JP4878689B2 - 平面表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源の光を導光板によって導いて、表示板を背面から照射する平面表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の平面表示装置の一例に係る表示原理の説明図で、例えば特開平5−216030号公報に開示されているものである(以下、これを第1従来例という)。
【0003】
この第1従来例の平面表示装置は、液晶表示装置に用いられたもので、表示面全面にわたって輝度を均一に照明することを目的としている。すなわち、導光板1の液晶表示面2側にあたる照射面1aと対向する反射面側を、微細な凹凸1cがある粗面からなる光散乱面1bに形成するとともに、この光散乱面1bは、導光板1の一端面側に配置された蛍光ランプ等の線状光源3から離れるにしたがって微細な凹凸1cの粗さまたは密度が大きくなるように設定して、光散乱面1bにおける光の乱反射の量を平均化し、面全体で輝度が均一となるようにしている。
【0004】
図6は従来の平面表示装置の他の例に係る全体構成を示す分解斜視図で、例えば特開平7−199840号公報に開示されているものである(以下、これを第2従来例という)。
【0005】
この第2従来例の平面表示装置は、導光板11の出光面を光拡散面12から構成し、導光板11の出光面上には、透光性の濃色および淡色で構成される表示パターンが形成された表示板13を設けている。光拡散面12は、表示板13の透光性の濃色である緑色部分13aに対応する部位が、光拡散量が少ないドットパターンからなる少光拡散部12aに形成され、表示板13の透光性の淡色である白色部分13bに対応する部位が、光拡散量が多いドットパターンからなる多光拡散部12bに構成されている。すなわち、ドットパターンの拡散ドットは、白色インクの印刷により形成されており、少光拡散部12aは拡散ドットが疎にあるいは面積が小に、多光拡散部12bは拡散ドットが密にあるいは拡散ドットの面積が大になるように設定されている。さらに、少光拡散部12aおよび多光拡散部12bは、導光板11の一端側に設けた蛍光ランプからなる線状光源14から離れるに従って拡散ドットのドットパターンが疎から密に、あるいは拡散ドットの面積が小から大に連続的に変化するように形成されている。
【0006】
この第2従来例装置において、線状光源14から入射した光は、拡散ドットにより乱反射され出光面から出射されるが、濃色の部分では導光板11からの光拡散量が少ないため低い輝度となり、淡色の部分では導光板11からの光拡散量が多いため高い輝度となり、濃色の部分と淡色の部分との輝度対比が大きくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、非常時の避難方向を表示する誘導灯の場合、日本照明器具工業会規格では、濃色の部分と淡色の部分との輝度対比を0.7〜0.9の範囲にすることが義務付けられいる。
【0008】
しかしながら、面全体で輝度が均一となるように光散乱面1bを形成した前述の第1従来例にあっては、表示板の濃色の部分の透光性を低下させて輝度比を調整することでしか輝度対比がとれず、更にこのように濃色の部分の透光性を低下させた場合、光源からの照射光の効率が低下し、淡色の部分の輝度を向上させるために、光源の出力を大きくせざるを得ない。
【0009】
また、拡散ドットを白色インクの印刷により形成した前述の第2従来例にあっては、拡散ドットの印刷工程が、導光板基材の加工工程とは別工程になるため、製作に時間を要し、コストが高くつく。さらに、インクからなる拡散ドットは、インクそのものが弱乱反射性であるため、光を一部吸収する。この光の吸収は、導光板の中を伝播して直接的に拡散ドットに到達する光だけでなく、他の拡散ドットからの反射光(他の拡散ドットにより一部吸収されて減衰された光)も更に一部吸収する。このため、全体として吸収による損失が大きくなり、出射効率が低く、光の利用率が悪く、表示面の明るさの点で十分ではなかった。
【0010】
本発明の技術的課題は、製作が容易で、出射効率が高く、表示面から出射される光量を増加させられ、かつ輝度対比を0.7〜0.9の範囲に簡単に設定することができるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る平面表示装置は、下記の構成からなるものである。すなわち、光源と、任意のパターンを表示する表示板と、出射面または出射面の対向面の少なくとも一方に光散乱面を有する導光板とを備えた平面表示装置において、導光板をくさび形に形成し、かつその光散乱面を金型により一体に成形された微細な凹凸がある粗面から構成するとともに、その粗面における表示板の透過率が高い領域に対応する領域では凹凸の粗さまたは密度を大きく、その粗面における表示板の透過率が低い領域に対応する領域では凹凸の粗さまたは密度を小さく設定したものである。
【0012】
また、請求項2に係る平面表示装置は、下記の構成からなるものである。すなわち、光源と、任意のパターンを表示する表示板と、出射面の対向面に光反射面を有する導光板とを備えた平面表示装置において、導光板の光反射面を、金型により一体に成形された多数の凹状微細反射素子がある面から構成するとともに、その面における表示板の透過率が高い領域に対応する領域では凹状微細反射素子の形状または密度を大きく、その面における表示板の透過率が低い領域に対応する領域では凹状微細反射素子の形状または密度を小さく設定したものである。
【0013】
また、請求項3に係る平面表示装置は、請求項2の凹状微細反射素子を、V字状溝または円錐形状窪みもしくは半球形状窪みから構成したものである。
【0014】
また、請求項4に係る平面表示装置は、請求項1乃至請求項3のものの光源として、白色LEDを用いたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
以下、図示実施形態に基づき本発明を説明する。
図1は本発明の請求項1,4に係る平面表示装置の表示原理を説明するための説明図、図2はその正面図、図3はその背面図である。
【0016】
本実施形態の平面表示装置は、出射面21aとこれに対向する光散乱面21bを有する導光板21を、光源から離れるにしたがって薄肉となるくさび形に形成し、かつその光散乱面21bを、金型により一体に成形された微細な凹凸21cがある粗面から構成している。そして、粗面すなわち光散乱面21bにおける表示板22の透過率が高い領域a,cに対応する領域A,Cでは、凹凸21cの粗さまたは密度が大きくなるように、またその粗面における表示板22の透過率が低い領域bに対応する領域Bでは、凹凸21cの粗さまたは密度が小さくなるように設定してある。また、導光板21の一端側に配置する光源として白色LED23を採用し、高輝度と導光板21の薄肉化および低消費電力化を同時に達成している。なお、LEDは指向性があるため、LEDからの光が導光板21の端面から逃げてしまうきらいがあるが、導光板21をくさび形に形成しているため、LEDからの光を、効率的に出射面21aから出射させることができる。
【0017】
表示板22の透過率が高い領域a,cは、透光性の淡色(例えば白)部からなり、透過率の低い領域bには、透光性の濃色(例えば緑)のピクトグラムなどの図形22aが描かれている。
【0018】
本実施形態の平面表示装置においては、光散乱面21bを、金型により一体に成形された微細な凹凸21cがある粗面から構成している。したがって、導光板21の作成と同時に光散乱面21bが形成される。このため、製作が容易となり、コストを下げることができる。
【0019】
また、光散乱面21bが導光板21と一体の微細な凹凸21cがある粗面からなるため、従来の白色インクからなる拡散ドットに対し、強い反射性が得られ、出射効率を高めることができる。
【0020】
更に、光散乱面21bにおける表示板22の透過率が高い領域a,cに対応する領域A,Cでは、凹凸21cの粗さまたは密度が大きくなるように、またその光散乱面21bにおける表示板22の透過率が低い領域bに対応する領域Bでは、凹凸21cの粗さまたは密度が小さくなるように設定してあるため、表示板22の透過率が高い領域a,cで、導光板21からの出射光量が多くなり、表示板22の透過率が低い領域bで、導光板21からの出射光量が少なくなる。このため、表示面から出射される全体としての光量を増加させることができ、かつ輝度対比を0.7〜0.9の範囲に簡単に設定することができる。
【0021】
なお、ここでは導光板21の出射面21aと対向する面に微細な凹凸21cを形成して光散乱面21bとしたものを例に挙げて説明したが、この微細な凹凸21cを出射面21aに形成して、出射面21aと光散乱面21bとを同一面から構成してもよく、このような場合でも前述したと同等の作用、効果を期待できる。
【0022】
実施形態2.
図4は本発明の請求項2,3,4に係る平面表示装置の要部を拡大して示す斜視図である。なお、説明にあたっては前述の図1乃至図3を参照するものとする。
【0023】
本実施形態の平面表示装置は、導光板の出射面と対向する面に、多数の凹状微細反射素子を金型により一体成形して光反射面とするとともに、光反射面における表示板の透過率が高い領域に対応する領域では凹状微細反射素子の形状または密度を大きく、光反射面における表示板の透過率が低い領域に対応する領域では凹状微細反射素子の形状または密度を小さく設定したものである。
【0024】
すなわち、図4(a)は導光板31の出射面31aと対向する面に、多数のV字状溝31cからなる凹状微細反射素子を形成して光反射面31bとしたものであり、図4(b)は導光板41の出射面41aと対向する面に、多数の円錐形状窪み41cからなる凹状微細反射素子を形成して光反射面41bとしたものであり、図4(c)は導光板51の出射面51aと対向する面に、多数の半球形状窪み51cからなる凹状微細反射素子を形成して光反射面51bとしたものであり、それ以外の構成は前述の実施形態1のものと同一であり、またここでも光源として白色LED23を採用し、高輝度と導光板の薄肉化および低消費電力化を同時に達成できるようにしてある。なお、既述したようにLEDは指向性があるため、LEDからの光が各導光板31,41,51の端面から逃げてしまうきらいがあるが、ここでは凹状微細反射素子が光反射面の内方に形成されるため、各凹状微細反射素子の高さや配置位置などにより、これを防ぐことができる。
【0025】
本実施形態の平面表示装置においても、各光反射面31b,41b,51bの凹状微細反射素子、つまりV字状溝31c、円錐形状窪み41c、及び半球形状窪み51cが、各導光板31,41,51を作成する際に、金型により一体に成形される。このため、製作が容易となり、コストを下げることができる。
【0026】
また、各導光板31,41,51と一体の各凹状微細反射素子(V字状溝31c、円錐形状窪み41c、半球形状窪み51c)は、いずれも従来の白色インクからなる拡散ドットに対し、強い反射性が得られ、出射効率を高めることができる。
【0027】
更に、各反射乱面31b,41b,51bにおける表示板22の透過率が高い領域a,cに対応する領域A,Cでは、各凹状微細反射素子(V字状溝31c、円錐形状窪み41c、半球形状窪み51c)の形状または密度をそれぞれ大きくし、各光反射面31b,41b,51bにおける表示板22の透過率が低い領域bに対応する領域Bでは、各凹状微細反射素子(V字状溝31c、円錐形状窪み41c、半球形状窪み51c)の形状または密度をそれぞれ小さく設定してあるため、表示板22の透過率が高い領域a,cで、各導光板31,41,51からの出射光量が多くなり、表示板22の透過率が低い領域bで、各導光板31,41,51からの出射光量が少なくなる。このため、表示面から出射される全体としての光量を増加させることができ、かつ輝度対比を0.7〜0.9の範囲に簡単に設定することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1の発明によれば、導光板をくさび形に形成し、かつその光散乱面を金型により一体に成形された微細な凹凸がある粗面から構成するとともに、その粗面における表示板の透過率が高い領域に対応する領域では凹凸の粗さまたは密度を大きく、その粗面における表示板の透過率が低い領域に対応する領域では凹凸の粗さまたは密度を小さく設定したので、製作が容易で、コストを下げることができるとともに、強い反射性が得られ、出射効率を高めることができた。更に、表示板の透過率が高い領域で、導光板からの出射光量を多くすることができるとともに、表示板の透過率が低い領域で、導光板からの出射光量を少なくすることが可能となって、表示面から出射される全体としての光量を増加させることができ、かつ輝度対比を0.7〜0.9の範囲に簡単に設定することができた。
【0029】
また、請求項2の発明によれば、導光板の光反射面を、金型により一体に成形された多数の凹状微細反射素子がある面から構成するとともに、その面における表示板の透過率が高い領域に対応する領域では凹状微細反射素子の形状または密度を大きく、その面における表示板の透過率が低い領域に対応する領域では凹状微細反射素子の形状または密度を小さく設定したので、製作が容易で、コストを下げることができるとともに、強い反射性が得られ、出射効率を高めることができた。更に、表示板の透過率が高い領域で、導光板からの出射光量を多くすることができるとともに、表示板の透過率が低い領域で、導光板からの出射光量を少なくすることが可能となって、表示面から出射される全体としての光量を増加させることができ、かつ輝度対比を0.7〜0.9の範囲に簡単に設定することができた。
【0030】
また、請求項3の発明によれば、凹状微細反射素子を、V字状溝または円錐形状窪みもしくは半球形状窪みから構成したので、凹状微細反射素子を容易に得ることができた。
【0031】
また、請求項4の発明によれば、光源として白色LEDを用いたので、高輝度と導光板の薄肉化および低消費電力化を同時に達成できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る平面表示装置の表示原理を説明するための説明図である。
【図2】 実施形態1に係る平面表示装置の正面図である。
【図3】 実施形態1に係る平面表示装置の背面図である。
【図4】 本発明の実施形態2に係る平面表示装置の要部を拡大して示す斜視図である。
【図5】 第1従来例に係る平面表示装置の表示原理の説明図である。
【図6】 第2従来例に係る平面表示装置の全体構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
21,31,41,51 導光板、21a,31a,41a,51a 出射面、21b 光散乱面、21c 微細な凹凸、A,C,a,c 透過率が高い領域、B,b 透過率が低い領域、22 表示板、22a 図形(パターン)、23白色LED(光源)、31b,41b,51b 光反射面、31c V字状溝(凹状微細反射素子)、41c 円錐形状窪み(凹状微細反射素子)、51c 半球形状窪み(凹状微細反射素子)。
Claims (4)
- 光源と、任意のパターンを表示する表示板と、出射面または出射面の対向面の少なくとも一方に光散乱面を有する導光板とを備えた平面表示装置において、
前記導光板をくさび形に形成し、かつその光散乱面を金型により一体に成形された微細な凹凸がある粗面から構成するとともに、その粗面における前記表示板の透過率が高い領域に対応する領域では前記凹凸の粗さまたは密度を大きく、その粗面における前記表示板の透過率が低い領域に対応する領域では前記凹凸の粗さまたは密度を小さく設定したことを特徴とする平面表示装置。 - 光源と、任意のパターンを表示する表示板と、出射面の対向面に光反射面を有する導光板とを備えた平面表示装置において、
前記導光板の光反射面を、金型により一体に成形された多数の凹状微細反射素子がある面から構成するとともに、その面における前記表示板の透過率が高い領域に対応する領域では該凹状微細反射素子の形状または密度を大きく、その面における前記表示板の透過率が低い領域に対応する領域では該凹状微細反射素子の形状または密度を小さく設定したことを特徴とする平面表示装置。 - 凹状微細反射素子を、V字状溝または円錐形状窪みもしくは半球形状窪みから構成したことを特徴とする請求項2記載の平面表示装置。
- 光源が白色LEDからなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の平面表示装置。
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