JP2014074657A - 使用済み燃料プール水監視装置、使用済み燃料プール水監視方法および使用済み燃料プール水監視システム - Google Patents
使用済み燃料プール水監視装置、使用済み燃料プール水監視方法および使用済み燃料プール水監視システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014074657A JP2014074657A JP2012222306A JP2012222306A JP2014074657A JP 2014074657 A JP2014074657 A JP 2014074657A JP 2012222306 A JP2012222306 A JP 2012222306A JP 2012222306 A JP2012222306 A JP 2012222306A JP 2014074657 A JP2014074657 A JP 2014074657A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel pool
- fuel
- data
- pool
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Landscapes
- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Abstract
【課題】使用済み燃料プールの燃料プール温度及び燃料プール水位を直接計測できなくなった場合でも、燃料プール温度及び燃料プール水位を継続して監視する。
【解決手段】実施形態の使用済み燃料プール水監視装置1aは、使用済み燃料プール設置機器3から燃料プールプロセスデータ13および炉心性能計算機2から燃料組成データ14を受信する燃料プールデータ受信処理部9と、燃料プールプロセスデータ13aおよび燃料組成データ14aを記憶する燃料プールデータ記憶部10と、燃料組成データ14aに基づいて燃料の発熱量を計算して燃料プールプロセスデータ13aに基づいて燃料プール温度の計算値を計算する燃料プールデータ現状監視計算部11と、燃料プール温度の計算値を表示する燃料プールデータ計算結果表示部15と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態の使用済み燃料プール水監視装置1aは、使用済み燃料プール設置機器3から燃料プールプロセスデータ13および炉心性能計算機2から燃料組成データ14を受信する燃料プールデータ受信処理部9と、燃料プールプロセスデータ13aおよび燃料組成データ14aを記憶する燃料プールデータ記憶部10と、燃料組成データ14aに基づいて燃料の発熱量を計算して燃料プールプロセスデータ13aに基づいて燃料プール温度の計算値を計算する燃料プールデータ現状監視計算部11と、燃料プール温度の計算値を表示する燃料プールデータ計算結果表示部15と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、使用済み燃料プール水監視装置、使用済み燃料プール水監視方法および使用済み燃料プール水監視システムに関する。
原子力発電所にて使用される燃料棒は、原子炉内で使用している間は、原子炉内の温度、流量、圧力、など監視に必要な各パラメータを計測及び計算し、プロセス計算機を用いて中央制御室にて集中監視されている。また、炉心性能計算機にて、プロセス計算機から送られる原子炉熱水力・核計装・制御棒などのデータを用いて、原子炉内の中性子の出力分布を計算し、炉心や燃料性能を評価している。一方、燃料棒は原子炉で使用した後は使用済み燃料となる。使用済み燃料は、崩壊熱や放射線を放出するため原子炉建屋内に設置された使用済み燃料プールにて数年間保管される。使用済み燃料プールは、プロセス計算機や炉心性能計算機では監視・評価していないものの、使用済み燃料の崩壊熱を取り除くために、冷却ヒータや給水ポンプを伴う冷却システムが設置されており、使用済み燃料プールの温度や水位を監視するための検出器が設置されている。
使用済み燃料の崩壊熱による発熱量は、燃焼履歴に伴う使用済み燃料の組成データや冷却期間に基づき計算される。また、使用済み燃料の崩壊熱による発熱により、使用済み燃料プール温度は上昇する。ある一定以上の温度に上昇すると、蒸気の発生により使用済み燃料プールの水が失われ、水位が低下するおそれがある。その間に使用済み燃料プール用の給水ポンプにより水が給水された場合は、その分水位は上昇して温度は下降する。また、崩壊熱の一部は放熱してエネルギーが消費される。このように使用済み燃料プールの水温や水位は、エネルギー保存の法則、質量保存の法則により、ある一定条件の下で予測計算することが可能である。
なお、使用済燃料プール水監視装置において、使用済燃料プール壁面からオペレーションフロア床面に設けられた計器取付サポートと、計器取付サポートのうち使用済燃料プール壁面に設けられた部分に取り付けられた水位検出器とを備え、計器取付サポートのうちオペレーションフロア床面に設けられた部分をオペレーションフロア床面に固定することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
原子炉内の各パラメータは、プロセス計算機を用いて中央制御室にてリアルタイムで監視している。使用済み燃料プールでは温度や水位を計測するための検出器を設置して、その温度や水位を把握できるようにしているが、使用済み燃料プールに設置した温度計または水位計のいずれか一方が万が一故障した場合には、使用済み燃料プールの監視が困難となる。今後、より一層の安全性向上の観点から、使用済み燃料プールの監視強化が望まれている。
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、使用済み燃料プールの燃料プール温度および燃料プール水位を直接計測することができなくなった場合においても、燃料プール温度および燃料プール水位を継続して監視することができる使用済み燃料プール水監視装置、使用済み燃料プール水監視方法および使用済み燃料プール水監視システムを提供することである。
上記課題を解決するために、一つの実施形態の使用済み燃料プール水監視装置は、原子炉で用いられる燃料についての燃料組成データを計算する炉心性能計算機、および、使用済み燃料を含む前記燃料を保管する燃料プールで計測される燃料プール温度および燃料プール水位の計測値を少なくとも含む燃料プールプロセスデータを生成する使用済み燃料プール設置機器に通信可能に接続された使用済み燃料プール水監視装置である。当該使用済み燃料プール水監視装置は、前記使用済み燃料プール設置機器から前記燃料プールプロセスデータを受信し、前記炉心性能計算機から前記燃料プールに保管された前記燃料についての前記燃料組成データを受信する燃料プールデータ受信処理部と、前記燃料プールデータ受信処理部により受信された前記燃料プールプロセスデータおよび前記燃料組成データを記憶する燃料プールデータ記憶部と、前記燃料プールデータ記憶部に記憶された前記燃料プールに保管された前記燃料ごとの前記燃料組成データに基づいて前記燃料プールに保管された前記燃料の発熱量を計算し、当該計算した前記発熱量および前記燃料プールプロセスデータに基づいて前記燃料プール温度の計算値を計算する燃料プールデータ現状監視計算部と、前記燃料プール温度の前記計算値を表示する燃料プールデータ計算結果表示部と、を備えることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、他の実施形態の使用済み燃料プール水監視装置は、原子炉の炉心について原子炉データを計算するプロセス計算機、および、使用済み燃料を含む燃料を保管する燃料プールで計測される燃料プール温度および燃料プール水位の計測値を少なくとも含む燃料プールプロセスデータを生成する使用済み燃料プール設置機器に通信可能に接続された使用済み燃料プール水監視装置である。当該使用済み燃料プール水監視装置は、前記使用済み燃料プール設置機器から前記燃料プールプロセスデータを受信し、前記プロセス計算機から前記原子炉データを受信する共通受信部と、前記原子炉データに基づいて前記燃料プールに保管された前記燃料ごとの燃料組成データを含む炉心データを計算し、当該計算した前記燃料組成データに基づいて前記燃料プールに保管された前記燃料の発熱量を計算し、さらに前記発熱量および前記燃料プールプロセスデータに基づいて前記燃料プール温度の計算値を計算する共通現状監視計算部と、前記共通受信部により受信された前記燃料プールプロセスデータおよび前記炉心データを記憶する共通データ記憶部と、前記燃料プール温度の前記計算値を表示する共通表示部と、を備えることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、実施形態の使用済み燃料プール水監視方法は、原子炉で用いられる燃料についての燃料組成データを計算する炉心性能計算機および使用済み燃料を含む前記燃料を保管する燃料プールで計測される燃料プール温度および燃料プール水位の計測値を少なくとも含む燃料プールプロセスデータを生成する使用済み燃料プール設置機器に通信可能に接続された燃料プールデータ受信処理部と、前記燃料プールプロセスデータおよび前記燃料組成データを記憶する燃料プールデータ記憶部と、前記燃料プールに保管された前記燃料の発熱量および前記燃料プール温度の計算値を計算する燃料プールデータ現状監視計算部と、前記燃料プール温度の計算値を表示可能な燃料プールデータ計算結果表示部とを備えた使用済み燃料プール水監視装置を用いた使用済み燃料プール水監視方法である。当該使用済み燃料プール水監視方法は、前記燃料プールデータ受信処理部が、前記使用済み燃料プール設置機器から前記燃料プールプロセスデータを受信し、前記炉心性能計算機から前記燃料プールに保管された前記燃料についての前記燃料組成データを受信する燃料プールデータ受信処理ステップと、前記燃料プールデータ受信処理部が、受信した前記燃料プールプロセスデータおよび前記燃料組成データを前記燃料プールデータ記憶部に記憶する燃料プールデータ記憶ステップと、前記燃料プールデータ現状監視計算部が、前記燃料プールデータ記憶部に記憶された前記燃料ごとの前記燃料組成データに基づいて前記燃料プールに保管された前記燃料の前記発熱量を計算し、当該計算した前記発熱量および前記燃料プールプロセスデータに基づいて前記燃料プール温度の計算値を計算する前記燃料プール温度計算ステップと、前記燃料プールデータ計算結果表示部が、前記燃料プール温度の前記計算値を表示する計算結果表示ステップと、を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、実施形態の使用済み燃料プール水監視システムは、原子炉の炉心について原子炉データを計算するプロセス計算機と、前記原子炉で用いられる燃料についての燃料組成データを計算する炉心性能計算機と、燃料プールプロセスデータを生成する使用済み燃料プール設置機器と、前記炉心性能計算機および前記使用済み燃料プール設置機器に通信可能に接続された使用済み燃料プール水監視装置とを備える使用済み燃料プール水監視システムである。前記使用済み燃料プール設置機器は、使用済み燃料を含む前記燃料を保管する燃料プールで計測される燃料プール温度および燃料プール水位の計測値を少なくとも含む前記燃料プールプロセスデータを生成する燃料プールプロセスデータ生成部と、生成された前記燃料プールプロセスデータを送信する燃料プールデータ送信部と、を備えている。また、前記使用済み燃料プール水監視装置は、前記燃料プールデータ送信部から前記燃料プールプロセスデータを受信し、前記炉心性能計算機から前記燃料プールに保管された前記燃料についての前記燃料組成データを受信する燃料プールデータ受信処理部と、前記燃料プールデータ受信処理部により受信された前記燃料プールプロセスデータおよび前記燃料組成データを記憶する燃料プールデータ記憶部と、前記燃料プールデータ記憶部に記憶された前記燃料プールに保管された前記燃料ごとの前記燃料組成データに基づいて前記燃料プールに保管された前記燃料の発熱量を計算し、当該計算した前記発熱量および前記燃料プールプロセスデータに基づいて前記燃料プール温度の計算値を計算する燃料プールデータ現状監視計算部と、前記燃料プール温度の前記計算値を表示する燃料プールデータ計算結果表示部と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る使用済み燃料プール水監視装置、使用済み燃料プール水監視方法および使用済み燃料プール水監視システムの実施形態によれば、使用済み燃料プールの燃料プール温度および燃料プール水位を直接計測することができなくなった場合においても、燃料プール温度および燃料プール水位を継続して監視することができる。
以下、本発明に係る実施形態の使用済み燃料プール水監視装置、使用済み燃料プール水監視方法および使用済み燃料プール水監視システムについて、図面を参照して具体的に説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。ここで説明する下記の実施形態はいずれも、原子炉設備における使用済み燃料プール水監視システムの一例をとりあげて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る使用済み燃料プール水監視システムの第1の実施形態の構成を示すブロック図である。図2は、第1の実施形態の使用済み燃料プール水監視装置が実行する燃料プール水計算処理を示す動作図である。図3は、第1の実施形態の使用済み燃料プール水監視装置の使用済み燃料プール水監視処理フローを示すフロー図である。
図1は、本発明に係る使用済み燃料プール水監視システムの第1の実施形態の構成を示すブロック図である。図2は、第1の実施形態の使用済み燃料プール水監視装置が実行する燃料プール水計算処理を示す動作図である。図3は、第1の実施形態の使用済み燃料プール水監視装置の使用済み燃料プール水監視処理フローを示すフロー図である。
図1に示す使用済み燃料プール30(燃料プール)には、少なくとも使用済み燃料が保管される。なお、使用済み燃料プール30に、使用前の燃料(燃料棒)も保管されてもよい。使用済み燃料プール水監視システム50aは、使用済み燃料プール30を監視するシステムである。そのために、使用済み燃料プール水監視システム50aは、使用済み燃料プール水監視装置1aと、使用済み燃料プール設置機器3と、炉心性能計算機2と、プロセス計算機4とを備えている。
プロセス計算機4は、原子炉内で使用される燃料棒を監視するために原子炉内の温度、流量、圧力などの監視に必要な各データを計算し、原子炉熱水力・核計装・制御棒などの原子炉データを監視する。プロセス計算機4は、例えば中央制御室に備えられている。
炉心性能計算機2は、例えばプロセス計算機4から送られる原子炉熱水力・核計装・制御棒などの原子炉データを用いて、原子炉内の中性子の出力分布を計算し、炉心や燃料性能などの炉心データを評価する。燃料性能には、例えば使用済み燃料プールに保管される直前の燃料についての燃料組成データ14などが含まれる。
使用済み燃料プール30は、使用済み燃料の崩壊熱を取り除くために、使用済み燃料プール設置機器3により使用済み燃料プール30の温度や水位などが計測され、図示しない制御装置によって給水および冷却等が制御される。
使用済み燃料プール水監視装置1aは、使用済み燃料プール設置機器3により計測された使用済み燃料プール30の温度や水位などの計測値を含む燃料プールプロセスデータ13を監視すると共に、それに加えて炉心性能計算機2から受信する燃料組成データ14に基づいて、使用済み燃料プール30の温度や水位などの計算値を求める。なお、使用済み燃料プール水監視装置1aの構成について、詳しくは後述する。
次に、使用済み燃料プール設置機器3について説明する。
使用済み燃料プール設置機器3は、燃料プールプロセスデータ生成部35と、燃料プールデータ送信部36とを備えている。燃料プールプロセスデータ生成部35は、少なくとも使用済み燃料プール30の燃料プール温度、燃料プール水位について計測可能であり、これらの計測値を含む燃料プールプロセスデータ13を生成する。燃料プールデータ送信部36は、燃料プールプロセスデータ生成部35により生成された燃料プールプロセスデータ13を含む燃料プールデータを、使用済み燃料プール水監視装置1aに送信する。
具体的には、燃料プールプロセスデータ生成部35は、燃料プール温度計31、燃料プール水位計32、燃料プール給水ポンプ33、および燃料プール冷却装置34を有している。これらの機器は使用済み燃料プール30中およびその近辺に設置される。
燃料プール温度計31は、使用済み燃料プール30に設置され、使用済み燃料プール30の温度(燃料プール温度と記す)を計測する。燃料プール温度計31は、燃料プール温度の計測値を含む燃料プールプロセスデータ13−1を生成し、燃料プールデータ送信部36を介して、使用済み燃料プール水監視装置1aに送信する。
燃料プール水位計32は、使用済み燃料プール30に設置され、使用済み燃料プール30の水位(燃料プール水位と記す)を計測する。燃料プール水位計32は、燃料プール水位の計測値を含む燃料プールプロセスデータ13−2を生成し、燃料プールデータ送信部36を介して、使用済み燃料プール水監視装置1aに送信する。
燃料プール給水ポンプ33は、使用済み燃料プール30近辺に設置され、図示しない給水漕から水を給水する。燃料プール給水ポンプ33は、図示しない制御装置からの給水指令に応じて使用済み燃料プール30に給水すると共に、その給水流量(燃料プール給水流量と記す)を計測する。燃料プール給水ポンプ33は、燃料プール給水流量の計測値を含む燃料プールプロセスデータ13−3を生成し、燃料プールデータ送信部36を介して、使用済み燃料プール水監視装置1aに送信する。
燃料プール冷却装置34は、使用済み燃料プール30に設置され、図示しない制御装置からの冷却指令に応じて燃料プール給水ポンプ33から給水する水を冷却する。燃料プール冷却装置34は、燃料プール給水ポンプ33から給水する水の給水温度(燃料プール給水温度と記す)を計測する。燃料プール冷却装置34は、燃料プール給水温度の計測値を含む燃料プールプロセスデータ13−4を生成し、燃料プールデータ送信部36を介して、使用済み燃料プール水監視装置1aに送信する。
なお、図1では、燃料プールデータ送信部36を一つの機能部として図示しているが、燃料プール温度計31、燃料プール水位計32、燃料プール給水ポンプ33、燃料プール冷却装置34の各々に対応した複数の燃料プールデータ送信部36を有してもよく、また、それらの計器の組み合わせごとに、複数の燃料プールデータ送信部36を有してもよい。
以上説明した燃料プールプロセスデータ13(13−1〜13−4)は、燃料プール温度の計測値に加えて、少なくとも燃料プール水位、燃料プール給水流量、および燃料プール給水温度の各々の計測値と、その各々の計測時刻を含む。
次に、使用済み燃料プール水監視装置1aについて説明する。
使用済み燃料プール水監視装置1aは、炉心性能計算機2により計算された燃料ごとの燃料組成データ14、および、使用済み燃料プール設置機器3により生成された燃料プールプロセスデータ13に基づいて、使用済み燃料プール30を監視する。すなわち、使用済み燃料プール水監視装置1aは、使用済み燃料プール30の温度および水位を、使用済み燃料プール設置機器3を用いて計測して監視するだけでなく、燃料プールデータに基づいてエネルギー保存の法則、質量保存の法則等を用いて計算して監視する。
そのために、使用済み燃料プール水監視装置1aは、燃料プールデータ受信処理部9、燃料プールデータ記憶部10、燃料プールデータ現状監視計算部11、計算値補正部12a、および燃料プールデータ計算結果表示部15を備えている。
燃料プールデータ受信処理部9は、使用済み燃料プール設置機器3から送信される燃料プールプロセスデータ13および炉心性能計算機2から送信される使用済み燃料プール30に保管された燃料ごとの燃料組成データ14を含む燃料プールデータを受信する。
燃料プールデータ受信処理部9は、前述した燃料プールデータ送信部36と通信可能に接続されている。例えば、信号ケーブルまたはネットワーク回線等を介して、各計測値を含む燃料プールプロセスデータ13が送受信される。また、燃料プールデータ受信処理部9は、炉心性能計算機2と通信可能に接続されている。例えば、信号ケーブルまたはネットワーク回線等を介して、燃料組成データ14が送受信される。
なお、通信可能とは、例えば使用済み燃料プール設置機器3の燃料プールデータ送信部36から燃料プールデータ受信処理部9への片方向の信号伝送だけでなく、燃料プールデータ送信部36と燃料プールデータ受信処理部9との間の双方向の信号伝送であってもよい。また、信号ケーブルまたはネットワーク回線等とは、有線もしくは無線、または、それらの組み合せによる信号伝送方式によるものである。
燃料プールデータ記憶部10は、燃料プールデータ受信処理部9により受信した燃料プールプロセスデータ13と、同じく使用済み燃料プール30に保管された燃料ごとに受信した燃料組成データ14とを記憶する。燃料プールデータ記憶部10には、燃料プール温度、燃料プール水位、燃料プール給水流量、および燃料プール給水温度の各計測値とその計測時刻が燃料プールプロセスデータ13aとして記憶される。
また、燃料プールデータ記憶部10には、燃料ごとの燃料組成データ14およびその計算された計算時刻が燃料組成データ14aとして記憶される。また、燃料プールデータ記憶部10には、この他にも燃料プールデータ現状監視計算部11により計算された計算結果が記憶される。
燃料プールデータ現状監視計算部11は、燃料プールデータ記憶部10に記憶された燃料組成データ14aに基づいて、使用済み燃料プール30に保管された燃料の発熱量11−1を計算する。さらに、燃料プールデータ現状監視計算部11は、計算した燃料の発熱量11−1および燃料プールプロセスデータ13aに基づいて、燃料プールの現在(直近)の温度(補正前の燃料プール温度の計算値11−2)を計算する。
計算値補正部(現状計算値補正部)12aは、燃料プールデータ現状監視計算部11により計算された補正前の燃料プール温度の計算値11−2と、燃料プールプロセスデータ13aに含まれる燃料プール温度の計測値とを比較して誤差(差分)を計算し、燃料プール温度の補正係数12−1を算出する。
燃料プールデータ現状監視計算部11は、算出された燃料プール温度の補正係数12−1を用いて、補正前の燃料プール温度の計算値11−2を補正し、補正後の燃料プール温度の計算値12−2を得る。
燃料プールデータ計算結果表示部15は、燃料プールデータ現状監視計算部11により計算された計算結果(補正後の燃料プール温度の計算値12−2等)や燃料プールプロセスデータ13aおよび燃料組成データ14aのデータについて表示する。
また、燃料プールデータ計算結果表示部15は、例えば、これらのデータ等を中央制御室に設置された表示装置に出力してもよい。また、燃料プールデータ計算結果表示部15は、燃料プール温度や燃料プール水位のこれらの計算値についてある一定の範囲を超えた場合に、表示装置に警報を表示してもよい。
以上のような使用済み燃料プール水監視装置1aによれば、中央制御室の運転員等が、計測された燃料プール温度や燃料プール水位等をリアルタイムに監視すると共に、燃料プールの温度計が故障した場合にも、計算した燃料プール温度により継続して監視することができる。
また、前述したように、計算された燃料プール温度等の計算値は計測値に基づいた補正係数によって補正されるため、外乱や微小な変動等を除外した一定条件による計算よりも計算精度が高くなる。これにより、より正確な使用済み燃料プール水監視を行うことができる。
次に、図2に示す使用済み燃料プール水監視装置1aが実行する燃料プール水計算処理動作を説明する。なお、図2は、図1に示す使用済み燃料プール水監視装置1aの構成から主に燃料プール水計算処理に関わる機能部を抽出して示したものである。
燃料プールデータ受信処理部9は、使用済み燃料プール設置機器3から燃料プールプロセスデータ13および炉心性能計算機2から燃料組成データ14を含む燃料プールデータを受信する。詳細には、燃料プールデータ受信処理部9は、燃料プール温度計31から燃料プール温度の計測値を含む燃料プールプロセスデータ13−1を受信する。また、燃料プールデータ受信処理部9は、その他の燃料プール水位計32、燃料プール給水ポンプ33および燃料プール冷却装置34から、燃料プール水位、燃料プール給水流量および燃料プール給水温度の計測値を含む燃料プールプロセスデータ13−2〜13−4を受信する。
燃料プールデータ現状監視計算部11は、燃料プールデータ記憶部10に記憶された使用済み燃料プール30に保管された燃料ごとの燃料組成データ14aに基づいて、当該燃料の発熱量11−1を計算する。なお、燃料の発熱量11−1は、使用済み燃料プール30に保管された燃料の発熱量の総計である。
また、燃料プールデータ現状監視計算部11は、燃料プールデータ記憶部10に記憶された燃料プールプロセスデータ13aに基づいて、燃料プール水位から水容積を計算する。さらに、燃料プールデータ現状監視計算部11は、計算した燃料の発熱量11−1と水容積、および、燃料プールデータ記憶部10に記憶された燃料プール給水流量と燃料プール給水温度に基づいて、補正前の燃料プール温度の計算値11−2を計算する。
計算された補正前の燃料プール温度の計算値11−2は、外乱や微小な変動等を除外した一定条件における計算であるため、計測値との誤差(差分)が生じる。このため、計算値補正部12aは、燃料プール温度計31から送信された燃料プール温度の計測値と燃料プールデータ現状監視計算部11にて計算された補正前の燃料プール温度の計算値11−2とを比較し、それらの誤差を計算して燃料プール温度の補正係数12−1を算出する。
さらに、燃料プールデータ現状監視計算部11は、燃料プール温度の補正係数12−1を用いて、補正後の燃料プール温度の計算値12−2を計算する。この補正後の燃料プール温度の計算値12−2が、燃料プールデータ計算結果表示部15により表示装置に表示される。
以上により、例えば燃料プール温度計31やその接続信号ケーブル等の故障により、燃料プール温度計31から燃料プール温度の計測値を含む燃料プールプロセスデータ13−1が直接得られない場合にも、使用済み燃料プール水監視装置1aは、燃料プール水位、燃料プール給水流量および燃料プール給水温度の計測値を含む燃料プールプロセスデータ13−2〜13−4と、燃料の発熱量11−1とに基づいて、補正前の燃料プール温度の計算値11−2を算出することができる。
さらに、使用済み燃料プール水監視装置1aは、前述した故障直前の燃料プール温度の補正係数12−1を用いて、補正前の燃料プール温度の計算値11−2を補正することにより、補正後の燃料プール温度の計算値12−2を算出することができる。
なお、図2の例では、燃料プール温度の計算値の一例を用いて示したが、この他にも、燃料プール温度に代わり、燃料プール水位に代えた場合についても、同様に計算値を算出できることは言うまでもない。
また、例えば、燃料プール温度計31やその信号ケーブル等の故障および燃料プール水位計32やその信号ケーブル等の故障により、燃料プール温度の計測値および燃料プール水位の計測値が直接得られない場合についても、以下に示す(式1)〜(式5)により、燃料プール温度の計算値および燃料プール水位の計算値を得ることができる。
「予測温度」=「故障直前の燃料プール温度の計測値」+「発熱上昇温度」−「給水温度差」・・・(式1)
また、発熱上昇温度は(式2)より算出する。
また、発熱上昇温度は(式2)より算出する。
「発熱上昇温度」=「燃料の発熱量11−1」/「燃料プール水量」・・・(式2)
また、(式2)の「燃料プール水量」は、燃料プール水位の計測値または計算値を用いて算出する。
また、(式2)の「燃料プール水量」は、燃料プール水位の計測値または計算値を用いて算出する。
「燃料プール水量」=「燃料プールの面積」×「燃料プール水位」・・・(式3)
ここで、(式3)の「燃料プールの面積」は、使用済み燃料プール30の重力方向に対する横断面の面積であり、例えばこの値は予め燃料プールデータ現状監視計算部11に記憶される。(式1)の「給水温度差」は、燃料プール温度と燃料プール給水温度の差分である。それぞれの温度と燃料プール水量および給水水量の比率により求められる。したがって、(式1)は、次の(式4)に置き換えることができる。
ここで、(式3)の「燃料プールの面積」は、使用済み燃料プール30の重力方向に対する横断面の面積であり、例えばこの値は予め燃料プールデータ現状監視計算部11に記憶される。(式1)の「給水温度差」は、燃料プール温度と燃料プール給水温度の差分である。それぞれの温度と燃料プール水量および給水水量の比率により求められる。したがって、(式1)は、次の(式4)に置き換えることができる。
「予測温度」=「故障直前の燃料プール温度の計測値」+「燃料の発熱量11−1」/(「燃料プールの面積」×「燃料プール水位」)−「給水温度差」・・・(式4)
ただし、(式4)では、燃料プール水位(燃料プール水量の算出元)が不明である場合に、予測温度を計算することができない。そのため、そのような場合には以下の(式5)および(式6)により「予測水位」を算出して、(式4)の「燃料プール水位」に代入する。
ただし、(式4)では、燃料プール水位(燃料プール水量の算出元)が不明である場合に、予測温度を計算することができない。そのため、そのような場合には以下の(式5)および(式6)により「予測水位」を算出して、(式4)の「燃料プール水位」に代入する。
「予測水位」=「故障直前の燃料プール水位の計測値」+「給水流量」−「蒸発水量」・・・(式5)
「蒸発水量」=「燃料の発熱量11−1」/「水の気化熱」・・・(式6)
ただし、予測温度が100℃より低い場合には、蒸発水量0近傍とすることができる。「水の気化熱」は例えば燃料プールデータ記憶部10などの記憶手段に予め記憶されている。
「蒸発水量」=「燃料の発熱量11−1」/「水の気化熱」・・・(式6)
ただし、予測温度が100℃より低い場合には、蒸発水量0近傍とすることができる。「水の気化熱」は例えば燃料プールデータ記憶部10などの記憶手段に予め記憶されている。
以上により、使用済み燃料プール水監視装置1aによれば、燃料プール温度計31やその信号ケーブル等の故障および燃料プール水位計32やその信号ケーブル等の故障により、燃料プール温度の計測値および燃料プール水位の計測値が直接得られない場合でも、継続して燃料プール温度の予測温度および燃料プール水位の予測水位を監視することができる。
次に、図3を参照しながら、使用済み燃料プール水監視装置1aの使用済み燃料プール水監視処理フローを説明する。
使用済み燃料プール水監視処理フローは、例えば使用済み燃料プール水監視装置1aのパワーオン後、以下のステップS1の処理が開始される。
燃料プールデータ受信処理部9が、使用済み燃料プール設置機器3から燃料プールプロセスデータ13を受信し、炉心性能計算機2から燃料組成データ14を受信する(ステップS1)。
次に、燃料プールデータ受信処理部9が、受信した燃料プールプロセスデータ13および燃料組成データ14を燃料プールデータ記憶部10に記憶する(ステップS2)。
次に、燃料プールデータ現状監視計算部11が、燃料プールデータ記憶部10に記憶された燃料組成データ14aに基づいて使用済み燃料プール30に保管された燃料の発熱量11−1を計算し、計算された燃料の発熱量11−1および燃料プールプロセスデータ13aに基づいて直近の燃料プール温度の計算値11−2を計算する(ステップS3)。
燃料プールデータ受信処理部9が燃料プール温度の計測値を取得できた場合には(ステップS4のYes)、処理をステップS5に進める。一方、燃料プール温度の計測値を取得できなかった場合には(ステップS4のNo)、処理をステップS8に進める。
計算値補正部12aが、燃料プール温度の計算値11−2と燃料プールプロセスデータ13aに含まれる燃料プール温度の計測値とを比較して、当該比較した値により燃料プール温度の計算値11−2の補正を行うため、燃料プール温度の補正係数12−1を算出する(ステップS5)。
次に、燃料プールデータ現状監視計算部11が、燃料プール温度の補正係数12−1に基づいて燃料プール温度の計算値11−2を補正し、補正後の燃料プール温度の計算値12−2を燃料プールデータ記憶部10に記憶する(ステップS6)。
次に、燃料プールデータ計算結果表示部15が、燃料プールプロセスデータ13aおよび補正後の燃料プール温度の計算値12−2を表示する(ステップS7)。ステップS7の後に、処理がステップS1に戻る。
一方、燃料プール温度の計測値を取得できなかった場合、燃料プールデータ現状監視計算部11が、燃料プールデータ記憶部10から直近の燃料プール温度の補正係数12−1を取得する(ステップS8)。ステップS8の後、処理をステップS6に移し、ステップS6以降の処理を同様に実施する。
第1の実施形態によれば、使用済み燃料プールの燃料プール温度や燃料プール水位をリアルタイムに監視し、中央制御室の運転員等に注意を喚起することができる。また、使用済み燃料プールの燃料プール温度および燃料プール水位を直接計測することができなくなった場合においても、燃料プール温度および燃料プール水位の計算値により継続して監視することができる。また、燃料プール温度および燃料プール水位の計算値は、計測値に基づいた補正係数によって補正されるため、外乱や微小な変動等を除外した一定条件による計算よりも計算精度が高くなる。計算精度が高いことで、より精度の高い使用済み燃料プール水監視を行うことができる。
[第2の実施形態]
図4は、本発明に係る使用済み燃料プール水監視システムの第2の実施形態の構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態と同一または類似の構成には、共通の符号を付し、重複する説明は省略する。また、第2の実施形態以降の実施形態についても同様である。
図4は、本発明に係る使用済み燃料プール水監視システムの第2の実施形態の構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態と同一または類似の構成には、共通の符号を付し、重複する説明は省略する。また、第2の実施形態以降の実施形態についても同様である。
図4に示すように、使用済み燃料プール水監視システム50bは、使用済み燃料プール水監視装置1bと、使用済み燃料プール設置機器3と、炉心性能計算機2と、プロセス計算機4とを備えている。図4に示す使用済み燃料プール水監視システム50bの構成は、図1に示す使用済み燃料プール水監視システム50aの構成に比べて、使用済み燃料プール水監視装置1bが相違する。
具体的には、図4に示す使用済み燃料プール水監視装置1bは、図1に示す使用済み燃料プール水監視装置1aと比べて、予測計算値補正部12bおよび燃料プールデータ予測計算部16をさらに備えた構成である。その他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
これにより、第1の実施形態の使用済み燃料プール水監視装置1aでは、直近の燃料プール温度の予測温度および燃料プール水位の予測水位を求めているが、第2の実施形態の使用済み燃料プール水監視装置1bでは、さらに、より長い時間経過後の燃料プール温度の予測温度および燃料プール水位の予測水位を求めることができる。以下、図4を参照しながら、使用済み燃料プール水監視装置1bの構成について説明する。
使用済み燃料プール水監視装置1bは、燃料プールデータ記憶部10に記憶された燃料プールプロセスデータ13aおよび燃料組成データ14aに基づいて、使用済み燃料の冷却期間とする将来の発熱量を予測計算する。
具体的には、燃料プールデータ予測計算部16は、現在の時刻または予測開始時刻からの経過時間を任意に設定し、燃料組成データ14aに基づいて経過時間分の総発熱量を計算する。さらに、燃料プールデータ予測計算部16は、燃料プールプロセスデータ13aから現在の時刻または予測開始時刻に直近の燃料プール温度、水位、給水流量および給水温度の計測値を抽出し、経過時間分の総発熱量と抽出した現在の時刻または予測開始時刻の燃料プール温度、水位、給水流量および給水温度の計測値に基づいて、設定した経過時間後の使用済み燃料プール30の予測温度を計算する。また、使用済み燃料プール30の予測温度がある一定以上になると、蒸発水により水容積が減少するため、燃料プールデータ予測計算部16は、前述したような熱量の計算式により燃料プール水位(予測水位)について計算する。
これらの予測された計算値(予測温度および予測水位)は、実際の環境で発生し得る様々な外乱や微小な変動が考慮されていないため、実際の計測値とは誤差が生じる可能性がある。
そのために、計算値補正部(予測計算値補正部)12bは、燃料プールデータ予測計算部16により計算された燃料プール温度の予測温度と、燃料プールプロセスデータ13aに含まれる燃料プール温度の計測値とを比較して誤差を計算し、燃料プール温度の予測温度について補正係数を算出する。
また、燃料プールデータ予測計算部16により計算された燃料プール水位の予測水位と、燃料プールプロセスデータ13aに含まれる燃料プール水位の計測値とを比較して誤差を計算し、燃料プール水位の予測水位について補正係数を算出する。
燃料プールデータ予測計算部16は、前述した予測計算を周期的に実行し、その都度、計算値補正部12bにより予測計算値と計測値との誤差から補正係数を求めて、予測計算値に補正係数を用いることにより補正後の予測計算値を計算する。
燃料プールデータ計算結果表示部15では、燃料プールデータ予測計算部16により計算された計算結果を表示すると共に、予測計算結果がある一定の範囲(警報範囲)を超えた場合には、予測警報を表示する。
以上により、使用済み燃料プール水監視装置1bは、予測経過時間における燃料プール温度および燃料プール水位の予測計算値を精度よく求めることができる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、使用済み燃料プールの燃料プール温度および燃料プール水位の変化を予測することができる。また、予測計算値は、計測値と予測計算値の差分から求められた補正係数を考慮して補正しているため、より高い精度での予測計算値を運転員に提供することができる。
さらに、予測結果に応じて予測警報を表示することで、使用済み燃料プールの温度上昇や水位の下降が実際に発生する前に対処することが可能となり、安全性の向上を図ることができる。
[第3の実施形態]
図5は、本発明に係る使用済み燃料プール水監視システムの第3の実施形態の構成を示すブロック図である。
図5は、本発明に係る使用済み燃料プール水監視システムの第3の実施形態の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、使用済み燃料プール水監視システム50cは、使用済み燃料プール水監視装置1cと、使用済み燃料プール設置機器3と、炉心性能計算機2と、プロセス計算機4とを備えている。図5に示す使用済み燃料プール水監視システム50cの構成は、図4に示す使用済み燃料プール水監視システム50bの構成に比べて、使用済み燃料プール水監視装置1cが相違する。
具体的には、図5に示す使用済み燃料プール水監視装置1cは、図4に示す使用済み燃料プール水監視装置1bに、予測計算可変パラメータ入力部17をさらに備えた構成である。その他の構成は、第2の実施形態と同様である。
予測計算可変パラメータ入力部17は、燃料組成データ、燃料プール水位、燃料プール給水流量、燃料プール給水温度、経過時間等の値を、外部から(例えば運転員が入力操作などにより)任意に入力するための入力手段である。
予測計算可変パラメータ入力部17は、例えば運転員(オペレータ)から各パラメータ(燃料組成データ、燃料プール温度、燃料プール水位、燃料プール給水流量、燃料プール給水温度等)の計算条件を受け付ける。予測計算可変パラメータ入力部17は、受け付けた計算条件を、燃料プールデータ予測計算部16に出力する。予測計算可変パラメータ入力部17は、少なくとも燃料組成データ、燃料プール水位、給水流量、給水温度のいずれか一つの計算条件を受け付け、受け付けた計算条件を燃料プールデータ予測計算部16に計算値の少なくともいずれか一つとして与える(出力する)。
これにより、燃料プールデータ予測計算部16は、予測計算可変パラメータ入力部17から出力された計算条件をもとに、燃料組成データ14aに基づいて使用済み燃料プール30に保管された燃料の発熱量を計算し、燃料プール水位、燃料プール給水流量、燃料プール給水温度、経過時間などを用いて、燃料プール温度の予測計算を行う。予測計算された値や入力されたパラメータは、燃料プールデータ計算結果表示部15に表示される。
第3の実施形態によれば、第2の実施形態の効果に加えて、燃料組成データ、燃料プール水位、燃料プール給水流量、燃料プール給水温度等の計算条件を任意に設定することができるため、現在の使用済み燃料プールの環境条件以外にも、様々な環境に応じた予測計算を行うことができる。また、使用済み燃料プールへの給水量(注入量)を増やした場合に、燃料プール温度がどの程度低下するか等の予測監視を容易に行うことができる。
[第4の実施形態]
図6は、本発明に係る使用済み燃料プール水監視システムの第4の実施形態の構成を示すブロック図である。
図6は、本発明に係る使用済み燃料プール水監視システムの第4の実施形態の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、使用済み燃料プール水監視システム50dは、使用済み燃料プール水監視装置1dと、使用済み燃料プール設置機器3dと、炉心性能計算機2と、プロセス計算機4とを備えている。図6に示す使用済み燃料プール水監視システム50dの構成は、図4に示す使用済み燃料プール水監視システム50bの構成に比べて、使用済み燃料プール水監視装置1dおよび使用済み燃料プール設置機器3dが相違する。
具体的には、図6に示す使用済み燃料プール水監視装置1dは、図4に示す使用済み燃料プール水監視装置1bに比べて、燃料プール制御値計算部18と、燃料プール制御値送信部19とをさらに備えた構成である。その他の構成は、第2の実施形態と同様である。
燃料プール制御値計算部18は、燃料プールデータ予測計算部16により予測計算された燃料プール温度、現状の燃料プール給水流量および給水温度に基づいて、燃料プール温度を一定に保つための燃料プール給水流量および給水温度の目標値を算出する。さらに、燃料プール制御値計算部18は、これらの目標値から燃料プール給水ポンプ33の給水流量の出力および燃料プール冷却装置34の冷却出力の目標値を計算する。
燃料プール制御値送信部19は、燃料プール制御値計算部18により計算した目標値を燃料プール給水ポンプ33および燃料プール冷却装置34に送信する。燃料プール給水ポンプ33および燃料プール冷却装置34はこの目標値を受信すると、この目標値に追従するように機器の出力を自動制御する。自動制御は、例えばフィードバック制御、PID制御等である。
また、燃料プールデータ計算結果表示部15は、燃料プール制御値計算部18により計算された使用済み燃料プール30の温度を一定に保つための燃料プール給水流量および給水温度の目標値と、燃料プール給水ポンプ33および燃料プール冷却装置34により計測された出力値(給水流量および給水温度の計測値)とを表示する。
また、図6に示す使用済み燃料プール設置機器3dは、図4に示す使用済み燃料プール設置機器3と比べて、燃料プールデータ送受信部36dを備えた構成である。
燃料プールデータ送受信部36dは、燃料プールプロセスデータ13を送信するだけでなく、燃料プール制御値送信部19から送信される燃料プール給水ポンプ33および燃料プール冷却装置34の出力の目標値を含むデータを受信する。燃料プールデータ送受信部36dは、受信したこれらの目標値を、燃料プール給水ポンプ33および燃料プール冷却装置34に出力する。これにより、使用済み燃料プール30の燃料プール給水ポンプ33および燃料プール冷却装置34の各機器を目標値に追従するように制御させることができる。
第4の実施形態によれば、第2の実施形態の効果に加えて、燃料プール給水ポンプおよび燃料プール冷却装置を自動制御するための制御値を送信することができるため、手動による誤操作の防止や操作時間の短縮を図ることができる。
[第5の実施形態]
図7は、本発明に係る使用済み燃料プール水監視システムの第5の実施形態の構成を示すブロック図である。
図7は、本発明に係る使用済み燃料プール水監視システムの第5の実施形態の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、使用済み燃料プール水監視システム50eは、使用済み燃料プール水監視装置1eと、使用済み燃料プール設置機器3dと、プロセス計算機4とを備えている。図7に示す使用済み燃料プール水監視システム50eの構成は、図6に示す使用済み燃料プール水監視システム50dの構成に比べて、使用済み燃料プール水監視装置1eが相違し、また、炉心性能計算機2を備えていない。
具体的には、図7に示す使用済み燃料プール水監視装置1eは、図6に示す使用済み燃料プール水監視装置1dと比べて、図6に示す炉心性能計算機2が有する機能部をさらに備えている。その他の構成は、第4の実施形態と同様である。
ここで、図7の使用済み燃料プール水監視装置1eの構成について説明する前に、前述した図6に示す炉心性能計算機2の構成の一例について説明する。図8は、図6に示す炉心性能計算機2の構成の一例を示すブロック図である。
炉心性能計算機2は、図8に示すように、炉心データ受信処理部2−1、炉心データ現状監視計算部2−2、炉心データ予測計算部2−3、炉心データ記憶部2−4、炉心データ計算結果表示部2−5、および炉心データ送信処理部2−6を備えている。
炉心データ受信処理部2−1は、プロセス計算機4から燃料配置、原子炉熱水力、制御棒位置およびその他のプロセス値を含む原子炉データを受信する。
炉心データ現状監視計算部2−2は、受信した原子炉データに基づいて、炉心内の中性子の出力分布、燃料組成データなどを含む炉心データを計算する。炉心データ現状監視計算部2−2は、計算した炉心データを炉心データ記憶部2−4に記憶する。
炉心データ予測計算部2−3は、任意の炉心状態から発電機出力、炉心流量、制御棒位置などの少なくともいずれか一つの炉心パラメータを変化させた時の中性子出力分布を計算(予測計算)する。
炉心データ記憶部2−4は、前述したように、受信した原子炉データや、炉心データ現状監視計算部2−2および炉心データ予測計算部2−3により計算された結果(炉心データを含む)を保存する。
炉心データ計算結果表示部2−5は、炉心データ現状監視計算部2−2および炉心データ予測計算部2−3により計算した結果を表示する。
炉心データ送信処理部2−6は、炉心データ記憶部2−4に保存された炉心データや、炉心データ現状監視計算部2−2および炉心データ予測計算部2−3により計算された結果をプロセス計算機4に送信する。
次に、図7に示す使用済み燃料プール水監視装置1eの構成について説明する。図7に示す使用済み燃料プール水監視装置1eは、図8に示す炉心性能計算機2の各機能部および図6に示す使用済み燃料プール水監視装置1dの各機能部を備えた構成である。
具体的には、使用済み燃料プール水監視装置1eは、共通受信部20、共通データ記憶部21、共通現状監視計算部22、共通予測計算部23、共通表示部24、および共通送信処理部25を備えている。
共通受信部20は、燃料プールデータ受信処理部9と炉心データ受信処理部2−1とを有する。燃料プールデータ受信処理部9は、使用済み燃料プール設置機器3dから送信される燃料プールプロセスデータ13を受信する。また、炉心データ受信処理部2−1は、プロセス計算機4から原子炉熱水力、制御棒位置およびその他のプロセス値を含む炉心データを受信する。炉心データ受信処理部2−1は、プロセス計算機4と通信可能に接続されている。例えば、信号ケーブルまたはネットワーク回線等を介して、原子炉データが送受信される。
共通受信部20は、これら受信したデータを、共通データ記憶部21に格納(記憶)する。
共通データ記憶部21は、燃料プールデータ記憶部10と炉心データ記憶部2−4とを有する。共通データ記憶部21は、例えば記憶領域を区分して、一の記憶領域を燃料プールデータ記憶部10とし、他の一の記憶領域を炉心データ記憶部2−4とする。
燃料プールデータ記憶部10には、使用済み燃料プール設置機器3dから送信された燃料プールプロセスデータ13が記憶される。また、炉心データ記憶部2−4には、炉心データが記憶される。また、この他の記憶領域には、共通現状監視計算部22および共通予測計算部23により計算された計算結果などが格納される。
共通現状監視計算部22は、燃料プールデータ現状監視計算部11と、計算値補正部12aと、炉心データ現状監視計算部2−2とを有する。
燃料プールデータ現状監視計算部11は、炉心データ記憶部2−4に記憶された炉心データに基づいて、使用済み燃料プール30に保管された燃料の燃料組成データを計算する。燃料プールデータ現状監視計算部11は、燃料プールデータ記憶部10に記憶された燃料組成データに基づいて、燃料の発熱量11−1を計算する。さらに、燃料プールデータ現状監視計算部11は、計算した燃料の発熱量11−1および燃料プールプロセスデータ13に基づいて、使用済み燃料プール30の現状(直近)の温度(前述した燃料プール温度の計算値11−2)を計算する。なお、燃料プールデータ現状監視計算部11は、炉心データ記憶部2−4に計算した燃料組成データを記憶する。
計算値補正部12aは、燃料プールデータ現状監視計算部11により計算された燃料プール温度の計算値11−2と燃料プールプロセスデータ13に含まれる燃料プール温度の計測値とを比較して誤差を計算し、燃料プール温度の補正係数12−1を算出する。
燃料プールデータ現状監視計算部11は、計算値補正部12aにより算出された燃料プール温度の補正係数12−1を用いて、燃料プール温度の計算値11−2を補正し、補正後の燃料プール温度の計算値12−2を算出する。燃料プールデータ現状監視計算部11は、補正後の燃料プール温度の計算値12−2を、燃料プールデータ記憶部10に記憶する。
炉心データ現状監視計算部2−2は、炉心データ記憶部2−4に記憶された炉心データに基づいて、炉心内の中性子の出力分布などを計算する。
共通予測計算部23は、計算値補正部12bと、燃料プールデータ予測計算部16と、燃料プール制御値計算部18と、炉心データ予測計算部2−3とを有する。
燃料プールデータ予測計算部16は、現在の時刻または予測開始時刻からの経過時間を任意に設定し、炉心データ記憶部2−4に記憶された燃料組成データおよび使用済み燃料の冷却期間に基づいて経過時間分の総発熱量(予測発熱量)を計算する。さらに、燃料プールデータ予測計算部16は、経過時間分の総発熱量と現在の燃料プール温度、燃料プール水位、燃料プール給水流量および燃料プール給水温度に基づいて、設定した経過時間後の燃料プールの予測温度および燃料プールの予測水位を計算する。
計算値補正部12bについては、図4に示す計算値補正部12bの機能と同様であり、また、燃料プール制御値計算部18については、図6に示す燃料プール制御値計算部18の機能と同様であるため、ここではそれらの説明は省く。
炉心データ予測計算部2−3は、任意の炉心状態から発電機出力、炉心流量、制御棒位置などの少なくともいずれか一つの炉心パラメータを変化させた時の中性子出力分布を計算する。
共通表示部24は、燃料プールデータ計算結果表示部15と炉心データ計算結果表示部2−5とを有する。
燃料プールデータ計算結果表示部15では、燃料プールデータ予測計算部16により計算された計算結果を表示すると共に、予測計算結果がある一定の範囲(警報範囲)を超えた場合には、予測警報を表示する。燃料プールデータ計算結果表示部15は、例えば燃料プールプロセスデータ、燃料プールの予測温度および燃料プールの予測水位などを表示する。
炉心データ計算結果表示部2−5は、炉心データ現状監視計算部2−2および炉心データ予測計算部2−3により計算した中性子出力分布を計算などの結果を表示する。
共通送信処理部25は、燃料プール制御値送信部19と炉心データ送信処理部2−6とを有する。
燃料プール制御値送信部19は、燃料プール制御値計算部18により計算した目標値を燃料プール給水ポンプ33および燃料プール冷却装置34に送信する。燃料プールデータ送受信部36dを介して、燃料プール給水ポンプ33および燃料プール冷却装置34がこれらの目標値を受信すると、目標値に追従するように機器の出力を自動制御する。自動制御は、例えばフィードバック制御、PID制御等である。
炉心データ送信処理部2−6は、炉心データ記憶部2−4に記憶された炉心データや、炉心データ現状監視計算部2−2および炉心データ予測計算部2−3により計算された結果をプロセス計算機4に送信する。
共通受信部20、共通現状監視計算部22、共通予測計算部23、共通表示部24、および共通送信処理部25については、例えばそれぞれに共通のソフトウェアフレームワークとなる。共通のソフトウェアフレームワークとは、プログラミングにおいて、特定のオペレーティングシステムのためのソフトウェアの標準構造を実装するのに使われるクラスやライブラリの集まりである。
例えば、共通現状監視計算部22は、使用済み燃料プール計算用と炉心性能計算用とで入力データや各々の計算式が異なるため、ソフトウェアのプログラム処理としては燃料プールデータ現状監視計算部11と炉心データ現状監視計算部2−2とでの処理に分かれるものの、ソフトウェアフレームワークとハードウェアを共通化することができる。このことは、その他の共通受信部20、共通予測計算部23、共通表示部24、共通送信処理部25についても同様である。
第5の実施形態によれば、使用済み燃料プール水監視装置が、炉心性能計算機の機能を備えることができる。したがって、第4の実施形態の効果に加えて、さらに原子力発電所内に設置する炉心性能計算機用の設置スペースを削減することができる。
また、別途に備えた場合の炉心性能計算機とのデータ送受信が使用済み燃料プール水監視装置内で完結するため、信号伝送などで発生する可能性のある伝送エラーや、ケーブル断線による影響を排除することができる。これにより、システム全体の信頼性が向上する。また、ハードウェアを共通化するため、導入費用の削減を図ることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形には、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形には、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1a、1b、1c、1d、1e…使用済み燃料プール水監視装置、2…炉心性能計算機、2−1…炉心データ受信処理部、2−2…炉心データ現状監視計算部、2−3…炉心データ予測計算部、2−4…炉心データ記憶部、2−5…炉心データ計算結果表示部、2−6…炉心データ送信処理部、3、3d…使用済み燃料プール設置機器、4…プロセス計算機、9…燃料プールデータ受信処理部、10…燃料プールデータ記憶部、11…燃料プールデータ現状監視計算部、11−1…燃料の発熱量、11−2…燃料プール温度の計算値(補正前)、12a…計算値補正部(現状計算値補正部)、12b…計算値補正部(予測計算値補正部)、12−1…燃料プール温度の補正係数、12−2…燃料プール温度の計算値(補正後)、13、13a…燃料プールプロセスデータ、13−1…燃料プール温度の計測値を含む燃料プールプロセスデータ、13−2…燃料プール水位の計測値を含む燃料プールプロセスデータ、13−3…燃料プール給水流量の計測値を含む燃料プールプロセスデータ、13−4…燃料プール給水温度の計測値を含む燃料プールプロセスデータ、14、14a…燃料組成データ、15…燃料プールデータ計算結果表示部、16…燃料プールデータ予測計算部、17…予測計算可変パラメータ入力部、18…燃料プール制御値計算部、19…燃料プール制御値送信部、20…共通受信部、21…共通データ記憶部、22…共通現状監視計算部、23…共通予測計算部、24…共通表示部、25…共通送信処理部、30…使用済み燃料プール(燃料プール)、31…燃料プール温度計、32…燃料プール水位計、33…燃料プール給水ポンプ、34…燃料プール冷却装置、35…燃料プールプロセスデータ生成部、36…燃料プールデータ送信部、36d…燃料プールデータ送受信部、50a、50b、50c、50d、50e…使用済み燃料プール水監視システム
Claims (10)
- 原子炉で用いられる燃料についての燃料組成データを計算する炉心性能計算機、および、使用済み燃料を含む前記燃料を保管する燃料プールで計測される燃料プール温度および燃料プール水位の計測値を少なくとも含む燃料プールプロセスデータを生成する使用済み燃料プール設置機器に通信可能に接続された使用済み燃料プール水監視装置であって、
前記使用済み燃料プール設置機器から前記燃料プールプロセスデータを受信し、前記炉心性能計算機から前記燃料プールに保管された前記燃料についての前記燃料組成データを受信する燃料プールデータ受信処理部と、
前記燃料プールデータ受信処理部により受信された前記燃料プールプロセスデータおよび前記燃料組成データを記憶する燃料プールデータ記憶部と、
前記燃料プールデータ記憶部に記憶された前記燃料プールに保管された前記燃料ごとの前記燃料組成データに基づいて前記燃料プールに保管された前記燃料の発熱量を計算し、当該計算した前記発熱量および前記燃料プールプロセスデータに基づいて前記燃料プール温度の計算値を計算する燃料プールデータ現状監視計算部と、
前記燃料プール温度の前記計算値を表示する燃料プールデータ計算結果表示部と、を備える
ことを特徴とする使用済み燃料プール水監視装置。 - 前記燃料プール温度の前記計測値と前記計算値とを比較し、当該比較により前記燃料プール温度の前記計算値の差分の補正を行う現状計算値補正部をさらに備え、
前記燃料プールデータ現状監視計算部は、前記現状計算値補正部により得られる補正係数に基づいて前記燃料プール温度の前記計算値を補正し、少なくとも直近の当該補正した前記燃料プール温度の計算値を前記燃料プールデータ記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の使用済み燃料プール水監視装置。 - 前記燃料プールプロセスデータは、前記燃料プール温度および前記燃料プール水位の前記計測値に加えて、前記燃料プールに給水される燃料プール給水流量および燃料プール給水温度の計測値を含む
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の使用済み燃料プール水監視装置。 - 前記燃料プールに保管された前記燃料ごとの前記燃料組成データおよび予測開始時刻から経過時間までに対応する冷却期間に基づいて前記燃料プールに保管された前記燃料の予測発熱量を計算し、かつ、前記予測開始時刻から直近の前記燃料プール温度、前記燃料プール水位、前記燃料プール給水流量および前記燃料プール給水温度の前記計測値に基づいて前記冷却期間に応じた前記燃料プールの予測温度および予測水位を計算する燃料プールデータ予測計算部をさらに備える
ことを特徴とする請求項3に記載の使用済み燃料プール水監視装置。 - 前記燃料プールデータ予測計算部は、前記冷却期間に応じた前記燃料プールの前記予測温度および前記予測水位を周期的に計算し、当該計算した結果を前記燃料プールデータ計算結果表示部に出力する
ことを特徴とする請求項4に記載の使用済み燃料プール水監視装置。 - 少なくとも前記燃料組成データ、前記直近の前記燃料プール温度、前記燃料プール水位、前記燃料プール給水流量および前記燃料プール給水温度の前記計測値のいずれか一つを計算条件として受け付け、当該受け付けた計算条件を前記燃料プールデータ予測計算部に出力する予測計算可変パラメータ入力部をさらに備える
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の使用済み燃料プール水監視装置。 - 前記使用済み燃料プール設置機器が、前記燃料プールへ給水するための燃料プール給水ポンプおよび前記燃料プール給水ポンプからの給水を冷却して前記燃料プール給水温度を下げるための燃料プール冷却装置を有する場合に、
前記冷却期間に応じた前記燃料プールの前記予測温度に基づいて、前記予測温度を所定温度に保つことができる前記燃料プール給水ポンプからの前記給水について前記燃料プール給水流量および前記燃料プール冷却装置の冷却出力の少なくともいずれか一つの目標値を計算する燃料プール制御値計算部と、
前記燃料プール給水流量の前記目標値を前記燃料プール給水ポンプに送信し、前記燃料プール冷却装置の前記冷却出力の前記目標値を前記燃料プール冷却装置に送信する燃料プール制御値送信部と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれか一項に記載の使用済み燃料プール水監視装置。 - 原子炉の炉心について原子炉データを計算するプロセス計算機、および、使用済み燃料を含む燃料を保管する燃料プールで計測される燃料プール温度および燃料プール水位の計測値を少なくとも含む燃料プールプロセスデータを生成する使用済み燃料プール設置機器に通信可能に接続された使用済み燃料プール水監視装置であって、
前記使用済み燃料プール設置機器から前記燃料プールプロセスデータを受信し、前記プロセス計算機から前記原子炉データを受信する共通受信部と、
前記原子炉データに基づいて前記燃料プールに保管された前記燃料ごとの燃料組成データを含む炉心データを計算し、当該計算した前記燃料組成データに基づいて前記燃料プールに保管された前記燃料の発熱量を計算し、さらに前記発熱量および前記燃料プールプロセスデータに基づいて前記燃料プール温度の計算値を計算する共通現状監視計算部と、
前記共通受信部により受信された前記燃料プールプロセスデータおよび前記炉心データを記憶する共通データ記憶部と、
前記燃料プール温度の前記計算値を表示する共通表示部と、を備える
ことを特徴とする使用済み燃料プール水監視装置。 - 原子炉で用いられる燃料についての燃料組成データを計算する炉心性能計算機および使用済み燃料を含む前記燃料を保管する燃料プールで計測される燃料プール温度および燃料プール水位の計測値を少なくとも含む燃料プールプロセスデータを生成する使用済み燃料プール設置機器に通信可能に接続された燃料プールデータ受信処理部と、前記燃料プールプロセスデータおよび前記燃料組成データを記憶する燃料プールデータ記憶部と、前記燃料プールに保管された前記燃料の発熱量および前記燃料プール温度の計算値を計算する燃料プールデータ現状監視計算部と、前記燃料プール温度の計算値を表示可能な燃料プールデータ計算結果表示部とを備えた使用済み燃料プール水監視装置を用いた使用済み燃料プール水監視方法であって、
前記燃料プールデータ受信処理部が、前記使用済み燃料プール設置機器から前記燃料プールプロセスデータを受信し、前記炉心性能計算機から前記燃料プールに保管された前記燃料についての前記燃料組成データを受信する燃料プールデータ受信処理ステップと、
前記燃料プールデータ受信処理部が、受信した前記燃料プールプロセスデータおよび前記燃料組成データを前記燃料プールデータ記憶部に記憶する燃料プールデータ記憶ステップと、
前記燃料プールデータ現状監視計算部が、前記燃料プールデータ記憶部に記憶された前記燃料ごとの前記燃料組成データに基づいて前記燃料プールに保管された前記燃料の前記発熱量を計算し、当該計算した前記発熱量および前記燃料プールプロセスデータに基づいて前記燃料プール温度の計算値を計算する前記燃料プール温度計算ステップと、
前記燃料プールデータ計算結果表示部が、前記燃料プール温度の前記計算値を表示する計算結果表示ステップと、
を含むことを特徴とする使用済み燃料プール水監視方法。 - 原子炉の炉心について原子炉データを計算するプロセス計算機と、前記原子炉で用いられる燃料についての燃料組成データを計算する炉心性能計算機と、燃料プールプロセスデータを生成する使用済み燃料プール設置機器と、前記炉心性能計算機および前記使用済み燃料プール設置機器に通信可能に接続された使用済み燃料プール水監視装置とを備える使用済み燃料プール水監視システムであって、
前記使用済み燃料プール設置機器は、
使用済み燃料を含む前記燃料を保管する燃料プールで計測される燃料プール温度および燃料プール水位の計測値を少なくとも含む前記燃料プールプロセスデータを生成する燃料プールプロセスデータ生成部と、
生成された前記燃料プールプロセスデータを送信する燃料プールデータ送信部と、を備え、
前記使用済み燃料プール水監視装置は、
前記燃料プールデータ送信部から前記燃料プールプロセスデータを受信し、前記炉心性能計算機から前記燃料プールに保管された前記燃料についての前記燃料組成データを受信する燃料プールデータ受信処理部と、
前記燃料プールデータ受信処理部により受信された前記燃料プールプロセスデータおよび前記燃料組成データを記憶する燃料プールデータ記憶部と、
前記燃料プールデータ記憶部に記憶された前記燃料プールに保管された前記燃料ごとの前記燃料組成データに基づいて前記燃料プールに保管された前記燃料の発熱量を計算し、当該計算した前記発熱量および前記燃料プールプロセスデータに基づいて前記燃料プール温度の計算値を計算する燃料プールデータ現状監視計算部と、
前記燃料プール温度の前記計算値を表示する燃料プールデータ計算結果表示部と、を備える
ことを特徴とする使用済み燃料プール水監視システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012222306A JP2014074657A (ja) | 2012-10-04 | 2012-10-04 | 使用済み燃料プール水監視装置、使用済み燃料プール水監視方法および使用済み燃料プール水監視システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012222306A JP2014074657A (ja) | 2012-10-04 | 2012-10-04 | 使用済み燃料プール水監視装置、使用済み燃料プール水監視方法および使用済み燃料プール水監視システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014074657A true JP2014074657A (ja) | 2014-04-24 |
Family
ID=50748893
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012222306A Pending JP2014074657A (ja) | 2012-10-04 | 2012-10-04 | 使用済み燃料プール水監視装置、使用済み燃料プール水監視方法および使用済み燃料プール水監視システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014074657A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020076669A (ja) * | 2018-11-08 | 2020-05-21 | 三菱重工業株式会社 | 崩壊熱の不確かさ演算装置、及び崩壊熱の不確かさ演算方法 |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4962896A (ja) * | 1972-10-18 | 1974-06-18 | ||
JPS59225393A (ja) * | 1983-06-07 | 1984-12-18 | 株式会社日立製作所 | 動的状態をもつプラントの状態予測方法及びその装置 |
JPS6098391A (ja) * | 1983-11-04 | 1985-06-01 | 株式会社東芝 | サプレツシヨンプ−ルの温度監視装置 |
JPS6151208A (ja) * | 1984-08-20 | 1986-03-13 | Hitachi Ltd | 予測シミユレ−タ |
JPH05126990A (ja) * | 1991-10-23 | 1993-05-25 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 冷却水の温度制御装置 |
JPH08220280A (ja) * | 1995-02-17 | 1996-08-30 | Toshiba Corp | プラント監視装置 |
JP2001074875A (ja) * | 1999-09-09 | 2001-03-23 | Shikoku Electric Power Co Inc | 加圧水型原子炉の原子炉容器出入口温度差を求める方法及び加圧水型原子炉プラントの性能評価方法 |
JP2004333433A (ja) * | 2003-05-12 | 2004-11-25 | Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd | 燃料集合体熱的特性評価方法及び装置 |
JP2009236727A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 沸騰水型原子炉の炉心性能計算方法および装置 |
JP2010175322A (ja) * | 2009-01-28 | 2010-08-12 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 水位追従式温度検出装置 |
-
2012
- 2012-10-04 JP JP2012222306A patent/JP2014074657A/ja active Pending
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4962896A (ja) * | 1972-10-18 | 1974-06-18 | ||
JPS59225393A (ja) * | 1983-06-07 | 1984-12-18 | 株式会社日立製作所 | 動的状態をもつプラントの状態予測方法及びその装置 |
JPS6098391A (ja) * | 1983-11-04 | 1985-06-01 | 株式会社東芝 | サプレツシヨンプ−ルの温度監視装置 |
JPS6151208A (ja) * | 1984-08-20 | 1986-03-13 | Hitachi Ltd | 予測シミユレ−タ |
JPH05126990A (ja) * | 1991-10-23 | 1993-05-25 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 冷却水の温度制御装置 |
JPH08220280A (ja) * | 1995-02-17 | 1996-08-30 | Toshiba Corp | プラント監視装置 |
JP2001074875A (ja) * | 1999-09-09 | 2001-03-23 | Shikoku Electric Power Co Inc | 加圧水型原子炉の原子炉容器出入口温度差を求める方法及び加圧水型原子炉プラントの性能評価方法 |
JP2004333433A (ja) * | 2003-05-12 | 2004-11-25 | Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd | 燃料集合体熱的特性評価方法及び装置 |
JP2009236727A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 沸騰水型原子炉の炉心性能計算方法および装置 |
JP2010175322A (ja) * | 2009-01-28 | 2010-08-12 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 水位追従式温度検出装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020076669A (ja) * | 2018-11-08 | 2020-05-21 | 三菱重工業株式会社 | 崩壊熱の不確かさ演算装置、及び崩壊熱の不確かさ演算方法 |
JP7113723B2 (ja) | 2018-11-08 | 2022-08-05 | 三菱重工業株式会社 | 崩壊熱の不確かさ演算装置、及び崩壊熱の不確かさ演算方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5024801A (en) | Reactor core model update system | |
US20130325164A1 (en) | Electric discharge machine and electric discharge machining system | |
CN102016523A (zh) | 用来监测液体容器中的液体液位的方法和装置 | |
CN102667950A (zh) | 用于辅助核反应堆操作的方法 | |
JP6392155B2 (ja) | 配電監視制御装置 | |
JP2018190238A (ja) | ガス容器の交換システム、その交換プログラム、その交換装置およびその交換方法 | |
CN106462907A (zh) | 能量供需运用指导装置及炼铁厂内的能量供需运用方法 | |
JP5241765B2 (ja) | 電力管理システム及びプログラム | |
JP2016167336A (ja) | 蓄電池残寿命推定方法、蓄電池点検日決定方法、蓄電池残寿命推定装置、及び蓄電池残寿命推定システム | |
KR101545143B1 (ko) | 송전 한계를 고려한 자동 발전 제어 방법 | |
US20200050990A1 (en) | Method for asset management of substation | |
CA3032456C (en) | Apparatus for managing hot water in a hot water storage tank heating system and associated method | |
JP2010218394A (ja) | エネルギー需要予測装置 | |
JP2014074657A (ja) | 使用済み燃料プール水監視装置、使用済み燃料プール水監視方法および使用済み燃料プール水監視システム | |
JP2009169930A (ja) | エネルギー需要予測装置 | |
Yadav et al. | State-of-technology and technical challenges in advanced sensors, instrumentation, and communication to support digital twin for nuclear energy application | |
KR101146950B1 (ko) | 원자로 붕소농도 자동제어장치 | |
JP6471785B1 (ja) | 発電ボイラ用水処理設備の管理システム | |
JP2005338049A (ja) | プラント計装制御装置及びその方法 | |
JP4926461B2 (ja) | 発電機制御装置及び発電機の制御方法 | |
CN104951648B (zh) | 用于估算核电站严重事故后氧气浓度的方法 | |
KR20170125705A (ko) | 가압경수로형 원자로 보호 장치와 그 제어 방법 | |
JP2017055612A (ja) | 電力デマンド監視装置、方法およびプログラム | |
CN110853781A (zh) | 一种核电站乏燃料水池综合监测系统和方法 | |
JP6366520B2 (ja) | 出力変動監視装置および方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150722 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160415 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160510 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20161108 |