JP2005003458A - 内圧クリープ破断検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】既存の温度計測システムの有効利用を図ることにより、システムを単純化でき、しかも安価に構成でき、容易に適切な設定値を設けることができるようにし、破断検出の信頼性を向上させる。
【解決手段】高圧ガスを封入した筒状の試験片44を照射キャプセル30内に収納し、その照射キャプセルを、液体冷却材を使用する原子炉内に挿入して内圧クリープ破断強度試験を行う。照射キャプセル内に装填されている温度センサ(熱電対48)からの温度信号を検出して一定周期で温度データを収録し、任意の時点での温度データとそれよりも所定周期前の時点での温度データとの差をその任意の時点での絶対値として算出して保存し、これを繰り返すことで時間経過に対する温度データの差の絶対値変化を求め、この温度データの差の絶対値が設定値を超えたときに、それをもってクリープ破断が発生したと判定する。
【選択図】 図3
【解決手段】高圧ガスを封入した筒状の試験片44を照射キャプセル30内に収納し、その照射キャプセルを、液体冷却材を使用する原子炉内に挿入して内圧クリープ破断強度試験を行う。照射キャプセル内に装填されている温度センサ(熱電対48)からの温度信号を検出して一定周期で温度データを収録し、任意の時点での温度データとそれよりも所定周期前の時点での温度データとの差をその任意の時点での絶対値として算出して保存し、これを繰り返すことで時間経過に対する温度データの差の絶対値変化を求め、この温度データの差の絶対値が設定値を超えたときに、それをもってクリープ破断が発生したと判定する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体冷却材を使用する原子炉内で内圧クリープ破断強度試験を行う際に試験片の破断を検出する方法に関し、更に詳しく述べると、内圧封入型の試験片が破断した際に、周りの液体中にガスが放出されボイド(泡)となることにより熱伝導率が変化し特異な温度変化が生じることを利用し、クリープ破断の発生を判定する内圧クリープ破断検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平9−145891号公報
【特許文献2】
特開2003−121589号公報
【0003】
高速実験炉「常陽」では、原子炉等で使用する材料の研究開発の一環として、高温の放射線環境下における液体冷却材中での材料のクリープ破断強度試験が行われている。この試験では、高圧ガスを封入した円筒状の試験片を照射キャプセル内に収納し、それを原子炉内に挿入して、放射線環境下の液体中で試験片が破断するまでの時間を測定する。
【0004】
従って、この内圧クリープ破断強度試験では、試験片がいつ破断したかを正確に検出することが重要である。従来技術としては、破断時に発生するボイドを直接検出する方法がある(特許文献1参照)。ここでは、照射キャプセルの冷却材出口管の出口直上にボイド計センサを取り付け、このボイド計センサの出力信号に基づいてボイドが発生したことを検出するボイド検出回路を設けている。
【0005】
しかし、このようなボイドを直接検出する方法では、破断検出のためにボイド計センサやボイド検出回路等の機器類を多く付設する必要があるため、検出システムが高価となる問題がある。
【0006】
また、この方法は、ボイド計センサにボイドが確実に接触することによって検出可能なものであるが、ボイドをボイド計センサに確実に接触させることは困難であり、ボイドの大きさに原理的に左右されやすいなど信頼性が必ずしも高くない。例えば、試験片の内封ガスが短時間に放出され多量のボイドが短時間に発生するような破断形態の場合には検出精度が高い。しかし、試験片の内封ガスがピンホールやヘアクラックと呼ばれる微小破損孔から徐々に漏洩し、ガス放出が数十分〜数時間にもわたるような破断形態の場合には、ボイドを検出できなかったり、検出できないという問題があった。
【0007】
そのような問題を解決できる方法として、既存の温度計測システムの有効利用し、照射キャプセル温度の変化から内圧クリープ破断を検出する技術が提案されている(特許文献2参照)。具体的には、照射キャプセル内に装填されている温度センサからの温度信号を検出し、通常時の温度揺らぎ幅の上下に設けた上限設定値又は下限設定値を超えて温度変動が生じたときに、それをもってクリープ破断が発生したと判定する。あるいは照射キャプセル内に装填されている温度センサからの温度信号を一定周期で検出し、温度の予測線の上下に温度揺らぎ幅を考慮して設けた上限設定値又は下限設定値を超えた回数を計数し、一定経過時間内の計数値が設定回数を超えて温度変動が生じたときに、それをもってクリープ破断が発生したと判定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの方法は、既存の温度計測システムの有効利用を図ることにより、システムを単純化でき、しかも安価に構成できる利点がある。しかし、通常時の温度揺らぎ幅を常に精査して上限設定値又は下限設定値を適切な値に設定しておかねば、正確な判定はできない。しかし、温度の状態は常に同じような揺らぎばかりではなく、温度自体がゆっくり変化して更に揺らぎが重なる場合もあり、温度揺らぎに幅を設ける上限及び下限の設定値を適切に設定することはかなり困難である。
【0009】
上限設定値又は下限設定値の幅を小さくしすぎると過剰な検出になってしまうし、上限設定値又は下限設定値の幅を大きくしすぎると検出ができない恐れがある。また、ボイド発生時の温度変動が小さい場合には上限設定値又は下限設定値を超えない場合も生じうる。
【0010】
本発明の目的は、既存の温度計測システムの有効利用を図ることにより、システムを単純化でき、しかも安価に構成できる内圧クリープ破断検出方法を提供することである。本発明の他の目的は、容易に適切な設定値を設けることができる内圧クリープ破断検出方法を提供することである。本発明の更に他の目的は、破断検出を容易に且つ確実に行うことができ信頼性を大幅に向上できる内圧クリープ破断検出方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高圧ガスを封入した筒状の試験片を照射キャプセル内に配置し、その照射キャプセルを、液体冷却材を使用する原子炉内に挿入して内圧クリープ破断強度試験を行う際のクリープ破断検出方法である。内圧封入型の試験片が破断すると、封入されていた高圧ガスが、照射キャプセル内の液体冷却材中に放出され、ボイド(泡)となる。このボイドが照射キャプセル内に生じると、熱伝導率は、それまでの液体冷却材の熱伝導率にガスの熱伝導率をあわせたものに変化するため、結果として照射キャプセル温度の変化となって現れる。本発明は、このような現象を利用し、温度センサにより温度変動を計測することでクリープ破断判定を行うものである。この点では、特許文献2に記載されている方法と共通している。
【0012】
本発明では、照射キャプセル内に装填されている温度センサからの温度信号を検出して一定周期で温度データを収録し、任意の時点での収録温度データとそれよりも所定周期前の時点での収録温度データとの差をその任意の時点での絶対値として算出して保存し、これを繰り返すことで時間経過に対する温度データの差の絶対値変化を求め、この温度データの差の絶対値が予め設けた設定値を超えたときに、それをもってクリープ破断が発生したと判定する。あるいは、照射キャプセル内に装填されている温度センサからの温度信号を検出して一定周期で温度データを収録し、任意の時点での収録温度データとそれより所定周期前の時点での収録温度データとの差をその任意の時点での絶対値として算出して保存し、これを繰り返すことで時間経過に対する温度データの差の絶対値変化を求め、温度データの差の絶対値が予め設けた設定値を超えた回数を計数し、一定経過時間内の計数値が設定回数を超えたときに、それをもってクリープ破断が発生したと判定する。
【0013】
これらの内圧クリープ破断検出方法において、任意の時点での収録温度データとそれより所定周期前の時点での収録温度データの差をその任意の時点での絶対値として算出するに際して、所定周期を数秒〜数十秒の範囲で異なる時間間隔として、時間経過に対する温度データの差の絶対値変化を複数種類求め、そのうちの1種類もしくは複数種類を用いることで、判定精度を高めることができる。
【0014】
温度センサとしては、通常、シース型の熱電対を使用する。照射キャプセル内には、その温度を計測するために以前から熱電対が装填されている。本発明の内圧クリープ破断検出方法では、その熱電対をそのまま利用することができる。また、検出感度を上げるために、装填済みの熱電対の他に、別の熱電対を照射キャプセル内に分散装填して複数化することも有効である。
【0015】
【発明の実施の形態】
内圧クリープ破断検出装置を装着した原子炉断面を模式的に図1のAに示し、原子炉に挿入する照射装置の試料部の構造を図1のBに示す。原子炉(ここでは高速増殖炉)10は、原子炉容器12内に炉心14を設置し、充填されている液体冷却材16が配管によって循環するような構造である。炉心14は、六角管状の燃料集合体や制御棒集合体などの炉心構成要素が多数配列されて構成されている。液体冷却材としては液体ナトリウムを使用しており、その液面はアルゴンガスなどのカバーガスで覆われている。原子炉容器12の上部開口には蓋体18が取り付けられている。蓋体18は、遮蔽プラグ18aと回転プラグ18bの組み合わせからなり、該回転プラグ18bに炉心上部機構20が搭載されている。
【0016】
炉心上部機構20には長尺円筒状の照射装置本体22が装着されている。照射装置本体22は、駆動部24、保持部26、試料部28等からなり、該試料部28を炉心14に挿入できるようになっている。そして、試料部28には複数の照射キャプセル30が装填される(図1のB参照)。
【0017】
照射キャプセルの縦断面を図2のAに、横断面(x−x断面)を図2のBに示す。照射キャプセル30は、内筒32及び外筒34からなる二重壁構造の円筒容器を有し、その上下にはそれぞれ上部ガス室36及び下部ガス室38が設けられている。円筒容器の二重壁の間には温度制御用のガスが出し入れできるようになっており、下部ガス室38の下側にはガスを入れるための温度制御用ガス入口管40が取り付けられ、二重壁上部の外筒34にはガスを排出するための温度制御用ガス出口管42が取り付けられている。原子炉内に照射キャプセル30を挿入して照射試験を行う場合、炉心14から出てくるガンマ線による照射キャプセルなどのガンマ発熱を利用している。照射キャプセル30の温度調節は、二重壁構造内のガスの濃度(例えばアルゴンガスとヘリウムガスの混合比)を変更することによって、照射キャプセルからの熱の移動を調節することで行う。なお、上部ガス室36と下部ガス室38は、照射キャプセル30の上下方向への熱の移動を抑制して、内筒32内の軸方向の温度差を小さくする機能を果たしている。
【0018】
内筒32内には、多数の試験片44と、それらを収納するバスケット46、該バスケット46を所定の位置に保持すると共に温度測定用のシース型熱電対48を収納するための心棒50、バスケット46を固定するためのストッパ52等が設けられている。更に内筒32内では、原子炉内の冷却材と同じ液体ナトリウムが、ナトリウム入口管54から入り、上部のナトリウム出口管56から流出するようになっている。
【0019】
図1のAに戻って、照射キャプセル30に取り付けられている熱電対48の計測線58、及び温度制御用ガス入口管や温度制御用ガス出口管等の配管60は、試料部28から保持部26、駆動部24を経由して外部に引き出され、データ収集装置62や判定回路64、及び温度制御用ガス設備66に接続されている。
【0020】
試験片44は、図2のCに示すように、円筒状の被検材料70の両端に端栓72,74を取り付けて、その内部に高圧ガス(例えば最高数百気圧)を封入したものである。同一の照射キャプセル30には同一材料の試験片44を収納し、試験片44の各々が破断の予測誤差を上回る十分な時間間隔をおいて順番に破断するように準備する。そして、原子炉内に挿入して照射試験を行う。
【0021】
照射キャプセル30内で試験片44のクリープ破断が生じた場合、試験片44内の高圧ガスが放出されボイドとなって内筒32内の液体ナトリウム中に入り、上部のナトリウム出口管56から液体ナトリウムと一緒に照射キャプセル30の外に流出していく。ボイドが内筒32内の液体ナトリウムに入ると、それまでの熱伝導と異なるガスの熱伝導が加わるために熱の移動が悪くなる。照射キャプセル自体のガンマ発熱量は、原子炉出力が一定であれば変化しないことから、内筒32内にボイドが発生して熱の移動が悪くなると内筒32内の温度は上昇し、ボイドが排出されると液体ナトリウムのみの熱伝導に戻るため温度が下がる現象が見られる。この現象を利用すると、温度の変動が発生したことでボイドの発生を検出することができる。
【0022】
そこで、照射キャプセル30内に装填されている熱電対48からの温度データを一定周期で収録し、ある時点で収録した温度データとその前の時点でに収録した温度データの差を絶対値として保存し、これを繰り返すことで温度の差(絶対値)のデータとする。この温度データの差の絶対値が予め設けた設定値を超えたときにボイドが発生したと判定する。あるいは、この温度データの差が予め設けた設定値と設定回数(カウンタ)を超えた場合にボイドが発生したと判定する。つまり、本発明は温度データを直接設定値と比較するのではなく、温度データの差(絶対値)を設定値と比較するのであって、この点に特徴がある。
【0023】
本発明における破断検出のためのデータ処理の一例を図3で説明する。図3において、Aは一定周期で収録した温度データをグラフ化したものである。Bは、Aの1データ毎の差(絶対値)を算出してグラフ化したもの、CはAの3データ毎の差(絶対値)を算出してグラフ化したもの、DはAの5データ毎の差(絶対値)を算出してグラフ化したものである。Bにおいては、Aのボイド発生時の温度変動と通常時の温度変動に差は見られないが、CあるいはDのように間隔を空けるとAのボイド発生時の温度変動に合わせて大きく変化していることが明らかになる。破断の判定は、ボイド発生時の温度変動に合わせて大きく変化するC,Dのような数データの間隔でデータ毎の差として処理する手法に設定値を設け、設定値以上となった場合もしくは設定値以上となった回数が一定期間の設定回数以上となった場合に破断と判定するのである。ここでC,Dのグラフを棒グラフで示しているが、折れ線グラフなどでも構わない。
【0024】
図4は、図3のCを用いて温度変動時の温度データの差による破断検出の一例を示したものである。温度データの差に対して、予め設定された設定値以上となった場合にボイド発生として検知しクリープ破断発生と判定する。
【0025】
図5は、同じく図3のCを用いて温度変動時の温度データの差による破断検出の他の例を示したものである。一定時間T中に温度データの差に対して、設定された設定値以上となったデータ数nが、カウンタにより設定されている設定回数N以上となった場合にボイド発生として検知し、クリープ破断発生と判定する。この方法では、ボイド発生箇所以外の箇所においてノイズ等で誤った判定を下すことも無くなる。
【0026】
【実施例】
図6は、高速実験炉「常陽」での内圧クリープ破断試験時に、クリープ破断によりボイドが発生した時の照射キャプセル温度変動の実測例と破断検出の実際例を示したものである。Aは照射キャプセル温度の時系列データで、1秒間隔で計測しグラフ化したものである。中央付近で1時間以上にわたって測定温度が大きく変動している箇所がボイド発生によるものであり、その前後の温度変動よりも大きいことが分かる。B,C,D,Eは、Aの温度データからそれぞれ6秒毎、12秒毎、30秒毎、60秒毎の温度データの差(絶対値)を算出して、その値をグラフ化したものである。図3のC,Dと同じように、ボイド発生時の温度変動に合わせて温度の差も大きくなっていることが分かり、間隔を数秒から数十秒に設定しておくことで判定が可能であることを示している。
【0027】
温度の差を算出するデータの間隔は、ボイド発生時の温度揺らぎの間隔から導けばよいのであるが、原子炉内での試験中においてはこれを予測することは極めて困難である。そこで、1つの間隔で行うよりも異なる間隔の処理と組み合わせて行うことが好ましく、そのうちの1種類又は複数種類を使用することによって判定精度を上げることができる。
【0028】
ところで上記の実施例では、図2に示すように、熱電対が心棒の長さ方向のほぼ中央に位置していることから、もし、それより上側でクリープ破断が発生した場合はボイド検出を行い難いことも予想される。この場合、検出感度を上げるために、心棒の長さ方向中央の既設の熱電対以外に、心棒の上部に別の熱電対を設置してもよい。更に、ボイドの検出感度を上げる方法としては、別の熱電対を内筒とバスケットの間の液体ナトリウムの中に設置する方法もある。
【0029】
【発明の効果】
本発明は上記のように、既存の温度計測システムをそのまま利用することで対応できるため、システムを単純化でき、且つ安価に構成できる。そして、温度データそのものについてではなく、温度データの差について設定値を設ける方法であるために、容易に適切な設定値を決定することができる。これによって、試験片の内封ガスが微小破損孔から徐々に漏洩し、ガス放出が数時間にもわたるような破断形態の場合でも、内圧クリープ破断を確実に検出できるため、破断検出の信頼性を大幅に向上できる。
【0030】
また、一定時間T中に温度データの差に対して設定された設定値以上となったデータ数nがカウンタにより設定された設定回数N以上となった場合にボイド発生として検知しクリープ破断発生と判定する方法では、ボイド発生箇所以外の箇所においてノイズ等で誤った判定を下すことも無くなる利点がある。
【0031】
更に、温度の差を算出するデータの間隔は、ボイド発生時の温度揺らぎの間隔から導けるが、原子炉内での試験中においてはこれを予測することは極めて困難であるので、異なる間隔の処理を組み合わせて行うと、判定の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための原子炉とその照射装置の試料部の説明図。
【図2】照射キャプセルと試験片の説明図。
【図3】破断検出のためのデータ処理の一例を示す説明図。
【図4】本発明方法による破断検出の一例を示すグラフ。
【図5】本発明方法による破断検出の他の例を示すグラフ。
【図6】ボイド発生時の温度変動の実測例とボイド検出方法の実際例を示すグラフ。
【符号の説明】
30 照射キャプセル
32 内筒
34 外筒
36 上部ガス室
38 下部ガス室
40 温度制御用ガス入口管
42 温度制御用ガス出口管
44 試験片
46 バスケット
48 熱電対
50 心棒
54 ナトリウム入口管
56 ナトリウム出口管
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体冷却材を使用する原子炉内で内圧クリープ破断強度試験を行う際に試験片の破断を検出する方法に関し、更に詳しく述べると、内圧封入型の試験片が破断した際に、周りの液体中にガスが放出されボイド(泡)となることにより熱伝導率が変化し特異な温度変化が生じることを利用し、クリープ破断の発生を判定する内圧クリープ破断検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平9−145891号公報
【特許文献2】
特開2003−121589号公報
【0003】
高速実験炉「常陽」では、原子炉等で使用する材料の研究開発の一環として、高温の放射線環境下における液体冷却材中での材料のクリープ破断強度試験が行われている。この試験では、高圧ガスを封入した円筒状の試験片を照射キャプセル内に収納し、それを原子炉内に挿入して、放射線環境下の液体中で試験片が破断するまでの時間を測定する。
【0004】
従って、この内圧クリープ破断強度試験では、試験片がいつ破断したかを正確に検出することが重要である。従来技術としては、破断時に発生するボイドを直接検出する方法がある(特許文献1参照)。ここでは、照射キャプセルの冷却材出口管の出口直上にボイド計センサを取り付け、このボイド計センサの出力信号に基づいてボイドが発生したことを検出するボイド検出回路を設けている。
【0005】
しかし、このようなボイドを直接検出する方法では、破断検出のためにボイド計センサやボイド検出回路等の機器類を多く付設する必要があるため、検出システムが高価となる問題がある。
【0006】
また、この方法は、ボイド計センサにボイドが確実に接触することによって検出可能なものであるが、ボイドをボイド計センサに確実に接触させることは困難であり、ボイドの大きさに原理的に左右されやすいなど信頼性が必ずしも高くない。例えば、試験片の内封ガスが短時間に放出され多量のボイドが短時間に発生するような破断形態の場合には検出精度が高い。しかし、試験片の内封ガスがピンホールやヘアクラックと呼ばれる微小破損孔から徐々に漏洩し、ガス放出が数十分〜数時間にもわたるような破断形態の場合には、ボイドを検出できなかったり、検出できないという問題があった。
【0007】
そのような問題を解決できる方法として、既存の温度計測システムの有効利用し、照射キャプセル温度の変化から内圧クリープ破断を検出する技術が提案されている(特許文献2参照)。具体的には、照射キャプセル内に装填されている温度センサからの温度信号を検出し、通常時の温度揺らぎ幅の上下に設けた上限設定値又は下限設定値を超えて温度変動が生じたときに、それをもってクリープ破断が発生したと判定する。あるいは照射キャプセル内に装填されている温度センサからの温度信号を一定周期で検出し、温度の予測線の上下に温度揺らぎ幅を考慮して設けた上限設定値又は下限設定値を超えた回数を計数し、一定経過時間内の計数値が設定回数を超えて温度変動が生じたときに、それをもってクリープ破断が発生したと判定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの方法は、既存の温度計測システムの有効利用を図ることにより、システムを単純化でき、しかも安価に構成できる利点がある。しかし、通常時の温度揺らぎ幅を常に精査して上限設定値又は下限設定値を適切な値に設定しておかねば、正確な判定はできない。しかし、温度の状態は常に同じような揺らぎばかりではなく、温度自体がゆっくり変化して更に揺らぎが重なる場合もあり、温度揺らぎに幅を設ける上限及び下限の設定値を適切に設定することはかなり困難である。
【0009】
上限設定値又は下限設定値の幅を小さくしすぎると過剰な検出になってしまうし、上限設定値又は下限設定値の幅を大きくしすぎると検出ができない恐れがある。また、ボイド発生時の温度変動が小さい場合には上限設定値又は下限設定値を超えない場合も生じうる。
【0010】
本発明の目的は、既存の温度計測システムの有効利用を図ることにより、システムを単純化でき、しかも安価に構成できる内圧クリープ破断検出方法を提供することである。本発明の他の目的は、容易に適切な設定値を設けることができる内圧クリープ破断検出方法を提供することである。本発明の更に他の目的は、破断検出を容易に且つ確実に行うことができ信頼性を大幅に向上できる内圧クリープ破断検出方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高圧ガスを封入した筒状の試験片を照射キャプセル内に配置し、その照射キャプセルを、液体冷却材を使用する原子炉内に挿入して内圧クリープ破断強度試験を行う際のクリープ破断検出方法である。内圧封入型の試験片が破断すると、封入されていた高圧ガスが、照射キャプセル内の液体冷却材中に放出され、ボイド(泡)となる。このボイドが照射キャプセル内に生じると、熱伝導率は、それまでの液体冷却材の熱伝導率にガスの熱伝導率をあわせたものに変化するため、結果として照射キャプセル温度の変化となって現れる。本発明は、このような現象を利用し、温度センサにより温度変動を計測することでクリープ破断判定を行うものである。この点では、特許文献2に記載されている方法と共通している。
【0012】
本発明では、照射キャプセル内に装填されている温度センサからの温度信号を検出して一定周期で温度データを収録し、任意の時点での収録温度データとそれよりも所定周期前の時点での収録温度データとの差をその任意の時点での絶対値として算出して保存し、これを繰り返すことで時間経過に対する温度データの差の絶対値変化を求め、この温度データの差の絶対値が予め設けた設定値を超えたときに、それをもってクリープ破断が発生したと判定する。あるいは、照射キャプセル内に装填されている温度センサからの温度信号を検出して一定周期で温度データを収録し、任意の時点での収録温度データとそれより所定周期前の時点での収録温度データとの差をその任意の時点での絶対値として算出して保存し、これを繰り返すことで時間経過に対する温度データの差の絶対値変化を求め、温度データの差の絶対値が予め設けた設定値を超えた回数を計数し、一定経過時間内の計数値が設定回数を超えたときに、それをもってクリープ破断が発生したと判定する。
【0013】
これらの内圧クリープ破断検出方法において、任意の時点での収録温度データとそれより所定周期前の時点での収録温度データの差をその任意の時点での絶対値として算出するに際して、所定周期を数秒〜数十秒の範囲で異なる時間間隔として、時間経過に対する温度データの差の絶対値変化を複数種類求め、そのうちの1種類もしくは複数種類を用いることで、判定精度を高めることができる。
【0014】
温度センサとしては、通常、シース型の熱電対を使用する。照射キャプセル内には、その温度を計測するために以前から熱電対が装填されている。本発明の内圧クリープ破断検出方法では、その熱電対をそのまま利用することができる。また、検出感度を上げるために、装填済みの熱電対の他に、別の熱電対を照射キャプセル内に分散装填して複数化することも有効である。
【0015】
【発明の実施の形態】
内圧クリープ破断検出装置を装着した原子炉断面を模式的に図1のAに示し、原子炉に挿入する照射装置の試料部の構造を図1のBに示す。原子炉(ここでは高速増殖炉)10は、原子炉容器12内に炉心14を設置し、充填されている液体冷却材16が配管によって循環するような構造である。炉心14は、六角管状の燃料集合体や制御棒集合体などの炉心構成要素が多数配列されて構成されている。液体冷却材としては液体ナトリウムを使用しており、その液面はアルゴンガスなどのカバーガスで覆われている。原子炉容器12の上部開口には蓋体18が取り付けられている。蓋体18は、遮蔽プラグ18aと回転プラグ18bの組み合わせからなり、該回転プラグ18bに炉心上部機構20が搭載されている。
【0016】
炉心上部機構20には長尺円筒状の照射装置本体22が装着されている。照射装置本体22は、駆動部24、保持部26、試料部28等からなり、該試料部28を炉心14に挿入できるようになっている。そして、試料部28には複数の照射キャプセル30が装填される(図1のB参照)。
【0017】
照射キャプセルの縦断面を図2のAに、横断面(x−x断面)を図2のBに示す。照射キャプセル30は、内筒32及び外筒34からなる二重壁構造の円筒容器を有し、その上下にはそれぞれ上部ガス室36及び下部ガス室38が設けられている。円筒容器の二重壁の間には温度制御用のガスが出し入れできるようになっており、下部ガス室38の下側にはガスを入れるための温度制御用ガス入口管40が取り付けられ、二重壁上部の外筒34にはガスを排出するための温度制御用ガス出口管42が取り付けられている。原子炉内に照射キャプセル30を挿入して照射試験を行う場合、炉心14から出てくるガンマ線による照射キャプセルなどのガンマ発熱を利用している。照射キャプセル30の温度調節は、二重壁構造内のガスの濃度(例えばアルゴンガスとヘリウムガスの混合比)を変更することによって、照射キャプセルからの熱の移動を調節することで行う。なお、上部ガス室36と下部ガス室38は、照射キャプセル30の上下方向への熱の移動を抑制して、内筒32内の軸方向の温度差を小さくする機能を果たしている。
【0018】
内筒32内には、多数の試験片44と、それらを収納するバスケット46、該バスケット46を所定の位置に保持すると共に温度測定用のシース型熱電対48を収納するための心棒50、バスケット46を固定するためのストッパ52等が設けられている。更に内筒32内では、原子炉内の冷却材と同じ液体ナトリウムが、ナトリウム入口管54から入り、上部のナトリウム出口管56から流出するようになっている。
【0019】
図1のAに戻って、照射キャプセル30に取り付けられている熱電対48の計測線58、及び温度制御用ガス入口管や温度制御用ガス出口管等の配管60は、試料部28から保持部26、駆動部24を経由して外部に引き出され、データ収集装置62や判定回路64、及び温度制御用ガス設備66に接続されている。
【0020】
試験片44は、図2のCに示すように、円筒状の被検材料70の両端に端栓72,74を取り付けて、その内部に高圧ガス(例えば最高数百気圧)を封入したものである。同一の照射キャプセル30には同一材料の試験片44を収納し、試験片44の各々が破断の予測誤差を上回る十分な時間間隔をおいて順番に破断するように準備する。そして、原子炉内に挿入して照射試験を行う。
【0021】
照射キャプセル30内で試験片44のクリープ破断が生じた場合、試験片44内の高圧ガスが放出されボイドとなって内筒32内の液体ナトリウム中に入り、上部のナトリウム出口管56から液体ナトリウムと一緒に照射キャプセル30の外に流出していく。ボイドが内筒32内の液体ナトリウムに入ると、それまでの熱伝導と異なるガスの熱伝導が加わるために熱の移動が悪くなる。照射キャプセル自体のガンマ発熱量は、原子炉出力が一定であれば変化しないことから、内筒32内にボイドが発生して熱の移動が悪くなると内筒32内の温度は上昇し、ボイドが排出されると液体ナトリウムのみの熱伝導に戻るため温度が下がる現象が見られる。この現象を利用すると、温度の変動が発生したことでボイドの発生を検出することができる。
【0022】
そこで、照射キャプセル30内に装填されている熱電対48からの温度データを一定周期で収録し、ある時点で収録した温度データとその前の時点でに収録した温度データの差を絶対値として保存し、これを繰り返すことで温度の差(絶対値)のデータとする。この温度データの差の絶対値が予め設けた設定値を超えたときにボイドが発生したと判定する。あるいは、この温度データの差が予め設けた設定値と設定回数(カウンタ)を超えた場合にボイドが発生したと判定する。つまり、本発明は温度データを直接設定値と比較するのではなく、温度データの差(絶対値)を設定値と比較するのであって、この点に特徴がある。
【0023】
本発明における破断検出のためのデータ処理の一例を図3で説明する。図3において、Aは一定周期で収録した温度データをグラフ化したものである。Bは、Aの1データ毎の差(絶対値)を算出してグラフ化したもの、CはAの3データ毎の差(絶対値)を算出してグラフ化したもの、DはAの5データ毎の差(絶対値)を算出してグラフ化したものである。Bにおいては、Aのボイド発生時の温度変動と通常時の温度変動に差は見られないが、CあるいはDのように間隔を空けるとAのボイド発生時の温度変動に合わせて大きく変化していることが明らかになる。破断の判定は、ボイド発生時の温度変動に合わせて大きく変化するC,Dのような数データの間隔でデータ毎の差として処理する手法に設定値を設け、設定値以上となった場合もしくは設定値以上となった回数が一定期間の設定回数以上となった場合に破断と判定するのである。ここでC,Dのグラフを棒グラフで示しているが、折れ線グラフなどでも構わない。
【0024】
図4は、図3のCを用いて温度変動時の温度データの差による破断検出の一例を示したものである。温度データの差に対して、予め設定された設定値以上となった場合にボイド発生として検知しクリープ破断発生と判定する。
【0025】
図5は、同じく図3のCを用いて温度変動時の温度データの差による破断検出の他の例を示したものである。一定時間T中に温度データの差に対して、設定された設定値以上となったデータ数nが、カウンタにより設定されている設定回数N以上となった場合にボイド発生として検知し、クリープ破断発生と判定する。この方法では、ボイド発生箇所以外の箇所においてノイズ等で誤った判定を下すことも無くなる。
【0026】
【実施例】
図6は、高速実験炉「常陽」での内圧クリープ破断試験時に、クリープ破断によりボイドが発生した時の照射キャプセル温度変動の実測例と破断検出の実際例を示したものである。Aは照射キャプセル温度の時系列データで、1秒間隔で計測しグラフ化したものである。中央付近で1時間以上にわたって測定温度が大きく変動している箇所がボイド発生によるものであり、その前後の温度変動よりも大きいことが分かる。B,C,D,Eは、Aの温度データからそれぞれ6秒毎、12秒毎、30秒毎、60秒毎の温度データの差(絶対値)を算出して、その値をグラフ化したものである。図3のC,Dと同じように、ボイド発生時の温度変動に合わせて温度の差も大きくなっていることが分かり、間隔を数秒から数十秒に設定しておくことで判定が可能であることを示している。
【0027】
温度の差を算出するデータの間隔は、ボイド発生時の温度揺らぎの間隔から導けばよいのであるが、原子炉内での試験中においてはこれを予測することは極めて困難である。そこで、1つの間隔で行うよりも異なる間隔の処理と組み合わせて行うことが好ましく、そのうちの1種類又は複数種類を使用することによって判定精度を上げることができる。
【0028】
ところで上記の実施例では、図2に示すように、熱電対が心棒の長さ方向のほぼ中央に位置していることから、もし、それより上側でクリープ破断が発生した場合はボイド検出を行い難いことも予想される。この場合、検出感度を上げるために、心棒の長さ方向中央の既設の熱電対以外に、心棒の上部に別の熱電対を設置してもよい。更に、ボイドの検出感度を上げる方法としては、別の熱電対を内筒とバスケットの間の液体ナトリウムの中に設置する方法もある。
【0029】
【発明の効果】
本発明は上記のように、既存の温度計測システムをそのまま利用することで対応できるため、システムを単純化でき、且つ安価に構成できる。そして、温度データそのものについてではなく、温度データの差について設定値を設ける方法であるために、容易に適切な設定値を決定することができる。これによって、試験片の内封ガスが微小破損孔から徐々に漏洩し、ガス放出が数時間にもわたるような破断形態の場合でも、内圧クリープ破断を確実に検出できるため、破断検出の信頼性を大幅に向上できる。
【0030】
また、一定時間T中に温度データの差に対して設定された設定値以上となったデータ数nがカウンタにより設定された設定回数N以上となった場合にボイド発生として検知しクリープ破断発生と判定する方法では、ボイド発生箇所以外の箇所においてノイズ等で誤った判定を下すことも無くなる利点がある。
【0031】
更に、温度の差を算出するデータの間隔は、ボイド発生時の温度揺らぎの間隔から導けるが、原子炉内での試験中においてはこれを予測することは極めて困難であるので、異なる間隔の処理を組み合わせて行うと、判定の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための原子炉とその照射装置の試料部の説明図。
【図2】照射キャプセルと試験片の説明図。
【図3】破断検出のためのデータ処理の一例を示す説明図。
【図4】本発明方法による破断検出の一例を示すグラフ。
【図5】本発明方法による破断検出の他の例を示すグラフ。
【図6】ボイド発生時の温度変動の実測例とボイド検出方法の実際例を示すグラフ。
【符号の説明】
30 照射キャプセル
32 内筒
34 外筒
36 上部ガス室
38 下部ガス室
40 温度制御用ガス入口管
42 温度制御用ガス出口管
44 試験片
46 バスケット
48 熱電対
50 心棒
54 ナトリウム入口管
56 ナトリウム出口管
Claims (3)
- 高圧ガスを封入した筒状の試験片を照射キャプセル内に収納し、その照射キャプセルを、液体冷却材を使用する原子炉内に挿入して行う内圧クリープ破断強度試験において、
照射キャプセル内に装填されている温度センサからの温度信号を検出して一定周期で温度データを収録し、任意の時点での収録温度データとそれよりも所定周期前の時点での収録温度データとの差をその任意の時点での絶対値として算出して保存し、これを繰り返すことで時間経過に対する温度データの差の絶対値変化を求め、この温度データの差の絶対値が予め設けた設定値を超えたときに、それをもってクリープ破断が発生したと判定することを特徴とする内圧クリープ破断検出方法。 - 高圧ガスを封入した筒状の試験片を照射キャプセル内に収納し、その照射キャプセルを、液体冷却材を使用する原子炉内に挿入して行う内圧クリープ破断強度試験において、
照射キャプセル内に装填されている温度センサからの温度信号を検出して一定周期で温度データを収録し、任意の時点での収録温度データとそれより所定周期前の時点での収録温度データとの差をその任意の時点での絶対値として算出して保存し、これを繰り返すことで時間経過に対する温度データの差の絶対値変化を求め、温度データの差の絶対値が予め設けた設定値を超えた回数を計数し、一定経過時間内の計数値が設定回数を超えたときに、それをもってクリープ破断が発生したと判定することを特徴とする内圧クリープ破断検出方法。 - 任意の時点での収録温度データとそれより所定周期前の時点での収録温度データの差をその任意の時点での絶対値として算出するに際して、所定周期を数秒〜数十秒の範囲で異なる時間間隔として、時間経過に対する温度データの差の絶対値変化を複数種類求め、そのうちの1種類もしくは複数種類を用いることで判定精度を高めるようにした請求項1又は2記載の内圧クリープ破断検出方法。
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