JP3758036B2 - 現像装置および電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等のトナー等の着色粒子を用いて画像を顕像化させる現像装置および電子写真装置に係り、特に感光体の表面にトナー画像を形成する現像工程に特徴を有する現像装置および電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子写真方式を用いた印刷装置等では、着色粒子を用いて感光体表面に画像として顕像化させる現像工程と、顕像化された着色粒子画像を記録媒体に転写させる転写工程を有している。着色粒子には電子写真専用のトナーと呼ばれる粉末が用いられる。感光体はその表面の全体が均一に帯電され、続いて光を照射することにより部分的な電荷放電が行われる。このとき、感光体表面には、帯電領域と放電領域による電位コントラストが形成され、静電潜像を形成する。
【0003】
現像工程では、まず、現像剤を用いてトナー粒子を帯電させる。現像剤には、トナーと磁性粒子であるキャリアビーズの混合粉体からなる二成分系の場合と、トナーのみからなる一成分系の場合とがある。現像剤は現像装置の中に収容され、そこで撹拌される。その際、二成分系現像剤では、トナーはキャリアビーズとの摩擦により帯電する。また、一成分系現像剤の場合には、部材などとの摩擦によりトナーの帯電が行われる。
【0004】
現像剤は感光体表面の静電潜像に対向する現像位置まで現像ローラと呼ばれるマグネットローラにより搬送される。この時、感光体と対向する位置に現像剤が磁力線に沿ってブラシ状に配列する「磁気ブラシ」を形成する。このように、マグネットローラによって現像剤を感光体の静電潜像まで運ぶ方法を用いた現像方法を磁気ブラシ現像と呼ぶ。
【0005】
一方、静電潜像の顕像化の方式として、バイアス現像と呼ばれる方法がよく用いられる。このバイアス現像では、現像ローラにバイアス電圧を印加し、感光体表面に形成された潜像電位と現像ローラとの間に発生する電界の作用により、帯電されたトナー粒子を現像ローラ表面の現像剤から分離して感光体表面に移動させることにより作像が行われる。
【0006】
潜像電位、すなわち感光体の像形成部分の電位として前述の帯電電位を用いてもよいし、放電電位を用いてもよい。一般に、潜像電位として帯電電位を用いる方法を正規現像法、放電電位を用いる方法を反転現像法と呼ぶ。帯電電位と放電電位のうち潜像電位として用いられない側の電位を背景電位と呼ぶ。現像ローラのバイアス電圧は帯電電位と放電電位との間で任意に設定され、潜像電位との差を現像電位差と呼ぶ。
【0007】
同様に、背景電位との差を背景電位差と呼ぶ。通常、背景電位差より現像性能そのものを左右する現像電位差の方を大きく設定する。現像電位差が大きければ、形成される電界(現像電界)が強くなるので現像性能(トナー現像量)が高くなる。また、現像ローラと感光体の回転速度を上げること、距離を小さくすること、現像剤の電気抵抗を低下させることにも、現像電界を強める効果があり、トナー現像量を高くできる。
【0008】
現像剤の運送方法として磁気ブラシ現像を用い、かつ、静電潜像の顕像化としてバイアス現像を用いる方法は広く用いられている現像方法(ここでは、「磁気ブラシバイアス現像」と呼ぶ)である。現像ローラと感光体の相対的な移動方向は、同方向の場合と逆方向の場合がある。また、1つの現像装置で複数本の現像ローラを用いることもある。複数の現像ローラが、同一方向に回転する現像装置もあるし、回転方向が異なる現像装置もある。
【0009】
この場合、隣り合った現像ローラの回転方向を、各々現像ローラの対向位置から感光体に向かうように2つの現像ローラの回転方向を異ならせ、現像ローラの対向位置から現像剤があたかも噴水のように感光体に向かって分岐して搬送される現像装置(ここでは、「噴水型現像装置」という)も知られている。このような現像装置の例が、特公昭54−10869号公報に示されている。
【0010】
磁気ブラシバイアス現像では、現像ロールの回転方向に向かって画像の端部が現像されにくくなるという問題がある。これは、磁気ブラシが感光体表面を摩擦するという機械的要因と磁気ブラシが接する感光体の電位が非画像部の背景電位から画像部の現像電位へと急激に変化するため、現像剤の電気的特性がこの変化に追従できないために発生する。そこで、噴水型現像装置を用いれば、2つの現像ローラの回転方向が異なるため、各々の現像ローラが補完し合うので、この問題を解消できる。
【0011】
現像ローラは磁極を有するコアと、このコアを内包する金属製のスリーブを備え、コアを固定してスリーブを回転させることにより現像剤を搬送させる方法(ここでは、「スリーブ回転方式」という)と、コアおよびスリーブをともに回転させる方法(ここでは、「コア回転方式」という)がある。
【0012】
コア回転方式は、スリーブ回転方式に比して感光体との対向部の現像領域において現像剤を撹乱する効果が高いので、トナー現像量を高くできる。そのため、スリーブの回転速度を低下させても十分なトナー現像量が得られ、現像ローラ自体の機械的な摺擦による感光体上のトナー像の掻き取りを減らすことができるので、画質を上げることができる。なお、コア回転現像装置は、例えば特開昭58−142358号に示されている。
【0013】
従って、電気的要因による画像の端部欠けがないことを特徴とする噴水型現像装置の現像ローラのうち少なくとも一本をコア回転方式にする(ここでは、「コア回転噴水型現像装置」という)ことにより機械的要因によるトナー像の掻き取りがなくなるので、乱れの少ない極めて高品質な画像が得られることがわかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したコア回転噴水型現像装置においては、二本のマグネットローラが回転するので、磁極間の磁場干渉による振動が発生して画像にジッタが現れるという問題がある。また、二成分現像の場合には、現像領域で時間的に磁力の強弱が発生し、磁力が弱いときにキャリアが感光体に付着しやすいという問題がある。なお、この現像領域での時間的な磁力変化は、一成分現像の場合には「かぶり」として現れる。
【0015】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、振動によるジッタの発生、キャリアの飛散やかぶり等を防止して、高品質な画像を印刷できる現像装置および電子写真装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載したように、感光体表面に着色粒子を供給し、前記感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置において、コアと該コアを内包するスリーブとを有する現像ローラを二本備え、前記二本の現像ローラのコアを同じ磁極配置とし、いずれか一方のコアの磁極が前記二本の現像ローラの対向位置にあるとき他方のコアの磁極間を前記対向位置に位置させるとともに、いずれか一方のスリーブを前記感光体表面の移動方向と同じ方向に移動するように回転させ、他方のスリーブを前記感光体表面の移動方向と逆の方向に移動するように回転させることを特徴としている。
【0017】
このように構成された現像装置においては、一方のスリーブが感光体表面の移動方向と同じ方向に移動するように回転させるとともに、他方のスリーブが感光体表面の移動方向と逆の方向に移動するように回転させることにより、感光体に対して二方向から着色粒子を供給することができるので、感光体の表面に形成された潜像の端部にも確実に着色粒子が付着する。また、この際のコアの回転においては、同じ磁極配置の両コアのいずれか一方のコアの磁極と他方のコアの磁極間が対向するように回転するので、両現像ローラに作用する磁力は一定となり振動の発生を防止する。
【0018】
また、本発明は、請求項2に記載したように、請求項1に記載した現像装置において、前記二本の現像ローラのコアを同じ回転速度で回転させることを特徴としている。
【0019】
また、本発明は、請求項3に記載したように、請求項1に記載した現像装置において、前記二本の現像ローラのうちの一本の現像ローラのコアを、他の一本の現像ローラのコアの回転に従動して回転させることを特徴としている。
【0020】
このように構成された現像装置においては、一方のコアを回転駆動し、このコアに従動して他方のコアを自由に回転させるので、磁場干渉により作用する力が最も少ないバランス点が自動的にできあがり、周期的な振動の発生を抑える。
【0021】
また、本発明は、請求項4に記載したように、感光体と、この感光体の表面を帯電させる帯電器と、この帯電器により帯電された感光体の表面を露光して感光体表面に少なくとも二値の異なった電位レベルを有する静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像を保持した感光体の表面に着色粒子を供給し、感光体上に可視像を形成する現像装置と、前記可視像を記録媒体に転写する転写器とを備えた電子写真装置において、前記現像装置は、コアと該コアを内包するスリーブとを有する現像ローラを二本備え、前記二本の現像ローラのコアを同じ磁極配置とし、いずれか一方のコアの磁極が前記二本の現像ローラの対向位置にあるとき他方のコアの磁極間を前記対向位置に位置させるとともに、いずれか一方のスリーブを前記感光体表面の移動方向と同じ方向に移動するように回転させ、他方のスリーブを前記感光体表面の移動方向と逆の方向に移動するように回転させることを特徴としている。
【0022】
このように構成された電子写真装置においては、一方のスリーブを感光体表面の移動方向と同じ方向に移動するように回転させるとともに、他方のスリーブを感光体表面の移動方向と逆の方向に移動するように回転させることにより、感光体に対して二方向から着色粒子を供給することができるので、感光体の表面に形成された静電潜像の端部にも確実に着色粒子が付着する。また、この際のコアの回転においては、同じ磁極配置の両コアのいずれか一方のコアの磁極と他方のコアの磁極間が対向するように回転するので、両現像ローラに作用する磁力は一定となり振動の発生を防止する。
【0023】
また、本発明は、請求項5に記載したように、請求項4に記載した電子写真装置において、前記二本の現像ローラのコアを同じ回転速度で回転させることを特徴としている。
【0024】
また、本発明は、請求項6に記載したように、請求項4に記載した電子写真装置において、前記二本の現像ローラのうちの一本の現像ローラのコアを、他の一本の現像ローラのコアの回転に従動して回転させることを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において、共通する部位については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略することとする。
【0026】
図1〜図4に基づいて、第1実施形態について説明する。図1に示すように、第1実施形態の電子写真装置10は、印刷する像を表面に形成するドラム状の感光体11と、この感光体11の表面を帯電させる帯電器12と、この帯電器12により帯電された感光体11の表面を露光して、感光体11表面に少なくとも二値の異なった電位レベルを有する静電潜像を形成する露光装置13と、前記静電潜像を保持した感光体11の表面に着色粒子としてのトナー14を付着させて、前記静電潜像を現像するための現像装置15Aと、感光体11の表面に付着しているトナー14を記録媒体である用紙16に転写する転写器17と、用紙16に転写されたトナー14を定着させる定着装置18と、印刷後の感光体11の表面を清掃するクリーナ19を有している。
【0027】
従って、帯電器12により一様に帯電された感光体11の表面に、レーザドライバ等からなる露光制御手段により発光を制御された半導体レーザおよび光学系からなる露光装置13によって静電潜像を形成し、現像装置15Aがトナー14を付着させて静電潜像を現像する。感光体11の表面に付着したトナー14は、転写器17によって用紙16に転写された後、定着装置18により加熱融解されて用紙16に定着する。用紙16に転写されずに感光体11の表面に残ったトナー14は、クリーナ19により回収され、一連のプロセスを終了する。なお、この第1実施形態においては、現像方式の例として前述した二成分現像剤による磁気ブラシバイアス方式が用いられており、感光体11表面の潜像を形成する潜像電位として放電電位が用いられて反転現像となっている。
【0028】
図2には、この発明に係る電子写真装置10に用いられている現像装置15Aの構成が示されている。この現像装置15Aでは、1面に開口21を有する矩形断面の箱状の現像装置ケース22が、わずかな隙間をあけて開口21を感光体11の一部で覆うようにして設けられている。なお、現像装置ケース22は、感光体11の全幅(図2において紙面直交方向幅)に対向して設けられている。
【0029】
図2に示すように、現像装置ケース22の内部には、コア23U,23Lとスリーブ24U,24Lを備えた複数本(ここでは二本)の現像ローラ25U,25Lが設けられている。これらの現像ローラ25U,25Lにおいては、少なくとも一本のコア23U(23L)を回転させるとともに、一方の現像ローラ25Lの表面が感光体11表面の移動方向(図2において上→下)と同じ方向へ移動するように図2において反時針方向へ回転させるとともに、他の現像ローラ25Uの表面が感光体11表面の移動方向と逆方向(下→上)に移動するように図2において時針方向へ回転させる。
【0030】
すなわち、上の現像ローラ25Uのスリーブ24Uを時針方向へ回転させるとともにコア23Uを反時針方向へ回転あるいは停止させ、かつ、下の現像ローラ25Lのスリーブ24Lを反時針方向へ回転させるとともにコア23Lを時針方向へ回転あるいは停止させる。これにより、トナー14はスリーブ24U,24Lの表面を移動して、両現像ローラ25U,25Lが対向する間から感光体11の表面に供給される。
【0031】
なお、両現像ローラ25U,25Lの間にはトナー14の流れを規制するドクターブレード26が設けられており、現像ローラ25U,25Lの後方には、現像ローラ25U,25Lのスリーブ24表面に付着しているトナー14およびキャリアを剥離させるスクレーパ27が各々設けられている。
【0032】
現像装置ケース22の内部における後部上方には、トナー14を供給するためのトナーホッパ28が設けられている。このトナーホッパ28の下方には、トナー14を幅方向(図2において紙面直交方向)に均すとともに撹拌する一対のオーガスクリュー29が回転自在に設けられており、オーガスクリュー29と下現像ローラ25Lとの間には、トナー14を現像ローラ25U,25Lに送るためのトナー搬送ローラ30が設けられている。なお、現像装置ケース22の底面22aにはトナー14の量を検出するトナー濃度センサ31が取り付けられており、このトナー濃度センサ31のセンシング値に応じてトナーホッパ28からトナー14が供給されるようになっている。また、現像装置ケース22の底面22aの先端(図2において左側端部)には、現像装置から感光体11表面に転移付着してしまったキャリアを捕獲するキャリアキャッチローラ32が設けられている。
【0033】
図3には、図2におけるIII−III位置の断面図が示されている。上現像ローラ25Uでは、スリーブ24Uの内部にコア23Uが回転自在に設けられており、モータ33によりスリーブ24Uを回転駆動可能であるとともに、モータ34によりコア23Uも回転駆動可能となっている。下現像ローラ25Lについても同様に、スリーブ24Lの内部にコア23Lが回転自在に設けられており、モータ35によりスリーブ24Lを回転駆動可能であるとともに、モータ36によりコア23Lを回転駆動可能となっている。
【0034】
このように構成されるので、トナーホッパ28から供給されたトナー14は、一対のオーガスクリュー29,29によりキャリアと撹拌されて、適当な水準まで帯電される。帯電したトナー14は、トナー搬送ローラ30によってドクターブレード26の背面部分に達する。その後、トナー14は、ドクターブレード26と上下の現像ローラ25U,25Lとの間の隙間(ドクターギャップと呼ぶ)を通り、上現像ローラ25Uによって感光体11の表面を上方へ搬送される流れと、下現像ローラ25Lによって感光体11の表面を下方へ搬送される流れに分流されてトナー14が感光体11の表面に供給される。
【0035】
このため、一方の現像ローラ25Lのスリーブ24Lの表面が感光体11の表面の移動方向と同方向へ移動するように回転させるとともに、他方の現像ロール25Uのスリーブ24Uの表面が感光体11の表面の移動方向と逆方向に移動するように回転させることにより、感光体11に対して二方向からトナー14を供給するので、感光体11の表面に形成された静電潜像の端部にも確実にトナー14を付着させることができる。これにより、従来生じていた画像端部の欠けを防止して、画質の向上を図ることができる。
【0036】
図4には、上下の現像ローラ25U,25Lにおけるコア23U,23Lの磁極配置が示されている。両コア23U,23Lの磁極配置を同じにするとともに、一方のコア23Uの磁極(ここではN極)が二本の現像ローラ25U,25Lが対向する位置Pに位置したとき、他方のコア23Lでは磁極間が対向位置Pに位置するように両コア23U,23Lを回転させる。このようにコア23U,23Lを回転させる方法としては、種々のものが考えられるが、前述した図3に示すように、両コア23U,23Lを各々モータ34,36により所定の方向へ同じ回転速度で回転させることができる。
【0037】
これにより、同じ磁極配置の両コア23U,23Lのいずれか一方のコア23Uの磁極と他方のコア23Lの磁極間が対峙するように回転するので、両現像ローラ25U,25Lに作用する磁力は一定となり振動の発生を防止できる。これに伴い、ジッタの発生を防止して高品質な画像を得ることができる。また、コア23U,23L間の磁場干渉による振動を防止できるので、ジッタおよび画像端部の欠けを防止するとともに、トナー14の掻き取りを抑制して乱れの少ないきわめて高品質の画像を得ることができる。
【0038】
図5には、コア23U,23Lを回転させる第2の実施形態が示されている。この実施形態では、一方のコア23Uはモータ34により回転駆動可能とし、他方のコア23Lを自由回転可能に支持するようにし、かつ、両コア23U,23Lの磁極配置を先に図4に示した配置と同じ配置とする。この状態で、一方のコア23Uをモータ34により回転駆動すると、図4において前述したように、一方の磁極と他方の磁極間が対峙し、他方のコア23Lは双方の磁場の干渉によりひきずられて、同じ回転速度で互いに逆方向に従動して回転する。
【0039】
これにより、コア23U,23Lは、前述した第1実施の形態(図3に示した場合)と同様の作用を得ることができ、高品質の画像を得ることができる。加えて、この構成では、磁場干渉により作用する力が最も少ないバランス点が自動的にできあがるため、コア23U,23Lの磁極配置の製作誤差や、磁極位相の調整誤差、コア23U,23Lの回転変動に起因する微弱な振動までも完全に防止できるので、ジッタ等の周期的変動がない極めて高品質な画像を得ることができる。
【0040】
なお、上述したように、一方のコア23Uに他方のコア23Lを従動させると、磁場干渉により作用する力が最も少ないバランス点が自動的にできあがるため、図4に示した磁極配置に限らず、上下のコア23U,23Lの磁極配置や磁極強度を異なるようにしても(例えば図6参照)十分な振動防止効果を得ることができる。
【0041】
次に、図6および図7に基づいて現像機の第3実施の形態について説明する。図6には、現像装置15Bの構成が示されている。この現像装置15Bでは、先に説明した図2の現像装置15Aと下側のコア23Lの磁極配置が異なり、その他の構成は共通しているので、共通する部位には共通する符号を付して、重複する説明は省略する。また、図7には、図6におけるVII−VII位置の断面図が示されている。図7に示すように、一方のコア(ここでは下のコア23L)を固定して、回転しないようにしてある。すなわち、上現像ローラ25Uはコア回転方式であり、下現像ローラ25Lはスリーブ回転方式となっている。
【0042】
コア23Lが固定されているスリーブ回転方式では、感光体11との対向部の現像領域において固定した磁極が存在するので、絶えず高い磁力が作用しており、キャリアが感光体11に付着するキャリア飛散や、背景部へのかぶりを抑制できる。また、感光体11に付着したキャリアや背景のかぶりトナー14を清掃する効果がある。このため、上現像ローラ25Uにはコア回転方式を採用して画質を高めるとともに、下現像ローラ25Lにはスリーブ回転方式を採用することにより、上現像ローラ25Uで感光体11に付着した飛散キャリアや背景のかぶりを回収するようにした。
【0043】
下現像ローラ25Lのコア23Lを固定したことに伴い、上現像ローラ25Uのコア23Uの磁場の干渉による振動が発生するおそれがあるが、コア23Lをダンパ37を介して固定するようにして、コア23Uの回転に伴うコア23Lの回転を吸収しトルクの急激な変化を防止できるので、画像にジッタが発生するのを防止して画質の向上を図ることができる。ダンパ37としては、例えばゴムダンパのような弾性吸収材でも十分な効果を得ることができるが、より好ましくは、弾性吸収材に加えて振動エネルギーを吸収できる粘性吸収材を併用することにより、一層の防振効果を得ることができる。
【0044】
なお、本発明の現像装置および電子写真装置は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能であり、前述した各実施形態において例示したコア,スリーブ,現像ローラ,ダンパ,感光体,帯電器,露光装置,現像装置,転写器等の材質,形状,寸法,形態,数,配置個所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0045】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、請求項1に記載したように、一方のスリーブを感光体表面の移動方向と同じ方向に移動するように回転させるとともに、他方のスリーブを感光体表面の移動方向と逆の方向に移動するように回転させることにより、感光体に対して二方向から着色粒子を供給することができるので、感光体の表面に形成された静電潜像の端部にも確実に着色粒子を付着させることができる。また、この際のコアの回転においては、同じ磁極配置の両コアのいずれか一方のコアの磁極と他方のコアの磁極間が対向するように回転するので、両現像ローラに作用する磁力は一定となり振動の発生を防止できる。これに伴い、ジッタの発生を防止して高品質な画像を得ることができる。
【0046】
また、本発明によれば、請求項3に記載したように、一方のコアの回転に従動して他方のコアを回転させるので、磁場干渉により作用する力が最も少ないバランス点が自動的にできあがる。このため、コアの磁極配置の製作誤差や、磁極位相の調整誤差、コアの回転変動に起因する微弱な振動までも完全に防止できるので、ジッタ等の周期的変動がない極めて高品質な画像を得ることができる。
【0047】
また、本発明によれば、請求項4に記載したように、一方のスリーブを感光体表面の移動方向と同じ方向に移動するように回転させるとともに、他方のスリーブを感光体表面の移動方向と逆の方向に移動するように回転させることにより、感光体に対して二方向から着色粒子を供給することができるので、感光体の表面に形成された静電潜像の端部にも確実に着色粒子を付着させることができる。また、この際のコアの回転においては、同じ磁極配置の両コアのいずれか一方のコアの磁極と他方のコアの磁極間が対向するように回転するので、両現像ローラに作用する磁力は一定となり振動の発生を防止できる。これに伴い、ジッタの発生を防止して高品質な画像を得ることができる。
【0048】
また、本発明によれば、請求項6に記載したように、一方のコアの回転に従動して他方のコアを回転させるので、磁場干渉により作用する力が最も少ないバランス点が自動的にできあがる。このため、コアの磁極配置の製作誤差や、磁極位相の調整誤差、コアの回転変動に起因する微弱な振動までも完全に防止できるので、ジッタ等の周期的変動がない極めて高品質な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子写真装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る電子写真装置の現像装置の一実施形態を示す断面図である。
【図3】図2におけるIII−III位置の断面図であり、コアの回転機構の例を示す断面図である。
【図4】コアの磁極配置を示す断面図である。
【図5】コアの別の回転機構の例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る電子写真装置の別の実施形態を示す断面図である。
【図7】コアのさらに別の回転機構の例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 電子写真装置
11 感光体
12 帯電器
13 露光装置
14 トナー(着色粒子)
15 現像装置
16 用紙(記録媒体)
23 コア
24 スリーブ
25 現像ローラ
37 ダンパ
P 対向位置
Claims (6)
- 感光体表面に着色粒子を供給し、前記感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置において、コアと該コアを内包するスリーブとを有する現像ローラを二本備え、前記二本の現像ローラのコアを同じ磁極配置とし、いずれか一方のコアの磁極が前記二本の現像ローラの対向位置にあるとき他方のコアの磁極間を前記対向位置に位置させるとともに、いずれか一方のスリーブを前記感光体表面の移動方向と同じ方向に移動するように回転させ、他方のスリーブを前記感光体表面の移動方向と逆の方向に移動するように回転させることを特徴とする現像装置。
- 前記二本の現像ローラのコアを同じ回転速度で回転させることを特徴とする請求項1記載の現像装置
- 前記二本の現像ローラのうちの一本の現像ローラのコアを、他の一本の現像ローラのコアの回転に従動して回転させることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
- 感光体と、この感光体の表面を帯電させる帯電器と、この帯電器により帯電された感光体の表面を露光して感光体表面に少なくとも二値の異なった電位レベルを有する静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像を保持した感光体の表面に着色粒子を供給し、感光体上に可視像を形成する現像装置と、前記可視像を記録媒体に転写する転写器とを備えた電子写真装置において、前記現像装置は、コアと該コアを内包するスリーブとを有する現像ローラを二本備え、前記二本の現像ローラのコアを同じ磁極配置とし、いずれか一方のコアの磁極が前記二本の現像ローラの対向位置にあるとき他方のコアの磁極間を前記対向位置に位置させるとともに、いずれか一方のスリーブを前記感光体表面の移動方向と同じ方向に移動するように回転させ、他方のスリーブを前記感光体表面の移動方向と逆の方向に移動するように回転させることを特徴とする電子写真装置。
- 前記二本の現像ローラのコアを同じ回転速度で回転させることを特徴とする請求項4記載の電子写真装置
- 前記二本の現像ローラのうちの一本の現像ローラのコアを、他の一本の現像ローラのコアの回転に従動して回転させることを特徴とする請求項4記載の電子写真装置。
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