JP3763295B2 - 画像読取記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取記録装置に関し、詳しくは一回の記録プロセスで2枚以上の記録紙に画像を記録する画像読取記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子写真方式による画像読取記録装置では、K(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の4色のトナーを使用し、各色の色彩データに基づいて像を現像しその像を転写体上に転写させるまでのサイクルを各色の色彩データに対しそれぞれ行い、これらの像を転写体上で重ね合わせることによって形成されたカラー画像を記録紙に一括転写させる4サイクル方式によりカラー画像の記録が行われる。この4サイクル方式によるカラー画像の記録では、KCMYの4色についてそれぞれの像を転写体上に形成してからカラー画像を記録紙に記録するため、モノクロ画像の記録に比べて約4倍の時間を必要とする。そのため、カラー画像を複数枚の記録紙に記録する場合には、記録に要する時間が長くなるということが問題となっていた。
【0003】
これに対し、所定サイズ以下の複数枚の記録紙への印刷が指示された場合、1枚の記録紙へ記録するのと同様の1回の記録プロセスで隙間なく連座して供給された2枚の記録紙のそれぞれに画像を記録する二丁掛記録が可能な印刷装置がある(特許文献1参照。)。この印刷装置は、データ受信部で最も過去に受信した未処理の2枚の画像データから各画像データがカラーデータかモノクロデータかを判断し、図6の(a)及び(b)に示すように両データが共にモノクロデータであるタイプ番号0の場合、転写体上にK色のみの画像を形成して一丁掛モノクロ記録により画像を記録し、最も過去に受信した未処理の2枚の画像データにカラーデータが含まれているタイプ番号1乃至3の場合、二丁掛カラー記録により画像の記録を行う。なお、タイプ番号0の一丁掛モノクロ記録では、1枚目の画像の記録中に2枚目の記録紙が給紙されるため、1枚目の記録が行われた後、即座に2枚目の画像の記録が行われる。
【0004】
従って、2枚の画像データが共にカラーデータである場合、二丁掛カラー記録を行うことによりそれぞれの画像を1枚ずつ記録する一丁掛カラー記録に比べ約半分の時間で画像を記録することができ、また、2枚の画像データがカラーデータとモノクロデータである場合、一丁掛カラー記録と一丁掛モノクロ記録により画像を記録したタイプ番号(1)又は(2)の記録よりも短い時間で画像を記録することが可能である。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−328322号公報(第11頁、第11図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この印刷装置では、データ受信部で受信した未処理の2枚の画像データを基に二丁掛カラー記録を行うか否かを判断し制御しているため、コピー印刷を行う場合など原稿の画像データがデータ受信部に読み込まれるまでは二丁掛カラー記録による記録が可能か否かを判断することはできない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、複数枚の原稿の読み取りが完了する前に、原稿のサイズ、出力倍率、原稿の枚数、記録部数に基づいて複数丁掛記録が可能か否かを判断し制御することが可能な画像読取記録装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像読取記録装置は、原稿の画像データを読み取ると共に、前記画像データに対応する2以上の所定数の画像を1の中間転写ドラム上に形成して、前記所定数の枚数の記録紙のそれぞれに前記所定数の画像のうち1の画像を記録する記録プロセスである複数丁掛記録が可能な画像読取記録装置において、原稿のサイズ及び出力倍率に基づいて取得される記録紙のサイズがこの装置により記録可能な最大の記録紙サイズの半分以下であって、且つ、原稿の枚数及び記録部数に基づいて取得される記録枚数が2枚以上であるか否かを原稿の画像データの読み取りが完了する前に判断し、前記取得される記録紙のサイズが前記最大の記録紙サイズの半分以下であって、且つ、前記記録枚数が2枚以上である場合に複数丁掛記録を選択して実行し、その他の場合は一丁掛記録を選択して実行することを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の画像読取記録装置は、自動原稿給送部を備え、原稿が前記自動原稿給送部に載置された場合に、1枚目の原稿を読み取った段階で次ページの原稿を検出したか否か、又は、前記次ページの原稿が検出されず原稿の読み取り開始前に予め設定された記録部数が2部以上であるか否かに基づいて、前記記録枚数が2枚以上であるか否かを判断することを特徴としている。請求項3記載の画像読取記録装置は、フラットベッド読取部を備え、原稿が前記フラットベッド読取部に載置された場合に、原稿の読み取り開始前に予め設定された記録部数が2部以上であるか否かに基づいて、前記記録枚数が2枚以上であるか否かを判断することを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の画像読取記録装置は、読み取られた前記原稿の画像データを、第1から第nまでのn種の色彩データに変換し、各色彩データに基づいて前記原稿の画像データの画像を記録紙に記録する画像読取記録装置において、複数枚の原稿の画像データを読み取って複数丁掛記録を実行する場合には、1枚目の原稿の画像データに対して全ての色彩データへの変換を完了する前に2枚目以降の原稿の画像データに対して第1の色彩データへの変換を行い、前記複数枚の原稿の画像データのそれぞれについて少なくとも第1の色彩データへの変換を行った後に、記録紙へ前記複数枚の原稿の画像データの画像を記録するための動作を開始する制御を行うことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る画像読取記録装置をコピー機能、ファクシミリ機能、インターネットファクシミリ機能、スキャナ機能及びプリンタ機能を有する複合機に適用した場合について図面に基づき説明する。図1に示すように、画像読取記録装置1は、制御部(MPU)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、原稿読取部5、操作部6、表示部7、通信部8、変換回路11、メモリ管理回路12、コーデック13、画像メモリ14、記録部15及びLANI/F(Local Area Network Interface)16を備えたものであって、各部2乃至16は、バス17によって通信可能に接続されている。
【0012】
前記制御部2は、所定のプログラムに従って、この画像読取記録装置1を構成する各部を制御する。
【0013】
前記ROM3は、前記制御部2によりこの画像読取記録装置1の各部の動作が制御されるための各種プログラムを記憶しているメモリである。具体的には、画像データを記録紙に記録する場合に、複数丁掛記録が可能か否かを判断し制御するための判断処理プログラムや、原稿読取部5で読み取られた画像データに対し記録部15で記録紙に記録されるまでに行われる補正、色変換などを行うための画像処理プログラムを記憶している。
【0014】
前記RAM4は、登録されたファクシミリ番号、メールアドレス等を記憶する記憶部として、また、コピーを行う際に原稿読取部5に載置された原稿のサイズ及び操作部6において設定された出力倍率に基づいて取得する記録紙のサイズ、原稿読取部5に載置された原稿の枚数及び操作部6において設定された記録部数に基づいて取得する記録枚数などの諸データを一時的に記憶する記憶部として機能するメモリである。
【0015】
前記原稿読取部5は、自動原稿給送部(ADF:Automatic Document Feeder)5a及びフラットベッド読取部(FBS:Flat Bed Scanner)5bを備えており、カラーCCD(Charge Coupled Device)により原稿の画像データの読み取りを行うと共に原稿のサイズの検出を行い、前記自動原稿給送部5aは、原稿の読み取りを行った後に、次ページの原稿があるか否かの検出を行う。
【0016】
前記操作部6は、ファクシミリ番号、記録部数等を入力するためのテンキー、前記原稿読取部5に載置された原稿の読み取り動作の開始及びファクシミリ送信を指示するためのスタートキー、各種設定を行うためのカーソルキー等から構成される操作キーを具備しており、この画像読取記録装置1において複数丁掛記録が可能な場合に、自動的に複数丁掛記録を選択して実行させるか否かの設定はこの操作部6において行われる。
【0017】
前記表示部7は、この画像読取記録装置1の状態に関する情報、各種操作指示入力画面、エラー警告、設定状態、動作状態等を表示する液晶表示装置やLEDランプを具備している。
【0018】
前記通信部8は、モデム9及びNCU(Network Control Unit)10を備えており、モデム9は、例えばITU−T(国際電気通信連合)の勧告V.34規格又はこれと同様のものに従った送受信データの変調及び復調を行い、NCU10は、電話回線を制御して電話をかけたり、切ったりする回線網制御装置であり、PSTN(Public Switched Telephone Network)18に接続されている。
【0019】
前記変換回路11は、第1変換回路11a及び第2変換回路11bを備えており、第1変換回路11aは、前記原稿読取部5で読み取られたRGB表色系の画像データのシェーディング補正、ライン補正等の各種補正等を行うと共に、そのRGB表色系の画像データをL*a*b*表色系へと変換する回路であり、第2変換回路11bは、前記第1変換回路11aでL*a*b*表色系に変換された画像データをKCMYの出力表色系へと変換すると共に誤差拡散処理等を行って二値化する処理を行う回路である。なお、カラー原稿をモノクロで記録する場合、前記原稿読取部5で読み取られたカラー多値データは、前記第1変換回路11aにおいてモノクロ多値データに変換される。
【0020】
前記メモリ管理回路12は、多値メモリ管理回路12a及び二値メモリ管理回路12bを具備しており、多値メモリ管理回路12aは、前記第1変換回路11aで処理された画像データを多値メモリ14bに蓄積すると共に、該多値メモリ14bに蓄積されている画像データを所定の出力先へ出力する管理を行う回路であり、二値メモリ管理回路12bは、前記第2変換回路11bで処理され二値化された画像データ及びプリントコーデック13cで復号化された画像データを二値メモリ14cに蓄積すると共に、該二値メモリ14cに蓄積されている画像データを所定の出力先へ出力する管理を行う回路である。
【0021】
前記コーデック13は、所定のプロトコルに対応して符号化(エンコード)・復号化(デコード)するものであり、JPEG(Joint Photographic Experts Group)コーデック13a、スキャナコーデック13b及びプリントコーデック13cを具備している。前記JPEGコーデック13aは、前記原稿読取部5で読み取られた画像データをクライアントPC20に送出する場合等、多値メモリ14bに蓄積された画像データをJPEG方式に対応して符号化するものである。前記スキャナコーデック13bは、二値メモリ14cに蓄積された画像データをMH(Modified Huffman)、MR(Modified Read)、MMR(Modified Modified Read)方式等により符号化するものであり、電子メールに添付可能なファイルとして一般的に利用される画像フォーマットであるTIFF(Tagged Image File Format)方式にも対応して符号化するものである。前記プリントコーデック13cは、符号化メモリ14aに蓄積されている画像データを記録紙へ記録するために記録部15の記録動作に合わせてKCMYの各色彩データに復号化するものである。
【0022】
前記画像メモリ14は、符号化メモリ14a、多値メモリ14b及び二値メモリ14cを具備しており、符号化メモリ14aは、ファクシミリ受信、或いはクライアントPC20から受信した画像データや前記原稿読取部5で読み取られ符号化された画像データを一時的に記憶するメモリであり、多値メモリ14bは、前記第1変換回路11aでL*a*b*表色系に変換された多値の画像データを一時的に記憶するメモリであり、二値メモリ14cは、前記第2変換回路で二値化された画像データ等を一時的に記憶するメモリである。
【0023】
前記記録部15は、電子写真方式のものからなり、前記原稿読取部5で読み取られた画像データやファクシミリ受信した画像データ等に白マスク、スムージング等の処理を行った後、記録紙に記録する部分である。この記録部15は、図2に示すように中間転写ドラム25、中間転写ベルト26、トナー27、露光装置28、転写ローラ29、定着器30、用紙トレイ31等を具備している。
【0024】
前記LANI/F16は、LAN(Local Area Network)19とのインターフェイスを備えており、この画像読取記録装置1とLAN19を介してクライアントPC20、メールサーバ21等とを通信可能に接続している。
【0025】
上記構成を備える前記画像読取記録装置1は、LAN19を通じてクライアントPC20、メールサーバ21及びルータ22と通信可能に接続されており、原稿読取部5で読み取られた画像データを記録紙に記録するコピー機能の他に、インターネット23を通じて他のインターネットファクシミリ装置等(不図示)に対して画像データを電子メールに添付して送受信するインターネットファクシミリ機能、前記PSTN18を通じて他のG3ファクシミリ装置(不図示)に対してファクシミリ送受信するファクシミリ機能、LAN19を通じてクライアントPC20から送出される画像データを受信して記録紙に記録するネットワークプリンタ機能等を備える。
【0026】
以下、原稿読取部5において読み取られた原稿の画像データがKCMYの4種の色彩データに変換され記録紙に記録されるまでに行われる画像処理のデータ転送の流れについて図1及び図3に基づいて説明する。
【0027】
図3に示すように、原稿読取部5の備えるカラーCCDによって読み取られた原稿の画像データは、ADコンバータ(不図示)によってデジタル信号に変換された後、前記第1変換回路11aによって画像処理が行われた後、前記多値メモリ14bに一時的に蓄積される。すなわち、処理C1においてシューディング補正、ライン補正及びずれ補正の入力色補正が行われ、続いて処理T1においてRGB表色系から、例えば、L*a*b*表色系へと入力色変換が行われ、処理C4において拡大、縮小、地色補正等が行われた後、前記多値メモリ管理回路12aによって多値メモリ14bに一時的に蓄積される(処理C2aライト)。なお、前記原稿読取部5で読み取られたカラー画像データをモノクロで記録紙に記録する場合には、カラー画像データは処理C4においてモノクロ画像データに変換されてから多値メモリ14bに蓄積される。
【0028】
その後、多値メモリ14bに一時的に蓄積された画像データは、前記多値メモリ管理回路12aによって読み出され(処理C2aリード)、第2変換回路11bへと送られ、そこで処理T2においてL*a*b*表色系から画像データを記録紙に記録するためのKCMYの各色彩データへと出力色変換される。これらKCMYの各出力色に変換された色彩データは、処理C5において誤差拡散処理等が行われて二値化された後、前記二値メモリ管理回路12bによって前記二値メモリ14cに一時的に蓄積される(処理C2bライト)。
【0029】
前記二値メモリ14cに蓄積された各色彩データは、二値メモリ管理回路12bによって読み出され(処理C2bリード)、前記スキャナコーデック13bに送られた後、符号化されて符号化メモリ14aに蓄積される。
【0030】
符号化され符号化メモリ14aに蓄積された色彩データは、前記記録部15の動作に合わせて所定のタイミングでプリントコーデック13cによって各色彩データ毎に復号化された後、前記二値メモリ管理回路12bによって二値メモリ14cに一時的に蓄積される。この各色彩データは、各色彩データ毎に記録紙に記録するのに必要なページ分の復号化が完了し二値メモリ14cに蓄積された段階で二値メモリ管理回路12bによって二値メモリ14cから読み出され(C2bリード)、各色彩データ毎に記録部15へと送られる。
【0031】
前記記録部15へと送られた各色彩データは、白マスク、スムージング等の画像処理が施された後、前記記録部15によって記録紙に記録される。そこで、以下に原稿読取部5によって読み取られた複数枚の原稿の画像データが図2に示した前記記録部15によって二丁掛記録により記録紙に記録される場合を例として、上記の原稿の読み取りから記録部15で記録されるまでに行われる画像処理のタイミング及び記録部15で行われる各色彩データの記録動作の一例について図2乃至4に基づいて説明する。
【0032】
図3及び図4に示すように、原稿読取部5で読み取られた画像データは、前記第1変換回路11aによって各種補正、色変換等が行われ多値メモリ14bに蓄積された後出力色変換が行われるが、前記第2変換回路11bの処理T2におけるその出力色変換は、多値メモリ14bに所定のライン数、例えば、100ラインの画像データが蓄積された時点で開始される。これは、原稿の画像データが読み取られてから出力色変換されるまでにかかる時間を短縮するためである。従って、原稿読取部5における原稿の読み取り及び第1変換回路11aにおける画像処理が行われると共に所定のライン数の画像データが読み取られてから1枚目の原稿の画像データに関しK成分、C成分の色彩データへの変換が行われた後、2枚目の原稿の画像データに関しK成分、C成分の色彩データへの変換が行われる。その後、この時点で既に読み取りが完了し前記多値メモリ14bに蓄積されている1枚目と2枚目の原稿の画像データに関しM成分、Y成分の色彩データへの変換が引き続き行われる。
【0033】
よって、2枚目の原稿のK成分についての色彩データへの変換が完了した時点で、原稿の1枚目及び2枚目のK成分に関する色彩データへの変換が完了しており、K成分に関する2ページ分の像を形成することが可能なので、この時点で前記記録部15における処理C3を開始する。すなわち、図2に示すように所定のタイミングで中間転写ベルト26、中間転写ドラム25、転写ローラ29をそれぞれ矢印方向に回転させると共に、中間転写ドラム25、帯電装置(不図示)、転写ローラ29に所定のバイアス電圧を印加する。そして、中間転写ベルト26に対して露光装置28によって前記二値メモリ管理回路12bから送られてきたK成分の色彩データに基づいて1枚目及び2枚目の原稿のK成分に関する静電潜像を形成し、その静電潜像に関するK色のトナー27aを接触させることにより中間転写ベルト26上にトナー現像させる。現像後のトナー像は、前記中間転写ベルト26及び前記中間転写ドラム25の回転により該中間転写ドラム25上に転写される。その後、前記中間転写ベルト26に対しては除電及びクリーニング処理が行われ、他の色彩データの現像に備える。
【0034】
このように二丁掛記録を行う場合、1枚目の原稿の画像データに対してKCMY全ての色彩データへの変換を完了する前に、2枚目の原稿の画像データの第1の色彩データ、本実施の形態ではK成分の色彩データへの変換を先に行うことで、1枚目の原稿に関する全ての色彩データへの変換を完了した後に2枚目の画像の色彩データへの変換を行って二丁掛記録を行う場合に比べ、より早いタイミングで画像を記録する動作を開始することができるため、より短い時間での画像記録が可能である。
【0035】
K成分の色彩データの転写が完了した後、上記の転写プロセスをC、M、Yの各色彩データについても順次行い、前記中間転写ドラム25上にKCMYの4色からなる2ページ分のカラー画像32a及び32bを形成させる。続いて、所定のタイミングで用紙トレイ31から2枚の記録紙が連続して中間転写ドラム25と転写ローラ29の間に供給されると共に、所定の転写バイアス電圧を印加することによりカラー画像32a及び32bは2枚の記録紙上に転写される。この画像が転写された後の記録紙は、除電剥離された後、前記カラー画像32a及び32bを定着させるために定着装置30によって加熱処理が行われた後、図外の排紙トレイ上に排出される。また、記録紙に記録される画像にモノクロ画像が含まれている場合であっても、同様に二丁掛記録による画像の記録を行うことが可能である。
【0036】
ここでは二丁掛記録について説明したが、三丁掛以上の場合も同様に複数枚の原稿の画像データについて、少なくとも第1の色彩データへの変換が完了した後に記録紙へ画像データを記録するための動作を開始して複数枚の記録紙に画像を記録すると好適である。
【0037】
以下、自動原稿給送部5a又はフラットベッド読取部5bに載置された原稿の画像データを記録紙に記録する場合に、複数丁掛記録を実行するか又は一丁掛記録を実行するかを判断する動作処理について、複数丁掛記録が二丁掛記録である場合を例として図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0038】
前記原稿読取部5に原稿が載置されると、前記制御部2はその原稿が自動原稿給送部(ADF)5aに載置されたのか、又はフラットベッド読取部(FBS)5bに載置されたのかを判断する(S1)。原稿がフラットベッド読取部5bに載置された場合(S1:FBS)、原稿の枚数は1枚であると判断することができる。そこで次に、原稿の読み取りの際に検出された原稿のサイズ及び前記操作部6においてスタートキー押下前に予め設定されている出力倍率に基づいて前記RAM4に予め記憶されている記録紙のサイズがこの画像読取記録装置1により記録可能な最大の記録紙サイズの半分以下であるか否かを判断する(S2)。なお、最大の記録紙サイズの半分以下とは、記録紙を2枚以上並べて配置したときに最大の記録紙サイズ内に納まるサイズであり、例えば、この画像読取記録装置1により記録可能な最大の記録紙サイズがA3(日本工業規格A列3番)である場合には、A3と縦方向の長さが同じで横方向の長さが半分のサイズに該当するA4R以下のサイズであるか否かを判断する。ここで、画像が記録される記録紙のサイズがこの画像読取記録装置1により記録可能な最大の記録紙サイズの半分以下ではない場合(S2:NO)、複数丁掛記録による画像の記録は行えないため、一丁掛記録により画像を記録する(S5)。なお、前記操作部6において予め出力倍率の設定が行われていない場合には、原稿読取部5で検出された原稿のサイズが原稿の画像データが記録される記録紙のサイズとしてRAM4に記憶される。
【0039】
前記S2において、画像が記録される記録紙のサイズがこの画像読取記録装置1により記録可能な最大の記録紙サイズの半分以下である場合(S2:YES)、前記操作部6においてスタートキー押下前に設定され予めRAM4に記憶されている記録部数が2部以上であるか否かを判断する(S3)。記録部数が2部以上ではない場合(S3:NO)、上記の通り原稿の枚数は1枚で記録部数は1部と判断できるので、記録枚数は1枚であるため一丁掛記録により画像を記録する(S5)。一方、記録部数が2部以上である場合(S3:YES)、原稿の枚数は1枚で記録部数は2部以上と判断できるので、記録枚数は2枚以上であるため二丁掛記録により画像を記録する(S4)。
【0040】
一方、原稿が自動原稿給送部(ADF)5aに載置されている場合(S1:ADF)、自動原稿給送部5aで検出された原稿のサイズ及び前記操作部6においてスタートキー押下前に設定されている出力倍率に基づいて予めRAM4に記憶されている記録紙のサイズがこの画像読取記録装置1により記録可能な最大の記録紙サイズの半分以下であるか否かを判断する(S6)。そのサイズが半分以下ではない場合(S6:NO)、複数丁掛記録により画像を記録することはできないため、一丁掛記録により画像を記録する(S11)。一方、S6において原稿の画像データが記録される記録紙のサイズがこの画像読取記録装置1により記録可能な最大の記録紙サイズの半分以下である場合(S6:YES)、1枚目の原稿の画像データを読み取る(S7)。そして、ここで原稿が載置されているのは自動原稿給送部5aであり原稿の枚数が2枚以上である可能性があるので、1枚目の原稿を読み取った段階で次ページの原稿があるか否かの検出を行い(S8)、次ページの原稿が検出された場合(S8:YES)、記録枚数は2枚以上となるので二丁掛記録により画像を記録する(S9)。
【0041】
一方、前記S8で自動原稿給送部5a上に次ページの原稿が検出されなかった場合(S8:NO)、原稿は1枚であるため前記操作部6において予め設定されている記録部数が2部以上であるか否かを判断する(S10)。記録部数が2部以上である場合(S10:YES)、原稿の枚数は1枚で記録部数は2部以上と判断できるので、記録枚数は2枚以上であるため前記S7で読み取られた原稿の画像データを前記中間転写ドラム25上に2つ形成させ、二丁掛記録によりその画像を記録する(S9)。また、前記操作部6において設定された記録部数が1部である場合(S10:NO)、原稿の枚数は1枚で記録部数は1部と判断できるので、記録枚数は1枚であるため前記S7で読み取られた画像データを一丁掛記録により記録する(S11)。
【0042】
なお、前記操作部6において予めソートの設定が行われている場合には、以上説明した図5に示したフローチャートに基づいて行われる記録部数の判断においては、記録部数は2部以上であると判断される。また、二丁掛記録により画像が記録される場合であっても、画像が記録される記録枚数が奇数枚である場合には、最後の記録紙への画像の記録は一丁掛記録により行われる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態では複数丁掛記録の例として二丁掛記録について説明したが、記録可能な最大の記録紙サイズの中に3枚以上入るサイズの記録紙が指定された場合に、1回の記録プロセスにより3枚以上の記録紙のそれぞれに画像を記録する場合にも、当然に本発明を適用することは可能である。
【0044】
【発明の効果】
請求項1記載の画像読取記録装置によれば、画像が記録される記録紙のサイズ及び記録枚数に基づいて複数丁掛記録が可能か否かを判断するため、複数枚の原稿の画像データの読み取りが完了していなくても複数丁掛記録が実行可能か否かを判断できるので、読み取った画像データの情報から複数丁掛記録が実行可能か否かを判断する画像読取記録装置に比べ、より早い段階で複数丁掛記録が実行可能か否かを判断することができる。
【0045】
請求項2及び3に記載の画像読取記録装置によれば、画像が記録される記録紙のサイズがこの装置により記録可能な最大の記録紙サイズの半分以下であって、原稿が自動原稿給送部に載置され1枚目の原稿を読み取った段階で次ページの原稿を検出した場合、或いは、原稿がフラットベッド読取部又は自動原稿給送部に載置され記録部数が2部以上である場合に複数丁掛記録を選択して実行し、その他の場合は一丁掛記録を選択して実行するので、複数丁掛記録が実行可能か否かを容易に判断して制御することが可能である。
【0046】
請求項4記載の画像読取記録装置によれば、複数枚の原稿を読み取って複数丁掛記録を実行する場合に、複数枚の原稿の画像データについて少なくとも第1の色彩データへの変換が完了した後に記録紙への記録動作を開始するので、各ページ毎にn種全ての色彩データへの変換を行って複数丁掛記録を行う従来の画像読取記録装置に比べて、より早く記録動作を開始することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像読取記録装置の内部構成の一例を説明するための図である。
【図2】二丁掛記録が可能な記録部の概略図である。
【図3】原稿読取部で読み取られた原稿の画像データに対して行われる画像処理のデータ転送の流れを示した図である。
【図4】二丁掛記録が行われる場合の画像読取記録装置における動作シーケンスを示した図である。
【図5】二丁掛記録が可能であるか否かを判断するための動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】従来の画像読取記録装置における二丁掛記録が可能か否かの判断及び印刷手順を説明するための図である。
【符号の説明】
1 画像読取記録装置
2 制御部(MPU)
4 RAM
5 原稿読取部
5a 自動原稿給送部(ADF)
5b フラットベッド読取部(FBS)
6 操作部
11 変換回路
12 メモリ管理回路
13 コーデック
14 画像メモリ
15 記録部
Claims (4)
- 原稿の画像データを読み取ると共に、前記画像データに対応する2以上の所定数の画像を1の中間転写ドラム上に形成して、前記所定数の枚数の記録紙のそれぞれに前記所定数の画像のうち1の画像を記録する記録プロセスである複数丁掛記録が可能な画像読取記録装置において、
原稿のサイズ及び出力倍率に基づいて取得される記録紙のサイズがこの装置により記録可能な最大の記録紙サイズの半分以下であって、且つ、原稿の枚数及び記録部数に基づいて取得される記録枚数が2枚以上であるか否かを原稿の画像データの読み取りが完了する前に判断し、
前記取得される記録紙のサイズが前記最大の記録紙サイズの半分以下であって、且つ、前記記録枚数が2枚以上である場合に複数丁掛記録を選択して実行し、その他の場合は一丁掛記録を選択して実行することを特徴とする画像読取記録装置。 - 自動原稿給送部を備え、
原稿が前記自動原稿給送部に載置された場合に、1枚目の原稿を読み取った段階で次ページの原稿を検出したか否か、又は、前記次ページの原稿が検出されず原稿の読み取り開始前に予め設定された記録部数が2部以上であるか否かに基づいて、前記記録枚数が2枚以上であるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の画像読取記録装置。 - フラットベッド読取部を備え、
原稿が前記フラットベッド読取部に載置された場合に、原稿の読み取り開始前に予め設定された記録部数が2部以上であるか否かに基づいて、前記記録枚数が2枚以上であるか否かを判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取記録装置。 - 読み取られた前記原稿の画像データを、第1から第nまでのn種の色彩データに変換し、各色彩データに基づいて前記原稿の画像データの画像を記録紙に記録する画像読取記録装置において、
複数枚の原稿の画像データを読み取って複数丁掛記録を実行する場合には、
1枚目の原稿の画像データに対して全ての色彩データへの変換を完了する前に2枚目以降の原稿の画像データに対して第1の色彩データへの変換を行い、
前記複数枚の原稿の画像データのそれぞれについて少なくとも第1の色彩データへの変換を行った後に、記録紙へ前記複数枚の原稿の画像データの画像を記録するための動作を開始する制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像読取記録装置。
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