JP2004348315A - 通信インタフェースを備えた制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各種機器を制御する制御装置自体で、通信エラーの早期の原因究明、予防診断を可能にする。
【解決手段】通信エラー発生時刻t、エラーコードnを読み取る(200)。発生時刻tが設定期間内であれば(201)、各エラーコード及び総数のカウンタにリトライ数も含めたエラー回数を加算する(202,203)。設定期間Pを経過していると、累積記録モードであれば(206)、その期間に対して各エラーの累積値を書き込む(207)。累積値の前期間と今期間の比率kを求めて異常増大を判別し、予測もする(208〜213)。エラー累積値の記憶領域がなくなると(214)、転送モードであればホストへ転送してこの記憶領域を初期化し、期間の更新とカウンタを初期化する(215〜219)。転送モードでないとき及び累積記録モードでないときは、期間の更新とカウンタを初期化し(218,219)、カウント処理を行う(202〜205)。
【選択図】 図5
【解決手段】通信エラー発生時刻t、エラーコードnを読み取る(200)。発生時刻tが設定期間内であれば(201)、各エラーコード及び総数のカウンタにリトライ数も含めたエラー回数を加算する(202,203)。設定期間Pを経過していると、累積記録モードであれば(206)、その期間に対して各エラーの累積値を書き込む(207)。累積値の前期間と今期間の比率kを求めて異常増大を判別し、予測もする(208〜213)。エラー累積値の記憶領域がなくなると(214)、転送モードであればホストへ転送してこの記憶領域を初期化し、期間の更新とカウンタを初期化する(215〜219)。転送モードでないとき及び累積記録モードでないときは、期間の更新とカウンタを初期化し(218,219)、カウント処理を行う(202〜205)。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種機器の制御装置に関し、特に通信インタフェースを備えた制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な製造システム等においては、CNC(コンピュータ内蔵数値制御装置)、ロボットを制御するロボットコントローラ、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)などの機械や装置の各種機器を制御する制御装置が、通信インタフェースを介して通信ネットワークで接続されてシステムが構成されている。
【0003】
例えば、図1はそのシステムの一例で、パーソナル・コンピュータ(パソコン)やPLCで構成されるホスト1と、工作機械等を制御するCNCやロボットコントローラ等の制御装置3a〜3cは、イーサネット(登録商標)等の情報ネットワーク2を介して接続されている。また、制御装置3a〜3c内にPLCを組み込みマスタ局とし、このマスタ局3aとCNC、ロボットコントローラ、周辺機器等の各種機器の制御装置からなるスレーブ局5a〜5d間を制御ネットワーク4で接続してシステムを構成する方法も採用されている。この図1では制御装置3aをマスタ局としている。CNC5a,5bやロボットコントローラ5c、周辺機器5dが制御ネットワーク4で接続されている。
【0004】
ホスト1と情報ネットワーク2で接続されたCNC、ロボットコントローラ等の各種制御装置3a〜3cは、該情報ネットワーク2を介してホスト1からNCプログラムやロボットの動作プログラム、運転データ等を受け取り、ホスト1の要求に応じて運転情報や制御する機械、装置の状態等の情報をホスト1に送り返す等の情報のやりとりを行っている。
【0005】
一方、マスタ局3aとスレーブ局5a〜5d間の制御ネットワーク4には、DI/DO(入出力信号)の制御データがやり取りされ、この制御ネットワーク4には、周辺機器を制御するためのネットワーク又はマスタ局の制御装置から指示を受けるためのネットワーク等がある。
【0006】
以上のように、ホスト1、各種制御装置3a〜3c,5a〜5dはネットワークを介して相互に接続され、情報のやりとりを行っている。そのため、この情報の流れに乱れが生じると、このシステム全体の稼働率(生産効率)に影響を及ぼす。ネットワーク上に流れるデータが壊れたり、ひいては運転を停止することがあれば、速やかに原因を除去して復旧することが求められる。
【0007】
そこで、従来、ネットワークに流れるデータの正常、異常を監視したり、一定時間内に流れるべきデータが来たかチェックし、障害の発生を速やかに検出して制御装置のランプや表示器にエラー内容を表示する等の方法が用いられている。また、検討、分析のために、ネットワーク監視装置がこのエラーをログ・データとして発生日時と共に記録し、この記憶内容に基づいて発生時間分布等をヒストグラムで表示することも行われている(例えば特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−151605号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されているような、ホスト等でネットワーク全体での通信エラーを収集し分析する方法では、ネットワークシステム全体での状況を把握することができても、このネットワークに接続された各種機器の制御装置における個々の通信エラー状態を把握することは難しい。しかし、加工ラインの各種機器を制御する制御装置をネットワークで接続したようなシステムにおいては、通信エラーを頻繁に発生するような制御装置を早く特定し、運転を円滑に運用させることが望ましい。そのためには、制御装置側で、通信エラーを検出し収集分析した方が異常な制御装置の発見は早くなるが、ホストで発見するには難しいという問題がある。又、制御装置における物理レベルに近いエラー等は、個々の制御装置側ではそのエラー等の原因発見は容易であるが、ホスト側ではその原因発見は難しい。
さらに、ネットワーク障害の発生を検出しても、一般にその原因を直ちに割り出すことは難しく、種々の条件、状況を確認しながら絞り込まなければならないことが多い。機械、装置のハードウェアの不良やケーブル断線などは因果関係を確認し易く、比較的対策の容易な障害であり、原因究明は簡単にできる。一方、環境要因により特定の条件下で発生する障害や、経年変化によりシステムの特定部が劣化して発生する障害では、原因究明の調査の時点で再現しないことも多く、原因究明が難しい。しかも、障害が発生してからの事後処理である。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上述した問題点を改善し、通信エラーの早期の原因究明や、予防診断を可能にする通信インタフェースを備えた制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1に係わる発明は、他の装置と通信を行う通信インタフェースを備えた各種機器を制御する制御装置において、時を計時する時計手段と、通信エラーを検出する手段と、通信エラーの累積期間を指定する期間指定手段と、該期間指定手段により指定された期間での通信エラー発生件数を累積する通信エラー累積手段と、表示手段とを備え、前記通信エラー累積手段に累積された通信エラー発生件数を前記表示手段に表示するようにした通信インタフェースを備えた制御装置である。
【0012】
また、請求項2に係わる発明は、他の装置と通信を行う通信インタフェースを備えた各種機器を制御する制御装置において、時を計時する時計手段と、通信エラーを検出する手段と、通信エラーの累積期間を指定する期間指定手段と、該期間指定手段で指定された期間に亘って前記通信エラーを累積する手段と、前記累積値を前記累積期間と共に記憶する記憶手段と、表示手段とを備え、前記記憶手段に記憶された前記累積値を前記累積期間とを対応させて前記表示手段に表示するようにした通信インタフェースを備えた制御装置である。そして、請求項3に係わる発明は、前記累積値が所定値を越えた場合異常を通知する手段を備えるようにした。さらに、請求項4に係わる発明は、前記記憶手段に記憶された第1の累積期間での累積値と第2の累積期間での累積値を比較する手段と、前記比較結果が所定の比率を越える場合に異常を通知する手段を備えるようにした。また、請求項5に係わる発明は、前記記憶手段に記憶された第1の累積期間での累積値とそれに続く第2の累積期間での累積値の差を求める手段と、前記差が所定の値を越える場合に異常を通知する手段を備えるようにした。
【0013】
請求項6に係わる発明においては、前記通信エラーを累積する手段より、通信エラーの種類毎に通信エラー発生件数を前記所定期間毎に累積するようにした。また、請求項7に係わる発明は、他のコンピュータ又は記憶装置と接続し、所定期間内の通信エラーを前記他のコンピュータ又は記憶装置に転送する手段を有する。請求項8に係わる発明は、検出された通信エラーを記憶する記憶手段と、他のコンピュータ又は記憶装置と接続し、通信エラーの累積件数又は指定期間内での通信エラーの累積件数が所定値を越えると、所定数の通信エラー又は所定の期間に亘る指定期間での累積値を前記他のコンピュータ又は記憶装置に転送する手段とを備えるようにした。
【0014】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明の一実施形態の要部ブロック図であり、CNC、ロボットコントローラ、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)等の各種機器を制御する通信インタフェースを備えた制御装置の要部ブロック図である。この制御装置は、例えば、図1において、情報ネットワーク2,制御ネットワーク4に接続される各種機器の制御装置3a〜3c,5a〜5dとして用いられるものである。
【0015】
制御装置10は、プロセッサ11とバス17で接続されたROM12,RAM13,液晶やCRT等で構成された表示器及びキーボード等の各種指令やデータを入力する入力手段で構成される表示器/入力手段14,時を計時する時計回路15,ネットワーク等に接続する通信インタフェース16等で構成されている。この制御装置10がCNCやロボットコントローラを構成する場合には、機械やロボットのサーボモータ等を駆動制御する軸制御手段等をも備えるが、これらの構成は、本発明と直接関係がないことから、図2では省略している。
【0016】
プロセッサ11は、ROM12に格納されたシステムプログラムに基づいて、制御装置10全体を制御する。RAM13はデータの一時記憶等に利用されるもので、本発明に関係して、通信エラーの種類、発生日付等の通信エラーのログ情報や図3に示すような通信エラーデータをエラーコード毎に記憶するエラー累積記憶テーブルTBが該RAM13に設けられている。
【0017】
図4は、制御装置10のプロセッサ11が実施する通信エラー記憶処理のフローチャートである。
プロセッサ11は、通信エラーが発生したか否か監視しており(ステップ100)、通信エラーが発生すると、時計回路15よりそのときの時刻(年月日時分秒)を読みだし、この通信エラーコードに時刻を付加してログ情報を作成する(ステップ101)。一般に通信の制御では、軽微なエラーによりシステム停止などの過剰な処理とならないように、通信エラー発生時、数回リトライを行う。すなわち、データが壊れていたり、データが来なかったりすると、再送信の手続を行い、予め設定された所定の回数以下(例えば3回)のトライで通信が成功すれば通信エラーとしては扱わずに通信を続行する。この例で言えば、3回連続して異常であった場合に始めて通信エラーとして扱い通信エラー等の表示等を行う。この通信異常をリトライの対象とするか、直ぐに通信エラーとするかは異常内容により予め処理を決めておくようにしている。本実施形態では、リトライされて通信に成功し、最終的に通信エラーとして取り扱われなく、且つ通信エラー表示等もなされない場合でも、その通信エラーコードと共にリトライ回数も含めてログ情報として発生時刻と共に記憶するようにしている。
【0018】
そして、RAM13に用意されたログ情報記録領域が満杯か否か判断する(ステップ102)。すなわちログ情報を書き込むための書込みポインタがログ情報記録領域の最終アドレスを越えていれば、ログ情報記録領域が満杯であると判断する。ログ情報記録領域が満杯でなければ、書込みポインタが示すアドレス位置にステップ101で作成したログ情報を書込み(ステップ103)、書込みポインタを更新し(ステップ104)、後述する累積カウント処理(ステップ105)を実行した後、ステップ100に戻り、通信エラーを監視する。
【0019】
一方、ログ情報記録領域が満杯であるときには、設定されているモードがホスト転送モードか否か判断し(ステップ106)、ホスト転送モードに設定されていれば、ログ情報記録領域に記憶する全てのログ情報をホストに転送し(ステップ107)、ログ情報記録領域を初期化し(ステップ108)、さらに書込みポインタを初期化し(ステップ109)、ステップ103に移行し、ログ情報記録領域の先頭からログ情報を書き込むことになる。なお、ホストは図1の例で示すようにパソコン1等で構成することが便利であるが、外部記憶装置のような一定量のデータを記録できるものであればよい。それらと制御装置の接続は図1に示したように同一のネットワークを使用することも可能であるが、専用のネットワークもしくはインタフェースを使用することも可能である。
【0020】
一方、「ホスト転送モード」でなければ、書込みポインタを初期化し(ステップ109)、ステップ103に移行し、該書込みポインタが示すアドレス位置にログ情報を上書きし、書込みポインタを更新し(ステップ104)、ステップ105に移行する。
【0021】
すなわち、ホスト転送モードではないときには、ログ情報記録領域に、ログ情報が巡回して上書きされることになり、書込みポインタは、ログ情報を書き込んだ直後に更新されるから、該書込みポインタで示されるログ情報記録領域のアドレス位置がログ情報の一番古いログ情報を記憶していることを示し、書込みポインタの値より1つ前のアドレスが最新のログ情報を記憶する領域となる。
【0022】
図5は、累積カウント処理(ステップ105)のフローチャートである。
まず、ステップ101で求めたログ情報を取得し(ステップ200)、該ログ情報の通信エラー発生時刻(年月日時分秒)tを読み出し、該時刻が現在設定されている期間内か判断する(ステップ201)。この期間は、通信エラー発生の傾向を得るために設定するもので、その設定期間単位は、月、周、日、時間等、制御装置の稼働状況等に合わせて、設定されるもので、例えば、設定期間を「月」とすれば、この設定期間を設定した日時の月の最終時刻が、まず現在期間(月)の最終時刻(日時分秒)Pが設定され、この最終時刻(日時分秒)Pを経過すると、後述するように次の期間(月)の最終時刻(日時分秒)が当該期間の最終時刻(日時分秒)Pとして自動設定されることになる。なお、図3に示す例では、1日を午前(0時00分から12時00分までの期間)と午後(12時00分から24時00分までの期間)に分割して、それを期間(12時間単位)として設定した例を示している。以下の説明では、期間として、上述した1日を午前と午後に分割して12時間単位の期間が設定している例で説明する。
【0023】
ステップ201では、ロゴ情報から読み取った通信エラーの発生時刻tが現在設定されている期間の最終時刻P以下か判断する。図3に示した例では、現時点が4月3日の午前中であることを示しており、4月2日まで各期間(午前、午後)の通信エラーの累積値が記憶されているが4月3日の午前のデータは格納されていない。そして、現在設定されている期間の最終時刻Pは4月3日12時00分として設定されている。
【0024】
ステップ201で現在期間内と判断されたときには、ログ情報から読み取ったエラーコードnに対するカウンタ、及び総エラーカウンタにリトライを含む通信エラーの回数を加算する(ステップ202,203)。次に、各エラーコード毎及び総エラーに対して設定されている上限値を、このエラーコードのカウンタ及び、総エラーカウンタのカウント値が越えていないか判断し(ステップ204)越えていなければ、この累積カウント処理は終了し、図4に示すメイン処理に戻る。一方、設定上限値を越えているとアラームを出力し(ステップ205)、メイン処理に戻る。なお、上限値については、エラーの種類(エラーコード)によって、異なるものとしてもよいが、同一であってもよい。但し総エラーをカウントする総エラーカウンタに対する上限値は、エラーコード毎のカウンタに対する上限値とは異なる値を設定するものである。
【0025】
また、ステップ201で、通信エラー発生時刻tが設定されている期間の最終時刻を経過していると判断されたときには、ステップ206に進み、累積記録モードか判断し、累積記憶モードでなければ、設定期間を更新する。すなわち、現在設定されている最終時刻に指定期間を加算し、次の期間の最終時刻を当該期間の最終時刻Pとして設定する。前述した例のように、期間が12時間であれば、現在記憶している最終時刻Pに期間12時間を加算して、期間の更新すなわち最終時刻Pの更新を行う。そして、各エラーカウンタを初期化し(ステップ219)、ステップ202に移行し前述したステップ202以下の処理を実施する。
【0026】
一方、累積記録モードに設定されていれば(ステップ206)、各エラーコード毎のカウンタ、総エラーのカウンタの値を図3に示すエラー累積記憶テーブルTBに書き込む(ステップ207)。4月3日0時00分から12時00分までの期間が終了した時点では、図3に示すように、既に経過した4月2日24時00までの各期間については、各エラーコード毎の通信エラー発生件数、及び総エラーの各期間の累積値が記憶されており、今回は、4月3日0時00分から12時00分までの期間に各エラーコード及び総エラーのカウンタの値が書き込まれることになる。
【0027】
次に、全期間の累積値と当該期間の比率kを各エラーコード毎、及び総エラー累積数毎に求める(ステップ208)。前期間のエラー累積値がE(i−1)で当該期間のエラー累積値がE(i)であったとすると、この比率k=E(i)/E(i−1)として各エラーコード毎、総エラー累積数毎に求められる。
【0028】
各比率kが各エラーコード毎に及び総エラー数に対して設定された基準値k0以上か判断する(ステップ209)。なお、この基準値k0は、各エラーコードに対しては同一の値でもよいが、エラーに重みを持たせ、各エラーコードに対して異なる基準値を設定してもよい。比率kが基準値k0を越えるものがあれば、アラームを出力しこの基準値を越えたエラーコード又は総エラーを異常増大として表示器14に表示する(ステップ210)。比率kが基準値k0を越えるものがなければ、このエラー表示処理は行わない。
【0029】
また、比率kを求め、この比率によって、通信エラー異常増大を判別する代わりに、今期間と前期間の通信エラー累積数の差によって通信エラー異常増大を判別してもよい。すなわち、ステップ208で比率kを求める処理に代えて、当該期間のエラー累積値E(i)から前期間のエラー累積値E(i−1)を減じてその差を求める処理とし、ステップ209ではこの差が所定値以上かの判断処理に代え、差が所定値以上の場合には、ステップ210でアラームを出力するようにすればよい。
【0030】
つぎに、このエラー累積記憶テーブルTBに記憶された各期間毎のエラー累積数より、最小二乗法などの近似法に基づいて、または、前記比率kの変化率等から、次の期間における通信エラー累積値を予測し(ステップ211)、該予測値が設定された所定値以上か判断し(ステップ212)、設定値以上であれば、悪化傾向にあることを警告する表示を表示器14に表示する(ステップ213)。
【0031】
次に、エラー数を累積する累積領域に残領域があるか否か判断する。すなわちエラー累積記憶テーブルTBに残記憶領域があるか判断し(ステップ214)、記憶領域があれば、ステップ218に進み、残領域がなければ、ホストへの転送モードに設定されているか否か判断し(ステップ215)、ホストへの転送モードに設定されていなければ、ステップ217に進み、設定されていれば、このエラー累積記憶テーブルに記憶する累積情報をホストへ転送し、累積領域(エラー累積記憶テーブル)を初期化して(ステップ217)、ステップ218に進む。
【0032】
すなわち、ホスト転送モードに設定されていれば、累積領域であるエラー累積記憶テーブルTBは、記憶するデータが満杯になる毎にホストにそのデータが転送され、新たに次の期間のエラー累積数が記憶されることになる。一方、ホスト転送モードに設定されていなければ、各期間のエラー累積データはエラー累積記憶テーブルTBに巡回して上書きされて記憶されることになり、このエラー累積記憶テーブルTBには、その時点より前における所定数の期間のエラー累積データが常に記憶されている状態となる。
【0033】
そこで、作業者が表示器/入力手段14より、ログ情報表示指令を入力すれば、プロセッサ11は、RAM13に記憶するステップ103で書き込んだログ情報(エラーコードと発生時刻、リトライ回数等)を表示器に表示する。また、現在期間のエラー累積数表示指令を入力すれば、各エラーコード毎のカウンタの値、及び総エラー数を累積するカウンタの値を読み込みこれらの値をエラーコード毎の当該機関における数、総エラー数として表示する。
さらに、エラー累積期間毎履歴データ表示指令を入力すれば、エラー累積記憶テーブルTBの内容を表示器に表示する。
【0034】
経年変化による劣化のように長期間の傾向を分析したり、環境要因により特定の条件下の原因を探したりするには、一定期間の傾向を把握することが有効である。しかし、制御装置の記憶領域は一般に大きくない。そのため、本実施形態では、一定期間以前のログ情報は、内容を圧縮してエラー累積数として、各期間毎に保存するので、この累積データを利用して制御装置においても、通信状態の傾向を把握することができる。経年変化や周囲環境の悪化により徐々にエラーが増加している場合、その傾向を把握することにより、システム停止などの決定的なエラーとなる前に対処できる可能性がある。
【0035】
さらに、ホスト転送モードに設定しておけば、ホストにログ情報、エラー累積データが転送される。そのため、ホストで、これらログ情報、エラー累積情報を分析してシステムの状況を把握することができる。例えば、1年前の同時期のログ情報、エラー累積データを比較することによって、経年変化等、システムの悪化傾向等を把握することができる。これは、ネットワークの敷設状況(環境、電源、コネクタの接触など)の悪化の程度が加速する前に、経年変化を認識することができる。このような悪化が事前に検知できれば、敷設を含めたシステムの足回りを、余裕を持って再点検でき、システムの運用に多大な貢献をする。
【0036】
また、通信エラーの発生日時から、特定の時間帯を抽出することにより、例えば、特定時間のみ運転される機器がノイズ源となってネットワークにエラーを引き起こしていたり、工場の稼働状況から特定の時間帯に電源電圧の低下が起こりネットワーク関連機器に悪影響を及ぼすというような、環境要因によるアラーム原因の存在を検出することもできる。さらに、通信エラーを累積する期間は、任意に設定することができるので、制御装置10を使用するシステムに応じ、最適の通信エラー累積期間を設定することができる。また、最初はこの期間を長く設定し、ログ情報等から、特定の時間や日時に通信エラーが偏るような場合には、この期間を短く設定したり、周期的なエラー発生等には、エラー累積期間の設定値をその周期に合わせるように設定することによって、通信エラー情報を、より詳細に合目的に採取することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、設定期間毎にその期間における通信エラーを求めているので、制御装置やこの制御装置を使用するシステムの経年変化を監視することができ、重篤な障害を予告することができる。また、設定期間を任意に設定できるから、環境要因による通信エラー原因を容易に探し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置が利用されるネットワークシステムの一例の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態の要部ブロック図である。
【図3】同実施形態に用いられるエラー累積記憶テーブルの説明図である。
【図4】同実施形態における通信エラー記憶処理のフローチャートである。
【図5】同実施形態における通信エラーの累積カウント処理のフローチャートである。
【符号の説明】
10 制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種機器の制御装置に関し、特に通信インタフェースを備えた制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な製造システム等においては、CNC(コンピュータ内蔵数値制御装置)、ロボットを制御するロボットコントローラ、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)などの機械や装置の各種機器を制御する制御装置が、通信インタフェースを介して通信ネットワークで接続されてシステムが構成されている。
【0003】
例えば、図1はそのシステムの一例で、パーソナル・コンピュータ(パソコン)やPLCで構成されるホスト1と、工作機械等を制御するCNCやロボットコントローラ等の制御装置3a〜3cは、イーサネット(登録商標)等の情報ネットワーク2を介して接続されている。また、制御装置3a〜3c内にPLCを組み込みマスタ局とし、このマスタ局3aとCNC、ロボットコントローラ、周辺機器等の各種機器の制御装置からなるスレーブ局5a〜5d間を制御ネットワーク4で接続してシステムを構成する方法も採用されている。この図1では制御装置3aをマスタ局としている。CNC5a,5bやロボットコントローラ5c、周辺機器5dが制御ネットワーク4で接続されている。
【0004】
ホスト1と情報ネットワーク2で接続されたCNC、ロボットコントローラ等の各種制御装置3a〜3cは、該情報ネットワーク2を介してホスト1からNCプログラムやロボットの動作プログラム、運転データ等を受け取り、ホスト1の要求に応じて運転情報や制御する機械、装置の状態等の情報をホスト1に送り返す等の情報のやりとりを行っている。
【0005】
一方、マスタ局3aとスレーブ局5a〜5d間の制御ネットワーク4には、DI/DO(入出力信号)の制御データがやり取りされ、この制御ネットワーク4には、周辺機器を制御するためのネットワーク又はマスタ局の制御装置から指示を受けるためのネットワーク等がある。
【0006】
以上のように、ホスト1、各種制御装置3a〜3c,5a〜5dはネットワークを介して相互に接続され、情報のやりとりを行っている。そのため、この情報の流れに乱れが生じると、このシステム全体の稼働率(生産効率)に影響を及ぼす。ネットワーク上に流れるデータが壊れたり、ひいては運転を停止することがあれば、速やかに原因を除去して復旧することが求められる。
【0007】
そこで、従来、ネットワークに流れるデータの正常、異常を監視したり、一定時間内に流れるべきデータが来たかチェックし、障害の発生を速やかに検出して制御装置のランプや表示器にエラー内容を表示する等の方法が用いられている。また、検討、分析のために、ネットワーク監視装置がこのエラーをログ・データとして発生日時と共に記録し、この記憶内容に基づいて発生時間分布等をヒストグラムで表示することも行われている(例えば特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−151605号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されているような、ホスト等でネットワーク全体での通信エラーを収集し分析する方法では、ネットワークシステム全体での状況を把握することができても、このネットワークに接続された各種機器の制御装置における個々の通信エラー状態を把握することは難しい。しかし、加工ラインの各種機器を制御する制御装置をネットワークで接続したようなシステムにおいては、通信エラーを頻繁に発生するような制御装置を早く特定し、運転を円滑に運用させることが望ましい。そのためには、制御装置側で、通信エラーを検出し収集分析した方が異常な制御装置の発見は早くなるが、ホストで発見するには難しいという問題がある。又、制御装置における物理レベルに近いエラー等は、個々の制御装置側ではそのエラー等の原因発見は容易であるが、ホスト側ではその原因発見は難しい。
さらに、ネットワーク障害の発生を検出しても、一般にその原因を直ちに割り出すことは難しく、種々の条件、状況を確認しながら絞り込まなければならないことが多い。機械、装置のハードウェアの不良やケーブル断線などは因果関係を確認し易く、比較的対策の容易な障害であり、原因究明は簡単にできる。一方、環境要因により特定の条件下で発生する障害や、経年変化によりシステムの特定部が劣化して発生する障害では、原因究明の調査の時点で再現しないことも多く、原因究明が難しい。しかも、障害が発生してからの事後処理である。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上述した問題点を改善し、通信エラーの早期の原因究明や、予防診断を可能にする通信インタフェースを備えた制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1に係わる発明は、他の装置と通信を行う通信インタフェースを備えた各種機器を制御する制御装置において、時を計時する時計手段と、通信エラーを検出する手段と、通信エラーの累積期間を指定する期間指定手段と、該期間指定手段により指定された期間での通信エラー発生件数を累積する通信エラー累積手段と、表示手段とを備え、前記通信エラー累積手段に累積された通信エラー発生件数を前記表示手段に表示するようにした通信インタフェースを備えた制御装置である。
【0012】
また、請求項2に係わる発明は、他の装置と通信を行う通信インタフェースを備えた各種機器を制御する制御装置において、時を計時する時計手段と、通信エラーを検出する手段と、通信エラーの累積期間を指定する期間指定手段と、該期間指定手段で指定された期間に亘って前記通信エラーを累積する手段と、前記累積値を前記累積期間と共に記憶する記憶手段と、表示手段とを備え、前記記憶手段に記憶された前記累積値を前記累積期間とを対応させて前記表示手段に表示するようにした通信インタフェースを備えた制御装置である。そして、請求項3に係わる発明は、前記累積値が所定値を越えた場合異常を通知する手段を備えるようにした。さらに、請求項4に係わる発明は、前記記憶手段に記憶された第1の累積期間での累積値と第2の累積期間での累積値を比較する手段と、前記比較結果が所定の比率を越える場合に異常を通知する手段を備えるようにした。また、請求項5に係わる発明は、前記記憶手段に記憶された第1の累積期間での累積値とそれに続く第2の累積期間での累積値の差を求める手段と、前記差が所定の値を越える場合に異常を通知する手段を備えるようにした。
【0013】
請求項6に係わる発明においては、前記通信エラーを累積する手段より、通信エラーの種類毎に通信エラー発生件数を前記所定期間毎に累積するようにした。また、請求項7に係わる発明は、他のコンピュータ又は記憶装置と接続し、所定期間内の通信エラーを前記他のコンピュータ又は記憶装置に転送する手段を有する。請求項8に係わる発明は、検出された通信エラーを記憶する記憶手段と、他のコンピュータ又は記憶装置と接続し、通信エラーの累積件数又は指定期間内での通信エラーの累積件数が所定値を越えると、所定数の通信エラー又は所定の期間に亘る指定期間での累積値を前記他のコンピュータ又は記憶装置に転送する手段とを備えるようにした。
【0014】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明の一実施形態の要部ブロック図であり、CNC、ロボットコントローラ、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)等の各種機器を制御する通信インタフェースを備えた制御装置の要部ブロック図である。この制御装置は、例えば、図1において、情報ネットワーク2,制御ネットワーク4に接続される各種機器の制御装置3a〜3c,5a〜5dとして用いられるものである。
【0015】
制御装置10は、プロセッサ11とバス17で接続されたROM12,RAM13,液晶やCRT等で構成された表示器及びキーボード等の各種指令やデータを入力する入力手段で構成される表示器/入力手段14,時を計時する時計回路15,ネットワーク等に接続する通信インタフェース16等で構成されている。この制御装置10がCNCやロボットコントローラを構成する場合には、機械やロボットのサーボモータ等を駆動制御する軸制御手段等をも備えるが、これらの構成は、本発明と直接関係がないことから、図2では省略している。
【0016】
プロセッサ11は、ROM12に格納されたシステムプログラムに基づいて、制御装置10全体を制御する。RAM13はデータの一時記憶等に利用されるもので、本発明に関係して、通信エラーの種類、発生日付等の通信エラーのログ情報や図3に示すような通信エラーデータをエラーコード毎に記憶するエラー累積記憶テーブルTBが該RAM13に設けられている。
【0017】
図4は、制御装置10のプロセッサ11が実施する通信エラー記憶処理のフローチャートである。
プロセッサ11は、通信エラーが発生したか否か監視しており(ステップ100)、通信エラーが発生すると、時計回路15よりそのときの時刻(年月日時分秒)を読みだし、この通信エラーコードに時刻を付加してログ情報を作成する(ステップ101)。一般に通信の制御では、軽微なエラーによりシステム停止などの過剰な処理とならないように、通信エラー発生時、数回リトライを行う。すなわち、データが壊れていたり、データが来なかったりすると、再送信の手続を行い、予め設定された所定の回数以下(例えば3回)のトライで通信が成功すれば通信エラーとしては扱わずに通信を続行する。この例で言えば、3回連続して異常であった場合に始めて通信エラーとして扱い通信エラー等の表示等を行う。この通信異常をリトライの対象とするか、直ぐに通信エラーとするかは異常内容により予め処理を決めておくようにしている。本実施形態では、リトライされて通信に成功し、最終的に通信エラーとして取り扱われなく、且つ通信エラー表示等もなされない場合でも、その通信エラーコードと共にリトライ回数も含めてログ情報として発生時刻と共に記憶するようにしている。
【0018】
そして、RAM13に用意されたログ情報記録領域が満杯か否か判断する(ステップ102)。すなわちログ情報を書き込むための書込みポインタがログ情報記録領域の最終アドレスを越えていれば、ログ情報記録領域が満杯であると判断する。ログ情報記録領域が満杯でなければ、書込みポインタが示すアドレス位置にステップ101で作成したログ情報を書込み(ステップ103)、書込みポインタを更新し(ステップ104)、後述する累積カウント処理(ステップ105)を実行した後、ステップ100に戻り、通信エラーを監視する。
【0019】
一方、ログ情報記録領域が満杯であるときには、設定されているモードがホスト転送モードか否か判断し(ステップ106)、ホスト転送モードに設定されていれば、ログ情報記録領域に記憶する全てのログ情報をホストに転送し(ステップ107)、ログ情報記録領域を初期化し(ステップ108)、さらに書込みポインタを初期化し(ステップ109)、ステップ103に移行し、ログ情報記録領域の先頭からログ情報を書き込むことになる。なお、ホストは図1の例で示すようにパソコン1等で構成することが便利であるが、外部記憶装置のような一定量のデータを記録できるものであればよい。それらと制御装置の接続は図1に示したように同一のネットワークを使用することも可能であるが、専用のネットワークもしくはインタフェースを使用することも可能である。
【0020】
一方、「ホスト転送モード」でなければ、書込みポインタを初期化し(ステップ109)、ステップ103に移行し、該書込みポインタが示すアドレス位置にログ情報を上書きし、書込みポインタを更新し(ステップ104)、ステップ105に移行する。
【0021】
すなわち、ホスト転送モードではないときには、ログ情報記録領域に、ログ情報が巡回して上書きされることになり、書込みポインタは、ログ情報を書き込んだ直後に更新されるから、該書込みポインタで示されるログ情報記録領域のアドレス位置がログ情報の一番古いログ情報を記憶していることを示し、書込みポインタの値より1つ前のアドレスが最新のログ情報を記憶する領域となる。
【0022】
図5は、累積カウント処理(ステップ105)のフローチャートである。
まず、ステップ101で求めたログ情報を取得し(ステップ200)、該ログ情報の通信エラー発生時刻(年月日時分秒)tを読み出し、該時刻が現在設定されている期間内か判断する(ステップ201)。この期間は、通信エラー発生の傾向を得るために設定するもので、その設定期間単位は、月、周、日、時間等、制御装置の稼働状況等に合わせて、設定されるもので、例えば、設定期間を「月」とすれば、この設定期間を設定した日時の月の最終時刻が、まず現在期間(月)の最終時刻(日時分秒)Pが設定され、この最終時刻(日時分秒)Pを経過すると、後述するように次の期間(月)の最終時刻(日時分秒)が当該期間の最終時刻(日時分秒)Pとして自動設定されることになる。なお、図3に示す例では、1日を午前(0時00分から12時00分までの期間)と午後(12時00分から24時00分までの期間)に分割して、それを期間(12時間単位)として設定した例を示している。以下の説明では、期間として、上述した1日を午前と午後に分割して12時間単位の期間が設定している例で説明する。
【0023】
ステップ201では、ロゴ情報から読み取った通信エラーの発生時刻tが現在設定されている期間の最終時刻P以下か判断する。図3に示した例では、現時点が4月3日の午前中であることを示しており、4月2日まで各期間(午前、午後)の通信エラーの累積値が記憶されているが4月3日の午前のデータは格納されていない。そして、現在設定されている期間の最終時刻Pは4月3日12時00分として設定されている。
【0024】
ステップ201で現在期間内と判断されたときには、ログ情報から読み取ったエラーコードnに対するカウンタ、及び総エラーカウンタにリトライを含む通信エラーの回数を加算する(ステップ202,203)。次に、各エラーコード毎及び総エラーに対して設定されている上限値を、このエラーコードのカウンタ及び、総エラーカウンタのカウント値が越えていないか判断し(ステップ204)越えていなければ、この累積カウント処理は終了し、図4に示すメイン処理に戻る。一方、設定上限値を越えているとアラームを出力し(ステップ205)、メイン処理に戻る。なお、上限値については、エラーの種類(エラーコード)によって、異なるものとしてもよいが、同一であってもよい。但し総エラーをカウントする総エラーカウンタに対する上限値は、エラーコード毎のカウンタに対する上限値とは異なる値を設定するものである。
【0025】
また、ステップ201で、通信エラー発生時刻tが設定されている期間の最終時刻を経過していると判断されたときには、ステップ206に進み、累積記録モードか判断し、累積記憶モードでなければ、設定期間を更新する。すなわち、現在設定されている最終時刻に指定期間を加算し、次の期間の最終時刻を当該期間の最終時刻Pとして設定する。前述した例のように、期間が12時間であれば、現在記憶している最終時刻Pに期間12時間を加算して、期間の更新すなわち最終時刻Pの更新を行う。そして、各エラーカウンタを初期化し(ステップ219)、ステップ202に移行し前述したステップ202以下の処理を実施する。
【0026】
一方、累積記録モードに設定されていれば(ステップ206)、各エラーコード毎のカウンタ、総エラーのカウンタの値を図3に示すエラー累積記憶テーブルTBに書き込む(ステップ207)。4月3日0時00分から12時00分までの期間が終了した時点では、図3に示すように、既に経過した4月2日24時00までの各期間については、各エラーコード毎の通信エラー発生件数、及び総エラーの各期間の累積値が記憶されており、今回は、4月3日0時00分から12時00分までの期間に各エラーコード及び総エラーのカウンタの値が書き込まれることになる。
【0027】
次に、全期間の累積値と当該期間の比率kを各エラーコード毎、及び総エラー累積数毎に求める(ステップ208)。前期間のエラー累積値がE(i−1)で当該期間のエラー累積値がE(i)であったとすると、この比率k=E(i)/E(i−1)として各エラーコード毎、総エラー累積数毎に求められる。
【0028】
各比率kが各エラーコード毎に及び総エラー数に対して設定された基準値k0以上か判断する(ステップ209)。なお、この基準値k0は、各エラーコードに対しては同一の値でもよいが、エラーに重みを持たせ、各エラーコードに対して異なる基準値を設定してもよい。比率kが基準値k0を越えるものがあれば、アラームを出力しこの基準値を越えたエラーコード又は総エラーを異常増大として表示器14に表示する(ステップ210)。比率kが基準値k0を越えるものがなければ、このエラー表示処理は行わない。
【0029】
また、比率kを求め、この比率によって、通信エラー異常増大を判別する代わりに、今期間と前期間の通信エラー累積数の差によって通信エラー異常増大を判別してもよい。すなわち、ステップ208で比率kを求める処理に代えて、当該期間のエラー累積値E(i)から前期間のエラー累積値E(i−1)を減じてその差を求める処理とし、ステップ209ではこの差が所定値以上かの判断処理に代え、差が所定値以上の場合には、ステップ210でアラームを出力するようにすればよい。
【0030】
つぎに、このエラー累積記憶テーブルTBに記憶された各期間毎のエラー累積数より、最小二乗法などの近似法に基づいて、または、前記比率kの変化率等から、次の期間における通信エラー累積値を予測し(ステップ211)、該予測値が設定された所定値以上か判断し(ステップ212)、設定値以上であれば、悪化傾向にあることを警告する表示を表示器14に表示する(ステップ213)。
【0031】
次に、エラー数を累積する累積領域に残領域があるか否か判断する。すなわちエラー累積記憶テーブルTBに残記憶領域があるか判断し(ステップ214)、記憶領域があれば、ステップ218に進み、残領域がなければ、ホストへの転送モードに設定されているか否か判断し(ステップ215)、ホストへの転送モードに設定されていなければ、ステップ217に進み、設定されていれば、このエラー累積記憶テーブルに記憶する累積情報をホストへ転送し、累積領域(エラー累積記憶テーブル)を初期化して(ステップ217)、ステップ218に進む。
【0032】
すなわち、ホスト転送モードに設定されていれば、累積領域であるエラー累積記憶テーブルTBは、記憶するデータが満杯になる毎にホストにそのデータが転送され、新たに次の期間のエラー累積数が記憶されることになる。一方、ホスト転送モードに設定されていなければ、各期間のエラー累積データはエラー累積記憶テーブルTBに巡回して上書きされて記憶されることになり、このエラー累積記憶テーブルTBには、その時点より前における所定数の期間のエラー累積データが常に記憶されている状態となる。
【0033】
そこで、作業者が表示器/入力手段14より、ログ情報表示指令を入力すれば、プロセッサ11は、RAM13に記憶するステップ103で書き込んだログ情報(エラーコードと発生時刻、リトライ回数等)を表示器に表示する。また、現在期間のエラー累積数表示指令を入力すれば、各エラーコード毎のカウンタの値、及び総エラー数を累積するカウンタの値を読み込みこれらの値をエラーコード毎の当該機関における数、総エラー数として表示する。
さらに、エラー累積期間毎履歴データ表示指令を入力すれば、エラー累積記憶テーブルTBの内容を表示器に表示する。
【0034】
経年変化による劣化のように長期間の傾向を分析したり、環境要因により特定の条件下の原因を探したりするには、一定期間の傾向を把握することが有効である。しかし、制御装置の記憶領域は一般に大きくない。そのため、本実施形態では、一定期間以前のログ情報は、内容を圧縮してエラー累積数として、各期間毎に保存するので、この累積データを利用して制御装置においても、通信状態の傾向を把握することができる。経年変化や周囲環境の悪化により徐々にエラーが増加している場合、その傾向を把握することにより、システム停止などの決定的なエラーとなる前に対処できる可能性がある。
【0035】
さらに、ホスト転送モードに設定しておけば、ホストにログ情報、エラー累積データが転送される。そのため、ホストで、これらログ情報、エラー累積情報を分析してシステムの状況を把握することができる。例えば、1年前の同時期のログ情報、エラー累積データを比較することによって、経年変化等、システムの悪化傾向等を把握することができる。これは、ネットワークの敷設状況(環境、電源、コネクタの接触など)の悪化の程度が加速する前に、経年変化を認識することができる。このような悪化が事前に検知できれば、敷設を含めたシステムの足回りを、余裕を持って再点検でき、システムの運用に多大な貢献をする。
【0036】
また、通信エラーの発生日時から、特定の時間帯を抽出することにより、例えば、特定時間のみ運転される機器がノイズ源となってネットワークにエラーを引き起こしていたり、工場の稼働状況から特定の時間帯に電源電圧の低下が起こりネットワーク関連機器に悪影響を及ぼすというような、環境要因によるアラーム原因の存在を検出することもできる。さらに、通信エラーを累積する期間は、任意に設定することができるので、制御装置10を使用するシステムに応じ、最適の通信エラー累積期間を設定することができる。また、最初はこの期間を長く設定し、ログ情報等から、特定の時間や日時に通信エラーが偏るような場合には、この期間を短く設定したり、周期的なエラー発生等には、エラー累積期間の設定値をその周期に合わせるように設定することによって、通信エラー情報を、より詳細に合目的に採取することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、設定期間毎にその期間における通信エラーを求めているので、制御装置やこの制御装置を使用するシステムの経年変化を監視することができ、重篤な障害を予告することができる。また、設定期間を任意に設定できるから、環境要因による通信エラー原因を容易に探し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置が利用されるネットワークシステムの一例の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態の要部ブロック図である。
【図3】同実施形態に用いられるエラー累積記憶テーブルの説明図である。
【図4】同実施形態における通信エラー記憶処理のフローチャートである。
【図5】同実施形態における通信エラーの累積カウント処理のフローチャートである。
【符号の説明】
10 制御装置
Claims (8)
- 各種機器を制御する制御装置であって、他の装置と通信を行う通信インタフェースを備えた制御装置において、
時を計時する時計手段と、
通信エラーを検出する手段と、
通信エラーの累積期間を指定する期間指定手段と、
該期間指定手段により指定された期間での通信エラー発生件数を累積する通信エラー累積手段と、
表示手段とを備え、
前記通信エラー累積手段に累積された通信エラー発生件数を前記表示手段に表示することを特徴とする通信インタフェースを備えた制御装置。 - 各種機器を制御する制御装置であって、他の装置と通信を行う通信インタフェースを備えた制御装置において、
時を計時する時計手段と、
通信エラーを検出する手段と、
通信エラーの累積期間を指定する期間指定手段と、
該期間指定手段で指定された期間に亘って前記通信エラーを累積する手段と、
前記累積値を前記累積期間と共に記憶する記憶手段と、
表示手段とを備え、
前記記憶手段に記憶された前記累積値を前記累積期間とを対応させて前記表示手段に表示することを特徴とする通信インタフェースを備えた制御装置。 - 前記累積値が所定値を越えた場合異常を通知する手段を備える請求項1又は請求項2に記載の通信インタフェースを備えた制御装置。
- 前記記憶手段に記憶された第1の累積期間での累積値と第2の累積期間での累積値を比較する手段と、
前記比較結果が所定の比率を越える場合に異常を通知する手段を備える請求項2に記載の通信インタフェースを備えた制御装置。 - 前記記憶手段に記憶された第1の累積期間での累積値とそれに続く第2の累積期間での累積値の差を求める手段と、
前記差が所定の値を越える場合に異常を通知する手段を備える請求項2に記載の通信インタフェースを備えた制御装置。 - 前記通信エラーを累積する手段は、通信エラーの種類毎に通信エラー発生件数を前記所定期間毎に累積することを特徴とする前記請求項1乃至請求項5に記載の通信インタフェースを備えた制御装置。
- 他のコンピュータ又は記憶装置と接続し、所定期間内の通信エラーを前記他のコンピュータ又は記憶装置に転送する手段を有する請求項1乃至請求項7に記載の通信インタフェースを備えた制御装置。
- 検出された通信エラーを記憶する記憶手段と、他のコンピュータ又は記憶装置と接続し、通信エラーの累積件数又は指定期間内での通信エラーの累積件数が所定値を越えると、所定数の通信エラー又は所定の期間に亘る指定期間での累積値を前記他のコンピュータ又は記憶装置に転送する手段とを有する請求項1乃至請求項8の通信インタフェースを備えた制御装置。
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