JP3763259B2 - 記録装置の紙送り装置及び記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ等の記録装置に係り、記録ヘッドの上流側近傍に配置された紙送りローラと、記録ヘッドの下流側近傍に配置された排紙ローラとを備える記録装置の紙送り装置およびそれを備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来のプリンタは、紙送りローラにより用紙を定速で送りながら印刷を行い、用紙の終端が紙送りローラを外れた後は印刷を行うことなく、排紙ローラにより排紙するように構成されている。排紙ローラの排紙速度は、紙送りローラの紙送り速度と同じではなく、紙送り速度よりも増速率sだけ速い速度に設定されている。その理由は、紙送りローラと排紙ローラの両方が用紙を挟持している状態で、排紙ローラの排紙速度が紙送りローラの紙送り速度より遅くなると、用紙が両ローラの間で撓んでしまい、その結果印刷画質が低下したり、用紙が印字ヘッドに触れて汚損する虞があるからである。
【0003】
また、前記紙送りローラによる用紙押さえ力は、排紙ローラによる押さえ力よりも大きく設定されているため、紙送りローラと排紙ローラの両方が用紙を挟持している状態にあるときの用紙搬送速度は、排紙ローラの排紙速度とは関係なく紙送りローラの紙送り速度で規定されるようになっている。従って、排紙ローラにはバックテンションが掛かり、排紙ローラの軸体には撓み力が作用し、該軸体は、その両端の軸受に軸支されている部分に対して、その中央部分が僅かではあるが弓なりに湾曲する、すなわち撓むことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記で説明したように、用紙のバックテンションにより排紙ローラの軸体が撓んでいると、用紙の終端が紙送りローラから外れてバックテンションが開放された瞬間に軸体に作用していた撓み力の反作用として戻り力が働き、用紙搬送速度が瞬間的に大きくなる。この点、従来のプリンタでは用紙の終端が紙送りローラを外れた後は印刷しないため、上記戻り力の影響で用紙搬送速度が大きくなっても特に不都合はなかった。
【0005】
しかし、最近では用紙の終端近くまで印刷を行うというユーザニーズがあり、これを実現するためには、用紙の終端が紙送りローラから外れた後も印刷を継続しなければならない。この場合、用紙の終端が紙送りローラを外れた瞬間に排紙ローラの撓みの戻り力によって用紙搬送速度が瞬間的に大きくなり、ヘッドの移動がこれに対応していないために印刷画質が低下するという問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、用紙の終端が紙送りローラを外れた後に記録を継続する場合にも、その記録画質が低下しない記録装置の紙送り装置およびそれを備えた記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、記録ヘッドの上流側近傍に配置された紙送りローラと、記録ヘッドの下流側近傍に配置され、排紙駆動ローラと排紙従動ローラとを備える排紙ローラと、用紙を下から支えて記録ヘッドとの距離を規定するプラテンと、を備え、前記紙送りローラと排紙ローラの両方によって用紙が挟持されているときには前記排紙ローラにバックテンションが掛かる状態で用紙が送られ、用紙の終端が紙送りローラから外れた後も用紙に記録可能な構成を備える記録装置の紙送り装置であって、前記排紙駆動ローラの軸体を該軸体の両端で支持する両端支持部材と、該軸体の両端の間の少なくとも1カ所において該軸体の少なくとも上流側方向への撓みを規制するように支持する中間支持部材と、を備え、前記プラテンが樹脂成形によって形成されるとともに、前記中間支持部材が、主走査方向に延びる形状を成す前記プラテンの基体に、樹脂成形によって一体的に設けられ、前記プラテンの基体は、主走査方向に延びる形状を成すとともに、上流側方向への変形を規制する第1の補強部材を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明によれば、紙送りローラと排紙ローラの両方によって用紙が挟持されているときには、排紙駆動ローラにバックテンションが掛かるが、当該中間支持部材が、該バックテンションに起因する排紙駆動ローラの軸体の上流側方向への撓みを防止する。これにより、用紙の終端が、前記紙送りローラから外れた瞬間に該用紙が搬送方向の下流側へ急速に移動することがなくなり、記録の品質を維持することができる。
また、本発明は、用紙を下から支えて記録ヘッドとの距離を規定するプラテンを備え、前記中間支持部材が該プラテンの基体に取り付けられ、前記プラテンの基体が、上流側方向への変形を規制する第1の補強部材を備えていることを特徴とする。紙送りローラと排紙ローラの両方によって用紙が挟持されているときには、排紙駆動ローラにバックテンションが掛かり、前述した中間支持部材は、該バックテンションに起因する排紙駆動ローラの軸体の上流側方向への撓みを防止する役割を果たす為に紙送り装置に取り付けられる。しかし、中間支持部材が用紙を下から支えて記録ヘッドとの距離を規定するプラテンの基体に取り付けられ、そして該プラテンの基体それ自体の剛性が低い様な場合には、中間支持部材が排紙駆動ローラの軸体の撓みを受けるとこれによってプラテンの基体が変形する、即ち、上流側に変形する虞がある。しかし、本発明によれば、上流側への変形を規制する第1の補強部材を備えているので、該第1の補強部材の剛性によってその様な不具合を防止できる。
【0009】
また、本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された記録装置の紙送り装置において、前記中間支持部材は、前記排紙駆動ローラの軸体の全周囲を支持する支持面を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、請求項1に記載された発明の作用効果に加えて、用紙の終端が紙送りローラから外れた瞬間、用紙の搬送時、あるいはキャリッジの往復移動時等に、排紙駆動ローラの軸体が上下前後いずれの方向にも振動することが防止される。
【0010】
また、本願請求項3に記載の発明は、請求項1に記載された記録装置の紙送り装置において、前記中間支持部材は、前記排紙駆動ローラの軸体の前後の面及び下面を支持する支持面を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、請求項1に記載された発明の作用効果に加えて、用紙の終端が紙送りローラから外れた瞬間、用紙の搬送時、あるいはキャリッジの往復移動時等に、排紙駆動ローラの軸体が前後方向に振動することが防止される。また排紙駆動ローラを交換等する場合には、中間支持部材の上方が開放されているので容易に軸体を中間支持部材から取り外すことができる。
【0011】
また、本願請求項4に記載の発明は、請求項1に記載された記録装置の紙送り装置において、前記中間支持部材は、前記排紙駆動ローラの軸体の後側の面及び下面を支持する支持面を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、請求項1に記載された発明の作用効果に加えて、排紙駆動ローラの軸体が撓む可能性のある方向のみ支持することができるので、軸体周面と中間支持部材との摩擦を最小限に抑えることができ、軸体の滑らかな回転を阻害することがない。
【0013】
また、本願請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項において、前記プラテンの基体が、用紙支え面と直交する方向の変形を規制する第2の補強部材を備えていることを特徴とする。本発明によれば、プラテンの基体が用紙支え面と直交する方向の変形を規制する第2の補強部材を備えているので、これによってプラテンの用紙支え面と直交する方向の変形が規制され、以て用紙と記録ヘッドとの距離(ペーパーギャップ)を主走査方向において均一に保つことができると共に、該変形が中間支持部材を介して排紙駆動ローラ軸体に悪影響(軸体を変形させる、或いは、軸体の円滑な回動動作を阻害する、等)を及ぼす不具合を防止することができる。
【0014】
また、本願請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記第1の補強部材及び前記第2の補強部材が、金属からなる板状体を断面視略L字形となるように折り曲げることにより一体的に形成されていることを特徴とする。本発明によれば、第1の補強部材と第2の補強部材とが金属からなる板状体の断面視略L字形となる折り曲げによって体的に形成されているので、第1の補強部材と第2の補強部材の形成に際しては金属板を折り曲げるのみで足り、以て安価に第1の及び第2の補強部材を得ることができる。
【0015】
また、本願請求項7に記載の発明に係る記録装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された紙送り装置を備えて成ることを特徴とする。本発明によれば、用紙の終端が紙送りローラを外れた後に記録を継続する場合にも、その記録画質が低下しない記録装置となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態に係るプリンタの紙送り装置を備えるインクジェットプリンタの側断面図であり、図2は同プリンタの紙送り装置部分の上面図(A)及び駆動系の側面図(B)である。また図3は同プリンタの紙送り装置の拡大平面図(A)および側断面図(B)であり、図4乃至図6は同プリンタの紙送り装置の中間支持部材の各種態様を示す側断面図である。
図1において、符号1は、本発明に係るプリンタの紙送り装置を適用したインクジェットプリンタを示す。インクジェットプリンタ1は、プリンタ本体3と、該プリンタ本体3の後方上部に設けられる給紙部5と、プリンタ本体3の前方に形成される排紙部7とを備えて成る。
【0017】
給紙部5にはホッパ11が設けられており、該ホッパ11には複数枚の用紙Pが積載できると共に、図示しないバネによって用紙Pの下端部の面を後述する給紙ローラ13に押し付けるようになっている。該ホッパ11の直ぐ下流側には給紙ローラ13が設けられている。該給紙ローラ13は、対向する分離パッドとの間で給紙トレイ11の最上位に位置する用紙Pを挟圧して次位の用紙と分離し、1枚ずつ前方へ送り出す作用をする。
【0018】
前記給紙ローラ13によって送り出された用紙Pは、下側に位置する紙送り駆動ローラ15及び上側に位置する紙送り従動ローラ17から構成される紙送りローラ19の部分に至り、そこで後述する駆動系により印刷工程における精密な紙送り動作を受けながら、紙送りローラ19の用紙搬送方向の下流側に位置する印刷ヘッド21へ給紙されるようになっている。
【0019】
印刷ヘッド21はキャリッジ23に支持されており、キャリッジ23は給紙方向と直交する方向(主走査方向)へ往復移動できるようになっている。印刷ヘッド21と対向する位置にはプラテン25が設けられており、該プラテン25は、印刷ヘッド21によって用紙Pに印刷を行う際に、用紙Pを下側から支持する作用をなす。印刷ヘッド21とプラテン25との距離は、用紙Pの厚さによって適宜調節できるようになっており、これにより用紙Pはプラテン25上を滑らかに通過しながら、高品質の印字、印画等の印刷が行えるようになっている。印刷ヘッド21で印字された用紙Pは、排紙部7に設けられる排紙ローラ27によって順次排出される。
【0020】
前記排紙ローラ27は、下側に位置する排紙駆動ローラ29及び上側に位置する排紙従動ローラ31(歯付きローラまたはギザローラとも言う。)から構成されており、用紙Pが排紙駆動ローラ29の回転駆動により引き出されて排出される機構となっている。
【0021】
ここで,紙送りローラ19及び排紙ローラ27における各駆動ローラ15,29の駆動系及び両駆動ローラ15,29の駆動速度の関係について説明する。図2(B)に示す如く、プリンタ本体3には紙送りモータ32が設けられ、その駆動軸に設けられたピニオン33には,紙送り駆動ギア35が歯合している。紙送り駆動ギア35の回転軸は、紙送り駆動ローラ15の軸体37となっている。
【0022】
また,紙送り駆動ギア35と同軸的に設けられるインナギア39には,中間ギア41が歯合しており、該中間ギア41には排紙駆動ギア43が歯合している。排紙駆動ギア43の回転軸は、排紙駆動ローラ29の軸体45となっている。このようにして紙送りローラ19及び排紙ローラ27における各駆動ローラ15、29は同一の駆動源からの駆動力を受けて駆動することができる。
【0023】
中間ギア41等のギア比を調整することで、排紙駆動ローラ29の回転速度は紙送り駆動ローラ15の回転速度よりも速くなるように設定されている。従って排紙ローラ27の排紙速度は、紙送りローラ19の紙送り速度よりも増速率sだけ速い速度となっている。また紙送りローラ19による用紙押さえ力は、排紙ローラ27による押さえ力よりも大きく設定されているため、紙送りローラ19と排紙ローラ27の両方が用紙を挟持している状態にあるときの用紙搬送速度は、排紙ローラ27の排紙速度とは関係なく、紙送りローラ19の紙送り速度で規定されるようになっている。
【0024】
従って、排紙ローラ27にはバックテンションが掛かり、排紙駆動ローラ29の軸体45には、紙送りローラ19側(搬送方向の上流側)へ引っ張られる力が作用することになる。本発明では排紙駆動ローラ29の軸体45が、バックテンションにより紙送りローラ19側へ引っ張られても撓むことがないように以下に説明するような構造に形成されている。
【0025】
先ず図3(A)に示す如く、排紙駆動ローラ29の軸体45の両端は、プリンタ本体3の基枠(サイドフレーム)47に設けられた両端支持部材49により回転可能な状態で支持されている。また、該排紙駆動ローラ29の両端の間の軸体45は、複数の位置において、プラテン25の基体48から延びる中間支持部材51によって支持されている。
【0026】
図4は、中間支持部材51が排紙駆動ローラ29の軸体45の全周囲を支持する支持面53を有する実施の形態を示す。本実施の形態によれば、中間支持部材51がバックテンションに起因する排紙駆動ローラ29の軸体45の上流側方向への撓みを規制するから、用紙Pの終端が、紙送りローラ19から外れた瞬間に用紙Pが仮流側へ急速に移動することがなくなり、印刷の品質を維持することができる。また用紙Pの終端が、紙送りローラ19から外れた瞬間、用紙Pの搬送時、あるいはキャリッジの往復移動時等に、排紙駆動ローラ29の軸体45が上下前後いずれの方向にも振動しないように軸体45を支持することができる。従って、軸体45の軸ぶれがなく、安定した用紙排出動作を行うことができる。
【0027】
また図5は、中間支持部材51が排紙駆動ローラ29の軸体45の前後の面(用紙の進行方向前方を前側とし、その反対側を後側とする)及び下面を支持する支持面53を有する実施の形態を示す。本実施の形態によっても、軸体45の後側の面を支持する支持面53が存在するため、軸体45が紙送りローラ19側へ撓むことが該支持面53により規制されている。更に、用紙Pの終端が紙送りローラ19から外れた瞬間、用紙Pの搬送時、あるいはキャリッジ23の往復移動時等に、排紙駆動ローラ29の軸体45が前後方向に振動して軸がぶれることを防止できる。
なお本実施の形態では、軸体45の上方が開放されているから、排紙駆動ローラ29を交換等する場合には、中間支持部材51の上方から容易に軸体45を取り外すことができる。
【0028】
更に図6は、中間支持部材51が排紙駆動ローラ29の軸体45の後側の面及び下面を支持する支持面53を有する実施の形態を示す。本実施の形態によっても、軸体45の後側の面を支持する支持面53が存在するため、軸体45が紙送りローラ19側へ撓むことが該支持面53により規制されている。本実施の形態では、排紙駆動ローラ29の軸体45が撓む可能性のある方向のみ支持することができるので、軸体45の周面と中間支持部材51との摩擦を最小限に抑えることができ、軸体45の滑らかな回転が保証される。
【0029】
図3に示す実施の形態では,排紙駆動ローラ29の両端の中間位置において複数の中間支持部材51によって軸体45を支持するようにしているが、中間支持部材51の数は,複数である必要はなく、例えば排紙駆動ローラ29のほぼ中央位置に軸体45を支持する1つの中間支持部材51だけを設けるようにしてもよい。
また複数の中間支持部材51を設ける場合には、中間支持部材51を排紙駆動ローラ29の長手方向の任意の位置に配置することができるが、軸体45の長さ方向に対してほぼ等間隔に間隔を開けて設けることが好ましい。
【0030】
次に、上記本実施の形態に係る本願発明の作用について説明する。用紙Pが、給紙ローラ13によって紙送りローラ19まで搬送されると、紙送りローラ19は用紙Pを印字ヘッド21の下側まで定速で搬送し、用紙の開始端から所定の位置より印字を開始する。その後、用紙の開始端が排紙ローラ27に入ると、排紙動作が始まる。この時、排紙ローラ27の搬送速度は紙送りローラ19の搬送速度より速く設定されているため、用紙Pにはバックテンションが掛かる。
【0031】
このバックテンションにより排紙駆動ローラ29には紙送りローラ19側へ撓もうとする力が作用するが、中間支持部材51があるため排紙駆動ローラ29は撓むことがない。その後、用紙Pの終了端が紙送りローラ19から離れるとき、排紙駆動ローラ29は撓んでいないため、用紙Pは排紙駆動ローラ29の撓みによる戻り力の影響を受けることなしに、搬送速度を変えずに進行する。従って、用紙Pの終了端が紙送りローラ19から離れた後も、それ以前と同様に高品質な印刷を引き続き行うことができる。このようにして例えばボトムマージン3mm程度までの印刷及び商品の形態のように可能となる。
【0032】
ところで、中間支持部材51は前述の如くプラテン25の基体48と一体的に形成され、当該中間支持部材51によって排紙駆動ローラ29の軸体45が支持され、以て軸体45の撓みの発生を防止しているが、このことは同時にプラテン25の基体48自身に変形を発生させる外力が働いていることにもなる。ここで、基体48の剛性がやや低い様な場合、前記外力に抗することができずに基体48自身に変形が生じる虞もある。従ってこの様な場合、基体48に変形を規制する為の補強部材を設けることが有効であり、図7乃至図9は、この様な本願発明の他の実施の形態、即ち、基体48に当該補強部材を設けた記録装置の紙送り装置の実施の形態を示している。以下、図7乃至図9を参照しつつ、当該紙送り装置について説明する。ここで、図7は紙送り装置の平面図であり、図8は同正面図(図7におけるy矢視図)である。また、図9は、紙送り装置の側断面図(図7におけるx−x断面図)である。尚、図7乃至図9においては、プラテン及び該プラテンの基体には新たな符号(符号60,61)を付してあり、その他の構成要素については、前述した本願発明の実施の形態と同一構成であるので、同じ符号を付して以下ではその説明は省略する。
【0033】
図7及び図9に示す様に、プラテン60の基体61は、前述したプラテン25と異なりインク打ち切り用の溝穴62を備え、更に、該溝穴62にはインク吸収材68が配設されている。溝穴62は、用紙Pの端部(始端、終端、及び両側端)に余白無く印刷する為の溝穴であって、用紙Pの端部が溝穴62の上部にさしかかった際、印刷ヘッド21から吐出されて用紙Pの側端に着弾しないインクが溝穴62に打ち捨てられ、これによってプラテン60にインクが付着して用紙Pを汚す不具合を防止している。また、溝穴62が形成されたことにより、プラテン60は、搬送方向上流側に位置するプラテン60aと下流側に位置するプラテン60bとの2つによって構成される。尚、インク吸収材68は、溝穴62内にインクが打ち捨てられる際の、所謂インクミストの発生を防止し、良好な印字品質を得るために配設される。
【0034】
次に、図7乃至図9の各図において示す様に、本実施形態においては、プラテン60の基体61の中央部付近に中間支持部材67が基体61と一体成形によって形成されている。中間支持部材67は軸体45の上側を支持する上支持部65と軸体45の下側を支持する下支持部66とによって構成され、また、図7及び図8に示す様に軸体45の軸線方向において、2つの上支持部65の中間部に下支持部66が位置する様に形成されている。従って軸体45は、軸線方向においてその中間付近を、図9に示す様に下支持部66の支持面66aと、上支持部65の支持面65aによって軸支されることになる。尚、本実施形態において中間支持部材67は軸体45の中間付近に一つ設置されているが、更にこれを増設することにより中間支持部材67の作用効果をより一層得ることが可能となる。
【0035】
従って、軸体45は支持面66aにより、軸体45が紙送りローラ19側へ撓むことが該支持面66aにより規制される。更に、用紙Pの終端が紙送りローラ19から外れた瞬間、用紙Pの搬送時、あるいはキャリッジ23の往復移動時等に、排紙駆動ローラ29の軸体45が前後方向に振動して軸がぶれることを防止できる。
【0036】
なお本実施の形態では、軸体45の上方に位置する上支持部65は樹脂成形によって弾性変形可能に形成されている為、これによって排紙駆動ローラ29を交換等する場合には、中間支持部材67の下方から容易に軸体45を取り外すことができ、また逆に、下方から容易に軸体45を取り付けることができる。
【0037】
次に、基体61には、図8及び図9に示す様にその変形を規制するための第1の補強部材64及び第2の補強部材63が排紙ローラ27側の下部に取り付けられている。第1の補強部材64は基体61の底部に配設され、これによって基体61の紙送りローラ19側への変形が規制される。即ち、板状体としての補強部材64は、平坦面が軸体45の撓み方向を含む平面と平行に配置されるので、板状体としての補強部材64の最も高剛性を発揮する方向が基体61の紙送りローラ19側への変形方向に配置されることになり、これによって基体61の紙送りローラ19側への変形が確実に規制される。また、これと同様な原理を以て第2の補強部材63が基体61の排紙ローラ27側の側面に図示の如く配置され、これによって主走査方向(基体61の長手方向)におけるプラテン60と印刷ヘッド21との距離(PG)が不均一となるような、基体61の変形が規制される。
【0038】
つまり、本実施形態においてはプラテン60及び基体61は樹脂成形によって成形されていて、また、軸体45は、基体61と一体的に形成されている中間支持部材67によってその撓みが規制されるが、軸体45の撓みによる外力が基体61に伝わり、これによって基体61自身が変形する虞がある。しかし、第1の補強部材64によってこの様な変形が規制され、更に、第2の補強部材によってPGが主走査方向に渡って不均一となるような変形を防止でき、また、この様な変形が軸体45に悪影響を及ぼす不具合も防止できる。
【0039】
尚、第1の補強部材64及び第2の補強部材63は、本実施形態においては図9に示す様に、1枚の金属板を基体61の側断面視において略L字形となる様に2つ折りにして一体的に形成したものであり、これによって安価に前記2つの補強部材を得ることができる。また、本実施形態においては、図8に示す様に基体61に形成された係止突起61aと、第2の補強部材63に形成された係止溝63aとを係合させることによって前記2つの補強部材を基体61に同時に取り付けている。従って、前記2つの補強部材を各々別個に取り付ける必要が無く、前記2つの補強部材が一体的に形成されていることによって、取り付けを容易且つ安価なものとしている。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、紙送りローラと排紙ローラの両方によって用紙が挟持されているときには排紙駆動ローラにバックテンションが掛かるが、中間支持部材が該バックテンションに起因する排紙駆動ローラの軸体の上流側方向への撓みを規制することができる。これにより、用紙の終端が紙送りローラから外れた瞬間に用紙が下流側へ急速に移動することがなくなり、印刷の品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプリンタの紙送り装置を備えるインクジェットプリンタの側断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るプリンタの紙送り装置部分の平面図(A)及び駆動系の側面構成図(B)である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るプリンタの紙送り装置の拡大平面図(A)および側断面図(B)である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る紙送り装置の中間支持部材の一態様を示す側断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る紙送り装置の中間支持部材の他の態様を示す側断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る紙送り装置の中間支持部材の他の態様を示す側断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るプリンタの紙送り装置部分の平面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係るプリンタの紙送り装置部分の正面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係るプリンタの紙送り装置の側断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
13 給紙ローラ
15 紙送り駆動ローラ
17 紙送り従動ローラ
19 紙送りローラ
21 印刷ヘッド
25 プラテン
27 排紙ローラ
29 排紙駆動ローラ
31 排紙従動ローラ
35 紙送り駆動ギア
37 軸体
43 排紙駆動ギア
45 軸体
47 基枠
48 プラテンの基体
49 両端支持部材
51 中間支持部材
53 支持面
60 プラテン
61 基体
63 第2の補強部材
64 第1の補強部材
65 上支持部
66 下支持部
67 中間支持部材
P 用紙
Claims (7)
- 記録ヘッドの上流側近傍に配置された紙送りローラと、
記録ヘッドの下流側近傍に配置され、排紙駆動ローラと排紙従動ローラとを備える排紙ローラと、
用紙を下から支えて記録ヘッドとの距離を規定するプラテンと、を備え、
前記紙送りローラと排紙ローラの両方によって用紙が挟持されているときには前記排紙ローラにバックテンションが掛かる状態で用紙が送られ、用紙の終端が紙送りローラから外れた後も用紙に記録可能な構成を備える記録装置の紙送り装置であって、
前記排紙駆動ローラの軸体を該軸体の両端で支持する両端支持部材と、
該軸体の両端の間の少なくとも1カ所において該軸体の少なくとも上流側方向への撓みを規制するように支持する中間支持部材と、を備え、
前記プラテンが樹脂成形によって形成されるとともに、前記中間支持部材が、前記プラテンの基体に、樹脂成形によって一体的に設けられ、
前記プラテンの基体は、主走査方向に延びる形状を成すとともに、上流側方向への変形を規制する第1の補強部材を備えている、
ことを特徴とする記録装置の紙送り装置。 - 請求項1において、前記中間支持部材は、前記排紙駆動ローラの軸体の全周囲を支持する支持面を有することを特徴とする記録装置の紙送り装置。
- 請求項1において、前記中間支持部材は、前記排紙駆動ローラの軸体の前後の面及び下面を支持する支持面を有することを特徴とする記録装置の紙送り装置。
- 請求項1において、前記中間支持部材は、前記排紙駆動ローラの軸体の後側の面及び下面を支持する支持面を有することを特徴とする記録装置の紙送り装置。
- 請求項1から4のいずれか1項において、前記プラテンの基体が、用紙支え面と直交する方向の変形を規制する第2の補強部材を備えていることを特徴とする記録装置の紙送り装置。
- 請求項5において、前記第1の補強部材及び前記第2の補強部材が、金属からなる板状体を断面視略L字形となるように折り曲げることにより一体的に形成されている、
ことを特徴とする記録装置の紙送り装置。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載された紙送り装置を備えて成ることを特徴とする記録装置。
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