JP3757963B2 - 機能液滴吐出ヘッドの吸引装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器 - Google Patents

機能液滴吐出ヘッドの吸引装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能液滴吐出ヘッドにキャップを密着させ、キャップを介して機能液滴吐出ヘッドを吸引する機能液滴吐出ヘッドの吸引装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液滴吐出装置の一種として従来から知られているインクジェット記録装置では、インクポンプに接続されたヘッドキャップ(キャップ)を印刷ヘッド(機能液滴吐出ヘッド)に密着させ、インクポンプを駆動することにより、ヘッドキャップを介して印刷ヘッドの全ノズルからインクの吸引が行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
液滴吐出装置では、乾燥等に起因する印刷ヘッドの目詰まりを防止するためのクリーニング時や、新たに導入した機能液滴吐出ヘッドのヘッド内流路に機能液を充填する(初期充填の)際に、機能液滴吐出ヘッドの全ノズルから吸引が行われる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−127454号公報(第2−3頁、第7−8頁、第4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
機能液滴吐出ヘッドから吸引を行うと、機能液に先行して流路内からエアー(気泡)が吸引される。したがって、上記したインクジェット記録装置のように、ポンプを用いて機能液滴吐出ヘッドに対する吸引を行うと、吸引されたエアーがポンプから排出されるまでポンプが空転するという問題が生じる。このような問題は、新たに導入した機能液滴吐出ヘッドに機能液を充填する場合において特に著しく、係る場合は、ポンプに機能液が達するまで十分な吸引力を確保できないために、機能液の充填に要する時間が長引いてしまう。また、吸引力の低下により、ヘッド内流路からの気泡の排出性が悪化するため、機能液充填時に要する機能液の消費量が増加し、高価な機能液を無駄にするという問題も生じる。さらに、ポンプは回転する部品や往復動する部品(可動部)を有するため、小型化しにくく、設置には広いスペースが必要となる。
【0006】
本発明は、かかる問題に鑑みて為されたものであり、機能液滴吐出ヘッドに対する吸引を効率的に行うことができる機能液滴吐出ヘッドの吸引装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の機能液滴吐出ヘッドの吸引装置は、機能液滴を吐出するインクジェットヘッドで構成した機能液滴吐出ヘッドに機能液を充填する初期充填、および機能液滴吐出ヘッド内で増粘した機能液を除去するクリーニングのために、機能液滴吐出ヘッドのノズル面にキャップを密着させ、キャップを介して機能液滴吐出ヘッドを吸引する機能液滴吐出ヘッドの吸引装置において、キャップと連通して、機能液滴吐出ヘッドのヘッド内流路に連なるノズルを吸引するエゼクタと、エゼクタに作動流体を供給する作動流体供給手段と、キャップとエゼクタの吸引口を接続する吸引管路内の圧力を検出する圧力検出手段と、作動流体供給手段とエゼクタの供給口とを接続する作動流体供給管路に介設され、エゼクタに供給する作動流体の流量を調節する流量調節弁と、吸引管路に介設され、吸引管路を開閉する吸引管路開閉弁と、圧力検出手段の検出結果に基づいて流量調節弁を制御すると共に、吸引管路開閉弁を制御する第1制御手段と、を備え、第1制御手段は、機能液滴吐出ヘッドに対する吸引終了時に、流量調整弁を閉弁させると共に、吸引管路開閉弁を閉弁させることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、エゼクタにより機能液滴吐出ヘッドのノズルを吸引しているので、機能液および機能液に先行するエアーに直接吸引力を作用させることができ、ポンプで吸引した場合と異なってエアー漏れが発生することがない。すなわち、キャップを介してエゼクタに侵入した気泡は、エゼクタの作動流体と共に円滑に排出されるため、気泡による吸引圧力の変動が少ない。したがって、機能液滴吐出ヘッドのノズルからの吸引を安定して行うことができる。また、エゼクタは可動部位を有していないため小型であるので、ポンプを用いて吸引する構成に比べ、省スペースとすることができる。
また、圧力検出手段の検出結果に基づいて、第1制御手段によりエゼクタに供給する作動流体の流量が調節されるので、機能液滴吐出ヘッドに対する吸引圧力を適切に保つことができ、機能液滴吐出ヘッドの全ノズルを安定かつ適切に吸引することができる。
さらに、機能液滴吐出ヘッドに対する吸引終了時には、流量調整弁が閉弁されるので、エゼクタに作動流体が供給されることがなく、吸引動作を停止させることができる。また、流量調整弁の閉弁と共に吸引管路開閉弁を閉弁することで、機能液滴吐出ヘッドに対する吸引を確実に停止させることができ、機能液滴吐出ヘッドから無駄に機能液を吸引し続けることがない。
なお、吸引は、全ノズルに対して行ってもよいし、使用するノズルだけを吸引する構成としても良い。
【0015】
この場合、エゼクタは、キャップの近傍に配設されていることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、キャップの近傍にエゼクタが配設されているので、キャップからエゼクタに至る(吸引)管路を最短とすることができ、機能液滴吐出ヘッドに密着させたキャップを介して、エゼクタにより効率よく機能液滴吐出ヘッドの吸引を行うことができる。
【0019】
この場合、第1制御手段は、機能液滴吐出ヘッドに対する吸引終了時に、流量調節弁を徐々に閉弁させることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドに対する吸引終了時に、流量調節弁が徐徐に閉弁されるので、機能液滴吐出ヘッドに対する吸引圧力が急激に低下して、機能液滴吐出ヘッド内の圧力が機能液滴吐出ヘッドに密着させたキャップ内の圧力よりも低くなることを防止している。また、吸引終了時に、流量調整弁を徐徐に閉弁させ、吸引圧力を調節することで、機能液滴吐出ヘッドからエゼクタに至る(吸引)管路の負圧を徐徐に低下させることができ、吸引終了後において、機能液滴吐出ヘッドからキャップを外したときに、機能液滴吐出ヘッド内にエアーが逆流することがない。
【0023】
この場合、吸引管路開閉弁は、大気開放ポートを有する三方弁で構成されており、第1制御手段は、吸引管路開閉弁の閉弁と同時に大気開放ポートを開放すると共に、再び流量調節弁を開弁することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドに対する吸引動作が終了すると、吸引管路が大気開放されるので、吸引動作により吸引管路を満たしていた機能液を、エゼクタを介して排出することができる。すなわち、吸引管路内で機能液が乾燥等により増粘して吸引管路を詰まらせることがない。また、大気開放ポートの開放と共に、再び流量調整弁を開弁することで、吸引管路内の機能液を速やかに排出することができる。さらに、作動流体が液体である場合、作動流体が作動流体供給管路に滞留することを防止することができる。
【0025】
この場合、予め機能液を貯留していると共に、排出管路によりエゼクタの排出口に接続された貯留タンクをさらに備え、作動流体供給手段は、ポンプで構成されると共に、循環管路を介して貯留タンクに接続されており、作動流体として機能液を供給することが好ましい。
【0026】
この構成によれば、エゼクタの作動流体として非圧縮性の機能液が供給されるので、効率よく吸引を行うことができる。また、作動流体として圧縮エアーを用いた場合と異なり、機能液滴吐出ヘッド(の全ノズル)から吸引された機能液にエアーが混合することがなく、容易に再利用を行うことができる。また、作動流体である機能液を循環させる構成としているため、作動流体として用いる機能液量を最小限に抑えることができると共に、作動流体としての機能液を貯留するためのスペースを小さくすることができる。
【0027】
この場合、作動流体供給手段と貯留タンクとを接続する循環管路には、大気開放ポートを有する三方弁で構成された循環管路開閉弁が介設されており、機能液滴吐出ヘッドに対する吸引終了時に、循環管路開閉弁を閉弁すると共に循環管路開閉弁の大気開放ポートを開放する第2制御手段をさらに備えることが好ましい。
【0028】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドに対する吸引終了時に、循環管路開閉弁を閉弁し、貯留タンクから作動流体供給手段への機能液の供給を停止することにより、機能液滴吐出ヘッドに対する吸引を停止させることができる。また、循環管路開閉弁の大気開放ポートを開放することにより、循環管路を大気開放して、循環管路内の機能液を貯留タンクに排出することができる。
【0029】
この場合、機能液滴吐出ヘッドは、複数設けられており、キャップ、エゼクタ、および吸引管路は、複数の機能液滴吐出ヘッドに対応してそれぞれ複数設けられていることが好ましい。
【0030】
この構成によれば、複数設けられた機能液滴吐出ヘッドに対し、複数のキャップ、エゼクタ、および吸引管路が設けられているので、各エゼクタに供給する作動流体の供給量を当該エゼクタに対応する機能液滴吐出ヘッド毎に調節することができ、各機能液滴吐出ヘッドを個別的に適切な状態で吸引することができる。すなわち、本発明では、複数の機能液滴吐出ヘッドを単一のポンプで吸引する場合のように流路抵抗の相違等の影響から機能液滴吐出ヘッド毎に吸引圧力にばらつきが生じることがなく、各機能液滴吐出ヘッドを効率的に吸引することができる。したがって、吸引時における機能液の流速を低下させることがなく、流路から効率的に気泡を排出することができ、気泡を排出のために消費する機能液を削減できる。また、各機能液滴吐出ヘッドの吸引時間を同一にすることができ、機能液滴吐出ヘッドの吸引時間を短縮できると共に、吸引時に消費する機能液を低減させることができる。
【0031】
本発明の液滴吐出装置は、上記した吸引装置と、ワークに機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドと、を備えたことを特徴とする。
【0032】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドをエゼクタにより効率的かつ適切に吸引することができるので、機能液滴吐出ヘッドに対する機能液の初期充填時や機能液滴吐出ヘッドのクリーニング時等のように、機能液滴吐出ヘッドの吸引を行う際の所要時間を短縮することができると共に、吸引時に消費する機能液を削減することができる。
【0033】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴吐出ヘッドから吐出させた機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
【0034】
また、本発明の電気光学装置は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴吐出ヘッドから吐出させた機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする。
【0035】
これらの構成によれば、機能液滴吐出ヘッドから機能液を効率よく吸引可能な液滴吐出装置を用いて製造されるため、電気光学装置を効率よく製造することが可能となる。なお、電気光学装置(デバイス)としては、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)やSED(Surface-Conduction Electron-Emitter Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
【0036】
本発明の電子機器は、上記した電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
【0037】
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明を適用した液滴吐出装置の外観斜視図、図2は、本発明を適用した液滴吐出装置の右側面図である。詳細は後述するが、この液滴吐出装置1は、特殊なインクや発光性の樹脂液等の機能液を機能液滴吐出ヘッド31に導入して、基板等のワークWに機能液滴による成膜部を形成するものである。
【0039】
両図に示すように、液滴吐出装置1は、機能液を吐出するための吐出手段2と、吐出手段2のメンテナンスを行うメンテナンス手段3と、各手段に液体(例えば、機能液)を供給すると共に不要となった液体を回収する液体供給回収手段4と、各手段を駆動・制御するための圧縮エアーを供給するエアー供給手段5(作動流体供給手段)と、を備えている。吐出手段2の主要部は、架台11上に設けた石定盤12上に配設され、これらと一体的に添設した共通機台13には、メンテナンス手段3、液体供給回収手段4、およびエアー供給手段5の主要部が配設されている。そして、これらの各手段は、制御手段6によって制御されている。以下、各手段について説明する。
【0040】
吐出手段2は、機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッド31を有するヘッドユニット21と、ヘッドユニット21を支持するメインキャリッジ41と、メインキャリッジ41を介して、ヘッドユニット21(機能液滴吐出ヘッド31)をワークWに対して相対的に移動させるX・Y移動機構51と、を有している。
【0041】
図3および図4に示すように、ヘッドユニット21は、12個の機能液滴吐出ヘッド31と、機能液滴吐出ヘッド31を搭載するサブキャリッジ22と、各機能液滴吐出ヘッド31をサブキャリッジ22に取り付けるためのヘッド保持部材23と、で構成されている。サブキャリッジ22には、12個の機能液滴吐出ヘッド31が6個ずつに二分され、ワークWへの十分な塗布密度を確保するために、所定角度傾けてサブキャリッジ22に固定されている。また、サブキャリッジ22には、各機能液滴吐出ヘッド31と給液タンク153(後述する)とを配管接続するための配管ジョイント24が設けられている。なお、機能液滴吐出ヘッド31の個数や配列は、上記したものに限られるものではなく任意であり、例えば、機能液滴吐出ヘッド31に利用目的に合わせた専用のものを用いれば、あえて機能液滴吐出ヘッド31を傾ける構成とする必要はない。
【0042】
図4に示すように、機能液滴吐出ヘッド31は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針33を有する機能液導入部32と、機能液導入部32に連なる2連のヘッド基板34と、機能液導入部32の下方に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体35と、を備えている。各接続針33は、配管アダプタ25を介して後述の給液タンク153に接続されており、機能液導入部32は、各接続針33から機能液の供給を受けるようになっている。ヘッド本体35は、2連のポンプ部36と、多数の吐出ノズル39を形成したノズル形成プレート37と、を有しており、機能液滴吐出ヘッド31では、ポンプ部36の作用により吐出ノズル39から機能液滴を吐出するようになっている。なお、ノズル形成プレート37の下面は、ノズル形成面38(ノズル面)となっており、機能液滴吐出ヘッド31は、ノズル形成面38を下方に突出させるように、ヘッド保持部材23を介してサブキャリッジ22に固定されている(図4参照)。
【0043】
図2に示すように、メインキャリッジ41は、後述するY軸テーブル54に下側から固定される外観「I」形の吊設部材42と、吊設部材42の下面に取り付けられ、(ヘッドユニット21の)θ方向に対する位置補正を行うためのθテーブル43と、θテーブル43の下方に吊設するよう取り付けたキャリッジ本体44と、で構成されている。キャリッジ本体44には、ヘッドユニット21を遊嵌するための方形の開口を有しており、ヘッドユニット21を位置決め固定するようになっている。なお、キャリッジ本体44には、ワークWを認識するためのワーク認識カメラ(図示省略)が配設されている。
【0044】
X・Y移動機構51は、ワークWを吸着(固定)する吸着テーブル53を有し、吸着テーブル53を介してワークWをX軸方向(主走査方向)に移動させるX軸テーブル52と、メインキャリッジ41を介してヘッドユニット21をY軸方向(副走査方向)に移動させるY軸テーブル54と、を備えている。X・Y移動機構51は、上記した石定盤12上に配設されており、ワークWの平坦度を維持すると共に、ヘッドユニット21を正確に移動させることができるようになっている。
【0045】
ここで、吐出手段2の一連の動作を簡単に説明する。まず、機能液を吐出する前の準備として、ヘッドユニット21およびセットされたワークWの位置補正がなされる。次に、X・Y移動機構51(X軸テーブル52)が、ワークWを主走査(X軸)方向に往復動させる。ワークWの往復動と同期して、複数の機能液滴吐出ヘッド31が駆動し、ワークWに対する機能液滴の選択的な吐出動作が行われる。ワークWが一往復動すると、X・Y移動機構51(Y軸テーブル54)は、ヘッドユニット21を副走査(Y軸)方向に移動させる。そして、ワークWの主走査方向へ往復動と機能液滴吐出ヘッド31の駆動が再び行われる。なお、本実施形態では、ヘッドユニット21に対して、ワークWを主走査方向に移動させるようにしているが、ヘッドユニット21を主走査方向に移動させる構成であってもよい。また、ヘッドユニット21を固定とし、ワークWを主走査方向および副走査方向に移動させる構成であってもよい。
【0046】
次に、メンテナンス手段3について説明する。メンテナンス手段3は、機能液滴吐出ヘッド31を保守して、機能液滴吐出ヘッド31が適切に機能液を吐出できるようにするもので、フラッシングユニット61、吸引ユニット71、およびワイピングユニット141を備えている(図1参照)。
【0047】
フラッシングユニット61は、液滴吐出時における複数(12個)の機能液滴吐出ヘッド31のフラッシング動作、すなわち全吐出ノズル39からの予備吐出(無駄打ち)、により順に吐出される機能液を受けるためのものである。フラッシングユニット61は、X軸テーブル52に固定されており、吐出された機能液を受ける一対のフラッシングボックス62が吸着テーブル53を挟んで固定されている。フラッシングボックス62は、主走査に伴いワークWと共にヘッドユニット21へ向かって移動していくので、フラッシングボックス62に臨んだ機能液滴吐出ヘッド31の吐出ノズル39から順次フラッシング動作を行うことができる。そして、フラッシングボックス62で受けた機能液は、後述する廃液タンク182に貯留される。なお、本実施形態のフラッシング動作では、全吐出ノズル39からの予備吐出を行う構成であるが、例えば、使用する吐出ノズル39のみに予備吐出をさせるといったように、一部の吐出ノズルだけに予備吐出を行わせる構成としてもよい。
【0048】
吸引ユニット71は、上記した共通機台13上に設けられており、機能液滴吐出ヘッド31を吸引するためのものである。具体的には、新たにヘッドユニット21に機能液滴吐出ヘッド31を投入した場合のように機能液の充填を行う場合や、機能液滴吐出ヘッド31内で増粘した機能液を除去するための吸引(クリーニング)を行う場合に吸引ユニット71は用いられる。
【0049】
図5に示すように、吸引ユニット71は、各機能液滴吐出ヘッド31に密着させる12個のキャップ73を有したキャップユニット72と、キャップユニット72を昇降させることにより、キャップ73を機能液滴吐出ヘッド31に離接させる昇降機構91と、密着させたキャップ73を介して機能液の吸引を行うエゼクタ101と、各キャップ73とエゼクタ101を接続する吸引用チューブ111と、キャップユニット72を支持する支持部材131と、を有している。
【0050】
キャップユニット72は、図5に示すように、ヘッドユニット21に搭載された12個の機能液滴吐出ヘッド31の配置に対応させて、12個のキャップ73をキャップベース74に配設したものであり、対応する各機能液滴吐出ヘッド31に各キャップ73を密着可能に構成されている。
【0051】
図6に示すように、キャップ73は、キャップ本体81と、キャップホルダ82と、で構成されている。キャップ本体81は、2つのばね87で上方に付勢され、かつわずかに上下動可能な状態でキャップホルダ82に保持されている。キャップ本体81の上面には、機能液滴吐出ヘッド31の2列の吐出ノズル39列を包含する凹部83が形成され、凹部83の周縁部にはシールパッキン84が取り付けられている。そして、凹部83の底部には、吸収材85が押え枠86によって押し付けられた状態で敷設されている。機能液滴吐出ヘッド31を吸引する際には、機能液滴吐出ヘッド31のノズル形成面38にシールパッキン84を押し付けて密着させ、2列の吐出ノズル39列を包含するようにノズル形成面38を封止する。なお、各キャップ73には、大気開放弁88が設けられており、凹部83の底面側で大気開放できるようになっている(図6参照)。そして、吸引動作の最終段階で、大気開放弁88を開弁して大気開放することにより、吸収材85に含浸されている機能液も吸引できるようになっている。
【0052】
昇降機構91は、エアーシリンダで構成され、互いにストロークが異なる2つの昇降シリンダ92、93を有している。そして、両昇降シリンダ92、93の選択作動でキャップユニット72の上昇位置を比較的高い第1位置と比較的低い第2位置とに切換え自在としており、キャップユニット72が第1位置にあるときは、各機能液滴吐出ヘッド31に各キャップ73が密着し、キャップユニット72が第2位置にあるときは、各機能液吐出ヘッド31と各キャップ73との間に僅かな間隙が生じるようになっている。
【0053】
エゼクタ101は、吸引用チューブ111によりキャップ73と接続されており、キャップ73を介して、機能液滴吐出ヘッド31の全ノズル39から吸引を行うものである。エゼクタ101は、効率的に機能液滴吐出ヘッド31の吸引を行えるようキャップ73近傍に設けられ、図8および図9に示すように、キャップ73毎に1つのエゼクタ101、すなわち計12個のエゼクタ101、が配設されている。なお、キャップ73とエゼクタ101との間にはそれぞれキャップ73側から順に、機能液の有無を検出する機能液検出センサ121、吸引用チューブ111内の圧力を検出するキャップ側圧力センサ122(圧力検出手段)、吸引用チューブ111を開閉するキャップ側開閉弁123(吸引管路開閉弁)が介設されている。
【0054】
エゼクタ101は、上記したエアー供給手段5に接続され、作動流体となる圧縮エアーの供給を受ける供給口102と、キャップ73に接続され、吸引力を作用させる吸引口103と、供給口102に連なって、供給された作動流体および吸引口103からの吸引された気泡や機能液を排出するための排出口104と、を有している。すなわち、圧縮エアーの供給に伴い発生する随伴流によってエゼクタ101内部に負圧を生じさせ、吸引口103を介して、キャップ73を密着させた機能液滴吐出ヘッド31の吸引が行えるようになっている。そして、後述する流量調整弁196により圧縮エアーの供給量を調節して、吸引口103からの吸引力(吸引圧力)を調節可能となっている。エゼクタ101は、可動部を有さず、比較的小型なので、機能液滴吐出ヘッド31の吸引を、エゼクタ101を用いて行う構成とすることにより、ポンプを用いて吸引を行う構成に比して、装置を小型化することができる。また、機能液に先行して吸引口103から吸引された気泡は、圧縮エアーと共に排出口104から速やかに排出されるので、ポンプで吸引を行うときとは異なり、エアー漏れによる吸引力の低下を生じない。
【0055】
吸引用チューブ111は、吸引チューブ112と、吸引チューブ112を複数(12本)に分岐させた分岐吸引チューブ113(吸引管路)と、で構成されており、分岐吸引チューブ113によって、キャップ73とエゼクタ101が接続されている。なお、本実施形態の液滴吐出装置1では、機能液非吐出時、すなわちワークWに対する機能液の吐出が一時的に休止される時、における機能液滴吐出ヘッド31のフラッシング動作で吐出された機能液を受ける機能液受けを各キャップ73が兼ねており、吸引チューブ112には、フラッシングで吐出された機能液を、キャップを介して吸引するための吸引ポンプ114が介設されている。図8に示すように、吸引ポンプ114上流の吸引チューブ112には三方弁115が介設されており、三方弁115には一端を再利用タンク162に接続され、エゼクタ101から排出された作動流体および機能液を再利用タンク162に導くための排出チューブ116が接続されている。
【0056】
そして、三方弁115を切替えることにより、エゼクタ101と吸引ポンプ114とを使い分けできるようになっている。具体的には、機能液滴吐出ヘッド31に機能液を充填する場合や、機能液滴吐出ヘッド31をクリーニングする場合には、エゼクタ101を用いるため、三方弁115を切替えて、吸引チューブ112を閉塞すると共に排出チューブ116を連通させ、フラッシングで吐出された機能液を吸引する場合のように吸引ポンプ114を用いるときには、三方弁115を切替えて、吸引チューブ112を連通させるようになっている。
【0057】
ワイピングユニット141は、吸引ユニット71と同じく共通機台13上に設けられ、機能液滴吐出ヘッド31の吸引(クリーニング)等により、機能液が付着して汚れた各機能液滴吐出ヘッド31のノズル形成面38をX軸方向に移動しながら拭き取るものである。図7に示すように、ワイピングユニット141は、拭き取り用のワイピングシート144を繰り出しながら巻き取っていく巻取りユニット142と、ワイピングシート144をノズル形成面38に接触させるための拭き取りローラ145を有する拭き取りユニット143と、で構成されている。ワイピングユニット141は、機能液滴吐出ヘッド31に十分近接した状態で、巻き取りユニット142からワイピングシート144を繰り出し、拭き取りローラ145を用いて繰り出したワイピングシート144を機能液滴吐出ヘッド31のノズル形成面38に押し当てながら、汚れを拭き取っていく。なお、繰り出されたワイピングシート144には、後述する洗浄液供給系171から洗浄液が供給されており、機能液滴吐出ヘッド31に付着した機能液を効率よく拭き取れるようになっている。
【0058】
次に、液体供給回収手段4について説明する。液体供給回収手段4は、ヘッドユニット21の各機能液滴吐出ヘッド31に機能液を供給する機能液供給系151と、メンテナンス手段3の吸引ユニット71で吸引した機能液を回収する機能液回収系161と、ワイピングユニット141に機能材料の溶剤を洗浄用として供給する洗浄液供給系171と、フラッシングユニット61で受けた機能液を回収する廃液回収系181と、で構成されている。そして、図2に示すように、共通機台13の収容室14には、図示右側から順に機能液供給系151の加圧タンク152、機能液回収系161の再利用タンク162、洗浄液供給系171の洗浄液タンク172が横並びに配設されている。そして、再利用タンク162および洗浄液タンク172の近傍には、小型に形成した廃液回収系181の廃液タンク182が設けられている。
【0059】
機能液供給系151は、大量(3L)の機能液を貯留する加圧タンク152と、加圧タンク152から送液された機能液を貯留すると共に、各機能液滴吐出ヘッド31に機能液を供給する給液タンク153と、給液通路を形成してこれらを配管接続する給液チューブ154と、で成り立っている(図1、図2、および図8参照)。加圧タンク152に貯留された機能液は、後述するエアー供給手段5から導入される圧縮エアー(不活性ガス)により、給液チューブ154を介して貯留する機能液を給液タンク153に圧送される。
【0060】
給液タンク153は、大気開放され、加圧タンク152からの圧力が縁切りされている。そして、給液タンク153は、機能液滴吐出ヘッド31よりも僅かにマイナス水頭(例えば25mm±0.5mm)に保たれており、機能液滴吐出ヘッド31から機能液が液垂れすることを防止すると共に、機能液滴吐出ヘッド31のポンピング動作、すなわちポンプ部36内の圧電素子のポンプ駆動で精度良く液滴が吐出されるようになっている。
【0061】
給液タンク153には、機能液滴吐出ヘッド31に延びる6本の給液チューブ154が繋ぎ込まれており、これらの給液チューブ154は、それぞれT字継手157を介して2本に分岐され、計12本の分岐給液チューブ155を形成している。12本の分岐給液チューブ155は、装置側配管部材としてヘッドユニット21に設けた配管ジョイント24に接続して、各機能液滴吐出ヘッド31に機能液を供給している(図1および図8参照)。また、各分岐給液チューブ155には、分岐給液チューブ155を開閉するためのヘッド側供給バルブ156が介設されており、制御手段6により開閉制御されている。
【0062】
機能液回収系161は、吸引ユニット71のエゼクタ101および吸引ポンプ114で吸引した機能液を貯留するためのもので、吸引した機能液を貯留する再利用タンク162と、吸引ポンプ114に接続され、吸引した機能液を再利用タンク162へ導く回収用チューブ164と、を有している。
【0063】
洗浄液供給系171は、ワイピングユニット141のワイピングシート144に洗浄液を供給するためのもので、洗浄液を貯留する洗浄液タンク172と、洗浄液タンク172の洗浄液を供給するための洗浄液供給チューブ(図示省略)とを有している。なお、洗浄液の供給は、洗浄液タンク172にエアー供給手段5から圧縮エアーを導入することにより為される。また、洗浄液には、比較的揮発性の高い機能液の溶剤が用いられ、機能液滴吐出ヘッド31に付着した機能液を効率よく拭き取れるようになっている。
【0064】
廃液回収系181は、フラッシングユニット61に吐出した機能液を回収するためのもので、回収した機能液を貯留する廃液タンク182と、フラッシングユニット61(フラッシングボックス62)に接続され、廃液タンク182にフラッシングボックス62へ吐出された機能液を導く廃液ポンプ(図示省略)と、これらを配管接続する廃液用チューブ(図示省略)と、を有している。
【0065】
次に、エアー供給手段5について説明する。図8に示すように、エアー供給手段5は、不活性ガス(N2)を圧縮した圧縮エアーを各部、例えば加圧タンク152やエゼクタ101等、に供給するためもので、不活性ガスを圧縮するエアーポンプ191(コンプレッサー)と、圧縮エアーを供給先に合わせて一定圧力に保つレギュレータ192と、エアーポンプ191と各部とを配管接続して、圧縮エアーを各部に供給するエアー供給チューブ193と、を備えている。なお、エアーポンプ191とレギュレータ192とを接続するエアー供給チューブ193には、圧縮エアー(機能液)中のごみを除去するためのエアー(液体)フィルタ194および油分を除去するためのセパレータ196が介設されている。また、エアーポンプ191とエゼクタ101とを接続するエアー供給チューブ193(作動流体供給管路)には、圧縮エアーの供給量を調節する流量調整弁196(流量調節弁)が介設され、各エゼクタ101に供給する圧縮エアーの供給量を調節できるようになっている。
【0066】
次に制御手段6について説明する。制御手段6は、各手段の動作を制御するための制御部を備えており、制御部は、制御プログラムや制御データを記憶していると共に、各種制御処理を行うための作業領域を有している。そして、制御手段6は、上記した各手段と接続され、装置全体を制御している。
【0067】
制御手段6による制御の一例として、吸引ユニット71を用い、機能液滴吐出ヘッド31を吸引する場合について、図8を参照しながら説明する。機能液滴吐出ヘッド31と吸引する場合、制御手段6(第1制御手段)は、上記したX・Y移動機構51を駆動して、先ずヘッドユニット21を共通機台13上に配設された吸引ユニット71に臨ませる。そして、吸引ユニット71の昇降機構91を駆動して、キャップユニット72を第1位置まで上昇させ、対応する機能液滴吐出ヘッド31に各キャップ73を密着させる。
【0068】
次に、エアー供給チューブ193に介設した流量調整弁196を徐徐に開弁し、エアー供給手段5から12個のエゼクタ101に圧縮エアーを供給して、機能液滴吐出ヘッド31の吸引を開始する。吸引時における圧縮エアーの供給量は、上記した各キャップ側圧力センサ122の検出結果に基づいて、流量調整弁196を開閉制御することによりエゼクタ101毎に適宜調節される。具体的には、吸引用チューブ111(分岐吸引チューブ113)内の吸引圧力が所定の圧力よりも低下したときには、流量調整弁196を制御して圧縮エアーの供給量を増加させ、吸引用チューブ111内の吸引圧力が所定の圧力よりも上昇した場合には、流量調整弁196を制御して圧縮エアーの供給量を低下させ、各機能液滴吐出ヘッド31の吸引が一定の吸引圧力で行われるよう制御されている。このように、圧縮エアーの供給量を各エゼクタ101で個別的に調節することにより、効率的かつ適切に各機能液滴吐出ヘッド31を吸引できるようになっている。
【0069】
なお、本実施形態では、各機能液滴吐出ヘッド31に対する吸引圧力を個別的に制御するために各キャップ73にエゼクタ101を設ける構成となっているが、エゼクタ101の吸引口103に接続する分岐吸引チューブ113を分岐させることにより、複数のキャップ73に対して1個のエゼクタ101を設ける構成としても良い。すなわち、2個のキャップ73を1個のエゼクタ101で吸引する構成としたり、12個のキャップ73を1個のエゼクタ101で吸引する構成とすることも可能であり、エゼクタ101の設置数は状況に応じて適宜変更可能である。
【0070】
機能液滴吐出ヘッド31の吸引を終了させるときには、先ず流量調整弁196を徐徐に閉弁させる。これにより、吸引圧力が急激に低下することを防ぎ、吸引終了後に、機能液滴吐出ヘッド31内に気泡が逆流することを防止している。また、流量調整弁196の閉弁と共に、上記したキャップ側開閉弁123は閉弁制御され、確実に吸引動作を終了させて、高価な機能液を無駄に消費しないようになっている。
【0071】
そして、昇降機構91を駆動して、キャップユニット72を下降させ、各キャップ73を大気開放すると共に、再び流量調整弁196を開弁する。これにより、各キャップ73の吸収材85に吸収された機能液および吸引用チューブ111に残留した機能液を再利用タンク162に導くことができる。なお、キャップ73が大気開放可能に構成されていない場合には、上記したキャップ側開閉弁123を、大気開放ポートを有する三方弁で構成することが好ましい。そして、流量調整弁196の閉弁と共に、キャップ側開閉弁123を大気開放ポートに切替えた後、流量調整弁196を開弁するようにし、吸引用チューブ111内に機能液が残留して目詰まりが生じることを防止する。
【0072】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の液滴吐出装置1の基本構成は、上述した第1実施形態と略同様であるが、第2実施形態の液滴吐出装置1では、吸引ユニット71のエゼクタ101に供給する作動流体にエアー供給手段5からの圧縮エアーではなく、機能液を用いている点で異なっている。
【0073】
図9を参照して説明すると、エゼクタ101の供給口102は、圧力調整弁202を介して、高圧ポンプで構成された機能液ポンプ201に接続され、排出口104は接続チューブ203(排出管路)を介して再利用タンク162(貯留タンク)に接続されている。そして、本実施形態では、圧力調整弁202を用いて、機能液ポンプ201から送液された機能液の圧力を制御することにより、エゼクタ101の吸引力を調整している。なお、エゼクタ101の吸引口103は、第1実施形態と同様に分岐吸引チューブ113によりキャップ73に接続されており、キャップ73を介して、機能液滴吐出ヘッド31から吸引可能に構成されている。
【0074】
再利用タンク162と機能液ポンプ201とは、接続チューブ203で接続されており、機能液ポンプ201からエゼクタ101および再利用タンク162に至るまでの管路と、再利用タンク162から機能液ポンプ201に至るまでの管路と、で作動流体となる機能液が循環する循環管路204が構成されている。そして、再利用タンク162と機能液ポンプ201とを接続する循環管路204には、大気開放ポートを有する三方弁で構成された開閉弁205(循環管路開閉弁)が介設されている。また、再利用タンク162には、循環管路204を満たすことができる量の機能液が予め貯留されており、作動流体としての機能液を間断なくエゼクタ101に供給することで、安定した吸引が可能となっている。
【0075】
ここで、図9を参照しながら、機能液滴吐出ヘッド31の一連の吸引動作および制御について説明する。先ず、制御手段6(第2制御手段)は、第1実施形態の場合と同様にヘッドユニット21を吸引ユニット71に臨ませた後、各機能液滴吐出ヘッド31にキャップ73を密着させる。次に、機能液ポンプ201の駆動を開始し、再利用タンク162からエゼクタ101の作動流体となる機能液を汲み出して、圧力調整弁202に機能液を送液する。
【0076】
圧力調整弁202は、キャップ73毎に適切な吸引圧力が保持されるよう、各キャップ側圧力センサ122の検出結果に基づいて制御手段6によって制御されている。具体的には、分岐吸引チューブ113内の吸引圧力が所定圧力よりも低下したときには機能液の送液量を増加させ、分岐吸引チューブ113内の吸引圧力が所定圧力よりも上昇したときには機能液の送液量を減少させる。
【0077】
圧力調整弁202を経た機能液は、適切な圧力でエゼクタ101の供給口102に送液され、吸引力を生じさせながら、排出口104から再利用タンク162に排出される。また、機能液滴吐出ヘッド31から吸引された機能液も、エゼクタ101内部で供給口102から供給された機能液と合流し、排出口104から再利用タンク162に排出される。そして、再利用タンク162に排出された機能液は、再び機能液ポンプ201で汲み出されて、作動流体として循環していく。
【0078】
このように、本実施形態では、作動流体として非圧縮性の機能液を用いているため、機能液滴吐出ヘッド31をより一層効率よく吸引可能である。また、機能液を循環させる構成となっているので、機能液滴吐出ヘッド31の吸引で使用する機能液の量を最小限に抑えることができると共に、再利用タンクを小型化して装置の省スペース化を図ることができる。さらに、作動流体に圧縮エアーを用いる場合と異なり、吸引された機能液を排出する際に気泡(圧縮エアー)が混じることがないので、排出された機能液を容易に再利用可能となっている。
【0079】
機能液滴吐出ヘッド31に対する吸引動作を終了させるときには、吸引圧力の急激な低下を防ぐために、制御手段6は、圧力調整弁202を制御してエゼクタ101に供給する機能液の圧力を徐徐に低下させると共に、機能液ポンプ201による機能液の送液量を減少させる。そして、上記した開閉弁205を閉弁させ、再利用タンク162からの機能液の供給を停止させる。続けて、開閉弁205を大気開放ポートに切替え、循環管路を大気開放することにより、循環管路内に残留する機能液を再利用タンク162に送り込む。そして、機能液ポンプ201の駆動を停止させ、吸引動作を終了する。
【0080】
このように、第1実施形態および第2実施形態の液滴吐出装置1では、エゼクタを用いて機能液滴吐出ヘッド31の吸引を行う構成となっているので、ポンプを用いて吸引を行う場合と異なり、機能液に先行して吸引される気泡の影響を受けて吸引力が低下することがなく、効率的に機能液滴吐出ヘッド31の吸引を行うことができる。したがって、上記した液滴吐出装置1を各種製品の製造に適用することにより、効率的な製造を行うことができる。
【0081】
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。
【0082】
先ず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図10は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図11は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S11)では、図11(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
【0083】
続いて、バンク形成工程(S12)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図11(b)に示すように、基板501及びブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。さらに、図11(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド31により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
【0084】
以上のブラックマトリクス形成工程及びバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置精度が向上する。
【0085】
次に、着色層形成工程(S13)では、図11(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド31によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド31を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライブ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
【0086】
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S14)に移り、図11(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、基板501を個々の有効画素領域毎に切断することによって、カラーフィルタ500が得られる。
【0087】
図12は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図11に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0088】
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、及び、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
【0089】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図12において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料により形成されている。
【0090】
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0091】
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
【0092】
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、機能液滴吐出ヘッド31で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を機能液滴吐出ヘッド31で行うことも可能である。
【0093】
図13は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
【0094】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
【0095】
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0096】
図14は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
【0097】
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
【0098】
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561及び信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
【0099】
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
【0100】
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
【0101】
次に、図15は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
【0102】
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603及び陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602及び基板601を透過して観測者側に出射されるとともに、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602及び基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
【0103】
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607a及びドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
【0104】
また、回路素子部602には、下地保護膜606及び半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609及びゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
【0105】
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
【0106】
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
【0107】
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613及び機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、及び、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
【0108】
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
【0109】
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層を更に形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成する事も可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸等の混合物を用いる。
【0110】
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、又は青色(B)の何れかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層120aに対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることができる。このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
【0111】
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
【0112】
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
【0113】
次に、上記の表示装置600の製造工程を図16〜図24を参照して説明する。
この表示装置600は、図16に示すように、バンク部形成工程(S21)、表面処理工程(S22)、正孔注入/輸送層形成工程(S23)、発光層形成工程(S24)、及び対向電極形成工程(S25)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
【0114】
まず、バンク部形成工程(S21)では、図17に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図18に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
【0115】
表面処理工程(S22)では、親液化処理及び撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aa及び画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618s及び有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド31を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
【0116】
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図1に示した液滴吐出装置1の吸着テーブル53に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S23)及び発光層形成工程(S24)が行われる。
【0117】
図19に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S23)では、機能液滴吐出ヘッド31から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図20に示すように、乾燥処理及び熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
【0118】
次に発光層形成工程(S24)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒ならびに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
【0119】
そして次に、図21に示すように、各色のうちの何れか(図21の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
【0120】
その後、乾燥工程等を行う事により、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図22に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
【0121】
同様に、機能液滴吐出ヘッド31を用い、図23に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)及び緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決める事も可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライブ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
【0122】
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617a及び発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S25)に移行する。
【0123】
対向電極形成工程(S25)では、図24に示すように、発光層617b及び有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
【0124】
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
【0125】
次に、図25は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、及びこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
【0126】
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
【0127】
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
【0128】
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、及びMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0129】
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、及び蛍光体709を、図1に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板126を液滴吐出装置1の吸着テーブル53に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド31により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、又はニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
【0130】
補充対象となる全てのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
【0131】
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711及び蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド31から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
【0132】
次に、図26は、電子放出装置(FED装置:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、及びこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
【0133】
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
【0134】
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
【0135】
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0136】
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
【0137】
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図27(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図27(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
【0138】
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
【0139】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の機能液滴吐出ヘッドの吸引方法および吸引装置は、機能液滴吐出ヘッドの吸引手段としてエゼクタを用いているので、機能液に先行して吸引される気泡の影響を受けることなく、適切な吸引力を維持して効率的に機能液滴吐出ヘッドの吸引を行うことができる。したがって、機能液滴吐出ヘッドから気泡を効率的に排出して、機能液滴吐出ヘッドの吸引で消費する機能液を削減することができると共に、吸引に要する時間を最小限に抑えることができる。また、エゼクタは、ポンプに比べて小型であるので、装置を小型化することができる。
【0140】
また、本発明の液滴吐出装置は上記の吸引装置を備えているので、装置の省スペースを図ることができる。また、機能液滴吐出ヘッドに機能液を充填する際や、機能液滴吐出ヘッドをクリーニングする際のように、機能液滴吐出ヘッドの吸引を行う場合に効率よく吸引することが可能である。
【0141】
本発明の電気光学装置の製造方法、電気光学装置、電子機器では、上記した液滴吐出装置を用いて製造されているため、機能液滴吐出ヘッドの吸引に要する機能液量および時間を削減することができ、効率的にこれらの製造を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における機能液滴吐出装置の外観斜視図である。
【図2】本実施形態における機能液滴吐出装置の右側面図である。
【図3】ヘッドユニットの平面図である。
【図4】(a)は機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図、(b)は機能液滴吐出ヘッドを配管アダプタに装着したときの断面図である。
【図5】吸引ユニットの外観斜視図である。
【図6】吸引ユニットのキャップ廻りの断面図である。
【図7】ワイピングユニットを説明した図であり、(a)はワイピングユニットの模式図、(b)はワイピング動作の説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態における機能液滴吐出ヘッド、これに接続される機能液供給系、エアー供給手段、および吸引ユニットの模式図である。
【図9】本発明の第2実施形態における機能液ポンプおよび吸引ユニット廻りの模式図である。
【図10】カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。
【図11】(a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。
【図12】本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図13】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図14】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図15】有機EL装置である表示装置の要部断面図である。
【図16】有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。
【図17】無機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図18】有機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図19】正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。
【図20】正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。
【図21】青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。
【図22】青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図23】各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図24】陰極の形成を説明する工程図である。
【図25】プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。
【図26】電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。
【図27】表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
【符号の説明】
1 液滴吐出装置 2 吐出手段
3 メンテナンス手段 4 機能液供給回収手段
5 エアー供給手段 6 制御手段
31 機能液滴吐出ヘッド 38 ノズル形成面
39 吐出ノズル 73 キャップ
101 エゼクタ 102 供給口
103 吸引口 104 排出口
113 分岐吸引チューブ 122 キャップ側圧力センサ
123 キャップ側開閉弁 162 再利用タンク
191 エアーポンプ 193 エアー供給チューブ
196 流量調整弁 201 機能液ポンプ
202 圧力調整弁 204 循環管路
205 開閉弁 W ワーク

Claims (11)

  1. 機能液滴を吐出するインクジェットヘッドで構成した機能液滴吐出ヘッドに機能液を充填する初期充填、および前記機能液滴吐出ヘッド内で増粘した機能液を除去するクリーニングのために、
    前記機能液滴吐出ヘッドのノズル面にキャップを密着させ、前記キャップを介して前記機能液滴吐出ヘッドを吸引する機能液滴吐出ヘッドの吸引装置において、
    前記キャップと連通して、前記機能液滴吐出ヘッドのヘッド内流路に連なるノズルを吸引するエゼクタと、
    前記エゼクタに作動流体を供給する作動流体供給手段と、
    前記キャップと前記エゼクタの吸引口を接続する吸引管路内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記作動流体供給手段と前記エゼクタの供給口とを接続する作動流体供給管路に介設され、前記エゼクタに供給する前記作動流体の流量を調節する流量調節弁と、
    前記吸引管路に介設され、前記吸引管路を開閉する吸引管路開閉弁と、
    前記圧力検出手段の検出結果に基づいて前記流量調節弁を制御すると共に、前記吸引管路開閉弁を制御する第1制御手段と、を備え、
    前記第1制御手段は、前記機能液滴吐出ヘッドに対する吸引終了時に、前記流量調整弁を閉弁させると共に、前記吸引管路開閉弁を閉弁させることを特徴とする機能液滴吐出ヘッドの吸引装置。
  2. 前記エゼクタは、前記キャップの近傍に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の機能液滴吐出ヘッドの吸引装置。
  3. 前記第1制御手段は、前記機能液滴吐出ヘッドに対する吸引終了時に、前記流量調節弁を徐々に閉弁させることを特徴とする請求項1または2に記載の機能液滴吐出ヘッドの吸引装置。
  4. 前記吸引管路開閉弁は、大気開放ポートを有する三方弁で構成されており、
    前記第1制御手段は、前記吸引管路開閉弁の閉弁と同時に前記大気開放ポートを開放すると共に、再び前記流量調節弁を開弁することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の機能液滴吐出ヘッドの吸引装置。
  5. 予め機能液を貯留していると共に、排出管路により前記エゼクタの排出口に接続された貯留タンクをさらに備え、
    前記作動流体供給手段は、ポンプで構成されると共に、循環管路を介して前記貯留タンクに接続されており、作動流体として機能液を供給することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の機能液滴吐出ヘッドの吸引装置。
  6. 前記作動流体供給手段と前記貯留タンクとを接続する前記循環管路には、大気開放ポートを有する三方弁で構成された循環管路開閉弁が介設されており、
    前記機能液滴吐出ヘッドに対する吸引終了時に、前記循環管路開閉弁を閉弁すると共に前記循環管路開閉弁の前記大気開放ポートを開放する第2制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の機能液滴吐出ヘッドの吸引装置。
  7. 前記機能液滴吐出ヘッドは、複数設けられており、
    前記キャップ、前記エゼクタ、および前記吸引管路は、前記複数の機能液滴吐出ヘッドに対応してそれぞれ複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の機能液滴吐出ヘッドの吸引装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の機能液滴吐出ヘッドの吸引装置と、
    ワークに機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドと、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  9. 請求項8に記載の液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  10. 請求項8に記載の液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項10に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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