JP7269150B2 - 原子炉出力監視装置 - Google Patents
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Description
例えば、沸騰水型原子炉では、原子炉内に固定した固定式中性子検出器と、この固定式中性子検出器を校正するための移動式中性子検出器を組み合わせて、炉内の核分裂反応により生じた中性子を検出して、出力や出力分布を計測してきた。
固定式中性子検出器は、有感物質のウランの感度が中性子の照射により劣化していくため、移動式中性子検出器によって運転中に定期的に校正している。
応答が遅れる第1の理由は、センサ部がもつ熱容量により、出力変化後に温度が平衡するまでに時間を要することである。
応答が遅れる第2の理由は、核分裂生成物から放出される遅発γ線の影響により、γ線自体が出力変化後に時間遅れをもって変化することである。遅発γ線は、炉心内で発生する全γ線の30%程度を占め、その時定数が1秒以下の成分から1年を越える成分まで広範囲に存在し、長時間の応答遅れを生じる。
図9に示すように、出力上昇後、γ線は遅発成分以外の即発成分が瞬時に上昇するが、残りの遅発成分は緩やかに定常値に漸近していく。
自己出力型ガンマ線検出器(SPGD)は、ガンマ線の照射により中心部のエミッタと呼ばれる部材中の電子が弾き出されることによって生じる電流値を計測するものであり、遅発ガンマ線の影響により、出力に対する応答の遅れはあるものの、ガンマサーモメータのような検出器の熱容量による応答の遅れは生じない。
特許文献4には、600℃以上の耐熱性を持ち、ガンマ線に感度の高いタングステンをエミッタに適用した自己出力型ガンマ線検出器が開示されている。
ただし、この方法は、実際の測定値に基づいたパラメータの調整ではないため、事前評価の不確かさが残る。
ただし、この方法は、ガンマ線検出器に隣接する固定式中性子検出器が必要である。従って、検出器の合理化のためにガンマ線検出器のみの構成として固定式中性子検出器を削除する場合、あるいは、固定式中性子検出器の設置数を減じてガンマ線検出器と隣接する固定式中性子検出器が必ずしも無い場合、などには使用できない。
固定式のガンマ線検出器は、中性子の照射による感度の劣化が小さく、また、定常状態であれば、固定式中性子検出器と同等の出力計測が可能である。
そこで、従来の固定式中性子検出器の一部または全部を、固定式のガンマ線検出器で代替をすることによって、出力監視用の検出器を合理化し、コスト削減を図ることが考えられる。
しかしながら、固定式のガンマ線検出器では、前述した遅発ガンマ線によって、検出信号が出力に遅れる。また、遅発ガンマ線の割合は、燃料の組成やボイド率により変化し、一定ではない。
また、データ採取装置は、制御装置により出力操作信号が入力される、出力操作信号入力装置を備える。そして、データ採取装置は、出力操作信号に基づいて、原子炉の出力変動の開始と終了を検知し、出力変動中及び出力変動後の出力一定状態での自己出力型ガンマ線検出器からの前記検出信号を採取する。
また、遅発ガンマ線補正装置は、遅発ガンマ線割合算出装置で算出した遅発ガンマ線割合を用いて、データ採取装置で採取された出力一定状態における自己出力型ガンマ線検出器からの検出信号に対して、実時間で遅発ガンマ線を補正する。
これにより、隣接する固定式中性子検出器が必ずしも無い場合でも、かつ応答の速い原子炉出力の測定ができる。
従って、コストの掛かる走査型中性子検出器を廃止できるとともに、自己出力型ガンマ線検出器によって固定式中性子検出器の一部または全てを代替することで、検出器の合理化とコスト削減を図ることができる。
自己出力型ガンマ線検出器は、ガンマ線の照射により電子を放出する金属製のエミッタと、エミッタを電気的に絶縁して内包する金属製のコレクタとを備える。
データ採取装置は、操作員または制御装置により出力操作信号が入力される、出力操作信号入力装置を備える。そして、データ採取装置は、出力操作信号に基づいて、原子炉の出力変動の開始と終了を検知し、出力変動中及び出力変動後の出力一定状態での自己出力型ガンマ線検出器からの検出信号を採取する。
遅発ガンマ線補正装置は、遅発ガンマ線割合算出装置で算出した遅発ガンマ線割合を用いて、データ採取装置で採取された出力一定状態における自己出力型ガンマ線検出器からの検出信号に対して、実時間で遅発ガンマ線を補正する。
この構成の自己出力型ガンマ線検出器では、ガンマ線が照射されたエミッタから電子が放出されて、エミッタとコレクタの間に電流が生じる。そして、この電流を、検出信号として検出できる。
自己出力型ガンマ線検出器をこのような構成としたことにより、ガンマサーモメータでは熱応答の影響から分離できないような、短い期間の比較的大きな変化を検出して、遅発ガンマ線割合の評価に使用することができる。
上記の原子炉出力監視装置において、自己出力型ガンマ線検出器としては、例えば、特許文献4等に開示された従来公知の自己出力型ガンマ線検出器も、採用することができる。
そして、自己出力型ガンマ線検出器を、例えば、炉心の高さ方向に4か所以上設置した場合には、ロッドブロック性能を十分に確保できる。
このように、モデル式の群のうち、崩壊時定数が最短の群の時定数を1秒未満とすることにより、遅発ガンマ線の補正の精度と応答性を高くすることができる。そして、遅発ガンマ線補正装置からの出力に基づいて、原子炉のスクラム信号を生成する原子炉保護装置をさらに備えた構成とすれば、スクラム信号の精度と応答性も高くすることができる。
また、遅発ガンマ線補正装置は、自己出力型ガンマ線検出器からの検出信号に対して、実時間で遅発ガンマ線を補正するので、応答の早い原子炉出力の測定ができる。
これにより、隣接する固定式中性子検出器が必ずしも無い場合でも、出力変化時の原子炉出力からの遅れを精度良く補正することが可能になる。
また、コストの掛かる走査型中性子検出器を廃止でき、固定式中性子検出器の一部または全てを代替することで、検出器の合理化とコスト削減を図ることができる。
さらにまた、中性子による感度劣化が小さい自己出力型ガンマ線検出器で、固定式の中性子検出器を代替できるため、検出器の寿命を伸長することができ、コスト削減と廃棄物の物量低減を図ることができる。
さらにまた、データ採取装置に採取された検出信号に基づいて、遅発ガンマ線割合を算出する遅発ガンマ線割合算出装置を備えている。そして、この遅発ガンマ線割合算出装置で算出した遅発ガンマ線割合を用いて、遅発ガンマ線補正装置において、データ採取装置で採取された出力一定状態における検出信号に対する遅発ガンマ線の補正を行う。
従って、データ採取装置において、原子炉の出力一定状態を精度良く把握することができるので、遅発ガンマ線補正装置において、精度良く、かつリアルタイムで、遅発ガンマ線の補正を行うことができる。これにより、原子炉の出力の状態に精度良く対応して、原子炉の運転及び停止を行うことができ、原子炉の運転性を向上できる。
さらに、遅発ガンマ線割合算出装置が、予め定めた処理に従って遅発ガンマ線割合を算出して遅発ガンマ線補正装置に送出し、遅発ガンマ線補正装置が、送出された遅発ガンマ線割合により、その時点で格納していた値を更新する構成としたときには、原子炉の出力変動に精度良く追随して遅発ガンマ線割合を算出できる。そして、遅発ガンマ線補正装置において、原子炉の出力変動に精度良く追随して遅発ガンマ線を補正できる。特に、原子炉の出力の大きさの変動に対して、短時間で精度良く追随して、遅発ガンマ線を補正できる。
実施例1の原子炉出力監視装置の全体構成図を、図1に示す。
本実施例の原子炉出力監視装置は、図1に示すように、炉心2を収容した原子炉圧力容器1内に挿入された、炉内計装管3及び自己出力型ガンマ線検出器4を備えている。
また、本実施例の原子炉出力監視装置は、原子炉圧力容器1の外部に、遅発ガンマ線補正装置6、データ採取装置7、原子炉保護システム8、制御棒駆動制御装置12、再循環流量制御装置13、遅発ガンマ線割合算出装置15を備えている。
遅発ガンマ線補正装置6は、原子炉保護システム8に接続されている。
データ採取装置7には、出力操作信号入力装置14が内蔵されている。データ採取装置7は、遅発ガンマ線割合算出装置15に接続されている。
原子炉保護システム8は、原子炉を緊急停止させるスクラム信号を発生する。
再循環流量制御装置13は、再循環ポンプ11への操作信号を発信する。
なお、制御棒9、制御棒駆動装置10、再循環ポンプ11、制御棒駆動制御装置12、再循環流量制御装置13は、原子炉の制御を行うために従来から用いられている構成である。
これにより、制御棒駆動制御装置12の制御信号や、再循環流量制御装置13の制御信号を、出力操作信号として、出力操作信号入力装置14に入力することができる。
図2に示す自己出力型ガンマ線検出器4は、中心に鉛金属製のエミッタ17、外側にステンレス製のコレクタ19を配設し、両者の間はアルミナ製の絶縁材18で絶縁されている。
エミッタ17は、金属シースケーブルの芯線20に接続され、エミッタ17と芯線20の間は導通している。金属シースケーブルの芯線20は、金属製シース21で覆われており、アルミナ製の絶縁材22により金属製シース21と絶縁されている。
また、コレクタ19の両端は、金属製の端栓23により、内部が気密な構造となっている。
この構成の自己出力型ガンマ線検出器4では、ガンマ線が照射されたエミッタ17から電子が放出されて、エミッタ17とコレクタ19の間に電流が生じる。そして、この電流を、検出信号として検出できる。
図3に示す遅発ガンマ線補正装置6は、図1の自己出力型ガンマ線検出器4からケーブル5で接続され、微弱電流測定器25、演算装置26、記憶装置27、送信器28、入力装置29、初期化スイッチ30、を備えている。
微弱電流測定器25は、演算装置26に接続されている。
演算装置26は、記憶装置27、初期化スイッチ30、送信器28に、それぞれ接続されている。
記憶装置27には、入力装置29が接続されている。
図4の画面左側にある、即発ガンマ線割合a0及び遅発ガンマ線の各成分j(この画面ではj=1~10)の崩壊定数λjと割合ajを、画面右側にある方向ボタンと変数選択ボタンで選択し、数字ボタンと変更実行ボタンで変更する。
これらの定数の意味については後述する。
図5に示すデータ採取装置7は、出力操作信号入力装置14、微弱電流測定器32、演算装置33、記憶装置34、送信器35、を備えている。
微弱電流測定器32は、ケーブル5に接続され、ケーブル5からの信号を受信する。
微弱電流測定器32は、さらに演算装置33に接続されている。
演算装置33は、記憶装置34、送信器35に、それぞれ接続されている。
自己出力型ガンマ線検出器4では、ガンマ線が照射されたエミッタ17から電子が放出されることにより、エミッタ17とコレクタ18の間に電流が生じる。この電流が検出信号として、遅発ガンマ線補正装置6とデータ採取装置7に送られる。
演算装置26では、記憶装置27に保持された即発ガンマ線割合a0及び遅発ガンマ線の崩壊定数λjと割合ajを呼び出し、予め内蔵された補正モデルに従って、遅発ガンマ線成分を補正した出力信号を生成する。
補正モデルとしては、下記の式(1)に示すように、遅発ガンマ線を放出する核変換をいくつかの時定数の成分にまとめ、遅発ガンマ線を各成分の和として算出するモデルを用いる。
また、前述したように、λjは第j群の遅発ガンマ線の崩壊定数であり、a0は全ガンマ線に占める即発ガンマ線の割合であり、ajは全ガンマ線に占める第j群の遅発ガンマ線の割合である。
この式(1)を用い、一定周期で得られる出力信号から逐次的に遅発成分を補正した出力信号を算出することができる。
この出力信号の算出に用いる逐次式を、下記の式(2)に示す。
また、時刻は、自己出力型ガンマ線検出器の電流サンプリング周期Δtの間隔で離散化されており、kは現在の時刻を表し、k-1は一周期前の時刻を表す。
式(2)では、全遅発ガンマ線の寄与を、各群(j=1~N)の遅発ガンマ線からの寄与の和として算出して、遅発ガンマ線成分を補正している。
次に、補正した出力信号GCk、及び各成分の遅発γ線寄与GCj kが初期化されているか否かを確認する。
そして、初期化されていない場合には、出力信号が現時刻まで常に一定であったと仮定して初期化する。
一方、初期化済みであった場合には、式(2)に従い、現時刻の補正した出力信号GCk、各成分の遅発γ線寄与GCj kの順に算出する。
出力信号GCk、及び各成分の遅発γ線寄与GCj kの初期化は、下記の式(3)及び式(4)に従って、実施する。
演算装置33には、出力操作信号入力装置14が接続されており、制御棒駆動制御装置12からの制御棒操作信号と、再循環流量制御装置13からの再循環流量操作信号とを、演算装置33に入力する。
演算装置33では、制御棒駆動装置12または再循環流量制御装置13により、原子炉の出力が変化を開始した時点から、所定の条件を満たす出力操作をさせた後に一定時間経過するまでの出力信号を、記憶装置34に格納する。
そして、全データの格納を完了した後に、このデータを、送信器35により遅発ガンマ線割合算出装置15に送出する。
この状態で、ステップS3において、制御棒操作または再循環流量操作が行われたかどうかを検知する。そして、制御棒操作または再循環流量操作が行われた場合には、ステップS4に進み、出力信号の記憶装置34への格納を開始する。一方、制御棒操作も再循環流量操作も行われない場合には、ステップS1に戻り、出力信号の初期値P0を現在の出力信号Pに初期化する。
ステップS8では、出力変化が不十分で精度の良い評価ができないと判断し、記憶装置34に格納した出力信号を消去し、ステップS1の前に戻る。
そして、ステップS10において、操作なしの状態での経過時間t-t2が所定値Δt2(例えば5分)以上であるかを検知する。経過時間t-t2がΔt2以上である場合には、経過時間が十分であると認定して、ステップS12に進む。一方、経過時間t-t2がΔt2未満である場合には、経過時間が不十分であると認定して、ステップS11に進む。
ステップS13では、記憶装置34へ格納したデータを、遅発ガンマ線割合算出装置15へ送信する。
その後、データ採取装置7での処理を終了する。また、ステップS1の前に戻り、次の処理では、再度初期化を行う。
ただし、短時間のデータで崩壊時定数が短い成分の寄与を決定する方法は、精度が出ない。
そこで、短時間での応答精度を優先し、変更するパラメータa0(または1-a0)のみとし、これに応じて、下記の式(5)に示すように、和が1となるようにajを規格化し直す方法を用いる(λjも一定とする)。
図7に示すように、受信した出力信号データの各時刻の値に対して、前述の式(1)に基づいて算出したフィッティング値の差の二乗和が最も小さくなるように、a0及びajとΔPを決定する。このとき、真の出力変化ΔPの前と後では出力が一定であった、との仮定の下で、a0及びajとΔPを決定する。
このようにして決定したa0及びajを、遅発ガンマ線補正装置6に送出する。
また、遅発ガンマ線は、最初の1分までにその半分程度が飽和するため、自己出力型ガンマ線検出器4を用いることにより、ガンマサーモメータでは熱応答の影響から分離できない期間の比較的大きな変化を、遅発ガンマ線割合の評価に使用することができる。これにより、短い時間のデータで評価が可能となるともに、出力変化直後の補正の精度を向上することができる。
この構成の自己出力型ガンマ線検出器4では、ガンマ線が照射されたエミッタ17から電子が放出されて、エミッタ17とコレクタ19の間に電流が生じる。そして、この電流を、検出信号として検出できる。
自己出力型ガンマ線検出器4をこのような構成としたことにより、ガンマサーモメータでは熱応答の影響から分離できないような、短い期間の比較的大きな変化を検出して、遅発ガンマ線割合の評価に使用することができる。
そして、この構成の自己出力型ガンマ線検出器4を備えていることにより、自己出力型ガンマ線検出器4は中性子による感度劣化が小さいので、従来の固定式の中性子検出器よりも中性子による感度劣化を低減することができる。
これにより、自己出力型ガンマ線検出器4に隣接する固定式中性子検出器が必ずしも無い場合でも、出力変化時の原子炉出力からの遅れを精度良く補正することが可能になる。
また、コストの掛かる走査型中性子検出器を廃止でき、固定式中性子検出器の一部または全てを代替することで、検出器の合理化とコスト削減を図ることができる。
さらにまた、中性子による感度劣化が小さい自己出力型ガンマ線検出器4で、固定式の中性子検出器を代替できるため、検出器の寿命を伸長することができ、コスト削減と廃棄物の物量低減を図ることができる。
従って、データ採取装置7において、原子炉の出力一定状態を精度良く把握することができるので、遅発ガンマ線補正装置6において、精度良く、かつリアルタイムで、遅発ガンマ線の補正を行うことができる。これにより、原子炉の出力の状態に精度良く対応して、原子炉の運転及び停止を行うことができ、原子炉の運転性を向上できる。
従って、制御棒駆動制御装置12からの制御棒操作信号、及び再循環流量制御装置13からの再循環流量操作信号のうちの、一方の信号または両方の信号を、出力操作信号として用いることができる。これにより、運転中に変化する即発ガンマ線割合及び遅発ガンマ線割合を、炉出力が一定の状態の出力信号から算出でき、さらに精度良く遅発ガンマ線を補正できる。
これにより、スクラム信号を、原子炉の出力に対応して精度良く生成できるので、出力が原子炉を緊急停止する必要がない状態である場合であってもスクラム信号を生成してしまうことを抑制し、原子炉の運転性を向上できる。
実施例2の原子炉出力監視装置の全体構成図を、図8に示す。
本実施例では、図1に示した実施例1の原子炉出力監視装置の構成に、炉心性能監視装置37が追加されている。
炉心性能監視装置37は、遅発ガンマ線補正装置6に接続されている。
そして、遅発ガンマ線割合算出装置15により算出された、最新のa0及びajが遅発ガンマ線補正装置6に送られ、ガンマ線補正装置6によって遅発ガンマ線を補正された出力信号が、炉心性能計算装置37に送られる。
炉心性能計算装置37からの炉心管理情報の出力先としては、数値を表示する表示部、情報を表示するモニタ、情報を記憶する記憶装置、等が挙げられる。
これにより、遅発ガンマ線補正装置6から炉心性能計算装置37へ、応答性が速く精度の高い出力信号を供給できるので、炉心性能計算を速く精度良く行うことができ、炉心性能を速く精度良く監視して、原子炉の運用性及び安全性を向上できる。
実施例1及び実施例2では、制御棒駆動制御装置12と再循環流量制御装置13から出力操作信号入力装置14に出力操作信号が入力される構成であったが、操作員によって出力操作信号入力装置14に出力操作信号が入力される構成としても構わない。
Claims (6)
- ガンマ線の照射により電子を放出する金属製のエミッタと、前記エミッタを電気的に絶縁して内包する金属製のコレクタとを備えた、自己出力型ガンマ線検出器と、
実時間で遅発ガンマ線を補正する遅発ガンマ線補正装置と、
前記自己出力型ガンマ線検出器からの検出信号を採取するデータ採取装置と、
前記データ採取装置に採取された前記検出信号に基づいて、遅発ガンマ線割合を算出する遅発ガンマ線割合算出装置と、を備え、
前記データ採取装置は、制御装置により出力操作信号が入力される、出力操作信号入力装置を備え、前記出力操作信号に基づいて原子炉の出力変動の開始と終了を検知し、出力変動中及び出力変動後の出力一定状態での前記自己出力型ガンマ線検出器からの前記検出信号を採取し、
前記遅発ガンマ線補正装置は、前記遅発ガンマ線割合算出装置で算出した前記遅発ガンマ線割合を用いて、前記データ採取装置で採取された前記出力一定状態における前記自己出力型ガンマ線検出器からの前記検出信号に対して、実時間で遅発ガンマ線を補正する
原子炉出力監視装置。 - 前記データ採取装置は、制御棒操作信号及び再循環流量操作信号のうちの一方の信号または両方の信号を、前記出力操作信号として用いる請求項1に記載の原子炉出力監視装置。
- 前記遅発ガンマ線補正装置は、遅発ガンマ線を最短1秒未満から最長1日以上の複数の崩壊時定数の群にまとめ、全遅発ガンマ線の寄与を各前記群からの寄与の和として算出するモデル式を用いて、前記遅発ガンマ線を補正する請求項1または請求項2に記載の原子炉出力監視装置。
- 前記データ採取装置は、前記出力操作信号に基づき原子炉の出力変動の開始と終了を検知し、出力開始から出力変動後の出力一定状態での前記自己出力型ガンマ線検出器の前記検出信号を採取して前記遅発ガンマ線割合算出装置に送出し、
前記遅発ガンマ線割合算出装置は、予め定めた処理に従って前記遅発ガンマ線割合を算出して、前記遅発ガンマ線補正装置に送出し、
前記遅発ガンマ線補正装置は、送出された前記遅発ガンマ線割合により、その時点で格納していた値を更新する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の原子炉出力監視装置。 - 前記遅発ガンマ線補正装置からの出力に基づいて、原子炉のスクラム信号を生成する原子炉保護装置をさらに備えた請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の原子炉出力監視装置。
- 前記遅発ガンマ線補正装置からの出力に基づいて、炉心三次元シミュレータの計算を補正し、最大線出力密度及び最小限界出力比を計算する、炉心性能計算装置をさらに備えた請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の原子炉出力監視装置。
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