JP2000264035A - 冷風吹出防止機能付車両用空調装置 - Google Patents

冷風吹出防止機能付車両用空調装置

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JP2000264035A
JP2000264035A JP11069854A JP6985499A JP2000264035A JP 2000264035 A JP2000264035 A JP 2000264035A JP 11069854 A JP11069854 A JP 11069854A JP 6985499 A JP6985499 A JP 6985499A JP 2000264035 A JP2000264035 A JP 2000264035A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 エンジン冷却水の温度上昇が不十分な場合で
あっても十分な送風効果を得ることのできる冷風吹出防
止機能付車両用空調装置を提供すること。 【解決手段】 エンジン冷却水の現在温度に応じて送風
量の上限値BLを規制する一方、水温センサでエンジン
冷却水の現在温度を常時見張り、前回に測定したエンジ
ン冷却水温度との大小関係を比較する。現在温度が以前
の温度よりも大きな値とならない状況が設定時間以上継
続した場合に限り、時間の経過に応じて送風量を規制す
る上限値BLの値を徐々に増大させていく。エンジン冷
却水の温度上昇が停滞した場合でも十分な送風量を確保
することができるので、寒冷地走行等の場合であっても
大風量の暖房を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷風吹出防止機能
付車両用空調装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン冷却水で加熱された空気を送風
手段で空気吹出口に送風して車室内の暖房を行うと共
に、エンジン冷却水の温度を検出し、エンジン冷却水の
温度に応じた送風量の規制を行うことで冷風の吹き出し
を防止するようにした冷風吹出防止機能付車両用空調装
置が、例えば、特公昭56−23808号公報として既
に公知である。この種の冷風吹出防止機能付車両用空調
装置では、例えば、エンジン冷却水の温度が30度程度
になるまでは送風手段の動作を完全に禁止して冷風の吹
出しを防止し、その後、エンジン冷却水の温度の上昇に
応じて、例えば、エンジン冷却水の温度に比例させるか
たちで送風手段の送風量の上限値を徐々に上昇させてい
き、最終的に、エンジン冷却水の温度が70度程度の高
温に達した段階で、送風量の規制を完全に解除して送風
手段のフル稼働を許容するといった制御方法を適用する
のが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、寒冷地等を走
行するとエンジン冷却水の温度上昇が鈍るため、送風量
の規制解除が許容される設定温度、例えば、前述した7
0度の温度にまでエンジン冷却水の温度が上昇するとい
った保証はなく、送風量が規制されたままの状態で暖房
が続けられて車室内が暖められるといった可能性があ
る。
【0004】また、自動制御によって送風量の調整を行
う車両用空調装置の場合、適正な送風量は、設定目標温
度と現在の室内温度との差に関連した関数を利用して求
めるのが普通である。このため、設定目標温度と室内温
度との差が小さい場合には必要とされる適正な送風量の
値も小さくなり、また、設定目標温度と室内温度との差
が大きい場合には、必要とされる適正な送風量の値も大
きくなる。従って、前述したように、送風量が規制され
たままの状態で暖房が続けられて車室内が暖められる
と、設定目標温度と室内温度との差が小さくなって、自
動制御で求められた適正な送風量の値が送風量の規制値
に比べて低くなり、結果的に、送風手段の送風量が徐々
に減少していくといった現象が生じる場合がある。
【0005】送風量が低くなって車室内の空気の循環が
不充分になると車室内の全体的な暖房効率が低下し、車
室内が暖かくなるまでに長い時間を要するといった弊害
が生じる。また、搭乗者の側から見ると、強力な暖房を
行っている筈であるにも関わらず送風手段の風量が不足
しているといった違和感の原因にもなる。
【0006】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、エンジン冷却
水の温度が低い段階では冷風の吹出防止機能を優先する
一方、エンジン冷却水の温度上昇が外部環境の影響を受
けて妨げられた場合であっても十分な送風効果を得るこ
とのできる冷風吹出防止機能付車両用空調装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、温度検出手段
により検出されるエンジン冷却水の温度が上昇中である
か否かを判別する温度変化判定手段と、温度変化判定手
段によりエンジン冷却水の温度が上昇中であると判定さ
れた場合にエンジン冷却水の温度に応じて前記送風手段
の送風量の上限値を規制する第一の送風量規制手段と、
温度変化判定手段によりエンジン冷却水の温度が上昇中
でないと判定された場合に時間の経過に応じて前記送風
手段の送風量の上限値を増大させていく第二の送風量規
制手段とを備えたことを特徴とする構成により前記目的
を達成した。つまり、寒冷地であってもエンジン冷却水
の温度が順調に上昇する暖房開始の初期段階では、従来
と同様、第一の送風量規制手段によりエンジン冷却水の
温度に応じて送風手段の送風量の上限値を規制すること
で冷風の吹き出しを防止し、また、外部環境の影響でエ
ンジン冷却水の温度上昇が妨げられた場合には、第二の
送風量規制手段により、その後の時間の経過に応じて送
風量の上限値を増大させていくことで送風手段の送風能
力を確保する。
【0008】更に、前記温度変化判定手段によりエンジ
ン冷却水の温度が一定時間以上継続して上昇していない
と判定され続けた場合に限って前記第二の送風量規制手
段を作動させることで、運転状況の変化等で生じるエン
ジン冷却水の微妙な温度変動の影響による判定ミスを取
り除いて前記第一の送風量規制手段から第二の送風量規
制手段への制御の切り替えを安定して行うことができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態について詳細に説明する。図1は本発明を適用
した冷風吹出防止機能付車両用空調装置の機構部1aの
要部を簡略化して示す図である。空気通路となるダクト
2の上流部には、外部からの空気を取り入れるための外
気取入れ口3と車両内の循環空気を取り入れるための内
気取入れ口4とが設けられ、アクチュエータ5によって
揺動されるインテークダンパ6の回転角度に応じて、外
気または内気、もしくは、その混合気がダクト2内に取
り入れられるようになっている。
【0010】そして、ダクト2内に取り入れられた空気
は、モータ7およびブロアファン8で構成される送風手
段によって下流側に送られ、更に、冷却器となるエバポ
レータ9の配備された位置を通り、アクチュエータ10
で揺動されるミックスダンパ11でヒータコア12側と
バイパス側とに分流されて熱量を調整され、最終的に、
空気吹出口のダンパ13,14により空気の出先を規制
されて、空気吹出口を構成するベント吹出口15やヒー
ト吹出口16、あるいは、デフロスタ吹出口17から車
内に放出される。
【0011】ヒータコア12は暖められたエンジン冷却
水を内部に循環させて暖房用の熱源として利用する加熱
手段である。
【0012】空気吹出口のダンパ13,14は、ダンパ
13,14の揺動動作を連携させるためのリンク機構1
8を介してアクチュエータ19によって駆動される。ま
た、空気吹出口のダンパ13,14の回転位置は、温度
設定スイッチによって設定された設定温度や内気温セン
サの検出値に基づいて算出された目標吹出し温度の値に
応じて自動調整されるようになっている。例えば、目標
吹出し温度が高い場合には一方の空気吹出口であるヒー
ト吹出口16に空気を振り分ける位置に、また、必要吹
出し温度が低い場合にはもう一方の空気吹出口であるベ
ント吹出口15の側に空気を振り分ける位置に、更に、
必要吹出し温度が中程度の場合には、ヒート吹出口16
とベント吹出口15の双方に略均等に空気を振り分ける
位置に空気吹出口のダンパ13,14が移動されるよう
になっている。
【0013】図2は冷風吹出防止機能付車両用空調装置
の制御部1bの要部を示すブロック図である。図2に示
す通り、制御部1bは、ROMやRAM等を備えた1チ
ップ型のマイクロプロセッサで構成される主制御部20
(以下、MPUという)を有し、冷風吹出防止機能付車
両用空調装置の機構部1aに設けられたブロアファン8
を回転駆動するモータ7、インテークダンパ6を揺動す
るアクチュエータ5、ミックスダンパ11を揺動するた
めのアクチュエータ10、リンク機構18を介して空気
吹出口のダンパ13,14を揺動させるためのアクチュ
エータ19の各々が夫々の駆動回路21,22,23,
24を介してMPU20によって駆動制御される。
【0014】また、ミックスダンパ11を揺動するため
のアクチュエータ10および空気吹出口のダンパ13,
14を揺動させるためのアクチュエータ19には、各々
のアクチュエータの回転位置、即ち、ミックスダンパ1
1の回転位置や空気吹出口のダンパ13,14の回転位
置を検出するためのミックスダンパ位置検出センサ25
と吹出口ダンパ位置検出センサ26が設けられ、各々の
信号処理回路27,28を介してミックスダンパ11お
よび空気吹出口のダンパ13,14の揺動位置がMPU
20によって検出されるようになっている。
【0015】エバポレータ9はコンプレッサ29と共に
冷風吹出防止機能付車両用空調装置の冷却器部分を構成
し、駆動回路30を介してMPU20によりON/OF
F制御される。また、エバポレータ9には熱電対等によ
って構成されるエバポ温センサ31が配備され、信号処
理回路32を介してエバポレータ9の現在温度がMPU
20によって検出されるようになっている。
【0016】また、イグニッションスイッチ33を作動
させたときに出力される起動信号やダッシュパネルに配
備された各種パネルスイッチ34からの信号、および、
温度設定スイッチ35に目標値として設定された設定温
度は、各々の信号処理回路36,37,38を介してM
PU20に入力され、更に、外気温センサ39と日射セ
ンサ40からの信号も各々の信号処理回路41,42を
介してMPU20に入力されるようになっている。同様
にして、エンジン冷却水の温度を検出する温度検出手段
としての水温センサ43および車両室内の温度を検出す
る内気温センサ44からの信号は各々の信号処理回路4
5,46を介してMPU20に入力される。
【0017】また、MPU20は表示回路47を介して
表示パネル48の表示状態を制御し、温度設定スイッチ
35によって設定された目標温度、および、内気温度の
現在値やエンジン冷却水の現在値等を表示する。
【0018】図3は主制御部となるMPU20によって
構成される機能実現手段の概要を示すブロック図であ
り、このうち、必要吹出温度演算手段49とダンパ位置
演算手段50および必要風量演算手段51と供給電圧演
算手段52の機能に関しては既に公知である。
【0019】即ち、必要吹出温度演算手段49は、外気
温センサ39によって検出される外気温度と日照センサ
40によって検出される単位時間当たりの日射量ならび
に内気温センサ44によって検出される車両内の室温
と、目標温度として温度設定スイッチ35に設定された
設定温度とに基づいて、従来と同様にして、車両の室内
温度を目標設定値に一致させるために必要とされる空気
の吹き出し温度(必要吹出温度)の値を算出するように
なっている。必要吹出温度を求めるための演算式は図7
のステップb1に示す通りである。なお、K1〜K4の
係数および定数Cは実験的に求められた値である。ステ
ップb1の式から明らかなように、設定温度が低い場
合,室内温度が高い場合や外気温度か高い場合、また
は、日射量が多い場合には必要吹出温度が低くなり、こ
れとは逆に設定温度が高い場合,室内温度が低い場合や
外気温度が低い場合、または、日射量が少ない場合には
必要吹出温度が高くなる。
【0020】そして、ダンパ位置演算手段50は、必要
吹出温度演算手段49で算出された必要吹出温度の値に
基づいて、この吹出温度を達成するために必要とされる
ミックスダンパ11の揺動位置、要するに、ヒータコア
12側とバイパス側への空気の振り分け割合を求め、ア
クチュエータ10の駆動回路23に駆動指令を出力す
る。駆動回路23は、ミックスダンパ位置検出センサ2
5の位置検出信号を参照しながらミックスダンパ11を
指令された揺動位置に移動させる。
【0021】また、必要風量演算手段51は、目標温度
として温度設定スイッチ35に設定された設定温度と内
気温センサ44によって検出される車両内の室温および
日照センサ40によって検出される単位時間当たりの日
射量とに基づいて、従来と同様にして、現時点で必要と
されるブロアファン8の送風量(必要風量)、即ち、モ
ータ7の回転速度を求める。必要風量を求めるための演
算式は図7のステップb2に示す通りである。なお、L
1およびL2の係数および定数Dは実験的に求められた
値である。ステップb2の式から明らかなように、設定
温度と室内温度の現在値との差が小さい場合や日射量が
少ない場合には必要風量の値が小さくなり、これとは逆
に設定温度と室内温度の現在値との差が大きい場合や日
射量が多い場合には必要風量の値が大きくなる。
【0022】そして、供給電圧演算手段52は、必要風
量演算手段51で算出された必要風量に基づいて、この
風量を達成するために必要とされるモータ7の回転数を
求め、モータ7の駆動回路21に駆動指令を出力し、駆
動回路21は、回転数指令に応じた電圧でモータ7を駆
動してブロアファン8を回転させる。
【0023】しかし、従来の技術の項およびステップb
2の処理に関する説明でも述べた通り、必要風量演算手
段51によって算出される必要風量の値は、設定温度と
室内温度の現在値との差が小さくなるにつれて徐々に減
少するので、車両が寒冷地を走行するなどしてブロアフ
ァン8の送風量が規制されたままの状態で車室内が暖め
られたりすると、設定目標温度と室内温度との差が小さ
くなって送風量が極端に減少するといった問題が生じる
場合がある。
【0024】そこで、本実施形態においては、エンジン
冷却水の温度、即ち、ヒータコア12の暖房能力に応じ
てブロアファン8の送風量を規制する従来と同様の第一
の送風量規制手段53に加え、エンジン冷却水の温度自
体とは関わりなく、エンジン冷却水の温度上昇が停滞し
た時点を基準に時間の経過に応じて送風量を規制する上
限値の値を徐々に増大させていく第二の送風量規制手段
54と、エンジン冷却水の温度が上昇中であるか否かを
判別して第一,第二の送風量規制手段53,54の内の
いずれの送風量規制手段による風量制限を実施するかを
判定する温度変化判定手段55とを設けてこのような問
題に対処するようにしている。
【0025】第一の送風量規制手段53と第二の送風量
規制手段54および温度変化判定手段55は、本実施形
態においては何れもMPU20を機能実現手段として達
成されている。
【0026】図4〜図6は本実施形態のMPU20によ
って実施される冷風吹出防止処理の概略を示すフローチ
ャート、また、図7は必要風量演算処理の概略を示すフ
ローチャートであり、これらの処理はMPU20のマル
チタスク処理として所定周期毎に繰り返し交互に実行さ
れる。このうち、図4〜図6に示す冷風吹出防止処理
は、エンジン冷却水の温度上昇が停滞したか否かを判定
するための処理と、エンジン冷却水の温度に基づいて送
風量の上限値を算出するための処理、および、エンジン
冷却水の温度上昇停滞後の経過時間に基づいて送風量の
上限値を算出するための処理とを含み、また、図7に示
す必要風量演算処理は、専ら、冷風吹出防止処理によっ
て求められた上限値に従って実際にブロアファン8の送
風量を規制するための処理によって構成される。
【0027】冷風吹出防止処理を開始したMPU20
は、まず、この処理周期がエンジン起動直後のものであ
るか否か、つまり、この処理周期において冷風吹出防止
のための初期設定処理を実施する必要があるか否かをイ
グニッションスイッチ33からの起動信号の入力の有無
によって判定する(ステップa1)。イグニッションス
イッチ33からの起動信号が検出されればこの処理周期
はエンジン起動直後のものであり、また、イグニッショ
ンスイッチ33からの起動信号が検出されなければ、こ
の処理周期はエンジン起動直後のものではなく、初期設
定処理を実施する必要もない。
【0028】そこで、ステップa1の判別結果が真とな
った場合、MPU20は、次いで、冷風吹出防止のため
の実質的な制御を実施する必要があるか否か、要する
に、搭乗者が暖房を要求しているか否かを判定すること
になる。
【0029】この実施形態においては、図4に示す通
り、外気温センサ39によって検出される外気温が判別
基準となる判定値Toutよりも低いか否か(ステップa
2)、必要吹出温度演算手段51によって算出された必
要吹出温度の値が判別基準となる判定値Tblwよりも高
いか否か(ステップa3)、および、温度設定スイッチ
35で設定された目標温度が判別基準となる判定値Tよ
りも高いか否か(ステップa4)の3つの条件によって
搭乗者が暖房を要求しているか否かを判定するようにし
ており、ステップa2〜ステップa4の判別結果が全て
真となった場合に限って搭乗者が暖房を要求しているも
のと見なして冷風吹出防止のための制御を実施するよう
にしている。なお、ステップa3の処理で判別対象とな
る必要吹出温度は、1周期前の必要風量演算処理におけ
るステップb1の処理(図7参照)で算出された値であ
る。
【0030】そこで、ステップa2〜ステップa4の判
別結果が全て真となって搭乗者が暖房を要求しているこ
とが明らかとなった場合、MPU20は、冷風吹出防止
処理実行フラグF1をセットして搭乗者が暖房を要求し
ていることを記憶すると共に、第二の送風量規制手段5
4による送風量の制限処理が実行されていることを示す
第二規制モード実行フラグF2をリセットし、更に、送
風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2をリセット
する(ステップa5)。そして、MPU20は水温セン
サ43を介してエンジン冷却水の現在温度Tnを読み込
み、その値を前周期水温記憶レジスタTxに更新記憶し
て、冷風吹出防止のための初期設定処理を終了する(ス
テップa6)。
【0031】また、ステップa2〜ステップa4の判別
処理のいずれかの判別結果が偽となった場合、MPU2
0は、搭乗者が暖房を要求していないものと判断して冷
風吹出防止処理実行フラグF1をリセットし、冷風吹出
防止のための初期設定処理を終了する(ステップa
7)。なお、デフロスタ使用時(ヒート吹出口16から
の送気による曇り除去や霜取りの場合)にも冷風吹出防
止処理実行フラグF1をリセットして風量制限を行わな
いようにしてもよい。
【0032】初期設定処理が終了する結果、次周期以降
の冷風吹出防止処理ではステップa1の判別結果が常に
偽となり、MPU20は、次いで、冷風吹出防止処理実
行フラグF1がセットされているか否かを判別すること
になる(ステップa8)。
【0033】前述した初期設定処理で冷風吹出防止処理
実行フラグF1がリセットされている場合には、搭乗者
が暖房を要求していないことを意味するので、MPU2
0は、ステップa8の判別処理終了後、そのまま冷風吹
出防止処理を終了し、次周期以降の処理でステップa1
およびステップa8の判別処理のみを繰り返し実行する
ことになる。
【0034】この場合、もう一方のタスクである必要風
量演算処理ではステップb1〜ステップb3の処理(図
7参照)だけが繰り返し実行されることになるので、M
PU20は、必要吹出温度演算手段49を構成するステ
ップb1の処理で求めた必要吹出温度の値に基づいて、
従来と同様にして、駆動回路23およびアクチュエータ
10を介してミックスダンパ11の揺動位置を制御し、
また、必要風量演算手段51を構成するステップb2の
処理で求めた必要風量の値に基づいて、従来と同様にし
て、駆動回路21およびモータ7を介してブロアファン
8の回転速度を制御することになる。つまり、ステップ
b2の処理で実施される必要風量の演算処理を除けば、
ブロアファン8の送風量の制限に関する処理は全く実行
されないということである。
【0035】一方、冷風吹出防止処理におけるステップ
a8の判別処理で冷風吹出防止処理実行フラグF1がセ
ットされていることが確認された場合には、搭乗者が暖
房を要求していることを意味するので、MPU20は、
不用意な冷風の吹き出しを防止するために必要とされる
実質的な冷風吹出防止処理を実行する必要がある。そこ
で、ステップa8の判別処理で冷風吹出防止処理実行フ
ラグF1がセットされていることが確認された場合、M
PU20は、第二規制モード実行フラグF2がセットさ
れているか否か、即ち、エンジン冷却水の温度上昇停滞
後の経過時間に基づいて送風量の上限値を算出して風量
を制限する第二規制モードの風量制限処理を実施すべき
であるのか、それとも、エンジン冷却水の現在温度に基
づいて送風量の上限値を算出して風量を制限する第一規
制モードの風量制限処理を実施すべきであるのかを判定
する(ステップa9)。
【0036】暖房開始直後の現段階では、前述したステ
ップa5の処理で第二規制モード実行フラグF2がリセ
ットされたままの状態に維持されているので、必然的に
ステップa9の判別結果は偽となる。よって、MPU2
0は、エンジン冷却水の現在温度に基づいて送風量の上
限値を算出して風量を制限する第一規制モードの処理を
実施することになる。
【0037】そこで、第一規制モードの処理を開始した
MPU20は、まず、制限値検索指標iに初期値0をセ
ットした後(ステップa10)、図8に示すような制限
値記憶ファイルから指標iの現在値に対応する判定基準
水温Tiの値を読み込み、更に、水温センサ43を介し
てエンジン冷却水の現在温度Tnを読み込んで、エンジ
ン冷却水の現在温度Tnが判定基準水温Tiよりも低いか
否かを判別する(ステップa11)。制限値記憶ファイ
ルは、エンジン冷却水の温度に応じてどの程度の風量制
限を行うかを記憶したファイルであり、例えば図8の例
では、エンジン冷却水の温度がT0未満の場合の風量上
限値をBL0(実質的にモータ7を非作動として送風を
禁止した状態)、また、エンジン冷却水の温度がT0以
上でT1未満の場合の風量上限値をBL1(いわゆるLo
レベルの吹出量)と定め、更に、T2,T3,・・・とエ
ンジン冷却水の温度が上昇するにつれて風量の制限を緩
めていき、最終的にエンジン冷却水の温度がTmax(例
えば70度)を超えた段階で風量上限値をBLmax(モ
ータ7をフル稼働としたHiレベルの吹出量)として風
量制限を解除するようにしている。
【0038】ステップa11の判別処理でエンジン冷却
水の現在温度Tnが判定基準水温Tiよりも高いと判別さ
れた場合、MPU20は、制限値検索指標iの現在値が
制限解除に相当する値maxを超えるか、または、Tn<T
iとなるTiの値が検出されるまでの間、ステップa12
の処理で指標iの値を順次インクリメントして前記と同
様にしてステップa11〜ステップa13の処理を繰り
返し実行する。
【0039】そして、このような処理が繰り返し実行さ
れる間に制限値検索指標iの現在値が制限解除に相当す
る値maxを超えたことがステップa13の判別処理で検
出された場合には、エンジン冷却水の現在温度Tnが既
に制限解除温度Tmaxを超えていることを意味する。こ
の場合は風量制限を実施する必要はないので、MPU2
0は、冷風吹出防止処理実行フラグF1をリセットして
(ステップa14)、この周期の冷風吹出防止処理を終
了する。この場合、もう一方のタスクである必要風量演
算処理(図7参照)ではステップb1〜ステップb3の
処理だけが繰り返し実行されることになり、MPU20
は、ステップb1の処理(必要吹出温度演算手段49)
で求めた必要吹出温度の値に基づいて駆動回路23およ
びアクチュエータ10を介してミックスダンパ11の揺
動位置を制御し、また、ステップb2の処理(必要風量
演算手段51)で求めた必要風量の値にのみ基づいて駆
動回路21およびモータ7を介してブロアファン8の回
転速度を制御することになる。つまり、ステップb2で
実施される必要風量の演算処理を除けば、送風量の制限
に関する処理は全く実行されないことになる。
【0040】一方、ステップa11〜ステップa13の
処理が繰り返し実行される間にTn<TiとなるTiの値
がステップa11の判別処理で検出された場合には、エ
ンジン冷却水の現在温度Tnが制限解除温度Tmaxを超え
ていないことが明らかであり、何らかのレベルでの風量
制限を行う必要がある。そこで、MPU20は、Tn<
TiとなるTiが検出されたときの指標iの現在値に基づ
いて制限値記憶ファイルからエンジン冷却水の現在温度
Tn(Tiの範囲に含まれる値)に対応する制限値BLi
を読み込み、その値を制限値記憶レジスタBLに記憶し
(ステップa15)、その後エンジン冷却水が加熱され
て次の判定基準水温に達するか、または、エンジン冷却
水の温度上昇が停滞して第二規制モードの風量制限処理
が開始されるまでの間、風量制限値として利用する。こ
の場合、冷風吹出防止処理実行フラグF1はリセットさ
れないので、もう一方のタスクである必要風量演算処理
(図7参照)ではステップb1〜ステップb3の処理が
実施された後、更に、ステップb2の処理で設定温度お
よび室温と日射量に基づいて算出された必要風量と風量
制限値BLとの大小関係がステップb4の処理で比較さ
れる。そして、ステップb2の処理で算出された必要風
量の値が風量制限値BLを超えていると判定された場合
には、MPU20は必要風量記憶レジスタに風量制限値
BLの値を代入し(ステップb5)、風量制限値BLの
値に基づいてモータ7の回転速度、即ち、ブロアファン
8の送風量を制御することによって送風量を規制値の範
囲内に収め、冷風の吹き出しを防止する。また、ステッ
プb4の判別結果が偽となってステップb2の処理で算
出された必要風量の値が風量制限値BLの範囲内にある
ことが明らかとなった場合には、MPU20は、ステッ
プb2の処理で算出された必要風量の値をそのまま利用
してブロアファン8の送風量を制御する。
【0041】前述したステップa15の処理により現時
点で適当とされる風量制限値BLiの値を制限値記憶レ
ジスタBLに設定したMPU20は、次いで、エンジン
冷却水の現在値Tnが前周期水温記憶レジスタTxに記憶
されているエンジン冷却水の温度よりも高いか否か、即
ち、前周期に比べて今周期の方がエンジン冷却水の温度
が上昇しているか否かを判別し(ステップa16)、冷
却水の現在値Tnが前周期水温記憶レジスタTxの値より
も高い場合、要するに、エンジン冷却水の温度が上昇し
ている場合には、前周期水温記憶レジスタTxにエンジ
ン冷却水の現在値Tnの値を更新して記憶し(ステップ
a17)、停滞時間計測タイマTr1の値をリセットして
(ステップa18)、この周期の冷風吹出防止処理を終
了する。
【0042】また、ステップa16の処理で冷却水の現
在値Tnが前周期水温記憶レジスタTxの値よりも高くな
いと判別された場合、つまり、エンジン冷却水の温度が
上昇していないと判定された場合には、MPU20は、
停滞時間計測タイマTr1の値をカウントアップする(ス
テップa19)。結果的に、停滞時間計測タイマTr1の
現在値は、或る特定の温度でエンジン冷却水の温度上昇
が停止してからの経過時間を示す値となる。次いで、M
PU20は、タイマTr1の現在値が予め設定された判別
値に達しているか否か、つまり、エンジン冷却水の温度
上昇が一定時間以上継続して停滞したままになっている
か否かを判別し(ステップa20)、ステップa20の
判別結果が判別結果が偽となった場合、つまり、エンジ
ン冷却水の温度上昇の停滞が一定時間未満である場合に
は、そのままこの周期の冷風吹出防止処理を終了する。
この場合、第二規制モード実行フラグF2はセットされ
ないので、エンジン冷却水の温度上昇停滞後の経過時間
に基づいて送風量の上限値を算出する第二規制モードの
処理は開始されない。
【0043】つまり、次周期以降の処理では、前記と同
様にして、ステップa1,ステップa8,ステップa9
の判別処理とステップa10〜ステップa13のループ
処理が繰り返されることになる。そして、その結果、ス
テップa13の判別処理で制限値検索指標iの現在値が
制限解除に相当する値maxを超えたことが検出された場
合には、既に述べたような処理手順によって冷風吹出防
止処理実行フラグF1がリセットされ、送風量の制限に
関する処理が全て解除される。また、ステップa11の
判別処理でTn<TiとなるTiの値が検出された場合に
は、そのときの指標iの現在値に基づいて前記と同様に
してエンジン冷却水の現在温度Tnに対応する制限値B
Liが求められ(ステップa15)、その値を記憶した
レジスタBLの値に基づいて必要風量演算処理(図7参
照)が実施される。また、前記と同様にしてステップa
16の判別処理が実施され、冷却水の現在値Tnが前周
期水温記憶レジスタTxの値よりも高ければ停滞時間計
測タイマTr1がリセットされる一方、エンジン冷却水の
温度上昇が検出されなければ、停滞時間計測タイマTr1
がカウントアップされることになる。
【0044】そして、このような処理が繰り返し実行さ
れる間にステップa20の判別処理でタイマTr1の現在
値が予め設定された判別値に達していることが確認され
た場合には、エンジン冷却水の温度上昇の停滞が一定時
間以上継続していることを意味するので、MPU20は
第二規制モード実行フラグF2をセットし(ステップa
21)、エンジン冷却水の温度上昇停滞後の経過時間に
基づいて送風量の上限値を算出する第二規制モードの処
理を開始する。
【0045】第二規制モード実行フラグF2がセットさ
れる結果、次周期の冷風吹出防止処理ではステップa
1,ステップa8の判別処理実行後ステップa9の判別
処理が真となる。そこで、MPU20は、送風量ステッ
プアップ待機時間計測タイマTr2をカウントアップし、
第二規制モードの処理で新たな規制値を設定してからの
経過時間を計時する(ステップa22)。なお、この実
施形態では、第二規制モードの処理で最初に設定する規
制値の初期値として、第一規制モードの処理から第二規
制モードの処理に移行したときの制限値記憶レジスタB
Lの値をそのまま引き継いで利用するようにしているの
で、この段階でいう「新たな規制値を設定してからの経
過時間」とは、第二規制モードの処理に移行してからの
経過時間に等しい。
【0046】送風量ステップアップ待機時間計測タイマ
Tr2をカウントアップしたMPU20は、次いで、送風
量ステップアップ待機時間計測タイマTr2の現在値が予
め設定された判定値に達しているか否か、即ち、規制値
の値を増大させて風量制限を緩めるべき時間周期に達し
ているか否かを判別する(ステップa23)。そして、
規制値の値を増大させるべき時間周期に達していなけれ
ば、MPU20は、それまで規制値として使用していた
制限値記憶レジスタBLの値をそのまま保持してこの周
期の冷風吹出防止処理を終了する。
【0047】その後、送風量ステップアップ待機時間計
測タイマTr2の値が判定値に達するまでの間、前期と同
様にしてステップa1,ステップa8,ステップa9,
ステップa22,ステップa23の処理が繰り返し実行
され、この間、同じ値の風量規制値BLを用いて、前述
した必要風量演算処理のステップb4〜ステップb5の
処理で送風量の上限値が規制される。
【0048】そして、このような処理が繰り返し実行さ
れる間に送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2
の値が判定値に達したことがステップa23の判別処理
で検出されると、MPU20は送風量ステップアップ待
機時間計測タイマTr2をリセットし(ステップa2
4)、規制値記憶レジスタBLの値を所定値ΔBLだけ
インクリメントして増大させ、その値を新たな規制値と
して規制値記憶レジスタBLに更新して記憶する(ステ
ップa25)。前述した通り、送風量の上限値は必要風
量演算処理のステップb4〜ステップb5の処理でレジ
スタBLの値に基づいて規制されるようになっているの
で、ステップb25の処理で規制値記憶レジスタBLの
値が更新されると、その値が直ちに風量の上限規制値と
して反映されることになる。
【0049】次いで、MPU20は、規制値記憶レジス
タBLの値が風量制限なしの状態に相当する値BLmax
に達しているか否かを判別し(ステップa26)、達し
ていなければ、そのままこの周期の冷風吹出防止処理を
終了する。
【0050】その後、規制値BLの値がBLmaxに達す
るまでの間、前期と同様にしてステップa1,ステップ
a8,ステップa9,ステップa22,ステップa23
の処理が繰り返し実行され、ステップa23の判別処理
で送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2の値が
判定値に達したことが検出される度、規制値記憶レジス
タBLの値が所定値ΔBLずつインクリメントされてい
く。前述した通り、規制値記憶レジスタBLの値は直ち
に風量の上限規制値として反映される。
【0051】そして、このような処理が繰り返し実行さ
れる間に規制値記憶レジスタBLの値がBLmaxに達し
たことがステップa26の判別処理で検出されると、M
PU20は、冷風吹出防止処理実行フラグF1をリセッ
トして送風量の制限を完全に解除し(ステップa2
7)、ステップb2の処理で求めた必要風量の値にのみ
基づいて、駆動回路21およびモータ7を介してブロア
ファン8の回転速度を制御することになる。
【0052】この結果、エンジン冷却水の温度が順調に
上昇する間、つまり、第二規制モード実行フラグF2の
リセット状態が維持されている間は、エンジン冷却水の
現在温度Tnに基づいて送風量の上限値BLを決める第
一規制モードの処理(専らステップa11〜ステップa
15の処理)が従来装置と同様にして実行され、ヒート
吹出口16やデフロスタ吹出口17等の空気吹出口から
低音の空気が過剰に吹き出すのを防止する(専らステッ
プb4〜ステップb5の処理)。
【0053】また、寒冷地走行等の影響によりエンジン
冷却水の温度上昇が阻害され、エンジン冷却水の温度が
所定の温度(例えば70度)にまで上昇しないような場
合には、前述したステップa20の処理でエンジン冷却
水の温度上昇の停滞が検出されて第二規制モード実行フ
ラグF2がセットされ(ステップa21)、それ以降、
送風量ステップアップ待機時間計測タイマTr2が所定時
間の経過を検出する度に規制値記憶レジスタBRの値を
徐々に増大させていくので(ステップa23〜ステップ
a25)、例え、エンジン冷却水の温度が思うように上
昇しないとしても、ヒート吹出口16やデフロスタ吹出
口17等の空気吹出口からの送風が極端に制限されると
いった不都合は解消される。この場合、エンジン冷却水
の温度は所定の温度(例えば70度)にまで上昇しない
状態で送風量の制限が解除される場合もあるが、規制値
記憶レジスタBRの値を時間の経過に応じて強制的に上
昇させていく処理は、エンジン冷却水の温度上昇が完全
に停滞してから開始されるので、エンジン冷却水の温度
上昇が停滞したときの比較的高い温度で暖房作業を行う
ことができ、冷風の吹き出し等の問題は発生しない。
【0054】規制値記憶レジスタBRの値は送風量ステ
ップアップ待機時間計測タイマTr2が所定時間の経過を
検出する度に書き換えられるので、理論上、送風量の規
制値の上昇はステップ状になるが、送風量ステップアッ
プ待機時間計測タイマTr2の計時時間の設定値を短く設
定し、また、ΔBLの刻み幅を小さく設定するようにす
れば、送風量の規制値を実質的に線形的に増大させるこ
とが可能である。
【0055】図9および図10に本実施形態による風量
制限と従来技術による風量制限の相違を例示する。図9
は風量制限値とエンジン冷却水温度との関係を示す概念
図、また、図10は風量制限値とエンジン始動後の経過
時間との関係を示す概念図であり、いずれの図において
も、エンジン冷却水の温度が順調に増大したときの風量
制限値の変化を実線で示している。また、寒冷地走行等
の理由によりエンジン冷却水の温度上昇がTi度で停滞
したものとして、その後の風量制限値の変化を、本実施
形態を適用したものに関しては一点鎖線で、また、従来
技術を利用したものに関しては二点鎖線で示している。
【0056】図9および図10に示される通り、エンジ
ン冷却水の温度が順調に増大する間、つまり、エンジン
冷却水の温度がTi(図10での経過時間はti)度に達
するまでの間は、本実施形態のものも従来技術のものも
同様に、エンジン冷却水の現在温度Tnに基づいて送風
量の上限値BLが特定される。なお、一般に、エンジン
冷却水の現在温度TnがT0未満のときはモータ7を停止
させてブロアファン8による送風を完全に禁止し、エン
ジン冷却水の現在温度TnがT0(図10での経過時間は
t0)を超えた段階で初めてLoレベルの送風を許容す
るようにしている。
【0057】しかし、従来技術を適用した装置では、エ
ンジン冷却水の現在温度Tnに基づいて送風量の上限値
BLを特定する状況がエンジン冷却水の温度上昇の変化
に関わりなく継続されるので、図9および図10に示す
通り、エンジン冷却水の温度上昇がTi度(図10での
経過時間はti)で停滞してしまうと、その後の時間経
過に関わりなく、送風量の上限がBLiに規制されてし
まう。これに対し、本実施形態では、前述した通り、エ
ンジン冷却水の温度上昇の停滞が検出された段階で上限
値の算出方法を変更し、時間の経過に応じて送風量の上
限値BLを徐々に増大させるようにしているので、例
え、エンジン冷却水の温度上昇がTi度(図10での経
過時間はti)で停滞してしまっても、図10に示すよ
うに、BLの値を徐々に増大させて最終的に送風量の制
限を完全に解除することができる。
【0058】なお、図10で示される区間A−Bの傾
き、要するに、上限値BLの変化率は、送風量ステップ
アップ待機時間計測タイマTr2の設定値やΔBLの値を
変更することによって任意に調整することができる。
【0059】
【発明の効果】本発明の冷風吹出防止機能付車両用空調
装置によれば、エンジン冷却水の温度が低い段階では冷
風の吹出防止機能を優先して冷たい空気の吹き出しを確
実に防止することができ、しかも、寒冷地走行等によっ
てエンジン冷却水の温度上昇が停滞した場合は、その後
の時間経過に応じて徐々に風量制限の規制を緩めていく
ようにしているので、外部環境の影響等によってエンジ
ン冷却水の温度が思うように上昇しないような場合であ
っても、十分な風量を確保して暖房を行うことができ
る。また、エンジン冷却水の温度上昇が停滞した場合で
も、エンジン冷却水の温度それ自体は暖房が可能な程度
に上昇しているので、冷風の吹き出しに関する問題は的
確に防止される。
【0060】更に、エンジン冷却水の温度が一定時間以
上継続して上昇していない場合に限って風量制限の規制
を強制的に緩めていくようにすることにより、走行状態
の変化等に伴うエンジン冷却水の一時的な温度変動、例
えば、その後に冷却水温度が上昇する可能性を残した一
時的な温度低下等の現象が、誤って温度上昇の停滞現象
として検出されることを防止することができる。従っ
て、低温の外部環境等に抗してエンジン冷却水の温度を
最大限上昇させた状態、即ち、エンジン冷却水の温度上
昇がそれ以上望めなくなったときに初めて時間経過に基
づく風量制限の解除操作が許容されるようになる。この
結果、エンジン冷却水の温度が上昇限度に達していない
状態で風量制限が解除されるといった誤動作が解消さ
れ、冷風の吹き出し防止に関する機能を一層確実に達成
することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の冷風吹出防止機能付車両
用空調装置の機構上の要部について簡略化して示す図で
ある。
【図2】同実施形態の冷風吹出防止機能付車両用空調装
置の制御部を示すブロック図である。
【図3】制御部のマイクロプロセッサによって形成され
る機能実現手段の概要を示すブロック図である。
【図4】同実施形態のマイクロプロセッサによって実施
される冷風吹出防止処理の概略を示すフローチャートで
ある。
【図5】冷風吹出防止処理の概略を示すフローチャート
の続きである。
【図6】冷風吹出防止処理の概略を示すフローチャート
の続きである。
【図7】同実施形態のマイクロプロセッサによって実施
される必要風量演算処理の概略を示すフローチャートで
ある。
【図8】風量の上限値を記憶した制限値記憶ファイルの
一例を示す概念図である。
【図9】本実施形態による風量制限と従来技術による風
量制限との相違を風量制限値とエンジン冷却水温度との
関係によって例示する概念図である。
【図10】本実施形態による風量制限と従来技術による
風量制限との相違を風量制限値とエンジン始動後の経過
時間との関係によって例示する概念図である。
【符号の説明】
1a 冷風吹出防止機能付車両用空調装置の機構部 1b 冷風吹出防止機能付車両用空調装置の制御部 7 モータ(送風手段) 8 ブロアファン(送風手段) 12 ヒータコア 15 ベント吹出口 16 ヒート吹出口 17 デフロスタ吹出口 20 主制御部(マイクロプロセッサ) 33 イグニッションスイッチ 39 外気温センサ 40 日射センサ 43 水温センサ(温度検出手段) 44 内気温センサ 49 必要吹出温度演算手段 50 ダンパ位置演算手段 51 必要風量演算手段 52 供給電圧演算手段 53 第一の送風量規制手段 54 第二の送風量規制手段 55 温度変化判定手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン冷却水で加熱された空気を送風
    手段で空気吹出口に送風して車室内の暖房を行い、か
    つ、エンジン冷却水の温度を検出する温度検出手段を有
    して、エンジン冷却水の温度に応じて前記送風手段の送
    風量の上限値を規制することで空気吹出口からの冷風の
    吹き出しを防止するようにした冷風吹出防止機能付車両
    用空調装置において、 前記温度検出手段により検出されるエンジン冷却水の温
    度が上昇中であるか否かを判別する温度変化判定手段
    と、この温度変化判定手段によりエンジン冷却水の温度
    が上昇中であると判定された場合にエンジン冷却水の温
    度に応じて前記送風手段の送風量の上限値を規制する第
    一の送風量規制手段と、前記温度変化判定手段によりエ
    ンジン冷却水の温度が上昇中でないと判定された場合に
    時間の経過に応じて前記送風手段の送風量の上限値を増
    大させていく第二の送風量規制手段とを備えたことを特
    徴とする冷風吹出防止機能付車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記第二の送風量規制手段は、前記温度
    変化判定手段によりエンジン冷却水の温度が一定時間以
    上継続して上昇していないと判定された場合に作動を開
    始するように構成された動作タイミング制御機能を備え
    ている請求項1記載の冷風吹出防止機能付車両用空調装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101526736B1 (ko) * 2013-12-13 2015-06-05 현대자동차주식회사 차량용 공조 제어 장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8561915B2 (en) 2004-12-27 2013-10-22 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle and method for controlling same
KR101526736B1 (ko) * 2013-12-13 2015-06-05 현대자동차주식회사 차량용 공조 제어 장치
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