JP3758878B2 - 携帯端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯端末装置に関し、特にプリント基板上に高反射材(例えば白インキ)で印刷/塗布する部分と低反射材(例えば黒インキ)で印刷/塗布する部分とに区分けすることによりキー照光時の光ムラを改善するよう構成したものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来の携帯端末装置のキーシートの配置例を示すもので、プリント基板1の上にはキーボタンの操作に対して電気的接続を実現する回路パターン2と、キーボタンを照光するLED3とが設けられており、このようなプリント基板1に回路パターン2とLED3の位置を除いて白印刷4(図10の斜線部参照)が施されている。この方法は、プリント基板1上に白印刷4を施し、プリント基板1上の同一面に配置されたLED3の光を拡散させ、キー照光時の輝度を向上させる方法として一般的に使用されていた。
【0003】
この場合、周辺のキーボタンの輝度が左右のLEDに囲まれる中央のキーボタンと比較して低くなり、照光時に全体的に見ると輝度のバラツキ(ムラ)が発生し、均一性において問題が有った。
【0004】
これを改善する方法として、従来、図11あるいは図12に示される方法が実施されていた。すなわち、キーシートに面する側でLEDに近いキーボタンの裏面に他のキーボタンよりも光の透過を抑えるために他のキーボタンよりも白印刷の回数を多くしたり(図11参照)、光の透過に差を設けるためにLEDを囲んで中央のボタンには白印刷を全面に、その周辺のボタンには白印刷を半分だけしたりして(図12参照)、光ムラが起こらないように工夫していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図13は、上記図12に示される工夫を施した従来の、上ケース、下ケース、キーパッド、発光素子(LED)が実装されたプリント基板とで構成された携帯端末装置の断面図を示している。図13において、プリント基板1の上には白印刷4を施し、またキーパッドのボタンのまわりにもLED3の光の透過に差を設ける白印刷を施して光ムラが起こらないように工夫しているのが理解できるであろう。
【0006】
しかしながら近年小型軽量化が進む中でキーボタンの裏面をいろいろな形状で刳り抜きボタンの重量を軽くするという方法が多く用いられているため、刳り抜いた残りの部分しか印刷できないため照光時の光ムラが改善できないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、プリント基板上に高反射材(例えば白いインキ)で印刷/塗布する部分と低反射材(例えば黒いインキ)で印刷/塗布する部分とに区分けすることによりキー照光時の光ムラを改善する携帯端末装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による携帯端末装置は、上ケースと、下ケースと、縦3列に配列されたキーパッドと、発光素子、回路パターンなどが実装されたプリント基板とで構成された携帯端末装置において、前記プリント基板の板面上の回路パターンは前記キーパッドの位置に合わせて縦3列に設けられ、前記発光素子は前記キーパッド列の間に縦2列に配列され、かつ、前記発光素子列に挟まれた前記板面中央部には低反射材を施すとともに前記発光素子から左右両端部の前記板面には高反射材を施したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明による携帯端末装置は、上ケースと、下ケースと、縦3列に配列されたキーパッドと、発光素子、回路パターンなどが実装されたプリント基板と、中心位置から左寄りに文字や数字などが印刷されたキーボタンとで構成された携帯端末装置において、前記プリント基板の板面上の回路パターンは前記キーパッドの位置に合わせて縦3列に設けられ、前記発光素子は前記キーパッド列の間に縦2列に配列され、かつ、前記発光素子列のうち左側列の右端から右側列の右側までの前記板面には低反射材を施すとともに、前記低反射材を施した部分に対する両側部の前記板面には高反射材を施したことを特徴とする。
【0011】
以上により、小型軽量化した携帯端末装置においてもキー照光時の光ムラを改善することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、上ケースと、下ケースと、縦3列に配列されたキーパッドと、発光素子、回路パターンなどが実装されたプリント基板とで構成された携帯端末装置において、前記プリント基板の板面上の回路パターンは前記キーパッドの位置に合わせて縦3列に設けられ、前記発光素子は前記キーパッド列の間に縦2列に配列され、かつ、前記発光素子列に挟まれた前記板面中央部には低反射材を施すとともに前記発光素子から左右両端部の前記板面には高反射材を施したことを特徴とする携帯端末装置としたものであり、キー照光時の光ムラを改善することができるという作用を有する。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、上ケースと、下ケースと、縦3列に配列されたキーパッドと、発光素子、回路パターンなどが実装されたプリント基板と、中心位置から左寄りに文字や数字などが印刷されたキーボタンとで構成された携帯端末装置において、前記プリント基板の板面上の回路パターンは前記キーパッドの位置に合わせて縦3列に設けられ、前記発光素子は前記キーパッド列の間に縦2列に配列され、かつ、前記発光素子列のうち左側列の右端から右側列の右側までの前記板面には低反射材を施すとともに、前記低反射材を施した部分に対する両側部の前記板面には高反射材を施したことを特徴とする携帯端末装置としたものであり、キー照光時の光ムラを改善することができるという作用を有する。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る携帯端末装置たとえば携帯電話機の正面外観図である。図の下半部にはキーボタンが概括的に図示されている。そして本発明は暗部でのキーボタンの操作を見やすくするためにプリント基板上に実装されたLEDによりキーボタンをキーパッド(図示せず)を介して下から照光する際に、キーボタン全体の光ムラをなくすようにしたものである。
【0019】
図2は図1の携帯電話機の分解斜視図である。図2において携帯電話機は、下ケース21の上にプリント基板22が載置され、さらにその上からキーパッド(図示せず)が取り付けられている上ケース23が載置される。
【0020】
図3は図2のプリント基板上のキーシートの配置を示すものである。図3においてプリント基板22には、キーパッド(図示せず)を介してキーボタン操作に基づく電気的接続を実現する回路パターン25と、キーボタンの文字や数字などを照光するLED26と、光ムラをなくすための低反射材を印刷/塗布した黒印刷27と、光ムラをなくすための高反射材を印刷/塗布した白印刷28、28’とが設けられている。
【0021】
図3の例において、中央のキーボタンの配列の中心に対してLED26が等位置に実装されている。したがって、中央のキーボタンはその左右に設置されたLED26の光を受けることになるが、左右のキーボタンは左、または、右のLED26の光を受けるに止まるため、このままではキーボタンの照光において光ムラを防止することはできない。
【0022】
そこで、中央のキーボタンの配列に対して左右の各LED26の実装位置までは黒印刷(低反射材)27を施し、左または右のキーボタンの配列に対して各キーシートの端部およびLED26の実装位置までは白印刷(高反射材)28、28’を施している。これによりキー照光時において光ムラのない携帯端末装置を得ることができる。
【0023】
上記に説明した本発明の上ケース23、下ケース21、キーパッド、発光素子26が実装されたプリント基板22とで構成された携帯端末装置の断面図を図4に示す。
【0024】
図4において、プリント基板22の上では中央のキーボタンの配列に対して左右の各LED26の実装位置までは黒印刷(低反射材)27を施し、左または右のキーボタンの配列に対して各キーシートの端部およびLED26の実装位置までは白印刷(高反射材)28、28’を施している。これによりキー照光時において光ムラのない携帯端末装置を得ることができる。
【0025】
なお、キーボタンにおいて光を透過するのは文字や数字が印刷されている箇所のみであり、他のキーボタンの周辺は光を透過させる必要はない。そこで、図3のような光ムラ対策を施した場合には図5のような位置に文字や数字が記入・印刷されたものが最適となる。すなわち、中央のキーボタン配列で見ると、キーボタンの中心位置に数字を記入するようにする。
【0026】
これに対して図6のようにキーボタンの中心位置から左よりに文字や数字などを記入・印刷するようにした場合には、図3のような方策では光ムラが起こってしまう。そのために図7にように、中心位置のキーボタン配列に対して左側のLED配列の右端(中心からAの距離)まで黒印刷(低反射材)27を施して黒印刷部分を図3よりも狭くし、逆に中心位置のキーボタン配列に対して右側のLED配列の右端(中心からA+αの距離)まで黒印刷(低反射材)27を施して黒印刷部分を図3よりも広くするようにする。
【0027】
これを白印刷(高反射材)28、28’から見ると、白印刷(高反射材)28は図3よりも狭く、逆に白印刷(高反射材)28’は図3よりも広くなるようにする。
【0028】
これにより、図6のようにキーボタンの中心位置から左寄りに文字や数字などを記入・印刷するようにした場合でも、キー照光時において光ムラのない携帯端末装置を得ることができる。
【0029】
なお、図6とは逆にキーボタンの中心位置から右寄りに文字や数字などを記入するようにした場合には図7とは逆となり、白印刷(高反射材)28は図3よりも広く、逆に白印刷(高反射材)28’は図3よりも狭くなるように印刷を施せば良いことはあきらかであろう。そのため、黒印刷の位置も図6とは逆となることは自明であろう。
【0030】
また、前述の高反射材および低反射材は、それぞれ白系および黒系に着色処理されたシート材であっても構わない。例えば図8においては、高反射材を印刷/塗布した白印刷28、28’および低反射材を印刷/塗布した黒印刷27が着色処理されたシート材30をプリント基板22のキーボタン操作部の板面に貼り付ける構成を示している。
【0031】
このように、プリント基板22に高反射材および低反射材が着色処理されているようなシート材を貼付ける構成においても前述の印刷の場合の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0032】
また、前述の高反射材および低反射材の印刷/塗布される範囲は、低反射材である黒印刷が、前述の図3および図7のように中央付近に帯状に1本印刷/塗布されているのではなく、複数箇所に分かれていても構わない。
【0033】
この例として、例えば図9は低反射材である黒印刷が中央付近で2箇所に分かれた場合の構成を示している。これはLEDの配置が均等ではなくなっているためで、仮に黒印刷を2箇所に分けずに1本にしてしまうと、中央付近が逆に暗くなってしまうためである。
【0034】
従って、LEDの配置の方法によって黒印刷部を複数箇所に分けることで、前述の図3及び図7での例と同様の効果を得ることができる。また、この黒印刷を複数箇所に分ける方法は前述の図8でのシート材の場合でも同様のことが云える。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の携帯端末装置は、上ケースと、下ケースと、縦3列に配列されたキーパッドと、発光素子、回路パターンなどが実装されたプリント基板とで構成された携帯端末装置において、前記プリント基板の板面上の回路パターンは前記キーパッドの位置に合わせて縦3列に設けられ、前記発光素子は前記キーパッド列の間に縦2列に配列され、かつ、前記発光素子列に挟まれた前記板面中央部には低反射材を施すとともに前記発光素子から左右両端部の前記板面には高反射材を施したことを特徴とするものである。
【0036】
また本発明による携帯端末装置は、上ケースと、下ケースと、縦3列に配列されたキーパッドと、発光素子、回路パターンなどが実装されたプリント基板と、中心位置から左寄りに文字や数字などが印刷されたキーボタンとで構成された携帯端末装置において、前記プリント基板の板面上の回路パターンは前記キーパッドの位置に合わせて縦3列に設けられ、前記発光素子は前記キーパッド列の間に縦2列に配列され、かつ、前記発光素子列のうち左側列の右端から右側列の右側までの前記板面には低反射材を施すとともに、前記低反射材を施した部分に対する両側部の前記板面には高反射材を施したことを特徴とするものである。
【0038】
以上により、小型軽量化した携帯端末装置においてもキー照光時の光ムラを改善することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置たとえば携帯電話機の正面外観図、
【図2】本発明の実施の形態に係る携帯電話機の分解斜視図、
【図3】本発明の実施の形態におけるプリント基板上のキーシートの配置を示す図、
【図4】本発明の実施の形態に係る上ケース、下ケース、キーパッド、発光素子が実装されたプリント基板とで構成された携帯端末装置の断面図、
【図5】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置において、キーボタンの中心に文字や数字が記入・印刷されたキーボタンの配列を示す図、
【図6】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置において、キーボタンの中心より左側に文字や数字が記入・印刷されたキーボタンの配列を示す図、
【図7】図5のキーボタンの配列に対してのプリント基板上のキーシートの配置を示す図、
【図8】本発明の他の実施の形態に係るプリント基板のキーボタン操作部の板面に貼付される白印刷及び黒印刷を着色処理したシート材の構成を示す図、
【図9】本発明の実施の形態に係るプリント基板上の黒印刷が複数箇所以上ある場合の構成を示す図、
【図10】従来のプリント基板上のキーシートの配置を示す図、
【図11】従来の光ムラを防ぐための第1の方策を示す図、
【図12】従来の光ムラを防ぐための第2の方策を示す図である。
【図13】従来の光ムラを防ぐための第2の方策を施して構成された携帯端末装置の断面図である。
【符号の説明】
1、22 プリント基板
2、25 回路パターン
3、26 LED
4、28、28' 白印刷(高反射材)
21 下ケース
23 上ケース
27 黒印刷(低反射材)
30 シート材
Claims (2)
- 上ケースと、下ケースと、縦3列に配列されたキーパッドと、発光素子、回路パターンなどが実装されたプリント基板とで構成された携帯端末装置において、
前記プリント基板の板面上の回路パターンは前記キーパッドの位置に合わせて縦3列に設けられ、前記発光素子は前記キーパッド列の間に縦2列に配列され、かつ、前記発光素子列に挟まれた前記板面中央部には低反射材を施すとともに前記発光素子から左右両端部の前記板面には高反射材を施したことを特徴とする携帯端末装置。 - 上ケースと、下ケースと、縦3列に配列されたキーパッドと、発光素子、回路パターンなどが実装されたプリント基板と、中心位置から左寄りに文字や数字などが印刷されたキーボタンとで構成された携帯端末装置において、
前記プリント基板の板面上の回路パターンは前記キーパッドの位置に合わせて縦3列に設けられ、前記発光素子は前記キーパッド列の間に縦2列に配列され、かつ、前記発光素子列のうち左側列の右端から右側列の右側までの前記板面には低反射材を施すとともに、前記低反射材を施した部分に対する両側部の前記板面には高反射材を施したことを特徴とする携帯端末装置。
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