JP2000039309A - 変形検査方法及び装置 - Google Patents

変形検査方法及び装置

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JP2000039309A
JP2000039309A JP10205362A JP20536298A JP2000039309A JP 2000039309 A JP2000039309 A JP 2000039309A JP 10205362 A JP10205362 A JP 10205362A JP 20536298 A JP20536298 A JP 20536298A JP 2000039309 A JP2000039309 A JP 2000039309A
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Japan
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optical fiber
grating
sensor optical
measured
light
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JP10205362A
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English (en)
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Kazumasa Sasaki
佐々木一正
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EETEIKKU KK
Hokkaido Electric Power Co Inc
SWCC Corp
Original Assignee
EETEIKKU KK
Hokkaido Electric Power Co Inc
Showa Electric Wire and Cable Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバーグレーティングを用いて橋梁や
隧道のような大きな被測定物の1mメッシュ程度のサイ
ズでの平均的変形を計測する。 【解決手段】 グレーティング3を内蔵した一定長Lの
センサー光ファイバー2に一定の伸張を付与した状態で
その両端4を被測定物1に固定し、そのグレーティング
3による反射スペクトル若しくは透過吸収スペクトルの
波長変化を測定し、その変化量から被測定物1の両固定
位置間の伸縮を長さLの間での平均値として計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変形検査方法及び
装置に関し、特に、光ファイバーグレーティングを用い
た建造物変形検査装置及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバーグレーティングによる張力
センサーは、電気的ストレインゲージに比較して優れた
点が多い。つまり、電気的ストレインゲージでは、電源
供給のために2本、信号の取り出しのために2本、計4
本のリード線を必要とし、数多くのストレインゲージを
配置する場合には、配線が繁雑になるばかりでなく、電
磁誘導やノイズの多い場所では精度の高い測定は困難で
ある等の問題が多かった。
【0003】それに対し、光ファイバーグレーティング
による張力センサーはグレーティンからの反射光を利用
すれば、1本の光ファイバーを接続すればよく、また、
電磁誘導の影響は受けず、精度、感度共極めて優れてい
るため、その普及が期待されているものである。
【0004】これまでの光ファイバーグレーティングに
よる張力センサーは、電気的ストレインゲージと同様
に、被測定物に接着剤等でその全体を貼り付けて固定
し、被測定物の変形を直接グレーティングの変形に転嫁
する方法をとっていた。しかしながら、この方法では、
実際に使われるグレーティングは数cm程度の長さであ
るため、被測定物の局所の変形しか計測することができ
ないという問題があった。橋梁や隧道のような大きな被
測定物の場合には、局所よりも1mメッシュ程度のサイ
ズでの平均的変形を把握することが重要な場合があり、
このような目的に使える光ファイバーグレーティングに
よる張力センサーの出現が要求されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はそのような状
況に鑑みてなされたものであり、その目的は、光ファイ
バーグレーティングを用いて橋梁や隧道のような大きな
被測定物の1mメッシュ程度のサイズでの平均的変形を
計測することができる変形検査方法及び装置を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の変形検査方法は、長さ1m程度の光ファイバーの内
部にグレーティング(ブラッグ型回折格子)を内蔵した
ものをセンサーとして用い、その両端を被測定物体に固
定するものである。この方式によれば、局所的な変形よ
りは、その光ファイバーが張られた1m長部分の被測定
物の平均的な変形が観測されることになる。
【0007】したがって、例えば、このようなセンサー
を1mメッシュで被測定物体の表面に張り巡らせば、メ
ッシュの変形が観測でき、被測定物体の2次元的あるい
は3次元的な変形を計測することができる。グレーティ
ングの格子間隔を変えることによってそれぞれのグレー
ティグを識別することができるから、複数のセンサーを
直列に接続して1本の光ファイバーとなすことも可能で
ある。このようにすれば、配線は極めて簡素化される。
これは、従来の電気的ストレインゲージにない特徴であ
る。
【0008】また、光ファイバーは伝送損失が小さいの
で、観測拠点を測定位置から数10km程度まで遠隔に
設置することができる。この場合、変形に係わる情報は
光の波長に乗っており、これは原理的に信号パワーが劣
化しても影響を受けないという利点がある。
【0009】すなわち、本発明の変形検査方法は、グレ
ーティングを内蔵した一定長Lのセンサー光ファイバー
に一定の伸張を付与した状態でその両端を被測定物に固
定し、そのグレーティングによる反射スペクトル若しく
は透過吸収スペクトルの波長変化を測定し、その変化量
から被測定物の両固定位置間の伸縮を前記長さLの間で
の平均値として計測することを特徴とする方法である。
【0010】この場合に、内蔵されるグレーティングの
格子間隔が異なるセンサー光ファイバーを複数個直列に
接続するか、若しくは、1本のセンサー光ファイバー中
に格子間隔が異なるグレーティングを複数個配置したも
のを用いて、被測定物の複数の箇所個々の伸縮の平均値
を同時に計測するようにすることができる。
【0011】その場合には、複数の箇所個々の伸縮の平
均値を計測し、その計測情報から被測定物全体の変形を
幾何学的に推定するようにすることができる。
【0012】また、センサー光ファイバーの両端を被測
定物に固定する際に、まず、センサー光ファイバーの一
端を被測定物に固定し、他端に張力計付き伸張付与機構
を取り付けて特定の長さだけ正確に伸張した状態で他端
を被測定物に固定するようにすることが望ましい。
【0013】また、センサー光ファイバーの伸縮特性を
その長手方向で不均一なものとし、グレーティングが内
蔵されている部分の弾性率をより小さくなるようにして
検出感度を増大させるようにすることができる。
【0014】本発明の変形検査装置は、被測定物に一定
の伸張を付与した状態で両端が固定されるグレーティン
グを内蔵したセンサー光ファイバーと、前記グレーティ
ングでブラッグ回折されて反射する波長の光を含む連続
波長域の光を発光する光源であって、前記センサー光フ
ァイバーの一端に導入されるを光を発光する光源と、前
記センサー光ファイバーの他端に接続されるスペクトラ
ムアナライザーとからなることを特徴とするものであ
る。
【0015】本発明のもう1つの変形検査装置は、被測
定物に一定の伸張を付与した状態で両端が固定されるグ
レーティングを内蔵したセンサー光ファイバーと、前記
グレーティングでブラッグ回折されて反射する波長の光
を含む連続波長域の光を発光する光源であって、前記セ
ンサー光ファイバーの一端に導入されるを光を発光する
光源と、前記光源と前記センサー光ファイバーの前記一
端との間の光路中に配置され、前記グレーティングで反
射された光成分を分岐する分岐手段と、前記分岐手段に
よって分岐された光成分のスペクトラムを分析するスペ
クトラムアナライザーとからなることを特徴とするもの
である。
【0016】これらにおいて、センサー光ファイバーと
して、内蔵されるグレーティングの格子間隔が異なるセ
ンサー光ファイバーを複数個直列に接続するか、若しく
は、1本のセンサー光ファイバー中に格子間隔が異なる
グレーティングを複数個配置したものとすることができ
る。
【0017】また、センサー光ファイバーとして、その
伸縮特性を長手方向で不均一なものとし、グレーティン
グが内蔵されている部分の弾性率をより小さくなるよう
にして検出感度を増大させたものとすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】橋梁や隧道は、常にその変形を監
視し、崩壊や崩落を防止することが求められている。こ
のような監視のための計測においては、局所的な変形よ
りは全体の平均的な変形を知ることが必要であり、本発
明は、このような社会的な要求によりなされた。
【0019】つまり、橋梁の場合には、複数のグレーテ
ィングを内蔵したセンサー光ファイバーを一定の張力を
付与した状態で、また、要求される分解能を満たす間隔
で固定しながら橋げたの左右あるいは上下に敷設する。
この場合、固定間隔の間の光ファイバーには必ず1個以
上のグレーティングが内蔵されているものとする。
【0020】このようにして敷設されたセンサー光ファ
イバーに所定の波長を有する光を通すことにより、グレ
ーティングからの反射光波長、若しくは、その反射によ
り失われた透過光の波長成分を観測することにより、グ
レーティングの伸縮状態、つまり、センサー光ファイバ
ーの固定間隔間での被測定物体の平均の伸縮が測定され
る。この情報をコンピュータに送り、幾何学的に全体を
再構成すれば、全体形状の変化が求められ、橋梁の変形
監視が可能となる。
【0021】一方、隧道の場合には、その内壁にグレー
ティングを内蔵したセンサー光ファイバーを一定の間隔
で固定して敷設する。このようにすると、トンネルの断
面形状を多角形で近似した状況となり、多角形の各辺の
長さを計測することにより、多角形の変形すなわちトン
ネルの断面形状の変形が観測できる。
【0022】特に後者の場合には、国内で大きな事故が
あったばかりであり、また、青函トンネル等、高度な安
全性が要求されるトンネルが建設され、社会的な関心が
高まってきている時期でもあり、本発明はそのような社
会問題を解決し得るものである。
【0023】以下、発明の変形検査方法及び装置の詳細
を説明する。ゲルマニウムドープ石英光ファイバーコア
に紫外線を照射すると、フォトリフラクティブ効果によ
りわずかに屈折率が増加することが知られている。これ
を利用して軸方向に周期的に屈折率の高い部分(格子)
を形成させたものが光ファイバーグレーティングであ
り、本発明で用いるグレーティング内蔵センサー光ファ
イバーである(J.Lightwave Techno
l.,15(1997)1263〜1276;Opt.
Lett.,14(1989)823〜825;App
l.Phys.Lett.,62(1993)1035
〜1037)。
【0024】光ファイバーグレーティングは、その格子
間隔で決まる特定の波長の光を効率良く反射する機能を
持っている。つまり、格子間隔が変化すれば反射波長も
変化する。精度の高い波長分析器(スペクトラムアナラ
イザー)を用いれば、光の波長の1/100以下の変化
も感知可能である。このことを利用すれば、光ファイバ
ーグレーティングはこのような感度を有する歪みゲージ
として使えることを意味している。
【0025】石英系光ファイバーは破断延伸量は3%程
度と考えられている。また、延伸したままでは疲労が蓄
積して破断に至る寿命が短くなるが、0.1%程度の十
分小さい延伸であれば問題がない。
【0026】本発明は、光ファイバーグレーティングに
よる被測定物体の変形を検査する方法に関するものであ
り、このようなグレーティング内蔵する光ファイバーの
一定長の両端を被測定物表面に固定する。このようにす
れば、被測定物の伸縮に応じた伸縮を光ファイバーが受
けるので、内蔵した光ファイバーグレーティングがこれ
を感じてその反射する光の波長を変化させるので、その
ことから被測定物体の変形を知るのである。
【0027】この方法では、従来のように光ファイバー
グレーティングを被測定物体に直接貼り付けて固定する
のではないので、センサー光ファイバーの固定された2
点間での平均的な変形量が測定される。この点が従来の
計測方法と異なる点である。従来方式では、光ファイバ
ーグレーティングが貼り付けられた局部の変形しか測定
することができず、点観測であったため、被測定物全体
の形状変形を求めるには適していなかった。それに対
し、本発明では、線観測が可能となることから、被測定
物形状を網目構造で近似した場合の各網目を構成する線
素の長さ変化を計測していることに相当するので、被測
定物の全体の形状変化を容易に把握することが可能とな
る。
【0028】いま、被測定物の表面に1m長のセンサー
光ファイバーの両端が固定されており、その1m長の部
分で100μmの変形(0.01%)があったとする。
センサー光ファイバーも、被測定物と同じく全体として
同量の伸びを受ける。もし、センサー光ファイバーが一
様に伸びるとすると、グレーティングも同じ割合(0.
01%)で伸びる。このとき、もし、波長0.55μm
帯の光を用いているとすれば、反射光の波長は0.15
5nmだけ長波長側にシフトするはずである。この値
は、通常光通信等で使われているスペクトラムアナライ
ザーを用いれば測定可能な量である。
【0029】さらに、より高感度にするためには、グレ
ーティング成型部の被覆を他の部分より薄くして弾性率
を不均一のものとする方法がある。弾性率の一番小さな
部分に応力が集中するから、グレーティング部は他の部
分より大きな伸長を受けるため、感度が増大する。この
ことを詳しく説明すると、もし、1m長の光ファイバー
の中のグレーティング部の長さが10cmであるとし、
その部分の弾性率が1/10であるとすると、グレーテ
ィング部が1.0だけ伸びるのに対し、他の部分では1
0cm当たり0.1であるから、他の部分での合計は
0.9となる。従って、全体が100μmだけ伸びる場
合のグレーティング部の伸び量は、100μm/1.9
×1.0=52.6μmとなり、均一にした場合の伸び
量10μmに比較して5倍以上の感度の向上が図れる。
【0030】以下、本発明の原理を図1を用いてさらに
詳細に説明する。図1(a)に示すように、被測定物1
の表面に、伸縮を測定したい方向に沿ってグレーティン
グ3を内蔵したセンサー光ファイバー2をその長手方向
に沿って所定の伸張(張力)を付与した状態でその両端
4を固定する。このように、一定の伸張を付与した状態
でセンサー光ファイバー2の両端4を固定するには、例
えば、まず、その一端を被測定物1に固定し、その状態
でセンサー光ファイバー2の他端に張力計付き伸張付与
機構を取り付けて特定の長さだけ正確に伸張した状態
で、今度はもう一方の端部を被測定物1に固定するよう
にすればよい。
【0031】センサー光ファイバー2には、光源6から
のグレーティング3でブラッグ回折されて反射する波長
(=2ndg ,(dg :格子間隔,n:コアの屈折
率))の光を含む連続波長域λ0 〜λ1 の光が別の光フ
ァイバー5を介して導かれている。このとき、グレーテ
ィング3の格子間隔dg に依存する測定の波長の光のみ
が反射されるので、センサー光ファイバー5を通った光
をさらに別の光ファイバー9を介して波長分析器(スペ
クトラムアナライザー)7へと導けば、その反射波長成
分の吸収スペクトルが得られる。
【0032】いま、被測定物体1が伸張したとすると、
センサー光ファイバー2も伸び、さらに、センサー光フ
ァイバー2に内蔵されたグレーティング3も同様に伸張
されるから格子間隔dg が増大し、吸収スペクトルは、
図1(b)に示すように長波長側にシフトする。一方、
被測定物体1が収縮したとすると、センサー光ファイバ
ー2の伸び量が減り、さらに、内蔵されたグレーティン
グ3も同様に伸び量が減少するから格子間隔dg が狭ま
り、吸収スペクトルは、図1(c)に示すように短波長
側にシフトする。これらの波長シフト量をスペクトラム
アナライザー7で測定すれば、被測定物体1の伸縮を計
測したこととなる。
【0033】同様の計測はグレーティング3からの反射
光を用いても可能である。図2(a)にその例を示す。
この場合、光源6に接続された光ファイバーの途中に光
カプラー8を設け、光源6からの光とグレーティング3
からの反射光を分岐させる。反射光成分は光ファイバー
9を介してスペクトラムアナライザー7に接続される。
観測される光スペクトル形状は、図2(b)、(c)に
示すように、図1の場合と反転したものとなる以外、ス
ペクトルラインのシフトと被測定物体1の伸縮の関係は
全く同様である。
【0034】ここで、注意すべきは、図1、図2の場合
共、伸縮量として計測される量は被測定物体1の各部分
で伸縮にばらつきがあっても、センサー光ファイバー2
が固定されている2点間の伸縮の総和であるということ
である。この点が、センサー光ファイバー2を被測定物
体1に直接貼り付けて作成した光ファイバー型ストレイ
ンゲージ方式とは決定的に異なる。ストレインゲージ方
式では、センサー光ファイバーの伸縮は被測定物体の伸
縮と全く同じであるが、本方式では異なる場合もあり得
る。しかし、被測定物体1が大きい場合には、ストレイ
ンゲージ方式のような局部的な変形よりも全体としての
形状の変形が問題となるため、従来のストレインゲージ
方式では限界があった。従来のストレインゲージ方式を
点的な計測方式とすれば、本発明は線的な計測方式に相
当し、全体形状の変形の把握には各段に有利である。
【0035】図3(a)は、図1、図2で述べた方式の
センサー光ファイバー2を複数個21 〜24 直列に接続
して用いる場合について説明するための図で、それぞれ
の部分では,図1、図2について説明した通りである
が、それぞれの部位を識別するために、各々のセンサー
光ファイバー21 〜24 でわずかずつ異なる格子間隔を
有するグレーティング31 〜34 を内蔵させている。こ
の場合は、スペクトラムアナライザー7には、図3
(b)に示すように、多くのスペクトラルラインが現れ
るが、これらを識別してコンピュータにより読み取り、
各部分での伸縮に振り分けて計測すれば、被測定物体1
の形状を幾何学的に線画により近似したものが得られ、
その全体形状の変形を把握することが容易となる。ま
た、図3では透過光を利用する場合について図示してあ
るが、センサー光ファイバー21 〜24 に加え、さらに
グレーティングを内蔵しない光ファイバー10を同時に
並列して敷設し、その終端でセンサー光ファイバー21
〜24 の延長光ファイバー9とを接続点11で結合して
復路として用いている。この方法を用いると、光源部6
と測定部7を分ける必要がないという点で便利性が高ま
る。
【0036】図4、図5及び図6は、図3に示した方法
を実際に適用した例を示す図で、図4は橋梁に、図5、
図6は隧道に適用した例である。図4に示した例では、
図4(a)の側面図、同図(b)の上面図に示すよう
に、橋梁橋げた20の上面、下面、及び左右の側面に4
本のセンサー光ファイバー21、22、23、24を敷
設してある(それぞれセンサー光ファイバーのみを図示
してある。)。左右のセンサー光ファイバー23、24
により、図4(c)に示すように、橋げた20の横揺れ
による変形を、上下面のセンサー光ファイバー21、2
2は、図4(d)に示すように、橋げた20の上下のう
ねり変形に対して感度を有する。
【0037】図5の場合は、図5(a)に示すように、
隧道(トンネル)25の断面形状を折れ線により近似す
る場合と同様な形態で、隧道25の内壁にセンサー光フ
ァイバー26を敷設した例である。計測部27での計測
結果をそのままプロットすることにより、図5(b)に
示すように、コンピュータ28の画面29上に隧道25
の断面形状の折れ線近似を表示することができる。形状
の変形は、その折れ線の各線素の長さの変動から算出す
る。
【0038】図6は、検出感度を上げるため、敷設方法
を工夫したもので、センサー光ファイバー26を固定す
る点4の位置を1個おきに支柱30を設けてジグザグ形
状とすることにより、その点での隧道断面の中心へ向か
う変動量Δxに対する検知感度を上げている。つまり、
図7(a)の状態と同図(b)の状態とを比較すると、
図(b)では隧道25の壁面に対するセンサー光ファイ
バー26のなす角度を自由に敷設できるから、同じ壁面
の移動Δxであっても、それによって生ずるセンサー光
ファイバー26の伸長量はΔlB >ΔlA となり、図7
(b)の方が高感度となることが分かる。
【0039】以上、本発明の変形検査方法及び装置の原
理と実施例を説明してきたが、本発明はこれら実施例に
限定されず種々の変形が可能である。また、本発明の被
測定物体は橋梁や隧道等の建造物のみに限定されるもの
ではなく、位置変動等が問題となる自然石、断崖の形状
の監視等にも適用でき、このような最近の社会問題にも
貢献できるものである。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の変形検査方法及び装置によると、グレーティングを内
蔵した一定長Lのセンサー光ファイバーに一定の伸張を
付与した状態でその両端を被測定物に固定し、そのグレ
ーティングによる反射スペクトル若しくは透過吸収スペ
クトルの波長変化を測定し、その変化量から被測定物の
両固定位置間の伸縮をその長さLの間での平均値として
計測するので、橋梁や隧道のような大きな被測定物の1
mメッシュ程度のサイズでの平均的変形を計測すること
ができ、被測定物体の2次元的あるいは3次元的な変形
を計測することができる。また、グレーティングの格子
間隔を変えることによってそれぞれのグレーティグを識
別することができるから、複数のセンサーを直列に接続
して1本の光ファイバーとなすことも可能である。この
ようにすれば、配線は極めて簡素化される。光ファイバ
ーは伝送損失が小さいので、観測拠点を測定位置から数
10km程度まで遠隔に設置することができる。この場
合、変形に係わる情報は光の波長に乗っており、これは
原理的に信号パワーが劣化しても影響を受けないという
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の変形検査方法の原理を説明するための
図である。
【図2】図1の変形の変形検査方法の原理を説明するた
めの図である。
【図3】複数個のセンサー光ファイバーを直列接続した
場合について説明するための図である。
【図4】図3に示した方法を橋梁に適用した例を説明す
るための図である。
【図5】図3に示した方法を隧道に適用した例を説明す
るための図である。
【図6】図3に示した方法を隧道に適用した別の例を説
明するための図である。
【図7】図6の方法が検知感度が上がる理由を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1…被測定物 2、21 〜24 …センサー光ファイバー 3、31 〜34 …グレーティング 4…センサー光ファイバーの固定端 5…光信号導入用光ファイバー 6…光源 7…波長分析器(スペクトラムアナライザー) 8…光カプラー 9…光信号導出用光ファイバー 10…副設光ファイバー 11…接続点 20…橋梁橋げた 21〜24…センサー光ファイバー 25…隧道(トンネル) 26…センサー光ファイバー 27…計測部 28…コンピュータ 29…コンピュータ画面 30…支柱
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月6日(1998.8.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】いま、被測定物の表面に1m長のセンサー
光ファイバーの両端が固定されており、その1m長の部
分で100μmの変形(0.01%)があったとする。
センサー光ファイバーも、被測定物と同じく全体として
同量の伸びを受ける。もし、センサー光ファイバーが一
様に伸びるとすると、グレーティングも同じ割合(0.
01%)で伸びる。このとき、もし、波長1.55μm
帯の光を用いているとすれば、反射光の波長は0.15
5nmだけ長波長側にシフトするはずである。この値
は、通常光通信等で使われているスペクトラムアナライ
ザーを用いれば測定可能な量である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000002255 昭和電線電纜株式会社 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 (72)発明者 佐々木一正 北海道札幌市手稲区前田9条17丁目2の7 Fターム(参考) 2F065 AA65 CC14 LL02 LL42 QQ00 2H038 AA03 AA22 AA34 BA25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グレーティングを内蔵した一定長Lのセ
    ンサー光ファイバーに一定の伸張を付与した状態でその
    両端を被測定物に固定し、そのグレーティングによる反
    射スペクトル若しくは透過吸収スペクトルの波長変化を
    測定し、その変化量から被測定物の両固定位置間の伸縮
    を前記長さLの間での平均値として計測することを特徴
    とする変形検査方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、内蔵されるグレーテ
    ィングの格子間隔が異なるセンサー光ファイバーを複数
    個直列に接続するか、若しくは、1本のセンサー光ファ
    イバー中に格子間隔が異なるグレーティングを複数個配
    置したものを用いて、被測定物の複数の箇所個々の伸縮
    の平均値を同時に計測することを特徴とする変形検査方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、複数の箇所個々の伸
    縮の平均値を計測し、その計測情報から被測定物全体の
    変形を幾何学的に推定することを特徴とする変形検査方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3の何れか1項において、
    前記センサー光ファイバーの両端を被測定物に固定する
    際に、まず、前記センサー光ファイバーの一端を被測定
    物に固定し、他端に張力計付き伸張付与機構を取り付け
    て特定の長さだけ正確に伸張した状態で他端を被測定物
    に固定することを特徴とする変形検査方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4の何れか1項において、
    前記センサー光ファイバーの伸縮特性をその長手方向で
    不均一なものとし、前記グレーティングが内蔵されてい
    る部分の弾性率をより小さくなるようにして検出感度を
    増大させるようにしたことを特徴とする変形検査方法。
  6. 【請求項6】 被測定物に一定の伸張を付与した状態で
    両端が固定されるグレーティングを内蔵したセンサー光
    ファイバーと、前記グレーティングでブラッグ回折され
    て反射する波長の光を含む連続波長域の光を発光する光
    源であって、前記センサー光ファイバーの一端に導入さ
    れるを光を発光する光源と、前記センサー光ファイバー
    の他端に接続されるスペクトラムアナライザーとからな
    ることを特徴とする変形検査装置。
  7. 【請求項7】 被測定物に一定の伸張を付与した状態で
    両端が固定されるグレーティングを内蔵したセンサー光
    ファイバーと、前記グレーティングでブラッグ回折され
    て反射する波長の光を含む連続波長域の光を発光する光
    源であって、前記センサー光ファイバーの一端に導入さ
    れるを光を発光する光源と、前記光源と前記センサー光
    ファイバーの前記一端との間の光路中に配置され、前記
    グレーティングで反射された光成分を分岐する分岐手段
    と、前記分岐手段によって分岐された光成分のスペクト
    ラムを分析するスペクトラムアナライザーとからなるこ
    とを特徴とする変形検査装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7において、前記センサー
    光ファイバーが、内蔵されるグレーティングの格子間隔
    が異なるセンサー光ファイバーを複数個直列に接続する
    か、若しくは、1本のセンサー光ファイバー中に格子間
    隔が異なるグレーティングを複数個配置したものである
    ことを特徴とする変形検査装置。
  9. 【請求項9】 請求項6から8の何れか1項において、
    前記センサー光ファイバーが、その伸縮特性を長手方向
    で不均一なものとし、前記グレーティングが内蔵されて
    いる部分の弾性率をより小さくなるようにして検出感度
    を増大させたものであることを特徴とする変形検査装
    置。
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