JP3760989B2 - 扉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、地震により扉枠が変形しても、扉を開閉できる扉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般の扉では、扉枠a、その内側に蝶着される扉bともに、4隅部が直角に接合されており、図4(a)に示すように、扉上部(上縁)cと扉枠aの上枠内側dとの間は、扉bの全幅に亘って、一定の(3〜5mm)上チリ寸法C2が設けてある。図4(b)のように、地震等により、戸先側から吊元側に向けて扉枠aが変形した場合、扉bの戸先側上端が前記上チリ寸法C2だけ持ち上げられ、上枠内側dに下方から突き当たる。そのため、扉枠aの変形が前記上チリ寸法C2の範囲を超えるような大きな変形であると、扉bが上枠内側dに固く押し付けられ、開くことができず、避難通路の確保が困難となる。
上チリ寸法を大きくして扉枠の大きな変形があっても、扉が開けるようにしたものとして、たとえば特開平9−32431号のものがある。これによれば、扉枠の内側に、ヒンジを介して吊元側が開閉自在に取り付けてある扉の、上端と上枠内側との間のチリ寸法、及び下端と下枠内面との間のチリ寸法を扉の幅全体に亘って通常の場合より大きくしておき、扉の室外側上下端縁に、外力の作用で変形または破損する補助框部材を取り付け、その補助框部材と上下枠との間のチリ寸法を小さくし、地震による扉枠変形時には補助框部材が変形または破損して扉上下端と枠内側とのチリ寸法を確保して扉を開閉するようにし、通常時の外観を見栄え良くするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のものでは、扉の室外側上下に、補助框部材を別途設けているため、部品点数の増加、部材の取り付け工数の増加など、コストアップ、工程増加につながり好ましくない。また、上チリ寸法を扉の全幅に亘って一様に大きくした場合であって、ヒンジ構造が本願説明で用いる図3で示すように、吊元側竪枠4に固定のヒンジ部材15bから上方に枢支ピン15cが突出され、その枢支ピン15cに扉に固定されたヒンジ部材15aが上方から嵌め込まれて吊元側竪枠4に対して扉が上方に移動可能で回動自在に枢着してある場合において(このような蝶番15は、扉枠を躯体側に取り付けた後、扉を扉枠に釣り込むのに都合が良い)、吊元側から戸先側に向けての変形を考えると、図4(a)の変形なしの状態から、図5(a)のように、枠変形の途中で扉bの戸先下端が床面Fに当接し、その後、さらに、枠aが戸先方向に変形すると、図5(b)のように扉bの吊元側が押し上げられ、ヒンジ部分において、扉側のヒンジ部材15aが枠側のヒンジ部材15bから上方に離れて、扉bの吊元側上端が上枠内側dに押し当てられるところまで変形する。この扉bの押し上げ量は、図4、5から明らかなように、下チリ寸法C1と上チリ寸法C2の和に略等しい。ところが、図4(b)で示したように戸先側から吊元側に向けて扉枠aが変形した場合には、扉bの戸先上端が前記上チリ寸法C2だけ持ち上げられるに過ぎず、扉枠aの変形方向によって扉bを開閉できる変形追随量が異なり、地震により扉枠aが同程度変形した場合でも、扉bを開くことのできる場合とそうでない場合が生じて、緊急避難時において好ましくない問題がある。本願は、これらの課題に鑑み、地震などで扉枠が戸先側から吊元側に向けて大きく変形しても、扉を開けることのできる簡易な扉装置を提供しようとするものである。また、本願の別の課題は、吊元側から戸先側に向けての扉枠の変形、戸先側から吊元側に向けての扉枠の変形の何れに対しても、扉を開くことのできる扉枠の変形追随量が同程度となる扉装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記第1の課題解決のために、本願では、上枠と、吊元側竪枠、戸先側竪枠とを備えた扉枠の吊元側竪枠に、扉の吊元側部分を蝶番を介して開閉自在に取り付けた扉装置において、扉上部が吊元側から戸先に向けて下がり勾配となる扉形状とし、前記扉の戸先上端と上枠内側との間のチリ寸法を、扉の吊元上端と上枠内側との間のチリ寸法より大きくしたことを特徴とする。
この構成では、前記扉の戸先上端と上枠内側との間のチリ寸法が扉の吊元上端と上枠内側との間のチリ寸法より大きくなるように扉上端部に扉の幅方向に吊元側から戸先側に向かって下がり勾配を付けたため、戸先側から吊元側に向けて扉枠が変形したとき、扉戸先上端が扉枠上枠の内側と当接するまでの移動量が大きくなり、扉枠の大きな変形があった場合でも、前記移動量の範囲内であれば扉を開くことができ、緊急時に避難することができる。また、扉の上縁を下がり勾配とするだけでよいから、扉上框をそのように傾斜させて枠組みすることで実現でき、余分な部材が不要である。
【0005】
蝶番は、扉が扉枠に対して上方に移動可能に両者を枢着する構造であり、扉上部の下がり勾配の下がり量を、扉下端と、これに対向する固定側部材の上面との間の下チリ寸法と同じに設定してあるとよい。これによれば、扉の戸先側上端と上枠内側との間のチリ寸法は、扉の吊元側上端と上枠内側との間のチリ寸法(上チリ寸法)と、扉上部の下がり勾配の下がり量即ち、扉下端とこれに対向する固定側部材の上面とのチリ寸法(下チリ寸法)との和になり、この持ち上げ量は、吊元側が持ち上げられる場合の持ち上げ量と同じであるから、扉の戸先側が持ち上げられる場合と扉の吊元側が持ち上げられる場合の扉の持ち上げ量が一致し、扉枠の変形方向に関らず、扉を開くことのできる扉枠の変形量が同じになる。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1に示す扉装置1において、扉枠2は、上枠3、吊元側竪枠4、戸先側竪枠5を互いに直角に接合して一体に形成されている。扉枠2は、躯体の壁などに形成された開口6に嵌め込まれている。扉7は、上下框8,9、吊元側框10、戸先側框11を枠組みしてなり、その厚さ方向両側にパネル12が一体に貼り付けられたり、あるいは、枠組みした内側にガラスが嵌め込まれるなどして構成される。
【0007】
扉7の吊元側部分と吊元側竪枠4とは、蝶番15により結合されている。蝶番15は、図3に示すように、扉7の吊元側部分に一体固着されるヒンジ部材15aと、吊元側竪枠4に一体固着されるヒンジ部材15bと、吊元側竪枠4のヒンジ部材15bから上方に突出された枢支ピン15cとを備え、枢支ピン15cに上方から扉側のヒンジ部材15aが軸方向上方に移動可能にかつ旋回自在に嵌め込まれて、扉7を扉枠2に対して開閉自在に支持すると共に、扉7を扉枠2に対して上方に移動可能としている。
【0008】
扉7において、下框9と吊元側框10の下端、戸先側框11の下端とは互いに直角を成して結合されている。吊元側框10に対して、戸先側框11は所定長さ短く形成されており、吊元側框10の上端と戸先側框11上端とが上框8で結合されると、上框8の上縁(扉上部8a)が吊元側から戸先側に向かって下がり勾配となるように枠組みされている。扉7が上記蝶番15により扉枠2に支持された状態で、下框9とこれと対向する固定側部材(床面F)との間には、扉7全幅に亘って下チリ寸法C1が確保されている。前記扉7上部の下がり勾配の下がり量Lは、前記下チリ寸法C1と同じ量に設定されており、扉7の戸先側上端(戸先側框11の上端)と上枠3の内側(下側)3aとの隙間(戸先側の上チリ寸法C3)は、扉7の吊元側上端(吊元側框10の上端)と上枠3の内側(下側)3aとの隙間(吊元側の上チリ寸法C2)より、下チリ寸法C1だけ大きいものになっている。
【0009】
この構成によれば、変形前には図2(a)の状態であったものが、地震により、戸先側から吊元側に向けて扉枠2が変形すると、図2(b)のように扉7の戸先側上端が持ち上げられる。この時、戸先側上端と上枠3の内側3aとの戸先側の上チリ寸法C3が、吊元側の上チリ寸法C2より、下チリ寸法C1だけ大きいものになっているため、そのように大きくした分だけ、扉枠2が大きく変形するまでは扉7の戸先側上端が上枠3の内側3aに圧接せず、扉7を開くことができることになり、地震時の通路を確保できる。
【0010】
一方、吊元側から戸先側に向けての扉枠2の変形があったときは、扉上部の勾配は無関係で扉枠2との干渉は図5に示す従来と同じであり、下チリ寸法C1と吊元側の上チリ寸法C2の和だけ扉7の吊元側上端が押上げられるまでは、扉7を開くことができる。
このように、戸先側から吊元側に向けて扉枠2が変形したとき、および吊元側から戸先側に向けての扉枠2が変形したときの何れの場合にも、扉7は下チリ寸法C1と吊元側上チリ寸法C2の和C1+C2だけ扉7の吊元側上端又は戸先側上端が持ち上げられて扉7が傾斜する。扉7の幅をDとすると、この持ち上げにより扉7が水平に対して成す変形角度θは、
θ≒(C1+C2)/D (rad)
であり、この状態の扉7に対する扉枠2の水平変形量δは、枠高さをHとすると
δ≒H(C1+C2)/D
となり、戸先側から吊元側に向けて扉枠2が変形したとき、および吊元側から戸先側に向けての扉枠2が変形したときの何れの場合も、扉7を開くことのできる扉枠2の変形量が同じになる。
【0011】
一般的な扉7の大きさとして、扉幅D=800mm、枠高さH=2000mmとし、下チリ寸法C1=6mm、上チリ寸法(吊元側)C2=4mm、勾配の量=6mm(=下チリ寸法C1)としたとき、上記水平変形量δ≒25mmとなる。また、その時の変形角度θ≒1/80(rad)となり、この値は、JIS A−4702 ”ドアセット”で規定されている扉装置の面内変形追随性の性能等級D−3(1/120(rad))をはるかに超える高い面内変形追随性であるから、大規模な地震で大きな扉枠変形が発生した場合でも、扉7を開いて避難できる安全性の高い扉装置となる。
【0012】
【発明の効果】
以上のように本願発明では、戸先側から吊元側に向けて扉枠が変形したとき、扉戸先側上端が扉枠の上枠の内面と当接するまでに許容される面内変形追随量が大きくなり、扉枠の大きな変形があった場合でも、前記追随量の範囲内であれば従来の扉に比べて比較的軽い荷重で扉を開くことができ、緊急時に避難することができる。また、扉の上縁を下がり勾配とするだけでよいから、そのように上框を枠組みすることで実現できて余分な部材が不要で簡易である。
また、扉の戸先側が持ち上げられる場合と扉の吊元側が持ち上げられる場合の扉の持ち上げ量が一致し、扉枠の変形方向に関らず、扉を開くことのできる扉枠の変形追随量を同じにでき、扉枠の変形方向により、扉が開けないなどの不都合がなくなり、地震時の通路確保に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の扉装置を示す正面図である。
【図2】(a)は変形前の状態、(b)は戸先側から吊元側に向けての扉枠変形時の説明図である。
【図3】蝶番を示す拡大図である。
【図4】従来の扉装置を示し、(a)は変形前の状態、(b)は戸先側から吊元側に向けての扉枠変形時の説明図である。
【図5】図4(a)の従来の扉装置において、吊元側から戸先側に向けての扉枠変形時の説明図である。
【符号の説明】
2 扉枠
3 上枠
4 吊元側竪枠
5 戸先側竪枠
7 扉
8 上框
9 下框
10 吊元側框
11 戸先側框
15 蝶番
C1 下チリ寸法
C2 吊元側の上チリ寸法
C3 戸先側の上チリ寸法
F 床面(固定側部材)
Claims (2)
- 上枠と、吊元側竪枠、戸先側竪枠とを備えた扉枠の吊元側竪枠に、扉の吊元側部分を蝶番を介して開閉自在に取り付けた扉装置において、扉上部が吊元側から戸先に向けて下がり勾配となる扉形状とし、前記扉の戸先上端と上枠内側との間のチリ寸法を、扉の吊元上端と上枠内側との間のチリ寸法より大きくしたことを特徴とする扉装置。
- 蝶番は、扉が扉枠に対して上方に移動可能に両者を枢着する構造であり、扉上部の下がり勾配の下がり量を、扉下端と、これに対向する固定側部材の上面との間の下チリ寸法と同じに設定したことを特徴とする請求項1記載の扉装置。
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- 2001-11-01 JP JP2001335920A patent/JP3760989B2/ja not_active Expired - Fee Related
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