JP3758905B2 - 光ファイバの敷設方法及び光ファイバを用いた歪み検知装置 - Google Patents

光ファイバの敷設方法及び光ファイバを用いた歪み検知装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道トンネルや道路トンネル等の覆工の変形、ひび割れなどを検知するための光ファイバの敷設方法及び光ファイバを用いた歪み検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、経年変化しているトンネルの検査については、全般的に目視検査と破壊検査に大きく依存している。道路トンネルのひび割れ検査は、作業者がトンネル内を徒歩または高所作業車にて移動し、目視観察による調査を中心に行なっている。また、覆工背面の空洞探査、覆工圧の測定は、コアボーリングを行ない、内視鏡などを用いて調査している。
【0003】
また鉄道トンネルでは、トンネルの新旧、構造種別に関わりなく、2年を越えない期間に1回の周期で検査、所謂全般検査を実施している。この全般検査は、主に徒歩による目視で行ない、覆工表面のひび割れの発生、レンガコンクリートブロックなど覆工材料の目地切れ及び漏水など、変状の発生及び進行の箇所を探し出すことを目的として行なわれている。
【0004】
一方、最近では、光ファイバを用いた歪み分布計測器(BOTDR:Brillouin Optical Time Domain Reflectometry)が開発されている。この歪み分布計測器(BOTDR)は、光ファイバのブリルアン散乱光を分析することにより、当該光ファイバにかかる歪み量を計測するもので、後方ブリルアン散乱光の周波数シフト、すなわち入射光の光周波数からブリルアン散乱光スペクトルの中心周波数を引いた値が、光ファイバに加わった引張り応力、つまりそれた等価な引張り応力による相対伸びである光ファイバの伸び歪みと共に変化することに着目し、ブリルアン周波数のシフトから光ファイバあるいは光ケーブルの歪み量を測定するものである。
【0005】
上記歪み分布計測器では、光ファイバの一端からパルス光を入射し、この光ファイバ内でブリルアン散乱光の後方散乱光をコヒーレント検波方法により高感度に検出する。このときブリルアン散乱光が光波と光ファイバ中の音波との相互作用により誘起され、光周波数をシフトさせることを利用し、ブリルアン散乱光の周波数シフト分布から光ファイバの歪み分布を測定する。ブリルアン散乱光の周波数シフトと歪み量との関係は、次式
fb(ε)=fb(0)(1+Cε) ・・・(1)
(但し、fb(0):歪み量ε[%]がゼロの時のブリルアン周波数シフト、C:比例係数(=4.5)。)
で表されるもので、上記(1)式中の「fb(0)」は、入射光の波長が1,500[nm]のときに11[GHz]となる。上記(1)式を歪み量εについて解くと、
ε=(fb(ε)−fb(0))/Cfb(0) ・・・(2)
となる。従って、ブリルアン周波数のシフト量を測定することにより、光ファイバに生じている歪みを求めることができる。ブリルアン周波数のシフト量を求めるためには、入射光あるいは射出光の周波数を走査してブリルアン散乱光のピーク周波数を求めるようにしている。
【0006】
また、入射光をパルス状にして散乱光が入射端に戻ってくるまでの時間を計測することにより、光ファイバの各部分での歪みの分布を求めることができる。
【0007】
上記光ファイバによる歪み計測方法を利用して岩盤などの歪みを計測する例としては、従来、特開平10−197298号に記載された方法が知られている。これは、岩盤などに光ファイバケーブルを取付け、この光ファイバケーブルの一端に歪・損失統合型パルス試験器を接続し、光ファイバケーブルに生ずる長さ方向歪みを上記パルス試験器で測定することによって、岩盤等に生ずる変状を計測するようにしたものである。上記光ファイバケーブルの敷設に際しては、まず、光ファイバケーブルを接着剤等を使用して岩盤の表面にたるみのないように仮固定し、次いで固定治具を使用して岩盤の表面に固定している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような光ファイバによる歪み計測方法を利用してトンネルの覆工の変形、ひび割れなどの変状を検知する場合、非常に長い範囲に亘って光ファイバを敷設しなければならない。また、変状が発生した位置を特定するためには、光ファイバを一定の間隔毎にトンネルの内壁面に固定する必要があり、その作業に長時間を必要とする。
【0009】
特に鉄道トンネルの場合には、列車が通過しない夜間の限られた時間に光ファイバを敷設しなければならず、その限られた施工時間内に作業を完了することは極めて困難である。
【0010】
また、光ファイバによる歪み計測において、温度補正を行なうものとして特開平11−173943号に示されているように光ファイバ自身の温度による見かけ歪み量を補正するものが出願されているが、全面的に接着した場合、温度のドリフト量は接着した構造物の温度による伸び及び光ファイバの光学的特性に依存するドリフト(ブリルアン周波数シフト)の和になる。また、定点固定の場合は光ファイバ自身の被覆の伸びが影響してくるが、被覆は一般に合成樹脂で出来ているため温度による伸び量が安定していない.
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、トンネル内に光ファイバを短時間で効率的に敷設できる光ファイバの敷設方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、光ファイバを用いてトンネルの覆工の変形、ひび割れなどの歪みを確実に検知し得る光ファイバを用いた歪み検知装置を提供することを目的とする。
更に、本発明は、光ファイバを定点固定する際、予め予想される温度によって光ファイバ(被覆を含む)が伸びると予想される程度の引張り量で固定することにより、温度上昇及び温度低下に伴う光ファイバの長さ変化を吸収して安定した検知動作を行ない得る光ファイバを用いた歪み検知装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る光ファイバの敷設方法は、合成樹脂製の保護管内に光ファイバを挿入し、一定の測定間隔毎に前記光ファイバと保護管との間を固着して光ファイバに初期歪みを与えてなる信号ケーブルを作成し、該信号ケーブルをトンネル内壁面にトンネル軸方向と直交する方向に所定の間隔で形成された複数の溝内に配設して接着剤により固着すると共に、前記信号ケーブルの光ファイバと保護管との固着部分を固定具によりトンネル内壁に固定することを特徴とする。
【0012】
第2の発明に係る光ファイバの敷設方法は、合成樹脂製の保護管内に光ファイバを挿入し、一定の測定間隔毎に前記光ファイバと保護管との間を固着して光ファイバに初期歪みを与えてなる信号ケーブルを作成し、該信号ケーブルをトンネル内壁面にトンネル軸方向と直交する方向に所定の間隔で配設して接着剤により固着すると共に、前記信号ケーブルの光ファイバと保護管との固着部分を固定具によりトンネル内壁に固定することを特徴とする。
【0013】
第3の発明に係る光ファイバの敷設方法は、前記第1又は第2の発明において、前記光ファイバに与える初期歪みは、光ファイバを配設する対象構造物の温度特性に応じて予め求めた歪み量にほぼ等しくなるように設定することを特徴とする。
【0015】
第4の発明に係る光ファイバを用いた歪み検知装置は、トンネル内壁面にトンネル軸方向と直交する方向に所定の間隔で配設される複数の光ファイバと、前記トンネルの外部に設けられ、前記光ファイバの歪み分布を測定する歪み計測器と、前記トンネルの外部に設けられ、前記光ファイバの温度分布を測定する温度計測器と、前記歪み計測器及び温度計測器を前記複数の光ファイバに切換え接続する光スイッチと、この光スイッチを順次切換えて前記光ファイバを選択し、この選択された光ファイバの歪み分布を前記歪み計測器により計測し、その計測値と前記光ファイバの設置時における初期歪みとの差から歪み変化量を求める第1の演算手段と、前記光スイッチの切換えにより選択された光ファイバの温度分布を前記温度計測器により計測し、その計測値と前記光ファイバの設置時における初期温度との差から温度変化量を求める第2の演算手段と、この第2の演算手段で求めた温度変化量に対する見かけ歪み分を前記第1の演算手段で求めた歪み変化量から減算してトンネル壁面の歪み変化量とする第3の演算手段と、この第3の演算手段により求められた歪み変化量と予め設定されている警報レベルとを比較し、歪み変化量が警報レベル以上となった場合に警報を発する警報手段とを具備したことを特徴とする。
【0016】
第5の発明に係る光ファイバを用いた歪み検知装置は、前記第4の発明において、トンネル内壁面にトンネル軸方向と直交する方向に所定の間隔で配設される複数の光ファイバをそれぞれ独立して設け、並列配置したことを特徴とする。
【0017】
第6の発明に係る光ファイバを用いた歪み検知装置は、前記第4の発明において、トンネル内壁面にトンネル軸方向と直交する方向に所定の間隔で配設される複数の光ファイバのうち、任意の光ファイバを直列に接続したことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る光ファイバの敷設方法及び光ファイバを用いた歪み検知装置の構成を示す図、図2は図1におけるトンネルを溝形成部分で断面して示す図、図3は図1における信号ケーブルをゲージ長固定ボルトで固定する部分の構成を示す図である。
【0020】
図1に示すようにトンネル1内に光ファイバを敷設する際、トンネル内壁面2に図3に示すようにトンネル軸方向と直交する方向に例えば幅10mm、深さ7mm程度の溝3を所定の間隔で形成し、この溝3内に光ファイバ4及び保護管(チューブ)5からなる可撓性を有する信号ケーブル6を配設し、接着剤7により固着する。上記信号ケーブル6は、更に図2に示すように一定の測定間隔(ゲージ長)で固定具例えばゲージ長固定ボルト8によりトンネル内壁面2に固定すると共に、その途中の1ないし数箇所を保護管固定ボルト9で固定する。上記ゲージ長固定ボルト8は、図3に示すように信号ケーブル6を押さえ治具10を介して壁面2に確実に固定する。また、保護管固定ボルト9は、ゲージ長固定ボルト8の場合と同様の押さえ治具10を用いても良いが、比較的簡易な方法で信号ケーブル6を壁面2に固定する。
【0021】
上記信号ケーブル6は、図4(a)に示すように比較的堅い合成樹脂製の例えば外径4mm、内径2mm程度の保護管5内に光ファイバ4を挿入し、この光ファイバ4の距離分解能に応じて定まる一定の測定間隔(ゲージ長)毎に光ファイバ4と保護管5との間を予め固着しておく。この場合、各固着部5a、5b、…では、光ファイバ4にある程度の初期歪み(引張り歪み)を与えた状態で固着する。前記光ファイバ4に与える初期歪みは、光ファイバ4を配設する対象構造物の温度特性に応じて予め求めた歪み量にほぼ等しくなるように設定する。すなわち、予め予想される温度によって光ファイバ4が伸びると予想される程度の引張り量で光ファイバ4を固着する。
【0022】
上記光ファイバ4の固着方法としては、例えば所定温度以上の熱が加えられた時に接着作用を持つ部材を光ファイバ4の外側に予め塗布しておき、この光ファイバ4を保護管5内に挿入した後、保護管5の外側から加熱することによって、光ファイバ4と保護管5とを一定の測定間隔毎に固着する。あるいは、光ファイバ4を保護管5に挿入した後、外側から例えば注射器のような注入器を使用して接着剤を保護管5内に注入することによって光ファイバ4と保護管5とを一定の測定間隔毎に固着する。
【0023】
また、その他、図4(b)に示すように保護管5を予め測定間隔に相当する一定の長さに切断しておき、この保護管5内に光ファイバ4を挿入した後、各保護管5の両端部を接着剤により固着するようにしても良い。この場合においても、光ファイバ4にある程度の初期歪み(引張り歪み)を与えた状態で、光ファイバ4と各保護管5との間を固着する。上記図4(b)に示す方法では、各保護管5の両端部から接着剤を注入あるいは塗布できるので、光ファイバ4と保護管5との固着処理を容易に行なうことができる。
【0024】
上記のように予め光ファイバ4と保護管5とを所定間隔毎に固着してなる信号ケーブル6を上記溝3内に配設し、光ファイバ4と保護管5との各固着部5a、5b、…をゲージ長固定ボルト8でトンネル内壁面2に固定する。この場合、光ファイバ4に対する初期歪み(引張り歪み)が保たれるように固定する。
【0025】
上記信号ケーブル6を敷設する際、トンネル軸方向と直交する方向に所定の間隔で単独に敷設、すなわち並列的に敷設しても、あるいはトンネル軸方向と直交する方向に所定の間隔で設けた信号ケーブル6を直列に接続しても良い。さらには、両者を組み合わせた状態に敷設しても良い。
【0026】
上記のように予め光ファイバ4と保護管5とを所定間隔毎に固着し、予め光ファイバ4に初期歪みを与えた信号ケーブル6を使用することにより、ケーブルの敷設時に光ファイバ4に与える初期歪みについて、それ程注意しなくても良いので、信号ケーブル6の敷設を効率的に行なうことができ、短時間でケーブルの敷設を完了することができる。
【0027】
そして、上記敷設した各信号ケーブル6の始端部は、トンネル1の外部に導出されて歪み検知装置11に接続される。また、光ファイバ4の終端には終端処理用ループ(図示せず)が設けられる。
上記歪み検知装置11は、図5に示すように、上記各光ファイバ4を切換える光スイッチ12、上記BOTDR等を用いて各光ファイバ4の歪み分布を計測する歪み計測器13、同様にBOTDR等を用いて各光ファイバ4の温度分布を計測する温度計測器14、上記歪み計測器13及び温度計測器14の計測信号を処理すると共に上記光スイッチ12に切換え指令を出力するCPU15、初期歪み、初期温度、警報レベル、計測データ等を記憶するメモリ16、計測結果等を表示する表示装置17、計測結果が警報レベルを越えた場合に警報を発する警報器18等からなっている。また、必要に応じてプリンタを設け、通常の計測データや異常時の計測データを印刷するようにしても良い。
【0028】
次に上記実施形態における歪み検知動作について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
トンネル1内に信号ケーブル6を布施した際、歪み検知装置11におけるCPU15は、各光ファイバ4に対する処理番号を設定すると共に光スイッチ12に切換え指令を出力して対応する光ファイバ4に切換え、歪み計測器13によりその光ファイバ4の歪み分布を計測してメモリ16に初期歪みとして記憶する。また、CPU15は、同様にして各光ファイバ4の温度分布を温度計測器14により計測し、メモリ16に初期温度として記憶する。また、このメモリ16には、光ファイバ4の歪みが危険領域に達したことを判定するための警報レベルを予め記憶している。
【0029】
上記のようにメモリ16に光ファイバ4の初期歪み、初期温度等を記憶させた後、歪み検知装置11は、一定時間毎あるいは一定期間毎に歪み監視動作を実行する。この歪み監視動作を行なう場合、CPU15は、処理番号を設定して光スイッチ12を対応する光ファイバ4に切換え(ステップA1、A2)、歪み計測器13によりその光ファイバ4の歪み分布を計測し(ステップA3)、その計測結果とメモリ16に記憶している初期歪みとの差を光ファイバ設置後の歪み変化量として算出する(ステップA4)。以下同様にCPU15は、処理番号を変更して光スイッチ12を順次切換え、各光ファイバ4に対する歪みを計測し、その測定結果と初期歪みとの差を光ファイバ設置後の歪み変化量として算出する。
【0030】
また、CPU15は、上記歪み計測と並行して各光ファイバ4に対する温度分布を温度計測器14により計測し、あるいは上記歪み計測後に光スイッチ12を順次切換えて各光ファイバ4に対する温度分布を計測し(ステップA5)、メモリ16に記憶している光ファイバ設置時の初期温度分布との差を光ファイバ設置後の温度変化として算出する(ステップA6)。そして、上記温度変化による見かけ歪み分を上記光ファイバ4の対応する位置の歪み変化量から差し引き、その値をトンネル内壁面2の歪み変化量とし(ステップA7)、その時の時刻との対応を取り、計測データとしてメモリ16に保存する(ステップA8)。また、この時のデータと前回または一定期間前における計測データとの差を歪みの時間変化率として算出する。
【0031】
そして、CPU15は、上記のようにして求めたトンネル内壁面2の歪み変化量もしくは歪みの時間変化率が予め設定した警報レベル以上であるか否かを比較判定し(ステップA9)、警報レベル以上でなければ次の計測処理に進むが、警報レベル以上であれば警報器18により警報を発し、自動的にあるいはユーザの要求に応じて警報レベル以上の歪み発生位置と発生位置の歪みの経時変化を表示装置17に表示する(ステップA10)。この場合、更に、警報信号を歪み検知装置11から有線あるいは無線等で監視センターに送信するようにしても良い。
【0032】
上記のようにトンネル1内に所定の間隔で複数の信号ケーブル6を敷設し、これら信号ケーブル6中の光ファイバ4を光スイッチ12で順次切換えて歪み分布を計測することにより、トンネル内壁面の歪みを確実に検知することができる。
【0033】
次に、信号ケーブル6に与える初期歪みの具体的な例について説明する。例えば、固定する時に光ファイバ4の温度伸び量が4×10-5(℃-1)であり、使用温度範囲が0℃から40℃で、20℃の時に設置する場合、20℃変化すると20×4×10-5=8×10-2%の伸びちぢみが発生する。対象構造物の温度伸び量が1×10-5(℃-1)であるとすると、温度が20℃変化すると20×1×10-5=2×10-2%となり、その差は(8−2)×10-2%=6×10-2%なので、初期歪み量を6×10-2%以上掛けておけば、温度による見かけの歪み量が光学的特性の影響及び対象構造物の温度伸びのみにする事が出来る。
即ち、
「見かけの歪み量」=「光学的特性の影響」+「対象構造物の温度伸び」
となる。
【0034】
例えば1550nmの光を用いた測定の場合、光学的特性による影響は2×10-5(℃-1)である(使用する光と光ファイバによる固有の値)。その時に、初期歪みを与えた温度が20℃で、測定時の温度が30℃の時の光学的特性による見かけの歪み量は、温度変化が10℃なので10×2×10-5=2×10-2%となり、対象構造物の温度伸び量が10×1×10-5=1×10-2%であるから、計測時の見かけの歪み量は、(2+1)×10-2%=3×10-2%となる。
【0035】
従って、
真の構造物の歪み量=計測値−(敷設時の初期歪み量+計測時の見かけの歪み量)
となる。
【0036】
即ち、敷設時の初期歪みが6×10-2%、現在の歪み(計測値)が10×10-2%であれば、実際に構造物に生じている歪みは、10−(6+3)×10-2%=1×10-2%となる。
【0037】
敷設した光ファイバは、温度上昇及び温度低下により長さが変化しようとするが、予め与えた引張り張力により変化分が吸収される。特に光ファイバが伸びようとする時に伸びを吸収する効果がある。また、光ファイバがちぢむ時も対象物(構造物)に固定されているために光ファイバ自身のちぢみの影響が出ない。
【0038】
なお、実施形態では、トンネル内壁面2に溝3を設け、この溝3内に信号ケーブル6を配設するようにした場合について示したが、特に溝3を設けずに信号ケーブル6をトンネル内壁面2に接着剤で固着し、ゲージ長固定ボルト8及び保護管固定ボルト9で固定するようにしても良い。
【0039】
また、上記実施形態では、歪み検知装置11を光ファイバ4に常時接続している場合について説明したが、例えば定期点検の際に歪み検知装置11を光ファイバ4に接続してトンネル内壁面の歪みを検知するようにしても良い。
【0040】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、光ファイバを合成樹脂製の保護管内に挿入して光ファイバと保護管とを所定間隔毎に固着し、予め光ファイバに初期歪みを与えた信号ケーブルを使用することにより、ケーブルの敷設時に光ファイバに初期歪みを与える必要がなくなるので、信号ケーブルの敷設を効率的に行なうことができ、短時間でケーブルの敷設を完了することができる。従って、施工時間が限られている鉄道トンネル等においても実施することが可能となる。また、信号ケーブルを接着剤でトンネル内壁面に固着し、更に固定ボルトで固定するようにしているので、接着剤が固化するまで待つことなく敷設作業を完了することができる。
【0041】
また、本発明は、トンネル内に所定の間隔で複数の上記信号ケーブルを敷設し、これら信号ケーブル中の光ファイバを光スイッチで順次切換えて歪み分布を計測するようにしたので、トンネル内壁面の歪みを確実に検知することができる。
【0042】
更に本発明は、光ファイバを定点固定する際、予め予想される温度によって光ファイバが伸びると予想される程度の引張り量で固定し、所定の初期歪みを与えているので、温度上昇及び温度低下に伴う光ファイバの長さ変化を吸収して安定した検知動作を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ファイバの敷設方法を示す図。
【図2】同実施形態におけるトンネルを溝形成部分で断面して示す図。
【図3】同実施形態における信号ケーブルをゲージ長固定ボルトにより固定する部分の構成を示す図。
【図4】同実施形態における信号ケーブルの構成例を示す図。
【図5】同実施形態における歪み検知装置の構成を示すブロック図。
【図6】同実施形態における歪み検知動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 トンネル
2 トンネル内壁面
3 溝
4 光ファイバ
5 保護管
6 信号ケーブル
7 接着剤
8 ゲージ長固定ボルト
9 保護管固定ボルト
10 押さえ治具
11 歪み検知装置
12 光スイッチ
13 歪み計測器
14 温度計測器
15 CPU
16 メモリ
17 表示装置
18 警報器

Claims (6)

  1. 合成樹脂製の保護管内に光ファイバを挿入し、一定の測定間隔毎に前記光ファイバと保護管との間を固着して光ファイバに初期歪みを与えてなる信号ケーブルを作成し、該信号ケーブルをトンネル内壁面にトンネル軸方向と直交する方向に所定の間隔で形成された複数の溝内に配設して接着剤により固着すると共に、前記信号ケーブルの光ファイバと保護管との固着部分を固定具によりトンネル内壁に固定することを特徴とする光ファイバの敷設方法。
  2. 合成樹脂製の保護管内に光ファイバを挿入し、一定の測定間隔毎に前記光ファイバと保護管との間を固着して光ファイバに初期歪みを与えてなる信号ケーブルを作成し、該信号ケーブルをトンネル内壁面にトンネル軸方向と直交する方向に所定の間隔で配設して接着剤により固着すると共に、前記信号ケーブルの光ファイバと保護管との固着部分を固定具によりトンネル内壁に固定することを特徴とする光ファイバの敷設方法。
  3. 前記光ファイバに与える初期歪みは、光ファイバを配設する対象構造物の温度特性に応じて予め求めた歪み量にほぼ等しくなるように設定することを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバの敷設方法。
  4. トンネル内壁面にトンネル軸方向と直交する方向に所定の間隔で配設される複数の光ファイバと、前記トンネルの外部に設けられ、前記光ファイバの歪み分布を測定する歪み計測器と、前記トンネルの外部に設けられ、前記光ファイバの温度分布を測定する温度計測器と、前記歪み計測器及び温度計測器を前記複数の光ファイバに切換え接続する光スイッチと、この光スイッチを順次切換えて前記光ファイバを選択し、この選択された光ファイバの歪み分布を前記歪み計測器により計測し、その計測値と前記光ファイバの設置時における初期歪みとの差から歪み変化量を求める第1の演算手段と、前記光スイッチの切換えにより選択された光ファイバの温度分布を前記温度計測器により計測し、その計測値と前記光ファイバの設置時における初期温度との差から温度変化量を求める第2の演算手段と、この第2の演算手段で求めた温度変化量に対する見かけ歪み分を前記第1の演算手段で求めた歪み変化量から減算してトンネル壁面の歪み変化量とする第3の演算手段と、この第3の演算手段により求められた歪み変化量と予め設定されている警報レベルとを比較し、歪み変化量が警報レベル以上となった場合に警報を発する警報手段とを具備したことを特徴とする光ファイバを用いた歪み検知装置。
  5. トンネル内壁面にトンネル軸方向と直交する方向に所定の間隔で配設される複数の光ファイバをそれぞれ独立して設け、並列配置したことを特徴とする請求項4記載の光ファイバを用いた歪み検知装置。
  6. トンネル内壁面にトンネル軸方向と直交する方向に所定の間隔で配設される複数の光ファイバのうち、任意の光ファイバを直列に接続したことを特徴とする請求項4記載の光ファイバを用いた歪み検知装置。
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