JP2001001738A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2001001738A
JP2001001738A JP11173552A JP17355299A JP2001001738A JP 2001001738 A JP2001001738 A JP 2001001738A JP 11173552 A JP11173552 A JP 11173552A JP 17355299 A JP17355299 A JP 17355299A JP 2001001738 A JP2001001738 A JP 2001001738A
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temperature
dead zone
evaporator
air
compressor
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JP11173552A
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Yutaka Yamashita
豊 山下
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Suzuki Motor Corp
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Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エバポレータの温度変動を軽減して安定した
温度の空調を得ることのできる車両用空調装置を提供す
ること。 【解決手段】 不感帯記憶手段を構成する不揮発性メモ
リ51にコンプレッサ2のON/OFF切替の基準とな
る不感帯を記憶させておく。条件判定手段となるCPU
48により、目標吹出温度が設定値よりも低いか否か、
ベントモードの吹き出しが選択されているか否か、送風
量が設定値を超えているか否かを判定させ、これらの条
件が同時に満たされた場合にだけ、切替の基準となる温
度不感帯の幅または温度のサンプリング周期を狭める再
設定処理を実施させる。不感帯やサンプリング周期の幅
が狭まることによりコンプレッサ2のON/OFF制御
のタイミングが早められ、エバポレータ8の温度のオー
バーシュートやアンダーシュートが緩和される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調装置の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】コンプレッサによって循環される冷媒で
冷却されるエバポレータと、このエバポレータで冷やさ
れた空気を車室内に送風するための送風機、および、こ
の送風機で送られて来た空気を足元,胸元,フロントウ
インドウ等に向けて選択的に送り出すための複数の空気
吹出口を備えた車両用空調装置が既に公知である。
【0003】安定した温度の送風や冷房を得るために
は、車室内に送風される空気の温度に直接の影響を与え
るエバポレータの温度を常に理想的な温度に保つのが望
ましい。しかし、実際には、冷媒が循環するエバポレー
タやその周辺の循環系に相当の熱容量があるため、コン
プレッサの作動をON/OFF制御したとしても、エバ
ポレータの温度が直ちに下降/上昇を開始するわけでは
ない。この遅れによってエバポレータの温度にオーバー
シュートやアンダーシュートが生じ、送風される空気の
温度にも変動が生じる。
【0004】また、頻繁にコンプレッサのON/OFF
を切り替えると耐久性等の面でも問題があるため、切り
替えの基準とするエバポレータの温度には一定の温度不
感帯を設け、エバポレータの現在温度がこの温度不感帯
から高温側に推移するときにコンプレッサを始動し、ま
た、エバポレータの現在温度が温度不感帯から低温側に
推移するときにコンプレッサを停止させるように制御す
るのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図13は、この種の制
御方式を適用し、温度不感帯を1°Cから3°Cの範囲
に設定してコンプレッサのON/OFF制御を実施した
場合の例について簡単に示す概念図である。図13に示
す通り、エバポレータの現在温度が温度不感帯の上限で
ある3°Cを超えるT1の時点でコンプレッサの始動、
つまり、エバポレータの冷却が開始されるが、エバポレ
ータの実際の温度は前述の遅れの影響により、そのまま
Q1点までオーバーシュートしてしまう。その後、エバ
ポレータの温度は徐々に下降し、温度不感帯の下限であ
る1°Cを下回るT2の時点でコンプレッサが停止され
るが、エバポレータの実際の温度は前述の遅れの影響に
より、そのままQ2点までアンダーシュートすることに
なる。
【0006】また、更に厳密に言えば、図13の例から
も分かるように、エバポレータの現在温度が温度不感帯
の上限を超えるタイミングT1aや下限を下回るタイミ
ングT2aが、エバポレータ側の温度検出手段のサンプ
リング周期と一致するとは限らない。従って、温度検出
のタイミング自体に図13に示すようなT1b,T2b
のような遅れが生じる場合もある。この遅れは最大でサ
ンプリング周期tの大きさに達する可能性があり、これ
によっても前述のアンダーシュートやオーバーシュート
が増長されることになる。
【0007】これらの原因で、図13の例ではエバポレ
ータの温度が最終的に0°Cから10°C程度の範囲で
変動することになり、オーバーシュートやアンダーシュ
ートが許容範囲を超えて大きくなるといった欠点があ
る。特に、空調による冷房作用を効かせて送風量を大き
くし、顔や胸に涼しい風を受けたいような場合には、こ
の温度差を搭乗者が生暖かい風として感じ、不快感を覚
えるといった問題がある。
【0008】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、前記従来技術
の欠点を解消し、エバポレータの温度変動を軽減して安
定した温度の空調を得ることのできる車両用空調装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、エバポレータ
に冷媒を循環させるコンプレッサと、前記エバポレータ
で冷却された空気を送風する送風機と、該送風された空
気を選択的に吹き出す複数の空気吹出口と、目標吹出し
温度に対応して設定された温度不感帯を記憶する不感帯
記憶手段と、エバポレータの現在温度を検出する温度検
出手段と、エバポレータの現在温度が前記温度不感帯か
ら高温側に推移すると前記コンプレッサを始動する一
方、エバポレータの現在温度が前記温度不感帯から低温
側に推移するとコンプレッサを停止させるON/OFF
制御部とを備えた車両用空調装置であり、前記ON/O
FF制御部には、予め設定された条件が満たされたか否
かを判定する条件判定手段と、この条件判定手段の判定
結果が真であるときに前記温度不感帯に対しその幅が狭
くなる方向に補正をかける不感帯幅調整機能とが設けら
れていることを特徴とする構成を有する。予め設定され
た条件が満たされた場合、例えば、送風機の送風量が設
定値以上であって、快適な送風が求められているような
場合に限って、温度不感帯の幅を狭めてコンプレッサの
ON/OFF制御が実施される。通常よりも狭い幅の温
度不感帯によってコンプレッサのON/OFF制御が行
われるので、エバポレータの温度変化の応答が早くな
り、オーバーシュートやアンダーシュートが軽減されて
送風温度が安定化する。しかも、幅の狭い温度不感帯を
用いたコンプレッサのON/OFF制御は、特定の条件
が満たされた場合にだけ実施されるので、頻繁にコンプ
レッサがON/OFFされることはなく、コンプレッサ
等の耐久性にも悪影響が生じない。
【0010】また、基準となる温度不感帯に対して補正
をかけることによって幅の狭い温度不感帯を生成する代
わりに、前記不感帯記憶手段に、第一の温度不感帯と、
該第一の温度不感帯の幅の範囲に含まれ且つ前記第一の
温度不感帯の幅よりも狭い幅を有する第二の温度不感帯
とを重複させて記憶させ、ON/OFF制御部には、予
め設定された条件が満たされたか否かを判定する条件判
定手段と、この条件判定手段の判定結果が真であるとき
に前記第二の温度不感帯を選択する一方、その判定結果
が偽であるときには前記第一の温度不感帯を選択する不
感帯選択機能とを設けるようにしてもよい。
【0011】更に、温度不感帯の幅を調整することに代
えて、前記温度検出手段のサンプリング周期となる第一
のサンプリング周期と、該第一のサンプリング周期より
も短い第二のサンプリング周期とを記憶したサンプリン
グ周期記憶手段を配備すると共に、ON/OFF制御部
には、予め設定された条件が満たされたか否かを判定す
る条件判定手段と、この条件判定手段の判定結果が真で
あるときに前記第二のサンプリング周期を選択する一
方、その判定結果が偽であるときには前記第一のサンプ
リング周期を選択するサンプリング周期選択機能を設け
るようにしてもよい。この構成によれば、エバポレータ
の温度が温度不感帯から高温側に推移するときのタイミ
ング、および、低温側に推移するときのタイミングの検
出を正確に行えるようになるため、ON/OFF制御の
動作タイミングが早まって、オーバーシュートやアンダ
ーシュートが軽減される。
【0012】温度不感帯の補正の要否、および、第二の
温度不感帯の選択の要否を判定するための判定基準とし
ては、前述した送風量のほか、目標吹出し温度の現在値
や、現段階で選択されている空気吹出口の種別等を利用
することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態について詳細に説明する。図1は本発明を適用
した一実施形態の車両用空調装置1の構造を簡略化して
示す模式図、また、図2はその制御部を簡略化して示す
機能ブロック図である。
【0014】図1に示すコンプレッサ2は、電磁クラッ
チ3の通電時にエンジン4の動力で駆動される。コンデ
ンサ5はコンプレッサ2によって圧縮された高温のガス
状の冷媒を冷却して液化し、レシーバ6、膨張弁7、エ
バポレータ8、そして再びコンプレッサ2の順に冷気が
循環する。エバポレータ8の始動および停止は電磁クラ
ッチ3のON/OFFの制御によって達成され、電磁ク
ラッチ3がONである間はコンプレッサ2が駆動されて
前述のサイクルでエバポレータ8が冷却され、また、電
磁クラッチ3がOFFになると、このサイクルが停止し
て、エバポレータ8は環境温度によって徐々に暖められ
る。
【0015】空気通路を形成するダクト9の上流部に
は、外部からの空気を取り入れるための外気取入れ口1
0と車両内の循環空気を取り入れるための内気取入れ口
11とが設けられ、内外気切替ダンパアクチュエータ1
2によって揺動される内外気切替ダンパ13の回転位置
に応じて、外気または内気、もしくは、その混合気がダ
クト9内に取り入れられるようになっている。
【0016】そして、ダクト9内に取り入れられた空気
は、ブロワモータ14およびブロワファン15で構成さ
れる送風機によって下流側に送られ、更に、冷却用のエ
バポレータ8が配備された位置を通り、エアミックスダ
ンパアクチュエータ16で揺動されるエアミックスダン
パ17により、ヒータコア18の側とバイパス通路19
とに分流されて熱量を調整され、最終的に、デフロスト
ダンパ20,ベンチレートダンパ21,フットダンパ2
2により空気の出先を規制されて、デフロスト用空気吹
出口23,ベンチレート用空気吹出口24,フット用空
気吹出口25のいずれか、または、ベンチレート用空気
吹出口24とフット用空気吹出口25とに分流されて、
車内に放出される。
【0017】各ダンパ20,21,22は単一のモード
ダンパアクチュエータ26によって連動して駆動され、
デフロスト用空気吹出口23のみを開放するデフロスト
モード、ベンチレート用空気吹出口24のみを開放する
ベンチレートモード、フット用空気吹出口25のみを開
放するフットモード、および、ベンチレート用空気吹出
口24とフット用空気吹出口25を共に開くバイレベル
モード、および、デフロスト用空気吹出口23とフット
用空気吹出口25を共に開くデフロスト/フットモード
の各態様が実現されるようになっている。
【0018】なお、デフロストモードはウインドシール
ドの曇り除去のために選択されるモードである。また、
ベンチレートモードは単純な換気または冷房を併用した
冷風の送気に利用され、夏季等において顔や胸に冷風を
送る際に重宝する。フットモードは専ら暖房時に足元か
ら暖気を送るために使用され、デフロスト/フットモー
ドは暖房と曇り除去を並行して行う場合に利用されるの
が一般的である。
【0019】ブロワファン15を駆動するブロワモータ
14は駆動回路27を介してコントローラ28によりO
N/OFFと回転速度を制御される。
【0020】エアミックスダンパ17を揺動させるエア
ミックスダンパアクチュエータ16は駆動回路29を介
してコントローラ28により回転位置を制御され、ま
た、開度センサ30はエアミックスダンパアクチュエー
タ16の回転位置を検出し、エアミックスダンパ17の
開度としてコントローラ28にフィードバックする。
【0021】同様に、デフロストダンパ20,ベンチレ
ートダンパ21,フットダンパ22を駆動するモードダ
ンパアクチュエータ26は駆動回路31を介してコント
ローラ28により回転位置を制御され、また、開度セン
サ32は、モードダンパアクチュエータ26の回転位置
を検出してコントローラ28にフィードバックする。
【0022】また、内外気切替ダンパ13を揺動させる
内外気切替ダンパアクチュエータ12は駆動回路33を
介してコントローラ28により回転位置を制御される。
【0023】そして、図2に示されるように、設定温度
スイッチ34は車室内の温度の設定に、また、オートス
イッチ35は自動空調モードの設定に用いられる。エア
コンスイッチ36はコンプレッサ2を停止させる空調モ
ードのオン・オフ設定に用いられ、ファンスイッチ37
は操作の度にブロワファン15の回転速度を段階的かつ
循環的に切り換える。
【0024】また、吹き出し口スイッチ38は、押され
る度にモードダンパアクチュエータ26を作動させ、デ
フロストダンパ20,ベンチレートダンパ21,フット
ダンパ22の各位置を、ベンチレートモード、バイレベ
ルモード、フットモード、デフロスト/フットモード、
デフロストモード、そして、再びベンチレートモードの
順に切り換える。デフロストスイッチ39は、ウインド
シールドの曇りを除去する熱線のON/OFF切り替え
に用いられる。内気循環スイッチ40は、内気循環によ
る空調を選択するとき、即ち、手動で内外気切替ダンパ
13の揺動位置を切り替えるときに用いられる。オフス
イッチ41は、空調制御を停止するときに用いられる。
【0025】そして、外気温センサ42は外気温を検出
し、内気温センサ43は車室内の温度を検出する。日射
センサ44は日射量を検出するフォトダイオードであ
り、運転席側のデフグリル近傍に取り付けられている。
エバポレータ温センサ45はエバポレータ8を通過した
直後の空気温度を検出する温度検出手段である。水温セ
ンサ46はエンジン4の冷却水温度を検出する。表示装
置47は、操作されたスイッチに関するスイッチ情報等
を表示する。
【0026】コントロ−ラ28の主要部はCPU48に
よって構成され、空調制御のためのプログラムを記憶し
たROM49や演算データの一時記憶のためのRAM5
0および各種のパラメータ等を記憶する不揮発性メモリ
51等を備える。この不揮発性メモリ51の内部には不
感帯記憶手段として使用する記憶領域、および、サンプ
リング周期記憶手段として使用する記憶領域が確保さ
れ、また、CPU48は、コンプレッサ2のためのON
/OFF制御部を兼ね、条件判定手段および不感帯幅調
整機能と不感帯選択機能およびサンプリング周期選択機
能を内包している。
【0027】図6〜図11はCPU48によって実施さ
れる空調制御処理の概略を示すフローチャートであり、
このうち図6に示されるメイン処理はCPU48によっ
て定常的に繰り返し実行され、また、図7,図8,図
9,図10,図11に示される各処理は、所定の割込み
周期毎に強制的に実行されるようになっている。
【0028】なお、この実施形態においては、図7,図
8,図11の各処理が5ms毎、また、図9,図10の
処理は10ms毎に実施される。
【0029】まず、図6のメイン処理において、各種セ
ンサやスイッチおよびフラグやタイマの初期設定処理が
CPU48の始動開始時において1回だけ実施される
(ステップa1)。
【0030】また、故障制御演算処理は定常的に繰り返
し実行され、例えば、センサ異常が検出されたような場
合には、そのセンサからの入力を無効とし、このセンサ
からの入力を記憶するレジスタに汎用性のある適当な値
を代入する等の処理を実施する(ステップa2)。例え
ば、内気温センサ43が故障したような場合には、この
内気温センサ43からのデータの取得を中止し、室温が
常に20℃(設定値)であるものと仮定して、この値を
内気温センサ用のレジスタに設定するといった処理が実
施される。
【0031】各センサ値変換制御演算処理は、図7に示
すようなデータ収集処理で各種センサを介してレジスタ
に収集されたデータを読み込み、その値を適切な物理量
に変換するための処理であり、例えば、内気温センサ4
3から出力された電圧値(V)を温度(°C)に変換す
るといった処理を実施する(ステップa3)。
【0032】吹出温度制御演算処理は、ステップa3の
処理で変換された各種のデータ、つまり、外気温や内気
温および日射量と、温度設定スイッチ34で設定された
目標温度、ならびに、予め設定された係数A〜Dに基づ
いて目標吹出温度を求めるための処理であり、A×外気
温+B×目標温度+C×(目標温度−内気温)−D×日
射量の演算式によって目標吹出温度を算出し、この目標
吹出温度に基づいてエアミックスダンパ17の揺動位
置、要するに、冷気と暖気の混合割合を求める(ステッ
プa4)。
【0033】風量制御演算処理は、ステップa3の処理
で変換されたデータのうち内気温や日射量、および、温
度設定スイッチ34で設定された目標温度と、予め設定
された係数E,Fに基づいてブロワモータ14に印加す
る電圧、要するに、送風機を構成するブロワファン15
の送風量を算出するための処理であり、E×|目標温度
−内気温|+F×日射量の演算式によってブロワモータ
14への供給電圧を求める(ステップa5)。
【0034】また、モード制御演算処理は、ステップa
4の処理で求めた目標吹出温度とステップa3の処理で
変換された外気温や日射量等に基づいて適切な吹出モー
ドを選択し、デフロストダンパ20,ベンチレートダン
パ21,フットダンパ22の揺動位置を算出して、モー
ドダンパアクチュエータ26の回転位置を求めるための
処理である(ステップa6)。
【0035】導入口制御演算処理は、ステップa4の処
理で求めた目標吹出温度とステップa3で変換された外
気温や内気温およびエバポレータ温度等に基づいて、ダ
クト9に取り入れる内気と外気の混合割合、要するに、
内外気切替ダンパ13の揺動位置を求めるための処理で
ある(ステップa7)。
【0036】コンプレッサ制御演算処理は、ステップa
4の処理で求めた目標吹出温度やステップa3の処理で
変換された外気温等に基づいて、コンプレッサ2をON
/OFF制御する温度、つまり、温度不感帯の上限値と
下限値を変更するための処理である(ステップa8)。
このコンプレッサ制御演算処理は、本実施形態に固有の
ものであり、従来の制御方式とは大きな相違があるの
で、この点については後に詳述する。
【0037】また、パネル表示制御演算処理は、各種の
スイッチ操作等に基づいて演算処理を実施するためのも
ので、例えば、吹き出し口スイッチ38のマニュアル操
作に対応してモードの切替処理等を実施したり、現在の
モードの状態をレジスタに記憶したりといった処理を実
施する(ステップa9)。なお、スイッチ操作の検出作
業やパネル表示の切替処理自体は後述する図9の入力表
示処理のステップe1およびステップe2の処理で実施
されるようになっており、ステップa9の処理では専ら
演算に関連する処理のみを実施している。
【0038】図7はデータ収集処理の概略を示すフロー
チャートであり、5ms毎の割り込み処理として実行さ
れるようになっている。
【0039】まず、A/Mダンパアクチュエータ開度セ
ンサ値読込処理では、開度センサ30を介してエアミッ
クスダンパ17の開度が読み込まれ、ノイズによる影響
を軽減化するため、今回取得した開度を含めて過去2回
分の開度を平均した値がレジスタに記憶される(ステッ
プb1)。また、MODダンパアクチュエータ開度セン
サ値読込処理では、開度センサ32を介してデフロスト
ダンパ20,ベンチレートダンパ21,フットダンパ2
2の開度、即ち、モードダンパアクチュエータ26の動
作位置が読み込まれ、ノイズによる影響を軽減化するた
め、前記と同様に、今回取得した開度を含めて過去2回
分の開度を平均した値がレジスタに記憶される(ステッ
プb2)。
【0040】また、ステップb3はステップb4〜ステ
ップb8の各処理の実行周期を調整するための判別処理
であり、データ収集処理におけるステップb4〜ステッ
プb8の各処理が実際に実行される時間周期を1秒に調
整している。ルーチンの実質的な実行周期は5msであ
るから、例えば、ステップb3の処理でカウンタの値を
1インクリメントし、その値が199に達した段階でカ
ウンタをリセットしてステップb4〜ステップb8の処
理を実行するようにすれば、この目的は達成される。前
述した通り、データ収集処理自体は5ms毎の周期で実
施されているので、カウンタの計数限度の設定を調整す
ることにより、ステップb4〜ステップb8の各処理の
実行周期を5msの倍数系列で設定することが可能であ
る。
【0041】外気温センサ値読込処理では、外気温セン
サ42を介して外気温の現在値が1秒毎に読み込まれ、
ノイズによる影響を軽減化するため、今回取得した外気
温を含めて過去4回分の外気温を平均した値がレジスタ
に記憶される(ステップb4)。
【0042】内気温センサ値読込処理では、内気温セン
サ43を介して内気温の現在値が1秒毎に読み込まれ、
ノイズによる影響を軽減化するため、前記と同様に、今
回取得した内気温を含めて過去4回分の内気温を平均し
た値がレジスタに記憶される(ステップb5)。
【0043】また、日射センサ値読込処理では、日射セ
ンサ44を介して日射量の現在値が1秒毎に読み込み、
今回の処理で取得したデータに1次遅れの時間処理を施
してレジスタに記憶するようにしている(ステップb
6)。
【0044】エバポレータ温センサ値読込処理では、エ
バポレータ温センサ45を介してエバポレータ温度の現
在値が1秒毎に読み込まれ、ノイズによる影響を軽減化
するため、今回取得したエバポレータ温度を含めて過去
2回分のエバポレータ温度を平均した値がレジスタに記
憶される(ステップb7)。
【0045】水温センサ値読込処理では、水温センサ4
6を介してエンジン冷却水温度の現在値が1秒毎に読み
込まれ、ノイズによる影響を軽減化するため、今回取得
した内気温を含めて過去4回分のエンジン冷却水温度を
平均した値がレジスタに記憶される(ステップb8)。
【0046】図8はアクチュエータ駆動処理の概略を示
すフローチャートであり、5ms毎の割り込み処理とし
て実行される。
【0047】A/Mダンパ制御出力処理では、メイン処
理のステップa4における吹出温度制御演算処理で求め
られたエアミックスダンパ17の揺動位置を達成すべ
く、エアミックスダンパアクチュエータ16の動作位置
が制御される(ステップc1)。
【0048】また、MODダンパ制御出力処理では、メ
イン処理のステップa6におけるモード制御演算処理で
求められたデフロストダンパ20,ベンチレートダンパ
21,フットダンパ22の揺動位置を達成すべく、モー
ドダンパアクチュエータ26の動作位置が制御される
(ステップc2)。
【0049】更に、内外気ダンパ制御出力処理では、メ
イン処理のステップa7における導入口制御演算処理で
求められた内外気切替ダンパ13の揺動位置を達成すべ
く、内外気切替ダンパアクチュエータ12の動作位置が
制御される(ステップc3)。
【0050】そして、ブロワファン制御出力処理では、
メイン処理のステップa5における風量制御演算処理で
求められたブロワファン15の送風量を達成すべく、ブ
ロワモータ14に供給される電圧、要するに、ブロワモ
ータ14の回転速度が制御される(ステップc4)。
【0051】また、コンプレッサ制御出力処理では、デ
ータ収集処理のステップb7におけるエバポレータ温セ
ンサ値読込処理でレジスタに記憶されたエバポレータ温
度の現在値を読み込み、この値と、メイン処理のステッ
プa8におけるコンプレッサ制御演算処理で求められた
不感帯の上限値と下限値とに基づいて、電磁クラッチ3
のON/OFF制御、要するに、コンプレッサ2のON
/OFF制御を実施する。具体的には、エバポレータ温
度が温度不感帯の上限値を超えて高温側に推移するとき
に電磁クラッチ3を接続し、また、エバポレータ温度が
温度不感帯の下限値を下回って低温側に推移するときに
電磁クラッチ3の接続を解除するものである(ステップ
c5)。
【0052】図9は入力表示処理の概略を示すフローチ
ャートであり、10ms毎の割り込み処理として実行さ
れるもので、具体的には、搭乗者による各種スイッチ等
の操作を検出してこれをラッチし、前述したパネル表示
制御演算処理のためにレジスタに一時記憶するパネル制
御入力処理(ステップe1)と、前述のパネル表示制御
演算処理で求められた演算結果等の表示、例えば、モー
ドの選択状態の表示切り替え等を行うパネル制御出力処
理(ステップe2)とで構成される。
【0053】図10は10ms毎の割り込み処理として
実行される時間タイマ処理であり、微分制御や積分制御
に必要とされる時間測定に関連した各種時間処理(ステ
ップf1)が実施される。
【0054】以上に述べた通り、空調制御に関する基本
的なアルゴリズムに関しては従来の車両用空調装置と同
様であるが、本実施形態においては、コンプレッサ2や
電磁クラッチ3の耐久性を維持してエバポレータ8の温
度の安定化を図ることを目的として、通常のON/OF
F制御に適する温度不感帯(以下、第一の温度不感帯と
いう)を記憶したマップを不感帯記憶手段(不揮発性メ
モリ51)に保存しておき、更に、状況に応じて、この
第一の温度不感帯に補正を加えて幅の狭い別の温度不感
帯(以下、第二の温度不感帯という)を生成し、これら
2つの温度不感帯を使い分けて電磁クラッチ3のON/
OFF制御、即ち、コンプレッサ2のON/OFF制御
を実施するようにしており、この点が従来の車両用空調
装置と相違する。
【0055】図4は第一の温度不感帯52と第二の温度
不感帯53との関係について例示した概念図である。
【0056】図4に示すように、第一の温度不感帯52
は、目標吹出し温度に対応して不感帯の上限値52aと
下限値52bとを記憶したマップによって構成され、目
標吹出温度が高い場合には上限値52aおよび下限値5
2bとも相対的に高い値に設定され、また、目標吹出温
度が低い場合には、これに対応する上限値52aと下限
値52bも相対的に低い値に設定されている。なお、不
感帯の温度幅(52a−52b)に関しては目標吹出温
度に関わらず一定である。
【0057】エバポレータ8に関わる温度制御上のオー
バーシュートやアンダーシュートを軽減化するために
は、まず、第一の温度不感帯52それ自体の幅を狭く設
定することが考えられるが、この温度不感帯52の幅を
必要以上に狭く設定すると、状況に関わりなく、電磁ク
ラッチ3およびコンプレッサ2が頻繁にON/OFFさ
れることになり、これらの機械要素の耐久性に問題が生
じるといった可能性がある。
【0058】そこで、本実施形態では、前述した第一の
温度不感帯52の幅の範囲に含まれ、且つ、第一の温度
不感帯52の幅よりも狭い幅を有する第二の温度不感帯
53を必要に応じてCPU48の内部処理で生成するよ
うにし、通常は従来と同様にして前述した第一の温度不
感帯52をそのまま使用して電磁クラッチ3のON/O
FF制御を行う一方、特定の条件が満たされた場合にだ
け第二の温度不感帯53を適用して電磁クラッチ3のO
N/OFF制御を実施するようにしている。
【0059】まず、目標吹出温度が高い場合には、エバ
ポレータ8の温度変化が空気全体の温度に与える影響は
少ないので、エバポレータ8の温度制御に関する多少の
オーバーシュートやアンダーシュートは問題とならな
い。従って、目標吹出温度が高い場合には、第一の温度
不感帯52を使用して従来と同様の電磁クラッチ3のO
N/OFF制御を行っても不都合はない。一方、目標吹
出温度が低い場合、つまり、エバポレータ8の実質的な
目標温度を低く設定して冷房等を行っている場合には、
エバポレータ8の温度制御上のオーバーシュートやアン
ダーシュートがダクト9から送出される空気全体の温度
に大きな影響を与える可能性が高いので、不感帯の幅の
狭い第二の温度不感帯53を使用し、エバポレータ温度
のオーバーシュートやアンダーシュートが可能な限り少
なくなるようにコンプレッサ2のON/OFF制御を実
施することが望ましい。
【0060】また、デフロストモードやフットモードお
よびデフロスト/フットモード等が選択されているとき
は、専ら、デフロスト用空気吹出口23やフット用空気
吹出口25から暖気を送出していることが多く、エバポ
レータ8の温度変動の影響も少ないので、デフロストモ
ードやフットモードおよびデフロスト/フットモード等
が選択されている場合には、第一の温度不感帯52を使
用して従来と同様の電磁クラッチ3のON/OFF制御
を行っても問題はない。一方、ベンチレートモードでの
送風が行われている場合には、エバポレータ8の実質的
な目標温度を低く設定して胸や顔等に涼しい風を送ろう
としているか、または、冷房が行われている可能性が高
いので、エバポレータ8の温度制御上のオーバーシュー
トやアンダーシュートはできるだけ小さくし、その温度
を低い値に保つことが望ましい。
【0061】特に、ベンチレートモードでの送風や冷房
を行っている時にブロワファン15による送風量が大き
いと、エバポレータ8の温度制御上のオーバーシュート
やアンダーシュートによる温度の変動が体感温度に直接
の影響を与えることが多いので、エバポレータ8の温度
制御上のオーバーシュートやアンダーシュートはできる
だけ小さくするべきである。
【0062】そこで、本実施形態においては、前述した
3つの条件が同時に満たされた場合、即ち、目標吹出温
度が相対的に低く、ベンチレートモードが選択されてお
り、しかも、送風量が相対的に大きい場合に限って第二
の温度不感帯53を適用したON/OFF制御を実施
し、それ以外の場合には全て第一の温度不感帯52を使
用して電磁クラッチ3即ちコンプレッサ2のON/OF
F制御を実施するようにしている。
【0063】図3は、前述したメイン処理からステップ
a8のコンプレッサ制御演算処理の部分を取り出して、
その処理内容を詳しく示したフローチャートである。
【0064】メイン処理におけるコンプレッサ制御演算
処理を開始したCPU48は、まず、メイン処理のステ
ップa4の処理で求めた目標吹出温度の値をレジスタか
ら読み込み(ステップa8−1)、この目標吹出温度に
対応する第一の温度不感帯52の上限値52aと下限値
52bの値を図4に示されるようなマップを参照して求
め、その各々を上限値記憶レジスタと下限値記憶レジス
タに設定する(ステップa8−2)。なお、ステップa
8−1およびステップa8−2の部分の処理に関しては
従来と同様である。
【0065】次いで、条件判定手段としてのCPU48
は、前述した3つの条件が同時に満たされているか否
か、即ち、目標吹出温度が設定値θよりも小さいか否か
(ステップa8−3)、ベントモードが選択されている
か否か(ステップa8−4)、送風量が最大出力の80
%以上を超えているか否か(ステップa8−5)を判別
し、全ての条件が満たされている場合に限り、不感帯幅
調整機能を達成すべく、第一の温度不感帯52の範囲内
にあって且つ第一の温度不感帯52の上限値3°Cより
も低い温度2°Cの値を上限値記憶レジスタに再設定す
る(ステップa8−6)。
【0066】また、いずれか1つでも条件が満たされて
いない場合には、ステップa8−2の処理で設定された
上限値52aの値、即ち、3°Cの値をそのまま上限値
記憶レジスタに保持する。
【0067】従って、結果的に、目標吹出温度が設定値
θよりも低く、ベンチレートモードが選択され、且つ、
送風量が最大出力の80%以上を超えている場合に限っ
て第二の温度不感帯53の上限値である2°Cが上限値
記憶レジスタに記憶され、また、何れか一つでも条件が
満たされていない場合には、ステップa8−2の処理で
設定された第一の温度不感帯52の上限値3°Cがその
まま上限値記憶レジスタに保持されることになる。
【0068】何れの場合においても下限値記憶レジスタ
の値は共通の値1°Cに設定されるが、ステップa8−
6の処理が実施されずに第一の温度不感帯52がそのま
ま適用された場合には温度不感帯の幅は1°C〜3°C
の範囲であり、これに対し、ステップa8−6の処理が
実施されて第二の温度不感帯53が生成された場合には
温度不感帯の幅が1°C〜2°Cとなるので、実質的な
不感帯の幅は1/2に狭められることになる。
【0069】前述した3つの条件が満たされる同一の条
件下で、上限値が3°Cで下限値が1°Cの第一の温度
不感帯52を適用してコンプレッサ2のON/OFF制
御を行った場合のエバポレータ8の温度変化の状態を図
13に、また、上限値が2°Cで下限値が1°Cの第二
の温度不感帯53を適用してコンプレッサ2のON/O
FF制御を行った場合のエバポレータ8の温度変化の状
態を図12に示す。
【0070】図12と図13を比較すれば明らかなよう
に、第二の温度不感帯53を適用した場合のオーバーシ
ュートの最大値Q1’の方が第一の温度不感帯52を適
用した場合のオーバーシュートの最大値Q1よりも低く
なっていることが分かる。これは、コンプレッサ2を始
動してエバポレータ8の冷却を開始するタイミングが図
13の場合に比べて図12の場合の方が早くなるためで
ある。なお、アンダーシュートの最小値Q2,Q2’に
関しては、エバポレータ8の冷却を停止するための下限
値の設定が両者とも共通の値1°Cとなっているので大
きな変化は生じない。
【0071】以上、一実施形態として、複数の条件が同
時に満たされた場合にだけ第二の温度不感帯53を生成
する場合について述べたが、複数の条件のうち何れか一
つでも条件が満たされた場合に第二の温度不感帯53を
生成するようにしてもよい。
【0072】例えば、前述の例のように、目標吹出温度
が設定値θよりも小さいか否か、ベントモードが選択さ
れているか否か、送風量が最大出力の80%以上を超え
ているか否かを判定条件とする場合には、図3に示した
ステップa8−3〜ステップa8−6の処理に代えて図
14に示すようなステップa8−3’〜ステップa8−
6’の処理を実行するようにする。図3におけるステッ
プa8−6の処理では、その実行段階で目標吹出温度が
図4に示される設定値θよりも小さいことを前提として
いるので、上限値記憶レジスタに設定する値を2°Cに
一義的に特定できたが、各条件を個別に判定する図14
の処理では目標吹出温度が設定値θよりも小さくなって
いるという保証はない。従って、上限値記憶レジスタに
固定的な値、例えば2°Cを設定する代わりに、その時
点の目標吹出温度に対応する第一の温度不感帯52の上
限値52aよりも1°Cだけ低い値を求め、この値を上
限値記憶レジスタに設定することによって、目標吹出温
度の変化に対する汎用性を持たせるようにしている(ス
テップa8−6’参照)。
【0073】前述の各実施形態では第一の温度不感帯5
2から第二の温度不感帯53を生成する際に温度不感帯
の上限値のみに補正をかけるようにしているが、下限値
のみに補正をかけること、または、上限値および下限値
の双方に補正をかけるようにすることもできる。前者を
実現する場合には、ステップa8−6またはステップa
8−6’の処理で、現在の目標吹出温度に対応する第一
の温度不感帯52の下限値52bに定数を加算して下限
値記憶レジスタに代入する処理を実施するようにする。
また、後者を実現する場合には、ステップa8−6また
はステップa8−6’の処理で、現在の目標吹出温度に
対応する第一の温度不感帯52の上限値52aから定数
を減じて上限値記憶レジスタに代入し、且つ、現在の目
標吹出温度に対応する第一の温度不感帯52の下限値5
2bに定数を加算して下限値記憶レジスタに代入する処
理を実施するようにする。
【0074】いずれの場合も、第一の温度不感帯52の
データに基づき、それよりも幅を狭めた第二の温度不感
帯53を生成することが可能である。
【0075】更に、演算処理によって第二の不感帯53
を生成する代わりに、第二の不感帯53に相当するマッ
プを予め第一の不感帯52のマップと共に不感帯記憶手
段(不揮発性メモリ51)に記憶させておき、条件の成
立/不成立によって一方のマップを読み出して、現在の
目標吹出温度に対応する上限値53a,下限値53bも
しくは上限値52a,下限値52bを選択して上限値記
憶レジスタや下限値記憶レジスタに設定するようにする
こともできる。この場合、図3の処理を流用する場合に
は、ステップa8−2の処理で第一の温度不感帯52の
マップを読み込んで上限値52a,下限値52bを上限
値記憶レジスタおよび下限値記憶レジスタに設定するよ
うにし、また、ステップa8−6の処理では、第二の温
度不感帯53のマップから上限値53a,下限値53b
を読み込んで上限値記憶レジスタおよび下限値記憶レジ
スタに再設定するようにする。また、図14の処理を流
用する場合は、ステップa8−6’の処理で、第二の温
度不感帯53のマップを読み込んで上限値53a,下限
値53bを上限値記憶レジスタおよび下限値記憶レジス
タに再設定するようにする。
【0076】次に、温度検出手段であるエバポレータ温
センサ45のサンプリング周期を調整することでエバポ
レータ8の温度制御上のオーバーシュートやアンダーシ
ュートを軽減するようにした実施形態について述べる。
【0077】この実施形態も、主要部の機械的な構成に
関しては図1および図2で述べたものと同様であり、ま
た、全体的な処理の流れに関しては図6および図8〜図
11で述べたものと同様である。
【0078】但し、本実施形態においては、特定の条件
が満たされた場合にエバポレータ温センサ45のサンプ
リング周期を短縮して温度検出のタイミングの遅れを軽
減するようにしているので、図6で示したメイン処理に
おけるステップa8のコンプレッサ制御演算処理と図7
で示したデータ取得処理の一部が前記各実施形態のもの
とは相違する。また、この実施形態においてはサンプリ
ング周期記憶手段(不揮発性メモリ51)の内部に、標
準的な値となる第一のサンプリング周期(1秒)と、こ
れよりも短い値に設定された第二のサンプリング周期
(t’秒)を予め記憶させておくようにする。
【0079】図5はエバポレータ温センサ45のサンプ
リング周期の設定を調整するために必要とされるコンプ
レッサ制御演算処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【0080】メイン処理におけるコンプレッサ制御演算
処理を開始したCPU48は、まず、メイン処理のステ
ップa4の処理で求めた目標吹出温度の値をレジスタか
ら読み込み(ステップa8−1”)、この目標吹出温度
に対応する第一の温度不感帯52の上限値52aと下限
値52bの値を図4に示されるようなマップを参照して
求め、その各々を上限値記憶レジスタと下限値記憶レジ
スタに設定する(ステップa8−2”)。
【0081】次いで、条件判定手段としてのCPU48
は、予め定められた幾つかの条件が同時に満たされてい
るか否か、即ち、目標吹出温度が設定値θよりも小さい
か否か(ステップa8−3”)、ベントモードが選択さ
れているか否か(ステップa8−4”)、送風量が最大
出力の80%以上を超えているか否か(ステップa8−
5”)を判別し、全ての条件が満たされている場合に限
り、サンプリング周期選択機能を達成すべく、サンプリ
ング周期記憶手段から第二のサンプリング周期t’秒の
値を読み込み、この値をタイマtに設定する(ステップ
a8−6”)。
【0082】また、いずれか1つでも条件が満たされて
いない場合には、サンプリング周期記憶手段から第一の
サンプリング周期である1秒の値を読み込み、この値を
タイマtに設定する(ステップa8−7”)。
【0083】従って、結果的に、目標吹出温度が設定値
θよりも低く、ベンチレートモードが選択され、且つ、
送風量が最大出力の80%以上を超えている場合に限っ
て第二のサンプリング周期t’秒がエバポレータ温セン
サ45のサンプリング周期として設定され、また、何れ
か一つでも条件が満たされていない場合には、第一のサ
ンプリング周期である1秒がエバポレータ温センサ45
のサンプリング周期として設定されることになる。
【0084】図11は実際にエバポレータ温センサ45
のサンプリング周期を変更して温度のサンプリング処理
を実施するための処理の概略を示すフローチャートであ
る。
【0085】本実施形態で使用するデータ取得処理(図
11)と前述した各実施形態のデータ取得処理(図7)
との相違は、エバポレータ温センサ45の温度の読み込
み周期を、他のセンサ類、即ち、外気温センサ42,内
気温センサ43,日射センサ44,水温センサ46と独
立させ、タイマtによって独立して制御する点にある
(ステップb9’)。
【0086】従って、前述した3つの条件が同時には満
たされていない場合、つまり、タイマtに1秒が設定さ
れている場合には、前述した図7の場合と同様、エバポ
レータ8の温度は、外気温,内気温,日射量,水温と共
に1秒周期で測定され、また、前述した3つの条件が同
時に満たされた場合、要するに、タイマtにt’秒が設
定された場合に限り、エバポレータ8の温度の測定周期
が他のデータの測定周期よりも早められることになる
(t’<1)。
【0087】そして、既に述べた通り、実際に電磁クラ
ッチ3をON/OFF制御するための処理は、アクチュ
エータ駆動処理におけるステップc5のコンプレッサ制
御出力処理で行われる。コンプレッサ制御出力処理の繰
り返し周期である5msは、エバポレータ8の温度検出
周期である1秒およびt’秒に比べて十分に短い時間間
隔であるので、エバポレータ8の温度検出周期を1秒か
らt’秒に早めれば、その短縮量に応じて電磁クラッチ
3のON/FF切り替えの応答速度も早めることができ
る。
【0088】例えば、エバポレータ温度のサンプリング
周期が1秒である場合、図13に示されるON/FF制
御の時間遅れ(T1b−t1a)および(T2b−t2
a)は最大で1秒となる可能性があるが、仮に、t’=
0.5秒と設定した場合には、(T1b−t1a)およ
び(T2b−t2a)の遅れの最大値を0.5秒以内に
収めることができるようになる。
【0089】この遅れを減らすことにより、最初に述べ
た実施形態と同様の効果、つまり、エバポレータ8の温
度制御に関するオーバーシュートやアンダーシュートの
軽減化が達成される。
【0090】無論、最初に述べた実施形態の場合と同
様、図5のコンプレッサ制御演算処理に簡単な修正を加
えることで、複数の条件のうち何れか一つでも満たされ
た場合に第二のサンプリング周期t’を適用するように
することも可能である。
【0091】
【発明の効果】本発明の車両用空調装置によれば、エバ
ポレータの温度変動を効果的に軽減して、安定した温度
の空調を得ることができる。
【0092】また、エバポレータの温度変動の軽減に必
要とされる温度不感帯やサンプリング周期の設定変更処
理は、特定の条件が満たされた場合、例えば、送風機の
送風量を大きくして快適な送風を得たい場合や、冷房を
行っている場合、または、特定の空気吹出口が選択され
ている場合等に限って実施することができるので、エバ
ポレータの温度変動を抑止するためのコンプレッサのO
N/OFF制御が過剰に行われることはなく、コンプレ
ッサ等を初めとする車両用空調装置の構成要素の耐久性
を犠牲にすることなく快適な空調環境を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の車両用空調装置
の構造を簡略化して示す模式図である。
【図2】同実施形態の車両用空調装置の制御部を簡略化
して示す機能ブロック図である。
【図3】コンプレッサ制御演算処理の部分を詳細に示す
フローチャートである。
【図4】第一の温度不感帯と第二の温度不感帯との関係
について例示した概念図である
【図5】エバポレータ温センサのサンプリング周期を調
整するために必要とされるコンプレッサ制御演算処理の
一例を示すフローチャートである。
【図6】空調制御処理の概略を示すフローチャートであ
る。
【図7】空調制御処理におけるデータ取得処理の概略を
示すフローチャートである。
【図8】空調制御処理におけるアクチュエータ駆動処理
の概略を示すフローチャートである。
【図9】空調制御処理における入力表示処理の概略を示
すフローチャートである。
【図10】空調制御処理における時間タイマ処理の概略
を示すフローチャートである。
【図11】エバポレータ温センサのサンプリング周期を
変えてサンプリングを実施するための処理の概略を示す
フローチャートである。
【図12】本実施形態の制御方法を適用した場合のエバ
ポレータの温度変化の一例を示したグラフである。
【図13】従来の制御方法を適用した場合のエバポレー
タの温度変化の一例を示したグラフである。
【図14】コンプレッサ制御演算処理に関する別の実施
形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両用空調装置 2 コンプレッサ 3 電動クラッチ 4 エンジン 8 エバポレータ 9 ダクト 14 ブロワモータ 15 ブロワファン 20 デフロストダンパ 21 ベンチレートダンパ 22 フットダンパ 23 デフロスト用空気吹出口 24 ベンチレート用空気吹出口 25 フット用空気吹出口 28 コントローラ 42 外気温センサ 43 内気温センサ 44 日射センサ 45 エバポレータ温センサ(温度検出手段) 46 水温センサ 48 CPU(ON/OFF制御部,条件判定手段,不
感帯幅調整機能) 49 ROM 50 RAM 51 不揮発性メモリ(不感帯記憶手段,サンプリング
周期記憶手段) 52 第一の温度不感帯 52a 上限値 52b 下限値 53 第二の温度不感帯 53a 上限値 53b 下限値

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エバポレータに冷媒を循環させるコンプ
    レッサと、前記エバポレータで冷却された空気を送風す
    る送風機と、該送風された空気を選択的に吹き出す複数
    の空気吹出口と、目標吹出し温度に対応して設定された
    温度不感帯を記憶する不感帯記憶手段と、エバポレータ
    の現在温度を検出する温度検出手段と、エバポレータの
    現在温度が前記温度不感帯から高温側に推移すると前記
    コンプレッサを始動する一方、エバポレータの現在温度
    が前記温度不感帯から低温側に推移するとコンプレッサ
    を停止させるON/OFF制御部とを備えた車両用空調
    装置であって、 前記ON/OFF制御部には、予め設定された条件が満
    たされたか否かを判定する条件判定手段と、この条件判
    定手段の判定結果が真であるときに前記温度不感帯に対
    しその幅が狭くなる方向に補正をかける不感帯幅調整機
    能とが設けられていることを特徴とした車両用空調装
    置。
  2. 【請求項2】 エバポレータに冷媒を循環させるコンプ
    レッサと、前記エバポレータで冷却された空気を送風す
    る送風機と、該送風された空気を選択的に吹き出す複数
    の空気吹出口と、目標吹出し温度に対応して設定された
    温度不感帯を記憶する不感帯記憶手段と、エバポレータ
    の現在温度を検出する温度検出手段と、エバポレータの
    現在温度が前記温度不感帯から高温側に推移すると前記
    コンプレッサを始動する一方、エバポレータの現在温度
    が前記温度不感帯から低温側に推移するとコンプレッサ
    を停止させるON/OFF制御部とを備えた車両用空調
    装置であって、 前記不感帯記憶手段には、第一の温度不感帯と、該第一
    の温度不感帯の幅の範囲に含まれ且つ前記第一の温度不
    感帯の幅よりも狭い幅を有する第二の温度不感帯とが重
    複して記憶されると共に、 前記ON/OFF制御部には、予め設定された条件が満
    たされたか否かを判定する条件判定手段と、この条件判
    定手段の判定結果が真であるときに前記第二の温度不感
    帯を選択する一方、その判定結果が偽であるときには前
    記第一の温度不感帯を選択する不感帯選択機能とが設け
    られていることを特徴とした車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 エバポレータに冷媒を循環させるコンプ
    レッサと、前記エバポレータで冷却された空気を送風す
    る送風機と、該送風された空気を選択的に吹き出す複数
    の空気吹出口と、目標吹出し温度に対応して設定された
    温度不感帯を記憶する不感帯記憶手段と、エバポレータ
    の温度を所定周期毎に検出する温度検出手段と、該温度
    検出手段で検出された最近のエバポレータの温度が前記
    温度不感帯から高温側に推移すると前記コンプレッサを
    始動する一方、前記温度検出手段で検出された最近のエ
    バポレータの温度が前記温度不感帯から低温側に推移す
    るとコンプレッサを停止させるON/OFF制御部とを
    備えた車両用空調装置であって、 前記温度検出手段のサンプリング周期となる第一のサン
    プリング周期と、該第一のサンプリング周期よりも短い
    第二のサンプリング周期とを記憶したサンプリング周期
    記憶手段が配備されると共に、 前記ON/OFF制御部には、予め設定された条件が満
    たされたか否かを判定する条件判定手段と、この条件判
    定手段の判定結果が真であるときに前記第二のサンプリ
    ング周期を選択する一方、その判定結果が偽であるとき
    には前記第一のサンプリング周期を選択するサンプリン
    グ周期選択機能とが設けられていることを特徴とした車
    両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記条件判定手段は、前記送風機の送風
    量が設定値以上であるか否かを判定するものである請求
    項1,2または3記載の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記条件判定手段は、前記目標吹出し温
    度の現在値が設定値以下であるか否かを判定するもので
    ある請求項1,2または3記載の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記条件判定手段は、現段階で選択され
    ている前記空気吹出口がベンチレート用の空気吹出口を
    含むものであるか否かを判定するものである請求項1,
    2または3記載の車両用空調装置。
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JP (1) JP2001001738A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011105191A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Suzuki Motor Corp 車両用制御装置

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