JP3761336B2 - キャパシタ蓄電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のキャパシタを直列接続して蓄電装置を構成するキャパシタ蓄電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は並列モニタの回路構成を示す図、図9は並列モニタ付の充放電波形と並列モニタなしの動作を説明するための図である。図中、Cは電気二重層キャパシタ、CMPはコンパレータ、Dはダイオード、Trはトランジスタ、Vrは基準電圧を示す。
【0003】
複数の大容量のキャパシタを組み合わせて蓄電装置を構成する際に不可欠な条件として、キャパシタの直列接続時に生ずる、負担電圧の均等化の問題がある。本発明者らはかねてから、電気二重層キャパシタを用いたECS(Energy Capacitor System)と称する蓄電装置を提案し(例えば電子技術、1994−12、p1〜3、電学論B、115巻5号、平成7年 p504〜610など)、提供している。ECSでは、直列接続される個々のキャパシタに電圧監視制御装置としての並列モニタを接続し、キャパシタの耐電圧の範囲で最大限の充電が可能となるようにしている。
【0004】
並列モニタは、図8に示すようにコンパレータCMPによってキャパシタCの電圧を基準電圧Vrと比較して監視し、キャパシタCの電圧が基準電圧Vrによる設定値を越えるとトランジスタTrをオンにして充電電流をバイパスする。この動作によってキャパシタCの充電電圧は、図9の▲1▼に示すように設定値に保たれ、直列に接続された他のキャパシタが満充電▲2▼に達して次の放電▲3▼に移るまでの間、定電圧の緩和充電モードとするものである。このようにECSでは、▲1▼の点で充電電圧の上限に抑える方法、つまりキャパシタの電圧を上限で初期化(クランプ)し、そこを起点として充放電させることにより、キャパシタの電圧配分が個々の容量のバラツキや充電開始時の電圧の差によって図9の円内のようになる問題を解決した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の構成は、シンプル、かつ低価格に実現でき、動作も確実であるため、ECSの実用化に大きな役割を果たしたが、上記▲1▼〜▲2▼の間で、並列モニタがオンになっている期間中の充電エネルギーが熱になるのが問題となる。すなわち、図8に示した並列モニタでは、▲1▼の設定電圧に達した時点でトランジスタTrを動作させてバイパス回路を形成させ、電圧がそれ以上に上昇しないようにして、電子回路でいう「電圧クランプ」の状態を作ったが、そのために、バイパス回路には、充電電流×満充電電圧に相当する損失が発生して発熱する。
【0006】
ただ、▲1▼〜▲2▼間での発熱は、二次電池であれば充放電サイクル毎に毎回発生するが、キャパシタでは、最初に一度発生するだけで、以後は、この設定値である満充電の電位からスタートして▲4▼に示すように下向きに放電し、充電するとまたもとの電位▲5▼で一緒になるという特長がある。この特長のために並列モニタは、初期化▲1▼のとき以外は、使用中の僅かな特性の変動や漏れ電流による▲5▼のズレを吸収するだけで動作するので、発熱も少なく、実用上十分な効果を発揮することが各種の実用例で判明した。
【0007】
その他にも、並列モニタのコンパレータとトランジスタの部分をスイッチングコンバータに置き換えて、電力を消費しないようにしたり、低レベルで初期化し満充電レベルを揃えるようにする方式が考えられている。しかし、前者の方式では、キャパシタの数だけコイルやトランスが必要になり、複雑になると共にコストも割高になり、電力伝送効率や電力の節約量に見合わないという問題がある。また、後者の方式では、満充電に到達する時間を推定して初期化調整をするため、レベルを低くして初期化電力を少なくすれば調整の精度が悪くなり、一方、調整の精度を上げようとしてレベルを高くすれば初期化電力が大きくなるという問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであって、並列モニタ自体の損失をほとんどゼロまで低減し、しかも直列接続した全キャパシタの充電能力を最大源に発揮できるようにするものである。
【0009】
そのために本発明は、複数のキャパシタを直列接続して蓄電装置を構成するキャパシタ蓄電装置において、前記各キャパシタの充電電圧を監視し基準電圧に達したか否かを判定する電圧検出手段と、前記各キャパシタの充電電圧を前記基準電圧より低い所定値に制限する電圧制限手段と、前記直列接続されたキャパシタに対して初期化するための初期化充電と蓄電するための蓄電充電を行う充電制御手段とを備え、前記充電制御手段は、前記電圧制限手段の動作を制御して、前記初期化充電で前記電圧制限手段により前記各キャパシタの充電電圧が前記所定値に制限されるまで充電を行い、前記蓄電充電で前記電圧検出手段により前記各キャパシタのいずれかの充電電圧が前記基準電圧に達したと判定されるまで充電を行うことを特徴とするものである。
【0010】
また、前記基準電圧は、満充電電圧であり、前記所定値は、満充電以下の電圧であり、前記充電制御手段は、前記蓄電充電で定電流充電により充電を行っていずれかのキャパシタが前記基準電圧に達したとき定電圧充電モードに切り替え、前記充電制御手段は、初期化充電を行った直後に前記蓄電充電によりいずれかのキャパシタが前記基準電圧に達したときの全充電電圧とその後の前記蓄電充電によりいずれかのキャパシタが前記基準電圧に達したときの全充電電圧との差を求め、前記差が所定値より大きくなったことを条件に初期化充電を行い、前記電圧制限手段は、前記各キャパシタの充電電圧を所定値に制限する回路の動作をオン/オフするスイッチ手段を備え、前記充電制御手段は、前記初期化充電で前記スイッチ手段を制御することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係るキャパシタ蓄電装置の実施の形態を示す図、図2は本発明に係るキャパシタ蓄電装置による初期化充電を説明するための図である。図中、1は充電装置、2はオア回路、CMP1 、CMP2 はコンパレータ、C1 、C2 はキャパシタ、D1 、D2 はショットキーダイオード、Vrf1 、Vrf2 は基準電圧を示す。
【0012】
図1において、キャパシタC1 、C2 は、直列に接続して蓄電装置を構成する電気二重層キャパシタであり、ショットキーダイオードD1 、D2 は、キャパシタC1 、C2 に並列に接続して後述する初期化の電圧源に用いるものであり、充電電圧を所定値に制限する電圧制限手段である。充電装置1は、直列接続されたキャパシタC1 、C2 を充電するものであり、キャパシタC1 、C2 の充電状態に応じて初期化するための初期化充電と蓄電するための蓄電充電を行う。初期化充電では、ショットキーダイオードD1 、D2 により決められた所定値Vriに達するまで逆方向充電を行い、蓄電充電では、通常の定電流充電モードで充電を行っていずれかのキャパシタC1 、C2 が満充電になると定電圧充電モードへ切り換える。コンパレータCMP1 、CMP2 は、それぞれのキャパシタC1 、C2 の充電電圧を基準電圧Vrf1 、Vrf2 と比較して監視し、その充電電圧が満充電に相当する基準電圧Vrf1 、Vrf2 に達したことを判定して満充電検出信号S1 、S2 を出力する電圧検出手段である。
【0013】
オア回路2は、コンパレータCMP1 、CMP2 の満充電検出信号S1 、S2 を論理和処理するものであり、直列接続された各キャパシタC1 、C2 を定電流充電しているときに、それらのうちいずれかが満充電になると充電装置1にその時の電圧による定電圧充電モード、つまり緩和充電モードに切り替える制御信号Xを出力する。実際には複数のキャパシタが直列接続されるので、コンパレータCMP1 、CMP2 の満充電検出信号S1 、S2 は、何らかのアイソレーションの回路、例えばフォトカプラやパルストランス、電流伝送などの回路を介してオア回路2に導かれる。
【0014】
次に、本発明に係るキャパシタ蓄電装置の初期化充電につき説明する。充電装置1は、先に述べたように標準的な電流源タイプを用い、まず、図9の▲1▼−▲2▼間で示した初期化に代わる操作として、図2に示すように直列に接続された全キャパシタC1 、C2 をショットキーダイオードD1 、D2 がオンになるまで逆方向の極性で充電を行う(ステップS11〜S12)。その後、順方向の極性に切り替えて通常の定電流充電モードにより充電を行う(ステップS13)。その間、各コンパレータCMP1 、CMP2 は、それぞれキャパシタC1 、C2 の充電電圧を監視(モニタ)しており、充電電圧が基準電圧Vrf1 、Vrf2 に達すると、つまり満充電になると、満充電検出信号S1 、S2 を出力する。オア回路2は、いずれかのコンパレータCMP1 、CMP2 から満充電検出信号S1 、S2 が出力されると、制御信号Xを充電装置1に送出する。充電装置1は、この制御信号Xが出力されるのを待って(ステップS14)、予め設定される満充電電圧ではなく、その時の充電電圧で定電圧充電モードに切り替えることにより、緩和充電に入る(ステップS15)。
【0015】
次に、初期化後の充放電特性について説明する。図3は初期化後のキャパシタ蓄電装置の充放電特性を説明するための図である。
上記初期化充電を行うことにより、静電容量の小さなキャパシタAとそれより大きなキャパシタBが直列に接続されている場合、それぞれの端子間電圧は、図3に示すように変化する。すなわち、ステップS11、12により初期化が終わってステップS13の充電が始まる時点で、全てのキャパシタは、共にマイナス方向に充電されている。この電圧Vriは、ショットキーダイオードの場合、約0.3Vのオン電圧となり、そこからステップS13により通常の定電流充電を始めると、図3に示すようにキャパシタA、Bの端子電圧は、静電容量に反比例した割合で上昇する。この場合、静電容量が小さなAが先に満充電電圧に達し、そのことにより充電が定電流充電から定電圧充電(緩和充電)に切り換わる。したがって、先に図9で説明した従来の装置における▲1▼〜▲2▼の時間は存在せず、緩和充電に入った状態で、各キャパシタの充電電圧は、それぞれの静電容量に反比例した値で保持される。その後の放電−充電特性は、図示に示すように初期化充電を行った電圧Vriがスタートポイントになる。
【0016】
本発明に係るキャパシタ蓄電装置の充放電特性を示した図3と先に説明した図9の従来の特性とを比較して明らかなように、両者は各キャパシタの充放電に対して基準になる電圧が異なるだけである。この基準となる電圧は、前者の本発明が初期化されたマイナス点(−0.3V)であるのに対し、後者の従来例が満充電電圧であり、初期化されることによりそれらの初期化電圧をスタートポイントにして充放電している。
【0017】
しかし、図9で説明した満充電で初期化する従来の方式では、常に「満充電電圧×直列キャパシタ数」まで充電し、そこから放電が始まるようにするので、各キャパシタが順次満充電になっても、それらは、最後のキャパシタが満充電になるまで「満充電電圧×充電電流」の電力を消費し続けることになる。一方、本発明では、各キャパシタの静電容量にバラツキがあると、最小の静電容量のキャパシタが満充電になったところで定電圧充電に移行するので、全てのキャパシタが満充電にはならない。したがって、初めのキャパシタが満充電になってから最後のキャパシタが満充電になるまでの図9で説明した▲1▼〜▲2▼の間の消費電力による発熱が本発明では全くない点で、本発明は、従来に比べて顕著な効果を有するものである。
【0018】
図4は初期化充電に用いる電圧源の構成例を示す図、図5は本発明に係るキャパシタ蓄電装置の他の実施の形態を示す図、図6は本発明に係るキャパシタ蓄電装置のさらに他の実施の形態を示す図である。
本発明に係るキャパシタ蓄電装置の初期化の電圧源として、上記の例では、ショットキーダイオードのオン電圧(Vri=−0.3V)を用いて説明したが、通常のダイオードの順方向電圧など、他にも種々の設定が可能である。本発明では、通常の電力使用のために行う蓄電充電をはじめのキャパシタが満充電になるまで行うようにして電力損失をなくし、その際の充電電圧のバラツキが大きくなったときに使用電圧の範囲内で初期化することにより、蓄電充電毎に満充電電圧で初期化を行う従来の装置より電力損失を少なくしている。しかも、初期化の電圧を低電圧にすることにより、さらに満充電電圧で初期化を行うより電力損失を初期化電圧の比の二乗で少なくすることができる。したがって、本発明では、例えば3Vの満充電電圧に対してVriをショットキーダイオードのオン電圧の−0.3Vだけでなく、0.5V、1V、1.5V、さらには満充電電圧と同じ3Vのような設定値にしてもよい。その例を示したのが図4であり、図4(A)に示すようにツェナーダイオードDZのツェナー電圧を用いてもよい。また、図4(B)に示すように設定値を抵抗によって可変できるツェナーX、これは、内部が基準電圧とコンパレータで構成された集積回路であるが、さらに、図4(C)に示すように電流容量を増すためにトランジスタTrを加えた回路を用いてもよいし、図4(D)に示すように初期化電圧VriとコンパレータCMPとトランジスタTrで構成された回路を用いてもよい。
【0019】
初期化に際して逆方向の極性に充電を行う場合には、図1に示す回路構成を用い充電装置側で充電する極性を切り換えて初期化充電/蓄電充電を行えばよいが、図4に示す電圧源のように初期化充電と蓄電充電が同じ順方向の極性となる場合には、初期化充電の回路を切り離して蓄電充電を行うように回路を構成することが必要となる。その構成例を示したのが図5及び図6であり、図4(D)に示すコンパレータCMPを用いたものである。
【0020】
図5において、初期化電圧Vriとコンパレータ12とトランジスタTrとスイッチSwからなる回路が初期化充電を制御するための回路である。スイッチSwは、初期化充電のときオンにし、初期化充電をしないときはオフにする。この回路では、キャパシタCの充電電圧を初期化電圧Vriと比較し、キャパシタCが初期化電圧Vriまで充電されると、トランジスタTrをオンにして充電電圧を制限する。このような初期化充電は、例えばコンパレータ12の出力をモニタし、全てのコンパレータ12の出力からトランジスタTrをオンにする信号が出力されるようになったとき、あるいは、直列に接続されたキャパシタCの全充電電圧が「初期化電圧Vri×キャパシタ数」に達したときを終了したときとして判断することができる。また、満充電電圧Vrfとコンパレータ11からなる回路が蓄電充電を制御するための回路であり、キャパシタCの充電電圧を満充電電圧Vrfと比較し、キャパシタCが満充電電圧Vrfまで充電されると、満充電検出信号Sgを送出する。
【0021】
また、図6において、コンパレータ13は、図5に示すコンパレータ11と12を兼用したものであり、スイッチSw1とSw2がその切り換えを行うものである。スイッチSw1とSw2の図示切り換えポジションは、蓄電充電時の状態を示し、コンパレータ13でキャパシタCの充電電圧を満充電電圧Vrfと比較し、キャパシタCが満充電電圧Vrfまで充電されると、満充電検出信号Sgを送出する回路となる。初期化充電時の状態は、スイッチSw1とSw2の切り換えポジションが図示と反対になり、コンパレータ13でキャパシタCの充電電圧を初期化電圧Vriと比較し、キャパシタCが初期化電圧Vriまで充電されると、トランジスタTrをオンにする回路となる。また、先に述べたように初期化電圧Vriを満充電電圧Vrfと同じにする場合には、スイッチSw1及び初期化電圧Vriを省き、コンパレータ13を満充電電圧Vrfに直接接続して、初期化充電か蓄電充電かに応じスイッチSw2のポジションを切り換えるようにすればよい。
【0022】
図7は充電電圧の変化及びその検出のための回路構成例を説明するための図である。
上記のように一旦初期化が行われた後のキャパシタ間の電圧配分は、種々の大きさの電流で充放電しても、充電と放電を切り替えても、通常であれば一定の比が維持される。しかし、個々のキャパシタの静電容量が変化するか、漏れ電流により電圧配分の比が変化するので、初期化充電は、電圧変化が無視できなくなった場合に元の電圧配分に戻すために行われる。
【0023】
いま、図7(A)に示すように直列に接続したキャパシタC1、……、Cnの漏れ抵抗をR1、……、Rnとすると、CRによって発生する時定数よりも十分長時間経過後の電圧配分VXRは、
【0024】
【数1】
VXR={Rx/(R1+……+Rn)}・V
また、時定数よりも十分短い時間で電流源から充電した直後の電圧配分VXRは、
【0025】
【数2】
〔数1〕及び〔数2〕をテブナンの定理によって重ねると、十分な時間中に起こりうるキャパシタの負担電圧Vxの最大値は次の〔数3〕の最大値となる。
【0026】
【数3】
この結果は、キャパシタの負担電圧が静電容量のバラツキと、漏れ抵抗のバラツキの和に比例してバラツクことを意味し、静電容量と漏れ電流が最小のキャパシタがあればその素子が最大の負担電圧を負うことを示している。キャパシタの直列回路においてどんな種類の「初期化」を行っても、静電容量の差異によって生じる〔数2〕で表される充放電で生じる電圧振幅を揃えることはできない。しかし、「初期化」を行えば漏れ電流による電圧配分の差異、〔数1〕による電圧の全キャパシタについて一定値に合わせることができる。通常の電気二重層キャパシタでは、静電容量の誤差を一定値例えば±10%以内に管理することは工業生産上比較的容易である。しかし、漏れ電流を小さな誤差内に抑えるのは困難であり、さらに使用環境、温度、寿命期間中の変動まで含めて漏れ電流を例えば±10%以内に管理することはきわめて難しい。そこで、本発明の初期化により、〔数1〕を抑えることの実用上の効果は大きい。
【0027】
本発明の初期化充電、蓄電充電を行うためには、多数の直列に接続されたキャパシタの電圧の監視(モニタ)が必要であり、その電圧に応じた制御が必要であるが、このような電圧の監視(モニタ)、制御は、例えば図7(B)に示すようなキャパシタC1、……、Cnの接続点の電圧を採集する電圧検出デバイス21を用いて行うこともできる。電圧検出デバイス21では、例えばコンパレータ又はADCで演算ユニットを構成し、キャパシタC1、……、Cnの電圧を順次監視(モニタ)する。通常の大型キャパシタの充電時間は、数十秒以上もあるので、簡単な装置により多数のキャパシタの読み取りや不良が発生した際に短絡するなどの制御を行うことも可能である。
【0028】
また、初期化充電では、各キャパシタC1、……、Cnを所定値である初期化電圧Vriに充電するので、初期化終了は、充電電圧が「初期化電圧Vri×キャパシタ数n」になったことにより判断できる。また、充電電圧の変化をモニタすることにより、一定値に落ち着いたことでも判断できる。これに対し、初期化充電が必要になったか否かの判断は、緩和充電に入るときの電圧の下がり具合で見ることができる。例えば初期化充電を行った直後の蓄電充電により最初のキャパシタが満充電になった緩和充電時の充電電圧を記憶し、蓄電充電を繰り返し行った際の各緩和充電時の充電電圧と比較し、その差が大きくなったとき初期化充電が必要になったと判断することができる。そして、緩和充電時の充電電圧が低下してきたときには、次の蓄電充電を行う際に先立って初期化充電を行うようにすればよい。
【0029】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では、全充電電圧が低下し、各キャパシタの充電電圧のバラツキが大きくなったとき初期化を行うようにしたが、定期的に初期化を行うようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、複数のキャパシタを直列接続して蓄電装置を構成するキャパシタ蓄電装置において、前記各キャパシタの充電電圧を監視する電圧検出手段と、前記各キャパシタの充電電圧を所定値に制限する電圧制限手段と、前記直列接続されたキャパシタに対して初期化するための初期化充電と蓄電するための蓄電充電を行う充電制御手段とを備え、前記充電制御手段は、前記初期化充電で前記各キャパシタが前記電圧制限手段により制限される前記所定値に達するまで充電を行い、前記蓄電充電で前記各キャパシタを前記電圧検出手段によりいずれかのキャパシタが前記基準値に達するまで充電を行うので、充電の初期化に際してのエネルギー損失を大幅に低減し、発熱をなくすことができる。また、いずれかのキャパシタがはじめに満充電電圧に達したときの充電電圧が低下してきたことを条件に、或いはそのときの各キャパシタの充電電圧のバラツキが拡大したことを条件に初期化充電を行うことにより、直列接続したキャパシタのバラツキや劣化を容易に管理でき、初期化の時期を容易に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るキャパシタ蓄電装置の実施の形態を示す図である。
【図2】 本発明に係るキャパシタ蓄電装置による初期化充電を説明するための図である。
【図3】 初期化後のキャパシタ蓄電装置の充放電特性を説明するための図である。
【図4】 初期化充電に用いる電圧源の構成例を示す図である。
【図5】 本発明に係るキャパシタ蓄電装置の他の実施の形態を示す図である。
【図6】 本発明に係るキャパシタ蓄電装置のさらに他の実施の形態を示す図である。
【図7】 充電電圧の変化及びその検出のための回路構成例を説明するための図である。
【図8】 並列モニタの回路構成を示す図である。
【図9】 並列モニタ付の充放電波形と並列モニタなしの動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1…充電装置、2…オア回路、CMP1 、CMP2 …コンパレータ、C1 、C2 …キャパシタ、D1 、D2 …ショットキーダイオード、Vrf1 、Vrf2 …基準電圧
Claims (5)
- 複数のキャパシタを直列接続して蓄電装置を構成するキャパシタ蓄電装置において、
前記各キャパシタの充電電圧を監視し基準電圧に達したか否かを判定する電圧検出手段と、
前記各キャパシタの充電電圧を前記基準電圧より低い所定値に制限する電圧制限手段と、
前記直列接続されたキャパシタに対して初期化するための初期化充電と蓄電するための蓄電充電を行う充電制御手段と
を備え、前記充電制御手段は、前記電圧制限手段の動作を制御して、前記初期化充電で前記電圧制限手段により前記各キャパシタの充電電圧が前記所定値に制限されるまで充電を行い、前記蓄電充電で前記電圧検出手段により前記各キャパシタのいずれかの充電電圧が前記基準電圧に達したと判定されるまで充電を行うことを特徴とするキャパシタ蓄電装置。 - 前記基準電圧は、満充電電圧であり、前記所定値は、満充電以下の電圧であることを特徴とする請求項1記載のキャパシタ蓄電装置。
- 前記充電制御手段は、前記蓄電充電で定電流充電により充電を行っていずれかのキャパシタが前記基準電圧に達したとき定電圧充電モードに切り替えることを特徴とする請求項1記載のキャパシタ蓄電装置。
- 前記充電制御手段は、初期化充電を行った直後に前記蓄電充電によりいずれかのキャパシタが前記基準電圧に達したときの全充電電圧とその後の前記蓄電充電によりいずれかのキャパシタが前記基準電圧に達したときの全充電電圧との差を求め、前記差が所定値より大きくなったことを条件に初期化充電を行うことを特徴とする請求項1記載のキャパシタ蓄電装置。
- 前記電圧制限手段は、前記各キャパシタの充電電圧を所定値に制限する回路の動作をオン/オフするスイッチ手段を備え、前記充電制御手段は、前記初期化充電で前記スイッチ手段を制御することを特徴とする請求項1記載のキャパシタ蓄電装置。
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