JP3556409B2 - 原子炉出力測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉出力測定装置に係わり、特に、固定型の中性子検出器と固定型のγ線温度計とを備えた検出器集合体からの出力信号を利用して原子炉出力分布を求めるようにした原子炉出力測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、沸騰水型原子炉の出力測定には、小型核分裂電離箱からなる中性子検出器を組み合わせた検出器集合体が用いられている。この検出器集合体は、複数の固定型の中性子検出器よりなる局部出力領域モニタ(以下、「LPRM」と言う。)と、移動式の中性子検出器よりなる移動式炉心内計装(以下、「TIP」と言う。)とを備えている。核分裂電離箱は核分裂片の電離作用によって出力信号を出すものであるため、核分裂電離箱のウランの燃焼とともにその感度が徐々に低下する。
【0003】
そこで、固定型であるLPRMの感度低下の校正に移動型のTIPを用いている。ここで、TIPもまた固定型の中性子検出器と同様の核分裂電離箱であるので、TIPの感度低下を避けるために通常は原子炉外に取り出しておき、必要に応じて高温・高圧の原子炉内に出し入れする。そのため、TIPを操作するための装置はきわめて複雑であり、また校正対象であるLPRMとの位置精度を保つために高い機械的精度も要求されている。
【0004】
このように複雑で精巧な装置を不要とするために、TIPに代えてγ線温度計を使用し、このγ線温度計とLPRMとを組合せて沸騰水型原子炉の原子炉出力測定を行うことが提案されている。しかしながら、γ線温度計精度の向上や測定対象の中性子からγ線への変更等において問題があるため、沸騰水型原子炉の出力監視装置としては実用化されていない。図12にγ線温度計とLPRMを組合せた従来例を示す。
【0005】
図12に示したγ線温度計4は、従来のTIPとは異なり、γ線等の放射線による発熱現象を利用し、発熱の際にγ線温度計の検出部に生じる温度差を熱電対で測るものである。γ線温度計4は原子炉内に固定され、それらに隣接するLPRM3の校正に使用することができる。γ線温度計4は原子炉内に設置される前に校正されるが、本来γ線等の放射線による発熱現象を利用するものであるため、放射線場である原子炉内において再校正を行い感度を確認する必要がある。
【0006】
このようにγ線温度計をLPRMと組み合わせた例が特公平6−31791に示されており、LPRM3の検出器の近傍にγ線温度計4のセンサ部を配置し(図12参照)、そのγ線温度計4の出力信号に基づいてLPRM3の校正を行う方法が述べられている。
【0007】
γ線温度計4にはいつくかの種類があるが、γ線温度計4の中心にヒータが内蔵されたタイプのものは、この内蔵ヒータを使用することによってγ線温度計4の自己校正を行うことが可能である。内蔵ヒータによる感度校正方法の1つは、内蔵ヒータにより付加した電気抵抗発熱量とγ線温度計4の出力信号の変化から感度を求めるものである。図13乃至図15はこの感度校正方法を説明するためのグラフであり、図13及び図14は校正中に得られる出力信号のグラフ、図15は、図13又は図14のデータから得られる校正曲線のグラフである。また、その他の感度校正方法としては、周期的に電気抵抗発熱を付加した場合の時間応答からγ線温度計4の感度を求める方法がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記特公平6−31791には、LPRM3と組み合わせるγ線温度計4の数あるいはγ線温度計4によるLPRM3の校正ということについては述べられているが、γ線温度計4自体の感度校正については述べられていない。しかしながら、γ線温度計4自体の感度も設置される環境条件(冷却材温度、冷却材流速、冷却材とγ線温度計表面の熱伝達率、ボイド率、周辺発熱材等)により変化するのでγ線温度計4の感度校正を行うことが必要である。
【0009】
また、γ線温度計4の校正について記載されたものとして特公平3−73834がある。γ線温度計4には大きく分けて2つのタイプがあるがここで用いられているのは同心の二重管構造からなり中心部にヒータと差動型(測温点が2つあり2カ所の温度差が測定できる)の熱電対を組み込んだものである。この特公平3−73834によれば、γ線温度計4の校正は原子炉内においてγ線等による原子炉発熱にγ線温度計4の内蔵ヒータによる電気抵抗発熱を付加して行うが、発熱量とγ線温度計4の出力信号は単に比例関係にあるとして行われている。
【0010】
しかしながら、γ線温度計4は、γ線温度計4の検出部の単位重量あたりの発熱量と出力信号の間に厳密な直線性は成り立たず、発熱量の増加とともに出力信号はわずかに低下することがわかっている。したがって、発熱量とγ線温度計4の出力信号との間で直線性を仮定すると、特に発熱量が大きい領域で誤差が大きくなり、校正されたγ線温度計4の出力信号から演算される値を用いたLPRM3の校正も必然的に誤差が大きくなり正確な校正は行うことができない。
【0011】
さらに、個々のγ線温度計4は、γ線温度計4の検出部の単位重量あたりの発熱量とγ線温度計の出力信号の間にそれぞれ固有の関係を持っているため、各々の検出部に対してその関係を特定する必要がある。そして、特定された個々の関係に基づいてγ線温度計4の検出部の出力信号から局所平均出力を求め、炉心全体の出力分布を求める必要がある。
【0012】
また、γ線温度計4が故障したり、或いは劣化した内蔵ヒータによってγ線温度計4の校正を行った場合、γ線温度計4から得られる情報が正確でないことになり、原子炉の出力監視に誤情報を与えることになる。
【0013】
そこで、本発明の目的は、上述した種々の問題点を解消し、原子炉の出力分布を高精度で測定することができる原子炉出力測定装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、原子炉内に設置された複数の固定型の中性子検出器と、検出部を有する複数の固定型のγ線温度計とを備えた検出器集合体からの出力信号に基づいて、炉心物理モデルから求めた出力分布計算値を補正して原子炉出力分布を求めるようにした原子炉出力測定装置において、前記γ線温度計の出力信号に基づいて前記炉心物理モデルから求めた出力分布計算値を補正する際に、前記γ線温度計の個々の出力信号を前記γ線温度計の検出部の単位重量あたりの発熱量に換算する個々の換算関数式を保持した発熱量換算装置と、前記発熱量換算装置によって求めた前記検出部の単位重量あたりの発熱量を前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束に換算するγ線束換算装置と、前記γ線束換算装置によって求めたγ線束の値を、予め内蔵された関係式又は前記炉心物理モデルを用いて前記γ線温度計に近接する複数の燃料集合体の局所平均出力に換算する近接燃料集合体局所平均出力換算装置と、を備え、前記発熱量換算装置は、前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束が存在しない条件の下で予め求められた前記換算関数式を保持しており、原子炉内において前記γ線温度計を加熱するための加熱手段を設け、γ線束が存在する条件の下で前記加熱手段によって加熱量を変化させながら前記γ線温度計を加熱し、前記加熱手段による加熱量と前記γ線温度計の出力信号との関係を求め、この関係に基づいて前記換算関数式を補正するようにし、前記発熱量換算装置に保持された前記換算関数式は、前記γ線温度計の出力信号をUij(i=1,2……n;j=1,2……m)(iはγ線温度計が設置された検出器集合体を表す添字、jはγ線温度計の検出部の軸方向位置を示す添字)とおき、前記検出部の単位重量あたりの発熱量をWij(i=1,2……n;j=1,2……m)とおいた場合、△Uij=f(S0 γ ij ,αγ ij ,△Wij)(S0 γ ijは換算関数式による関数曲線の線形項を示す係数、αγ ijは関数曲線の非線形項を示す係数)であり、前記発熱量換算装置は、測定によって求められた前記加熱手段による加熱量△Wijと前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijとの関係に基づいて偏差が最小となるように前記換算関数式△Uij=f(S0 γ ij,αγ ij,△Wij)の関数曲線を決めて線形項を示す係数S0 γ ij及び非線形項を示す係数αγ ijを求め、予めγ線束のない条件で求めた前記検出部の単位重量あたりの発熱量が0(W/g)のときにおける前記γ線温度計の出力信号をU0ij として、前記関数曲線が−(Uγ ij−U0ij )=f(S0 γ ij,αγ ij,−Wγ ij)(Uγ ijは加熱手段によって加熱する前のγ線温度計の出力信号値、Wγ ijはその時の検出部の単位重量あたりの発熱量)を満たすことを用いて前記検出部の単位重量あたりの発熱量Wijを求めるようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、好ましくは、前記換算関数式として△Uij+Uγ ij =S0ij (1+αij(△Uij+Uγ ij))(△Wij+Wγ ij )+U0ij を用いる。
【0016】
また、好ましくは、前記換算関数式として△Uij+Uγ ij−U0ij =S0ij (1+αij(△Uij+Uγ ij−U0ij ))(△Wij+Wγ ij )を用いる。
【0017】
第2の発明は、原子炉内に設置された複数の固定型の中性子検出器と、検出部を有する複数の固定型のγ線温度計とを備えた検出器集合体からの出力信号に基づいて、炉心物理モデルから求めた出力分布計算値を補正して原子炉出力分布を求めるようにした原子炉出力測定装置において、前記γ線温度計の出力信号に基づいて前記炉心物理モデルから求めた出力分布計算値を補正する際に、前記γ線温度計の個々の出力信号を前記γ線温度計の検出部の単位重量あたりの発熱量に換算する個々の換算関数式を保持した発熱量換算装置と、前記発熱量換算装置によって求めた前記検出部の単位重量あたりの発熱量を前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束に換算するγ線束換算装置と、前記γ線束換算装置によって求めたγ線束の値を、予め内蔵された関係式又は前記炉心物理モデルを用いて前記γ線温度計に近接する複数の燃料集合体の局所平均出力に換算する近接燃料集合体局所平均出力換算装置と、を備え、前記発熱量換算装置は、前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束が存在しない条件の下で予め求められた前記換算関数式を保持しており、原子炉内において前記γ線温度計を加熱するための加熱手段を設け、γ線束が存在する条件の下で前記加熱手段によって加熱量を変化させながら前記γ線温度計を加熱し、前記加熱手段による加熱量と前記γ線温度計の出力信号との関係を求め、この関係に基づいて前記換算関数式を補正するようにし、前記発熱量換算装置に保持された前記換算関数式は、前記γ線温度計の出力信号をUij(i=1,2……n;j=1,2……m)(iはγ線温度計が設置された検出器集合体を表す添字、jはγ線温度計の検出部の軸方向位置を示す添字)、前記検出部の単位重量あたりの発熱量をWij(i=1,2……n;j=1,2……m)、予めγ線束のない条件で求めた前記検出部の単位重量あたりの発熱量が0(W/g)のときにおける前記γ線温度計の出力信号をU0ij (定数)とした場合、Uij=g(S0ij ,αγ ij,U0ij ,Wij)(S0ij は換算関数式による関数曲線の線形項を示す係数、αγ ijは関数曲線の非線形項を示す係数)であり、前記発熱量換算装置は、前記線形項を示す係数S0ij として、前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束が存在しない条件の下で予め求められた換算関数式における線形項を示す係数又は前回の補正の後の換算関数式における線形項を示す係数を用いて定数とし、前記非線形項を示す係数αγ ijは未知数として、測定によって求められた前記加熱手段による加熱量△Wijと前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijとの関係に基づいて偏差が最小となるように前記換算関数式Uij=g(S0ij ,αγ ij,U0ij ,Wij)の関数曲線を決めて前記非線形項を示す係数αγ ijを求め、この係数αγ ijを前記換算関数式Uij =g(S0ij ,αγ ij,U0ij ,Wij )に代入して前記検出部の単位重量あたりの発熱量Wijを求めるようにしたことを特徴とする。
【0018】
また、好ましくは、前記換算関数式としてUij=S0ij (1+αijij)Wij+U0ij を用い、前記加熱手段による加熱量△Wij及び前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijを前記加熱量△Wijの値を複数回変えて測定し、前記換算関数式から得られる関係式△Uij/△Wij=S0ij (1+αijij2 /(1+αijij)を用いて前記非線形項を示す係数αijを計算し、この係数αijを前記換算関数式Uij=S0ij (1+αijij)Wij+U0ij に代入して前記検出部の単位重量あたりの発熱量を求めるようにする。
【0019】
また、好ましくは、前記換算関数式としてUij−U0ij =S0ij (1+αij(Uij−U0ij ))Wijを用い、前記加熱手段による加熱量△Wij及び前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijを前記加熱量△Wijの値を複数回変えて測定し、前記換算関数式から得られる関係式△Uij/△Wij=S0ij (1+αijij)(1+αij(Uij−U0ij ))を用いて前記非線形項を示す係数αijを計算し、この係数αijを前記換算関数式Uij−U0ij =S0ij (1+αij(Uij−U0ij ))Wij に代入して前記検出部の単位重量あたりの発熱量を求めるようにする。
【0020】
第3の発明は、原子炉内に設置された複数の固定型の中性子検出器と、検出部を有する複数の固定型のγ線温度計とを備えた検出器集合体からの出力信号に基づいて、炉心物理モデルから求めた出力分布計算値を補正して原子炉出力分布を求めるようにした原子炉出力測定装置において、前記γ線温度計の出力信号に基づいて前記炉心物理モデルから求めた出力分布計算値を補正する際に、前記γ線温度計の個々の出力信号を前記γ線温度計の検出部の単位重量あたりの発熱量に換算する個々の換算関数式を保持した発熱量換算装置と、前記発熱量換算装置によって求めた前記検出部の単位重量あたりの発熱量を前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束に換算するγ線束換算装置と、前記γ線束換算装置によって求めたγ線束の値を、予め内蔵された関係式又は前記炉心物理モデルを用いて前記γ線温度計に近接する複数の燃料集合体の局所平均出力に換算する近接燃料集合体局所平均出力換算装置と、を備え、前記発熱量換算装置は、前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束が存在しない条件の下で予め求められた前記換算関数式を保持しており、原子炉内において前記γ線温度計を加熱するための加熱手段を設け、γ線束が存在する条件の下で前記加熱手段によって加熱量を変化させながら前記γ線温度計を加熱し、前記加熱手段による加熱量と前記γ線温度計の出力信号との関係を求め、この関係に基づいて前記換算関数式を補正するようにし、前記発熱量換算装置に保持された前記換算関数式は、前記γ線温度計の出力信号をUij(i=1,2……n;j=1,2……m)(iはγ線温度計が設置された検出器集合体を表す添字、jはγ線温度計の検出部の軸方向位置を示す添字)、前記検出部の単位重量あたりの発熱量をWij(i=1,2……n;j=1,2……m)、予めγ線束のない条件で求めた前記検出部の単位重量あたりの発熱量が0(W/g)のときにおける前記γ線温度計の出力信号をU0ij とした場合、Uij=h(S0ij ,αγ ij,U0ij ,Wij)(S0ij は換算関数式による関数曲線の線形項を示す係数、αγ ijは関数曲線の非線形項を示す係数)であり、前記発熱量換算装置は、前記非線形項を示す係数αγ ijとして、前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束が存在しない条件の下で予め求められた換算関数式における非線形項を示す係数又は前回の補正の後の換算関数式における非線形項を示す係数を用いて定数とし、前記線形項を示す係数S0ij は未知数として、測定によって求められた前記加熱手段による加熱量△Wijと前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijとの関係に基づいて偏差が最小となるように前記換算関数式Uij=g(S0ij ,αγ ij,U0ij ,Wij)の関数曲線を決めて前記線形項を示す係数S0ij を求め、この係数S0ij を前記換算関数式Uij=h(S0ij ,αγ ij,U0ij ,Wij)に代入して前記検出部の単位重量あたりの発熱量Wijを求めるようにしたことを特徴とする。
【0021】
また、好ましくは、前記換算関数式としてUij=S0ij (1+αijij)Wij+U0ij を用い、前記加熱手段による加熱量△Wij及び前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijを前記加熱量△Wijの値を複数回変えて測定し、前記換算関数式から得られる関係式△Uij/△Wij=S0ij (1+αijij2 /(1+αijij)を用いて前記線形項を示す係数S0ij を計算し、この係数S0ij を前記換算関数式Uij=S0ij (1+αijij)Wij+U0ij に代入して前記検出部の単位重量あたりの発熱量を求めるようにする。
【0022】
また、好ましくは、前記換算関数式としてUij−U0ij =S0ij (1+αij(Uij−U0ij ))Wijを用い、前記加熱手段による加熱量△Wij及び前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijを前記加熱量△Wijの値を複数回変えて測定し、前記換算関数式から得られる関係式△Uij/△Wij=S0ij (1+αijij)(1+αij(Uij−U0ij ))を用いて前記線形項を示す係数S0ij を計算し、この係数S0ij を前記換算関数式Uij−U0ij =S0ij (1+αij(Uij−U0ij ))Wij に代入して前記検出部の単位重量あたりの発熱量を求めるようにする。
【0023】
第4の本発明は、前記検出部の単位重量あたりの発熱量が原子炉定格運転時における炉心内平均γ発熱に対して25%未満のときに使用される上述の第3の発明による原子炉出力測定装置と、前記検出部の単位重量あたりの発熱量が原子炉定格運転時における炉心内平均γ発熱に対して25%以上75%未満のときに使用される上述の第1の発明による原子炉出力測定装置と、前記検出部の単位重量あたりの発熱量が原子炉定格運転時における炉心内平均γ発熱に対して75%以上のときに使用される上述の第2の発明による原子炉出力測定装置と、を備えたことを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
以下、本発明による原子炉出力測定装置の第1実施形態について図面を参照して説明する。
【0035】
図1は、本実施形態による原子炉出力測定装置の概略構成を示している。原子炉1内に配置された炉心2の中に、固定型のLPRM3及び固定型のγ線温度計4からなる複数の検出器集合体が配置されている。なお、図1には1体の検出器集合体のみを記載している。また、原子炉1内には、炉心物理モデルを用いた出力分布計算を行うのに必要な情報を採取するための炉心現状データ測定器5が配置されている。γ線温度計4からの信号は出力信号測定装置6に送られ、この出力信号測定装置6には、発熱量換算装置7、γ線束換算装置8、データサンプラ9、近接燃料集合体平均出力換算装置10が順次接続されている。また、LPRM3からの信号及び炉心現状データ測定器5からの信号はデータサンプラ9に送られる。
【0036】
図2及び図3は、γ線温度計4の概略構造を示しており、このγ線温度計4は、外管11及びその内側に設けられた内管12を備え、さらに、空隙部13及びγ線温度計検出部14を備えている。また、図3に示したように、γ線温度計4は中心部にヒータ15と測温点が2カ所あり、2点間の温度差に比例した熱起電力を発生させる差動型の熱電対16を内蔵している。γ線温度計4の校正は、内蔵されたヒータ15により付加する電気抵抗発熱量と、この加熱によるγ線温度計4の出力信号の変化量との関係、及びγ線温度計4の発熱に寄与するγ線束のない条件で予め求められたγ線温度計4の出力信号とγ線温度計検出部14の単位重量あたりの発熱量との関係を用いて行う。
【0037】
γ線束がない場合のγ線温度計4の出力信号とγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量との関係を求める方法としては、図4に示したように、γ線温度計4の発熱に寄与するγ線束のない状況の下において、高周波加熱装置17によってγ線温度計4の1つまたは複数の検出部14あるいはγ線温度計4全体を加熱する方法がある。このようにすれば、γ線束がない場合のγ線温度計4の出力信号とγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量との関係を正確に求めることができる。
【0038】
次に、図1に示した原子炉出力測定装置の作用について説明する。
【0039】
この原子炉出力測定装置においては、炉心物理モデルから求めた出力分布計算値を、LPRM3の計数値またはγ線温度計4の出力信号に基づいて補正することによって炉心全体の出力分布を求めることができる。すなわち、炉心物理モデルから求めた出力分布計算値をγ線温度計4の出力信号を用いて補正する際には、まず、出力信号測定装置6で取り込んだγ線温度計4の出力信号を、発熱量換算装置7によってγ線温度計4の検出部14の単位重量あたりの発熱量に換算する。ここで、発熱量換算装置7は、γ線温度計4の出力信号をγ線温度計4の検出部14の単位重量あたりの発熱量に換算する個々の換算関数式を保持している。
【0040】
次に、発熱量換算装置7によって換算された発熱量を、γ線束換算装置8によってγ線温度計4の発熱に寄与するγ線束に換算する。算出されたγ線束の値及び炉心2内に設置された炉心現状データ測定器5から得られた炉心2の現状データはデータサンプラ9に集められる。そして、γ線束の値は、近接燃料集合体局所平均出力換算装置10に内蔵された換算式を用いて、γ線温度計4に近接する複数の燃料集合体の局所平均出力に換算される。また、近接燃料集合体局所平均出力換算装置10は、炉心現状データを用いた炉心物理モデルによる出力分布計算値をγ線温度計4の位置に対応する近接燃料集合体の局所平均出力に換算し、γ線温度計4の出力信号から得られる値と比較して補正係数を求め、この補正係数に基づいて炉心2全体の出力分布を求める。
【0041】
次に、γ線温度計4を用いたLPRM3の校正方法について説明する。
【0042】
γ線温度計4によるLPRM3の校正は、上記出力分布計算の場合と同様、γ線束から得られる局所平均出力と、LPRM3の計数値に基づいて近接燃料集合体局所平均出力換算装置10により計算された近接燃料集合体局所平均出力とを比較して行う。すなわち、近接燃料集合体局所平均出力換算装置10は、γ線束に基づいた計算、炉心現状データから得られる出力分布に基づいた計算、及びLPRM3の計数値に基づいた計算の3種類の局所平均出力換算方法を持つことになる。γ線束とLPRM計数値からの局所平均出力の比較は、例えば特公平5−48438に示されているように、現在の出力に対応しない遅発γ線による成分を取り除き、現在の出力に対応するγ線束を求め、これを近接燃料集合体局所平均出力へ換算する換算手段と、同様に熱中性子束を近接燃料集合体局所平均出力へ換算する換算手段とを備えることにより、γ線温度計とLPRMの補正係数が求められ、γ線温度計でLPRMの校正を行うことが可能である。なお、γ線温度計4はγ線を測定対象とするものであるが、γ線温度計4によるLPRM(中性子検出器)3の校正は、γ線温度計4をLPRM3の位置の熱中性子束と実質的に一様になる位置に配置することにより校正を行うことが可能である。
【0043】
次に、γ線温度計4の校正、すなわちγ線温度計4の出力信号をγ線温度計4の検出部14の単位重量あたりの発熱量に換算する方法について詳説する。
【0044】
図2及び図3に示したγ線温度計4は発熱量に応じた出力信号を発する。もし仮にγ線温度計4の原子炉1内における出力信号曲線が既知であれば、出力信号を対応する発熱量に読みかえるだけでよい。しかしながら、γ線温度計4は環境条件(冷却材温度、冷却材流速、冷却材とγ線温度計表面の熱伝達率、ボイド率、周辺発熱材等)や経年変化、さらには原子炉1の運転とともに放射化された物質によるγ線束等により出力信号が異なる。そこで、環境条件、経年劣化等を考慮してγ線温度計4を校正する必要がある。
【0045】
図5は、γ線温度計4の校正方法を示したフローチャートであり、また、図6は、γ線温度計4の出力信号曲線18の一例を示したグラフである。
【0046】
γ線温度計4を校正する際には、γ線温度計4の出力信号Uij(i=1,…,n;j=1,…,m)を、γ線温度計検出部の単位重量あたりの発熱量Wij(i=1,…,n;j=1,…,m)(iはγ線温度計の設置される検出器集合体を表す添字、jはγ線温度計検出部の軸方向位置を表す添字)に換算する。以下、図5を参照して具体的に説明する。
【0047】
図5に示したように、まず、γ線温度計4の内蔵ヒータ15により付加する電気抵抗発熱量ΔWijと、γ線温度計4の出力信号変化量ΔUijとを測定する(ステップ50)。次に、γ線温度計4の内蔵ヒータ15により付加する電気抵抗発熱量ΔWijとγ線温度計4の出力信号の変化量ΔUijの関係から偏差が最小となるように換算関数式ΔUij=f(S γ ij,αγ ij,ΔWij)を求め、関数曲線の線形項を示す係数S γ ijと非線形項を示す係数αγ ijを得る(ステップ51)。次に、予めγ線温度計4の発熱に寄与するγ線束のない条件で求めたγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量が0(W/g)の時におけるγ線温度計出力信号Uoij (定数)を与える(ステップ52)。そして、電気抵抗発熱を付加した結果得られるこの関数曲線が−(Uγ ij−Uoij )=f(S γ ij,αγ ij,ΔWij=−Wγ)を満たすことを用い、γ線温度計単位重量あたりの発熱量を求める(ステップ53)。ただし、Uγ ijはγ線温度計4の内蔵ヒータ15による電気抵抗発熱を付加する前のγ線温度計4の出力信号値で、Wγはその時のγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量である。次に、出力信号Uijと発熱量Wijとの換算関数式を求める(ステップ54)。なお、Uγ ijとWijとの関係を示す換算関数式は、換算関数式ΔUij=f(S γ ij,αγ ij,ΔWij)をΔUij=Uij−(Uγ ij,−Uoij ),ΔWij=Wij−Wγ ijと変換することにより得られる。
【0048】
そして、上述した操作をγ線温度計4の各検出部14に対して、すなわちすべてのijについて行うことにより、全γ線温度計4の校正を行うことができる。このようにして一旦γ線温度計4の出力信号とγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量との換算関数式が得られると、γ線温度計4の出力信号から直ちにγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量を換算することができる。
【0049】
さらに、上述したγ線温度計4の校正を定期的に又は所望の時点において実施して上記換算関数式を更新することにより、常に極めて高い精度で原子炉出力を演算することが可能となる。
【0050】
また、変形例としては、線形項を示す係数と非線形項を示す係数の両方を未知数として偏差が最小になるように求める方法において、γ線温度計4の出力信号とγ線温度計単位重量あたりの発熱量との換算を行う際の換算関数式として、ΔUij+Uγ ij=Soij (1+αij(ΔUij+Uγ ij))(ΔWij+Wγ ij)+Uoij 、あるいはΔUij+Uγ ij−Uoij =Soij (1+αij(ΔUij+Uγ ij−Uoij ))(ΔWij+Wγ ij)を用いることもできる。
【0051】
次に、γ線温度計4の劣化診断方法、すなわち、γ線温度計検出部14が正常な感度を保っているか否かを判定する方法について説明する。
【0052】
γ線温度計4の劣化診断においては、まず、原子炉内の対称ストリング位置に配置されたγ線温度計4の同一軸方向高さにあるγ線温度計検出部14を監視して両検出部の出力信号から得られるγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量の比較を行い、定格運転中に原子炉の特性に応じた特定の値(例えば2%)以上の相違が見られたことをもって異常の判定を行う。図7は、γ線温度計4の劣化診断手順の一例を示しており、検出部(センサ)14の劣化診断を開始したら(ステップ70)、対称ストリングス内の同位置センサの感度データを入力し(ステップ71)、対称ストリングス内の同位置センサの感度データの表示によって確認する(ステップ72)。次に、感度の比較の回数nが所定数iよりも大きいか否かを判定し(ステップ73)、n>iであればセンサ感度が経時変化等によって劣化したと判断する(ステップ74)。ここで、iはプラント条件に応じて決定される所定数である。一方、n≦iであれば、比較が適当であるか否かを判定し(ステップ75)、適当であればセンサは正常であると判断する(ステップ76)。
【0053】
また、前記の例では対称ストリング位置にあるγ線温度計4を利用してγ線温度計4の劣化診断を行うこととしたが、劣化により出力信号の時間応答が変化することを利用して内蔵ヒータ15により電気抵抗発熱を加えた時の出力信号の時間応答の変化、例えば予め直前のγ線温度計4の校正時に応答時定数を測定しておきこれと比較する等の方法によって劣化しているか否かを判定しても良い。
【0054】
次に、γ線温度計4の内蔵ヒータ15の性能確認方法について図8を参照して説明する。
【0055】
γ線温度計4の内蔵ヒータ15の性能確認は、1つのγ線温度計4あたりに1本の内蔵ヒータ15が設けられ、この内蔵ヒータ15によって複数個の検出部14に対して同時に電気抵抗発熱を付加し得ることを利用して行われる。
【0056】
図8は、内蔵ヒータ15の性能確認のフローチャートを示しており、図7に示した方法によって検出部出力信号の健全性を確認した後(ステップ80)、内蔵ヒータ15によってγ線温度計4に電気抵抗発熱を付加する(ステップ81)。次に、内蔵ヒータ15による電気抵抗発熱を付加して得られる出力信号変化を複数個の検出部14について測定する(ステップ82)。次に、複数の検出部14のそれぞれについて、測定された出力信号の値と、γ線温度計4の出力信号とγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量との関係から予測される値とを比較する(ステップ83)。そして、測定値と予測値とが誤差範囲を超えて相違する検出部14の個数が所定数Mよりも小さいか否かを判定して内蔵ヒータ15の健全性を判断する(ステップ84)。ここで、γ線温度計4の検出部14の個数をNとすれば、所定数Mは例えばN−1に設定する。そして、測定値と予測値とが相違する検出部14の個数が所定数Mよりも小さい場合には内蔵ヒータ15は正常であると判断し(ステップ85)、一方、所定数Mよりも大きい場合には内蔵ヒータ15は劣化していると判断する(ステップ86)。
【0057】
また、上述したようにγ線温度計4は内蔵ヒータ15により自己校正が可能であるが、万一内蔵ヒータ15が故障したような場合にも対処できるようにしておくことが望ましい。そこで、まず、γ線温度計4を原子炉1内に設置する前に、使用環境を模擬した加圧加温環境下において、サイクル数とγ線温度計の感度変化との関係を予め原子炉外で求めておく。このγ線温度計の性能確認試験は、例えば、γ線温度計4を原子炉1に入れた場合のライフサイクル数(プラント起動・停止を1サイクルとすると例えば6サイクル)以上の回数で繰り返して行う。そして、γ線温度計4の出力信号とγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量との換算関数式を、原子炉内に設置されたγ線温度計4の使用時間(サイクル数)に応じて、予め求めておいた感度変化データに基づいて補正することにしても良い。
【0058】
以上述べたように本実施形態によれば、γ線温度計4に内蔵されたヒータ15で電気抵抗発熱を付加することによって原子炉1内でγ線温度計4を精度良く校正することができる。また、γ線温度計4の出力信号をγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量に換算する個々の換算関数式を保持した発熱量換算装置7を設けたので、γ線温度計4の個々の検出部14を精度良く校正することができる。さらに、γ線温度計4の異常を検知して誤情報を与えないようにすることができる。このように精度良く校正されたγ線温度計4を用いてLPRM3の校正を行い、また、誤情報を与えないようにしたので、LPRM3およびγ線温度計4の測定値に基づく補正によって炉心物理モデルから求められる出力分布計算値は極めて精度の高いものになる。
【0059】
また、発熱量換算装置7に保持された換算関数式を原子炉内の校正試験の結果に基づいて更新することができるので、原子炉出力を精度良く測定することができる。
【0060】
さらに、γ線温度計の検出部14の内蔵ヒータ15による加熱と出力信号の変化の関係から内蔵ヒータ15の健全性を確認することも可能である。
【0061】
第2実施形態
次に、本発明による原子炉出力測定装置の第2実施形態について図面を参照して説明する。
【0062】
本実施形態は、γ線温度計4の出力信号Uijとγ線温度計検出部の単位重量あたりの発熱量Wijとの関係を表す換算関数式を求める際に、換算関数式の線形項を示す係数S γ ij及び非線形項を示す係数αγ ijのいずれか一方を定数として計算するものである。
【0063】
すなわち、上述した第1実施形態では付加する電気抵抗発熱量とγ線温度計4の出力信号変化量との関係に基づいて、偏差が最小になるようにして換算関数式を求めて線形項を示す係数S γ ij及び非線形項を示す係数αγ ijを求めた。これに対して本実施形態においては、線形項を示す係数S γ ij及び非線形項を示す係数αγ ijのうちのいずれか一方は、予めγ線温度計4の発熱に寄与するγ線束のない条件で求めたγ線温度計4の出力信号とγ線温度計単位重量あたりの発熱量との関係、或いは前回のγ線温度計4の校正により得られた換算関数式の値とし、他方の係数のみをγ線温度計4に内蔵されたヒータ15により付加する電気抵抗発熱量とγ線温度計4の出力信号の変化量との関係から偏差が最小になるようにして求める。例えば、線形項を示す係数Soij を前回の校正から得られた定数として与えた場合は非線形項を示す係数αijを未知数とし、また逆に非線形項を示す係数αijを定数として与えた場合は線形項を示す係数Soij を未知数として求める。
【0064】
最初に、線形項を示す係数Soij を定数として与えた場合について説明する。図9は、この場合の換算計算のフローチャートを示している。
【0065】
まず、出力信号変化量ΔUij及び付加電気抵抗発熱量ΔWijを測定する(ステップ90)。次に、γ線温度計4の発熱に寄与するγ線束のない条件またはγ線温度計4の校正により予め得られる関係から線形項を示す係数Soij を定数として付与し、また、予めγ線温度計4の発熱に寄与するγ線束のない条件で求めた検出部14の単位重量あたりの発熱量が0(W/g)のときにおけるγ線温度計4の出力信号U0ij (定数)を付与する(ステップ91)。一方、非線形項を示す係数αijは未知数として、この係数αijを次に述べる3つの手法のいずれかを用いて決定する。
【0066】
第1の手法(ステップ92)は、Uij=g(Soij ,αij,Uoij ,Wij)で表された換算関数式を使用し、γ線温度計4に内蔵されたヒータ15により付加する電気抵抗発熱量ΔWijとγ線温度計4の出力信号の変化量ΔUijとの関係から偏差が最小になるようにして非線形項を示す係数αij求めるものである。
【0067】
第2の手法(ステップ93)は、γ線温度計4の内蔵ヒータ15により付加する電気抵抗発熱量ΔWijとγ線温度計4の出力信号の変化量ΔUijから非線形項を示す係数αijを求める方法において、換算関数式をUij=Soij (1+αijij)Wij+Uoij で与え、これより得られるγ線温度計4の内蔵ヒータにより付加する電気抵抗発熱量ΔWijとγ線温度計4の出力信号の変化量ΔUijとの関係ΔUij/ΔWij=Soij (1+αijij/(1+αijoij )を用いる。そして、電気抵抗発熱量の値を複数回変えて測定したΔUijとΔWijの値からαijを計算し、Soij ,αijおよびUoij を前記換算関数式Uij=Soij (1+αijij)Wij+Uoij に代入してγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量を求めるものである。
【0068】
第3の手法(ステップ94)は、換算関数式としてUij−Uoij =Soij (1+αij(Uij−Uoij ))Wijを用いるものであり、この場合のΔUijとΔWijの関係はΔUij/ΔWij=Soij (1+αijij)(1+αij(Uij−Uoij ))となる。そして、この式に電気抵抗発熱量の値を複数回変えて測定したΔUijとΔWijの値を代入してαijを計算し、Soij ,αijおよびUoij を換算関数式Uij−Uoij =Soij (1+αij(Uij−Uoij ))Wijに代入し、γ線温度計検出部の単位重量あたりの発熱量を求めるものである。
【0069】
上記3つの手法のいずれかによってαijを求めて換算関数式を決定したら、内蔵ヒータ15による加熱を加える前のUij=Uγ ij におけるWγ ij を求める(ステップ95)。
【0070】
上記一連の手順によって、γ線温度計4の出力信号Uijとγ線温度計検出部の単位重量あたりの発熱量Wijとの関係を表す換算関数式を求めることができる。次に、非線形項を示す係数αijを定数として与えた場合について説明する。図10は、この場合の換算計算のフローチャートを示している。
【0071】
まず、出力信号変化量ΔUij及び付加電気抵抗発熱量ΔWijを測定する(ステップ100)。次に、γ線温度計4の発熱に寄与するγ線束のない条件またはγ線温度計4の校正により予め得られる関係から非線形項を示す係数αijを定数として付与し、また、予めγ線温度計4の発熱に寄与するγ線束のない条件で求めた検出部14の単位重量あたりの発熱量が0(W/g)のときにおけるγ線温度計4の出力信号U0ij (定数)を付与する(ステップ101)。一方、線形項を示す係数Soijは未知数として、この係数Soijを次に述べる3つの手法のいずれかを用いて決定する。
【0072】
第1の手法(ステップ102)は、Uij=h(Soij ,αij,Uoij ,Wij)で表された換算関数式を使用し、γ線温度計4に内蔵されたヒータ15により付加する電気抵抗発熱量ΔWijとγ線温度計4の出力信号の変化量ΔUijとの関係から偏差が最小になるようにして線形項を示す係数Soijを求めるものである。
【0073】
第2の手法(ステップ103)は、γ線温度計4の内蔵ヒータ15により付加する電気抵抗発熱量ΔWijとγ線温度計4の出力信号の変化量ΔUijから線形項を示す係数Soij を求める方法において、換算関数式をUij=Soij (1+αijij)Wij+Uoij で与え、これより得られるγ線温度計4の内蔵ヒータ15により付加する電気抵抗発熱量ΔWijとγ線温度計4の出力信号の変化量ΔUijとの関係ΔUij/ΔWij=Soij (1+αijij/(1+αijoij )を用いる。そして、電気抵抗発熱量の値を複数回変えて測定したΔUijとΔWijの値から係数Soijを計算し、Soij ,αijおよびUoij を前記換算関数式Uij=Soij(1+αijij)Wij+Uoij に代入しγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量を求めるものである。
【0074】
第3の手法(ステップ104)は、換算関数式としてUij−Uoij =Soij (1+αij(Uij−Uoij ))Wijを用いるものであり、この場合のΔUijとΔWijの関係はΔUij/ΔWij=Soij (1+αijij)(1+αij(Uij−Uoij ))となる。そして、この式に電気抵抗発熱量の値を複数回変えて測定したΔUijとΔWijの値を代入してαijを計算し、Soij ,αijおよびUoij を換算関数式Uij−Uoij =Soij (1+αij(Uij−Uoij ))Wijに代入し、γ線温度計検出部の単位重量あたりの発熱量を求めるものである。
【0075】
上記3つの手法のいずれかによってSoij を求めて換算関数式を決定したら、内蔵ヒータ15による加熱を加える前のUij =Uγij におけるWγ ijを求める(ステップ105)。
【0076】
上記一連の手順によって、γ線温度計4の出力信号Uijとγ線温度計検出部の単位重量あたりの発熱量Wijとの関係を表す換算関数式を求めることができる。
【0077】
第3実施形態
次に、本発明による原子炉出力測定装置の第3実施形態について図面を参照して説明する。
γ線温度計4の出力信号は、一般にγ線温度計検出部14の単位重量あたりの発熱量が大きくなるとγ線温度計4を構成している構造材(一般にステンレス鋼が用いられる)や空隙部13に封入した断熱ガスの熱伝導率の温度変化等により直線からのずれが大きくなる。したがって、線形項を示す係数と非線形項を示す係数は、実用上はγ線温度計単位重量あたりの発熱量の値に応じて最適な方法を選択して求めることが好ましい。
【0078】
すなわち、線形項を示す係数は、γ線温度計4の出力信号とγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量との関係が比例関係からあまりずれていない発熱量の低い領域において求め、非線形項を示す係数は比例関係からのずれが大きくなる発熱量の大きい領域で求めるのが良い。
【0079】
γ線温度計4の出力信号とγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量の換算関数式をUij=Soij (1+αijij)Wij+Uoij とした場合、例えば沸騰水型原子炉用に検討されているγ線温度計4としてはSoij =1.5mV/W/g,αij=−0.01程度の値のものがある。炉心2内おけるγ線によるγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量は、沸騰水型原子炉の定格運転時で3〜4W/g程度と言われている。この場合、直線性からのずれがγ線温度計4の定格運転時の出力信号に対して1%以下程度になるような範囲は、おおよそ定格運転時のγ線束に対して25%以下であり、また、逆に直線性からのずれが大きくなり非線形性が顕著になるのはおおよそ75%以上である(この場合の直線性からのずれはγ線温度計4の定格運転時出力信号の3%以上程度)。
【0080】
そこで、上記の点を考慮して、本実施形態においては、図11に示したように、γ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量と定格運転時における炉心2内平均γ発熱量とを比較して最適な校正方法を選択するようにした。具体的には、γ線温度計4の校正は、予めγ線温度計4の発熱に寄与するγ線束のない条件、あるいはγ線温度計4に内蔵されたヒータ15による電気抵抗発熱を付加することによって得られたγ線温度計4とγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量との間の換算関数式を用いて得られたγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量が、定格運転時における炉心2内の平均γ発熱量の25%以下の場合には線形項を表す係数を未知数とした換算関数式を用い、25%以上75%以下の場合には線形項を示す係数と非線形項を示す係数の両方を未知数とした換算関数式を用い、75%以上の場合には非線形項を表す係数を未知数とした換算関数式を用いることとして、γ線温度計4の校正を行うようにする。
【0081】
このように本実施形態においては、γ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量と定格運転時における炉心2内平均γ発熱量とを比較して最適な校正方法を選択するようにしたので、γ線温度計4の校正をさらに高精度で行うことができる。
【0082】
第4実施形態
次に、本発明による原子炉出力測定装置の第4実施形態について説明する。
通常、LPRM3とγ線温度計4を用いた原子炉出力測定装置では、従来より使用されている時間応答特性が速いLPRM3を用いて出力分布を求め、γ線温度計4は主にLPRM3の校正用として用いられている。
【0083】
これに対して本実施形態においては、上記第1乃至第3実施形態において説明したγ線温度計4を通常の出力分布測定に用い、LPRM3は速い時間応答が要求される安全系の検出器としてのみ用いることにし、LPRM3は原子炉内において校正を行わないことにする。それぞれの検出器をこのように使用すると検出対象がγ線束であるγ線温度計4と検出対象が中性子であるLPRM3との比較を行う必要がなくなる。さらに、炉心物理モデルから求められる出力分布計算値を補正する際にγ線温度計4の出力信号から得られる値を用いることにすると、γ線温度計4は従来のLPRM3よりも炉心軸方向設置個数を多くすることができるので精度の高い出力分布計算を行うことが可能である。
【0084】
第5実施形態
次に、本発明による原子炉出力測定装置の第5実施形態について説明する。
【0085】
上述した実施形態においては、γ線温度計4の校正によってγ線温度計4の出力信号とγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量の間の換算関数式が求められると、次回のγ線温度計4の校正まではこの換算関数式を用いることになる。しかしながら、γ線温度計4の出力信号は使用される環境温度の違いによりわずかに影響を受けるため、本実施形態においては、予め原子炉外で求めておいた換算関数式の温度依存性を考慮して、環境温度にあわせて換算関数式を補正することにする。
【0086】
このように本実施形態によれば、使用環境温度に対する依存性を考慮して換算関数式を補正するようにしたので、γ線温度計4の個々の検出部14を精度良く校正することが可能であり、検出部14の単位重量あたりの発熱量を高精度に算出することができる。
【0087】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の原子炉出力測定装置によれば、γ線温度計の個々の出力信号をγ線温度計検出部単位重量あたりの発熱量に換算する個々の換算関数式を保持した発熱量換算装置を備えているので、γ線温度計を高精度で校正することができ、このため原子炉の出力を高精度で測定することが可能であり、また、中性子検出器を高精度で校正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による原子炉出力測定装置の概略を示した構成図。
【図2】本発明の各実施形態による原子炉出力測定装置のγ線温度計の概略構成を示した縦断面図。
【図3】図2のA−A線に沿った横断面図。
【図4】本発明の第1実施形態による原子炉出力測定装置のγ線温度計を外部加熱源によって加熱する状態を示した説明図。
【図5】本発明の第1実施形態による原子炉出力測定装置のγ線温度計の校正手順を示したフローチャート。
【図6】本発明の第1実施形態による原子炉出力測定装置のγ線温度計の出力信号曲線の一例を示したグラフ。
【図7】本発明の第1実施形態による原子炉出力測定装置のγ線温度計の劣化診断手順の一例を示したフローチャート。
【図8】本発明の第1実施形態による原子炉出力測定装置のγ線温度計の内蔵ヒータの健全性を判定する手順の一例を示したフローチャート。
【図9】本発明の第2実施形態による原子炉出力測定装置のγ線温度計の校正手順(線形項を定数とした場合)を示したフローチャート。
【図10】本発明の第2実施形態による原子炉出力測定装置のγ線温度計の他の校正手順(非線形項を定数とした場合)を示したフローチャート。
【図11】本発明の第3実施形態による原子炉出力測定装置のγ線温度計の校正手順を示したフローチャート。
【図12】γ線温度計及びLPRMを組み合わせた従来の検出器の一例を示した縦断面図。
【図13】従来の手法によるγ線温度計の校正中に得られる出力信号の一例を示したグラフ。
【図14】従来の手法によるγ線温度計の校正中に得られる出力信号の他の例を示したグラフ。
【図15】図13又は図14に示したデータから得られる校正曲線を示したグラフ。
【符号の説明】
1 原子炉
2 炉心
3 LPRM
4 γ線温度計
5 炉心現状データ測定器
6 出力信号測定装置
7 発熱量換算装置
8 γ線束換算装置
9 データサンプラ
10 近接燃料集合体平均出力換算装置
14 γ線温度計検出部
15 内蔵ヒータ
17 高周波加熱装置

Claims (10)

  1. 原子炉内に設置された複数の固定型の中性子検出器と、検出部を有する複数の固定型のγ線温度計とを備えた検出器集合体からの出力信号に基づいて、炉心物理モデルから求めた出力分布計算値を補正して原子炉出力分布を求めるようにした原子炉出力測定装置において、
    前記γ線温度計の出力信号に基づいて前記炉心物理モデルから求めた出力分布計算値を補正する際に、前記γ線温度計の個々の出力信号を前記γ線温度計の検出部の単位重量あたりの発熱量に換算する個々の換算関数式を保持した発熱量換算装置と、
    前記発熱量換算装置によって求めた前記検出部の単位重量あたりの発熱量を前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束に換算するγ線束換算装置と、
    前記γ線束換算装置によって求めたγ線束の値を、予め内蔵された関係式又は前記炉心物理モデルを用いて前記γ線温度計に近接する複数の燃料集合体の局所平均出力に換算する近接燃料集合体局所平均出力換算装置と、を備え、
    前記発熱量換算装置は、前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束が存在しない条件の下で予め求められた前記換算関数式を保持しており、
    原子炉内において前記γ線温度計を加熱するための加熱手段を設け、
    γ線束が存在する条件の下で前記加熱手段によって加熱量を変化させながら前記γ線温度計を加熱し、前記加熱手段による加熱量と前記γ線温度計の出力信号との関係を求め、この関係に基づいて前記換算関数式を補正するようにし、
    前記発熱量換算装置に保持された前記換算関数式は、前記γ線温度計の出力信号をUij(i=1,2……n;j=1,2……m)(iはγ線温度計が設置された検出器集合体を表す添字、jはγ線温度計の検出部の軸方向位置を示す添字)とおき、前記検出部の単位重量あたりの発熱量をWij(i=1,2……n;j=1,2……m)とおいた場合、△Uij=f(S0 γ ij ,αγ ij ,△Wij)(S0 γ ijは換算関数式による関数曲線の線形項を示す係数、αγ ijは関数曲線の非線形項を示す係数)であり、
    前記発熱量換算装置は、測定によって求められた前記加熱手段による加熱量△Wijと前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijとの関係に基づいて偏差が最小となるように前記換算関数式△Uij=f(S0 γ ij,αγ ij,△Wij)の関数曲線を決めて線形項を示す係数S0 γ ij及び非線形項を示す係数αγ ijを求め、
    予めγ線束のない条件で求めた前記検出部の単位重量あたりの発熱量が0(W/g)のときにおける前記γ線温度計の出力信号をU0ij として、前記関数曲線が−(Uγ ij−U0ij )=f(S0 γ ij,αγ ij,−Wγ ij)(Uγ ijは加熱手段によって加熱する前のγ線温度計の出力信号値、Wγ ijはその時の検出部の単位重量あたりの発熱量)を満たすことを用いて前記検出部の単位重量あたりの発熱量Wijを求めるようにしたことを特徴とする原子炉出力測定装置。
  2. 前記換算関数式として△Uij+Uγ ij =S0ij (1+αij(△Uij+Uγ ij))(△Wij+Wγ ij )+U0ij を用いることを特徴とする請求項1記載の原子炉出力測定装置。
  3. 前記換算関数式として△Uij+Uγ ij−U0ij =S0ij (1+αij(△Uij+Uγ ij−U0ij ))(△Wij+Wγ ij )を用いることを特徴とする請求項1記載の原子炉出力測定装置。
  4. 原子炉内に設置された複数の固定型の中性子検出器と、検出部を有する複数の固定型のγ線温度計とを備えた検出器集合体からの出力信号に基づいて、炉心物理モデルから求めた出力分布計算値を補正して原子炉出力分布を求めるようにした原子炉出力測定装置において、
    前記γ線温度計の出力信号に基づいて前記炉心物理モデルから求めた出力分布計算値を補正する際に、前記γ線温度計の個々の出力信号を前記γ線温度計の検出部の単位重量あたりの発熱量に換算する個々の換算関数式を保持した発熱量換算装置と、
    前記発熱量換算装置によって求めた前記検出部の単位重量あたりの発熱量を前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束に換算するγ線束換算装置と、
    前記γ線束換算装置によって求めたγ線束の値を、予め内蔵された関係式又は前記炉心物理モデルを用いて前記γ線温度計に近接する複数の燃料集合体の局所平均出力に換算する近接燃料集合体局所平均出力換算装置と、を備え、
    前記発熱量換算装置は、前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束が存在しない条件の下で予め求められた前記換算関数式を保持しており、
    原子炉内において前記γ線温度計を加熱するための加熱手段を設け、
    γ線束が存在する条件の下で前記加熱手段によって加熱量を変化させながら前記γ線温度計を加熱し、前記加熱手段による加熱量と前記γ線温度計の出力信号との関係を求め、この関係に基づいて前記換算関数式を補正するようにし、
    前記発熱量換算装置に保持された前記換算関数式は、前記γ線温度計の出力信号をUij(i=1,2……n;j=1,2……m)(iはγ線温度計が設置された検出器集合体を表す添字、jはγ線温度計の検出部の軸方向位置を示す添字)、前記検出部の単位重量あたりの発熱量をWij(i=1,2……n;j=1,2……m)、予めγ線束のない条件で求めた前記検出部の単位重量あたりの発熱量が0(W/g)のときにおける前記γ線温度計の出力信号をU0ij (定数)とした場合、Uij=g(S0ij ,αγ ij,U0ij ,Wij)(S0ij は換算関数式による関数曲線の線形項を示す係数、αγ ijは関数曲線の非線形項を示す係数)であり、
    前記発熱量換算装置は、前記線形項を示す係数S0ij として、前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束が存在しない条件の下で予め求められた換算関数式における線形項を示す係数又は前回の補正の後の換算関数式における線形項を示す係数を用いて定数とし、前記非線形項を示す係数αγ ijは未知数として、
    測定によって求められた前記加熱手段による加熱量△Wijと前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijとの関係に基づいて偏差が最小となるように前記換算関数式Uij=g(S0ij ,αγ ij,U0ij ,Wij)の関数曲線を決めて前記非線形項を示す係数αγ ijを求め、この係数αγ ijを前記換算関数式Uij =g(S0ij ,αγ ij,U0ij ,Wij )に代入して前記検出部の単位重量あたりの発熱量Wijを求めるようにしたことを特徴とする原子炉出力測定装置。
  5. 前記換算関数式としてUij=S0ij (1+αijij)Wij+U0ij を用い、前記加熱手段による加熱量△Wij及び前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijを前記加熱量△Wijの値を複数回変えて測定し、前記換算関数式から得られる関係式△Uij/△Wij=S0ij (1+αijij2 /(1+αijij)を用いて前記非線形項を示す係数αijを計算し、この係数αijを前記換算関数式Uij=S0ij (1+αijij)Wij+U0ij に代入して前記検出部の単位重量あたりの発熱量を求めるようにしたことを特徴とする請求項4記載の原子炉出力測定装置。
  6. 前記換算関数式としてUij−U0ij =S0ij (1+αij(Uij−U0ij ))Wijを用い、前記加熱手段による加熱量△Wij及び前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijを前記加熱量△Wijの値を複数回変えて測定し、前記換算関数式から得られる関係式△Uij/△Wij=S0ij (1+αijij)(1+αij(Uij−U0ij ))を用いて前記非線形項を示す係数αijを計算し、この係数αijを前記換算関数式Uij−U0ij =S0ij (1+αij(Uij−U0ij ))Wij に代入して前記検出部の単位重量あたりの発熱量を求めるようにしたことを特徴とする請求項4記載の原子炉出力測定装置。
  7. 原子炉内に設置された複数の固定型の中性子検出器と、検出部を有する複数の固定型のγ線温度計とを備えた検出器集合体からの出力信号に基づいて、炉心物理モデルから求めた出力分布計算値を補正して原子炉出力分布を求めるようにした原子炉出力測定装置において、
    前記γ線温度計の出力信号に基づいて前記炉心物理モデルから求めた出力分布計算値を補正する際に、前記γ線温度計の個々の出力信号を前記γ線温度計の検出部の単位重量あたりの発熱量に換算する個々の換算関数式を保持した発熱量換算装置と、
    前記発熱量換算装置によって求めた前記検出部の単位重量あたりの発熱量を前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束に換算するγ線束換算装置と、
    前記γ線束換算装置によって求めたγ線束の値を、予め内蔵された関係式又は前記炉心物理モデルを用いて前記γ線温度計に近接する複数の燃料集合体の局所平均出力に換算する近接燃料集合体局所平均出力換算装置と、を備え、
    前記発熱量換算装置は、前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束が存在しない条件の下で予め求められた前記換算関数式を保持しており、
    原子炉内において前記γ線温度計を加熱するための加熱手段を設け、
    γ線束が存在する条件の下で前記加熱手段によって加熱量を変化させながら前記γ線温度計を加熱し、前記加熱手段による加熱量と前記γ線温度計の出力信号との関係を求め、この関係に基づいて前記換算関数式を補正するようにし、
    前記発熱量換算装置に保持された前記換算関数式は、前記γ線温度計の出力信号をUij(i=1,2……n;j=1,2……m)(iはγ線温度計が設置された検出器集合体を表す添字、jはγ線温度計の検出部の軸方向位置を示す添字)、前記検出部の単位重量あたりの発熱量をWij(i=1,2……n;j=1,2……m)、予めγ線束のない条件で求めた前記検出部の単位重量あたりの発熱量が0(W/g)のときにおける前記γ線温度計の出力信号をU0ij とした場合、Uij=h(S0ij ,αγ ij,U0ij ,Wij)(S0ij は換算関数式による関数曲線の線形項を示す係数、αγ ijは関数曲線の非線形項を示す係数)であり、
    前記発熱量換算装置は、前記非線形項を示す係数αγ ijとして、前記γ線温度計の発熱に寄与するγ線束が存在しない条件の下で予め求められた換算関数式における非線形項を示す係数又は前回の補正の後の換算関数式における非線形項を示す係数を用いて定数とし、前記線形項を示す係数S0ij は未知数として、
    測定によって求められた前記加熱手段による加熱量△Wijと前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijとの関係に基づいて偏差が最小となるように前記換算関数式Uij=g(S0ij ,αγ ij,U0ij ,Wij)の関数曲線を決めて前記線形項を示す係数S0ij を求め、この係数S0ij を前記換算関数式Uij=h(S0ij ,αγ ij,U0ij ,Wij)に代入して前記検出部の単位重量あたりの発熱量Wijを求めるようにしたことを特徴とする原子炉出力測定装置。
  8. 前記換算関数式としてUij=S0ij (1+αijij)Wij+U0ij を用い、前記加熱手段による加熱量△Wij及び前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijを前記加熱量△Wijの値を複数回変えて測定し、前記換算関数式から得られる関係式△Uij/△Wij=S0ij (1+αijij2 /(1+αijij)を用いて前記線形項を示す係数S0ij を計算し、この係数S0ij を前記換算関数式Uij=S0ij (1+αijij)Wij+U0ij に代入して前記検出部の単位重量あたりの発熱量を求めるようにしたことを特徴とする請求項7記載の原子炉出力測定装置。
  9. 前記換算関数式としてUij−U0ij =S0ij (1+αij(Uij−U0ij ))Wijを用い、前記加熱手段による加熱量△Wij及び前記γ線温度計の出力信号の変化量△Uijを前記加熱量△Wijの値を複数回変えて測定し、前記換算関数式から得られる関係式△Uij/△Wij=S0ij (1+αijij)(1+αij(Uij−U0ij ))を用いて前記線形項を示す係数S0ij を計算し、この係数S0ij を前記換算関数式Uij−U0ij =S0ij (1+αij(Uij−U0ij ))Wij に代入して前記検出部の単位重量あたりの発熱量を求めるようにしたことを特徴とする請求項7記載の原子炉出力測定装置。
  10. 前記検出部の単位重量あたりの発熱量が原子炉定格運転時における炉心内平均γ発熱に対して25%未満のときに使用される請求項7記載の原子炉出力測定装置と、
    前記検出部の単位重量あたりの発熱量が原子炉定格運転時における炉心内平均γ発熱に対して25%以上75%未満のときに使用される請求項1記載の原子炉出力測定装置と、
    前記検出部の単位重量あたりの発熱量が原子炉定格運転時における炉心内平均γ発熱に対して75%以上のときに使用される請求項4記載の原子炉出力測定装置と、を備えたことを特徴とする原子炉出力測定装置。
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