JP3758366B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特にウエハプロセス中に電流電圧特性を評価することができるプロセスコントロールモニタMISFETを有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程中に、半導体基板上に形成されたMISFETの特性を評価するために、所望の電子回路の他にプロセスコントロールモニタ(PCM)トランジスタが形成される。電子回路内のMISFETのゲート電極は、通常、配線により半導体基板表面の不純物拡散領域に接続される。これに対し、PCMトランジスタのゲート電極は、半導体基板に接続する必要がない。ゲート電極を半導体基板に接続しない状態でプラズマ処理等を行うと、ゲート電極に電荷が蓄積され、その下のゲート絶縁膜が絶縁破壊し易くなる。ゲート絶縁膜の絶縁破壊を防止するために、ゲート保護素子が設けられる。
【0003】
図5は、従来のPCMトランジスタとゲート保護素子の断面図を示す。p型シリコン基板100の表面層内にp型ウェル101が形成されている。フィールド酸化膜102により、p型ウェル101の表面に活性領域が画定されている。
【0004】
p型ウェル101内の1つの活性領域内に、ソース領域103、ドレイン領域104、ゲート電極105、及びゲート絶縁膜106を含むMISFETが形成されている。p型ウェル101の表面の他の活性領域内に、n型の不純物拡散領域107が形成されている。ゲート電極105が、配線115により不純物拡散領域107に接続されている。
【0005】
ソース領域103、ドレイン領域104、ゲート電極105は、それぞれ探針接触用のパッド109、111、及び110に接続されている。p型ウェル101は、パッド108に接続されている。各パッド108〜111に所望の電圧を印加し、MISFETの電流電圧特性を測定することができる。
【0006】
ウエハプロセス中にゲート電極105内に蓄積された電荷は、配線115及び不純物拡散領域107を通って基板に流れる。不純物拡散領域107とp型ウェル101との間のpn接合のブレークダウン電圧を、ゲート絶縁膜106が絶縁破壊する電圧よりも小さくしておくことにより、ゲート絶縁膜106の絶縁破壊を防止することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示すMISFETが、例えばnチャネルのディプレッション型MISFETである場合を考える。MISFETの閾値が負であるため、閾値を測定するためには、p型ウェル101に対してゲート電極105に負電圧を印加する必要がある。このとき、不純物拡散領域107とp型ウェル101との間のpn接合が順バイアスされる。ゲート電極105に−0.6Vよりも低い電圧を印加すると、p型ウェル101から不純物拡散領域107に向かって順方向電流が流れる。
【0008】
この順方向電流により、不純物拡散領域107、p型ウェル101、及びドレイン領域104を、それぞれエミッタ、ベース、及びコレクタとするnpnトランジスタが導通状態になる。この結果、ドレイン電流が増加し、本来の素子特性を測定することができなくなる。
【0009】
本発明の目的は、MISFETのゲート絶縁膜の絶縁破壊防止のためのゲート保護素子を設け、かつプロセスコントロールモニタMISFETの特性をウエハプロセス中に評価することが可能な半導体装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によると、半導体基板と、前記半導体基板の第2導電型の表面層内に配置され、電気的にフローティング状態にされた該第2導電型とは逆の第1導電型の第1のウェルと、前記第1のウェル内に配置された第2導電型のFET用ウェルと、前記FET用ウェル内に形成され、ソース領域、ドレイン領域、該ソース領域とドレイン領域とに挟まれたチャネル領域、該チャネル領域上のゲート絶縁膜、及び該ゲート絶縁膜上のゲート電極を含むプロセスコントロールモニタMISFETと前記第1のウェル内に配置され第2導電型不純物拡散領域と前記ゲート電極と前記不純物拡散領域とを電気的に接続する配線と、前記ゲート電極、ソース領域、及びドレイン領域のそれぞれに接続され、探針を接触させるためのパッドとを有する半導体装置が提供される。
【0013】
ゲート電極に正または負の電圧を印加したとき、第1のウェルと不純物拡散領域との間のpn接合、及び第1のウェルとFET用ウェルとの間のpn接合のいずれか一方が逆バイアスされる。逆バイアスされることにより、第1のウェルとFET用ウェルとの間に電流が流れないため、プロセスコントロールモニタMISFETの本来の電流電圧特性を測定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の参考例による半導体装置の断面図を示す。p型シリコン基板1の表面層内に、p型ウェル2及びn型ウェル3が形成されている。シリコン基板1の表面に形成されたフィールド酸化膜4により、各ウェルの表面に活性領域が画定されている。
【0015】
p型ウェル2内に、nチャネルMISFET10が形成されている。MISFET10は、n型のソース領域10Sとドレイン領域10D、その間に画定されたチャネル領域10C、チャネル領域10Cの上に形成されたゲート絶縁膜10I、及びその上に形成されたゲート電極10Gにより構成される。n型ウェル3内にp型の不純物拡散領域5が形成されている。不純物拡散領域5は、配線6によりゲート電極10Gに接続されている。
【0016】
p型ウェル2、ソース領域10S、ゲート電極10G、及びドレイン領域10Dが、それぞれパッド20、21、22、及び23に接続されている。各パッドに探針を接触させ、パッドに対応する領域に所望の電圧を印加することができる。
【0017】
以下、図1に示す半導体装置の製造方法を説明する。LOCOS法により、p型シリコン基板1の表面に厚さ300nmのフィールド酸化膜4を形成する。活性領域の表面を熱酸化してスルー酸化膜を形成し、ボロンイオンを注入してp型ウェル2を形成する。ボロンイオンの注入は、3回に分けて行う。1回目の注入条件は、加速エネルギ300keV、ドーズ量3.0×1013cm-2であり、2回目の注入条件は、加速エネルギ80keV、ドーズ量2.0×1012cm-2であり、3回目の注入条件は、加速エネルギ30keV、ドーズ量1.0×1013cm-2である。
【0018】
次に、リンイオンを注入してn型ウェル3を形成する。リンイオンの注入は、3回に分けて行う。1回目の注入条件は、加速エネルギ600keV、ドーズ量3.0×1013cm-2であり、2回目の注入条件は、加速エネルギ200keV、ドーズ量4.0×1012cm-2であり、3回目の注入条件は、加速エネルギ80keV、ドーズ量1.05×1013cm-2である。n型ウェル3の形成と同時に、シリコン基板1の表面の他の領域にpチャネルMISFET用のウェルも形成される。
【0019】
イオン注入後、スルー酸化膜を除去する。ウェット酸化により、活性領域の表面上に厚さ5nmのSiO2 膜を形成する。このSiO2 膜はゲート絶縁膜10Iになる。化学気相成長(CVD)により、基板全面に厚さ180nmのポリシリコン膜を成長させる。このポリシリコン膜のうちnチャネルMISFETが形成される領域にのみ、リンイオンを加速エネルギ20keV、ドーズ量4.0×1015cm-2の条件で注入し、n型化する。その後、このポリシリコン膜をパターニングしてゲート電極10Gを残す。
【0020】
MISFET10を形成する領域に、ゲート電極10Gをマスクとして砒素イオンとリンイオンを注入し、低濃度ドレイン構造(LDD構造)の低濃度領域を形成する。砒素イオンの注入は、加速エネルギ10keV、ドーズ量6.0×1013cm-2の条件で行う。リンイオンの注入は、加速エネルギ10keV、ドーズ量1.5×1013cm-2の条件で行う。その後、1000℃でラピッドサーマルアニールを行い、注入された不純物を活性化させる。
【0021】
ゲート電極10Gの側壁上に、サイドウォール絶縁膜10Wを形成する。サイドウォール絶縁膜10Wは、CVDにより基板全面にSiO2 膜を成長させた後、このSiO2 膜を反応性イオンエッチング(RIE)により異方性エッチングして形成する。
【0022】
ゲート電極10Gとサイドウォール絶縁膜10Wをマスクとして砒素イオンを注入し、ソース領域10S及びドレイン領域10Dを形成する。このイオン注入は、加速エネルギ40keV、ドーズ量2.0×1015cm-2の条件で行う。
【0023】
次に、n型ウェル3内にp型の不純物拡散領域5を形成する。不純物拡散領域5の形成は、フッ素イオンを、加速エネルギ12keV、ドーズ量4.0×1014cm-2の条件で注入し、さらにボロンイオンを加速エネルギ7keV、ドーズ量2.0×1015cm-2の条件で注入することにより行う。
【0024】
フッ素を注入することにより、ゲート絶縁膜のバイアス温度特性(BT特性)を改善することができる。フッ素イオンの注入ドーズ量が1015cm-2オーダになると、ボロンの突き抜けやゲート絶縁膜の厚膜化等の不具合が生ずる。フッ化ボロンイオンを注入する場合には、フッ素の注入量とボロンの注入量とを独立に制御することができないが、上述のようにフッ素の注入とボロンの注入とを分けて行うことにより、フッ素注入量とボロン注入量とを独立に制御することが可能になる。なお、BT特性等に問題が生じないのであれば、フッ化ボロンイオンを注入してもよい。
【0025】
温度1000℃でラピッドサーマルアニール(RTA)を行い、イオン注入された不純物を活性化させる。なお、周知のシリサイド技術を用いて、ソース領域10S、ドレイン領域10D、不純物拡散領域5、及びゲート電極10Gの上に、Co、Ti等の高融点金属のシリサイド膜を形成してもよい。
【0026】
その後、層間絶縁膜の形成、コンタクトホールの開口、及びアルミニウム配線の形成を行う。配線層の最上層に、パッド20〜23を形成する。
【0027】
不純物拡散領域5、n型ウェル3及びシリコン基板1によりpnpトランジスタが構成される。このpnpトランジスタのベース開放時のコレクタエミッタ間ブレークダウン電圧(BVCEO)よりも高い電圧が、不純物拡散領域5とシリコン基板1との間に印加されると、両者の間が導通する。このBVCEOは、ゲート絶縁膜10Iの絶縁破壊電圧よりも小さい。
【0028】
配線6でゲート電極10Gと不純物拡散領域5とを結線した後は、ゲート電極10Gに電荷が蓄積されてゲート電極10Gとチャネル10C間にBVCEO以上の電圧が発生すると、蓄積された電荷が不純物拡散領域5及びn型ウェル3を通して基板1に流れる。このように、不純物拡散領域5、n型ウェル3、及びシリコン基板1から構成されるpnpトランジスタがゲート保護素子として働き、ゲート絶縁膜10Iの絶縁破壊を防止することができる。
【0029】
図2に、MISFET10の電流電圧特性の測定結果を示す。パッド20及び21を接地し、パッド23に2.5Vの電圧を印加する。パッド22に印加する電圧を変化させ、ドレイン電流を測定することにより、MISFET10の電流電圧特性を測定することができる。図2中の破線がMISFET10の電流電圧特性を示す。参考のために、図5の従来例によるMISFETの電流電圧特性の測定結果を実線で示す。横軸はゲート電圧VGSを単位Vで表し、縦軸はドレイン電流を単位Aで表す。
【0030】
図5の従来例によるMISFETの場合には、第1の参考例によるMISFETの場合に比べて、ゲート電圧が−0.5V以下の領域で大きなドレイン電流が観測されている。これは、図5の不純物拡散領域107とp型ウェル101との間のpn接合が順バイアスされ、不純物拡散領域107、p型ウェル101、及びドレイン領域104からなるnpnトランジスタが導通するためである。
【0031】
これに対し、第1の参考例の場合には、ゲート電極10Gに反転側電圧、すなわち正電圧を印加した場合には、n型ウェル3とシリコン基板1との間のpn接合が逆バイアスされるため、ゲート電極10Gと基板1との間に電流は流れない。ゲート電極10Gに蓄積側電圧、すなわち負電圧を印加した場合には、不純物拡散領域5とn型ウェル3との間のpn接合が逆バイアスされるため、ゲート電極10Gと基板1との間に電流は流れない。ゲート電極10Gに正負いずれの極性の電圧を印加しても、ゲート保護素子に電流が流れないため、MISFET10の本来の電流電圧特性を測定することができる。
【0032】
第1の参考例のMISFETは、図2の破線で示すように、ゲート電圧が約−0.5Vのときにカットオフする。MISFETがカットオフするのに十分な電圧をゲート電極10Gに印加したとき、不純物拡散領域5とn型ウェル3との間のpn接合が逆バイアスされる。このため、不純物拡散領域5とチャネル領域10Cとの間が非導通状態になり、MISFET10の閾値電圧を測定することが可能になる。
【0033】
第1の参考例では、n型ウェル3のn型領域が、p型不純物拡散領域5、n型ウェル3、及びp型シリコン基板1により構成されるpnpトランジスタのベースとして働く。MISFET10の本来の電流電圧特性を測定するためには、ゲート電圧の測定範囲内で、このpnpトランジスタが導通しなければよい。n型ウェル3のn型領域を、いずれかの電位に固定することなくフローティング状態としておくことにより、この要請を満たすことができる。第1の参考例では、n型ウェル3のn型領域が、p型不純物拡散領域5またはシリコン基板1のp型領域を介してのみ、パッド等の導電性領域に電気的に接続される。その結果、n型ウェル3のn型領域が電気的にフローティング状態にされ得ることになる。
【0034】
図1では、nチャネルMISFETを保護する場合を説明した。n型ウェル内に形成されたpチャネルMISFETのゲート電極を、不純物拡散領域5に接続すると、pチャネルMISFETを保護することもできる。
【0035】
次に、図3を参照して、第2の参考例について説明する。第1の参考例では、p型シリコン基板を用い、p型ウェル内にnチャネルMISFETを形成する場合を説明したが、第2の参考例では、p型シリコン基板を用い、n型ウェル内にpチャネルMISFETを形成する。
【0036】
図3に示すように、p型シリコン基板31の表面層内に、n型ウェル33が形成されている。フィールド酸化膜35により、n型ウェル33の表面内に複数の活性領域が画定されている。
【0037】
n型ウェル33内に、pチャネルMISFET40が形成されている。MISFET40は、ソース領域40S、ドレイン領域40D、チャネル領域40C、ゲート絶縁膜40I、及びゲート電極40Gから構成される。ゲート絶縁膜40Iの厚さは7nmである。ゲート電極40Gは、厚さ50nmのアモルファスシリコン膜と厚さ150nmのタングステンシリサイド膜との2層構造を有する。
【0038】
n型ウェル32内の他の領域に、p型ウェル34が形成されており、その中にn型不純物拡散領域36が形成されている。n型不純物拡散領域36は、配線37によりゲート電極40Gに接続されている。n型ウェル32、ソース領域40S、ゲート電極40G、及びドレイン領域40Dは、それぞれパッド50、51、52、及び53に接続されている。
【0039】
図3に示す半導体装置の製造方法は、図1に示す半導体装置の製造方法と基本的に同様であるため、ここでは、各ウェル及び不純物拡散領域のイオン注入の条件のみを示す。
【0040】
n型ウェル32は、リンイオンを加速エネルギ180keV、ドーズ量1.5×1013cm−2の条件で注入することにより形成される。p型ウェル34は、ボロンイオンを2回に分けて注入することにより形成される。1回目の注入条件は、加速エネルギ180keV、ドーズ量1.5×1013cm−2であり、2回目の注入条件は、加速エネルギ115keV、ドーズ量1.0×1013cm−2である。なお、図には示さないが、nチャネルMISFET用のp型ウェルは、ボロンイオンを加速エネルギ180keV、ドーズ量8.0×1012cm−2の条件と、加速エネルギ30keV、ドーズ量2.7×1012cm−2の条件で、2回注入することにより形成される。
【0041】
LDD構造の低濃度領域は、フッ化ボロンイオンを、加速エネルギ20keV、ドーズ量1.0×1013cm-2の条件で注入して形成される。ソース領域40S及びドレイン領域40Dは、弗化ボロンイオンを、加速エネルギ20keV、ドーズ量3.0×1015cm-2の条件で注入して形成される。n型不純物拡散領域36は、砒素イオンを、加速エネルギ30keV、ドーズ量1.0×1015cm-2の条件で注入して形成される。
【0042】
第2の参考例の場合には、ゲート電極40Gが、n型不純物拡散領域36とp型ウェル34を介してn型ウェル32に接続される。このため、第1の参考例の場合と同様に、ゲート絶縁膜40Iの絶縁破壊を防止できるとともに、MISFET40の本来の電流電圧特性を測定することができる。
【0043】
図3では、n型ウェル内のpチャネルMISFETを保護する場合を説明した。p型ウェル内のnチャネルMISFETのゲート電極を不純物拡散領域36に接続すると、nチャネルMISFETを保護することもできる。
【0044】
次に、図4(A)を参照して第3の参考例について説明する。第3の参考例による半導体装置は、トリプルウェル構造を有する。
【0045】
図4(A)は、第3の参考例による半導体装置の断面図を示す。p型シリコン基板60の表面層内にn型ウェル61が形成されている。n型ウェル61内に、2つのn型ウェル内p型ウェル62及び63が形成されている。フィールド酸化膜72により、各ウェルの表面に活性領域が画定されている。
【0046】
p型ウェル62内に、nチャネルMISFET65が形成されている。p型ウェル63内にn型不純物拡散領域64が形成されている。n型不純物拡散領域64は、配線66によりMISFET65のゲート電極に接続されている。p型ウェル62、MISFET65のソース領域、ゲート電極、ドレイン領域、及びn型ウェル61は、それぞれパッド67〜71に接続されている。
【0047】
ゲート電極に正または負の電圧を印加したとき、n型不純物拡散領域64とp型ウェル63との間のpn接合、及びp型ウェル63とn型ウェル61との間のpn接合のいずれかが逆バイアスされる。このため、MISFET65の本来の電流電圧特性を測定することができる。
【0048】
図4(A)において、n型不純物拡散領域64を設けず、パッド69をp型ウェル63に直接接続してもよいであろう。この場合、p型ウェル63、n型ウェル61、及びp型ウェル62によりpnpバイポーラトランジスタが構成され、これが保護素子として機能する。p型ウェル63に印加される電圧よりも高い電圧をパッド71、すなわちバイポーラトランジスタのベースに印加しておくと、p型ウェル63とn型ウェル61との間のpn接合が常に逆バイアスされる。このため、MISFET65の本来の電流電圧特性を測定することができる。
【0049】
パッド71に高い電圧を印加することは、図1に示す第1の参考例において、n型ウェル3に高い電圧を印加することに相当する。この場合には、n型ウェル3にもパッドを設け、5つのパッドを用いてMISFETの特性を測定することになる。第1及び第2の参考例では、保護素子として機能するバイポーラトランジスタのベースを開放状態としている。このため、4つのパッドを用いてMISFETの特性を測定することができる。より少ないパッドを用いてMISFETの特性を測定するためには、第1若しくは第2の参考例のように、保護素子として機能するバイポーラトランジスタのベースを開放状態にしておくことが好ましい。
【0050】
図4(B)は、本発明の実施例による半導体装置の断面図を示す。第3の参考例では、MISFET65のゲート電極が、n型不純物拡散領域64とp型ウェル63を介してn型ウェル61に接続されていたが、この実施例では、ゲート電極がp型不純物拡散領域64aを介してn型ウェル61に接続されている。n型ウェル61はフローティング状態とされ、第3の参考例のパッド71の代わりに、パッド71aがp型シリコン基板60に接続されている。その他の構成は、図4(A)に示す第3の参考例の構成と同様である。
【0051】
この実施例の場合には、不純物拡散領域64a、n型ウェル61、及びシリコン基板60から構成されるpnpトランジスタがゲート保護素子として働く。さらに、この実施例では、MISFET65の電流電圧特性の測定中に、p型不純物拡散領域64aとn型ウェル61との間のpn接合、またはn型ウェル61とp型ウェル62との間のpn接合が逆バイアスされる。このため、MISFET65の本来の電流電圧特性を測定することができる。
【0052】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ウエハプロセス中にMISFETのゲート電極に蓄積される電荷を、ゲート保護素子を通して基板に流すことができる。このため、ゲート絶縁膜の絶縁破壊を防止することができる。また、MISFETの電流電圧特性の測定の際に、ゲート保護素子を通して電流が流れないため、MISFET本来の特性を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1の参考例による半導体装置の断面図である。
【図2】1の参考例による半導体装置のMISFETの電流電圧特性の測定結果を示すグラフである。
【図3】2の参考例による半導体装置の断面図である。
【図4】 (A)は、第3の参考による半導体装置の断面図であり、(B)は、実施例による半導体装置の断面図である。
【図5】 従来例による半導体装置の断面図である。

Claims (1)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の第2導電型の表面層内に配置され、電気的にフローティング状態にされた該第2導電型とは逆の第1導電型の第1のウェルと、
    前記第1のウェル内に配置された第2導電型のFET用ウェルと、
    前記FET用ウェル内に形成され、ソース領域、ドレイン領域、該ソース領域とドレイン領域とに挟まれたチャネル領域、該チャネル領域上のゲート絶縁膜、及び該ゲート絶縁膜上のゲート電極を含むプロセスコントロールモニタMISFETと
    前記第1のウェル内に配置され第2導電型不純物拡散領域と
    前記ゲート電極と前記不純物拡散領域とを電気的に接続する配線と、
    前記ゲート電極、ソース領域、及びドレイン領域のそれぞれに接続され、探針を接触させるためのパッドと
    を有する半導体装置。
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