JP4133281B2 - 異物除去機構,印刷装置および異物除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構と、この異物除去機構を備えた印刷装置と、この異物除去機構に使用されている異物除去方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の印刷装置(画像形成装置)では、通常、感光体ドラム(像担持体)に対して帯電・露光を行って静電潜像を形成し、これをトナーによって現像してトナー像を形成する。そして、このトナー像をシート(転写材)に転写することで印刷を行うようになっている。
【0003】
なお、このような印刷装置に用いられる現像材には、大別して、1成分のものと2成分のものとがある。
2成分の現像材は、トナーに加えて、Fe(鉄)やフェライト等の磁性体からなるキャリアを含んでおり、キャリアとトナーとの混合比を変えることよって帯電性を調節できるものである。また、細線やソリッド画像の現像特性、階調性の再現性に優れ、カラー画像の形成にも適している。
【0004】
一方、1成分の現像材は、トナーのみからなるものである。このような現像材を用いる場合、トナーをキャリアと混合・攪拌する必要がなく、さらに、トナー濃度の制御およびトナーの交換が不要となるという利点もある。
【0005】
ところで、電子写真方式の印刷装置では、シートにトナー像を転写する際、トナー像を完全に転写できずに、感光体ドラムに残留させてしまうことがあり、このような残留トナーは、“トナー像メモリー”等の画像劣化を引き起こす。このため、従来、トナー像メモリーを防止するために、残留したトナー像を撹乱させる撹乱ブラシが用いられているが、撹乱ブラシにトナーが溜まり汚れてくると、感光体ドラムを帯電させる帯電ローラに付着・蓄積される。
そして、帯電ローラに残留トナーが蓄積すると、帯電ローラの帯電特性が悪化して異常放電の発生を招来する。そして、この異常放電により、感光体ドラムの帯電ムラや画像かぶり(露光していない部分(白地のままであるべき部分)に対する黒点)を発生させてしまう。
表2は、帯電ローラの残留トナーを清掃によって除去した場合と除去しなかった場合とにおける、印刷枚数(P)とかぶり値Kとの関係を示す表であり、図6は、表中の値をグラフにしたものである。
なお、かぶり値Kは、『K=1−U/U0,U:明度、U0:初期明度』の式から求められるものである。
【0006】
【表2】
【0007】
このような画像かぶりを防止するために、特許文献1には、ファーブラシを用いて感光体ドラム上の残留トナーを除去することで、帯電ローラへのトナーの付着を抑える技術が開示されている。
【0008】
なお、この技術では、ファーブラシに多量のトナーが蓄積されてしまうと、帯電不良,露光不良による画質劣化の原因となる。そこで、このような画像劣化を防ぐために、ファーブラシに対し、トナー除去ローラを接触させた状態で備えている。そして、このトナー除去ローラによって、ファーブラシに付着したトナーを除去するようになっている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−36322号公報(公開日1995年2月7日)
【0010】
【非特許文献1】
日本機械学会『機械便覧』(昭和49年08月10日第5版5刷発行)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の技術では、ファーブラシに付着したトナーを除去するために、トナー除去ローラを用いる必要がある。
このため、印刷装置の構造が複雑になり、製造コストを上昇させてしまうという問題があった。
【0012】
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するために成されたものである。そして、その目的は、感光体上の残留トナーに接するブラシに蓄積された残留トナーを簡単に除去できる異物除去機構を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の異物除去機構(本除去機構)は、電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、電源と、像担持体上の異物を攪乱するための攪乱部材と、攪乱後の異物を吸着バイアスによって吸着する吸着部とを備えており、上記の攪乱部材が、上記の電源から印加される電圧に応じた帯電状態となる一方、この電源が、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替えることを特徴としている。
【0014】
本除去機構は、複写機,プリンター,ファクシミリ装置などに採用されている電子写真方式の印刷装置に用いられるものである。
このような印刷装置では、回転する像担持体の表面を帯電・露光して静電潜像を形成し、この潜像を現像材(トナーなど)によって現像して可視像(トナー像など)を形成する。そして、可視像を、シート(記録用紙など)に転写するようになっている。
そして、本除去機構は、可視像の転写後に像担持体に残留している異物(残留異物;主に現像材)を除去するためのものである。
【0015】
上記のように、本除去機構は、攪乱部材,吸着部および電源を備えている。
吸着部は、吸着バイアスによって像担持体から異物を除去(吸着)するためのものである。
すなわち、電子写真方式の印刷装置では、像担持体上の画像(現像材からなる画像)を、シートに静電転写するようになっている。このため、残留異物は、転写電圧に応じた帯電状態を有している。そして、本除去機構では、このような残留異物を、吸着部の吸着バイアスによって像担持体から静電的に引き剥がして除去するようになっている。
【0016】
また、攪乱部材は、吸着部に吸着される前の段階で、像担持体上の残留異物の凝集塊(異物塊)を攪乱(攪拌)するものである。これにより、像担持体上の異物塊を、吸着しやすくバラバラにほぐせるので、吸着部による残留異物の除去効率を向上できるようになっている。
【0017】
また、電源は、このような攪乱部材に電圧(攪乱電圧)を印加するものであり、攪乱部材は、攪乱電圧に応じた帯電状態となる。
これにより、本除去機構では、残留異物の帯電状態を、攪乱部材を介して調整することが可能となる。なお、このような攪乱部材としては、例えば、導電性のブラシを用いることが可能である。
【0018】
ところで、像担持体上の残留異物を攪乱する攪乱部材には、静電力や分子間力,粘着力等により、残留異物が付着・蓄積することがある。
そこで、本除去機構では、このような残留異物を攪乱部材から除去するために、電源が、攪乱電圧の極性を変えることで、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替えるようになっている。
【0019】
すなわち、攪乱部材に正の攪乱電圧を印加することで、攪乱部材から正帯電した残留異物を除去できる。一方、攪乱部材に負の攪乱電圧を印加することで、攪乱部材から負帯電した残留異物を除去できる。
これにより、本除去機構では、残留異物が正負いずれの極性を有している場合でも、この残留異物を攪乱部材から除去することが可能となっている。
また、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替えることで、一方の極性を有する残留異物を過剰に引きつけてしまうことを防止できる。
【0020】
また、残留異物の帯電特性に応じて、攪乱電圧を正とする時間と負とする時間とを調整する(残留異物の平均的な極性と同極性とする時間を長くする)ことで、攪乱部材に対する残留異物の付着をより効率よく抑制できる。
【0021】
また、本除去機構では、上記のような攪乱部材の帯電極性を切り替えるために、電源が、攪乱部材に交流電圧を印加するように設定されていてもよい。
これにより、攪乱部材の帯電極性を容易に切り替えられる。
さらに、電源が交流の攪乱電圧を攪乱部材に印加することにより、攪乱部材に付着している正・負の残留異物の双方に対する静電力を振動(変動)させられる。従って、残留異物を静電力によって揺動させられるので、分子間力や粘着力によって攪乱部材に付着している残留異物についても、攪乱部材から除去することが可能となる。
【0022】
このように、本除去機構では、攪乱部材に付着した残留異物を容易に除去できる構成である。従って、攪乱部材に残留異物が付着したことに起因する画像劣化を防止できる。
また、上記のような本除去機構を備えた印刷装置では、画質劣化の少ない印刷を行うことが可能となる。
【0023】
また、電源によって、攪乱部材に対し、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧(攪乱重畳電圧)を印加することも好ましい。
これにより、攪乱部材に触れている残留異物の帯電特性を、直流電圧の極性側にシフトさせられる。従って、例えば、この直流電圧を吸着バイアスと逆極性とすることによって、吸着部による残留異物の吸着効率を向上させられる。
【0024】
また、重畳電圧の直流電圧を吸着バイアスと逆極性とする場合、電源は、重畳電圧の直流電圧を、放電開始電圧以上の値とすることが好ましい。
これにより、吸着部による正異物の吸着効率を向上できる。
【0025】
これは、電荷注入困難な絶縁体に対しては、放電開始電圧以上の電圧を印加することにより帯電可能となるからである。従って、像担持体上の残留異物が電荷注入困難な場合でも、放電開始電圧以上の直流電圧を有する重畳電圧を印加することにより、有効な帯電電流を流すことが可能となり、残留異物を確実に帯電させられる。
【0026】
また、本除去機構の備えられる電子写真方式の印刷装置には、通常、像担持体上の画像を、転写バイアスによってシートに静電転写するための、転写部が備えられている。
従って、重畳電圧を用いる場合、電源は、重畳電圧の直流電圧を、転写部の転写バイアスと同極性とすることが好ましい。
【0027】
すなわち、転写後に像担持体に残留している残留異物は、転写バイアスの影響により、平均的には、このバイアスの極性と同極性に帯電されている(残留異物の平均帯電値の極性が、転写バイアスと同極性となっている)可能性が高い。
従って、重畳電圧の直流電圧を転写バイアスと同極性とすれば、攪乱部材に対する残留異物の付着を抑制できる。
【0028】
また、重畳電圧を用いる場合、電源は、重畳電圧の交流電圧を、静電力により攪乱部材を振動させるような値とすることが好ましい。
これにより、攪乱部材に付着した残留異物を振り落とせるので、より効率よく除去できる。
なお、攪乱部材を振動させるような交流電圧値としては、例えば、攪乱部材における固有振動数の1/2倍もしくは等倍の近傍の値を挙げられる。
【0029】
また、本除去機構では、攪乱部材に付着した残留異物を除去するために、電源によって攪乱部材の帯電極性の切り替えるようになっている。ここで、このような切り替えは、像担持体における非画像領域(画像領域でない領域)に攪乱部材の触れているとき(非画像領域が攪乱部材の前に位置しているとき)に行われることが好ましい。
【0030】
ここで、画像領域とは、像担持体上の領域であって、攪乱部材の前を通過するとき、これから攪乱部材の前に戻るまでの間(1周期の間(像担持体が1回転する間))に画像が形成される領域のことである。
一方、非画像領域とは、画像領域以外の像担持体上の領域、すなわち、像担持体上の領域であって、攪乱部材の前を通過するとき、これから攪乱部材の前に戻るまでの間(1周期の間)に、画像が形成されない領域のことである。
【0031】
つまり、画像領域とは、像担持体上の領域であって、帯電、露光、現像,転写、撹乱などの各プロセス(プロセスを実行する機器)に対面して通過したときに、画像形成のための諸動作が行われて、本来、画像が形成されるべき領域である。
一方、非画像領域とは、画像領域以外の像担持体上の領域、すなわち、像担持体上の領域であって、各プロセス(プロセスを実行する機器)に対面して通過したときに、画像形成のための諸動作が行われず画像が形成されない領域のことである。このような非画像領域は、印字(印刷)命令に呼応して装置が起動した際に、各プロセスなどにより像担持体上に画像形成の準備動作が行われる“前回転”の領域、連続印刷の際の像担持体上での画像と次の画像との間である“紙間”領域、画像形成が完了し、装置が停止もしくは待機状態に移行するため各プロセスなどにより像担持体上に終了動作が行なわれる“後回転”の領域を含む。
【0032】
すなわち、攪乱部材に印加する電圧の極性を切り替えると、攪乱部材に付着・蓄積していた残留異物が、像担持体の表面に移動する。従って、この表面部分の残留異物量が多くなるので、吸着部によって、全ての残留異物を除去できない可能性がある。
このため、このような領域に画像を形成すると、電子写真方式による印刷工程において、帯電不良、露光不良を発生させ、画像劣化を生じさせてしまうことがある。
【0033】
そこで、本除去機構では、1周期の間に画像形成の行われない非画像領域が攪乱部材の前にきたとき(攪乱部材が非画像領域に接触しているとき)に、電源が攪乱部材の極性切り替えを行って、攪乱部材に蓄積した残留異物を非画像領域に落とすようにすることが好ましい。これにより、攪乱部材から除去された残留異物を画像領域に落とすことを回避できるので、上記のような画像劣化を防止できる。
【0034】
また、攪乱部材に付着していた残留異物を非画像領域で除去した場合、上記の転写部は、非画像領域に対する転写バイアスの印加を回避するように設定されていることが好ましい。
【0035】
これにより、吸着部で回収しきれない残留異物が転写部にまで搬送された場合でも、転写バイアスにより残留異物が転写装置に付着してしまう(静電的に吸着してしまう)ことを防止できる。
従って、残留異物による転写部の汚染を回避できるので、転写部の汚染がシートに転写され、シートを汚してしまうことを防止できる。
【0036】
なお、転写バイアスの印加回避は、例えば、転写部を、フローティング状態(電気的な接続が取り除かれ、電気的に宙に浮いた状態)とすることで実現できる。
【0037】
また、本除去機構では、攪乱部材を、攪乱部材を覆う筐体に収容しておくことが好ましい。
この構成では、攪乱部材に付着した残留異物が像担持体以外の場所に落下あるいは飛散しても、これらを筐体内に収容できる(あるいは、残留異物を像担持体に確実に戻せる)。これにより、残留異物の落下・飛散による本除去機構内(印刷装置内)の汚染や、シートに対する汚染を防止できる。
【0038】
なお、本除去機構の吸着部としては、例えば、印刷装置の帯電ローラを用いることが可能である。
この場合、帯電ローラは、帯電バイアスによって像担持体を帯電させるとともに、帯電バイアスを吸着バイアスとして用いて、像担持体上の異物を吸着するようになる。
【0039】
また、吸着部として、印刷装置の現像ローラを用いてもよい。
この場合、現像ローラは、現像バイアスによって像担持体の静電潜像を現像するとともに、現像バイアスを吸着バイアスとして用いて、像担持体上の異物を吸着することとなる。
【0040】
このように、帯電ローラや現像ローラを吸着部として用いることで、像担持体から異物を除去するための特別な部材(クリーニングブレードなど)を設ける必要がない。従って、本除去機構(および本除去機構の備えられた印刷装置)製造コストを低減できる。
【0041】
また、これらのような帯電ローラや現像ローラを吸着部として用いる場合、これらのローラは、像担持体に対してアゲンスト回転するように設定されていることが好ましい。
【0042】
ここで、帯電・現像ローラがアゲンスト回転する、とは、帯電・現像ローラが、像担持体と同方向に回転することである。
この場合、帯電・現像ローラと像担持体とは、帯電領域あるいは現像領域において、互いに対向する表面の移動方向が逆方向となる(帯電・現像ローラの表面と像担持体の表面とが、互いにすれちがうように移動する)。ここで、帯電領域(現像領域)とは、帯電ローラ(現像ローラ)と像担持体とが対向する部位における、像担持体上の領域である。
【0043】
従って、この場合、像担持体の残留異物は、帯電領域(現像領域)への進入位置で帯電ローラ(現像ローラ)に吸着され、ローラの回転に伴って、帯電領域から離れる方向に移動させられる。
【0044】
これにより、像担持体上の異物が帯電領域(現像領域)を通過することを回避でき、ローラと像担持体との間に食い込むこと(および像担持体・ローラを傷つけること)を防止できる。
また、帯電領域(現像領域)に残留異物が残らないので、この異物が帯電(現像)の妨げとならない。
【0045】
また、特に、吸着部として、像担持体とアゲンスト回転する帯電ローラを用いる場合、帯電ギャップ(像担持体と帯電ローラとの間隔)への残留異物の進入を阻止できる。このため、サイズの大きな残留異物にあわせて帯電ギャップを広げる必要がなく、帯電ギャップを狭くできる。そして、このように帯電ギャップの間隔を狭くできることにより、気中放電における放電開始電圧を示す「パッシェの実験式」からも明らかなように、帯電バイアスを低くできる。従って、本除去機構あるいは印刷装置の小型化を図れる。
【0046】
なお、帯電ローラと像担持体とがウイズ回転している場合(互いに逆方向に回転している場合)、帯電ローラは、除去した残留異物を抱えたまま帯電領域を通過することになる。しかしながら、帯電領域の下流側(像担持体にとっての下流側)では、像担持体の表面電位が帯電バイアス(直流)とほぼ同一の電位に帯電されているため、像担持体の異物吸着力が、帯電ローラとあまり変わらない状態となっている。従って、ウイズ回転においては、像担持体から残留異物を静電的に回収する能力が大幅に減少してしまう。
【0047】
これに対し、本除去機構では、アゲンスト回転であるため、帯電ローラが、帯電領域の上流側(像担持体の残留異物が帯電領域に進入する側)で、残留異物を像担持体から除去する。このため、像担持体の吸着力の影響を回避できる。
【0048】
また、本除去機構では、帯電ローラが像担持体に対してアゲンスト回転しているため、帯電領域における帯電ローラの表面(帯電面)と像担持体の表面(被帯電面)との、相対走行距離を拡大できる。
このため、帯電ローラの部分的な抵抗値変動等による帯電変動を抑制できるので、像担持体における帯電特性(帯電の均一性)を向上させられる。
【0049】
また、本除去機構では、帯電ローラが像担持体に対してアゲンスト回転しているため、帯電領域に、新たに帯電面となるローラ面が、帯電領域の下流側から進入する。
【0050】
よって、像担持体への帯電動作に伴って、帯電ローラ自身の内部で容量成分の帯電による電圧降下の起きた場合でも、内部電圧降下による像担持体帯電電位の低下を緩和できる。
また、帯電領域の下流側では、像担持体の表面電位は帯電の進行に伴って上昇している。このため、表面電位の上昇に伴って、帯電電流密度(面積に対する)も減少することにより、帯電ローラ内部での抵抗成分による電圧降下による像担持体の帯電電位低下を緩和する作用も働く。
【0051】
なお、この効果は、帯電ローラの抵抗値が高い場合、特に顕著となる。すなわち、帯電ローラの抵抗が高い場合、容量成分の帯電による電圧降下、および、抵抗成分による電圧降下が顕著となり、像担持体を正規の帯電電位まで上昇させることが困難となるからである。
【0052】
また、本発明にかかる異物除去方法(本除去方法)は、電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去方法において、像担持体上の異物を攪乱部材によって攪乱する攪乱工程と、攪乱後の異物を吸着バイアスによって吸着する吸着工程とを含み、上記の攪乱工程が、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替える帯電切り替え工程を含んでいることを特徴としている。
【0053】
本除去方法は、上記した本除去機構において使用されている方法である。すなわち、本異物除去方法では、残留異物を攪乱部材から除去するために、攪乱電圧の極性を変えることで、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替えるようになっている。
【0054】
すなわち、本除去方法では、攪乱部材に正の攪乱電圧を印加することで、攪乱部材から正帯電した残留異物を除去できる。一方、攪乱部材に負の攪乱電圧を印加することで、攪乱部材から負の残留異物を除去できる。
これにより、本除去方法では、残留異物が正負いずれの極性を有している場合でも、この残留異物を攪乱部材から除去することが可能となっている。
【0055】
また、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替えることで、一方の極性を有する残留異物を過剰に引きつけてしまうことを防止できる。
また、残留異物の帯電特性に応じて、攪乱電圧を正とする時間と負とする時間とを調整する(残留異物の平均的な極性と同極性とする時間を長くする)ことで、残留異物の付着をより効率よく抑制できる。
【0056】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について説明する。
本実施の形態にかかる印刷装置(本印刷装置)は、トナーおよびキャリアを含む2成分現像材を用いて、画像データに応じた画像をシート(印刷用紙)に印刷する電子写真方式の印刷装置である。また、本印刷装置の現像方式は、反転現像である。
【0057】
図1は、本印刷装置の構成を示す説明図である。
この図に示すように、本印刷装置は、感光体1の周囲に、LSU11,現像装置21,転写装置31,異物攪乱装置41,帯電装置51を、露光位置(LSU11によるレーザ光12の照射位置)から、感光体1の回転方向に沿って、この順に配設している構成を有している。
【0058】
感光体(像担持体)1は、矢印R方向(時計回り)に回転駆動される感光体ドラムである(プロセス速度;130mm/s)。
この感光体1は、接地された導電性素管2の表面に、有機光導電材料等の電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)等からなる膜3を形成した構成を有している。そして、感光体1は、その表面に、帯電電荷による静電潜像(潜像)、および、静電潜像を現像してなるトナー像の形成を受けるようになっている。
【0059】
帯電装置51は、帯電領域5(感光体1における帯電装置51との最近接部分;帯電ローラ52と感光体1との間で気中放電が起きる領域(例えば、帯電ローラ52に印加する電圧の最大値をパッシェの実験式に代入することにより求められる))において、感光体1の表面を、所定の電位に均一にマイナス帯電(−600V)させるものである。
【0060】
図1に示すように、帯電装置51は、帯電ローラ52,帯電バイアス電源53,クリーニングフィルム54,バネ55を有している。
【0061】
バネ55は、自身の付勢力により、帯電ローラ52を、感光体1と接触しない状態で、感光体1に近接して配置するためのものである。
すなわち、このバネ55は、帯電ローラ52の放電面と、この面に対向する感光体1表面との間隔(帯電ギャップC)を適切な値となるように制御するものである。
【0062】
帯電ローラ52は、導電性素管52aと、その表面を覆う抵抗層52bを備えたマグネットローラである。そして、導電性素管52aに印加される帯電バイアス電源53の帯電バイアスを用いて、抵抗層52bを介して感光体1表面を帯電(−600V)させる機能を有している。
【0063】
また、帯電装置51は、帯電領域5において、感光体1の異物(プラス帯電しているもの)を除去する機能(異物除去機構としての機能)も有しているが、これについて(およびクリーニングフィルム54について)は、後に詳細に説明する。
【0064】
LSU(レーザービームスキャナーユニット;露光装置)11は、矢印R方向に沿って帯電装置51よりも下流側に、感光体1から離れた状態で配置されている。そして、図1に示すように、LSU11は、レーザ光源11aを有しており、帯電された感光体1の表面を、画像データに応じて変調したレーザ光12によって露光(走査)する機能を有している。これにより、LSU11は、感光体1の表面における帯電電荷(マイナス)を選択的に消失させ、画像データに応じた静電潜像を形成するようになっている。
【0065】
現像装置21は、現像領域4(感光体1における現像装置21との最近接部分)において、感光体1の静電潜像をトナー61によって反転現像し、感光体1上にトナー像を形成するものである。
ここで、反転現像とは、感光体1の静電潜像における電荷消失部分(露光部分)にトナーを吸着させるタイプの現像方式である。また、反転現像では、感光体1の帯電極性をマイナスとしたとき、トナー61の主帯電極性は、感光体1と同極性のマイナスとなる。
【0066】
図1に示すように、現像装置21は、トナー61・キャリア62を含む2成分の現像剤60を収容する現像槽22、この現像槽22内に収容された現像ローラ23および層厚規制部材24、および、現像ローラ23に現像バイアスを印加するための現像バイアス電源25を備えている。
【0067】
現像槽22は、現像剤60を収容するとともに、内部に備えられた攪拌ローラ(図示せず)によって現像剤60を攪拌し、所定の電位(マイナス)に帯電させるものである。
【0068】
現像剤60は、例えばスチレンアクリルからなる磁性トナーであるトナー61と、マグネタイトやフェライト等の無機磁性体からなるキャリア62(トナーキャリア、図1中、「キャ」で示す)とを含む2成分現像剤である。
【0069】
現像ローラ(吸着部)23は、現像ギャップB(例えば2mm)を介して、感光体1に対向するように設けられているローラである。
そして、現像ローラ23は、現像バイアス電源25から印加される所定の現像バイアス(−400V)を用いて、現像槽22内のトナー61を自身の周囲に磁気ブラシの形態で付着させる。そして、このマイナス帯電しているトナー61を、感光体1上の静電潜像における電荷消失部分に吸着させ、静電潜像を可視像(トナー像)化するものである。
【0070】
また、層厚規制部材24は、自身と感光体1との間隔(ドクターギャップA;例えば1.5mm)を調節するとともに、図示しない電源から所定のバイアスを用いて、現像ローラ23に付着するトナー層の厚さを調節する。そして、この調節により、感光体1に供給されるトナー量を制御するようになっている。
【0071】
また、現像装置21は、現像領域4において、感光体1上の異物(マイナス帯電しているもの)を除去する機能(異物除去機構としての機能)も有しているが、これについては後に詳細に説明する。
【0072】
転写装置(転写部)31は、感光体1上のトナー像をシートPに転写するものであり、転写ローラ32および転写バイアス電源33を備えている。
転写ローラ(転写部)32は、感光体1の回転に従動的に回転することで、シートPを、感光体1と転写ローラ32とのニップ部(転写領域)に搬送し、感光体1に圧接させる。
そして、この転写ローラ32は、転写バイアス電源33から印加される所定の転写バイアス(+2kV)を用いて、感光体1上のトナー像(マイナス帯電)をシートP側に引きつけ、ここに転写させる機能を有している。
【0073】
異物攪乱装置(帯電調整部材)41は、帯電装置51,現像装置21とともに、本印刷装置における異物除去機構の一部をなすものであり、その構成・機能については後述する。
【0074】
次に、本印刷装置における異物除去機構(本除去機構)について説明する。
一般に、電子写真方式の印刷装置では、シートにトナー像を転写した後、トナー像の一部が感光体ドラムに残留する。また、シートから出る紙粉や、現像材中のキャリア等も、感光体1表面に付着していることもある。
【0075】
そして、本除去機構は、感光体1の表面を清掃することによって、これらのような残留トナー,紙粉,キャリア等を感光体1の表面から除去し、再利用可能なもの(トナーやキャリア)を現像装置21(現像槽22)に回収するためのものである。
【0076】
本除去機構は、上記したように、異物攪乱装置41,帯電装置51,現像装置21を含むものである。
ここで、異物攪乱装置41は、感光体1上の異物の凝集塊を攪乱(攪拌)してほぐすものである。また、帯電装置51は、プラス帯電している異物を除去(吸着)するためのものである。また、現像装置21は、マイナス帯電している異物を除去(吸着)するものである。
以下に、各部材41,21,51の構成(主に異物除去機構としての構成)について説明する。
【0077】
まず、異物攪乱装置(帯電調整部材)41について説明する。
上記したように、異物攪乱装置41は、感光体1上の異物の凝集塊を攪乱(攪拌)してほぐすことによって、帯電装置51(帯電ローラ52)および現像装置21(現像ローラ23)による異物の吸着効率を高めるためのものである。
【0078】
ここで、感光体1上の異物とは、例えば、転写工程後にシートPに転写されずに感光体1上に残留したトナー(残留トナー;図1に示す負残留トナー61aおよび正残留トナー61b)や、キャリア62(図1に「キャ」で示す)、あるいは、感光体1の表面に付着した紙粉63(図1中、「紙」で示す)等の残留異物のことである。
【0079】
図1に示すように、異物攪乱装置41は、帯電装置51よりも矢印R方向に沿って上流側(帯電領域5の上流側)に配置されており、導電性ブラシ42および攪乱電圧電源43を備えている。
【0080】
導電性ブラシ(攪乱部材)42は、その先端を感光体1の表面と接触するように配設されたブラシであり、感光体1上における異物の凝集塊を攪乱するものである。
攪乱電圧電源(電源)43は、この導電性ブラシ42に対し、転写バイアスと同極性(プラス)の、直流の攪乱電圧(ブラシバイアス;+500V)を印加するためのものである。
これにより、異物攪乱装置41では、感光体1上の異物の電荷を調節できるようになっている。
【0081】
すなわち、本印刷装置では、マイナス帯電させた感光体1表面を露光して静電潜像を形成し、この潜像の電荷消失部分に、現像装置21によってマイナス帯電させたトナー61を吸着させる反転現像を行うようになっている。
従って、トナー61は、転写領域までは、ほぼ全てがマイナス帯電している。また、転写領域を越えて感光体1に残留した場合、+2kVの転写バイアスのために、トナー61の帯電量はブロードな分布となっており、全体(平均値)としてプラス帯電となる。
すなわち、転写領域を越えた直後の残留トナーは、若干の負残留トナー61a(マイナス帯電している残留トナー)と、大半を占める正残留トナー61b(プラス帯電している残留トナー)とが混在した状態となっている。
【0082】
そして、異物攪乱装置41では、導電性ブラシ42にプラスの攪乱電圧(直流)を印加することで、残留トナーをより正帯電側にシフトさせ感光体1における正残留トナー61bを増加させ、後述する帯電ローラ52による異物吸着効率を向上させるようになっている。
また、この導電性ブラシ42における直流の攪乱電圧により、トナー以外の異物(例えば紙粉63およびキャリア)も、プラスに帯電することとなる。
【0083】
また、本印刷装置では、攪乱電圧電源43によって、導電性ブラシ42に交流電圧(交番電圧)を印加することも可能であるが、これについては後述する。
【0084】
次に、帯電装置51について説明する。
帯電装置51は、上記した感光体1を一様に帯電する機能に加えて、転写後に感光体1上に残留している異物のうち、プラス帯電しているものを感光体1から除去する機能を有している。
ここで、プラス帯電している異物(正異物)とは、正残留トナー61b(図1中、「+」にて示す),キャリア62(図1中、「キャ」にて示す)および紙粉63(図1中、「紙」で示す)を挙げられる。
【0085】
すなわち、帯電装置51は、これらの正異物(およびその凝集魂)を、抵抗層52bの表面に吸着することで感光体1の表面から除去する、帯電兼クリーニング装置である。
【0086】
図1に示すように、帯電領域5は、上記した帯電ローラ52,帯電バイアス電源53,バネ55に加えて、クリーニングフィルム54を備えている。
帯電ローラ(吸着部)52は、図示しない駆動系によって、図1に示した矢印G方向、すなわち、感光体1の回転方向(R)と同方向に回転(アゲンスト回転)するように設定されている。
【0087】
すなわち、帯電ローラ52と感光体1とは、互いに異なる駆動系により、帯電領域5において、互いに対向する表面の移動方向が逆方向となるように設定されている。
また、帯電ローラ52は、上記したように、導電性素管52aと、その表面を覆う抵抗層52bを備えており、さらに、抵抗層52bより内側にマグネットを備えたマグネットローラとなっている。
【0088】
そして、帯電ローラ52は、導電性素管52aに印加される帯電バイアス電源53の帯電バイアスを用いて、抵抗層52bを介して感光体1表面を帯電(−600V)させるとともに、感光体1に残留している異物を、電気的および磁気的に吸着する機能を有している。
【0089】
帯電バイアス電源53は、帯電ローラ52に帯電バイアスを印加するものである。本印刷装置では、この帯電バイアスは、直流電圧(−600V)に、交流電圧(ピーク間電圧1.8KVpp、周波数900Hz)を重畳した重畳電圧(帯電重畳電圧)となっている。
【0090】
クリーニングフィルム(清掃部,回収部材)54は、帯電ローラ52に当接するように設けられ、帯電ローラ52に吸着された異物を掻き取ることで、帯電ローラ52の表面を清掃するものである。
【0091】
また、クリーニングフィルム54は、掻き取った異物を現像装置21の現像槽22内に搬送(回収)する機能も有しており、クリーニングブレードとトナー搬送スクリューとを含んでいる。
なお、このクリーニングフィルム54の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを使用できる。
【0092】
次に、現像装置21について説明する。
現像装置21は、静電潜像を現像してトナー像を形成する機能に加えて、転写後に感光体1上に残留している異物のうち、マイナス帯電しているものを感光体1から除去・回収する機能を有している。
【0093】
ここで、マイナス帯電している異物(負異物)とは、例えば、負残留トナー61a(図1中、「−」にて示す)や紙粉63等を挙げられる。
すなわち、現像装置21は、これらの負異物(およびその凝集魂)を、現像ローラ23の表面に吸着することで感光体1の表面から除去する、現像兼クリーニング装置である。
【0094】
上記したように、現像装置21は、現像槽22、現像ローラ23,層厚規制部材24、現像バイアス電源25を備えている。
また、図1に示すように、現像ローラ23は、マグネットロール23a、および、これを覆うスリーブ23bを備えている。
【0095】
そして、現像ローラ23では、マグネットロール23aから発生する磁力により、スリーブ23bの表面にトナー61を磁気的に吸着するとともに、同じくスリーブ23bの表面に、磁気ブラシ(図示せず)を形成できるように設定されている。
【0096】
すなわち、現像ローラ23は、現像領域4において感光体1にトナー61を供給して静電潜像を現像する一方、現像領域4よりも矢印R方向上流側において、感光体1表面に残留している負異物を磁気ブラシで摺擦することで、感光体1表面から、静電的あるいは機械的に除去するようになっている。
【0097】
なお、現像ローラ23に吸着された負異物(特に負残留トナー61a)は、現像ローラ23の回転に伴って、現像ローラ23よりも奥に備えられている現像槽22に戻される。その後、負残留トナー61aには、現像槽22内において、現像槽22に設けられた攪拌ローラ(図示せず)により、十分な攪拌帯電が与えられる。
【0098】
次に、本印刷装置の印刷プロセスについて簡単に説明する。
まず、感光体1の表面を、帯電装置51によって均一に帯電させる。次に、均一帯電された感光体1の表面を、LSU11のレーザ光源11aから照射されるレーザ光12によって露光する。この露光は、外部入力された画像データに基づいてレーザ光12を変調しながら、主走査方向に1ライン単位で順次的に行われる。これにより、感光体1上に静電潜像が形成される(露光工程)。
【0099】
次に、感光体1の回転に伴って静電潜像が現像領域4を通過する際に、現像装置21(現像ローラ23)によって、この潜像にトナー61を供給する。これにより、トナー61が静電潜像の露光部分に静電吸着し、静電潜像がトナー像として可視像化(トナー像化)される(現像工程)。
【0100】
そして、感光体1上のトナー像を、感光体1と転写装置31とのニップ部(転写領域)を通過する際に、給紙カセット(図示せず)から給紙されたシートPに転写する(転写工程)。
【0101】
その後、シートPを定着装置(図示せず)に搬送し、ここでトナー像をシートPに定着させ、永久可視像化する。そして、定着済みのシートPを、排出ローラにより排出トレイ上に排出する(ともに図示せず)。
【0102】
また、転写領域においてシートPに転写されずに感光体1上に残留した残留トナー等の残留物は、導電性ブラシ42により攪乱(攪拌)されてほぐされる一方、導電性ブラシ42により、転写バイアスと同極性のプラスの攪乱電圧(直流)が印加される。
【0103】
その後、感光体1上のプラス帯電した残留物、特に、正残留トナー61bおよびキャリア62を、帯電ローラ52によって、帯電領域5よりも矢印R方向上流側で、磁気的あるいは静電的に吸着されてクリーニングする。そして、帯電ローラ52に吸着された残留物を、クリーニングフィルム54により帯電ローラ52から除去し、現像槽22内に戻す(第1クリーニング工程)。
【0104】
また、帯電領域5を通過した後にも感光体1上に残留している、マイナス帯電の残留物(負残留トナー61a)を、現像領域4よりも矢印R方向の上流側で、現像ローラ23に形成された磁気ブラシによる摺擦によって、静電的あるいは機械的に除去し、現像槽22内に戻す(第2クリーニング工程)。
【0105】
そして、残留物の除去された感光体1を、帯電ローラ52によって再度均一帯電し、次の印刷のための露光,現像,転写,第1・第2クリーニング工程を繰り返す。
【0106】
以上のように、本除去機構では、感光体1上に残留している正異物を帯電ローラ52で除去(吸着)する一方、負異物を現像ローラ23で除去(吸着)するように設定されている。
【0107】
これにより、本除去機構によれば、感光体1上に残留している異物を除去するための専用のクリーニング装置(クリーニングブレードなど)を必要としない。従って、本印刷装置の小型化を図れる。
また、クリーニングブレードを使用する場合に生じる感光体1の膜減り、摺擦痕の発生、異物の融着を防止できるとともに、感光体1の負荷トルクを低減することが可能となる。
【0108】
また、帯電装置51では、帯電ローラ52に付着した異物を除去して帯電ローラ52の表面を清掃するためのクリーニングフィルム54を備えている。
これにより、帯電ローラ52に対する異物(残留トナー)の蓄積を防止できるので、帯電ローラ52の帯電特性の悪化および異常放電を防止でき、その帯電特性を安定させられる。従って、画像かぶりの発生を回避することが可能となる。
【0109】
また、クリーニングフィルム54のない場合、帯電ローラ52によって吸着された異物(正残留トナー61b)は、再び感光体1に戻ってしまうおそれがある。
これに対し、本印刷装置では、クリーニングフィルム54によって、正残留トナー61bを現像槽22内に回収するので、感光体1に戻してしまうことを回避できる。
【0110】
また、帯電装置51では、クリーニングフィルム54によって帯電ローラ52から除去した正残留トナー61b等の異物を現像槽22に戻すように設定されている。これにより、正残留トナー61bに、負残留トナー61a同様、現像槽22内において十分な攪拌帯電を与えられる。この結果、正残留トナー61bについても再利用が可能となる。
【0111】
また、クリーニングフィルム54を設けることにより、感光体1上の異物を回収するための回収装置を帯電装置51とは別に設ける必要がない。このため、印刷装置の構造の簡素化を図れる。
【0112】
また、帯電装置51では、帯電ローラ52を、感光体1と同方向に回転させる(感光体1に対してアゲンスト回転させる)ように設定されている。
すなわち、帯電ローラ52と感光体1とが互いに異なる方向に回転する(ウイズ回転;両者の最近接位置は同方向に移動する)場合、感光体1上の異物は、たとえ帯電領域5の上流側で帯電ローラ52に吸着されたとしても、その後、帯電ローラ52と感光体1との間に挟まれた状態で帯電領域5を通過し、帯電領域5の下流側で感光体1から離れることになる。
このため、異物のサイズが大きい場合には、帯電ギャップに食い込んでしまい、感光体1,帯電ローラ52の回転の負荷を高めてしまう。また、このような異物が比較的硬い(キャリア63など)場合には、感光体1・帯電ローラ52の表面を傷めてしまうおそれもある。
さらに、異物を介して異常放電を起こし、帯電ムラ、および、感光体ならびに帯電ローラの損傷を招くおそれもある。
【0113】
また、正残留トナー61b等の異物を挟んだまま帯電領域5を通過すると、帯電バイアスによって異物が帯電される一方、その下の感光体1部分が帯電されないことがある(未帯電部分が生じる)。このため、現像装置21において異物が除去されたとしても、上記部分の帯電量が小さいため、ここに現像にかかるトナーが吸着されてしまい、画像かぶりの原因となる。
【0114】
一方、帯電ローラ52が感光体1に対してアゲンスト回転する場合には、帯電領域5の上流側(R方向の上流側)で帯電ローラ52に吸着された異物は、帯電ローラ52の回転に伴って、帯電領域5から離れる方向に移動させられる。
これにより、感光体1上の異物が帯電領域5(帯電ギャップC)を通過することを回避でき、これが帯電ギャップCに食い込むこと(および感光体1・帯電ローラ52を傷つけること)を防止できるとともに、感光体1における上記のような未帯電部分の発生を防止できる。
【0115】
また、帯電装置51では、帯電ギャップCへの異物の進入を阻止できることから、サイズの大きな異物(例えばキャリア62)にあわせて帯電ギャップCを広げる必要がないため、帯電ギャップCを狭くできる。
このように帯電ギャップCの間隔を狭めることにより、気中放電における放電開始電圧を示す「パッシェの実験式」からも明らかなように、帯電バイアスを低くできる。さらに、帯電装置51の小型化を図れる。
【0116】
また、帯電ローラ52に上記した帯電重畳電圧を印加する場合、帯電領域5の下流では、感光体1の表面電位が帯電重畳電圧の直流成分とほぼ同一の電位に帯電されている。従って、ウイズ回転においては、感光体1から正異物を静電的に吸着する能力が大幅に減少してしまう。
【0117】
これに対し、アゲンスト回転では、正残留トナー61bは、感光体1への帯電が開始される帯電領域5よりも感光体1の回転方向上流側近傍で帯電ローラ52に吸着、搬送される。このため、帯電重畳電圧の直流成分を、正残留トナー61bの静電吸着に有効に利用できる。
【0118】
さらに、反転現像においては、現像時に、現像にかかるトナーと逆に帯電している異物(本実施の形態では正異物)が感光体1に残留していると、トナーが異物に吸着されやすくなる。従って、このような異物が未露光部に残留している場合、画像かぶり(帯電ムラ;白地汚れ)を顕著に発生させてしまうという問題もある。
【0119】
また、帯電ローラ52では、帯電ローラ52が感光体1に対してアゲンスト回転しているため、帯電領域5における帯電ローラ52の帯電面と感光体1の被帯電面との、相対走行距離を拡大できる。
このため、帯電ローラ52の部分的な抵抗値変動等による帯電変動を抑制できるので、感光体1の帯電特性(帯電の均一性)を向上させられる。
【0120】
また、帯電ローラ52では、感光体1に対してアゲンスト回転しているため、帯電領域5(帯電ギャップC)に、新たに帯電面となる面が、帯電領域5の下流側から進入する。よって、感光体1の帯電動作に伴って、帯電ローラ52自身内部で容量成分の帯電による電圧降下が起きた場合でも、内部電圧降下による感光体1帯電電位の低下を緩和できる。
【0121】
また、帯電領域5の下流側では、感光体1の表面電位は帯電の進行に伴って上昇している。このため、表面電位の上昇に伴って、帯電電流密度(面積に対する)も減少することにより、帯電ローラ52内部での抵抗成分による電圧降下による、感光体1の帯電電位低下を緩和する作用も働く。
【0122】
なお、この効果は、帯電ローラの抵抗値が高い場合、特に顕著となる。すなわち、帯電ローラの抵抗が高い場合、容量成分の帯電による電圧降下、および、抵抗成分による電圧降下が顕著となり、感光体1を正規の帯電電位まで上昇させることが困難となるからである。
【0123】
また、帯電装置51では、帯電バイアスとして、マイナスの直流電圧に交流成分を加えた帯電重畳電圧を帯電ローラ52に印加するようになっている(−600Vの直流成分に、ピーク間電圧1.8kV,周波数900Hzの交流成分を加えている)。
【0124】
これにより、マイナスの直流成分によって、感光体1の表面を一様に帯電させられるとともに、正異物(特に正残留トナー61b)を帯電ローラ52に静電吸着させられるようになっている。
【0125】
そして、交流成分によって、感光体1表面の正負の異物を振動させられる(加振できる)。これにより、感光体1からの異物の離脱を促進し、正残留トナー61bを効率よく静電吸着できるので、正残留トナー61bの除去効率を高められる。
【0126】
すなわち、直流成分に交流成分を重畳することにより、帯電領域5への進入位置近傍(R方向上流側)で、感光体1上の正残留トナー61bに交流静電力(交番静電力)が作用する。
これにより、正残留トナー61bの感光体1からの離脱を促進でき、離脱した正残留トナー61bがクラウド状になる。これにより、帯電ローラ52の吸着効率を高められる。
【0127】
なお、ミクロにみれば、交流電界からの反撥力が正残留トナー61bに作用するタイミングもある。しかしながら、直流成分が作用しているので、マクロでは、正残留トナー61bを効率よく吸着できる。
【0128】
また、帯電装置51では、帯電ローラ52が、抵抗層52bより内側にマグネットを備えたマグネットローラとなっている。これにより、感光体1上の異物を、静電力だけでなく、磁気力(磁気吸引力)によっても除去できるようになっている。
【0129】
すなわち、質量の大きいキャリア62を静電吸着する場合、帯電ローラ52にかかる負担が大きくなるため、吸着効率が悪くなる。これに対し、静電力に加えて磁気吸引力をキャリア62に作用させることで、その吸着効率を高めることが可能となる。
【0130】
また、本除去機構では、帯電領域5の上流側に、導電性ブラシ42を有する異物攪乱装置41を設けている。
これにより、感光体1表面の異物を攪乱(攪拌)し、ほぐすことによって、帯電ローラ52・現像装置21による異物の吸着効率を高められる。
【0131】
また、異物攪乱装置41では、ブラシ構造の導電性ブラシ42を備えている。これにより、ほぐされた異物がブラシの隙間を通り抜けられるので、導電性ブラシ42における異物の滞留を防止でき、異物の攪乱を良好に行える。さらに、感光体1表面に傷を付けてしまうことを防止できる。
【0132】
また、導電性ブラシ42では、プラスの攪乱電圧を異物(残留トナーなど)に印加するようになっている。
これにより、感光体1上の異物の極性をプラス側にシフトさせられるので、帯電ローラ52による吸着効率を向上できる。
【0133】
また、攪乱電圧により、現像時に設定された異物(トナー61)の電荷を喪失させられる。これにより、このトナー61が感光体1から除去されずに転写領域に再進入した場合でも、トナー像メモリによる画像ノイズ(黒点)を防止できる。
また、導電性ブラシ42の攪乱電圧によって、感光体1上に残留している残留電位を平坦化できるとともに、感光体1の電位および異物の電圧を調整すること可能となる。
【0134】
また、本印刷装置では、感光体1に残留した負異物(特に負残留トナー61a)を現像ローラ23によって吸着・回収し、さらに、回収した負残留トナー61aを現像槽22に戻し、現像槽22内の攪拌ローラによって十分な攪拌帯電を与えるようになっている。
これにより、回収された負残留トナー61aの電荷を所定の電荷量に調整できるので、再度、現像に利用できる。この結果、トナー像メモリを防止し、回収された負残留トナー61aを再利用することが可能となる。
【0135】
ここで、本除去機構の異物攪乱装置41において、導電性ブラシ42に交流電圧(交番電圧)を印加する点について説明する。
【0136】
上記したように、本除去機構では、転写領域までは、ほぼ全てのトナー61がマイナス帯電している。そして、転写領域を越えて感光体1に残留した場合、+2kVの転写バイアスのために、残留トナーの帯電量はブロードな分布となっており、全体(平均値)としてプラス帯電となる。このとき、残留トナーは、若干の負残留トナー61aと、大半を占める正残留トナー61bとが混在した状態となっている。
【0137】
そして、異物攪乱装置41では、攪乱電圧電源43が、導電性ブラシ42にプラスの攪乱電圧を印加することで、残留トナー(および他の異物)を正帯電側にシフトさせ、感光体1における正残留トナー61bを増加させて、帯電ローラ52による異物吸着効率を向上させるようになっている。
【0138】
しかしながら、このような導電性ブラシ42を用いて攪乱を行うと、導電性ブラシ42に対し、残留トナーが付着・蓄積してしまうことがある。
すなわち、残留トナーの帯電量分布は、平均値としてプラス帯電を示す。しかしながら、残留トナーの中には、プラス帯電であっても、帯電量(電荷量)の小さな静電反撥力の弱いもの、あるいは、帯電量していないものや、若干のマイナス帯電を有するものもある。
そして、これらの残留トナーが、導電性ブラシ42との間に働く分子間力や粘着力等により、導電性ブラシ42に付着・蓄積する(マイナス帯電の残留トナーでは、分子間力・粘着力と静電吸引力との相乗効果が作用する)。
【0139】
そこで、本除去機構では、ユーザーの指示に応じて、攪乱電圧電源43が、導電性ブラシ42に対して、交流電圧に直流電圧(DCバイアス)の重畳された重畳電圧(攪乱重畳電圧;AC重畳バイアス)を攪乱電圧として印加するようになっている。
このような攪乱重畳電圧は、例えば、130mm/sのプロセス速度において、振幅;1kVp-p、周波数;500〜2000Hz、DCバイアス;+500Vである。
【0140】
これにより、図2に示すように、導電性ブラシ42に正残留トナー61bが蓄積してしまっても、導電性ブラシ42に印加される瞬間的な電圧値(正)が大きくなるので、図3に示すように、これら正残留トナー61bを導電性ブラシ42から電気的に除去できる。
【0141】
また、導電性ブラシ42の電圧が瞬間的に負の値になるので、導電性ブラシ42に付着している負残留トナー61aについても除去できる。
【0142】
さらに、攪乱電圧電源43が攪乱重畳電圧を印加することにより、導電性ブラシ42に付着している残留トナー61a・61bの双方に対する静電力の値・極性を振動(変動)させられる。
従って、残留トナー61a・61bを静電力によって揺動させられるので、分子間力や粘着力によって導電性ブラシ42に付着している残留トナー61a・61bについても、導電性ブラシ42から除去することが可能となる。
【0143】
また、このような攪乱重畳電圧を攪乱電圧電源43に印加すると、感光体1上の残留トナーの帯電量が、負極性側にシフトするタイミングがある。この領域が帯電領域に移行した際に、帯電ローラ52による残留トナー61の回収効率が僅かに下がる時間が生じる可能性がある。
しかしながら、本除去機構では、帯電ローラ52による正残留トナー61bの回収だけでなく、感光体1に対してアゲンスト回転している現像ローラ23による負残留トナー61aの回収(感光体1に対してアゲンスト回転している磁気ブラシによる、機械的および静電的な回収)を行っているため、何ら問題はない。
【0144】
また、攪乱電圧として攪乱重畳電圧を印加する際には、導電性ブラシ42に接触している感光体1の表面が、非画像領域であること(画像領域でないこと)が好ましい。
【0145】
ここで、画像領域とは、感光体1における表面の領域であって、導電性ブラシ42の前を通過するとき、これから1回転するまでの間(導電性ブラシ42の前に戻るまでの間)に、画像が形成される(露光される)領域のことである。
一方、非画像領域とは、画像領域以外の、感光体1における表面の領域(感光体1における表面の領域であって、導電性ブラシ42の前を通過するとき、これから1回転するまでの間に、画像が形成されない(露光されない)領域)のことである。
【0146】
すなわち、導電性ブラシ42に印加する攪乱電圧として攪乱重畳電圧を用いると、導電性ブラシ42に付着・蓄積していた残留トナーが、感光体1の表面に移動する。従って、この表面部分の残留トナー量が多くなるので、帯電ローラ52,現像ローラ23によって、全ての残留トナーを除去できない可能性がある。このため、このような領域に画像を形成すると、帯電不良、露光不良を発生させ、画像劣化を生じさせてしまうことがある。
【0147】
そこで、本除去機構では、1回転の間に画像形成の行われない非画像領域が導電性ブラシ42の前にきたとき(導電性ブラシ42が非画像領域に接触しているとき)に、攪乱電圧電源43が、導電性ブラシ42に攪乱重畳電圧を印加し、導電性ブラシ42に蓄積した残留トナーの除去を行うことが好ましい。これにより、上記のような画像劣化を防止できる。
【0148】
ここで、感光体1における非画像領域の具体例としては、前回転時,後回転時にLSU11の前に位置する領域、および、複数のシートに対する印刷を行う際にシートの間隙(シートとシートとの間)に応じた領域を挙げられる。
なお、前回転時とは、外部から印刷指示(印字実行命令)を受けたときに、印刷に先立って行われる、定着装置のウォームアップ、現像槽22内での現像剤60の帯電、帯電装置51の立ち上げなど、本印刷装置を印刷可能な状態にするための一連の動作の行われている時間(印刷準備時間)である。
、また、後回転時とは、印刷指示に基づく最後の画像形成(露光)を終えた後の、シートの搬出,帯電停止など、本印刷装置を停止状態とするための一連の処理動作の行われている時間(停止準備時間)である。
【0149】
また、感光体1上の領域が非画像領域であるか否かについては、本印刷装置(あるいは本除去機構)の図示しない制御部によって判断される。
この制御部は、本除去機構の全ての(あるいは一部の)処理(印刷処理や異物除去処理)を制御するためのものである。特に、この制御部は、ユーザーの指示、あるいは、導電性ブラシ42に付着した残留トナー量を測定するセンサーの指示等に基づいて、本除去機構(特に攪乱電圧電源43)を制御し、導電性ブラシ42に印加する攪乱電圧の種類(直流か重畳電圧か)や大きさを調整する機能を有するものである。
【0150】
また、本除去機構では、上記したように、攪乱電圧電源43によって導電性ブラシ42に印加する攪乱電圧(直流)の極性を、転写バイアスと同極性のプラスとすることが好ましい。また、攪乱電圧電源43によって導電性ブラシ42に印加する攪乱重畳電圧の直流電圧(DCバイアス)についても、プラスとすることが好ましい。
【0151】
表1は、(a)攪乱電圧として+500Vの直流電圧を印加した場合、(b)同じく−500Vの直流電圧を印加した場合、(c)攪乱電圧を印加しない場合(フローティング)、(d)導電性ブラシ42を接地した場合(0V)における、画質の状態(トナー像メモリの有無)を示す表である(104Ω・cmの抵抗値を有する導電性ブラシ42を使用している)。
【0152】
【表1】
【0153】
また、図4は、上記の(a)(b)(d)の場合における、▲1▼現像時、▲2▼転写直前(未転写)、▲3▼導電性ブラシ42を通過した後、▲4▼帯電ローラ52による帯電後の、トナー61の帯電量を測定した結果を示すグラフである。
なお、図4において、縦軸はトナー61の帯電量(C)を示し、横軸は▲1▼〜▲4▼に示した状態(タイミング)を示す。また、図4中、「◇」は(b)、「□」は(d)、「△」は(a)、「○」は導電性ブラシ42を用いなかった(ブラシ無し)の場合を示す。
この図4に示すように、導電性ブラシ42に+500Vの直流電圧を印加した場合に、正残留トナー61bが多くなることがわかる。
【0154】
また、表1に示す結果から、導電性ブラシ42によって正残留トナー61bを増加させることにより、トナー像メモリを大幅に抑制できる(トナー61が現像時に有していた帯電量(初期の電荷)を喪失させられる)ことがわかる。
【0155】
また、導電性ブラシ42に印加する攪乱電圧の直流成分がマイナスであると、残留トナーの大半を占める正残留トナー61bを導電性ブラシ42で吸引してしまう。そこで、上記のように攪乱電圧の直流成分を転写バイアスと同極性とすることで、多量の正残留トナー61bを導電性ブラシ42で吸引することを防止できる。
【0156】
また、本除去機構では、攪乱電圧電源43によって導電性ブラシ42に印加する攪乱重畳電圧の直流成分を、放電開始電圧以上とすることが好ましい。これにより、帯電ローラ52による正異物の吸着効率を向上できる。
これは、接触帯電ローラで既に知られているように、電荷注入困難な絶縁体に対しては、放電開始電圧以上の電圧を印加することにより帯電可能となるからである。従って、電荷注入困難な感光体1のトナーに対しても、放電開始電圧以上の直流成分を有する攪乱電圧を印加することにより、有効な帯電電流を流すことが可能となり、トナーを確実に帯電させられる。
【0157】
また、導電性ブラシ42に印加する攪乱電圧の直流成分を、放電開始電圧以上とする場合には、上記と同様の理由により、導電性ブラシ42に接触している感光体1の表面が、非画像領域であること(画像領域でないこと)が好ましい。
【0158】
また、攪乱電圧として導電性ブラシ42に印加する攪乱重畳電圧を、静電力により導電性ブラシ42を振動させるような電圧とすることが好ましい。
これにより、導電性ブラシ42に付着した残留トナーを振り落とせるので、より効率よく残留トナーを除去でき、導電性ブラシ42に対するクリーニング性能を向上させられる。
【0159】
なお、導電性ブラシ42を振動させる場合、導電性ブラシ42の固有振動数近傍の周波数で振動させることで、より効率よく導電性ブラシ42を振動させられる。
【0160】
ここで、静電力による導電性ブラシ42の振動(静電振動)について、詳細に説明する。
導電性ブラシ42における一本々の繊維は弾性体であり、梁(はり)として扱える。すなわち、導電性ブラシ42に攪乱重畳電圧を印加したとき、導電性ブラシ42と感光体1との間には、静電力が作用する。この静電力は、感光体1の基材(アルミ素管)表面を境界面として作用する極性に無関係で吸引力のみである鏡像力と、感光体1表面の電荷により受ける極性により吸引力もしくは反発力となるクーロン力とから成り立つ。例えば、感光体1の表面電位が0Vの場合など、クーロン力に対して鏡像力が勝る場合は、交流成分(AC成分)の2倍の周波数成分の静電力となる。逆に、クーロン力が勝る場合は、交流成分(AC成分)と等しい周波数成分の静電力となる。
【0161】
これにより、導電性ブラシ42が振動する(加振される)。
【0162】
なお、攪乱重畳電圧によって発生する静電力の交流成分の周波数が、導電性ブラシ42における固有振動数に近い場合、即ち、攪乱重畳電圧の周波数成分が導電性ブラシ42における固有振動数の1/2倍もしくは等倍に近い場合、導電性ブラシ42における静電振動の振幅値が大きくなる。
また、導電性ブラシ42における固有振動数を算出する際には、上記したように、ブラシ繊維一本々を1つの梁として扱う。
すなわち、感光体1との接触点(ブラシ繊維の毛先)を支持端とする一方、繊維の根元が樹脂などで固定されている場合にはその根元を固定端として、振動梁としての計算を行う。また、ブラシ繊維が植毛されている場合は、その根元を第2の支持端として扱う。
【0163】
以下に、梁における固有振動数の算出について簡単に述べる。
梁の直径をd(cm)、長さをL(cm)、縦弾性係数をE(kg/cm2)、断面2次モーメントをI(cm4)、断面積をA(cm2)、単位体積当りの重さをγ(kg/cm3)、重力加速度をg=981(cm/s2)、境界条件に基づく係数をλとすると、固有振動数f(Hz)は、以下の(1)式によって求められる。
f=λ2/(2π・L2)・[E・I・g/(γ・A)]1/2 …(1)
ただし I=(π/64)・d4
固定端−支持端の時 λ=3.927
支持端−支持端の時 λ=π
なお、これらの式については、非特許文献1に詳細に説明されている。
また、ブラシ繊維の毛先は、感光体1に対して自由に動ける状態で接しており、毛先のなす角度が拘束されていないので、支持端として扱うことが妥当である(ただし、強烈な振動(加振)により、感光体1の表面に対して毛先が離接する場合は自由端となる)。
また、ブラシ繊維の根元が樹脂などで固定されている場合は、根元の角度が拘束されている(固定されている)ので、固定端として扱う
さらにブラシ繊維が植毛である場合、根元の角度に自由度があるので、支持端(第2の支持端)として扱うことが妥当である。
【0164】
このように、本除去機構では、攪乱電圧電源43が導電性ブラシ42に対して攪乱重畳電圧を印加することで、静電力によって導電性ブラシ42を振動させられる。従って、導電性ブラシ42に付着・蓄積した残留トナーを、より効率よく除去できるようになっている。
また、ブラシを機械的に振動させるための、専用の装置を別途に設ける必要がない。従って、このような機械振動の可能なブラシ(可動ブラシ;ある種のファーブラシ等)に比して、製造コストを小さくできる。
【0165】
また、図5に示すように、異物攪乱装置41に、導電性ブラシ42を収納するための筐体44を備えることが好ましい(導電性ブラシ42が筐体44に収容されていることが好ましい)。
この構成では、導電性ブラシ42に付着した残留トナーが落下あるいは飛散しても、これらを筐体44内に収容できる(あるいは、残留トナーを感光体1の表面に確実に戻せる)。これにより、残留トナーの落下・飛散による本印刷装置内の汚染や、シートに対する汚染を防止できる。
【0166】
また、上記したように、攪乱重畳電圧の印加による導電性ブラシ42からの残留トナーの除去は、導電性ブラシ42の前に感光体1の非画像領域が位置しているときに行われることが好ましい。
【0167】
ここで、導電性ブラシ42から感光体1上に戻される残留トナーは、帯電量が大幅に変動している。さらに、導電性ブラシ42のクリーニング(付着した残留トナーの除去)動作の際に、感光体1の非画像領域に対して一度に残留トナーが戻されるため、この領域では、残留トナーが部分的に大量に存在することになる。
【0168】
そこで、導電性ブラシ42から除去された残留トナーの存在する非画像領域が転写領域に進入したときに、転写ローラ32をフローティング状態(電気的な接続が取り除かれ、電気的に宙に浮いた状態)とすることが好ましい。
これにより、帯電ローラ52、現像ローラ23で回収しきれない残留トナーが転写領域にまで搬送された場合でも、転写バイアスによる強い電界により残留トナーが転写ローラ32に付着してしまう(静電的に吸着してしまう)ことを防止できる。
【0169】
従って、転写ローラ32の汚染を回避できるので、このような残留トナーが転写ローラ32からシートの裏面に転写(移行)され、シートの裏面を汚してしまうことを防止できる。
【0170】
また、この場合、感光体1上の残留トナーに転写バイアスを印加してしまうことを回避できる構成であれば、転写ローラ32をフローティング状態とする必要はない。
例えば、導電性ブラシ42から除去された残留トナーの存在する非画像領域が転写領域に進入したときに、転写ローラ32をフローティング状態とする代わりに、転写バイアス電源33を停止するようにしてもよい。
【0171】
また、本実施の形態では、導電性ブラシ42に印加する攪乱重畳電圧を、振幅;1kVp-p、周波数;500〜2000Hz、DCバイアス;+500Vとしている。しかしながら、攪乱重畳電圧のスペックはこれに限らず、導電性ブラシ42から残留トナーを効率よく除去できる値であれば、どのような値でもよい。攪乱重畳電圧のスペックは、トナー61,キャリア62の種類や、感光体1の材質,残留トナーの帯電分布,プロセス速度等に応じて、導電性ブラシ42から残留トナーを効率よく除去できる値に設定されることが好ましい。
【0172】
また、上記では、攪乱電圧電源43が導電性ブラシ42に交流電圧(交流電界)を印加することで、導電性ブラシ42に付着した残留トナー61a・61bの双方を除去するとしている。
しかしながら、これに限らず、導電性ブラシ42に直流の攪乱電圧を印加する構成であっても、その極性を交互に切り替えることで、導電性ブラシ42に付着した残留トナー61a・61bの双方を除去することが可能である。
【0173】
すなわち、導電性ブラシ42に正の攪乱電圧が印加されたときには、導電性ブラシ42から正残留トナー61bを除去できる一方、導電性ブラシ42に負の攪乱電圧が印加された場合には、導電性ブラシ42から負残留トナー61aを除去できるからである。
【0174】
また、攪乱電圧電源43が、導電性ブラシ42に印加する攪乱電圧(直流)の極性を切り替えるタイミングを調整することで、交流の攪乱電圧を印加する場合とほぼ同様の効果を得られる。
【0175】
また、残留トナーの帯電特性に応じて、攪乱電圧を正とする時間と負とする時間とを調整する(残留トナーの平均的な極性と同極性とする時間を長くする)ことで、残留トナーの付着をより効率よく抑制できる。
【0176】
また、本実施の形態では、本除去機構の攪乱電圧電源43が、導電性ブラシ42に対し、通常は直流の攪乱電圧を印加し、導電性ブラシ42に付着した残留トナーを除去する際、攪乱重畳電圧を印加するとしている。
【0177】
しかしながら、導電性ブラシ42に、このような攪乱電圧を常に印加する必要はない。すなわち、通常時には、導電性ブラシ42に電圧を与えなくてもよい。この場合、導電性ブラシ42は、感光体1の残留トナーを攪乱してほぐす機能だけを有することになる。
【0178】
また、付着した残留トナーを除去する際、重畳電圧ではなく、直流成分のない交流電圧を導電性ブラシ42に印加するようにしてもよい。
この構成においても、導電性ブラシ42の帯電極性の変化によって、負残留トナー61a・正残留トナー61bの双方の残留トナーを導電性ブラシ42から除去できる。また、残留トナーに、導電性ブラシ42の極性変化による揺動も与えられる。さらに、導電性ブラシ42を静電振動させることも可能である。
【0179】
また、本実施の形態では、導電性ブラシ42が、感光体1上の残留トナーを攪乱するとしている。しかしながら、これに限らず、導電性ブラシ42は、残留トナーを攪乱せず、その帯電状態の調整だけを行う構成であってもよい。
【0180】
また、本発明の異物除去機構を、電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、像担持体の異物に接触して異物の帯電量を調整する帯電調整部材(導電性ブラシ42)と、帯電状態の調整された異物を吸着バイアスによって吸着する吸着部とを備えており、この帯電調整部材の帯電極性が交互に切り替えられるように設定されている構成である、と表現することもできる。
【0181】
また、本発明の異物除去機構を、電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、像担持体の異物に接触して異物の帯電状態を調整する帯電調整部材と、この帯電調整部材の帯電状態を設定する電源(攪乱電圧電源43)と、帯電状態の調整された異物を吸着バイアスによって吸着する吸着部とを備えており、この電源が、帯電調整部材の帯電極性を交互に切り替えるように設定されている構成である、と表現することもできる。
【0182】
また、本発明の異物除去機構を、電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、感光体の異物を攪乱するための攪乱部材と、電源と、攪乱された異物を吸着バイアスによって吸着する吸着部とを備えており、上記の攪乱部材が、電源から印加される電圧に応じた帯電状態となり、像担持体の異物に接触して異物の帯電状態を調整するように設定されているとともに、電源が、帯電調整部材の帯電極性を交互に切り替える構成である、と表現することもできる。
【0183】
また、本実施の形態では、本印刷装置の帯電装置51にクリーニングフィルム54を備え、これによって帯電ローラ52に吸着された異物を掻き取って清掃し、現像槽22内に回収するとしている。
しかしながら、これに限らず、本印刷装置では、帯電ローラ52上の異物を除去し、帯電ローラ52上を清掃できれば、必ずしも回収する必要はない。
例えば、クリーニングフィルム54の代わりに、クリーニングブレードで帯電ローラ52上の異物を掻き取って清掃し、その後、掻き取った異物を捨てる、あるいは、現像装置21とは無関係の回収容器に回収するようにしてもよい。すなわち、掻き取った異物を現像槽22内に戻さない(再利用のために回収しない)構成としてもよい。
【0184】
また、以下に、感光体1に対する帯電ローラ52の周速比(帯電ローラ周速/感光体周速)について説明する。この周速比が0の場合(周速比なし)、すなわち固定では、帯電ローラ52表面に付着した異物を除去できないため帯電不良を起こす。
【0185】
また、本印刷装置のように、感光体1に対し、帯電ローラ52をアゲンスト回転させる場合、周速比(帯電周速比)は、帯電特性の面からは、特に限定されるものではない。
しかしながら、吸着した異物の飛散や、帯電ローラ52端部に、環状にテープ(図示せず)を巻いて感光体1に押し当て、テープ厚みで帯電ギャップ管理をする場合のテープ当接面の磨耗低減等を考慮すると、帯電周速比は、0.2〜1.0の範囲内(例えば0.5)において設定されることが望ましい。
【0186】
なお、感光体1に対し、帯電ローラ52が周速比を有している、つまり、帯電ローラ52と感光体1とが周速比を有しているとは、帯電ローラ52が回転しており、かつ、帯電領域5において、帯電ローラ52の表面と感光体1の表面とが相対速度を有して回転していることを示す。
【0187】
また、本除去機構では、現像ローラ23と感光体1とは周速比(例えば2.25)を有していることが好ましい。すなわち、現像ローラ23は回転可能に設けられていることが好ましい。これにより、現像ローラ23による負異物(負残留トナー61a)の吸着効率をさらに高めることができる。
【0188】
なお、現像ローラ23と感光体1とが周速比を有しているとは、現像ローラ23が回転しており、かつ、現像領域4において、対面する現像ローラ23の表面と感光体1の表面とが相対速度を有して回転していることを示す。
【0189】
また、現像ローラ23は、感光体1とは非接触に設けられ、感光体1との現像領域4にて、感光体1と対面(対向)する面の移動方向が、感光体1における現像ローラ23と対面(対向)する面の移動方向と逆方向となるように回転(アゲンスト回転)することが好ましい。
すなわち、本印刷装置では、互いに異なる駆動系により、現像ローラ23と感光体1とが、同方向に回転するように設定されていることが好ましい。
【0190】
これにより、帯電領域5を越えて残留している負異物(負残留トナー61aなど)を、現像領域4を通過する前(現像領域4における感光体1の回転方向上流側近傍)において吸着できる。このため、負異物の吸着効率をさらに高めることが可能となる。
【0191】
また、本実施の形態では、各バイアス電圧や攪乱電圧に関し、それぞの具体的な電圧値を示している。しかしながら、これらの電圧値はあくまでも一例である。すなわち、良好な印刷を行える値であれば、これらの電圧値はどのような値でもかまわない。
【0192】
また、本実施の形態では、帯電装置51における帯電バイアスがマイナスである(感光体1の表面をマイナスに帯電させる)とし、さらに、現像装置21において、静電潜像を反転現像するとしている。
しかしながら、これに限らず、本印刷装置を、帯電バイアスの極性をプラスとするように設定してもよい。この場合、他のバイアスである現像バイアス,転写バイアス,攪乱電圧についても、上記とは逆側に設定することが好ましい。
【0193】
また、本実施の形態では、現像装置21における現像形式を反転現像であるとしている。しかしながら、これに限らず、現像装置21における現像形式を、正規現像としてもよい。
この場合、現像装置21では、静電潜像の未露光部分にトナーを吸着させることとなるため、現像槽22内で、トナーをプラス帯電させることとなる(トナーの主帯電極性がプラスとなる)。この場合、現像バイアスはマイナス(未露光感光体電位も絶対値の小さい値;例えば−400V)であり、また、転写バイアスは、トナーの主帯電極性とは逆のマイナスの値となる。
【0194】
また、正規現像の場合、導電性ブラシ42に印加される攪乱電圧(攪乱重畳電圧の場合は、その直流成分)は、トナーの主帯電極性(プラス)に対して同極性(転写バイアスと逆極性)であるプラスとなる。これは、感光体1上の異物を、帯電ローラ52に効率よく吸着させるための措置である。
【0195】
また、帯電ローラ52による異物吸着は、現像装置21の現像方式が正規現像であるときよりも反転現像であるときの方が、有意義(効果的)である。
すなわち、正規現像では、トナーの主帯電極性はプラスとなる(プラス帯電のトナーでトナー像を生成する)。従って、帯電ローラ52における異物除去を行わない場合、現像領域4に戻ってきた正残留トナー61bは、現像バイアスに捕獲され、感光体1の非露光部分に吸着されてトナー像を形成する。
また、現像領域4に戻ってきた負残留トナー61aは、感光体1がマイナス帯電しているため、感光体1における露光部分(白地領域)には残りにくく、現像ローラ23によって除去されやすい。
従って、帯電ローラ52における異物除去を行わなくとも、残留トナー61a・61bによる画像かぶりの影響は比較的に少ないといえる。
【0196】
一方、反転現像では、トナーの主帯電極性はマイナスとなる(マイナス帯電のトナーでトナー像を生成する)。従って、帯電ローラ52における異物除去を行わない場合、現像領域4に戻ってきた負残留トナー61aは、現像バイアスに捕獲され、感光体1の露光部分に吸着されてトナー像を形成する。
しかし、現像領域4に戻ってきた正残留トナー61bは、感光体1がマイナス帯電しているため、強い静電力を受け、感光体1における非露光部分(白地領域;マイナス帯電)に残りやすく、現像ローラ23によって除去しにくい。
従って、帯電ローラ52における異物除去を行わない場合には、正残留トナー61bによる画像かぶりの影響が出やすいといえる。
【0197】
また、本実施の形態では、現像剤60として、トナー61およびキャリア62を含む2成分現像剤を用いるとしている。しかしながら、本印刷装置において用いることの可能な現像材は、これに限らず、トナー61を含む一方、キャリア62を使用しない一成分現像剤を用いることも可能である。
【0198】
この場合、帯電装置51では、帯電ローラ52として、抵抗層52b内にマグネットを備えていないものを用いることが好ましい。これは、質量の大きいキャリア62を静電吸着する必要がないためであり、これによって帯電ローラ52のコストを低下させられる。
【0199】
また、この場合、帯電ギャップCは、シートPの厚みよりも小さく、かつ、トナー61の粒径(トナー径)よりも大きく設定されていることが好ましい。
電子写真方式の印刷装置で用いられるシートPでは、通常の印刷用紙であれば、薄いもので約60g/m2、厚みは約60〜80μmである。このため、帯電ギャップCをシートPの厚さ以上に設定してしまうと、転写バイアスにより感光体1に静電吸着しているシートPの剥離に失敗した場合(ジャムの生じた場合)、帯電領域5を越えた領域(現像領域4など)にシートPを進入させてしまうため、ジャム処理(復旧作業)が困難になってしまう。また、復旧作業者の手や衣服をトナー61で汚してしまうという不具合も生じる。
【0200】
これに対し、帯電ギャップCがシートPの厚みよりも小さい場合、感光体1に吸着したシートPを帯電ローラ52で確実に剥離できるため、ジャム処理の手間を軽減できるとともに、上記のようなトナーによる汚染を回避できる。
【0201】
また、帯電ギャップCが60μmを超えると、異常放電を起こしやすくなる。このため、帯電ギャップCを60μm以下とすることにより、異常放電の発生を低減し、異常放電による感光体1の帯電ムラを防止できる。
【0202】
また、加工誤差等による帯電ギャップCのずれを考慮すると、帯電電位の変動を減少させるためには、帯電ギャップCを55μm以下に設定することが好ましい。さらに、より安定した帯電を実現するためには、帯電ギャップCを40μm以下に設定することが好ましい。
【0203】
また、帯電ギャップCをトナー61の粒径よりも大きくすることで、クリーニングフィルム54によって清掃できなかった帯電ローラ52上のトナー61の融着を防止できる。なお、通常のトナー径は約7μmであることから、帯電ギャップCを7μm以上に設定することが好ましいといえる。
【0204】
また、本実施の形態では、現像剤60に含まれるキャリア62を、マグネタイトやフェライト等の無機磁性体からなるとしている。しかしながら、これに限らず、キャリア62の材料としては、鉄粉、四酸化三鉄等の無機磁性体等、2成分現像材のキャリアとして使用される一般的な材料であれば、どのようなものでも使用できる。
【0205】
また、本実施の形態では、感光体1の形状を感光体ドラムであるとしている。しかしながら、これに限らず、感光体1を、間隔を置いて回転可能に設けた支持ローラ間に無端状の導電性ベルトを張装(張架)した、いわゆる感光体ベルトから構成してもよい。
【0206】
また、本実施の形態では、転写装置31に転写ローラ32を備えるとしている。しかしながら、これに限らず、転写ローラ32に代えて、間隔を置いて回転可能に設けた支持ローラ間に無端状の転写ベルトを張装(張架)した、いわゆる転写ベルトを用いてもよい。
【0207】
また、本発明は、画像形成装置に関するものであり、特に、感光体表面上の残留トナーを除去するためのクリーニング手段を有さない画像形成装置に関するものであるともいえる。
【0208】
また、従来、感光体と、感光体の表面に近接させて配置され上記感光体を帯電させる帯電装置とを有し、感光体の帯電、露光によって形成された静電潜像を少なくともトナーおよびキャリアを含む現像剤により現像する画像形成装置では、トナー像を転写材に転写する際、トナー像が転写材に完全に転移せず、感光体に残留トナーが発生する。
【0209】
また、画像かぶりの発生を抑えるために、特許文献1には、画像形成装置において、ファーブラシを用いて感光体上の残留トナーを除去することで、帯電ローラへのトナーの付着を抑える技術が開示されているといえる。なお、この文献開示の画像形成装置では、画像形成装置の使用頻度に従い、上記ファーブラシにトナーが付着してしまい、これにより帯電不良、露光不良、画質劣化が生じないよう、ファーブラシに接触させたトナー除去ローラを用いて、ファーブラシに付着したトナーを除去している。また、この文献開示の画像形成装置では、ファーブラシを用いて感光体上の残留トナーを除去するとともに、ファーブラシに付着したトナーを除去するには、トナー除去ローラを用いなければならない。
【0210】
また、本発明の目的は、ファーブラシのような残留トナーを除去するためのクリーニング手段を有さなくても帯電不良、露光不良、画質劣化の生じない画像形成装置を提供することにあるともいえる。
【0211】
また、本印刷装置は、図1に示すように、感光体1を帯電させる帯電装置51を感光体1の表面に近接させて配置している。帯電装置51は、導電性の円筒または円柱形状の部材およびその表面を被う抵抗層を備えた帯電ローラ52を有しているともいえる。
【0212】
また、帯電ローラ52は、感光体1の回転方向と同じ方向に回転(アゲンスト回転)するように設定されているので、帯電ローラ52と感光体1との間に異物が食い込まれることなく、積極的に異物を掻きあげられる。また、アゲンスト回転によって感光体の下流側からクリーニングフィルム(スクレイパー)54によりリフレッシュされた帯電ローラ52の帯電面が進入することにより、感光体1の帯電特性が向上する。また、感光体1の下流側から帯電ローラ52の帯電面が進入することにより帯電ローラ52のチャージアップの影響を低減できる。
【0213】
また、本印刷装置は、図1に示すように、感光体1表面に帯電ローラ52が近接する領域となる帯電領域5の上流側に、導電性ブラシ42(異物攪乱手段)を配置しているといえる。導電性ブラシ42は、シートPに転写されずに感光体1表面に残った異物(キャリア、紙、トナーの凝集塊)を攪乱することによって帯電ローラ52における異物の回収効率を高めるものであるといえる。
【0214】
また、図4は、電荷調整手段(導電性ブラシ42)で印加した電圧とそのときのトナーの帯電量との関係を示すグラフであるともいえる。この図4で明らかなように現像後は負残留トナー61aが転写の影響をうけ、転写後は反転して逆極性になる。画像領域では転写後の正残留トナー61bが導電性ブラシ42に付着するのを防止し、また付着した正残留トナー61bを除去するために+500Vの直流電圧がバイアスとして印加されていることが好ましいといえる。
【0215】
また、本除去機構では、導電性ブラシ42に付着したトナーは、導電性ブラシ42に、転写器への印加バイアスと同極性のバイアスを印加することで除去することが好ましいといえる。ここで例えば、正規帯電トナーが−帯電の場合、導電性ブラシ42に印加するバイアスが−であると、転写器から吐き出された+トナーを導電性ブラシ42で吸引してしまうが、転写器への印加バイアスと同極性のバイアスを印加すれば、転写器から吐き出されたトナーを吸引することなく、導電性ブラシ42に付着したトナーを確実に除去できるといえる。
【0216】
また、本除去機構では、感光体1における画像領域においては、導電性ブラシ42と感光体1との間で放電を開始する電圧(放電開始電圧)以上のバイアスを印加することが好ましい。これにより、トナーを逆極性側(プラス側)に電荷調整することで、帯電ローラ52における逆帯電トナー(正残留トナー61b)の回収効率を向上させられるといえる。
【0217】
さらに導電性ブラシ42を静電力により振動させれば、導電性ブラシ42に付着したトナーをより効率よく除去することができ、クリーニング性能を向上させることができる。このとき、導電性ブラシ42の固有振動数近傍の周波数で振動されれば、より効率よく導電性ブラシ42を振動させられるといえる。
【0218】
また、導電性ブラシ42に印加するバイアスを、DCバイアスにACバイアスが重畳されたAC重畳DCバイアスとすれば、DCバイアスの極性を切り替えることで、導電性ブラシ42に付着した正規帯電トナーおよび逆帯電トナーの両トナーを、振動によって確実にクリーニングできるといえる。
【0219】
また、導電性ブラシ42の形状は特に限定されるものではないが、機械的に振動する可動ブラシ(ある種のファーブラシ等)では、ブラシの可動によりトナーの付着を防止することができるが、固定されたブラシではこのようなことはできない。したがって、本発明は、固定された導電性ブラシに対して特に有効であるといえる。
【0220】
また、上記した可動ブラシとは、機械的に回転または移動するブラシ、もしくは、数ミリあるいは接触幅(主走査方向;感光体1の延びる方向)以上の距離を機械的に往復移動するブラシのことであり、ローラ形状やベルト形状を有するものであるといえる。
また、本除去機構の攪乱電圧電源43のような固定ブラシとは、感光体1に対して固定されている、もしくは、数ミリ以下の振幅で往復振動するものであるといえる。
【0221】
また、導電性ブラシ42に付着したトナーを除去する非画像領域では、転写装置31の転写ローラ32をフローティングにすることが好ましいといえる。これによれば、導電性ブラシ42に付着したトナーの除去を単独で行う場合に生じる、転写ローラ32への不要なトナーの付着や、トナーおよび感光体1の帯電を防止できる。
【0222】
また、本発明の目的は、残留トナーの撹乱、及び、電荷(帯電量)の調整する異物撹乱手段への付着物を除去することであるともいえる。
【0223】
また、本印刷装置では、転写後に感光体1に残存しているトナーの帯電量はブロードな分布となっており、全体(平均値)として正帯電(逆帯電)であり、正残留トナー61bの付着を防止するために、導電性ブラシ42に、正残留トナー61bと同極性(+)の直流バイアス電圧を印加しているといえる。
【0224】
また、本印刷装置では、転写後のトナーの帯電量分布がブロードであるため、平均値として正(逆帯電)を示すが、正帯電でも電荷量の小さく静電反撥力が小さい、もしくは、電荷量がゼロでブラシとの分子間力により導電性ブラシ42に付着するトナーが存在し、また、少量ではあるが負帯電のトナーも存在するが、これについては電荷量が小さく分子間力と静電吸引力の相乗効果で導電性ブラシ42付着すると推測される。
【0225】
また、本印刷装置の非画像領域は、前回転、紙間、後回転に応じた領域であるといえる。この場合の前回転は、印刷実行命令を受信し、1枚あるいは複数枚の印刷を実行するに先立ち、定着装置のウォームアップ、現像槽22内の現像剤60の帯電、感光体1の帯電等を立ち上げ、画像形成可能状態にするための一連の動作であるともいえる。さらに、紙間(シート間)に応じた領域は、複数枚を連続印字する際の紙面上のボイドエリアを0とした時の画像領域に挟まれた非画像領域であるといえる。さらに、後回転は、印字実行命令に基づく最後の画像領域以降の用紙搬出、帯電停止などマシンが停止状態となるための一連の処理動作であるといえる(感光体表面基準)。
【0226】
また、本除去機構では、攪乱電圧電源43に付着した残留トナーを電気的に除去するために、攪乱電圧電源43に印加する電圧を負極性に換えると、感光体1上の残留トナーの帯電量は負極性側にシフトし、帯電ローラ52による回収の効率を下げてしまい、帯電ローラ52で回収されなかったトナーは露光領域を経て、現像領域4に搬送される。しかし、搬送されるトナーは逆帯電(正帯電)であっても帯電量自身が静電回収困難まで減じられている(あるいは、負極性に反転している)ので現像領域4においてはアゲンスト回転している磁気ブラシにより機械的に(あるいは、静電的に)現像槽内に回収されるといえる。
【0227】
また、ブラシ(導電性ブラシ42)は弾性体であり、梁として扱うことができるといえる。AC重畳バイアス(重畳電圧)を印加した時、ブラシ42と感光体1との間には印加バイアスのAC成分の2倍もしくは等倍の周波数成分を有する静電吸引力が作用して加振され、ブラシ42の固有振動数近傍(印加バイアス周波数の1/2倍もしくは等倍に対して)で振動が成長して機械的な大振幅が得られる。この場合、ブラシ繊維の一本を一つの梁として扱い、感光体との接触点を支持端、根元が樹脂などで固定されている場合は固定端、植毛されている場合は第2の支持端として振動梁として扱うことが好ましい。
【0228】
また、本発明を、以下の第1〜第9画像形成装置として表現することもできる。すなわち、第1画像形成装置は、感光体と、感光体の表面に近接させて配置され上記感光体を帯電させる帯電装置とを有し、感光体の帯電、露光によって形成された静電潜像を少なくともトナーおよびキャリアを含む現像剤により現像する画像形成装置であって、転写材に転写されずに感光体表面に残った異物を攪乱する異物攪乱手段を備えた画像形成装置において、上記感光体の回転と上記帯電ローラの回転とを同方向にするとともに、上記異物攪乱手段に印加する電界の極性を切り替えて、上記異物攪乱手段に付着したトナーを非画像領域で除去する構成である。
【0229】
この第1画像形成装置では、電界を切り替えることにより、異物攪乱手段(接触ブラシ)に付着したトナーを非画像領域で除去(クリーニング)する。ここで、異物攪乱手段に付着したトナーを画像領域で除去してしまうと、トナーの影となる領域の帯電不良、露光不良が起き、画像劣化が生じるが、非画像領域で除去するので、これらの問題が生じることなく、異物攪乱手段に付着したトナーを除去できる。また、帯電ローラが感光体の回転方向と同じ方向に回転(アゲンスト回転)することで、帯電面の走行距離が拡大される(感光体に対向する帯電ローラの表面積を大きく取れる)ので、感光体の下流側から帯電面がリフレッシュされ、感光体の帯電特性が向上する。また、帯電ローラのチャージアップの影響を低減できる。また、異物が帯電ギャップ(帯電装置の放電面と感光体との最近接位置における間隔)に侵入するのを防ぐことができる。(異物が噛み込みするのを防ぐことができる。)
また、第2画像形成装置は、第1画像形成装置において、上記異物攪乱手段に交番電界を印加して、上記異物攪乱手段に付着したトナーを非画像領域で除去する構成である。交番電界によって異物攪乱手段に付着したトナーを除去するので、正規帯電トナーおよび逆帯電トナーの両トナーの除去を行える。
【0230】
また、第3画像形成装置は、第1画像形成装置において、上記異物攪乱手段に転写器への印加バイアスと同極性のバイアスを印加することで、上記異物攪乱手段に付着したトナーを除去する構成である。転写器への印加バイアスと同極性のバイアスを印加することで、転写器から吐き出されたトナーを吸引することなく、異物攪乱手段に付着した逆帯電トナーを確実に除去できる。
【0231】
また、第4画像形成装置は、第1画像形成装置において、さらに、上記感光体における画像領域で、上記異物攪乱手段と上記感光体との間で放電を開始する電圧(放電開始電圧)以上のバイアスを印加する構成である。画像領域で、放電開始電圧以上のバイアスを印加して、トナーを逆極性側に電荷調整することにより、帯電ローラにおける逆帯電トナーの回収効率を向上させられる。
【0232】
また、第5画像形成装置は、第1画像形成装置において、さらに、上記異物攪乱手段を静電力により機械振動させる構成である。静電力により機械振動させることで、異物攪乱手段に付着したトナーをより効率よく除去できる。
【0233】
また、第6画像形成装置は、第5画像形成装置において、上記機械振動を、異物攪乱手段の固有振動数近傍の周波数で行う構成である。これにより、異物攪乱手段をより効率よく振動させられる。
【0234】
また、第7画像形成装置は、第1画像形成装置において、上記異物攪乱手段に付着したトナーを、上記異物攪乱手段にDCバイアスにACバイアスが重畳されたAC重畳DCバイアスを印加して除去する構成である。DCバイアスの極性を切り替えることで、正規帯電トナーおよび逆帯電トナーの両トナーに対応した、異物攪乱手段におけるトナーの除去を行える。
【0235】
また、第8画像形成装置は、第1画像形成装置において、上記異物攪乱手段が筐体に収納されている構成である。異物攪乱手段に付着したトナーが落下あるいは飛散しても、トナーは筐体内に収まるので、トナーの落下・飛散による画像形成装置内の汚れの発生や、転写材(印刷物)に対する汚れを防げる。
【0236】
また、第9画像形成装置は、第1画像形成装置において、上記異物攪乱手段に付着したトナーを除去する非画像領域では、転写ローラをフローティングにする構成である。これにより、異物攪乱手段に付着したトナーの除去を単独で行う場合に生じる、転写ローラへの不要なトナーの付着や、トナーおよび感光体の帯電を防止できる。
【0237】
【発明の効果】
以上のように、本発明の異物除去機構(本除去機構)は、電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、電源と、像担持体上の異物を攪乱するための攪乱部材と、攪乱後の異物を吸着バイアスによって吸着する吸着部とを備えており、上記の攪乱部材が、上記の電源から印加される電圧に応じた帯電状態となる一方、この電源が、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替える構成である。
【0238】
本除去機構では、攪乱部材に付着した残留異物を除去するために、電源が、攪乱部材に印加する電圧(攪乱電圧)の極性を変えることで、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替えるようになっている。
【0239】
すなわち、攪乱部材に正の攪乱電圧を印加することで、攪乱部材から正帯電した残留異物を除去できる。一方、攪乱部材に負の攪乱電圧を印加することで、攪乱部材から負帯電した残留異物を除去できる。
これにより、本除去機構では、残留異物が正負いずれの極性を有している場合でも、この残留異物を攪乱部材から除去することが可能となっている。
また、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替えることで、一方の極性を有する残留異物を過剰に引きつけてしまうことを防止できる。
【0240】
また、残留異物の帯電特性に応じて、攪乱電圧を正とする時間と負とする時間とを調整する(残留異物の平均的な極性と同極性とする時間を長くする)ことで、攪乱部材に対する残留異物の付着をより効率よく抑制できる。
【0241】
また、本除去機構では、上記のような攪乱部材の帯電極性を切り替えるために、電源が、攪乱部材に交流電圧を印加するように設定されていてもよい。
これにより、攪乱部材の帯電極性を容易に切り替えられる。
さらに、電源が交流の攪乱電圧を攪乱部材に印加することにより、攪乱部材に付着している正・負の残留異物の双方に対する静電力を振動(変動)させられる。従って、残留異物を静電力によって揺動させられるので、分子間力や粘着力によって攪乱部材に付着している残留異物についても、攪乱部材から除去することが可能となる。
【0242】
このように、本除去機構では、攪乱部材に付着した残留異物を容易に除去できる構成である。従って、攪乱部材に残留異物が付着したことに起因する画像劣化を防止できる。
また、上記のような本除去機構を備えた印刷装置では、画質劣化の少ない印刷を行うことが可能となる。
【0243】
また、電源によって、攪乱部材に対し、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧(攪乱重畳電圧)を印加することも好ましい。
これにより、攪乱部材に触れている残留異物の帯電特性を、直流電圧の極性側にシフトさせられる。従って、例えば、この直流電圧を吸着バイアスと逆極性とすることによって、吸着部による残留異物の吸着効率を向上させられる。
【0244】
また、重畳電圧の直流電圧を吸着バイアスと逆極性とする場合、電源は、重畳電圧の直流電圧を、放電開始電圧以上の値とすることが好ましい。
これにより、吸着部による正異物の吸着効率を向上できる。
【0245】
これは、電荷注入困難な絶縁体に対しては、放電開始電圧以上の電圧を印加することにより帯電可能となるからである。従って、像担持体上の残留異物が電荷注入困難な場合でも、放電開始電圧以上の直流電圧を有する重畳電圧を印加することにより、有効な帯電電流を流すことが可能となり、残留異物を確実に帯電させられる。
【0246】
また、本除去機構の備えられる電子写真方式の印刷装置には、通常、像担持体上の画像を、転写バイアスによってシートに静電転写するための、転写部が備えられている。
従って、重畳電圧を用いる場合、電源は、重畳電圧の直流電圧を、転写部の転写バイアスと同極性とすることが好ましい。
【0247】
すなわち、転写後に像担持体に残留している残留異物は、転写バイアスの影響により、平均的には、このバイアスの極性と同極性に帯電されている(残留異物の平均帯電値の極性が、転写バイアスと同極性となっている)可能性が高い。
従って、重畳電圧の直流電圧を転写バイアスと同極性とすれば、攪乱部材に対する残留異物の付着を抑制できる。
【0248】
また、重畳電圧を用いる場合、電源は、重畳電圧の交流電圧を、静電力により攪乱部材を振動させるような値とすることが好ましい。
これにより、攪乱部材に付着した残留異物を振り落とせるので、より効率よく除去できる。
なお、攪乱部材を振動させるような交流電圧値としては、例えば、攪乱部材における固有振動数の1/2倍もしくは等倍の近傍の値を挙げられる。
【0249】
また、本除去機構では、攪乱部材に付着した残留異物を除去するために、電源によって攪乱部材の帯電極性の切り替えるようになっている。ここで、このような切り替えは、像担持体における非画像領域(画像領域でない領域)に攪乱部材の触れているとき(非画像領域が攪乱部材の前に位置しているとき)に行われることが好ましい。
【0250】
ここで、画像領域とは、像担持体上の領域であって、攪乱部材の前を通過するとき、これから攪乱部材の前に戻るまでの間(1周期の間(像担持体が1回転する間))に画像が形成される領域のことである。
一方、非画像領域とは、画像領域以外の像担持体上の領域、すなわち、像担持体上の領域であって、攪乱部材の前を通過するとき、これから攪乱部材の前に戻るまでの間(1周期の間)に、画像が形成されない領域のことである。
【0251】
すなわち、攪乱部材に印加する電圧の極性を切り替えると、攪乱部材に付着・蓄積していた残留異物が、像担持体の表面に移動する。従って、この表面部分の残留異物量が多くなるので、吸着部によって、全ての残留異物を除去できない可能性がある。
このため、このような領域に画像を形成すると、電子写真方式による印刷工程において、帯電不良、露光不良を発生させ、画像劣化を生じさせてしまうことがある。
【0252】
そこで、本除去機構では、1周期の間に画像形成の行われない非画像領域が攪乱部材の前にきたとき(攪乱部材が非画像領域に接触しているとき)に、電源が攪乱部材の極性切り替えを行って、攪乱部材に蓄積した残留異物を非画像領域に落とすようにすることが好ましい。これにより、攪乱部材から除去された残留異物を画像領域に落とすことを回避できるので、上記のような画像劣化を防止できる。
【0253】
また、攪乱部材に付着していた残留異物を非画像領域で除去した場合、上記の転写部は、非画像領域に対する転写バイアスの印加を回避するように設定されていることが好ましい。
【0254】
これにより、吸着部で回収しきれない残留異物が転写部にまで搬送された場合でも、転写バイアスにより残留異物が転写装置に付着してしまう(静電的に吸着してしまう)ことを防止できる。
従って、残留異物による転写部の汚染を回避できるので、転写部の汚染がシートに転写され、シートを汚してしまうことを防止できる。
【0255】
なお、転写バイアスの印加回避は、例えば、転写部を、フローティング状態(電気的な接続が取り除かれ、電気的に宙に浮いた状態)とすることで実現できる。
【0256】
また、本除去機構では、攪乱部材を、攪乱部材を覆う筐体に収容しておくことが好ましい。
この構成では、攪乱部材に付着した残留異物が像担持体以外の場所に落下あるいは飛散しても、これらを筐体内に収容できる(あるいは、残留異物を像担持体に確実に戻せる)。これにより、残留異物の落下・飛散による本除去機構内(印刷装置内)の汚染や、シートに対する汚染を防止できる。
【0257】
なお、本除去機構の吸着部としては、例えば、印刷装置の帯電ローラを用いることが可能である。
この場合、帯電ローラは、帯電バイアスによって像担持体を帯電させるとともに、帯電バイアスを吸着バイアスとして用いて、像担持体上の異物を吸着するようになる。
【0258】
また、吸着部として、印刷装置の現像ローラを用いてもよい。
この場合、現像ローラは、現像バイアスによって像担持体の静電潜像を現像するとともに、現像バイアスを吸着バイアスとして用いて、像担持体上の異物を吸着することとなる。
【0259】
このように、帯電ローラや現像ローラを吸着部として用いることで、像担持体から異物を除去するための特別な部材(クリーニングブレードなど)を設ける必要がない。従って、本除去機構(および本除去機構の備えられた印刷装置)製造コストを低減できる。
【0260】
また、これらのような帯電ローラや現像ローラを吸着部として用いる場合、これらのローラは、像担持体に対してアゲンスト回転するように設定されていることが好ましい。
【0261】
ここで、帯電・現像ローラがアゲンスト回転する、とは、帯電・現像ローラが、像担持体と同方向に回転することである。
この場合、帯電・現像ローラと像担持体とは、帯電領域あるいは現像領域において、互いに対向する表面の移動方向が逆方向となる(帯電・現像ローラの表面と像担持体の表面とが、互いにすれちがうように移動する)。ここで、帯電領域(現像領域)とは、帯電ローラ(現像ローラ)と像担持体とが対向する部位における、像担持体上の領域である。
【0262】
従って、この場合、像担持体の残留異物は、帯電領域(現像領域)への進入位置で帯電ローラ(現像ローラ)に吸着され、ローラの回転に伴って、帯電領域から離れる方向に移動させられる。
【0263】
これにより、像担持体上の異物が帯電領域(現像領域)を通過することを回避でき、ローラと像担持体との間に食い込むこと(および像担持体・ローラを傷つけること)を防止できる。
また、帯電領域(現像領域)に残留異物が残らないので、この異物が帯電(現像)の妨げとならない。
【0264】
また、特に、吸着部として、像担持体とアゲンスト回転する帯電ローラを用いる場合、帯電ギャップ(像担持体と帯電ローラとの間隔)への残留異物の進入を阻止できる。このため、サイズの大きな残留異物にあわせて帯電ギャップを広げる必要がなく、帯電ギャップを狭くできる。そして、このように帯電ギャップの間隔を狭くできることにより、気中放電における放電開始電圧を示す「パッシェの実験式」からも明らかなように、帯電バイアスを低くできる。従って、本除去機構あるいは印刷装置の小型化を図れる。
【0265】
なお、帯電ローラと像担持体とがウイズ回転している場合(互いに逆方向に回転している場合)、帯電ローラは、除去した残留異物を抱えたまま帯電領域を通過することになる。しかしながら、帯電領域の下流側(像担持体にとっての下流側)では、像担持体の表面電位が帯電バイアス(直流)とほぼ同一の電位に帯電されているため、像担持体の異物吸着力が、帯電ローラとあまり変わらない状態となっている。従って、ウイズ回転においては、像担持体から残留異物を静電的に回収する能力が大幅に減少してしまう。
【0266】
これに対し、本除去機構では、アゲンスト回転であるため、帯電ローラが、帯電領域の上流側(像担持体の残留異物が帯電領域に進入する側)で、残留異物を像担持体から除去する。このため、像担持体の吸着力の影響を回避できる。
【0267】
また、本除去機構では、帯電ローラが像担持体に対してアゲンスト回転しているため、帯電領域における帯電ローラの表面(帯電面)と像担持体の表面(被帯電面)との、相対走行距離を拡大できる。
このため、帯電ローラの部分的な抵抗値変動等による帯電変動を抑制できるので、像担持体における帯電特性(帯電の均一性)を向上させられる。
【0268】
また、本除去機構では、帯電ローラが像担持体に対してアゲンスト回転しているため、帯電領域に、新たに帯電面となるローラ面が、帯電領域の下流側から進入する。
【0269】
よって、像担持体への帯電動作に伴って、帯電ローラ自身の内部で容量成分の帯電による電圧降下の起きた場合でも、内部電圧降下による像担持体帯電電位の低下を緩和できる。
また、帯電領域の下流側では、像担持体の表面電位は帯電の進行に伴って上昇している。このため、表面電位の上昇に伴って、帯電電流密度(面積に対する)も減少することにより、帯電ローラ内部での抵抗成分による電圧降下による像担持体の帯電電位低下を緩和する作用も働く。
【0270】
なお、この効果は、帯電ローラの抵抗値が高い場合、特に顕著となる。すなわち、帯電ローラの抵抗が高い場合、容量成分の帯電による電圧降下、および、抵抗成分による電圧降下が顕著となり、像担持体を正規の帯電電位まで上昇させることが困難となるからである。
【0271】
また、本発明にかかる異物除去方法(本除去方法)は、電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去方法において、像担持体上の異物を攪乱部材によって攪乱する攪乱工程と、攪乱後の異物を吸着バイアスによって吸着する吸着工程とを含み、上記の攪乱工程が、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替える帯電切り替え工程を含んでいる方法である。
【0272】
本除去方法は、上記した本除去機構において使用されている方法である。すなわち、本異物除去方法では、残留異物を攪乱部材から除去するために、攪乱電圧の極性を変えることで、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替えるようになっている。
【0273】
すなわち、本除去方法では、攪乱部材に正の攪乱電圧を印加することで、攪乱部材から正帯電した残留異物を除去できる。一方、攪乱部材に負の攪乱電圧を印加することで、攪乱部材から負の残留異物を除去できる。
これにより、本除去方法では、残留異物が正負いずれの極性を有している場合でも、この残留異物を攪乱部材から除去することが可能となっている。
【0274】
また、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替えることで、一方の極性を有する残留異物を過剰に引きつけてしまうことを防止できる。
また、残留異物の帯電特性に応じて、攪乱電圧を正とする時間と負とする時間とを調整する(残留異物の平均的な極性と同極性とする時間を長くする)ことで、残留異物の付着をより効率よく抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる印刷装置の構成を示す説明図である。
【図2】図1に示した印刷装置における導電性ブラシに正残留トナーが蓄積した状態を示す説明図である。
【図3】図1に示した印刷装置における導電性ブラシから正残留トナーが除去された状態を示す説明図である。
【図4】ブラシバイアス(攪乱バイアス)とトナーの帯電量との関係を示すグラフである。
【図5】図1に示した印刷装置における異物攪乱装置に、導電性ブラシを収納するための筐体を備えた構成を示す説明図である。
【図6】帯電ローラの残留トナーを清掃によって除去した場合と除去しなかった場合とにおける、印刷枚数(P)とかぶり値Kとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
2 導電性素管
4 現像領域
5 帯電領域
11 LSU
11a レーザ光源
12 レーザ光
21 現像装置
22 現像槽
23 現像ローラ(吸着部)
23a マグネットロール
23b スリーブ
24 層厚規制部材
25 現像バイアス電源
31 転写装置(転写部)
32 転写ローラ(転写部)
33 転写バイアス電源
41 異物攪乱装置
42 導電性ブラシ(攪乱部材)
43 攪乱電圧電源(電源)
44 筐体
51 帯電装置
52 帯電ローラ(吸着部)
52a 導電性素管
52b 抵抗層
53 帯電バイアス電源
54 クリーニングフィルム
55 バネ
60 現像剤
61 トナー
61a 負残留トナー(残留異物)
61b 正残留トナー(残留異物)
62 キャリア(残留異物)
63 紙粉(残留異物)
B 現像ギャップ
C 帯電ギャップ
P シート
Claims (16)
- 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、
電源と、
像担持体上の異物を攪乱するための攪乱部材と、
攪乱後の異物を吸着バイアスによって吸着する吸着部とを備えており、
上記の攪乱部材が、上記の電源から印加される電圧に応じた帯電状態となる一方、
この電源が、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替え、
上記吸着部が、帯電バイアスによって像担持体を帯電させるとともに、帯電バイアスを吸着バイアスとして用いて像担持体上の一方の極性の異物を吸着する、像担持体に非接触の帯電ローラと、現像バイアスにより他方の極性の異物を吸着する現像ローラとを含むことを特徴とする異物除去機構。 - 上記電源が、攪乱部材に交流電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の異物除去機構。
- 上記電源が、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧を攪乱部材に印加することを特徴とする請求項2に記載の異物除去機構。
- 上記電源が、重畳電圧の直流電圧を、吸着バイアスと逆極性とすることを特徴とする請求項3に記載の異物除去機構。
- 上記電源が、重畳電圧の直流電圧を、放電開始電圧以上の値とすることを特徴とする請求項4に記載の異物除去機構。
- 上記印刷装置に、像担持体上の画像を転写バイアスによってシートに転写する転写部が備えられており、
上記電源が、重畳電圧の直流電圧を、転写バイアスと同極性とすることを特徴とする請求項3に記載の異物除去機構。 - 上記電源が、重畳電圧の交流電圧を、静電力により攪乱部材を振動させるような値とすることを特徴とする請求項3に記載の異物除去機構。
- 上記電源が、重畳電圧における交流電圧の周波数を、攪乱部材における固有振動数の1/2倍もしくは等倍の近傍に設定することを特徴とする請求項7に記載の異物除去機構。
- 上記電源が、像担持体における非画像領域に攪乱部材の触れているときに、
攪乱部材の帯電極性を交互に切り替えるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の異物除去機構。 - 像担持体上の画像を転写バイアスによってシートに転写する転写部を備えており、
この転写部が、上記非画像領域に対する転写バイアスの印加を回避するように設定されていることを特徴とする請求項9に記載の異物除去機構。 - 上記攪乱部材が、この攪乱部材を覆う筐体に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の異物除去機構。
- 上記攪乱部材が、像担持体上の異物を攪乱する導電性ブラシであることを特徴とする請求項1に記載の異物除去機構。
- 上記帯電ローラと上記像担持体との間隔が7μm以上60μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の異物除去機構。
- 上記帯電ローラが、像担持体に対してアゲンスト回転するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の異物除去機構。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の異物除去機構を有する印刷装置。
- 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去方法において、
像担持体上の異物を攪乱部材によって攪乱する攪乱工程と、
攪乱後の異物を吸着バイアスによって吸着する吸着工程とを含み、
上記の攪乱工程が、攪乱部材の帯電極性を交互に切り替える帯電切り替え工程を含んでおり、
上記吸着工程は、像担持体に非接触の帯電ローラが、帯電バイアスによって像担持体を帯電させるとともに、帯電バイアスを吸着バイアスとして用いて像担持体上の一方の極性の異物を吸着する工程と、現像ローラが、現像バイアスにより他方の極性の異物を吸着する工程とを含むことを特徴とする異物除去方法。
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