系統が適切に運転できる状態にあるか否かを評価する系統状態監視装置と、
    前記重要パラメータ監視装置及び前記系統状態監視装置の演算結果を表示するための表示装置とを備え、
    前記重要パラメータ監視装置が、前記重要パラメータのうち温度データを前記表示装置に表示させるにあたり、円の右半分からなる半円の表示部上に前記円の中心を起点とする矢印または直線を描き、前記円の中心から右方向に引いた水平線を基準軸として、これから反時計回りを正とする回転角を温度の変化率に比例して与え、また温度の絶対値を中心からの距離で与え、前記矢印または直線の終点を決定して前記温度データを前記表示装置に表示するようにしたことを特徴とするプラント監視装置。
  2. 原子力発電プラントの定期検査の際に燃料からの崩壊熱を除去する冷却系統及び原子炉水位の維持に必要な注水系統からなる安全維持系統の監視を行うプラント監視装置において、
    前記原子力発電プラントからのプラントデータを読み込むプラントデータ入力装置と、
    このプラントデータ入力装置で読み込まれたプラントデータを記憶するとともに前記プラントデータのうち予め定められた重要パラメータの基準値及び許容範囲と前記安全維持系統に関する設計情報とを記憶するための記憶装置と、
    前記重要パラメータがその基準値及び許容範囲を満たすか否かを判定するとともにその変化率を算出する重要パラメータ監視装置と、
    前記プラントデータのうち前記安全維持系統の機器状態に基づいて前記安全維持系統が適切に運転できる状態にあるか否かを評価する系統状態監視装置と、
    前記重要パラメータ監視装置及び前記系統状態監視装置の演算結果を表示するための表示装置とを備え、
    前記重要パラメータ監視装置が、前記重要パラメータのうち温度データを前記表示装置に表示させるにあたり、円上に円の中心を起点とする矢印または直線を描き、円の一周りを一定時間長さに定めて円の中心から上方向に引いた垂直線を基準時刻にしてこれから時計回りに時刻を設定し、前記矢印または直線の終点を現在の時刻を示す位置に定め、温度の絶対値を円の中心から距離で与えたときの現在までの温度の履歴を合わせて前記表示装置に表示するようにしたことを特徴とするプラント監視装置。
  3. 前記重要パラメータ表示装置は、温度の表示部である円の外周に温度データとそれに関連する作業名とを合わせて表示するようにしたことを特徴とする請求項2記載のプラント監視装置。
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