JP3760660B2 - 冷風吹出防止機能付車両用空調装置 - Google Patents

冷風吹出防止機能付車両用空調装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷風吹出防止機能付車両用空調装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン冷却水で加熱された空気を送風手段で空気吹出口に送風して車室内の暖房を行うと共に、エンジン冷却水の温度を検出し、エンジン冷却水の温度に応じた送風量の規制を行うことで冷風の吹き出しを防止するようにした冷風吹出防止機能付車両用空調装置が、例えば、特公昭56−23808号公報として既に公知である。
この種の冷風吹出防止機能付車両用空調装置では、例えば、エンジン冷却水の温度が30度程度になるまでは送風手段の動作を完全に禁止して冷風の吹出しを防止し、その後、エンジン冷却水の温度の上昇に応じて、例えば、エンジン冷却水の温度に比例させるかたちで送風手段の送風量の上限値を徐々に上昇させていき、最終的に、エンジン冷却水の温度が70度程度の高温に達した段階で、送風量の規制を完全に解除して送風手段のフル稼働を許容するといった制御方法を適用するのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、寒冷地等を走行するとエンジン冷却水の温度上昇が鈍るため、送風量の規制解除が許容される設定温度、例えば、前述した70度の温度にまでエンジン冷却水の温度が上昇するといった保証はなく、送風量が規制されたままの状態で暖房が続けられて車室内が暖められるといった可能性がある。
【0004】
また、自動制御によって送風量の調整を行う車両用空調装置の場合、適正な送風量は、設定目標温度と現在の室内温度との差に関連した関数を利用して求めるのが普通である。このため、設定目標温度と室内温度との差が小さい場合には必要とされる適正な送風量の値も小さくなり、また、設定目標温度と室内温度との差が大きい場合には、必要とされる適正な送風量の値も大きくなる。
従って、前述したように、送風量が規制されたままの状態で暖房が続けられて車室内が暖められると、設定目標温度と室内温度との差が小さくなって、自動制御で求められた適正な送風量の値が送風量の規制値に比べて低くなり、結果的に、送風手段の送風量が徐々に減少していくといった現象が生じる場合がある。
【0005】
送風量が低くなって車室内の空気の循環が不充分になると車室内の全体的な暖房効率が低下し、車室内が暖かくなるまでに長い時間を要するといった弊害が生じる。また、搭乗者の側から見ると、強力な暖房を行っている筈であるにも関わらず送風手段の風量が不足しているといった違和感の原因にもなる。
【0006】
【発明の目的】
そこで、本発明の目的は、エンジン冷却水の温度が低い段階では冷風の吹出防止機能を優先する一方、エンジン冷却水の温度上昇が外部環境の影響を受けて妨げられた場合であっても十分な送風効果を得ることのできる冷風吹出防止機能付車両用空調装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、温度検出手段により検出されるエンジン冷却水の温度が上昇中であるか否かを判別する温度変化判定手段と、温度変化判定手段によりエンジン冷却水の温度が上昇中であると判定された場合にエンジン冷却水の温度に応じて前記送風手段の送風量の上限値を規制する第一の送風量規制手段と、温度変化判定手段によりエンジン冷却水の温度が上昇中でないと判定された場合に時間の経過に応じて前記送風手段の送風量の上限値を増大させていく第二の送風量規制手段とを備えたことを特徴とする構成により前記目的を達成した。
つまり、寒冷地であってもエンジン冷却水の温度が順調に上昇する暖房開始の初期段階では、従来と同様、第一の送風量規制手段によりエンジン冷却水の温度に応じて送風手段の送風量の上限値を規制することで冷風の吹き出しを防止し、また、外部環境の影響でエンジン冷却水の温度上昇が妨げられた場合には、第二の送風量規制手段により、その後の時間の経過に応じて送風量の上限値を増大させていくことで送風手段の送風能力を確保する。
【0008】
更に、前記温度変化判定手段によりエンジン冷却水の温度が一定時間以上継続して上昇していないと判定され続けた場合に限って前記第二の送風量規制手段を作動させることで、運転状況の変化等で生じるエンジン冷却水の微妙な温度変動の影響による判定ミスを取り除いて前記第一の送風量規制手段から第二の送風量規制手段への制御の切り替えを安定して行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について詳細に説明する。図1は本発明を適用した冷風吹出防止機能付車両用空調装置の機構部1aの要部を簡略化して示す図である。空気通路となるダクト2の上流部には、外部からの空気を取り入れるための外気取入れ口3と車両内の循環空気を取り入れるための内気取入れ口4とが設けられ、アクチュエータ5によって揺動されるインテークダンパ6の回転角度に応じて、外気または内気、もしくは、その混合気がダクト2内に取り入れられるようになっている。
【0010】
そして、ダクト2内に取り入れられた空気は、モータ7およびブロアファン8で構成される送風手段によって下流側に送られ、更に、冷却器となるエバポレータ9の配備された位置を通り、アクチュエータ10で揺動されるミックスダンパ11でヒータコア12側とバイパス側とに分流されて熱量を調整され、最終的に、空気吹出口のダンパ13,14により空気の出先を規制されて、空気吹出口を構成するベント吹出口15やヒート吹出口16、あるいは、デフロスタ吹出口17から車内に放出される。
【0011】
ヒータコア12は暖められたエンジン冷却水を内部に循環させて暖房用の熱源として利用する加熱手段である。
【0012】
空気吹出口のダンパ13,14は、ダンパ13,14の揺動動作を連携させるためのリンク機構18を介してアクチュエータ19によって駆動される。また、空気吹出口のダンパ13,14の回転位置は、温度設定スイッチによって設定された設定温度や内気温センサの検出値に基づいて算出された目標吹出し温度の値に応じて自動調整されるようになっている。例えば、目標吹出し温度が高い場合には一方の空気吹出口であるヒート吹出口16に空気を振り分ける位置に、また、必要吹出し温度が低い場合にはもう一方の空気吹出口であるベント吹出口15の側に空気を振り分ける位置に、更に、必要吹出し温度が中程度の場合には、ヒート吹出口16とベント吹出口15の双方に略均等に空気を振り分ける位置に空気吹出口のダンパ13,14が移動されるようになっている。
【0013】
図2は冷風吹出防止機能付車両用空調装置の制御部1bの要部を示すブロック図である。図2に示す通り、制御部1bは、ROMやRAM等を備えた1チップ型のマイクロプロセッサで構成される主制御部20(以下、MPUという)を有し、冷風吹出防止機能付車両用空調装置の機構部1aに設けられたブロアファン8を回転駆動するモータ7、インテークダンパ6を揺動するアクチュエータ5、ミックスダンパ11を揺動するためのアクチュエータ10、リンク機構18を介して空気吹出口のダンパ13,14を揺動させるためのアクチュエータ19の各々が夫々の駆動回路21,22,23,24を介してMPU20によって駆動制御される。
【0014】
また、ミックスダンパ11を揺動するためのアクチュエータ10および空気吹出口のダンパ13,14を揺動させるためのアクチュエータ19には、各々のアクチュエータの回転位置、即ち、ミックスダンパ11の回転位置や空気吹出口のダンパ13,14の回転位置を検出するためのミックスダンパ位置検出センサ25と吹出口ダンパ位置検出センサ26が設けられ、各々の信号処理回路27,28を介してミックスダンパ11および空気吹出口のダンパ13,14の揺動位置がMPU20によって検出されるようになっている。
【0015】
エバポレータ9はコンプレッサ29と共に冷風吹出防止機能付車両用空調装置の冷却器部分を構成し、駆動回路30を介してMPU20によりON/OFF制御される。また、エバポレータ9には熱電対等によって構成されるエバポ温センサ31が配備され、信号処理回路32を介してエバポレータ9の現在温度がMPU20によって検出されるようになっている。
【0016】
また、イグニッションスイッチ33を作動させたときに出力される起動信号やダッシュパネルに配備された各種パネルスイッチ34からの信号、および、温度設定スイッチ35に目標値として設定された設定温度は、各々の信号処理回路36,37,38を介してMPU20に入力され、更に、外気温センサ39と日射センサ40からの信号も各々の信号処理回路41,42を介してMPU20に入力されるようになっている。
同様にして、エンジン冷却水の温度を検出する温度検出手段としての水温センサ43および車両室内の温度を検出する内気温センサ44からの信号は各々の信号処理回路45,46を介してMPU20に入力される。
【0017】
また、MPU20は表示回路47を介して表示パネル48の表示状態を制御し、温度設定スイッチ35によって設定された目標温度、および、内気温度の現在値やエンジン冷却水の現在値等を表示する。
【0018】
図3は主制御部となるMPU20によって構成される機能実現手段の概要を示すブロック図であり、このうち、必要吹出温度演算手段49とダンパ位置演算手段50および必要風量演算手段51と供給電圧演算手段52の機能に関しては既に公知である。
【0019】
即ち、必要吹出温度演算手段49は、外気温センサ39によって検出される外気温度と日照センサ40によって検出される単位時間当たりの日射量ならびに内気温センサ44によって検出される車両内の室温と、目標温度として温度設定スイッチ35に設定された設定温度とに基づいて、従来と同様にして、車両の室内温度を目標設定値に一致させるために必要とされる空気の吹き出し温度(必要吹出温度)の値を算出するようになっている。必要吹出温度を求めるための演算式は図7のステップb1に示す通りである。なお、K1〜K4の係数および定数Cは実験的に求められた値である。ステップb1の式から明らかなように、設定温度が低い場合,室内温度が高い場合や外気温度か高い場合、または、日射量が多い場合には必要吹出温度が低くなり、これとは逆に設定温度が高い場合,室内温度が低い場合や外気温度が低い場合、または、日射量が少ない場合には必要吹出温度が高くなる。
【0020】
そして、ダンパ位置演算手段50は、必要吹出温度演算手段49で算出された必要吹出温度の値に基づいて、この吹出温度を達成するために必要とされるミックスダンパ11の揺動位置、要するに、ヒータコア12側とバイパス側への空気の振り分け割合を求め、アクチュエータ10の駆動回路23に駆動指令を出力する。駆動回路23は、ミックスダンパ位置検出センサ25の位置検出信号を参照しながらミックスダンパ11を指令された揺動位置に移動させる。
【0021】
また、必要風量演算手段51は、目標温度として温度設定スイッチ35に設定された設定温度と内気温センサ44によって検出される車両内の室温および日照センサ40によって検出される単位時間当たりの日射量とに基づいて、従来と同様にして、現時点で必要とされるブロアファン8の送風量(必要風量)、即ち、モータ7の回転速度を求める。必要風量を求めるための演算式は図7のステップb2に示す通りである。なお、L1およびL2の係数および定数Dは実験的に求められた値である。ステップb2の式から明らかなように、設定温度と室内温度の現在値との差が小さい場合や日射量が少ない場合には必要風量の値が小さくなり、これとは逆に設定温度と室内温度の現在値との差が大きい場合や日射量が多い場合には必要風量の値が大きくなる。
【0022】
そして、供給電圧演算手段52は、必要風量演算手段51で算出された必要風量に基づいて、この風量を達成するために必要とされるモータ7の回転数を求め、モータ7の駆動回路21に駆動指令を出力し、駆動回路21は、回転数指令に応じた電圧でモータ7を駆動してブロアファン8を回転させる。
【0023】
しかし、従来の技術の項およびステップb2の処理に関する説明でも述べた通り、必要風量演算手段51によって算出される必要風量の値は、設定温度と室内温度の現在値との差が小さくなるにつれて徐々に減少するので、車両が寒冷地を走行するなどしてブロアファン8の送風量が規制されたままの状態で車室内が暖められたりすると、設定目標温度と室内温度との差が小さくなって送風量が極端に減少するといった問題が生じる場合がある。
【0024】
そこで、本実施形態においては、エンジン冷却水の温度、即ち、ヒータコア12の暖房能力に応じてブロアファン8の送風量を規制する従来と同様の第一の送風量規制手段53に加え、エンジン冷却水の温度自体とは関わりなく、エンジン冷却水の温度上昇が停滞した時点を基準に時間の経過に応じて送風量を規制する上限値の値を徐々に増大させていく第二の送風量規制手段54と、エンジン冷却水の温度が上昇中であるか否かを判別して第一,第二の送風量規制手段53,54の内のいずれの送風量規制手段による風量制限を実施するかを判定する温度変化判定手段55とを設けてこのような問題に対処するようにしている。
【0025】
第一の送風量規制手段53と第二の送風量規制手段54および温度変化判定手段55は、本実施形態においては何れもMPU20を機能実現手段として達成されている。
【0026】
図4〜図6は本実施形態のMPU20によって実施される冷風吹出防止処理の概略を示すフローチャート、また、図7は必要風量演算処理の概略を示すフローチャートであり、これらの処理はMPU20のマルチタスク処理として所定周期毎に繰り返し交互に実行される。
このうち、図4〜図6に示す冷風吹出防止処理は、エンジン冷却水の温度上昇が停滞したか否かを判定するための処理と、エンジン冷却水の温度に基づいて送風量の上限値を算出するための処理、および、エンジン冷却水の温度上昇停滞後の経過時間に基づいて送風量の上限値を算出するための処理とを含み、また、図7に示す必要風量演算処理は、専ら、冷風吹出防止処理によって求められた上限値に従って実際にブロアファン8の送風量を規制するための処理によって構成される。
【0027】
冷風吹出防止処理を開始したMPU20は、まず、この処理周期がエンジン起動直後のものであるか否か、つまり、この処理周期において冷風吹出防止のための初期設定処理を実施する必要があるか否かをイグニッションスイッチ33からの起動信号の入力の有無によって判定する(ステップa1)。イグニッションスイッチ33からの起動信号が検出されればこの処理周期はエンジン起動直後のものであり、また、イグニッションスイッチ33からの起動信号が検出されなければ、この処理周期はエンジン起動直後のものではなく、初期設定処理を実施する必要もない。
【0028】
そこで、ステップa1の判別結果が真となった場合、MPU20は、次いで、冷風吹出防止のための実質的な制御を実施する必要があるか否か、要するに、搭乗者が暖房を要求しているか否かを判定することになる。
【0029】
この実施形態においては、図4に示す通り、外気温センサ39によって検出される外気温が判別基準となる判定値Toutよりも低いか否か(ステップa2)、必要吹出温度演算手段51によって算出された必要吹出温度の値が判別基準となる判定値Tblwよりも高いか否か(ステップa3)、および、温度設定スイッチ35で設定された目標温度が判別基準となる判定値Tよりも高いか否か(ステップa4)の3つの条件によって搭乗者が暖房を要求しているか否かを判定するようにしており、ステップa2〜ステップa4の判別結果が全て真となった場合に限って搭乗者が暖房を要求しているものと見なして冷風吹出防止のための制御を実施するようにしている。
なお、ステップa3の処理で判別対象となる必要吹出温度は、1周期前の必要風量演算処理におけるステップb1の処理(図7参照)で算出された値である。
【0030】
そこで、ステップa2〜ステップa4の判別結果が全て真となって搭乗者が暖房を要求していることが明らかとなった場合、MPU20は、冷風吹出防止処理実行フラグF1をセットして搭乗者が暖房を要求していることを記憶すると共に、第二の送風量規制手段54による送風量の制限処理が実行されていることを示す第二規制モード実行フラグF2をリセットし、更に、送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2をリセットする(ステップa5)。そして、MPU20は水温センサ43を介してエンジン冷却水の現在温度Tnを読み込み、その値を前周期水温記憶レジスタTxに更新記憶して、冷風吹出防止のための初期設定処理を終了する(ステップa6)。
【0031】
また、ステップa2〜ステップa4の判別処理のいずれかの判別結果が偽となった場合、MPU20は、搭乗者が暖房を要求していないものと判断して冷風吹出防止処理実行フラグF1をリセットし、冷風吹出防止のための初期設定処理を終了する(ステップa7)。なお、デフロスタ使用時(ヒート吹出口16からの送気による曇り除去や霜取りの場合)にも冷風吹出防止処理実行フラグF1をリセットして風量制限を行わないようにしてもよい。
【0032】
初期設定処理が終了する結果、次周期以降の冷風吹出防止処理ではステップa1の判別結果が常に偽となり、MPU20は、次いで、冷風吹出防止処理実行フラグF1がセットされているか否かを判別することになる(ステップa8)。
【0033】
前述した初期設定処理で冷風吹出防止処理実行フラグF1がリセットされている場合には、搭乗者が暖房を要求していないことを意味するので、MPU20は、ステップa8の判別処理終了後、そのまま冷風吹出防止処理を終了し、次周期以降の処理でステップa1およびステップa8の判別処理のみを繰り返し実行することになる。
【0034】
この場合、もう一方のタスクである必要風量演算処理ではステップb1〜ステップb3の処理(図7参照)だけが繰り返し実行されることになるので、MPU20は、必要吹出温度演算手段49を構成するステップb1の処理で求めた必要吹出温度の値に基づいて、従来と同様にして、駆動回路23およびアクチュエータ10を介してミックスダンパ11の揺動位置を制御し、また、必要風量演算手段51を構成するステップb2の処理で求めた必要風量の値に基づいて、従来と同様にして、駆動回路21およびモータ7を介してブロアファン8の回転速度を制御することになる。
つまり、ステップb2の処理で実施される必要風量の演算処理を除けば、ブロアファン8の送風量の制限に関する処理は全く実行されないということである。
【0035】
一方、冷風吹出防止処理におけるステップa8の判別処理で冷風吹出防止処理実行フラグF1がセットされていることが確認された場合には、搭乗者が暖房を要求していることを意味するので、MPU20は、不用意な冷風の吹き出しを防止するために必要とされる実質的な冷風吹出防止処理を実行する必要がある。
そこで、ステップa8の判別処理で冷風吹出防止処理実行フラグF1がセットされていることが確認された場合、MPU20は、第二規制モード実行フラグF2がセットされているか否か、即ち、エンジン冷却水の温度上昇停滞後の経過時間に基づいて送風量の上限値を算出して風量を制限する第二規制モードの風量制限処理を実施すべきであるのか、それとも、エンジン冷却水の現在温度に基づいて送風量の上限値を算出して風量を制限する第一規制モードの風量制限処理を実施すべきであるのかを判定する(ステップa9)。
【0036】
暖房開始直後の現段階では、前述したステップa5の処理で第二規制モード実行フラグF2がリセットされたままの状態に維持されているので、必然的にステップa9の判別結果は偽となる。よって、MPU20は、エンジン冷却水の現在温度に基づいて送風量の上限値を算出して風量を制限する第一規制モードの処理を実施することになる。
【0037】
そこで、第一規制モードの処理を開始したMPU20は、まず、制限値検索指標iに初期値0をセットした後(ステップa10)、図8に示すような制限値記憶ファイルから指標iの現在値に対応する判定基準水温Tiの値を読み込み、更に、水温センサ43を介してエンジン冷却水の現在温度Tnを読み込んで、エンジン冷却水の現在温度Tnが判定基準水温Tiよりも低いか否かを判別する(ステップa11)。
制限値記憶ファイルは、エンジン冷却水の温度に応じてどの程度の風量制限を行うかを記憶したファイルであり、例えば図8の例では、エンジン冷却水の温度がT0未満の場合の風量上限値をBL0(実質的にモータ7を非作動として送風を禁止した状態)、また、エンジン冷却水の温度がT0以上でT1未満の場合の風量上限値をBL1(いわゆるLoレベルの吹出量)と定め、更に、T2,T3,・・・とエンジン冷却水の温度が上昇するにつれて風量の制限を緩めていき、最終的にエンジン冷却水の温度がTmax(例えば70度)を超えた段階で風量上限値をBLmax(モータ7をフル稼働としたHiレベルの吹出量)として風量制限を解除するようにしている。
【0038】
ステップa11の判別処理でエンジン冷却水の現在温度Tnが判定基準水温Tiよりも高いと判別された場合、MPU20は、制限値検索指標iの現在値が制限解除に相当する値maxを超えるか、または、Tn<TiとなるTiの値が検出されるまでの間、ステップa12の処理で指標iの値を順次インクリメントして前記と同様にしてステップa11〜ステップa13の処理を繰り返し実行する。
【0039】
そして、このような処理が繰り返し実行される間に制限値検索指標iの現在値が制限解除に相当する値maxを超えたことがステップa13の判別処理で検出された場合には、エンジン冷却水の現在温度Tnが既に制限解除温度Tmaxを超えていることを意味する。この場合は風量制限を実施する必要はないので、MPU20は、冷風吹出防止処理実行フラグF1をリセットして(ステップa14)、この周期の冷風吹出防止処理を終了する。
この場合、もう一方のタスクである必要風量演算処理(図7参照)ではステップb1〜ステップb3の処理だけが繰り返し実行されることになり、MPU20は、ステップb1の処理(必要吹出温度演算手段49)で求めた必要吹出温度の値に基づいて駆動回路23およびアクチュエータ10を介してミックスダンパ11の揺動位置を制御し、また、ステップb2の処理(必要風量演算手段51)で求めた必要風量の値にのみ基づいて駆動回路21およびモータ7を介してブロアファン8の回転速度を制御することになる。つまり、ステップb2で実施される必要風量の演算処理を除けば、送風量の制限に関する処理は全く実行されないことになる。
【0040】
一方、ステップa11〜ステップa13の処理が繰り返し実行される間にTn<TiとなるTiの値がステップa11の判別処理で検出された場合には、エンジン冷却水の現在温度Tnが制限解除温度Tmaxを超えていないことが明らかであり、何らかのレベルでの風量制限を行う必要がある。そこで、MPU20は、Tn<TiとなるTiが検出されたときの指標iの現在値に基づいて制限値記憶ファイルからエンジン冷却水の現在温度Tn(Tiの範囲に含まれる値)に対応する制限値BLiを読み込み、その値を制限値記憶レジスタBLに記憶し(ステップa15)、その後エンジン冷却水が加熱されて次の判定基準水温に達するか、または、エンジン冷却水の温度上昇が停滞して第二規制モードの風量制限処理が開始されるまでの間、風量制限値として利用する。
この場合、冷風吹出防止処理実行フラグF1はリセットされないので、もう一方のタスクである必要風量演算処理(図7参照)ではステップb1〜ステップb3の処理が実施された後、更に、ステップb2の処理で設定温度および室温と日射量に基づいて算出された必要風量と風量制限値BLとの大小関係がステップb4の処理で比較される。そして、ステップb2の処理で算出された必要風量の値が風量制限値BLを超えていると判定された場合には、MPU20は必要風量記憶レジスタに風量制限値BLの値を代入し(ステップb5)、風量制限値BLの値に基づいてモータ7の回転速度、即ち、ブロアファン8の送風量を制御することによって送風量を規制値の範囲内に収め、冷風の吹き出しを防止する。また、ステップb4の判別結果が偽となってステップb2の処理で算出された必要風量の値が風量制限値BLの範囲内にあることが明らかとなった場合には、MPU20は、ステップb2の処理で算出された必要風量の値をそのまま利用してブロアファン8の送風量を制御する。
【0041】
前述したステップa15の処理により現時点で適当とされる風量制限値BLiの値を制限値記憶レジスタBLに設定したMPU20は、次いで、エンジン冷却水の現在値Tnが前周期水温記憶レジスタTxに記憶されているエンジン冷却水の温度よりも高いか否か、即ち、前周期に比べて今周期の方がエンジン冷却水の温度が上昇しているか否かを判別し(ステップa16)、冷却水の現在値Tnが前周期水温記憶レジスタTxの値よりも高い場合、要するに、エンジン冷却水の温度が上昇している場合には、前周期水温記憶レジスタTxにエンジン冷却水の現在値Tnの値を更新して記憶し(ステップa17)、停滞時間計測タイマTr1の値をリセットして(ステップa18)、この周期の冷風吹出防止処理を終了する。
【0042】
また、ステップa16の処理で冷却水の現在値Tnが前周期水温記憶レジスタTxの値よりも高くないと判別された場合、つまり、エンジン冷却水の温度が上昇していないと判定された場合には、MPU20は、停滞時間計測タイマTr1の値をカウントアップする(ステップa19)。結果的に、停滞時間計測タイマTr1の現在値は、或る特定の温度でエンジン冷却水の温度上昇が停止してからの経過時間を示す値となる。次いで、MPU20は、タイマTr1の現在値が予め設定された判別値に達しているか否か、つまり、エンジン冷却水の温度上昇が一定時間以上継続して停滞したままになっているか否かを判別し(ステップa20)、ステップa20の判別結果が判別結果が偽となった場合、つまり、エンジン冷却水の温度上昇の停滞が一定時間未満である場合には、そのままこの周期の冷風吹出防止処理を終了する。
この場合、第二規制モード実行フラグF2はセットされないので、エンジン冷却水の温度上昇停滞後の経過時間に基づいて送風量の上限値を算出する第二規制モードの処理は開始されない。
【0043】
つまり、次周期以降の処理では、前記と同様にして、ステップa1,ステップa8,ステップa9の判別処理とステップa10〜ステップa13のループ処理が繰り返されることになる。そして、その結果、ステップa13の判別処理で制限値検索指標iの現在値が制限解除に相当する値maxを超えたことが検出された場合には、既に述べたような処理手順によって冷風吹出防止処理実行フラグF1がリセットされ、送風量の制限に関する処理が全て解除される。また、ステップa11の判別処理でTn<TiとなるTiの値が検出された場合には、そのときの指標iの現在値に基づいて前記と同様にしてエンジン冷却水の現在温度Tnに対応する制限値BLiが求められ(ステップa15)、その値を記憶したレジスタBLの値に基づいて必要風量演算処理(図7参照)が実施される。また、前記と同様にしてステップa16の判別処理が実施され、冷却水の現在値Tnが前周期水温記憶レジスタTxの値よりも高ければ停滞時間計測タイマTr1がリセットされる一方、エンジン冷却水の温度上昇が検出されなければ、停滞時間計測タイマTr1がカウントアップされることになる。
【0044】
そして、このような処理が繰り返し実行される間にステップa20の判別処理でタイマTr1の現在値が予め設定された判別値に達していることが確認された場合には、エンジン冷却水の温度上昇の停滞が一定時間以上継続していることを意味するので、MPU20は第二規制モード実行フラグF2をセットし(ステップa21)、エンジン冷却水の温度上昇停滞後の経過時間に基づいて送風量の上限値を算出する第二規制モードの処理を開始する。
【0045】
第二規制モード実行フラグF2がセットされる結果、次周期の冷風吹出防止処理ではステップa1,ステップa8の判別処理実行後ステップa9の判別処理が真となる。そこで、MPU20は、送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2をカウントアップし、第二規制モードの処理で新たな規制値を設定してからの経過時間を計時する(ステップa22)。なお、この実施形態では、第二規制モードの処理で最初に設定する規制値の初期値として、第一規制モードの処理から第二規制モードの処理に移行したときの制限値記憶レジスタBLの値をそのまま引き継いで利用するようにしているので、この段階でいう「新たな規制値を設定してからの経過時間」とは、第二規制モードの処理に移行してからの経過時間に等しい。
【0046】
送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2をカウントアップしたMPU20は、次いで、送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2の現在値が予め設定された判定値に達しているか否か、即ち、規制値の値を増大させて風量制限を緩めるべき時間周期に達しているか否かを判別する(ステップa23)。そして、規制値の値を増大させるべき時間周期に達していなければ、MPU20は、それまで規制値として使用していた制限値記憶レジスタBLの値をそのまま保持してこの周期の冷風吹出防止処理を終了する。
【0047】
その後、送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2の値が判定値に達するまでの間、前期と同様にしてステップa1,ステップa8,ステップa9,ステップa22,ステップa23の処理が繰り返し実行され、この間、同じ値の風量規制値BLを用いて、前述した必要風量演算処理のステップb4〜ステップb5の処理で送風量の上限値が規制される。
【0048】
そして、このような処理が繰り返し実行される間に送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2の値が判定値に達したことがステップa23の判別処理で検出されると、MPU20は送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2をリセットし(ステップa24)、規制値記憶レジスタBLの値を所定値ΔBLだけインクリメントして増大させ、その値を新たな規制値として規制値記憶レジスタBLに更新して記憶する(ステップa25)。前述した通り、送風量の上限値は必要風量演算処理のステップb4〜ステップb5の処理でレジスタBLの値に基づいて規制されるようになっているので、ステップb25の処理で規制値記憶レジスタBLの値が更新されると、その値が直ちに風量の上限規制値として反映されることになる。
【0049】
次いで、MPU20は、規制値記憶レジスタBLの値が風量制限なしの状態に相当する値BLmaxに達しているか否かを判別し(ステップa26)、達していなければ、そのままこの周期の冷風吹出防止処理を終了する。
【0050】
その後、規制値BLの値がBLmaxに達するまでの間、前期と同様にしてステップa1,ステップa8,ステップa9,ステップa22,ステップa23の処理が繰り返し実行され、ステップa23の判別処理で送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2の値が判定値に達したことが検出される度、規制値記憶レジスタBLの値が所定値ΔBLずつインクリメントされていく。前述した通り、規制値記憶レジスタBLの値は直ちに風量の上限規制値として反映される。
【0051】
そして、このような処理が繰り返し実行される間に規制値記憶レジスタBLの値がBLmaxに達したことがステップa26の判別処理で検出されると、MPU20は、冷風吹出防止処理実行フラグF1をリセットして送風量の制限を完全に解除し(ステップa27)、ステップb2の処理で求めた必要風量の値にのみ基づいて、駆動回路21およびモータ7を介してブロアファン8の回転速度を制御することになる。
【0052】
この結果、エンジン冷却水の温度が順調に上昇する間、つまり、第二規制モード実行フラグF2のリセット状態が維持されている間は、エンジン冷却水の現在温度Tnに基づいて送風量の上限値BLを決める第一規制モードの処理(専らステップa11〜ステップa15の処理)が従来装置と同様にして実行され、ヒート吹出口16やデフロスタ吹出口17等の空気吹出口から低音の空気が過剰に吹き出すのを防止する(専らステップb4〜ステップb5の処理)。
【0053】
また、寒冷地走行等の影響によりエンジン冷却水の温度上昇が阻害され、エンジン冷却水の温度が所定の温度(例えば70度)にまで上昇しないような場合には、前述したステップa20の処理でエンジン冷却水の温度上昇の停滞が検出されて第二規制モード実行フラグF2がセットされ(ステップa21)、それ以降、送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2が所定時間の経過を検出する度に規制値記憶レジスタBRの値を徐々に増大させていくので(ステップa23〜ステップa25)、例え、エンジン冷却水の温度が思うように上昇しないとしても、ヒート吹出口16やデフロスタ吹出口17等の空気吹出口からの送風が極端に制限されるといった不都合は解消される。この場合、エンジン冷却水の温度は所定の温度(例えば70度)にまで上昇しない状態で送風量の制限が解除される場合もあるが、規制値記憶レジスタBRの値を時間の経過に応じて強制的に上昇させていく処理は、エンジン冷却水の温度上昇が完全に停滞してから開始されるので、エンジン冷却水の温度上昇が停滞したときの比較的高い温度で暖房作業を行うことができ、冷風の吹き出し等の問題は発生しない。
【0054】
規制値記憶レジスタBRの値は送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2が所定時間の経過を検出する度に書き換えられるので、理論上、送風量の規制値の上昇はステップ状になるが、送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2の計時時間の設定値を短く設定し、また、ΔBLの刻み幅を小さく設定するようにすれば、送風量の規制値を実質的に線形的に増大させることが可能である。
【0055】
図9および図10に本実施形態による風量制限と従来技術による風量制限の相違を例示する。図9は風量制限値とエンジン冷却水温度との関係を示す概念図、また、図10は風量制限値とエンジン始動後の経過時間との関係を示す概念図であり、いずれの図においても、エンジン冷却水の温度が順調に増大したときの風量制限値の変化を実線で示している。また、寒冷地走行等の理由によりエンジン冷却水の温度上昇がTi度で停滞したものとして、その後の風量制限値の変化を、本実施形態を適用したものに関しては一点鎖線で、また、従来技術を利用したものに関しては二点鎖線で示している。
【0056】
図9および図10に示される通り、エンジン冷却水の温度が順調に増大する間、つまり、エンジン冷却水の温度がTi(図10での経過時間はti)度に達するまでの間は、本実施形態のものも従来技術のものも同様に、エンジン冷却水の現在温度Tnに基づいて送風量の上限値BLが特定される。なお、一般に、エンジン冷却水の現在温度TnがT0未満のときはモータ7を停止させてブロアファン8による送風を完全に禁止し、エンジン冷却水の現在温度TnがT0(図10での経過時間はt0)を超えた段階で初めてLoレベルの送風を許容するようにしている。
【0057】
しかし、従来技術を適用した装置では、エンジン冷却水の現在温度Tnに基づいて送風量の上限値BLを特定する状況がエンジン冷却水の温度上昇の変化に関わりなく継続されるので、図9および図10に示す通り、エンジン冷却水の温度上昇がTi度(図10での経過時間はti)で停滞してしまうと、その後の時間経過に関わりなく、送風量の上限がBLiに規制されてしまう。これに対し、本実施形態では、前述した通り、エンジン冷却水の温度上昇の停滞が検出された段階で上限値の算出方法を変更し、時間の経過に応じて送風量の上限値BLを徐々に増大させるようにしているので、例え、エンジン冷却水の温度上昇がTi度(図10での経過時間はti)で停滞してしまっても、図10に示すように、BLの値を徐々に増大させて最終的に送風量の制限を完全に解除することができる。
【0058】
なお、図10で示される区間A−Bの傾き、要するに、上限値BLの変化率は、送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2の設定値やΔBLの値を変更することによって任意に調整することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明の冷風吹出防止機能付車両用空調装置によれば、エンジン冷却水の温度が低い段階では冷風の吹出防止機能を優先して冷たい空気の吹き出しを確実に防止することができ、しかも、寒冷地走行等によってエンジン冷却水の温度上昇が停滞した場合は、その後の時間経過に応じて徐々に風量制限の規制を緩めていくようにしているので、外部環境の影響等によってエンジン冷却水の温度が思うように上昇しないような場合であっても、十分な風量を確保して暖房を行うことができる。
また、エンジン冷却水の温度上昇が停滞した場合でも、エンジン冷却水の温度それ自体は暖房が可能な程度に上昇しているので、冷風の吹き出しに関する問題は的確に防止される。
【0060】
更に、エンジン冷却水の温度が一定時間以上継続して上昇していない場合に限って風量制限の規制を強制的に緩めていくようにすることにより、走行状態の変化等に伴うエンジン冷却水の一時的な温度変動、例えば、その後に冷却水温度が上昇する可能性を残した一時的な温度低下等の現象が、誤って温度上昇の停滞現象として検出されることを防止することができる。
従って、低温の外部環境等に抗してエンジン冷却水の温度を最大限上昇させた状態、即ち、エンジン冷却水の温度上昇がそれ以上望めなくなったときに初めて時間経過に基づく風量制限の解除操作が許容されるようになる。この結果、エンジン冷却水の温度が上昇限度に達していない状態で風量制限が解除されるといった誤動作が解消され、冷風の吹き出し防止に関する機能を一層確実に達成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の冷風吹出防止機能付車両用空調装置の機構上の要部について簡略化して示す図である。
【図2】同実施形態の冷風吹出防止機能付車両用空調装置の制御部を示すブロック図である。
【図3】制御部のマイクロプロセッサによって形成される機能実現手段の概要を示すブロック図である。
【図4】同実施形態のマイクロプロセッサによって実施される冷風吹出防止処理の概略を示すフローチャートである。
【図5】冷風吹出防止処理の概略を示すフローチャートの続きである。
【図6】冷風吹出防止処理の概略を示すフローチャートの続きである。
【図7】同実施形態のマイクロプロセッサによって実施される必要風量演算処理の概略を示すフローチャートである。
【図8】風量の上限値を記憶した制限値記憶ファイルの一例を示す概念図である。
【図9】本実施形態による風量制限と従来技術による風量制限との相違を風量制限値とエンジン冷却水温度との関係によって例示する概念図である。
【図10】本実施形態による風量制限と従来技術による風量制限との相違を風量制限値とエンジン始動後の経過時間との関係によって例示する概念図である。
【符号の説明】
1a 冷風吹出防止機能付車両用空調装置の機構部
1b 冷風吹出防止機能付車両用空調装置の制御部
7 モータ(送風手段)
8 ブロアファン(送風手段)
12 ヒータコア
15 ベント吹出口
16 ヒート吹出口
17 デフロスタ吹出口
20 主制御部(マイクロプロセッサ)
33 イグニッションスイッチ
39 外気温センサ
40 日射センサ
43 水温センサ(温度検出手段)
44 内気温センサ
49 必要吹出温度演算手段
50 ダンパ位置演算手段
51 必要風量演算手段
52 供給電圧演算手段
53 第一の送風量規制手段
54 第二の送風量規制手段
55 温度変化判定手段

Claims (2)

  1. エンジン冷却水で加熱された空気を送風手段で空気吹出口に送風して車室内の暖房を行い、かつ、エンジン冷却水の温度を検出する温度検出手段を有して、エンジン冷却水の温度に応じて前記送風手段の送風量の上限値を規制することで空気吹出口からの冷風の吹き出しを防止するようにした冷風吹出防止機能付車両用空調装置において、
    前記温度検出手段により検出されるエンジン冷却水の温度が上昇中であるか否かを判別する温度変化判定手段と、この温度変化判定手段によりエンジン冷却水の温度が上昇中であると判定された場合にエンジン冷却水の温度に応じて前記送風手段の送風量の上限値を規制する第一の送風量規制手段と、前記温度変化判定手段によりエンジン冷却水の温度が上昇中でないと判定された場合に時間の経過に応じて前記送風手段の送風量の上限値を増大させていく第二の送風量規制手段とを備えたことを特徴とする冷風吹出防止機能付車両用空調装置。
  2. 前記第二の送風量規制手段は、前記温度変化判定手段によりエンジン冷却水の温度が一定時間以上継続して上昇していないと判定された場合に作動を開始するように構成された動作タイミング制御機能を備えている請求項1記載の冷風吹出防止機能付車両用空調装置。
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